JP2008283749A - モータ装置 - Google Patents

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雅通 大久保
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Abstract

【課題】モータ装置の良好な組み立て性を確保しつつ、グリスのステータ側への流出を抑制して、長期に亘り異音の発生を抑制する。
【解決手段】ロータ33にボールベアリング31に挿入される被挿入部33dを設け、被挿入部33dを、その基端側から先端側に向けて縮径させた。これにより、被挿入部33dのボールベアリング31への進入体積を小さくしてケース30内のステータ側へのグリスGの流出が抑制される。よって、被挿入部33dとボールベアリング31との間にグリスGを介在させて異音の発生を抑制することができる。また、被挿入部33dの先端側を基端側よりも縮径させたので、被挿入部33dのボールベアリング31への挿入作業を容易にすることができ、ブラシレスモータ20の組み立て性を向上させることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータと軸受との間に設けられるグリスにより、ロータの回転時における異音の発生を抑制するようにしたモータ装置に関する。
従来、自動車等の車両には、電動パワーステアリング装置(以下、単にEPSと言う)が搭載されており、このEPSは、運転者によるステアリングホイールの操舵をアシストするものである。EPSは、正逆回転する駆動源としてのブラシレスモータ(モータ装置)を備えており、このEPSに用いられるモータ装置としては、例えば、特許文献1に記載されたモータ装置が知られている。
このモータ装置は、有底状のケースと、ケース内に固定されるステータと、ステータに対して正逆回転するとともに両端が円筒形状となったロータと、ケースの開口部を閉塞するハウジングとを備えており、ロータの一端はハウジングに装着された第1軸受に、ロータの他端はケースの底部に装着された第2軸受に、それぞれ回転自在に支持されている。
このようなモータ装置は、例えば、以下に示すような手順で組み立てられるようになっている。(1)所定形状にプレス成形したケースの底部に第2軸受を固定(外輪嵌め)する。(2)ケースの内周面に接着剤を塗布するとともにステータを圧入して固定する。(3)ケースの底部と第2軸受の内側との間に所定量のグリスを注入する。(4)ハウジングに装着された第1軸受の内輪にロータの一端を圧入して固定(内輪嵌め)する。(5)ロータの他端を第2軸受の内側に挿入する。
上記(1)〜(5)の工程を経て組み立てるようにしたモータ装置においては、ロータの他端と第2軸受の内側との間に、組み付け性等を考慮して所定の隙間(寸法公差以上の大きさの隙間)を形成しており、したがって、ロータの回転時における当該ロータの他端と第2軸受とが叩かれることにより発生する異音を抑制すべく、上記(3)の工程において各部材間に所定量のグリスを介在させるようにしている。
特開2005−117736号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたモータ装置を上記(1)〜(5)の工程を経て組み立てた場合においては、以下に示すような問題点が生じ得る。つまり、ロータを回転させて被駆動対象物(ステアリング装置)を駆動した場合には、その反力がロータに伝達されてロータがステータに対して軸方向に相対変位し、したがって、ロータの正逆方向への回転に伴って、当該ロータにおける円筒形状の端部が第2軸受から出入する。すると、ロータの端部の第2軸受の内側への進入体積に等しい容積のグリスがステータ側に流出してしまう。この所謂ポンピング作用により、ケースの底部と第2軸受の内側との間に注入されたグリスが早期に無くなって、その結果、ロータと第2軸受とが直接的に接触(メタルコンタクト)するようになって、異音が発生し易くなるという問題が生じ得た。
本発明の目的は、モータ装置の良好な組み立て性を確保しつつ、グリスのステータ側への流出を抑制して、長期に亘り異音の発生を抑制することが可能なモータ装置を提供することにある。
本発明のモータ装置は、有底状のケースと、前記ケース内に固定されたステータと、前記ステータに対して正逆回転するロータとを有するモータ装置であって、前記ケースの底部に形成される軸受収容部と、前記軸受収容部に収容される環状の軸受と、前記軸受の内側と前記軸受収容部との間に注入されるグリスと、前記ロータの回転中心に設けられ、前記軸受の内側に挿入される被挿入部とを備え、前記被挿入部を、その基端側から先端側に向けて徐々に縮径するように形成することを特徴とする。
本発明のモータ装置は、前記被挿入部の前記軸受との対向面に、前記グリスを収容するグリス収容部を形成することを特徴とする。
本発明のモータ装置は、前記ステータまたは前記ロータのいずれか一方にスキューを施すことを特徴とする。
本発明によれば、ロータの回転中心に、軸受の内側に挿入される被挿入部を設け、この被挿入部を、その基端側から先端側に向けて徐々に縮径するように形成するので、被挿入部の軸受内への進入体積を、従前に比して十分小さくすることができる。したがって、ロータのステータに対する軸方向への移動によるステータ側へのグリスの流出を抑制することができるので、被挿入部と軸受との間にグリスを長期に亘り介在させ、被挿入部と軸受との直接的な接触による異音の発生を抑制することができる。また、被挿入部を、その基端側から先端側に向けて徐々に縮径させているので、被挿入部が軸受に対して傾動したとしても、被挿入部の軸受に対する接触を回避することができ、この場合においても異音の発生を抑制することができる。さらに、被挿入部の先端側を基端側に比して縮径させるので、被挿入部の軸受に対する挿入作業を容易にすることができ、モータ装置の組み立て性を向上させることができる。
本発明によれば、被挿入部の軸受との対向面に、グリスを収容するグリス収容部を形成するので、被挿入部の軸受内への進入体積をより小さくして、ステータ側へのグリスの流出をより抑制することができる。また、被挿入部が軸受に対して出入りする際に、グリス収容部にグリスを保持させることができるので、ロータのステータに対する軸方向への移動に伴って、被挿入部と軸受との間にグリスを供給することができ、異音の発生をより抑制することができる。
本発明によれば、ステータまたはロータのいずれか一方にスキューを施すので、ロータの回転時におけるコギングトルクの発生を抑制することができる。また、スキューの作用によってロータがステータに対して軸方向へ移動したとしても、ステータ側へのグリスの流出を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は電動パワーステアリング装置(EPS)の概略を示すシステム構成図を、図2は図1のEPSを構成するモータ装置の断面図を、図3は図2の破線円Aを拡大して示す拡大断面図を、図4(a),(b),(c)は図2のモータ装置の組み立て手順を説明する組み立て説明図を、図5はステアリングシャフトからモータ装置に伝達される反力の伝達経路を説明する説明図を、図6(a),(b)は被挿入部の軸受に対する移動状態を説明する移動説明図をそれぞれ表している。
図1に示すように、自動車等の車両の車体(図示せず)には、電動パワーステアリング装置としてのEPS10が搭載されており、このEPS10は、ステアリングホイール11が連結されたステアリングシャフト12による前輪13の操舵をアシストするものである。EPS10は、ステアリングシャフト12の途中に設けられ、図示しない車室内の所定箇所に搭載される、所謂、コラムアシスト式となっている。
ステアリングシャフト12の図中下方には、ユニバーサルジョイント14を介してピニオン15が設けられ、このピニオン15は、タイロッド16に一体的に形成されたラック17に噛み合うようになっている。これにより、ステアリングホイール11の操舵が、ステアリングシャフト12,ユニバーサルジョイント14,ピニオン15およびラック17を介してタイロッド16の図中左右方向への移動に変換され、その結果、前輪13が左方向または右方向に操舵されるようになっている。
EPS10は、駆動源としてのブラシレスモータ(モータ装置)20と、ブラシレスモータ20の回転を減速して高トルク化する減速機構21と、ステアリングシャフト12の回転トルクを検出するトルクセンサ22と、ブラシレスモータ20に駆動電流を供給するコントローラ23とを有している。
ブラシレスモータ20は、コントローラ23の電源接続部(図示せず)に接続される電源コネクタ20aを備えており、この電源コネクタ20aを介して所定の大きさの駆動電流がブラシレスモータ20に供給されるようになっている。ブラシレスモータ20の内部には、ブラシレスモータ20の回転状態(回転位置等)を検出するレゾルバ35(図2参照)が設けられており、このレゾルバ35は、第1センサコネクタ20bを介してコントローラ23の第1センサ接続部(図示せず)に接続されている。ただし、電源コネクタ20aと第1センサコネクタ20bとを纏めて一つの接続コネクタとし、当該接続コネクタをコントローラ23に接続することもできる。
トルクセンサ22には、第2センサコネクタ22aが設けられ、この第2センサコネクタ22aは、コントローラ23の第2センサ接続部(図示せず)に接続されている。そして、トルクセンサ22の検出信号はコントローラ23に入力され、これによりコントローラ23は、ステアリングシャフト12に対するブラシレスモータ20のアシスト量(回転数等)を演算するとともに、この演算結果が反映された駆動電流をブラシレスモータ20に供給するようになっている。
減速機構21は、ブラシレスモータ20の出力軸20cに一体的に設けられるウォーム21aと、このウォーム21aと噛み合ってステアリングシャフト12と一体回転するウォームホイール21bとから構成されている。これにより、ブラシレスモータ20の出力軸20cの回転が減速され、この減速されて高トルク化された回転が、ウォームホイール21bを介してステアリングシャフト12に伝達されるようになっている。
図2に示すように、ブラシレスモータ20は、鋼板を深絞り加工することにより有底状に形成されたケース30を有しており、このケース30の底部(図中右方)には、軸受収容部30aが形成されている。この軸受収容部30aには、環状の軸受としてのボールベアリング(玉軸受)31が嵌合して収容、つまり、外輪嵌めにより固定されている。
ボールベアリング31の内側と軸受収容部30aとの間には、比較的粘度の高い、例えばウレア系のグリスG(図中網掛け)が所定量注入されている。グリスGの注入量は、上述した従前のモータ装置と略同一の注入量に設定され、ボールベアリング31の内側にロータ軸33aの被挿入部33dが挿入された状態のもとで、ボールベアリング31の内側と軸受収容部30aとの間を略満たす量に設定されている。
ケース30の内側にはステータ32が圧入して固定されており、このステータ32は、ブラシレスモータ20の組み立て工程において、ケース30の内周壁にエポキシ樹脂系の接着剤等(図示せず)を塗布した状態のもとでケース30に圧入され、これにより、ケース30に対して強固に固定されている。
ステータ32は、鋼材により円筒形状に形成され、その径方向内側にティースT(詳細図示せず)を有するステータコア32aと、ティースTの周囲を取り囲むようにして設けられ、合成樹脂材料等により形成された絶縁用のインシュレータ32bと、インシュレータ32bに集中巻きで巻装されるコイル32cとを備えている。ステータ32は、ティースT,インシュレータ32bおよびコイル32cからなるセットを9セット有する9スロット(図示せず)の構成を採用している。
また、図4の二点鎖線に示すように、各ティースTは、軸方向に向けて所定角度で傾斜するように形成され、このようにしてステータ32にはスキューが施されている。ステータ32にスキューを施すことにより、ステアリングホイール11を介して運転者に伝達される振動(コギングトルク)の発生を低減するようにしている。
ステータ32の内側には、所定の隙間(エアギャップ)を介してロータ33が設けられており、このロータ33は、ステータ32に対して正逆方向に相対回転可能となっている。ロータ33は、その回転中心に設けられるロータ軸33aと、ロータ軸33aの外周に固定され、複数の鋼板を多数積層して形成される円筒形状のロータコア33bと、ロータコア33bの外周側を覆うように設けられ、周方向に所定間隔でN極・S極・・・のように交互に着磁(6極)された円筒形状のリング磁石33cとを有している。このように、本実施の形態に係るブラシレスモータ20は、6極9スロットのモータ装置を採用している。
ケース30の開口部(図中左方)には、当該開口部分を閉塞する蓋体としてのハウジング34が設けられ、このハウジング34には、ロータ軸33aが貫通する貫通孔34aが形成されている。また、ハウジング34には、ロータ軸33a(ロータ33)の回転位置を検出するレゾルバ35が装着されており、このレゾルバ35の出力信号(検出信号)は、コントローラ23に第1センサコネクタ20b(図1参照)を介して入力されるようになっている。これにより、コントローラ23は、レゾルバ35の出力信号の変化に応じてロータ33のステータ32に対する回転位置を検出するようになっている。
ハウジング34の貫通孔34aには、ボールベアリング36が外輪嵌めによって固定されており、このボールベアリング36の内輪には、ロータ軸33aの一端(図中左方)が圧入して固定(内輪嵌め)されている。このように、ロータ軸33aの一端をボールベアリング36に圧入して固定することにより、ロータ33,ハウジング34,レゾルバ35およびボールベアリング36よりなるロータ組立体(サブアッセンブリ)を形成している。
ロータ軸33aの他端(図中右方)には、ボールベアリング31の内側に挿入される被挿入部33dが形成されている。被挿入部33dは、図3に示すように略円錐台形状に形成されており、その基端側から先端側、つまり、図中右方に向けて徐々にその直径寸法が小さくなるように(縮径するように)形成されている。この被挿入部33dの高さ寸法L1は、ボールベアリング31の軸方向寸法と略同一の寸法に設定されており、ボールベアリング31の内側に挿入された状態のもとで、被挿入部33dの外周面における軸方向略全域が、ボールベアリング31に対向するようになっている。
被挿入部33dの基端側の外径寸法L2は、ボールベアリング31の内側に挿入し得る最大の寸法となっており、つまり、被挿入部33dの基端側の外径寸法L2は、ボールベアリング31の内輪の内径寸法L3に対して、マイナス側の寸法公差を有する略同一の寸法に設定されている。また、被挿入部33dの基端側とボールベアリング31の内側との間の隙間(上記寸法公差により形成される隙間)の環状面積S1は、被挿入部33dの先端側とボールベアリング31の内側との間の隙間の環状面積S2よりも、遙かに小さな面積(S1≪S2)となっている。ここで、被挿入部33dとボールベアリング31とは、符号S1の微小隙間を介して互いに対向し、両者は互いに略線接触し得る状態となって、ロータ33の回転時におけるがたつきを抑制するようになっている。
被挿入部33dの外周面、つまり、被挿入部33dのボールベアリング31との対向面には、切削加工等によって断面が略半円形状となった螺旋状の溝40が形成されている。この溝40は、図4に示すステータ32のスキューと同じ方向、つまり、右ねじの方向に傾斜するように被挿入部33dの周囲を略4周して螺旋状に形成されている。また、溝40は、被挿入部33dが図6(a),(b)に示すように軸方向の何れに移動した場合であっても、常にボールベアリング31に対向し得る位置に形成されている。そして、溝40には、被挿入部33dをボールベアリング31の内側に挿入した状態のもとでグリスGが満遍なく行き渡るようになっており、この溝40は本発明におけるグリス収容部を構成している。
次に、以上のように構成したブラシレスモータ20の組み立て方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
まず、別工程で深絞り加工により所定形状に形成したケース30と、別工程でサブアッセンブリ化したステータ32と、ボールベアリング31とを準備する(部品準備工程)。そして、図4(a)に示すようにケース30の内周面に接着剤C(図中クロスハッチング)を塗布するとともに、矢印のようにステータ32を圧入し、ボールベアリング31を軸受収容部30aに装着する(部品装着工程)。これにより、ステータ組立体SAが完成する。ただし、ステータ32のケース30への圧入代を多めに設定することにより、接着剤Cを省略することもできる。
続いて、図4(b)に示すように、ステータ組立体SAの開口部からボールベアリング31の内側に向けて、グリス供給装置(図示せず)の供給管Pの先端側(図中下方)を臨ませる。そして、その状態のもとで、グリス供給装置を作動させて所定量のグリスGをボールベアリング31の内側と軸受収容部30aとの間に注入する(グリス注入工程)。
その後、図4(c)の矢印に示すように、ステータ組立体SAの開口部から、別工程で組み立てたロータ組立体RAを、被挿入部33dがボールベアリング31の内側に挿入されるように相互の軸心を合わせた状態で装着する。被挿入部33dのボールベアリング31への挿入に際し、被挿入部33dを先細の略円錐台形状に形成したことから、ロータ組立体RAの軸心がステータ組立体SAの軸心に対して多少ずれたとしても、ロータ組立体RAはステータ組立体SAに対して自動的にセンタリングされて、両者の組み付けは容易に行われる。
ここで、被挿入部33dがボールベアリング31の内側に挿入された際に、グリスGは被挿入部33dの外周形状に倣って当該被挿入部33dの外周面上に行き渡り、その結果、溝40にグリスGが収容されることになる。なお、ボールベアリング31の内側にあるエアは、被挿入部33dとボールベアリング31との間の微小隙間(図3の符号S2)を介してステータ32側に排出される(組立体装着工程)。これにより、ブラシレスモータ20の組み立てが完了する。
次に、以上のように構成したブラシレスモータ20の作動について、図面に基づいて詳細に説明する。
運転者がステアリングホイール11を介してステアリングシャフト12を図5に示す矢印aまたはb方向に操舵すると、その操舵操作による回転トルクがトルクセンサ22により検出され、この検出信号がコントローラ23に入力される。コントローラ23は、トルクセンサ22の検出信号に基づいてブラシレスモータ20のアシスト量を演算し、ブラシレスモータ20に所定の駆動電流を供給する。すると、図中矢印aまたはb方向にロータ33が回転し、これに伴いロータ軸33aも矢印aまたはb方向に回転する。これにより、ステアリングシャフト12の操舵操作にブラシレスモータ20の回転力が付加されて、運転者によるステアリングホイール11の操舵操作がアシストされる。
このようにステアリングシャフト12が操舵されると、ウォームホイール21bおよびウォーム21aを介して、ステアリングシャフト12からの反力がロータ33に伝達され、ロータ33は図中矢印aまたはb方向(軸方向)に移動される。このときロータ33には、上記反力に加えてステータ32に施したスキューによるロータ33を軸方向に移動させる力が作用することになる。すると、ロータ33のステータ32に対する軸方向への相対移動に伴って、図6(a),(b)に示すように、被挿入部33dがボールベアリング31から出入りするようになる。
図6(a)に示すように、ロータ33が矢印b方向へ回転した場合には、被挿入部33dが矢印b方向に移動、つまり、被挿入部33dがボールベアリング31から突出する方向に移動する。このとき、ボールベアリング31内の容積は、被挿入部33dが突出することによりエアが流入して増加し、したがって、グリスGがステータ32側に流出することはない。また、被挿入部33dに設けた螺旋状の溝40は、ボールベアリング31に対向しているので、溝40内に収容されたグリスGについてもステータ32側に漏れ出ることはない。
図6(b)に示すように、ロータ33が矢印a方向へ回転した場合には、被挿入部33dが矢印a方向に移動、つまり、被挿入部33dがボールベアリング31内に進入する方向に移動する。このとき、ボールベアリング31内の容積は、被挿入部33dが進入することにより減少し、ボールベアリング31内のエアは被挿入部33dにおける基端側の微小隙間(図3の符号S1)を介してステータ32側へ排出され、グリスGは溝40内に入り込むとともに、上記微小隙間の絞り効果によって、ステータ32側への流出が抑制される。
以上詳述したように、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、ロータ33の回転中心に、ボールベアリング31の内側に挿入される被挿入部33dを設け、この被挿入部33dを、その基端側から先端側に向けて徐々に縮径するように形成したので、被挿入部33dのボールベアリング31内への進入体積を、上述した従前のモータ装置に比して十分小さくすることができる。
したがって、ロータ33のステータ32に対する軸方向への移動によるステータ32側へのグリスGの流出を抑制することができるので、被挿入部33dとボールベアリング31との間にグリスGを長期に亘り介在させ、被挿入部33dとボールベアリング31との直接的な接触による異音の発生を抑制することができる。
また、被挿入部33dを、その基端側から先端側に向けて徐々に縮径させたので、被挿入部33dがボールベアリング31に対して傾動したとしても、被挿入部33dのボールベアリング31に対する接触を回避することができるので、この場合においても異音の発生を抑制することができる。
さらに、被挿入部33dの先端側を基端側に比して縮径させたので、被挿入部33dのボールベアリング31に対する挿入作業を容易にすることができ、ブラシレスモータ20の組み立て性を向上させることができる。
本発明によれば、被挿入部33dのボールベアリング31との対向面に、グリスGを収容する溝40を形成したので、被挿入部33dのボールベアリング31内への進入体積をより小さくして、ステータ32側へのグリスGの流出をより抑制することができる。
また、被挿入部33dがボールベアリング31に対して出入りする際に、溝40にグリスGを保持させることができるので、ロータ33のステータ32に対する軸方向への移動に伴って、被挿入部33dとボールベアリング31との間にグリスGを供給することができ、異音の発生をより抑制することができる。
本発明によれば、ステータ32にスキューを施したので、ロータ33の回転時におけるコギングトルクの発生を抑制することができる。また、スキューの作用によってロータ33がステータ32に対して軸方向へ移動したとしても、ステータ32側へのグリスの流出を抑制することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、環状の軸受としてボールベアリング(玉軸受)31を用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、円柱状のころを有するころ軸受や、円筒形状の含油金属材料や硬質樹脂材料等よりなる滑り軸受等を用いることもできる。
また、上記実施の形態においては、ステータ32にコギングトルクの発生を抑制するスキューを施したものを示したが、本発明はこれに限らず、リング磁石33cの周方向に所定間隔で傾斜するようにN極・S極・・・を交互に着磁して、リング磁石33cにスキューを施すようにしても良い。さらに、小型モータなどの比較的小さなコギングトルクが発生するモータ装置においては、スキューを省略することもできる。この場合、汎用のステータを用いることができるので、モータ装置の低コスト化が図れる。
また、上記実施の形態においては、被挿入部に形成するグリス収容部として、螺旋状の溝40であるものを示したが、本発明はこれに限らず、被挿入部33dの軸方向に延びる直線状の溝を、被挿入部33dの周方向に沿って複数形成するようにしても良い。さらに、被挿入部33dの外周面に部分的に凹んだ凹部を複数箇所に任意に形成するようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、モータ装置としてブラシレスモータ20であるものを示したが、本発明はこれに限らず、ブラシ付のモータ装置等、ステータとロータとを備える他の形式のモータ装置にも適用することができる。
さらに、上記実施の形態においては、ブラシレスモータ20の内部に、当該ブラシレスモータ20の回転状態を検出するレゾルバ35を設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、レゾルバ35に代えて、ホールICを有する回転センサ等、他の形式の回転センサを用いることもできる。
また、上記実施の形態においては、ブラシレスモータ20を、ステアリングシャフト12の作動をアシストするコラムアシスト式のEPS10に用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、ピニオンまたはラックの作動をアシストするピニオンアシスト式やラックアシスト式のEPSにも適用することができる。
さらに、上記実施の形態においては、ブラシレスモータ20をESP10の駆動源として用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、他の車載システム、例えば、ワイパ装置やパワーウィンドウ装置,スライドドア開閉装置等の駆動源として用いられるモータ装置にも適用することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略を示すシステム構成図である。 図1のEPSを構成するモータ装置の断面図である。 図2の破線円Aを拡大して示す拡大断面図である。 (a),(b),(c)は、図2のモータ装置の組み立て手順を説明する組み立て説明図である。 ステアリングシャフトからモータ装置に伝達される反力の伝達経路を説明する説明図である。 (a),(b)は、被挿入部の軸受に対する移動状態を説明する移動説明図である。
符号の説明
10 EPS(電動パワーステアリング装置)
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13 前輪
14 ユニバーサルジョイント
15 ピニオン
16 タイロッド
17 ラック
20 ブラシレスモータ(モータ装置)
20a 電源コネクタ
20b 第1センサコネクタ
20c 出力軸
21 減速機構
21a ウォーム
21b ウォームホイール
22 トルクセンサ
22a 第2センサコネクタ
23 コントローラ
30 ケース
30a 軸受収容部
31 ボールベアリング(環状の軸受)
32 ステータ
32a ステータコア
32b インシュレータ
32c コイル
33 ロータ
33a ロータ軸
33b ロータコア
33c リング磁石
33d 被挿入部
34 ハウジング
34a 貫通孔
35 レゾルバ
36 ボールベアリング
40 溝(グリス収容凹部)
C 接着剤
G グリス
P 供給管
RA ロータ組立体(サブアッセンブリ)
SA ステータ組立体(サブアッセンブリ)
T ティース

Claims (3)

  1. 有底状のケースと、前記ケース内に固定されたステータと、前記ステータに対して正逆回転するロータとを有するモータ装置であって、
    前記ケースの底部に形成される軸受収容部と、
    前記軸受収容部に収容される環状の軸受と、
    前記軸受の内側と前記軸受収容部との間に注入されるグリスと、
    前記ロータの回転中心に設けられ、前記軸受の内側に挿入される被挿入部とを備え、
    前記被挿入部を、その基端側から先端側に向けて徐々に縮径するように形成することを特徴とするモータ装置。
  2. 請求項1記載のモータ装置において、前記被挿入部の前記軸受との対向面に、前記グリスを収容するグリス収容部を形成することを特徴とするモータ装置。
  3. 請求項1または2記載のモータ装置において、前記ステータまたは前記ロータのいずれか一方にスキューを施すことを特徴とするモータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8808325B2 (en) 2006-09-29 2014-08-19 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Surgical stapling instrument with staples having crown features for increasing formed staple footprint
US10092292B2 (en) 2013-02-28 2018-10-09 Ethicon Llc Staple forming features for surgical stapling instrument

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