JP2008283023A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透光性基板2に製膜した後、製膜された膜に所定形状の溝を加工することを繰り返し行って所定の光電変換装置を製造する光電変換装置の製造方法であって、最初にレーザーエッチング溝4を加工する工程bにおいて、加工された溝4に対し略直交に交差する少なくとも2本の交差溝47を形成し、それ以後のレーザーエッチング溝6,10を加工する工程d,fにおいて、溝4と交差溝47との交差部49が溝6,10を加工する位置を決めるアライメントマークMとして用いられることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
たとえば、薄膜太陽電池を集積しモジュール化するものでは、基板の上に透明電極層を製膜し、それをセル単位に分割する、すなわち、透明電極層を除去するため、たとえば、レーザーエッチングを用いて多数の略平行な溝を形成している。次いで、透明電極層の上に発電層が製膜され、この発電層をセル単位に分割するため再度レーザーエッチングを用いて透明電極層の溝の付近に略平行して、前記透明電極層に形成された溝と同数の発電層の溝が形成される。さらに、発電層の上に裏面電極層が製膜される。この裏面電極層には、セル単位に分割するためレーザーエッチングを用いて透明電極層および発電層の溝の付近に略平行して、前記透明電極層に形成された溝と同数の発電層と裏面電極層の溝が形成される。
一方、これらの溝が存在する領域は、薄膜太陽電池の発電作用に寄与しない部分であるので、できるだけ小さい範囲に収めることが求められている。このため、溝の加工位置の精度を向上させ、少しでも各溝間の間隔を小さくすることが求められている。
この溝の加工位置の精度を向上させるものとして、基板の位置決め用のアライメントマークが用いられている。それについての種々の工夫が、たとえば、特許文献1あるいは特許文献2に示されるように、提案されている。
また、特許文献2に示されるものは、アライメントマークを認識する基準パターンとして態様の異なる複数の基準パターンを備え、アライメントマークの検知状態が変化してもその変化に対応して認識を可能にさせて、確実にアライメントマークによる位置決めが行なえるようにしたものである。
すなわち、たとえば、矩形基板上に形成する薄膜太陽電池は、基板をXYテーブルに設置して基板の一辺を基準に位置決めを行うことで、レーザーエッチング溝を基板の一辺に平行とすることが簡易であるが、次工程でこの基板に膜を積層して再度に基板をXYテーブルに設置する際に、前工程で基準にした基板の一辺の向く方向がXY軸に対して微妙に傾いて設置されると、この辺に対して平行にエッチングラインを形成できなくなる。薄膜太陽電池では、製膜とレーザーエッチング溝加工が複数回に繰り返し実施されるが、特に各レーザーエッチング工程の装置間で基板のXYテーブルへの設置状況(即ちXY移動方向と基準となる基板の一辺との平行度)が変わると、各レーザーエッチング溝が重なり、集積にあたり短絡や直列接合が出来ない箇所が発生し、太陽電池出力が大きく低下する不都合が生じる。
たとえば、2つ工程でレーザーエッチング加工される溝の間隔が100μm、基板のXYテーブルでの移動長さが1.4mとすると、レーザーエッチング加工される溝が交わらないためにはXY移動方向と基準となる基板の一辺との平行度は、傾斜角をθとすると次の条件となる。すなわち、tanθ≦100×10−6/1.4であるので、θ≦0.004°となる。しかしながら、基板をXYテーブルに設置しθが0°に極めて近くなるよう再現性良く基板位置を調整することは難しく、特に機械的手段で基板の一辺を基準に押付けて位置決めを行う調整では困難である。
したがって、大型基板の各レーザーエッチング加工においては、加工の工程における加工される溝の平行度を保証できることが求められる。
また、薄膜太陽電池の製造工程で複数回行われる各レーザーエッチング工程において環境条件、例えば、基板温度が異なるため、基板の熱膨張差によってアライメントマークと先に加工した溝との位置関係や距離が変動するので、後のエッチング工程におけるレーザーエッチング溝と先に加工したレーザーエッチング溝との間隔の設定をこの変動分を見込んで大きめに設定しておく必要がある。このため、発電作用に寄与しない部分の削減に限界がある。
すなわち、本発明にかかる光電変換装置の製造方法は、基板に製膜した後、製膜された膜に所定形状の溝を加工することを繰り返し行って所定の光電変換装置を製造する光電変換装置の製造方法であって、最初に前記溝を加工する初期工程において、基板の位置基準に対して加工された初期溝に対し略直交に交差する少なくとも2本の交差溝を前記初期溝の両端部付近に形成し、それ以後の前記溝を加工する下流工程において、前記初期溝と前記交差溝との交差部が前記下流工程の前記溝を加工する位置を決めるアライメントマークとして用いられることを特徴とする。
また、初期溝の両端部付近に形成される2つの交差部がアライメントマークとして用いられるので、基板をXYテーブルに設置した際の面内におけるXY移動軸方向との傾斜を判定することができる。これにより傾斜の補正が行なえるので、レーザーエッチング溝の加工位置精度を向上させることができる。
このため、たとえば、以降の工程において基板温度が異なるために熱膨張差があった場合でも、以後の工程で加工されるレーザーエッチング溝の位置に対する影響が、別の場所にアライメントマークが存在するものと比較して小さくなるので、以後の工程で加工されるレーザーエッチング溝の位置誤差はより小さくなる。すなわち、レーザーエッチング溝の加工位置精度を向上させることができる。
このように、レーザーエッチング溝の加工位置精度が向上するので、レーザーエッチング溝の間隔の余裕分を小さくすることができる。このため、レーザーエッチング溝が存在する発電作用に寄与しない部分の大きさが削減できるので、発電に寄与する有効面積を増加させることができ、発電効率、すなわち、製品品質を向上させることができる。
また、上記発明では、前記一つの初期溝は、前記位置基準に対して最も近い初期溝が選択されることが好適である。
このようにして、たとえば、前記位置基準として基板の一辺が当止めされる前記基板の外周部とすると、周囲環境変化による以降の工程において基板温度が異なるために熱膨張などで基板サイズが少し変化しても、元々の位置基準に選定した基板の一辺が当止めされる前記基板の外周部とアライメントマーク間の距離が小さいために、基板をXYテーブルに設置して基板を当止めした時点で、これらの位置関係のズレが少なく抑制できているので、アライメントマークによる微小修正量が少なくなり、下流工程で加工されるレーザーエッチング溝の位置をより早く正確に確保できる。
また、アライメントマークはカメラ等で探す場合に特異部分となる基板が当止めされる外周部に最も近い位置に存在するので、アライメントマークを探し易くなる。このため、レーザーエッチング溝の加工位置の設定時間が短縮されるので、生産性を向上させることができる。
本発明にかかる光電変換装置の製造方法では、アライメントマークが検出できなかった場合、順次隣の初期溝に存在する交差部に移動して検出できるものをアライメントマークとして用いるので、次のアライメントマークへ移動する時間を短縮でき、確実にアライメントマークに基づいて溝の加工位置を決めることができる。
ここで基板温度が異なるために熱膨張などで基板サイズが変化すると、2つの交差部、すなわち、アライメントマーク間の距離もそれに応じて変化することになる。したがって、下流工程における交差部間の距離と初期工程における交差部間の距離とを比較すれば基板の温度を計測しなくても誤差が少なく伸縮割合、すなわち、変動割合を検出することができる。
そして、下流工程でレーザーエッチング溝を複数本加工する場合の隣り合う溝間の所定間隔をこの変動割合分だけ補正させて加工すると、初期工程における基板サイズと相対的に同じ位置で下流工程のレーザーエッチング溝が加工されることになるので、初期レーザーエッチング工程で加工された初期溝と下流レーザーエッチング工程で加工された溝との間隔を一層精度よく加工することができる。
このように、レーザーエッチング溝の基板に対する相対加工位置精度がより向上するので、レーザーエッチング溝の間隔の余裕分をより小さくすることができる。このため、レーザーエッチング溝が存在する発電作用に寄与しない部分の大きさが削減できるので、発電に寄与する有効面積をより増加させることができ、発電効率、すなわち、製品品質をより向上させることができる。
また、形成される2つの交差部がアライメントマークとして用いられるので、レーザーエッチング溝の加工位置精度を向上させることができる。
さらに、形成される2つの交差部のアライメントマーク間の距離が前記初期工程のそれと比べて変動した場合、その変動割合に応じて前記溝の所定間隔を補正して加工されるので、レーザーエッチング溝の基板に対する相対加工位置精度を向上させることができる。
これにより、発電効率、すなわち、製品品質を向上させることができる。
〔第一実施形態〕
まず、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成について薄膜シリコン系の太陽電池を代表例に用いて説明する。
図1は、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置としての薄膜シリコン系の太陽電池1の構成を示す部分断面図である。太陽電池1は、透光性基板2、透明電極層3、太陽電池光電変換層(発電層)5、および裏面電極層9を具備する。
裏面電極層9は、銀(Ag)層7とチタン(Ti)層8との2層で構成されている。
なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
ここでは、透光性基板2としてのガラス基板上に太陽電池光電変換層5として単層アモルファスシリコン薄膜を製膜した例について説明する。図2は、太陽電池1の製造方法の実施の形態を示し、その各工程における部分断面図である。
まず、図2(a)に示されるように、透光性基板2の一面に透明電極層3を製膜する工程aに入る。
透光性基板2としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)を使用する。なお、透光性基板2の端面は破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
透光性基板2に、透明電極層3として酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜を約500nm〜800nmの厚さとなるように、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。
透明電極層3として、透明電極膜に加えて、透光性基板2と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示省略)を形成しても良い。この場合、アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nmの厚さとなるように、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
この溝4等を加工するレーザーエッチング装置13について図3および図4により説明する。
レーザーエッチング装置13には、XYθテーブル15と、レーザー発振器17と、カメラ19と、制御部21とが備えられている。
XYθテーブル15は、θテーブル23と、Xテーブル25と、Yテーブル27とが上下方向に積重ねられて形成されている。
透光性基板2は支持ピン33の上に載置され、電磁チャック39によって基板当止めピン35,37に押し付けられ、X軸方向29およびY軸方向31の位置が規制される。
透光性基板2の基板当止めピン35に当接する側面36が本発明にいう外周部に相当し、位置基準として利用される透光性基板2の一辺である。
尚、位置基準は、基板をローダなどを用いて搬送し支持ピン33に再現性良く設置できる際の機械系が保有する管理座標でも良く、基板を再現性良く設置できる位置決め手法であれば特に手法を限定する必要がない。
カメラ19は、たとえば、CCDカメラであり、照明45によって照明されたアライメントマークを読み取る。
制御部21は、算出した溝の位置に基づいて、レーザー発振器17の動作と連動して、θモータ24、Xモータ26、Yモータ28を作動させてθテーブル23、Xテーブル25、Yテーブル27を動作させて溝を所定の位置にレーザーエッチング加工する機能を奏する。
加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向(X軸方向29)に対して垂直な方向(Y軸方向31)へ、透光性基板2とレーザー光とを相対移動して、溝4を形成するように幅約6mm〜10mmの短冊状にレーザーエッチングする。レーザーエッチング溝4は、X軸方向に略等間隔に複数本、たとえば、161本形成される。
これにより、各溝4と各交差溝47との交差部49は図6に示すように十字形状のマークを形成し、この交差部49は、交差溝47に沿って複数、たとえば、161箇所形成される。
本実施形態では、交差溝47を加工するため、たとえ、透光性基板2の側面あるいは裏面に回りこんだ透明電極膜が存在したとしても、セル単位で透明電極層膜が電気的に独立させることができる。さらに、レーザーエッチング加工時にエッチングされた残渣がエッチング溝に再付着するなどで短絡し易いレーザーエッチング溝4の分離状況をセル段間抵抗の計測で確実に確認することができる。
この集積化された太陽電池1に必要な透明電極層3のレーザーエッチング溝4と2本の交差溝47との交差部49にできた十字形状のマークをアライメントマークMとして活用する。従って、アライメントマークMは、アライメントのためだけに専用に形成したものではなく、必用な製造工程で形成されたものである。
工程cでは、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30〜150Pa、基板温度:約200℃にて光電変換層5として、アモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜される。
光電変換層5は、SiH4ガスとH2ガスとを主原料に、透明導電層3の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。
またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
ここで、光電変換層5はアモルファスシリコン系単層に限るものではなく、アモルファスシリコン系光電変換層と結晶質系シリコン(微結晶シリコン系を含む)光電変換層とのタンデム接合型のもの、さらにはこれら光電変換層のトリプル接合型によるものであっても良い。
工程dでは、まず、光電変換層3を製膜形成された透光性基板2をXYθテーブル15の支持ピン33の上に載置する。そして、電磁チャック39によって透光性基板2の側面を基板当止めピン35,37に押し付ける。すなわち、側面36は基板当止めピン35に押し付けられる。
そして、側面36に一番近いレーザーエッチング溝4に位置する2つの交差部49をアライメントマークMと設定する。カメラ19がこのアライメントマークMを探し、レーザーエッチング溝4の両端部付近にある両方のアライメントマークMが形成する線、すなわち、レーザーエッチング溝4がY軸方向31に沿っているかをチェックする。ずれている場合には、制御部21はθモータ24を作動し、θテーブル23を回転させ、ずれを修正する。
また、周囲環境変化による基板温度が異なるために熱膨張などで透光性基板2サイズが変化しても、元々基準に選定した側面36とアライメントマークMとの距離が小さいので位置関係のズレが少なく抑制できているので、アライメントマークによる微小修正量が少なくなり、下流工程で加工されるレーザーエッチング溝6の位置をより早く正確に確保できる。
この状態で、レーザー発振器17からレーザーダイオード励起YAGレーザーやYVO4レーザーの第2高調波(532nm)を、図2(d)の矢印に示すように、光電変換層5の膜面側から入射させる。このとき、パルス発振は10〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整し、Y軸方向31へ、透光性基板2とレーザー光とを相対移動し、透明電極層3のレーザーエッチング溝4に対して約100〜150μm横側の位置に、レーザーエッチング溝6を形成するようにレーザーエッチングする。レーザーエッチング溝6は、X軸方向に略等間隔に複数本、たとえば、161本形成される。
さらに、このアライメントマークMが同様に規定回数のリトライを行っても検出できなかったらさらに隣りのレーザーエッチング溝4の交差部49をアライメントマークMとして設定する。以下順次繰り返すことで検出できるアライメントマークMを探すことができる。
裏面電極層9としてAg膜7およびTi膜8をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。
本実施形態では、Ag膜7は200〜500nmの厚さに、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜は10〜20nmの厚さにこの順に積層するように製膜する。
光電変換層5のn層と裏面電極層9との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層5と裏面電極層9との間にGZO(GaドープZnO)膜を膜厚が50〜100nmとなるようにスパッタリング装置により製膜して設けても良い。
工程fで、このレーザーエッチング溝10を加工するレーザーエッチング装置では、レーザーエッチング装置13における透光性基板2は、基板(ガラス側)面をレーザー発振器17およびカメラ19の方に位置し、製膜面側がXYθテーブル15の方へ位置するように設置されている。
工程fでは、まず、裏面電極層9を製膜形成された透光性基板2をXYθテーブル15の支持ピン33の上に載置する。そして、電磁チャック39によって透光性基板2の側面を基板当止めピン35,37に押し付ける。すなわち、側面36は基板当止めピン35に押し付けられる。
透光性基板2をXYテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーやYVO4レーザーの第2高調波(532nm)を、工程fと同様に透光性基板2側から入射する。レーザー光が透明電極層3と光電変換層5で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層9が爆裂して、裏面電極層9、光電変換層5および透明電極層2が除去される。
X軸方向絶縁溝は透光性基板2の端より5〜10mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池1パネル端部からの太陽電池モジュール内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
また、レーザーエッチング溝4の両端部付近に形成される2つの交差部49がアライメントマークMとして用いられるので、透光性基板2をXYθテーブル15に設置した際の面内におけるXY移動軸方向との傾斜を判定することができる。これにより傾斜の補正が行なえるので、レーザーエッチング溝6,10の加工位置精度を向上させることができる。
このため、たとえば、各レーザーエッチング工程において周囲環境変化による基板温度が異なるために熱膨張差で基板サイズが少し変化し、XYθテーブル15に設置位置に変化が生じても、加工位置精度を管理すべき対象のレーザーエッチング溝4そのものを、位置基準アライメントマークMとして位置合わせを行うために、レーザーエッチング溝6,10の位置に対する影響が、別の場所に専用にアライメントマークが存在するものと比較して小さくなるので、レーザーエッチング溝6,10の位置誤差はより小さくなる、すなわち、レーザーエッチング溝6,10の加工位置精度を向上させることができる。
このように、レーザーエッチング溝4,6,10の加工位置精度が向上するので、各溝の間隔の余裕分の設定を小さくすることができる。このため、レーザーエッチング溝4,6,10が存在する発電作用に寄与しない部分の大きさが削減できるので、発電に寄与する有効面積を増加させることができ、発電効率、すなわち、製品品質を向上させることができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態は、基本的な工程は第一実施形態のものと同様であり、工程b,d,fに付加された内容がある点において異なるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態のものと同じ部分については重複した説明を省略する。なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
たとえば、工程dにおいて、工程bの時に比べて周囲環境が変化し、たとえば、基板温度が上昇したとする。
この工程bとdの間の温度上昇分により透光性基板2は熱膨張してサイズが変化し、透光性基板2は図8に示すように透光性基板2aとなる。このサイズ変化により、図8に示すように2つの交差部49、すなわち、アライメントマークM間の距離L0もそれに応じてL1へ変化(この場合増加)する。
従来においては、基板に対する複数本加工するレーザーエッチング溝6の相対位置が変化するために、この変化量を見越して各工程におけるレーザーエッチング溝間隔に余裕分を持った設定が必要になるので発電作用に寄与しない部分の大きさの削減を阻害する要因になる。このため基板温度に応じて透光性基板2との相対位置を同じになるように、レーザーエッチング溝6の加工位置を微小調整することが好ましい。
そして、制御部21はこの伸縮割合を用いて間隔K1を算出し、隣り合うレーザーエッチング溝6aの間がその間隔K1だけ空くように補正して、X軸方向に透光性基板2aを送るようにする。
具体的には、たとえば長辺と短辺の長さの差が少ない透光性基板2を使用した際の簡易算出法として、間隔K1は、セルの段数をSとすると、K1=K0×L1/L0とするか、K1=K0+(L1−L0)/Sで算出される。
工程fにおいても同様に処理する。
ここで、透光性基板2の温度を計測して、レーザーエッチング溝6aの間隔をK1へと補正する手法の選択も考えられるが、本実施形態では煩雑で誤差の大きくなり易い基板温度計測が不要となり、透光性基板2の熱膨張量を直接計測して換算補正するので、簡単で信頼性の高い補正が可能である。
このため、レーザーエッチング溝の間隔の余裕分をより小さくすることができ、レーザーエッチング溝が存在する発電作用に寄与しない部分の大きさがより削減できるので、発電に寄与する有効面積をより増加させることができ、発電効率、すなわち、製品品質をより向上させることができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図9を用いて説明する。
第一実施形態および第二実施形態では、透光性基板2をXYθテーブル15に載置して、溝を加工する前に透光性基板2の面内におけるXY移動軸方向との傾斜を補正するようにしているが、本実施形態では、レーザーエッチング溝を加工するときにXYテーブル15の動きを工夫して補正するようにしている。
そして、透光性基板2とレーザー光とを相対移動する際、図9に示すようにY軸方向の相対移動とX軸方向の相対移動とを細かいピッチで繰り返す。
これによりレーザーエッチング溝6,10は、目標とする加工方向51に加工することができる。
また、同時に、第二実施形態の処理工程間の温度差に伴う透光性基板2の熱膨張に伴う補正をあわせて行うようにすれば、一層精度よくレーザーエッチング溝6,10を加工することができる。
2 透光性基板
3 透明電極層
4 レーザーエッチング溝
5 光電変換層
6 レーザーエッチング溝
9 裏面電極層
10 レーザーエッチング溝
36 側面
47 交差溝
49 交差部
K0 間隔
K1 間隔
L0 距離
L1 距離
M アライメントマーク
b,d,f 工程
Claims (5)
- 基板に製膜した後、製膜された膜に溝を加工することを繰り返し行って光電変換装置を製造する光電変換装置の製造方法であって、
最初に前記溝を加工する初期工程において、基板の位置基準に対して加工された初期溝に対し略直交に交差する少なくとも2本の交差溝を前記初期溝の両端部付近に形成し、
それ以後の前記溝を加工する下流工程において、前記初期溝と前記交差溝との交差部が前記下流工程の前記溝を加工する位置を決めるアライメントマークとして用いられることを特徴とする光電変換装置の製造方法。 - 前記初期溝が複数加工される場合、その一つの初期溝に存在する前記交差部を前記アライメントマークとして用いることを特徴とする請求項1に記載された光電変換装置の製造方法。
- 前記一つの初期溝は、前記位置基準に対して最も近い初期溝が選択されることを特徴とする請求項2に記載された光電変換装置の製造方法。
- 前記下流工程において前記アライメントマークが検出できなかった場合、順次隣の前記初期溝に存在する前記交差部に移動して検出できるものを前記アライメントマークとして用いることを特徴とする請求項2または請求項3に記載された光電変換装置の製造方法。
- 前記下流工程での前記溝は、前記一つの初期溝に存在する2つの前記交差部間の距離が前記初期工程のそれと比べて変動した場合、その変動割合に応じて前記溝の所定間隔を補正して加工されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載された光電変換装置の製造方法。
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