JPH07146301A - 集積型spmセンサー - Google Patents
集積型spmセンサーInfo
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- JPH07146301A JPH07146301A JP29548193A JP29548193A JPH07146301A JP H07146301 A JPH07146301 A JP H07146301A JP 29548193 A JP29548193 A JP 29548193A JP 29548193 A JP29548193 A JP 29548193A JP H07146301 A JPH07146301 A JP H07146301A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】カンチレバーの先端周辺部の面積の小さい集積
型SPMセンサーを提供する。 【構成】カンチレバー部124は、その先端が三角に尖
ったほぼ短冊形状をしており、シリコン層からなるレバ
ー構造体部114、ピエゾ抵抗部116、絶縁層11
8、電極部120が積層された構造となっている。ピエ
ゾ抵抗部の先端部には探針部119が形成されている。
絶縁層118は、探針部119の周辺の一部を除くピエ
ゾ抵抗部116の全体、およびレバー構造体部114の
先端の側面を覆っている。電極部120は、絶縁層11
8の全面および探針部119を覆っており、コンタクト
部123を介してピエゾ抵抗部116と電気的に接続さ
れている。このカンチレバー部124は、上下面に絶縁
層112と111を有するシリコン基板110で形成さ
れた支持部に固定されている。
型SPMセンサーを提供する。 【構成】カンチレバー部124は、その先端が三角に尖
ったほぼ短冊形状をしており、シリコン層からなるレバ
ー構造体部114、ピエゾ抵抗部116、絶縁層11
8、電極部120が積層された構造となっている。ピエ
ゾ抵抗部の先端部には探針部119が形成されている。
絶縁層118は、探針部119の周辺の一部を除くピエ
ゾ抵抗部116の全体、およびレバー構造体部114の
先端の側面を覆っている。電極部120は、絶縁層11
8の全面および探針部119を覆っており、コンタクト
部123を介してピエゾ抵抗部116と電気的に接続さ
れている。このカンチレバー部124は、上下面に絶縁
層112と111を有するシリコン基板110で形成さ
れた支持部に固定されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子間力顕微鏡に用い
る集積型AFMセンサーひいては走査型プローブ顕微鏡
一般に使用できる集積型SPMセンサーに関する。
る集積型AFMセンサーひいては走査型プローブ顕微鏡
一般に使用できる集積型SPMセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】導電性試料を原子サイズオーダーの分解
能で観察できる装置として走査型トンネル顕微鏡(ST
M;Scanning Tunneling Microscope )がビニッヒ(G.
Binnig )やローラー(H. Rohrer )らによって発明さ
れた。STMでは、観察できる試料は導電性のものに限
られている。
能で観察できる装置として走査型トンネル顕微鏡(ST
M;Scanning Tunneling Microscope )がビニッヒ(G.
Binnig )やローラー(H. Rohrer )らによって発明さ
れた。STMでは、観察できる試料は導電性のものに限
られている。
【0003】そこでSTMにおけるサーボ技術を始めと
する要素技術を利用しながら、STMでは測定し難かっ
た絶縁性の試料を原子サイズオーダーの精度で観察する
ことのできる顕微鏡として原子間力顕微鏡(AFM;At
omic Force Microscope )が提案された。このAFM
は、例えば特開昭62−130302(IBM, G. Binni
g, 「サンプル表面の像を形成する方法及び装置」)に
開示されている。
する要素技術を利用しながら、STMでは測定し難かっ
た絶縁性の試料を原子サイズオーダーの精度で観察する
ことのできる顕微鏡として原子間力顕微鏡(AFM;At
omic Force Microscope )が提案された。このAFM
は、例えば特開昭62−130302(IBM, G. Binni
g, 「サンプル表面の像を形成する方法及び装置」)に
開示されている。
【0004】AFMの構造はSTMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられる。AF
Mでは、カンチレバーの自由端に設けた鋭い突起部分
(探針部)を試料の近傍に配置し、探針先端と試料表面
の原子間に働く相互作用により変位するカンチレバーの
動きを電気的あるいは光学的にとらえて測定しつつ、試
料をXY方向に移動させてカンチレバーの探針部との相
対的な位置関係を変化させ、つまりXY走査を行ない、
探針部と試料の位置関係およびカンチレバーの動きに基
づいて、試料の凹凸情報などを原子サイズオーダーで三
次元的にとらえている。
査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられる。AF
Mでは、カンチレバーの自由端に設けた鋭い突起部分
(探針部)を試料の近傍に配置し、探針先端と試料表面
の原子間に働く相互作用により変位するカンチレバーの
動きを電気的あるいは光学的にとらえて測定しつつ、試
料をXY方向に移動させてカンチレバーの探針部との相
対的な位置関係を変化させ、つまりXY走査を行ない、
探針部と試料の位置関係およびカンチレバーの動きに基
づいて、試料の凹凸情報などを原子サイズオーダーで三
次元的にとらえている。
【0005】AFMにおいて、カンチレバーの変位を測
定する変位測定センサーは、カンチレバーとは別途に設
けるのが一般的である。しかし最近では、カンチレバー
自体に変位を測定する機能を付加した集積型AFMセン
サーが M. Tortonese らにより提案されている。その一
例が、例えば「Transducers and Sensors '91, M. Tort
onese, H. Yamada, R. C. Barret and C. F. Quate, "A
tomic force microscope using a piezoresistive cant
ilever" 」やPCT出願WO92/12398に開示さ
れている。
定する変位測定センサーは、カンチレバーとは別途に設
けるのが一般的である。しかし最近では、カンチレバー
自体に変位を測定する機能を付加した集積型AFMセン
サーが M. Tortonese らにより提案されている。その一
例が、例えば「Transducers and Sensors '91, M. Tort
onese, H. Yamada, R. C. Barret and C. F. Quate, "A
tomic force microscope using a piezoresistive cant
ilever" 」やPCT出願WO92/12398に開示さ
れている。
【0006】集積型AFMセンサーでは、測定原理に圧
電抵抗効果を利用している。探針先端を測定試料に近接
させると、探針と試料間に働く相互作用力によりカンチ
レバー部がたわみ、歪みを生じる。カンチレバー部には
抵抗層が積層されていて、カンチレバーの歪みに応じて
その抵抗値が変化する。従って、抵抗層に対して電極部
より定電圧を加えておくと、カンチレバーの歪み量に応
じて抵抗層を流れる電流が変化する。この電流の変化を
検出することによって、カンチレバーの変位量を知るこ
とができる。
電抵抗効果を利用している。探針先端を測定試料に近接
させると、探針と試料間に働く相互作用力によりカンチ
レバー部がたわみ、歪みを生じる。カンチレバー部には
抵抗層が積層されていて、カンチレバーの歪みに応じて
その抵抗値が変化する。従って、抵抗層に対して電極部
より定電圧を加えておくと、カンチレバーの歪み量に応
じて抵抗層を流れる電流が変化する。この電流の変化を
検出することによって、カンチレバーの変位量を知るこ
とができる。
【0007】このような集積型AFMセンサーは、構成
が極めて簡単で小型であることから、カンチレバー側を
走査するいわゆるスタンドアロン型のAFMを構成でき
るようになると期待されている。従来のAFMでは試料
をXY方向に動かしてカンチレバー先端の探針との相対
的位置関係を変化させるため、試料の大きさが最大数c
m程度に限られるが、スタンドアロン型のAFMは、こ
のような試料の大きさの制約を取り除くことができると
いう利点がある。
が極めて簡単で小型であることから、カンチレバー側を
走査するいわゆるスタンドアロン型のAFMを構成でき
るようになると期待されている。従来のAFMでは試料
をXY方向に動かしてカンチレバー先端の探針との相対
的位置関係を変化させるため、試料の大きさが最大数c
m程度に限られるが、スタンドアロン型のAFMは、こ
のような試料の大きさの制約を取り除くことができると
いう利点がある。
【0008】次に集積型AFMセンサーについて図16
を参照して説明する。まず製造方法について説明する。
スタートウェハー100として、図16(a)に示すよ
うに、シリコンウェハー110の上に酸化シリコンの分
離層112を介してシリコン層114を設けたもの、例
えば貼り合わせウェハーを用意する。このシリコン層1
14の極表面にイオンインプランテーションによりボロ
ン(B)を打ち込んでピエゾ抵抗層116を形成し、こ
れを図16(d)に示す形状にパターニングした後、表
面を酸化シリコン膜118で覆う。そしてカンチレバー
の固定端側にボンディング用の穴をあけ、アルミニウム
をスパッタリングして電極120を形成する。さらに、
シリコンウェハー112の下側にレジスト層122を形
成し、このレジスト層をパターンニングして開口を形成
して図16(b)となる。続いて、オーミックコンタク
トをとるための熱処理をした後、レジスト層122をマ
スクとして湿式異方性エッチングによりシリコンウェハ
ー110を分離層112までエッチングし、最後にフッ
酸でカンチレバー部124下部の分離層112をエッチ
ングしてカンチレバー部124を形成して集積型AFM
センサーが完成する。その側断面図を図16(c)に、
その上面図を図16(d)に示す。
を参照して説明する。まず製造方法について説明する。
スタートウェハー100として、図16(a)に示すよ
うに、シリコンウェハー110の上に酸化シリコンの分
離層112を介してシリコン層114を設けたもの、例
えば貼り合わせウェハーを用意する。このシリコン層1
14の極表面にイオンインプランテーションによりボロ
ン(B)を打ち込んでピエゾ抵抗層116を形成し、こ
れを図16(d)に示す形状にパターニングした後、表
面を酸化シリコン膜118で覆う。そしてカンチレバー
の固定端側にボンディング用の穴をあけ、アルミニウム
をスパッタリングして電極120を形成する。さらに、
シリコンウェハー112の下側にレジスト層122を形
成し、このレジスト層をパターンニングして開口を形成
して図16(b)となる。続いて、オーミックコンタク
トをとるための熱処理をした後、レジスト層122をマ
スクとして湿式異方性エッチングによりシリコンウェハ
ー110を分離層112までエッチングし、最後にフッ
酸でカンチレバー部124下部の分離層112をエッチ
ングしてカンチレバー部124を形成して集積型AFM
センサーが完成する。その側断面図を図16(c)に、
その上面図を図16(d)に示す。
【0009】このようにして作製した集積型AFMセン
サーでは、測定の際に、二つの電極120の間に数ボル
ト以下のDC電圧を印加し、カンチレバー部124の先
端を試料に接近させる。カンチレバー部124の先端と
試料表面の原子間に相互作用力が働くと、カンチレバー
部124が変位する。これに応じてピエゾ抵抗層116
の抵抗値が変化するため、カンチレバー124の変位が
二つの電極120の間に流れる電流信号として得られ
る。
サーでは、測定の際に、二つの電極120の間に数ボル
ト以下のDC電圧を印加し、カンチレバー部124の先
端を試料に接近させる。カンチレバー部124の先端と
試料表面の原子間に相互作用力が働くと、カンチレバー
部124が変位する。これに応じてピエゾ抵抗層116
の抵抗値が変化するため、カンチレバー124の変位が
二つの電極120の間に流れる電流信号として得られ
る。
【0010】AFMの測定方法としては、コンタクトモ
ードとノンコンタクトモードがある。コンタクトモード
ではカンチレバーの特性である機械的Q値はほとんど問
題にされない。しかし、ノンコンタクトモードにおける
カンチレバーのQ値は、変位計測の感度を決定するため
極めて重要な特性の一つであると言える。このノンコン
タクトモードはカンチレバーを振動させておき試料が接
近するとその共振周波数が変化し、この変化を振幅の変
化量あるいは共振周波数のシフト量で検出する方法であ
る。この測定において分解能はQ値に依存し、Q値が高
いほど分解能も高くなる。したがって、高Q値のカンチ
レバーが望まれている。
ードとノンコンタクトモードがある。コンタクトモード
ではカンチレバーの特性である機械的Q値はほとんど問
題にされない。しかし、ノンコンタクトモードにおける
カンチレバーのQ値は、変位計測の感度を決定するため
極めて重要な特性の一つであると言える。このノンコン
タクトモードはカンチレバーを振動させておき試料が接
近するとその共振周波数が変化し、この変化を振幅の変
化量あるいは共振周波数のシフト量で検出する方法であ
る。この測定において分解能はQ値に依存し、Q値が高
いほど分解能も高くなる。したがって、高Q値のカンチ
レバーが望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 M. To
rtonese らの集積型AFMセンサーにおいては、カンチ
レバーをU字形状にしているため、いくつかの点でその
性能に制限が加わり、十分な変位測定特性が得られてい
ない。その問題点を以下に述べる。
rtonese らの集積型AFMセンサーにおいては、カンチ
レバーをU字形状にしているため、いくつかの点でその
性能に制限が加わり、十分な変位測定特性が得られてい
ない。その問題点を以下に述べる。
【0012】第一に、カンチレバーの先端周辺部分の面
積が広いため、空気抵抗の影響が大きく、カンチレバー
の機械的Q値を高くできない。このため、ノンコンタク
トモードによるAFM測定に適していない。
積が広いため、空気抵抗の影響が大きく、カンチレバー
の機械的Q値を高くできない。このため、ノンコンタク
トモードによるAFM測定に適していない。
【0013】第二に、カンチレバーの先端周辺部分の面
積が広いため、光学顕微鏡視野内においてカンチレバー
の占める割合が大きく、光学顕微鏡で位置決めを行なお
うとした際に、視野中あるいはテレビモニター画面中の
半分以上をカンチレバーが隠してしまうため、位置決め
が難しいものとなっている。
積が広いため、光学顕微鏡視野内においてカンチレバー
の占める割合が大きく、光学顕微鏡で位置決めを行なお
うとした際に、視野中あるいはテレビモニター画面中の
半分以上をカンチレバーが隠してしまうため、位置決め
が難しいものとなっている。
【0014】第三に、試料を測定する際、試料は接地電
位に保たれるが、探針部の電位が接地電位でないため、
探針部と試料の間に電位差が生じ、両者間に静電引力が
働く。このため、針圧が設定値より大きくなってしま
い、AFM測定を行なった際に、試料の表面形状を正確
に測定できない。また、必ずしも静電ノイズ等の電気ノ
イズの影響を受け難い構造ではなく、それらのノイズに
よるS/Nの低下を招いている。
位に保たれるが、探針部の電位が接地電位でないため、
探針部と試料の間に電位差が生じ、両者間に静電引力が
働く。このため、針圧が設定値より大きくなってしま
い、AFM測定を行なった際に、試料の表面形状を正確
に測定できない。また、必ずしも静電ノイズ等の電気ノ
イズの影響を受け難い構造ではなく、それらのノイズに
よるS/Nの低下を招いている。
【0015】第四に、カンチレバーの変位を検出するた
め、ピエゾ抵抗層に電流を流しているので、ピエゾ抵抗
層が発熱し、その熱はカンチレバーの変位検出特性に影
響を及ぼす。しかし、これに対する対策は特に施されて
いない。
め、ピエゾ抵抗層に電流を流しているので、ピエゾ抵抗
層が発熱し、その熱はカンチレバーの変位検出特性に影
響を及ぼす。しかし、これに対する対策は特に施されて
いない。
【0016】第五に、カンチレバーの変位の校正に対し
て、具体的な校正法が提案されていない。このため、校
正を行なうに適した構造に対して配慮されていない。本
発明は、カンチレバーの先端周辺部の面積の小さい集積
型SPMセンサーを提供することを目的とする。
て、具体的な校正法が提案されていない。このため、校
正を行なうに適した構造に対して配慮されていない。本
発明は、カンチレバーの先端周辺部の面積の小さい集積
型SPMセンサーを提供することを目的とする。
【0017】また本発明は、探針が静電引力を受けるこ
とがなく、また電気ノイズに対する耐性にも優れた集積
型SPMセンサーを提供することを目的とする。さらに
本発明は、ピエゾ抵抗層の発熱の放熱に優れる集積型S
PMセンサーを提供することを目的とする。
とがなく、また電気ノイズに対する耐性にも優れた集積
型SPMセンサーを提供することを目的とする。さらに
本発明は、ピエゾ抵抗層の発熱の放熱に優れる集積型S
PMセンサーを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、広く走査型プ
ローブ顕微鏡に用いられる、変位検出機能を備えた集積
型SPMセンサーであって、ほぼ短冊形状のカンチレバ
ーと、カンチレバーの先端部に形成された探針と、カン
チレバーの先端部まで帯状に延びたピエゾ抵抗体と、ピ
エゾ抵抗体の両端に電気的に接続された二つの電極とを
備えている。
ローブ顕微鏡に用いられる、変位検出機能を備えた集積
型SPMセンサーであって、ほぼ短冊形状のカンチレバ
ーと、カンチレバーの先端部に形成された探針と、カン
チレバーの先端部まで帯状に延びたピエゾ抵抗体と、ピ
エゾ抵抗体の両端に電気的に接続された二つの電極とを
備えている。
【0019】一方の電極が、カンチレバーの探針側が形
成されている面のほぼ全体を覆っているとなおよい。他
方の電極が、カンチレバーの探針が形成されている面の
反対側の面のほぼ全体を覆っているとさらによい。
成されている面のほぼ全体を覆っているとなおよい。他
方の電極が、カンチレバーの探針が形成されている面の
反対側の面のほぼ全体を覆っているとさらによい。
【0020】
一.カンチレバーはほぼ短冊形状となっており、そこに
帯状のピエゾ抵抗層が先端部まで延びている。従って、
カンチレバーは従来例に比べて細く作られる。 1.このため、先端周辺部分の面積は小さくなるので、
空気抵抗が少なくなり、カンチレバーのQ値は高くな
る。
帯状のピエゾ抵抗層が先端部まで延びている。従って、
カンチレバーは従来例に比べて細く作られる。 1.このため、先端周辺部分の面積は小さくなるので、
空気抵抗が少なくなり、カンチレバーのQ値は高くな
る。
【0021】2.また、光学顕微鏡で位置決めを行なう
場合、視野中またはテレビモニター画面中の試料を覆い
隠す面積が少なくなるので、位置決めが容易に行なえる
ようになる。これは、高倍率で光学顕微鏡観察する際に
その効果が特に顕著である。
場合、視野中またはテレビモニター画面中の試料を覆い
隠す面積が少なくなるので、位置決めが容易に行なえる
ようになる。これは、高倍率で光学顕微鏡観察する際に
その効果が特に顕著である。
【0022】二.ピエゾ抵抗層の両端すなわち先端部と
基端部には別の電極が電気的に接続されている。一方の
電極は、カンチレバーの探針側の面のほぼ全体を覆うよ
うに形成されている。
基端部には別の電極が電気的に接続されている。一方の
電極は、カンチレバーの探針側の面のほぼ全体を覆うよ
うに形成されている。
【0023】1.本発明の集積型SPMセンサーを原子
間力顕微鏡に用いる場合のようにトンネル電流を検出す
る必要のない場合、カンチレバーの探針側の面を覆って
いる電極が探針を覆っているとなおよい。カンチレバー
の探針側の面を覆っている電極は、測定の際に接地さ
れ、接地電位に保たれる。この結果、探針の周辺部分あ
るいは探針自体が接地電位に保たれる。従って、試料表
面と探針との間に静電引力が生じなくなり、AFM測定
において、針圧設定あるいはフォース設定を極めて小さ
く設定した高分解能測定が行なえるようになる。また、
この電極は、静電ノイズ等の電気ノイズを遮断するガー
ド電極としても機能するので、検出信号のS/Nが向上
し、高分解能測定が行なえるようになる。
間力顕微鏡に用いる場合のようにトンネル電流を検出す
る必要のない場合、カンチレバーの探針側の面を覆って
いる電極が探針を覆っているとなおよい。カンチレバー
の探針側の面を覆っている電極は、測定の際に接地さ
れ、接地電位に保たれる。この結果、探針の周辺部分あ
るいは探針自体が接地電位に保たれる。従って、試料表
面と探針との間に静電引力が生じなくなり、AFM測定
において、針圧設定あるいはフォース設定を極めて小さ
く設定した高分解能測定が行なえるようになる。また、
この電極は、静電ノイズ等の電気ノイズを遮断するガー
ド電極としても機能するので、検出信号のS/Nが向上
し、高分解能測定が行なえるようになる。
【0024】2.従来の集積型AFMセンサーでは、カ
ンチレバーの表面はシリコンや酸化シリコン等といった
放熱効率の悪い材料であった。これに対して、本発明の
集積型SPMセンサーでは、カンチレバーの表面に放熱
効率に優れる金属材料からなる電極が形成されている。
従って、従来に比べて、放熱特性が高く、熱の影響を受
け難い。
ンチレバーの表面はシリコンや酸化シリコン等といった
放熱効率の悪い材料であった。これに対して、本発明の
集積型SPMセンサーでは、カンチレバーの表面に放熱
効率に優れる金属材料からなる電極が形成されている。
従って、従来に比べて、放熱特性が高く、熱の影響を受
け難い。
【0025】三.ピエゾ抵抗層に接続されている他方の
電極は、カンチレバーの探針側の反対側の面を覆うよう
に形成されている。 1.前述した理由から、さらに放熱特性が高くなる。
電極は、カンチレバーの探針側の反対側の面を覆うよう
に形成されている。 1.前述した理由から、さらに放熱特性が高くなる。
【0026】2.カンチレバーの背面(探針の裏面)の
光の反射率が高くなる。従って、従来のAFMで用いら
れているカンチレバーの変位測定用の光変位検出器との
組み合わせが可能になり、光変位検出器の出力に対し
て、本発明の集積型SPMセンサーの変位感度の校正を
行なうこともできるようになる。
光の反射率が高くなる。従って、従来のAFMで用いら
れているカンチレバーの変位測定用の光変位検出器との
組み合わせが可能になり、光変位検出器の出力に対し
て、本発明の集積型SPMセンサーの変位感度の校正を
行なうこともできるようになる。
【0027】
【実施例】本発明の第一実施例の集積型SPMセンサー
について図1ないし図6を用いて説明する。本実施例の
集積型SPMセンサーは、その上面図の図1から分かる
ように、先端が三角に尖ったほぼ短冊形状のカンチレバ
ー部124を有している。カンチレバー部124は、そ
の先端部に探針部119が形成されており、その上面全
体は支持部側から延びる電極部120で覆われている。
について図1ないし図6を用いて説明する。本実施例の
集積型SPMセンサーは、その上面図の図1から分かる
ように、先端が三角に尖ったほぼ短冊形状のカンチレバ
ー部124を有している。カンチレバー部124は、そ
の先端部に探針部119が形成されており、その上面全
体は支持部側から延びる電極部120で覆われている。
【0028】カンチレバー部124は、その縦断面すな
わち図1のII−II断面を示す図2から分かるように、シ
リコン層からなるレバー構造体部114、ピエゾ抵抗部
116、絶縁層118、電極部120が積層された構造
となっている。ピエゾ抵抗部116はシリコン層114
の表面にボロン(B)をイオンインプランテーションす
ることにより形成される。このとき探針部119も一緒
に形成される。絶縁層118は、探針部119の周辺の
一部を除くピエゾ抵抗部116の全体、およびレバー構
造体部114の先端の側面を覆っている。電極部120
は、絶縁層118の全面および探針部119を覆ってお
り、コンタクト部123を介してピエゾ抵抗部116と
電気的に接続されている。このカンチレバー部124
は、上下面に絶縁層112と111を有するシリコン基
板110で形成された支持部に固定されている。
わち図1のII−II断面を示す図2から分かるように、シ
リコン層からなるレバー構造体部114、ピエゾ抵抗部
116、絶縁層118、電極部120が積層された構造
となっている。ピエゾ抵抗部116はシリコン層114
の表面にボロン(B)をイオンインプランテーションす
ることにより形成される。このとき探針部119も一緒
に形成される。絶縁層118は、探針部119の周辺の
一部を除くピエゾ抵抗部116の全体、およびレバー構
造体部114の先端の側面を覆っている。電極部120
は、絶縁層118の全面および探針部119を覆ってお
り、コンタクト部123を介してピエゾ抵抗部116と
電気的に接続されている。このカンチレバー部124
は、上下面に絶縁層112と111を有するシリコン基
板110で形成された支持部に固定されている。
【0029】またカンチレバー部124は、その横断面
すなわち図1の III−III 断面を示す図3から分かるよ
うに、レバー構造体部114上にピエゾ抵抗部116が
形成され、このピエゾ抵抗部116の上に絶縁層118
が形成されている。絶縁層118は、レバー構造体部1
14の側面まで形成されている。絶縁層118の上に電
極部120が形成されている。
すなわち図1の III−III 断面を示す図3から分かるよ
うに、レバー構造体部114上にピエゾ抵抗部116が
形成され、このピエゾ抵抗部116の上に絶縁層118
が形成されている。絶縁層118は、レバー構造体部1
14の側面まで形成されている。絶縁層118の上に電
極部120が形成されている。
【0030】カンチレバー部124を保持している支持
部は、その断面つまり図1のIV−IV断面を示す図4から
分かるように、上下面に絶縁層112と111を設けた
シリコン基板110を基礎とし、その上にレバー構造体
114とピエゾ抵抗部116が積層されている。ピエゾ
抵抗部116の一部の領域の上には電極部121が形成
されている。ピエゾ抵抗部116の残りの領域の上には
絶縁層118が形成されており、その上に電極部120
が形成されている。
部は、その断面つまり図1のIV−IV断面を示す図4から
分かるように、上下面に絶縁層112と111を設けた
シリコン基板110を基礎とし、その上にレバー構造体
114とピエゾ抵抗部116が積層されている。ピエゾ
抵抗部116の一部の領域の上には電極部121が形成
されている。ピエゾ抵抗部116の残りの領域の上には
絶縁層118が形成されており、その上に電極部120
が形成されている。
【0031】続いて、その製造方法について図5と図6
を参照しつつ説明する。なお、この説明において探針を
作製する工程は省略してある。スタートウェハー100
として、シリコン基板110の上に酸化シリコンの分離
層112を介してシリコン層114を設けたもの、例え
ば貼り合わせウェハーを用意する。このスタートウェハ
ー100の上下面すなわちシリコン基板110の下面と
シリコン層114の上面とに酸化膜111を形成し、シ
リコン層114の極表面にイオンインプランテーション
によりボロン(B)を打ち込んでピエゾ抵抗層116を
形成する(図5(a))。シリコン層114とピエゾ抵
抗層116を、図6(b)の形状にパターニングした
後、表面全体を酸化シリコン膜118で覆う(図5
(b))。そしてカンチレバーの固定端側と自由端側に
ボンディング用の穴をあけ、金属をスパッタリングして
電極120と121を形成する(図5(c))。その
後、オーミックコンタクトをとるための熱処理をする。
続いて、電極120と121を保護するためにその表面
をポリイミド113で覆い、酸化膜111をマスクとし
て湿式異方性エッチングにより分離層112までエッチ
ングし、続いてフッ酸で露出した分離層112をエッチ
ングして、カンチレバー部124を形成する(図5
(d))。最後に、ポリイミド113を除去して集積型
SPMセンサーが完成する(図6(a))。その上面図
を図6(b)に示す。
を参照しつつ説明する。なお、この説明において探針を
作製する工程は省略してある。スタートウェハー100
として、シリコン基板110の上に酸化シリコンの分離
層112を介してシリコン層114を設けたもの、例え
ば貼り合わせウェハーを用意する。このスタートウェハ
ー100の上下面すなわちシリコン基板110の下面と
シリコン層114の上面とに酸化膜111を形成し、シ
リコン層114の極表面にイオンインプランテーション
によりボロン(B)を打ち込んでピエゾ抵抗層116を
形成する(図5(a))。シリコン層114とピエゾ抵
抗層116を、図6(b)の形状にパターニングした
後、表面全体を酸化シリコン膜118で覆う(図5
(b))。そしてカンチレバーの固定端側と自由端側に
ボンディング用の穴をあけ、金属をスパッタリングして
電極120と121を形成する(図5(c))。その
後、オーミックコンタクトをとるための熱処理をする。
続いて、電極120と121を保護するためにその表面
をポリイミド113で覆い、酸化膜111をマスクとし
て湿式異方性エッチングにより分離層112までエッチ
ングし、続いてフッ酸で露出した分離層112をエッチ
ングして、カンチレバー部124を形成する(図5
(d))。最後に、ポリイミド113を除去して集積型
SPMセンサーが完成する(図6(a))。その上面図
を図6(b)に示す。
【0032】測定の際、電極部120と121の間に
は、カンチレバー部124のZ方向の反り量(変位量)
を検出するために所定の電位が与えられ、その反り量は
電流計により抵抗部116に流れる電流の変化として検
知される。電極部120と121の間に印加する電位差
は、探針位置において試料あるいは試料台との間の電位
差が0Vとなるように設定される。例えば、試料表面電
位が接地電位の場合、電極部120は接地電位に、電極
部121には所定の電位Vに保たれる。
は、カンチレバー部124のZ方向の反り量(変位量)
を検出するために所定の電位が与えられ、その反り量は
電流計により抵抗部116に流れる電流の変化として検
知される。電極部120と121の間に印加する電位差
は、探針位置において試料あるいは試料台との間の電位
差が0Vとなるように設定される。例えば、試料表面電
位が接地電位の場合、電極部120は接地電位に、電極
部121には所定の電位Vに保たれる。
【0033】本実施例では、抵抗部116をほぼ短冊形
状に形成し、それに電極層を積層した構造の集積型SP
Mセンサーとすることにより、レバー部、特にその先端
部分の面積を小さくでき、空気抵抗を減少させることが
できる。すなわち、従来の集積型AFMセンサーではレ
バー部が二本形成されているのに対し、本発明の集積型
SPMセンサーではレバー部は一本で形成されているた
め、空気抵抗を減少させることができる。この結果、カ
ンチレバーの機械的Q値をより高くすることが可能にな
る。
状に形成し、それに電極層を積層した構造の集積型SP
Mセンサーとすることにより、レバー部、特にその先端
部分の面積を小さくでき、空気抵抗を減少させることが
できる。すなわち、従来の集積型AFMセンサーではレ
バー部が二本形成されているのに対し、本発明の集積型
SPMセンサーではレバー部は一本で形成されているた
め、空気抵抗を減少させることができる。この結果、カ
ンチレバーの機械的Q値をより高くすることが可能にな
る。
【0034】また、光学顕微鏡で位置決めを行なう場
合、レバー部の面積が小さいことにより、視野中または
テレビモニター画面中の試料を本発明の集積型SPMセ
ンサーで覆い隠す面積が少なくなり、位置決めが非常に
容易に行なえるようになる。特に高倍率で光学顕微鏡観
察した場合により効果的である。
合、レバー部の面積が小さいことにより、視野中または
テレビモニター画面中の試料を本発明の集積型SPMセ
ンサーで覆い隠す面積が少なくなり、位置決めが非常に
容易に行なえるようになる。特に高倍率で光学顕微鏡観
察した場合により効果的である。
【0035】さらに、レバー部表面に形成した電極層を
接地電位にすることにより、探針付近の電位を接地電位
とすることができ、接地電位に保たれた試料表面と集積
型SPMセンサーの探針との間に働く静電引力を取り除
くことができる。このためAFM測定において、針圧設
定あるいはフォース設定を極めて小さく設定した高分解
能測定が可能になる。また、電極層はガード電極として
も機能し、静電ノイズなどの電気ノイズに対して強くな
り、検出される信号のS/Nが向上して、やはりAFM
測定における高分解能測定が可能になる。
接地電位にすることにより、探針付近の電位を接地電位
とすることができ、接地電位に保たれた試料表面と集積
型SPMセンサーの探針との間に働く静電引力を取り除
くことができる。このためAFM測定において、針圧設
定あるいはフォース設定を極めて小さく設定した高分解
能測定が可能になる。また、電極層はガード電極として
も機能し、静電ノイズなどの電気ノイズに対して強くな
り、検出される信号のS/Nが向上して、やはりAFM
測定における高分解能測定が可能になる。
【0036】そのほか、積層構造としたことにより、レ
バー部の表面を金属を中心とした電極材料で覆うことか
ら、シリコンまたは酸化シリコンで表面を覆われた従来
に比べて放熱特性が高いものとなる。その結果、熱によ
る影響を減少できる。
バー部の表面を金属を中心とした電極材料で覆うことか
ら、シリコンまたは酸化シリコンで表面を覆われた従来
に比べて放熱特性が高いものとなる。その結果、熱によ
る影響を減少できる。
【0037】次に本発明の第二実施例の集積型SPMセ
ンサーについて図7ないし図11を参照して説明する。
本実施例の集積型SPMセンサーは、その上面図の図7
から分かるように、先端が三角に尖ったほぼ短冊形状の
カンチレバー部224を有している。カンチレバー部2
24は、その先端部に探針部219が形成されており、
その上面全体が先端部を除いて支持部側から延びる電極
部220で覆われている。
ンサーについて図7ないし図11を参照して説明する。
本実施例の集積型SPMセンサーは、その上面図の図7
から分かるように、先端が三角に尖ったほぼ短冊形状の
カンチレバー部224を有している。カンチレバー部2
24は、その先端部に探針部219が形成されており、
その上面全体が先端部を除いて支持部側から延びる電極
部220で覆われている。
【0038】カンチレバー部224は、その縦断面すな
わち図7のVIII−VIII断面を示す図8から分かるよう
に、シリコン層からなるレバー構造体部214の上にピ
エゾ抵抗部216、絶縁層218、電極部220が積層
されていて、レバー構造体部214の下に電極部221
が設けられている。ピエゾ抵抗部216は、先端部を除
くレバー構造体部214の上面全体に形成されている。
このピエゾ抵抗部216は、シリコン層214の表面に
ボロン(B)を選択的にイオンインプランテーションし
て形成される。レバー構造体部214の先端部には探針
部219が形成されている。ピエゾ抵抗部216の上に
は、支持部側の一部の領域を除いて、絶縁層218が形
成されている。露出しているピエゾ抵抗部216と絶縁
層218の上面全体に電極部220が形成されている。
このカンチレバー部224は、上下面に絶縁層212と
211を有するシリコン基板210で形成された支持部
に固定されている。電極部2241は、先端部を除いて
レバー構造体部214の下面を覆っており、その端部は
支持部すなわちシリコン基板210と酸化膜211をも
覆っている。電極部221は、レバー構造体部214の
先端部に設けた開口であるコンタクト部223において
ピエゾ抵抗部216に接続している。
わち図7のVIII−VIII断面を示す図8から分かるよう
に、シリコン層からなるレバー構造体部214の上にピ
エゾ抵抗部216、絶縁層218、電極部220が積層
されていて、レバー構造体部214の下に電極部221
が設けられている。ピエゾ抵抗部216は、先端部を除
くレバー構造体部214の上面全体に形成されている。
このピエゾ抵抗部216は、シリコン層214の表面に
ボロン(B)を選択的にイオンインプランテーションし
て形成される。レバー構造体部214の先端部には探針
部219が形成されている。ピエゾ抵抗部216の上に
は、支持部側の一部の領域を除いて、絶縁層218が形
成されている。露出しているピエゾ抵抗部216と絶縁
層218の上面全体に電極部220が形成されている。
このカンチレバー部224は、上下面に絶縁層212と
211を有するシリコン基板210で形成された支持部
に固定されている。電極部2241は、先端部を除いて
レバー構造体部214の下面を覆っており、その端部は
支持部すなわちシリコン基板210と酸化膜211をも
覆っている。電極部221は、レバー構造体部214の
先端部に設けた開口であるコンタクト部223において
ピエゾ抵抗部216に接続している。
【0039】またカンチレバー部224は、その横断面
すなわち図7のIX−IX断面を示す図9から分かるよう
に、レバー構造体部214の上面にピエゾ抵抗部216
が形成され、このピエゾ抵抗部216の上に絶縁層21
8が形成されている。絶縁層218は、レバー構造体部
214の側面まで形成されている。絶縁層218の上に
電極部220が形成されている。また、レバー構造体部
214の下面に電極部221が形成されている。
すなわち図7のIX−IX断面を示す図9から分かるよう
に、レバー構造体部214の上面にピエゾ抵抗部216
が形成され、このピエゾ抵抗部216の上に絶縁層21
8が形成されている。絶縁層218は、レバー構造体部
214の側面まで形成されている。絶縁層218の上に
電極部220が形成されている。また、レバー構造体部
214の下面に電極部221が形成されている。
【0040】カンチレバー部224を保持している支持
部は、その断面つまり図7の X−X断面を示す図10か
ら分かるように、シリコン基板210の上面に絶縁層2
12、レバー構造体214、ピエゾ抵抗部216、電極
部220が積層されている。またシリコン基板210の
下面に絶縁層211と電極部221が設けられている。
部は、その断面つまり図7の X−X断面を示す図10か
ら分かるように、シリコン基板210の上面に絶縁層2
12、レバー構造体214、ピエゾ抵抗部216、電極
部220が積層されている。またシリコン基板210の
下面に絶縁層211と電極部221が設けられている。
【0041】本実施例の集積型SPMセンサーは、図5
と図6に示した製造工程に準じて作られる。測定時、電
極部220と221の間に所定の電位差が印加され、カ
ンチレバーのZ方向の変位は、その量に応じて変化する
ピエゾ抵抗部を流れる電流の変化として検出される。
と図6に示した製造工程に準じて作られる。測定時、電
極部220と221の間に所定の電位差が印加され、カ
ンチレバーのZ方向の変位は、その量に応じて変化する
ピエゾ抵抗部を流れる電流の変化として検出される。
【0042】本実施例では、カンチレバー部214は、
ほぼ短冊形状の抵抗部216に電極部を積層した構造と
なっており、カンチレバー部とくに先端部分の面積が狭
く、その空気抵抗は小さなものとなっている。この結
果、カンチレバーの機械的Q値がより高いものとなる。
ほぼ短冊形状の抵抗部216に電極部を積層した構造と
なっており、カンチレバー部とくに先端部分の面積が狭
く、その空気抵抗は小さなものとなっている。この結
果、カンチレバーの機械的Q値がより高いものとなる。
【0043】また、カンチレバー部の面積が小さいの
で、光学顕微鏡で位置決めを行なう際に、視野中または
テレビモニター画面中の試料を覆い隠す部分の面積が少
なくなり、位置決めが非常に容易になる。これは高倍率
で光学顕微鏡観察した場合に特に有益である。
で、光学顕微鏡で位置決めを行なう際に、視野中または
テレビモニター画面中の試料を覆い隠す部分の面積が少
なくなり、位置決めが非常に容易になる。これは高倍率
で光学顕微鏡観察した場合に特に有益である。
【0044】さらに、カンチレバー部の下面に反射率の
高い電極、例えばアルミニウム電極が形成されているの
で、その面の光の反射率は高いものとなる。それによ
り、従来のAFMで使用しているカンチレバー変位測定
用の光変位検出器との組み合わせが可能になり、光変位
検出器の出力に対して、本発明の集積型SPMセンサー
の変位感度の校正を行なうことも可能になる。
高い電極、例えばアルミニウム電極が形成されているの
で、その面の光の反射率は高いものとなる。それによ
り、従来のAFMで使用しているカンチレバー変位測定
用の光変位検出器との組み合わせが可能になり、光変位
検出器の出力に対して、本発明の集積型SPMセンサー
の変位感度の校正を行なうことも可能になる。
【0045】そのほか、積層構造としたことにより、カ
ンチレバー部の表面が電極で覆われているので、その放
熱特性は良好なものとなっており、熱による影響を受け
難いものとなっている。
ンチレバー部の表面が電極で覆われているので、その放
熱特性は良好なものとなっており、熱による影響を受け
難いものとなっている。
【0046】その結果、高分解能のAFM測定が可能と
なる。図7の集積型SPMセンサーを用いて変位量測定
を行なうための回路を図11に示す。電極部221には
直流定電圧電源202が接続され、電極部220には電
流計測定用のオペアンプ203が接続されている。例え
ば、直流定電圧電源202の電位を+3Vとすれば、電
極部221の電位は+3Vに保たれる。他方の電極部2
20は、オペアンプの非反転入力端子(+)が接地電位
に保たれていることから、接地電位に保たれる。
なる。図7の集積型SPMセンサーを用いて変位量測定
を行なうための回路を図11に示す。電極部221には
直流定電圧電源202が接続され、電極部220には電
流計測定用のオペアンプ203が接続されている。例え
ば、直流定電圧電源202の電位を+3Vとすれば、電
極部221の電位は+3Vに保たれる。他方の電極部2
20は、オペアンプの非反転入力端子(+)が接地電位
に保たれていることから、接地電位に保たれる。
【0047】続いて、本発明の第三実施例の集積型SP
Mセンサーについて図12ないし図15を参照して説明
する。本実施例は、二系統のピエゾ抵抗部を有している
点以外は、第一実施例と同じである。
Mセンサーについて図12ないし図15を参照して説明
する。本実施例は、二系統のピエゾ抵抗部を有している
点以外は、第一実施例と同じである。
【0048】集積型SPMセンサーは、その上面図の図
12から分かるように、先端が三角に尖ったほぼ短冊形
状のカンチレバー部324を有している。カンチレバー
部324は、その先端部に探針部319が形成されてお
り、その上面全体が先端部を除いて支持部側から延びる
電極部320で覆われている。
12から分かるように、先端が三角に尖ったほぼ短冊形
状のカンチレバー部324を有している。カンチレバー
部324は、その先端部に探針部319が形成されてお
り、その上面全体が先端部を除いて支持部側から延びる
電極部320で覆われている。
【0049】カンチレバー部324は、その縦断面すな
わち図12のXIII−XIII断面を示す図13から分かるよ
うに、シリコン層からなるレバー構造体部314の上に
ピエゾ抵抗部316、絶縁層318、電極部321が積
層されている。ピエゾ抵抗部316は、探針部319の
手前まで延びている。このピエゾ抵抗部316は、シリ
コン層314の表面にボロン(B)を選択的にイオンイ
ンプランテーションして形成される。ピエゾ抵抗部31
6の上には絶縁層318が形成されていて、その上に電
極部321が形成されている。電極部321は、絶縁層
318に設けた開口からなるコンタクト部323におい
てピエゾ抵抗部316に接続されている。このカンチレ
バー部324は、上下面に絶縁層312と311を有す
るシリコン基板310で形成された支持部に固定されて
いる。
わち図12のXIII−XIII断面を示す図13から分かるよ
うに、シリコン層からなるレバー構造体部314の上に
ピエゾ抵抗部316、絶縁層318、電極部321が積
層されている。ピエゾ抵抗部316は、探針部319の
手前まで延びている。このピエゾ抵抗部316は、シリ
コン層314の表面にボロン(B)を選択的にイオンイ
ンプランテーションして形成される。ピエゾ抵抗部31
6の上には絶縁層318が形成されていて、その上に電
極部321が形成されている。電極部321は、絶縁層
318に設けた開口からなるコンタクト部323におい
てピエゾ抵抗部316に接続されている。このカンチレ
バー部324は、上下面に絶縁層312と311を有す
るシリコン基板310で形成された支持部に固定されて
いる。
【0050】カンチレバー部324には、カンチレバー
部324の先端部の横断面すなわち図12の XIV−XIV
断面を示す図14から分かるように、二本のピエゾ抵抗
部316と317が設けられている。ピエゾ抵抗部31
6の上には絶縁層318が形成されている。絶縁層31
8はレバー構造体部14の側面まで形成されている。絶
縁層318の上には電極部321が形成されていて、コ
ンタクト部323と325において二本の抵抗部316
と317にそれぞれ電気的に接続されている。
部324の先端部の横断面すなわち図12の XIV−XIV
断面を示す図14から分かるように、二本のピエゾ抵抗
部316と317が設けられている。ピエゾ抵抗部31
6の上には絶縁層318が形成されている。絶縁層31
8はレバー構造体部14の側面まで形成されている。絶
縁層318の上には電極部321が形成されていて、コ
ンタクト部323と325において二本の抵抗部316
と317にそれぞれ電気的に接続されている。
【0051】図12のXV−XV断面を示す図15から分か
るように、上下面に絶縁層312と311を有するシリ
コン基板310の支持部の上に、レバー構造体部314
が形成されている。レバー構造体部314の上には中央
で分離されている二本のピエゾ抵抗部316と317が
形成されている。ピエゾ抵抗部316と317の上に
は、その両側においてそれぞれ電極部320と322が
形成されており、中央部には両者にまたがる絶縁層31
8が形成されている。絶縁層318の上には電極部32
1が形成されている。
るように、上下面に絶縁層312と311を有するシリ
コン基板310の支持部の上に、レバー構造体部314
が形成されている。レバー構造体部314の上には中央
で分離されている二本のピエゾ抵抗部316と317が
形成されている。ピエゾ抵抗部316と317の上に
は、その両側においてそれぞれ電極部320と322が
形成されており、中央部には両者にまたがる絶縁層31
8が形成されている。絶縁層318の上には電極部32
1が形成されている。
【0052】本実施例の集積型SPMセンサーは、図5
と図6に示した工程に準じて作製される。測定時、電極
部320、322と電極部321の間の所定の電位差を
印加する。これにより、カンチレバーのZ方向の変位
を、その変位量に応じて変化するピエゾ抵抗部を流れる
電流の変化として検出できる。
と図6に示した工程に準じて作製される。測定時、電極
部320、322と電極部321の間の所定の電位差を
印加する。これにより、カンチレバーのZ方向の変位
を、その変位量に応じて変化するピエゾ抵抗部を流れる
電流の変化として検出できる。
【0053】本実施例では、抵抗部を二系統備えている
ので、カンチレバー部のねじれも検出することができ
る。カンチレバーのねじれを検出する場合は、電極部3
21を接地電位にとり、二つの電極部に320と322
を共に数ボルトの電位に保つ。カンチレバーのねじれ
は、その結果、カンチレバーのねじれ量の見積りがで
き、高分解能のAFM測定が可能となる。
ので、カンチレバー部のねじれも検出することができ
る。カンチレバーのねじれを検出する場合は、電極部3
21を接地電位にとり、二つの電極部に320と322
を共に数ボルトの電位に保つ。カンチレバーのねじれ
は、その結果、カンチレバーのねじれ量の見積りがで
き、高分解能のAFM測定が可能となる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、カンチレバーが細く作
られているので、カンチレバーのQ値は高いものとな
り、ノンコンタクトモードに適用できる集積型SPMセ
ンサーが提供される。さらに、光学顕微鏡の視野を遮る
面積が少ないので、位置決めが容易に行なえるようにな
る。
られているので、カンチレバーのQ値は高いものとな
り、ノンコンタクトモードに適用できる集積型SPMセ
ンサーが提供される。さらに、光学顕微鏡の視野を遮る
面積が少ないので、位置決めが容易に行なえるようにな
る。
【0055】また、カンチレバーの探針側の面を覆う電
極が設けられているので、これを試料と同じ電位に保つ
ことにより、探針と試料の間に静電力が発生することが
なくなり、検出信号がより正確なものとなる。また、こ
の電極が電気ノイズを遮断するので、検出信号のS/N
が向上する。さらに、電極がカンチレバーの表面にある
ため放熱特性が向上するので、熱に対する耐性が高ま
る。
極が設けられているので、これを試料と同じ電位に保つ
ことにより、探針と試料の間に静電力が発生することが
なくなり、検出信号がより正確なものとなる。また、こ
の電極が電気ノイズを遮断するので、検出信号のS/N
が向上する。さらに、電極がカンチレバーの表面にある
ため放熱特性が向上するので、熱に対する耐性が高ま
る。
【0056】さらに、カンチレバーの探針側の反対側の
面を覆う電極が設けられているので、従来の光変位検出
器が使用できるようになり、本発明の集積型SPMセン
サーの変位感度の校正を行なうこともできるようにな
る。
面を覆う電極が設けられているので、従来の光変位検出
器が使用できるようになり、本発明の集積型SPMセン
サーの変位感度の校正を行なうこともできるようにな
る。
【図1】本発明の第一実施例の集積型SPMセンサーの
上面図である。
上面図である。
【図2】図1の集積型SPMセンサーのII−II断面図で
ある。
ある。
【図3】図1の集積型SPMセンサーの III−III 断面
図である。
図である。
【図4】図1の集積型SPMセンサーのIV−IV断面図で
ある。
ある。
【図5】図1に示した集積型SPMセンサーの製造方法
を説明するための、その製造工程を示した図である。
を説明するための、その製造工程を示した図である。
【図6】図1の集積型SPMセンサーの製造方法を説明
する、図5に続く工程を示した図である。
する、図5に続く工程を示した図である。
【図7】本発明の第二実施例の集積型SPMセンサーの
上面図である。
上面図である。
【図8】図7の集積型SPMセンサーのVIII−VIII断面
図である。
図である。
【図9】図7の集積型SPMセンサーのIX−IX断面図で
ある。
ある。
【図10】図7の集積型SPMセンサーの X−X 断面図
である。
である。
【図11】図7に示した集積型SPMセンサーの駆動電
流検出回路を示す図である。
流検出回路を示す図である。
【図12】本発明の第三実施例の集積型SPMセンサー
の上面図である。
の上面図である。
【図13】図12の集積型SPMセンサーのXIII−XIII
断面図である。
断面図である。
【図14】図12の集積型SPMセンサーの XIV−XIV
断面図である。
断面図である。
【図15】図12の集積型SPMセンサーのXV−XV断面
図である。
図である。
【図16】従来の集積型AFMセンサーの製造方法を説
明するための、その製造工程を示した図である。
明するための、その製造工程を示した図である。
116…ピエゾ抵抗部、119…探針、120、121
…電極部、124…カンチレバー部。
…電極部、124…カンチレバー部。
Claims (3)
- 【請求項1】 走査型プローブ顕微鏡に用いられる、変
位検出機能を備えた集積型SPMセンサーであって、 ほぼ短冊形状のカンチレバーと、 カンチレバーの先端部に形成された探針と、 カンチレバーの先端部まで帯状に延びたピエゾ抵抗体
と、 ピエゾ抵抗体に電気的に接続された二つの電極とを備え
ている集積型SPMセンサー。 - 【請求項2】 一方の電極が、カンチレバーの探針が形
成されている面のほぼ全体を覆っている請求項1に記載
の集積型SPMセンサー。 - 【請求項3】 他方の電極が、カンチレバーの探針が形
成されている面の反対側の面のほぼ全体を覆っている請
求項2に記載の集積型SPMカンチレバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29548193A JPH07146301A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 集積型spmセンサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29548193A JPH07146301A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 集積型spmセンサー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07146301A true JPH07146301A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=17821169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29548193A Withdrawn JPH07146301A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 集積型spmセンサー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07146301A (ja) |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP29548193A patent/JPH07146301A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010130 |