JP2008278586A - ハイブリッド式永久磁石回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】
巻き線極である主極数を半減させた省主極形固定子と、2個のHB型回転子を互いに逆方向に反発磁化したハイブリッド永久磁石式回転子を、多段に組み合わせた複合ハイブリッド型回転子による回転電機で、安価で高トルク、低振動、且つ、分解能の大きな回転電機の実現すること。
【解決手段】
多角形や略環状の磁性体より放射状に設けた2相4主極、3相3主極あるいは5相5主極の各先端に複数個の誘導子を有し、エアギャップを介して回転自在に設けられた複数Nr個の歯を有した回転子を、2個で軸方向に磁化した永久磁石をお互いに歯ピッチの1/2ピッチ分づらして挟持して共通回転軸上に設けて近接させ、近接する回転子同士は歯位置が同一であり且つ同一極性に磁化されて複合回転子ユニットを形成し、この複合回転子ユニットを同軸に2個以上近接していることを手段とする永久磁石式回転電機。
【選択図】 図2
巻き線極である主極数を半減させた省主極形固定子と、2個のHB型回転子を互いに逆方向に反発磁化したハイブリッド永久磁石式回転子を、多段に組み合わせた複合ハイブリッド型回転子による回転電機で、安価で高トルク、低振動、且つ、分解能の大きな回転電機の実現すること。
【解決手段】
多角形や略環状の磁性体より放射状に設けた2相4主極、3相3主極あるいは5相5主極の各先端に複数個の誘導子を有し、エアギャップを介して回転自在に設けられた複数Nr個の歯を有した回転子を、2個で軸方向に磁化した永久磁石をお互いに歯ピッチの1/2ピッチ分づらして挟持して共通回転軸上に設けて近接させ、近接する回転子同士は歯位置が同一であり且つ同一極性に磁化されて複合回転子ユニットを形成し、この複合回転子ユニットを同軸に2個以上近接していることを手段とする永久磁石式回転電機。
【選択図】 図2
Description
本発明は巻き線極の数である主極数を半減させた省主極形固定子と2個の永久磁石を互いに逆方向に反発磁化したハイブリッド永久磁石式回転子を組み合わせた複合ハイブリッド型回転子を同軸で2個以上有したステッピングモータ等の回転電機に関する。
小型で高トルク、低振動がOA機器等に使用されるステッピングモータ等の回転電機に
要求されている。この問題を解決するものとして本願発明者の一人はすでに次の特許を取得している。本願はこれらの先行特許の改良に関する。
要求されている。この問題を解決するものとして本願発明者の一人はすでに次の特許を取得している。本願はこれらの先行特許の改良に関する。
1)ハイブリッド(以下HBと略す)の構造のステッピングモータで大きなトルクを得ようとすると、軸方向に固定子積厚を増加させて、回転子は永久磁石を挟持してその外周に均等ピッチで複数の磁歯を有した磁性体回転子を2個でその歯ピッチの1/2ずらして形成したHB型回転子を軸方向に非磁性円板を介して2個以上配置した多段回転子を用いている。しかし以下の回転子に関する問題点と固定子に関する問題点で十分大きなトルクを得ることができなかった。
2)回転子に関する問題点は上述した多段回転子間に磁気絶縁のための所定の厚さの非磁性円板(後述する図5の52)を介在させるのでその部分はトルクを発生せず高トルク化の阻害要因であった。また非磁性板の厚みが十分でないと漏洩磁束が発生してトルクが期待したほど出ない問題があった。
またアルミ等の非磁性円板の使用は回転機の価格を高くするものであった。
3)固定子に関する問題点は主極数が多いフル主極構成のために、巻き線が複雑である上に、回転子永久磁石からの鎖交磁束数は主極数に反比例するので鎖交磁束数の増加が少なく高トルク化の阻害要因であった。そのためには主極の数の少ない構成の固定子が必要である。
以上のような問題がありこれらを解決するのが課題となる。
4)本願の回転電機の固定子は主極数を通常の回転電機に対して半減させた省主極(2相4主極、3相3主極、5相5主極)構造である。主極とは別名集中巻きの巻線極である。省主極(2相4主極、3相3主極等)構造は通常のフル主極数構造の2相8主極あるいは3相6主極式に対し省主極数(フル主極数に対してハーフ主極数とも呼ぶ)構造は高トルクトルクが得られるがその理由は後述する。
5)しかしこの省主極固定子と通常の永久磁石1個のハイブリッド回転子との組み合わせでは不平衡電磁力が発生し騒音振動が大きくなり位置決め精度も悪化する。そしてこれらを解決するために前述した特許文献1及び2の手段がある。本願はこれらの手段の技術で更に高トルクを得ようとするものである。
2)回転子に関する問題点は上述した多段回転子間に磁気絶縁のための所定の厚さの非磁性円板(後述する図5の52)を介在させるのでその部分はトルクを発生せず高トルク化の阻害要因であった。また非磁性板の厚みが十分でないと漏洩磁束が発生してトルクが期待したほど出ない問題があった。
またアルミ等の非磁性円板の使用は回転機の価格を高くするものであった。
3)固定子に関する問題点は主極数が多いフル主極構成のために、巻き線が複雑である上に、回転子永久磁石からの鎖交磁束数は主極数に反比例するので鎖交磁束数の増加が少なく高トルク化の阻害要因であった。そのためには主極の数の少ない構成の固定子が必要である。
以上のような問題がありこれらを解決するのが課題となる。
4)本願の回転電機の固定子は主極数を通常の回転電機に対して半減させた省主極(2相4主極、3相3主極、5相5主極)構造である。主極とは別名集中巻きの巻線極である。省主極(2相4主極、3相3主極等)構造は通常のフル主極数構造の2相8主極あるいは3相6主極式に対し省主極数(フル主極数に対してハーフ主極数とも呼ぶ)構造は高トルクトルクが得られるがその理由は後述する。
5)しかしこの省主極固定子と通常の永久磁石1個のハイブリッド回転子との組み合わせでは不平衡電磁力が発生し騒音振動が大きくなり位置決め精度も悪化する。そしてこれらを解決するために前述した特許文献1及び2の手段がある。本願はこれらの手段の技術で更に高トルクを得ようとするものである。
本発明を実現するには以下の手段による。
「手段1」
四辺形を含めた多角形や略環状の磁性体より放射状に設けた2相4主極、3相3主極あるいは5相5主極の各先端に複数個の誘導子を有し、エアギャップを介して回転自在に設けられた複数Nr個の歯を有した回転子を2個で軸方向に磁化した永久磁石をお互いに歯ピッチの1/2ピッチ分づらして挟持した単位回転子を2組、単位回転子AとBとして共通回転軸上に設けて近接させ、単位回転子AとBの近接する回転子同士は歯位置が同一であり且つ同一極性に磁化されて複合回転子ユニットを形成し、この複合回転子ユニットを同軸に2個以上近接して設けることを手段とする永久磁石式回転電機。
「手段2」
手段1で、2相4主極の場合は、回転子歯数がNr=4n±1、3相3主極の場合は、回転子歯数がNr=3n±1、5相5主極の場合は、回転子歯数がNr=5n±1、であることを手段とする永久磁石式回転電機。
「手段3」
手段1で、前後の非磁性ブラケットを固定子内径に勘合させたことを手段とする永久磁石式回転電機。
「手段1」
四辺形を含めた多角形や略環状の磁性体より放射状に設けた2相4主極、3相3主極あるいは5相5主極の各先端に複数個の誘導子を有し、エアギャップを介して回転自在に設けられた複数Nr個の歯を有した回転子を2個で軸方向に磁化した永久磁石をお互いに歯ピッチの1/2ピッチ分づらして挟持した単位回転子を2組、単位回転子AとBとして共通回転軸上に設けて近接させ、単位回転子AとBの近接する回転子同士は歯位置が同一であり且つ同一極性に磁化されて複合回転子ユニットを形成し、この複合回転子ユニットを同軸に2個以上近接して設けることを手段とする永久磁石式回転電機。
「手段2」
手段1で、2相4主極の場合は、回転子歯数がNr=4n±1、3相3主極の場合は、回転子歯数がNr=3n±1、5相5主極の場合は、回転子歯数がNr=5n±1、であることを手段とする永久磁石式回転電機。
「手段3」
手段1で、前後の非磁性ブラケットを固定子内径に勘合させたことを手段とする永久磁石式回転電機。
1)省主極固定子構成なので従来のフル主極構成のものよりトルクは約2倍となり且つ巻き線が安価となる。
2)回転子は通常の多段HB回転子に対し非磁性円板が不要なためその分固定子との対向面積が増加しまた各単位HB回転子間での漏洩磁束は同極性で近接あるいは隣接されるので、漏洩磁束が無いため高トルクで且つ安価となる。
3)省主極にもかかわらず多段回転子の各段ごとにラジアル方向の不平衡電磁力が回転子ユニット内でキャンセルされるので大トルクでありながら振動騒音の発生が極めて少ない回転電機となる。
4)軸方向に長い回転電機とした場合、前後ブラケットを固定子内径に勘合させることで固定子と回転子間のエアギャップをより小さくできて高トルクに有利となる。
2)回転子は通常の多段HB回転子に対し非磁性円板が不要なためその分固定子との対向面積が増加しまた各単位HB回転子間での漏洩磁束は同極性で近接あるいは隣接されるので、漏洩磁束が無いため高トルクで且つ安価となる。
3)省主極にもかかわらず多段回転子の各段ごとにラジアル方向の不平衡電磁力が回転子ユニット内でキャンセルされるので大トルクでありながら振動騒音の発生が極めて少ない回転電機となる。
4)軸方向に長い回転電機とした場合、前後ブラケットを固定子内径に勘合させることで固定子と回転子間のエアギャップをより小さくできて高トルクに有利となる。
以下図面によって説明する。
図1は本発明の1例である省主極構造固定子である2相4主極機の固定子と特殊多段HB型回転子の組み合わせによる回転電機の軸方向から見た構成図である。図2はその軸方向の断面図である。1は固定子鉄心であり2相の場合は4主極なのでその外形は略四辺形が巻き線スペースの確保の点から望ましいが、3相3主極では三または六辺形、5相では五角形でも良く、巻き線スペースを重視しなければ多角形や円形形状でも良い。2は回転子である。図2の3はコイル、4は回転子軸、6、7は前後ブラケットであり非磁性体のアルミ等で構成される。そして1なる固定子の内径と勘合して回転子をエアギャップを保って回転自在に保持するようにすれば、0.05mm程度のエアギャップでも十分且つ均一にエアギャップを確保できる。8はボールベアリング等の軸受けである。回転子2は21,22なるその外周に均等に複数の歯を有した磁性体よりなる回転子と永久磁石51と軸4で構成される。図2の左側より回転子21と隣接した永久磁石51と51に隣接する22で1対のHB型単位回転子Aを構成し例えば21をS極に22をN極に磁化している。
N極に磁化された22と隣接する左側から2番目の21は隣接する2番目の永久磁石51で同じN極に磁化されこの永久磁石51の右側に隣接する22はS極に磁化されてもう1対のHB型回転子Bを構成する。図示したように2つのHB型単位回転子AとBの永久磁石はお互いに軸方向で異極性になる方向に磁化されている。そしてこの2つのHB型単位回転子AとBを複合回転子ユニットと呼ぶことにする。図2の例はこの複合回転子ユニットを更に軸方向の右側に隣接して1段設けた複合回転子ユニットの2段回転子の例である。複合回転子ユニットの1段目回転子と2段目回転子ユニット歯位置関係はまったく同じ位置に来る。モータの外径が決まっていてこのようなHB型回転子で高トルクを得るためには軸方向に固定子積み厚を増加させることになるが永久磁石からの磁束はその数を増やさないと増えないので2段回転子とするものである。これはさらに3段以上の多段回転子でも良い。以上の記述で同極性に磁化される回転子同士は隣接と表現したが僅かな隙間を有した近接でも良い。本構成では永久磁石を挟んで対抗した単位回転子の21と22間では永久磁石の外周部分では漏洩磁束はあるが、同極性に磁化された回転子同士間では漏洩磁束なく、ほとんどの磁束が固定子に向かうので磁束の無駄が極めて少ない。
図1で固定子1の4個の主極の巻き線の図示は省略してあるが180度で対向している2個の主極同士(1)(2)は同相で異極性になるように図示は省略してあるコイルに流す相電流で励磁されるように構成される。このとき例えば1相のみ励磁され、N極の回転子が1相のS極に励磁された主極と対向していれば、1相のN極に磁化された180度で反対側の主極はN極の回転子とは非対向(歯と溝で対向し電気角で180度)の位相関係になり、逆に回転子のS極とは上述の1相のN極に磁化された主極は歯が対向することになる。このとき励磁されてない2相分の固定子主極の歯と回転子歯とは90度の位相関係にある。
この固定子と回転子の関係位置は図3のようになる。以上は複合回転子ユニットが1段の場合の説明であるが2段以上も固定子と回転子の位置関係はまったく同じである。
2相HB型の通常の回転電機は主極数は従来技術として図6、図7で後述するように8個の構成であるが図1に示した本構成は1/2の4個と省主極としているので巻き線が簡単で安価となる。またHB型回転電機であるので磁石表面に着磁して極を作る所謂表面磁石式回転電機に比べ分解能が高く従って位置決め精度が良く回転ムラも小さくなる。
図1では2相式で示したが、これに限定するものではなく、先行技術としてあげた特許文献1の図1に示したような3相3主極、あるいは図示はしてないが5相5主極の省主極固定子と図2に示したような多段回転子であってもよい。通常不平衡電磁力がキャンセルされる固定子構造は3相では6主極以上、5相では10主極である。本願は3相や5相HB型ステッピングモータや2相、や3相等のブラシレスモータにも、あるいは同期電動機にも活用できる構成である。
N極に磁化された22と隣接する左側から2番目の21は隣接する2番目の永久磁石51で同じN極に磁化されこの永久磁石51の右側に隣接する22はS極に磁化されてもう1対のHB型回転子Bを構成する。図示したように2つのHB型単位回転子AとBの永久磁石はお互いに軸方向で異極性になる方向に磁化されている。そしてこの2つのHB型単位回転子AとBを複合回転子ユニットと呼ぶことにする。図2の例はこの複合回転子ユニットを更に軸方向の右側に隣接して1段設けた複合回転子ユニットの2段回転子の例である。複合回転子ユニットの1段目回転子と2段目回転子ユニット歯位置関係はまったく同じ位置に来る。モータの外径が決まっていてこのようなHB型回転子で高トルクを得るためには軸方向に固定子積み厚を増加させることになるが永久磁石からの磁束はその数を増やさないと増えないので2段回転子とするものである。これはさらに3段以上の多段回転子でも良い。以上の記述で同極性に磁化される回転子同士は隣接と表現したが僅かな隙間を有した近接でも良い。本構成では永久磁石を挟んで対抗した単位回転子の21と22間では永久磁石の外周部分では漏洩磁束はあるが、同極性に磁化された回転子同士間では漏洩磁束なく、ほとんどの磁束が固定子に向かうので磁束の無駄が極めて少ない。
図1で固定子1の4個の主極の巻き線の図示は省略してあるが180度で対向している2個の主極同士(1)(2)は同相で異極性になるように図示は省略してあるコイルに流す相電流で励磁されるように構成される。このとき例えば1相のみ励磁され、N極の回転子が1相のS極に励磁された主極と対向していれば、1相のN極に磁化された180度で反対側の主極はN極の回転子とは非対向(歯と溝で対向し電気角で180度)の位相関係になり、逆に回転子のS極とは上述の1相のN極に磁化された主極は歯が対向することになる。このとき励磁されてない2相分の固定子主極の歯と回転子歯とは90度の位相関係にある。
この固定子と回転子の関係位置は図3のようになる。以上は複合回転子ユニットが1段の場合の説明であるが2段以上も固定子と回転子の位置関係はまったく同じである。
2相HB型の通常の回転電機は主極数は従来技術として図6、図7で後述するように8個の構成であるが図1に示した本構成は1/2の4個と省主極としているので巻き線が簡単で安価となる。またHB型回転電機であるので磁石表面に着磁して極を作る所謂表面磁石式回転電機に比べ分解能が高く従って位置決め精度が良く回転ムラも小さくなる。
図1では2相式で示したが、これに限定するものではなく、先行技術としてあげた特許文献1の図1に示したような3相3主極、あるいは図示はしてないが5相5主極の省主極固定子と図2に示したような多段回転子であってもよい。通常不平衡電磁力がキャンセルされる固定子構造は3相では6主極以上、5相では10主極である。本願は3相や5相HB型ステッピングモータや2相、や3相等のブラシレスモータにも、あるいは同期電動機にも活用できる構成である。
図6、図7は従来の通常の2相HB型回転電機を示す図であり、図6は軸方向から見た図であり、30は2相8主極の固定子、31は回転子である。図7は図6の回転子軸を含む断面図である。この構造では回転子の永久磁石は33の1個であり、31,32は図2の21,22と同じ形状の回転子であり、お互いに歯ピッチの1/2ずらせた歯位置に構成されている。固定子は8主極で1個おきの4個に図示はしてないが1相分コイルが巻かれている。この場合、180度で反対位置にある主極は励磁電流で同極性となるように構成されているのでラジアル方向である法線方向の吸引力は常にキャンセルされ、回転子外周の接線方向のトルク成分のみが現れる。これに対し例えば図1の固定子に図7の回転子を組み合わせると、例えば回転子31がN極性として上側に引かれた場合、回転子のS極32は下側へ引かれ、ラジアル方向吸引力による不平衡電磁力所謂サイドプルによる偶力が発生し、振動や騒音を発生させ、位置決め精度も悪くする。
本構造の2相4主極と8主極固定子に同一回転子を組み合わせた場合のトルクを前述した文献で説明したが再度説明する。
T1=N NriΦm
(1)
1相分トルクは(1)式で表される。Nrは回転子歯数、Nはコイル巻き数、iは電流、
Φmは回転子からの永久磁石の磁束のコイルとの鎖交磁束である。
両者同一線径で同一トータル巻数NTとする。また回転子から出るトータル磁束量は両者の
固定子の歯数が例えば48(8主極は8×6=48、4主極では4×12=48)と等し
いとした場合は両者の固定子鉄心の磁気抵抗差を無視し同じ値のΦTと近似できるので8
主極機、4主極機の各1主極の巻数、磁束を各々N8 、N4、Φ8、Φ4として、次式
が成立する。
Φ8=ΦT/8
(2)
Φ4=ΦT/4
(3)
N8=NT/8 (4)
N2=NT/4
(5)
(1)〜(5)式より、8主極 4主極機のトルク、T8、T4は各々以下となる。
T8=2*4(NT/8)Nri(ΦT/8)
=NTNriΦT/8
(6)
T2=2*2(NT/4)Nri(ΦT/4)
=NTNriΦT/4
(7)
(6)、(7)より、4主極機は従来の8主極機のモータより約2倍のトルクが出せるこ
とになる。そして更に高トルクが必要な場合は軸方向に積み厚を増加させれば更に高いトルクが得られることになる。
T1=N NriΦm
(1)
1相分トルクは(1)式で表される。Nrは回転子歯数、Nはコイル巻き数、iは電流、
Φmは回転子からの永久磁石の磁束のコイルとの鎖交磁束である。
両者同一線径で同一トータル巻数NTとする。また回転子から出るトータル磁束量は両者の
固定子の歯数が例えば48(8主極は8×6=48、4主極では4×12=48)と等し
いとした場合は両者の固定子鉄心の磁気抵抗差を無視し同じ値のΦTと近似できるので8
主極機、4主極機の各1主極の巻数、磁束を各々N8 、N4、Φ8、Φ4として、次式
が成立する。
Φ8=ΦT/8
(2)
Φ4=ΦT/4
(3)
N8=NT/8 (4)
N2=NT/4
(5)
(1)〜(5)式より、8主極 4主極機のトルク、T8、T4は各々以下となる。
T8=2*4(NT/8)Nri(ΦT/8)
=NTNriΦT/8
(6)
T2=2*2(NT/4)Nri(ΦT/4)
=NTNriΦT/4
(7)
(6)、(7)より、4主極機は従来の8主極機のモータより約2倍のトルクが出せるこ
とになる。そして更に高トルクが必要な場合は軸方向に積み厚を増加させれば更に高いトルクが得られることになる。
この4主極の場合の望ましい回転子歯数Nrは以下の式から誘導される。
90/Nr=(−/+){(360/4)−360n/Nr} (8)
但しnは1以上の整数。
(8)式の左辺、及び右辺は本構成のステップ角を表すしこれを整理すると(9)式が得
られる。
Nr=4n±1
(9)
Nrは,2相4主極対称構造の望ましい形態となる。
例えばn=19でNr=75となり、2相機では(90/Nr)度がステップ角となる
ので、1.2度ステップ角の対称形の固定子の回転電機が得られる。
この場合は固定子が90度対称となるので積層時90度回転積みができる。回転積みが
できると、積厚の偏差の解消や珪素鋼鈑の磁気方向性のキャンセルができて良好なモータ
特性となる。望ましい形態ではないが、Nr=50は(9)式を満足しないため固定子は非対称形状となり90度回転積みは出来ないが、ステップ角1.8度の2相ステッピングモータとなる。同様にして3相3主極では Nr=3n±1、5相5主極ではNr=5n±1とする。
90/Nr=(−/+){(360/4)−360n/Nr} (8)
但しnは1以上の整数。
(8)式の左辺、及び右辺は本構成のステップ角を表すしこれを整理すると(9)式が得
られる。
Nr=4n±1
(9)
Nrは,2相4主極対称構造の望ましい形態となる。
例えばn=19でNr=75となり、2相機では(90/Nr)度がステップ角となる
ので、1.2度ステップ角の対称形の固定子の回転電機が得られる。
この場合は固定子が90度対称となるので積層時90度回転積みができる。回転積みが
できると、積厚の偏差の解消や珪素鋼鈑の磁気方向性のキャンセルができて良好なモータ
特性となる。望ましい形態ではないが、Nr=50は(9)式を満足しないため固定子は非対称形状となり90度回転積みは出来ないが、ステップ角1.8度の2相ステッピングモータとなる。同様にして3相3主極では Nr=3n±1、5相5主極ではNr=5n±1とする。
この2組の永久磁石による単位回転子ABを設ける理由は4主極固定子と通常のHB型回転子の組み合わせで発生するラジアル方向の不平衡電磁力を消去して軸に働く偶力をなくすためであるが図4にてその原理を説明する。
図4で固定子(1)と回転子21及び22で図4のラジアル方向吸引力F1、F4が発生する。同様に補助極(3)で回転子22及び21¢でF2、F3が発生する。これらのラジアル方向吸引力は打ち消しあっている。図4で前ブラケットを6とし、8なる軸受けの中心に支点を取ったモーメント力Mでみてもキャンセルされる。
即ち
M=L1F1+(L1+L2+L3+L4)F4−(L1+L2)F2-(L1+L2+L3)F3 (10)
また次の(11)(12)式が成立する。
F1=F2=F3=F4 (11)
L2=L4 (12)
(10)式の右辺に(11)、(12)を代入すれば
M=0 (13)
となりモーメント力Mはキャンセルされる。
ポイントは補助極によるF2,F3が巻き線極のF1,F4と漏洩磁束を無視すれば同じ値となることにある。このモーメント力Mが無くなれば軸受けを回転ごとに加わる過重がなくなり軸受けからの振動音も無くなり低騒音振動モータとなる。
図4で固定子(1)と回転子21及び22で図4のラジアル方向吸引力F1、F4が発生する。同様に補助極(3)で回転子22及び21¢でF2、F3が発生する。これらのラジアル方向吸引力は打ち消しあっている。図4で前ブラケットを6とし、8なる軸受けの中心に支点を取ったモーメント力Mでみてもキャンセルされる。
即ち
M=L1F1+(L1+L2+L3+L4)F4−(L1+L2)F2-(L1+L2+L3)F3 (10)
また次の(11)(12)式が成立する。
F1=F2=F3=F4 (11)
L2=L4 (12)
(10)式の右辺に(11)、(12)を代入すれば
M=0 (13)
となりモーメント力Mはキャンセルされる。
ポイントは補助極によるF2,F3が巻き線極のF1,F4と漏洩磁束を無視すれば同じ値となることにある。このモーメント力Mが無くなれば軸受けを回転ごとに加わる過重がなくなり軸受けからの振動音も無くなり低騒音振動モータとなる。
従来技術による例として多段回転子を軸方向に積み増しして高トルクを得る回転子を図5に示す。図2の回転子と同じ部品には同じ番号が付されている。図5の回転子は回転子21と22を歯ピッチで1/2ずらせて永久磁石51を挟持した普通のHB型単位回転子を4個軸方向に同じ位置で重ね非磁性板52をそれらの間に配置し軸4で固着したものである。磁化は図示したようにS,N交互に磁化するので軸方向に1回磁化すればよいが、この回転子の軸方向のトータル厚みが図2に示した回転子のトータル厚みと同じとした場合、52なる非磁性板厚部分は固定子と対向してないのでまたその分21,22の厚みも本願と比べて少なくなり、本願の図2の回転子に対しトルクが少なくなる。また非磁性板52を用いてもその両サイドは異極性の永久磁石なのでその間で漏洩磁束が発生しトルク減少要素となる。また先行技術である特許文献1の段落「0018」から「0020」で図12を説明しているように、本願の図5に記載した従来技術の回転子を本願の図1及び図2に示す固定子に組み合わせて使用する場合、不平衡電磁力は消えないことが分かる。従って本願図2に示す構成は高トルクで低振動の回転電機に断然有益な事がわかる。
本発明による回転電機は高トルクと低振動が両立して出せるのでOA機器である複写機やプリンターの用途に対し安価で高トルク低振動の回転電機の提供が可能であり、工業的に大きな寄与が期待される。その他、医療機器、FA機器、ロボット、遊戯機械、住宅設備機器への応用も大いに期待される。
1、30 :固定子
2、21,22、31,32 :回転子
3 :コイル、
4 :軸
51、33 :永久磁石
6、7、15,16 :ブラケット
8 :軸受け
21,22 :回転子
52 :非磁性板
2、21,22、31,32 :回転子
3 :コイル、
4 :軸
51、33 :永久磁石
6、7、15,16 :ブラケット
8 :軸受け
21,22 :回転子
52 :非磁性板
Claims (3)
- 四辺形を含めた多角形や略環状の磁性体より放射状に設けた2相4主極、3相3主極あるいは5相5主極の各先端に複数個の誘導子を有し、エアギャップを介して回転自在に設けられた複数Nr個の歯を有した回転子を2個で軸方向に磁化した永久磁石をお互いに歯ピッチの1/2ピッチ分づらして挟持した単位回転子を2組、単位回転子AとBとして共通回転軸上に設けて近接させ、単位回転子AとBの近接する回転子同士は歯位置が同一であり且つ同一極性に磁化されて複合回転子ユニットを形成し、この複合回転子ユニットを同軸に2個以上近接して設けることを特徴とする永久磁石式回転電機。
- 請求項1に記載の永久磁石式回転電機で、2相4主極の場合は、回転子歯数がNr=4n±1、3相3主極の場合は、回転子歯数がNr=3n±1、5相5主極の場合は、回転子歯数がNr=5n±1、であることを特徴とする永久磁石式回転電機。
- 請求項1に記載の永久磁石式回転電機で、前後の非磁性ブラケットを固定子内径に勘合させたことを特徴とする永久磁石式回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007117047A JP2008278586A (ja) | 2007-04-26 | 2007-04-26 | ハイブリッド式永久磁石回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007117047A JP2008278586A (ja) | 2007-04-26 | 2007-04-26 | ハイブリッド式永久磁石回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008278586A true JP2008278586A (ja) | 2008-11-13 |
Family
ID=40055900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007117047A Pending JP2008278586A (ja) | 2007-04-26 | 2007-04-26 | ハイブリッド式永久磁石回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008278586A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000125533A (ja) * | 1998-10-09 | 2000-04-28 | Toyota Motor Corp | モータ |
JP2003134788A (ja) * | 2001-10-16 | 2003-05-09 | Japan Servo Co Ltd | 永久磁石式回転電機 |
-
2007
- 2007-04-26 JP JP2007117047A patent/JP2008278586A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JP2000125533A (ja) * | 1998-10-09 | 2000-04-28 | Toyota Motor Corp | モータ |
JP2003134788A (ja) * | 2001-10-16 | 2003-05-09 | Japan Servo Co Ltd | 永久磁石式回転電機 |
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Effective date: 20100527 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100928 |