JP2008302369A - トーチクリーナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスシールド式のアーク溶接用トーチを清掃するトーチクリーナ装置であって、トーチ2の先端を当接して相対回転することによりトーチ2の先端の堆積異物を除去する端面除去具21を設ける。この端面除去具21は、トーチ2当接方向先細りのテーパ面21aに開口28を穿孔して、この開口28の縁部で刃部29を形成する。
【選択図】図10
Description
前記異物剥離装置は、トーチのガス通路内へ細長い刃物を挿入させてこれをトーチに対して偏心回転(円周移動)させることで異物を掻き落とすようになっており、トーチ外部清掃装置は、ゴム製の支持台に支持棒を立ててこの上部に平型円盤状のブラシ体を固定したもので、トーチの先端をブラシ体の外周面へ押し当てた状態で、トーチ側をブラシ体まわりで周回させたり上下動させたりすることで異物を擦り落とすようになっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、トーチの先端に付着した異物を確実且つ綺麗に除去できるようにしたトーチクリーナ装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係るトーチクリーナ装置1は、アーク溶接用トーチ2の先端を当接して相対回転することにより、前記トーチ2の先端の堆積異物を除去する端面除去具21が設けられている。
このような構成であると、トーチ2先端、特に、トーチ2の先端全周と端面除去具21とを強く当接させることが可能であるため、トーチ2の先端に付着した異物(例えば、トーチ2先端を取り囲む状態で強固に付着したリング状のスパッターなど)を確実に除去することができる。
このようにすると端面除去具21としての構造簡潔化が可能であり、製作の容易化や低コスト化が図れることになる。また、トーチ2の先端に対して刃部29の当接圧(面圧)を高めることができるため、強固に付着した異物も確実に除去できる利点がある。
前記アーク溶接用トーチ2はワイヤノズル100の回りに周隙間Sを保持してガスノズル101が外嵌されており、前記端面除去具21と同芯に配置されていて端面除去具21に当接されるガスノズル101の先端101a内に挿入される吸引パイプ40と、この吸引パイプ40内を負圧にすることでトーチ2外周からトーチ2先端内及び吸引パイプ40内を経て空気を吸引する吸引手段41とが設けられたものとすることができる。
付着防止剤を貯溜していて前記トーチ2先端を浸し可能な貯剤部63を設けておけばよい。
ガスノズル101の先端101aに予め付着防止剤等を付着させていた場合には、前記吸引手段41によるガスノズル101の先端101a付近の空気流によって、付着防止剤を霧化させつつガスノズル101内へと導入させることができる。
図1乃至図12は、トーチクリーナ装置1の第1実施形態を示している。このトーチクリーナ装置1は、例えば、ガスシールド式アーク溶接ロボットのアームに備えられる溶接用トーチ2からスパッターやスラグ等の異物を除去し清掃(クリーニング)するためのものであり、前記トーチ2はアームに軸芯廻り回動可能に取り付けられている。
図1乃至図4から明かなように、箱状の装置本体3に対し、主としてトーチ2内に付着した異物を除去する内部清掃装置5及び吸引清掃装置6と、主としてトーチ2外に付着した異物を除去するエッジ清掃装置7及び先端清掃装置8とを有している。
トーチ2は、図12等に示すように、ワイヤノズル100とその回りに外嵌されたガスノズル101との周隙間Sにガス通路102が形成され、ガス孔から噴出されたガスがガス通路102を経て溶接部位へ噴射させると共に、ワイヤノズル100の先端部からワイヤが必要量、送り出されて突出される構成となっている。
[エッジ清掃装置]
エッジ清掃装置7は、浮き床12の上方で昇降台20を介して設けられた端面除去具21を有している。昇降台20は、浮き床12に設けられた軸ホルダー22に対して上下に貫通する状態で上下動自在に保持されたガイド軸23を介してその上端部で支持されるようになっている。
端面除去具21はトーチ2の先端を受ける受け部材であり、上下に貫通する中央孔27を有しており、この中央孔27の上端側の開口縁部には、トーチ2が当接する方向において先細りとなるテーパ面21aが形成されている。テーパ面21aの上端位置での内径はトーチ2の先端外径より大きく、またテーパ面21aの下端位置での内径はトーチ2の先端外径よりも小さく形成されている。
そのため、この端面除去具21に対してトーチ2の先端を当接させ、これら端面除去具21とトーチ2とを相対回転させれば、図8や図11に示すように、トーチ2の先端エッジが開口28の刃部29で擦られる状態となり、ガスノズル101の先端101aにリング形状に異物が堆積して付着していれば、この異物は確実に除去されることになる。除去された異物は前記開口28からも端面除去具21の外方へ排出される。
浮き床12の下部には、各エッジ清掃装置7ごとに、昇降台20の下降をガイド軸23の変位から検出するようにした第1検出器30(図参照)及び第2検出器31(図参照)が設けられている。
[内部清掃装置]
内部清掃装置5は、2台あるエッジ清掃装置7のうちの一方と併設されたもので、図5乃至図8に示すように、端面除去具21の中央孔27内へ上端部を挿通させるような状態で浮き床12上に立設された内周除去具35を有している。
この内周除去具35は、緩い円弧状に湾曲された巻き芯Pを有するコイルバネにより形成されている。また内周除去具35(コイルバネ)の外径はトーチ2におけるガスノズル101の内径より小さく、内径はワイヤノズル100の外径よりも大きく形成されている。
前記内周除去具35の上端は、端面除去具21が最上位置にあるときその中央孔27内に位置し、トーチ2に対して非同芯で偏心していても、中央孔27より若干大径のガスノズル101内に入り込み、それらより小径のワイヤノズル100に嵌合可能になっている。
従ってこの内周除去具35は、端面除去具21にトーチ2の先端を当接させた状態で、更にトーチ2の下降によって端面除去具21を押し下げることに伴い、トーチ2に対してワイヤノズル100とガスノズル101との周隙間S(ガス通路102内)へ挿入することができるものであり、尚かつ、この挿入状態のまま内周除去具35を回転させた場合(トーチ2を回転させてもよい)には、内周除去具35がバネ弾性による偏心方向の変形性や軸方向の伸縮性を発揮してガスノズル101の内周面やワイヤノズル100の外周面に対し、それらの全周且つ軸方向の略全域に余すところなく接触するようになる。
[吸引清掃装置]
吸引清掃装置6は、2台あるエッジ清掃装置7のうち、内部清掃装置5に併設のものとは別のエッジ清掃装置7に併設されていて、図9乃至図11に示すように、端面除去具21と同芯に配置された吸引パイプ40と、この吸引パイプ40内を負圧にする吸引手段41とを有している。
前記吸引パイプ40の下端部にはパイプホルダー42が外嵌され、このパイプホルダー42に対して吸引パイプ40が上下動自在な状態に保持されている。パイプホルダー42の上端部に設けられた内フランジ42aと吸引パイプ40の下端部に設けられた外フランジ40aとが係合して、吸引パイプ40は上方へ抜け出さないように保持される。
パイプホルダー42内には吸引パイプ40が最上位置まで上昇しても吸引パイプ40へ差し込み状態を維持する段付きの連通パイプ44が設けられており、パイプホルダー42の内周面とこの連通パイプ44の外周面との周間に装填されたコイルバネ43により、吸引パイプ40が押し上げ付勢されるようになっている。これらによりショックアブソーバー機構が構成され、トーチ2内に挿入された吸引パイプ40が万が一、トーチ2内で奥付き状態を起こすことがあったとしても、トーチ2や吸引パイプ40が破損することが防止される。
図1及び図4に示すように、送風管50には電磁バルブ51などを介して装置外から圧力空気が供給可能になっている。送風管50へ圧力空気が供給された場合、この圧力空気は連通孔49を抜けて径小管部46内へ入り、排出管47を通って装置外(図9の下方)へと排気されるようになる。
なお、このようにして吸引パイプ40内が吸引状態にされることでガスノズル101内が吸引されるとき、ガスノズル101の先端101aは図11に示すように、端面除去具21のテーパ面21aに当接した状態となっている。従ってトーチ2内には、端面除去具21のテーパ面21aに形成された開口28を介して外気の流れ込みが可能になっている。すなわち、ガスノズル101の先端101a付近の空気が端面除去具21の上方及び外周から開口28を通ってガスノズル101内へと流れることになる。
[先端清掃装置]
先端清掃装置8は、図1乃至図3、及び図12に示すように、ブラケット55を介して固定されたゴム製の支持台56と、この支持台56に立てられた支持棒57を介して保持された円盤状の段付きブラシ58とを有している。この段付きブラシ58は、トーチ2におけるガスノズル101の先端101aに摺接する端面ブラシ60と、ガスノズル101の先端外周面101bに摺接する周面ブラシ61とが段付き状態に配置されている。
[付着防止剤塗布装置]
付着防止剤塗布装置9は、図1乃至図3に示すように、トーチ2の先端を浸し可能な貯剤部63を有している。この貯剤部63は、装置本体3に取り付けられた容器台64と、この容器台64に載せられる容器65とを有したもので、容器65内に異物付着防止剤が貯留される。
[ワイヤ切断装置]
ワイヤ切断装置10は、図1、図2、図4に示すように、装置本体3の上面で浮き床12と横並びになる状態で設けられており、水平置きされたモータ66の回転軸67に取り付けられた可動刃68と、この可動刃68の回転域側部に固定された固定刃69とを有している。なお、このワイヤ切断装置10には、トーチ2の先端から突出したワイヤが可動刃68の回転域内へ入り込む位置までトーチ2が接近したときにトーチ2を検出する第3検出器70が設けられている。
[動作]
次に、本発明の実施例の作用を説明する。
内周除去具35は回転しながらワイヤノズル100とガスノズル101との周隙間S(ガス通路102内)内に挿入されることにより、バネ弾性による偏心方向の変形性や軸方向の伸縮性を発揮しながらガスノズル101の内周面やワイヤノズル100の外周面に対し、それらの全周且つ軸方向の略全域に余すところなく接触するようになる。
トーチ2は所要高さまで下降した後に上昇し、第1検出器30による検出がなくなるまで内周除去具35は回転を持続する。
この内周除去具35による清掃に前後して又は同時に、端面除去具21に対してトーチ2を押し付けたまま回転させる。それによりエッジ清掃装置7では、ガスノズル101の先端101a全周を端面除去具21の刃部29(開口28の縁部)で擦るようになって、ガスノズル101の先端101aに付着した異物(例えば、トーチ2先端を取り囲む状態で強固に付着したリング状のスパッターなど)を削り落とす。
そしてこの吸引清掃装置6の上方位置にてトーチ2が下降され、吸引清掃装置6と併設されているエッジ清掃装置7の端面除去具21にトーチ2の先端が当接し、更にこの端面除去具21を押し下げていく。
吸引清掃装置6においては、ガスノズル101内に端面除去具21のテーパ面21aに形成された開口28を介して外気が流れ込み、ガスノズル101の外周から内側へと空気が通過するので、ガスノズル101の先端101a付近に付着した付着防止剤が、ガスノズル101の外周から先端101aを通ってガスノズル101内へと通過する空気により霧化され、吸引パイプ40の先端へと導かれるので、ガスノズル101の内周面及び吸引パイプ40内のワイヤノズル100の外周面に、付着防止剤が効率よく、また均一に拡散されて付着される。
この吸引清掃装置6においても、その清掃に前後してまたは同時に、端面除去具21の刃部29によるガスノズル101の先端101a全周のエッジ清掃を行ってもよい。
次にトーチ2は先端清掃装置8へ向けて移動される。そしてトーチ2はこの先端清掃装置8の上方位置にて下降され、段付きブラシ58の端面ブラシ60にトーチ2におけるガスノズル101の先端101aが当接し、また同時に、段付きブラシ58の周面ブラシ61にガスノズル101の先端外周面101bが当接する状態にセットされる。
[別実施形態]
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば内部清掃装置5のみ、又は内部清掃装置5と吸引清掃装置6、エッジ清掃装置7、先端清掃装置8、付着防止剤塗布装置9又はワイヤ切断装置10のいずれか1つの装置とを組み合わせてもよく、ワイヤ切断装置10を設けずに、装置本体3上に先端清掃装置8及び/又は付着防止剤塗布装置9を配置したりしてもよい。
更に、トーチ2は回転可能であるので、端面除去具21は回転不能に構成されているが、この端面除去具21を昇降台20に回転可能に設けてもよい。
2 トーチ
21 端面除去具
21a テーパ面
28 開口
29 刃部
40 吸引パイプ
41 吸引手段
63 貯剤部
Claims (4)
- アーク溶接用トーチ(2)の先端を当接して相対回転することにより前記トーチ(2)の先端の堆積異物を除去する端面除去具(21)が設けられていることを特徴とするトーチクリーナ装置。
- 前記端面除去具(21)は、トーチ(2)当接方向先細りのテーパ面(21a)に開口(28)を穿孔して、この開口(28)の縁部で刃部(29)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトーチクリーナ装置。
- 前記アーク溶接用トーチ(2)はワイヤノズル(100)の回りに周隙間(S)を保持してガスノズル(101)が外嵌されており、前記端面除去具(21)と同芯に配置されていて端面除去具(21)に当接されるガスノズル(101)の先端(101a)内に挿入される吸引パイプ(40)と、この吸引パイプ(40)内を負圧にすることでトーチ(2)外周からトーチ(2)先端内及び吸引パイプ(40)内を経て空気を吸引する吸引手段(41)とが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトーチクリーナ装置。
- 付着防止剤を貯溜していて前記トーチ(2)先端を浸し可能な貯剤部(63)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトーチクリーナ装置。
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