JP2008302120A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行う。
【解決手段】ミシンは、主軸に連動して上下動する針棒と、主軸に連結され、回転する下軸20と、下軸に装着される下軸ギア30と、下軸ギアを下軸の所定位置に固定する固定部材32と、下軸ギアに噛み合う釜軸ギア70と、釜軸ギアが固定された釜軸を回転可能に支持する釜軸台50と、釜軸に支持され、縫い針に通された上糸をその剣先が捕捉する水平釜を備えたミシン1において、下軸ギアを回転可能に支持すると共に、釜軸台に係合し、釜軸台の下軸の軸線方向への移動に伴い下軸ギアを同方向に移動させる移動部材40と、釜軸台の下軸の軸線方向に沿って移動可能に支持すると共に、所定位置で釜軸台をミシン機枠に固定する調節手段100,200と、を備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、水平釜を備えるミシンに関する。
平行な2本の縫い目を同時に形成するためのミシンとして2本針ミシンが知られている。2本針ミシンでは、針棒に取り付けられた左右一対の針が上軸の回転により上下動を行う。一方、針の上下動に同期して、ミシンベッド内に支持された左右一対の水平釜が釜軸回りに回転する。各水平釜の回転はミシン上軸に連動する下軸の回転によって行われる。針の上下動と水平釜の回転により、針の針穴に挿通された上糸に水平釜に収納されたボビンの下糸を交絡させて縫い目を形成する。
2本の針の間隔は調節可能であり、針の間隔を調節すると、針に合わせて各水平釜の配置位置も調節する必要があり、この作業を釜合わせという。釜合わせは、釜軸を支持する釜軸台を下軸に沿って移動させることにより行う(例えば、特許文献1参照。)。
米国特許第2095450号明細書
ところで、下軸にはねじ歯車から構成された下軸ギアが設けられ、釜軸にはねじ歯車から構成された釜軸ギアが設けられ、下軸ギアと釜軸ギアは噛み合わされている。このような構成とすることにより、下軸を回転させることでその駆動が下軸ギアから釜軸ギアに伝達され、釜軸の回転により水平釜が回転する。
しかし、釜合わせをする際に釜軸ギアを支持する釜軸台を下軸に沿って移動させると、その移動により下軸ギアと釜軸ギアの噛み合っている位置がずれてしまう。これに伴い、下軸の回転の位相と釜軸の回転の位相にずれが生じ、針に通された上糸を水平釜が捕捉するタイミングがずれてしまい、釜合わせが困難であった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができるミシンを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、主軸に連動して上下動する針棒と、前記主軸に連結され、回転する下軸と、前記下軸の軸線方向に沿って移動可能で該下軸に装着される下軸ギアと、前記下軸ギアを前記下軸の所定位置に固定する固定部材と、前記下軸ギアに噛み合う釜軸ギアと、前記釜軸ギアが固定された釜軸を回転可能に支持する釜軸台と、前記釜軸に支持され、縫い針に通された上糸をその剣先が捕捉する水平釜を備えたミシンにおいて、前記下軸ギアを回転可能に支持すると共に、前記釜軸台に係合し、前記釜軸台の前記下軸の軸線方向への移動に伴い前記下軸ギアを同方向に移動させる移動部材と、前記釜軸台を前記下軸の軸線方向に沿って移動可能に支持すると共に、所定位置で前記釜軸台をミシン機枠に固定する調節手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、移動部材は下軸ギアを回転可能に支持すると共に、釜軸台に係合し、釜軸台の下軸の軸線方向への移動に伴い下軸ギアを同方向に移動させる。そして、調節手段は、釜軸台を下軸の軸線方向に沿って移動可能に支持すると共に、所定位置で釜軸台をミシン機枠に固定する。
これにより、水平釜の位置を調節するために釜軸台を移動させたい場合には、下軸ギアを下軸に沿って移動させるとよい。そして、下軸ギアの移動により、釜軸ギアも移動することになるので、釜軸台を移動させても下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置がずれることはなく、水平釜の位置だけを調節することができる。
よって、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記移動部材が、前記釜軸台に保持可能であると共に、前記下軸ギアに係合するブッシュであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、移動部材としてブッシュを用いることにより、入手容易かつ簡易な部品で移動部材としての機能を果たすことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記移動部材が、前記釜軸ギアに形成された第1外周溝と、一端側が前記第1外周溝に係合し、他端側が前記釜軸台に支持される案内板とを有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、案内板の移動により、案内板に係合する第1外周溝を有する釜軸ギアが移動する。
よって、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
また、釜軸ギアに第1外周溝を形成し、当該第1外周溝に案内板を係合させるだけでよいので、入手容易かつ簡易な部品で移動部材としての機能を果たすことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記調節手段が、前記下軸の軸線方向に沿って前記釜軸台に形成された穴部と、前記穴部に遊嵌される第1締結部材とを有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、ミシン機枠に対する釜軸台の固定位置を調節する際には、第1締結部材を緩めて釜軸台を移動させ、移動後に第1締結部材を締めて釜軸台を固定すると良い。
これにより、釜軸台はミシンベッドに対して移動することができるので、ミシンベッドに対する釜軸台の固定位置を調節することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のミシンにおいて、前記調節手段が、前記釜軸台に形成された第1調節穴と、その偏心部が前記第1調節穴に係合し、回動により前記釜軸台を前記下軸の軸線方向に沿って移動させる第1偏心ピンとを有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、調節手段は、第1調節穴と第1偏心ピンを有するので、釜軸台の位置を調節する際には、第1偏心ピンを回転させて釜軸台を移動させることができる。
これにより、釜軸台はミシンベッドに対して移動することができるので、ミシンベッドに対する釜軸台の固定位置を調節することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のミシンにおいて、前記ブッシュに形成された第2外周溝と、前記釜軸台に回動可能に支持されると共に、前記第2外周溝に係合して、回動により前記下軸ギアを前記下軸の軸線方向に沿って移動させる第2偏心ピンと、を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、回動により下軸ギアを下軸の軸線方向に沿って移動させることができる。
これにより、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載のミシンにおいて、前記案内板に形成された調節溝と、その偏心部が前記調節溝に係合して、回動により前記下軸ギアを前記下軸の軸線方向に沿って移動させる第3偏心ピンと、を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、回動により下軸ギアを下軸の軸線方向に沿って移動させることができる。
これにより、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
請求項1に記載の発明によれば、水平釜の位置を調節するために釜軸台を移動させたい場合には、下軸ギアを下軸に沿って移動させるとよい。そして、下軸ギアの移動により、釜軸ギアも移動することになるので、釜軸台を移動させても下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置がずれることはなく、水平釜の位置だけを調節することができる。
よって、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、移動部材としてブッシュを用いることにより、入手容易かつ簡易な部品で移動部材としての機能を果たすことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
また、釜軸ギアに第1外周溝を形成し、当該第1外周溝に案内板を係合させるだけでよいので、入手容易かつ簡易な部品で移動部材としての機能を果たすことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、釜軸台はミシンベッドに対して移動することができるので、ミシンベッドに対する釜軸台の固定位置を調節することができる。
請求項5に記載の発明によれば、釜軸台はミシンベッドに対して移動することができるので、ミシンベッドに対する釜軸台の固定位置を調節することができる。
請求項6に記載の発明によれば、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、下軸ギアと釜軸ギアの噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
以下、図面を参照して、ミシンの最良の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態においては、二本針を有するミシンを例に挙げて説明する。
〔第1実施形態〕
<ミシンの構成>
図1に示すように、ミシン1は、複数の脚部2の上端で支持されたミシンテーブル3と、正面視略コ字状に形成され、ミシンテーブル3に設けられたミシン機枠4と、を備えている。
(全体構成)
ミシンテーブル3の下部には、ミシン1による縫製の駆動源となるミシンモータ5が設けられている。ミシンモータ5は、ミシン機枠4内に設けられた上軸(図示略)及び下軸20(図4参照)にベルトを介して連結されている。
上軸には、当該上軸の軸回りの回転に同期して上下動する二つの針棒6,7が連結されている。各針棒6,7に上糸が挿通される縫い針8,9がミシン1の上下方向に沿った一軸線上にそれぞれ設けられている。従って、ミシンモータ5が駆動することで、その駆動はベルトを介して上軸から縫い針8,9に伝えられ、縫い針8,9が上下動する。ここで、縫い針8,9は、ミシン1の正面に向かって左右方向に並んで設けられている。
下軸20は、上軸にベルト等を介して連結され、ミシンモータ5の駆動とともに軸回りに回転して水平釜10,11(図2参照)を回転させることができる。
また、ミシンモータ5には、当該ミシンモータ5の駆動制御を行う制御装置12が電気的に接続されている。制御装置12には、ミシン1への駆動指示入力信号を制御装置12に送信する操作ペダル13が電気的に接続されている。
ミシンテーブル3の下部には、押下によりミシン機枠4の電源のON/OFFを行う電源スイッチ14が設けられている。
図2に示すように、ミシンテーブル3の上面には開口が形成され、この開口にはミシン機枠4の下部に位置するミシンベッド4aが収納されている。このミシンベッド4aの上面には開口4bが形成され、この開口4bの内部には、水平釜10,11や送り歯15が設けられている。
水平釜10は、縫い針8が下降した際に縫い針8の側面と水平釜10の剣先10aとの間にわずかな隙間が形成されるように縫い針8の上下動経路に接近させて配置されている。水平釜11は、縫い針9が下降した際に縫い針9の側面と水平釜11の剣先11aとの間にわずかな隙間が形成されるように縫い針9の上下動経路に接近させて配置されている。
(下軸、下軸ギア)
図3,4に示すように、下軸20には、その外周に下軸20と同軸上に下軸ギア30,31が設けられている。下軸ギア30,31は、ねじ歯車から構成され、下軸20の軸線方向に沿って移動可能に設けられている。図5に示すように、下軸ギア30は、下軸ギア30の径方向に形成された貫通ねじ穴30aに固定部材としての止めねじ32が挿入、螺合されている。この止めねじ32の先端が下軸20に突き当てられることにより、下軸ギア30を下軸20に固定することができる。すなわち、止めねじ32により止めていない状態では、下軸ギア30は、下軸20に対して回転自在である。
図6に示すように、下軸20には、止めねじ32を安定した状態で突き当てるための切欠部21が形成されている。切欠部21は、止めねじ32の移動方向に対して略直交する平面が突き当て面となるように形成されている。切欠部21は、下軸20の軸線方向に延びるように形成され、止めねじ32の突き当て面をずらすことにより、下軸ギア30の固定位置を調節することができることができる。
なお、下軸ギア31の下軸20に対する固定構造も下軸ギア30と同様の構造である。つまり、下軸20には、二箇所に切欠部が形成されている。
(ブッシュ)
図4に示すように、各下軸ギア30,31には、各下軸ギア30,31の外周に下軸20と同軸上に移動部材としての円筒状のブッシュ40,41が設けられている。図5に示すように、一方のブッシュ40について説明すると、ブッシュ40は、下軸ギア30に対して、回転自在に設けられている。ブッシュ40は、下軸ギア30の外周に形成された段部33に設けられ、ブッシュ40の一端が段部33の側壁に当接し、他端が段部33に固定された軸受35に当接するように配置されている。これにより、ブッシュ40は、下軸ギア30の外周において周方向に回転はできるが、下軸ギア30の軸線方向には移動できないように規制されている。なお、ブッシュ41についてもブッシュ40と同様の構造である。
(釜軸台等)
図4,5に示すように、各ブッシュ40,41の外周には、釜軸台50,51が固定されている。一方の釜軸台51について説明すると、図7(b)に示すように、釜軸台51は、両端が近接して対向する略環状の部材である。そして、釜軸台51は、ブッシュ41を挟み込んで締めねじ52で両端を接近するように締め付けることによりブッシュ41に釜軸台51を固定することができる。なお、釜軸台50についても釜軸台51と同様の取付構造である。
釜軸台50,51は、水平釜10,11を回転させる釜軸60(一方は不図示)を回転自在に支持する軸受けとしての役割を果たすものである。釜軸台50,51は、ミシンベッド4aに固定されており、下軸ギア30,31の軸線方向に沿って、位置調節のために移動できる。
釜軸台50,51に回転自在に支持される釜軸60(一方は不図示)は、その回転軸線が下軸20に対して略直交する方向で縫い針8,9の上下動方向に沿うように配置されている。なお、図4においては、水平釜と釜軸の説明の双方を行う観点から、一方を釜軸が見えるように描き、他方を水平釜が見えるように描いているが、何れも釜軸の上端に水平釜が設けられている構造である。
図3に示すように、釜軸60の外周には、釜軸60と同軸上に設けられ、下軸ギア30に噛み合うよう釜軸ギア70が設けられている。釜軸ギア70は、ねじ歯車から構成され、下軸ギア30と噛み合うことにより下軸ギア30の回転が釜軸ギア70に伝達される。なお、不図示の釜軸にも同様の釜軸ギアが設けられている。
釜軸60(一方は不図示)の先端(上端)には、釜軸60(一方は不図示)と同軸上に設けられ、釜軸60(一方は不図示)の回転により軸回りに回転する水平釜10,11(図2参照)が設けられている。水平釜10,11は、釜軸60(一方は不図示)の回転により軸回りに回転することで、縫い針8,9に通された上糸を剣先10a,11aで捕捉し、ボビンに巻き付けられた下糸を絡めて縫い目を形成する。水平釜10,11は、互いに下軸20の軸線方向に沿って並んで設けられ、釜軸台50,51も互いに下軸20の軸線方向に沿って並んで設けられている。
(第1固定位置調節機構)
図7に示すように、ブッシュ40,41と、このブッシュ40,41を覆う釜軸台50,51には、釜軸台50,51に対するブッシュ40,41の固定位置を調節する調節手段としての第1固定位置調節機構100が設けられている。
ここで、ブッシュ41と釜軸台51に設けられた第1固定位置調節機構100について説明すると、ブッシュ41を覆う釜軸台51とブッシュ41にわたって設けられている。第1固定位置調節機構100は、ユーザにより回転させることで釜軸台51に対するブッシュ41の固定位置を調節する第2偏心ピン110と、ブッシュ41の外周に形成され、第2偏心ピン110の一部が嵌め込まれる第2外周溝120と、を備えている。
第2偏心ピン110は、釜軸台51の外面から内面に向けて貫通する貫通穴に回転自在に嵌め込まれる回転部111と、回転部111の先端かつ回転部111の回転軸線から偏心した位置に設けられた偏心部112と、を備えている。
回転部111は円柱状に形成され、その上端面には、ユーザが回転部111を回転させるために、ドライバー等の締結具を差し込むための凹部が形成されている。偏心部112は回転部111と一体形成され、回転部111の回転により偏心部112は下軸20の軸線方向に振れながら回転する。
第2外周溝120は、ブッシュ41の外周面に偏心部112の幅よりも若干広い幅を有するように形成され、下軸20の軸線方向に略直行する方向に延びるように形成されている。
ここで、偏心部112の回転により、偏心部112はブッシュ41を下軸20の軸線方向に移動させようとするが、釜軸台51は下軸20の軸線方向への移動が規制されているため、その反力を受けてブッシュ41が下軸20の軸線方向へ移動する。なお、図7においては、ブッシュ41と釜軸台51に設けられた第1固定位置調節機構100について説明したが、ブッシュ40と釜軸台50に設けられた第1固定位置調節機構100についても同様の構造である。
(第2固定位置調節機構)
図8〜図10に示すように、ミシンベッド4aと釜軸台50,51には、ミシンベッド4aに対する釜軸台50,51の固定位置を調節する調節手段としての第2固定位置調節機構200が設けられている。
ここで、ミシンベッド4aと釜軸台51に設けられた第2固定位置調節機構200について説明すると、第2固定位置調節機構200は、釜軸台51をミシンベッド4aと締結するための第1締結部材としての止めねじ201の幅よりも下軸20の軸線方向に広い幅となるように釜軸台51に形成された第1調節穴202を有している。これにより、第1調節穴202の幅の範囲内で釜軸台51をミシンベッド4aに対して移動させることができる。
第2固定位置調節機構200は、釜軸台51の上面に設けられ、釜軸台51の固定位置を調節する際に用いる調節部材203を備えている。調節部材203は、下軸20の軸線方向、すなわち、釜軸台51の移動方向に沿って延びるように形成されている。調節部材203の両端部近傍には、釜軸台51と調節部材203を締結するための第2締結部材としての止めねじ204,205の幅よりも下軸20の軸線方向に広い幅を有する穴部としての第2調節穴206,207が形成されている。この第2調節穴206,207に止めねじ204,205が挿通されて先端が釜軸台51に螺合されることにより、調節部材203は釜軸台51に固定される。
調節部材203における第2調節穴206と第2調節穴207の間には、止めねじ201の幅よりも下軸20の幅方向に若干広い幅を有するとともに下軸20の軸線方向に略直交する方向に広い幅を有する穴部としての第3調節穴208が形成されている。第3調節穴208には、止めねじ201が挿通される挿通穴209が回転軸線から偏心した位置に形成された偏心ブッシュ210が回転自在に嵌め込まれている。
第1偏心ピンとしての偏心ブッシュ210は、図10に示すように、調節部材203に回転自在に嵌め込まれた嵌合部211と、嵌合部211の一端に一体形成されたリブ部212と、を備えている。リブ部212の一部は、第3調節穴208よりも外側に張り出すように形成されている。これは、偏心ブッシュ210の調節部材203からの抜けを防止するためである。
このように、第1調節穴202及び第2調節穴206,207によりミシンベッド4aに対する釜軸台51の位置をおおまかに調節することができ、第3調節穴208によりミシンベッド4aに対する釜軸台51の位置を微調節することができる。なお、図8〜10においては、ミシンベッド4aと釜軸台51に設けられた第2固定位置調節機構200について説明したが、ミシンベッド4aと釜軸台50に設けられた第2固定位置調節機構200についても同様の構造である。
<作用効果>
このようにミシン1によれば、下軸ギア30,31は、下軸20の外周に当該下軸20と同軸上かつ下軸20の軸線方向に沿って移動可能に固定され、この下軸ギア30,31には釜軸ギア70(一方は不図示)を有する釜軸60(一方は不図示)を支持する釜軸台50,51が固定されたブッシュ40,41が設けられているので、水平釜10,11の位置を調節するために釜軸台50,51を移動させたい場合には、下軸ギア30,31を下軸20に沿って移動させるとよい。そして、下軸ギア30,31の移動により、釜軸ギア70(一方は不図示)も移動することになるので、下軸ギア30,31と釜軸ギア70(一方は不図示)の噛み合わせ位置がずれることはなく、水平釜10,11の位置だけを調節することができる。
よって、下軸ギア30,31と釜軸ギア70(一方は不図示)の噛み合わせ位置を維持しつつ容易に釜合わせを行うことができる。
また、第1固定位置調節機構100により釜軸台50,51に対するブッシュ40,41の固定位置を調節する際には、第2偏心ピン110の回転部111を回転させる。回転部111が回転すると偏心部112は回転部111の回転軸線を中心として下軸20の軸線方向に振れながら回転する。このような偏心部112の運動と、ブッシュ40,41の第2外周溝120に偏心部112がはめ込まれていることにより、ブッシュ40,41は偏心部112の振れとともに下軸20の軸線方向に移動する。
これにより、釜軸台50,51に対するブッシュ40,41の固定位置を調節することができる。
また、第2固定位置調節機構200により、ミシンベッド4aに対する釜軸台50,51の固定位置を調節する際には、止めねじ201を緩めて偏心ブッシュ208を回転させる。偏心ブッシュ208が回転すると、偏心ブッシュ208は止めねじ201の回転軸線を中心として下軸20の軸線方向に振れながら回転する。このような偏心ブッシュ208の運動により、釜軸台50,51及び調節部材203は偏心ブッシュ208の振れとともに下軸20の軸線方向に移動する。
また、止めねじ204,205を緩めることにより、止めねじ201によりミシンベッド4aに固定された調節部材203に対する釜軸台50,51の位置を調節することができる。これは、止めねじ204,205が第2調節穴206,207の幅の分だけ下軸20の軸線方向にずらすことができるからである。
この場合、釜軸台50,51の位置を大きくずらすような場合には第2調節穴206,207の幅を利用して位置調節し、釜軸台50,51の位置を微調節するような場合には偏心ブッシュ208の回転を利用して位置調節すればよい。
これにより、釜軸台50,51は複数の方法によりミシンベッド4aに対して移動することができるので、ミシンベッド4aに対する釜軸台50,51の固定位置を調節することができる。
〔第2実施形態〕
図11〜図13は、本発明の第2実施形態の一部断面図である。
第2実施形態は、第1実施形態の釜軸台50に対して下軸ギア31を移動させて、針に対する釜の回転タイミングを変更する変形例であり、その変更箇所のみを説明する。なお、第1実施形態と同様の部材には同じ符号を付す。
釜軸台50は、図示を省略したが、第1実施形態と同様に下軸軸心方向に移動可能で、第1偏心ピンによりその移動量を調整できる。また、釜軸台50は、ブッシュ40を挟み込むフランジ構造を有している。そして不図示のねじを締め付けてブッシュ40を固定し、保持する。
ブッシュ40は下軸20に挿通されて、下軸20を回転可能に支持する。下軸20には、ブッシュ40に隣接して下軸ギア61が装着されている。下軸ギア61の外周には、回転軸心を中心とした全周溝61a(第1外周溝)が形成されている。下軸ギア61は、下軸20に装着された後、釜軸台50より所定量離間した位置で、止めねじ32(固定部材)により下軸20に固定される。
案内板(移動部材)63は、長板状で、先端側が折り曲げられており、側面視Lの字状の部材である。案内板63は、その平坦面に、先端側から順に、調節溝63bと支持穴63cが形成されている。調節溝63bは、その長辺が案内板短辺と平行に形成されている。すなわち、全周溝61aと案内板63を備えることにより移動部材が構成される。
また、支持穴63cは長穴形状で、その長辺が案内板短辺と直交するように形成されている。支持穴63cには、釜軸台50に形成された雌ネジに締め込まれる支持ピン62が装着される。
調節溝63bには、偏心ピン64が装着される。偏心ピン(第3偏心ピン)64は、本体部64bと、本体部64b軸心から偏心した位置に形成された偏心部64aから構成される。本体部64bは釜軸台50に設けた穴50aに嵌合し、回動可能に支持される。偏心部64aは調節溝63bに係合する。
案内板63の先端側折り曲げ部は、下軸ギア61の全周溝61aに係合するように、装着される。装着された案内板63は、支持ピン62により支持される。このため、案内板63は、下軸ギア61を回転可能に支持する。また、案内板63は、釜合せの際、釜軸台50が下軸軸心方向に移動すると、同方向に下軸ギアを移動させる。さらに、止めねじ32を緩めて、偏心ピン64を回動させると、案内板63が下軸軸心方向に移動する。これに伴い、下軸ギア61が下軸軸心方向に移動して、釜軸が回転するので、針に対する釜の回転タイミングを変更することができる。第2実施形態は、第1実施形態に比べてより簡単な構成で、針に対する釜の回転タイミングの変更と釜合せを行うことができる。
<その他の変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態においては、縫い針を二本有する二本針ミシンを例に挙げて説明したが、縫い針を一本有する一本針ミシンにおいても適用可能である。この場合、上記実施形態における第2固定位置調節機構に代えて、以下に説明する第3固定位置調節機構を設けるとよい。
(第3固定位置調節機構)
図14に示すように、第3固定位置調節機構300は、釜軸台301に設けられている。
第3固定位置調節機構300は、釜軸台301に形成され、ミシンベッド4aと締結するための締結部材としての止めねじ302の幅よりも広い幅を有する調節穴303を備えている。この調節穴303には、止めねじ302が挿通される挿通穴304が回転軸線から偏心した位置に形成された偏心ブッシュ305が回転自在に嵌め込まれている。
そして、第3固定位置調節機構300によりミシンベッド4aに対する釜軸台301の固定位置を調節する際には、止めねじ302を緩めて偏心ブッシュ305を回転させる。偏心ブッシュ305が回転すると、偏心ブッシュ305は、止めねじ302の回転軸線を中心として下軸20の軸線方向に振れながら回転する。このような偏心ブッシュ305の運動により、釜軸台301は偏心ブッシュ305の振れとともに下軸20の軸線方向に移動する。
これにより、釜軸台301はミシンベッド4aに対して移動することができるので、ミシンベッド4aに対する釜軸台301の固定位置を調節することができる。
その他、第2固定位置調節機構200及び第3固定位置調節機構300は、図15に示すようなポストベッド釜軸台を有するミシンにも適用可能である。
図15に示すように、上端に水平釜401が保持されるポストベッド釜軸台402の立設方向に沿って釜軸403を内蔵し、この釜軸403に釜軸ギア404を設ける。釜軸ギア404には下軸ギア405を噛み合わせ、この下軸ギア405に下軸406を挿通させて下軸ギア405に固定する。下軸ギア405及び下軸406はポストベッド釜軸台402の下端に設けられた軸受部407により回転自在に支持させる。
そして、ポストベッド釜軸台402におけるミシンベッドとの取付板408の上面に調節部材409を取り付け、ミシンベッドに対するポストベッド釜軸台402の固定位置を調節する固定位置調節機構500を構成することも可能である。
ミシンの概略を示す正面図。 ミシンベッド内部の構造を示す斜視図。 釜軸台及び水平釜近傍の斜視図。 釜軸台及び水平釜近傍の平面図。 下軸ギアの下軸への取り付け構造を示す部分断面図。 下軸に形成された切欠部を示す斜視図。 (a)は第1固定位置調節機構の斜視図、(b)は(a)のb−b断面図、(c)は第1固定位置調節機構の部分断面図。 第2固定位置調節機構の平面図。 第2固定位置調節機構の断面図。 偏心ブッシュの斜視図。 第2実施形態における下軸ギアの下軸への取り付け構造を示す部分断面図。 第2実施形態における下軸ギア及び案内板の斜視図。 第2実施形態における案内板の釜軸台への取り付け構造を示す斜視図。 変形例における第3固定位置調節機構を示す断面図。 変形例における固定位置調節機構をポストベッド釜軸台に適用したときの斜視図。
符号の説明
1 ミシン
4a ミシンベッド
5 ミシンモータ
10 水平釜
11 水平釜
20 下軸
30 下軸ギア
31 下軸ギア
32 止めねじ(固定部材)
40 ブッシュ(移動部材)
41 ブッシュ(移動部材)
50 釜軸台
51 釜軸台
60 釜軸
61a 全周溝(第1外周溝、移動部材)
63 案内板(移動部材)
70 釜軸ギア
71 釜軸ギア
110 第2偏心ピン
111 回転部
112 偏心部
120 第2外周溝
100 第1固定位置調節機構(調節手段)
200 第2固定位置調節機構(調節手段)
201 止めねじ(第1締結部材)
202 第1調節穴
203 調節部材
204 止めねじ(第2締結部材)
205 止めねじ(第2締結部材)
206 第2調節穴(穴部)
207 第2調節穴(穴部)
208 第3調節穴(穴部)
209 挿通穴
210 偏心ブッシュ(第1偏心ピン)
300 第3固定位置調節機構
302 止めねじ(締結部材)
303 調節穴
304 挿通穴
305 偏心ブッシュ

Claims (7)

  1. 主軸に連動して上下動する針棒と、
    前記主軸に連結され、回転する下軸と、
    前記下軸の軸線方向に沿って移動可能で該下軸に装着される下軸ギアと、
    前記下軸ギアを前記下軸の所定位置に固定する固定部材と、
    前記下軸ギアに噛み合う釜軸ギアと、
    前記釜軸ギアが固定された釜軸を回転可能に支持する釜軸台と、
    前記釜軸に支持され、縫い針に通された上糸をその剣先が捕捉する水平釜を備えたミシンにおいて、
    前記下軸ギアを回転可能に支持すると共に、前記釜軸台に係合し、前記釜軸台の前記下軸の軸線方向への移動に伴い前記下軸ギアを同方向に移動させる移動部材と、
    前記釜軸台を前記下軸の軸線方向に沿って移動可能に支持すると共に、所定位置で前記釜軸台をミシン機枠に固定する調節手段と、
    を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 前記移動部材が、
    前記釜軸台に保持可能であると共に、前記下軸ギアに係合するブッシュであることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記移動部材が、
    前記釜軸ギアに形成された第1外周溝と、一端側が前記第1外周溝に係合し、他端側が前記釜軸台に支持される案内板とを有することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  4. 前記調節手段が、
    前記下軸の軸線方向に沿って前記釜軸台に形成された穴部と、前記穴部に遊嵌される第1締結部材とを有することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  5. 前記調節手段が、
    前記釜軸台に形成された第1調節穴と、その偏心部が前記第1調節穴に係合し、回動により前記釜軸台を前記下軸の軸線方向に沿って移動させる第1偏心ピンとを有することを特徴とする請求項4に記載のミシン。
  6. 前記ブッシュに形成された第2外周溝と、
    前記釜軸台に回動可能に支持されると共に、前記第2外周溝に係合して、回動により前記下軸ギアを前記下軸の軸線方向に沿って移動させる第2偏心ピンと、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  7. 前記案内板に形成された調節溝と、
    その偏心部が前記調節溝に係合して、回動により前記下軸ギアを前記下軸の軸線方向に沿って移動させる第3偏心ピンと、
    を有することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
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