JP2008284686A - ピンセット及びこれを備えたマニュピレータシステム - Google Patents

ピンセット及びこれを備えたマニュピレータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】挟持する力(挟持力)を容易且つ高精度に検出することができると共に、小型化を図ること。
【解決手段】電子顕微鏡観察用の試料を挟持可能なピンセットであって、所定間隔離間して隣接配置され、それぞれ対向する側の先端に試料を挟持する挟持面71a、72aを有する一対の棒状挟持部材71、72を備え、一対の棒状挟持部材が、挟持面の基端側に挟持面と電気的に独立した状態で互いに対向して配された導電部73、74と、これら導電部間の静電容量を測定する静電容量センサ75とを備えていることを特徴とするピンセット70を提供する。
【選択図】図22

Description

本発明は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)等の電子顕微鏡による観察に必要な微細寸法の試料を挟持するピンセット及びこれを備えたマニュピレータシステムに関するものである。
従来、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)により作製したTEM観察用の試料は、大気中に取り出した後、例えば、ガラス製のマイクロピペットに静電気吸着させ、TEM用試料ホルダへの取り付けを行っていた。
また、FIB中から試料をピックアップする方法として、上述したマイクロピペットによる方法以外に、例えば、プローブ先端と試料とをデポジション膜によって固定することでピックアップしたり、ピンセットで試料を挟持してピックアップを行うことができるプローブ移動装置(例えば、特許文献1参照)が知られている。更に、試料を挟持したときの保持力を検出する力センサを有するマイクロピンセット等も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−2603号公報(段落番号0024−0025、図4等) 特開平11−300662号公報(段落番号0013−0023、図1−図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載のプローブ移動装置で使用されるピンセットは、試料を挟持する際に、挟持する力(接触力)を検出することができないので、強く挟持しすぎて試料やピンセット自体に悪影響を与える可能性があった。また、強く挟持することにより、ピンセットの先端同士が交差してしまい安定して試料を挟持することができない場合があった。逆に、挟持する力が弱く、試料を挟持したつもりが挟持できていなかったという場合もあった。このように、ピンセットの挟持する力が検出できないので、ピンセットを操作する者が熟練した作業者に限られてしまったり、何度も挟持作業を繰り返すトライアンドエラーにより試料作製に時間がかかってしまったりといった不都合があった。
また、ピンセットを構成する材質に絶縁体が使用されている場合には、チャージアップによって像が歪んでしまい試料の挟持がより困難になる可能性があった。試料には静電気が帯電しているので、ピンセットにくっついてしまい、該ピンセットからのリリースが困難であったり、静電気により試料やピンセットに悪影響を与えたりする恐れもあった。
一方、上記特許文献2には、力センサを有するピンセットが開示されており、力センサによってピンセットの保持力の検出が行えるが、ピンセット及び力センサの具体的な構成や、ピンセットと力センサとをどのように一体成型するか等の具体的な構成が何ら示されておらず、実際にマイクロピンセットを実現することは困難である。特に、試料が電子顕微鏡観察用の試料である場合には、その寸法が極微小であるため、特許文献2に記載されているマイクロピンセットの開示情報だけでは、上記試料に対応したピンセットを構成することは不可能である。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、挟持する力(挟持力)を容易且つ高精度に検出することができると共に、小型化を図ることができるピンセット及びこれを備えたマニュピレータシステムを提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係るピンセットは、電子顕微鏡観察用の試料を挟持可能なピンセットであって、所定間隔離間して隣接配置され、それぞれ対向する側の先端に前記試料を挟持する挟持面を有する一対の棒状挟持部材を備え、前記一対の棒状挟持部材が、前記挟持面の基端側に挟持面と電気的に独立した状態で互いに対向して配された導電部と、これら導電部間の静電容量を測定する静電容量センサとを備えていることを特徴とする。
この発明に係るピンセットにおいては、一対の棒状挟持部材を接近、即ち、互いに対向して配された導電部同士を接近させると、静電容量センサが、両者の距離に応じた導電部間の静電容量の変化を測定する。例えば、一対の棒状挟持部材が接近するにつれて、静電容量が増大するので、一対の棒状挟持部材がまだ試料を挟持する前の状態であることの検出が行える。そして、挟持面の間で試料を挟持した場合には、一対の棒状挟持部材の距離の変化がなくなるので、静電容量センサが、導電部間の静電容量の変化がなくなったことを検出する。これにより、一対の棒状挟持部材の試料を挟持したことを容易且つ確実に検出することができる。従って、従来のように試料を強く挟持しすぎたり、挟持したつもりが挟持できていなかった等の不具合がなく、操作者に関係なく確実に所定の挟持力で試料を挟持することができる。また、一対の棒状挟持部材を半導体材料により形成することで、小型に作製することができる。
また、本発明に係るピンセットは、上記本発明のピンセットにおいて、前記一対の棒状挟持部材が、基端部から先端に向けて2つに分岐するように形成されており、外側の分岐部の先端に前記挟持面が配され、内側の分岐部が前記導電部とされていることを特徴とする。
この発明に係るピンセットにおいては、一対の棒状挟持部材が2つに分岐しているので、外側の分岐部の挟持面で試料を挟持したときに、内側の分岐部、即ち、導電部同士は接近可能となっている。これにより、所定の静電容量の値を予め設定しておくことで、所定の挟持力で試料を挟持することが可能である。従って、試料に応じた挟持力を自由に設定することができる。
また、本発明に係るピンセットは、上記本発明のピンセットにおいて、前記挟持面には、電気的にグランド接続可能な導電膜が形成されていることを特徴とする。
この発明に係るピンセットにおいては、試料が静電気を帯電していたとしても、導電膜をグランド接続可能であるので、静電気を逃がすことができる。従って、従来のように、挟持面と試料とが静電気によりくっつくことが防止できるので、試料の挟持及び挟持の解放を行い易い。また、例えば、FIB中であったとしても、導電膜によりチャージアップを低減して像の歪みが抑えられるので、試料を挟持し易い。
また、本発明に係るピンセットは、上記本発明のピンセットにおいて、前記一対の棒状挟持部材が、前記試料を挟持したときに、前記挟持面同士が互いに平行状態となるように形成されていることを特徴とする。
この発明に係るピンセットにおいては、試料を挟持したときに、互いの挟持面が平行状態となるので、面接触で試料を挟持できる。従って、挟持面と試料との接触面積が増えるので、より安定して試料を挟持することができる。
また、本発明に係るマニュピレータシステムは、上記本発明のピンセットと、前記静電容量センサよりも基端側に配され、互いの前記挟持面を接近させるように少なくとも一方の前記棒状挟持部材を他方の棒状挟持部材に移動可能な移動機構と、前記ピンセットを保持して任意の位置に移動可能なマニュピレータと、前記静電容量センサの測定値が所定の値に達したときに、前記一対の棒状挟持部材の接近を停止するように前記移動機構を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明に係るマニュピレータシステムにおいては、マニュピレータにより所望する位置にピンセットを移動させた後、移動機構により、少なくとも一方の棒状挟持部材を他方の棒状挟持部材に移動させることで、互いの挟持面同士を接近させて試料の挟持が行える。この際、移動機構は、静電容量センサよりも基端側に配されると共に、該位置で棒状挟持部材を移動させるので、静電容量センサは、移動機構の影響を受けずに確実に静電容量の検出を行える。従って、高精度に試料の挟持力を検出することができる。
また、制御部は、静電容量センサの測定値が所定の値に達したとき、即ち、挟持力が一定の値になったときに移動機構を停止させるので、最適な挟持力で試料を挟持することができる。従って、試料及びピンセットに余計な負荷を与えないので、試料にキズ等をつけないばかりかピンセットの信頼性、耐久性を向上させることができる。
本発明に係るピンセットによれば、確実に所定の挟持力で試料を挟持することができると共に小型化を図ることができる。
また、本発明に係るマニュピレータシステムによれば、最適な挟持力で試料を挟持することができると共に、試料にキズ等をつけないばかりかピンセットの信頼性、耐久性を向上させることができる。
以下、本発明に係るピンセット及びマニュピレータシステムの第1実施形態を、図1から図21を参照して説明する。
本実施形態のマニュピレータシステム1は、図1及び図2に示すように、透過型電子顕微鏡(電子顕微鏡)Aと、ウエハ状の試料基板2から透過型電子顕微鏡Aによる観察用の試料3を作製する試料作製装置Bと、作製した試料3を挟持可能なピンセット4と、ピンセット4を保持して任意の位置に移動可能なマニュピレータ5とを備えており、これら各構成品は、真空ポンプPにより内部を真空状態に設定可能なチャンバ6に設けられている。
上記透過型電子顕微鏡Aは、上記試料3を載置するホルダであるメッシュ10、該メッシュ10をXY方向(水平方向)及び鉛直方向(Z方向)に移動させる移動機構11、メッシュ10上に載置された試料3に向けて図示しない集束レンズにより電子線(電子ビーム)を平行に照射する電子銃12、試料3を透過した電子線を拡大及び結像させる図示しない各種レンズ及び電子線の観察等を行う図示しない観察系を備えている。なお、移動機構11は、制御部15によって制御されるようになっている。
上記試料作製装置Bは、上記試料3の加工や画像観察を行うための集束イオンビーム(FIB)照射光学系20、該集束イオンビーム照射光学系20により試料3から放出される2次電子や2次イオン等を検出する2次粒子検出器21、FIBの照射領域にデポジション膜を形成するための原材料ガスを供給するデポガス源22及び上記試料基板2を上面に固定可能なステージ23を備えている。
上記集束イオンビーム照射光学系20は、例えば、液体金属イオン源から放出したイオンを図示しないビーム制限アパチャ、集束レンズ及び対物レンズを通すことで、約1μm程度のFIBを照射できるようになっている。また、集束イオンビーム照射光学系20は、図示しない偏向器によりFIBの照射角度を偏向させながら試料基板2上を走査する機能を有しており、試料基板2にスパッタリングによる凹部を形成したり、凹部形成だけでなくFIBアシストデポジションによる凸部形成等もできるようになっている。
上記2次粒子検出器21は、検出した2次電子や2次イオン等を図示しない表示器に表示する機能を有しており、試料3の加工領域等を観察できるようになっている。
上記ステージ23は、チャンバ6の底面上に固定されたベース24上に、XY方向及びZ方向に移動可能であると共に、XY軸回りの回転及びZ軸回りの回転が可能となるように取り付けられている。なお、ステージ23は、制御部15によって制御されるようになっている。
また、ベース24には、ステージ23以外に、複数の上記ピンセット4を収納するホルダ25が取り付けられている。なお、ホルダ25の位置は、ベース24上に限られるものではなく、チャンバ6内であればどこでも構わない。
上記ピンセット4は、図3に示すように、半導体材料により形成され、それぞれ対向する側の先端に試料3を挟持する挟持面31a、32aを有する一対のピン(棒状挟持部材)31、32を備えている。また、本実施形態においては、一対のピン31、32のそれぞれが、半導体材料の特性に応じて電気的特性が変化するピエゾ抵抗体(歪センサ)33、34を内蔵している。なお、このピエゾ抵抗体33、34は、半導体材料に不純物を添加したものである。このピエゾ抵抗体33、34を含むピンセット4の製造方法については、後に詳細に説明する。
一対のピン31、32は、共に基端側が後述するSi支持基板61及びBOX層62上に固定されており、これらSi支持基板61及びBOX層62から先端が突出するように所定間隔離間して隣接配置されている。
各ピン31、32は、図4及び図5に示すように、略中間位置に長さ方向に直交する断面積が他の部分よりも小さい応力集中部35を有している。即ち、応力集中部35の横幅Hは、他の部分の横幅H1よりも小さくなるように形成されている(H<H1)。この応力集中部35に、上記ピエゾ抵抗体33、34が配されている。
また、各ピン31、32は、ピエゾ抵抗体33、34の基端側を2つに分岐する位置に貫通孔36を有している。これによりピエゾ抵抗体33、34は、上面視略コ型形状となっている。そして、ピエゾ抵抗体33、34の2つに分岐した基端側には、それぞれ貫通孔36を挟むように配線37が電気的に接続されている。
更に、各ピン31、32には、上面以外の面に電気的にグランド接続可能な導電膜38が形成されている。これにより、互いに対向する面、即ち、上記挟持面31a、32aの表面には、導電膜38が形成されている。
上記ピンセット4は、図6に示すように、エポキシ基板等の実装基板40の先端側に、基端側が載置された状態で実装されている。また、上記配線37や導電膜38は、基板配線41によって実装基板40の基端側に設けられた銅等からなる電極42に電気的に接続されている。なお、基板配線41は、封止用樹脂43によって保護されている。このピンセット4と実装基板40とで、ピンセットASSY45を構成している。
上記ホルダ25は、図7に示すように、ピンセット4の横幅より大きく、且つ、実装基板40の横幅より小さく形成された収納凹部25aを複数備えている。つまり、収納凹部25a内にピンセット4を挿入した状態でピンセットASSY45を載置できるようになっている。また、ピンセットASSY45を載置した際、図示しない爪部が実装基板40に嵌合して所定の力でピンセットASSY45を保持できるようになっている。
上記マニュピレータ5は、図1に示すように、XY方向及びZ方向に移動可能な移動台50上に固定されており、3次元的な動作が可能な多関節アーム51を備えている。なお、移動台50は、制御部15によって作動が制御されている。また、マニュピレータ5は、多関節アーム51の先端に、図7に示すように、上記実装基板ASSY45に接続可能なコネクタ部52を有している。このコネクタ部52は、先端側の内部に実装基板40の基端側に嵌合すると共に所定の力で実装基板40を保持する図示しない爪部を備えている。なお、この爪部は、実装基板40の電極42の接点となっている。
これにより、マニュピレータ5は、ホルダ25に載置されている実装基板ASSY45を、コネクタ部52により電気的に接続した状態で保持した後、多関節アーム51により任意の位置に移動できるようになっている。また、ピンセットASSY45を収納凹部25aに載置した際、収納凹部25aの爪部が実装基板40を保持するので、ピンセットASSY45をコネクタ部52から離間させることができる。
また、マニュピレータシステム1は、図2に示すように、ピエゾ抵抗体33、34よりも基端側に配され、互いの挟持面31a、32aを接近させるように少なくとも一方のピン31(32)を他方のピン32(31)に向けて移動可能なピン用マニュピレータ(移動機構)55を有している。なお、本実施形態では、ピン用マニュピレータ55は、一対のピン31、32の両方を共に移動させるようになっている。このピン用マニュピレータ55は、上記マニュピレータ5の先端に設けても構わないし、例えば、ベース34上に別個に設けても構わない。
これらピン用マニュピレータ55及びマニュピレータ5は、上記制御部15により作動が制御されるようになっている。また、ピエゾ抵抗体33、34で測定した測定値は、マニュピレータ5を介して制御部15に送られるようになっている。
制御部15は、図8に示すように、検出回路15a、差動増幅部15bを有しており、ピエゾ抵抗体33、34から送られた測定値が所定の値に達したときに、上記一対のピン31、32の接近を停止するように、ピン用マニュピレータ55をフィードバック制御するようになっている。この際、検出回路15a及び差動増幅部15bには、図6に示すように、一対のピン31、32の近傍に配され、半導体材料により形成されピエゾ抵抗体33、34と同じリファレンス用センサを内蔵したリファレンスピン56からの測定値がリファレンス値(参照値)として入力されるようになっている。
更に、制御部15は、上述した各構成品を総合的に制御する機能を有している。
ここで、上記ピンセット4の製造方法を以下に説明する。
本実施形態のピンセット4は、半導体基板60にフォトリソグラフィ技術によって上記一対のピン31、32本体をパターン形成する本体形成工程と、一対のピン31、32本体に供される領域の一部に不純物を添加して上記ピエゾ抵抗体33、34を形成するセンサ部形成工程とを有している。
なお、本実施形態では、上記半導体基板60は、図9に示すように、シリコン(Si)支持基板(例えば、厚さ数100μm)61と、該Si支持基板61上に形成された二酸化ケイ素(SiO)のBOX層62と、該BOX層63上に形成されたSi活性層(例えば、厚さ1μm〜10μm)63とを有するSOI(Silicon On Insulater)基板として説明する。
また、上記本体形成工程は、Si活性層63をパターンエッチングして一対のピン31、32本体を形成するパターンエッチング工程と、該パターンエッチング工程後にBOX層62及びSi支持基板61を一対のピン31、32本体の基端側を残した状態で除去する除去工程とを有している。
これら各工程については、以下に詳細に説明する。
初めに、図9に示すように、半導体基板60の表面及び裏面を熱酸化することにより、シリコン酸化膜(SiO)64、65を形成する。
次に、表面のシリコン酸化膜64に、エッチングマスクとなる図示しないフォトレジスト膜を、フォトリソグラフィ技術によって図10に示す一対のピン31、32の形状でパターニングする。この際、上記応力集中部35及び貫通孔36も同時にパターニングする。そして、フォトレジスト膜をマスクとしてエッチングすることで、シリコン酸化膜64が一対のピン31、32の形状でパターニングされる。なお、レジストはポジでもネガでも構わない。また、フォトレジスト膜をマスクとしてフッ酸溶液(BHF)を用いてシリコン酸化膜64を溶液エッチングしても構わない。
続いて、マスクとしていたフォトレジスト膜を除去した後、シリコン酸化膜64をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDRIE(Deep Reactive Ion Etching)を行って、マスクされていないSi活性層63を選択的に除去する。この際、RIEやDRIEは、Si活性層63下のBOX層62でストップするように反応速度等が設定されている。そして、マスクとしていたシリコン酸化膜64を除去することで、図10に示すように、Si活性層63が一対のピン31、32の形状にパターニングされる。なお、この工程は上記パターンエッチング工程である。
次に、上記センサ部形成工程を行う。即ち、Si活性層63上に、ピエゾ抵抗体33、34を形成する領域、即ち、応力集中部35を含むと共に基端側が貫通孔36により2つに分岐される領域を開口させて図示しないフォトレジスト膜を形成した後、開口部分からイオン注入法により不純物(ドーパント)を添加(ドーピング)してピエゾ抵抗体33、34を形成する。なお、本実施形態では、N型のSi活性層63にボロン(B)やガリウム(Ga)等のPイオンをドーピングしてピエゾ抵抗体33、34を形成する。なお、この場合に限られず、P型のSi活性層63を用いた場合には、リン(P)やヒ素(As)等のnイオンをドーピングする。つまり、Si活性層63に対して極性が異なるように、ピエゾ抵抗体33、34を形成する。そして、フォトレジスト膜を除去することで、図11に示すように、応力集中部35にピエゾ抵抗体33、34が形成される。この際、ピエゾ抵抗体33、34の基端部より貫通孔36の基端部の方が、ピンセット4の基端側(紙面に対して右側)に突出するようになっている。特に、上述した貫通孔36のパターニングを行う際、ピエゾ抵抗体33、34と貫通孔36との位置関係がこのようになるように、貫通孔36の基端部がピンセット4の基端側に近づくように予め所定の長さを有するようにパターニングすることが好ましい。
なお、P型のSi活性層63にボロンやガリウムをドーピングしたり、N型のSi活性層63にリンやヒ素をドーピングしても良い(抵抗値が元のSiよりも下がっていれば良い)。
上記センサ部工程が終了後、不純物のドライブイン(拡散)を行った後、図12に示すように、ピエゾ抵抗体33、34の2つに分岐した基端部からSi活性層63の基端側までの領域に、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の層間絶縁膜66を形成する。層間絶縁膜66の形成後、ピエゾ抵抗体33、34の2つに分岐した基端部にそれぞれアクセスできるように層間絶縁膜66の先端にコンタクトホール67を形成する。
コンタクトホール67の形成後、図13に示すように、層間絶縁膜66上の各コンタクトホール67とSi活性層63の基端側との間に、アルミニウム(Al)等の金属により導電層をパターニングすることで、上記配線37を形成する。
次に、シリコン基板60の裏面側のシリコン酸化膜65に、図示しないフォトレジスト膜をパターニングして、図14に示すように、シリコン酸化膜65を基端側に残るようにパターニングする。パターニング後、図15に示すように、BOX層62及びSi活性層63を覆うようにフォトレジスト膜68を塗布して保護膜を形成する。そして、パターニングしたシリコン酸化膜65をマスクとして、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ性エッチャントによる異方性エッチング、又は、DRIEによりSi支持基板61をエッチングにより基端側を残した状態で除去する。
その後、図16に示すように、フォトレジスト膜68を除去すると共に、BHF等によりBOX層62を、同様に基端側を残した状態で除去する。なお、この工程が上記除去工程である。
そして、最後に図17に示すように、スパッタや真空蒸着により、一対のピン31、32の裏面及び側面から基端側の裏面の亘る領域に、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等の金属で上記導電膜38を形成する。また、導電膜38は、一層に限らず、例えば、Ti/Au(密着層として最初にTiを成膜し、その上に金(Au)を成膜)からなる2層でも構わない。また、2層の場合は、Cr/Au、Ti/白金(Pt)、Cr/Ptでも構わない。
これにより、図3に示されるピエゾ抵抗体33、34を内蔵したピンセット4を半導体技術により製造することができる。
次に、このように構成されたマニュピレータシステム1により、試料基板2から試料3を作製した後、ピンセット4により試料3を挟持する場合について説明する。
まず、真空ポンプPによってチャンバ6内を真空状態にした後、ステージ23により試料基板2を集束イオンビーム照射光学系20のFIB照射位置に位置決めする。位置決め後、デポガス源22により試料基板3のFIB照射領域に、例えば、ヘキサカルボニルタングステン(W(CO))等のガスを吹き付けて、保護膜を形成した後、集束イオンビーム照射光学系20から試料基板2上にFIBを照射する。この際、FIBの照射角度を偏向させると共に、ステージ23をXY軸、Z軸回りに傾斜させて、図18及び図19に示すように、試料基板3に切り込み加工を行って、例えば、厚さ1μm、高さ5μm、幅10μmの寸法の試料3を作製する。なお、この際、試料3は、底面も切り離されており、FIBの照射によって、試料基板2と試料3との間に働く静電気力によって立設している状態である。また、この試料3の作製は、2次粒子検出器21により検出された2次電子や2次イオオン等に基づいた観察画像を見ながら行われる。
試料3の作製後、移動台50によりマニュピレータ5を所定位置に移動させた後、多関節アーム51により先端のピンセット4を移動させ、図18に示すように、試料3を間に挟むように一対のピン31、32を位置させる。このピンセット4の位置決めは、上述した2次粒子検出器21による観察画像を見ながら行われる。この際、挟持面31、32aには、導電膜38が形成されているので、ピンセット4のチャージアップが低減して観察象の歪みを抑えることができ、良好な観察像を得ることができる。
一対のピン31、32の位置決め後、図2に示すように、ピン用マニュピレータ55により互いの挟持面31a、32aが接近するように、一対のピン31、32の基端側を移動させる。即ち、一対の31、32は、図20に示すように、基端側を中心として、先端が円弧を描くように移動する。そして、挟持面31a、32aの更なる接近によって、図21に示すように、試料3を挟持する。
試料3を挟持すると、一対のピン31、32の内部に応力が働いて歪が生じる。この際、一対のピン31、32は、半導体材料であるシリコンにより形成されているので、特有の電気特性の変化、即ち、抵抗値が変化する。そして、ピエゾ抵抗体33、34がこの抵抗値変化を検出するので、試料3を確実に挟持したことを検出することができる。特に、ピエゾ抵抗体33、34が、N型のイオンが注入され、Si活性層63がP型である場合、コンタクトホール67を通して流される電流が、ドーピングされた領域以外に漏れることが少なくなり、ピエゾ抵抗体33、34は、ピンセット31、32の基板であるSi活性層63と異なる電極であるので、ピンセット31、32全体の抵抗が下がり感度良く歪の検出が行える。
また、ピエゾ抵抗体33、34は、応力集中部35に配されているので、僅かな保持力によって生じる歪みを大きな抵抗変化として検出することができ、高精度に挟持力を検出することができる。
更に、ピエゾ抵抗体33、34及び電線37は、貫通孔36を挟んでU字状になるようになるように形成されているので、基端側から先端側の亘る領域に電流路が確保されて確実且つ高精度に抵抗値変化の検出が行えることからも、高精度に挟持力を検出することができる。
また、制御部15は、ピエゾ抵抗体33、34で測定された測定値が所定の値に達したときに、ピン用マニュピレータ55を停止するよう制御するので、最適な挟持力で試料3の挟持が行える。これにより、例えば、ピンセット4の形状、試料3の形状、硬度、材質等に応じた最適な挟持力で、試料3を挟持することができる。従って、試料3及びピンセット4に余計な負荷を与えないので、試料3にキズ等をつけないばかりかピンセット4の信頼性、耐久性を向上させることができる。
更に、制御部15は、リファレンスピン56からリファレンス値が入力されるので、一対のピン31、32周囲の温度変化等の環境条件により発生する電気特性の影響を相殺でき、より正確な抵抗値変化の検出を行うことができる。
ピンセット4により試料3を挟持した後、移動台50、多関節アーム51及び移動機構11によりピンセット4とメッシュ10とを相対移動させて、試料3をメッシュ10上に位置させる。そして、ピン用マニュピレータ55により一対のピン31、32の接近状態を解き、メッシュ10上に試料3を載置する。この際、挟持面31a、32aには、グランド接続された導電膜38が形成されているので、静電気の影響を受けずに、容易に試料3を離すことできる。その後、電子銃12により試料3に電子線を照射して透過型観察顕微鏡Aにより試料3の観察を行う。特に、本実施形態のマニュピレータシステム1では、真空状態に設定されたチャンバ6内から試料3を外部に出すことがないので、試料3を紛失したり、試料3の表面に酸化膜等が形成されることを防止することができる。
更に、ピンセット4は、本体形成工程により、フォトリソグラフィ技術によって一対のピン31、32をSi活性層63にパターン形成するので、小型且つ高精度のピンセット4を容易に形成することができる。また、センサ部形成工程により、不純物を熱拡散法やイオン注入法により添加することで、容易に半導体プロセスを利用してピエゾ抵抗体33、34の形成を行うことができる。つまり、半導体プロセスによりピンセット4を小型且つ高精度に形成することができる。
また、本体形成工程の際、パターンエッチング工程を行った後に、除去工程でBOX層62及びSi支持基板61を除去するので、薄くて高精度なピンセット4を確実に形成することができる。
また、ピンセット4を交換する際は、ホルダ25の収納凹部25a内にピンセット4を挿入した状態でピンセットASSY45をコネクタ部52から外し、ホルダ25に載置されている他のピンセットASSY45を再度コネクタ部52に取り付けれることができる。こうすることで、仮にピンセット4に不具合が生じたとしても該ピンセット4を容易にチャンバ6内で交換できると共に、試料3の種類に応じたピンセット4を適時選択して使用することができる。
上述したように、本発明のピンセット4によれば、確実に所定の挟持力で試料3を挟持することができると共に、半導体材料により形成されているので小型に作製することができる。また、ピエゾ抵抗体33、34を内蔵しているので、挟持力を高精度に検出することができる。
また、本発明のマニュピレータシステム1によれば、最適な挟持力で試料を挟持することができると共に、試料3にキズ等をつけないばかりかピンセット4の信頼性、耐久性を向上させることができる。
次に、本発明に係るピンセットの第2実施形態を、図22及び図23を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、ピンセット4がピエゾ抵抗33、34により一対のピン31、32に働く歪を検出することで、挟持力を検出していたのに対し、第2に実施形態のピンセット70は、静電容量により挟持力を検出する点である。
即ち、本実施形態のピンセット70は、図22及び図23に示すように、それぞれ対向する側の先端に試料3を挟持する挟持面71a、72aを有する一対のピン(棒状挟持部材)71、72を備え。該一対のピン71、72が、挟持面71a、72aの基端側に挟持面71a、72aと電気的に独立した状態で互いに対向して配された導電部73、74と、これら導電部73、74間の静電容量を測定する静電容量センサ75とを備えている。なお、図22及び図23は、片側のピン71(72)のみを示している。
上記一対のピン71、72は、基端部から先端に向けて2つに分岐するように形成されており、外側の分岐部76、77の先端に上記挟持面71a、72aが配されている。また、内側の分岐部が上記導電部73、74となっている。
また、本実施形態のピンセット70は、半導体材料に限られものではないが、絶縁材料であることが好ましい。例えば、母材としてシリコン、SiO、ダイヤモント等を採用し、その表面にスパッタ法や蒸着法によりAl、Au、Ti等の金属で導電膜78を形成する。なお、この導電膜78は、挟持面71a、72aを電気的にグランド接続可能な導電膜として機能する。また、ピンセット71、72を半導体材料により形成することで、上記導電部73、74を、例えば、ドライエッチング等により形成することができる。
上記静電容量センサ75は、導電部73、74の先端に形成されており、例えば、金属等を蒸着して形成する。なお、ピンセット71、72を半導体材料により形成することで、第1実施形態と同様にドーピングにより形成することが可能である。
このように構成されたピンセット70により試料3を挟持する場合について説明する。
一対のピン71、72をピン用マニュピレータ55により接近、即ち、導電部73、74同士を接近させると、静電容量センサ75が両者の距離に応じた導電部73、74の静電容量の変化を測定する。例えば、一対のピン71、72が接近するにつれて静電容量が増大するので、一対のピン71、72がまだ試料3を挟持する前の状態であることを検出できる。
そして、試料3を挟持した場合には、一対のピン71、72の接近が止まり、静電容量の変化がなくなる。従って、静電容量センサ75は、静電容量の変化がなくなったことを検出することで、一対のピン71、72が試料3を挟持したことを容易且つ確実に検出することができる。
また、試料3を挟持したときに、内側の分岐部である導電部73、74は、挟持面71、72aが配されている外側の分岐部76、77とは別に分岐しているので、さらに導電部73、74同士が接近可能な状態である。つまり、試料3を挟持した後でも静電容量の測定が行える。従って、所定の静電容量を予め設定することで、所定の挟持力で試料3を挟持することができ、試料3に応じた挟持力を得ることができる。
上述したように、一対のピン71、72間の距離に応じた静電容量を測定することで、挟持力の測定が行えるので、第1実施形態と同様に、従来のように試料を強く挟持しすぎたり、挟持したつもりが挟持できていなかった等の不具合がなく、操作者に関係なく確実に所定の挟持力で試料を挟持することができる。また、一対のピン71、72を半導体材料により形成することで、小型に作製することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記核実施形態のマニュピレータシステムは、透過型電子顕微鏡をチャンバに備えた構成にしたが、チャンバとは別に設けても構わない。この場合には、ピンセットで試料を挟持した後に、チャンバ外部に設けられたメッシュ上に試料を移送できるように構成されていればかまわない。なお、透過型電子顕微鏡に限られず、電子顕微鏡であれば構わない。
また、ピンセットで試料を挟持してメッシュに移送したが、例えば、図24に示すように、電子顕微鏡用の試料台に一旦固定して再加工しても構わない。この場合には、試料台上に、ピンセットで挟持した試料を載置した状態で、デポガス源よりデポジション用ガスを流出させつつFIBを照射することで、デポジション膜により試料と試料台とを固定させれば良い。
また、第1実施形態において、一対のピンの両方にピエゾ抵抗体を内蔵したが、どちらか一方のピンに内蔵されていれば構わない。
更に、ピン用マニュピレータは、第1実施形態及び第2実施形態において、一対のピンの両方を移動させたが、どちらか一方のピンを移動できるように構成されていれば構わない。また、マニュピレータである必要はなく、例えば、圧電素子やマイクロモータにより駆動されるボールネジ等を利用した移動機構であれば良い。
また、両実施形態において、挟持面の形状を、図25に示すように、試料を挟持したときに互いに平行状態となるように形成しても構わない。こうすることで、試料面と試料との接触面積が増えるので、より安定して試料を挟持できるので、より好ましい。
本発明に係るマニュピレータシステムの第1実施形態を示す構成図である。 本発明に係るピンセットと、ピン用マニュピレータとの位置関係を示した図である。 本発明に係るマイクロマニュピレータシステムに使用され、本発明に係るピンセットの第1実施形態を示す上面図である。 図3に示すピンセットのピンを示す上面図である。 図4に示すピンの側面図である。 ピンセットを実装基板に実装したピンセットASSYの一例を示す上面図である。 マニュピレータにより、ホルダからピンセットASSYを取り出した状態を示す側面図である。 図1に示すマニュピレータシステムの制御部内の構成図の一例を示す図であり、(a)は検出回路及び差動増幅部を示し、(b)は検出回路のブリッジ回路を示した図である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、スタート基板を示した図である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図9に示す状態からSi活性層に一対のピンをパターニングした状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図10に示す状態からピエゾ抵抗体を作製した状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図11に示す状態からSi活性層上に層間絶縁膜を形成した状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図12に示す状態から層間絶縁膜上に導電膜をパターニングして配線を形成した状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図13に示す状態からシリコン基板の裏面のシリコン酸化膜をパターニングした状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図14に示す状態からSi支持基板をバックエッチングした状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図15に示す状態からBOX層を除去した状態を示す側面図(a)及び上面図(b)である。 図3に示すピンセットの製造方法を示した工程図であって、図16に示す状態から一対のピンの裏面及び側面に導電膜を形成した状態を示す側面図である。 試料基板から作成された試料をピンセットにより挟持する直前の状態を示す側面図である。 図18に示す試料の側面図である。 ピン用マニュピレータにより挟持面が接近するように一対のピンセット移動させたときの先端の軌跡を示した上面図である。 一対のピンセットにより試料を挟持した状態を示す上面図である。 本発明に係るピンセットの第2実施形態を示す図であって、片側のピンを示した上面図である。 図22に示すピンの側面図である。 試料を試料台に固定させた状態を示す斜視図である。 本発明に係るピンセットの他の例であって、試料を挟持したときに挟持面が平行状態となるピンセットを示す上面図である。
符号の説明
A 透過型電子顕微鏡(電子顕微鏡)
1 マニュピレータシステム
3 試料
4、70 ピンセット
5 マニュピレータ
15 制御部
31、32、71、72 ピン(棒状挟持部材)
31a、32a、71a、72a 挟持面
33、34 ピエゾ抵抗体(歪センサ)
35 応力集中部
36 貫通孔
37 配線
38、78 導電膜
55 ピン用マニュピレータ(移動機構)
56 リファレンス用ピン
60 半導体基板
61 Si支持基板
62 BOX層
63 Si活性層
73、74 導電部(内側の分岐部)
75 静電容量センサ
76、77 外側の分岐部

Claims (5)

  1. 電子顕微鏡観察用の試料を挟持可能なピンセットであって、
    所定間隔離間して隣接配置され、それぞれ対向する側の先端に前記試料を挟持する挟持面を有する一対の棒状挟持部材を備え、
    前記一対の棒状挟持部材が、前記挟持面の基端側に挟持面と電気的に独立した状態で互いに対向して配された導電部と、これら導電部間の静電容量を測定する静電容量センサと、を備えていることを特徴とするピンセット。
  2. 請求項1に記載のピンセットにおいて、
    前記一対の棒状挟持部材は、基端部から先端に向けて2つに分岐するように形成されており、外側の分岐部の先端に前記挟持面が配され、内側の分岐部が前記導電部とされていることを特徴とするピンセット。
  3. 請求項1又は2に記載のピンセットにおいて、
    前記挟持面には、電気的にグランド接続可能な導電膜が形成されていることを特徴とするピンセット。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のピンセットにおいて、
    前記一対の棒状挟持部材は、前記試料を挟持したときに、前記挟持面同士が互いに平行状態となるように形成されていることを特徴とするピンセット。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のピンセットと、
    前記静電容量センサよりも基端側に配され、互いの前記挟持面を接近させるように少なくとも一方の前記棒状挟持部材を他方の棒状挟持部材に移動可能な移動機構と、
    前記ピンセットを保持して任意の位置に移動可能なマニュピレータと、
    前記静電容量センサの測定値が所定の値に達したときに、前記一対の棒状挟持部材の接近を停止するように前記移動機構を制御する制御部と、を備えることを特徴とするマニュピレータシステム。
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