JP2000111563A - 自己検知型spmプロ―ブ - Google Patents

自己検知型spmプロ―ブ

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JP2000111563A
JP2000111563A JP11177337A JP17733799A JP2000111563A JP 2000111563 A JP2000111563 A JP 2000111563A JP 11177337 A JP11177337 A JP 11177337A JP 17733799 A JP17733799 A JP 17733799A JP 2000111563 A JP2000111563 A JP 2000111563A
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寛 高橋
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信宏 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カンチレバーの撓み量および捩れ量をより正
確に検出することのできる自己検知型SPMプローブを
提供する。 【解決手段】 先端に探針12を設けたレバー部とその
レバー部を支持する支持部とが2つの屈曲部によって連
結されて構成されるカンチレバーにおいて、その屈曲部
上にピエゾ抵抗体22,24を前記レバー部から前記支
持部に向かう方向に直線状に設けた。よって、屈曲部を
ピエゾ抵抗体形成領域として有効に利用でき、さらには
その領域を細く形成することが可能となるので、2つの
ピエゾ抵抗体間において、カンチレバーの捩れにより生
じる両屈曲部の変位差を示す抵抗値差を顕著にかつ正確
に読み出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板表面に
ピエゾ抵抗体の設けられたカンチレバーを用いた自己検
知型SPMプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、試料表面におけるナノメートルオ
ーダの微小な領域を観察するための顕微鏡の1つとし
て、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning
Probe Microscope)が用いられてい
る。その中でも、原子間力顕微鏡(AFM:Atomi
c Force Microscope)は、走査プロ
ーブとして、先端部に探針を設けたカンチレバーを使用
しており、そのカンチレバーの探針を試料表面に沿って
走査し、試料表面と探針との間に発生する原子間力(引
力または斥力)をカンチレバーの撓み量として検出する
ことにより、試料表面の形状測定を達成している。
【0003】カンチレバーの撓み量は、一般に、カンチ
レバーにレーザ光を照射して、その反射角の変化を計測
することにより検出される。ここで、この方式に用いら
れるカンチレバーを特に光てこ式カンチレバーと称す
る。しかしながら、この光てこ式カンチレバーを使用す
る際には、カンチレバーに向けて照射するレーザ光の照
射角度と、カンチレバーからの反射光を検出するフォト
ダイオードの位置等の微調整が必要であり、特に、頻繁
に行われるカンチレバーの交換の際に、その微調整を繰
り返し行わなければならないという煩雑さが伴ってい
た。
【0004】そこで、カンチレバーにピエゾ抵抗体を形
成し、その抵抗値の変動を計測することによってカンチ
レバーの撓み量を検出する自己検知型SPMプローブが
注目されている。
【0005】従来の自己検知型SPMプローブの構成を
図17および図18に示す。図18は図17のC−C’
線における断面図である。図17に示すように、自己
検知型SPMプローブ200は、先端に探針(図示せ
ず)を設けたカンチレバー202と、参照抵抗値を計測
するためのリファレンス204とから構成されている。
これらのカンチレバー202およびリファレンス204
は、その表面にそれぞれU字状のピエゾ抵抗体208お
よび210を形成している。ここでは、ピエゾ抵抗体2
08および210は、n型のシリコン基板206の表面
に、それぞれU字状にp型の不純物イオンを選択的に注
入することにより、p+のピエゾ抵抗体として形成され
ている。
【0006】さらに、シリコン基板206の表面には、
図18に示すように、カンチレバー202のメタルコン
タクト部と、リファレンス204のメタルコンタクト部
とを除いて表面を保護するシリコン酸化膜(SiO2
212が形成される。そして、各メタルコンタクト部に
は、コンタクト用のアルミニウム電極(Al)214、
216、218および220がそれぞれ埋め込まれる。
ここでは、n型のシリコン基板206の表面に、p型の
不純物イオンを注入してp+のピエゾ抵抗体208およ
び210を形成したが、逆に、p型のシリコン基板を用
いた場合は、基板表面にn型の不純物イオンを注入して
n+のピエゾ抵抗体が形成される。
【0007】このような従来の自己検知型SPMプロー
ブ200による試料表面の観察は、まず、先端部に探針
が設けられたカンチレバー202を試料表面に沿って走
査すすることにより行う。その際に発生する試料表面と
探針との間の原子間力(引力または斥力)が、カンチレ
バー202を撓ませ、この撓みは、カンチレバー202
上に形成されたピエゾ抵抗体208の抵抗値を変動させ
る。この抵抗値がカンチレバー202の撓み量として検
出される。ピエゾ抵抗体208の抵抗値の変動は、上記
メタルコンタクト部のアルミニウム電極214および2
16を介して、信号処理部(図示せず)に導かれ、試料
表面を表す信号として画像化される。
【0008】また、上記動作と並行して、リファレンス
204においても抵抗値の測定が行われる。これは、ピ
エゾ抵抗体自体の抵抗値が、温度条件等の撓み以外の条
件によって変動するため、その不要な変動情報をカンチ
レバー202において測定される抵抗値の変動から取り
除くための参照抵抗値を提供するものである。特に、こ
こでは、ホイーストン・ブリッジを用いた温度補償が実
現される。
【0009】このようなピエゾ抵抗体を用いた自己検知
型SPMプローブに関しては、特開平第5−11645
8号および米国特許第5,345,815号に開示され
ている。
【0010】以上に説明したように、自己検知型SPM
プローブを原子間力顕微鏡に用いた場合には、プローブ
自体にカンチレバーの撓み量を検出する検出器すなわち
ピエゾ抵抗体が形成されているので、カンチレバーの交
換の際に、検出器の位置調整といった煩雑な作業を必要
とせず、試料の観察に迅速に取り掛かることが可能であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】SPMプローブとして
光てこ式カンチレバーを使用する場合、レーザビームの
反射光を検出するフォトダイオードを2ラ2の4分割に
することで、試料表面に垂直な方向(Z方向)の力に対
するカンチレバーの変位量すなわち撓み量を検出できる
だけでなく、水平方向、特にカンチレバー長手方向に直
交した方向(X方向)の力に対するカンチレバーの変位
量を検出することができる。このX方向の力に対する変
位は、実際には、カンチレバーの捩れによってもたらさ
れ、カンチレバー先端の探針と試料表面との間において
カンチレバーの走査の際に生じる摩擦力等を起因とす
る。
【0012】しかしながら、従来の自己検知型SPMプ
ローブにあっては、図17に示すように、カンチレバー
に形成された1組のピエゾ抵抗体から検出される抵抗値
の変動を検出しており、抵抗値の変動がカンチレバーの
撓みによるものか、捩れによるものかを明確に区別する
ことはできなかった。
【0013】すなわち、従来の自己検知型SPMプロー
ブにおいては、カンチレバー先端の探針と試料表面との
間において生じる水平方向の力に対するカンチレバーの
変位量すなわち捩れ量を検出することはできなかった。
【0014】そこで、例えば、米国特許第5,444,
244号に開示されているピエゾ抵抗体カンチレバー
は、支持部からU字状のレバー部を突出させた構成とし
ており、そのU字を形成するレバー部と、支持部とを連
結する2つの連結部すなわちカンチレバーの屈曲部にお
いて、その表面にそれぞれU字状のピエゾ抵抗体を形成
している。2つのU字状のピエゾ抵抗体は、一端を互い
に接続してクランド電位が与えられており、他端をそれ
ぞれ増幅器に接続している。それら2つの増幅器から得
られる信号は加算器および減算器に入力され、それぞれ
カンチレバーの垂直方向の変位を示す信号および水平方
向の変位を示す信号として出力される。すなわち、カン
チレバーの垂直方向の変位を示す信号によってカンチレ
バーの撓みを検出し、カンチレバーの水平方向の変位を
示す信号によってカンチレバーの捩れを検出しており、
カンチレバーの探針と試料表面との間に生じる原子間力
のみならず、カンチレバー走査時に生じる摩擦力の計測
をも達成している。
【0015】上述したようなカンチレバーの捩れの検出
は、2つの屈曲部にそれぞれ形成されたピエゾ抵抗体の
抵抗値の差分によって達成されるので、2つの屈曲部間
の変位差が顕著にかつ正確に現れるためには、それら屈
曲部をより細くすることが好ましい。しかしながら、米
国特許第5,444,244号に開示のピエゾ抵抗体カ
ンチレバーによれば、屈曲部の表面にピエゾ抵抗体をU
字状に形成しているので、屈曲部を比較的大きく形成す
る必要があった。また、それぞれ屈曲部上のピエゾ抵抗
体は、屈曲部の長手方向において2つの直線状のピエゾ
抵抗体を連結した形としてU字状を形成しているので、
屈曲部自体の捩れによりU字状のピエゾ抵抗体の直線部
分間での抵抗値変化として一部が相殺されてしまい、2
つのU字状のピエゾ抵抗体間における正確な抵抗値差を
得ることはできなかった。
【0016】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、カンチレバーの撓み量および
捩れ量をより正確に検出することのできる自己検知型S
PMプローブを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、請求項1の発明に係る自己検知
型SPMプローブは、先鋭化された探針を先端に設けた
レバー部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバ
ー部と前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバ
ーを構成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体を設け
た自己検知型SPMプローブにおいて、前記ピエゾ抵抗
体は、直線状に独立して形成されることを特徴とする。
【0018】この請求項1の発明によれば、カンチレバ
ーのレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、レバー
部から支持部に亘ってピエゾ抵抗体を直線状に且つ独立
して形成しているので、屈曲部の撓みや捩れを起因とす
る実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値変化のみを取り出すこ
とができる。
【0019】また、請求項2の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項1の発明において、前記ピエゾ
抵抗体の前記レバー部に位置する一端と、前記ピエゾ抵
抗体の前記支持部に位置する他端と、からそれぞれ電極
配線を取り出したことを特徴とする。
【0020】この請求項2の発明によれば、ピエゾ抵抗
体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端から
電極配線が導かれているので、屈曲部におけるピエゾ抵
抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それら抵抗値
変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処
理部への接続を容易にする。
【0021】また、請求項3の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項1または2の発明において、前
記ピエゾ抵抗体および前記支持部上に絶縁層を形成する
とともに、前記ピエゾ抵抗体の前記レバー部に位置する
一端と電気的に接続し且つ前記絶縁層上に前記レバー部
から前記屈曲部を通って前記支持部に連なる第1の導電
層を形成し、前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する
他端と電気的に接続し且つ前記絶縁層上に第2の導電層
を形成したことを特徴とする。
【0022】この請求項3の発明によれば、ピエゾ抵抗
体の抵抗値を読み出すために、配線となる導電層が、下
層に絶縁層を配した状態で、ピエゾ抵抗体の両端からピ
エゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続され、且つカンチレ
バーの支持部におけるピエゾ抵抗体の形成されていない
部分へと導かれている。すなわち、屈曲部のピエゾ抵抗
体の抵抗値変化を支持部上に導かれた2つの導電層から
読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバ
ーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易
にする。さらに、その導電層をピエゾ抵抗体上に形成し
ているので、屈曲部の領域を有効に利用でき、細く形成
することが可能となって、屈曲部の撓みをより顕著に検
出することができる。
【0023】また、請求項4の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項1または2の発明において、前
記屈曲部および前記支持部上に絶縁層を形成するととも
に、前記ピエゾ抵抗体の前記レバー部に位置する一端と
電気的に接続し且つ前記絶縁層上に前記レバー部から下
層に前記ピエゾ抵抗体の位置していない前記屈曲部の領
域を通って前記支持部に連なる第1の導電層を形成し、
前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する他端と電気的
に接続し且つ前記絶縁層上に第2の導電層を形成したこ
とを特徴とする。
【0024】この請求項4の発明によれば、ピエゾ抵抗
体の抵抗値を読み出すために、配線となる導電層が、下
層に絶縁層を配した状態で、ピエゾ抵抗体の両端からピ
エゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続され、且つカンチレ
バーの支持部におけるピエゾ抵抗体の形成されていない
部分へと導かれている。すなわち、屈曲部のピエゾ抵抗
体の抵抗値変化を支持部上に導かれた2つの導電層から
読み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバ
ーの撓み量を検出するための信号処理部への接続を容易
にしている。さらに、導電層の面積を大きくして抵抗率
を低減させることができ、それにより屈曲部のピエゾ抵
抗体の抵抗値変化を高精度に読み出すことができる。
【0025】また、請求項5の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、先鋭化された探針を先端に設けたレバ
ー部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバー部
と前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバーを
構成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体をU字状に
設けた自己検知型SPMプローブにおいて、前記屈曲部
および前記支持部上に絶縁層を形成するとともに、前記
レバー部に位置する前記ピエゾ抵抗体の一部に、当該ピ
エゾ抵抗体と電気的に接続した低抵抗層を形成したこと
を特徴とする。
【0026】この請求項5の発明によれば、レバー部と
支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体を、レバ
ー部から支持部に亘ってU字状に形成し、且つレバー部
に位置するピエゾ抵抗体の一部に低抵抗層を設けている
ので、屈曲部上に配置される直線部分のピエゾ抵抗体の
数が増加してより顕著な捩れ量変化を高精度に検出する
ことができるとともに、ピエゾ抵抗体上の低抵抗層の存
在により、電流損失の少ない、より実質的なピエゾ抵抗
体の抵抗値の検出が可能になる。
【0027】また、請求項6の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項5の発明において、前記ピエゾ
抵抗体の前記支持部に位置する両端からそれぞれ電極配
線を取り出したことを特徴とする。
【0028】この請求項6の発明によれば、ピエゾ抵抗
体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端から
電極配線が導かれているので、屈曲部におけるピエゾ抵
抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それら抵抗値
変化からカンチレバーの撓み量を検出するための信号処
理部への接続を容易にする。
【0029】また、請求項7の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項1〜6のいずれか1つの発明に
おいて、前記ピエゾ抵抗体は、前記屈曲部上に複数個形
成されることを特徴とする。
【0030】この請求項7の発明によれば、複数個形成
したピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計測すること
により、屈曲部の捩れ量を検出することができる。
【0031】また、請求項8の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項1〜6のいずれか1つの発明に
おいて、前記屈曲部を少なくとも2つ設け、各屈曲部上
に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導電層を形成した
ことを特徴とする。
【0032】この請求項8の発明によれば、屈曲部を複
数設けることにより、各屈曲部にレバーの撓みまたは捩
れによる応力を集中させることができる。さらに、各屈
曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導電層を形
成することで、ピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計
測することにより、屈曲部の捩れ量をより高精度に検出
することができる。
【0033】また、請求項9の発明に係る自己検知型S
PMプローブは、請求項1〜8のいずれか1つの発明に
おいて、前記カンチレバーが半導体ウェハにおいて作成
され前記半導体ウェハから分離して取り出された場合
に、前記半導体ウェハ内における位置を特定する識別マ
ークを前記支持部に形成したことを特徴とする。
【0034】この請求項9の発明によれば、自己検知型
SPMプローブとして半導体ウェハに形成されるカンチ
レバーに半導体ウェハ上の位置を特定する識別マークを
形成しているので、そのカンチレバーが半導体ウェハか
ら取り出されて自己検知型SPMプローブを構成した場
合であっても、その識別マークを読み取ることにより、
そのカンチレバーが形成されていた半導体ウェハ上の位
置を特定できるので、特に不良なカンチレバーに対し
て、ウェハ上における不良カンチレバー位置分布を得る
ことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る自己検知型
SPMプローブの実施の形態を図面に基づいて詳細に説
明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定さ
れるものではない。
【0036】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
係る自己検知型SPMプローブ10の平面図である。図
1において、自己検知型SPMプローブ10は、先端に
探針12を設けたレバー部と、支持部とを2つの屈曲部
によって連結された構成となっている。2つの屈曲部上
には、それぞれピエゾ抵抗体22,24が形成されてい
る。ピエゾ抵抗体22,24は、特に屈曲部上におい
て、レバー部の一部から支持部の一部に至って形成され
ている。さらに、ピエゾ抵抗体22,24上および支持
部上には、絶縁層が形成されている。なお、図1におい
ては、図を簡略化して理解を容易にするため、絶縁層を
図示していない。また、これら2つの屈曲部とピエゾ抵
抗体22,24は、カンチレバー202の長手方向に探
針12を通過する線を中心軸として、両対称に形成され
る。
【0037】絶縁層上においては、配線となる導電層2
6,28が、ピエゾ抵抗体22,24のレバー部に位置
する部分から屈曲部とピエゾ抵抗体22,24の支持部
に位置する部分とを介し、カンチレバーの支持部におい
てピエゾ抵抗体22,24の形成されていない部分にま
でそれぞれ形成されている。導電層26のレバー部に位
置する一端と、下層のピエゾ抵抗体22とは、メタルコ
ンタクト部42において電気的に接続される。同様に、
導電層28のレバー部に位置する一端と、下層のピエゾ
抵抗体24とは、メタルコンタクト部44において電気
的に接続される。
【0038】さらに、絶縁層上において、配線となる導
電層32,34が、ピエゾ抵抗体22,24の支持部に
位置する部分から、支持部においてピエゾ抵抗体22,
24の形成されていない部分に至ってそれぞれ形成され
ている。導電層32のピエゾ抵抗体22に位置する一端
と、下層のピエゾ抵抗体22とは、メタルコンタクト部
36において電気的に接続される。同様に、導電層34
のピエゾ抵抗体24に位置する一端と、下層のピエゾ抵
抗体24とは、メタルコンタクト部38において電気的
に接続される。
【0039】つぎに、図2は、図1のA−A’線におけ
る断面図を示しており、カンチレバー202は、図2に
示すように、シリコンから成る半導体基板15上に埋め
込み酸化層(SiO2)14を形成し、さらにその上に
シリコン層16を熱的に貼り合わせたSOI(Sili
con on Insulater)技術を用いること
によって形成される。このSOI技術によって、ピエゾ
抵抗体22,24間は、絶縁度の高い素子分離が果たさ
れる。
【0040】上記したカンチレバー202の支持部は、
図2に示すように、酸化層14を表面に形成した半導体
基板15を基体とし、さらに酸化層14上には、シリコ
ン層16が形成されている。このシリコン層16中にピ
エゾ抵抗体22,24が形成され、図2においては、メ
タルコンタクト部36,38が、ピエゾ抵抗体22,2
4にそれぞれ接続されて示されている。
【0041】また、図3は、図1のB−B’線における
断面図を示しており、上記したカンチレバー202のレ
バー部は、図3に示すように、2つの屈曲部を介して支
持部と連結したシリコン層16を基体とし、ピエゾ抵抗
体22,24もまた、支持部と同様にシリコン層16中
に形成されている。図3においては、メタルコンタクト
部42,44が、ピエゾ抵抗体22,24にそれぞれ接
続されて示されている。
【0042】さらに、シリコン層16とピエゾ抵抗体2
2,24から成る層は、メタルコンタクト部36,3
8,42および44を除く表面に酸化層17を形成して
いる。なお、この酸化層17が、上述した絶縁層に相当
する。よって、この酸化層17上に、上述した配線とな
る導電層26,28が形成される。
【0043】従って、ピエゾ抵抗体22に接続されたメ
タルコンタクト部36,42を両端子とすることによ
り、ピエゾ抵抗体22においてカンチレバー202の屈
曲部に位置する部分の抵抗値を読み取ることができる。
さらに、カンチレバー202のレバー部に位置するメタ
ルコンタクト部42から配線される導電層26は、ピエ
ゾ抵抗体22の表面に形成された絶縁層17上に配置さ
れ、かつカンチレバー202のレバー部から屈曲部を介
して支持部へと導かれている。すなわち、導電層26
は、一端をレバー部に位置し、他端をカンチレバー20
2の支持部においてピエゾ抵抗体22の形成されていな
い部分に位置している。
【0044】また、メタルコンタクト部36から配線さ
れる導電層32は、両端ともにカンチレバー202の支
持部に配置され、一端をピエゾ抵抗体22の形成されて
いる部分に位置し、他端をピエゾ抵抗体22の形成され
ていない部分に位置している。
【0045】従って、ピエゾ抵抗体22に接続されたメ
タルコンタクト部36,42は、それぞれ導電層32,
26によって、カンチレバー202の支持部においてピ
エゾ抵抗体22の形成されていない部分にまで導かれ、
その導かれた端部においてピエゾ抵抗体22の屈曲部に
位置する部分の抵抗値を読み出すことができる。
【0046】このように、2つの屈曲部の一方におい
て、その長手方向に沿って形成されたピエゾ抵抗体22
の抵抗値の計測が達成される。また、他方の屈曲部にお
いても、ピエゾ抵抗体24、導電層34,28およびメ
タルコンタクト部38,44は、一方の屈曲部における
ピエゾ抵抗体22、導電層32,26およびメタルコン
タクト部36,42にそれぞれ対称的に配置される。よ
って、他方の屈曲部においても、その長手方向に沿って
形成されたピエゾ抵抗体24の抵抗値の計測が達成され
る。
【0047】つぎに、図1に示したカンチレバー202
の形成工程を図4および図5を参照しつつ説明する。な
お、図4および図5では、図1のカンチレバー202の
ピエゾ抵抗体24を形成する工程断面を示している。
【0048】まず、図4(a)に示すように、シリコン
基板から成る半導体基板15上に埋め込み酸化層14を
形成し、さらにその埋め込み酸化層14上にn型のSO
Iシリコン層16を熱的に貼り合わせたサンドイッチ構
造のSOI基板を形成する。そして、そのSOI基板の
表面側と裏面側とを熱酸化することにより、シリコン酸
化膜(SiO2)19および13を形成し、シリコン酸
化膜19上に、さらにエッチングマスクとなるフォトレ
ジスタ膜21をパターニングする。
【0049】つぎに、フォトレジスト膜21をマスクと
して緩衝フッ酸溶液(BHF)を用いてシリコン酸化膜
19を溶液エッチングすることにより、図4(b)に示
すように、探針を形成するためのためのマスクとなるシ
リコン酸化膜(SiO2)19をパターニングする。
【0050】続いて、パターニングされたシリコン酸化
膜19をマスクとして、リアクティブ・イオン・エッチ
ング(RIE)を行うことにより、図4(c)に示すよ
うに、マスク19の下に先鋭化した探針12が形成す
る。
【0051】さらに、図4(d)に示すように、半導体
基板16表面にピエゾ抵抗体を形成する領域を開口させ
てフォトレジスト膜23を形成し、その開口部分にイオ
ン注入を行ってp+ピエゾ抵抗領域すなわちピエゾ抵抗
体24を形成する。
【0052】つぎに、フォトレジスト膜23を除去する
とともに、図5(e)に示すように、カンチレバー形状
のフォトレジスト膜25をSOIシリコン層16上に形
成する。フォトレジスト膜25をマスクとしてRIEに
よりSOIシリコン層16を、埋め込み酸化層14に達
するまでエッチングし、カンチレバーの端部を形成す
る。
【0053】そして、図5(f)に示すように、フォト
レジスト膜25を除去するとともに、裏面側のシリコン
酸化膜(SiO2)13の下にエッチングマスクとなる
フォトレジスト膜27を形成する。フォトレジスト膜2
7をマスクとして緩衝フッ酸溶液(BHF)を用いたバ
ックエッチングを行い、シリコン酸化膜13をパターニ
ング形成する。
【0054】さらに、図5(g)に示すように、SOI
シリコン層16のピエゾ抵抗体24の両端部および探針
12以外の部分をシリコン酸化膜17で被覆して表面を
保護するとともに、シリコン酸化膜17の被覆されてい
ないピエゾ抵抗体24の両端部にアルミニウム(Al)
等の金属を埋め込んでメタルコンタクト部44,38を
形成する。さらに、ここで、メタルコンタクト部44,
38から配線される導電層28,34が形成される(図
示せず)。
【0055】さらに、図5(h)に示すように、図5
(g)においてパターニング形成したシリコン酸化膜1
3をマスクとして40%の水酸化カリウム溶液(KOH
+H2O)を用いてバックエッチングを行うことによ
り、半導体基板15と埋め込み酸化層14が部分的に除
去され、ピエゾ抵抗体24を備えたSOIシリコン層1
6から成るSPMプローブ10が形成される。
【0056】なお、ここでは、n型のシリコン層16に
p+イオンを注入してp+のピエゾ抵抗体24を形成し
たが、逆に、p型のシリコン層を用いた場合は、基板に
n+イオンを注入してn+のピエゾ抵抗体が形成され
る。
【0057】以上に説明した実施の形態1において、さ
らに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図1
7のリファレンス204に相当する参照用カンチレバー
を支持部に設けてもよい。その場合、参照用カンチレバ
ーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SP
Mプローブ10と同様な構成であり、自己検知型SPM
プローブ10の動作と並行して、その参照用カンチレバ
ー上のピエゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われる。
これは、従来の自己検知型SPMプローブにおけるリフ
ァレンスと同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な
変動情報を自己検知型SPMプローブ10において測定
される抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提
供するものである。
【0058】また、自己検知型SPMプローブ10にお
いて形成される屈曲部は、3つ以上でもよく、それら屈
曲部毎に、またはそれら屈曲部のうちの少なくとも2つ
に、上述したピエゾ抵抗体を形成してもよい。その場
合、ピエゾ抵抗体は、レバー部の捩れが検出されるよう
に、探針を通りかつカンチレバーの長手方向に沿った直
線を中心軸として、屈曲部に、対称的に形成されるのが
好ましい。
【0059】さらに、図6に示す自己検知型SPMプロ
ーブ50のように、レバー部と支持部とを連結する屈曲
部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形成領
域および導電層を設けてもよい。
【0060】以上説明したように、実施の形態1によれ
ば、カンチレバー202のレバー部と支持部とが2つの
屈曲部によって連結され、ピエゾ抵抗体を、それら屈曲
部上にレバー部から支持部に亘って直線状に形成してい
るので、屈曲部をピエゾ抵抗体形成領域として有効に利
用でき、細く形成することが可能となる。そのため、2
つのピエゾ抵抗体間において、カンチレバー202の捩
れにより生じる両屈曲部の変位差を示す抵抗値差が、顕
著にかつ正確に現れる。
【0061】さらに、それぞれのピエゾ抵抗体の抵抗値
を読み出すために、ピエゾ抵抗体の両端からピエゾ抵抗
体にそれぞれ電気的に接続したメタルコンタクト部を形
成して、両メタルコンタクト部から、カンチレバー20
2の支持部におけるピエゾ抵抗体の形成されていない部
分へと、配線となる導電層が、下層に酸化層を配した状
態で導かれている。すなわち、屈曲部のピエゾ抵抗体の
抵抗値変化を、支持部上に導かれた2つの導電層から読
み出すことができ、それら抵抗値変化からカンチレバー
202の撓み量および捩れ量を検出する信号処理部への
接続を容易にしている。なお、この場合の信号処理部
は、従来の光てこ型カンチレバーおよび4分割フォトダ
イオードを使用したAFMにおける信号処理と同様な演
算処理によって、カンチレバーの探針と試料表面との摩
擦力を導出するものである。
【0062】(実施の形態2)つぎに、実施の形態2に
かかる自己検知型SPMプローブについて説明する。図
7は、実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブ6
0の平面図である。自己検知型SPMプローブ60は、
レバー部に位置したピエゾ抵抗体22および24のメタ
ルコンタクト部42および44から屈曲部を介して支持
部へと導かれる導電層32および34が、ピエゾ抵抗体
22および24上に形成されていない点で、実施の形態
1に係る自己検知型SPMプローブ10とは異なる。
【0063】図7において、自己検知型SPMプローブ
60は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持部と
を2つの屈曲部によって連結された構成となっている。
2つの屈曲部上には、図1と同様に、それぞれピエゾ抵
抗体22および24がレバー部から支持部に至って直線
状に形成されている。また、SOIシリコン層16とピ
エゾ抵抗体22および24の表面には、絶縁層(図示せ
ず)が形成されている。
【0064】配線となる導電層32は、メタルコンタク
ト部42との電気的接続を果たすために、その一部のみ
をピエゾ抵抗体22上に形成し、その他の部分を、ピエ
ゾ抵抗体22の形成されていない領域に形成して、レバ
ー部から支持部に至って導かれている。すなわち、ピエ
ゾ抵抗体22の配置された一方の屈曲部上においては、
ピエゾ抵抗体22と導電層32の2つの領域が、それぞ
れ個別に存在する。
【0065】配線となる導電層34もまた同様に、メタ
ルコンタクト部44との電気的接続を果たすために、そ
の一部のみをピエゾ抵抗体24上に形成し、その他の部
分を、ピエゾ抵抗体24の形成されていない領域に形成
して、レバー部から支持部に至って導かれている。すな
わち、ピエゾ抵抗体24の配置された他方の屈曲部上に
おいては、ピエゾ抵抗体24と導電層34の2つの領域
が、それぞれ個別に存在する。
【0066】ピエゾ抵抗体22の他方のメタルコンタク
ト部36との電気的接続を果たす導電層26は、支持部
においてピエゾ抵抗体22の形成されていない領域まで
導かれる。また、同様に、ピエゾ抵抗体24の他方のメ
タルコンタクト部38との電気的接続を果たす導電層2
8は、支持部においてピエゾ抵抗体24の形成されてい
ない領域まで導かれる。
【0067】従って、導電層26および32によって、
一方の屈曲部上のピエゾ抵抗体22の抵抗値を読み出す
ことができ、導電層28および34によって、他方の屈
曲部上のピエゾ抵抗体24の抵抗値を読み出すことがで
きる。
【0068】図7に示した自己検知型SPMプローブ6
0の形成工程は、前述した説明した図4および図5と同
様であるため、ここではその説明を省略する。
【0069】なお、自己検知型SPMプローブ60にお
いて形成される屈曲部は、3つ以上でもよく、それら屈
曲部毎に、またはそれら屈曲部のうちの少なくとも2つ
に、上述したピエゾ抵抗体を形成してもよい。その場
合、ピエゾ抵抗体は、レバー部の捩れが検出されるよう
に、探針を通りかつカンチレバーの長手方向に沿った直
線を中心軸として、屈曲部に、対称的に形成されるのが
好ましい。
【0070】また、自己検知型SPMプローブ60にお
いては、ピエゾ抵抗体22および導電層32を一方の屈
曲部上に配置し、ピエゾ抵抗体24および導電層34を
他方の屈曲部上に配置したが、図8に示す自己検知型S
PMプローブ70のように、屈曲部を4つ設け、各ピエ
ゾ抵抗体と各導電層とを屈曲部上に1つずつ割り当てて
配置させてもよい。
【0071】さらに、図9に示す自己検知型SPMプロ
ーブ80のように、レバー部と支持部とを連結する屈曲
部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形成領
域および導電層を設けてもよい。
【0072】以上に説明した実施の形態2において、さ
らに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図1
7のリファレンス204に相当する参照用カンチレバー
を支持部に設けてもよい。その場合、参照用カンチレバ
ーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SP
Mプローブ60(または70、80)と同様な構成であ
り、自己検知型SPMプローブ60(または70、8
0)の動作と並行して、その参照用カンチレバー上のピ
エゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われる。これは、
従来の自己検知型SPMプローブにおけるリファレンス
と同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な変動情報
を自己検知型SPMプローブ60(または70、80)
において測定される抵抗値の変動から取り除くための参
照抵抗値を提供するものである。
【0073】以上説明したように、実施の形態2によれ
ば、自己検知型SPMプローブ60(または70、8
0)のレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエ
ゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘って直線状に形成
し、且つそれぞれのピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すた
めに配線となる導電層の一方を、レバー部に位置するピ
エゾ抵抗体と電気的に接続し、レバー部から支持部へと
導かれるように、ピエゾ抵抗体とは別領域の屈曲部上に
形成しているので、その導電層のために屈曲部の領域を
有効に利用することができる。すなわち、導電層の面積
を大きくして抵抗率を低減させることができ、それによ
り屈曲部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を高精度に読み出
すことができる。
【0074】(実施の形態3)つぎに、実施の形態3に
かかる自己検知型SPMプローブについて説明する。図
10は、実施の形態3に係る自己検知型SPMプローブ
90の平面図である。自己検知型SPMプローブ90
は、レバー部に位置したピエゾ抵抗体22および24の
メタルコンタクト部42および44から屈曲部を介して
支持部へと導かれる導電層が、ピエゾ抵抗体22および
24上に形成されず、且つその導電層を共通にしている
点で、実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ1
0とは異なる。
【0075】図10において、自己検知型SPMプロー
ブ90は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持部
とを3つの屈曲部によって連結された構成となってい
る。3つの屈曲部のうち両端の2つの屈曲部上には、図
1と同様に、それぞれピエゾ抵抗体22および24が、
レバー部から支持部に至って直線状に形成されている。
また、SOIシリコン層16とピエゾ抵抗体22および
24の表面には、絶縁層(図示せず)が形成されてい
る。
【0076】配線となる導電層30は、メタルコンタク
ト部42および44との電気的接続を果たすために、そ
の一部のみをピエゾ抵抗体22上に形成し、その他の部
分を、ピエゾ抵抗体22の形成されていない領域に形成
し、中央の屈曲部上を、レバー部から支持部に至ってT
字状に形成されている。すなわち、ピエゾ抵抗体22お
よび24のレバー部に位置する端部は、導電層30によ
って共通に電気的に接続され、支持部側へと電気的に配
線されている。
【0077】ピエゾ抵抗体22の他方のメタルコンタク
ト部36との電気的接続を果たす導電層26は、支持部
においてピエゾ抵抗体22の形成されていない領域まで
導かれる。また、同様に、ピエゾ抵抗体24の他方のメ
タルコンタクト部38との電気的接続を果たす導電層2
8は、支持部においてピエゾ抵抗体24の形成されてい
ない領域まで導かれる。
【0078】従って、導電層26および30によって、
一方の屈曲部上のピエゾ抵抗体22の抵抗値を読み出す
ことができ、導電層28および30によって、他方の屈
曲部上のピエゾ抵抗体24の抵抗値を読み出すことがで
きる。
【0079】図10に示した自己検知型SPMプローブ
90の形成工程は、前述した説明した図4および図5と
同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0080】なお、自己検知型SPMプローブ90にお
いては、ピエゾ抵抗体22、24および導電層30を、
それぞれ個別の屈曲部上に配置したが、図11に示す自
己検知型SPMプローブ100のように、レバー部と支
持部とを連結する屈曲部を1つにして、その屈曲部上に
ピエゾ抵抗体の形成領域および導電層を設けてもよい。
【0081】以上に説明した実施の形態3において、さ
らに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図1
7のリファレンス204に相当する参照用カンチレバー
を支持部に設けてもよい。その場合、参照用カンチレバ
ーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SP
Mプローブ90(または100)と同様な構成であり、
自己検知型SPMプローブ90(または100)の動作
と並行して、その参照用カンチレバー上のピエゾ抵抗体
における抵抗値の測定が行われる。これは、従来の自己
検知型SPMプローブにおけるリファレンスと同様に、
ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不要な変動情報を自己検知
型SPMプローブ90(または100)において測定さ
れる抵抗値の変動から取り除くための参照抵抗値を提供
するものである。
【0082】以上説明したように、実施の形態3によれ
ば、自己検知型SPMプローブ90(または100)の
レバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗
体を、レバー部から支持部に亘って直線状に形成し、且
つそれぞれのピエゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために配
線となる導電層の一方を、レバー部に位置するピエゾ抵
抗体と電気的に接続し、レバー部から支持部へと導かれ
るように、ピエゾ抵抗体とは別領域の屈曲部上に形成し
ているので、その導電層のために屈曲部の領域を有効に
利用することができる。すなわち、導電層の面積を大き
くして抵抗率を低減させることができ、それにより屈曲
部のピエゾ抵抗体の抵抗値変化を高精度に読み出すこと
ができる。さらに、1つの導電層を共通にして使用して
いるので、屈曲部上に配置される導電層の数を減少させ
ることができ、これにより屈曲部の幅を狭くできるた
め、より顕著にレバーの撓み量を検出することができ
る。
【0083】(実施の形態4)つぎに、実施の形態4に
かかる自己検知型SPMプローブについて説明する。図
12は、実施の形態4に係る自己検知型SPMプローブ
110の平面図である。自己検知型SPMプローブ11
0は、1つの屈曲部上に、支持部−レバー部−支持部に
亘ってU字状のピエゾ抵抗体が形成され、且つ各ピエゾ
抵抗体のレバー部に位置する部分の一部に、低抵抗層を
設けている点で、実施の形態1に係る自己検知型SPM
プローブ10とは異なる。
【0084】図12において、自己検知型SPMプロー
ブ110は、先端に探針12を設けたレバー部と、支持
部とを2つの屈曲部によって連結された構成となってい
る。2つの屈曲部上には、それぞれピエゾ抵抗体112
および114が、支持部−レバー部−支持部に亘ってU
字状に形成されている。また、SOIシリコン層16と
ピエゾ抵抗体112および114の表面には、絶縁層
(図示せず)が形成されている。
【0085】ピエゾ抵抗体112のレバー部に位置する
部分、特に、レバー部の長手方向に対して垂直な方向の
部分に、低抵抗層116が形成されている。低抵抗層1
16は、メタルコンタクト部113および115によっ
て、下層のピエゾ抵抗体112との電気的接続を果た
し、後述する導電層32および34と同材料の金属であ
ることが好ましい。レバー部において捩れ量を検出する
のに、レバー部の長手方向に対して垂直な方向のピエゾ
抵抗体領域は意味をもたず、むしろ高抵抗領域として機
能する。低抵抗層116は、その部分に流れる電流を迂
回させるために機能し、より捩れ量の実質的な検出を可
能にする。
【0086】ピエゾ抵抗体114のレバー部に位置する
部分もまた、ピエゾ抵抗体112と同様に、低抵抗層1
18が形成されている。低抵抗層118は、メタルコン
タクト部117および119によって、下層のピエゾ抵
抗体114との電気的接続を果たしている。
【0087】そして、導電層26および32は、それぞ
れピエゾ抵抗体112の端部に位置するメタルコンタク
ト部36および42との電気的接続を果たし、支持部に
おいてピエゾ抵抗体112の形成されていない領域まで
導かれる。また、同様に、導電層28および34は、そ
れぞれピエゾ抵抗体114の端部に位置するメタルコン
タクト部38および44との電気的接続を果たし、支持
部においてピエゾ抵抗体114の形成されていない領域
まで導かれる。
【0088】従って、導電層26および32によって、
一方の屈曲部上のピエゾ抵抗体112の抵抗値を読み出
すことができ、導電層28および34によって、他方の
屈曲部上のピエゾ抵抗体114の抵抗値を読み出すこと
ができる。
【0089】図12に示した自己検知型SPMプローブ
110の形成工程は、前述した説明した図4および図5
と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0090】なお、自己検知型SPMプローブ110に
おいて形成される屈曲部は、3つ以上でもよく、それら
屈曲部毎に、またはそれら屈曲部のうちの少なくとも2
つに、上述したピエゾ抵抗体を形成してもよい。その場
合、ピエゾ抵抗体は、レバー部の捩れが検出されるよう
に、探針を通りかつカンチレバーの長手方向に沿った直
線を中心軸として、屈曲部に、対称的に形成されるのが
好ましい。
【0091】また、自己検知型SPMプローブ110に
おいては、ピエゾ抵抗体112を一方の屈曲部上に配置
し、ピエゾ抵抗体114を他方の屈曲部上に配置した
が、図13に示す自己検知型SPMプローブ120のよ
うに、屈曲部を4つ設け、レバー部から支持部に亘る各
ピエゾ抵抗体の直線部分を屈曲部上に1つずつ割り当て
て配置させてもよい。
【0092】さらに、図14に示す自己検知型SPMプ
ローブ130のように、レバー部と支持部とを連結する
屈曲部を1つにして、その屈曲部上にピエゾ抵抗体の形
成領域および導電層を設けてもよい。
【0093】以上に説明した実施の形態4において、さ
らに、従来の自己検知型SPMプローブと同様に、図1
7のリファレンス204に相当する参照用カンチレバー
を支持部に設けてもよい。その場合、参照用カンチレバ
ーは、探針12を取り除いたこと以外は自己検知型SP
Mプローブ110(または120、130)と同様な構
成であり、自己検知型SPMプローブ110(または1
20、130)の動作と並行して、その参照用カンチレ
バー上のピエゾ抵抗体における抵抗値の測定が行われ
る。これは、従来の自己検知型SPMプローブにおける
リファレンスと同様に、ピエゾ抵抗体自体の抵抗値の不
要な変動情報を自己検知型SPMプローブ110(また
は120、130)において測定される抵抗値の変動か
ら取り除くための参照抵抗値を提供するものである。
【0094】以上説明したように、実施の形態4によれ
ば、自己検知型SPMプローブ110(または120、
130)のレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、
ピエゾ抵抗体を、レバー部から支持部に亘ってU字状に
形成し、且つレバー部に位置するピエゾ抵抗体の一部に
低抵抗層を設け、屈曲部上に配置される直線部分のピエ
ゾ抵抗体の数を増加しているので、より顕著な捩れ量変
化を高精度に検出することができる。さらに、ピエゾ抵
抗体上の低抵抗層の存在により、電流損失の少ない、よ
り実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値の検出が可能になる。
【0095】(実施の形態5)自己検知型SPMプロー
ブとして用いられるカンチレバーは、実施の形態1にお
いて説明した作成工程によって最終的に、円形状をした
単結晶の薄片すなわちウェハ上にマトリクス状に複数個
並置された状態で得られる。よって、カンチレバーは、
一般に、ウェハ上から個別に取り出した状態で使用され
る。しかしながら、例えば使用されるカンチレバーが不
良であった場合に、そのカンチレバーがウェハ上のどの
位置に形成されていたかを知る術がなかった。
【0096】そこで、実施の形態5に係る自己検知型S
PMプローブは、その自己検知型SPMプローブとして
用いられるカンチレバーが作成されたウェハ上におい
て、その作成された位置を特定するための識別マークを
付している。
【0097】図15は、実施の形態1〜4のいずれか1
つに係るカンチレバーまたは自己検知型SPMプローブ
が、シリコンウェハ150上のカンチレバー形成領域1
51においてマトリクス状に複数形成された状態を示
す。ここで、カンチレバー形成領域151は、円形状の
シリコンウェハ150内に収まる領域であり、特に、個
々のカンチレバーが方形状の領域で仕切られて、複数個
収められている。
【0098】この複数のカンチレバーに対して、それぞ
れ個別に識別マークを与える。例えば、図15に示すよ
うに、カンチレバー形成領域151において、マトリク
スの要素区域すなわち各カンチレバーの方形領域の長軸
方向に沿って配置される最大の数(図15の場合は、
8)と短軸方向に沿って配置される最大の数(図15の
場合は、16)をそれぞれ縦と横にした仮想マトリクス
(図15の場合は、8ラ16)を考える。さらに、この
仮想マトリクスの縦軸に沿った要素区域に対して、それ
ぞれA,B,C,...と記号を付す。同様に、横軸に
沿った要素区域に対して、それぞれ01,02,0
3,...と番号を付す。これにより、仮想マトリクス
内の要素区域が記号と番号によって特定でき、これを識
別マークとする。例えば、カンチレバー152は、F−
06の要素区域として表すことができる。この場合、カ
ンチレバー形成領域151に含まれない要素区域(例え
ば、A−01〜A−05)には、実際には、カンチレバ
ーは形成されないが、識別マークからウェハ上の位置を
特定するには、このように、方形状のマトリクスを想定
した方が直感的に判り易い。なお、識別マークとして使
用する符号は、マトリクス内において位置が特定できる
記号または番号であれば何でも良い。
【0099】図16は、実施の形態1〜4のいずれか1
つに係る自己検知型SPMプローブの支持部上に、上記
したように決定された識別マーク161または162を
形成した自己検知型SPMプローブ10を示している。こ
れら識別マークは、実施の形態1において説明されたカ
ンチレバーの作成工程の1つとして、例えば、図5
(g)に示す工程においてメタルコンタクト部44,3
8および導電層28,34(図示していない)と同時
に、アルミニウム(Al)等で形成する。
【0100】以上説明したように、実施の形態5によれ
ば、カンチレバー上に識別マークを付すことで、その識
別マークからカンチレバーの形成されたウェハ上の位置
を特定できる。よって、特に不良なカンチレバーに対し
て、ウェハ上における不良カンチレバー位置分布を得る
ことができ、さらには、その不良カンチレバー位置分布
によって不良要因を特定し、その要因を取り除くよう
に、カンチレバー作成工程を再現性高く、良質な工程と
なるように改善することができる。
【0101】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、カンチ
レバーのレバー部と支持部とを連結する屈曲部上に、レ
バー部から支持部に亘ってピエゾ抵抗体を直線状に且つ
独立して形成しているので、屈曲部の撓みや捩れを起因
とする実質的なピエゾ抵抗体の抵抗値変化のみを取り出
すことができるという効果を奏する。
【0102】また、請求項2に記載の発明によれば、ピ
エゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の
両端から電極配線が導かれているので、屈曲部における
ピエゾ抵抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それ
ら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するため
の信号処理部への接続を容易にするという効果を奏す
る。
【0103】また、請求項3に記載の発明によれば、ピ
エゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、配線となる導電
層が、下層に絶縁層を配した状態で、ピエゾ抵抗体の両
端からピエゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続され、且つ
カンチレバーの支持部におけるピエゾ抵抗体の形成され
ていない部分へと導かれている。すなわち、屈曲部のピ
エゾ抵抗体の抵抗値変化を支持部上に導かれた2つの導
電層から読み出すことができ、それら抵抗値変化からカ
ンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接
続を容易にする。さらに、その導電層をピエゾ抵抗体上
に形成しているので、屈曲部の領域を有効に利用でき、
細く形成することが可能となって、屈曲部の撓みをより
顕著に検出することができるという効果を奏する。
【0104】また、請求項4に記載の発明によれば、ピ
エゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、配線となる導電
層が、下層に絶縁層を配した状態で、ピエゾ抵抗体の両
端からピエゾ抵抗体にそれぞれ電気的に接続され、且つ
カンチレバーの支持部におけるピエゾ抵抗体の形成され
ていない部分へと導かれている。すなわち、屈曲部のピ
エゾ抵抗体の抵抗値変化を支持部上に導かれた2つの導
電層から読み出すことができ、それら抵抗値変化からカ
ンチレバーの撓み量を検出するための信号処理部への接
続を容易にしている。さらに、導電層の面積を大きくし
て抵抗率を低減させることができ、それにより屈曲部の
ピエゾ抵抗体の抵抗値変化を高精度に読み出すことがで
きるという効果を奏する。
【0105】また、請求項5に記載の発明によれば、レ
バー部と支持部とを連結する屈曲部上に、ピエゾ抵抗体
を、レバー部から支持部に亘ってU字状に形成し、且つ
レバー部に位置するピエゾ抵抗体の一部に低抵抗層を設
けているので、屈曲部上に配置される直線部分のピエゾ
抵抗体の数が増加してより顕著な捩れ量変化を高精度に
検出することができるとともに、ピエゾ抵抗体上の低抵
抗層の存在により、電流損失の少ない、より実質的なピ
エゾ抵抗体の抵抗値の検出が可能になるという効果を奏
する。
【0106】また、請求項6に記載の発明によれば、ピ
エゾ抵抗体の抵抗値を読み出すために、ピエゾ抵抗体の
両端から電極配線が導かれているので、屈曲部における
ピエゾ抵抗体の抵抗値変化を読み出すことができ、それ
ら抵抗値変化からカンチレバーの撓み量を検出するため
の信号処理部への接続を容易にするという効果を奏す
る。
【0107】また、請求項7に記載の発明によれば、複
数個形成したピエゾ抵抗体間における抵抗値の差を計測
することにより、屈曲部の捩れ量を検出することができ
るという効果を奏する。
【0108】また、請求項8に記載の発明によれば、屈
曲部を複数設けることにより、各屈曲部にレバーの撓み
または捩れによる応力を集中させることができる。さら
に、各屈曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導
電層を形成することで、ピエゾ抵抗体間における抵抗値
の差を計測することにより、屈曲部の捩れ量をより高精
度に検出することができるという効果を奏する。
【0109】また、請求項9に記載の発明によれば、自
己検知型SPMプローブとして半導体ウェハに形成され
るカンチレバーに半導体ウェハ上の位置を特定する識別
マークを形成しているので、そのカンチレバーが半導体
ウェハから取り出されて自己検知型SPMプローブを構
成した場合であっても、その識別マークを読み取ること
により、そのカンチレバーが形成されていた半導体ウェ
ハ上の位置を特定できるので、特に不良なカンチレバー
に対して、ウェハ上における不良カンチレバー位置分布
を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ
の平面図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】図1のB−B’線断面図である。
【図4】実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ
の形成工程を説明する図である。
【図5】実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ
の形成工程を説明する図である。
【図6】実施の形態1に係る自己検知型SPMプローブ
の他の例の平面図である。
【図7】実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブ
の平面図である。
【図8】実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブ
の他の例の平面図である。
【図9】実施の形態2に係る自己検知型SPMプローブ
の他の例の平面図である。
【図10】実施の形態3に係る自己検知型SPMプロー
ブの平面図である。
【図11】実施の形態3に係る自己検知型SPMプロー
ブの他の例の平面図である。
【図12】実施の形態4に係る自己検知型SPMプロー
ブの平面図である。
【図13】実施の形態4に係る自己検知型SPMプロー
ブの他の例の平面図である。
【図14】実施の形態4に係る自己検知型SPMプロー
ブの他の例の平面図である。
【図15】カンチレバーをマトリクス状に形成した半導
体ウェハを示す図である。
【図16】実施の形態5に係る識別マークを形成した自
己検知型カンチレバーを示す図である。
【図17】従来の自己検知型SPMプローブの平面図で
ある。
【図18】図17のC−C’線断面図である。
【符号の説明】
10,50,60,70,80,90,100,11
0,120,130 自己検知型SPMプローブ 12 探針 14,17 酸化層 15,16 シリコン層 22,24,112,114 ピエゾ抵抗体 26,28,32,34 導電層 36,38,42,44,113,115,117,1
19 メタルコンタクト部 116,118 低抵抗層 152、202 カンチレバー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先鋭化された探針を先端に設けたレバー
    部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバー部と
    前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバーを構
    成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体を設けた自己
    検知型SPMプローブにおいて、 前記ピエゾ抵抗体は、直線状に独立して形成されること
    を特徴とする自己検知型SPMプローブ。
  2. 【請求項2】 前記ピエゾ抵抗体の前記レバー部に位置
    する一端と、 前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する他端と、から
    それぞれ電極配線を取り出したことを特徴とする請求項
    1に記載の自己検知型SPMプローブ。
  3. 【請求項3】 前記ピエゾ抵抗体および前記支持部上に
    絶縁層を形成するとともに、前記ピエゾ抵抗体の前記レ
    バー部に位置する一端と電気的に接続し且つ前記絶縁層
    上に前記レバー部から前記屈曲部を通って前記支持部に
    連なる第1の導電層を形成し、 前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する他端と電気的
    に接続し且つ前記絶縁層上に第2の導電層を形成したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の自己検知型S
    PMプローブ。
  4. 【請求項4】 前記屈曲部および前記支持部上に絶縁層
    を形成するとともに、前記ピエゾ抵抗体の前記レバー部
    に位置する一端と電気的に接続し且つ前記絶縁層上に前
    記レバー部から下層に前記ピエゾ抵抗体の位置していな
    い前記屈曲部の領域を通って前記支持部に連なる第1の
    導電層を形成し、 前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置する他端と電気的
    に接続し且つ前記絶縁層上に第2の導電層を形成したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の自己検知型S
    PMプローブ。
  5. 【請求項5】 先鋭化された探針を先端に設けたレバー
    部と、該レバー部を支持する支持部と、前記レバー部と
    前記支持部とを連結する屈曲部とからカンチレバーを構
    成し、このカンチレバー上にピエゾ抵抗体をU字状に設
    けた自己検知型SPMプローブにおいて、 前記屈曲部および前記支持部上に絶縁層を形成するとと
    もに、前記レバー部に位置する前記ピエゾ抵抗体の一部
    に、当該ピエゾ抵抗体と電気的に接続した低抵抗層を形
    成したことを特徴とする自己検知型SPMプローブ。
  6. 【請求項6】 前記ピエゾ抵抗体の前記支持部に位置す
    る両端からそれぞれ電極配線を取り出したことを特徴と
    する請求項5に記載の自己検知型SPMプローブ。
  7. 【請求項7】 前記ピエゾ抵抗体は、前記屈曲部上に複
    数個形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か1つに記載の自己検知型SPMプローブ。
  8. 【請求項8】 前記屈曲部を少なくとも2つ設け、各屈
    曲部上に前記ピエゾ抵抗体または前記第1の導電層を形
    成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに
    記載の自己検知型SPMプローブ。
  9. 【請求項9】 前記カンチレバーが半導体ウェハにおい
    て作成され前記半導体ウェハから分離して取り出された
    場合に、 前記半導体ウェハ内における位置を特定する識別マーク
    を前記支持部に形成したことを特徴とする請求項1〜8
    のいずれか1つに記載の自己検知型SPMプローブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006220597A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Sii Nanotechnology Inc 表面情報計測装置。
US8719959B2 (en) 2008-08-27 2014-05-06 Sii Nano Technology Inc. Cantilever, cantilever system, and probe microscope and adsorption mass sensor including the cantilever system
KR20160012333A (ko) * 2014-07-23 2016-02-03 한국과학기술연구원 캔틸레버 센서의 신호 측정 방법 및 장치

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