JP5853096B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばファン、ポンプ、圧縮機、スピンドルモータなどの回転速度制御や、搬送機や工作機械における位置決め装置、ならびに電動アシストなどのようにトルクを制御する用途に利用する同期電動機を駆動制御する電動機駆動装置、その電動機駆動装置を備えた一体型電動機システム、ポンプシステム、圧縮機システムおよび位置決めシステムに関する。
産業,家電,自動車等の様々な分野において、小型・高効率の永久磁石モータ(同期電動機)が幅広く用いられている。しかし、永久磁石モータを駆動させるには、モータの回転子の位置情報が必要であり、そのための位置センサが必要であった。
近年では、この位置センサを排除し、永久磁石モータの回転数やトルク制御を行うセンサレス制御が広く普及している。センサレス制御の実用化によって、位置センサにかかる費用(センサ自体のコスト、センサの配線にかかるコストなど)の削減、装置の小型化が実現できる。また、センサが不要となることで、劣悪な環境下での使用が可能となる等のメリットがある。現在、永久磁石モータのセンサレス制御は、永久磁石モータの回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)を直接検出し、回転子の位置情報として永久磁石モータの駆動を行う方法や、対象となるモータの数式モデルから、回転子位置を推定演算する位置推定技術などが採用されている。
これらのセンサレス制御にも大きな課題がある。それは低速運転時の位置検出方法である。現在実用化されている大半のセンサレス制御は、永久磁石モータの発生する誘起電圧に基づくものである。したがって、停止時や誘起電圧の小さい低速域では、感度が低下してしまい、位置情報がノイズに埋もれる可能性がある。この問題に対しては種々の解決策が提案されている。
特許文献1に記載された発明は、三相固定子巻線の接続点の電位である「中性点電位」を検出して、位置情報を得るものである。この中性点電位を、インバータからモータへ印加するパルス電圧に同期して検出することで、インダクタンスのアンバランスによる起電圧を検出でき、回転子位置に依存した電位変化を得ることができる。そのため、モータへの印加電圧として、通常の正弦波変調時のPWM(パルス幅変調)によって、位置情報が得られるという特徴がある。ここで、回転子位置とは、回転子に組み込まれた永久磁石の位置を意味する。
図27は,永久磁石モータの中性点電位を検出してセンサレス駆動する、従来の同期電動機駆動システムの一例を示す図である。制御器1Kは、中性点電位の検出値に基づいて,永久磁石モータ4を制御するためのPWM信号を発生する。PWM信号はインバータ3に入力され、インバータ3はそのPWM信号に基づいて永久磁石モータ4を駆動する。
永久磁石モータ4には、仮想中性点回路100が並列に接続されている。仮想中性点回路100からは、永久磁石モータ4の中性点電位を検出するための仮想中性点電位Vnnが引き出される。永久磁石モータ4の中性点電位Vnを、仮想中性点電位Vnnを基準にして観測するために、分圧回路2が設けられている。分圧回路2で生成された分圧電位Vinは、絶縁アンプ101を介して、制御器1KのA/Dコンバータに入力される。
図28(a)は、インバータ3のグランドライン(Ni)から観察した、各相の出力波形を示したものである。通常のPWM動作では、このように三相の出力電位が順次変化する。この時の永久磁石モータ4の中性点電位Vnおよび仮想中性点電位Vnnは、図28(b)に示すように変化する。仮想中性点回路100のインピーダンスZ3が等しいため、Vnnは、スイッチ状態に応じて,VDC,(2/3)VDC,(1/3)VDC,0の4つの値を取る。ここで、VDCはインバータの直流電源31の直流電圧値である。
一方、Vnも、基本的には三相巻線のインピーダンスが等しいため、Vnnと同様に変化する。しかし、永久磁石モータ4の磁石磁束の影響を受けて、これら三相のインダクタンス値がわずかに変化する。その結果、回転子がどの位相(位置角)に存在するかによって、三相のインダクタンス値がアンバランス化し、Vnの値が変動する。このVnとVnnの差が,そのまま回転子の位置情報となり、位置センサレスが実現できる。よって、制御器1Kには、VnとVnnの差の信号を入力する必要がある。それを実現するため,仮想中性点Vnnを基準として中性点電位Vnを観測する。
特開2010−74898号公報
しかしながら、基準電位がインバータ3のスイッチ状態に応じて大きく上下するため、マイコンなどの制御器に入力するには、上述したように絶縁アンプを介することが必須となる。通常,マイコン等の制御器のA/Dコンバータ入力は数V程度であり、また、制御回路のグランドは少なくとも固定させる必要がある。そのため、100V以上の比較的高い電圧を用いるモータに本方式を用いるには、絶縁アンプが必須となる。
絶縁アンプは比較的に高価な部品であり、コストアップの要因となる。また、中性点電位を検出する期間は、非常に短いパルス状の期間であるため、絶縁アンプ自体にも高い応答性能が要求される。これに対し、高性能で安価な絶縁アンプは入手不可能であり、上述した方式をこのままや洗濯機や冷蔵庫等の家電製品や一般産業用途に展開するのは困難である。
本発明の第1の態様によると、電動機駆動装置は、複数のスイッチング素子をオンオフ動作させて、直流電源からの直流電力を交流電力に変換して同期電動機を駆動するインバータと、三相同期電動機の固定子巻線の中性点電位を検出する中性点電位検出部と、検出された中性点電位に基づいて三相同期電動機の回転子位置を推定し、その推定結果に基づいてインバータを制御する制御部と、を備える電動機駆動装置において、制御部のグランド電位は、インバータに印加される直流電圧の負側または正側の電位に設定され、中性点電位検出部は、負側または正側の電位を基準に中性点電位を検出し、制御部は、オンオフ動作時に中性点電位検出部により検出される第1の中性点電位と一定な第1の参照電位との差、および、オンオフ動作時に中性点電位検出部により検出される第2の中性点電位と一定な第2の参照電位との差に基づいて、回転子位置を推定する。
本発明の第2の態様によると、第1の態様の電動機駆動装置において、制御部は、第1の中性点電位と第1の参照電位との差分信号をそれぞれ生成し、該差分信号を増幅して出力する第1の差動増幅器と、第2の中性点電位と第2の参照電位との差分信号をそれぞれ生成し、該差分信号を増幅して出力する第2の差動増幅器と、第1の差動増幅器の出力信号をA/D変換する第1のA/D変換器と、第2の差動増幅器の出力信号をA/D変換する第2のA/D変換器と、を備え、第1および第2のA/D変換器の出力に基づいて回転子位置を推定するのが好ましい。
本発明の第3の態様によると、第1の態様の電動機駆動装置において、制御部は、複数のスイッチング素子のオンオフ動作に連動して、第1および第2の参照電位のいずれか一方を選択する選択部と、中性点電位検出部により検出された第1および第2の中性点電位が順に第1入力信号として入力されると共に、選択部で選択された参照電位が順に第2入力信号として入力され、第1入力信号と第2入力信号との差分を増幅して出力する差動増幅器と、差動増幅器の出力信号をA/D変換するA/D変換器と、を備え、A/D変換器の出力に基づいて回転子位置を推定するのが好ましい。
本発明の第4の態様によると、第2または3の態様の電動機駆動装置において、制御部は、第1および第2の参照電位を生成する参照電位生成部を備えるのが好ましい。
本発明の第5の態様によると、第4の態様の電動機駆動装置において、直流電源の電圧を分圧して分圧電位を生成する直流電圧分圧回路を備え、参照電位生成部は、分圧電位に基づいて第1および第2の参照電位を生成するのが好ましい。
本発明の第6の態様によると、第4の態様の電動機駆動装置において、直流電源の電圧を分圧して分圧電位を生成する直流電圧分圧回路を備え、制御部は、分圧電位に基づいて、A/D変換された差分信号における電源電圧変動の影響が低減されるように該差分信号を補正し、その補正された差分信号に基づいて回転子位置を推定するのが好ましい。
本発明の第7の態様によると、第2または3の態様の電動機駆動装置において、直流電源の電圧を分圧し、第1および第2の参照電位として第1および第2の分圧電位を生成する直流電圧分圧回路を備えるのが好ましい。
本発明の第8の態様によると、第1の態様の電動機駆動装置において、制御部は、複数のスイッチング素子のオンオフ動作に連動して、第1および第2の参照電位のいずれか一方を選択する選択部と、中性点電位検出部により検出された第1および第2の中性点電位が順に第1入力信号として入力されると共に、選択部で選択された参照電位が順に第2入力信号として入力され、第1入力信号と第2入力信号との差分を増幅して出力する差動増幅器と、差動増幅器の出力信号をA/D変換するA/D変換器と、差動増幅器とA/D変換器との間に設けられる絶縁アンプとを備え、差動増幅器から出力された信号を、絶縁アンプを介してA/D変換器に入力するのが好ましい。
本発明の第の態様によると、第乃至7のいずれか一の態様の電動機駆動装置において、差動増幅器とA/D変換器との間に設けられる絶縁アンプを備え、差動増幅器から出力された信号を、絶縁アンプを介してA/D変換器に入力するのが好ましい。
本発明の第10の態様によると、第1乃至のいずれか一の態様の電動機駆動装置において、制御部は、中性点電位に含まれるオフセット成分を、三相同期電動機の起動前に補正するオフセット補正部を備えるのが好ましい。
本発明の第11の態様によると、第10の態様の電動機駆動装置において、オフセット補正部は、回転子を複数の回転位置に順に設定して中性点電位をそれぞれ検出し、検出された複数の中性点電位に基づいてオフセット成分を補正するのが好ましい。
本発明の第12の態様によると、第10の態様の電動機駆動装置において、オフセット補正部は、複数の電圧指令を順に出力する電圧指令出力部を備え、各電圧指令出力時に中性点電位検出部により検出される中性点電位に基づいて、オフセット成分を補正するのが好ましい。
本発明の第13の態様によると、一体型電動機システムは、第1乃至12のいずれか一の態様の電動機駆動装置と、電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機の回転子および固定子とを、共通の筐体内に収納したものである。
本発明の第14の態様によると、ポンプシステムは、第1乃至12のいずれか一の態様の電動機駆動装置と、電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機と、三相同期電動機により駆動される液体用ポンプと、を備える。
本発明の第15の態様によると、圧縮機システムは、第1乃至12のいずれか一の態様の電動機駆動装置と、電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機と、三相同期電動機により駆動される圧縮機と、を備える。
本発明の第16の態様によると、位置決めシステムは、第1乃至12のいずれか一の態様の電動機駆動装置と、電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機と、三相同期電動機が正回転および逆回転することにより、スライド駆動または回転駆動される位置決めステージと、を備える。
本発明によれば、絶縁アンプを用いることなく,三相同期電動機の中性点電位の検出を高精度に行うことができ,零速度近傍の極低速域から、正弦波状の電流によるセンサレス駆動を実現できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す位置推定/モータ制御器11の詳細を示すブロック図である。 図3は、電圧ベクトルを説明する図である。 図4は、電圧ベクトルとインバータ3が実際に出力するPWM波形との関係を示す図である。 図5は、中性点電位の変化を示す図である。 図6は、各部の動作を表す波形図である。 図7は、本発明の第2の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図8は、アナログスイッチ6の切り替えに応じて得られる信号Vin2(中性点電位)を説明する図である。 図9は、アナログ増幅器5aの一例を示す図である。 図10は、本発明の第3の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図11は、本発明の第4の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図12は、本発明の第5の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図13は、本発明の第6の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図14は、デジタル制御器10Fの内部処理のブロック構成を示す図である。 図15は、本発明の第7の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図16は、本発明による第8の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図17は、オフセット量算出動作を示すフローチャートである。 図18は、オフセット調整中の波形を示す図である。 図19は、本発明による第9の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。 図20は、第9の実施の形態におけるオフセット調整法を示すフロー図である。 図21は、オフセット調整時の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を示す図である。 図22は、第10の実施の形態における一体型電動機システム41を示す図である。 図23は、第11の実施の形態におけるポンプシステムを示す図である。 図24は、第12の実施の形態における圧縮機システムを示す図である。 図25は、第13の実施の形態における位置決めシステムを示す図である。 図26は、直流電圧の正側(直流電源31の正側)をグランドNiとした構成を示す図である。 図27は、従来の同期電動機駆動システムの一例を示す図である。 図28は、従来の同期電動機駆動システムにおける駆動波形を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明による電動機駆動装置は、ファン、ポンプ(油圧ポンプ、水ポンプ)、圧縮機、洗濯機、スピンドルモータ、ディスクドライバなどの回転速度制御や、搬送機や工作機械における位置決め装置、ならびに電動アシストなどのようにトルクを制御する用途に利用することができる。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の第1の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。この電動機駆動装置は、永久磁石モータ4(三相同期電動機)の駆動を目的とするものである。本実施の形態の電動機駆動装置1000(以下に説明する他の実施の形態でも同様)は、制御器1、分圧回路2、インバータ3に設けられたインバータ主回路32および出力プリドライバ33で構成される。なお、直流電源31も含めた構成を電動機駆動装置としても良い。また、インバータ3に直流電源31が含まれるような構成としても良い。
直流電源31は、インバータ主回路32にパワーを供給する直流電源である。インバータ主回路32は、6個のスイッチング素子Sup〜Swnで構成されるインバータ回路である。スイッチング素子Sup〜SwnにはMOSFETやIGBTなどが用いられる。出力プリドライバ33は、インバータ主回路32を直接駆動するドライバである。
制御器1には、永久磁石モータ(以下では、モータと称する)4の中性点電位の分圧値であるVinが入力される。制御器1は、この信号Vinを制御器1の内部で信号処理することで、モータ4の回転子位置を推定演算し、永久磁石モータ4を所望の速度、あるいはトルクに制御するためのPWM信号を発生する。回転子位置の推定演算やPWM信号の発生は、位置推定/モータ制御器11において行われる。制御器1は、位置推定/モータ制御器11の他に、A/Dコンバータ12、減算器13、信号切替器14、基準電圧発生器15a,15bを備えている。
インバータ3は、制御器1からのPWM信号を出力プリドライバ33にて増幅し、インバータ主回路32のスイッチング素子Sup〜Swnを駆動する。インバータ3の出力は、モータ4の三相固定子巻線へ印加され、モータ4が駆動される。モータ4の固定子巻線の中性点電位Vnは、分圧回路2によって制御器1の入力レベルの値Vinまで下げられる。その中性点電位Vinは制御器1に入力される。ここでは、制御器1の入力範囲を0〜Emaxとする。なお、本実施の形態では、分圧回路2のグランドNm、制御器1のグランドNcおよびインバータ3のグランドNiは、すべて共通に接続されている。
制御器1に入力された中性点電位Vinは、制御器1の内部に設けられたA/Dコンバータ12によって離散値化される。制御器1の内部に設けられた基準電圧発生器15aは基準電圧(2/3)Emaxを発生し、基準電圧発生器15bは基準電圧(1/3)Emaxを発生する。基準電圧(2/3)Emax,(1/3)Emaxは信号切替器14を介して減算器13に入力され、減算器13においてA/Dコンバータ12の出力から減算される。その減算結果であるVin2は、位置推定/モータ制御器11に入力される。信号切替器14は、位置推定/モータ制御器11の出力であるPWM信号のスイッチ状態に応じて切り替えを行う。
(中性点電位を用いたセンサレス制御)
図2は、位置推定/モータ制御器11の詳細を示すブロック図であり、中性点電位を用いたセンサレス制御ブロックの基本部分を示している。なお、図1では省略しているが、モータ電流を検出するための相電流センサ30a,30bが設けられている。図2に示す例では、相電流センサ30a,30bによってモータ電流を検出しているが、インバータ3内の直流母線電流(直流電源ラインの電流)を検出してもよい。
相電流センサ30a,30bの検出値は、位置推定/モータ制御器11に設けられたA/Dコンバータ12c,12dに入力される。A/Dコンバータ12c,12dは、モータ4の相電流Iu,Iwの検出値を離散化し、制御器内部に取り込む。相電流Iu,Iwの離散化値Iuc,Iwcは、座標変換器16によって、回転座標軸であるdq座標上の値Id,Iqに変換される。
dq座標変換は、交流モータのベクトル制御で用いられる一般的な変換であり、永久磁石磁束の方向がd軸、d軸に直交するトルク電流方向がq軸である。この座標変換に用いる位相角θdcは、位置推定器17から与えられる。位置推定器17は、中性点電位の変動分に基づいて回転子位相を推定演算するものである。なお、回転子位相の推定演算については、特許文献1に記載された手法などを用いて行うことができる。
減算器18a,18bでは、電流値Id,Iqに対する指令値Id*,Iq*と電流値Id,Iqとの差分が計算される。電流制御器21,22は、減算器18a,18bで計算された差分、すなわち、電流値Id,Iqの指令値Id*,Iq*に対する偏差が零になるように制御するための電圧指令Vd*,Vq*を算出する。電流制御器21,22から出力された電圧指令Vd*,Vq*は、dq逆変換器23によって、三相交流上の値に変換され、その後、PWM発生器24において、パルス幅変調された信号に変換される。
なお、Id,Iqの指令値であるId*,Iq*は,それぞれId*発生器20,Iq*発生器19より出力される。Id*発生器20は、非突極型のモータであれば通常「零」が与えられるが、突極性を利用したモータの場合には、負荷に応じてマイナスの値に制御される。また、Iq*発生器19は、間接的にトルク指令を発生しているものであり、図2では位置推定/モータ制御器11に含まれるように記載したが、速度制御器や位置制御器などの上位の制御部分と考えてよい。
次に、永久磁石モータの中性点電位を利用した位置センサレスのアルゴリズムに関して、その概要を説明する。インバータ3が出力可能な電圧(スイッチングパターン)は、全部で8通りである。例えば、インバータ主回路32の各相のアームの状態を、上側のスイッチング素子がONで下側のスイッチング素子がOFFの場合には「1」と表し、上側のスイッチング素子がOFFで下側のスイッチング素子がONの場合には「0」と表すと、各相をまとめてベクトル表記したものは、図3(a)のようになる。
図3(a)におけるV(1,0,0)等は、インバータ3の各スイッチング素子のスイッチ状態を表しており、V(1,0,0)は,U,V,W相の順に上素子ON,下素子ON,下素子ONを意味する。インバータ3が出力可能な電圧は、2つの零ベクトルV(0,0,0),V(1,1,1)を含めて全部で8つである。このようなベクトル表現は、スイッチ状態をα−β座標に変換することで得られる。これらのベクトル表現と、永久磁石モータ4の座標軸との関係を、図13(b)に示す。出力電圧ベクトルは固定座標上であるのに対し、dq座標は回転座標であるため、dq座標は反時計周りに回転する。
図4は、これらのベクトル(電圧ベクトルとも称する)と、インバータ3が実際に出力するPWM波形との関係を示したものである。図4(a)は、三相電圧指令(dq逆変換器23の出力)と三角波キャリアの関係を示したものである。図4(b)は、出力されるPWMパルスPVu,PVv,PVwを示す。図4(c)は、生成される電圧ベクトルを示す。図4(d)は、電圧ベクトルが印加されたときにモータ4の中性点に生じる変動電位を示したものである。なお、図4は、ある瞬間の波形を模式的に記載したものであり、三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が直流量になっている。これらは、本来は正弦波状に変化する交流量であるが、基本波周波数が低く、キャリア周波数が十分高い条件であれば、このように直流とみなすことができる。
インバータ3より出力される電圧ベクトルは、図4(c)に示すように、零ベクトル2つを含む4種類のベクトルである。そして、図4(d)に示すように、零でないベクトルV(1,0,0),V(1,1,0) が出力された期間の中性点電位に、回転子位置に応じた変動が観測される。これは、回転子の永久磁石磁束の影響を受け、各相巻線のインダクタンスの間に差が生じ、このインダクタンスの差によって、中性点電位Vn0が変動するものと考えられる。なお、ここでは、V(1,0,0)を印加した際に発生する中性点電位の変動分をVnA、V(1,1,0)印加時の中性点電位の変動分をVnBとしている。
図5は、回転子位相θdに応じたVnA、VnBの変化の実測値を示したものである。図5においては、入力範囲を10ビット(1024)とし、中心値が512となるように検出回路を設計した時のものである。電気角θdに対する依存性が確認でき、位置推定が可能であることがわかる。上述した位置推定器17は、これらの中性点電位の変動分に基づいて回転子位相を推定演算する。
例えば、以下のようにして、回転子位相の推定値θdcを演算により求める。ここでは、図5のような変化を示す中性点電位VnA,VnBを、次式(1)のように三相交流量Xu,Xv,Xwの内の2つとみなし、残りの一相分の中性点電位をVnC(=Xw)と表すことにする。ここでXw(VnC)はXu+Xv+Xw=0の関係より導出することができる。
Xu = VnA、Xv = −VnB、Xw = VnC …(1)
次に、この三相交流量Xu,Xv,Xwを、次式(2)により三相二相変換(α−β変換)して、Xa,Xbを導出する。その結果を用いて、次式(3)により回転子位置θdの推定値θdcを求めればよい。なお、式(3)中における“arctan”は、アークタンジェントの意味である。
Xa = (2/3)・{ Xu −(1/2)・Xv−(1/2)・Xw }
Xb = (2/3)・{ (√(3)/2)・Xv −(√(3)/2)・Xw } …(2)
θdc = (1/2) arctan ( Xb / Xa ) …(3)
次に、中性点電位Vinの形成方法について説明する。上述したように、モータはインバータ3によってPWM制御されるが、その波形例を図6(a)に示す。インバータ3のグランドレベルNiからインバータ3の三相出力端を観測すると零とVDC(インバータ3の直流電圧値)の値を取る波形となる。VDCは、インバータ3の直流入力側の電圧値である。モータ4の中性点電位Vnは、グランドレベルNiから観測すれば、すなわち電位Niを基準とすると0〜VDCの間で変化することになる。
分圧回路2においては、中性点電位Vnの変化(0〜VDC)が0〜Emaxの範囲となるように、分圧比(Z1/(Z1+Z2))が設定されている。この範囲(0〜Emax)は、制御器1のA/Dコンバータ12の入力範囲に実質的に一致させるのが好ましい。その結果、中性点電位Vinの波形は、図6(b)のようになる。中性点電位Vinは、基本的には0,(1/3)Emax,(2/3)Emax,Emaxの4点となるはずであるが、上述したように、永久磁石モータ4の内部の磁束の影響で、回転子の位置(位相)に応じたずれ分が観測される。
中性点電位Vinは、Vinは,A/Dコンバータ12にて離散値化された後に、減算器13において基準電圧(2/3)Emaxまたは(1/3)Emaxが減算される。これら二つの基準電圧(2/3)Emax,(1/3)Emaxの内、どちらを選択するかは、PWM信号によって決定する。
図6(c)の信号SW1は、制御器1から信号切替器14へ入力されるスイッチ信号である。スイッチ信号SW1が1のときには、信号切替器14のスイッチが[1]側に切り替えられ、スイッチ信号SW1が0のときには、信号切替器14のスイッチが[0]側に切り替えられる。インバータ3の三相出力の内、2つ以上の出力がVDCである場合には、信号切替器14のスイッチを[1]側にして、基準電圧発生器15aからの基準電圧(2/3)Emaxを選択する。それ以外の場合、すなわち、VDCである相が1つ以下の場合には、スイッチを[0]側にして基準電圧発生器15bからの基準電圧(1/3)Emaxを選択する。
その結果、図6(d)に示すように、モータ4の中性点電位Vinの電位(2/3)Emaxまたは(1/3)Emaxからの変動分Vin2が抽出できる。中性点電位Vinの変動分Vin2は、図27に示した絶縁アンプ101の出力と等価であり、中性点電位に基づく回転子位置の推定およびモータ制御が実現可能となる。
なお、図1に示す構成では、インバータ3に印加される直流電圧の負側(直流電源31の負側)をインバータ3のグランドNiとしたが、図26に示すように、直流電圧の正側(直流電源31の正側)をグランドNiとしても良い。
以上説明したように、本実施の形態では、中性点電位を検出する中性点電位検出部としての分圧回路2を備え、制御器1のグランド電位は、インバータ3に印加される直流電圧の負側または正側の電位に設定され、そのグランド電位を基準に中性点電位を検出するようにした。そして、図1のように制御器1内で、インバータ3のオンオフ動作に影響されない一定な第1の参照電位と第2の参照電位とを生成し、第1の中性点電位と一定な第1の参照電位との差および第2の中性点電位と第2の参照電位との差に基づいて、回転子位置を推定するようにした。そのため、仮想中性点を基準として中性点電位を観測する従来の装置のように、基準電位(参照電位)がインバータのスイッチ状態に応じて大きく上下することがない。
その結果、検出した中性点電位を、絶縁アンプを介すことなくマイコンなどの制御器1に入力することができる。さらに、応答性能の点で不安のある絶縁アンプを用いなくて済むため、三相同期電動機の中性点電位の検出を高精度に行うことができ、零速度近傍の極低速域から、正弦波状の電流によるセンサレス駆動を簡便に実現できる。
−第2の実施の形態−
図7は、本発明の第2の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。この電動機駆動装置は、図1に示した第1の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしている。具体的には、分圧回路2およびインバータ3は図1に示したものと同一構成となっており、制御器1Bの構成が制御器1と異なっている。なお、インバータ3およびモータ4については、内部の構成部品の記載を省略している。
上述した第1の実施形態では、分圧回路2で得られた中性点電位Vinをそのまま制御器1内のA/Dコンバータ12に入力し、離散値化後の値と基準電圧との差分を取るような構成としている。このような構成とした場合、A/Dコンバータ12の分解能が十分高くなければ、以下のような理由により必要な検出精度が確保できない。
中性点電位が回転子位置に依存して変動する量は、インバータ3の電源電圧VDCに対してわずか数%である。例えば,10ビット程度のA/Dコンバータでは、わずか10digit程度の変化幅の情報しか得られないことになる。A/Dコンバータ12の分解能を上げれば精度は向上するが、逆にコストアップの要因となる。また、高速高分解能のA/Dコンバータを用いた場合には、A/Dコンバータ12自体の消費電力が大きくなってしまうという問題がある。よって、本実施の形態では、A/Dコンバータ12の精度を変えずに、検出分解能の向上を図るような構成とした。
図7の制御器1Bは、アナログ増幅器5a、基準電圧発生器7a,7b、アナログスイッチ6およびデジタル制御器10Bを備えている。デジタル制御器10BはA/Dコンバータを内蔵したデジタル制御器であり、第1の実施形態で示したA/Dコンバータ12と位置推定/モータ制御器11を含んでいる。
分圧回路2から制御器1Bに入力された信号(中性点電位)Vinは、入力信号In1としてアナログ増幅器5aの入力端子「+」に入力される。一方、アナログ増幅器5aの入力端子「−」には、アナログスイッチ6を介して基準電圧発生器7aの出力値(基準電圧(2/3)Emax)または基準電圧発生器7bの出力値(基準電圧値(1/3)Emax)が入力される。アナログ増幅器5aは、入力端子「+」に入力された信号In1と入力端子「−」に入力された信号In2との差分値を増幅して、信号Vin0として出力するものである。アナログ増幅器5aから出力された信号Vin0は、デジタル制御器10Bに入力される。
なお、アナログ増幅器5aには、例えば、図9に示すような差動増幅器を用いる。図9に示す差動増幅器は、3個のオペアンプ50a,50b,50c、および抵抗器51a,51b,52a,52b,53a,53b,54によって構成される。
アナログスイッチ6の切り替えは、制御器1Bから入力される切替信号SW1によって行われる。切替信号SW1は図6(b)に示したものと同一である。アナログスイッチ6にSW1=1が入力されると、基準電圧(2/3)Emaxがアナログ増幅器5aに入力される。逆に、SW1=0が入力されると、基準電圧値(1/3)Emaxがアナログ増幅器5aに入力される。
図8は、図6に示したものと同様の波形を示したものであり、アナログスイッチ6の切り替えに応じて得られる信号Vin2(中性点電位)を説明する図である。アナログ増幅器5aの入力端子「+」の入力信号In1であるVinは、図8(a)のように変化する。これは、図6(b)に示したものと同じである。図8(b)に示す切替信号SW1がアナログスイッチ6に入力されると、アナログスイッチ6の出力、すなわち、アナログ増幅器5aの入力端子「−」の信号In2は、図8(c)に示すようなものとなる。その結果、アナログ増幅器5aの出力Vin0は、図8(d)のようになる。
アナログ増幅器5aの出力Vin0は、デジタル制御器10BのA/Dコンバータ入力範囲(0〜VADmax)に合わせる必要がある。そのため、アナログ増幅器5aからA/Dコンバータに入力される入力電圧の中心が、A/Dコンバータ入力範囲の中間の電圧になるようにオフセット分を持たせる必要がある。そのオフセットは、抵抗器51a(R4)の接続点の電位を、VADmax/2に設定することで実現できる。また、アナログ増幅器5aの増幅率は、増幅後の中性点電位の変動幅が、A/Dコンバータ入力範囲に収まるように設定すれば良い。中性点電位の変動幅はモータ4の磁気回路特性に大きく依存するが、増幅率としては、5〜50倍程度を見込んでおけばよい。
上述したように、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第2の実施の形態では、差動増幅器であるアナログ増幅器5aを用いて、中性点電位と2つの参照電位との差分信号を増幅してからデジタル制御器10BのA/Dコンバータで離散値化するような構成とした。そのため、デジタル制御器10BのA/Dコンバータが高精度なものでなくても、中性点電位の変化を高精度に検出することができ、従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を簡便に実現できる。
−第3の実施の形態−
図10は、本発明の第3の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。第3の実施の形態の電動機駆動装置は、図7に示した第2の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしている。図10において、分圧回路2、インバータ3は図1,7に示したものと同一のものであり、図7の制御器1Bを制御器1Cで置き換えたものになっている。
上述した第2の実施形態では、アナログスイッチ6によってアナログ増幅器5aの基準電圧を切り替えて、中性点電位Vinとの差分値を求めていたが、第3の実施の形態では、デジタル制御器10Cの外部に2つのアナログ増幅器5a,5bを設けるようにした。
このように、アナログスイッチ6を設ける代わりにアナログ増幅器を増やした方が、回路としてシンプルになる場合がある。例えば、マイコンなどのデジタル制御器には、内蔵A/Dコンバータの入力チャンネルが複数個あるものが普通であり、むしろ、アナログスイッチを切替るための信号を作る方が手間がかかると言える。また、アナログ増幅回路は、一つのパッケージの中に複数個の増幅器が内蔵されているものもあるため、実現が容易である。
図10に示す制御器1Cでは、アナログ増幅器5bを追加することで、アナログ増幅器5aを(2/3)Emaxを基準にした差動増幅器として機能させ、アナログ増幅器5bを(1/3)Emaxを基準にした差動増幅器と機能させている。アナログ増幅器5aの出力はデジタル制御器10CのA/Dコンバータ入力チャンネルch0に入力され、アナログ増幅器5bの出力は、A/Dコンバータ入力チャンネルch1に入力される。デジタル制御器10Cにおいては、PWM信号のスイッチ状態に応じて、チャンネルch0とチャンネルch1のどちらの信号を選択してA/D変換すべきかが決定される。その結果、第2の実施形態の図4に示すものと全く等価な波形をデジタル制御器10Cの内部に読み込むことが可能となる。
以上説明したように、第3の実施形態は、上述した第1および第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第3の実施形態では、図7に示したアナログスイッチ6を省略しつつ、第2の実施の形態の場合と同様に中性点電位の変化を高精度に検出することができ,従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を簡便に実現できる。
マイコンなどのデジタル制御器には、内蔵A/Dコンバータの入力チャンネルが複数個あるものが普通であり、また、アナログ増幅回路は、一つのパッケージの中に複数個の増幅器が内蔵されているものもある。そのため、2つの基準電位に対応させて2つの差動増幅器(アナログ増幅器5a,5b)を備える構成とすることで、より簡便な回路を容易に実現できる。
−第4の実施の形態−
図11は、本発明の第4の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。第4の実施の形態の電動機駆動装置は、図10に示した第3の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしている。分圧回路2、制御器1Dにおけるアナログ増幅器5a,5b、デジタル制御器10Cは、図10に示したものと同一のものである。そして、本実施の形態では、図11に示すように、インバータ3の中に直流電圧分圧回路34を備え、制御器1Dの内部にバッファアンプ8およびバッファ分圧回路9が設けられている。
上述した第1〜3の実施形態の電動機駆動装置では、いずれの場合も、モータ4の中性点電位に対しする基準電圧を独立に設けて、高精度に中性点電位の変動分を検出するようにした。しかし、これらの方式においては、インバータ3の直流電源31の電圧値VDCが、モータ4の負荷変動などによって少なからず変動するという共通の問題点がある。産業用インバータや、冷蔵庫や洗濯機等のいわゆる白物家電と呼ばれる機器のインバータでは、直流電源31は商用電源を整流して得ているため、商用電源が変動すればそのまま直流電圧値も変化することになる。
第1〜3の実施形態の電動機駆動装置のように、インバータ電源電圧とは無関係な基準電圧を用いた場合、電源電圧の変動の影響が基準電圧には全く反映されないことになる。さらに、上述したように中性点電位の変化量は微小であるため、電源電圧変動による中性点電位の変動を回転子の位置による変化と誤認しやすく、回転子位置推定に影響を及ぼす。
第4の実施形態では、このような問題を解決するために、インバータ直流電源の変動を検出するための直流電圧分圧回路34を設け、インバータ3の直流電源ライン側の直流電圧情報(ここでは、VDC情報と呼ぶことにする)を制御器1Dへ入力するような構成とした。図11に示すように、直流電源ラインに設けられた直流電圧分圧回路34は、直流電源31に対して並列接続されている。直流電源31の電圧VDCは直流電圧分圧回路34によって分圧され、分圧比(Z4/(Z3+Z4))によって決まる電圧(グランドNiを基準とした電位)が、CVD情報として制御器1Dのバッファアンプ8に入力される。
CVD情報としての電圧はバッファアンプ8により増幅され、バッファ分圧回路9にて基準電圧(2/3)Emaxおよび基準電圧(1/3)Emaxに分圧される。これらの基準電圧(2/3)Emax,(1/3)Emaxは、図10の場合と同様のアナログ増幅器5a,5bに入力され、同様の差動増幅が行われる。
このように、第4の実施形態では、インバータ3の直流電源ライン側の直流電圧に基づいて基準電圧(2/3)Emax,(1/3)Emaxを生成しているので、例えば、電源電圧が減少した場合には、それに連動して基準電圧も減少することになる。また、中性点電位Vnの分圧値Vinも電源電圧の減少に応じて減少するため、差動増幅器(アナログ増幅器5a,5b)の出力は,あくまでも「差分」としての検出が可能になる。その結果、電源電圧の変動による位置推定への影響を低減することができる。
以上説明したように、第4の実施形態では、直流電源31の電圧を分圧して分圧電位を生成する直流電圧分圧回路34を備え、バッファ分圧回路9において、分圧電位に基づく2つの参照電位(基準電位(2/3)Emax,(1/3)Emax)を生成するようにした。そのため、絶縁アンプ、高分解能のADコンバータ、アナログスイッチを用いることなく、さらにはインバータの電源変動に対しても誤差を生じることなく、電動機の中性点電位の変化を高精度に検出することができ、従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を簡便に実現できる。
−第5の実施の形態−
図12は、本発明の第5の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。図12に示す第5の実施の形態の電動機駆動装置は、図11に示した第4の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしており、分圧回路2、制御器1Eのアナログ増幅器5a,5bおよびデジタル制御器10Cは図11に示したものと同一のものである。そして、本実施形態では、直流電圧分圧回路34に代わる直流電圧分圧回路34Eをインバータ3に設け、図11で用いていたバッファアンプ8、バッファ分圧回路9を省略するような構成とした。
ところで、電動機駆動システムを実現する上では,回路構成はできるだけシンプルな方が望ましく、上述のような構成とすることで、第4の実施形態の回路構成よりもさらにシンプルな回路構成を提供するようにした。
図12に示す直流電圧分圧回路34Eでは、抵抗器を3つ用いることにより、分圧点を2点作成している。分圧比は、それぞれの分圧値が(2/3)Emaxおよび(1/3)Emaxとなるように設定される。本実施の形態では、分圧によって生成されたこれらの電圧情報を、制御器1Eに設けられたアナログ増幅器5a,5bの各基準電圧として用いるようにしている。
その結果、上述した第4の実施形態と全く同じ動作が可能になる。第4の実施形態の場合にはバッファアンプ8が必要であったが、本実施形態の場合にはバッファアンプは不要となる。なお、分圧抵抗からの配線の引き回しは増えるが、モータ4と電動機駆動装置1000とを一体構成とした「起電一体型の電動機システム」に適用した場合には、大きな問題とならない。それよりも、部品数を削減することができる本実施の形態のほうが、実装面積から考えると得策である。
以上説明したように、第5の実施の形態では、直流電源31の電圧を分圧し、2つの参照電位((2/3)Emaxおよび(1/3)Emax)として2つの分圧電位を生成する直流電圧分圧回路34Eを備えるようにした。その結果、絶縁アンプ、高分解能のADコンバータ、アナログスイッチを用いることなく、さらにはインバータの電源変動に対しても誤差を生じることなく、シンプルな検出回路にて,同期電動機の中性点電位の変化を高精度に検出することができ、従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を簡便に実現できる。
−第6の実施の形態−
図13は、本発明の第6の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。第6の実施の形態の電動機駆動装置は、図10に示した第3の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしており、図10の構成に図11に示す直流電圧分圧回路34を追加して、直流電圧分圧回路34からのVDC情報を制御器1Fのデジタル制御器10Fへ入力するような構成とした。
デジタル制御器10Fは、A/Dコンバータの入力チャンネルをch0〜ch2の3チャンネル備えている。入力チャンネルch0,ch1には、図10の場合と同様にアナログ増幅器5a,5bの出力が入力され、入力チャンネルch2には、直流電圧分圧回路34からのVDC情報が入力される。
図14は、デジタル制御器10Fの内部処理のブロック構成を示す図である。デジタル制御器10Fは、位置推定/モータ制御器11F、A/Dコンバータ12a〜12c、加算器13a,13b、直流電圧基準値発生器121、乗除算器122、1発生器123、減算器124、ゲインG125,ゲイン係数126,127を備えている。なお、本ブロック構成は、A/Dコンバータ12a〜12c以外の部分は、実用上はソフトウエアで実現されているものと考えてよい。
まず、図14のブロック構成を説明する前に、上述した直流電源の電圧変動の影響について詳しく述べる。アナログ増幅器5a,5bの出力値は、次式(4)のように表わすことができる。式(4)において、Vn0はアンプの出力であり、Gはアンプのゲイン、Vinはモータ4の中性点電位の分圧値、Vinbは基準電圧、EbはA/Dコンバータ入力時のバイアス値である。
Vn0=G ( Vin−Vinb ) +Eb …(4)
ここで、図11や図12に示した構成の場合、基準電位にも直流電源の電圧変動の影響が生じている。そのため、直流電圧の基準値をVDC0、実際の直流電圧値をVDCとし、電圧変動分を考慮すると、上述のVn0は、次式(5)で表される値Vn1となる。式(4)と式(5)とを比較すると、見かけ上、ゲインが多少変動したことになるが、大きな問題にはならない。
Vn1=G { (VDC/VDC0 )Vin−(VDC/VDC0)Vinb }+Eb …(5)
=G ( VDC/VDC0 ){ Vin−Vinb }+Eb
しかし、図10の基準電圧発生器7a,7bから出力される基準電圧のように、直流電圧に無関係に一定である場合には、アナログ増幅器5a,5bの出力値は、次式(6)のVn2のようになる。
Vn2=G { (VDC/VDC0)Vin−Vinb }+Eb …(6)
そして、式(2)のVn1に対する誤差Veは、式(7)のようになる。
Ve=Vn1−Vn2
=G・Vinb−G・(VDC/VDC0)Vinb
=G・{ 1−(VDC/VDC0) } Vinb …(7)
よって、Vn1は次式(8)のようになるので、Vn2を補正すれば、本来のVn1の値が得られることになる。
Vn1 = Vn2+Ve …(8)
上述した式において、Vinbは2つの基準電圧(2/3)Emax,(1/3)Emaxを表しているので、式(7)に従って、各々を補正すればよいことになる。これらの式(7),(8)をブロック図で表記すると図14のようになる。
すなわち、直流電圧VDCの値は、A/Dコンバータ12cによってA/D変換されて量子化され、式(5)のVDCとして乗除算器122に入力される。乗除算器122には直流電圧基準値発生器121から上述した基準値VDC0も入力され、乗除算器122において、VDC/VDC0が算出される。減算器124では、1発生器123から入力された1からVDC/VDC0が減算され、その結果がゲインG125に入力される。ゲインG125からはG・{ 1−(VDC/VDC0) }が出力され、ゲイン係数126,127からは、上述した式(7)で表される誤差Veが出力される。これらの誤差Veが加算器13a,13bにおいてA/Dコンバータ12a,12bの出力(式(6)に示したVin2)に加算される。その結果、電圧変動分の影響が補正された中性電位信号Vin1,Vin2が位置推定/モータ制御器11Fに入力される。
以上説明したように、第6の実施形態では、直流電源31の電圧を分圧して分圧電位を生成する直流電圧分圧回路34を備え、分圧電位に基づいて、A/D変換された差分信号における電源電圧変動の影響が低減されるように該差分信号を補正し、その補正された差分信号に基づいて回転子位置を推定するようにした。その結果、インバータ3の電源電圧変動に対しても誤差を生じることなく、シンプルな検出回路にて、電動機の中性点電位の変化を高精度に補正することができ、従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を簡便に実現できる。
−第7の実施の形態−
図15は、本発明の第7の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。第7の実施の形態の電動機駆動装置は、図12に示した第5の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしており、図12の構成に絶縁アンプ101a,101bを追加したものである。すなわち、アナログ増幅器5a,5bの出力を、絶縁アンプ101a,101bを介してデジタル制御器10Cに入力するようにした。
図27に示したように、仮想中性点電位を基準に永久磁石モータの中性点電位を検出する構成の場合には、仮想中性点電位が電源電圧の範囲で大きく変動するため、絶縁アンプが必須になる。そして、仮想中性点電位の基準電位(仮想中性点電位)が大きく変動することから、絶縁アンプを安定動作させるために、回路実装を十分考慮してノイズ対策を行わねばならない。
しかし、本実施の形態では、基準電位として、仮想中性点電位を用いる代わりに、インバータ3のスイッチ状態に依存しない固定値を用いているため、基準電位は極めて安定している。そのため、図15に示すように絶縁アンプ101a,101bを用いたとしても、実装に伴うノイズ対策は非常に容易であり、ノイズに強い検出回路となる。絶縁アンプを搭載に伴うコストアップは避けられないが、デジタル制御器1Gとの絶縁が実現でき、安全性の確保の上でメリットが大きい。
以上のように、第7の実施形態によれば、高分解能のADコンバータ、アナログスイッチを用いることなく、さらにはインバータの電源変動、ノイズの影響を受けにくい中性点電位の検出が可能であり、従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を簡便に実現できる。
−第8の実施の形態−
図16は、本発明による第8の実施の形態に関わる電動機駆動装置の構成を示すブロック図である。第8の実施の形態の電動機駆動装置は、図12に示す第5の実施の形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしており、モータ4の相電流を検出する相電流センサ30a,30bが付加されている。本実施形態では,デジタル制御器10Hの構成に特徴があり、これらのブロックは、A/DコンバータやPWM発生部分以外は、主にソフトウエアで実現されるものである。
ところで、モータ4の中性点電位を検出する回路に関しては、実用上の問題として、アナログ回路特有の検出誤差の問題がある。特に、オフセット値を補正する必要があり、その補正を行わないと、中性点電位に基づいた正確な位置推定演算ができなくなる。以下に述べるように、本実施形は、オフセット調整に関する構成に特徴がある。
まず、制御器1Hの構成について説明する。A/Dコンバータ12a,12bは、第5の実施の形態で説明したように、中性点電位の変動分を離散化するものである。また、A/Dコンバータ12c,12dは、モータ4のIu,Iwの検出値を離散化し、制御器内部に取り込む。さらに本実施の形態では、オフセット補正器25,θds発生器26,オフセット調整用指令発生器27,位置決め用電流指令発生器28,零発生器29,切替スイッチ14a〜14dを付加し,位置センサレス時に重要となるオフセットの調整を行う機能を備えている。
上述したように、中性点電位の変動分は、回転子位相θdに対して図5に示したように変化する。図5の波形は、入力範囲を10ビット(1024)として、変動成分の中心値が512となるように検出回路を設計したものであるが、実際にはオフセット量が発生している様子がわかる。このオフセットを補正しないと、位置推定演算を実施する場合に推定誤差が発生するという問題がある。本実施形態では、このオフセットの補正を自動で行うものである。
まず初めに、永久磁石モータ4を実運転する前の段階で、オフセット補償を行う。その際には、図16に示す切替スイッチ14a,14b,14cを[1]側に切り替える。これらの切替スイッチ14a,14b,14cは、通常動作時には[0]側とされる。ただし、切替スイッチ14dだけは[0]側にしておく。
切替スイッチ14a〜14dをこのような状態にして、回転子が固定されるような位相指令がθds発生器26から出力される。切替スイッチ14b,14cが[1]側とされることによって、加算器18a,18bには、位置決め用電流指令発生器28が発生する指令Isと零発生器29が発生する例信号が入力される。すなわち、加算器18a,18bの入力Iq*,Id*はIq*=0,Id*=Isとなっている。そのため、電流Idのみがモータに流され、電流Idが流れている位相に回転子が引きつけられて停止する。いわゆる“直流位置決め動作”が実行される。
そして、位置決めされた時点で、切替スイッチ14dを[1]側に切替え、オフセット調整用指令発生器27から、電圧ベクトルV(1,0,0),V(1,1,0)が交互に印加されるような指令(電圧指令)を出力する。すなわち、図4(a)に示すような電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が、オフセット調整用指令発生器27からPWM発生器24に入力される。その結果、回転子位置があるθdに位置した時の中性点電圧の変動分を取得することができる。オフセット調整用指令発生器27から出力される電圧指令を変化させて、回転子位置を少しずつ変えながら中性点電位を検出し、図5に示すような波形を取得する。最終的には、図5に示す波形の平均値からオフセット量を求めることができる。
図17は、オフセット量算出動作を示すフローチャートである。また、図18は、オフセット調整中の波形を示す図である。図17において、ステップS01では、θds発生器26からθds=0を出力し、Id=Isを流して回転子を動かして、回転子位置をθd=0に位置合わせする。ステップS02では、切替スイッチ14dを[1]側に切り替えて、2種類の電圧ベクトル(例えば、図4に示す電圧ベクトルV(1,0,0),V(1,1,0))を印加し、そのときの、すなわちθd=0における中性点電位の変動分を取得する。
ステップS03では、θdsの値を変更するための刻み幅δθを設定する。刻み幅δθは、値が小さいほどオフセット量の計算精度は向上するが、小さくするほどオフセット量を取得するための時間が長くなる。そのため、電気角で10deg〜30deg程度が好ましい。
ステップS04では、前回のθdsの値θds (k-1)に刻み幅δθを加算し、その更新されたθds(k)において電流Idを流して、回転子をθds(k)に位置決めする。ステップS05では、切替スイッチ14dを[1]側に切り替えて、2種類の電圧ベクトルを印加し、θds (k)における中性点電位の変動分を取得する。取得された中性点電位の変動分は、デジタル制御器10Hに設けられたメモリーに記憶される。
ステップS06では、θds<2πか否かを判定する。θdsに関しては、ステップS01でθds=0とされ、ステップS04の処理が実行されるたびに刻み幅δθが加算される。θds<2πの状態においてはステップS06でyesと判定されて、ステップS04およびステップS05の処理が繰り返し実行される。そして、θds≧2πとなると、ステップS06でnoと判定されて、ステップS07へ進む。ステップS04およびS05を繰り返し実行することにより、メモリー内には、0<θds<2πの範囲において複数の回転子位置における変動分VnA,VnBが記憶されることになる。
ステップS07では、取得された複数の変動分VnAから、変動分VnAの平均値を算出し、それをオフセット量とする。同様に、ステップS08では、変動分VnBに関して平均値の算出してオフセット量とする。図17に示す一連の処理によって、オフセット量の測定は完了する。
図18は、オフセット量測定中の、切替スイッチ14a〜14cの状態SWa〜SWc(図18(a))、切替スイッチ14dの状態SWd(図18(b))、回転子の位相θd(図18(c))の変化を示したものである。オフセット調整期間中は切替スイッチ14a〜14cは常に「1」になっており、d軸電流Idが流れ続ける。モータ4の回転子は、θds発生器26の発生する値θdsに従ってステップ的に回転する。回転子位置が固定されたタイミングで切替スイッチ14dが[1]側に切り替えられ、中性点電位の変動分であるVnA,VnBが取得される。オフセット調整が終わり次第、切替スイッチ14a〜14dを[0]側に切り替えることで、通常駆動に切り替えられる。
以上説明したように、第8の実施形態では、中性点電位検出に伴う中性点電位のオフセット成分を、モータ4の起動前に補正するオフセット補正器25を備えるようにした。そして、回転子を複数の回転位置に順に設定して中性点電位をそれぞれ検出し、検出された複数の中性点電位に基づいてオフセット成分を補正するようにしたので、オフセット成分が補正され、より高精度な低速度での位置センサレス駆動が実現できる。
−第9の実施の形態−
本発明の第9の実施の形態について説明する。図19に示すように、第9の実施の形態の電動機駆動装置は、図16に示した第8の実施形態の電動機駆動装置と多くの部品を共通にしている。図19に示すデジタル制御器10Jは、図16に示したデジタル制御器10Hから、切替スイッチ14a〜14c、θds発生器26,位置決め用電流指令発生器28および零発生器29を削除した構成となっている。また、図16のオフセット調整用指令発生器27に代えて、動作の異なるオフセット調整用指令発生器27Jを設けている。
上述した第9の実施形態では、モータ4を実運転する前に、回転子を複数の位置に位置決めして中性点電位オフセット調整を行うようにした。そのため、モータ4の回転子を自由に動かすことができるシステムであることが必要である。そのため、例えば、搬送機やロボットアームのようにモータを勝手に動かせないシステムの場合には、第9の実施形態で説明した手法を適用することができない。
一方、本実施の形態では、モータ4の回転子を動かすことなく、中性点電位検出回路のオフセットを検出・調整することができる。図19に示す構成の場合も、オフセット調整を行う場合には、切替スイッチ14dを[1]側に切り替え、オフセット調整用指令発生器27Jから三相電圧指令をPWM発生器24に与える。そして、図20のフローに従って、電圧指令の印加と、中性点電位の変動分の取得を行う。
ステップS11では、図4(c)に示すような電圧ベクトルV(1,0,0),V(1,1,0)が印加されるような電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を、オフセット調整用指令発生器27Jから出力する。そして、その際に発生する中性点電位の変動分VnA,VnBを検出し、それらをメモリーに記憶する。なお、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に関しては、平均零の電圧を印加しなければモータ4にトルクが発生してしまうので、図4(a)では、Vu*=−Vw*,Vv*=0のように設定されている。
ステップS12では、図21(a)に示すような電圧ベクトルV(0,1,0),V(0,1,1)が印加されるような電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を、オフセット調整用指令発生器27Jから出力する。そして、その際に発生する中性点電位の変動分(VnC,VnDとする)を検出し、それらをメモリーに記憶する。ステップS13では、図21(b)に示すような電圧ベクトルV(0,0,1),V(1,0,1)が印加されるような電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を、オフセット調整用指令発生器27Jから出力する。そして、その際に発生する中性点電位の変動分(VnE,VnFとする)を検出し、それらをメモリーに記憶する。ステップS14では、検出された中性点電位の変動分VnA〜VnFの平均値を算出し、その結果をオフセット量に設定する。
このようにして、オフセット量の代替値を得ることができる。検出値VnA〜VnFは60deg刻みの粗い情報ではあるが、このような方法でオフセット値を得ることができる。また、上述した方法では、回転子を動かすことがないので、上述したような条件の限られたシステムに使用される電動機に対しても適用可能である。
以上説明したように、第9の実施形態では、中性点電位検出に伴う中性点電位のオフセット成分を、モータ4の起動前に補正するオフセット補正器25を備えるようにした。そして、電圧指令出力部であるオフセット調整用指令発生器27Jから複数の電圧指令を順に出力し、各電圧指令出力時に検出される中性点電位に基づいて、オフセット成分を補正するようにした。そのため、回転子を動かすことができないシステムであってもオフセット成分を取得でき、より高精度な低速度での位置センサレス駆動が実現できる。
−第10の実施の形態−
図22は、第10の実施の形態を説明する図であり、上述した第1〜第8の実施の形態の電動機駆動装置1000とモータ4とが一体となった一体型電動機システム41の概略構成を示している。図22(a)は一体型電動機システム41の外観斜視図であり、図22(b)は一体型電動機システム41の構成を示す図である。一体型電動機システム41は、上述したモータ4と電動機駆動装置1000とを筐体410内に設けて一体化したものである。筐体410はモータ4のモータケースを兼用しても良いし、モータケースと筐体410とを別々に設けるようにしても良い。
図22(b)に示すように、デジタル制御器10Cは一つの集積回路にて実現しており、ここから出力されるPWMパルス波形によって、インバータ3を駆動する。インバータ3やデジタル制御器10Cは基板上に実装されており、基板とモータ4との間には、U,V,W相電流を供給する配線と、中性点電位Vnを検出するための配線とが設けられている。このように一体化することにより、これらの配線は筐体410に収納されている。そのため、筐体410から外部に引き出されている配線は、インバータ3への電源線411と、回転数指令や動作状態を戻すなどに使用される通信線412のみとなる。
本発明では、モータ4の中性点電位を引き出す必要があるが、このようにモータと駆動回路部分を一体化することで、中性点電位の配線は容易となる。また、位置センサレスを実現できるために、一体化したシステムは極めてコンパクトにまとめ上げることができ、小型化を実現できる。
−第11の実施の形態−
図23は、第11の実施の形態を説明する図であり、上述した第1〜第8の実施の形態の電動機駆動装置1000とモータ4とを適用したポンプシステムを示す。図23に示すポンプシステムは、オイルポンプ74を備える油圧システムであり、自動車内部のトランスミッション油圧や、ブレーキ油圧などに用いられる。なお、図23では、第10の実施形態で示した一体型電動機システム41を用いる構成としたが、電動機駆動装置1000とモータ4とを別々に設ける構成であっても構わない。
図23に示す油圧システムでは、モータ4にオイルポンプ74が取り付けられている。オイルポンプ74によって油圧回路60の油圧を制御する。油圧回路60は、油を貯蔵するタンク61、油圧を設定値以下に保つリリーフバルブ62、油圧回路を切り替えるソレノイドバルブ63、油圧アクチュエータとして動作するシリンダ64で構成される。
オイルポンプ74は、一体型電動機システム41によって油圧を生成し、油圧アクチュエータであるシリンダ64を駆動する。油圧回路では、ソレノイドバルブ63により回路が切り替わることで、オイルポンプ74の負荷が変化し、一体型電動機システム41に負荷外乱が発生する。油圧回路では、定常状態の圧力に対し、数倍以上の負荷が加わることもあり、モータ4は停止してしまうことがある。そのため、リリーフバルブ62によってモータの多大な負荷となる油圧を逃がすようにしている。
−第12の実施の形態−
図24は、本発明の第12の実施の形態を示す図である。図24は、ルームエアコンやパッケージエアコンの空調システムに用いられる圧縮機システムである室外機80を示したものである。空調システムの室外機80は、上述した電動機駆動装置1000およびモータ4、圧縮機81やファンなどの部品を備えている。この中で、圧縮機81の動力源がモータ4であり、圧縮機内部に組み込まれている。
−第13の実施の形態−
図25は、本発明の第13の実施の形態を示す図である。図25は、位置決め装置90を駆動するモータ4とを備えた位置決めシステムの全体ブロック構成を示す図である。図25においては、位置決め装置90がモータ4の負荷として接続されている。上位の指令発生器としての速度制御器91が、制御器1に接続されている。位置制御器92の出力である速度指令ωr*は、減算器93bにおいて実際の速度ωrが減算される。そして、速度制御器91は、その差分値(偏差)が零になるようにIq*を演算する。
位置決め装置90は、例えばボールねじなどを利用した装置であり、所定の位置θ*に位置が制御されるように、位置制御器92によって調整される。位置センサとしては、位置決め装置90には取り付けられておらず、制御器1における位置推定値θdcをそのまま用いる。これによって、位置決め装置に位置センサを取り付ける必要はなく、位置制御を行うことが可能となる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。例えば、図11,13のVDC情報を用いる構成や、図12のように電源電圧を分圧して2つの基準電圧を生成する構成を、図7のようにアナログスイッチ6を用いる構成に適用しても良い。さらに、図16,19に示すオフセット補正に関する構成は、図16,19以外に示す電動機駆動装置1000にも適用できる。なお、図15のように絶縁アンプを用いる構成は、図15以外に示す電動機駆動装置1000にも適用できる。この場合、図15の場合と同様に高性能な絶縁アンプを必要としないので、絶縁アンプを用いることによるコストアップや性能面での不安を排除できる。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。

Claims (16)

  1. 複数のスイッチング素子をオンオフ動作させて、直流電源からの直流電力を交流電力に変換して三相同期電動機を駆動するインバータと、
    前記三相同期電動機の固定子巻線の中性点電位を検出する中性点電位検出部と、
    検出された前記中性点電位に基づいて前記三相同期電動機の回転子位置を推定し、その推定結果に基づいて前記インバータを制御する制御部と、を備える電動機駆動装置において、
    前記制御部のグランド電位は、前記インバータに印加される直流電圧の負側または正側の電位に設定され、
    前記中性点電位検出部は、前記負側または正側の電位を基準に前記中性点電位を検出し、
    前記制御部は、前記オンオフ動作時に前記中性点電位検出部により検出される第1の中性点電位と一定な第1の参照電位との差、および、前記オンオフ動作時に前記中性点電位検出部により検出される第2の中性点電位と一定な第2の参照電位との差に基づいて、前記回転子位置を推定する電動機駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電動機駆動装置において、
    前記制御部は、
    前記第1の中性点電位と前記第1の参照電位との差分信号をそれぞれ生成し、該差分信号を増幅して出力する第1の差動増幅器と、
    前記第2の中性点電位と前記第2の参照電位との差分信号をそれぞれ生成し、該差分信号を増幅して出力する第2の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器の出力信号をA/D変換する第1のA/D変換器と、
    前記第2の差動増幅器の出力信号をA/D変換する第2のA/D変換器と、を備え、
    前記第1および第2のA/D変換器の出力に基づいて前記回転子位置を推定する電動機駆動装置。
  3. 請求項1に記載の電動機駆動装置において、
    前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のオンオフ動作に連動して、前記第1および第2の参照電位のいずれか一方を選択する選択部と、
    前記中性点電位検出部により検出された前記第1および第2の中性点電位が順に第1入力信号として入力されると共に、前記選択部で選択された参照電位が順に第2入力信号として入力され、前記第1入力信号と前記第2入力信号との差分を増幅して出力する差動増幅器と、
    前記差動増幅器の出力信号をA/D変換するA/D変換器と、を備え、
    前記A/D変換器の出力に基づいて前記回転子位置を推定する電動機駆動装置。
  4. 請求項2または3に記載の電動機駆動装置において、
    前記制御部は、前記第1および第2の参照電位を生成する参照電位生成部を備える電動機駆動装置。
  5. 請求項4に記載の電動機駆動装置において、
    前記直流電源の電圧を分圧して分圧電位を生成する直流電圧分圧回路を備え、
    前記参照電位生成部は、前記分圧電位に基づいて前記第1および第2の参照電位を生成する電動機駆動装置。
  6. 請求項4に記載の電動機駆動装置において、
    前記直流電源の電圧を分圧して分圧電位を生成する直流電圧分圧回路を備え、
    前記制御部は、前記分圧電位に基づいて、前記A/D変換された差分信号における電源電圧変動の影響が低減されるように該差分信号を補正し、その補正された差分信号に基づいて前記回転子位置を推定する電動機駆動装置。
  7. 請求項2または3に記載の電動機駆動装置において、
    前記直流電源の電圧を分圧し、前記第1および第2の参照電位として第1および第2の分圧電位を生成する直流電圧分圧回路を備える電動機駆動装置。
  8. 請求項に記載の電動機駆動装置において、
    前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のオンオフ動作に連動して、前記第1および第2の参照電位のいずれか一方を選択する選択部と、
    前記中性点電位検出部により検出された前記第1および第2の中性点電位が順に第1入力信号として入力されると共に、前記選択部で選択された参照電位が順に第2入力信号として入力され、前記第1入力信号と前記第2入力信号との差分を増幅して出力する差動増幅器と、
    前記差動増幅器の出力信号をA/D変換するA/D変換器と、
    前記差動増幅器と前記A/D変換器との間に設けられる絶縁アンプを備え、
    前記差動増幅器から出力された信号を、前記絶縁アンプを介して前記A/D変換器に入力する電動機駆動装置。
  9. 請求項乃至7のいずれか一に記載の電動機駆動装置において、
    前記差動増幅器と前記A/D変換器との間に設けられる絶縁アンプを備え、
    前記差動増幅器から出力された信号を、前記絶縁アンプを介して前記A/D変換器に入力する電動機駆動装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか一に記載の電動機駆動装置において、
    前記制御部は、前記中性点電位に含まれるオフセット成分を、前記三相同期電動機の起動前に補正するオフセット補正部を備える電動機駆動装置。
  11. 請求項10に記載の電動機駆動装置において、
    前記オフセット補正部は、回転子を複数の回転位置に順に設定して中性点電位をそれぞれ検出し、検出された複数の中性点電位に基づいて前記オフセット成分を補正する電動機駆動装置。
  12. 請求項10に記載の電動機駆動装置において、
    前記オフセット補正部は、複数の電圧指令を順に出力する電圧指令出力部を備え、
    各電圧指令出力時に前記中性点電位検出部により検出される中性点電位に基づいて、前記オフセット成分を補正する電動機駆動装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電動機駆動装置と、前記電動機駆動装置によって駆動制御される前記三相同期電動機の回転子および固定子とを、共通の筐体内に収納した、一体型電動機システム。
  14. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電動機駆動装置と、
    前記電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機と、
    前記三相同期電動機により駆動される液体用ポンプと、を備えたポンプシステム。
  15. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電動機駆動装置と、
    前記電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機と、
    前記三相同期電動機により駆動される圧縮機と、を備えた圧縮機システム。
  16. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電動機駆動装置と、
    前記電動機駆動装置によって駆動制御される三相同期電動機と、
    前記三相同期電動機が正回転および逆回転することにより、スライド駆動または回転駆動される位置決めステージと、を備えた位置決めシステム。
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