JP2008285309A - 搬送用コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】通路を形成する動作を少ない駆動エネルギーで行うことが可能な搬送用コンベアを提供する。
【解決手段】搬送用コンベア1Aは、物品を搬送する搬送部2を搬送位置P1と退避位置P2との間で回転可能に支持する軸部4と、搬送部2を軸部4を支点に回転駆動する駆動機構5と、軸部4を支点に回転する搬送部2を、横向きとなる搬送位置P1と縦向きとなる退避位置P2の双方で平衡を保つ錘部材6とを備え、搬送部2を、搬送位置P1と退避位置P2との間の回転範囲内の任意の位置で停止できるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物品を搬送する機能と、物品の搬送経路から退避してオペレータ等の通路を形成する機能を備えた搬送用コンベアに関する。詳しくは、物品を搬送する位置と、搬送経路から退避した位置の双方で平衡を保てるようにすることで、物品を搬送する位置と搬送経路から退避する位置との間での移動と、任意の位置での停止を少ない駆動エネルギーで行えるようにしたものである。
従来から、電子機器等の製造ラインでは、物品の搬送経路を構成するコンベアの一部を搬送経路から退避できるようにして、製造ラインを横切る通路を形成できるようにした技術が提案されている。例えば、物品を搬送するコンベアを、物品を搬送可能な水平な位置から、通路を形成する垂直な位置まで、回転動作で移動できるようにした構成が提案されている。
図7は、従来のコンベアの一例を示す構成図である。従来のコンベア201は、図7(a)に示すように、回転動作の支点となる軸202が端部に備えられた構成か、図7(b)に示すように、軸202が中心付近に備えられた構成である場合が多い。
図7(a)に示すように、回転動作の支点となる軸202が端部に備えられたコンベア201では、コンベア201の重量の大部分が重力方向に掛かるため、駆動源としての空気シリンダ203やモータは大きな駆動エネルギーを必要とする。
また、図7(b)に示すように、回転動作の支点となる軸202が中心付近に備えられたコンベア201では、退避させた状態での通路幅を確保するため、一般的に軸をコンベアの重量中心から一方の端部側へシフトさせる設計が多く、図7(a)に示す構成より重力方向に掛かる重量は軽減される。しかし、コンベアが平衡状態ではないので、大きな駆動エネルギーを必要とする。
一方、コンベアに車輪を取り付けて、人力でコンベアを退避させる構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−183547号公報
通路を形成するための退避機能を有した従来のコンベアでは、大きな駆動エネルギーが必要であるので、駆動源としてのモータや空気シリンダは、トルクが大きなものが利用される。このため、動作スピードが遅く、製造ラインを止める時間が長くなってしまう。また、トルクが大きいことから、動作スピードを向上させると安全性の確保が困難になる。更に、人力で退避させる構成でも、コンベアの重量が重いので作業性が悪い。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、通路を形成する動作を少ない駆動エネルギーで行うことが可能な搬送用コンベアを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の搬送用コンベアは、物品を搬送する搬送部を備えた搬送用コンベアにおいて、搬送部を搬送位置と退避位置との間で回転可能に支持する軸部と、軸部を支点に回転する搬送部を、搬送位置と退避位置の双方で平衡を保つ錘部材とを備えたことを特徴とする。
本発明の搬送用コンベアでは、軸部を支点とした回転動作で搬送部を横向きとして搬送位置とすると使用状態となり、搬送部を縦向きとして退避位置とすると通路が形成される。
搬送部は、錘部材によって搬送位置と退避位置の双方で平衡が保たれており、搬送位置と退避位置との間の回転範囲内の任意の位置で停止して、その停止位置を保持することが出来る。
これにより、軸部を支点とした搬送部の回転動作に必要な駆動エネルギーが少なく抑えられると共に、制動に必要なエネルギーも少なく抑えられる。
本発明の搬送用コンベアでは、回転動作を行う搬送部を平衡を保つように構成することで、少ない駆動エネルギーで回転させることが出来、動作速度を向上させることが可能であると共に、安全性を向上させることが可能である。
また、搬送部の回転動作に必要な駆動エネルギーが少ないので、人力でも作業性を悪化させることなく、動作を行うことが可能である。
更に、モータ等の駆動手段を使用する構成でも、搬送部の回転動作に必要な駆動エネルギーが少ないので、小型の駆動手段の使用が可能で、低コストで安全性の向上したコンベアを提供できる。
なお、搬送部の平衡を保つ錘部材を移動させる構成とすれば、錘部材の位置エネルギーを利用して搬送部の回転動作が可能となり、搬送部を直接駆動して回転動作させる方式に比べて、一層駆動エネルギーを少なくすることが可能である。
以下、図面を参照して本発明の搬送用コンベアの実施の形態について説明する。
<本実施の形態の搬送用コンベアの構成例>
図1は、本実施の形態の搬送用コンベアの一例を示す構成図で、図1では、本実施の形態の搬送用コンベア1Aを、模式的な側面図で示している。
本実施の形態の搬送用コンベア1Aは、図示しない物品を搬送する搬送部2と、搬送部2を支持する支持フレーム3と、搬送部2を実線で示す搬送位置P1と破線で示す退避位置P2との間で回転可能に支持する軸部4を備える。
また、搬送用コンベア1Aは、搬送部2を搬送位置P1と退避位置P2との間で軸部4を支点に回転させる駆動機構5と、軸部4を支点に回転する搬送部2を、搬送位置P1と退避位置P2の双方で平衡を保つ錘部材6を備える。
搬送部2は、例えばベルト等により物品を搬送する構造体が、軸部4によって支持フレーム3に取り付けられ、支持フレーム3に対して軸部4を支点とした回転動作が可能である。
搬送部2は、軸部4を支点とした回転動作で横向きとされて搬送位置P1となると、図示しないベルト等で構成される搬送面が水平となって使用状態となる。また、搬送部2は、軸部4を支点とした回転動作で縦向きとされて退避位置P2となると、図示しない前後のコンベアとの間から退避して、オペレータの通路を形成する状態となる。
駆動機構5は駆動手段の一例で、例えば、モータ50と、モータ50の駆動力を搬送部2に伝達するベルト51を備え、モータ50の回転で、軸部4を支点に搬送部2を回転させる。
錘部材6は、搬送部2の所定の位置に備えられ、軸部4を支点に回転する搬送部2を、搬送位置P1と退避位置P2の双方で平衡を保つ。ここで、錘部材6は、搬送部2を構成する部品とは別に設けて、フレーム20等の搬送部2を構成する部品の所定の位置に取り付ける構成とすることも可能で、または、フレーム20等の搬送部2を構成する部品の一部として所定の位置に一体に組み込むことも可能である。
図2は、錘部材の配置例を示す説明図である。搬送部2が水平な搬送位置P1で重量的平衡を保つためには、図2(a)に示す場合、搬送部2の長手方向の一方の端部の軸部4からの距離L1に、軸部4からの距離L1相当分の重量N1を乗じた数値を、搬送部2の他方の端部の軸部4からの距離L2に、軸部4からの距離L2相当分の重量N2を乗じた数値と等しくする必要があり、錘部材6を、上述した値が小さい側に取り付ける。
本例では、搬送部2の長手方向の中心位置に対して軸部4が偏芯しており、軸部4からの距離が短い側の端部に、例えば2個の錘部材6を取り付けている。
ここで、2個の錘部材6の重量をそれぞれG1,G2とすると、搬送位置P1での平衡は、以下の(1)式が成り立つ場合である。
L1×N1=L2×(N2+G1+G2)・・・(1)
一方、搬送部2が垂直な退避位置P2で重量的平衡を保つためには、図2(b)に示す場合、搬送部2の短手方向の一方の端部の軸部4からの距離L3に、軸部4からの距離L3相当分の重量N3を乗じた数値を、搬送部2の他方の端部の軸部4からの距離L4に、軸部4からの距離L4相当分の重量N4を乗じた数値と等しくする必要があり、2個の錘部材6を、軸部4を挟んで両側に取り付けている。
ここで、退避位置P2での平衡は、以下の(2)式が成り立つ場合である。
L3×(N3+G1)=L4×(N4+G2)・・・(2)
なお、2個の錘部材6の重量G1,G2と位置は、搬送部2に使われる材料の比重に基づいて重量計算して求めるが、微調整を個々の錘部材6で出来るような構造となっている。
<本実施の形態の搬送用コンベアの動作例>
図3は、本実施の形態の搬送用コンベアにおける動作説明図で、次に、各図を参照して本実施の形態の搬送用コンベア1Aの動作について説明する。
搬送用コンベア1Aは、モータ50の駆動力がベルト51を介して搬送部2に伝達され、搬送部2が軸部4を支点とした回転動作で横向きとされて、図3(a)に示すように搬送位置P1となると、図示しないベルト等で構成される搬送面が水平となって使用状態となる。
これにより、搬送用コンベア1Aは、搬送部2を搬送位置P1とすることで、図示しない物品を載置して、搬送が可能となる。
また、搬送用コンベア1Aは、搬送位置P1で停止させた搬送部2を、駆動機構5によって図3(b)に示すように軸部4を支点に回転させ、搬送部2が軸部4を支点とした回転動作で縦向きとされて、図3(c)に示すように退避位置P2となると、図示しない前後のコンベアとの間から退避して、オペレータの通路を形成する状態となる。
さて、搬送部2は、上述した(1)式及び(2)式が成立している状態では、横向きの搬送位置P1と縦向きの退避位置P2の双方で平衡が保たれており、搬送位置P1と退避位置P2との間の回転範囲内の任意の位置で停止して、その停止位置を保持することが出来る。
これにより、軸部4を支点とした搬送部2の回転動作に必要な駆動エネルギーを少なく抑えると共に、制動に必要なエネルギーも少なく抑えることが可能であり、搬送部2の回転動作の駆動手段としてモータ50を使用する構成では、小型のモータを使用しても確実に回転動作を行うことが出来る。
そして、搬送部2の回転動作に必要な駆動エネルギーが少ないので、低トルクのモータを使用しても動作スピードを向上させることが出来、製造ラインを止める時間等が短くなって、作業性が向上する。
また、駆動エネルギーが少ないため、回転動作時の振動が大幅に減少し、静音化を図ることが出来ると共に、障害の発生を低減することができる。
更に、小型のモータを使用しても、短時間で制動が可能であるので、図3(b)に示すような回転動作の途中で搬送部2を停止させる場合の慣性での回転量は少なく、安全性を向上させることが出来る。
そして、安全性を向上させたことで、搬送部2の回転動作範囲に物が挟まったことを検知するセンサ等による安全対策が容易である。
なお、本例では、搬送部2の回転動作の駆動手段としてモータ50を使用し、モータ50の駆動力をベルト51で搬送部2に伝達することとしたが、ギアを使用して駆動力を伝達しても良く、また、モータの回転軸を直接搬送部に連結して、ダイレクト駆動としても良い。
更に、軸部4を支点とした搬送部2の回転動作に必要な駆動エネルギーが少なく抑えられると共に、制動に必要なエネルギーも少なく抑えられることから、人力で容易に回転させることも可能である。ここで、搬送部2の回転動作の駆動力に人力を利用する場合は、搬送位置P1と退避位置P2の双方で、搬送部2の位置を保持するロック機構を備える。例えば、磁力や、凸部と凹部の嵌合等による機械的なロック機構を備えることで、搬送位置P1と退避位置P2で、搬送部2の安定した保持が可能である。また、ロック機構に磁力を利用する構成では、永久磁石を利用しても良いし、電磁石を利用してロックとロックの解除を行えるようにしても良い。
<本実施の形態の搬送用コンベアの変形例>
上述した搬送用コンベア1Aでは、錘部材6は、搬送部2を搬送位置P1と退避位置P2の双方で平衡を保つ位置に固定したが、錘部材6を可動させ、平衡状態を保つ位置から移動させることにより、重力(位置エネルギー)を利用して搬送部2を回転させることも可能である。
図4は、本実施の形態の変形例の搬送用コンベアの一例を示す構成図である。搬送部2に対して錘部材6を移動させる錘移動手段としては、図4(a)の例では、搬送部2にレール部材60を備え、レール部材60に錘部材6が取り付けられる。レール部材60は、錘部材6を搬送部2の長手方向に沿って位置D1から位置D2の間で移動可能に支持し、錘部材6の軸部4からの距離を可変としている。
また、図4(b)の例では、搬送部2に軸61を支点にして回転可能に取り付けられた支持アーム62に錘部材6が支持されて、支持アーム62が軸61を支点に回転することで、錘部材6の軸部4からの距離を可変としている。
これにより、搬送位置P1で搬送部2の平衡を保つ錘部材6を所定の方向に移動させると、錘部材6の軸部4からの距離が変わることで平衡状態が崩れ、搬送部2は軸部4を支点に所定の方向に回転する。そして、搬送部2が退避位置P2まで回転すると、錘部材6を平衡状態を保つ位置に戻すことで、搬送部2の回転が退避位置P2で停止する。
同様に、退避位置P2で搬送部2の平衡を保つ錘部材6を所定の方向に移動させると、錘部材6の軸部4からの距離が変わることで平衡状態が崩れ、搬送部2は軸部4を支点に所定の方向に回転する。そして、搬送部2が搬送位置P1まで回転すると、錘部材6を平衡状態を保つ位置に戻すことで、搬送部2の回転が搬送位置P1で停止する。
このように、錘部材6を移動させることで、重力(位置)エネルギーを利用して搬送部2を搬送位置P1から退避位置P2へ、または、退避位置P2から搬送位置P1に回転させることが出来る。
なお、錘部材6は、人力で移動させて、電磁石の磁力を利用して電磁的、または、凸部と凹部の嵌合等により機械的にロックする構成としても良いし、小型のモータによる駆動力や、磁力を利用して電気制御で移動させる構成としても良い。
錘部材6を人力で移動させる構成でも、駆動力を利用する構成でも、駆動に必要なエネルギーは少なく、モータ等の駆動力を利用する構成でも、消費電力を抑えることができる。また、搬送部2の回転で生じるトルクも少なく、安全性が向上する。
<本発明を適用した物品搬送装置の作用効果例>
図5は、本発明の搬送用コンベアを適用した物品搬送装置の効果を示す動作説明図、図6は、比較例として、従来の搬送用コンベアを適用した物品搬送装置の課題を示す動作説明図である。
従来の物品搬送装置100は、物品搬送路形成コンベア101をつなげて製造ライン102が構成され、オペレータMが製造ライン102の裏側に行く時は、矢印Bで経路を示すように、製造ライン102の端まで行って回る必要があり、製造ラインが長くなると、移動距離が長くなっていた。
これに対して、本実施の形態の物品搬送装置10Aは、物品搬送路形成コンベア11で構成される製造ライン12の所定の位置、例えば、製造ライン12の中央付近に、図1等で説明した搬送用コンベア1Aが組み込まれる。
搬送用コンベア1Aは、図3(a)に示すように搬送部2を搬送位置P1とすることで、図5(a)に示すように、前後の物品搬送路形成コンベア11との協働で基板等の図示しない物品の搬送が可能となる。
一方、オペレータMが製造ライン12の裏側に行く時は、図3(c)に示すように搬送部2を退避位置P2とすることで、図5(b)に示すように製造ライン12に通路13が形成され、オペレータMは、製造ライン12を横切る矢印Aで示す経路で製造ライン12の裏側へ行くことができ、移動距離を最低限に減らすことが可能である。
本発明は、電子機器の製造ラインで基板等を搬送するコンベアに適用される。
本実施の形態の搬送用コンベアの一例を示す構成図である。 錘部材の配置例を示す説明図である。 本実施の形態の搬送用コンベアにおける動作説明図である。 本実施の形態の変形例の搬送用コンベアの一例を示す構成図である。 本発明の搬送用コンベアを適用した物品搬送装置の効果を示す動作説明図である。 従来の搬送用コンベアを適用した物品搬送装置の課題を示す動作説明図である。 従来のコンベアの一例を示す構成図である。
符号の説明
1A・・・搬送用コンベア、2・・・搬送部、3・・・支持フレーム、4・・・軸部、5・・・駆動機構、6・・・錘部材

Claims (4)

  1. 物品を搬送する搬送部を備えた搬送用コンベアにおいて、
    前記搬送部を搬送位置と退避位置との間で回転可能に支持する軸部と、
    前記軸部を支点に回転する前記搬送部を、搬送位置と退避位置の双方で平衡を保つ錘部材と
    を備えたことを特徴とする搬送用コンベア。
  2. 前記搬送部を、搬送位置と退避位置との間で前記軸部を支点に回転させる駆動手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送用コンベア。
  3. 前記錘部材を移動させて、搬送位置及び退避位置で平衡を保つ前記搬送部を、前記錘部材の重量で回転させる錘移動手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送用コンベア。
  4. 前記錘部材は、前記搬送部を構成する部品とは独立した部品を前記搬送部に取り付けるか、または、前記搬送部を構成する部品の一部として一体に組み込んで構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送用コンベア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017100812A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 株式会社ダイフク 跳ね上げ式コンベヤ装置

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