JP2008279793A - 車両用空調装置およびこの制御方法 - Google Patents

車両用空調装置およびこの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】日射センサ以外のセンサの計測値等から日射量を予測して、この予測値に基づいて空調制御を行う。
【解決手段】ブロアファンと、ブロアファンによって送風される空気の温度を制御して車室内に送風する温度制御装置と、内気温センサと、制御部とを備え、この制御部は、所定日射量のもとで予測される車室内の温度変化の傾きKと、内気温センサで計測される車室内の温度変化の傾きK1との偏差(K1−K)を求め、この偏差に基づいて日射量Q1を予測し、この予測された日射量に基づいてファンおよび温度制御装置の少なくとも一方を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、乗用車などの車両に搭載される空調装置およびこの制御方法に関する。
車室内を空調する際には、日射による影響を考慮する必要があるが、日射センサは高価である。
そこで、日射センサを備えることなく、外気温センサで検出される温度が予め定められた所定温度以上となったときに、日射量が多いとみなして、設定温度と室内温度との偏差に応じてブロアファンの回転数(段数)を補正するようにした車両用空調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−330804号公報
しかし、この車両用空調装置では、外気温がその所定温度以下の条件では、ブロアファンの回転数の補正を行わないという構成になっていたため、例えば冬場の日射がある状態においても、日射が無いとみなした制御が行われていた。この場合には、空調装置から供給される熱エネルギーが日射による熱負荷分だけ大きすぎて、乗員の快適な空調感が維持できなかった。
(1) 請求項1の発明による車両用空調装置は、送風用のファンと、ファンによって送風される空気の温度を制御して車室内に導く温度制御装置と、車室内の温度を検出する室内温度センサと、所定日射量のもとで予測される車室内の温度の単位時間当たりの第1の変化量と、室内温度センサによって計測される車室内の温度の単位時間当たりの第2の変化量との偏差に基づいて日射量を予測し、該予測された日射量に基づいてファンおよび温度制御装置の少なくとも一方を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
(2) 請求項6の発明による車両用空調装置の制御方法は、送風用のファンと、ファンによって送風される空気の温度を制御し、該温度制御された空気を車室内に送風する温度制御装置と、車室内の温度を検出する室内温度センサとを備えた車両用空調装置の制御方法において、所定日射量のもとで予測される車室内の温度の単位時間当たりの変化量と、室内温度センサで計測される車室内の温度の単位時間当たりの変化量との偏差に基づいて日射量を予測する工程と、該予測された日射量に基づいてファンおよび温度制御装置の少なくとも一方を制御する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、車室内の温度の単位時間当たりの変化量の所定日射量のもとで予測値と室内温度センサによる計測値との偏差に基づいて日射量を予測している。したがって、日射センサによる日射量の計測を行うことなく、日射量の推定(予測)が可能であり、この推定される日射量を空調制御にフィードバックすることが可能となるので、乗員の空調感の快適性が向上する。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜図5を参照して本発明による車両用空調装置の第1の実施の形態について説明する。図1は、車両内に備えられた車両用空調装置ACの全体構成を示している。この車両用空調装置ACは、ケース10の内部に、外付けのブロアモータ12によって駆動されるブロアファン11と、ブロアファン11により送風された空気を除湿、冷却するエバポレータ13とを備えている。車両用空調装置ACは、エバポレータ13で除湿、冷却された空気を再加熱するヒータコア14と、ヒータコア14への配風比を調節するエアミックスドア15と、後述の部材とを備えている。電圧で制御されるブロアモータ12により駆動されるブロアファン11で加圧、送風された送風空気は、エバポレータ13を通過して除湿、冷却される。
エバポレータ13を通過した空気は、エアミックスドア15により決定される配風比で、ヒータコア14を通過する空気とヒータコア14を通過しない空気とに分配される。エアミックスドア15で分配されてヒータコア14を通過した空気と、ヒータコア14を通過しなかった空気とは、ヒータコア14下流で再び合流して車室内に供給される。エアミックスドアアクチュエータ16によって駆動されるエアミックスドア15は、設定温度などの空調運転条件に応じて開度すなわち配風比が変化する。送風空気は、エアミックスドア15の開度により加熱量が調整される。
車両用空調装置ACは、空調空気を車室内に配風するために、車両のインストルメントパネル(不図示)上に設けられたベント口17と、ベント口17に接続されるベントダクト19と、ベントダクト19を開閉するベントドア18と、デフ口20とを備えている。車両用空調装置ACは、デフ口20に接続されるデフダクト22と、デフダクト22を開閉するデフドア21と、フット口23と、フット口23に接続されるフットダクト25と、フットダクト25を開閉するフットドア24とを備えている。ブロアモータ12、エアミックスドアアクチュエータ16、およびベントドア18等の動作は空調制御部100によって制御される。
図2は、上述の車両用空調装置ACの制御を行う空調制御部100のシステムブロック図である。図2において、空調制御部100は、乗員が空調装置のオン/オフの制御を行うためのメインスイッチ31と、冷房、暖房等の自動運転のモードを指定するためのオートスイッチ32と、エバポレータ13の温度を高めにしてエネルギー消費を低減するためのエコノミスイッチ33とを備えている。
空調制御部100は、図1のブロアファン11による送風開始を指示するためのファンスイッチ34と、デフロストを指示するためのデフロストスイッチ35と、空調風の吹き出し口を指示するための吹出口スイッチ36と、ブロアファン11に送る空気の吸い込み口(車室内または外気)を指示する吸込口スイッチ37と、乗員が車室内の目標温度の設定を行う温度設定器38とを備えている。さらに、空調制御部100は、車室外の温度を測定する外気温センサ39と、空調ユニットが吸い込む空気の温度を測定する吸込温センサ40と、車室内の温度を測定する内気温センサ41と、車速センサ42と、エンジン出口の水温センサ39と、CPUおよび記憶装置等を含むオートエアコンアンプ30とを備えている。
オートエアコンアンプ30には、メインスイッチ31〜吸込口スイッチ37、および温度設定器38からの入力情報、ならびに外気温センサ39〜水温センサ43による計測情報が供給されている。オートエアコンアンプ30は、これらの情報およびエンジン回転数センサ(不図示)からの計測情報を基に空調運転条件を演算する。
さらに、空調制御部100において、オートエアコンアンプ30には、図1のエバポレータ13に冷媒を圧送するコンプレッサ44と、ブロアモータ12と、エアミックスドア14の開度を制御するエアミックスドアアクチュエータ(以下、単に「アクチュエータ」と呼ぶ。)16とが接続されている。オートエアコンアンプ30には、図1のベントドア18、デフドア21、フットドア24の開閉を行うモードアクチュエータ45と、図1のブロアファン11に送る空気の吸い込み口を切り換えるインテークドアアクチュエータ46と、任意に設定される経過時間を計測するタイマー47と、乗員に必要な情報を出力するための表示回路48とが接続されている。
上記構成の空調制御部100では、車室内が乗員の設定した設定温度になるよう、上述の各センサ、およびエンジン回転数センサ(不図示)からの情報を基にオートエアコンアンプ30で空調運転条件の演算が行われる。演算された空調運転条件に基づいて、オートエアコンアンプ30は、ブロアモータ12およびアクチュエータ16に信号を送り、ブロアモータ12の回転数Rfおよびエアミックスドア15の開度Xmを制御する。これによって、車室内が設定温度になるように風量、温度が調節された空調空気を車室内に送風することができる。
エアミックスドア15の開度Xmおよびブロアモータ12の回転数Rfは、次の式で表される。
Xm=f1(Tw,Tam,Tin,Ts,Tptc,Qp) ・・・(1)
Rf=f2(Xm) ・・・(2)
ここで、Twはエンジン出口水温、Tamは外気温度、Tinは車室内温度、Tsはファン吸い込み空気温度、Tptcは車室内設定温度、Qpは後述のように日射量の推定値(予測値)であり、これらは、車両用空調装置の熱負荷に関するパラメータである。また、開度Xmが所定値以上でエアミックスドア15は全開となる。
日射補正を行う場合には、後述のように、内気温センサ41の計測値等を用いてオートエアコンアンプ30において日射量の推定値Qpを求める。その後、その推定値Qpを式(1)に代入して得られる開度Xmおよび回転数Rfに基づいて空調制御が行われる。
図3を参照して、本実施の形態の車両用空調装置ACで実行される空調運転プログラムの基本的な動作の一例につき説明する。その動作は、オートエアコンアンプ30によって制御される。
メインスイッチ31がオンになり、車両用空調装置ACのオートエアコンアンプ30が起動した状態で、乗員が温度設定器38によって設定温度(目標温度)を入力し、オートスイッチ32を操作したときに、図3のステップS100の動作が開始される。ここでは、オートエアコンアンプ30の不図示の記憶装置に格納されている前回の車両用空調装置ACの運転状態を読み出してステップS120へ進む。ステップS120において、図2の各種センサ39〜43の計測値、温度設定器38による設定温度、およびその他の操作スイッチの状態信号を読み出し、後述のように別の推定動作によって所定のメモリ内に格納されている日射量の推定値Qpを読み出す。
次のステップS140において、これらの情報に基づいて送風空気の吹き出し温度を演算する。次のステップS160において、ステップS140で演算した吹き出し温度に対応するエアミックスドア15の開度Xmを上述の式(1)に基づいて演算する。次のステップS180において、ブロアモータ12の回転数Rfを上述の式(2)に基づいて演算する。このように演算された開度Xmおよび回転数Rfは、日射量を推定する際に使用するため、所定のメモリ内に記憶される。次のステップS200において、上記のステップで求められた開度Xm、回転数Rf、および上記の操作スイッチの状態信号等に基づいて吹出口を決定し、各ドアの開度を演算する。そして、ステップS220において、上記のように演算した結果に基づいて車両用空調装置ACの運転を開始して、ステップS120へ戻る。
次に、本実施の形態の車両用空調装置ACでは、日射センサを備えていないため、図3のステップS120で読み出す日射量の推定値を図4の動作によって求めている。この動作は、オートエアコンアンプ30において、図3の空調運転プログラムとは別のプログラムによって、実質的に図3の空調運転動作と並行に実行される。
まず、図4のステップS1において、オートエアコンアンプ30は、推定された日射量Q1を図3の空調運転動作のステップS120で用いるために、日射量の初期値として日射量0を所定のメモリに記憶する。ステップS2において、内気温センサ41の現在の計測値TRIを読み込む。次のステップS3において、タイマー47に例えば1分程度のサンプリング時間t1を設定し、ステップS5でその時間t1が経過したときに、ステップS7において、タイマー47のクリアを行い、次のステップS9において、再び内気温センサ41の現在の計測値TRt1を読み込む。次のステップS11において、オートエアコンアンプ30は、内気温センサ41の計測値TRI,TRt1を用いて、次のように車室内の温度変化の傾き(単位時間当たりの温度変化量)K1を求める。
K1=(TRI−TRt1)/t1 ・・・(3)
次のステップS13において、オートエアコンアンプ30は、内気温センサ41の最初の計測値TRIを用いて、日射量Qが0で、かつ車室内の温度がTRIのときに予測される車室内の温度変化の傾き(単位時間当たりの温度変化量)Kを求める。具体的には、オートエアコンアンプ30は、予め内部の記憶装置に記憶されている複数のテーブルAi(i=1,2,…)内の所定のテーブルAiから、上述した傾きKを求める。複数のテーブルAi(i=1,2,…)は、それぞれ車室内へ車両用空調装置ACから供給される単位時間当たりの熱量、すなわちエアミックスドア15の開度Xmおよびブロアモータ12の回転数Rfに応じて定められている。なお、上述したように、エアミックスドア15の開度Xmおよびブロアモータ12の回転数Rfは、図3のステップS160およびS180で求められて所定のメモリに記憶されている。テーブルAiは、例えばコンピュータによるシミュレーションまたは実測等によって求められたものである。
言い換えると、オートエアコンアンプ30は、初回演算時には、開度Xmと回転数Rfから該当するテーブルAiをサーチして、そのテーブルから温度がTRIのときの温度変化の傾きKを読み込むことになる。なお、該当するテーブルAiがない場合には、一例として、供給される熱量の値が近い2つのテーブルAj,A(j+1) の温度変化の傾きの補間値を用いればよい。
次のステップS15において、オートエアコンアンプ30は、計測された車室内の温度変化の傾きK1と、日射量Qが0の場合にテーブルAiから予測される温度変化の傾きKとの偏差(K1−K)を求める。次に、予めシミュレーションまたは実測等によって求められて、オートエアコンアンプ30内の記憶装置に記憶されている関数fQを用いて、その偏差(K1−K)から日射量Qの推定値Q1を求める。その関数fQは、一例として、その偏差(K1−K)に所定の係数を乗じる関数であり、その係数は、予めシミュレーションまたは実測等によって求められている。
具体的に、図5の車両MBに関して以下の3つの仮定イ)〜ハ)のもとに、本実施の形態の方法によって日射量を推定する。なお、以下の説明で用いる数値は、説明のために分かり易い数値としているものであるため、実際の数値とは異なる。
イ)車室内の熱量が単位時間当たり1Q(J/min)増える毎に車室内の温度が1℃/min上昇するものとする。すなわち、上記の関数fQは、係数が1Q(J/℃)の線形関数である。
ロ)簡略化のため、以下の検討範囲内では、テーブルAiから予測される温度変化の傾きKの値を固定値とみなす。
ハ)単位時間当たりの車外への放熱量(=1Q)を以下の検討範囲内では一定とする。
この場合、車両MBの車両用空調装置ACから車内に供給される単位時間当たりの熱量を5Q、実際の日射量を2Qとすると、日射量が0の場合に、車室内に供給される全部の単位時間当たりの熱量ΔQは、次のようになる。
ΔQ=5Q−1Q+0=4Q
したがって、供給される熱量が5Qに対応するテーブル(これをAiとする)には、仮定イ)より、車室内の温度がTRIのときの傾きKの値として、たとえば4℃/minが記録されている。このとき、実際には日射量が2Qであるため、実際に車室内に供給される全部の単位時間当たりの熱量ΔQ’は、次のようになる。
ΔQ’=5Q−1Q+2Q=6Q
したがって、仮定イ)より、温度変化の傾きの実測値K1は、6℃/minとなる。この結果、温度変化の傾きの偏差(K1−K)は、2℃/minとなり、関数fQが1Q(J/℃)であるため、日射量は正確に2Qと推定される。
次のステップS17において、オートエアコンアンプ30は、その推定された日射量Q1を図3の空調運転動作のステップS120で用いるために、所定のメモリに記憶する。その後、本実施の形態では、動作はステップS2に戻り、周期的に上述のステップS2〜S17の動作を繰り返して、日射量Qの推定値の更新を行う。これによって、日射量を正確に推定できる。
上述の本実施の形態の車両用空調装置によれば、以下の作用効果を奏する。
(1) オートエアコンアンプ30が、日射量が0のもとで予測される車室内の温度変化の傾き(予測値)Kと、内気温センサ41で計測される車室内の温度変化の傾きK1との偏差に基づいて日射量を予測(推定)し、この予測された日射量に基づいてブロアファン11の送風量およびその温度制御系による熱交換量の少なくとも一方を制御している。したがって、日射センサ以外のセンサの計測値等から日射量を予測して、この予測値に基づいて空調制御を行うことができるため、日射センサがない場合でも、日射補正を行うことができ、乗員の空調感の快適性を向上できる。また、日射センサが不要となるので、車両用空調装置の製造コストを低減できる。
(2) 日射が無い状態の日射量(所定日射量が0)のもとで予測される温度変化の傾きを用いているため、日射量の予測を簡単な演算で迅速に行うことができる。
(3) ブロアファン11による送風開始直後および時間t1経過後に内気温センサ41で計測される車室内の温度に基づいて、車室内の温度の単位時間当たりの変化量を求めている。この場合、その温度変化量が大きくなるため、日射量を高精度に推定することができる。
(4) 本実施の形態では、ほぼ周期t1で、日射量が0のもとで予測される車室内の温度変化の傾きと、内気温センサ41によって計測される車室内の温度変化の傾きとの偏差に基づいた日射量の予測動作(ステップS1〜S15)を繰り返している。したがって、日射量が次第に変化する場合にも、正確に変化後の日射量を予測できる。
−−−第2の実施の形態−−−
図6および図7を参照して本発明による車両用空調装置の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においても図1の車両用空調装置ACおよび図2の空調制御部100を用いるが、図3のステップS120で読み出す日射量の推定値を図6および図7の動作によって求めている点が異なっている。この動作は、図2のオートエアコンアンプ30によって制御されている。
本実施の形態では、まず図6のステップS31において、オートエアコンアンプ30は、推定された日射量Q1を図3の空調運転動作のステップS120で用いるために、日射量の初期値として日射量0を所定のメモリに記憶する。ステップS33において、内気温センサ41の現在の計測値TRIを読み込む。次のステップS35において、タイマー47に例えば1分程度のサンプリング時間tqを設定し、ステップS37でその時間tqが経過したときに、ステップS39において、タイマー47のクリアを行い、次のステップS41において、再び内気温センサ41の現在の計測値TRtqを読み込む。次のステップS43において、オートエアコンアンプ30は、内気温センサ41の計測値TRI,TRtqを用いて、次のように車室内の温度変化の傾きK2を求める。
K2=(TRI−TRtq)/tq ・・・(4)
次のステップS45において、オートエアコンアンプ30は、内気温センサ41の最初の計測値TRIを用いて、日射量Qが0で、かつ車室内の温度がTRIのときに予測される車室内の温度変化の傾きKを求める。具体的には、オートエアコンアンプ30は、予め内部の記憶装置に記憶されている複数のテーブルBi(i=1,2,…)のうち、温度設定器38から入力されている設定温度に対応する所定のテーブルBiから、上述した傾きKを求める。すなわち、複数のテーブルBi(i=1,2,…)は、それぞれ設定温度に応じて定められている。
テーブルBiのうち、日射量が0で設定温度が例えば22℃のテーブルを仮にBjとする。なお、以下の説明で用いる数値は、説明のために分かり易い数値としているものであるため、実際の数値とは異なる。例えば、日射量が0で設定温度が22℃なら、実測温度TRIが10℃のときに、回転数Rfが最大ファン速(例えば10速)、開度Xmが全開(100%)となるが、テーブルBjにおいて、実測温度TRIが10℃ならK=3℃/minとなる。また、実測温度TRIが18℃であれば、回転数Rfが7速、開度Xmが100%となるが、テーブルBjにおいて、実測温度TRIが18℃ならK=2.5℃/minとなる。すなわち、設定温度と実測温度TRIとに応じて回転数Rfおよび開度Xmが変化するので、車室内への入熱量が変化する。したがって傾きKも変化するが、テーブルBj(Bi)は、この傾きKの変化を織り込んだテーブルである。
同様に、日射量が0で設定温度が例えば25℃のテーブルを仮にBkとする。例えば、日射量が0で設定温度が25℃なら、実測温度TRIが10℃のときに、回転数Rfが最大ファン速(10速)、開度Xmが100%となるが、テーブルBkにおいて、実測温度TRIが10℃ならK=3℃/minとなる。また、実測温度TRIが18℃であれば、回転数Rfが9速、開度Xmが100%となるが、テーブルBkにおいて、実測温度TRIが18℃ならK=2.8℃/minとなる。このように、テーブルBiは、設定温度と実測される温度との差に基づいて回転数Rfおよび開度Xmが変更されることが考慮されたテーブルである。
言い換えると、テーブルBiは、設定温度に対する車室内の温度の推移の目標となるべきものでもあり、設定温度と車室内の温度とが近い場合には、温度変化の傾きKが小さくなる。
初回演算時には、設定温度から該当するテーブルBiをサーチして、そのテーブルから温度がTRIのときの温度変化の傾きKを読み込むことになる。なお、該当するテーブルBiがない場合には、一例として、設定温度の値が近い2つのテーブルBj,B(j+1) の温度変化の傾きの補間値を用いればよい。
次のステップS47において、オートエアコンアンプ30は、計測された車室内の温度変化の傾きK2と、日射量Qが0の場合にテーブルBiから予測される温度変化の傾きKとの偏差(K2−K)を求める。次に、予めオートエアコンアンプ30内の記憶装置に記憶されている関数fQを用いて、図4のステップS15と同様に、その偏差(K2−K)から日射量Qの推定値Q1を求める。
次のステップS49において、オートエアコンアンプ30は、その推定された日射量Q1を図3の空調運転動作のステップS120で用いるために、所定のメモリに記憶する。その後、本実施の形態の動作は図7のステップS51に移行して、日射量Qの推定値Q1の補正を行う。すなわち、図2の内気温センサ41の現在の計測値TRIを読み込み、タイマー47にサンプリング時間tqを設定し(ステップS53)、その時間tqが経過したときに(ステップS55)、タイマー47のクリアを行った後(ステップS57)、内気温センサ41の現在の計測値TRtqを読み込む(ステップS59)。次に、内気温センサ41の計測値TRI,TRtqより上記の式(4)を用いて車室内の温度変化の傾きK2を求める(ステップS61)。
次のステップS63において、オートエアコンアンプ30は、ステップS51で計測された車室内の温度の計測値TRIを用いて、図6のステップS45と同様に、図6の複数のテーブルBiのうち現在の設定温度に対応する所定のテーブルBiから、日射量Qが0で、かつ車室内の温度がTRIのときに予測される車室内の温度変化の傾きKを求める。
次のステップS65において、オートエアコンアンプ30は、ステップS61で計算された車室内の実際の温度変化の傾きK2と、ステップS63でテーブルBiから予測された温度変化の傾きKとの偏差(K2−K)を求め、この偏差の符号を調べる。そして、その偏差が正(K2>K)の場合には、日射量を低く推定していたため、ステップS67に移行して、それまでの日射量の推定値Q1に1より大きい所定の係数αを乗じて得られる値を補正後の日射量Qとする。また、その偏差が0(K2=K)の場合には、日射量の推定値が正しいため、ステップS71に移行して、それまでの日射量の推定値Q1をそのまま補正後の日射量Qとする。一方、その偏差が負(K2<K)の場合には、日射量を高く推定していたため、ステップS69に移行して、それまでの日射量の推定値Q1に1より小さい所定の係数βを乗じて得られる値を補正後の日射量Qとする。この場合には、係数α、βはそれぞれ例えば1に近い値である。
その後は、ステップS71において、図6のステップS49と同様に、オートエアコンアンプ30は、その補正後の日射量Qを図3の空調運転動作のステップS120で用いるために、所定のメモリに記憶する。その後、ステップS53に戻り、前回の室温の計測値とtq時間経過後にステップS59で計測される室温の計測値とを用いて日射量を補正する動作をほぼ周期tqで繰り返す。
上述の本実施の形態の車両用空調装置によれば、始めの時間tqが経過した後は、図7のステップS51以降に移動して、ほぼ一定の周期tqで、内気温センサ41によって計測される車室内の温度変化の傾きK2と、日射量が0のときに車室内の温度TRIとテーブルBiによって予測される温度変化の傾きKとを比較している。そして、傾きK2がKを超えたときには、それまでの日射量の推定値Q1に係数α(>1)を乗じ、その傾きK2がその傾きKよりも小さいときには、それまでの推定値Q1に係数β(<1)を乗じて、日射量を補正している。したがって、特に係数α、βの値を1に近い値にしておくことによって、日射量の推定値は緩やかに変化する。そのため、日射量の変動が大きいような場合にも、ほぼその変動の平均値に合わせて日射量を補正できるため、安定に空調制御を行うことができる。
なお、上記の実施の形態では、日射量(所定日射量)が0のときのテーブルAi,Biを予め記憶している。しかしながら、日射量が0以外の値のときに予測される温度変化の傾きが記録されたテーブルAi,Biを予め記憶しておき、このテーブルAi,Biに基づいて日射量を推定してもよい。また、上記の実施の形態では、テーブルAi,Biを用いて、所定日射量のもとで予測される車室内の温度の傾きKを求めているが、その代わりに、例えば予め設定された関数等によって計算によってその温度変化の傾き(予測値)を求めてもよい。
また、上述した第2の実施の形態では、日射量の推定値Q1を補正する際、推定値Q1に所定の係数α、βを乗じているが、推定値Q1に所定の値を加算または減算することで補正してもよい。
さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態に何ら限定されない。
なお、特許請求の範囲の構成要素と上述の実施の形態およびその変形例の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、送風用のファンはブロアファン11に、室内温度センサは内気温センサ41に、制御手段はオートエアコンアンプ30にそれぞれ対応し、温度制御装置は、エバポレータ13、ヒータコア14、およびエアミックスドア15により構成される。また、日射量を予測する工程は、ステップS1〜S15またはS33〜S47に対応し、予測された日射量に基づいてファンおよび温度制御装置の少なくとも一方を制御する工程は、ステップS120〜S220に対応する。
なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項との対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施の形態の車両用空調装置ACの構成を示す図である。 第1の実施の形態の車両用空調装置ACの制御を行う空調制御部100のシステムブロック図である。 第1の実施の形態における基本的な空調運転動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態における日射量の推定動作を示すフローチャートである。 図4の日射量推定動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態における日射量の最初の推定動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態において、図6の動作に続く日射量の補正動作を示すフローチャートである。
符号の説明
AC 車両用空調装置 11 ブロアファン
12 ブロアモータ 13 エバポレータ
14 ヒータコア 15 エアミックスドア
16 エアミックスドアアクチュエータ 30 オートエアコンアンプ
41 内気温センサ 100 空調制御部

Claims (6)

  1. 送風用のファンと、
    前記ファンによって送風される空気の温度を制御して車室内に導く温度制御装置と、
    前記車室内の温度を検出する室内温度センサと、
    所定日射量のもとで予測される前記車室内の温度の単位時間当たりの第1の変化量と、前記室内温度センサによって計測される前記車室内の温度の単位時間当たりの第2の変化量との偏差に基づいて日射量を予測し、該予測された日射量に基づいて前記ファンおよび前記温度制御装置の少なくとも一方を制御する制御手段とを有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記所定日射量は、日射が無い状態の値であることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、前記ファンによる送風開始直後および所定時間経過後に前記室内温度センサで計測される前記車室内の温度に基づいて、前記車室内の温度の単位時間当たりの第2の変化量を求めることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、一定時間毎に前記室内温度センサにより前記車室内の温度を繰り返し計測して、前記第2の変化量を繰り返し算出し、前記第1の変化量と、前記繰り返し算出される第2の変化量との偏差に基づいて、日射量の予測を繰り返すことを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用空調装置において、前記制御手段は、前記日射量の予測後、
    前記室内温度センサによって計測される前記車室内の温度の単位時間当たりの変化量が前記所定日射量のもとで予測される前記車室内の温度の単位時間当たりの変化量を超えたときには、前記予測された日射量を増加させるように補正し、
    前記室内温度センサによって計測される前記車室内の温度の単位時間当たりの変化量が前記所定日射量のもとで予測される前記車室内の温度の単位時間当たりの変化量よりも小さいときには、前記予測された日射量を減少させるように補正することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 送風用のファンと、前記ファンによって送風される空気の温度を制御し、該温度制御された空気を車室内に送風する温度制御装置と、前記車室内の温度を検出する室内温度センサとを備えた車両用空調装置の制御方法において、
    所定日射量のもとで予測される前記車室内の温度の単位時間当たりの変化量と、前記室内温度センサで計測される前記車室内の温度の単位時間当たりの変化量との偏差に基づいて日射量を予測する工程と、
    該予測された日射量に基づいて前記ファンおよび前記温度制御装置の少なくとも一方を制御する工程とを有することを特徴とする車両用空調装置の制御方法。
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