JP2008301912A - 遊技機に対する不正行為防止用封印シール - Google Patents

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Abstract

【課題】 物理的な力を利用する不正行為のみならず、溶剤等の化学的作用や加熱を利用する不正行為手段、これらを組み合わせた不正行為手段全てに対して、その行為の実行が介在したことを確実に検知する封印シールの提供。
【解決手段】 遊技に関する動作を制御するための基板ケースに貼着され、該基板ケースの開放を禁止するための封印シールであって、シート状の基材と、該基材下面に固定されるRFIDタグと、前記基板上面に設けられる塗料層からなり、該塗料層は、有機溶媒と接触することにより変色し、前記基材は熱収縮性を有し、前記基材の周縁には前記封印シール内方に延設する切り込み線が形成されることを特徴とする封印シールである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パチンコ等の遊技機に対する不正行為を防止するための封印シールに関し、より詳しくは、遊技機の動作を制御するための基板ケースの開放行為並びに制御基板に実装された実装素子の交換行為を防止するための封印シールに関する。
スロットマシンやパチンコ機などの遊技機には、CPUやROMなどを実装してなる制御基板が備えられている。遊技機に係る遊技動作は、制御基板に実装されたCPUが、ROMに記録されているプログラムに基づく制御を行なうことにより実現される。したがって、遊技機の遊技内容は、ROMに記録されるプログラムにより定まる。
このため不正の目的を有する者は正規に実装されたROMを不正ROMに交換することを試みようとすることがある。不正ROMへの交換により、例えば、遊技客が多量のメダル或いは遊技球を獲得可能となったり、遊技店の利益を大幅に増大させることが可能となったりする。更には、不正ROMへの交換の代わりに、正規に実装されたROMのプログラムを書換え、同様の効果を得ることも可能である。
ROMが実装される制御基板は、ケース本体とケース蓋からなる基板ケース内に収容されている。
従来において、ケース本体とケース蓋の境界に封印シールを貼着して、ケース蓋が開かれたときの封印シールの剥離痕跡を確認することにより、不正行為が行なわれたことを発見する手段が採用されている。
近年、この封印シールの剥離痕跡を残すことなく、封印シールを剥がす手法が開発されてきている。或いは、目視では識別不可能な程度に封印シールを巧妙に切断する手法が開発されてきている。これらの手法を用いて、不正ROMへの交換や不正プログラムへの書換が実行される事案も増加している。
特許文献1は、このような不正行為に対処するために好適な封印シールを提案する。特許文献1に開示される封印シールは、RFIDタグを備え、上記のような不正行為が実行されると、RFIDタグを構成するループアンテナとICチップを接続する接続部或いはループアンテナ自体が切断され、RFIDタグが本来備える通信機能が喪失する。この結果、通信の実行可否を検査することにより、不正行為の介在に対する確実な検知が可能となる。
特許第3886294号公報
特許文献1に係る発明は、物理的な力を加えて、封印シールを剥離或いは切断しようとする行為に対しては効果的である。しかしながら、物理的な力に加えて、熱又は溶剤を利用して、封印シールに負荷する物理的な力を最小限にしつつ封印シールを剥離する手法に対しては万全なものとはいえない。
例えば、熱や溶剤を利用して、封印シールの接着剤層を軟化させれば、大きな力を封印シールに加えることなく、封印シールを剥離可能となる。この結果、封印シールに備えられたRFIDタグの通信機能を維持した状態のまま、封印シールが剥離され、不正行為実行後、封印シールを再貼着させることができる。
この場合、RFIDタグの通信機能は維持されたままであるので、不正行為の介在は検知されず、不正プログラムに基づく遊技動作を遊技機に実行させることが可能となる。
上述の如く、既存の封印シールは、日々開発され、進歩を遂げる不正行為手段に対して磐石なものということはできない。
したがって、本発明は、物理的な力を利用する不正行為のみならず、溶剤等の化学的作用や加熱を利用する不正行為手段、これらを組み合わせた不正行為手段全てに対して、その行為の実行が介在したことを確実に検知する封印シールを提供する。
請求項1記載の発明は、遊技に関する動作を制御するための基板ケースに貼着され、該基板ケースの開放を禁止するための封印シールであって、シート状の基材と、該基材下面に固定されるRFIDタグと、前記基材上面に設けられる塗料層からなり、該塗料層は、有機溶媒と接触することにより変色し、前記基材は熱収縮性を有し、前記基材の周縁には前記封印シール内方に延設する切り込み線が形成されることを特徴とする封印シールである。
請求項2記載の発明は、遊技に関する動作を制御するための制御基板に実装された実装素子に貼着され、該実装素子の交換を禁止するための封印シールであって、シート状の基材と、該基材下面に固定されるRFIDタグと、前記基材上面に設けられる塗料層からなり、該塗料層は、有機溶媒と接触することにより変色し、前記基材は熱収縮性を有し、前記基材の周縁には前記封印シール内方に延設する切り込み線が形成されることを特徴とする封印シールである。
請求項3記載の発明は、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなることを特徴とする請求項1又は2記載の封印シールである。
請求項4記載の発明は、前記ICチップが追加のデータをセキュリティデータとして格納可能であることを特徴とする請求項3記載の封印シールである。
請求項5記載の発明は、前記金属膜が前記基材に印刷されることにより形成されることを特徴とする請求項3記載の封印シールである。
請求項6記載の発明は、前記切り込み線の端部のうち、前記封印シールの内方に位置する先端部が、前記ループアンテナ外縁に近接することを特徴とする請求項3記載の封印シールである。
請求項7記載の発明は、前記複数の切り込み線が、前記封印シールの周縁全体にわたって形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の封印シールである。
請求項8記載の発明は、前記基材に複数の微細孔が整列してなる微細孔列が形成され、
該微細孔列は、前記切り込み線の先端部から延設し、前記ループアンテナを横切ることを特徴とする請求項6記載の封印シールである。
請求項9記載の発明は、前記基材と前記基板ケースを接着する接着剤層を更に備えることを特徴とする請求項1記載の封印シールである。
請求項10記載の発明は、前記基材と前記実装素子を接着する接着剤層を更に備えることを特徴とする請求項2記載の封印シールである。
請求項11記載の発明は、前記接着剤層が前記RFIDタグ及び前記基材下面全体を被覆することを特徴とする請求項9又は10記載の封印シールである。
請求項12記載の発明は、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、前記複数の切り込み線が、前記封印シールの周縁全体にわたって形成され、前記接着剤層が前記封印シール短手方向に延設する複数の強接着領域と、該複数の強接着領域それぞれの間に配されるとともに該強接着領域よりも弱い接着力を有する弱接着領域からなり、前記強接着領域の配設間隔が不規則であることを特徴とする請求項11記載の封印シールである。
請求項13記載の発明は、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、前記複数の切り込み線が、前記封印シールの周縁全体にわたって形成され、前記接着剤層が前記封印シール長手方向に延設する複数の強接着領域と、該複数の強接着領域それぞれの間に配されるとともに該強接着領域よりも弱い接着力を有する弱接着領域からなり、前記強接着領域の配設間隔が不規則であることを特徴とする請求項11記載の封印シールである。
請求項14記載の発明は、前記切り込み線の端部のうち、前記封印シールの内方に位置する先端部が、前記ループアンテナ外縁に近接することを特徴とする請求項12又は13記載の封印シールである。
請求項15記載の発明は、前記封印シール下面全体を被覆する接着剤層を更に備え、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、前記接着剤層が、前記封印シールの角隅部の位置に、他の部分より強い接着力を備える強接着剤領域を備え、該強接着領域外に存するとともに該強接着領域に隣接する切り込み線の端部が前記ループアンテナ外縁に隣接することを特徴とする請求項1又は2記載の封印シールである。
請求項16記載の発明は、前記基材に複数の微細孔が整列してなる微細孔列が形成され、該微細孔列は、前記強接着剤に隣接する切り込み線の端部から延設し、前記ループアンテナを横切ることを特徴とする請求項15記載の封印シールである。
請求項17記載の発明は、前記封印シールの下面に配されるとともに、該封印シール短手方向に延設する複数の接着帯領域を更に備え、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、該帯領域の間に形成されるとともに接着剤が存しない非接着帯領域に存する切り込み線の端部が、前記ループアンテナ外縁に隣接することを特徴とする請求項5記載の封印シールである。
請求項18記載の発明は、前記封印シールの下面に配されるとともに、該封印シール長手方向に延設する複数の接着帯領域を更に備え、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、該帯領域の間に形成されるとともに接着剤が存しない非接着帯領域に存する切り込み線の端部が、前記ループアンテナ外縁に隣接することを特徴とする請求項5記載の封印シールである。
請求項19記載の発明は、前記基材に複数の微細孔が整列してなる微細孔列が形成され、該微細孔列は、前記非接着帯領域に存する切り込み線の端部から延設し、前記ループアンテナを横切ることを特徴とする請求項17又は18記載の封印シールである。
請求項20記載の発明は、前記基材下面と前記RFIDタグの間に配される接着剤層を更に備え、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなることを特徴とする請求項1又は2記載の封印シールである。
請求項21記載の発明は、前記接着剤層と前記基材下面の間に配されるとともに剥離剤が塗布されてなる帯状の剥離剤領域を備え、該剥離剤領域が前記ループアンテナと交差することを特徴とする請求項20記載の封印シールである。
請求項22記載の発明は、前記ループアンテナと前記基材下面の間に存する接着剤層の接着剤量が他の領域と比較して少ないことを特徴とする請求項20記載の封印シールである。
請求項23記載の発明は、前記塗料層がロイコ染料及び顕色剤を含むことを特徴とする請求項1記載の封印シールである。
請求項24記載の発明は、前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、前記基材は、ループアンテナの内縁に両端部が近接する内部切り込み線を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の封印シールである。
請求項25記載の発明は、前記基材の対向する周縁に少なくとも一対の切り込み線が形成され、該一対の切り込み線を結ぶ直線上に前記内部切り込み線が形成されることを特徴とする請求項24記載の封印シールである。
請求項26記載の発明は、前記内部切り込み線が直線状でないことを特徴とする請求項24記載の封印シールである。
請求項27記載の発明は、前記内部切り込み線が三角波形状であることを特徴とする請求項26記載の封印シールである。
請求項1乃至3記載の発明によれば、封印シールを剥離させるために、物理的な力のみならず、溶剤及び熱を用いたとしても、封印シールを剥離させようとした行為の痕跡を確実に残すことが可能な封印シールとなる。例えば、物理的な力を加えて封印シールを剥離させようとした場合には、切り込み線に集中する応力により封印シールが切断され、この結果、封印シールのRFIDタグの通信機能が損なわれ、確実に不正行為の介在を検知可能となる。熱を加えて封印シールを剥離させようとした場合には、基材が熱収縮し、基材上面に設けられた塗料層の絵柄が変化し、容易に不正行為の介在を視認可能となる。溶剤により、封印シールを剥離しようとする試みがなされた場合には、基材上面の塗料層の絵柄が変色し、容易に不正行為の介在を検知可能となる。
請求項4記載の発明によれば、封印シールの剥離行為が、遊技機の納品前に行われたか、遊技機の納品後且つ廃棄前に行われたか、遊技機の廃棄後に行なわれたかを判別することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、好適にループアンテナを形成可能となる。
請求項6記載の発明によれば、封印シールに加わる外力によりループアンテナを切断させ、RFIDタグが備える通信機能を簡単に消失させることができる。
請求項7記載の発明によれば、封印シールに対して外力を加える方向或いは部位にかかわらず、封印シールが破断し、RFIDタグが備える通信機能を確実に消失させることが可能となる。
請求項8記載の発明によれば、微細孔列が設けられていることにより、ループアンテナの切断を生じさせやすくできる。
請求項9及び10記載の発明によれば、封印シールを基板ケース或いは実装素子に好適に貼着することが可能となる。
請求項11記載の発明によれば、封印シール全面にわたって、基板ケース或いは実装素子に好適に貼着することが可能となる。
請求項12及び13記載の発明によれば、不規則に強接着領域が形成されているので、剥離作業を容易に行なうことができず、不正行為実行中の封印シールの切断を生じやすくさせることが可能となる。
請求項14記載の発明によれば、封印シールに加わる外力によりループアンテナを切断させ、RFIDタグが備える通信機能を簡単に消失させることができる。
請求項15記載の発明によれば、熱を利用して封印シールを剥離させる場合に、角隅部に多くの熱を与える必要性を生じせしめ、熱に起因して生ずる基材の熱収縮によって生ずる基材中の応力により、強接着領域に隣接する切り込み線からの切断作用を誘発せしめ、ループアンテナの切断を生じさせることができる。これにより、RFIDタグが備える通信機能を簡単に消失させることができる。
請求項16記載の発明によれば、封印シール角隅部の剥離を促すために供給される熱量により、確実にループアンテナの切断を生じせしめることが可能となる。
請求項17及び18記載の発明によれば、封印シールを剥離する際、非接着帯領域部分の剥離速度は増加し、封印シールの剥離が接着帯領域部分に至ったときに剥離速度が急速に低減することとなる。この結果、封印シール中に応力を生じせしめ、封印シールの破断を促すことが可能となる。
請求項19記載の発明によれば、ループアンテナの切断を促すことが可能となる。
請求項20記載の発明によれば、溶剤を用いた剥離行為が行なわれたときに、ループアンテナの切断を促すことができる。
請求項21記載の発明によれば、剥離剤層が存する領域において、粘着剤層が基材から離間しやすくなり、これにより、ループアンテナの切断が誘発されることとなる。
請求項22記載の発明によれば、ループアンテナが基材から剥がれやすくなり、これにより、ループアンテナの切断が誘発されることとなる。
請求項23記載の発明によれば、溶剤を用いた不正行為を好適に検知可能となる。
請求項24及び請求項25記載の発明は、封印シールの剥離行為時に、封印シールの完全破断を生じさせやすくなる。
請求項26記載の発明は、封印シールを再貼着させたことの視認が容易となる。
以下、本発明に係る遊技機に対する不正行為防止用封印シールの実施形態について、図を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る封印シールを示す。図1(a)は、封印シールの平面図であり、図1(b)は、封印シールの断面図であり、図1(c)は、封印シールの底面図である。
封印シール(1)は、平面視略矩形状の基材(2)と、基材(2)上面に形成される塗料層(3)と、基材(2)下面に配されるRFIDタグ(4)を備える。図1に示す実施形態においては、基材(2)下面全体に接着剤が塗布され、第1の接着剤層(51)が形成され、この第1の接着剤層(51)により、RFIDタグ(4)が基材(2)下面に固定されている。更に、RFIDタグ(4)を覆うように、接着剤が塗布され、第2の接着剤層(52)が形成される。第2の接着剤層(52)は、貼着対象物たる基板ケースや実装素子に封印シール(1)を取り付け可能とする。
RFIDタグ(4)は、渦巻状に形成されてなる金属膜からなるループアンテナ(41)を備える。図1(c)に示す例においては、ループアンテナ(41)は、基材(2)下面中心近くを通過する3つの金属膜線からなる第1ループ(411)と、第1ループ(411)の外側を取り巻く3つの金属膜線からなる第2ループ(412)から構成される。
RFIDタグ(4)は、更に、第1ループ(411)を横切る第1接続部(421)と、第2ループ(412)を横切る第2接続部(422)からなる接続部(42)を備える。第1接続部(421)と第2接続部(422)の間には、ICチップ(43)が配される。
基材(2)の外形輪郭を形成する4つの直線状の縁部それぞれには、複数の切り込み線(21)が形成される。切り込み線(21)は、基材(2)の縁部から基材(2)の内方に向けて延設し、その先端は、ループアンテナ(41)近傍に位置する。
基材(2)は、熱収縮性を有する材料から形成される。熱収縮性を有する材料として、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの発泡体を挙げることができるが、これらに限定されない。
基材(2)は、加熱により収縮する性質を有すればよく、80℃以上の温度で、縦方向又は横方向の収縮率が10%以上、好ましくは20%以上を有する材料から形成される。基材(2)の厚みは、特に制限されるものでないが、10μm以上200μm以下の範囲、より好ましくは、20μm以上200μm以下の範囲である。また、基材(2)は、無色透明であってもよく、有色であってもよい。
塗料層(3)は、溶剤反応型インクを塗布して形成される。溶剤反応型インクとしては、各種インクのバインダ樹脂にロイコ染料と顕色剤を分散したものを例示できる。このようなロイコ染料と顕色剤がバインダ樹脂に分散されたインクは、アルコール、MEK、MIBK等の溶剤に接触すると、顕色剤が溶解し、溶解した顕色剤がロイコ染料と反応して発色する。これにより、染料や顕色剤の種類により異なるが、赤、緑、青、黒等の発色作用を奏することとなる。
ロイコ染料として、トリフェルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スヒロピラン系、インドリノフタリド系のものを例示することができる。
顕色剤として、フェノール性物質、有機又は無機酸性物質やこれらのエステルや塩などの電子受容性物質を例示することができ、具体的には、例えば、ロイコ染料3-N-メチルシクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランと顕色剤ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホンとを含むインクを挙げることができる。このインクは、MEKに接触すると顕色剤が溶解し、このロイコ染料と反応して黒色に変色する。
このような溶剤反応型インクは、単独で使用されてもよく、他の有色インクと混合して用いてもよい。
図2は、封印シール(1)に用いられるRFIDタグ(4)と、RFIDタグ(4)と対応して用いられる検査器の電気的概略構成を示すブロック図である。
RFIDタグ(4)のICチップ(43)は、第1照合データ及びセキュリティデータを格納する。
検査器(6)は、RFIDタグ(4)から送信されたデータがセキュリティデータであるか否かを判定するデータ判定部(61)と、データ判定部(61)による判定結果を表示する表示器(62)と、検査器(61)全体の動作を制御するCPU(63)と、アクセスデータ及び第2照合データを格納するROM(64)と、CPU(63)のワークエリアとして機能するRAM(65)を備える。データ判定部(61)、表示器(62)、CPU(63)、ROM(64)及びRAM(65)はバス(66)により互いに接続される。
検査器(6)は、ROM(64)内に格納されたアクセスデータをRFIDタグ(4)に送信する。
図3は、RFIDタグ(4)の電気的な構成を示すブロック図である。
RFIDタグ(4)のICチップ(43)は、検査器(6)から送信されるとともにループアンテナ(43)で受信された受信波を復調するための復調部(431)を備える。ICチップ(43)は、周波数発振部(432)を備え、周波数発振部(432)は、復調部(431)に周波数f1の基準位相信号を与える。復調部(431)は、ループアンテナ(43)からの受信波と周波数発振部(432)の基準位相信号を比較し、信号成分を取り出す。取り出された信号成分は、フィルタ(433)に送信され、フィルタ(433)は、予め定める周波数帯域以外の周波数成分を除去する。フィルタ(433)を通過した信号は、A/D変換部(434)に送られ、デジタルデータに変換され、このデジタルデータが受信データとして取扱われる。
受信データはA/D変換部(434)から、信号処理部(435)(マイクロプロセッサ)に送られる。信号処理部(435)は、情報記憶部(436)(ROM)に接続する。情報記憶部(436)は、第1照合データ及びセキュリティデータを格納している。
信号処理部(435)がA/D変換部(434)から受信データを受け取ると、情報記憶部(436)から第1照合データを読み出し、読み出された第1照合データと受信データを比較する。そして、第1照合データと受信データが一致するか否かを判定する。
第1照合データは、検査器(6)が備えるアクセスデータと同一である。したがって、信号処理部(435)は、第1照合データと受信データが一致した場合に、所定の検査器(6)からのアクセスであると判断する。
所定の検査器(6)からのアクセスであると判断した場合には、信号処理部(435)は更に情報記憶部(436)からセキュリティデータを読み出す。読み出されたセキュリティデータは、変調部(437)に送られ、変調部(437)は、このセキュリティデータを検査器(6)のデータ判定部(61)に送るための変調波を作り出す。
ICチップ(43)は、周波数発振部(438)を備え、周波数発振部(438)は周波数f2の搬送波を変調部(437)に与える。変調部(437)は、この搬送波を信号処理部(435)から送られたセキュリティデータを用いて、BPSK方式で変調して、変調波を作成する。作成された変調波は、送信部(439)に送られる。
送信部(439)は、送られた変調波を適度に増幅し、ループアンテナ(41)を用いて、検査器(6)のデータ判定部(61)に送信する。
受信データと第1照合データが一致しない場合には、信号処理部(635)は、所定の検査器(6)によるアクセスではないと判断し、エラーを表すエラーデータを変調部(637)に送る。変調部(437)は、周波数発振部(438)から送られる搬送波を、エラーデータを用いて、BPSK方式で変調して変調波を作成する。その後、送信部(439)及びループアンテナ(41)を介して、変調波を検査器(6)のデータ判定部(61)に送信する。
ICチップ(43)の各部の動作は、検査器(6)からの受信波から作り出された電力を利用する。ループアンテナ(41)は、同調用コイルを含んだ共振回路を備える。データ判定部(61)からの電波が、ループアンテナ(41)により受信されると、その受信波により、同調用コイルを貫く磁束が変化し、ループアンテナ(41)が備える共振回路に交流電圧が発生する。
発生した交流電圧は、ICチップ(43)が備えるAC/DCコンバータ(440)で直流電圧に変換される。この直流電圧は、レギュレータ(441)で一定電圧以下に降圧され、信号処理部(435)などの各部動作電圧として供給される。
図4は、検査器(6)のデータ判定部(61)の電気的な構成を示すブロック図である。
データ判定部(61)は、信号処理部(611)(マイクロプロセッサ)を備える。信号処理部(611)は、バス(66)を介して接続するCPU(63)にアクセスデータを要求するコマンドを送る。CPU(63)は、ROM(64)からアクセスデータを読み出すとともに信号処理部(611)にアクセスデータを入力する。
信号処理部(611)に入力されたアクセスデータは、変調部(612)に送られる。変調部(612)は、周波数発振部(613)と接続し、周波数発振部(613)は周波数f1の搬送波を変調部(612)に送る。変調部(612)は、搬送波を、信号処理部(611)から送られるアクセスデータを用いて、BPSK方式で変調し、変調波を作成する。作成された変調波は、送信部(614)に送られる。送信部(614)は、送られた変調波を適度に増幅させ、送受信アンテナ(615)に送り、送信アンテナ(615)から封印シール(1)のRFIDタグ(4)に、変調波が送られることとなる。その後、図2及び図3に関連して説明したアクセスデータの照合処理がICチップ(43)内で実行されることとなる。
データ判定部(61)は、送受信アンテナ(615)で受信した受信波を復調するための復調部(616)を備える。更に、データ判定部(61)は、周波数発振部(617)を備える。周波数発振部(617)は、ICチップ(43)内で用いられた基準位相信号と同じ周波数f2の基準位相信号を復調部(616)に送る。復調部(616)は、周波数発振部(617)からもたらされる基準位相信号と送受信アンテナ(615)から送られる受信波を比較し、受信波に含まれる信号成分を取り出す。この信号成分は、フィルタ(618)に送られ、フィルタ(618)は予め定められた周波数帯域以外の周波数成分を除去する。フィルタ(618)を通過した信号成分は、その後、A/D変換部(619)に送られる。A/D変換部(619)は、A/D変換部(619)に到達した信号をデジタルデータに変換し、このデジタルデータは受信データとして利用される。
受信データは、A/D変換部(619)から信号処理部(611)に送られる。信号処理部(611)は、受信データを、バス(66)を介して、CPU(63)に送る。受信データを受け取ったCPU(63)は、ROM(64)から第2照合データを読み出すとともに第2照合データと受信データの比較を行なう。
ここで、上述の如く、受信データは、セキュリティデータである。また、ROM(64)が格納する第2照合データは、セキュリティデータと同一である。したがって、CPU(63)による比較の結果、第2照合データと受信データが一致する場合には、CPU(63)は正常と判断する。一致しない場合には、CPU(63)は異常と判断する。
CPU(63)が正常との判断をした場合、CPU(63)は表示器(62)にバス(66)を介して信号を送り、表示器(62)に「正常」との表示をさせる。CPU(63)が異常との判断をした場合、CPU(63)は表示器(62)にバス(66)を介して信号を送り、表示器(62)に「異常」との表示をさせる。
図5は、図1に示す封印シール(1)を基板ケースや実装素子から剥離させようとしたときの封印シール(1)の状態を示す。図5(a)は、物理的な力を用いて剥離させようとしたときの封印シール(1)を示し、図5(b)は、溶剤の力を用いて剥離させようとしたときの封印シール(1)を示し、図5(c)は、熱の力を用いて剥離させようとしたときの封印シール(1)を示す。
まず、図5(a)を参照する。封印シール(1)は、その周縁全長にわたって切り込み線(21)が設けられる。したがって、封印シール(1)を物理的な力を用いて剥離させようとすれば、切り込み線(21)先端に応力が集中し、切り込み線(21)先端から引き裂き(T)を生ずることとなる。上述の如く、切り込み線(21)先端は、ループアンテナ(41)近傍に位置する。したがって、切り込み線(21)先端から引き裂き(T)を生ずれば、必ず、ループアンテナ(41)を切断することとなる。
ループアンテナ(41)の切断は、結果として、検査器(6)とRFIDタグ(4)との間の通信を不能とするから、検査器(6)を用いた検査により、確実に封印シール(1)に対して、剥離操作が行われたことを検知可能となる。
次に、図5(b)を参照する。封印シール(1)の上面には、塗料層(3)により「開封厳禁」の文字が黒色で列記されているが(図1参照)、溶剤を封印シール(1)に塗布することにより、塗料層に含まれるロイコ染料と顕色剤が反応し、塗料層(3)全体が黒色となり、「開封厳禁」の文字が視認不可能となっている。この結果、封印シール(1)を、溶剤を用いて剥離させようとしたことが、容易に確認可能となる。
図5(c)を参照する。熱を封印シール(1)に加えると、基材(2)の熱収縮性により、封印シール(1)上面の塗料層(3)に形成された文字が変形する。この結果、熱を加えて封印シール(1)を剥離させようとしたことが容易に確認可能となる。
また、熱が封印シール(1)に均一に加えられない限り、基材(2)の熱収縮性により、熱の集中部分と反対方向に向く力が基材(2)内部に発生する。この結果、この熱に起因する基材(2)内部の力による内部応力が切り込み線(21)先端に集中し、切り込み線(21)先端から引き裂き(T)を生ずることとなる。この引き裂き(T)はループアンテナ(41)の切断を誘発し、結果として、検査器(6)とRFIDタグ(4)との間の通信を不能とするから、検査器(6)を用いた検査により、封印シール(1)に対して、剥離操作が行われたことを検知可能となる。
図3に関連して説明した例において、ICチップ(43)の情報記憶部(436)をROMとして説明したが、ROMの代わりに、WORM(Write Once Read Many)型のメモリが用いられてもよいし、EPROM(Erasable programmable read only memory)などの書換可能型メモリが用いられてもよい。
図6は、ICチップ(43)の情報記憶部(436)を書換可能としたときの使用形態の一例を示す。
工場において、遊技機が製造されたときに、遊技機の基板ケースに封印シール(1)が貼着される。封印シール(1)のICチップ(43)の情報記憶部(436)には、第1照合データとして、「AAA」の文字列が用いられている。遊技機が倉庫に搬入されるときに、封印シール(1)の機能を確認するために、アクセスデータとして文字列「AAA」を備える検査器(6)を用いて、封印シール(1)と検査器(6)間の通信が行なわれる。
倉庫から遊技場に出庫される際に、第1照合データが「ABA」の文字列に書き換えられる。遊技場に遊技機が納入される際に、封印シール(1)の機能を確認するために文字列「ABA」のアクセスデータを備える検査器(6)を用いて、封印シール(1)と検査器(6)との間の通信が行なわれる。
遊技機を廃棄しようとするときには、遊技場からの出庫時に第1照合データが「ABC」の文字列に書き換えられる。そして、廃棄処理される遊技機が工場に戻されたときに、工場にて文字列「ABC」のアクセスデータを備える検査器(6)を用いて、封印シール(1)と検査器(6)との間の通信が行なわれる。
このように、封印シール(1)のICチップ(43)の情報記憶部(436)の第1照合データを遊技機の流通過程の各時点において書き換えることにより、不正行為が行なわれた時点を容易に特定することが可能となる。
例えば、倉庫内で不正行為が行なわれ、封印シール(1)が偽のシールに張りかえられていた場合には、第1照合データ「ABA」への書換を行なうことはできない。或いは、遊技場への受入時に、偽のシールが貼着されていることが明らかとなり、不正行為を発覚させることが可能となる。
図7は、切り込み線(21)の変更形態を示す切り込み線(21)周囲の拡大図である。
切り込み線(21)の先端は、上述の如く、ループアンテナ(41)外縁近傍に配されている。図7に示す如く、切り込み線(21)先端から、切り込み線(21)延長線上に延びる複数の微細孔(211)からなる微細孔列が形成されてもよい。微細孔(211)は、基材(2)に形成される微小径の穴であり、これがループアンテナ(41)を横切るように列をなし、断続的に配されることにより、物理的な力或いは熱的な力が封印シール(1)に加えられたときに生ずる切り込み線(21)先端からの引き裂きの発生を助長し、ループアンテナ(41)を確実に切断することが可能となる。この結果、不正行為の介在を確実に検知可能となる。
図8は、切り込み線(21)からの引き裂きを誘発するための応用形態を示す。図8(a)は、封印シール(1)短手方向に延設する強接着領域を設けた例であり、図8(b)は、封印シール(1)長手方向に延設する強接着領域を設けた例である。
封印シール(1)の下面全体は、図1(b)に示す如く、第2の接着剤層(52)で覆われている。この第2の接着剤層(52)に、強い接着力を有する帯状の強接着領域(521)が複数形成される。図8(a)に示す例においては、強接着領域(521)は封印シール(1)短手方向に延設し、図8(b)に示す例においては、強接着領域(521)は封印シール(1)長手方向に延設する。帯状の強接着領域(521)の間には、相対的に接着力の弱い弱接着領域が形成されることとなる。
また、強接着領域(521)の配設間隔は不規則であることが好ましい。
封印シール(1)を剥離させるとき、封印シール(1)の剥離速度は弱接着領域の方が高く、強接着領域(521)の方が低い。この結果、封印シール(1)が基板ケースや実装素子から剥離されるときにおいて、剥離部分が弱接着領域から強接着領域に至ったときには、急速に剥離速度が低減することとなる。この減速は、自然と、封印シール(1)の基材(2)中に物理的な力として伝達され、切り込み線(21)からの引き裂きを誘発させることとなる。
図9は、強接着領域(521)を設けた他の実施形態を示す。
図9に示す実施形態において、強接着領域(521)は、封印シール(1)の角隅部に配される。強接着領域(521)以外の封印シール(1)下面部分は、強接着領域(521)よりも低い接着力を有する弱接着領域で覆われている。強接着領域(521)の外側に存するとともに強接着領域(521)境界に隣接する切り込み線(21)の先端部からは、切り込み線(21)延長線上に沿って延設する微細孔列(212)が配される。この微細孔列(212)は、図7に関連して説明したものと同様である。
通常、封印シール(1)を剥離させようとする不正行為者は、封印シール(1)の角隅部から剥離を開始させようとする。不正行為者が、熱の力を利用して封印シール(1)を剥離しようとしている場合、封印シール(1)の角隅部に強接着領域(521)が配されるため、不正行為者は封印シール(1)角隅部に熱を集中的に与えることとなる。この結果、熱は封印シール(1)角隅部に集中することとなる。
基材(2)は、熱収縮性を有し、基材(2)構成成分は、封印シール(1)の角隅部への熱の集中により、この熱集中箇所から離れる方向に流れようとする。この結果、強接着領域(521)に隣接する切り込み線(21)並びに微細孔列(212)の存在と基材(2)構成成分の流動により引き裂き現象を生じ、ループアンテナ(41)が切断されることとなる。
図10は、ループアンテナ(41)の切断を促すための他の形態を示す封印シール(1)の断面図である。
図10に示す封印装置(1)は、第1の接着剤層(51)と基材(2)の間に帯状の剥離剤領域(53)を備える。帯状の剥離剤領域(53)は、ループアンテナ(41)と交差するように形成される。
剥離剤領域(53)が配された部分においては、封印シール(1)に対して溶剤を用いて剥離行為が行なわれると、ループアンテナ(41)は、基材(2)から離れ、貼着面に移りやすくなる。その一方で、剥離剤領域(53)が配された部分以外の領域においては、溶剤が第2の接着剤層(52)と貼着面との境界を侵食するので、ループアンテナ(41)は封印シール(1)側に残りやすくなる。この結果、封印シール(1)の剥離に伴い、ループアンテナが切断されることとなる。
上記説明において、RFIDタグ(4)と基材(2)の間に第1の接着剤層(51)が設けられたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、RFIDタグ(4)のループアンテナ(41)は直接的に基材(2)下面に印刷により形成されてもよい。この場合、第1の接着剤層(51)は、接続部(42)及びICチップ(43)を基材(2)下面に取付けるための領域のみを占めればよい。そして、第2の接着剤層(52)は、RFIDタグ(4)下方において、封印シール(1)下面全体を覆うように形成される。このような構造の封印シール(1)に対して、上述した様々な実施形態を採用することができる。
尚、この構造を封印シール(1)に採用した場合、図8に関連して説明した形態の弱接着領域の代わりに接着剤が存在しない非接着領域を形成してもよい。これによっても、図8に示す形態と同様の効果を奏することができる。
この構造の利点は、第1の接着剤層(51)が存在しないことにより、切り込み線(21)の脆弱性が一層顕著になることである。
更に、上記説明において、封印シール(1)は、第2の接着剤層(52)を備えていたが、本発明は、第2の接着剤層(52)を含まない形態も技術的範囲に含む。第2の接着剤層(52)が存しない場合、RFIDタグ(4)により被覆されていない第1の接着剤層(51)が貼着面と封印シール(1)との間の接着機能を担う。このような構造に上述した様々な実施形態を採用しても、同様の効果をそれぞれ得ることができる。
尚、このような構造を採用した場合には、ループアンテナ(41)が存在する部分の第1の接着剤層(51)の接着剤塗布量を他の部分よりも少なくすることが好ましい。これにより、溶剤を用いたときに、ループアンテナ(41)の基材(2)からの離脱が促進され、結果として、ループアンテナ(41)の切断が促されることとなる。
図11は、封印シール(1)の完全破断を促す形態を示す。図11(a)は、一の実施形態を示し、図11(b)は更なる応用形態を示す。
上述の例において、切り込み線(21)は、基材(2)周縁に設けられていたが、基材(2)中央領域内に内部切り込み線(29)を備えてもよい。封印シール(1)の互いに対向する縁部に配される一対の切り込み線(21)は、互いに対向する位置に配される。図11(a)に示す例においては、内部切り込み線(29)は、封印シール(1)短手方向に延設するとともに一対の切り込み線(21)を結ぶ直線上に配される。また、内部切り込み線(29)の両端は、ループアンテナ(41)の内縁近傍に位置する。この結果、封印シール(1)を剥離させる行為を行なったとき、切り込み線(21)先端から伸展した引き裂きが内部切り込み線(29)に達し、封印シール(1)が完全に破断することとなる。
更に、図11(b)に示すように、内部切り込み線(29)の形状を直線状でなく、例えば、三角波形状に形成すると、ひとたび剥離が行なわれた封印シール(1)を再貼着させようとしても、波形部分が重なり合いやすくなり、再貼着されたことが容易に視認可能となる。
尚、図11に示す例において、内部切り込み線(29)は、封印シール(1)短手方向に延設しているが、長手方向に延設するものであってもよいし、他の任意の方向に延設するものであってもよい。
本発明は、パチンコやスロットマシン等の遊技機に対する不正行為の防止に利用可能である。
本発明に係る封印シールを示す図である。 本発明に係る封印シールのRFIDタグと検査器の電気的構成を示すブロック図である。 本発明に係る封印シールのRFIDタグが備えるICチップの電気的構成を示すブロック図である。 本発明に係る封印シールの検査に用いられる検査器のデータ判定部の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す封印シールに対して不正行為が行なわれた後の状態を示す図である。 本発明に係る封印シールの使用形態を示す図である。 本発明に係る封印シールの応用形態を示す図である。 本発明に係る封印シールの応用形態を示す図である。 本発明に係る封印シールの応用形態を示す図である。 本発明に係る封印シールの応用形態を示す図である。 本発明に係る封印シールの応用形態を示す図である。
符号の説明
1・・・・・封印シール
2・・・・・基材
21・・・・切り込み線
211・・・微細孔
212・・・微細孔列
3・・・・・塗料層
4・・・・・RFIDタグ
41・・・・ループアンテナ
43・・・・ICチップ

Claims (27)

  1. 遊技に関する動作を制御するための基板ケースに貼着され、該基板ケースの開放を禁止するための封印シールであって、
    シート状の基材と、
    該基材下面に固定されるRFIDタグと、
    前記基材上面に設けられる塗料層からなり、
    該塗料層は、有機溶媒と接触することにより変色し、
    前記基材は熱収縮性を有し、
    前記基材の周縁には前記封印シール内方に延設する切り込み線が形成されることを特徴とする封印シール。
  2. 遊技に関する動作を制御するための制御基板に実装された実装素子に貼着され、該実装素子の交換を禁止するための封印シールであって、
    シート状の基材と、
    該基材下面に固定されるRFIDタグと、
    前記基材上面に設けられる塗料層からなり、
    該塗料層は、有機溶媒と接触することにより変色し、
    前記基材は熱収縮性を有し、
    前記基材の周縁には前記封印シール内方に延設する切り込み線が形成されることを特徴とする封印シール。
  3. 前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなることを特徴とする請求項1又は2記載の封印シール。
  4. 前記ICチップ内のデータが書換可能であることを特徴とする請求項3記載の封印シール。
  5. 前記金属膜が前記基材に印刷されることにより形成されることを特徴とする請求項3記載の封印シール。
  6. 前記切り込み線の端部のうち、前記封印シールの内方に位置する先端部が、前記ループアンテナ外縁に近接することを特徴とする請求項3記載の封印シール。
  7. 前記複数の切り込み線が、前記封印シールの周縁全体にわたって形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の封印シール。
  8. 前記基材に複数の微細孔が整列してなる微細孔列が形成され、
    該微細孔列は、前記切り込み線の先端部から延設し、前記ループアンテナを横切ることを特徴とする請求項6記載の封印シール。
  9. 前記基材と前記基板ケースを接着する接着剤層を更に備えることを特徴とする請求項1記載の封印シール。
  10. 前記基材と前記実装素子を接着する接着剤層を更に備えることを特徴とする請求項2記載の封印シール。
  11. 前記接着剤層が前記RFIDタグ及び前記基材下面全体を被覆することを特徴とする請求項9又は10記載の封印シール。
  12. 前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、
    前記複数の切り込み線が、前記封印シールの周縁全体にわたって形成され、
    前記接着剤層が前記封印シール短手方向に延設する複数の強接着領域と、該複数の強接着領域それぞれの間に配されるとともに該強接着領域よりも弱い接着力を有する弱接着領域からなり、
    前記強接着領域の配設間隔が不規則であることを特徴とする請求項11記載の封印シール。
  13. 前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、
    前記複数の切り込み線が、前記封印シールの周縁全体にわたって形成され、
    前記接着剤層が前記封印シール長手方向に延設する複数の強接着領域と、該複数の強接着領域それぞれの間に配されるとともに該強接着領域よりも弱い接着力を有する弱接着領域からなり、
    前記強接着領域の配設間隔が不規則であることを特徴とする請求項11記載の封印シール。
  14. 前記切り込み線の端部のうち、前記封印シールの内方に位置する先端部が、前記ループアンテナ外縁に近接することを特徴とする請求項12又は13記載の封印シール。
  15. 前記封印シール下面全体を被覆する接着剤層を更に備え、
    前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、
    前記接着剤層が、前記封印シールの角隅部の位置に、他の部分より強い接着力を備える強接着剤領域を備え、
    該強接着領域外に存するとともに該強接着領域に隣接する切り込み線の端部が前記ループアンテナ外縁に隣接することを特徴とする請求項1又は2記載の封印シール。
  16. 前記基材に複数の微細孔が整列してなる微細孔列が形成され、
    該微細孔列は、前記強接着剤に隣接する切り込み線の端部から延設し、前記ループアンテナを横切ることを特徴とする請求項15記載の封印シール。
  17. 前記封印シールの下面に配されるとともに、該封印シール短手方向に延設する複数の接着帯領域を更に備え、
    前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、
    該帯領域の間に形成されるとともに接着剤が存しない非接着帯領域に存する切り込み線の端部が、前記ループアンテナ外縁に隣接することを特徴とする請求項5記載の封印シール。
  18. 前記封印シールの下面に配されるとともに、該封印シール長手方向に延設する複数の接着帯領域を更に備え、
    前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、
    該帯領域の間に形成されるとともに接着剤が存しない非接着帯領域に存する切り込み線の端部が、前記ループアンテナ外縁に隣接することを特徴とする請求項5記載の封印シール。
  19. 前記基材に複数の微細孔が整列してなる微細孔列が形成され、
    該微細孔列は、前記非接着帯領域に存する切り込み線の端部から延設し、前記ループアンテナを横切ることを特徴とする請求項17又は18記載の封印シール。
  20. 前記基材下面と前記RFIDタグの間に配される接着剤層を更に備え、
    前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなることを特徴とする請求項1又は2記載の封印シール。
  21. 前記接着剤層と前記基材下面の間に配されるとともに剥離剤が塗布されてなる帯状の剥離剤領域を備え、
    該剥離剤領域が前記ループアンテナと交差することを特徴とする請求項20記載の封印シール。
  22. 前記ループアンテナと前記基材下面の間に存する接着剤層の接着剤量が他の領域と比較して少ないことを特徴とする請求項20記載の封印シール。
  23. 前記塗料層がロイコ染料及び顕色剤を含むことを特徴とする請求項1記載の封印シール。
  24. 前記RFIDタグは、金属膜をコイル状に形成したループアンテナと、
    該ループアンテナと接続するとともに所定の検査装置からの予め定められたデータの受信に応答して返信すべきセキュリティデータを保持し、前記検査装置との通信を制御するICチップからなり、
    前記基材は、ループアンテナの内縁に両端部が近接する内部切り込み線を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の封印シール。
  25. 前記基材の対向する周縁に少なくとも一対の切り込み線が形成され、
    該一対の切り込み線を結ぶ直線上に前記内部切り込み線が形成されることを特徴とする請求項24記載の封印シール。
  26. 前記内部切り込み線が直線状でないことを特徴とする請求項24記載の封印シール。
  27. 前記内部切り込み線が三角波形状であることを特徴とする請求項26記載の封印シール。
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