JPH09314483A - マイクロマニピュレータ及びその製造方法 - Google Patents

マイクロマニピュレータ及びその製造方法

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JPH09314483A
JPH09314483A JP13539796A JP13539796A JPH09314483A JP H09314483 A JPH09314483 A JP H09314483A JP 13539796 A JP13539796 A JP 13539796A JP 13539796 A JP13539796 A JP 13539796A JP H09314483 A JPH09314483 A JP H09314483A
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Koichi Itoigawa
貢一 糸魚川
Hitoshi Iwata
仁 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微小な対象物を確実にハンドリングすることが
できるマイクロマニピュレータを提供することを目的と
する。 【解決手段】対象物Wをハンドリングするハンドリング
部16,17の相対向する側面16a,17aには、複
数のマイクロピラミッド22,23がそれぞれ設けられ
ている。各マイクロピラミッド22,23は、八角錐台
状に形成され、それらマイクロピラミッド22,23に
よって対象物Wは、ハンドリング部16,17の側面1
6a,17aから離間され、対象物Wとハンドリング部
16,17との間に作用するファンデルワールス力が低
減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微小な対象物のハン
ドリングが可能なマイクロマニピュレータ及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図19に示すように、マイクロマ
シンの組み立て等に使用されるマイクロマニピュレータ
51は、微小な対象物Wを挟持し、目的の場所にハンド
リングするようになっている。また、マイクロマニピュ
レータ51には、その力を検知するためにバルクの歪み
ゲージ52が取着されている。歪みゲージ52は、マイ
クロマニピュレータ51の一方(又は両方)に固着さ
れ、そのマニピュレータ51の撓みに応じた電気信号を
検出信号として出力する。この歪みゲージから出力され
る検出信号に基づいて、マニピュレータ51の力(挟持
力)を検知することができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、微小な対象
物Wは、その大きさがミクロンオーダー程度であるた
め、分子間力(ファンデルワールス力)や静電気力等の
影響によって、マイクロマニピュレータ51に付着して
しまう。その結果、対象物Wを目的の場所に移動させて
も、対象物Wはマニピュレータ51から離れないので、
対象物Wをハンドリングすることができなくなるという
問題があった。
【0004】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、微小な対象物を確実に
ハンドリングすることができるマイクロマニピュレータ
を提供することにある。また、そのようなマイクロマニ
ピュレータの製造方法を提供することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、微小な対象物をハンドリ
ングするためのマイクロマニピュレータであって、前記
対象物を把持する一対の指部材と、前記一対の指部材の
うちの少なくとも一方に形成され、前記対象物を把持す
る力を検知するための拡散歪みゲージと、前記一対の指
部材の先端の相対向する面に形成され、前記対象物をそ
れらの面から離間して把持する突部とを備えたことを要
旨とする。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のマイクロマニピュレータにおいて、前記突部の表面に
は、導電性の金属膜が形成されたことを要旨とする。請
求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のマイク
ロマニピュレータにおいて、前記指部材は、先端が斜め
に成形されてハンドリング部が形成され、前記突部はハ
ンドリング部の相対向する面に形成されて前記対象物を
面から離間して把持するようにしたことを要旨とする。
【0007】請求項4に記載の発明は、指部材となる単
結晶シリコン基板の表面側に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜の所定領域に窓を形成し、その窓から不純物
を添加することによって拡散歪みゲージを形成する工程
と、前記酸化膜に窓を形成し、その窓から前記単結晶シ
リコン基板をエッチングすることによって突部を形成す
る工程とから構成される。
【0008】請求項5に記載の発明は、指部材となる単
結晶シリコン基板の表面側に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜の所定領域に窓を形成し、その窓から不純物
を添加することによって拡散歪みゲージを形成する工程
と、前記酸化膜に窓を形成し、その窓から前記単結晶シ
リコン基板をエッチングすることによって突部を形成す
る工程と、前記突部の表面に導電性の金属膜を形成する
工程とから構成される。
【0009】従って、請求項1に記載の発明によれば、
対象物を把持する一対の指部材の先端の相対向する面に
は突部が形成され、その突部によって対象物がそれらの
面から離間されて把持される。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、突部の表
面には、導電性の金属膜が形成される。請求項3に記載
の発明によれば、指部材は、先端が斜めに成形されてハ
ンドリング部が形成され、ハンドリング部の相対向する
面に突部が形成されて対象物が面から離間されて把持さ
れる。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、指部材と
なる単結晶シリコン基板の表面側に酸化膜が形成され、
酸化膜の所定領域に窓が形成され、その窓から不純物を
添加することによって拡散歪みゲージが形成される。ま
た、酸化膜に窓が形成され、その窓から単結晶シリコン
基板がエッチングされて突部が形成される。
【0012】請求項5に記載の発明によれば、指部材と
なる単結晶シリコン基板の表面側に酸化膜が形成され、
酸化膜の所定領域に窓が形成され、その窓から不純物を
添加することによって拡散歪みゲージが形成される。ま
た、酸化膜に窓が形成され、その窓から単結晶シリコン
基板がエッチングされて突部が形成され、その突部の表
面に導電性の金属膜が形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図18に従って説明する。図4に示すよ
うに、マイクロマニピュレータ(以下、単にマニピュレ
ータという)11には、一対のアームA1,A2が設け
られている。アームA1,A2にはそれぞれ支持部材1
2,13が設けられている。支持部材12,13は、図
示しないアクチュエータによって微小(数ミクロン〜数
十ミクロン程度)な対象物Wを挟む方向(図2の矢印方
向)に駆動操作されるようになっている。支持部材1
2,13の先端には、対象物Wを把持する指部材14,
15がそれぞれ取着されている。
【0014】指部材14,15は、面方位(100)の
単結晶シリコンよりなり、それぞれ同一で対象物Wに対
して対称の薄板状に形成されている。指部材14は支持
部材12を構成する部材12a,12b間に挟み込まれ
て取着固定され、指部材15は支持部材13を構成する
部材13a,13b間に挟み込まれて取着固定されてい
る。
【0015】両指部材14,15は、例えば機械的加工
(ダイシング)によって短冊状でその先端が斜めにカッ
トされてそれぞれハンドリング部16,17が形成され
ている。ハンドリング部16,17は、平面上に置かれ
た対象物Wを挟持するハンドリング領域を拡大するため
に形成されている。即ち、マニピュレータ11は、ハン
ドリング部16,17の傾きに対応して斜めに支持さ
れ、対象物Wを挟持するようになっている。
【0016】図1(a)に示すように、一方の指部材1
4の側面14aには、その先端から所定位置に拡散歪み
ゲージ18が形成されている。拡散歪みゲージ18は、
配線パターン19を介してパッド20に接続され、その
パッド20は、図示しない配線を介してマイクロマニピ
ュレータ11を駆動制御する駆動装置に接続されてい
る。
【0017】また、図1(b)に示すように、一方の指
部材14には、その外側面14b側から異方性エッチン
グ等の方法によって、面方位(100)に対応する角度
で凹設(エッチング)されて薄肉部21が形成されてい
る。薄肉部21は、マニピュレータ11を駆動操作して
対象物Wを挟んだ場合に指部材14が薄肉部21から撓
んで、マニピュレータ11の力を検知し易くするために
形成されている。
【0018】拡散歪みゲージ18は、マニピュレータ1
1の力によって指部材14と共に撓み、その撓みの応力
に応じた電気信号を検出信号として出力する。そして、
指部材14、拡散歪みゲージ18、及び、薄肉部21に
よって、マニピュレータ11の力を検知する力センサが
構成されている。即ち、指部材14,15は、対象物W
を把持するとともに、力センサによって対象物Wを把持
する力を検知することが可能な構成となっている。
【0019】拡散歪みゲージ18は、指部材14がマニ
ピュレータ11の操作によって撓む場合に、その撓みの
最も大きい位置に形成されている。従って、拡散歪みゲ
ージ18は、マニピュレータ11の力を最も良く検出
し、その力に応じた電気信号を検出信号として出力す
る。また、拡散歪みゲージ18は方位<110>に形成
されている。この方位<110>に形成された拡散歪み
ゲージ18は、出力する電気信号がの電圧が最も大きく
なる。従って、拡散歪みゲージ18は、指部材14の撓
みの応力、即ち、マニピュレータ11の力の検出感度が
最も大きくなる。
【0020】指部材14を製造する場合、先ず、面方位
(100)のシリコンウェハ(図示せず)を用意する。
そのシリコンウェハの表面側には拡散歪みゲージ18を
形成し、裏面側からエッチングによって薄肉部21を形
成する。次に、拡散歪みゲージ18及び薄肉部21を形
成したシリコンウェハを短冊状に機械的加工(ダイシン
グ)して指部材14が形成される。
【0021】従って、拡散歪みゲージ18は、従来のバ
ルクの歪みゲージ52のように指部材14に取着する必
要がない。また、拡散歪みゲージ18の位置は、指部材
14の先端から一定の位置となり、精度良く形成するこ
とができる。従って、拡散歪みゲージ18から出力され
る検出信号は、各指部材14毎のばらつきがなくなる。
【0022】また、拡散歪みゲージ18は、従来のバル
クの歪みゲージ52に比べて小さく形成することができ
るので、指部材14の先端付近に形成することができ
る。また、指部材14には、薄肉部21を形成し、その
指部材14の撓みによって拡散歪みゲージ18が撓むよ
うにした。その結果、従来のバルクの歪みゲージ52を
用いたマニピュレータ51に比べて、その力の検出感度
が高くなる。
【0023】平面上に置かれた対象物Wをハンドリング
する場合、ハンドリング部16,17を平面と略平行と
なるようにマニピュレータ11を斜めに支持することに
よって、ハンドリング部24,25のどの部分でも対象
物Wをハンドリングすることができる。従って、本実施
の形態のマニピュレータ11は、対象物Wをハンドリン
グする領域、所謂ハンドリング面積が広くなる。
【0024】図2に示すように、ハンドリング部16,
17の相対向する側面16a,17aには、複数のマイ
クロピラミッド22,23がそれぞれ設けられている。
マイクロピラミッド22,23は、ハンドリング部1
6,17と対象物Wとの間に作用するファンデルワール
ス力を低減するために設けられている。
【0025】図3(a),(b)に示すように、各マイ
クロピラミッド22,23は、八角錐台状に形成されて
いる。また、各マイクロピラミッド22,23は、所定
の間隔で縦方向(図3(a)において上下方向)及び横
方向(図3(a)において左右方向)に等間隔で並べて
形成されている。図2に示すように、マイクロピラミッ
ド22(23)は、対象物Wをハンドリング部16(1
7)の側面16a(17a)から離間するように高さ及
び間隔が設定されている。
【0026】尚、実際には、後述するエッチング方法に
よってハンドリング部16,17の側面16a,17a
の所定領域をエッチングして除去することによってマイ
クロピラミッド22,23が形成されている。また、マ
イクロピラミッド22,23の表面は、後述する成膜法
によって白金(Pt)や金(Au)等の導電性の金属に
より被膜され、ファンデルワールス力の作用が更に低減
されている。
【0027】一般に、ファンデルワールス力は、分子間
に働く力であるが、マクロな物体が近接したときにも生
じる電磁気学的力である。球−平面間の相互作用力、即
ち、対象物Wとハンドリング部16,17の側面16
a,17aとの間の相互作用力Fvdw は、対象物Wの球
径:d、対象物Wと側面16a,17aとの間の距離:
Z、定数:Hとすると、
【数1】 で表される。いま、平面にbの粗さを持たせると、(数
1)は、
【数2】 のように近似される。(数2)から明らかなように、粗
さbにより、ファンデルワールス力Fが平面の場合の相
互作用力Fvdw に比べて小さくなる。そして、平面に対
する粗さbは、側面16a,17aにそれぞれ形成され
たマイクロピラミッド22,23の高さとなるため、マ
イクロピラミッド22,23によってハンドリング部1
6,17と対象物Wとの間に作用するファンデルワール
ス力が低減される。尚、上記の(数1)(数2)は、
(オーム社刊、新体系化学工学微粒子工学、奥山他2名
著)に述べられている。
【0028】図5は、上記のマイクロピラミッド22,
23の効果を確認するための遠心型付着装置の概略図で
ある。この装置は、指部材14をハンドリング部16の
側面16aと平行な面でモータMにより回転させ、その
指部材14上に載置された対象物W2に遠心力を与える
ものである。対称物W2としては、所定の大きさの物
質、例えば、直径30ミクロンのシリカ球を用いた。遠
心力が与えられた対象物W2は、ハンドリング部16と
の間のファンデルワールス力の作用が大きいほどハンド
リング部16上の残存数が多く、逆にファンデルワール
ス力の作用が小さいほど残存数がすくなくなる。
【0029】図6は、上記の装置による試験の結果を示
す特性図である。この試験には、マイクロピラミッド2
2を形成していない指部材と、マイクロピラミッド22
が形成されているが導電性の金属で被膜していない指部
材と、本実施の形態の導電性の金属で被膜したマイクロ
ピラミッド22を有する指部材14を用いた。図中、ラ
インL1はマイクロピラミッド22を形成していない指
部材、ラインL2はマイクロピラミッド22が形成され
ているが導電性の金属で被膜していない指部材、ライン
L3は本実施の形態の導電性の金属で被膜したマイクロ
ピラミッド22を有する指部材14の特性を示してい
る。尚、縦軸は対象物W2の残存率、横軸は対象物W2
に与えられる遠心力を示している。
【0030】図6から明らかなように、マイクロピラミ
ッド22を形成した指部材のほうが、マイクロピラミッ
ド22を形成していない指部材に比べて対象物Wの残存
率が低い。また、遠心力が小さい領域では、導電性の金
属で被膜していないマイクロピラミッドに比べて、導電
性の金属で被膜したマイクロピラミッド22の方が対象
物Wの残存率が低い。即ち、導電性の金属で被膜したマ
イクロピラミッド22は他に比べてファンデルワールス
力の作用が小さい。従って、上記の指部材14,15を
用いたマイクロマニピュレータ11により対象物Wをハ
ンドリングする場合、その対称物Wは指部材14,15
のハンドリング部16,17に付着しにくい。
【0031】次に、上記の指部材14の製造工程を図7
〜図18に従って説明する。尚、図7〜図18は、製造
工程を判りやすくするために、指部材14の寸法を適宜
変更してある。
【0032】先ず、図7に示すように、p型単結晶シリ
コンよりなるシリコン基板31の上面に酸化膜(SiO
2 膜)32を形成する。次に、図8に示すように、酸化
膜32の所定領域にフォトリソグラフィによって拡散歪
みゲージ18に対応する大きさの窓32aを形成する。
その窓32aからイオン注入等によってシリコン基板3
1にほう素を打ち込み、更にそのほう素を熱拡散させ
る。この結果、図9に示すように、後に指部材14の側
面14aとなる面に拡散歪みゲージ18が形成される。
【0033】次に、図10に示すように、シリコン基板
31を酸化させて拡散歪みゲージ18の上面に酸化膜3
3を形成する。次に、図11(a)(b)に示すよう
に、酸化膜32にフォトリソグラフィによって後にハン
ドリング部16となる領域に井桁状の窓32bを形成す
る。この窓32bによって、後にマイクロピラミッド2
2となる場所に、矩形状の酸化膜32が残される。
【0034】次いで、図12に示すように、窓32bか
らTMAHやKOH等のエッチング液を用いて異方性エ
ッチングによってシリコン基板31をエッチングするこ
とにより、8角錐状の突部34が形成される。また、エ
ッチング時間を適宜設定することによって、エッチング
深さ、即ち、突部34を後のマイクロピラミッド22の
高さに対応させて形成する。
【0035】次に、図13に示すように、拡散歪みゲー
ジ18上の酸化膜33にコンタクトのための窓33aを
所定位置に形成する。また、突部34上の酸化膜32を
除去する。この酸化膜32の除去によって、図14
(a)(b)に示すように、シリコン基板31上に縦横
に配列した8角錐状の突部34が形成される。
【0036】次に、図15に示すように、シリコン基板
31の上面にアルミニウム(Al)をスパッタリングや
真空蒸着等により堆積させた後、フォトリソグラフィを
行うことで、拡散歪みゲージ18に接続された配線パタ
ーン19及びパッド20(図15では図示せず)を形成
する。次いで、図16に示すように、CVD等によって
SiNやSi34 等を堆積させることにより、シリコン
基板31の上面にパッシベーション膜35を形成し、配
線パターン19等と突部34を被覆する。
【0037】次に、図17に示すように、後にハンドリ
ング部16となる領域の上面に、スパッタリングや蒸着
等によって導電性のプラチナ(Pt)等よりなる金属膜
36を形成する。この金属膜36とパッシベーション膜
35が上面に形成された突部34によって、マイクロピ
ラミッド22が形成される。
【0038】次に、図18に示すように、シリコン基板
31の裏面に酸化膜37を形成し、フォトリソグラフィ
によって酸化膜37に窓37aを形成する。その窓37
aから異方性エッチングによってシリコン基板31を裏
面からエッチングすることによって、薄肉部21を形成
する。
【0039】上記したように、本実施の形態によれば、
以下の効果を奏する。 (1)対象物Wをハンドリングするハンドリング部1
6,17の相対向する側面16a,17aには、複数の
マイクロピラミッド22,23がそれぞれ設けられてい
る。各マイクロピラミッド22,23は、八角錐台状に
形成され、それらマイクロピラミッド22,23によっ
て対象物Wは、ハンドリング部16,17の側面16
a,17aから離間され、対象物Wとハンドリング部1
6,17との間に作用するファンデルワールス力が低減
される。その結果、対象物Wがハンドリング部16,1
7に付着しにくくなるので、その対象物Wを確実に目的
の場所にハンドリングすることができる。
【0040】(2)マイクロピラミッド22,23の表
面は、白金(Pt)や金(Au)等の導電性の金属によ
り被膜され、ファンデルワールス力の作用が更に低減さ
れる。その結果、対象物Wがハンドリング部16,17
に更に付着しにくくなるので、その対象物Wを確実に目
的の場所にハンドリングすることができる。
【0041】(3)マニピュレータ11を構成する支持
部材12,13の先端に、拡散歪みゲージ18及び薄肉
部21を形成した単結晶シリコンよりなる指部材14を
取着した。マニピュレータ11によって対象物Wを挟ん
だ時に、指部材14は、薄肉部21の部分で撓み、その
撓みによる応力を拡散歪みゲージ18が検知して撓みに
応じた電気信号を検出信号として出力するようにした。
【0042】その結果、拡散歪みゲージ18は、従来の
バルクの歪みゲージ52のように指部材14に取着する
必要がない。また、拡散歪みゲージ18の位置は、指部
材14の先端から一定の位置となり、精度良く形成する
ことができ、各指部材14毎の検出信号のばらつきを防
ぐことができる。
【0043】(4)拡散歪みゲージ18は、従来のバル
クの歪みゲージ52に比べて小さく形成することができ
るので、指部材14の先端付近に形成することができ
る。また、指部材14には、薄肉部21を形成し、その
指部材14の撓みによって拡散歪みゲージ18が撓むよ
うにした。その結果、従来のバルクの歪みゲージ52を
用いたマニピュレータ51に比べて、その力の検出感度
を高めることができる。
【0044】(5)指部材14,15の先端を斜めに成
形してハンドリング部16,17を形成した。その結
果、マニピュレータ11のハンドリング面積が広くな
り、平面上に置かれた対象物Wをハンドリング部16,
17のどの場所でも挟み込むことができるので、微小な
対象物Wを容易にハンドリングすることができる。
【0045】(6)上記の製造工程によれば、通常の半
導体を製造する工程にたいして特別な工程が必要ないの
で、容易にマイクロピラミッド22,23を有する指部
材14,15を製造することができる。
【0046】尚、本発明は以下のように変更してもよ
く、その場合にも同様の作用及び効果が得られる。 (1)上記実施の形態では、マイクロピラミッド22,
23の表面を導電性の金属膜により被膜してファンデル
ワールス力を低減するようにしたが、金属膜を設けずに
実施してもよく、その際にもファンデルワールス力をハ
ンドリングに十分なほどに低減することができる。
【0047】(2)上記実施の形態では、マイクロピラ
ミッド22,23を八角錐状に形成したが、六角錐、八
角柱、六角柱等の任意の形状に形成して実施してもよ
い。 (3)上記実施の形態では、ダイシングにより指部材1
4,15の外形形状を成形したが、異方性エッチング又
は等方性エッチングにより外形形状を成形するようにし
てもよい。
【0048】(4)上記実施の形態において、面方位
(100)のシリコン基板を用いて指部材14を形成し
たが、面方位(110)のシリコン基板を用いることに
より、薄肉部21を形成する際に、側面から垂直にエッ
チングすることができる。尚、面方位(110)のシリ
コン基板を用いた場合、歪みゲージ18を方位<111
>に沿って形成した場合に、同じ歪み量に対する出力電
圧が最も大きくなる。
【0049】(5)上記実施の形態では、指部材14,
15を単結晶シリコンにより形成し、一方の指部材14
に拡散歪みゲージ18及び薄肉部21を形成してマニピ
ュレータ11の力を検知するようにしたが、他方の指部
材15にも同様に拡散歪みゲージ18及び薄肉部21を
形成し、一対の指部材14,15の双方でマニピュレー
タ11の力を検知するようにしてもよい。
【0050】(6)上記実施の形態では、一対の指部材
14,15の双方を単結晶シリコンにより形成したが、
薄肉部21及び拡散歪みゲージ18を形成しない側の指
部材15をステンレス等の金属により形成してもよい。
【0051】(7)上記実施の形態では、酸化膜32に
井桁状の窓32bを形成してマイクロピラミッド22,
23を縦横に配列して形成したが、その配列は任意でよ
く、例えば、斜めに配列して形成する、ランダムに形成
するなど様々に形成して実施してもよい。その際、マイ
クロピラミッド22,23の高さ及び間隔を対象物Wが
側面16a,17aから離間するように設定することは
いうまでもない。
【0052】以上、この発明の各実施の形態について説
明したが、各実施の形態から把握できる請求項以外の技
術思想について、以下にそれらの効果とともに記載す
る。 (イ)請求項1〜3に記載のマイクロマニピュレータに
おいて、前記指部材((14)には薄肉部(21)が形
成され、拡散歪みゲージ(18)はその薄肉部(21)
の表面に形成されたマイクロマニピュレータ。この構成
によれば、薄肉部によって指部材が撓みやすく、把持す
る力の検出感度を高めることが可能となる。
【0053】(ロ)請求項4又は5に記載のマイクロマ
ニピュレータの製造方法に加えて、更に、単結晶シリコ
ン基板(31)の裏面からエッチングして薄肉部(2
1)を形成する工程を備えたマイクロマニピュレータの
製造方法。この構成よれば、薄肉部によって指部材が撓
みやすく、把持する力の検出感度を高めることができる
マイクロマニピュレータを容易に製造することが可能と
なる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
微小な対象物を確実にハンドリングすることが可能なマ
イクロマニピュレータを提供することができる。また、
そのようなマイクロマニピュレータを容易に製造するこ
とが可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) はマニピュレータの平面図、(b) は側面
図。
【図2】 ハンドリング部の拡大平面図。
【図3】 (a) はマイクピラミッドの平面図、(b) は側
面図。
【図4】 第一の実施の形態のマニピュレータを示す斜
視図。
【図5】 付着力の実験する遠心型付着力装置の概略構
成図。
【図6】 遠心力に対する対象物の残存率を示す特性
図。
【図7】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図8】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図9】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図10】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図11】 (a) はマニピュレータの製造工程を示す断
面図、(b) は平面図。
【図12】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図13】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図14】 (a) はマニピュレータの製造工程を示す断
面図、(b) は平面図。
【図15】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図16】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図17】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図18】 マニピュレータの製造工程を示す断面図。
【図19】 従来のマイクロマニピュレータを示す斜視
図。
【符号の説明】
14,15…指部材、18…拡散歪みゲージ、16,1
7…ハンドリング部、22,23…突部としてのマイク
ロピラミッド、31…シリコンウェハ、W…対象物。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小な対象物(W)をハンドリングする
    ためのマイクロマニピュレータであって、 前記対象物(W)を把持する一対の指部材(14,1
    5)と、 前記一対の指部材(14,15)のうちの少なくとも一
    方に形成され、前記対象物(W)を把持する力を検知す
    るための拡散歪みゲージ(18)と、 前記一対の指部材(14,15)の先端の相対向する面
    に形成され、前記対象物(W)をそれらの面から離間し
    て把持する突部(22,23)とを備えたマイクロマニ
    ピュレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマイクロマニピュレー
    タにおいて、 前記突部(22,23)の表面には、導電性の金属膜
    (36)が形成されたマイクロマニピュレータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のマイクロマニピ
    ュレータにおいて、 前記指部材(14,15)は、先端が斜めに成形されて
    ハンドリング部(16,17)が形成され、前記突部
    (22,23)はハンドリング部(16,17)の相対
    向する面(16a,17a)に形成されて前記対象物
    (W)を面(16a,17a)から離間して把持するよ
    うにしたマイクロマニピュレータ。
  4. 【請求項4】 指部材(14,15)となる単結晶シリ
    コン基板(31)の表面側に酸化膜(32)を形成する
    工程と、 前記酸化膜(32)の所定領域に窓(32a)を形成
    し、その窓(32a)から不純物を添加することによっ
    て拡散歪みゲージ(18)を形成する工程と、 前記酸化膜(32)に窓(32b)を形成し、その窓
    (32b)から前記単結晶シリコン基板(31)をエッ
    チングすることによって突部(24)を形成する工程と
    からなる請求項1又は3に記載のマイクロマニピュレー
    タの製造方法。
  5. 【請求項5】 指部材(14,15)となる単結晶シリ
    コン基板(31)の表面側に酸化膜(32)を形成する
    工程と、 前記酸化膜(32)の所定領域に窓(32a)を形成
    し、その窓(32a)から不純物を添加することによっ
    て拡散歪みゲージ(18)を形成する工程と、 前記酸化膜(32)に窓(32b)を形成し、その窓
    (32b)から前記単結晶シリコン基板(31)をエッ
    チングすることによって突部(34)を形成する工程
    と、 前記突部(34)の表面に導電性の金属膜(36)を形
    成する工程とからなる請求項2又は3に記載のマイクロ
    マニピュレータの製造方法。
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