JP2008296570A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、構造発色性を有する特定の材料を用いた、深みのある、落ち着きのある輝度感を有する、美観性に優れた積層体を提供する。
【解決手段】本発明の積層体は、着色基材層の上に、カラークリヤー層が積層されてなり、カラークリヤー層が、少なくとも、結合材と、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下である構造発色チップから形成されたものであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、構造発色性を有する積層体に関するものである。
構造発色性、高輝度感を有する材料は、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材として広範囲に用いられている。
このような材料を、製品の一部、または、全部に用いることによって、彩度が高く、インパクトのある意匠性を表出することができる。
このような構造発色性、高輝度感を有する材料としては、例えば、特許文献1等に記載の材料が挙げられる。特許文献1では、光干渉性、高輝度感を表出するために、微小燐片状顔料として、アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、グラファイト、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマー等を使用している(請求項2)。
特開2005−137952号公報
最近では、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材など幅広い分野において、輝度感を有する材料が要望されるようになっているが、ギラギラした輝度感ではなく、落ち着きのある輝度感が要望されることが多い。
例えば、壁、床、天井などの建材などにおいては、深みのある、落ち着きのある輝度感を有する材料が望まれるようになっている。
しかし、特許文献1のような材料では、輝度感が強すぎる傾向があり、場合によっては、敬遠されてしまうことがあった。
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、着色基材層の上に、結合材中に、特定の球状粒子が規則的に配列された構造発色チップを含有するカラークリヤー層を積層した積層体が、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、美観性に優れることを見いだし、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.着色基材層の上にカラークリヤー層が積層されたものであり、
カラークリヤー層が、少なくとも、結合材と、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下である構造発色チップから形成されたものであることを特徴とする積層体。
2.着色基材層の上に、カラークリヤー層、クリヤー層が積層されたものであり、
カラークリヤー層が、少なくとも、結合材と、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下である構造発色チップから形成されたものであり、
クリヤー層が、少なくとも、結合材から形成されたものであり、クリヤー層の光透過率が60%以上であることを特徴とする積層体。
3.クリヤー層が、少なくとも、結合材と、架橋性化合物から形成されたものであることを特徴とする2.に記載の積層体。
4.クリヤー層が、少なくとも、結合材と、光拡散剤から形成されたものであることを特徴とする2.に記載の積層体。
5.クリヤー層を形成する結合材が、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上含むアクリル樹脂であることを特徴とする2.から4.のいずれかに記載の積層体。
6.カラークリヤー層が、結合材100重量部に対し、構造発色チップが0.001〜10重量部含有されたものであることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の積層体。
7.構造発色チップが、チップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が分散してなる固形状物を圧延してなるものであることを特徴とする1.から6.のいずれかに記載の積層体。
8.構造発色チップが、熱塑性を有するチップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延してなるものであることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載の積層体。
本発明の積層体は、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、優れた美観性を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の積層体は、着色基材層の上に、結合材と、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下である構造発色チップを含有するカラークリヤー層が積層されたものである。
本発明の積層体は、構造発色チップを用いて輝度感を表出していることを特徴とするものである。このような構造発色チップは、金属顔料などの光輝性顔料が表出する金属色に比べて、やわらかい、深みのある、落ち着いた輝度感を表出することが可能である。
本発明では、着色基材層の色相と、カラークリヤー層における構造発色チップの輝度感により、やわらかい、深みのある、落ち着いた輝度感を表出することができ、優れた美観性を有する積層体を得ることができる。
着色基材層としては、特に限定されず、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材などに用いられる材料を使用することができる。
このような材料としては、アルミ鋼板、亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅鋼板等の金属鋼板、プラスチック板、押出成形板、陶磁器、ガラス、焼成タイル、磁器タイル、木材、コンクリート、モルタル、石膏ボード、繊維混入セメント板、珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板等が挙げられる。また、このような材料の表面は、材料自体の色相でもよいが、着色コーティング、着色メッキ等の通常知られる方法で着色していてもよい。
色相としては、黒、茶、紫、青、緑、黄、橙、赤、白等特に限定されない。本発明では、各色相に対して、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、優れた美観性を有することができる。本発明では、構造発色チップの効果を高めるために濃色系の色相に着色されたものが好ましい。具体的には、L値が50以下、さらには40以下であることが好ましい。
本発明のカラークリヤー層は、構造発色チップを含有するものであり、構造発色チップにより色彩を付与するものである。
本発明で用いる構造発色チップは、構造発色、つまり、可視領域の光の波長あるいは、それ以下の微細構造を持つことで生じる光学現象(光の干渉、回折、散乱等)によって発色するものであり、粒子を規則的に配列させて発する構造発色を利用するものである。
構造発色チップとしては、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下のものを使用することによって、構造発色チップの構造発色性に加えて、チップのバラツキ、配向性等により奥行き感のある、優れた美観性を発することができる。
平均粒子径が、0.1mmより小さい場合、構造発色チップの存在感が失われ、偏光による意匠性が視認し難くなる。50mmよりも大きい場合、自然感、高級感が損なわれ、意匠性的に、違和感が生じる。
また、厚みが30μmよりも小さい場合、光の透過性が高く、構造発色性が低下し、構造発色チップの裏面の色相が視認しやすくなり、偏光による発色性が損なわれる。逆に厚みが500μmよりも大きい場合、構造発色チップに光が当たる面が一定とならず、厚さ方向の面に光が当たり偏光による発色性が得られ難くなる。
また、構造発色チップの形状は、円状、楕円状、三角形状、四角形状、多角形状等特に限定されることはない。
なお、構造発色チップの粒子径は、JIS Z8801−1:2000に規定される金属製網ふるいを用いてふるい分けを行うことによって得られる値である。
また、構造発色チップの厚みは、マイクロメーター(株式会社三豊製作所製)により測定される値を算出することによって得られる値である。
このような構造発色チップとしては、構造発色を示すものであれば特に限定されないが、粒子が規則的に配列された構造発色チップ、薄膜が重ね合わさった構造発色チップ、ホログラム構造発色チップ、コレステリック構造発色チップ等が挙げられる。
本発明では、特に、粒子が規則的に配列された構造発色チップが好適に用いられる。
構造発色チップとしては、例えば、平均粒子径5nm〜800nm(好ましくは10nm〜790nm、さらに好ましくは30nm〜780nm)、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下(好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下)である球状粒子が、規則的に配列されたものを使用することが好ましい。
このような粒子が規則的に配列された構造発色チップを用いることにより、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、かつ、自然感のある美観性を表出することができる。
球状粒子の平均粒子径がこの範囲から外れる場合、構造発色を発現させることが難しくなり、球状粒子の粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%より大きい場合、粒子が規則正しく配列し難くなり、構造発色を発現させることが難しい。
なお、平均粒子径、粒子径分布は、電子顕微鏡観察、遠心沈降法等で測定することができる。本発明における平均粒子径は、電子顕微鏡での観察による数平均値、粒子径分布は遠心沈降法による測定から得られるものである。
球状粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化ガドリニウム、酸化イットリウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸水酸化亜鉛、チタン酸カリウム、水酸化酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸バリウム、カーボンブラック等の無機粒子、ポリスチレンビーズ、アクリルビーズ、ポリオレフィンビーズ等の有機粒子等が挙げられ、これらのうち単独および2種以上を複合して用いることができる。
本発明では、特に、無機粒子が好ましく、無機粒子のなかでも、特にシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化ガドリニウム、酸化イットリウム等が好ましい。無機粒子は、耐久性等に優れるため、得られた構造発色体の耐久性を向上させるとともに、優れた色彩を長期にわたり維持することができる。
また、球状粒子のアスペクト比は、1.0以上1.2未満(さらには1.0以上1.15以下、さらには1.0以上1.1以下)であることが好ましい。このような範囲であれば、球状粒子が規則正しく配列し、より優れた構造色を呈することができる。ここに言うアスペクト比とは、粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比のb/aで表される値である。
構造発色チップは、チップ形成樹脂を用いて、上述した球状粒子を固定化させ、規則的に配列させることが好ましい。
チップ形成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニル樹脂等が挙げられ、このような樹脂の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等を使用することができる。
また、チップ形成樹脂は、架橋ネットワークを形成するものが含まれていることが好ましい。架橋ネットワークが形成されることにより、球状粒子の配列のみだれを防ぎ、構造発色をより長期に亘って維持するとともに、耐久性、耐水性等の物性も向上させることができる。
架橋ネットワークを形成する樹脂としては、次に示す反応性官能基の反応性を有する化合物等が挙げられる。反応性官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、加水分解性シリル基どうしの組み合わせ等が挙げられる。
このような反応性官能基の架橋は、上述した樹脂中に存在する反応性官能基同士の反応でもよいし、新たに添加する架橋剤中に存在する反応性官能基と樹脂中に存在する反応性官能基の反応、架橋剤中に存在する反応性官能基同士の反応等でもよい。
反応性官能基を有する化合物の含有量としては、構造発色チップを形成する樹脂全量に対し、50重量%以下、さらには0.5重量%以上40重量%以下、さらには1重量%以上30重量%以下含まれることが好ましい。50重量%より多い場合は、球状粒子が均一に配列されたチップが得られ難い。
チップ形成樹脂と球状粒子の混合比率は、重量比で1:0.01〜1:10(さらには1:0.05〜1:8、さらには1:0.1〜1:5)であることが好ましい。このような比率であることにより、可視光領域の光の回折が効率よく行われ、人間の視覚には色として認識することができ、簡便に構造色を呈することができる。
球状粒子が少なすぎる場合は、配列された球状粒子の粒子間距離が長くなりすぎ、可視光の波長以上となってしまい、人間の視覚には色が認識されなくなってしまうため、構造発色が得られにくい。また球状粒子が多すぎる場合は、球状粒子同士の凝集が生じやすく、また、球状粒子の固定化が困難となってしまう。
チップ形成樹脂の屈折率は通常0.8〜1.8程度、また、球状粒子の屈折率は0.8〜4.5程度であればよい。また、チップ形成樹脂と球状粒子の屈折率の差が、0.01〜2.7、さらには0.02〜1.8程度であることが好ましく、このような範囲であれば、優れた色彩を発現することができる。
構造発色チップの色彩は、球状粒子の粒子径、球状粒子の形態、球状粒子の粒子間距離、規則配列、球状粒子とチップ形成樹脂との屈折率の差などを適宜設定することにより、自由に設定することができる。
例えば、球状粒子の配列が160nm〜170nm程度の間隔であれば紫系、180nm〜190nm程度の間隔であれば青系、200nm〜230nm程度の間隔であれば緑系、240nm〜260nm程度の間隔であれば黄系、270nm〜290nm程度の間隔であれば赤系、などに設定することができる。
また、構造発色チップを構成する成分として、上述した球状粒子、チップ形成樹脂以外に、平均粒子径600nm以下、アスペクト比が1.2以上600以下である非球状粒子を含有することが好ましい。
このような非球状粒子を含有することにより、最終的に得られる構造発色チップの発色がより鮮明(発色性向上効果)となるため好ましい。
発色性向上効果が得られる作用機構は明確ではないが、非球状粒子が球状粒子の間隙に一定間隔で入りこむことによって、球状粒子の配列の乱れが抑制されるためと考えられる。
ここでの発色性向上効果は、目視にて確認することができるが、紫外−可視吸収スペクトルまたは絶対反射率の測定により確認することもできる。
非球状粒子としては、その平均粒子径が600nm以下であるものを使用するが、平均粒子径50nm〜600nmであるものがより好適である。平均粒子径が600nmより大きい場合は、構造発色チップの透明性や光沢性等が損われるおそれがある。
さらに、非球状粒子としては、アスペクト比が1.2以上600以下(好ましくは1.5以上500以下)の針状あるいは鱗片状の粒子が好適である。ここに言うアスペクト比とは、粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比のb/aで表される値である。
非球状粒子としては、球状粒子と同様の材質のものも使用できるが、本発明では、例えば、鱗片状シリカ、針状酸化チタン、針状酸化亜鉛、針状酸化鉄、水酸化酸化鉄、炭酸水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化ガドリニウム、酸化イットリウム、酸化バリウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、クレー、カオリン、陶土、チャイナクレー、タルク、カーボンブラック、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、ハイドロタルサイト等の無機粒子等が挙げられ、これらのうち単独および2種以上を複合して用いることができる。
本発明における非球状粒子としては、無機粒子が好適である。非球状粒子が無機粒子であれば、構造発色チップの耐久性等が高まり、初期の発色性能を長期にわたり維持することができる。
チップ形成樹脂と非球状粒子の混合比率は、重量比で通常1:0.0001〜1:0.01、好ましくは1:0.0001〜1:0.005である。非球状粒子の添加量がこのような範囲内であれば、十分な発色性向上効果を得ることができる。
本発明では、上述した球状粒子、非球状粒子以外に、本発明の効果を阻害しない程度に、その他の粒子(例えば、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%超の粒子や、平均粒子径が600nm超、50nm未満の粒子等)が含まれていてもよい。
本発明では、その他の粒子として特に、拡散反射率が60%以下(好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下)である粒子(球状粒子、非球状粒子、その他の粒子)を含むことが好ましい。このような粒子を含むことによって、構造発色チップの透過光が抑制され、構造発色チップの反射光がより鮮明に認められるため、好ましい。
このような拡散反射率が60%以下である粒子は、全粒子のうち、0.01重量%以上80重量%以下(好ましくは0.01重量%以上50重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以上10重量%以下)であることが好ましい。
さらに、本発明では、非球状粒子が、拡散反射率が60%以下である粒子であることが好ましい。非球状粒子として、拡散反射率が60%以下である粒子を使用することにより、構造発色チップの反射光がより鮮明になるとともに、球状粒子による優れた構造発色を呈することができる。
なお、拡散反射率は、自己分光光度計を用いて、各粉体の可視光領域(本発明では、波長:550nm)の拡散反射スペクトルを計測することによって得られる値である。
また、その他の粒子として、蓄光性を有する粒子(球状粒子、非球状粒子、その他の粒子)を含むことが好ましい。蓄光性を有する粒子を含むことによって、該粒子から発光される光が、構造発色チップを通過し、構造発色の色相とあいまって、優れた美観性を得ることができる。また、蓄光性を有する粒子の含有量を調節することで、昼間は構造発色の呈する色が明確に確認することができるとともに、夜間は蓄光性を有する粒子に由来する色彩を呈することができる。
蓄光性を有する粒子としては、例えば、CaS:Bi、CaSr:Bi、ZnS:Cu、ZnCdS:Cu等の硫化物や、MAl(M=Ca、Sr、Ba)で表示される化合物で、賦活剤としてEuを添加し、共賦活剤として、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを添加してなる物等が挙げられる。
蓄光性を有する粒子の平均粒子径は、5μm〜100μm、さらには10μm〜80μmであることが好ましい。このような範囲であることにより、上記効果をより明確に得ることができる。平均粒子径が大きすぎる場合は、構造発色性を阻害するおそれがある。平均粒子径が小さすぎる場合は、蓄光性が低下してしまい、夜間の蓄光性による効果が得られにくい。
蓄光性を有する粒子は、全粒子のうち、0.5重量%以上50重量%以下(好ましくは0.5重量%以上30重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以上20重量%以下)であることが好ましい。50重量%より多い場合は、球状粒子の配列を乱し、構造発色による色彩が損なわれるおそれがある。0.5重量%より少ない場合は、蓄光性が低下してしまい、夜間の蓄光性による効果が得られにくい。
また、蛍光性を有する粒子を含むことによって、蛍光性を有する粒子から発光される光が、構造発色チップを通過し、構造発色の色相とあいまって、優れた美観性を得ることもできる。
構造発色チップを製造する方法としては、種々の製造法を採用すればよい。本発明では、特に、構造発色チップを形成するチップ形成樹脂中に、球状粒子(さらに、必要に応じ非球状粒子、その他の粒子)を分散させた固形状物を、圧延して製造することが好ましい。このような方法では、簡便に球状粒子を規則的に配列させることができ、優れた光干渉性を有する構造発色チップを簡便に製造することができる。
具体的には、熱塑性を有するチップ形成樹脂中に、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い球状粒子(非球状粒子、その他の粒子)が分散してなる固形状物を、該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延することにより、製造することができる。
このような製造方法では、圧延時には、チップ形成樹脂が軟化状態(液体状態に近い状態)となり、該球状粒子(非球状粒子、その他の粒子)の自由度がある程度緩和された状態となる。このような状態で圧延することにより、球状粒子が最密充填されやすくなり、それに伴い規則正しく配列され、構造発色チップを得ることができる。
該チップ形成樹脂の軟化点よりも低い温度で圧延する場合は、球状粒子の自由度が拘束され、規則正しく配列されない場合がある。また球状粒子の軟化点よりも高い温度で圧延する場合、球状粒子が軟化してしまい、形状が崩れ発色されない場合がある。
球状粒子と非球状粒子及び/またはその他の粒子を併用する場合は、チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、球状粒子の軟化点及び非球状粒子、その他の粒子の軟化点よりも低い温度領域で圧延を行えばよい。
また、このような製造方法では、固形状物を出発物質とするため、取扱いが簡便であり、かつ圧延により簡便に製造することができる。特に、圧延時には、揮発する物質がほとんどなく、圧延前後における体積変化がほとんど生じないため、体積変化による球状粒子の乱れを抑えることができる。また、固形状物を出発物質とし、該固形状物を圧延することにより、球状粒子を規則正しく配列するものであり、固形状物製造時に、必ずしも球状粒子を規則正しく配列する必要がない。
したがって、球状粒子が均一に配列された構造体、つまり優れた光干渉性を有する構造色を呈するチップ(構造発色チップ)を簡便に得ることができる。
液状物やゲル状物を出発物質とする場合、揮発成分が蒸発してしまい、製造前後で体積変化が起こってしまう場合がある。よって、体積変化に伴う、球状粒子の乱れが生じ、優れた光干渉性を有する構造発色チップを得ることが難しい場合がある。また、揮発成分の蒸発を抑制するために液状物やゲル状物を封止して製造する場合もあるが、製造過程が複雑になり、簡便な方法とはいえない。
このような固形状物は、圧延により、面方向に対し、垂直および平行方向に圧力を加えることで、球状粒子の配列が規則正しくなり、構造発色性が生じるものである。ここで、面方向に対し、垂直および平行方向に圧力を加える具体的な方法としては、2本のロールを用いて、固形状物を湾曲させ、ロール側ともう一つのロール側の移動距離に差を生じさせることにより、面方向に対し、平行方向に圧力が加えられる。また、この時に、2本のロールで固形状物を挟み込むことで、面方向に対し垂直方向に圧力を加えることで構造発色体を得ることができる。また、1本のロールを用いて行うことも可能であり、固形状物に圧力を加え、ロールを軸に180°方向転換させて、せん断応力を加えることにより、構造発色チップを得ることもできる。その際、固形状物を、チップ形成樹脂の軟化点よりも、軟化点が高い柔軟なフィルムで挟み込むことで球状粒子が配列し易くなる。
また、加熱圧延時の圧力は、特に限定されないが、固形状物の面積が約2倍以上に引き伸ばされることが好ましく、1MPa〜100MPa(さらには10MPa〜50MPa)の加圧であることが好ましい。それ以下である場合、樹脂が引き伸ばされ難く、球状粒子が規則正しく配列しにくく、構造発色性が生じ難くなるため好ましくない。また、逆に、加圧が高い場合は、得られる構造発色体が薄くなり、光の回折よりも光の透過率の方が高くなり、構造発色性が認められにくくなるため好ましくない。
このような方法で用いるチップ形成樹脂は、特に、熱塑性を有するものが好ましく、圧延時に軟化するものを選択して使用する。なお、チップ形成樹脂中に架橋ネットワークが形成されるものであっても、圧延時に軟化するものであれば使用可能である。
チップ形成樹脂の軟化点は、50℃〜300℃(好ましくは80℃〜200℃)程度であることが好ましい。チップ形成樹脂の軟化点が50℃より低い場合、圧延により、構造発色を呈することはできるが、常温において軟化してしまい、球状粒子の配列が乱れ、構造発色を呈さなくなる可能性がある。
なお、チップ形成樹脂の軟化点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
球状粒子の軟化点は、チップ形成樹脂の軟化点の軟化点よりも高ければ特に限定されないが、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。なお球状粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、1500℃以下(さらには、1000℃以下)であることが好ましい。
なお、無機系の球状粒子の軟化点は、示差熱分析装置(TG-DTA)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
また、有機系の球状粒子の軟化点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
本発明で用いる球状粒子として、特に無機系の球状粒子を用いることが好ましい。無機系の球状粒子は、耐久性等に優れるため、得られた構造発色チップの耐久性を向上させるとともに、優れた色彩を長期にわたり維持することができる。また無機系の球状粒子は、チップ形成樹脂に比べて軟化点が非常に高い。よって、圧延時の加熱温度の制限が緩和され、また使用できるチップ形成樹脂の制限が緩和され、好ましい。
また、非球状粒子、その他の粒子の軟化点は、前記チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、特に前記チップ形成樹脂の軟化点よりも20℃以上、さらには50℃以上高いものが好ましい。具体的に非球状粒子、その他の粒子の軟化点は、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。非球状粒子、その他の粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、通常は1500℃以下(好ましくは1000℃以下)であることが好ましい。
本発明で用いる非球状粒子、その他の粒子としては、無機系の非球状粒子、無機系のその他の粒子が好適である。非球状粒子、その他の粒子が無機粒子であれば、構造発色体の耐久性等が高まり、初期の発色性能を長期にわたり維持することができる。さらに、無機粒子はチップ形成樹脂に比べて軟化点が非常に高いため、圧延時の加熱温度の制限が緩和され、また適用可能なチップ形成樹脂の範囲が広がる。
固形状物を得る方法としては、例えば、球状粒子(必要に応じ、非球状粒子、その他の粒子)を、チップ形成樹脂と溶媒とからなる樹脂溶液に混合し、球状粒子が分散した混合溶液を作製し、該混合溶液から、溶媒を除去することにより、固形状物を得ることができる。溶媒の除去は、通常、30〜200℃で、5分〜24時間程度で行えばよい。
このような方法では、球状粒子が均一、かつ高分散した固形状物を得やすく、このような固形状物を圧延することで、球状粒子が均一に配列しやすく、構造色を呈する構造体を簡便に得ることができる。
また、固形状物を得る方法では、チップ形成樹脂として、溶媒に可溶な溶媒可溶型の熱塑性を有する樹脂、特に水可溶型の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
このような樹脂を用いた場合、チップ形成樹脂と溶媒とからなる樹脂溶液中に球状粒子が均一に高分散しやすく、かつ得られる固形状物においてチップ形成樹脂や球状粒子の偏りが抑えられるため好ましい。さらに、透明性に優れる固形状物が得られやすく、良好な構造発色性を示すことができる。特に、チップ形成樹脂と溶媒の相溶性に優れるものを選択することによって、よりいっそう優れた構造発色性を示すことができる。
ここで用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールエタン、グリセリン等の多価アルコール類、セロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、n−ブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等のエステル類等が挙げられる。
本発明では、溶媒として特に水を含むものが好ましく、よって、チップ形成樹脂として、水に可溶な水可溶型の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
このような固形状物を得る方法では、溶媒に可溶な溶媒可溶型のチップ形成樹脂自体が、球状粒子の分散剤としての効果を発揮するものが好ましい。
例えば、球状粒子表面が負の電荷をもつものであれば、ノニオン性および/またはアニオン性の熱塑性を有する樹脂、また、球状粒子表面が正の電荷をもつものであれば、ノニオン性および/またはカチオン性の熱塑性を有する樹脂を選択することが好ましい。また、立体障害効果を有するものや、相互作用(疎水親水相互作用を含む)を有するもの、球状粒子と溶媒との界面を活性させる効果を有するものでもよい。
例えば、球状粒子として、無機粒子を用いる場合、無機粒子の表面は負の電荷を帯びるものが多く、熱塑性を有する樹脂としてはノニオン性および/またはアニオン性の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
固形状物を形成する成分としては、上述の成分の他に、本発明の効果を阻害しない程度に、分散剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、顔料等の添加剤が混合されていてもよい。
本発明のカラークリヤー層は、上述の結合材によって、構造発色チップが固定化されたものであり、例えば、上述の結合材、構造発色チップを含むカラークリヤー層用組成物を着色基材層の上に積層する方法、結合材を着色基材層の上に積層した後構造発色チップを散布する方法、構造発色チップを散布した後結合材を着色基材層の上に積層する方法、結合材を着色基材層の上に積層した後、構造発色チップを散布し、さらにその上に結合材を積層する方法等によって形成させることができる。
カラークリヤー層における結合材と構造発色チップの混合比率は、特に限定されないが、例えば、結合材の固形分100重量部に対し、構造発色チップを0.001〜10重量部含有していることが好ましい。構造発色チップが0.001重量部よりも少ない場合、深みのある、落ち着いた美観性が確認され難くなる。
また、カラークリヤー層には、本発明の効果を損なわない程度に、着色材料が含まれていてもよい。
着色材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、酸化第二鉄、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、クロムグリーン、オーカー、群青、紺青、コバルトグリーン、コバルトブルー等の無機系着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の有機系着色顔料、アルミニウム顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、着色マイカ、マイカ、着色珪砂、寒水石などの骨材、染料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
このような着色材料が含まれることにより、カラークリヤー層の色彩の幅を広げることができる。このうち、アルミニウム顔料、パール顔料、着色マイカ、マイカ等を含むものは、色相感、輝度感の幅を広げることができ、好ましい。
またカラークリヤー層には、この他に、本発明の効果を損なわない程度に、骨材、体質顔料、繊維、艶消し剤、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が含まれていてもよい。
カラークリヤー層用組成物を着色基材層の上に積層して、カラークリヤー層を形成させる方法では、着色基材層の上に、カラークリヤー層用組成物を直接塗付することもできるし、予めカラークリヤー層用組成物をフィルム化(シート化)しておき、該フィルム(シート)を接着剤等を介して貼着することもできる。
直接塗付する方法では、着色基材層の上に、刷毛、ローラー、スプレー等の塗装器具を用いて塗付すればよく、1回塗り、複数回塗り等特に限定されない。
カラークリヤー層の厚みは、100μm〜5mm(好ましくは200μm〜2mm)程度であることが好ましい。
カラークリヤー層は、構造発色チップの色相及び着色基材層の色相が認識できる程度の透明性を有しているものである。
カラークリヤー層の透明性としては、光透過率が、20%〜95%(好ましくは40%〜90%、さらに好ましくは50%〜88%)程度であることが好ましい。
光透過率がこのような範囲であることにより、構造発色チップの色彩、輝度感を失わずに積層構造体を得ることができる。また、着色基材の色相を表現することができ、多色、多彩な、積層構造体が得ることができる。
なお、光透過率は、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置(例えば、株式会社島津製作所社製)を用いて測定した全光線透過率の値である(膜厚0.1mm)。
本発明では、カラークリヤー層の上に、クリヤー層を積層することもできる。
クリヤー層は、カラークリヤー層、着色基材層の色相が視認できる程度であれば特に限定されないが、クリヤー層の光透過率は、60%以上(さらには70%〜99%、さらには80%〜99%)程度であることが好ましい。光透過率がこのような範囲であることにより、着色基材の色相及び、カラークリヤー層の色相、輝度感を失わずに積層体を得ることができる。また、立体感と深みのある、美観性に優れた構造体が得ることができる。
なお、光透過率は、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置(例えば、株式会社島津製作所社製)を用いて測定した全光線透過率の値である。
このようなクリヤー層は、少なくとも、結合材から形成することができる。
クリヤー層を形成する結合材としては、特に限定されず公知ものもを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩ビ樹脂、ビニル樹脂、シランカップリング剤、水ガラス、コロイダルシリカ、リン酸塩等の水分散型、水可溶型、NAD型、溶剤可溶型、無溶剤型等の結合材を使用することができる。
本発明では、クリヤー層を形成する結合材として、特に、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上含むアクリル樹脂を含む結合材を用いることが好ましい。
このようなアクリル樹脂を含む結合材から形成されるクリヤー層は、特に、耐擦り傷性、耐摩耗性に優れ、かつ、透明性にも優れる特徴を有するものである。さらに、該クリヤー層の有する透明感等により、いっそう奥ゆき・深みのある、落ち着いた輝度感を表出することができる。
このようなアクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上(好ましくは50重量%以上99重量%以下、さらに好ましくは70重量%以上99重量%以下)含むものであれば特に限定されず、公知のモノマー、オリゴマー等のその他の化合物が含まれていてもよい。
その他の化合物としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート;メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート等のアルカンジオール化合物;ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等のポリオキシアルキレングリコール化合物;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物;メタクリルアミド、アクリルアミド等のアミド基含有化合物;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物等が挙げられる。
また、クリヤー層には、本発明の効果を損なわない程度に、着色材料、骨材、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、沈降防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、黄変防止剤、有機過酸化物、有機色素、無機フィラー、触媒、溶剤、架橋性化合物、光拡散剤等の添加剤を混合することもできる。
触媒としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、パラフィン及び/またはワックスとしては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスや、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。
架橋性化合物としては、例えば、分子内に2個以上の反応性官能基を有する化合物等が挙げられる。反応性官能基としては、使用するモノマーやオリゴマーによって適宜設定することができる。
例えば、架橋反応に適用できる反応性官能基の組合せとしては、例えば、ビニル基どうしの他に、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、反応性シリル基どうし、カルボキシル基と金属イオン等が挙げられる。
本発明では、分子内に2個以上の反応性官能基を含有する化合物として、特に、分子内に2個以上のビニル基を含有する化合物を用いることが好ましい。このような化合物としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンメトキシ化トリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシ化トリアクリレート等が挙げられる。
本発明では特に、架橋性化合物を含有することによって、より耐擦り傷性、耐磨耗性に優れるクリヤー層を得ることができ、好ましい。架橋性化合物の配合量は、特に限定されないが、クリヤー層全量に対し1重量%以上20重量%であることが好ましい。
また、本発明のクリヤー層は、入射光に対し、反射光を拡散させる機能を有することが好ましい。このようなクリヤー層を積層することによって、光拡散による優れた美観性をかもし出し、奥行き感を与え、より深みのある輝度感、美観性を付与することができる。
例えば、光拡散性を有するクリヤー層としては、(い)表面構造が凹凸構造を有するクリヤー層、(ろ)屈折率の異なる2種以上の物質から形成されたクリヤー層等が挙げられる。
(い)表面構造が凹凸構造を有するクリヤー層は、表面の凹凸構造により、入射する光に対して拡散して反射する効果を有し、さらには、クリヤー層を透過した光も拡散して反射する効果等により、立体感があり、奥ゆき・深みのある、落ち着いた美観性を発現することができる。
さらに、クリヤー層の屈折率による入射光と反射光との位相の違い等により、立体感があり、奥ゆき・深みのある、落ち着いた美観性を発現することができる。
凹凸の程度としては、0.05mm〜5mm程度、さらには0.1mm〜3mm程度、さらには0.1mm〜1mm程度が好ましい。
(ろ)屈折率の異なる2種以上の物質から形成されたクリヤー層は、屈折率の違いによるその境界面での光の入射角と反射角との違い、屈折率の違いによる入射光と反射光に位相の違い等により、入射する光に対して、反射光が拡散しているようにみえ、その結果、立体感があり、奥ゆき・深みのある、落ち着いた美観性を発現することができる。
屈折率の違いの程度としては、0.01以上、さらには0.01〜1.0程度が好ましい。屈折率の差が0.01より小さい場合、奥ゆき・深みのある、落ち着いた美観性が確認され難く、屈折率の差が大きすぎる場合、透明性が失われてしまい、下層の意匠を視認することが不可能となってしまう。
このような光拡散性を有するクリヤー層は、例えば、エンボス加工等の表面加工を施すことによって表面凹凸を付与することもできるし、表面に光拡散剤等の粒子を積層することによって表面凹凸を付与することもできる。
またクリヤー層用組成物を、表面が凹凸になるように塗付積層することによって塗膜表面の凹凸を付与することもできるし、クリヤー層用組成物中に光拡散剤等の粒子を含有させることによって塗膜表面の凹凸を付与することもできる。
また、屈折率の異なるものを積層することによって、屈折率の異なるクリヤー層を得ることもできるし、クリヤー層用組成物において、屈折率の異なる結合材をブレンドする方法や、結合材と異なる屈折率を有する物質(例えば、光拡散剤等)を含有させることにより屈折率の異なるクリヤー層を得ることができる。
本発明のクリヤー層は、表面構造が凹凸構造を有し、かつ、屈折率の異なる2種以上の物質から形成されたものであることが好ましく、例えば、結合材と光拡散剤から構成されるクリヤー層用組成物を塗付することによって、光拡散性を有するクリヤー層を得ることが好ましい。
光拡散剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、シリカ、ガラス、マイカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リン酸チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウム等、またこれらに脂肪酸や、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等で表面処理が施されたもの等、スチレン系架橋粒子、アクリル系架橋粒子や、スチレン−アクリル系架橋粒子、シリコーン系架橋粒子、ウレタン系架橋粒子、ノルボルネン系架橋粒子等が挙げられる。
このような光拡散剤の形状は、特に限定されず、球状、鱗片状、針状、多角柱状、円柱状等の光拡散剤を用いることができ、1種または2種以上を適宜選定し用いることができる。また、光拡散剤の大きさは、使用用途等によって適宜設計すればよいが、50μm以上5mm以下、さらには100μm以上3mm以下程度であればよい。
このようなクリヤー層を、カラークリヤー層の上に積層する方法としては、特に限定されない。
積層する方法としては、結合材、必要に応じ、その他の添加剤等を含むクリヤー層用組成物を用いてあらかじめ常法によりクリヤー層を作製し、カラークリヤー層の上に、接着剤等を介して貼着する方法、また、カラークリヤー層の上に、結合材、必要に応じ、その他の添加剤等を含むクリヤー層用組成物を直接積層する方法等が挙げられる。
クリヤー層用組成物を直接積層する方法では、刷毛、ローラー、スプレー、コーター、コテ等の塗装器具を用いて塗付すればよく、1回塗り、複数回塗り等特に限定されない。
また、クリヤー層としては、1層でもよいし、複数のクリヤー層が積層された複層構造でもよい。例えば、屈折率の異なる複数のクリヤー層を積層することによりカラークリヤー層の美観性をより向上させることもできるし、密着性に優れるクリヤー層を積層した後耐久性に優れるクリヤー層を積層することにより、カラークリヤー層との密着性、耐久性に優れる積層体を得ることもできる。
この様なクリヤー層の膜厚は、特に限定されないが、0.5μm〜5mm(10μm〜2mm)程度であることが好ましい。
本発明で用いる積層体は、必要に応じ、クリヤー層の上に、さらに、トップコート層を積層することもできる。
トップコート層としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等を結合材とするものを使用することができる。
例えば、トップコート層を形成する結合材として、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上含むアクリル樹脂を含む結合材を用いることによって、耐擦傷性、耐摩耗性を向上させることができる。また、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂を含む結合材を用いることによって、汚染防止性を向上させることができる。
またこの他に、本発明の効果を損なわない程度に、着色材料、骨材、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、沈降防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、黄変防止剤、有機過酸化物、有機色素、無機フィラー、触媒、溶剤、架橋性化合物、光拡散剤等の添加剤を混合することもできる。
トップコート層の透明性としては、光透過率が、60%以上(好ましくは70%〜99%)程度であることが好ましい。
積層する方法としては、予め各成分を含むトップコート層用組成物をフィルム化(シート化)しておいたトップコートフィルム(シート)を、クリヤー層の上に、接着剤等を介して貼着すればよい。
また、クリヤー層の上に、トップコート層用組成物を直接塗付積層することもできる。直接塗付積層する方法では、クリヤー層の上に、刷毛、ローラー、スプレー、コーター、コテ等の塗装器具を用いて塗付すればよく、1回塗り、複数回塗り等特に限定されない。
このようにして得られた積層体は、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材など幅広い分野で適用することができる。
<構造発色チップ(A)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、温度23℃、相対湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)で、樹脂Aを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Aを混合して混合溶液を作製した。
該混合溶液を、アルミニウム製の容器(φ100mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後のPETフィルムから剥がした物体は、光による干渉を示し、紫色の優れた構造発色を示した。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(A)を得た。
・粒子径0.5〜5mm、厚み100μmである紫色の構造発色チップ(A1)
・粒子径5〜50mm、厚み100μmである紫色の構造発色チップ(A2)
<構造発色チップ(B)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、樹脂Aを樹脂Bに、溶媒Aを溶媒Bに、粒子Aを粒子Bに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PENフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、170℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色の優れた構造発色を示した。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(B)を得た。
・粒子径1〜50mm、厚み100μmである紫色の構造発色チップ(B1)
<構造発色チップ(C)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Eを加えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、黄色の強い構造発色を示した。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(C)を得た。
・粒子径1〜50mm、厚み100μmである黄色の構造発色チップ(C1)
<構造発色チップ(D)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、標準状態で、樹脂Cを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Aを混合して混合溶液を作製した。
次に、該混合溶液と架橋剤Aを混合し、アルミニウム製の容器(φ100mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、緑色系の強い構造発色を示した。さらに、得られた構造発色体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(D)を得た。
・粒子径1〜50mm、厚み100μmである紫色の構造発色チップ(D1)
<構造発色チップ(E)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子D、粒子Fを加え、樹脂Aを樹脂Dに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黄色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた構造発色体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(E)を得た。
・粒子径1〜50mm、厚み100μmである青色の構造発色チップ(E1)
<構造発色チップ(F)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子D、粒子F、粒子Gを加え、樹脂Aを樹脂Dに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黄色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた構造発色体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(F)を得た。
・粒子径1〜50mm、厚み100μmである青色の構造発色チップ(F1)
<構造発色チップ(G)の作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、温度23℃、相対湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)で、樹脂Dを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Cを混合して混合溶液を作製した。
該混合溶液を、アルミニウム製の容器(φ100mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後のPETフィルムから剥がし、厚み100μmの青色の構造発色体を得た。
該構造発色体を常法により破砕、粉砕することによって、次の構造発色チップ(G)を得た。
・粒子径1mm〜5mm、厚み100μmである青色の構造発色チップ(G1)
・粒子径5mm〜30mm、厚み100μmである青色の構造発色チップ(G2)
(実施例1)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A2)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい美観性をかもしだしていた。
(実施例2)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A2)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)からなるクリヤー層用組成物を、wet膜厚が0.1mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は85%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例3)
<積層体の作製>
構造発色チップ(B1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は70%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例4)
<積層体の作製>
構造発色チップ(C1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は66%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある黄色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例5)
<積層体の作製>
構造発色チップ(D1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は74%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例5)
<積層体の作製>
構造発色チップ(E1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある青色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例6)
<積層体の作製>
構造発色チップ(F1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある青色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例7)
<積層体の作製>
構造発色チップ(G2)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある青色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例8)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A1)0.2重量部、構造発色チップ(G2)0.5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)からなるクリヤー層用組成物を、wet膜厚が0.1mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は85%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある青色と紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例9)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(C1)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層1を得た。なおカラークリヤー層1の光透過率は66%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(D1)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層2を得た。なおカラークリヤー層2の光透過率は74%であった。
次に、カラークリヤー層2の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)からなるクリヤー層用組成物を、wet膜厚が0.1mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は85%であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある黄色と紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例10)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、凹凸の程度:底部と頂部の差が0.5mm〜2mm、L=10)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層体を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例11)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A2)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%、屈折率:1.6)100重量部、石英粉末(平均粒子径:0.2μm、屈折率:1.45)10重量部からなるクリヤー層用組成物を、wet膜厚が0.5mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は85%、凹凸の程度は底部と頂部の差が0.2mm〜0.5mmであった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥ゆき・深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例12)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A2)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、石英粉末(平均粒子径:30μm、屈折率:1.45)3重量部、過酸化ベンゾイル2重量部からなるクリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は85%、屈折率は1.49であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥ゆき・深みのある美観性をかもしだしていた。
得られた積層体について、次の試験を行った。
<耐摩耗性試験>
得られた積層体を用いて、JIS K 5400 8.9耐摩耗性試験を行った。テーパー形摩耗輪は、CS17を用いた。評価は摩耗減量によって表し、結果は表3に示す。
また、実施例2で得られた積層体についても、同様の耐摩耗性試験を行った。結果は表3に示す。
<耐擦傷性試験>
得られた積層体を用いて、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール株式会社製)を用いて、積層体の表面を荷重500gの条件で10回繰り返し擦過し、当該積層体の表面における傷の発生の有無を評価した。評価は次のとおりである。結果を表3に示す。
5:剥離や傷の発生が認められない。
4:剥離や傷の発生がほとんど認められない。
3:わずかに細い傷が認められる。
2:全面に筋状の傷が認められる。
1:剥離が生じる。
(実施例13)
<積層体の作製>
構造発色チップ(B1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー層用組成物から形成されるカラークリヤー層の光透過率は70%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥ゆき・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例14)
<積層体の作製>
構造発色チップ(C1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー層用組成物から形成されるカラークリヤー層の光透過率は66%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある黄色の輝度感を有し、やわらかい、奥深い・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例15)
<積層体の作製>
構造発色チップ(D1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー層用組成物から形成されるカラークリヤー層の光透過率は74%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥深い・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例16)
<積層体の作製>
構造発色チップ(E1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー層用組成物から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きがあってかつ鮮明な青色の輝度感を有し、やわらかい、奥深い・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例17)
<積層体の作製>
構造発色チップ(F1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー層用組成物から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きがあってかつ鮮明な青色の輝度感を有し、やわらかい、深み、高級感のある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例18)
<積層体の作製>
表面が黒色に着色された磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、凹凸の程度:底部と頂部の差が0.5mm〜2mm)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A1)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、塗付量400g/mで刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なお該カラークリヤー層用組成物から形成されるカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥深い・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例19)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(G1)0.2重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.2mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、第1カラークリヤー層を得た。なお第1カラークリヤー層の光透過率は75%であった。
次に、第1カラークリヤー層の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(G2)0.3重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.2mmとなるように、刷毛で塗付し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、第2カラークリヤー層を得た。なお第2カラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、第2カラークリヤー層の上に、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート6重量部、石英粉末(平均粒子径:30μm、屈折率:1.45)3重量部、過酸化ベンゾイル2重量部からなるクリヤー層用組成物Bを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は85%、屈折率は1.49であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある青色の輝度感を有し、多彩感、自然感、また、やわらかい、奥深い・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例20)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A1)0.2重量部、構造発色チップ(G2)0.5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.2mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、クリヤー層用組成物Aを、膜厚が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある青色と紫色の輝度感を有し、多彩感、自然感、また、やわらかい、奥深い・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例21)
<積層体の作製>
実施例12で得られた積層体のクリヤー層表面に、ポリアルキルシロキサン20重量部、イソプロピルアルコール80重量部からなるトップコート層用組成物、膜厚が20μmとなるように塗付し、温度110℃で、1時間乾燥硬化させ、トップコート層を得、積層体を得た。なおトップコート層の屈折率は1.4であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥ゆき・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例22)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A2)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、ガラス粉末(平均粒子径:0.2mm、屈折率:1.43)10重量部、過酸化ベンゾイル2重量部からなるクリヤー層用組成物Cを、膜厚が0.5mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は84%、屈折率は1.49であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥ゆき・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例23)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、構造発色チップ(A2)5重量部を混合したカラークリヤー層用組成物を、乾燥膜厚が0.3mmとなるように、刷毛で塗布し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なおカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、ガラス粉末(平均粒子径:0.2mm、屈折率:1.43)2重量部、過酸化ベンゾイル2重量部からなるクリヤー層用組成物Dを、膜厚が0.5mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、
さらにその上に、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、ガラス粉末(平均粒子径:0.2mm、屈折率:1.43)10重量部、過酸化ベンゾイル2重量部からなるクリヤー層用組成物Cを、膜厚が0.5mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー層の光透過率は84%、屈折率は1.49であった。
得られた積層体の表面は、黒地の中に、落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、奥ゆき・深みのある美観性をかもしだしていた。
また得られた積層体について、実施例12と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
Figure 2008296570
Figure 2008296570
Figure 2008296570


Claims (8)

  1. 着色基材層の上にカラークリヤー層が積層されたものであり、
    カラークリヤー層が、少なくとも、結合材と、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下である構造発色チップから形成されたものであることを特徴とする積層体。
  2. 着色基材層の上に、カラークリヤー層、クリヤー層が積層されたものであり、
    カラークリヤー層が、少なくとも、結合材と、平均粒子径0.1mm以上50mm以下、厚み30μm以上500μm以下である構造発色チップから形成されたものであり、
    クリヤー層が、少なくとも、結合材から形成されたものであり、クリヤー層の光透過率が60%以上であることを特徴とする積層体。
  3. クリヤー層が、少なくとも、結合材と、架橋性化合物から形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. クリヤー層が、少なくとも、結合材と、光拡散剤から形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  5. クリヤー層を形成する結合材が、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上含むアクリル樹脂であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の積層体。
  6. カラークリヤー層が、結合材100重量部に対し、構造発色チップが0.001〜10重量部含有されたものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の積層体。
  7. 構造発色チップが、チップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が分散してなる固形状物を圧延してなるものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層体。
  8. 構造発色チップが、熱塑性を有するチップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延してなるものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の積層体。




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