JP2008300939A - A/d変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない個数のダミー用の差動増幅器を用いた場合でも、効率的にシステマティックオフセットを軽減するA/D変換器を得る。
【解決手段】アベレージング抵抗部2は以下の構成を呈している。複数の実動作プリアンプRPAの正出力間及び負出力間に設けられた複数の実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnを設けている。ダミー動作領域DOA1及びDOA2において、互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間及び負出力間に設けられた複数のダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを有している。実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値は同一の抵抗値R1に設定され、ダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値は同一の抵抗値R2に設定され、抵抗値R1<抵抗値R2の関係を持たせている。
【選択図】図1

Description

この発明は、アベレージング抵抗を用いた複数のコンパレータを有するA/D変換器に関する。
HDD(Hard Disk Drive)や、DVD(Digital Versatile Disk)等のODD(Optical Disc Drive)のリードチャネル、つまりディスクに記録された信号を読み取る系においては、信号処理(復調)をディジタル信号処理で行う場合、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器が必須となる。HDDでは近年、読み出し速度の高速化、記録密度の向上に伴い、1GS/sを超えるような超高速のA/D変換器が不可欠となっている。
A/D変換器で用いられるコンパレータにおいては、デバイスミスマッチに起因するオフセット(以下、「ランダムオフセット」)をA/D変換器の要求精度以下に抑える必要がある。一般的にデバイスミスマッチをσ、デバイスサイズをSとすると、以下の式(1)関係が成立する。
Figure 2008300939
式(1)から明らかなように、デバイスサイズSを大きくすることにより、デバイスミスマッチσを小さくすることができる。しかし、コンパレータを構成するデバイスサイズを大きくすることは寄生容量を増やし、コンパレータの負荷を増やすことに繋がり、高速化を妨げることとなる。
A/D変換器の中でも特に複数のコンパレータ(プリアンプ)が並列に配置され構成される並列比較型A/D変換器(以下、「フラッシュ型A/D変換器」と称する)では、ランダムオフセットを軽減させるアベレージング手法(以下、「アベレージング」と称する)がランダムオフセット対策の有効な手段の一つとなる。アベレージングとは、隣接するプリアンプの出力間をアベレージング抵抗で接続することにより、デバイスミスマッチσの影響を平均化し、ランダムオフセットを軽減させる手法である。
しかし、アベレージングを用いる際には、コンパレータ群の両端においては、一方は出力を接続できるコンパレータが存在するが、もう一方には存在しないという不整合が生じてしまう。そのような不整合により、コンパレータ出力がゼロを出力する際の入力電圧(以下、「ゼロクロス電圧」と称する)がずれることによってオフセット(以下、「システマティックオフセット」(Systematic Offset)と称する)が生じ、A/D変換の線形性が損なわれてしまう。
以下にアベレージングを用いたnビットフラッシュ型A/D変換器の従来回路例とそれらの構造を簡単に説明する。
図8は第1の従来回路である、プリアンプ群を備えた、nビットフラッシュ型A/D変換器の構成を示す回路図である。同図に示すように、第1の従来回路は基準電圧設定部35、プリアンプ部31、アベレージング抵抗部32及びエンコーダ34から構成される。
基準電圧設定部35は基準電圧VRT,基準電圧VRB間に直列に接続された複数((2n−2)個の抵抗ラダーRRより構成される。プリアンプ部31は並列に設けられる複数(2n−1)個のプリアンプPAより構成される。ラッチ部33は複数のプリアンプPAに対応して設けられる複数(2n−1)個)のラッチ(回路)LTより構成される。
プリアンプ部31及びラッチ部33において、対応するプリアンプPAとラッチLTとの組合せによりコンパレータ30が構成される。
コンパレータ30の前段部となるプリアンプPAは、共通に入力されるアナログ入力信号(以下、「VIN」と称する)を正入力に受け、基準電圧設定部35よりで生成される参照電圧VREFを負入力に受ける。
基準電圧設定部35より得られる基準電圧VREFは、基準電圧VRT〜基準電圧VRB(<VRT)間に直列に設けられる複数の抵抗ラダーRRの抵抗比によって、複数種類の電圧のうちいずれかとなる。
各プリアンプPAは、正入力より得られる入力電圧VINと負入力より得られる基準電圧VREFとの電位差を増幅して正出力及び負出力より正出力信号及び負出力信号を後段のラッチLTに出力する。
複数のコンパレータ30それぞれのラッチLTは、対応するプリアンプPAの出力(正出力信号及び負出力信号)に基づき“0”,“1”を判定し、その判定結果(“0”,“1”)を温度計符号D33として出力する。
このように、(2n−1)のコンパレータ30のラッチLTから出力される判定結果が、(2n−1)ビットの温度計符号D33として次段に設けられるエンコーダ34に付与される。
エンコーダ34は、(2n−1)ビットの温度計符号D33に基づき、nビットのバイナリ―信号に変換し、バイナリの出力データD34として出力する。
図9は図8で示したプリアンプPAの内部構成を示す回路図である。同図に示すように、プリアンプPAは一対の差動対トランジスタ(NMOSトランジスタTr1及びTr2)を有する。NMOSトランジスタTr1及びTr2のソース共通端子であるノードN3と接地電位Vssとの間に定電流源43が設けられる。
また、NMOSトランジスタTr1のドレインであるノードN1と電源Vddとの間に負荷素子41が設けられ、NMOSトランジスタTr2のドレインであるノードN2と電源Vddとの間に負荷素子42が設けられる。
NMOSトランジスタTr1のゲートには入力電圧VINが付与され、NMOSトランジスタTr2のゲートには基準電圧VREFが付与される。
このような構成において、差動対をなすNMOSトランジスタTr1及びTr2のゲートに付与される入力電圧VINと基準電圧VREFとの電位差が増幅され、ノードN1より出力電圧Voutnが得られ、ノードN2より出力電圧Voutpが得られる。出力電圧Voutpと出力電圧Voutnとの電位差が入力電圧VINと基準電圧VREFとの電位差を増幅して得られる電位差となる。なお、図9において、NMOSトランジスタTr1及びTr2を流れる電流を電流I1及び電流I2とする。
なお、プリアンプPAの正入力がNMOSトランジスタTr1のゲート電極、負入力がNMOSトランジスタTr2のゲート電極、正出力がノードN2、負出力がノードN1となる。
なお、図9で示した回路例では、NMOSトランジスタを差動対トランジスタとして用いているが、PMOSトランジスタ等のPchトランジスタを差動対トランジスタとして用いることも可能である。
図8に戻って、隣接するプリアンプPAそれぞれの同相出力間を抵抗で接続したアベレージング抵抗部32が設けられる。すなわち、アベレージング抵抗部32は、互いに隣接するプリアンプPA間において、正出力間にアベレージング抵抗RApを設け、負出力間にアベレージング抵抗RAnを設けている。
このように、アベレージング抵抗部32は、複数のプリアンプPAの正出力間及び負出力間において複数のアベレージング抵抗RAp及びRAnを設けた構成を呈している。
アベレージング抵抗部32によって、プリアンプPA同士のオフセットの影響を平均化するアベレージングを行っている。このアベレージング手法によって個々のプリアンプPAの素子サイズを増加させることなく、ランダムオフセットを軽減することができる。
しかし、プリアンプ部31の両端に存在するプリアンプPAでは、内側にはアベレージング抵抗を接続し得るプリアンプが存在するが、外側には存在しないという不整合が生じてしまう。
図10にアベレージングを行わない場合のプリアンプPAの電圧-電流特性を示すグラフである。図10は、横軸に入力電圧VINを、縦軸にプリアンプの差動対を流れる電流の差分である差分電流Idを表している。なお、差分電流Idは図9で示した電流I1及び電流I2との関係において、「Id=I1−I2」となる。
図10は、注目するプリアンプを中心に、その周囲のプリアンプの差分電流Idを順次プロットした様子を模式的に表している。アベレージングを行う際には、周辺プリアンプの差分電流Idの何割かがアベレージング抵抗を介して注目するプリアンプに流れ込むことになり、アベレージング抵抗値が均一な場合、流れ込む割合は、注目するプリアンプを中心に両側方向に対称に減少していくことになる。
複数種の基準電圧VREFの一つである参照電圧VNが入力されるプリアンプに注目した場合、VIN=VNの時に注目するプリアンプの差分電流IdをIk[Vk]とする。そして、 注目するプリアンプの左隣のプリアンプ(基準電圧VREFとして、Vkよりも1LSB相当の電圧(以下、「VLSB」と称する)小さい電圧が入力されるプリアンプ)のIdをIk-1[Vk]とする。一方、注目するプリアンプの右隣のプリアンプ(基準電圧VREFとしてVk+VLSBが入力されるプリアンプ)のIdをIk+1[Vk]とする。なお、VLSBとは基準電圧設定部35の一単位の抵抗ラダーRRによる電圧降下分を意味する。
同様にそれぞれの右隣、左隣のプリアンプのIdを順次Ik-2[Vk], Ik-3[Vk]・・・, Ik+2[Vk], Ik+3[Vk]・・・とする。また、両隣のプリアンプから、注目するプリアンプに流れ込む電流のそれぞれの差分電流Idに対する割合をA1, 2個隣から流れ込む電流のそれぞれの差分電流Idに対する割合をA2, 3個, 4個・・・隣から流れ込む電流のそれぞれの差分電流Idに対する割合をA3, A4, ・・・とする。
アベレージングに不整合が生じていない場合の例に、基準電圧VREFとして抵抗ラダーの中点電位(以下、「VREFM」と称する)が入力される中央のプリアンプに注目する。理想的には中央のプリアンプはVIN=VREFの際に、その差分電流Idがゼロとなる。中央のプリアンプに注目するとIk[VREFM]はゼロとなる。中央のプリアンプにアベレージング抵抗を介して流れ込む電流の和Iaveragein_center[VREFM]は、以下の式(2)で表される。
Figure 2008300939
中央のプリアンプでは、両側に均一にプリアンプが存在するため、VIN=VREFM時には各プリアンプの差分電流Idは中央のプリアンプを中心として両側方向に対称となり、以下の式(3)が成立する。
Figure 2008300939
上記した式(2)、式(3)によより、電流和Iaveragein_centerは以下の式(4)に示すように“0”となる。
Figure 2008300939
このように、アベレージング抵抗を介して中央のプリアンプに流れ込む電流は互いに打ち消しあうことになるため、アベレージング後の中央プリアンプの差分電流Idはゼロとなり、アベレージングが原因となるシステマティックオフセットは発生しない。
一方、プリアンプ部31において両端のプリアンプでは、内側からはアベレージング抵抗を介した電流の流入(流出)がある一方、外側からの電流流入(流出)は無い。
図11はプリアンプ部31の両端に存在するプリアンプPAのアベレージング接続の不整合が原因となるシステマティックオフセット説明用のグラフである。
図11を参照して、図8の左端プリアンプ(VREFとして基準電圧VRBが入力される)に注目する。左端のプリアンプは理想的には基準電圧VRBが入力された際に出力がゼロとなる。左端のプリアンプに注目するとIk[VRB]はゼロとなる。左端のプリアンプにアベレージング抵抗を介して流れ込む電流の和Iaveragein_left[VRB]は、以下の式(5)で表される。
Figure 2008300939
式(5)に示すように、左端のプリアンプでは左側(プラス極性)からの電流の流入(流出)がないため、式(6)に示すように電流和Iaveragein_left[VRB]はマイナスとなる。
Figure 2008300939
このように、アベレージング後の左端プリアンプの差分電流Idがマイナス側に偏り、基準電圧VRBよりも大きい電圧が入力されてはじめて左端のプリアンプPAがゼロを出力することになる。
このようなゼロクロス電圧のズレは内側のプリアンプPAにいくほど小さくなるものの、両端のプリアンプのみでなく、両端から内側数個のプリアンプにも発生してしまう。アベレージングを用いる際には、こうしたゼロクロス電圧のずれによってシステマティックオフセットが生じてしまうという問題点があった。
この問題点を解決するために非特許文献1に開示された第2の従来回路であるA/D変換器がある。
図12は第2の従来回路であるフラッシュ型A/D変換器の回路構成を示す回路図である。同図に示すように、第2の従来回路は基準電圧設定部55、プリアンプ部51及びアベレージング抵抗部52から構成される。なお、説明の都合上、ラッチ部、エンコーダの図示は省略しているが、図8のラッチ部33及びエンコーダ34と同様にプリアンプ部51の実動作領域MOAに対応して設けられる。
基準電圧設定部55は実動作領域MOAの構成は図8で示した基準電圧設定部35と同様である。基準電圧設定部55はさらに基準電圧VRBと拡大基準電圧VREFN(<VRB)との間のダミー動作領域DOA1において、所定数の直列接続ダミー抵抗ラダーDRRが設けられる。同様にして、基準電圧VRTと拡大基準電圧VREFP(>VRT)との間のダミー動作領域DOA2において、所定数の直列接続ダミー抵抗ラダーDRRが設けられる。
したがって、基準電圧設定部55より得られる基準電圧VREFは、拡大基準電圧VREFN〜拡大基準電圧VREFP間に直列に設けられる(2n−2)個+αの抵抗ラダーRR及びダミー抵抗ラダーDRRの抵抗比によって、{(2n−1)+α}種類の電圧のうちいずれかとなる。
プリアンプ部51は実動作領域MOAの構成は図8で示したプリアンプ部31と同様である。プリアンプ部51はさらにダミー動作領域DOA1において基準電圧設定部55より得られる基準電圧VREFと入力電圧VINとを入力とする所定数のダミープリアンプDPAが並列に設けられる。同様にして、ダミー動作領域DOA2において基準電圧設定部55より得られる基準電圧VREFと入力電圧VINとを入力する所定数のダミープリアンプDPAが並列に設けられる。
アベレージング抵抗部52は実動作領域MOAの構成は図8で示したアベレージング抵抗部32と同様である。アベレージング抵抗部52はさらにダミー動作領域DOA1において、所定数のダミープリアンプDPAのうち隣接するダミープリアンプDPA間において正出力間及び負出力間に所定数のダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを設けた構成を呈している。同様にして、ダミー動作領域DOA2において、所定数のダミープリアンプDPAのうち隣接するダミープリアンプDPA間において正出力間及び負出力間に所定数のダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを設けた構成を呈している。
さらに、ダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの正出力はダミー用アベレージング抵抗DRApを介してダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの負出力に接続される。また、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの正出力はダミー用アベレージング抵抗DRApを介してダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの負出力に接続される。
上述した構成の、第2の従来回路では、基準電圧VRB及び基準電圧VRTが入力されるプリアンプのさらに外側に複数の冗長アンプであるダミープリアンプDPAを設けて、不整合の影響がA/D変換に関わる実動作領域MOAのプリアンプPAに及ばないようにしている。
さらに、図12で示した第2の従来回路では、両端のダミープリアンプDPAの出力を反対側のダミーアンプの逆相出力と接続する工夫を行っている。すなわち、右端のダミープリアンプDPAの正出力を左端のダミープリアンプDPAの負出力と接続し、右端のダミープリアンプDPAの負出力を左端のダミープリアンプDPAの正出力と接続している。
図13は第2の従来回路において、アベレージングを行わない際のアンプの電圧-電流特性を示すグラフである。なお、図13は必要なダミープリアンプ数は4個の際に、実際にはダミー動作領域DOA1及びDOA2それぞれに5個のダミープリアンプを設けた場合を示している。
同図に示すように、I-(k-5),I-(k-4),・・・はそれぞれ、ダミープリアンプの右端、ダミープリアンプの右端から2番目、・・・のプリアンプの差分電流Idの反転値−Id(図9の(I2-I1)に相当)を表す。ここで−Idとするのは、アベレージング接続を行う際には上述した逆相出力と接続するからである。
このような接続を用いることにより、最外のダミープリアンプに関し反対側のダミープリアンプからも電流の流入(流出)が生じることとなり、図13に示すように対象プリアンプのゼロクロス電圧から十分離れた領域(差分電流Idが飽和している領域)での対称性が向上することとなる。
"A6b1.3Gsample/s A/D Converter in 0.35um CMOS"IEEE 2001 International Solid State Circuits Conference 予稿集
図12で示した第2の従来回路では、所定数のダミープリアンプDPA及びダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを実動作領域MOAの外側のダミー動作領域DOA1及びDOA2に設けることにより、プリアンプ部51の実動作領域MOAに生じるシステマティックオフセットを軽減している。
このため、システマティックオフセットの影響を完全に取り除く際に必要な個数のダミープリアンプを用意しようとすると、ダミープリアンプ分の消費電流、及びレイアウト面積が大幅に増えてしまう。消費電流、レイアウト面積削減のために、ダミープリアンプの数を必要数よりも削減することは可能であるが、その際には図11及び式(6)で示したケースとは違った形のシステマティックオフセットが発生する。
図14は第2の従来回路の問題点を示したグラフである。以下、図14を参照して、第2の従来回路のシステマティックオフセットを説明する。図14に示すように、第2の従来回路において、ダミー動作領域DOA1及びDOA2それぞれにおいて4個のダミープリアンプDPA及びダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnが必要な際に、2個しか存在しない状況を考える。
図14にはアベレージングを行わない際の各プリアンプの電圧-電流特性を示す。メインアンプ部左端プリアンプ(基準電圧VREFとして基準電圧VRBが入力される)に注目すると、図14に示すように通常Ik[VRB]はゼロとなる。メインアンプ部左端のプリアンプにアベレージング抵抗を介して流れ込む電流の和I2averagein_left[VRB]は、以下の式(7)で表される。
Figure 2008300939
式(7)に示すように、不足ダミープリアンプ分の電流流入(流出)はI-(k-2)[VRB](右端のダミープリアンプ)、I-(k-1)[VRB](右端から1つ左隣のダミープリアンプ)という反対側のダミープリアンプが補うこととなる。すなわち、ダミー動作領域DOA1のダミープリアンプDPAの不足分をダミー動作領域DOA2のダミープリアンプDPAが補うこととなる。
この際、反対側のダミーアンプ逆相出力の差分電流Idは飽和しているので、本来アベレージング抵抗を介して流入(流出)されるべき電流と比較して多くの電流が、注目するプリアンプに流入(流出)されることとなり、非対称領域47が生じてしまい、以下の式(8)の関係が成立する。
Figure 2008300939
上記した式(7)、式(8)より、以下の式(9)が導き出される。
Figure 2008300939
式(9)に示すように、実動作領域MOAの左端プリアンプに流入(流出)される電流がプラスとなるためアベレージング後の実動作領域MOAの左端プリアンプの差分電流Idがプラス側に偏り、結果としてゼロクロス電圧がマイナス側にずれてしまうこととなる。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、少ない個数のダミープリアンプ等のダミー用の差動増幅器を用いた場合でも、効率的にシステマティックオフセットを軽減することができるA/D変換器を得ることを目的とする。
また、回路面積や、消費電流を削減することが可能なA/D変換器を得ることを他の目的とする。
この発明の一実施の形態によれば、プリアンプ部の実動作領域に対応して設けられた複数の実動作用アベレージング抵抗は共通に抵抗値R1に設定さる。一方、プリアンプ部のダミー動作領域に対応して設けられた複数のダミーアベレージング抵抗の抵抗値は共通に抵抗値R2に設定される。これらの抵抗値R1,R2は、R2>R1の関係を有する。
この実施の形態によれば、アベレージング抵抗部において、実動作領域の実動作用アベレージング抵抗の抵抗値R1より、ダミー動作領域のダミー用アベレージング抵抗の抵抗値R2を高く設定することにより、ゼロクロス電圧のマイナス側へのずれが改善され、システマティックオフセットの低減を図ることができる効果を奏する。
<実施の形態1>
(構成)
図1はこの発明の実施の形態1であるnビットのフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。同図に示すように、実施の形態1のA/D変換器21のプリアンプブロック部分は、プリアンプ部1(差動増幅部)、アベレージング抵抗部2及び基準電圧設定部5から構成される。これらの構成部1,2,5は一つの半導体基板上に形成される。
基準電圧設定部5は、基準電圧VRT,基準電圧VRB間の実動作領域MOAにおいて、直列に接続された複数((2n−2)個)の抵抗ラダーRRが設けられる。さらに、基準電圧設定部5は、基準電圧VRBと拡大基準電圧VREFN(<VRB)との間のダミー動作領域DOA1において、所定数の直列接続ダミー抵抗ラダーDRRが設けられる。同様にして、基準電圧VRTと拡大基準電圧VREFP(>VRT)との間のダミー動作領域DOA2において、所定数の直列接続ダミー抵抗ラダーDRRが設けられる。なお、抵抗ラダーRR及びダミー抵抗ラダーDRRは全て同一抵抗値に設定される。
したがって、基準電圧設定部5より得られる基準電圧VREFは、実動作領域MOA及びダミー動作領域DOA1及びDOA2において、拡大基準電圧VREFN〜拡大基準電圧VREFP間に直列に設けられる{(2n−2)+α}個の抵抗ラダーRR及びダミー抵抗ラダーDRRの抵抗比によって、複数種類の電圧のうちいずれかとなる。
このように、基準電圧設定部5は基準電圧VREFとして、実動作領域MOAにある基準電圧(VRB〜VRT)に加え、実動作領域MOAからマイナス方向及びプラス方向にそれぞれシフトしたダミー動作領域DOA1及びDOA2にある基準電圧(VREFN〜VRB及びVRT〜VREFP)を出力している。
すなわち、基準電圧設定部5は、実動作領域MOAにおいて、基準電圧VRT,VRB間の実動作基準電圧として基準電圧VREFを出力するとともに、ダミー動作領域DOA1及びDOA2において基準電圧VRB,VREFN間の一方方向ダミー基準電圧、あるいは基準電圧VRT,VREFP間の他方方向ダミー基準電圧として基準電圧VREFを出力する。
プリアンプ部1は実動作領域MOAに対応して複数((2n−1)個)の実動作プリアンプRPAが並列に設けられ、正入力(一方入力)に入力電圧VINを受け、負入力(他方入力)に基準電圧VREF(実動作基準電圧)を受ける。さらに、プリアンプ部1は、ダミー動作領域DOA1に対応して所定数のダミープリアンプDPAが並列に設けられ、各ダミープリアンプDPAは正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREF(一方方向ダミー基準電圧)を受ける。同様にして、プリアンプ部1は、ダミー動作領域DOA2に対応して所定数のダミープリアンプDPAが並列に設けられ、各ダミープリアンプDPAは正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREF(他方方向ダミー基準電圧)を受ける。
そして、実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAはそれぞれ正入力,負入力間の電位差を増幅して、正出力(一方出力)及び負出力(他方出力)より互いの位相が反対の関係となる一方出力信号及び他方出力信号を出力する。なお、実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAの内部構成は図9で示したプリアンプPAの内部構成と同様に差動増幅器を構成している。
アベレージング抵抗部2は、実動作領域MOAにおいて、互いに隣接する実動作プリアンプRPAの正出力間に設けられた実動作用アベレージング抵抗MRApを有し、負出力間に設けられた実動作用アベレージング抵抗MRAnを有している。すなわち、アベレージング抵抗部2は、複数の実動作プリアンプRPAの正出力間及び負出力間に設けられた複数の実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnを設けた構成を呈している。
さらに、アベレージング抵抗部2は、ダミー動作領域DOA1において、互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間にダミー用アベレージング抵抗DRApを設け、負出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAnを設けている。同様にして、アベレージング抵抗部2は、ダミー動作領域DOA2において、互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間にダミー用アベレージング抵抗DRApを設け、負出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAnを設けている。
また、アベレージング抵抗部2は、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA1との間において互いに隣接した実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnが設けられる。同様にして、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA2との間において互いに隣接した実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnが設けられる。
さらに、アベレージング抵抗部2において、ダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPA(他方方向最外ダミープリアンプ)の正出力と、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPA(一方方向最外ダミープリアンプ)の負出力とがダミー用アベレージング抵抗DRApを介して接続される。
同様にして、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの正出力とダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの負出力とがダミー用アベレージング抵抗DRApを介して接続される。すなわち、ダミー動作領域DOA1及びDOA2間において両端のダミープリアンプDPAがダミー用アベレージング抵抗DRApを介して逆相出力同士が接続される。
なお、ダミー動作領域DOA1に設けられるダミープリアンプDPA並びにダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnそれぞれの個数と、ダミー動作領域DOA2に設けられるダミープリアンプDPA並びにダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnそれぞれの個数は同数に設定される。
また、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値は同一の抵抗値R1(所定の抵抗値)に設定され、ダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値は同一の抵抗値R2に設定され、抵抗値R1<抵抗値R2の関係を持たせている。
なお、本実施の形態では、互いに隣接した実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間に設けた中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnを用いている。しかし、中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの代わりにダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを用いても良い。すなわち、上記中間アベレージング抵抗の抵抗値は抵抗値R1であっても、抵抗値R1より高い抵抗値R2であっても良い。
図2は図1で示したプリアンプブロック部分を含む、実施の形態1のA/D変換器21の全体構成を示す回路図である。同図に示すように、ラッチ部3は実動作領域MOAにおける実動作プリアンプRPAに対応して設けられた複数((2n−1)個)のラッチLT1から構成される。各ラッチLT1は対応する実動作プリアンプRPAの正出力及び負出力より一方出力信号及び他方出力信号を受け、その電位差に基づき決定される判定結果(“0”,“1”)をラッチして(2n−1)ビットの温度計符号D3を出力する。
エンコーダ4は温度計符号D3をデコードして、そのデコード結果をnビットのバイナリの出力データD4として出力する。このように、ラッチ部3及びエンコーダ4は複数の実動作プリアンプRPAの一方出力信号及び他方出力信号より得られる差動増幅結果に基づき、出力データD4を得るエンコード部として機能する。
このように、構成の実施の形態1のA/D変換器21において、プリアンプ部1は、A/D変換に関わる実動作領域MOAにおける複数の実動作プリアンプRPAとダミー動作領域DOA1及びDOA2にそれぞれ所定数ずつ配置されるダミープリアンプDPAから構成される。
(効果)
実施の形態1のA/D変換器21は、アベレージング抵抗部2において、実動作領域MOAの実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値R1より、ダミー動作領域DOA1及びDOA2のダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値R2を高く設定している。
したがって、ダミープリアンプDPA側からのアベレージング抵抗を介した電流の流入量(流出量)が上述した第2の従来回路に比べ減少することとなる。つまり、実動作領域MOAの左端の実動作プリアンプRPA(基準電圧VREF=VRB,以下、「左端実動作プリアンプ」と略記する)に注目すると以下の特性を有する。左端実動作プリアンプの左右に配置された実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAから、アベレージング抵抗を介して左端実動作プリアンプに流入(流出)される電流の左端実動作プリアンプの差分電流Id(以下、「左端差分電流IdL」と略記)に対する割合が、実動作領域MOA側で大きく、ダミー動作領域DOA1側で小さくなる。
左端実動作プリアンプの右隣の実動作プリアンプRPA(基準電圧VREF=VRB+VLSB)から、左端実動作プリアンプに流れ込む電流の左端差分電流IdLに対する割合をA1, 2個右隣の実動作プリアンプRPAから流れ込む電流の左端差分電流IdLに対する割合をA2, 3個, 4個・・・右隣の実動作プリアンプRPAから流れ込む電流のそれぞれの左端差分電流IdLに対する割合をA3, A4, ・・・とする。
また、左端実動作プリアンプの左隣のダミープリアンプDPA(基準電圧VREF=VRB−VLSB)から、左端実動作プリアンプに流れ込む電流の左端差分電流IdLに対する割合をA′1, 2個左隣から流れ込む電流の左端差分電流IdLに対する割合をA′2, 3個, 4個・・・左隣から流れ込む電流それぞれの左端差分電流IdLに対する割合をA′3, A′4, ・・・とする。
この場合、左端実動作プリアンプは、通常Ik[VRB]はゼロとなる。したがって、左端実動作プリアンプにアベレージング抵抗を介して流れ込む電流の和I3averagein_left[VRB]は、以下の式(10)で表される。
Figure 2008300939
この際、前述したようにダミープリアンプDPA側からのアベレージング抵抗を介した電流の流入量(流出量)が減少するため、以下の式(11)に示す関係が成立する。
Figure 2008300939
したがって、第2の従来回路において示した式(7)及び式(8)と、上述した式(10)及び式(11)の比較から、以下の式(12)が導き出される。
Figure 2008300939
式(12)から明らかなように、左端実動作プリアンプに流入(流出)される電流の+側への偏りが、第2の従来回路と比較して緩和されることとなる。その結果、ゼロクロス電圧のマイナス側へのずれが改善され、システマティックオフセットの低減を図ることができる。
なお、上記効果を確実に発揮させるには、さらに、以下の式(13)を満足するように、抵抗値R1及び抵抗値R2等を設定する必要がある。
Figure 2008300939
このように、実施の形態1のA/D変換器21は、アベレージング抵抗部2において、実動作領域MOAの実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値R1より、ダミー動作領域DOA1及びDOA2のダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値R2を高く設定することにより、ゼロクロス電圧のマイナス側へのずれが改善され、システマティックオフセットの低減を図ることができる効果を奏する。
なお、上記システマティックオフセットの低減効果は、ダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値の全てを抵抗値R1以上にし、かつ、少なくとも一部を抵抗値R1より高く設定することにより、発揮させることができる。
(他の態様)
また、基準電圧VREFのうち最も高い基準電圧(拡大基準電圧VREFPの次に高い基準電圧)を負入力に受ける右端のダミープリアンプDPAと、基準電圧VREFのうち最も低い基準電圧(拡大基準電圧VREFNの次に低い基準電圧)を負入力に受ける左端のダミープリアンプDPAについて着目する。そして、右端及び左端のダミープリアンプDPA(第1及び第2のダミー差動増幅回路)以外の実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAの少なくとも二つを正規の差動増幅回路として分類する。すなわち、上記最も高い基準電圧及び上記最も低い基準電圧以外で、上記最も高い基準電圧〜上記最も低い基準電圧間において互いに隣接する少なくとも二つの基準電圧(第1及び第2の基準電圧)を負入力に受ける少なくとも二つの実動作プリアンプRPAあるいはダミープリアンプDPAを正規の差動増幅回路として分類している。
この場合、右端のダミープリアンプDPAの正出力と左端のダミープリアンプDPAの負出力との間、及び右端のダミープリアンプDPAの負出力と左端のダミープリアンプDPAの正出力との間にそれぞれ設けられるダミー用アベレージング抵抗DRApの抵抗値のみをダミー抵抗値とする。そして、隣接する正規の差動増幅回路(RPA,DPA)の正出力間及び負出力間に設けられる抵抗MRAp(DRAp)及び抵抗MRAn(DRAn)である第1及び第2の抵抗素子の抵抗値より、上記ダミー抵抗値を大きくすることによっても、システマティックオフセットの低減効果を発揮させることができる。
なお、正規の差動増幅回路は、図2に示す実動作プリアンプRPAのように、後段にその出力信号を論理しきい値電圧により論理“1”または論理“0”を判定して保持するラッチLT1が存在することが望ましい。
また、上述したように、ダミープリアンプDPAの内部構成は実動作プリアンプRPAと同じ回路構成であることが望ましい。
さらに、基準電圧VREFのうち最も高い基準電圧の次に高い基準電圧を負入力に受ける右端から2番目のダミープリアンプDPA(第3のダミー差動増幅回路)と、基準電圧VREFのうち最も低い基準電圧の次に低い基準電圧を負入力に受ける左端から2番目のダミープリアンプDPA(第4のダミー差動増幅回路)について着目する。そして、右端及び左端並びに右端及び左端から2番目のダミープリアンプDPA(第1〜第4のダミー差動増幅回路)以外の実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAの少なくとも二つを正規の差動増幅回路として分類する。すなわち、最も高い基準電圧の次に高い基準電圧及び上記最も低い基準電圧の次に低い基準電圧以外で、上記最も高い基準電圧の次に高い基準電圧〜上記最も低い基準電圧の次に低い基準電圧間において互いに隣接する少なくとも二つの基準電圧を負入力に受ける少なくとも二つの実動作プリアンプRPAあるいはダミープリアンプDPAを正規の差動増幅回路として分類している。
この場合、右端のダミープリアンプDPAの正出力及び負出力と右端から2番目のダミープリアンプDPAの正出力及び負出力との間、及び左端のダミープリアンプDPAの正出力及び負出力と左端から2番目のダミープリアンプDPAの正出力及び負出力との間にそれぞれ設けられるダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値を追加ダミー抵抗値とする。そして、隣接する正規の差動増幅回路(RPA,DPA)の正出力間及び負出力間に設けられる抵抗MRAp(DRAp)及び抵抗MRAn(DRAn)である第1及び第2の抵抗素子の抵抗値より、上記追加ダミー抵抗値を大きくすることによって、システマティックオフセットの低減効果をさらに発揮させることができる。
<実施の形態2>
図3はこの発明の実施の形態2であるnビットフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。同図に示すように、実施の形態2のA/D変換器22は、図1で示した実施の形態1のアベレージング抵抗部2に替えてアベレージング抵抗部6を用いて構成している。これらの構成部1,5,6は一つの半導体基板上に形成される。
アベレージング抵抗部6は、実動作領域MOAにおいて、実施の形態1のアベレージング抵抗部2と同様、複数の実動作プリアンプRPAのうち隣接する実動作プリアンプRPA間において正出力間及び負出力間に複数の実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnを設けた構成を呈している。複数の実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnは実施の形態1と同様に共通に抵抗値R1に設定される。
さらに、アベレージング抵抗部6は、ダミー動作領域DOA1において、互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAp(DRA1p〜DRA3p)を設け、負出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAn(DRA1n〜DRA3n)を設けている。同様にして、アベレージング抵抗部6は、ダミー動作領域DOA2において、互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAp(DRA1p〜DRA3p)を設け、負出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAn(DRA1n〜DRA3n)を設けている。
ダミー用アベレージング抵抗DRA1p〜DRA3pはダミー動作領域DOA1及びDOA2において、図中内側から外側にかけて、すなわち、実動作領域MOAからの距離が広がる方向に、ダミー用アベレージング抵抗DRA1p,DRA2p,DRA3pの順にそれぞれ所定数ずつ設けられる。同様にして、ダミー用アベレージング抵抗DRA1n〜DRA3nはダミー動作領域DOA1及びDOA2において、図中内側から外側にかけて、ダミー用アベレージング抵抗DRA1n,DRA2n,DRA3nの順にそれぞれ所定数ずつ設けられる。
なお、ダミー動作領域DOA1に設けられるダミープリアンプDPA並びにダミー用アベレージング抵抗DRA1p〜DRA3p及びDRA1n〜DRA3nそれぞれの個数と、ダミー動作領域DOA2に設けられるダミープリアンプDPA並びにダミー用アベレージング抵抗DRA1p〜DRA3p及びDRA1n〜DRA3nそれぞれの個数は同数に設定される。
ダミー用アベレージング抵抗DRAp1及びDRAn1は同じ抵抗値R21を有し、ダミー用アベレージング抵抗DRAp2及びDRAn2は同じ抵抗値R22を有し、ダミー用アベレージング抵抗DRAp3及びDRAn3は同じ抵抗値R23を有している。そして、抵抗値R1及び抵抗値R21〜R23間において、「R23≧R22≧R21≧R1」、かつ、「R23>R1」の関係を有している。すなわち、抵抗値R21〜R23は実動作領域MOAからの距離が広がるに従い、より小さくない値を採るように設定されている。
また、実施の形態1と同様、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA1及びDOA2それぞれとの境界において互いに隣接する実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnが設けられる。
さらに、アベレージング抵抗部6において、ダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの正出力がダミー用アベレージング抵抗DRA3pを介して、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの負出力と接続される。同様にして、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの正出力がダミー用アベレージング抵抗DRA3pを介してダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの負出力に接続される。すなわち、ダミー動作領域DOA1及びDOA2間において両端のダミープリアンプDPAがダミー用アベレージング抵抗DRAp3を介して逆相出力間で接続される。
なお、プリアンプ部1及び基準電圧設定部5の構成は実施の形態1のA/D変換器21と同様であるため、説明を省略する。また、全体構成においてもアベレージング抵抗部2がアベレージング抵抗部6に置き換わる点を除き、図2で示した構成と同様である。
上述したように、実施の形態2のA/D変換器22におけるアベレージング抵抗部6は、実動作領域MOAの実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnは実施の形態1と同様に一種類の抵抗値R1に設定している。
しかし、アベレージング抵抗部6は、ダミー動作領域DOA1及びDOA2において、3種類の抵抗値R21〜R23を有するダミー用アベレージング抵抗DRA1p〜DRA3p及びダミー用アベレージング抵抗DRA1n〜DRA3nを有している。そして、ダミー用アベレージング抵抗DRA1p〜DRA3p(DRA1n〜DRA3n)の抵抗値R21〜R23は、「R21≦R22≦R23」というように外側に行くほどより小さくない値を採るように設定している点が実施の形態1のアベレージング抵抗部2と異なる。
なお、本実施の形態では、互いに隣接した実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間に設けた中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnを用いている。しかし、中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの代わりにダミー用アベレージング抵抗DRA1p及びDRA1nを用いても良い。すなわち、上記中間アベレージング抵抗の抵抗値は抵抗値R1であっても、抵抗値R1以上の抵抗値R21であっても良い。
(効果)
ダミー動作領域DOA1及びDOA2のダミー用アベレージング抵抗DRAp(DRA1p〜DRA3p)及びDRAn(DRA1n〜DRA3n)の抵抗値(R21〜R23)を実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値R1より大きく設定するということは、実動作領域MOAの両端付近に設ける実動作プリアンプRPAでのアベレージングによるランダムオフセット低減効果を低下させることをも意味する。
つまり、実動作領域MOAの両端付近の実動作プリアンプRPAで生じるランダムオフセットが増えてしまうことになる。
実施の形態1においては、実動作領域MOAの両端付近の実動作プリアンプRPAで生じる、システマティックオフセットの低減と、ランダムオフセットの増加とのトレードオフを考慮しながら、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値R1と、ダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値R2とを設定する必要があった。
一方、実施の形態2では、ダミー動作領域DOA1及びDOA2において、実動作領域MOAからの距離が広がる方向におけるダミー用アベレージング抵抗DRA1p〜DRA3pの順、ダミー用アベレージング抵抗DRA1n〜DRA3nの順に段階的に高くなるように、抵抗値R21〜R23を設定している。
その結果、抵抗値R21〜R23の設定により、実動作領域MOAの両端付近の実動作プリアンプRPAにおけるアベレージングによるランダムオフセット低減効果をある程度維持しながら、ゼロクロス電圧の広がりを抑制するようなアベレージング抵抗値を実施の形態1以上に容易かつ正確に選択できることができる効果を奏する。
<実施の形態3>
(構成)
図4はこの発明の実施の形態3であるnビットのフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。同図に示すように、実施の形態3のA/D変換器23のプリアンプブロック部分は、プリアンプ部7、アベレージング抵抗部8及び基準電圧設定部9から構成される。これらの構成部7〜9は一つの半導体基板上に形成される。
基準電圧設定部9は、基準電圧VRT,基準電圧VRB間の実動作領域MOAにおいて、直列に接続された複数の抵抗ラダーRRが設けられる。さらに、基準電圧設定部9は、基準電圧VRBと拡大基準電圧VREFN(<VRB)との間のダミー動作領域DOA1において、所定数の直列接続ダミー抵抗ラダーDRRが設けられる。同様にして、基準電圧VRTと拡大基準電圧VREFP(>VRT)との間のダミー動作領域DOA2において、所定数の直列接続ダミー抵抗ラダーDRRが設けられる。
そして、基準電圧設定部9は、実動作領域MOA及びダミー動作領域DOA1及びDOA2において、2単位の抵抗ラダーRR毎に分圧されて得られる、間引きされた複数種類の基準電圧が基準電圧VREFとして出力される。すなわち、基準電圧設定部9は基準電圧設定部5と同様な構成を呈しているが、基準電圧VREFの出力数を約1/2に縮小している。
プリアンプ部7は実動作領域MOAに対応して個数が縮小された複数の実動作プリアンプRPAが並列に設けられ、各実動作プリアンプRPAは正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREFを受ける。
ダミー動作領域DOA1に対応して、実動作プリアンプRPAと同様に個数が縮小された複数のダミープリアンプDPAが並列に設けられ、各ダミープリアンプDPAは正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREFを受ける。同様にして、プリアンプ部7は、ダミー動作領域DOA2に対応して、個数が縮小された複数のダミープリアンプDPAが並列に設けられ、各ダミープリアンプDPAは正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREFを受ける。
アベレージング抵抗部8は、実動作領域MOAにおいて、互いに隣接するプリアンプPAの正出力間に直列接続された2単位(所定数)の部分実動作用アベレージング抵抗PMRApを設け、負出力間に直列に接続された2単位の部分実動作用アベレージング抵抗PMRAnを設けている。
そして、実動作領域MOAにおいて、隣接する実動作プリアンプRPAの正出力間に設けられた2単位の部分実動作用アベレージング抵抗PMRAp間の中間電圧MVpが一方補間電圧(一方補間出力信号)として出力される。同様にして、隣接する実動作プリアンプRPAの負出力間に設けられた2単位の部分実動作用アベレージング抵抗PMRAn間の中間電圧MVnが他方補間電圧(他方補間出力信号)として出力される。このように、アベレージング抵抗部8は、実動作領域MOAにおける実動作プリアンプRPAの出力をインターポレーション(補間)する機能を備えている。
さらに、アベレージング抵抗部8は、ダミー動作領域DOA1において、図1で示した互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間にダミー用アベレージング抵抗DRApを設け、負出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAnを設けている。同様にして、アベレージング抵抗部8は、ダミー動作領域DOA2において、互いに隣接するダミープリアンプDPAの正出力間にダミー用アベレージング抵抗DRApを設け、負出力間にダミー用アベレージング抵抗DRAnを設けている。
また、図4では図示しないが、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA1との間における実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間にはそれぞれ直列接続された2単位の部分実動作用アベレージング抵抗PMRAp及びPMRAnが中間アベレージング抵抗として設けられる。同様にして、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA2との間における実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間にはそれぞれ直列接続された2単位の部分実動作用アベレージング抵抗PMRAp及びPMRAnが中間アベレージング抵抗として設けられる。
さらに、アベレージング抵抗部8において、ダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの正出力がダミー用アベレージング抵抗DRApを介して、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの負出力と接続される。同様にして、ダミー動作領域DOA1の左端のダミープリアンプDPAの正出力がダミー用アベレージング抵抗DRApを介してダミー動作領域DOA2の右端のダミープリアンプDPAの負出力に接続される。すなわち、ダミー動作領域DOA1及びDOA2間において両端のダミープリアンプDPAがダミー用アベレージング抵抗DRApを介して逆相出力間で接続される。
なお、ダミー動作領域DOA1に設けられるダミープリアンプDPA並びにダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnそれぞれの個数と、ダミー動作領域DOA2に設けられるダミープリアンプDPA並びにダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnそれぞれの個数は同数に設定される。
また、部分実動作用アベレージング抵抗PMRAp及びPMRAnの抵抗値は同一の抵抗値R11に設定され、ダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値は同一の抵抗値R2に設定され、R2>2・R11の持たせている。
なお、全体構成は図2で示した実施の形態1の構成と同様である。ただし、ラッチ部3には実動作領域MOAにおける実動作プリアンプRPAの正出力及び負出力とともに、中間電圧MVp及び中間電圧MVnが付与される。すなわち、ラッチ部3は、実動作プリアンプRPAの正出力及び負出力に加え、中間電圧MVp及び中間電圧MVnを次段のエンコーダ4への出力用のデータとしてラッチする。
また、実施の形態3のA/D変換器23では、2倍インターポレーションの構成を示したが、さらにプリアンプ数を削減し、補間数を増やしたインターポレーションに対しても適応可能なことは勿論である。
なお、本実施の形態では、互いに隣接した実動作プリアンプRPAとダミープリアンプDPAとの正出力間及び負出力間に設けた中間アベレージング抵抗として、2単位の部分実動作用アベレージング抵抗PMRAp及びPMRAnを用いている。しかし、中間アベレージング抵抗として、2単位の実動作用アベレージング抵抗PMRAp及びPMRAnの代わりに1単位のダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを用いても良い。すなわち、上記中間アベレージング抵抗の抵抗値の和は抵抗値R11×2であっても、抵抗値R11×2より高い抵抗値R2であっても良い。
(効果)
実施の形態3のA/D変換器23は、実動作領域MOAにおけるプリアンプ部7の個数を約1/2に縮小し、アベレージング抵抗部8にインターポレーション機能を持たせた点を除き、実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、実施の形態3のA/D変換器23は実施の形態1のA/D変換器21と同様に、システマティックオフセットを低減することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態3のA/D変換器23では、インターポレーション機能を設けることにより、プリアンプ部7の実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAの個数を減らすことにより、実施の形態1のA/D変換器21によりも低消費電流、低レイアウト面積化(回路面積の減少)を図ることができる効果を奏する。
<実施の形態4>
(構成)
図5はこの発明の実施の形態4であるnビットのフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。同図に示すように、実施の形態4のA/D変換器24のプリアンプブロック部分は、プリアンプ部10、アベレージング抵抗部2及び基準電圧設定部15から構成される。これらの構成部2,10,15は一つの半導体基板上に形成される。
基準電圧設定部15は、基準電圧VRB及び基準電圧VRTを含む拡大基準電圧VREFN1〜拡大基準電圧VREFP1(>VREFN1)間に直列に設けられる複数の抵抗ラダーRR1及びダミー抵抗ラダーDRR1の抵抗比によって、複数種の電圧のうちいずれかを基準電圧VREF1(第1の実動作基準電圧,第1の一方方向及び他方方向ダミー基準電圧)として出力している。
さらに、基準電圧設定部15は、基準電圧VRT及び基準電圧VRBを含む拡大基準電圧VREFP2〜拡大基準電圧VREFN2(<VREFP2)間に直列に設けられる複数の抵抗ラダーRR2及びダミー抵抗ラダーDRR2の抵抗比によって、複数種の電圧のうちいずれかを基準電圧VREF2(第2の実動作基準電圧,第1の一方方向及び他方方向ダミー基準電圧)として出力している。なお、抵抗ラダーRR1,RR2及びダミー抵抗ラダーDRR1,DRR2の抵抗値は同一に設定される。
なお、基準電圧VREF1と基準電圧VREF2とはVREFN1=VREFN2及びVREFP1=VREFP2を満たし、逆相(電圧の高低が逆方向に変化)の関係になっている。すなわち、基準電圧VREF1は図5の左側から右側にかかて段階的に高くなるが、基準電圧VREF2は図5の左側から右側にかけて段階的に低くなる。
プリアンプ部10は実動作領域MOAに対応して複数の実動作プリアンプWRPAが並列に設けられ、各実動作プリアンプWRPAは第1正入力に入力電圧VINP(第1の入力電圧)を受け、第1負入力に基準電圧VREF1(第1の実動作基準電圧)を受け、第2正入力に基準電圧VREF2(第2の実動作基準電圧)を受け、第2負入力に入力電圧VINN(第2の入力電圧)を受ける。
なお、入力電圧VINPと入力電圧VINNとは以下の式(14)〜式(16)の関係を有する。式(16)におけるVINP(t),VINN(t)は入力電圧VINP及び入力電圧VINNの経時変化を意味する。
Figure 2008300939
Figure 2008300939
Figure 2008300939
さらに、プリアンプ部10は、ダミー動作領域DOA1及びDOA2にそれぞれに対応して所定数のダミープリアンプWDPAが並列に設けられ、各ダミープリアンプWDPAは第1正入力に入力電圧VINを受け、第1負入力に基準電圧VREF1(第1の一方方向及び他方方向ダミー基準電圧)を受け、第2正入力に基準電圧VREF2(第2の一方方向及び他方方向ダミー基準電圧)を受け、第2負入力に入力電圧VINNを受ける。
図6は図5で示した実動作プリアンプWRPA(ダミープリアンプWDPA)の内部構成を示す回路図である。同図に示すように、実動作プリアンプWRPAは二対の差動対トランジスタ(NMOSトランジスタTr11及びTr12の組とNMOSトランジスタTr13及びTr14の組)を有する。
NMOSトランジスタTr11及びTr12のソースの共通端子であるノードN13と接地電位Vssとの間に定電流源17が設けられる。
また、NMOSトランジスタTr11のドレインであるノードN1(負出力)と電源Vddとの間に負荷素子41が設けられ、NMOSトランジスタTr12のドレインであるノードN2(正出力)と電源Vddとの間に負荷素子42が設けられる。
NMOSトランジスタTr11のゲート(第1正入力)には入力電圧VINPが付与され、NMOSトランジスタTr12のゲート電極(第1負入力)には基準電圧VREF1が付与される。
NMOSトランジスタTr13及びTr14のソースの共通端子であるノードN23と接地電位Vssとの間に定電流源18が設けられる。
また、NMOSトランジスタTr13のドレインはノードN1に接続され、NMOSトランジスタTr14のドレインはノードN2に接続される。
NMOSトランジスタTr13のゲート(第2正入力)には基準電圧VREF2が付与され、NMOSトランジスタTr14のゲート(第2負入力)には入力電圧VINNが付与される。
このような構成において、差動対をなすNMOSトランジスタTr11及びTr12のゲートに付与される入力電圧VINPと基準電圧VREF1との電位差と、差動対をなすNMOSトランジスタTr13及びTr14のゲートに付与される基準電圧VREF2と入力電圧VINNとの電位差とが増幅される。
その結果、実動作プリアンプWRPAのノードN1より負の出力電圧Voutnが得られ、ノードN2より正の出力電圧Voutpが得られる。出力電圧Voutpと出力電圧Voutnとの電位差が入力電圧VINPと基準電圧VREF1との電位差を増幅して得られる電位差となる。なお、図6において、NMOSトランジスタTr11及びTr12を流れる電流を電流I11及びI12とし、NMOSトランジスタTr13及びTr14を流れる電流を電流I13及びI14として示している。
また、図6で示した回路例では、NMOSトランジスタを差動対トランジスタとして用いているが、PMOSトランジスタ等のPchトランジスタを差動対トランジスタとして用いることも可能である。
図5に戻って、アベレージング抵抗部2は、接続対象が実動作プリアンプRPA及びダミープリアンプDPAの出力から、実動作プリアンプWRPA及びダミープリアンプWDPAに置き換わる点を除き、実施の形態1と同じ構成を呈している。すなわち、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの抵抗値R1より、ダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnの抵抗値R2を大きく設定している。
また、実施の形態4のA/D変換器24の全体構成は、基準電圧設定部5が基準電圧設定部15に、プリアンプ部1がプリアンプ部10に置き換わる点を除き、図2で示した実施の形態1のA/D変換器21の全体構成と同様である。
なお、本実施の形態では、互いに隣接した実動作プリアンプWRPAとダミープリアンプWDPAとの正出力間及び負出力間に設けた中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnを用いている。しかし、中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRAp及びMRAnの代わりにダミー用アベレージング抵抗DRAp及びDRAnを用いても良い。すなわち、上記中間アベレージング抵抗の抵抗値は抵抗値R1であっても、抵抗値R1より高い抵抗値R2であっても良い。
(効果)
実施の形態4のA/D変換器24は、2入力構成の基準電圧設定部5及びプリアンプ部1を、4入力構成の基準電圧設定部15及びプリアンプ部10に置き換えた点を除き、実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、実施の形態4のA/D変換器24は実施の形態1のA/D変換器21と同様に、システマティックオフセットを低減することができる効果を奏する。
加えて、実施の形態4のA/D変換器24は、4入力の実動作プリアンプWRPA及びダミープリアンプWDPAを用いてプリアンプ部10を構成することにより、より増幅率の優れたプリアンプ部10を用いる分、A/D変換精度の向上を図ることができる効果を奏する。
<実施の形態5>
(構成)
図7はこの発明の実施の形態5であるnビットのフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。同図に示すように、実施の形態5のA/D変換器25のプリアンプブロック部分は、前段プリアンプ部11、後段プリアンプ部12、前段アベレージング抵抗部13、後段アベレージング抵抗部14及び基準電圧設定部5から構成される。これらの構成部5,11〜14は一つの半導体基板上に形成される。
基準電圧設定部5の構成は、図1で示した実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
前段プリアンプ部11は実動作領域MOAに対応して複数の前段実動作プリアンプRPA10が並列に設けられ、各前段実動作プリアンプRPA10正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREFを受ける。さらに、前段プリアンプ部11は、ダミー動作領域DOA1に対応して所定数の前段ダミープリアンプDPA10が並列に設けられ、各前段ダミープリアンプDPA10は正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREFを受ける。同様にして、前段プリアンプ部11は、ダミー動作領域DOA2において所定数の前段ダミープリアンプDPA10が並列に設けられ、各前段ダミープリアンプDPA10は正入力に入力電圧VINを受け、負入力に基準電圧VREFを受ける。
前段アベレージング抵抗部13は、実動作領域MOAにおいて、互いに隣接する前段実動作プリアンプRPA10の正出力間に設けられた前段実動作用アベレージング抵抗MRA10pを有し、負出力間に設けられた前段実動作用アベレージング抵抗MRA10nを有している。
さらに、前段アベレージング抵抗部13は、ダミー動作領域DOA1に対応して、互いに隣接する前段ダミープリアンプDPA10の正出力間に前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10pを設け、負出力間に前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10nを設けている。同様にして、前段アベレージング抵抗部13は、ダミー動作領域DOA2において、互いに隣接する前段ダミープリアンプDPA10の正出力間に前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10pを設け、負出力間に前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10nを設けている。
また、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA1との間における前段実動作プリアンプRPA10と前段ダミープリアンプDPA10との正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として前段実動作用アベレージング抵抗MRA10p及びMRA10nが設けられる。同様にして、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA2との間における前段実動作プリアンプRPA10と前段ダミープリアンプDPA10との正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として前段実動作用アベレージング抵抗MRA10p及びMRA10nが設けられる。
さらに、前段アベレージング抵抗部13において、ダミー動作領域DOA2の右端の前段ダミープリアンプDPA10の正出力が前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10pを介して、ダミー動作領域DOA1の左端の前段ダミープリアンプDPA10の負出力と接続される。同様にして、ダミー動作領域DOA1の左端の前段ダミープリアンプDPA10の正出力が前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10pを介してダミー動作領域DOA2の右端の前段ダミープリアンプDPA10の負出力に接続される。
なお、ダミー動作領域DOA1に設けられる前段ダミープリアンプDPA10並びに前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10p及びDRA10nそれぞれの個数と、ダミー動作領域DOA2に設けられる前段ダミープリアンプDPA10並びに前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10p及びDRA10nそれぞれの個数は同数に設定される。
また、前段実動作用アベレージング抵抗MRA10p及びMRA10nの抵抗値は同一の抵抗値R1に設定され、前段ダミー用アベレージング抵抗DRA10p及びDRA10nの抵抗値は同一の抵抗値R2に設定され、抵抗値R1<抵抗値R2の関係を持たせている。
後段プリアンプ部12は、実動作領域MOAにおいて、複数の前段実動作プリアンプRPA10に対応して複数の後段実動作プリアンプRPA20が並列に設けられる。各後段実動作プリアンプRPA20は正入力に前段実動作プリアンプRPA10の正出力を受け、負入力に前段実動作プリアンプRPA10の負出力を受ける。
さらに、後段プリアンプ部12は、ダミー動作領域DOA1において、所定数の前段ダミープリアンプDPA10に対応して所定数の後段ダミープリアンプDPA20が並列に設けられる。各後段ダミープリアンプDPA20は正入力に前段ダミープリアンプDPA10の正出力を受け、負入力に前段ダミープリアンプDPA10の負出力を受ける。同様にして、後段プリアンプ部12は、ダミー動作領域DOA2において、所定数の前段ダミープリアンプDPA10に対応して所定数の後段ダミープリアンプDPA20が並列に設けられる。各後段ダミープリアンプDPA20は正入力に前段ダミープリアンプDPA10の正出力を受け、負入力に前段ダミープリアンプDPA10の負出力を受ける。
後段アベレージング抵抗部14は、実動作領域MOAにおいて、互いに隣接する後段実動作プリアンプRPA20の正出力間に設けられた後段実動作用アベレージング抵抗MRA20pを有し、負出力間に設けられた後段実動作用アベレージング抵抗MRA20nを有している。
さらに、後段アベレージング抵抗部14は、ダミー動作領域DOA1に対応して、互いに隣接する後段ダミープリアンプDPA20の正出力間に後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20pを設け、負出力間に後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20nを設けている。同様にして、後段アベレージング抵抗部14は、ダミー動作領域DOA2において、互いに隣接する後段ダミープリアンプDPA20の正出力間に後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20pを設け、負出力間に後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20nを設けている。
また、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA1との間における後段実動作プリアンプRPA20と後段ダミープリアンプDPA20との正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として後段実動作用アベレージング抵抗MRA20p及びMRA20nが設けられる。同様にして、実動作領域MOAとダミー動作領域DOA2との間における後段実動作プリアンプRPA20と後段ダミープリアンプDPA20との正出力間及び負出力間には中間アベレージング抵抗として後段実動作用アベレージング抵抗MRA20p及びMRA20nが設けられる。
さらに、後段アベレージング抵抗部14において、ダミー動作領域DOA2の右端の後段ダミープリアンプDPA20の正出力が後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20pを介して、ダミー動作領域DOA1の左端の後段ダミープリアンプDPA20の負出力と接続される。同様にして、ダミー動作領域DOA1の左端の後段ダミープリアンプDPA20の正出力が後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20pを介してダミー動作領域DOA2の右端の後段ダミープリアンプDPA20の負出力に接続される。
なお、ダミー動作領域DOA1に設けられる後段ダミープリアンプDPA20並びに後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20p及びDRA20nそれぞれの個数と、ダミー動作領域DOA2に設けられる後段ダミープリアンプDPA20並びに後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20p及びDRA20nそれぞれの個数は同数に設定される。
また、後段実動作用アベレージング抵抗MRA20p及びMRA20nの抵抗値は同一の抵抗値R3に設定され、後段ダミー用アベレージング抵抗DRA20p及びDRA20nの抵抗値は同一の抵抗値R4に設定され、抵抗値R3<抵抗値R4の関係を持たせている。
なお、全体構成は、プリアンプ部1及びアベレージング抵抗部2が、前段プリアンプ部11、後段プリアンプ部12、前段アベレージング抵抗部13及び後段アベレージング抵抗部14に置き換わった点を除き、図2で示した実施の形態1のA/D変換器21と同様である。
なお、本実施の形態では、前段アベレージング抵抗部13(14)における中間アベレージング抵抗として、実動作用アベレージング抵抗MRA10p及びMRA10n(MRA20p及びMRA20n)を用いている。しかし、他の実施の形態と同様、中間アベレージング抵抗として、ダミー用アベレージング抵抗DRA10p及びDRA10n(抵抗DRA20p及びDRA20n)を用いても良い。すなわち、上記中間アベレージング抵抗の抵抗値は抵抗値R1(R3)であっても、抵抗値R1(R3)より高い抵抗値R2(R4)であっても良い。
このように、実施の形態5のA/D変換器25は、前段プリアンプ部11及び後段プリアンプ部12とにより、A/D変換に関わる実動作領域MOA2において前段実動作プリアンプRPA10及び後段実動作プリアンプRPA20の2段構成とし、ダミー動作領域DOA1及びDOA2においても前段ダミープリアンプDPA10及び後段ダミープリアンプDPA20の2段構成を呈している。
(効果)
実施の形態5のA/D変換器25は、1段構成のプリアンプ部1及びアベレージング抵抗部2を、2段構成の前段プリアンプ部11、後段プリアンプ部12、前段アベレージング抵抗部13及び後段アベレージング抵抗部14に置き換えた点を除き、実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、実施の形態5のA/D変換器25は実施の形態1のA/D変換器21と同様に、システマティックオフセットを低減することができる効果を奏する。
加えて、実施の形態5のA/D変換器25は、2段構成でプリアンプ部(前段プリアンプ部11,後段プリアンプ部12)を構成することにより、増幅率の向上が図れる結果、A/D変換精度の向上を図ることができる効果を奏する。
<その他>
実施の形態3〜実施の形態5はそれぞれ実施の形態1のA/D変換器21を基本として改良を加えた構成を示したが、実施の形態2のA/D変換器22を基本として改良を加えることも可能である。
さらに、実施の形態3〜実施の形態5間で他の実施の形態の特徴を取り入れて構成することも勿論可能である。例えば、実施の形態3のA/D変換器23におけるプリアンプ部7あるいは実施の形態5の実施の形態5の前段プリアンプ部11,後段プリアンプ部12をそれぞれ実施の形態4のプリアンプ部10のように4入力のプリアンプで構成する等の様々なバリエーションが実現可能なのは勿論である。
この発明の実施の形態1であるフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。 図1で示したプリアンプブロック部分を含む、実施の形態1のA/D変換器の全体構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態2であるフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。 この発明の実施の形態3であるフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。 この発明の実施の形態4であるフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。 図5で示した実動作プリアンプの内部構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態5であるフラッシュ型A/D変換器のプリアンプブロック部分を示す回路図である。 第1の従来回路であるフラッシュ型A/D変換器の構成を示す回路図である。 図8で示したプリアンプの内部構成を示す回路図である。 第1の従来回路においてアベレージングを行わない場合のプリアンプの電圧-電流特性を示すグラフである。 システマティックオフセット現象説明用のグラフである。 第2の従来回路であるフラッシュ型A/D変換器の回路構成を示す回路図である。 第2の従来回路においてアベレージングを行わない場合のプリアンプの電圧-電流特性を示すグラフである。 第2の従来回路の問題点を示したグラフである。
符号の説明
1,7,10 プリアンプ部、2,6,8 アベレージング抵抗部、3 ラッチ部、4 エンコーダ、5,9,15 基準電圧設定部、11 前段プリアンプ部、12 後段プリアンプ、13 前段アベレージング抵抗部、14 後段アベレージング抵抗部、21〜25 A/D変換器、MRAp,MRA10p,MRA20p,MRAn,MRA10n,MRA20n 実動作用アベレージング抵抗、DRAp,DRA1p〜DRA3p,DRA10p,DRA20p,DRAn,DRA1n〜DRA3n,DRA10n,DRA20n ダミー用アベレージング抵抗。

Claims (9)

  1. アナログの入力電圧をデジタルの出力データに変換するA/D変換器であって、
    実動作領域にある複数の実動作基準電圧とともに、前記実動作領域から一方方向及び他方方向にそれぞれシフトした第1及び第2のダミー動作領域にある複数の一方方向及び他方方向ダミー基準電圧を出力する基準電圧設定部と、
    前記実動作領域に対応して並列に配置された複数の実動作差動増幅器と、前記第1及び第2のダミー動作領域に対応して並列に配置された複数の一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器とを有する差動増幅部とを備え、前記複数の実動作差動増幅器はそれぞれ一方入力に前記入力電圧を受け、前記複数の実動作基準電圧のうち対応する基準電圧を他方入力に受け、前記複数の一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器はそれぞれ一方入力に前記入力電圧を受け、前記複数の一方方向及び他方方向ダミー基準電圧のうち対応する基準電圧を他方入力に受け、前記複数の実動作差動増幅器及び複数の一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器はそれぞれ一方入力,他方入力間の電位差を増幅して、一方出力及び他方出力より互いの位相が反対の関係となる一方出力信号及び他方出力信号を出力し、
    前記複数の実動作差動増幅器のうち隣接する実動作差動増幅器間において、一方出力間及び他方出力間に設けられる複数の実動作用アベレージング抵抗と、隣接する前記実動作差動増幅器,前記一方方向ダミー差動増幅器間、及び隣接する前記実動作差動増幅器,前記他方方向ダミー差動増幅器間において、一方出力及び他方出力間に設けられる一方方向及び他方方向中間アベレージング抵抗と、前記複数の一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器のうち隣接する一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器間において、一方出力間及び他方出力間に設けられる複数のダミーアベレージング抵抗とを有するアベレージング抵抗部と、
    前記複数の実動作差動増幅器の一方出力信号及び他方出力信号より得られる差動増幅結果に基づき前記出力データを得るエンコード部とを備え、
    前記アベレージング抵抗部は、前記複数の一方方向ダミー差動増幅器のうち前記実動作領域から最も離れて配置された一方方向最外ダミー差動増幅器の一方出力及び他方出力と、前記複数の他方方向ダミー差動増幅器のうち前記実動作領域から最も離れて配置された他方方向最外ダミー差動増幅器の他方出力及び一方出力との間の逆相接続用に設けられる一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗をさらに有し、
    前記複数の実動作用アベレージング抵抗は共通に所定の抵抗値に設定され、前記複数のダミーアベレージング抵抗、前記一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗並びに前記一方方向及び他方方向中間アベレージング抵抗の抵抗値は全て前記所定の抵抗値以上に設定され、かつ、前記複数のダミーアベレージング抵抗並びに前記一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗の抵抗値の少なくとも一部は前記所定の抵抗値より高く設定されることを特徴とする、
    A/D変換器。
  2. 請求項1記載のA/D変換器であって、
    前記アベレージング抵抗部において、前記複数のダミーアベレージング抵抗並びに前記一方方向及び他方方向ダミーアベレージング抵抗の抵抗値は複数種の抵抗値を有し、前記複数種の抵抗値は前記実動作領域からの距離が広がるに従い、より小さくない値を採るように設定される、
    A/D変換器。
  3. 請求項1あるいは請求項2記載のA/D変換器であって、
    前記アベレージング抵抗部において、前記実動作用アベレージング抵抗は直列に接続された所定数の部分実動作用アベレージング抵抗を含み、前記所定の抵抗値は前記所定数の部分実動作用アベレージング抵抗の和を含み、
    前記所定数の部分実動作用アベレージング抵抗間から前記一方出力信号及び前記他方出力信号を補間する一方補間出力信号及び他方補間出力信号が得られ、
    前記エンコード部は、前記複数の実動作差動増幅器の前記一方及び他方出力信号に加え、前記複数の実動作用アベレージング抵抗からの前記一方及び他方補間出力信号に基づき、前記出力データを得る、
    A/D変換器。
  4. 請求項1ないし請求項3のうち、いずれか1項に記載のA/D変換器であって、
    前記入力電圧は互いの位相が反対の第1及び第2の入力電圧を含み、
    前記基準電圧設定部において、前記複数の実動作基準電圧は複数の第1及び第2の実動作基準電圧を含み、前記複数の一方方向ダミー基準電圧は複数の第1及び第2の一方方向のダミー基準電圧を含み、前記複数の他方方向ダミー基準電圧は複数の第1及び第2の他方方向のダミー基準電圧を含み、前記複数の第1の実動作基準電圧、前記複数の第1の一方方向ダミー基準電圧及び前記複数の第1の他方方向ダミー基準電圧と、前記複数の第2の実動作基準電圧、前記複数の第2の一方方向ダミー基準電圧及び前記複数の第2の他方方向ダミー基準電圧とは、電圧の高低が互いに逆方向になるように設定され、
    前記差動増幅部において、前記実動作差動増幅器及び前記一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器それぞれの一方入力は第1一方入力及び第2一方入力を含み、他方入力は第1他方入力及び第2他方入力を含み、
    前記複数の実動作差動増幅器はそれぞれ第1一方入力に前記第1の入力電圧を受け、第2他方入力に前記第2の入力電圧を受け、前記複数の第1の実動作基準電圧のうち対応する基準電圧を第1他方入力に受け、前記複数の第2の実動作基準電圧のうち対応する基準電圧を第2一方入力に受け、
    前記複数の一方方向ダミー差動増幅器はそれぞれ第1一方入力に前記第1の入力電圧を受け、第2他方入力に前記第2の入力電圧を受け、前記複数の第1の一方方向ダミー基準電圧のうち対応する基準電圧を第1他方入力に受け、前記複数の第2の一方方向ダミー基準電圧のうち対応する基準電圧を第2一方入力に受け、
    前記複数の他方方向ダミー差動増幅器はそれぞれ第1一方入力に前記第1の入力電圧を受け、第2他方入力に前記第2の入力電圧を受け、前記複数の第1の他方方向ダミー基準電圧のうち対応する基準電圧を第1他方入力に受け、前記複数の第2の他方方向ダミー基準電圧のうち対応する基準電圧を第2一方方入力に受け、
    前記複数の実動作差動増幅器並びに複数の一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器はそれぞれ第1一方入力,第1他方入力間の電位差及び第2一方入力、第2他方入力間の電位差を増幅して、一方出力及び他方出力より前記一方出力信号及び前記他方出力信号を出力する、
    A/D変換器。
  5. 請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載のA/D変換器であって、
    前記差動増幅部は前段差動増幅部及び後段差動増幅部を含み、
    前記複数の実動作差動増幅器は複数の前段実動作差動増幅器及び複数の後段実動作差動増幅器を含み、前記複数の前段実動作差動増幅器それぞれの一方出力及び他方出力が前記複数の後段実動作差動増幅器うち対応する前記後段実動作差動増幅器の一方入力及び他方入力に接続され、前記差動増幅結果は前記後段実動作差動増幅器の一方出力信号及び他方出力信号を含み、
    前記複数の一方方向ダミー差動増幅器は複数の前段一方方向ダミー差動増幅器及び後段一方方向ダミー差動増幅器を含み、前記複数の前段一方方向ダミー差動増幅器それぞれの一方出力及び他方出力が前記複数の後段一方方向ダミー差動増幅器のうち対応する前記後段一方方向ダミー差動増幅器の一方入力及び他方入力に接続され、
    前記複数の他方方向ダミー差動増幅器は複数の前段他方方向ダミー差動増幅器及び後段他方方向ダミー差動増幅器を含み、前記複数の前段他方方向ダミー差動増幅器それぞれの一方出力及び他方出力が前記複数の後段他方方向ダミー差動増幅器のうち対応する前記後段他方方向ダミー差動増幅器の一方入力及び他方入力に接続され、
    前記アベレージング抵抗部は前段アベレージング抵抗部及び後段アベレージング抵抗を含み、
    前記前段アベレージング抵抗部は、前記複数の前段実動作差動増幅器のうち隣接する前段実動作差動増幅器間において、一方出力間及び他方出力間に設けられた複数の前段実動作用アベレージング抵抗と、隣接する前記前段実動作差動増幅器,前記前段一方方向ダミー差動増幅器間、及び隣接する前記前段実動作差動増幅器,前記前段他方方向ダミー差動増幅器間において、一方出力間及び他方出力間に設けられた前段一方方向及び他方方向中間アベレージング抵抗と、前記複数の前段一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器のうち隣接する前段一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器間それぞれにおいて、一方出力間及び他方出力間に設けられた複数の前段ダミーアベレージング抵抗とを有し、
    前記後段アベレージング抵抗部は、前記複数の後段実動作差動増幅器のうち隣接する後段実動作差動増幅器間において、一方出力間及び他方出力間に設けられた複数の後段実動作用アベレージング抵抗と、隣接する前記後段実動作差動増幅器,前記後段一方方向ダミー差動増幅器間、及び隣接する前記後段実動作差動増幅器,前記後段他方方向ダミー差動増幅器間において、一方出力間及び他方出力間を接続する後段一方方向及び他方方向中間アベレージング抵抗と、前記複数の後段一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器のうち隣接する後段一方方向及び他方方向ダミー差動増幅器間それぞれにおいて、一方出力間及び他方出力間に設けられた複数の後段ダミーアベレージング抵抗とを有し、
    前記前段アベレージング抵抗部は、前記複数の前段一方方向ダミー差動増幅器のうち前記実動作領域から最も離れて配置された前段一方方向最外ダミー差動増幅器の一方出力及び他方出力と、前記複数の他方方向ダミー差動増幅器のうち前記実動作領域から最も離れて配置された前段他方方向最外ダミー差動増幅器の他方出力及び一方出力との間の逆相接続用に設けられた前段一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗をさらに有し、
    前記後段アベレージング抵抗部は、前記複数の後段一方方向ダミー差動増幅器のうち前記実動作領域から最も離れて配置された後段一方方向最外ダミー差動増幅器の一方出力及び他方出力と、前記複数の後段他方方向ダミー差動増幅器のうち前記実動作領域から最も離れて配置された後段他方方向最外ダミー差動増幅器の他方出力及び一方出力との間の逆相接続用に設けられた後段一方方向及び他方方向ダミーアベレージング抵抗をさらに有し、
    前記複数の前段実動作用アベレージング抵抗は共通に所定の前段抵抗値に設定され、前記複数の前段ダミーアベレージング抵抗、前記前段一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗並びに前記前段一方方向及び他方方向中間アベレージング抵抗の抵抗値は全て前記所定の前段抵抗値以上に設定され、かつ、前記複数の前段ダミーアベレージング抵抗並びに前記前段一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗の抵抗値の少なくとも一部は前記所定の前段抵抗値より高く設定され、
    前記複数の後段実動作用アベレージング抵抗は共通に所定の後段抵抗値に設定され、前記複数の後段ダミーアベレージング抵抗、前記後段一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗並びに前記後段一方方向及び他方方向中間アベレージング抵抗の抵抗値は全て前記所定の後段抵抗値以上に設定され、かつ、前記複数の後段ダミーアベレージング抵抗並びに前記後段一方方向及び他方方向最外ダミーアベレージング抵抗の抵抗値の少なくとも一部は前記所定の後段抵抗値より高く設定される、
    A/D変換器。
  6. 複数の基準電圧を形成する抵抗ラダーと、
    前記複数の基準電圧がそれぞれ一方の入力端子に入力され、他方の入力端子に入力アナログ信号が共通に供給され、一方出力端子及び他方出力端子を有する複数の差動増幅回路と、
    入力される基準電圧の隣接する差動増幅回路の前記一方出力端子同士を相互接続する第1のアベレージング用抵抗ラダーと、
    入力される基準電圧の隣接する差動増幅回路の前記他方出力端子同士を相互接続する第2のアベレージング用抵抗ラダーとを備え、
    前記複数の差動増幅回路は、
    前記複数の基準電圧の最も高い基準電圧を前記一方の入力端子に受ける差動増幅回路を第1のダミー差動増幅回路、前記複数の基準電圧の最も低い基準電圧を前記一方の入力端子に受ける差増幅回路を第2のダミー差動増幅回路、及び前記複数の基準電圧において前記最も高い基準電圧及び前記最も低い基準電圧以外で隣接する第1及び第2の基準電圧をそれぞれ前記一方の入力端子に受ける第1及び第2の正規差動増幅回路を含み、
    前記A/D変換器は、
    前記第1のダミー差動増幅回路の一方出力端子と前記第2のダミー差動増幅回路の他方出力端子の間に接続された第1のダミーアベレージング用抵抗素子と、
    前記第1のダミー差動増幅回路の他方出力端子と前記第2のダミー差動増幅回路の一方出力端子の間に接続された第2のダミーアベレージング用抵抗素子とをさらに備え、
    前記第1のダミーアベレージング用抵抗素子と前記第2のダミーアベレージング用抵抗素子各々の抵抗値は、前記第1のアベレージング用抵抗ラダーにおいて前記第1及び第2の正規差動増幅回路の一方出力端子同士を接続する第1の抵抗素子と前記第2のアベレージング用抵抗ラダーにおいて前記第1及び第2の正規差動増幅回路の他方出力端子同士を接続する第2の抵抗素子各々の抵抗値より大きく、
    一つの半導体基板に上に形成されてなることを特徴とする、
    A/D変換器。
  7. 請求項6記載のA/D変換器であって、
    前記複数の差動増幅回路は、前記第1及び第2の正規差動増幅回路を含む所定数の正規差動増幅回路を含み、前記所定数の正規差動増幅回路のそれぞれは、前記複数の基準電圧において前記最も高い基準電圧及び前記最も低い基準電圧以外の所定数の基準電位をそれぞれ前記一方の入力端子に受け、さらに、
    前記所定数の正規差動増幅回路それぞれの出力信号を論理しきい値電圧により論理“1”または論理“0”を判定して保持する複数のラッチ回路 を備える、
    A/D変換器。
  8. 請求項7記載のA/D変換器であって、
    前記複数のラッチ回路により形成された複数ビットの温度計符号を複数ビットからなるデジタル信号を形成するエンコーダをさらに備え、
    前記第1及び第2のダミー差動増幅回路は前記正規差動増幅回路と同じ回路構成の差動増幅回路からなる、
    A/D変換器。
  9. 請求項7記載のA/D変換器であって、
    前記複数の差動増幅回路は、
    前記最も高い基準電圧の次に高い基準電圧を前記一方の入力端子に受ける第3のダミー差動増幅回路と、
    前記最も低い基準電圧の次に低い基準電圧を前記一方の入力端子に受ける第4のダミー差動増幅回路とを含み、前記第3及び第4のダミー差動増幅回路の出力信号を受ける前記複数のラッチ回路は存在せず、
    第1のアベレージング用抵抗ラダーの前記第1及び第3のダミー差動増幅回路の一方出力端子同士を接続する第3の抵抗素子は、前記第1の抵抗素子よりも抵抗値が大きく、
    第1のアベレージング用抵抗ラダーの前記第2及び第4のダミー差動増幅回路の一方出力端子同士を接続する第4の抵抗素子は、前記第1の抵抗素子より抵抗値が大きい、
    A/D変換器。
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