JP2006126190A - 自己検知型spmプローブ - Google Patents

自己検知型spmプローブ Download PDF

Info

Publication number
JP2006126190A
JP2006126190A JP2005308983A JP2005308983A JP2006126190A JP 2006126190 A JP2006126190 A JP 2006126190A JP 2005308983 A JP2005308983 A JP 2005308983A JP 2005308983 A JP2005308983 A JP 2005308983A JP 2006126190 A JP2006126190 A JP 2006126190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoresistor
cantilever
self
spm probe
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005308983A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4185089B2 (ja
Inventor
Hiroshi Takahashi
寛 高橋
Nobuhiro Shimizu
信宏 清水
Yoshiharu Shirakawabe
喜春 白川部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Science Corp
Original Assignee
SII NanoTechnology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SII NanoTechnology Inc filed Critical SII NanoTechnology Inc
Priority to JP2005308983A priority Critical patent/JP4185089B2/ja
Publication of JP2006126190A publication Critical patent/JP2006126190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4185089B2 publication Critical patent/JP4185089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

【課題】 カンチレバーの撓み量および捩れ量をより正確に検出することのできる自己検知型SPMプローブを提供する。
【解決手段】 先鋭化された探針12を先端に設けたレバー部と、レバー部を支持する支持部と、レバー部と前記支持部とを連結する屈曲部と、ピエゾ抵抗体112をU字状に設けた自己検知型SPMプローブにおいて、レバー部に位置するピエゾ抵抗体の一部に、ピエゾ抵抗体と電気的に接続した低抵抗層116を形成するようにした。
【選択図】 図12

Description

本発明は、半導体基板表面にピエゾ抵抗体の設けられたカンチレバーを用いた自己検知型SPMプローブに関する。
現在、試料表面におけるナノメートルオーダの微小な領域を観察するための顕微鏡の1つとして、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が用いられている。
その中でも、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)は、走査プローブとして、先端部に探針を設けたカンチレバーを使用しており、そのカンチレバーの探針を試料表面に沿って走査し、試料表面と探針との間に発生する原子間力(引力または斥力)をカンチレバーの撓み量として検出することにより、試料表面の形状測定を達成している。
カンチレバーの撓み量は、一般に、カンチレバーにレーザ光を照射して、その反射角の変化を計測することにより検出される。
ここで、この方式に用いられるカンチレバーを特に光てこ式カンチレバーと称する。
しかしながら、この光てこ式カンチレバーを使用する際には、カンチレバーに向けて照射するレーザ光の照射角度と、カンチレバーからの反射光を検出するフォトダイオードの位置等の微調整が必要であり、特に、頻繁に行われるカンチレバーの交換の際に、その微調整を繰り返し行わなければならないという煩雑さが伴っていた。
そこで、カンチレバーにピエゾ抵抗体を形成し、その抵抗値の変動を計測することによってカンチレバーの撓み量を検出する自己検知型SPMプローブが注目されている。
従来の自己検知型SPMプローブの構成を図17および図18に示す。図18は図17のC−C' 線における断面図である。図17に示すように、自己検知型SPMプローブ200は、先端に探針(図示せず)を設けたカンチレバー202と、参照抵抗値を計測するためのリファレンス204とから構成されている。
これらのカンチレバー202およびリファレンス204は、その表面にそれぞれU字状のピエゾ抵抗体208および210を形成している。
ここでは、ピエゾ抵抗体208および210は、n型のシリコン基板206の表面に、それぞれU字状にp型の不純物イオンを選択的に注入することにより、p+のピエゾ抵抗体として形成されている。
さらに、シリコン基板206の表面には、図18に示すように、カンチレバー202のメタルコンタクト部と、リファレンス204のメタルコンタクト部とを除いて表面を保護するシリコン酸化膜(SiO2)212が形成される。
そして、各メタルコンタクト部には、コンタクト用のアルミニウム電極(Al)214、216、218および220がそれぞれ埋め込まれる。
ここでは、n型のシリコン基板206の表面に、p型の不純物イオンを注入してp+のピエゾ抵抗体208および210を形成したが、逆に、p型のシリコン基板を用いた場合は、基板表面にn型の不純物イオンを注入してn+のピエゾ抵抗体が形成される。
このような従来の自己検知型SPMプローブ200による試料表面の観察は、まず、先端部に探針が設けられたカンチレバー202を試料表面に沿って走査すすることにより行う。
その際に発生する試料表面と探針との間の原子間力(引力または斥力)が、カンチレバー202を撓ませ、この撓みは、カンチレバー202上に形成されたピエゾ抵抗体208の抵抗値を変動させる。
この抵抗値がカンチレバー202の撓み量として検出される。
ピエゾ抵抗体208の抵抗値の変動は、上記メタルコンタクト部のアルミニウム電極214および216を介して、信号処理部(図示せず)に導かれ、試料表面を表す信号として画像化される。
また、上記動作と並行して、リファレンス204においても抵抗値の測定が行われる。
これは、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値が、温度条件等の撓み以外の条件によって変動するため、その不要な変動情報をカンチレバー202において測定される抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提供するものである。特に、ここでは、ホイーストン・ブリッジを用いた温度補償が実現される。
以上に説明したように、自己検知型SPMプローブを原子間力顕微鏡に用いた場合には、プローブ自体にカンチレバーの撓み量を検出する検出器すなわちピエゾ抵抗体が形成されているので、カンチレバーの交換の際に、検出器の位置調整といった煩雑な作業を必要とせず、試料の観察に迅速に取り掛かることが可能である。
SPMプローブとして光てこ式カンチレバーを使用する場合、レーザビームの反射光を検出するフォトダイオードを2ラ2の4分割にすることで、試料表面に垂直な方向(Z方向)の力に対するカンチレバーの変位量すなわち撓み量を検出できるだけでなく、水平方向、特にカンチレバー長手方向に直交した方向(X方向)の力に対するカンチレバーの変位量を検出することができる。
このX方向の力に対する変位は、実際には、カンチレバーの捩れによってもたらされ、カンチレバー先端の探針と試料表面との間においてカンチレバーの走査の際に生じる摩擦力等を起因とする。
しかしながら、従来の自己検知型SPMプローブにあっては、図17に示すように、カンチレバーに形成された1組のピエゾ抵抗体から検出される抵抗値の変動を検出しており、抵抗値の変動がカンチレバーの撓みによるものか、捩れによるものかを明確に区別することはできなかった。
すなわち、従来の自己検知型SPMプローブにおいては、カンチレバー先端の探針と試料表面との間において生じる水平方向の力に対するカンチレバーの変位量すなわち捩れ量を検出することはできなかった。
そこで、ピエゾ抵抗体カンチレバーは、支持部からU字状のレバー部を突出させた構成としており、そのU字を形成するレバー部と、支持部とを連結する2つの連結部すなわちカンチレバーの屈曲部において、その表面にそれぞれU字状のピエゾ抵抗体を形成している。(例えば、特許文献1、2を参照。)
2つのU字状のピエゾ抵抗体は、一端を互いに接続してクランド電位が与えられており、他端をそれぞれ増幅器に接続している。
それら2つの増幅器から得られる信号は加算器および減算器に入力され、それぞれカンチレバーの垂直方向の変位を示す信号および水平方向の変位を示す信号として出力される。
すなわち、カンチレバーの垂直方向の変位を示す信号によってカンチレバーの撓みを検出し、カンチレバーの水平方向の変位を示す信号によってカンチレバーの捩れを検出しており、カンチレバーの探針と試料表面との間に生じる原子間力のみならず、カンチレバー走査時に生じる摩擦力の計測をも達成している。
特開平05−196458号公報 米国特許第5345815号明細書
上述したようなカンチレバーの捩れの検出は、2つの屈曲部にそれぞれ形成されたピエゾ抵抗体の抵抗値の差分によって達成されるので、2つの屈曲部間の変位差が顕著にかつ正確に現れるためには、それら屈曲部をより細くすることが好ましい。
しかしながら、従来のピエゾ抵抗体カンチレバーによれば、屈曲部の表面にピエゾ抵抗体をU字状に形成しているので、屈曲部を比較的大きく形成する必要があった。
また、それぞれ屈曲部上のピエゾ抵抗体は、屈曲部の長手方向において2つの直線状のピエゾ抵抗体を連結した形としてU字状を形成しているので、屈曲部自体の捩れによりU字状のピエゾ抵抗体の直線部分間での抵抗値変化として一部が相殺されてしまい、2つのU字状のピエゾ抵抗体間における正確な抵抗値差を得ることはできなかった。
本発明は、かかる従来技術の有する不都合に鑑みてなされたもので、カンチレバーの撓み量および捩れ量をより正確に検出することのできる自己検知型SPMプローブを提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係る自己検知型SPMプローブは、先鋭化された探針を先端に設けたレバー部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバー部と前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバーを構成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体を設けた自己検知型SPMプローブにおいて、前記ピエゾ抵抗体は、直線状に独立して形成されることを特徴とする。
また、請求項1の発明に係る自己検知型SPMプローブは、先鋭化された探針を先端に設けたレバー部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバー部と前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバーを構成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体をU字状に設けた自己検知型SPMプローブにおいて、前記屈曲部および前記支持部上に絶縁層を形成するとともに、前記レバー部に位置する前記ピエゾ抵抗体の一部に、当該ピエゾ抵抗体と電気的に接続した低抵抗層を形成したことを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、レバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘ってU字状に形成し、且つレバー部に位置するピエゾ抵抗体の一部に低抵抗層を設けているので、屈曲部上に配置される直線部分のピエゾ抵抗体の数が増加してより顕著な捩れ量変化を高精度に検出することができるとともに、ピエゾ抵抗体上の低抵抗層の存在により、電流損失の少ない、より実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値の検出が可能になる。
また、請求項2の発明に係る自己検知型SPMプローブは、請求項5の発明において、前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する両端からそれぞれ電極配線を取り出したことを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、ピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端から電極配線が導かれているので、屈曲部におけるピエゾ抵抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易にする。
また、請求項3の発明に係る自己検知型SPMプローブは、請求項1〜2のいずれか1つの発明において、前記ピエゾ抵抗体は、前記屈曲部上に複数個形成されることを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、複数個形成したピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計測することにより、屈曲部の捩れ量を検出することができる。
また、請求項4の発明に係る自己検知型SPMプローブは、請求項1〜3のいずれか1つの発明において、前記屈曲部を少なくとも2つ設け、各屈曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導電層を形成したことを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、屈曲部を複数設けることにより、各屈曲部にレバーの撓みまたは捩れによる応力を集中させることができる。
さらに、各屈曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導電層を形成することで、ピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計測することにより、屈曲部の捩れ量をより高精度に検出することができる。
本発明によれば、カンチレバーのレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、レバー部から支持部に亘ってピエゾ抵抗体を直線状に且つ独立して形成しているので、屈曲部の撓みや捩れを起因とする実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値変化のみを取り出すことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、ピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端から電極配線が導かれているので、屈曲部におけるピエゾ抵抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易にするという効果を奏する。
また、本発明によれば、ピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、配線となる導電層が、下層に絶縁層を配した状態で、ピエゾ抵抗体の両端からピエゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続され、且つカンチレバーの支持部におけるピエゾ抵抗体の形成されていない部分へと導かれている。
すなわち、屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を支持部上に導かれた2つの導電層から読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易にする。
さらに、その導電層をピエゾ抵抗体上に形成しているので、屈曲部の領域を有効に利用でき、細く形成することが可能となって、屈曲部の撓みをより顕著に検出することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、ピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、配線となる導電層が、下層に絶縁層を配した状態で、ピエゾ抵抗体の両端からピエゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続され、且つカンチレバーの支持部におけるピエゾ抵抗体の形成されていない部分へと導かれている。
すなわち、屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を支持部上に導かれた2つの導電層から読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易にしている。
さらに、導電層の面積を大きくして抵抗率を低減させることができ、それにより屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を高精度に読み出すことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、レバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘ってU字状に形成し、且つレバー部に位置するピエゾ抵抗体の一部に低抵抗層を設けているので、屈曲部上に配置される直線部分のピエゾ抵抗体の数が増加してより顕著な捩れ量変化を高精度に検出することができるとともに、ピエゾ抵抗体上の低抵抗層の存在により、電流損失の少ない、より実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値の検出が可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、ピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端から電極配線が導かれているので、屈曲部におけるピエゾ抵抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易にするという効果を奏する。
また、本発明によれば、複数個形成したピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計測することにより、屈曲部の捩れ量を検出することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、屈曲部を複数設けることにより、各屈曲部にレバーの撓みまたは捩れによる応力を集中させることができる。
さらに、各屈曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導電層を形成することで、ピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計測することにより、屈曲部の捩れ量をより高精度に検出することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る自己検知型SPMプローブの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)図1は、実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ10の平面図である。図1において、自己検知型SPMプローブ10は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持部とを2つの屈曲部によって連結された構成となっている。2つの屈曲部上には、それぞれピエゾ抵抗体22,24が形成されている。ピエゾ抵抗体22,24は、特に屈曲部上において、レバー部の一部から支持部の一部に至って形成されている。
さらに、ピエゾ抵抗体22,24上および支持部上には、絶縁層が形成されている。
なお、図1においては、図を簡略化して理解を容易にするため、絶縁層を図示していない。
また、これら2つの屈曲部とピエゾ抵抗体22,24は、カンチレバー202の長手方向に探針12を通過する線を中心軸として、両対称に形成される。
絶縁層上においては、配線となる導電層26,28が、ピエゾ抵抗体22,24のレバー部に位置する部分から屈曲部とピエゾ抵抗体22,24の支持部に位置する部分とを介し、カンチレバーの支持部においてピエゾ抵抗体22,24の形成されていない部分にまでそれぞれ形成されている。導電層26のレバー部に位置する一端と、下層のピエゾ抵抗体22とは、メタルコンタクト部42において電気的に接続される。
同様に、導電層28のレバー部に位置する一端と、下層のピエゾ抵抗体24とは、メタルコンタクト部44において電気的に接続される。
さらに、絶縁層上において、配線となる導電層32,34が、ピエゾ抵抗体22,24の支持部に位置する部分から、支持部においてピエゾ抵抗体22,24の形成されていない部分に至ってそれぞれ形成されている。導電層32のピエゾ抵抗体22に位置する一端と、下層のピエゾ抵抗体22とは、メタルコンタクト部36において電気的に接続される。同様に、導電層34のピエゾ抵抗体24に位置する一端と、下層のピエゾ抵抗体24とは、メタルコンタクト部38において電気的に接続される。
つぎに、図2は、図1のA−A'線における断面図を示しており、カンチレバー202は、図2に示すように、シリコンから成る半導体基板15上に埋め込み酸化層(SiO2)14を形成し、さらにその上にシリコン層16を熱的に貼り合わせたSOI(Silicon on Insulater)技術を用いることによって形成される。
このSOI技術によって、ピエゾ抵抗体22,24間は、絶縁度の高い素子分離が果たされる。
上記したカンチレバー202の支持部は、図2に示すように、酸化層14を表面に形成した半導体基板15を基体とし、さらに酸化層14上には、シリコン層16が形成されている。
このシリコン層16中にピエゾ抵抗体22,24が形成され、図2においては、メタルコンタクト部36,38が、ピエゾ抵抗体22,24にそれぞれ接続されて示されている。
また、図3は、図1のB−B'線における断面図を示しており、上記したカンチレバー202のレバー部は、図3に示すように、2つの屈曲部を介して支持部と連結したシリコン層16を基体とし、ピエゾ抵抗体22,24もまた、支持部と同様にシリコン層16中に形成されている。
図3においては、メタルコンタクト部42,44が、ピエゾ抵抗体22,24にそれぞれ接続されて示されている。
さらに、シリコン層16とピエゾ抵抗体22,24から成る層は、メタルコンタクト部36,38,42および44を除く表面に酸化層17を形成している。
なお、この酸化層17が、上述した絶縁層に相当する。
よって、この酸化層17上に、上述した配線となる導電層26,28が形成される。
従って、ピエゾ抵抗体22に接続されたメタルコンタクト部36,42を両端子とすることにより、ピエゾ抵抗体22においてカンチレバー202の屈曲部に位置する部分の抵抗値を読み取ることができる。
さらに、カンチレバー202のレバー部に位置するメタルコンタクト部42から配線される導電層26は、ピエゾ抵抗体22の表面に形成された絶縁層17上に配置され、かつカンチレバー202のレバー部から屈曲部を介して支持部へと導かれている。
すなわち、導電層26は、一端をレバー部に位置し、他端をカンチレバー202の支持部においてピエゾ抵抗体22の形成されていない部分に位置している。
また、メタルコンタクト部36から配線される導電層32は、両端ともにカンチレバー202の支持部に配置され、一端をピエゾ抵抗体22の形成されている部分に位置し、他端をピエゾ抵抗体22の形成されていない部分に位置している。
従って、ピエゾ抵抗体22に接続されたメタルコンタクト部36,42は、それぞれ導電層32,26によって、カンチレバー202の支持部においてピエゾ抵抗体22の形成されていない部分にまで導かれ、その導かれた端部においてピエゾ抵抗体22の屈曲部に位置する部分の抵抗値を読み出すことができる。
このように、2つの屈曲部の一方において、その長手方向に沿って形成されたピエゾ抵抗体22の抵抗値の計測が達成される。
また、他方の屈曲部においても、ピエゾ抵抗体24、導電層34,28およびメタルコンタクト部38,44は、一方の屈曲部におけるピエゾ抵抗体22、導電層32,26およびメタルコンタクト部36,42にそれぞれ対称的に配置される。
よって、他方の屈曲部においても、その長手方向に沿って形成されたピエゾ抵抗体24の抵抗値の計測が達成される。
つぎに、図1に示したカンチレバー202の形成工程を図4および図5を参照しつつ説明する。
なお、図4および図5では、図1のカンチレバー202のピエゾ抵抗体24を形成する工程断面を示している。
まず、図4(a)に示すように、シリコン基板から成る半導体基板15上に埋め込み酸化層14を形成し、さらにその埋め込み酸化層14上にn型のSOIシリコン層16を熱的に貼り合わせたサンドイッチ構造のSOI基板を形成する。
そして、そのSOI基板の表面側と裏面側とを熱酸化することにより、シリコン酸化膜(SiO2)19および13を形成し、シリコン酸化膜19上に、さらにエッチングマスクとなるフォトレジスタ膜21をパターニングする。
つぎに、フォトレジスト膜21をマスクとして緩衝フッ酸溶液(BHF)を用いてシリコン酸化膜19を溶液エッチングすることにより、図4(b)に示すように、探針を形成するためのマスクとなるシリコン酸化膜(SiO2)19をパターニングする。
続いて、パターニングされたシリコン酸化膜19をマスクとして、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を行うことにより、図4(c)に示すように、マスク19の下に先鋭化した探針12が形成する。
さらに、図4(d)に示すように、半導体基板16表面にピエゾ抵抗体を形成する領域を開口させてフォトレジスト膜23を形成し、その開口部分にイオン注入を行ってp+ピエゾ抵抗領域すなわちピエゾ抵抗体24を形成する。
つぎに、フォトレジスト膜23を除去するとともに、図5(e)に示すように、カンチレバー形状のフォトレジスト膜25をSOIシリコン層16上に形成する。
フォトレジスト膜25をマスクとしてRIEによりSOIシリコン層16を、埋め込み酸化層14に達するまでエッチングし、カンチレバーの端部を形成する。
そして、図5(f)に示すように、フォトレジスト膜25を除去するとともに、裏面側のシリコン酸化膜(SiO2)13の下にエッチングマスクとなるフォトレジスト膜27を形成する。
フォトレジスト膜27をマスクとして緩衝フッ酸溶液(BHF)を用いたバックエッチングを行い、シリコン酸化膜13をパターニング形成する。
さらに、図5(g)に示すように、SOIシリコン層16のピエゾ抵抗体24の両端部および探針12以外の部分をシリコン酸化膜17で被覆して表面を保護するとともに、シリコン酸化膜17の被覆されていないピエゾ抵抗体24の両端部にアルミニウム(Al)等の金属を埋め込んでメタルコンタクト部44,38を形成する。
さらに、ここで、メタルコンタクト部44,38から配線される導電層28,34が形成される(図示せず)。
さらに、図5(h)に示すように、図5(g)においてパターニング形成したシリコン酸化膜13をマスクとして40%の水酸化カリウム溶液(KOH+H2O)を用いてバックエッチングを行うことにより、半導体基板15と埋め込み酸化層14が部分的に除去され、ピエゾ抵抗体24を備えたSOIシリコン層16から成るSPMプローブ10が形成される。
なお、ここでは、n型のシリコン層16にp+イオンを注入してp+のピエゾ抵抗体24を形成したが、逆に、p型のシリコン層を用いた場合は、基板にn+イオンを注入してn+のピエゾ抵抗体が形成される。
以上に説明した実施の形態1において、さらに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図17のリファレンス204に相当する参照用カンチレバーを支持部に設けてもよい。
その場合、参照用カンチレバーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SPMプローブ10と同様な構成であり、自己検知型SPMプローブ10の動作と並行して、その参照用カンチレバー上のピエゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われる。
これは、従来の自己検知型SPMプローブにおけるリファレンスと同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な変動情報を自己検知型SPMプローブ10において測定される抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提供するものである。
また、自己検知型SPMプローブ10において形成される屈曲部は、3つ以上でもよく、それら屈曲部毎に、またはそれら屈曲部のうちの少なくとも2つに、上述したピエゾ抵抗体を形成してもよい。
その場合、ピエゾ抵抗体は、レバー部の捩れが検出されるように、探針を通りかつカンチレバーの長手方向に沿った直線を中心軸として、屈曲部に、対称的に形成されるのが好ましい。
さらに、図6に示す自己検知型SPMプローブ50のように、レバー部と支持部とを連結する屈曲部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形成領域および導電層を設けてもよい。
以上説明したように、実施の形態1によれば、カンチレバー202のレバー部と支持部とが2つの屈曲部によって連結され、ピエゾ抵抗体を、それら屈曲部上にレバー部から支持部に亘って直線状に形成しているので、屈曲部をピエゾ抵抗体形成領域として有効に利用でき、細く形成することが可能となる。
そのため、2つのピエゾ抵抗体間において、カンチレバー202の捩れにより生じる両屈曲部の変位差を示す抵抗値差が、顕著にかつ正確に現れる。
さらに、それぞれのピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端からピエゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続したメタルコンタクト部を形成して、両メタルコンタクト部から、カンチレバー202の支持部におけるピエゾ抵抗体の形成されていない部分へと、配線となる導電層が、下層に酸化層を配した状態で導かれている。
すなわち、屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を、支持部上に導かれた2つの導電層から読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバー202の撓み量および捩れ量を検出する信号処理部への接続を容易にしている。
なお、この場合の信号処理部は、従来の光てこ型カンチレバーおよび4分割フォトダイオードを使用したAFMにおける信号処理と同様な演算処理によって、カンチレバーの探針と試料表面との摩擦力を導出するものである。
(実施の形態2)つぎに、実施の形態2にかかる自己検知型SPMプローブについて説明する。
図7は、実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブ60の平面図である。
自己検知型SPMプローブ60は、レバー部に位置したピエゾ抵抗体22および24のメタルコンタクト部42および44から屈曲部を介して支持部へと導かれる導電層32および34が、ピエゾ抵抗体22および24上に形成されていない点で、実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ10とは異なる。
図7において、自己検知型SPMプローブ60は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持部とを2つの屈曲部によって連結された構成となっている。
2つの屈曲部上には、図1と同様に、それぞれピエゾ抵抗体22および24がレバー部から支持部に至って直線状に形成されている。
また、SOIシリコン層16とピエゾ抵抗体22および24の表面には、絶縁層(図示せず)が形成されている。
配線となる導電層32は、メタルコンタクト部42との電気的接続を果たすために、その一部のみをピエゾ抵抗体22上に形成し、その他の部分を、ピエゾ抵抗体22の形成されていない領域に形成して、レバー部から支持部に至って導かれている。
すなわち、ピエゾ抵抗体22の配置された一方の屈曲部上においては、ピエゾ抵抗体22と導電層32の2つの領域が、それぞれ個別に存在する。
配線となる導電層34もまた同様に、メタルコンタクト部44との電気的接続を果たすために、その一部のみをピエゾ抵抗体24上に形成し、その他の部分を、ピエゾ抵抗体24の形成されていない領域に形成して、レバー部から支持部に至って導かれている。
すなわち、ピエゾ抵抗体24の配置された他方の屈曲部上においては、ピエゾ抵抗体24と導電層34の2つの領域が、それぞれ個別に存在する。
ピエゾ抵抗体22の他方のメタルコンタクト部36との電気的接続を果たす導電層26は、支持部においてピエゾ抵抗体22の形成されていない領域まで導かれる。
また、同様に、ピエゾ抵抗体24の他方のメタルコンタクト部38との電気的接続を果たす導電層28は、支持部においてピエゾ抵抗体24の形成されていない領域まで導かれる。
従って、導電層26および32によって、一方の屈曲部上のピエゾ抵抗体22の抵抗値を読み出すことができ、導電層28および34によって、他方の屈曲部上のピエゾ抵抗体24の抵抗値を読み出すことができる。
図7に示した自己検知型SPMプローブ60の形成工程は、前述した説明した図4および図5と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、自己検知型SPMプローブ60において形成される屈曲部は、3つ以上でもよく、それら屈曲部毎に、またはそれら屈曲部のうちの少なくとも2つに、上述したピエゾ抵抗体を形成してもよい。
その場合、ピエゾ抵抗体は、レバー部の捩れが検出されるように、探針を通りかつカンチレバーの長手方向に沿った直線を中心軸として、屈曲部に、対称的に形成されるのが好ましい。
また、自己検知型SPMプローブ60においては、ピエゾ抵抗体22および導電層32を一方の屈曲部上に配置し、ピエゾ抵抗体24および導電層34を他方の屈曲部上に配置したが、図8に示す自己検知型SPMプローブ70のように、屈曲部を4つ設け、各ピエゾ抵抗体と各導電層とを屈曲部上に1つずつ割り当てて配置させてもよい。
さらに、図9に示す自己検知型SPMプローブ80のように、レバー部と支持部とを連結する屈曲部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形成領域および導電層を設けてもよい。
以上に説明した実施の形態2において、さらに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図17のリファレンス204に相当する参照用カンチレバーを支持部に設けてもよい。
その場合、参照用カンチレバーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SPMプローブ60(または70、80)と同様な構成であり、自己検知型SPMプローブ60(または70、80)の動作と並行して、その参照用カンチレバー上のピエゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われる。
これは、従来の自己検知型SPMプローブにおけるリファレンスと同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な変動情報を自己検知型SPMプローブ60(または70、80)において測定される抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提供するものである。
以上説明したように、実施の形態2によれば、自己検知型SPMプローブ60(または70、80)のレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘って直線状に形成し、且つそれぞれのピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために配線となる導電層の一方を、レバー部に位置するピエゾ抵抗体と電気的に接続し、レバー部から支持部へと導かれるように、ピエゾ抵抗体とは別領域の屈曲部上に形成しているので、その導電層のために屈曲部の領域を有効に利用することができる。
すなわち、導電層の面積を大きくして抵抗率を低減させることができ、それにより屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を高精度に読み出すことができる。
(実施の形態3)つぎに、実施の形態3にかかる自己検知型SPMプローブについて説明する。
図10は、実施の形態3に係る自己検知型SPMプローブ90の平面図である。
自己検知型SPMプローブ90は、レバー部に位置したピエゾ抵抗体22および24のメタルコンタクト部42および44から屈曲部を介して支持部へと導かれる導電層が、ピエゾ抵抗体22および24上に形成されず、且つその導電層を共通にしている点で、実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ10とは異なる。
図10において、自己検知型SPMプローブ90は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持部とを3つの屈曲部によって連結された構成となっている。
3つの屈曲部のうち両端の2つの屈曲部上には、図1と同様に、それぞれピエゾ抵抗体22および24が、レバー部から支持部に至って直線状に形成されている。
また、SOIシリコン層16とピエゾ抵抗体22および24の表面には、絶縁層(図示せず)が形成されている。
配線となる導電層30は、メタルコンタクト部42および44との電気的接続を果たすために、その一部のみをピエゾ抵抗体22上に形成し、その他の部分を、ピエゾ抵抗体22の形成されていない領域に形成し、中央の屈曲部上を、レバー部から支持部に至ってT字状に形成されている。
すなわち、ピエゾ抵抗体22および24のレバー部に位置する端部は、導電層30によって共通に電気的に接続され、支持部側へと電気的に配線されている。
ピエゾ抵抗体22の他方のメタルコンタクト部36との電気的接続を果たす導電層26は、支持部においてピエゾ抵抗体22の形成されていない領域まで導かれる。
また、同様に、ピエゾ抵抗体24の他方のメタルコンタクト部38との電気的接続を果たす導電層28は、支持部においてピエゾ抵抗体24の形成されていない領域まで導かれる。
従って、導電層26および30によって、一方の屈曲部上のピエゾ抵抗体22の抵抗値を読み出すことができ、導電層28および30によって、他方の屈曲部上のピエゾ抵抗体24の抵抗値を読み出すことができる。
図10に示した自己検知型SPMプローブ90の形成工程は、前述した説明した図4および図5と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、自己検知型SPMプローブ90においては、ピエゾ抵抗体22、24および導電層30を、それぞれ個別の屈曲部上に配置したが、図11に示す自己検知型SPMプローブ100のように、レバー部と支持部とを連結する屈曲部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形成領域および導電層を設けてもよい。
以上に説明した実施の形態3において、さらに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図17のリファレンス204に相当する参照用カンチレバーを支持部に設けてもよい。
その場合、参照用カンチレバーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SPMプローブ90(または100)と同様な構成であり、自己検知型SPMプローブ90(または100)の動作と並行して、その参照用カンチレバー上のピエゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われる。
これは、従来の自己検知型SPMプローブにおけるリファレンスと同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な変動情報を自己検知型SPMプローブ90(または100)において測定される抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提供するものである。
以上説明したように、実施の形態3によれば、自己検知型SPMプローブ90(または100)のレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘って直線状に形成し、且つそれぞれのピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために配線となる導電層の一方を、レバー部に位置するピエゾ抵抗体と電気的に接続し、レバー部から支持部へと導かれるように、ピエゾ抵抗体とは別領域の屈曲部上に形成しているので、その導電層のために屈曲部の領域を有効に利用することができる。
すなわち、導電層の面積を大きくして抵抗率を低減させることができ、それにより屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を高精度に読み出すことができる。
さらに、1つの導電層を共通にして使用しているので、屈曲部上に配置される導電層の数を減少させることができ、これにより屈曲部の幅を狭くできるため、より顕著にレバーの撓み量を検出することができる。
(実施の形態4)つぎに、実施の形態4にかかる自己検知型SPMプローブについて説明する。
図12は、実施の形態4に係る自己検知型SPMプローブ110の平面図である。
自己検知型SPMプローブ110は、1つの屈曲部上に、支持部−レバー部−支持部に亘ってU字状のピエゾ抵抗体が形成され、且つ各ピエゾ抵抗体のレバー部に位置する部分の一部に、低抵抗層を設けている点で、実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ10とは異なる。
図12において、自己検知型SPMプローブ110は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持部とを2つの屈曲部によって連結された構成となっている。
2つの屈曲部上には、それぞれピエゾ抵抗体112および114が、支持部−レバー部−支持部に亘ってU字状に形成されている。
また、SOIシリコン層16とピエゾ抵抗体112および114の表面には、絶縁層(図示せず)が形成されている。
ピエゾ抵抗体112のレバー部に位置する部分、特に、レバー部の長手方向に対して垂直な方向の部分に、低抵抗層116が形成されている。
低抵抗層116は、メタルコンタクト部113および115によって、下層のピエゾ抵抗体112との電気的接続を果たし、後述する導電層32および34と同材料の金属であることが好ましい。
レバー部において捩れ量を検出するのに、レバー部の長手方向に対して垂直な方向のピエゾ抵抗体領域は意味をもたず、むしろ高抵抗領域として機能する。
低抵抗層116は、その部分に流れる電流を迂回させるために機能し、より捩れ量の実質的な検出を可能にする。
ピエゾ抵抗体114のレバー部に位置する部分もまた、ピエゾ抵抗体112と同様に、低抵抗層118が形成されている。
低抵抗層118は、メタルコンタクト部117および119によって、下層のピエゾ抵抗体114との電気的接続を果たしている。
そして、導電層26および32は、それぞれピエゾ抵抗体112の端部に位置するメタルコンタクト部36および42との電気的接続を果たし、支持部においてピエゾ抵抗体112の形成されていない領域まで導かれる。
また、同様に、導電層28および34は、それぞれピエゾ抵抗体114の端部に位置するメタルコンタクト部38および44との電気的接続を果たし、支持部においてピエゾ抵抗体114の形成されていない領域まで導かれる。
従って、導電層26および32によって、一方の屈曲部上のピエゾ抵抗体112の抵抗値を読み出すことができ、導電層28および34によって、他方の屈曲部上のピエゾ抵抗体114の抵抗値を読み出すことができる。
図12に示した自己検知型SPMプローブ110の形成工程は、前述した説明した図4および図5と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、自己検知型SPMプローブ110において形成される屈曲部は、3つ以上でもよく、それら屈曲部毎に、またはそれら屈曲部のうちの少なくとも2つに、上述したピエゾ抵抗体を形成してもよい。
その場合、ピエゾ抵抗体は、レバー部の捩れが検出されるように、探針を通りかつカンチレバーの長手方向に沿った直線を中心軸として、屈曲部に、対称的に形成されるのが好ましい。
また、自己検知型SPMプローブ110においては、ピエゾ抵抗体112を一方の屈曲部上に配置し、ピエゾ抵抗体114を他方の屈曲部上に配置したが、図13に示す自己検知型SPMプローブ120のように、屈曲部を4つ設け、レバー部から支持部に亘る各ピエゾ抵抗体の直線部分を屈曲部上に1つずつ割り当てて配置させてもよい。
さらに、図14に示す自己検知型SPMプローブ130のように、レバー部と支持部とを連結する屈曲部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形成領域および導電層を設けてもよい。
以上に説明した実施の形態4において、さらに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図17のリファレンス204に相当する参照用カンチレバーを支持部に設けてもよい。
その場合、参照用カンチレバーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SPMプローブ110(または120、130)と同様な構成であり、自己検知型SPMプローブ110(または120、130)の動作と並行して、その参照用カンチレバー上のピエゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われる。
これは、従来の自己検知型SPMプローブにおけるリファレンスと同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な変動情報を自己検知型SPMプローブ110(または120、130)において測定される抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提供するものである。
以上説明したように、実施の形態4によれば、自己検知型SPMプローブ110(または120、130)のレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘ってU字状に形成し、且つレバー部に位置するピエゾ抵抗体の一部に低抵抗層を設け、屈曲部上に配置される直線部分のピエゾ抵抗体の数を増加しているので、より顕著な捩れ量変化を高精度に検出することができる。
さらに、ピエゾ抵抗体上の低抵抗層の存在により、電流損失の少ない、より実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値の検出が可能になる。
(実施の形態5)自己検知型SPMプローブとして用いられるカンチレバーは、実施の形態1において説明した作成工程によって最終的に、円形状をした単結晶の薄片すなわちウェハ上にマトリクス状に複数個並置された状態で得られる。
よって、カンチレバーは、一般に、ウェハ上から個別に取り出した状態で使用される。
しかしながら、例えば使用されるカンチレバーが不良であった場合に、そのカンチレバーがウェハ上のどの位置に形成されていたかを知る術がなかった。
そこで、実施の形態5に係る自己検知型SPMプローブは、その自己検知型SPMプローブとして用いられるカンチレバーが作成されたウェハ上において、その作成された位置を特定するための識別マークを付している。
図15は、実施の形態1〜4のいずれか1つに係るカンチレバーまたは自己検知型SPMプローブが、シリコンウェハ150上のカンチレバー形成領域151においてマトリクス状に複数形成された状態を示す。
ここで、カンチレバー形成領域151は、円形状のシリコンウェハ150内に収まる領域であり、特に、個々のカンチレバーが方形状の領域で仕切られて、複数個収められている。
この複数のカンチレバーに対して、それぞれ個別に識別マークを与える。
例えば、図15に示すように、カンチレバー形成領域151において、マトリクスの要素区域すなわち各カンチレバーの方形領域の長軸方向に沿って配置される最大の数(図15の場合は、8)と短軸方向に沿って配置される最大の数(図15の場合は、16)をそれぞれ縦と横にした仮想マトリクス(図15の場合は、8ラ16)を考える。
さらに、この仮想マトリクスの縦軸に沿った要素区域に対して、それぞれA,B,C,...と記号を付す。
同様に、横軸に沿った要素区域に対して、それぞれ01,02,03,...と番号を付す。
これにより、仮想マトリクス内の要素区域が記号と番号によって特定でき、これを識別マークとする。
例えば、カンチレバー152は、F−06の要素区域として表すことができる。
この場合、カンチレバー形成領域151に含まれない要素区域(例えば、A−01〜A−05)には、実際には、カンチレバーは形成されないが、識別マークからウェハ上の位置を特定するには、このように、方形状のマトリクスを想定した方が直感的に判り易い。
なお、識別マークとして使用する符号は、マトリクス内において位置が特定できる記号または番号であれば何でも良い。
図16は、実施の形態1〜4のいずれか1つに係る自己検知型SPMプローブの支持部上に、上記したように決定された識別マーク161または162を形成した自己検知型SPMプローブ10を示している。
これら識別マークは、実施の形態1において説明されたカンチレバーの作成工程の1つとして、例えば、図5(g)に示す工程においてメタルコンタクト部44,38および導電層28,34(図示していない)と同時に、アルミニウム(Al)等で形成する。
以上説明したように、実施の形態5によれば、カンチレバー上に識別マークを付すことで、その識別マークからカンチレバーの形成されたウェハ上の位置を特定できる。
よって、特に不良なカンチレバーに対して、ウェハ上における不良カンチレバー位置分布を得ることができ、さらには、その不良カンチレバー位置分布によって不良要因を特定し、その要因を取り除くように、カンチレバー作成工程を再現性高く、良質な工程となるように改善することができる。
実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブの平面図である。 図1のA−A'線断面図である。 図1のB−B'線断面図である。 実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブの形成工程を説明する図である。 実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブの形成工程を説明する図である。 実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブの他の例の平面図である。 実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブの平面図である。 実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブの他の例の平面図である。 実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブの他の例の平面図である。 実施の形態3に係る自己検知型SPMプローブの平面図である。 実施の形態3に係る自己検知型SPMプローブの他の例の平面図である。 実施の形態4に係る自己検知型SPMプローブの平面図である。 実施の形態4に係る自己検知型SPMプローブの他の例の平面図である。 実施の形態4に係る自己検知型SPMプローブの他の例の平面図である。 カンチレバーをマトリクス状に形成した半導体ウェハを示す図である。 実施の形態5に係る識別マークを形成した自己検知型カンチレバーを示す図である。 従来の自己検知型SPMプローブの平面図である。 図17のC−C'線断面図である。
符号の説明
10,50,60,70,80,90,100,110,120,130 自己検知型SPMプローブ
12 探針
14,17 酸化層
15,16 シリコン層
22,24,112,114 ピエゾ抵抗体
26,28,32,34 導電層
36,38,42,44,113,115,117,119 メタルコンタクト部
116,118 低抵抗層
152、202 カンチレバー


Claims (4)

  1. 先鋭化された探針を先端に設けたレバー部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバー部と前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバーを構成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体をU字状に設けた自己検知型SPMプローブにおいて、
    前記レバー部に位置する前記ピエゾ抵抗体の一部に、該ピエゾ抵抗体と電気的に接続した低抵抗層を形成したことを特徴とする自己検知型SPMプローブ。
  2. 前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する両端からそれぞれ電極配線を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自己検知型SPMプローブ。
  3. 前記ピエゾ抵抗体は、前記屈曲部上に複数個形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の自己検知型SPMプローブ。
  4. 前記屈曲部を少なくとも2つ設け、前記各屈曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記電極配線を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の自己検知型SPMプローブ。

JP2005308983A 1998-08-07 2005-10-24 自己検知型spmプローブ Expired - Fee Related JP4185089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005308983A JP4185089B2 (ja) 1998-08-07 2005-10-24 自己検知型spmプローブ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22479798 1998-08-07
JP2005308983A JP4185089B2 (ja) 1998-08-07 2005-10-24 自己検知型spmプローブ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11177337A Division JP2000111563A (ja) 1998-08-07 1999-06-23 自己検知型spmプロ―ブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006126190A true JP2006126190A (ja) 2006-05-18
JP4185089B2 JP4185089B2 (ja) 2008-11-19

Family

ID=36721047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005308983A Expired - Fee Related JP4185089B2 (ja) 1998-08-07 2005-10-24 自己検知型spmプローブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4185089B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011242780A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Robert Bosch Gmbh マイクロ振動装置のための接続構造
KR20190007324A (ko) * 2017-07-12 2019-01-22 (주) 텔로팜 식물의 수액 흐름 상태 측정용 마이크로 니들 프로브 장치
CN110662972A (zh) * 2017-07-21 2020-01-07 吉佳蓝科技股份有限公司 探针卡用薄膜电阻器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011242780A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Robert Bosch Gmbh マイクロ振動装置のための接続構造
KR20190007324A (ko) * 2017-07-12 2019-01-22 (주) 텔로팜 식물의 수액 흐름 상태 측정용 마이크로 니들 프로브 장치
KR102168187B1 (ko) 2017-07-12 2020-10-20 (주)텔로팜 식물의 수액 흐름 상태 측정용 마이크로 니들 프로브 장치
CN110662972A (zh) * 2017-07-21 2020-01-07 吉佳蓝科技股份有限公司 探针卡用薄膜电阻器
CN110662972B (zh) * 2017-07-21 2021-12-14 吉佳蓝科技股份有限公司 探针卡用薄膜电阻器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4185089B2 (ja) 2008-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0619872B1 (en) Piezoresistive cantilever for atomic force microscopy
US6383823B1 (en) Probe for scanning probe microscope (SPM) and SPM device
JP4425270B2 (ja) プローブヘッドの製造方法
JP4200147B2 (ja) 微細構造体、カンチレバー、走査型プローブ顕微鏡及び微細構造体の変形量測定方法
EP0584233B1 (en) Submicron tip structure with opposed tips
US5386720A (en) Integrated AFM sensor
JP3700910B2 (ja) 半導体歪センサ及びその製造方法ならびに走査プローブ顕微鏡
US20020178801A1 (en) Self-detecting type SPM probe
US6388252B1 (en) Self-detecting type of SPM probe and SPM device
JP4185089B2 (ja) 自己検知型spmプローブ
JPH05248810A (ja) 集積型afmセンサー
JP2001124798A (ja) 微小接触式プローバー
JPH08262040A (ja) Afmカンチレバー
EP0802394A1 (en) Scanning probe microscope, semiconductor distortion sensor for use therein and manufacturing process for manufacture thereof
US6405583B1 (en) Correlation sample for scanning probe microscope and method of processing the correlation sample
JP3599880B2 (ja) カンチレバーチップ
JP2000111563A (ja) 自己検知型spmプロ―ブ
JP5523497B2 (ja) 片持梁を備えたマイクロマシン構成部材及び一体化された電気的な機能エレメント
JP3768639B2 (ja) カンチレバー型プローブ及び該プローブを備えた走査型プローブ顕微鏡
JP2006226975A (ja) 微小力測定装置、微小力測定方法および触診装置
JP3433782B2 (ja) 走査プローブ顕微鏡およびその半導体歪センサならびにその製造方法
JPH05312562A (ja) 集積型afmセンサー
JP2000137932A (ja) 情報の記録または再生を行うプローブおよびその作製方法、並びにそのプローブを用いた情報記録再生方法および情報記録再生装置
JPH08220116A (ja) 集積型spmセンサー
JPH10282129A (ja) 半導体歪センサおよびこれを用いた走査型プローブ顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080902

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080904

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 3

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees