JP2008286938A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】ダッシュマークや欠陥、黒点等の画像不良がない上、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成できる電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された外添剤とを含み、前記外添剤として、非球状でかつ非針状、好ましくは紡錘状または樹枝状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンを含む電子写真用トナーである。
【選択図】なし
【解決手段】トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された外添剤とを含み、前記外添剤として、非球状でかつ非針状、好ましくは紡錘状または樹枝状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンを含む電子写真用トナーである。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真用トナーに関するものである。
レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機などの画像形成装置においては、まず、感光体の表面を、帯電手段によって一様に帯電させ、次いで露光手段によって露光して静電潜像を形成し、前記静電潜像を、現像手段によってトナー像に現像して、前記トナー像を、転写手段によって、紙等の被印刷物の表面に転写した後、定着手段によって、前記被印刷物の表面に定着させることで、一連の、画像形成の工程が完了する。
前記現像手段において、静電潜像をトナー像に現像するための現像方法としては、主に結着樹脂と着色剤とワックスとからなり、磁性粉等の磁性成分を含有しない非磁性のトナー粒子に、シリカ、酸化チタン等の外添剤を外添した非磁性1成分トナーを用いる非磁性1成分現像方法、前記非磁性のトナー粒子に外添剤を外添した状態で、磁性を有するキャリアと混合して形成した2成分現像剤を用いる2成分現像方法、磁性粉を含有する磁性トナー粒子を主成分とする磁性1成分トナーを用いる磁性1成分現像方法等が知られている。
また、非磁性1成分現像方法としては、いわゆる接触型の非磁性1成分現像方法と、非接触型の非磁性1成分現像方法とが知られている。このうち、接触型の非磁性1成分現像方法においては、非磁性1成分トナーを、現像手段内において、規制ブレードを用いて摩擦帯電させながら、現像剤担持体上に担持させることで、前記現像剤担持体の表面に、多数の非磁性1成分トナーからなる薄層を形成した後、前記薄層を、現像バイアスを印加した状態で、感光体上の静電潜像と直接に接触させて、薄層中の非磁性1成分トナーを、選択的に感光体に転移させることで、静電潜像がトナー像に現像される。
一方、非接触型の非磁性1成分現像方法では、前記薄層と感光体との間に一定の距離をおいて対峙させた状態で、現像バイアスを印加して、薄層中の非磁性1成分トナーを、選択的に感光体へ飛翔させることで、静電潜像がトナー像に現像される。さらに、2成分現像剤を用いた新たな画像形成方法として、前記非接触型の非磁性1成分現像方法と、従来の2成分現像方法とを組み合わせたハイブリッド現像方法も知られている。前記ハイブリッド現像方法では、像担持体と対向させて、現像剤担持体を配置すると共に、前記現像剤担持体と対向させて、内部に磁石を組み込んだ磁気ロールを配置した現像手段が用いられる。
そして、前記現像手段内で、2成分現像剤を構成するキャリアと2成分現像剤用トナーとを混合することで、2成分現像剤用トナーを摩擦帯電させた状態で、磁気ロールと接触させることで、前記磁気ロール上に磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを、現像剤担持体と直接に接触させて、2成分現像剤用トナーを現像剤担持体に転移させることで、前記現像剤担持体の表面に2成分現像剤用トナーの薄層を形成した後、前記薄層を、像担持体の表面との間に一定の距離をおいて対峙させた状態で、両者間に現像バイアスを印加して、薄層中の2成分現像剤用トナーを、選択的に、像担持体へ飛翔させることで、静電潜像がトナー像に現像される。以下では、前記各種現像方法に用いる各種のトナーを「電子写真用トナー」と総称する場合がある。
トナー粒子に外添する外添剤のうち、酸化チタンとしては、従来、球状で、かつ一次粒子径が150nm以上、特に200〜500nm(0.2〜0.5μm)程度のものが、研磨材として機能させて、感光体の表面への、トナー粒子等の付着を防止して、被印刷物の表面に形成される画像に、いわゆるダッシュマークの画像不良が発生するのを防止するために、一般的に用いられてきた。しかし、前記大粒径の酸化チタンは、可視光線の散乱効果が大きいため、画像(特にカラー画像)を濁らせて、その色味を邪魔するおそれがあった。
そこで、可視光線の散乱効率を小さくして、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成すること等を考慮して、球状で、かつ、一次粒子径が100nm(0.1μm)以下の、いわゆる超微粒子状のものを用いることが検討された。これは、酸化チタンにおける、可視光線の散乱効率が、一次粒子径100nm以下の範囲で最小になるという知見に基づくものである。ところが、前記のように球状で、かつ超微粒子状の酸化チタンは、研磨効果を殆ど有しないため、前記ダッシュマークの画像不良が発生するのを防止する効果は得られなかった。
そこで、特許文献1において、短軸径0.03〜0.2μm、長軸径0.2〜1.0μmの、針状の、超微粒子状の酸化チタンを用いることによって、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成する効果を維持しながら、良好な研磨効果を得ることが提案された。しかし、針状の酸化チタンは、特に、結着樹脂中に電荷発生剤や電荷輸送剤等を含有させた、軟らかい有機感光層に突き刺さる等して、感光体の表面を傷つけやすく、傷が発生すると、前記傷が、画像に欠陥となって現れるため、画像の画質が低下するという問題があった。
特許文献2には、扁平状の酸化チタンを、トナー粒子ではなく、感光体の表面に付着させることによって、トナー像の、被印刷物の表面への転写効率を向上することが記載されている。前記構成によれば、転写効率を向上できるだけでなく、感光体の表面への、トナー粒子等の付着を防止して、ダッシュマークの画像不良が発生するのを防止することもできると考えられる。
しかし、前記効果を得るためには、トナー粒子に外添させる場合に比べて多量の酸化チタンを、感光体の表面に付着させる必要があり、余剰の酸化チタンが脱落して、例えば、トナー像を被印刷物の表面に転写させるための転写手段としての転写ローラの表面や、感光体の表面から転写されたトナー像を、被印刷物の表面へ再転写するための中間転写ベルトの表面等を傷つけやすいため、先の場合と同様に、これらの表面に傷が発生すると、前記傷が、画像に欠陥となって現れて、画像の画質が低下することが明らかとなった。
また、先に説明した感光体としては、有機および無機の種々の感光体が知られているが、特に、その耐久性等を考慮した場合、導電性基体上にアモルファスシリコンからなる感光層(以下「a−Si感光層」と略記する場合がある)を形成したアモルファスシリコン感光体が、好適に使用される。アモルファスシリコン感光体は、例えば、先に説明した有機感光層を有する有機感光体に比べて、画像形成枚数で比較すると、およそ10倍以上という高い耐久性を有することが知られている。これは、被印刷物や、あるいは、後述する弾性ブレード等のクリーニング手段と摺擦されることによって摩耗して、感光層の厚みが減少する速度が、アモルファスシリコン感光体の場合、有機感光体のおよそ1/100以下であり、摩耗しにくいことが原因である。
トナー像を、紙等の被印刷物の表面に転写した後、感光層の表面に残留する電子写真用トナーを除去するためのクリーニング手段としては、可動部分を極力少なくして、画像形成装置のコンパクト化、機構の簡素化等を図ることを考慮すると、前記感光層の表面に圧接させた弾性ブレードが好適に使用される。トナー像を、被印刷物の表面に転写させた後に、感光層の表面に残留する電子写真用トナーの大半は、弾性ブレードによって、前記表面から掻き取られて除去される。
しかしその一部、すなわちトナー粒子や、その破片としての樹脂片や磁性粉、あるいは外添剤の一部は、弾性ブレードの先端部分、つまり、感光層への圧接部分に滞留する。そして、これらの滞留物が、弾性ブレードおよび感光層と長期間に亘って摩擦されると、所定の帯電量以上に過帯電する、いわゆるチャージアップを生じ、その帯電量が限界値、すなわち感光層の耐圧値を超えると、その極微小領域に向かって放電(一点放電)して感光層を絶縁破壊させて、修復不能な欠陥を生じさせるという問題を生じる場合がある。放電は、主に弾性ブレードの先端部分の稜線部で発生する。
アモルファスシリコン感光体のa−Si感光層は、本来的に絶縁破壊に弱いため、上記の絶縁破壊を生じやすい。そのため、アモルファスシリコン感光体と、弾性ブレードとを用いて画像形成を繰り返すと、短期間で、上記のメカニズムによって異常放電(一点放電、火花放電)が発生し、a−Si感光層が絶縁破壊されて、欠陥を生じるおそれがある。そして、a−Si感光層に欠陥を生じたアモルファスシリコン感光体を用いて画像形成を続けると、当該欠陥の部分は、帯電工程で帯電させることができないため、形成した画像に微小な黒点を生じるという問題がある。
特開2003−98732号公報
特開平10−207098号公報
本発明は、ダッシュマークや欠陥、黒点等の画像不良がない上、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成することができる電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された外添剤とを含む電子写真用トナーであって、前記外添剤として、非球状でかつ非針状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンを、少なくとも含むことを特徴とするものである。前記本発明の電子写真用トナーにおいて、トナー粒子に、外添剤として外添される酸化チタンは、BET比表面積が20m2/g以上という超微粒子状の粒子であって、可視光線の散乱効率が小さいため、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成することができる。
また、前記酸化チタンは非針状であるため、感光体の表面等を傷つけるおそれがない上、非球状であるため、前記のように超微粒子状の粒子であるにも拘らず、良好な研磨効果を発揮して、感光体の表面への、トナー粒子等の付着を防止して、ダッシュマークの画像不良が発生するのを防止することもできる。しかも、酸化チタンは、体積固有抵抗値が10000Ω・cm以下に調整されており、適度な導電性を有しているため、電荷を、前記酸化チタンを通して放電させることで、チャージアップを起こりにくくして、特にa−Si感光層の絶縁破壊を防止して、画像に、前記絶縁破壊による黒点が発生するのを防止することもできる。
そのため、本発明の電子写真用トナーによれば、ダッシュマークや欠陥、黒点等の画像不良がない上、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成することが可能となる。なお、前記非球状でかつ非針状の酸化チタンの具体例としては、紡錘状または樹枝状(もしくはヒトデ状)のものが挙げられる。また、本発明の電子写真用トナーは、先に説明したように、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に、好適に使用される。
本発明によれば、ダッシュマークや欠陥、黒点等の画像不良がない上、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成できる電子写真用トナーを提供することができる。
本発明の電子写真用トナーは、トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された外添剤とを含み、前記外添剤として、非球状でかつ非針状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンを、少なくとも含むことを特徴とするものである。
《外添剤》
本発明の電子写真用トナーにおいては、前記のように、外添剤として、非球状でかつ非針状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンが、少なくとも用いられる。酸化チタンのBET比表面積が20m2/g以上に限定されるのは、前記範囲未満のものは、粒径が大きすぎて、可視光線の散乱効率が高くなるため、画像を濁らせて、その色味を邪魔するためである。また、前記範囲を超えるものは、逆に粒径が小さすぎて、良好な研磨効果が得られないためである。
《外添剤》
本発明の電子写真用トナーにおいては、前記のように、外添剤として、非球状でかつ非針状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンが、少なくとも用いられる。酸化チタンのBET比表面積が20m2/g以上に限定されるのは、前記範囲未満のものは、粒径が大きすぎて、可視光線の散乱効率が高くなるため、画像を濁らせて、その色味を邪魔するためである。また、前記範囲を超えるものは、逆に粒径が小さすぎて、良好な研磨効果が得られないためである。
なお、良好な研磨効果を維持しながら、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像を形成することを考慮すると、酸化チタンのBET比表面積は、前記範囲内でも、特に30〜120m2/gであるのが好ましい。酸化チタンのBET比表面積は、(株)マウンテック製の全自動BET比表面積計マックソーブHM model−1208を用いて、脱気温度45℃、脱気時間30分間、測定時間10分間、試料0.5〜1.0gの条件で測定した値でもって表すこととする。また、酸化チタンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率10万倍で観察して確認した結果でもって表すこととする。
また、酸化チタンの体積固有抵抗値が10000Ω・cm以下に限定されるのは、前記範囲を超えるものは導電性が十分でなく、電荷を速やかに放電させて、チャージアップと、それにともなう、a−Si感光層等の感光層の絶縁破壊とを防止する効果が得られないためである。また、前記範囲未満のものは、導電性が高すぎて、電荷のリークが起こりやすいためである。電荷のリークが発生すると、電子写真用トナーの帯電量が速やかに立ち上がりにくくなる上、帯電量自体も低くなるため、画像濃度が低下したり、画像の余白部分にトナーが付着するかぶりが発生したりするという新たな画像不良を生じる。酸化チタンの体積固有抵抗値は、(株)アドバンテスト製のデジタル超高抵抗/微少電流計R8340Aを用いて、荷重1kg、印加電圧DC100V、測定セル面積5cm2、高さ(厚み)5mmの条件で測定した値でもって表すこととする。
前記酸化チタンの具体例としては、例えば特開平9−175821号公報に記載された紡錘状の酸化チタンが挙げられる。前記紡錘状の酸化チタンは、前記公報に記載されているように、含水酸化チタン水性懸濁液をアルカリで処理した後、塩酸を添加して加熱熟成することによって製造される。なお、紡錘状と針状の違いは、針状では、短軸径が、長軸方向の全体で、ほぼ等しいのに対し、紡錘状では、前記短軸径が、長軸方向の中央部で大きくかつ、両端部で小さい点にある。
また、酸化チタンとしては、特開平7−138021号公報に記載された、針状もしくは紡錘状の酸化チタンの結晶が、複数個、樹枝状(もしくはヒトデ状)に繋がれた形状を有する酸化チタンも挙げられる。前記樹枝状(もしくはヒトデ状)の酸化チタンは、前記公報に記載されているように、含水酸化チタン水性懸濁液をアルカリで処理し、塩酸を急速添加して加熱熟成した後、焼成することによって製造される。
酸化チタンの体積固有抵抗値を20〜10000Ω・cmに調整するためには、例えば酸化チタンの表面を、例えばアルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、スズ、およびアンチモンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素の含水酸化物または酸化物等の、導電性を有する材料からなる被膜で被覆する等して導電処理すればよい。具体的には、例えば、前記両公報に記載されているように、酸化チタンのスラリーを調製し、前記スラリーに、前記元素の水溶性の塩を加えた状態で系を中和して、前記元素の含水酸化物または酸化物を析出させる操作を行う。そうすると、酸化チタンの表面が、前記含水酸化物または酸化物の被膜によって被覆されて導電処理される。前記導電処理によって、酸化チタンの体積固有抵抗値を、前記範囲内において調整するためには、スラリーに加える水溶性の塩の濃度を変更したり、中和反応時の条件を変更したりすればよい。
酸化チタンの添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜5質量部、特に1〜4質量部であるのが好ましい。添加量が前記範囲未満では、前記酸化チタンを添加したことによる研磨効果が不十分となって、画像にダッシュマークの不良が発生するのを、確実に防止できなくなるおそれがある。一方、添加量が前記範囲を超える場合には、過剰の酸化チタンが、感光体の表面等を傷つけやすくなって、画像に、前記傷に基づく欠陥が発生するのを、確実に防止できなくなるおそれがある。また、過剰の酸化チタンが画像を濁らせて、その色味を邪魔するおそれもある。
外添剤としては、前記酸化チタンを単独で用いてもよいし、酸化チタンと、他の外添剤とを併用してもよい。前記他の外添剤としては、電子写真用トナーの流動性を向上するための流動化剤として機能するシリカが挙げられる他、アルミナ、酸化スズ、酸化ストロンチウム、各種樹脂粉等の1種または2種以上が挙げられる。また、球状で、かつ超微粒子状の酸化チタン等を、他の外添剤として併用することもできる。前記他の外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.5〜5質量部であるのが好ましい。
《電子写真用トナー》
本発明の構成は、先に説明した各種現像方法用のトナーに適用することができる。例えば、非磁性1成分現像方法、2成分現像方法、ハイブリッド現像方法等に使用される電子写真用トナーは、主に結着樹脂と着色剤とワックスとからなり、磁性粉等の磁性成分を含有しない非磁性のトナー粒子に、外添剤として、少なくとも前記酸化チタンを外添することで構成される。また、磁性1成分現像方法に使用される電子写真用トナーは、前記各成分と、磁性粉等の磁性成分とを含有する磁性トナー粒子に、外添剤として、少なくとも前記酸化チタンを外添することで構成される。
本発明の構成は、先に説明した各種現像方法用のトナーに適用することができる。例えば、非磁性1成分現像方法、2成分現像方法、ハイブリッド現像方法等に使用される電子写真用トナーは、主に結着樹脂と着色剤とワックスとからなり、磁性粉等の磁性成分を含有しない非磁性のトナー粒子に、外添剤として、少なくとも前記酸化チタンを外添することで構成される。また、磁性1成分現像方法に使用される電子写真用トナーは、前記各成分と、磁性粉等の磁性成分とを含有する磁性トナー粒子に、外添剤として、少なくとも前記酸化チタンを外添することで構成される。
また、前記トナー粒子としては、前記各成分を溶融状態で混練した後、粉砕し、さらに分級する粉砕法によって製造される、不定形粒状のトナー粒子や、前記各成分の混合物を、溶融状態で円柱繊維状に引き伸ばしながら切断するメルトブローン法によって製造される、円柱状のトナー粒子、重合法、スプレードライ法によって製造される球状のトナー粒子、あるいは前記各形状のトナー粒子を、製造後に、応力を加える等して形状をモディファイしたトナー粒子等の、種々のトナー粒子を用いることができる。
トナー粒子は、精細で、画質の良好な画像を形成することを考慮すると、体積基準の中心粒径が3〜10μm、特に4〜7μmであるのが好ましい。なお、体積基準の中心粒径は、ベックマン・コールター(株)製の粒度分布測定装置マルチサイザー3を使用して、アパーチャ径100μmの条件で測定した粒度分布の測定値から算出した値でもって表すこととする。
〈結着樹脂〉
結着樹脂としては、例えばスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;スチレン−アクリル系樹脂;塩素化ポリスチレン、ホリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のN−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等の、従来公知の種々の熱可塑性樹脂の1種または2種以上が挙げられ、特にスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。このうちスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂としては、スチレンの単独重合体や、スチレンと他の単量体との共重合体が挙げられる。
結着樹脂としては、例えばスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;スチレン−アクリル系樹脂;塩素化ポリスチレン、ホリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のN−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等の、従来公知の種々の熱可塑性樹脂の1種または2種以上が挙げられ、特にスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。このうちスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂としては、スチレンの単独重合体や、スチレンと他の単量体との共重合体が挙げられる。
スチレンと共重合可能な他の単量体としては、例えばp−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類等が挙げられる。これら共重合モノマーは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて、スチレンと共重合させることができる。
スチレン系樹脂としては、任意の分子量を有するものが、いずれも使用可能であるが、特に、分子量分布中に、2つの質量平均分子量ピーク(「低分子量ピーク」「高分子量ピーク」と称する。)を有するスチレン系樹脂、具体的には、低分子量ピークが3,000〜20,000の範囲内で、かつ高分子量ピークが300,000〜1,500,000の範囲内であると共に、分子量分布の分散を示す、質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが10以上ある分子量分布を有するスチレン系樹脂が、結着樹脂として好ましい。
前記分子量分布を有するスチレン系樹脂を用いると、低分子量成分によって、トナー粒子の定着温度を引き下げて、より低い温度で、紙等の被印刷物の表面に、良好に定着できる特性、すなわち低温定着性を改善すると共に、オフセットが発生する温度を引き上げて、あまり低い温度でオフセットが発生しないようにする特性、すなわち耐オフセット性を改善することができる。なお、スチレン系樹脂の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法による分子量測定装置を用いて、試料の、カラムからの溶出時間を測定した結果と、ポリスチレン樹脂の標準試料を用いて予め作成しておいた検量線とを照らし合わせることによって求めることができる。
また、結着樹脂としてのポリエステル系樹脂としては、例えば多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合させて得られるものなどを用いることができる。このうち多価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロへキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等の2価カルボン酸;n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の2価カルボン酸のアルキルもしくはアルケニルエステル;1,2,4−べンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−べンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−へキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロへキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。また、これら多価カルボン酸の無水物や、低級アルキルエステル等も使用できる。
一方、多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオぺンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−へキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ぺンタエリスリトール、ジぺンタエリスリトール、トリぺンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ぺンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルべンゼン等のトリオール以上の多価アルコール類が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂は、通常の画像形成装置において用いる熱定着手段によって、紙等の被印刷物の表面に、良好に定着させることを考慮すると、軟化点が110〜150℃、特に120〜140℃であるのが好ましい。また、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の結着樹脂は、トナー粒子を、紙等の被印刷物の表面に、できるだけ良好に定着させること、すなわち定着性を向上することを考慮すると、熱可塑性樹脂であるのが好ましいが、その一部が架橋構造を有していてもよい。
一部に架橋構造を導入することによって、トナー粒子の定着性を低下させることなく、前記トナー粒子の保存安定性や形態保持性、耐久性、すなわち、トナー粒子を長期間に亘って保存した際に、多数のトナー粒子が塊状に融着して、いわゆるブロッキングを発生したり、個々のトナー粒子が変形したりするのを防止する効果を、向上させることができる。架橋分の含量は特に限定されないが、ソックスレー抽出機を用いて結着樹脂を抽出して求められるゲル分の含量で表して10質量%以下、特に0.1〜10質量%であるのが好ましい。結着樹脂の一部を架橋構造とするためには、架橋剤を添加して樹脂を架橋させたり、熱硬化性樹脂を配合したりすればよい。
熱硬化性樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂や、シアネート樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。また、結着樹脂は、着色剤やワックス、電荷制御剤等の添加剤の分散性を向上させるため、分子中に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシドキシ(エポキシ)基等の官能基を有しているのが好ましい。結着樹脂が、前記官能基を有するか否かは、例えばFT−IR装置等を用いて確認することができ、どの程度の量の官能基を有するかは、例えば滴定法によって定量することができる。
結着樹脂のガラス転移温度Tgは55〜70℃であるのが好ましい。ガラス転移温度が前記範囲未満では、トナー粒子がブロッキングしやすくなって、保存安定性が低下するおそれがある。また、樹脂の強度が低いため、潜像保持体の表面に付着して離れなくなるトナー付着を生じるおそれもある。また、ガラス転移温度が前記範囲を超える場合には、紙等の被印刷物の表面への定着性が低下するおそれがある。なお、結着樹脂のガラス転移温度は、例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した吸熱曲線における、比熱の変化点から求めることができる。
〈着色剤〉
着色剤としては、トナー粒子の色に合わせた各色の着色剤を用いることができる。その好適な例は下記の通りである。
黒色顔料:アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック。
着色剤としては、トナー粒子の色に合わせた各色の着色剤を用いることができる。その好適な例は下記の通りである。
黒色顔料:アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック。
黄色顔料:黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料:赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。
橙色顔料:赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料:べンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料:マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
紫色顔料:マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料:紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料:クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
緑色顔料:クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料:亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料:バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部、特に2〜8質量部であるのが好ましい。
体質顔料:バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部、特に2〜8質量部であるのが好ましい。
〈ワックス〉
ワックスとしては、トナー粒子を、例えば定着手段の、一対の定着ロール等の間を通すことで、加熱下で加圧する等して被印刷物の表面に定着させる際に、前記トナー粒子が、定着ロールの表面に付着する、いわゆるオフセットの不良が発生するのを防止するためのオフセット防止剤として機能する、種々のワックスが使用可能である。
ワックスとしては、トナー粒子を、例えば定着手段の、一対の定着ロール等の間を通すことで、加熱下で加圧する等して被印刷物の表面に定着させる際に、前記トナー粒子が、定着ロールの表面に付着する、いわゆるオフセットの不良が発生するのを防止するためのオフセット防止剤として機能する、種々のワックスが使用可能である。
前記ワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス類;カルナバワックス、ライスワックス、サトウワックス、木ワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス類;モンタンワックス等の鉱物系ワックス類;密ワックス、昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックス等の動物系ワックス類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス類;エステル系ワックス類;テフロン(登録商標)系ワックス類;石炭、天然ガス等からフィッシャー・トロプシュ法によって合成されるフィッシャー・トロプシュワックス類等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、前記ワックスを、トナー粒子中に均一に分散させることを考慮すると、側鎖にエステルを有するワックス、具体的にはポリエチレンワックスや、側鎖にエステルを有するフィッシャー・トロプシュワックスが好ましい。また、ワックスは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した吸熱曲線において、70〜100℃の範囲に吸熱のメインピークを有しているのが好ましい。吸熱のメインピークが前記範囲未満にあるワックスを用いた場合には、トナー粒子がブロッキングしやすくなったり、定着時に、トナー粒子が、溶融状態で定着ローラに固着することで、紙等の被印刷物が定着ローラに巻きつく、いわゆるホットオフセットが発生しやすくなったりするおそれがある。
また、吸熱のメインピークが前記範囲を超える位置にあるワックスを用いた場合には、良好な低温定着性が得られないおそれがある。ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であるのが好ましい。添加量が前記範囲未満では、ワックスを添加することによる、先に説明した効果が十分に得られないおそれがあり、前記範囲を超える場合には、トナー粒子がブロッキングしやすくなったり、ワックスがトナー粒子から脱利しやすくなったりするおそれがある。
〈その他〉
トナー粒子には、前記以外に、他の種々の添加剤を含有させてもよい。前記他の添加剤としては、例えば電荷制御剤、安定剤等が挙げられる。電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用および/または負電荷制御用の電荷制御剤を用いる。
トナー粒子には、前記以外に、他の種々の添加剤を含有させてもよい。前記他の添加剤としては、例えば電荷制御剤、安定剤等が挙げられる。電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用および/または負電荷制御用の電荷制御剤を用いる。
このうち正電荷制御用の電荷制御剤としては、例えばピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物類;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の亜ジン化合物からなる直接染料類;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物類;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料類;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;べンジルメチルへキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類などの1種または2種以上が挙げられる。特にニグロシン化合物は、より迅速な帯電の立ち上がり特性が得られることから、正帯電性トナーとして好適である。
また、正電荷制御用の電荷制御剤としては、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等を使用することもできる。具体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂(スチレン−アクリル系共重合体)は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点で好適である。また、スチレンと共にスチレン−アクリル系樹脂を構成するアクリル系単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が挙げられる。
さらに、4級アンモニウム塩化合物としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート類;ジメチルメタクリルアミド;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、例えば、有機金属錯体やキレート化合物が有効であり、中でもアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体または塩が好ましい。このうち、アセチルアセトン金属錯体としては、例えばアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート等が挙げられる。またサリチル酸系金属錯体または塩としては、例えば3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等が挙げられる。
トナー粒子がカラートナーである場合、電荷制御剤としては、カラートナーの色目に影響を与えないために、無色、白色ないしは淡色であるものを用いるのが好ましい。電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部、特に1〜5質量部であるのが好ましい。
《キャリア》
本発明の電子写真用トナーが、2成分現像方法、ハイブリッド現像方法用であるとき、前記電子写真用トナーと共に2成分現像剤を構成するキャリアとしては、従来公知の、種々の構成を有するキャリアが使用可能であり、特に、磁性を有するコアの表面を、樹脂のコート層でコートした、いわゆる樹脂コートタイプのキャリアが好適に使用される。前記樹脂コートタイプのキャリアを構成するコアとしては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、マンガン−マグネシウム合金等の金属または合金の粒子や、前記金属または合金と、マンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、または、前記いずれかの材料からなる微粒子を、樹脂の粒子中に分散させた樹脂キャリア等の1種または2種以上が挙げられる。
《キャリア》
本発明の電子写真用トナーが、2成分現像方法、ハイブリッド現像方法用であるとき、前記電子写真用トナーと共に2成分現像剤を構成するキャリアとしては、従来公知の、種々の構成を有するキャリアが使用可能であり、特に、磁性を有するコアの表面を、樹脂のコート層でコートした、いわゆる樹脂コートタイプのキャリアが好適に使用される。前記樹脂コートタイプのキャリアを構成するコアとしては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、マンガン−マグネシウム合金等の金属または合金の粒子や、前記金属または合金と、マンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、または、前記いずれかの材料からなる微粒子を、樹脂の粒子中に分散させた樹脂キャリア等の1種または2種以上が挙げられる。
また、樹脂のコート層を形成する樹脂としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
キャリアの質量平均粒径は10〜200μm、特に30〜150μmであるのが好ましい。樹脂のコート層には、必要に応じて、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の添加剤を含有させて、その特性を調整してもよい。コート層の厚みは、従来と同程度でよく、コアへのコート量で表して0.01〜10質量%、特に0.05〜5質量%であるのが好ましい。
〈2成分現像剤〉
2成分現像剤は、非磁性のトナー粒子を含む本発明の電子写真用トナーと、前記キャリアとを、所定の割合で配合して製造することができる。前記2成分現像剤をスタート現像剤、同じ電子写真用トナーを補給用トナーとして、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機などの画像形成装置に用いて、先に説明した2成分現像方法やハイブリッド現像方法を実施することで、紙等の被印刷物の表面に、画像を形成することができる。
2成分現像剤は、非磁性のトナー粒子を含む本発明の電子写真用トナーと、前記キャリアとを、所定の割合で配合して製造することができる。前記2成分現像剤をスタート現像剤、同じ電子写真用トナーを補給用トナーとして、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機などの画像形成装置に用いて、先に説明した2成分現像方法やハイブリッド現像方法を実施することで、紙等の被印刷物の表面に、画像を形成することができる。
《アモルファスシリコン感光体》
本発明の電子写真用トナーは、先に説明したように、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に、好適に使用される。アモルファスシリコン感光体としては、例えば、ドラム状等の所定の形状に形成した導電性基体の表面に、a−Si感光層を形成したものが挙げられ、特に、厚みが30μm以下である薄膜型のa−Si感光層を有するものが好ましい。a−Si感光層は、実際に感光層として機能する、単層もしくは2層以上の層の他に、キャリア阻止層や表面保護層等を有していてもよく、前記積層構造を有するa−Si感光層の場合には、そのトータルの膜厚が、30μm以下であるのが好ましい。薄膜型のa−Si感光層を有するアモルファスシリコン感光体は、生産性に優れる上、解像度の高い画像を形成できるという利点がある。
本発明の電子写真用トナーは、先に説明したように、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に、好適に使用される。アモルファスシリコン感光体としては、例えば、ドラム状等の所定の形状に形成した導電性基体の表面に、a−Si感光層を形成したものが挙げられ、特に、厚みが30μm以下である薄膜型のa−Si感光層を有するものが好ましい。a−Si感光層は、実際に感光層として機能する、単層もしくは2層以上の層の他に、キャリア阻止層や表面保護層等を有していてもよく、前記積層構造を有するa−Si感光層の場合には、そのトータルの膜厚が、30μm以下であるのが好ましい。薄膜型のa−Si感光層を有するアモルファスシリコン感光体は、生産性に優れる上、解像度の高い画像を形成できるという利点がある。
詳しく説明すると、a−Si感光層の膜厚が30μmを超える場合には、熱キャリアの移動速度が速くなるため、暗減衰特性が低下し、a−Si感光層の、厚み方向と直交する面方向への潜像流れが発生しやすくなるため、画像の解像度が低下する。また、気相成長法による成膜時間が長くなることと、それによって異物等が付着する確率が高くなって歩留まりが悪くなることから、アモルファスシリコン感光体の生産性が低下する。これに対し、a−Si感光層の膜厚が30μm以下であれば、潜像流れの発生が抑制されるため、解像度の高い画像を形成することができる。また、成膜時間が短くなり、かつ歩留まりがよくなることから、アモルファスシリコン感光体の生産性が向上する。
なお、a−Si感光層の膜厚は、10μm以上であるのが好ましい。膜厚が10μm未満では、感光層としての帯電能が十分に得られないおそれがある上、導電性基体の表面において、露光のためのレーザー光が乱反射して、ハーフパターンにおいて干渉縞が発生するおそれもある。a−Si感光層は、例えば、グロー放電分解法、スパッタリング法、ECR法、蒸着法などの気相成長法によって形成することができ、その形成にあたっては、a−Si感光層に、Hやハロゲン元素を含有させることもできる。またa−Si感光層の特性を調整するために、C、N、O等の元素を含有させたり、周期表(長周期型)の13族元素や15族元素を含有させたりしてもよい。
具体的には、a−Si感光層は、例えば、a−Siの他、a−SiC、a−SiO、a−SiONなどの、a−Si系の、光導電性を有する種々の材料によって形成することができる。特に、a−SiCを用いるのが好ましく、その場合は、Si1-xCxのxの値を0<x≦0.5、好ましくは0.05≦x≦0.45に設定するのがよい。この範囲であれば、a−SiC層を、良好なキャリアの輸送を維持しつつa−Si層よりも高抵抗にして、アモルファスシリコン感光体の光感度特性を向上することができる。13族元素や15族元素としては、それぞれBやPが、共有結合性に優れ、半導体特性を、より敏感にできる点で、また優れた光感度が得られるという点で望ましい。
さらに、a−Si感光層を、光キャリア発生の機能を高めた層領域(光励起層領域)と、キャリア輸送の機能を持たせた層領域(キャリア輸送層領域)とを積層したものとすると、アモルファスシリコン感光体の光感度と耐電圧特性とを共に高めることができる。この際、光励起層領域は光キャリアの生成効率を高めるため、成膜に際して、(1) 成膜速度を低めに設定する、(2) 成膜成分の、H2やHeでの希釈率を高める、(3) ドープする元素の量を、キャリア輸送層領域よりも多くする、等の対策を施しつつ成膜するのが好ましい。また、キャリア輸送層領域は、主にa−Si感光層の耐圧を高めると共に、光励起層領域から注入されたキャリアを導電性基体にスムースに輸送する役割を持つが、この層領域においても、光励起層領域を透過してきた光によりキャリア生成が行われるため、アモルファスシリコン感光体の光感度の向上に寄与する。
a−Si感光層の厚みは、前記のように30μm以下であるのが好ましいが、その中でも、特に、露光波長の光に対する、a−Si感光層の吸収係数から求まる光吸収の深さに対して、さらに0.1〜2.0μmを加えた厚みとするのが好ましい。また、a−Si感光層を、上記のように光励起層領域とキャリア輸送層領域とを積層した積層構造とする場合には、光励起層領域の厚みを、上記光吸収の深さにほぼ等しく設定するのが好ましい。
a−Si感光層と、導電性基体との間には、キャリア阻止層を介在させるのが好ましい。キャリア阻止層は、現像時に、a−Si感光層の表面が、バイアス電圧を印加されつつ、磁性トナーと接触した際に、導電性基体からa−Si感光層への、キャリアの注入を阻止することにより、露光部と非露光部との静電コントラストを高めて、画像の濃度を向上させると共に、地肌カブリを低減する機能を有する。キャリア阻止層としては、それぞれ絶縁性であるa−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCONなどによって形成した無機絶縁層や、あるいはポリエチレンテレフタレート、パリレン(登録商標)、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルローズ樹脂その他によって形成した有機絶縁層等を用いるのが好ましい。
また、キャリア阻止層には、絶縁性と共に、導電性基体やa−Si感光層との密着性が良く、かつ、a−Si感光層を形成する際の加熱等にも大きな変質を起こさないといった特性が求められる。前記特性を考慮すると、キャリア阻止層も、a−SiCにて形成するのが好ましい。キャリア阻止層を形成するa−SiCを絶縁性とするためには、キャリア阻止層に含まれるCの量を、a−Si感光層の場合に比べて多くすればよい。キャリア阻止層の厚みは0.01〜5μmであるのが好ましく、0.1〜3μmであるのがさらに好ましい。
またa−Si感光層の表面は、有機もしくは無機の絶縁材料からなる表面保護層によって被覆して保護するのが好ましい。これにより、帯電手段などによる放電時に、a−Si感光層の表面が酸化されて、放電生成物や水分子などを吸着しやすい酸化物被膜が形成されるのを防止することができる。また絶縁耐圧を向上したり、繰り返し使用した際の耐磨耗性を向上したりすることもできる。中でも、a−SiC、a−SiN、a−SiO、a−SiCO、a−SiNOなどのa−Si系の絶縁材料からなる層を用いるのがよく、これらはa−Si感光層と同様の薄膜形成方法によって形成することができ、特に、a−SiCによって形成するのが好ましい。
表面保護層にa−SiCを用いる場合は、絶縁性を付与するため、キャリア阻止層の場合と同様に、含まれるCの量を、a−Si感光層に比べて、多くすればよい。具体的には、Si1-xCxのx値を0.3≦x<1.0、特に0.5≦x≦0.95とするのが好ましい。前記a−SiCからなる表面保護層は、1012〜1013Ω・cmという高い体積固有抵抗を有している。そのため、a−Si感光層の表面が表面保護層で被覆されたアモルファスシリコン感光体は、当該表面保護層の面方向における電位の流れが少ないため、静電潜像の維持能力が高い上、耐湿性にも優れており、吸水による画像流れの発生を抑制する効果に優れたものとなる。
また、前記高抵抗の表面保護層は、磁性トナーを通してのバイアスによる電荷の注入を阻止し、露光部と非露光部との電位コントラストを高めて、その表面に、より多くの磁性トナーを引き付けてトナー像の濃度を増し、画像濃度を十分に高める機能も有する。また、地肌カブリを抑制することもできる。さらにアモルファスシリコン感光体の絶縁耐圧を高めることもできる。なお、a−SiC以外の他の絶縁材料にて形成した表面保護層は、画像形成後にも光キャリアがトラップされ続けてしまい、通常の除電工程では残留電位を確実に消去できないおそれがある。しかしa−SiCにて形成した表面保護層は、表面からの正電荷は有効に阻止するが、導電性基体からの負電荷は比較的通し易いという性質を持つため、画像形成後の残留電位を、通常の除電工程によって効果的に消去でき、連続して画像形成を行えるという利点もある。
しかも、a−SiCによって形成した表面保護層は、a−SiC等からなるa−Si感光層との密着性が良好であると共に、耐磨耗性、耐環境性等にも優れるため、長期に亘って、安定した画像形成を行えるという利点もある。a−SiCによって形成した表面保護層は、その層内で、Cの量に厚み方向の勾配を形成してもよいし、Cと共にN、O、Geなどの元素を含有させて、耐湿性をさらに高めることもできる。表面保護層の厚みは、5000〜20000Å以下であるのが好ましく、5000〜15000Åであるのがさらに好ましい。厚みが5000Å未満では、特にトナー像の転写時に、転写手段からの負電流の流れ込みに対する耐圧性能が低下して、早期に、表面保護層が劣化するおそれがある。また、20000Åを超える場合には成膜時間が長くなって感光体の生産性が低下するおそれがある。
画像形成する際の、アモルファスシリコン感光体の帯電電位は特に限定されないが、表面電位が+200〜+500Vとなるように帯電させるのが好ましい。表面電位が+200V未満では、現像電界が不十分となるため、十分に高い画像濃度を有する画像を形成できないおそれがある。また、表面電位が+500Vを超える場合には、感光層の膜厚によっては帯電能力が不足する上、絶縁破壊による黒点が発生しやすくなるため、やはり、十分2高い画像濃度を有する画像を形成できないおそれがある。また、オゾンの発生量が増加するという問題も生じる。なお、現像性と帯電能力とのバランスを考慮すると、表面電位は、上記の範囲内でも特に+200〜+300Vであるのが好ましい。
〈クリーニング手段〉
アモルファスシリコン感光体の、a−Si感光層の表面に残留した磁性トナーを除去するためのクリーニング手段としては、前記a−Si感光層の表面に圧接させた弾性ブレードを用いることができる。また、弾性ブレードとしては、ゴムや軟質の樹脂等からなる、従来公知の種々の弾性ブレードを採用することができる。具体的には、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン樹脂等からなる弾性ブレードが挙げられる。弾性ブレードは、磁性トナーを良好に除去すると共に、a−Si感光層の表面に圧接痕等を生じないことを考慮すると、10〜50g/cmの線圧で、a−Si感光層の表面に圧接させるのが好ましい。
アモルファスシリコン感光体の、a−Si感光層の表面に残留した磁性トナーを除去するためのクリーニング手段としては、前記a−Si感光層の表面に圧接させた弾性ブレードを用いることができる。また、弾性ブレードとしては、ゴムや軟質の樹脂等からなる、従来公知の種々の弾性ブレードを採用することができる。具体的には、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン樹脂等からなる弾性ブレードが挙げられる。弾性ブレードは、磁性トナーを良好に除去すると共に、a−Si感光層の表面に圧接痕等を生じないことを考慮すると、10〜50g/cmの線圧で、a−Si感光層の表面に圧接させるのが好ましい。
〈実施例1〉
(電子写真用トナーの製造)
結着樹脂としてのポリエステル系樹脂90質量部と、着色剤としてのカーボンブラック〔三菱化学(株)のMA100〕5質量部と、ワックス〔日本精鑞(株)製のFT100〕4質量部と、正電荷制御剤〔オリエント化学工業(株)製の商品名N−01〕1質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、2軸押出機を用いて混練し、冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。次いで、機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、気流式分級機を用いて分級して、体積基準の中心粒径が6.8μmである非磁性のトナー粒子を作製した。そして、前記トナー粒子100質量部と、紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタン1.5質量部と、シリカ〔日本アエロジル(株)製のRA−200H、アミノシラン/シリコーンオイル処理〕1質量部とを加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合して電子写真用トナーを製造した。
(電子写真用トナーの製造)
結着樹脂としてのポリエステル系樹脂90質量部と、着色剤としてのカーボンブラック〔三菱化学(株)のMA100〕5質量部と、ワックス〔日本精鑞(株)製のFT100〕4質量部と、正電荷制御剤〔オリエント化学工業(株)製の商品名N−01〕1質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、2軸押出機を用いて混練し、冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。次いで、機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、気流式分級機を用いて分級して、体積基準の中心粒径が6.8μmである非磁性のトナー粒子を作製した。そして、前記トナー粒子100質量部と、紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタン1.5質量部と、シリカ〔日本アエロジル(株)製のRA−200H、アミノシラン/シリコーンオイル処理〕1質量部とを加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合して電子写真用トナーを製造した。
(2成分現像剤の調製)
キャリアとしては、質量平均粒径35μmのMn−Mgコアの表面を、コア1000質量部あたり30質量部のシリコーン樹脂でコートしたキャリアを用意した。そして、前記キャリアと、先に製造した電子写真用トナーとを、所定のトナー濃度となるように秤量して500mlのポリボトルに入れ、ボールミルにセットして、75〜100rpmの回転数で30分間、混合して2成分現像剤を調製した。
キャリアとしては、質量平均粒径35μmのMn−Mgコアの表面を、コア1000質量部あたり30質量部のシリコーン樹脂でコートしたキャリアを用意した。そして、前記キャリアと、先に製造した電子写真用トナーとを、所定のトナー濃度となるように秤量して500mlのポリボトルに入れ、ボールミルにセットして、75〜100rpmの回転数で30分間、混合して2成分現像剤を調製した。
〈実施例2〉
紡錘状で、BET比表面積が30m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例3〉
紡錘状で、BET比表面積が20m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
紡錘状で、BET比表面積が30m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例3〉
紡錘状で、BET比表面積が20m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例4〉
紡錘状で、BET比表面積が120m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例5〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
紡錘状で、BET比表面積が120m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例5〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例6〉
樹枝状で、BET比表面積が30m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例7〉
樹枝状で、BET比表面積が20m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
樹枝状で、BET比表面積が30m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例7〉
樹枝状で、BET比表面積が20m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例8〉
樹枝状で、BET比表面積が120m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例9〉
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が20Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
樹枝状で、BET比表面積が120m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例9〉
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が20Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例10〉
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10000Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例11〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が20Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10000Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例11〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が20Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実施例12〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10000Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例1〉
球状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10000Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例1〉
球状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例2〉
針状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例3〉
紡錘状で、BET比表面積が10m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
針状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例3〉
紡錘状で、BET比表面積が10m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例4〉
紡錘状で、BET比表面積が130m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例5〉
樹枝状で、BET比表面積が10m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
紡錘状で、BET比表面積が130m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例5〉
樹枝状で、BET比表面積が10m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例6〉
樹枝状で、BET比表面積が130m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例7〉
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
樹枝状で、BET比表面積が130m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例7〉
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例8〉
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が11500Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例9〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
紡錘状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が11500Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例9〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が10Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈比較例10〉
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が11500Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実機試験〉
前記各実施例、比較例で調製した2成分現像剤を、a−Si感光層を有するアモルファスシリコン感光体を搭載し、2成分現像方法を採用した、京セラミタ(株)製のカラーレーザープリンタFS−C5016Nの改造機に、スタート現像剤として使用すると共に、前記2成分現像剤に使用したのと同じ電子写真用トナーを補給用トナーとして使用して、温度20〜23℃、相対湿度50〜65%RHの常温、常湿環境下で連続画像形成して、画像形成開始から100枚目までの初期段階と、10万枚の連続画像形成後に、それぞれ下記の評価を行った。
樹枝状で、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が11500Ω・cmの酸化チタンを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして電子写真用トナーを製造し、2成分現像剤を調製した。
〈実機試験〉
前記各実施例、比較例で調製した2成分現像剤を、a−Si感光層を有するアモルファスシリコン感光体を搭載し、2成分現像方法を採用した、京セラミタ(株)製のカラーレーザープリンタFS−C5016Nの改造機に、スタート現像剤として使用すると共に、前記2成分現像剤に使用したのと同じ電子写真用トナーを補給用トナーとして使用して、温度20〜23℃、相対湿度50〜65%RHの常温、常湿環境下で連続画像形成して、画像形成開始から100枚目までの初期段階と、10万枚の連続画像形成後に、それぞれ下記の評価を行った。
(色味評価)
実施例、比較例で製造した電子写真用トナーを2枚のガラス板に挟んで熱をかけた後、光学顕微鏡を用いて濁りの状態を観察した(プレパラート法)。また、形成した画像の、ベタ部分の明度L*、色度a*、b*を、反射濃度計〔グレタグマクベス社製のSPM−50〕を用いて測定した結果を、酸化チタンを外添しないトナーについて測定した明度L*、色度a*、b*の結果(基準値)と比較した結果と合わせて、下記の基準で色味を評価した。画像の色味については、明度L*、色度a*、b*の測定結果が基準値に近いほど、濁りによって邪魔されておらず、鮮やかであると判定した。
実施例、比較例で製造した電子写真用トナーを2枚のガラス板に挟んで熱をかけた後、光学顕微鏡を用いて濁りの状態を観察した(プレパラート法)。また、形成した画像の、ベタ部分の明度L*、色度a*、b*を、反射濃度計〔グレタグマクベス社製のSPM−50〕を用いて測定した結果を、酸化チタンを外添しないトナーについて測定した明度L*、色度a*、b*の結果(基準値)と比較した結果と合わせて、下記の基準で色味を評価した。画像の色味については、明度L*、色度a*、b*の測定結果が基準値に近いほど、濁りによって邪魔されておらず、鮮やかであると判定した。
◎:電子写真用トナーには濁りがなく、画像の色味も鮮やかであった。
○:電子写真用トナーに若干の濁りが見られたが、画像の色味は邪魔されていなかった。
△:電子写真用トナーに若干の濁りが見られ、画像の色味が僅かに邪魔されていた。
×:電子写真用トナーに濁りが見られると共に、画像の色味が邪魔されていた。
○:電子写真用トナーに若干の濁りが見られたが、画像の色味は邪魔されていなかった。
△:電子写真用トナーに若干の濁りが見られ、画像の色味が僅かに邪魔されていた。
×:電子写真用トナーに濁りが見られると共に、画像の色味が邪魔されていた。
(ダッシュマークの有無)
画像形成後の感光体の表面と、形成した画像とを観察して、下記の基準でダッシュマークの有無を評価した。
◎:感光体の表面にトナー粒子等は付着しておらず、画像にもダッシュマークは見られなかった。
画像形成後の感光体の表面と、形成した画像とを観察して、下記の基準でダッシュマークの有無を評価した。
◎:感光体の表面にトナー粒子等は付着しておらず、画像にもダッシュマークは見られなかった。
○:感光体の表面に、若干のトナー粒子等が付着していたが、画像にダッシュマークは見られなかった。
△:感光体の表面に、若干のトナー粒子等が付着し、画像にも僅かにダッシュマークが見られた。
×:感光体の表面にトナー粒子等が付着しており、画像にダッシュマークが見られた。
△:感光体の表面に、若干のトナー粒子等が付着し、画像にも僅かにダッシュマークが見られた。
×:感光体の表面にトナー粒子等が付着しており、画像にダッシュマークが見られた。
(絶縁破壊とそれによる黒点の有無)
画像形成後の感光体の表面と、形成した画像とを観察して、下記の基準で絶縁破壊とそれによる黒点の有無を評価した。
◎:感光体の表面に、絶縁破壊の痕跡は見られず、画像にも黒点は見られなかった。
○:感光体の表面に、若干の絶縁破壊の痕跡が見られたが、画像に、画質に影響のある黒点は見られなかった。
画像形成後の感光体の表面と、形成した画像とを観察して、下記の基準で絶縁破壊とそれによる黒点の有無を評価した。
◎:感光体の表面に、絶縁破壊の痕跡は見られず、画像にも黒点は見られなかった。
○:感光体の表面に、若干の絶縁破壊の痕跡が見られたが、画像に、画質に影響のある黒点は見られなかった。
△:感光体の表面に、若干の絶縁破壊の痕跡が見られ、画像にも、画質に若干の影響のある黒点が見られた。
×:感光体の表面に、絶縁破壊の痕跡が見られ、画像にも多数の黒点が見られた。
(画質評価)
形成した画像のベタ部分の画像濃度を、反射濃度計〔前出のグレタグマクベス社製のSPM−50〕を用いて測定すると共に、ムラの有無を観察した。また、余白部分のかぶり濃度を、反射濃度計〔東京電色(株)製のTC−6D〕を用いて測定した。そして、下記の基準で、画質を評価した。
×:感光体の表面に、絶縁破壊の痕跡が見られ、画像にも多数の黒点が見られた。
(画質評価)
形成した画像のベタ部分の画像濃度を、反射濃度計〔前出のグレタグマクベス社製のSPM−50〕を用いて測定すると共に、ムラの有無を観察した。また、余白部分のかぶり濃度を、反射濃度計〔東京電色(株)製のTC−6D〕を用いて測定した。そして、下記の基準で、画質を評価した。
◎:画像濃度が1.30以上、かぶり濃度が0.005未満であり、ベタ部分にムラは見られなかった。
○:画像濃度が1.20以上、1.30未満、かぶり濃度が0.005以上、0.010未満であり、ベタ部分にムラは見られなかった。
△:画像濃度が1.00以上、1.20未満、かぶり濃度が0.010以上、0.020未満であり、ベタ部分に僅かにムラが見られた。
○:画像濃度が1.20以上、1.30未満、かぶり濃度が0.005以上、0.010未満であり、ベタ部分にムラは見られなかった。
△:画像濃度が1.00以上、1.20未満、かぶり濃度が0.010以上、0.020未満であり、ベタ部分に僅かにムラが見られた。
×:画像濃度が1.00未満、かぶり濃度が0.020以上であり、ベタ部分にムラが見られた。
以上の結果を表1に示す。
以上の結果を表1に示す。
表より、球状で、かつ、BET比表面積が70m2/g、体積固有抵抗値が100Ω・cmの、超微粒子状の酸化チタンを用いた比較例1の電子写真用トナーは、前記酸化チタンによる研磨効果が不十分であり、画像形成を繰り返すことによってダッシュマークが発生すると共に、画質が低下することが判った。また、針状で、かつ、BET比表面積が70m2/gの、体積固有抵抗値が100Ω・cm、超微粒子状の酸化チタンを用いた比較例2の電子写真用トナーは、前記酸化チタンによる研磨効果に優れるため、画像形成を繰り返してもダッシュマークは発生しなかったが、感光体の表面に傷が発生して、画質が低下することが判った。
また、紡錘状、または樹枝状で、体積固有抵抗値が100Ω・cmであるものの、BET比表面積が20m2/g未満という粒径の大きい酸化チタンを用いた比較例3、5の電子写真用トナーは、共に、前記酸化チタンによる研磨効果に優れるため、画像形成を繰り返してもダッシュマークは発生しなかったが、酸化チタンの、可視光線の散乱効果が大きいため、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像が得られないことが判った。また、紡錘状、または樹枝状で、体積固有抵抗値が100Ω・cmであるものの、BET比表面積が120m2/gを超える、粒径の小さい酸化チタンを用いた比較例4、6の電子写真用トナーは、共に、前記酸化チタンによる研磨効果が不十分であり、画像形成を繰り返すことによってダッシュマークが発生すると共に、画質が低下することが判った。
また、紡錘状、または樹枝状で、BET比表面積が70m2/gであるものの、体積固有抵抗値が20Ω・cm未満の酸化チタンを用いた比較例7、9の電子写真用トナーは、共に、画像濃度が低くかぶり濃度が高くなって、画質が低下することが判った。さらに、紡錘状、または樹枝状で、BET比表面積が70m2/gであるものの、体積固有抵抗値が10000Ω・cmを超える酸化チタンを用いた比較例8、10の電子写真用トナーは、共に、絶縁破壊による黒点を生じることが判った。
これに対し、紡錘状、または樹枝状で、かつBET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmの範囲内である酸化チタンを用いた各実施例の電子写真用トナーは、いずれも、前記酸化チタンによる研磨効果に優れるため、画像形成を繰り返してもダッシュマークは発生せず、また、感光体の表面に傷が発生したり、感光層の絶縁破壊による黒点が生じたりして、画質が低下することもない上、酸化チタンの、可視光線の散乱効果が小さいため、濁りのない、鮮やかな色味を有する画像が得られることが判った。
Claims (3)
- トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された外添剤とを含む電子写真用トナーであって、前記外添剤として、非球状でかつ非針状であると共に、BET比表面積が20〜120m2/g、体積固有抵抗値が20〜10000Ω・cmである酸化チタンを、少なくとも含むことを特徴とする電子写真用トナー。
- 酸化チタンが、紡錘状または樹枝状である請求項1に記載の電子写真用トナー。
- アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に使用される請求項1に記載の電子写真用トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007130739A JP2008286938A (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 電子写真用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007130739A JP2008286938A (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 電子写真用トナー |
Publications (1)
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