JP2002153028A - 多段高出力用永久磁石形電動機 - Google Patents
多段高出力用永久磁石形電動機Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数の軸方向空隙形電動機部を多段に配設
し、その共通出力軸から出力される合成トルク中のコギ
ングトルクおよび脈動トルクをなくす。 【解決手段】 Ｚ個の溝数を有し、該溝６内に巻線７が
巻装される固定子３と、複数対の永久磁石１２が周方向
起磁力形に配置される回転子１１とからなる軸方向空隙
形電動機部２Ａであって、ｎ個（ｎは、２以上の整数）
の前記電動機部２Ａ，２Ｂ，‥‥が、軸方向に並べて配
設されるとともに、それぞれの出力軸１４を共通にし
て、ひとつのハウジング１０内に収容され、あるひとつ
の第１の前記電動機部２Ａの固定子３Ａの位置を基準に
して、第２，第３，‥‥‥，第ｎの電動機部２Ｂ，３
Ｃ，‥‥固定子３Ｂ、３Ｃのそれぞれの取付位置を、次
の式θ（ただし、θnは、第ｎの固定子の取付位置を示
す）により、順次、ずつずらせて取り付る。
θn＝（３６０゜÷Ｚ÷ｎ）×（ｎ−１）
し、その共通出力軸から出力される合成トルク中のコギ
ングトルクおよび脈動トルクをなくす。 【解決手段】 Ｚ個の溝数を有し、該溝６内に巻線７が
巻装される固定子３と、複数対の永久磁石１２が周方向
起磁力形に配置される回転子１１とからなる軸方向空隙
形電動機部２Ａであって、ｎ個（ｎは、２以上の整数）
の前記電動機部２Ａ，２Ｂ，‥‥が、軸方向に並べて配
設されるとともに、それぞれの出力軸１４を共通にし
て、ひとつのハウジング１０内に収容され、あるひとつ
の第１の前記電動機部２Ａの固定子３Ａの位置を基準に
して、第２，第３，‥‥‥，第ｎの電動機部２Ｂ，３
Ｃ，‥‥固定子３Ｂ、３Ｃのそれぞれの取付位置を、次
の式θ（ただし、θnは、第ｎの固定子の取付位置を示
す）により、順次、ずつずらせて取り付る。
θn＝（３６０゜÷Ｚ÷ｎ）×（ｎ−１）
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車、建設
機械などに使用され、高トルクが要求される多段高出力
用永久磁石形電動機に関し、特に、駆動する多段の電動
機部の共通出力軸から出力される合成トルクにコギング
トルクおよび脈動トルクがないような該電動機に関す
る。また、本発明は、ある１段の電動機部が損傷して
も、残りの他の電動機部により継続して運転可能である
多段高出力用永久磁石形電動機に関する。
機械などに使用され、高トルクが要求される多段高出力
用永久磁石形電動機に関し、特に、駆動する多段の電動
機部の共通出力軸から出力される合成トルクにコギング
トルクおよび脈動トルクがないような該電動機に関す
る。また、本発明は、ある１段の電動機部が損傷して
も、残りの他の電動機部により継続して運転可能である
多段高出力用永久磁石形電動機に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、低速高トルクが要求される電動機
としては、軸方向空隙形電動機（axial gap motor）が
ある。該軸方向空隙形電動機は、鉄心に溝を有し、該溝
内に巻線が巻装される固定子と、複数対の永久磁石が周
方向起磁力形に配置される回転子とからなり、該固定子
巻線に電流を流して回転磁界を発生させ、これに伴い前
記固定子と回転子との間の磁気的な吸引力および反発力
によって、前記回転子を回転させている。
としては、軸方向空隙形電動機（axial gap motor）が
ある。該軸方向空隙形電動機は、鉄心に溝を有し、該溝
内に巻線が巻装される固定子と、複数対の永久磁石が周
方向起磁力形に配置される回転子とからなり、該固定子
巻線に電流を流して回転磁界を発生させ、これに伴い前
記固定子と回転子との間の磁気的な吸引力および反発力
によって、前記回転子を回転させている。
【０００３】前記軸方向空隙形電動機は、鉄心に溝がな
い平滑電機子のものに比べて、その出力されるトルクに
トルク脈動が大きいが、構造的に磁気空隙が小さいの
で、該空隙に磁束密度を高くできための永久磁石が小さ
くて済み、したがって、その形状が大きくならず、しか
も、電動機重量あたりの出力トルクが大きく、低速高ト
ルク特性に適している。また、機械的時定数が小さいも
のは、強力な永久磁石を用いて磁束密度を高くし、回転
子イナーシャを小さく設計できる利点がある。
い平滑電機子のものに比べて、その出力されるトルクに
トルク脈動が大きいが、構造的に磁気空隙が小さいの
で、該空隙に磁束密度を高くできための永久磁石が小さ
くて済み、したがって、その形状が大きくならず、しか
も、電動機重量あたりの出力トルクが大きく、低速高ト
ルク特性に適している。また、機械的時定数が小さいも
のは、強力な永久磁石を用いて磁束密度を高くし、回転
子イナーシャを小さく設計できる利点がある。
【０００４】このように、低速高トルク特性有する、従
来の前記軸方向空隙形電動機を、電気自動車、建設機械
などに使用するため、複数の該電動機部を、軸方向に多
段に並べて配設し、それぞれの出力軸を共通にして、よ
り大きいトルクを出力させていた。特に、多段に構成し
た前記軸方向空隙形電動機のうち、ある１段の電動機部
が損傷しても、残りの他の電動機部により継続して運転
可能な装置には好適であった。
来の前記軸方向空隙形電動機を、電気自動車、建設機械
などに使用するため、複数の該電動機部を、軸方向に多
段に並べて配設し、それぞれの出力軸を共通にして、よ
り大きいトルクを出力させていた。特に、多段に構成し
た前記軸方向空隙形電動機のうち、ある１段の電動機部
が損傷しても、残りの他の電動機部により継続して運転
可能な装置には好適であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記軸方向
空隙形電動機には、環状の固定子鉄心の、回転子に対向
する面に、半径方向に延びる溝を有するため、回転子と
の空隙が一様でなく、したがって、その磁気抵抗も一様
でない。このため、永久磁石の磁束による前記空隙の磁
束分布は不平衡となり、前記述のように、トルクが脈動
する。この磁石の磁束の不平衡により発生するトルクの
脈動をコギングトルクという。
空隙形電動機には、環状の固定子鉄心の、回転子に対向
する面に、半径方向に延びる溝を有するため、回転子と
の空隙が一様でなく、したがって、その磁気抵抗も一様
でない。このため、永久磁石の磁束による前記空隙の磁
束分布は不平衡となり、前記述のように、トルクが脈動
する。この磁石の磁束の不平衡により発生するトルクの
脈動をコギングトルクという。
【０００６】他方、同様に前記固定子巻線の電流による
固定子鉄心からの磁束も不平衡となる。よって、該固定
子巻線に流す電流により発生されるトルクも脈動する。
以上により、該電動機は、その出力軸から出力されるト
ルクに、コギングトルクおよび脈動トルクが発生する特
性を有するため、これらのコギングトルクおよび脈動ト
ルクが大きいと出力が円滑でなくなる。
固定子鉄心からの磁束も不平衡となる。よって、該固定
子巻線に流す電流により発生されるトルクも脈動する。
以上により、該電動機は、その出力軸から出力されるト
ルクに、コギングトルクおよび脈動トルクが発生する特
性を有するため、これらのコギングトルクおよび脈動ト
ルクが大きいと出力が円滑でなくなる。
【０００７】このような、従来の前記軸方向空隙形電動
機を多段に構成する場合、通常、多段高出力用永久磁石
形電動機としての特性が同じになるように、構成するそ
れぞれの電動機の仕様が同じの電動機を使用する。しか
しながら、複数の前記軸方向空隙形電動機を多段に配設
し、その共通出力軸から出力される合成トルクは、１台
の出力トルクの複数倍になるが、同時に、前記コギング
トルクおよび脈動トルクが複数倍になり、該合成トルク
に「むら」があるという問題点があった。
機を多段に構成する場合、通常、多段高出力用永久磁石
形電動機としての特性が同じになるように、構成するそ
れぞれの電動機の仕様が同じの電動機を使用する。しか
しながら、複数の前記軸方向空隙形電動機を多段に配設
し、その共通出力軸から出力される合成トルクは、１台
の出力トルクの複数倍になるが、同時に、前記コギング
トルクおよび脈動トルクが複数倍になり、該合成トルク
に「むら」があるという問題点があった。
【０００８】本発明はかかる点を鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、複数の前記軸方向空隙
形電動機部を軸方向に多段に配設し、その共通出力軸か
ら出力される合成トルク中のコギングトルクおよび脈動
トルクをなくするとともに、前記合成トルクに「むら」
が極めて少ない多段高出力用永久磁石形電動機を提供す
ることにある。
その目的は前記問題点を解消し、複数の前記軸方向空隙
形電動機部を軸方向に多段に配設し、その共通出力軸か
ら出力される合成トルク中のコギングトルクおよび脈動
トルクをなくするとともに、前記合成トルクに「むら」
が極めて少ない多段高出力用永久磁石形電動機を提供す
ることにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、Ｚ個の溝数を有し、該溝内に巻線が
巻装される固定子と、複数対の永久磁石が周方向起磁力
形に配置される回転子とからなる軸方向空隙形電動機部
であって、ｎ個（ｎは、２以上の整数）の前記電動機部
が、同一軸方向に並べて配設されるとともに、それぞれ
の回転子の出力軸を共通にして、ひとつのハウジング内
に収容され、かつ、あるひとつの第１の前記電動機部の
固定子の位置を基準にして、第２，第３，‥‥‥第ｎの
前記電動機部の固定子のそれぞれの取付位置の角度が、
順次、 θn＝（３６０゜÷Ｚ÷ｎ）×（ｎ−１） （度） （ただし、θnは、第ｎの電動機部の固定子の取付位置
を示す） ずつずらせて取り付けられる多段高出力用永久磁石形電
動機である。
の本発明の構成は、Ｚ個の溝数を有し、該溝内に巻線が
巻装される固定子と、複数対の永久磁石が周方向起磁力
形に配置される回転子とからなる軸方向空隙形電動機部
であって、ｎ個（ｎは、２以上の整数）の前記電動機部
が、同一軸方向に並べて配設されるとともに、それぞれ
の回転子の出力軸を共通にして、ひとつのハウジング内
に収容され、かつ、あるひとつの第１の前記電動機部の
固定子の位置を基準にして、第２，第３，‥‥‥第ｎの
前記電動機部の固定子のそれぞれの取付位置の角度が、
順次、 θn＝（３６０゜÷Ｚ÷ｎ）×（ｎ−１） （度） （ただし、θnは、第ｎの電動機部の固定子の取付位置
を示す） ずつずらせて取り付けられる多段高出力用永久磁石形電
動機である。
【００１０】前記軸方向空隙形電動機部の個数ｎが、３
である多段高出力用永久磁石形電動機である。
である多段高出力用永久磁石形電動機である。
【００１１】前記回転子に配設される永久磁石が、扇形
状で、それぞれ４対（８個）が、回転子鉄心の軸方向前
後に同極方向に重ね合わせるように固着されるととも
に、周方向に交互に異極になるように配置され、かつ該
永久磁石の軸方向の位置関係は、他の回転子の前記永久
磁石の位置と同一である多段高出力用永久磁石形電動機
である。
状で、それぞれ４対（８個）が、回転子鉄心の軸方向前
後に同極方向に重ね合わせるように固着されるととも
に、周方向に交互に異極になるように配置され、かつ該
永久磁石の軸方向の位置関係は、他の回転子の前記永久
磁石の位置と同一である多段高出力用永久磁石形電動機
である。
【００１２】本発明の多段高出力用永久磁石形電動機
は、以上のように構成されているので、多段に配設する
複数の前記軸方向空隙形電動機部のそれぞれの出力軸
に、トルクリップルが発生、重畳されたトルクを合成す
るとき、それぞれの電動機部が発生するコギングトルク
および脈動トルクが、互いに相殺するように、該それぞ
れの前記電動機部の固定子の位置をある所定角だけずら
しておくようにする。
は、以上のように構成されているので、多段に配設する
複数の前記軸方向空隙形電動機部のそれぞれの出力軸
に、トルクリップルが発生、重畳されたトルクを合成す
るとき、それぞれの電動機部が発生するコギングトルク
および脈動トルクが、互いに相殺するように、該それぞ
れの前記電動機部の固定子の位置をある所定角だけずら
しておくようにする。
【００１３】このようにそれぞれの前記固定子の位置を
所定角だけずらして、それぞれの電動機部のトルクを合
成すれば、該合成されたトルクは、前記コギングトルク
および脈動トルクが相殺されて、該トルクリップルがな
いか、極めて少ない合成トルクが得られる。このため、
前記多段高出力用永久磁石形電動機から出力される合成
トルクには、「むら」が発生しないか、「むら」が極め
て少なくなる。
所定角だけずらして、それぞれの電動機部のトルクを合
成すれば、該合成されたトルクは、前記コギングトルク
および脈動トルクが相殺されて、該トルクリップルがな
いか、極めて少ない合成トルクが得られる。このため、
前記多段高出力用永久磁石形電動機から出力される合成
トルクには、「むら」が発生しないか、「むら」が極め
て少なくなる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図１は、本
発明の多段高出力用永久磁石形電動機の一実施の形態を
示す主要部の断面図、図２は、図１の上半部分の拡大
図、図３は、図１のIII-III線による回転子の側面図で
ある。
適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図１は、本
発明の多段高出力用永久磁石形電動機の一実施の形態を
示す主要部の断面図、図２は、図１の上半部分の拡大
図、図３は、図１のIII-III線による回転子の側面図で
ある。
【００１５】図１および図２において、多段高出力用永
久磁石形電動機１は、一般にｎ個（ｎは、２以上の整
数）であるが、本実施の形態では、ｎ＝３個の軸方向空
隙形電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃからなる場合について説
明する。
久磁石形電動機１は、一般にｎ個（ｎは、２以上の整
数）であるが、本実施の形態では、ｎ＝３個の軸方向空
隙形電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃからなる場合について説
明する。
【００１６】前記多段高出力用永久磁石形電動機１の軸
方向空隙形電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃのそれぞれは、断
面形状が長方形状で環状に形成され２個の固定子鉄心
５，５で、その軸方向の側面に、半径方向に延び、周方
向に並ぶＺ個の溝数６，６を有し、該溝６，６内に巻線
７，７が巻装される２個の固定子部４ａ，４ｂが、互い
に前記溝６，６側を対向させて、その間に後記回転子１
１を回動自在に配設するように配設された固定子３と、
複数対、本実施の形態では、それぞれ４対（８個）の永
久磁石が、電磁鋼板からなる回転子鉄心１３の軸方向の
前後側に、周方向起磁力形に配置され、例えば接着材に
より前記回転子鉄心１３に固着された回転子１１とから
なる。
方向空隙形電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃのそれぞれは、断
面形状が長方形状で環状に形成され２個の固定子鉄心
５，５で、その軸方向の側面に、半径方向に延び、周方
向に並ぶＺ個の溝数６，６を有し、該溝６，６内に巻線
７，７が巻装される２個の固定子部４ａ，４ｂが、互い
に前記溝６，６側を対向させて、その間に後記回転子１
１を回動自在に配設するように配設された固定子３と、
複数対、本実施の形態では、それぞれ４対（８個）の永
久磁石が、電磁鋼板からなる回転子鉄心１３の軸方向の
前後側に、周方向起磁力形に配置され、例えば接着材に
より前記回転子鉄心１３に固着された回転子１１とから
なる。
【００１７】前記回転子１１の前記回転子鉄心１３に配
設される、それぞれ４対（８個）の永久磁石１２は、扇
形状で、回転子鉄心１３の軸方向の前後側に、極性が同
極方向に正確に重なり合うように、固着されるととも
に、周方向に交互に異極になるように配置されている。
また、前記回転子１１の前記回転子鉄心１３と回転軸１
４との間の回転子ヨーク１５は、この部分の渦流損失を
防止するため、非磁性体で形成されている。そして、前
記永久磁石１２が前後に固着された前記回転子鉄心１３
は、前記溝６，６側を対向して配設された前記２個の固
定子部４ａ，４ｂの間に、僅かな空隙１６を介して、配
設されている。
設される、それぞれ４対（８個）の永久磁石１２は、扇
形状で、回転子鉄心１３の軸方向の前後側に、極性が同
極方向に正確に重なり合うように、固着されるととも
に、周方向に交互に異極になるように配置されている。
また、前記回転子１１の前記回転子鉄心１３と回転軸１
４との間の回転子ヨーク１５は、この部分の渦流損失を
防止するため、非磁性体で形成されている。そして、前
記永久磁石１２が前後に固着された前記回転子鉄心１３
は、前記溝６，６側を対向して配設された前記２個の固
定子部４ａ，４ｂの間に、僅かな空隙１６を介して、配
設されている。
【００１８】前述のように形成された前記軸方向空隙形
電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃが、ｎ＝３個、軸方向（回転
軸１４の方向）に並べて配設されるとともに、それぞれ
の回転子１１，１１を、前記回転子鉄心１３に固着され
た前記永久磁石１２の軸方向の位置関係を同一にしなが
ら、共通の回転軸１４上に配設、固着して、図示しない
軸受を介して回動自在に、図示しないフレームととも
に、ひとつのハウジング１０内に収容される。
電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃが、ｎ＝３個、軸方向（回転
軸１４の方向）に並べて配設されるとともに、それぞれ
の回転子１１，１１を、前記回転子鉄心１３に固着され
た前記永久磁石１２の軸方向の位置関係を同一にしなが
ら、共通の回転軸１４上に配設、固着して、図示しない
軸受を介して回動自在に、図示しないフレームととも
に、ひとつのハウジング１０内に収容される。
【００１９】次いで、前記３個の前記軸方向空隙形電動
機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃを３段、直列に配設し、その共通
出力軸１４から出力される合成トルク中に、コギングト
ルクおよび脈動トルクをなくするためには、前記３個の
前記電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃのうち、あるひとつの電
動機部、例えば第１の電動機部２Ａの固定子３Ａの位置
を基準にして、第２，第３の電動機部２Ｂ，２Ｃの固定
子３，３を、固定子３Ｂ，固定子３Ｃとすると、該固定
子３Ｂ，固定子３Ｃのそれぞれの取付位置を、順次、下
記の所定角、 θ2＝（３６０゜÷Ｚ÷３）×（２−１）度、 θ3＝（３６０゜÷Ｚ÷３）×（３−１）度 ずつずらせて取り付ければよい。
機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃを３段、直列に配設し、その共通
出力軸１４から出力される合成トルク中に、コギングト
ルクおよび脈動トルクをなくするためには、前記３個の
前記電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃのうち、あるひとつの電
動機部、例えば第１の電動機部２Ａの固定子３Ａの位置
を基準にして、第２，第３の電動機部２Ｂ，２Ｃの固定
子３，３を、固定子３Ｂ，固定子３Ｃとすると、該固定
子３Ｂ，固定子３Ｃのそれぞれの取付位置を、順次、下
記の所定角、 θ2＝（３６０゜÷Ｚ÷３）×（２−１）度、 θ3＝（３６０゜÷Ｚ÷３）×（３−１）度 ずつずらせて取り付ければよい。
【００２０】このようにそれぞれの前記３個の電動機部
２Ａ，２Ｂ，２Ｃの固定子３Ａ，３Ｂ，３Ｃの位置を前
記それぞれの所定角だけずらしておき、前記固定子巻線
の全てに電流を流して回転磁界を発生させて、前記回転
子を回転させ、それぞれの電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃの
トルクを合成すれば、該合成されたトルクは、前記コギ
ングトルクおよび脈動トルクが相殺されて、トルクリッ
プルがないか、トルクリップルが極めて少ない合成トル
クが得られる。
２Ａ，２Ｂ，２Ｃの固定子３Ａ，３Ｂ，３Ｃの位置を前
記それぞれの所定角だけずらしておき、前記固定子巻線
の全てに電流を流して回転磁界を発生させて、前記回転
子を回転させ、それぞれの電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃの
トルクを合成すれば、該合成されたトルクは、前記コギ
ングトルクおよび脈動トルクが相殺されて、トルクリッ
プルがないか、トルクリップルが極めて少ない合成トル
クが得られる。
【００２１】本実施の形態では、ｎ＝３個の軸方向空隙
形電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃからなる場合について説明
したが、前記ｎが、２以上で、３以外の整数の場合で
も、同様である。前記固定子３Ｂ，３Ｃ，‥‥のそれぞ
れの所定角については、複数ｎが一般の式に準じて行え
ばよい。この場合、前記固定子をずらさずに、前記回転
子の方をずらすこともできるが、該回転子をずらすと前
記固定子に流す電流の位相をずらす必要があって、かえ
って該電流を供給する回路が複雑になってしまう。
形電動機部２Ａ，２Ｂ，２Ｃからなる場合について説明
したが、前記ｎが、２以上で、３以外の整数の場合で
も、同様である。前記固定子３Ｂ，３Ｃ，‥‥のそれぞ
れの所定角については、複数ｎが一般の式に準じて行え
ばよい。この場合、前記固定子をずらさずに、前記回転
子の方をずらすこともできるが、該回転子をずらすと前
記固定子に流す電流の位相をずらす必要があって、かえ
って該電流を供給する回路が複雑になってしまう。
【００２２】なお、前記それぞれ電動機部２Ａ，２Ｂ，
２Ｃの前記固定子３Ａ，３Ｂ，３Ｃの所定角の設定につ
いては、前記固定子のそれぞれについて、ユニット化し
ておいて、順次組み立てればよく、前記固定子のそれぞ
れの間における、磁気的干渉を防止するため、前記固定
子のそれぞれの間に、空隙を設けておくか、または非磁
性材板１７を配置しておくことが好ましい。
２Ｃの前記固定子３Ａ，３Ｂ，３Ｃの所定角の設定につ
いては、前記固定子のそれぞれについて、ユニット化し
ておいて、順次組み立てればよく、前記固定子のそれぞ
れの間における、磁気的干渉を防止するため、前記固定
子のそれぞれの間に、空隙を設けておくか、または非磁
性材板１７を配置しておくことが好ましい。
【００２３】なお、本発明の技術は前記実施の形態にお
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は
前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能であ
る。
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は
前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能であ
る。
【００２４】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
多段高出力用永久磁石形電動機によれば、溝を有し、該
溝内に巻線が巻装される固定子と、複数対の永久磁石が
周方向起磁力形に配置される回転子とからなる軸方向空
隙形電動機部であって、ｎ個（ｎは、２以上の整数）の
前記電動機部が、軸方向に並べて配設されるとともに、
それぞれの出力軸を共通にして、ひとつのハウジング内
に収容され、かつ、あるひとつの第１の前記電動機部の
固定子の位置を基準にして、第２，第３，‥‥‥第ｎの
電動機部の固定子のそれぞれの取付位置を、順次、それ
ぞれの所定角だけずつ、ずらせて取り付けるので、複数
の前記軸方向空隙形電動機部を軸方向に多段に配設し、
その共通出力軸から出力される合成トルク中に、コギン
グトルクおよび脈動トルクをなくするとともに、前記合
成トルクに「むら」をなくすか、または極めて少なくす
ることができるという優れた効果を奏する。
多段高出力用永久磁石形電動機によれば、溝を有し、該
溝内に巻線が巻装される固定子と、複数対の永久磁石が
周方向起磁力形に配置される回転子とからなる軸方向空
隙形電動機部であって、ｎ個（ｎは、２以上の整数）の
前記電動機部が、軸方向に並べて配設されるとともに、
それぞれの出力軸を共通にして、ひとつのハウジング内
に収容され、かつ、あるひとつの第１の前記電動機部の
固定子の位置を基準にして、第２，第３，‥‥‥第ｎの
電動機部の固定子のそれぞれの取付位置を、順次、それ
ぞれの所定角だけずつ、ずらせて取り付けるので、複数
の前記軸方向空隙形電動機部を軸方向に多段に配設し、
その共通出力軸から出力される合成トルク中に、コギン
グトルクおよび脈動トルクをなくするとともに、前記合
成トルクに「むら」をなくすか、または極めて少なくす
ることができるという優れた効果を奏する。
【図１】本発明の多段高出力用永久磁石形電動機の一実
施の形態を示す主要部の断面図である。
施の形態を示す主要部の断面図である。
【図２】図１の上半部分の拡大図である。
【図３】図１のIII-III線による回転子の側面図であ
る。
る。
１ 多段高出力用永久磁石形電動機 ２Ａ 第１の電動機部（軸方向空隙形電動機部） ２Ｂ 第２の電動機部（軸方向空隙形電動機部） ２Ｃ 第３の電動機部（軸方向空隙形電動機部） ３ 固定子 ３Ａ 第１の電動機部２Ａの固定子 ３Ｂ 第２の電動機部２Ｂの固定子 ３Ｃ 第３の電動機部２Ｃの固定子 ５ 固定子鉄心 ６ 溝 ７ 巻線 １０ ハウジング １１ 回転子 １２ 永久磁石 １３ 回転子鉄心 １４ 回転軸 １５ 回転子ヨーク １６ 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 康雄 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社汎用機・特車事業本部内 Ｆターム(参考） 5H621 AA02 GA05 GA15 GA16 HH01 JK02 5H622 AA02 CA02 CA03 CA06 CA10 CB01 PP07
Claims (3)
- 【請求項１】 Ｚ個の溝数を有し、該溝内に巻線が巻装
される固定子と、複数対の永久磁石が周方向起磁力形に
配置される回転子とからなる軸方向空隙形電動機部であ
って、 ｎ個（ｎは、２以上の整数）の前記電動機部が、同一軸
方向に並べて配設されるとともに、それぞれの回転子の
出力軸を共通にして、ひとつのハウジング内に収容さ
れ、かつ、あるひとつの第１の前記電動機部の固定子の
位置を基準にして、第２，第３，‥‥‥第ｎの前記電動
機部の固定子のそれぞれの取付位置の角度が、順次、 θn＝（３６０゜÷Ｚ÷ｎ）×（ｎ−１） （度） （ただし、θnは、第ｎの電動機部の固定子の取付位置
を示す） ずつずらせて取り付けられることを特徴とする多段高出
力用永久磁石形電動機。 - 【請求項２】 前記軸方向空隙形電動機部の個数ｎが、
３であることを特徴とする請求項１に記載の多段高出力
用永久磁石形電動機。 - 【請求項３】 前記回転子に配設される永久磁石が、扇
形状で、それぞれ４対（８個）が、回転子鉄心の軸方向
の前後に同極方向に重ね合わせるように固着されるとと
もに、周方向に交互に異極になるように配置され、かつ
該永久磁石の軸方向の位置関係は、他の回転子の前記永
久磁石の位置と同一であることを特徴とする請求項１ま
たは請求項２に記載の多段高出力用永久磁石形電動機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000346271A JP2002153028A (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 多段高出力用永久磁石形電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000346271A JP2002153028A (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 多段高出力用永久磁石形電動機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002153028A true JP2002153028A (ja) | 2002-05-24 |
Family
ID=18820174
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000346271A Withdrawn JP2002153028A (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 多段高出力用永久磁石形電動機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002153028A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005094955A (ja) * | 2003-09-18 | 2005-04-07 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | アキシャル型永久磁石モータ |
| JP2007143358A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Fjc:Kk | 多頭発電機 |
| JP2008043053A (ja) * | 2006-08-07 | 2008-02-21 | Kayaba Ind Co Ltd | 軸方向空隙型電動機 |
| JP2008048498A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Kayaba Ind Co Ltd | 軸方向空隙型電動機 |
| JP2008048499A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Kayaba Ind Co Ltd | 軸方向空隙型電動機 |
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| CN107508443A (zh) * | 2017-10-23 | 2017-12-22 | 史立伟 | 一种高铁车门驱动电机 |
-
2000
- 2000-11-14 JP JP2000346271A patent/JP2002153028A/ja not_active Withdrawn
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| CN107508443B (zh) * | 2017-10-23 | 2019-11-05 | 江苏锡沂高新区科技发展有限公司 | 一种高铁车门驱动电机 |
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|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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