JP2008278627A - モータの制御装置、冷凍装置および空調装置 - Google Patents

モータの制御装置、冷凍装置および空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で安定に制御するモータの制御装置、および、それを用いた冷凍装置および空調装置を提供する。
【解決手段】位相差検出部8はモータの1回転を分割した複数の区間の各々において、モータ電圧の位相とモータ電流の位相との位相差を検出する。目標位相差格納部9、加算部10および強制励磁周波数補正制御部17からなる補正量算出部は、検出された位相差に基づき強制励磁周波数の補正量を算出する。加算部18は、基本強制励磁周波数と補正量とを加算することにより強制励磁周波数を補正する。正弦波データ作成部14は補正後の強制励磁周波数に応じた正弦波データを生成する。信号生成部(PI演算部11およびPWM生成部15)は、検出された位相差および正弦波データに基づいてPWM波形信号を作成してインバータ回路2に出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの制御装置、冷凍装置および空調装置に関する。
永久磁石同期モータは、保守性、制御性、耐環境性に優れるとともに、高効率、高出力の運転が可能であるため、広く利用されている。また、永久磁石が不要な同期リラクタンスモータも安価、かつ、リサイクルが容易なモータとして盛に研究されている。
永久磁石同期モータあるいは同期リラクタンスモータ等の同期モータに高性能な制御を行なうためには、ロータの位置に応じた正弦波電流をコイルに流すことが重要となる。一般的に、このような要件を満たすことが可能なモータの制御方法としては、ホール素子、エンコーダ、レゾルバ等のロータの位置を検出する位置センサの出力を利用する自制運転(速度フィードバック運転)方法がある。また、位置センサの出力に代えて、モータの電圧や電流の情報に基づいて、演算により間接的にロータの位置を求める方法も提案されている。
しかし、位置センサはモータ制御装置を備える機器の小型化を妨げる大きな要因となる。そればかりでなく、位置センサを設置した場合には位置センサの信号を伝える複数本の配線や受信回路も必要となる。よって、位置センサの出力に基づいてロータの位置を求める方法の場合には、機器の信頼性、位置センサを取り付ける際の作業性、および機器の価格等といった問題がある。また、モータの電圧や電流の情報に基づいて間接的にロータの位置を演算する方法の場合は、複雑かつ高速な演算処理が必要となるため、制御装置が高価になるという問題がある。
上記問題に鑑み、位置情報に基づかずにモータを制御することを可能にするモータ制御装置がたとえば2001−112287号公報(特許文献1)に提案されている。この装置は、速度指令に基づく周波数(以下、強制励磁周波数とも呼ぶ)を有するモータ電圧をモータに印加することによりモータを運転する他制運転(速度オープンループ運転)方法である。さらに、この装置の場合、モータ電圧とモータ電流の位相差を制御することにより高性能な正弦波駆動を実現することが可能になる。
ここで、図10を参照しながら、同期モータの電圧と電流との位相差によって同期モータを制御する従来のモータ制御装置を説明する。
図10を参照して、モータ制御装置は、同期モータ1を駆動させる。同期モータ1は、3相のコイルをステータに備えたり、あるいは、永久磁石をロータに備えたりする同期モータである。
モータ制御装置は、インバータ回路2と、コンバータ回路3と、AC電源4とを備える。インバータ回路2は、直流電力を交流電力に変換し、かつ、その交流電力を同期モータ1に供給することにより同期モータ1を駆動する。コンバータ回路3は、交流電力を直流電力に変換し、かつ、その直流電力をインバータ回路2に供給する。AC電源4は、コンバータ回路3に交流電力を供給する。
モータ制御装置は、さらに、電流センサ5と、モータ電流検出アンプ部6と、マイクロコンピュータ7とを備える。電流センサ5は、同期モータ1のU相、V相、W相のうちの特定相(図10ではU相)のコイルに流れるモータ電流を検出する。モータ電流検出アンプ部6は、電流センサ5が検出したモータ電流を所定数倍に増幅し、かつ、増幅後のモータ電流にオフセットを加算する。モータ電流検出アンプ部6は増幅およびオフセット加算を行なった後のモータ電流を示すモータ電流信号をマイクロコンピュータ7に出力する。
マイクロコンピュータ7は、位相差検出部8と、目標位相差情報格納部9と、加算部10と、PI演算部11と、回転数設定部12と、正弦波データテーブル13と、正弦波データ作成部14と、PWM(Pulse Width Modulation)作成部15とを備える。なお、各部の処理はたとえばマイクロコンピュータに予め記憶されるソフトウェアにより実行される。
位相差検出部8は、モータ電流検出アンプ部6から与えられるモータ電流信号を、所定のタイミングでA/D(Analogue to Digital)変換し、かつ、そのデジタルデータを取り込む。位相差検出部8は、モータ電圧の2箇所の位相期間の各々において、サンプリングデータを積算することによりモータ電流信号面積を算出する。位相差検出部8は、モータ電圧の2箇所の位相期間におけるモータ電流信号面積の面積比を位相差情報として出力する。
目標位相差情報格納部9は、位相差検出部8が検出した位相差情報の目標値である目標位相差情報をその内部に格納する。加算部10は、目標位相差情報格納部9から与えられる目標位相差情報と、位相差検出部から与えられる位相差情報との誤差を算出する。
PI演算部11は、加算部10により算出された誤差データに対して比例演算および積分演算を行なうことによりデューティ基準値を算出する。PI演算部11は、算出したデューティ基準値をPWM作成部15に出力する。
回転数設定部12は、同期モータ1の回転数を設定するための回転数指令を出力する。正弦波データテーブル13は、同期モータ1の所定の回転数に対応する正弦波データをその内部に格納する。
正弦波データ作成部14は、回転数設定部12から回転数指令を受けるとともに、その回転数指令に応じた時間間隔で正弦波データテーブル13から同期モータのコイル端子U,V,Wの各相に対応した正弦波データを読出す。なお、同期モータ1の回転数を高くする場合には、この時間間隔は長く設定され、同期モータ1の回転数を低くする場合には、この時間間隔は短く設定される。正弦波データ作成部14は、さらに、U相の正弦波データに基づいてU相のモータ電圧位相情報を出力する。
PWM作成部15は、正弦波データとデューティ基準値とに基づいてPWM信号を作成し、作成したPWM信号をインバータ回路2の同期モータ端子U,V,W各相の駆動素子(スイッチング素子)に出力する。
モータ制御装置に接続される負荷としては、一定の負荷トルク(ここでは負荷トルクの変動が小さいものを意味する)を有するものもあるが、その一方で大きな負荷トルク変動を有するものも多数ある。後者の一例として、シングルロータリ型圧縮機あるいはレシプロ型圧縮機などが挙げられる。シングルロータリ型圧縮機あるいはレシプロ型圧縮機などは空気調和機や冷蔵庫などの商品の圧縮機として広く使用される。なお、以下の説明では、これらの圧縮機を単に「シングルロータリ型圧縮機」と称することにする。
図11は、シングルロータリ型圧縮機の特性を示す図である。図11を参照して、シングルロータリ型圧縮機は構造が簡単であり、かつ、製造コストが安価であるものの、負荷トルク変動が非常に大きい。シングルロータリ型圧縮機では同期モータの1回転中に冷媒の吸入,圧縮,吐出という圧縮サイクルが順次繰返される。冷媒の吐出直前には冷媒が圧縮されているための負荷トルクは大きくなる。その一方で冷媒の吐出直後は冷媒が抜けるため負荷トルクは小さくなる。
ここで図11に示すように、同期モータが1回転する間、モータトルクが一定であるとする。この場合にはモータトルクと負荷トルクとの間に差が生じるため、ロータの角速度の変動が生じる。これにより圧縮機が大きく振動するという課題が発生する。
特開平8−322275号公報(特許文献2)は、負荷トルク変動の大きい負荷(シングルロータリ型圧縮機等)に接続されたモータのトルクを制御するモータ制御装置を開示する。この装置は、回転位置検出手段の位置信号から負荷トルクを演算するとともに、その負荷トルクに応じたトルクがモータから出力されるようにモータを制御する。このようにモータのトルクを補正することにより、負荷トルク変動の影響を低減することが可能になるため、負荷の低振動化を図ることが可能になる。
なお、モータ電流の位相とモータ電圧の位相との位相差を目標値に制御する制御方法が特開2004−274841号公報(特許文献3)に開示される。また、位相差の振動成分に基づいて回転数を補正し、その回転数に基づいてモータ電圧を生成することによりモータを制御する方法が特開2006−115575号公報(特許文献4)に開示される。
特開2001―112287号公報 特開平8−322275号公報 特開2004−274841号公報 特開2006−115575号公報
特開2001―112287号公報(特許文献1)に開示されるモータ制御装置は、モータを同一の回転速度で駆動するという条件下でモータを制御できる装置である。特別な制御が行なわれない限り、モータを同一の回転速度で駆動するためには同期モータに接続される負荷が一定(負荷トルク変動が小)であることが必要になる。
仮に、負荷トルク変動が大きい負荷に接続された同期モータをこのモータ制御装置によって制御する場合には、次のような問題が起こる。まず、負荷トルクの変動によりロータの角速度が変動する。角速度が変動するので位相差情報は想定される値から大きく変動する。位相差情報が変動するので、モータ制御装置は負荷トルク変動に対応して同期モータを制御することができない。同期モータを制御できないので、同期モータの発生トルクが低下する。極端な場合には位相差情報がモータ駆動可能な範囲から外れるためモータ駆動自体が不可能になり、同期モータが停止する。なお、このような現象を以下、「モータ脱調」と称することにする。
これに対し、たとえば特開平8−322275号公報(特許文献2)に開示される技術のように、モータ電流を制御することにより負荷トルク変動にモータトルクをなるべく一致させるトルク制御技術については、従来から多くの技術が開示されている。しかしながらこのようなトルク制御を行なった場合にも、モータトルクの出力可能範囲の制限、あるいは制御精度等の理由により、負荷トルクとモータトルクとの差を完全になくすことは困難である。よって、この方法を用いた場合にもロータの角速度にはある程度の変動成分が残存する。
さらに、特許文献2に開示される技術の場合には、位置センサが検出したロータの回転位置に基づいて負荷トルクが求められる。これに対し、特許文献1に開示される方法は、位置センサを用いずにモータを制御する方法である。
このように、特許文献2の技術では、ロータの角速度の変動が生じるという課題、および、ロータの回転位置を検出する位置センサが必要になるという課題があるため、特許文献2に開示される技術を特許文献1に開示される技術に単純に応用することはできない。
ここで、特許文献1あるいは特許文献2の技術を用い、かつ、モータトルクが負荷トルク変動になるべく一致するようにモータ電流を制御することが考えられる。しかしこの場合には、モータ電流の振幅の変動が大きくなるために大きな銅損が発生する。一方、銅損を低減するためにモータ電流の振幅の変動を小さくした場合には、負荷トルクとモータトルクとの差が大きくなるため、機器の振動が大きくなる。
シングルロータリ型圧縮機を搭載した機器(たとえばエアコンの室外機)を設計する際には、振動、および銅損(モータ効率と考えてもよい)の両方を考慮することが必要となる。しかし、振動と銅損とはいわばトレードオフの関係にある。よって、動作時にある程度のロータの角速度変動が生じる。
図12は、特開2001―112287号公報(特許文献1)に開示される位相差制御方法によりモータを駆動・制御したときの、位相差情報とモータの効率との関係を示す図である。図12を参照して、モータの効率は、位相差情報がある値のときに最も高く、位相差情報からその値からずれた場合には低下するという特性を有する。
特許文献1の方法では、位相差情報の平均値をモータの効率が最も高くなるときの値に合わせることが可能である。しかし、負荷トルク変動の大きい負荷(代表的にはシングルロータリ型圧縮機)に接続されたモータをこの方法によって制御する場合、位相差情報はロータの機械角に応じて変動する。このため効率は低下する。また、位相差情報の変動が大きすぎるために、位相差情報が図12に示す範囲外の値となった場合には、モータ脱調が生じる可能性がある。
これらの点を考慮すると、モータを常に高効率で駆動したり、脱調を起こさずにモータ回転を持続したりするためには、ロータとステータの相対位置に応じた通電タイミングの制御が必要になる。このため、特許文献1の技術において強制励磁周波数すなわちモータ電圧の周波数をモータの角速度変動に応じて補正する方法が考えられる。しかし、この方法を実現するための技術はこれまで提案されていない。
また、シングルロータリ型圧縮機用モータなど、トルク変動が大きい負荷に接続されたモータは、一般に、高温および高圧といった特別な雰囲気下で駆動されることが多い。そのような雰囲気で位置センサを使用するためには、そのセンサに特別な対策を施す必要がある。このため、コストが増加するという問題がある。よって、コストの観点からは位置センサを用いずにモータを制御することが望まれる。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ロータ位置を検知するセンサを用いずに、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で安定に制御するモータの制御装置、および、それを用いた冷凍装置および空調装置を提供することである。
本発明は要約すれば、負荷装置を駆動する同期モータにモータ電圧を印加し、かつ、モータ電圧の周波数および振幅を変化させることにより同期モータを可変速駆動するモータの制御装置である。負荷装置は同期モータの回転に同期した負荷変動を有する。制御装置は、データ作成部と、電流検出部と、位相差検出部と、基本周波数設定部と、補正量算出部と、信号生成部と、駆動部とを備える。データ作成部は、同期モータの回転を分割した複数の区間の各々において、モータ電圧の周波数を定める周波数指令値に基づきモータ電圧の波形を示す駆動データを作成する。電流検出部は、同期モータに流れるモータ電流を検出する。位相差検出部は、複数の区間の各々において、駆動データと電流検出部の検出結果とに基づいて、モータ電圧の位相とモータ電流の位相との位相差を検出する。基本周波数設定部は、同期モータの回転数を目標回転数に定めるためのモータ電圧の周波数である基本周波数を設定する。補正量算出部は、複数の区間の各々において、位相差検出部が検出した位相差に基づいて、負荷変動による目標回転数と同期モータの回転数とのずれを補正するためのモータ電圧の周波数補正量を算出する。周波数算出部は、複数の区間の各々において、基本周波数と周波数補正量とに基づき周波数指令値を算出して出力する。信号生成部は、駆動データと位相差とに基づきモータ電圧の周波数および振幅を示す制御信号を生成する。駆動部は、制御信号に応じて同期モータにモータ電圧を印加することにより同期モータを駆動する。
好ましくは、補正量算出部は、同期モータのm番目(m:1以上の整数)の回転を分割した複数の区間の各々において位相差検出部から受ける位相差を記憶する。補正量算出部は、同期モータの(m+1)番目の回転を分割した複数の区間の各々には、同期モータのm番目の回転時における複数の区間のうち、対応する区間に記憶した位相差を用いて周波数補正量を算出する。
より好ましくは、補正量算出部は、複数の区間にわたる周波数補正量の平均値が0となるように周波数補正量を算出する。
より好ましくは、同期モータは、2N(N:1以上の整数)の極を有する三相同期モータである。複数の区間は、2以上かつ6N以下の区間である。
さらに好ましくは、補正量算出部は、位相差の目標値である目標位相差を設定する目標位相差設定部と、位相差検出部が検出した位相差と目標位相差との誤差に基づいて、周波数補正量を算出する周波数算出部とを含む。
さらに好ましくは、目標位相差設定部は、目標回転数に応じて目標位相差を変化させる。
さらに好ましくは、負荷装置は、シングルロータリ型圧縮機およびレシプロ型圧縮機の一方である。
本発明の他の局面に従うと、冷凍装置であって、負荷装置と、同期モータと、上述のいずれかに記載のモータの制御装置とを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、空調装置であって、負荷装置と、同期モータと、上述のいずれかに記載のモータの制御装置とを備える。
本発明によれば、ロータ位置を検知するセンサを用いずに周期的な負荷変動を有する負荷装置に接続される同期モータを高い効率で安定に行なうことが可能となるモータの制御装置を実現できる。
また、本発明によれば、低騒音かつ高効率な冷凍装置および空調装置を提供することができる。
以下において、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施形態のモータの制御装置、圧縮機駆動装置、および冷凍装置を説明する図である。図1を参照して、冷凍装置100は、4極3相の同期モータ1と、同期モータ1により駆動される圧縮機60と、同期モータ1を制御する制御装置50とを備える。
圧縮機60は、シングルロータリ型圧縮機あるいはレシプロ型圧縮機(以下、「シングルロータリ型圧縮機」と総称する)である。シングルロータリ型圧縮機は同期モータの回転と同期した負荷変動を有する。
同期モータ1および制御装置50は、本実施の形態に係る圧縮機駆動装置を構成する。この圧縮機駆動装置および圧縮機60を備える機器としては冷凍装置100に限定されず、空調装置でもよい。なお、以下では冷凍装置および空調装置を「冷凍・空調装置」と総称する。
制御装置50は、同期モータ1に印加するモータ電圧の周波数および振幅を変化させることにより同期モータ1を可変速駆動する。次に制御装置50の構成を説明する。
制御装置50は、インバータ回路2と、コンバータ回路3と、AC電源4とを備える。インバータ回路2は、直流電力を交流電力に変換し、かつ、その交流電力を同期モータ1に供給することにより同期モータ1を駆動する。コンバータ回路3は、交流電力を直流電力に変換し、かつ、その直流電力をインバータ回路2に供給する。AC電源4は、コンバータ回路3に交流電力を供給する。
モータ制御装置は、さらに、マイクロコンピュータ7と、電流検出抵抗21と、直流電流検出アンプ部22とを備える。なおマイクロコンピュータ7の構成の詳細は後述する。
電流検出抵抗21は、たとえばコンバータ回路3における直流電力出力側の負極端子と、インバータ回路2における直流電力入力側の負極端子との間に接続される。直流電流検出アンプ部22は、電流検出抵抗21の両端に発生する電圧に基づいて、インバータ回路2を流れる直流電流を検出する。直流電流検出アンプ部22は、マイクロコンピュータ7に接続される。直流電流検出アンプ部22は、検出した直流電流を増幅するとともに増幅した直流電流を直流電流信号としてマイクロコンピュータ7に出力する。
マイクロコンピュータ7は、位相差検出部8と、目標位相差情報格納部9と、加算部10,18と、PI演算部11と、正弦波データテーブル13と、正弦波データ作成部14と、PWM(Pulse Width Modulation)作成部15と、回転数設定部(基本強制励磁周波数設定部)16と、強制励磁周波数補正制御部17と、平均化部19と、モータ電流推定部20とを含む。なお、各部の処理はたとえばマイクロコンピュータに予め記憶されるソフトウェアにより実行される。
直流電流検出アンプ部22が出力した直流電流信号は、モータ電流推定部20に入力される。モータ電流推定部20は、入力された直流電流信号に基づいて直流電流の変化分を求める。モータ電流推定部20は、さらに、直流電流信号の変化分に基づいてモータ電流信号を推定演算する。
モータ電流推定部20の構成は特に限定されるものではないが、たとえば特開平8−19263号公報に開示された構成を採用することが可能である。この構成を具体的に説明する。
図2は、図1のモータ電流推定部20の構成の一例を説明する図である。図2を参照して、モータ電流推定部20は、直流電流検出アンプ部22から直流電流信号を受ける。この直流電流信号が示す電流値を図2では直流電流idと示す。
モータ電流推定部20は、サンプルホールド部31,32と、タイミング制御部33と、減算部34と、分配演算部35とを含む。
サンプルホールド部31,32は、PWM信号によるスイッチングパターンに応じて交互にサンプリング制御されることにより、直流電流idのサンプリングを行なうとともに、そのサンプリングした値を一時的に記憶する。このときのサンプリング制御は、インバータ回路2のU相アーム、V相アーム、W相アームのスイッチングパターンに応じてタイミング制御部33による制御がなされる。
これにより、サンプルホールド部31,32は、一方が各相のアームのスイッチング直前の直流電流idをサンプリングするときに他方がスイッチング直後の直流電流idをサンプリングする。
タイミング制御部33は、インバータ回路2の各相アームのオン/オフを制御するPWM信号から各相アームのスイッチングタイミング信号を得るとともに、その信号に基づいてサンプルホールド部31,32のサンプリングタイミング信号を得る。
減算部34は、サンプルホールド部31,32がそれぞれサンプリングした直流電流id1,id2の差であるΔidを算出する。
分配演算部35は、電流差Δidを各相別に分配することによって電流信号iu,iv,iwを得る。この信号分配には、タイミング制御部33からの各相別のタイミング信号が用いられる。
上述のように構成されたモータ電流推定部20により、モータ電流を推定演算することができる。これにより、コイルおよびホール素子で構成された電流センサ、あるいはカレントトランス等のモータ電流を検出するための電流センサを用いなくともモータ電流を検出することができる。よって制御装置のコストを削減することができる。
図1に戻り、位相差検出部8は、モータ電流推定部20により出力されたモータ電流信号を用いて、モータ電圧とモータ電流との位相差情報を検出する。
位相差検出部8は、モータ電流推定部20から与えられるモータ電流信号を、所定のタイミングでA/D(Analogue to Digital)変換し、かつ、そのデジタルデータを取り込む。位相差検出部8は、モータ電圧の2箇所の位相期間の各々において、サンプリングデータを積算することによりモータ電流信号面積を算出する。位相差検出部8は、モータ電圧の2箇所の位相期間におけるモータ電流信号面積の面積比を位相差情報として出力する。
なお、位相差検出部8に入力されるモータ電圧の情報は、正弦波データ作成部14により作成される。すなわち本実施の形態では、モータ電圧の検出をソフトウェアにより実現するので、モータ電圧を直接検出しなくてもよくなる。これによりモータ電圧を検出するためのセンサを不要とすることができる。なお検出する位相差情報は、モータ電圧がモータ電流に対して進み位相の場合は正の値、遅れ位相の場合は負の値、同相の場合は0とする。
ここで、本実施の形態では、モータ電圧のゼロクロス点とモータ電流のゼロクロス点との位相差から位相差情報を検出する方法を用いることができる。各相ごとに、電気角0〜360度中に0度と180度との2つのゼロクロス点が存在する。このため、各相ごとに、電気角が0度から360度まで変化する間に位相差情報を2回検出することができる。
同期モータ1は4極3相同期モータであるため、電気角0度は機械角0度に対応し、電気角360度は機械角180度に対応する。よって、ロータが1回転する(機械角が0度から360度まで変化する)場合には、電気角は0度から720度まで変化する。つまり各相ごとに、ロータが1回転する間に位相差情報を4回検出することができる。要するに同期モータ1が、4極3相同期モータである場合にはロータの1回転中に位相差情報を12(=4×3)回検出することができる。よって、本実施の形態ではモータ1回転(ロータの1回転)の期間、すなわち回転周期を12の区間に分割し、区間毎に位相差情報を検出する。
また、同期モータ1を流れるモータ電流を検出する電流センサを設けてもよい。この場合、位相差検出部8は、電流センサの出力と、モータ電圧の情報とに基づいて、モータ電圧とモータ電流との位相差を検出することができる。この場合にも3相のモータ電流を検出することによってモータ1回転中に位相差情報を12回検出することができる。よってモータ1回転を12区間に分割し、かつ、区間毎に位相差情報を検出することができる。
目標位相差情報格納部9は、位相差検出部8が検出した位相差情報の目標値である目標位相差情報をその内部に格納する。この目標位相差情報は、たとえば実験あるいはシミュレーション等などにより同期モータ1を高効率駆動するために適した値として予め定められた値である。
加算部10は、目標位相差情報格納部9から与えられる目標位相差情報と、位相差検出部から与えられる位相差情報との誤差量を算出する。平均化部19では、モータ1回転分の誤差量の平均化処理を行なう。
PI演算部11は、平均化部19から受ける誤差量平均値に対して所定の増幅処理(P制御)を行なうことにより比例誤差量を算出する。さらにPI演算部11は、誤差量平均値の積分(I制御)を行なうとともにその積分値を増幅して積分誤差量を算出する。PI演算部11は、比例誤差量および積分誤差量を加算し、加算結果をデューティ基準値としてPWM作成部15に出力する。
回転数設定部16は、同期モータ1を所望の回転数で駆動するために設定されたモータ電圧の周波数である基本強制励磁周波数を出力する。すなわち回転数設定部16は、基本強制励磁周波数を設定する基本強制励磁周波数設定部として動作する。
強制励磁周波数補正制御部17は、加算部10が出力した位相差の誤差量に基づいて、強制励磁周波数の補正量を算出する。位相差誤差量が正の場合(位相差情報>目標位相差情報の場合)は、強制励磁周波数補正量は正となり、位相差誤差量が負の場合(位相差情報<目標位相差情報の場合)は、強制励磁周波数補正量は負となる。この補正量は、基本強制励磁周波数に対する増減分である。
なお、補正量の大きさは、位相差の誤差量の大きさに応じて変更することが好ましい。これにより、同期モータ1をより高い効率、かつ、安定的に駆動することが可能になる。
さらに、強制励磁周波数補正制御部17は、複数の区間にわたる強制励磁周波数の補正量の平均値が0となるように、各区間においてその補正量を算出する。
加算部18は、基本強制励磁周波数と、強制励磁周波数補正量を加算して、補正後強制励磁周波数を算出する。この補正後強制励磁周波数が、同期モータの回転数を設定するためのモータ電圧の周波数となる。
補正後強制励磁周波数は12区間の各々で変動する。しかし、強制励磁周波数補正制御部17がモータ1回転(12区間)にわたる周波数の補正量の平均値が0となるように補正量を算出しているため、モータ1回転の間の補正後強制励磁周波数の平均値は基本強制励磁周波数に等しくなる。これにより、同期モータ1を所望の回転数(すなわち基本強制励磁周波数)で回転させることが可能になる。
なお、モータ1回転分の周波数の補正量の平均値が0になるということは、位相差の誤差量の平均値も0になることを意味する。
正弦波データテーブル13は、所定のデータ個数で構成された正弦波データを予め記憶しており、正弦波データを正弦波データ作成部14に出力する。
正弦波データ作成部14は、加算部18から補正後強制励磁周波数を受けるとともに、その周波数に応じた時間間隔で正弦波データテーブル13から同期モータのコイル端子U,V,Wの各相に対応した正弦波データを読出す。なお、同期モータ1の回転数を高くする場合には、この時間間隔は長く設定され、同期モータ1の回転数を低くする場合には、この時間間隔は短く設定される。正弦波データ作成部14は、さらに、各相ごとに正弦波データに基づいてモータ電圧位相情報を出力する。このモータ電圧位相情報は位相差検出部8に送られる。
PWM作成部15は、正弦波データとデューティ基準値とに基づいてPWM信号を作成し、作成したPWM信号をインバータ回路2の駆動素子(スイッチング素子)に出力する。なお、本実施の形態では、正弦波データは、正弦波データテーブル13に格納されるデータに基づいて作成される。ただし正弦波データは、たとえば演算により作成されてもよい。
PWM作成部15は、デューティ基準値と正弦波データとに基づいて、出力デューティを都度計算する。そしてPWM作成部15は、出力デューティを表わすPWM信号をインバータ回路2に出力する。インバータ回路2は、PWM信号に応じてスイッチング動作を行ない、モータ電圧を各相のコイルに印加する。これにより同期モータ1が駆動される。
なお本実施の形態では、目標位相差情報格納部9と、加算部10と、強制励磁周波数補正制御部17とは、本発明における「補正量算出部」を構成する。さらに、強制励磁周波数補正制御部17は、本発明における「周波数算出部」に対応する。また、PI演算部11およびPWM生成部15は本発明の形態における「信号生成部」を構成する。
本実施の形態では、モータ電圧に対するモータ電流位相差の平均値を一定(すなわち0)に制御するための平均位相差制御フィードバックループによりモータ電圧の振幅(PWMデューティのデューティ幅)が決定される。さらに、モータ1回転を分割した複数の区間の各々では、モータ電圧に対するモータ電流位相差を目標位相差に一致するように制御するための区間毎位相差制御フィードバックループによって、モータ電圧の強制励磁周波数が補正される。
このようにモータ電圧の周波数および振幅を定めることにより同期モータ1のロータ位置を検出する位置センサを設けなくても、同期モータ1を可変速駆動することができる。さらに、本実施の形態によれば、モータ効率の向上、低騒音および低振動を簡単な構成と制御により実現できる。
なお、同期モータ1の極数は4に限定されるものではない。具体的には制御装置50は極数が2N(Nは1以上の整数)の3相同期モータを制御することができる。この場合、回転周期は2以上かつ6N(=2N×3)以下の区間に分割することができる。強制励磁周波数の補正はこの区間毎に行なわれるため、Nを大きくするほどモータ1回転中に周波数をより細かく補正することができる。これによりモータ駆動の安定性を向上することができる。
続いて図3から図6を参照しながら本実施の形態のモータの制御装置が実行する処理の流れを説明する。
図3は、本実施の形態のモータの制御装置が実行する処理の概要を説明するフローチャートである。
図4は、位相差検出部8の検出結果の一例を示す図である。
図5は、目標位相差格納部が格納する目標位相差情報の一例を示す図である。
図6は、位相差誤差量の一例を示す図である。
図3、図1および図4を参照して、処理が開始されると、位相差検出部8はモータ電圧とモータ電流との位相差を検出する(ステップS1)。図4に示すように、ロータの1回転(機械角360度)は機械角30度ごとに12区間に分割される。各区間ではモータ電圧の位相とモータ電流の位相との位相差の検出が行なわれる。位相差の検出が行なわれるモータの相は、たとえばU相、V相、W相、U相…の順に繰返される。
次に図3、図1および図4〜6を参照して、加算部10は、目標位相差情報格納部9から与えられる目標位相差情報と、位相差検出部から与えられる位相差情報との誤差量(位相差誤差量)を算出する(ステップS2)。図5に示すように、本実施の形態では回転数の範囲に応じて目標位相差情報の値が設定される。ただし、目標位相差情報の値は固定値でもよい。
目標位相差情報格納部9は、加算部から補正後強制励磁周波数の値を受けることによりモータの回転数を算出する。そして、目標位相差情報格納部9は、算出したモータ回転数に基づいて、出力する目標位相差情報の値を決定する。
加算部10は、目標位相差情報格納部9から与えられる目標位相差情報と、位相差検出部から与えられる位相差情報との誤差量(位相差誤差量)を算出する。図6は目標位相差が25度であり、かつ、図4に示す位相差が検出された場合における位相差誤差量を示す。なお、位相差誤差量の平均値は0となる。
次に図3および図1を参照して、強制励磁周波数補正制御部17は、加算部10から受ける位相差誤差量に基づいて、強制励磁周波数補正量を決定する(ステップS3)。たとえば各区間において、強制励磁周波数補正制御部17は、加算部10から受ける位相差誤差量に一定の係数を掛けることにより補正量を決定する。これにより、モータ1回転分の補正量の平均値は0となる。
加算部18は、回転数設定部16からの基本強制励磁周波数と、強制励磁周波数補正制御部17からの強制励磁周波数補正量とを加算して、補正後強制励磁周波数を算出する。これにより強制励磁周波数が補正される(ステップS4)。
正弦波データ作成部14は、加算部18から補正後強制励磁周波数を受けるとともに、正弦波データテーブル13から正弦波データを読出す。正弦波データ作成部14は、位相差検出部8にモータ電圧位相情報を出力する。
また、平均化部19は、加算部10から位相差誤差量を受けて、モータ1回転分の誤差量の平均化処理を行なう。PI演算部11は、平均化部19から受ける位相差誤差量に基づいてデューティ基準値を算出する。
PWM作成部15は、正弦波データとデューティ基準値とに基づいて出力デューティを計算して、出力デューティを表わすPWM信号をインバータ回路2に出力する。これによりインバータ回路2がPWM制御される(ステップS5)。なおステップS5の処理が終了すると、処理はステップS1に戻る。
続いて、負荷変動の大きいシングルロータリ型圧縮機用モータを駆動した場合の負荷トルクとモータ電圧(1相分)とモータ電流(1相分)と各々の区間の位相差情報の関係について説明する。
図7は、強制励磁周波数補正を行なわない場合における、負荷トルクと、モータ電圧(1相分)と、モータ電流(1相分)と、各区間の位相差情報との関係を示す図である。
図8は、強制励磁周波数補正を行なった場合における、負荷トルクと、モータ電圧(1相分)と、モータ電流(1相分)と、各区間の位相差情報との関係を示す図である。
図7および図8を参照して、グラフの横軸は、回転角(機械角および電気角)を示す。上述したように、4極3相同期モータではモータ1回転(機械角360度)は電気角720度に相当する。よって4極3相同期モータの1回転は、ステート0〜11に分割される。各ステートに対応する時間の長さが「区間」に相当する。また位相差の検出が行なわれるモータの相は、U相、V相、W相、U相…の順に繰返される。
周波数補正を行なわない場合には、負荷トルクの変動に応じてロータの回転速度が変動する。これにより各区間の位相差情報が変動する。図12に示した位相差情報と効率の関係から分かるように、周波数補正を行なわない場合には常に効率が最適となるようにモータを駆動することができないため効率が悪化する。
一方、周波数補正を行なった場合にはモータ1回転中における位相差情報の変動をなくすことが可能になるので、常に効率が最適となるようにモータを駆動することが可能となる。
ここで、モータの回転数が高くなるほど各ステートに対応する時間が短くなる。よって、各区間で検出された位相差情報と目標位相差情報との誤差を、その区間の強制励磁周波数の補正に直ちに反映させようとした場合には、ソフトウェアの処理時間遅れなどのために制御誤差が発生する可能性がある。このような問題を防ぐために、強制励磁周波数補正制御部17は、モータの前回の回転時における、ある区間の位相差情報を、モータの今回の回転時において、その区間と同一区間の周波数補正に用いる。本実施の形態では、このような制御を繰返し制御と呼ぶことにする。
図9は、本実施の形態の繰返し制御を説明する図である。図9を参照して、強制励磁周波数補正制御部17は、記憶部17Aと、周波数補正量算出部17Bとを含む。記憶部17Aは、(1)〜(12)の12の領域に分割される。各領域には、m番目(m:1以上の整数)のモータ回転周期における各区間の位相差誤差量であるデータD1〜D12が格納される。なお、記憶部17Aはモータ1回転中の区間の数と同じ数(12)に分割されるよう示されるが、図9に示す記憶部17Aの構成は説明を分かりやすくするためのものであり、このように記憶部17Aが構成されるよう限定されるものではない。
周波数補正量算出部17Bは、(m+1)番目のモータ回転周期における第1番目の区間の周波数を補正する場合には、m番目のモータ回転周期における第1番目の区間に記憶した位相差誤差量であるデータD1を読出す。そして周波数補正量算出部17BはデータD1を用いて強制励磁周波数補正量を算出し、その補正量を出力する。
なお、この区間には新たな位相差誤差量であるデータD1Nが記憶部17Aに格納される。また、周波数補正量算出部17Bは(m+1)番目のモータ回転周期における他の区間においても同様の処理を行なって強制励磁周波数補正量を算出する。
記憶部17Aがm番目のモータ回転周期における各区間の位相差情報を予め記憶しているため、周波数補正量算出部17Bの処理時間の遅れによる制御誤差が生じるのを防ぐことが可能になる。
また、繰返し制御の場合には、前回のモータ1回転分の位相差や位相差誤差量の変化が予め分かっているため前回のモータ1回転時の値を用いて今回のモータ回転時の補正量の大きさの平均値が0となるように、モータ1回転毎に補正量を調整することが可能になる。よって、繰返し制御が行なわれることにより、モータの効率を低下させることなくモーを駆動することが可能になる。
このように、本実施の形態に係るモータの制御装置においては、位相差検出部8はモータの1回転を分割した複数の区間の各々において、モータ電圧の位相とモータ電流の位相との位相差を検出する。目標位相差格納部9、加算部10および強制励磁周波数補正制御部17から構成される補正量算出部は、検出された位相差に基づいて、モータ電圧の周波数(基本強制励磁周波数)の補正量を算出する。加算部18は、基本強制励磁周波数と補正量とを加算することにより強制励磁周波数を補正する。正弦波データ作成部14は補正後の強制励磁周波数に応じた正弦波データを生成する。信号生成部(PI演算部11およびPWM生成部15)は、検出された位相差および正弦波データに基づいてPWM波形信号を作成してインバータ回路2に出力する。
これにより、位置センサを用いることなく負荷変動を有する負荷装置を駆動するモータを180度通電方式(代表的には正弦波駆動方式)により駆動することができる。位置センサが不要になるため、コスト低減を図ることができる。また、モータを180度通電方式で駆動することによりモータを高効率に制御することができるだけでなく、騒音および振動を低減することもできる。
また、冷凍・空調装置に使用される圧縮機の内部は高温状態になるため、ホールIC等のロータ位置を検出する位置センサを設けることが困難になる。よって、位置センサレスでモータを駆動する必要がある。図1に示すように、本実施の形態に係るモータの制御装置は位置センサを用いずともモータを制御できるため圧縮機を駆動するモータの制御に好適に用いることができる。
さらに、本実施の形態では、インバータに入力される直流電流を用いてモータ電流を検出するので、コイルおよびホール素子で構成された電流センサあるいはカレントトランスといったモータ電流(交流電流)を検出するための電流センサが不要となる。
さらに本実施の形態によれば、上述のモータの制御装置を備える圧縮機駆動装置は、冷凍・空調装置に搭載される。これにより、冷蔵庫、冷凍庫、空気調和機といった冷凍・空調装置を運転することが可能となる。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。本実施の形態では本発明のモータの制御装置を冷凍・空調装置等で使用される圧縮機を駆動するモータの制御のために用いている。ただし本発明は、このような形態に限定されるものではない。本発明は、周期的な負荷変動(同期モータの回転に同期した負荷変動)を有する負荷装置を駆動する同期モータを可変速駆動するために用いることができる。本発明のモータの制御装置を用いることにより、同期モータを高効率かつ安定的に駆動することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態のモータの制御装置、圧縮機駆動装置、および冷凍装置を説明する図である。 図1のモータ電流推定部20の構成の一例を説明する図である。 本実施の形態のモータの制御装置が実行する処理の概要を説明するフローチャートである。 位相差検出部8の検出結果の一例を示す図である。 目標位相差格納部が格納する目標位相差情報の一例を示す図である。 位相差誤差量の一例を示す図である。 強制励磁周波数補正を行なわない場合における、負荷トルクと、モータ電圧(1相分)と、モータ電流(1相分)と、各区間の位相差情報との関係を示す図である。 強制励磁周波数補正を行なった場合における、負荷トルクと、モータ電圧(1相分)と、モータ電流(1相分)と、各区間の位相差情報との関係を示す図である。 本実施の形態の繰返し制御を説明する図である。 従来のモータ制御装置の概略構成を説明する図である。 シングルロータリ型圧縮機の特性を示す図である。 特開2001―112287号公報(特許文献1)に開示される位相差制御方法によりモータを駆動・制御したときの、位相差情報とモータの効率との関係を示す図である。
符号の説明
1 同期モータ、2 インバータ回路、3 コンバータ回路、4 AC電源、5 電流センサ、6 モータ電流検出アンプ部、7 マイクロコンピュータ、8 位相差検出部、9 目標位相差情報格納部、10,18 加算部、11 PI演算部、12,16 回転数設定部、13 正弦波データテーブル、14 正弦波データ作成部、15 PWM作成部、17 強制励磁周波数補正制御部、17A 記憶部、17B 周波数補正量算出部、19 平均化部、20 モータ電流推定部、21 電流検出抵抗、22 直流電流検出アンプ部、31,32 サンプルホールド部、33 タイミング制御部、34 減算部、35 分配演算部、50 制御装置、60 圧縮機、100 冷凍装置(空調装置)。

Claims (9)

  1. 負荷装置を駆動する同期モータにモータ電圧を印加し、かつ、前記モータ電圧の周波数および振幅を変化させることにより前記同期モータを可変速駆動するモータの制御装置であって、前記負荷装置は前記同期モータの回転に同期した負荷変動を有し、
    前記制御装置は、
    前記同期モータの回転を分割した複数の区間の各々において、前記モータ電圧の周波数を定める周波数指令値に基づき前記モータ電圧の波形を示す駆動データを作成するデータ作成部と、
    前記同期モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、
    前記複数の区間の各々において、前記駆動データと前記電流検出部の検出結果とに基づいて、前記モータ電圧の位相と前記モータ電流の位相との位相差を検出する位相差検出部と、
    前記同期モータの回転数を目標回転数に定めるための前記モータ電圧の周波数である基本周波数を設定する基本周波数設定部と、
    前記複数の区間の各々において、前記位相差検出部が検出した前記位相差に基づいて、前記負荷変動による前記目標回転数と前記同期モータの回転数とのずれを補正するための前記モータ電圧の周波数補正量を算出する補正量算出部と、
    前記複数の区間の各々において、前記基本周波数と前記周波数補正量とに基づき前記周波数指令値を算出して出力する周波数算出部と、
    前記駆動データと前記位相差とに基づき前記モータ電圧の周波数および振幅を示す制御信号を生成する信号生成部と、
    前記制御信号に応じて前記同期モータに前記モータ電圧を印加することにより前記同期モータを駆動する駆動部とを備える、モータの制御装置。
  2. 前記補正量算出部は、前記同期モータのm番目(m:1以上の整数)の回転を分割した前記複数の区間の各々において前記位相差検出部から受ける前記位相差を記憶し、前記同期モータの(m+1)番目の回転を分割した前記複数の区間の各々には、前記同期モータの前記m番目の回転時における前記複数の区間のうち、対応する区間に記憶した前記位相差を用いて前記周波数補正量を算出する、請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記補正量算出部は、前記複数の区間にわたる前記周波数補正量の平均値が0となるように前記周波数補正量を算出する、請求項1または2に記載のモータの制御装置。
  4. 前記同期モータは、2N(N:1以上の整数)の極を有する三相同期モータであり、
    前記複数の区間は、2以上かつ6N以下の区間である、請求項1から3のいずれか1項に記載のモータの制御装置。
  5. 前記補正量算出部は、
    前記位相差の目標値である目標位相差を設定する目標位相差設定部と、
    前記位相差検出部が検出した前記位相差と前記目標位相差との誤差に基づいて、前記周波数補正量を算出する周波数算出部とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のモータの制御装置。
  6. 前記目標位相差設定部は、前記目標回転数に応じて前記目標位相差を変化させる、請求項5に記載のモータの制御装置。
  7. 前記負荷装置は、シングルロータリ型圧縮機およびレシプロ型圧縮機の一方である、請求項1から6のいずれか1項に記載のモータの制御装置。
  8. 前記負荷装置と、
    前記同期モータと、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のモータの制御装置とを備える、冷凍装置。
  9. 前記負荷装置と、
    前記同期モータと、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のモータの制御装置とを備える、空調装置。
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