JP2008294421A - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

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邦生 竹内
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Abstract

【課題】成長基板の剥離工程などにおいて半導体レーザ素子部にクラックが発生するのを抑制することが可能な半導体レーザ素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ素子10は、共振器の延びる方向に延びるリッジ部114aと、リッジ部114aに沿って形成された溝部114bと、溝部114bを挟んでリッジ部114aと反対側に溝部114bに沿って形成された支持部114cとを含む半導体レーザ素子部110と、半導体レーザ素子部110に導電性接着層121を介して接合されるp型Ge基板100とを備えている。そして、導電性接着層121は、半導体レーザ素子部110の溝部114bを埋め込むとともに、半導体レーザ素子部110のリッジ部114aおよび支持部114cと、p型Ge基板100との間の空間を埋めるように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体レーザ素子およびその製造方法に関し、特に、半導体レーザ素子部が融着層を介して支持基板に接合された半導体レーザ素子およびその製造方法に関する。
従来、窒化物系半導体は、大きなバンドギャップや高い熱的安定性を有するとともに、半導体層を結晶成長させる際の組成を調節することにより、バンドギャップ幅が制御可能である。したがって、窒化物系半導体は、レーザ発光素子や高温デバイスをはじめとして、さまざまな半導体装置への適用が可能な材料として期待されている。特に、大容量光ディスクに対応するピックアップ用光源として、窒化物系半導体を用いたレーザ発光素子の実用化が進められている。
また、窒化物系半導体をレーザ発光素子として用いる場合、共振器面を劈開により形成する必要があるため、硬いサファイア基板などの劈開が困難な成長基板については、成長基板の裏面を研磨することにより基板の厚みを小さくした上で劈開を行う方法が用いられる。しかし、成長基板を研磨する工程が必要であることに加えて、研磨時の熱膨張作用や、研磨後の半導体層内部における残留応力などにより、レーザ発光素子の量産性が必ずしも良好ではなかった。
そこで、従来では、成長基板側に形成された窒化物系半導体層を、劈開が容易な支持基板に貼り替えることによりレーザ発光素子を形成する提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、サファイア基板に形成された半導体レーザ素子部をサファイア基板から剥離するとともに、支持基板として劈開が容易なガリウム砒素基板に貼り替えることによって形成される窒化物半導体レーザおよびその製造方法が開示されている。この特許文献1に記載の窒化物半導体レーザでは、サファイア基板上に形成されるとともに、リッジ部と、リッジ部に沿って形成された溝部と、溝部を挟んでリッジ部と反対側に形成された支持部とから構成され、半導体層の表面が凹凸形状を有する半導体レーザ素子部に対して、予め金属薄膜(融着層)を付着させたガリウム砒素基板を加圧加温により接合する。そして、YAGレーザおよびKrFエキシマレーザなどの短波長高出力レーザ光をサファイア基板の裏面側から下地層に照射することにより、サファイア基板を貼り替え後の半導体レーザ素子部から剥離することによって半導体レーザを形成する。
特開2000−323797号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の窒化物半導体レーザおよびその製造方法では、ガリウム砒素基板(支持基板)を半導体レーザ素子部に接合する際に、金属薄膜(融着層)を半導体レーザ素子部表面の凹凸形状に対してどのように接触させるかについては開示も示唆もされていない。したがって、加圧加温により金属薄膜が凸形状であるリッジ部および支持部と融着する一方、窪んだ溝部の内表面には融着せずに、溝部の内部に空隙が残された状態でガリウム砒素基板が半導体レーザ素子部に接合された状態となる場合があると考えられる。この場合、サファイア基板(成長基板)の剥離工程を行う際に、レーザ光の照射によって、ガリウム砒素基板に対して半導体レーザ素子部の溝部との間に残された空隙部分と、リッジ部や支持部などの半導体層が密着している部分とでは熱の伝わり方が異なるために、半導体層内部に温度むらが生じる。特に、溝部内部の空隙では、周囲の半導体層との熱伝達率の差に起因して熱篭りが発生する。このように、温度むらや熱篭りが発生した半導体レーザ素子部では、機械的特性が劣化する傾向にある。これにより、サファイア基板を半導体レーザ素子部から剥離する際に、半導体層にクラックが発生しやすくなるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、成長基板の剥離工程などにおいて半導体レーザ素子部にクラックが発生するのを抑制することが可能な半導体レーザ素子およびその製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体レーザ素子は、共振器の延びる方向に延びるリッジ部と、リッジ部に沿って形成された溝部と、溝部を挟んでリッジ部と反対側に溝部に沿って形成された支持部とを含む半導体レーザ素子部と、半導体レーザ素子部に融着層を介して接合される支持基板とを備え、融着層は、半導体レーザ素子部の溝部を埋め込むとともに、半導体レーザ素子部のリッジ部および支持部と、支持基板との間の空間を埋めるように形成されている。
この発明の第1の局面による半導体レーザ素子では、上記のように、融着層を、半導体レーザ素子部の溝部を埋め込むとともに、半導体レーザ素子部のリッジ部および支持部と、支持基板との間の空間を埋めるように形成するように構成することによって、支持基板が半導体レーザ素子部に接合される際に、融着層が、半導体レーザ素子部のリッジ部および支持部のみならず、リッジ部および支持部に挟まれた溝部にも充填されるので、半導体レーザ素子部は、半導体層表面の凹凸形状に対して融着層が隙間を残すことなく埋め込まれた状態となって支持基板と接合される。したがって、半導体層内部には空隙部分が存在しないために、レーザ光を照射しても、半導体層内部での熱の伝わり方が局所的な変化を起こしにくくなるので、半導体層内部には照射熱による温度むらや熱篭りが発生する確率が下がる。これにより、半導体層の機械的特性が劣化するのを抑制することができる。この結果、成長基板の剥離工程などにおいて、半導体レーザ素子部にクラックが発生するのを抑制することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ素子において、好ましくは、半導体レーザ素子部の溝部の内表面に沿って形成された絶縁膜をさらに備え、溝部は、絶縁膜を介して融着層により埋め込まれている。このように構成すれば、半導体レーザ素子部に形成された溝部は、その内表面を絶縁膜により被覆された状態で融着層が埋め込まれるので、絶縁膜により、溝部を融着層から容易に絶縁することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ素子において、好ましくは、融着層は、第1共晶合金層と、第1共晶合金層上に形成された第2共晶合金層と、第2共晶合金層上に形成された第3共晶合金層とを含み、第2共晶合金層の融点は、第1共晶合金層および第3共晶合金層の融点よりも低い。このように構成すれば、支持基板側または半導体層側のいずれか一方に相対的に融点の高い第1共晶合金層または第3共晶合金層のいずれか一方を設けるとともに、支持基板側または半導体層側のいずれか他方に相対的に融点の高い第1共晶合金層または第3共晶合金層のいずれか他方を設け、第1共晶合金層および第3共晶合金層の間に相対的に融点が低い第2共晶合金層を設けることによって、第2共晶合金層は溶融しており、かつ、第1共晶合金層および第3共晶合金層は溶融せずに軟化している状態で支持基板と半導体層とを接合することができる。これにより、支持基板、半導体レーザ素子部、第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層の間に生じる熱応力を緩和することができる。
上記融着層が第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層を含む構成において、好ましくは、第2共晶合金層の熱膨張係数は、第1共晶合金層および第3共晶合金層の熱膨張係数よりも大きい。このように構成すれば、熱膨張係数の大きい第2共晶合金層が変形するのを、第2共晶合金層の両側に設けられた熱膨張係数の小さい第1共晶合金層および第3共晶合金層により両側から抑制することができる。これにより、支持基板、半導体レーザ素子部、第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層の間に生じる熱応力の影響をさらに緩和することができる。
上記融着層が第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層を含む構成において、好ましくは、融着層の第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層は、それぞれ、Au−Sn合金、Au−Ge合金およびAu−Si合金の少なくともいずれかを含む。このように構成すれば、融点の低いAu−Sn合金、Au−Ge合金またはAu−Si合金により、融着層を比較的低温に加熱することによって支持基板と半導体レーザ素子部とを接合することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ素子において、好ましくは、融着層は、溝部のうち、半導体レーザ素子部の共振器面近傍以外の部分を埋め込むように形成されている。このように構成すれば、レーザ光を照射することによりケガキ線を形成した後、劈開により共振器面を形成する際に、共振器面となる部分の近傍には融着層が埋め込まれていないので、レーザ光の照射熱により、半導体レーザ素子部を形成する半導体層と融着層とが互いに溶融して電気的にショートを起こすことを抑制することができる。
この場合、好ましくは、半導体レーザ素子部の共振器面近傍における共振器面に沿った方向の溝部の長さは、共振器面近傍における支持部の対応する長さよりも小さくなるように形成されている。このように構成すれば、共振器面において溝部が占める割合よりも支持部が占める割合をより多く確保することができるので、共振器面をより広範囲に形成することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ素子において、好ましくは、半導体レーザ素子部は、窒化物系半導体層により形成されている。このように構成すれば、短波長のレーザ光を発生する窒化物系半導体レーザにおいても、上記第1の局面による構成を用いれば、半導体層内部には空隙部分がないために、レーザ光の照射熱による温度むらや熱篭りが発生せず、半導体層の機械的特性が劣化しない。したがって、成長基板の剥離工程などにおいて、半導体レーザ素子部にクラックが発生するのを抑制することができる。
この発明の第2の局面による半導体レーザ素子の製造方法は、成長基板上に半導体レーザ素子部を構成する半導体層を成長させる工程と、半導体レーザ素子部に、共振器の延びる方向に延びるリッジ部と、リッジ部に沿って延びる溝部と、溝部を挟んでリッジ部と反対側に溝部に沿って延びる支持部とを形成する工程と、融着層により溝部を埋め込んだ状態で、半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程と、成長基板を半導体レーザ素子部から剥離する工程と、支持基板側に接合された半導体レーザ素子部の共振器面を形成する工程とを備える。
この第2の局面による半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、融着層により溝部を埋め込んだ状態で、半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程を備えることによって、融着層が、半導体レーザ素子部のリッジ部および支持部のみならず、リッジ部および支持部に挟まれた溝部にも充填されるので、半導体レーザ素子部は、半導体層表面の凹凸形状に対して融着層が隙間をなく埋め込まれた状態で支持基板と接合される。したがって、半導体層内部には空隙部分が存在しないために、レーザ光を照射しても、半導体層内部での熱の伝わり方が局所的な変化を起こさないので、半導体層内部には照射熱による温度むらや熱篭りが発生せず、半導体層の機械的特性が劣化しない。この結果、成長基板を半導体レーザ素子部から剥離する工程において、半導体レーザ素子部にクラックが発生するのを抑制することができる。
上記第2の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程に先立って、半導体レーザ素子部の溝部の内表面に絶縁膜を形成する工程をさらに備え、半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程は、溝部に絶縁膜を介して融着層を埋め込む工程を含む。このように構成すれば、半導体レーザ素子部に形成された溝部は、その内表面に絶縁膜が形成された状態で絶縁膜を介して融着層が埋め込まれる。したがって、絶縁膜により、半導体レーザ素子部の溝部を容易に絶縁することができる。
上記第2の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程に先立って、半導体レーザ素子部の成長基板とは反対側の上面上に、第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層をこの順に配置することにより融着層を形成する工程をさらに備え、半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程における融着層の加熱温度は、第2共晶合金層の融点以上で、かつ、第1共晶合金層および第3共晶合金層の融点未満である。このように構成すれば、第2共晶合金層は溶融しており、かつ、第1共晶合金層および第3共晶合金層は溶融せずに軟化した状態で支持基板と半導体層とを接合することができる。これにより、比較的低温での接合が可能になるので、支持基板、半導体層、第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層の間に生じる熱応力を緩和することができる。また、支持基板と半導体層との間に凹凸形状による隙間がある場合でも、軟化した第1共晶合金層および第3共晶合金層と、溶融した第2共晶合金層とがその凹凸形状部分に埋め込まれやすいので、接合面積を大きくすることができる。これにより、接合強度を向上させることができるので、支持基板と半導体層との剥離が生じるのを抑制することができる。また、接合面積を大きくすることができるので、レーザ照射時の放熱を均一、かつ、効率的に行うことができる。これらの結果、熱応力などによる負荷に起因して半導体層にダメージが生じるのを抑制することができるので、そのダメージに起因して動作電圧が高くなったり、電流が流れずに発光しないなどの問題が生じるのを抑制することができる。これにより、信頼性の高い半導体発光素子を得ることができる。
上記第2の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、半導体レーザ素子部の共振器面を形成する工程は、融着層が形成されていない領域に位置する半導体レーザ素子部の部分を劈開する工程を含む。このように構成すれば、レーザ光の照射によりケガキ線を形成した後、劈開により共振器面を形成する際に、共振器面となる部分の近傍には融着層が形成されていないので、レーザ光の照射熱により、共振器面において半導体レーザ素子部を形成する半導体層および融着層が互いに溶融して電気的にショートすることを抑制することができる。
上記第2の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、成長基板上に半導体層を成長させる工程は、成長基板上に剥離層を介して半導体レーザ素子部を構成する半導体層を成長させる工程を含み、成長基板を半導体レーザ素子部から剥離する工程は、剥離層にレーザ光を照射することにより、成長基板を半導体レーザ素子部から剥離する工程を含む。このように構成すれば、レーザ光の照射熱により、剥離層の結晶結合が破壊されるので、成長基板を半導体レーザ素子部から剥離する際に、成長基板を、レーザ光照射により熱分解された剥離層に沿って、容易に、半導体レーザ素子部から剥離することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための断面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子を備えた半導体レーザ装置の構造を説明するための斜視図である。図3〜図6は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための図である。図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子10を備えた半導体レーザ装置1の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置1では、図1に示すように、約405nmの発振波長を有する半導体レーザ素子10が、AuSn半田などの金属層からなる導電性接着層20を介して約200μmの厚みを有する基台30に固定されている。また、基台30は、図2に示すように、AuSn半田などの金属層からなる導電性接着層21を介して、金属製のステム40の本体部41に設けられた台座部42に固定されている。このステム40には、2つのリード端子43および44が設けられている。また、半導体レーザ素子10の上面は、図2に示すように、Auワイヤ50を用いて、ステム40のリード端子43にワイヤボンディングされている。また、基台30の上面30aは、Auワイヤ51を用いて、ステム40の台座部42にワイヤボンディングされている。また、ステム40の本体部41には、レーザ光が透過する窓付きの図示しないキャップが取り付けられている。
また、半導体レーザ素子10は、図1に示すように共振器の延びる方向(A方向)の両端部に、それぞれ、光出射面10aおよび光反射面10bが形成されている。なお、光出射面10aおよび光反射面10bは、それぞれ、本発明の「共振器面」の一例である。なお、本発明において、光出射面10aは、光出射側および光反射側のそれぞれの共振器面から出射されるレーザ光強度の大小関係により区別される。すなわち、相対的にレーザ光の出射強度の大きい側が光出射面10aであり、相対的にレーザ光の出射強度の小さい側が光反射面10bである。また、半導体レーザ素子10の光出射面10aおよび光反射面10bには、製造プロセスにおける端面コート処理により、誘電体多層膜が形成されている。
また、図1に示すように、半導体レーザ素子10は、約100μmの厚みを有するp型Ge基板100に、約5μmの厚みを有する半導体レーザ素子部110が接合された状態で、p型Ge基板100が基台30側に配置された構造を有している。なお、p型Ge基板100は、本発明の「支持基板」の一例であり、半導体レーザ素子部110は、本発明の「半導体レーザ素子部」の一例である。また、第1実施形態では、半導体レーザ素子部110は、発振波長が約400nm帯の窒化ガリウム系半導体層により構成されている。
具体的には、図3に示すように、n型GaNコンタクト層111の上面上に、n型AlGaNクラッド層112、GaInNからなる発光層113およびp型AlGaNクラッド層114がエピタキシャル成長により形成されている。第1実施形態では、これらn型AlGaNクラッド層112、発光層113およびp型AlGaNクラッド層114などの窒化物系半導体層によって、半導体レーザ素子部110が形成されている。なお、半導体レーザ素子部110は、図6に示すように、製造プロセス上、後述する「成長基板側構造の形成工程」において、予め、n型GaN基板130の上面上に、有機金属気相成長(MOCVD)法により、約20nmの厚みを有するGaNバッファ層131と、約30nmの厚みを有するInGaN剥離層132とが形成された状態で、上述のn型GaNコンタクト層111などの窒化物系半導体層が積層されている。なお、n型GaNコンタクト層111、n型AlGaNクラッド層112、発光層113およびp型AlGaNクラッド層114は、それぞれ、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。また、InGaN剥離層132は、本発明の「剥離層」の一例であり、n型GaN基板130は、本発明の「成長基板」の一例である。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、p型AlGaNクラッド層114には、A方向(図1参照)に延びるリッジ部114aと、リッジ部114aに沿って一対の溝部114bとによって、導波路構造が形成されている。また、一対の溝部114bは、図4および図6に示すように、リッジ部114aに沿って共振器面(光出射面10aおよび光反射面10b(図1参照))近傍まで延びるように形成されている。また、図3に示すように、溝部114bを挟んでリッジ部114aと反対側に溝部114bに沿って一対の支持部114cが形成されている。なお、リッジ部114aは、約2μmの幅を有するように形成されている。また、図3に示すように、p型AlGaNクラッド層114のリッジ部114aおよび支持部114cの上面上に、p型GaNコンタクト層115が形成されている。そして、p型AlGaNクラッド層114のリッジ部114a以外の上面上には、SiOからなる絶縁膜116が形成されている。なお、p型GaNコンタクト層115は、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。
また、p型AlGaNクラッド層114のリッジ部114aの上面上には、リッジ部114aの延びる方向(A方向)(図1参照)に沿って、約3nmの厚みを有するPd層と、約10nmの厚みを有するAu層からなるオーミックp側電極117が形成されている。また、オーミックp側電極117の上面上から絶縁膜116の上面上に沿って、約3nmの厚みを有するTi層と、約100nmの厚みを有するPd層と、約300nmの厚みを有するAu層からなるp側パッド電極118が形成されている。
また、図3に示すように、p型Ge基板100の下面上には、約150nmの厚みを有するNi層と、約300nmの厚みを有するAu層からなるオーミック電極119が形成されるとともに、p型Ge基板100の上面上には、約100nmの厚みを有するNi層と、約300nmの厚みを有するAu層からなるアノード側電極120が形成されている。そして、半導体レーザ素子部110側のp側パッド電極118と、p型Ge基板100側のオーミック電極119とが、導電性接着層121により接合されている。なお、導電性接着層121は、本発明の「融着層」の一例である。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、導電性接着層121は、半導体レーザ素子部の溝部114bを埋め込むとともに、半導体レーザ素子部のリッジ部114aおよび支持部114cと、p型Ge基板100との間の空間を埋めるように形成されている。
また、第1実施形態では、図3に示すように、導電性接着層121は、p側パッド電極118上に形成された約1μmの厚みを有するAu−Ge合金(Ge含有量:約12質量%、融点:約356℃、熱膨張係数:約12.0×10−6/K)(以下、Au−Ge12と示す。)からなる第1接合層121aと、第1接合層121a上に形成された約3μmの厚みを有するAu−Sn合金(Sn含有量:約90質量%、融点:約217℃、熱膨張係数:約13.6×10−6/K)(以下、Au−Sn90と示す。)からなる第2接合層121bと、第2接合層121b上に形成された約1μmの厚みを有するAu−Ge12からなる第3接合層121cとから構成されている。なお、第1接合層121a、第2接合層121bおよび第3接合層121cは、それぞれ、本発明の「第1共晶合金層」、「第2共晶合金層」および「第3共晶合金層」の一例である。なお、図3では、導電性接着層121の層構造を説明するために、各層の厚みを若干誇張して示している。
また、第1実施形態では、図3に示すように、導電性接着層121は、リッジ部114aに対応する領域の導電性接着層121の厚みが、一対の支持部114cに対応する領域の導電性接着層121の厚みよりも大きくなるように形成されている。
また、図3に示すように、n型GaNコンタクト層111の下面上には、約6nmの厚みを有するAl層と、約10nmの厚みを有するPd層と、約300nmの厚みを有するAu層とからなるn側オーミック電極122が形成されている。そして、n型GaNコンタクト層111のうち、n側オーミック電極122が形成されている領域以外の上面上には、SiOからなる絶縁膜123が形成されている。なお、p型Ge基板100の上面のアノード側電極120が、基台30(上面30a)(図1参照)に対するダイボンド面とされている。
また、第1実施形態では、導電性接着層121は、図4に示すように、リッジ部114aに沿って形成された一対の溝部114bのうち、共振器の光出射面10aおよび光反射面10b近傍(600−600線断面)以外の部分を埋め込むように形成されている。したがって、図5および図6に示すように、共振器面近傍(図5の600−600線断面)には、導電性接着層121が埋め込まれていない。
また、基台30は、図1に示すように、SiCまたはAlNからなる基板30bを含んでいる。この基板30bの上面上および下面上の全面には、約100nmの厚みを有するTi層と、約200nmの厚みを有するPt層と、約300nmの厚みを有するAu層からなる下地金属層30cが形成されている。この下地金属層30cは、導電性接着層20を基台30に接着するために設けられている。
図7〜図12は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。次に、図1〜図12を参照して、第1実施形態による半導体レーザ素子10を備えた半導体レーザ装置1の製造プロセスについて説明する。
第1実施形態による半導体レーザ素子10の製造プロセスでは、「成長基板側構造の形成工程」および「支持基板側構造の形成工程」により「基板の接合工程」を行い、その後、「成長基板の剥離工程」および「電極形成工程」を行うことにより、ウェハ状態の半導体レーザ素子部110が形成される。その後、「劈開面形成工程」および「マウント工程」により、部品としての半導体レーザ素子10が形成される。以下、各工程順に具体的に説明する。
まず、「成長基板側構造の形成工程」では、図7に示すように、n型GaN基板130の上面上に、MOCVD法を用いて、GaNバッファ層131を約20nmの厚みに形成するとともに、InGaN剥離層132を約30nmの厚みに形成する。そして、InGaN剥離層132上に、約5×1018cm−3のSiがドープされた約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するn型GaNコンタクト層111を約5μmの厚みに形成するとともに、約5×1018cm−3のSiがドープされた約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するAl0.07Ga0.93Nからなるn型AlGaNクラッド層112を約400nmの厚みに順次形成する。
さらに、n型AlGaNクラッド層112上に、約5nmの厚みを有するとともに約5×1018cm−3のSiがドープされた約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するAl0.16Ga0.84Nからなるn型キャリアブロック層と、約100nmの厚みを有するとともにSiがドープされたGaNからなるn型光ガイド層と、約20nmの厚みを有するIn0.02Ga0.98Nからなる4つの障壁層と約3nmの厚みを有するIn0.15Ga0.85Nからなる3つの量子井戸層とが交互に積層された多量子井戸活性層(MQW)と、約100nmの厚みを有するとともに約4×1019cm−3のMgがドープされたGaNからなるp型光ガイド層と、約20nmの厚みを有するとともに約4×1019cm−3のMgがドープされたAl0.16Ga0.84Nからなるp型キャップ層とを順次積層することによって、約310nmの合計厚みを有する発光層113を形成する。そして、発光層113上(p型キャップ層上)に、約4×1019cm−3のMgがドープされた約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するAl0.07Ga0.93Nからなるp型AlGaNクラッド層114を約400nmの厚み(リッジ部114aでの厚み)に形成するとともに、約4×1019cm−3のMgがドープされた約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するIn0.02Ga0.98Nからなるp型GaNコンタクト層115を約10nmの厚みに順次形成する。
ここで、第1実施形態では、p型AlGaNクラッド層114には、図7に示すように、エッチング加工によって約80nmの厚みを有する一対の溝部114bを形成する。これにより、溝部114bを挟むようにして、約400nmの厚みを有するリッジ部114aおよび約400nmの厚みを有する一対の支持部114cがそれぞれ形成される。そして、リッジ部114aおよび支持部114c上にp型GaNコンタクト層115を介して絶縁膜116を形成するとともに、溝部114b上に絶縁膜116を形成する。これにより、p型AlGaNクラッド層114に形成されたリッジ部114a、溝部114bおよび支持部114cは、絶縁膜116により完全に被覆される。
その後、リッジ部114a上に対応する領域の絶縁膜116の部分をエッチング加工により除去してp型GaNコンタクト層115の上面を露出させるとともに、露出されたリッジ部114a上のp型GaNコンタクト層115の上面に、オーミックp側電極117を真空蒸着法により形成する。そして、オーミックp側電極117の上面および絶縁膜116の上面に沿って、p側パッド電極118を形成する。
また、第1実施形態では、真空蒸着法によりp側パッド電極118上に、「基板の接合工程」における基板接合時の接着層として、約1μmの厚みを有するGe12%を含むAuの合金(Au−Ge12)からなる第1接合層121a、約3μmの厚みを有するSn90%を含むAuの合金(Au−Sn90)からなる第2接合層121b、および、約1μmの厚みを有するGe12%を含むAuの合金(Au−Ge12)からなる第3接合層121cの3層をこの順に積層することによって、導電性接着層121を形成する。その際、第1実施形態では、図4に示すように、導電性接着層121をp側パッド電極118上に形成する領域を、共振器面近傍(600−600線断面)から所定の距離だけ離した領域に形成する。このようにして、成長基板側の構造が形成される。
また、「支持基板側構造の形成工程」では、図8に示すように、p型Ge基板100の上面上に、電子ビーム蒸着法(EB法)により、オーミック電極119を形成する。そして、オーミック電極119上に、「基板の接合工程」における基板接合時の接着層として、約1μmの厚みを有するGe12%を含むAuの合金(Au−Ge12)からなる第3接合層121cを真空蒸着法により形成する。その際、第1実施形態では、第3接合層121cをオーミック電極119上に形成する領域を、図4に示した成長基板側の導電性接着層121と対向する領域に形成する。このようにして、支持基板側の構造が形成される。
そして、「基板の接合工程」では、図9に示すように、n型GaN基板130側に形成された半導体レーザ素子部110のp側パッド電極118側と、p型Ge基板100側に形成された導電性接着層121とを対向させながら、加熱温度約295℃、荷重約100Nの条件下で接合する。
この際、第1実施形態では、加熱温度よりも融点の低い第2接合層121bは溶融するとともに、加熱温度よりも融点の高い第1接合層121aおよび第3接合層121cは、軟化して変形することによって、図9に示すように、半導体レーザ素子部110は、導電性接着層121が半導体レーザ素子部110のリッジ部114aおよび支持部114cのみならず、リッジ部114aおよび支持部114cに挟まれた溝部114bにも隙間がなく埋め込まれた状態でp型Ge基板100側と接合される。
次に、「成長基板の剥離工程」では、図10に示すように、Nd:YAGレーザ光の第2高調波(波長:約532nm)を、約500mJ/cm〜約1000mJ/cmのエネルギ密度に調整した上で、n型GaN基板130の下面側からn型GaN基板130に向けて照射する。なお、レーザ光は、n型GaN基板130の下面側の全域にわたって照射される。そして、レーザ光の照射により、内部に積層されたInGaN剥離層132の結晶結合が全面的にまたは局所的に破壊される。これにより、半導体レーザ素子部110を、InGaN剥離層132の破壊領域に沿って、n型GaN基板130側から容易に分離(剥離)することができる。
また、第1実施形態では、導電性接着層121がp型AlGaNクラッド層114とp型Ge基板100のオーミック電極119との間で隙間がなく埋め込まれているので、レーザ光を照射しても、半導体層内部での熱の伝わり方が局所的な変化を起こさないので、半導体層内部には照射熱による温度むらや熱篭りが発生せず、半導体層の機械的特性が劣化しない。この結果、上記「成長基板の剥離工程」において、n型GaN基板130側を剥離する際に、半導体レーザ素子部110にクラックが発生するのを抑制することができる。
そして、「電極形成工程」では、図3に示すように、「成長基板の剥離工程」により半導体レーザ素子部110の下面側に露出された約5μmの厚みを有するn型GaNコンタクト層111を、表面の清浄化を目的としてエッチング加工により厚さ約3μmに形成する。その後、n型GaNコンタクト層111の下面上に、n側オーミック電極122を形成する。また、n型GaNコンタクト層111の下面上のうち、n側オーミック電極122が形成されていない領域には、SiOからなる絶縁膜123を形成する。このようにして、ウェハ状態の半導体レーザ素子部110が形成される。
次に、「劈開面形成工程」では、図4に示すように、ウェハ状態の半導体レーザ素子部110を、レーザスクライブにより共振器の延びる方向(A方向)と垂直な方向(B方向)に、共振器長のピッチでケガキ線800(1点鎖線)を入れた上で、ケガキ線800に沿って劈開を行う。これにより、半導体レーザ素子部110は、ウェハ状態からバー状に分離され、共振器面を有する半導体レーザ素子部110が形成される。
その際、第1実施形態では、図4に示すように、ケガキ線800(1点鎖線)は、導電性接着層121が形成されていない領域に位置する半導体レーザ素子部110の部分に入れられる。このように構成すれば、共振器面となる部分の近傍には導電性接着層121が形成されていないので、レーザ光の照射熱により、共振器面において半導体レーザ素子部110を形成する半導体層(n型GaNコンタクト層111など)と導電性接着層121とが互いに溶融して電気的にショートすることを抑制することができる。
その後、半導体レーザ素子10の共振器の光出射面10a(図1参照)および光反射面10b(図1参照)に対して、誘電体多層膜(酸化膜など)が形成されることにより端面コート処理が行われる。さらに、バー状態の半導体レーザ素子部110に対して、共振器の延びる方向(A方向:図4参照)に上記と同様の方法により2次劈開を行う。これにより、チップ状態となった半導体レーザ素子10が形成される。
そして、「マウント工程」では、図11に示すように、半導体レーザ素子10(p型Ge基板100側)を基台30に対してダイボンドする。このとき、同時に、基台30をステム40の台座部42(図2参照)に固定する。具体的には、図12に示すように、窒素雰囲気中において、金属製のステム40(図2参照)の台座部42上に、導電性接着層21(図2参照)と、導電性接着層20が所定の領域(上面30a)に配置された基台30と、半導体レーザ素子10とを順に配置する。そして、図12に示すように、ステム40(図2参照)を高温にするとともに、半導体レーザ素子10を、セラミック製のコレット(図示せず)により導電性接着層20を介して基台30に対してP方向に押圧することにより、導電性接着層20が溶融する。また、ステム40(図2参照)とともに高温となった台座部42と、基台30とに挟まれた導電性接着層21も熱伝導により溶融する。
その後、図2に示すように、ステム40を冷却して導電性接着層20および21を固化することによって、半導体レーザ素子10が導電性接着層20を介して基台30に固定されるとともに、基台30が導電性接着層21を介してステム40の台座部42に固定される。そして、図2に示すように、半導体レーザ素子10のn側オーミック電極122(図11参照)とステム40のリード端子43とを、Auワイヤ50を用いてワイヤボンドすることにより接続するとともに、基台30の上面30aとステム40の台座部42とを、Auワイヤ51を用いてワイヤボンドすることにより接続する。最後に、ステム40の本体部41に、レーザ光が透過する窓付きの図示しないキャップを取り付ける。
このようにして、第1実施形態による半導体レーザ素子10を備えた半導体レーザ装置1が製造される。
第1実施形態では、上記のように、導電性接着層121を、半導体レーザ素子部110の溝部114bを埋め込むとともに、半導体レーザ素子部110のリッジ部114aおよび支持部114cと、p型Ge基板100側との間の空間を埋めるように形成するように構成することによって、p型Ge基板100側が半導体レーザ素子部110に接合される際に、導電性接着層121が、半導体レーザ素子部110のリッジ部114aおよび支持部114cのみならず、リッジ部114aおよび支持部114cに挟まれた溝部114bにも充填されるので、半導体レーザ素子部110は、p型AlGaNクラッド層114表面の凹凸形状に対して導電性接着層121が隙間を残すことなく埋め込まれた状態でp型Ge基板100側と接合される。したがって、半導体層内部(半導体レーザ素子部110)には空隙部分が存在しないために、レーザ光を照射しても、半導体層内部での熱の伝わり方が局所的な変化を起こしにくくなるので、半導体層内部には照射熱による温度むらや熱篭りが発生する確率が下がる。これにより、半導体レーザ素子部110の機械的特性が劣化するのを抑制することができる。この結果、成長基板の剥離工程などにおいて、半導体レーザ素子部110にクラックが発生するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子部110の溝部114bの内表面に沿って形成された絶縁膜116を備えるとともに、溝部114bを、絶縁膜116を介して導電性接着層121によって埋め込むように構成することによって、半導体レーザ素子部110に形成された溝部114bは、その内表面を絶縁膜116により被覆された状態で導電性接着層121が埋め込まれるので、絶縁膜116により溝部114bを容易に絶縁することができる。
また、第1実施形態では、導電性接着層121を、Au−Ge12からなる第1接合層121aおよび第3接合層121cと、Au−Sn90からなる第2接合層121bとにより構成することによって、相対的に融点の高い第1接合層121aおよび第3接合層121cがそれぞれ半導体レーザ素子部110側およびp型Ge基板100側に接するとともに、第1接合層121aおよび第3接合層121cの間に相対的に融点が低い第2接合層121bが設けられているので、第2接合層121bは溶融しており、かつ、第1接合層121aおよび第3接合層121cは溶融せずに軟化している状態で半導体レーザ素子部110とp型Ge基板100とを接合することができる。これにより、p型Ge基板100および半導体レーザ素子部110と、第1接合層121a、第2接合層121bおよび第3接合層121cとの間に生じる熱応力を緩和することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子部110に、リッジ部114a、一対の溝部114bおよび一対の支持部114cによって凹凸形状が形成されている場合でも、軟化した第1接合層121aおよび第3接合層121cと、溶融した第2接合層121bとが溝部114bに埋め込まれるので半導体レーザ素子部110とp型Ge基板100との接合面積を大きくすることができる。これにより、接合強度を向上させることができるので、p型Ge基板100と半導体レーザ素子部110との剥離が生じるのを抑制することができるとともに、半導体レーザ素子部110をn型GaN基板130からp型Ge基板100に貼り替える際のInGaN剥離層132における分離成功率を向上させることができる。また、接合面積を大きくすることができるので、p型Ge基板100と半導体レーザ素子部110との間に空隙がある場合と異なり、熱伝導効率を向上させることができる。これにより、n型GaN基板130を分離する際のレーザ照射時の放熱を均一、かつ、効率的に行うことができる。したがって、p型Ge基板100と半導体レーザ素子部110との間に隙間がある場合に、その隙間に熱が蓄積されることに起因して半導体レーザ素子部110やオーミック電極119などにクラックが生じるのを抑制することができる。これにより、半導体レーザ素子10の歩留まりを向上させることができる。また、放熱を効率的に行うことができるので、半導体レーザ素子10をより密集して配置することができる。
また、第1実施形態では、第2接合層121bの熱膨張係数が、第1接合層121aおよび第3接合層121cの熱膨張係数よりも大きいので、熱膨張係数の大きい第2接合層121bが変形するのを、第2接合層121bの両側(上下面)に設けられた熱膨張係数の小さい第1接合層121aおよび第3接合層121cにより両側(上下方向)から抑制することができる。これにより、p型Ge基板100および半導体レーザ素子部110と、第1接合層121a、第2接合層121bおよび第3接合層121cとの間に生じる熱応力の影響をさらに緩和することができる。
また、第1実施形態では、導電性接着層121の第1接合層121a、第2接合層121bおよび第3接合層121cを、それぞれ、Au−Ge12合金、Au−Sn90合金およびAu−Ge12合金とすることによって、融点の低いAu−Sn90合金により、導電性接着層121を比較的低温に加熱することによってp型Ge基板100と半導体レーザ素子部110とを接合することができる。
また、第1実施形態では、導電性接着層121を、溝部114bのうち、半導体レーザ素子部110の共振器面近傍(図4の600−600線断面)以外の部分を埋め込むように形成するように構成することによって、レーザ光を照射することによりケガキ線800(図4参照)を形成した後、劈開により共振器面を形成する際に、共振器面(図4の600−600線断面)となる部分の近傍には導電性接着層121が埋め込まれていないので、レーザ光の照射熱により、半導体レーザ素子部110を形成する半導体層(n型GaNコンタクト層111など)と導電性接着層121とが互いに溶融して電気的にショートを起こすことを抑制することができる。
また、第1実施形態では、溝部114bを、リッジ部114aの延びる方向(A方向)に沿って半導体レーザ素子部110の共振器面(光出射面10aおよび光反射面10b)近傍まで延びるように形成することによって、共振器面近傍における半導体レーザ素子部110のB方向の断面積が、溝部114bが形成された分だけ小さくなるので、製造プロセスの際の半導体レーザ素子部110の劈開(バー状劈開)を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、リッジ部114aを挟むように一対の溝部114bを形成することによって、一対の溝部114bのリッジ部114aとは反対側に一対の支持部114cが形成されるので、製造プロセスにおける半導体レーザ素子部110とp型Ge基板100とを接合する際の加圧力が、リッジ部114aを対称に両側の支持部114cに加えられるので、p型Ge基板100を半導体レーザ素子部110に安定して接合させることができる。
また、第1実施形態では、導電性接着層121を、リッジ部114aに対応する領域の導電性接着層121の厚みが、一対の支持部114cに対応する領域の導電性接着層121の厚みよりも大きくなるように形成することによって、製造プロセスにおける半導体レーザ素子部110とp型Ge基板100とを接合する際の加圧力が、主に、導電性接着層121の厚みの大きいリッジ部114aに対応する領域よりも、導電性接着層121の厚みの小さな一対の支持部114cに対応する領域に加えられるので、リッジ部114aに接合時の加圧力が過度に加えられるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、半導体レーザ素子部110を、n型GaNコンタクト層111、n型AlGaNクラッド層112、発光層113、p型AlGaNクラッド層114およびp型GaNコンタクト層115などの窒化物系半導体層により形成するように構成することによって、短波長のレーザ光を発生する窒化物系半導体レーザにおいても、上記第1の局面による構成を用いれば、半導体レーザ素子部110の内部には空隙部分が存在しないために、レーザ光の照射熱による温度むらや熱篭りが発生せず、半導体レーザ素子部110の機械的特性が劣化しない。したがって、成長基板の剥離工程などにおいて、半導体レーザ素子部110にクラックが発生するのを抑制することができる。
(第2実施形態)
図13〜図15は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図および各断面図である。図13〜図15を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、半導体レーザ素子部210の共振器面近傍における共振器面に沿った方向(B方向)の溝部214bの長さを、共振器面近傍における支持部214cの対応する長さよりも小さく形成する場合について説明する。なお、半導体レーザ素子部210は、本発明の「半導体レーザ素子部」の一例である。
ここで、第2実施形態では、図13および図14に示すように、半導体レーザ素子部210の共振器面近傍(図13の600−600線断面)における共振器面に沿った方向(B方向)の溝部214bの長さL1は、共振器面近傍(図13の600−600線断面)における支持部214cの対応する長さL2よりも小さくなるように形成されている。
また、第2実施形態では、図13および図15に示すように、半導体レーザ素子部210の共振器中央部近傍(図13の700−700線断面)における共振器面に沿った方向(B方向)の溝部214bの長さL3は、共振器中央部近傍(図13の700−700線断面)における支持部214cの対応する長さL4よりも大きくなるように形成されている。
なお、第2実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子60のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図13〜図15を参照して、第2実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子60の製造プロセスについて説明する。なお、第2実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子60の製造プロセスでは、上記第1実施形態の製造プロセスと異なり、「成長基板側構造の形成工程」において、半導体レーザ素子部210の延びる方向に伴って、溝部214bおよび支持部214cの共振器面に沿った方向の長さを変化させながら形成する点について説明する。
ここで、第2実施形態では、図14に示すように、p型AlGaNクラッド層214には、エッチング加工によって一対の溝部214bを形成することにより、溝部214bを挟むように、リッジ部214aおよび一対の支持部214cを形成する。その際、図13および図14に示すように、半導体レーザ素子部210の共振器面近傍(図13の600−600線断面)における共振器面に沿った方向(B方向)の溝部214bの長さL1は、共振器面近傍(図13の600−600線断面)における支持部214cの対応する長さL2よりも小さくなるように形成する。その一方で、図15に示すように、半導体レーザ素子部210の共振器中央部近傍(図13の700−700線断面)における共振器面に沿った方向(B方向)の溝部214bの長さL3は、共振器中央部近傍(図13の700−700線断面)における支持部214cの対応する長さL4よりも大きくなるように形成する。
なお、その他の製造プロセスは、上記第1実施形態の製造プロセスと同様の製造プロセスにより、半導体レーザ素子部210が形成される。このようにして、第2実施形態による半導体レーザ素子60を備えた半導体レーザ装置1が製造される。
第2実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子部210の共振器面近傍における共振器面に沿った方向の溝部214bの長さL1(図13参照)を、共振器面近傍における支持部214cの対応する長さL2(図13参照)よりも小さくなるように形成することによって、共振器面(図13の600−600線断面)において溝部214bが占める割合よりも支持部214cが占める割合をより多く確保することができるので、共振器面をより広く形成することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図16〜図18は、本発明の第3実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図および各断面図である。図16〜図18を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、半導体レーザ素子部310の溝部314bが共振器面近傍には形成されない点について説明する。なお、半導体レーザ素子部310は、本発明の「半導体レーザ素子部」の一例である。
ここで、第3実施形態では、図16に示すように、半導体レーザ素子部310の共振器中央部近傍(図16の700−700線断面)には、リッジ部314aの延びる方向に一対の溝部314bが形成されている一方、共振器面近傍(図16の600−600線断面)には、溝部314bが形成されることなく、リッジ部314aに続けて支持部314cが形成されている。
なお、第3実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子70のその他の構造は、上記第1および第2実施形態と同様である。
次に、図16〜図18を参照して、第3実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子70の製造プロセスについて説明する。なお、第3実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子70の製造プロセスでは、上記第1および第2実施形態の製造プロセスと異なり、「成長基板側構造の形成工程」において、半導体レーザ素子部310に溝部314bを共振器面近傍に形成しない点について説明する。
ここで、第3実施形態では、図18に示すように、共振器中央部近傍(図16の700−700線断面)におけるp型AlGaNクラッド層314には、エッチング加工によって一対の溝部314bを形成するとともに、溝部314bを挟むように、リッジ部314aおよび一対の支持部314cを形成する。その一方、図17に示すように、共振器面近傍(図16の600−600線断面)には、溝部314b(図18参照)が形成されることなく、リッジ部314aに続けて支持部314cを形成する。
なお、その他の製造プロセスは、上記第1および第2実施形態の製造プロセスと同様の製造プロセスにより、半導体レーザ素子部310が形成される。このようにして、第3実施形態による半導体レーザ素子70を備えた半導体レーザ装置1が製造される。
第3実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子部310の共振器面近傍(図16の600−600線断面)には、溝部314bが形成されることなく、リッジ部314aに続けて支持部314cを形成するように構成することによって、共振器面(図16の600−600線断面)において支持部314cが占める割合を最も多く確保することができるので、共振器面を最大限に形成することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図19〜図21は、本発明の第4実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図および各断面図である。図19〜図21を参照して、この第4実施形態では、上記第1〜第3実施形態と異なり、共振器中央部近傍において、半導体レーザ素子部410の溝部414bおよび凹部415が形成されている点について説明する。なお、半導体レーザ素子部410は、本発明の「半導体レーザ素子部」の一例である。
ここで、第4実施形態では、図19および図21に示すように、半導体レーザ素子部410の共振器中央部近傍(図19の700−700線断面)には、リッジ部414aの延びる方向に一対の溝部414bが形成されるとともに、溝部414bとは別に、凹部415が形成されている。
なお、第4実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子80のその他の構造は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
次に、図19〜図21を参照して、第4実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子80の製造プロセスについて説明する。なお、第4実施形態による半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子80の製造プロセスでは、上記第1〜第3実施形態の製造プロセスと異なり、「成長基板側構造の形成工程」において、半導体レーザ素子部410の共振器中央部近傍に、溝部414bおよび凹部415を形成する点について説明する。
ここで、第4実施形態では、図19および図21に示すように、共振器中央部近傍(図19の700−700線断面)におけるp型AlGaNクラッド層414には、エッチング加工によって一対の溝部414bを形成するとともに、溝部414bを挟むように、リッジ部414aおよび一対の支持部414cを形成する。さらに、図19および図21に示すように、共振器中央部近傍(図19の700−700線断面)における支持部414cの内側の領域に、エッチング加工により、溝部414bと所定の間隔を隔てて溝部414bの延びる方向(A方向)に延びる凹部415を形成する。
なお、その他の製造プロセスは、上記第1〜第3実施形態の製造プロセスと同様の製造プロセスにより、半導体レーザ素子部410が形成される。このようにして、第4実施形態による半導体レーザ素子80を備えた半導体レーザ装置1が製造される。
第4実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子部410の共振器中央部近傍(図19の700−700線断面)には、リッジ部414aの延びる方向に一対の溝部414bが形成されるとともに、溝部414bとは別に、溝部414bと所定の間隔を隔てて溝部414bの延びる方向(A方向)に延びる凹部415を形成するように構成することによって、導電性接着層121がp型AlGaNクラッド層414とp型Ge基板100のオーミック電極119とに挟まれた領域において、溝部414bのみならず凹部415の内側面を覆いながらより多くの接触面積により埋め込まれているので、レーザ光の照射熱による半導体層(半導体レーザ素子部410)内部への影響を、より効果的に抑制することができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、半導体レーザ素子部を、窒化物系半導体層により構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子部を、窒化物系半導体層以外の半導体層により構成してもよい。
また、上記実施形態では、導電性接着層121を、成長基板側のp側パッド電極118および支持基板側のオーミック電極119上にそれぞれ形成した上で、「基板の接合工程」において接合するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、導電性接着層121を、成長基板側のp側パッド電極118または支持基板側のオーミック電極119のいずれか一方側にのみ形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、支持基板としてp型Ge基板100を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、支持基板としてGaP基板、Si基板およびGaAs基板などを用いてもよい。
また、上記実施形態では、成長基板としてn型GaN基板130を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、成長基板にサファイア基板などを用いてもよい。
また、上記第4実施形態では、半導体レーザ素子部410の共振器中央部近傍に、溝部414bを形成するとともに、1つの支持部414cの内側の領域に、1つの凹部415を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、1つの支持部414cの内側の領域に、複数の凹部を形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、導電性接着層にAu−Sn90からなる第2接合層を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、Au−Sn20からなる第2接合層を用いてもよい。この場合には、たとえば、第1接合層および第3接合層に、Au−Ge12を用いることができる。このように、第1接合層、第2接合層および第3接合層には、第2接合層を構成する合金の融点が第1接合層および第3接合層を構成する合金の融点より低くなるようにすれば、他の材料を用いてもよいが、Au−Sn合金、Au−Ge合金およびAu−Si合金の少なくともいずれかを含むのが好ましい。
また、上記実施形態では、第1接合層および第3接合層には同じ材料を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、支持基板および半導体レーザ素子部またはp側電極などの組成や熱膨張係数などの熱特性に応じて、それぞれ、異なるように選択してもよい。
また、上記実施形態では、導電性接着層は、第1接合層、第2接合層および第3接合層の3層から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、より多数の合金層を含んでいてもよい。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置を備えた半導体レーザの構造を説明するための斜視図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図である。 図4の500−500線に沿った断面図である。 図4の600−600線に沿った断面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置を構成する半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図である。 図13の600−600線に沿った断面図である。 図13の700−700線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置を構成する半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図である。 図16の600−600線に沿った断面図である。 図16の700−700線に沿った断面図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置を構成する半導体レーザ素子の構造を説明するための平面図である。 図19の600−600線に沿った断面図である。 図19の700−700線に沿った断面図である。
符号の説明
10、60、70、80 半導体レーザ素子
10a 光出射面(共振器面)
10b 光反射面(共振器面)
100 p型Ge基板(支持基板)
110、210、310、410 半導体レーザ素子部
111 n型GaNコンタクト層(窒化物系半導体層)
112 n型AlGaNクラッド層(窒化物系半導体層)
113 発光層(窒化物系半導体層)
114、214、314、414 p型AlGaNクラッド層(窒化物系半導体層)
114a、214a、314a、414a リッジ部
114b、214b、314b、414b 溝部
114c、214c、314c、414c 支持部
115 p型GaNコンタクト層(窒化物系半導体層)
116 絶縁膜
121 導電性接着層(融着層)
121a 第1接合層(第1共晶合金層)
121b 第2接合層(第2共晶合金層)
121c 第3接合層(第3共晶合金層)
130 n型GaN基板(成長基板)
132 InGaN剥離層(剥離層)

Claims (13)

  1. 共振器の延びる方向に延びるリッジ部と、前記リッジ部に沿って形成された溝部と、前記溝部を挟んで前記リッジ部と反対側に前記溝部に沿って形成された支持部とを含む半導体レーザ素子部と、
    前記半導体レーザ素子部に融着層を介して接合される支持基板とを備え、
    前記融着層は、前記半導体レーザ素子部の前記溝部を埋め込むとともに、前記半導体レーザ素子部の前記リッジ部および前記支持部と、前記支持基板との間の空間を埋めるように形成されている、半導体レーザ素子。
  2. 前記半導体レーザ素子部の前記溝部の内表面に沿って形成された絶縁膜をさらに備え、
    前記溝部は、前記絶縁膜を介して前記融着層により埋め込まれている、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記融着層は、第1共晶合金層と、前記第1共晶合金層上に形成された第2共晶合金層と、前記第2共晶合金層上に形成された第3共晶合金層とを含み、
    前記第2共晶合金層の融点は、前記第1共晶合金層および前記第3共晶合金層の融点よりも低い、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記第2共晶合金層の熱膨張係数は、前記第1共晶合金層および前記第3共晶合金層の熱膨張係数よりも大きい、請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記融着層の前記第1共晶合金層、前記第2共晶合金層および前記第3共晶合金層は、それぞれ、Au−Sn合金、Au−Ge合金およびAu−Si合金の少なくともいずれかを含む、請求項3または4に記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記融着層は、前記溝部のうち、前記半導体レーザ素子部の共振器面近傍以外の部分を埋め込むように形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記半導体レーザ素子部の共振器面近傍における前記共振器面に沿った方向の前記溝部の長さは、前記共振器面近傍における前記支持部の対応する長さよりも小さくなるように形成されている、請求項6に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記半導体レーザ素子部は、窒化物系半導体層により形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  9. 成長基板上に半導体レーザ素子部を構成する半導体層を成長させる工程と、
    前記半導体レーザ素子部に、共振器の延びる方向に延びるリッジ部と、前記リッジ部に沿って延びる溝部と、前記溝部を挟んで前記リッジ部と反対側に前記溝部に沿って延びる支持部とを形成する工程と、
    融着層により前記溝部を埋め込んだ状態で、前記半導体レーザ素子部を支持基板に接合する工程と、
    前記成長基板を前記半導体レーザ素子部から剥離する工程と、
    前記支持基板側に接合された前記半導体レーザ素子部の共振器面を形成する工程とを備えた、半導体レーザ素子の製造方法。
  10. 前記半導体レーザ素子部を前記支持基板に接合する工程に先立って、前記半導体レーザ素子部の前記溝部の内表面に絶縁膜を形成する工程をさらに備え、
    前記半導体レーザ素子部を前記支持基板に接合する工程は、前記溝部に前記絶縁膜を介して前記融着層を埋め込む工程を含む、請求項9に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  11. 前記半導体レーザ素子部を前記支持基板に接合する工程に先立って、前記半導体レーザ素子部の前記成長基板とは反対側の上面上に、第1共晶合金層、第2共晶合金層および第3共晶合金層をこの順に配置することにより前記融着層を形成する工程をさらに備え、
    前記半導体レーザ素子部を前記支持基板に接合する工程における前記融着層の加熱温度は、前記第2共晶合金層の融点以上で、かつ、前記第1共晶合金層および前記第3共晶合金層の融点未満である、請求項9または10に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 前記半導体レーザ素子部の前記共振器面を形成する工程は、前記融着層が形成されていない領域に位置する前記半導体レーザ素子部の部分を劈開する工程を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 前記成長基板上に前記半導体層を成長させる工程は、前記成長基板上に剥離層を介して前記半導体レーザ素子部を構成する前記半導体層を成長させる工程を含み、
    前記成長基板を前記半導体レーザ素子部から剥離する工程は、前記剥離層にレーザ光を照射することにより、前記成長基板を前記半導体レーザ素子部から剥離する工程を含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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