JP2008273647A - 転写具 - Google Patents

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Abstract


【課題】基材のテンションを使用開始から完了まで一定にする場合、使用者が意識的に調整する必要がある点、構造的に大がかりとなる点、変動的要因によって安定して一定状態に維持できない点、を解消する。
【解決手段】送出軸部2と巻取軸部4との軸間距離を変更して駆動伝達手段の回転比を調整すべく、該送出軸部2と該巻取軸部4の、一方を他方に対して移動させる、又は、両方を互いに移動させる、調整機構5を備えることとした。
【効果】送出軸部と巻取軸部との軸間距離を変更して駆動伝達手段の回転比、すなわち駆動伝達手段そのものを最適に調整でき、よって、使い終わりに近づくにつれて基材のテンションが高くなることを確実に抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使用者が基材のテンションを意識的に調整する必要がなく、構造的に大がかりとならずに、使い始めから使い終わりまで、基材のテンションを一定に維持した状態で安定させることができる転写具に関する。
転写媒体を紙などの被転写体に転写する転写具は、筐体内に、送出軸部、巻取軸部、及び転写部を備えている。送出軸部は、転写媒体を塗布した基材をその回転により送り出し、巻取軸部は、被転写体に転写媒体を転写した後の基材をその回転により巻き取る。
これら巻取軸部と送出軸部は例えばギアで噛合しており、基材の送り出しによる送出軸部の回転に伴って巻取軸部も回転する。転写部は、筐体の一端部に形成した開口から突出した状態で設けている。転写部は、転写媒体を塗布した基材を送出軸部から送り出し、被転写体に転写媒体を転写し、その後、該基材を巻取軸部へ送る。
転写具は、送出軸部と巻取軸部との間の基材の張力(以下、基材についての張力を「テンション」という)が、高過ぎても低過ぎても不具合が生じる。すなわち、テンションが低過ぎると、基材が弛み、巻取軸部で上手く巻き取れなかったり、送出軸部から基材が適切に送り出されないことがある。
一方、テンションが高過ぎると、基材の送り出し又は巻き取りの操作(以下、「走行」という)に、筐体を被転写体に強く押しつけてその状態で大きな力で該被転写体上を移動させなければ上手く使用できず、基材が破断する恐れがある。
そこで、この種の転写具では、使い終わりに近づくにつれて基材のテンションが高くなって最悪には破断することを防止すべく、通常、送出軸部においては、ギアなどの駆動部分の軸と、基材の巻装部分の軸とが、適度に滑る構造となっている。ここで言う滑る構造とは、駆動部分と巻装部分の軸が一体ではないという意味である。
一方、通常、転写具は、ギアなどの駆動部分の軸と、基材の巻装部分の軸とが無駄に滑ってテンションが低くならないように、送出軸部の送出回転に負荷(以下、これを「ブレーキ力」という)を与える構造となっている。
そして、上記構造とすると共にさらに、使い始めから使い終わりまで使用可能なテンションを維持できるように、予め送出軸部から巻取軸部への駆動伝達がギアの噛合による場合はギア比(以下、「回転比」という)を設定している。ところが、このブレーキ力や回転比は、転写具の使い始めから使い終わりに亘って常に一定であると、以下の不具合が生じることが知られている。
転写具の使い始めは、送出軸部の基材の巻き径(以下、「巻装外径」という)が大きく、巻取軸部の巻装外径が小さく、かつ一定のブレーキ力が付与されると共に、回転比がこの状態において走行が重くも軽くもない最適な設定とされているので、走行が滑らかである。
ところが、転写具の使い終わりに近づくと、使い始め時の一定のブレーキ力及び回転比のまま、送出軸部の基材の巻装径が小さく、巻取軸部の巻装外径が大きくなるから、送出軸部の回転により該送出軸部の巻装外径に応じた基材の送り出し量よりも、送出軸部の駆動伝達によって回転する巻取軸部の該回転により巻き取る量が、該巻取軸部の巻装外径に応じて大きく上回り、送出軸部の回転による基材の送り出しが追いつかず、結果的に、基材のテンションが高くなり、走行がしだいに重くなってくる。
そこで、従来、上記使い終わりに向かって基材のテンションが高くなって走行が重くなり、使用感が悪化することを抑制する構成を具備した、例えば以下の特許文献1〜3が知られている。
特開平9−71097号公報 特表2003/022600号公報 特開平6−127774号公報
特許文献1は、次の構成とされている。供給ギアの上面に、該ギアの軸芯方向に対向した断面L字形状とした供給リールカラー(送出軸部)を設けている。この供給リールカラーの断面L字形状と供給ギアの軸芯との間隙に、該ギアの軸芯を中心とするスプリングを巻装している。
供給ギアの軸芯には、供給ギアにおいてスプリングの当接する側とは反対側に当接し、該供給ギアの軸芯に沿って摺動する押え板を装嵌している。更に、供給ギアの軸芯の上部内側には、雌ねじを形成している。そして、この雌ねじには可変ボタンを螺入している。
特許文献1は、使用者が適宜任意に可変ボタンを供給ギアの軸芯に対して螺入出させて、基材のテンションを調整する。すなわち使用者は、使い終わりに近づいて走行が重く感じた際に、可変ボタンを操作して、押え板と供給ギアの対向面間の間隙距離を拡げ、それまで付与されていたブレーキ力を低下させる。
特許文献2は、次の構成とされている。基材の送出動作に伴って回転する送出軸部又は送出駆動ギアの回転軸方向に延出した部分には進退部が形成されている。この進退部と同軸状に、送出軸の回転に伴って該送出軸の軸方向に進退移動する可動板が設けられている。この可動板から送出駆動ギアの面に至る軸方向の空間に、該空間を軸方向に拡大するように付勢するばねを設けている。
特許文献2は、使用に伴って、しだいに基材の送出動作の送出軸部及び送出駆動ギアの回転に相対して、可動板が該可動板から送出駆動ギアの面に至る空間を軸方向に拡大するよう螺退出する。このときに、ばねの付勢力がしだいに低下し、ブレーキ力も低下する。
特許文献3は、送出側のプーリと巻取側のプーリとの間に無端状のベルト架けて連動回転させ、このベルトに対して進退移動することで該ベルトの張力を変更して適切なスリップを生じさせるトルク変更機構を備えた構成とされている。
特許文献3は、基材が送り出されて送出軸部の巻き径が小さくなるにつれてトルク変更機構がベルトの張力を調整して(弱めて)、ベルトとプーリの間で適切な滑り(スリップ)を生じさせるようにしている。
しかしながら、特許文献1の構造では、基材のテンションを変動することができるが、可変ボタンの操作を使用者が適宜行う必要があり、そのような操作を使用者に強いることで利便性が低下する。また、使用者は使用量と基材のテンションの関係を特別意識していないので、実際に基材のテンションを一定に維持することは極めて困難である。
特許文献2の構造では、使用上の大きな問題はないが、構成上、中間ギアを要するために、また、可動板の移動空間を設ける必要があるために、それらの分だけ転写具全体が大型化する、あるいは小型化できないといった不具合が内在していた。
特許文献3の構造では、トルク変更機構が、プーリ間に架けたベルトの張力を調整するものであるから、ベルトが使用の状態、環境、などによって劣化したり、劣化に伴って張力が変動したり、することで狙い通りの効果を維持することができなかった。
また、特許文献3の構造では、基本的に、巻取軸部側と送出軸部側のプーリの回転速度の相違を、ベルトによるスリップで緩和するものであるが、上記したように、ベルトの劣化によって効果が一定ではないと共に、スリップが生じないときには走行が重くなるといったように、必ずしも効果を安定的に発現させることができないといった問題があった。
本発明が解決しようとする問題点は、特許文献1では使用者がテンションを意識的に調整する必要がある点、特許文献2では構造的に大がかりとなる点、特許文献3ではベルトの径時変化やスリップという変動的要因により必ずしも使い始めから使い終わりまで、基材のテンションを一定に維持した状態で安定させることができない点、である。
上記問題を解決するために、本発明の転写具は、送出軸部と巻取軸部との軸間距離を変更して駆動伝達手段の回転比を調整すべく、該送出軸部と該巻取軸部の、一方を他方に対して移動させる、又は、両方を互いに移動させる、調整機構を備えることとした。
本発明の転写具は、調整機構が、送出軸部と該巻取軸部の、一方を他方に対して移動させる、又は、両方を互いに移動させるから、該送出軸部と該巻取軸部との軸間距離を変更して駆動伝達手段の回転比、すなわち駆動伝達手段そのものを最適に調整でき、よって、使い終わりに近づくにつれて基材のテンションが高くなることを確実に抑制することができる。
例えば送出軸部に生じる送出動力を前記巻取軸部へ伝達する駆動伝達手段が、巻取軸部と送出軸部とに各々、例えば一方及び他方の部材が円盤状の部材とされ、一方の部材の周縁部が他方の部材の面に密接することで駆動伝達を行う構成とした場合、該送出軸部と該巻取軸部との軸間距離が狭くなると、次の作用が生じる。
基材の高くなるテンションにより送出軸部と巻取軸部との軸間距離が狭くなると、一方の部材の接触部位が、他方の部材の軸芯方向に移動して該他方の部材との接触の周軌跡が小さくなるから、この結果、回転比が無段階的に調整されることとなる。
したがって、本発明の転写具は、従来のギア比が固定された構成で生じていた課題、すなわち、巻取軸部の基材の巻装外径が大きくなる及び送出軸部の巻装外径が小さくなることで基材のテンションが高くなって走行が重くなる点を、駆動伝達手段の回転比を調整機構による送出軸部と巻取軸部との軸間距離を変更させて調整することで解決できる。
本発明は、図1〜図7に示す以下の形態により実施可能である。図1〜図3は本願の全ての発明を実施した第1形態を示す。図4及び図5は第2形態を示す。図6及び図7は第3形態を示す。なお、以下の説明では、本発明の基本となる主要構成については第1形態において説明し、第2及び第3形態では、該第1形態との相違構成のみについて説明する。また、各図においては、説明上、本発明で特に必要のない構成については図示を省略している。
(第1形態)
転写具1は、転写媒体(図示及び参照番号を省略)が塗布された基材Bを巻装した送出軸部2と、筐体Cから露出させて設けた転写部3と、該転写媒体を被転写体に転写した後の該基材Bを巻き取る巻取軸部4とを有し、さらに詳細には以下の構成とされている。
送出軸部2は、次の構成となっている。筐体Cに固定された軸Caには、外周面に転写媒体が塗布された基材Bが巻装されるコア2Aが枢支されている。コア2Aの一方端面には、本形態では例えば軸から外周に向かって下り勾配とされた傾斜面2bを有する傘状とされた駆動部材2Bが、該コア2Aに枢支されている。駆動部材2Bの軸芯には、筐体Cに枢支されるための軸部2aが形成されている。
巻取軸部4は、次の構成となっている。転写部3にて被転写体に転写媒体を転写した後の基材Bを巻き取るコア4Aは、その一方端面に、本形態では駆動部材2Bの傘状の傾斜面2bの高さを考慮した空間を介して、その外周部におけるコア4Aの他方端面を駆動部材2Bの面上に密接させる伝達部材4Bが、該コア4Aと一体的に設けられている。
第1形態においては、上記した駆動部材2Bと伝達部材4Bとにより駆動伝達手段が構成される。これら駆動部材2Bと伝達部材4Bにおける駆動伝達手法と、回転比の調整手法とについては、後に詳述する。
伝達部材4Bの一方端面の軸芯には、本形態では軸体4aが一体的に設けられている。この軸体4aの一方端面には、係止部4bが形成されている。軸体4aにおける、伝達部材4Bの一方端面と係止部4bの他方端面の間には、該伝達部材4Bを常にコア4Aの他方端面側へ付勢するばね4Cを介在させている。係止部4bは長円部と真円部とからなり、該長円部がその水平部を筐体Cの内壁面に形成された、不図示の巻取軸部4−送出軸部2方向の溝に案内自在に嵌っている。
このように、駆動部材2Bを傾斜面2bを有した傘状とする、伝達部材4Bにばね4Cを設ける、の一方又は両方を具備することで、駆動部材2Bからの駆動力がロスなく伝達部材4Bに伝達することができる。つまり、本願では、駆動部材2Bと伝達部材4Bとにおける駆動伝達のロス(つまりスリップ)に依存した構成ではなく、回転比を調整することによって基材のテンションを一定に維持することを目的としているから、該駆動部材2Bと伝達部材4Bとのスリップは常にできる限り抑制される方が望ましい。
一方、コア4Aの他方端面側の軸芯には、軸部4cが形成されている。この軸部4cは、後述する調整機構5のガイド5Aに後述のラチェット機構4Dの枢支体4eを介して枢支されている。また、コア4Aの他方端面の周縁部には、歯4dが形成されている。
さらに、コア4Aの他方端面側には、本形態ではラチェット機構4Dが設けられている。このラチェット機構4Dは、側面視T字状の枢支体4eと、コア4Aの他方端面の周縁部に形成された歯4dとにより構成されている。
本発明は、巻取軸部4の回転数が一方的に多くならないよう、一定に維持することに特徴があり、ラチェット機構4Dも実質的にテンションを高める要因のひとつでもあるので、ラチェット機構4Dを巻取軸部4側に設けることにより、ギア比が固定された従来の転写具と比較して、テンションを高める要因を減らすことが可能となる。
枢支体4eは、側面視T字状の垂直部における、軸芯に前記軸部4cを挿入する孔が形成されている。軸部4cは、前記孔に枢支されるだけで、該孔(枢支体4e)に対しては空転する。また、枢支体4eは、その外周部が後述する調整機構5のガイド5Aに嵌合している。
枢支体4eの、側面視T字状の水平部における、コア4Aの一方端面側には歯4dと係合してコア4Aの一方回転のみを許容し、他方回転を禁止する爪4fが形成されている。このラチェット機構4Dにより、巻取軸部4が不要に逆回転することを抑制し、よって基材Bが弛みに起因した走行上のトラブルの発生を抑制することができる。
コア4Aの他方端側には、さらに、上記ラチェット機構4Dを介して調整機構5が設けられている。この調整機構5は、筐体C内面に固定されると共に、伝達部材4Bと共に回転する該巻取軸部4によって巻き取られた基材Bの巻装外径が大きくなるにつれて該巻取軸部4を送出軸部2側へ移動させる。
調整機構5は、本形態では例えば巻取軸部4−送出軸部2方向に長尺状の板部材とされた基板5aが、筐体Cの内面に固定的に設けられている。この基板5aには、前記したように巻取軸部4のコア4Aにおける軸部4cを(ラチェット機構4Dの枢支体4eを介して)巻取軸部4−送出軸部2方向に案内する長円状のガイド5Aが形成されている。
基板5aにおける、本形態では例えば転写部3側の端部には、当接部としてのローラ5Bが枢支されている。このローラ5Bは、巻取軸部4に巻き取られた基材Bの巻装外周に当接している。
上記構成の転写具1は、次のように動作する。図1に示すように、使い始め持の場合、巻取軸部4の基材Bの巻装外径は小さく、送出軸部2の(転写媒体が塗布された)基材Bの巻装外径は大きい。
そして、巻取軸部4の伝達部材4Bは、本形態の場合、ばね4Cにより調整機構5側に付勢されることにより、駆動部材2Bの傾斜面2bを下った部位、つまり駆動部材2Bの外周部に密着している。
この傾斜面2bとばね4Cの作用により、伝達部材4Bを介したコア4Aの軸部4cは、調整機構5のガイド5Aにおいて転写部3側に位置する。このとき、ローラ5Bは巻取軸部4の基材Bの(コア4Aに取り付けた巻装開始端部の)巻装外周、又はコア4Aの外周面に当接している。
図1の使い始め持の状態から、図2に示す、使い終わりに近づくにつれて次の状態となる。転写具1は、使い続けるとしだいに巻取軸部4の基材Bの巻装外径は大きく、送出軸部2の(転写媒体が塗布された)基材Bの巻装外径は小さくなる。
前記巻取軸部4の基材Bの巻装外径が大きくなるにつれて、ローラ5Bは巻取軸部4の基材Bの巻装外周面に当接し、基板5aは筐体Cに固定されているから、相対的にコア4Aの軸部4cはガイド5Aに案内されつつ送出軸部2側へ移動する。
このとき、(コア4Aと共に送出軸部2側へ移動する)伝達部材4Bは、ばね4Cの上記付勢に抗して駆動部材2Bの傾斜面2bを上り、しだいに送出軸部2の基材Bの巻装内周部(軸芯方向)に移動する。
つまり、巻取軸部4の基材Bの巻装外径が大きくなるにつれて、巻取軸部4(コア4A)が、送出軸部2側へ移動して両者の軸間距離が狭くなり、伝達部材4Bが駆動部材2Bの軸芯方向に移動することで、駆動部材2Bと伝達部材4Bの回転比が小さくなる。この結果、相対的に巻取軸部4の回転速度が遅くなり、送出軸部2の回転によるコア2Aの巻装外径に応じた基材Bの送り出し量と、巻取軸部4の回転によるコア4Aの巻装外径に応じた巻き取る量とのバランスが保たれ、基材Bのテンションは一定に維持される。
このように、固定径のギアを噛合させた構成であれば、巻取軸部の基材の巻装外径が大きくなる(送出軸部の巻装外径が小さくなる)ことで基材のテンションが高くなって走行が重くなるところ、本発明の転写具1は、伝達部材4Bと駆動部材2Bの回転比を無段階的に異ならせてコア4Aの巻装外径に応じた基材Bの巻き取り量が一方的に多くならないよう、具体的には該伝達部材4Bの回転数(速度)が一方的に多く(速く)ならないよう、一定に維持するから、使い始めから使い終わりまでの走行の使用感が一定となる。
(第2形態)
図4及び図5に示す第2形態は、次の点が第1形態と異なる。駆動部材2Bは、傾斜面2bの勾配が第1形態より小さくされ、かつ2枚用いて傾斜面2b,2bを対向させて設けている。そして、駆動部材2B,2B間に、伝達部材4Bが挿入されている。伝達部材4Bは、駆動部材2B,2Bの間に挿入されることから、その外周縁部の表裏面に各々凸状部分が形成され、傾斜面2b,2bに密着するようにしている。
また、伝達部材4Bの外周縁部が表裏面共に傾斜面2b,2bに均等に密着するように、第1形態で巻取軸部4側に設けたばね4Cを省略して、傾斜面2b,2bの対向外側における送出軸部2の軸部2aの一方端面にばね2Cを設けると共に、このばね2Cの抜け止めのための係止部2cを設けている。
このばね2Cは、平時に傾斜面2b,2bの対向間隔を狭くする方向に付勢するが、伝達部材4Bの外周縁部が駆動部材2Bの軸芯に近づくにつれて、回転の負荷とならず、かつ駆動伝達を確実にする一定の密着度合いを維持すべく、前記対向間隔を広くする程度の付勢力とされている。
このように構成された第2形態の転写具1は、図5(a)に示す使い始めの状態から、図5(b)に示す使い終わりの状態に近づくと、第1形態同様、巻取軸部4が送出軸部2側に移動して軸間距離が狭くなる。
このとき、伝達部材4Bの外周縁部が駆動部材2B,2B間の傾斜面2b,2b間を軸芯に向かって移動するが、第2形態では、該伝達部材4Bの外周縁部が表裏面共に傾斜面2b,2bに均等に密着するので、駆動力の伝達と前記移動がスムーズになる。もちろん、第1形態と同様の作用効果を得ることもできる。
(第3形態)
図6及び図7に示す第3形態は、次の点が第1形態とは異なる。第3形態における転写具1は、巻取軸部4において軸部4cが筐体Cに設けられており、巻取軸部4が固定され、送出軸部2が移動する点、及び送出軸部2の軸部2aには第1形態における係止部4bと同形状の係止部2cを設けていると共に巻取軸部4の軸体4aには第2形態における係止部2cと同形状の係止部4bを設けている点、が第1形態とは異なる。
そして、調整機構5の基板5aは送出軸部2まで達し、この基板5a上に軸Caが設けられている。そして、基板5aは筐体Cの内面に形成されたレールRに嵌っており、送出軸部2を配した基板5aが、このレールRに沿って移動する。また、係止部2c(の長円部)が、筐体Cの内壁面に形成された、不図示の送出軸部2−巻取軸部4方向の溝に嵌っており、基板5aの移動と共に、この溝に沿って移動する。
このように構成された第3形態の転写具1は、図7(a)に示す使い始めの状態から、図7(b)に示す使い終わりの状態に近づくと、基板5aにおける送出軸部2を載置した側とは反対の端部に配置されたローラ5Bが、送出軸部2の軸芯から離れる方向、すなわち本形態では転写部3側に移動することになる。
基板5aは、ローラ5Bの移動に伴ってレールRに沿って移動するから、送出軸部2も同様に固定配置された巻取軸部4に近づく方向に移動し、この結果、第1形態と同様の作用効果を得ることができる。もちろん、この第3形態に第2形態の駆動部材2Bと伝達部材4Bの構成を採用しても構わない。
以上のように、本発明の転写具1は、使用により巻取軸部4における基材Bの巻装外径が大きくなるにつれて、調整機構5により送出軸部2と巻取軸部4の軸間距離が狭くするから、使用者は、基材Bのテンションを意識して、操作を行う必要もない。
さらに、動力伝達の駆動系として設けている部材としては、駆動部材2Bと伝達部材4Bだけであり、固定径のギアを増加させているわけではないので筐体Cを大型化することもない。また、伝達部材4Bと駆動部材2Bの動力伝達においては基材Bのテンションを緩和するためのスリップについて、ギア比を固定させた従来の転写具と比較して著しく減少させているから、不安定に変動する要素もない。
(変形例)
上記第1〜第3形態では、調整機構5により、送出軸部2、巻取軸部4の一方が他方に対して移動して、使い終わりに近づくにつれてしだいに軸間を狭くして回転比を調整するする構成としていたが、送出軸部2、巻取軸部4の双方を軸間を狭くするように移動させる構成としても構わない。
また、第1〜第3形態では、調整機構5の構成には、いずれも巻取軸部4に巻き取られた基材Bの巻装外周に当接するローラ5Bを備えているが、このローラ5Bを省略することも可能である。
すなわち、本発明の転写具1は、巻取軸部4における基材Bの巻装外径が大きくなれば、その分だけ該巻取軸部4と送出軸部2が互いの軸間距離を狭くするように移動する構成であるが、この巻取軸部4と送出軸部2との相対移動に関しては、基材Bの巻装外径によってだけでなく、例えば使い終わりに近づくにつれて高くなる基材のテンションによっても移動させ得ることができる。
より具体的には、次のとおりである。使い終わりに近づくにつれて基材Bのテンションは高くなる。基材Bのテンションが高くなると、その応力が巻取軸部4と送出軸部2とを互いに引き寄せようとする方向に作用するから、結果的に、使い終わりに近づくにつれて高くなる基材Bのテンションにより、巻取軸部4、送出軸部2、の一方又は両方を、軸間を狭くする方向に移動させることができる。したがって調整機構5からローラ5Bを省略してもよいのである。
また、第1及び第2形態の変形例として、次のような構成としてもよい。調整機構5は、基板5a上に、ガイド5Aとローラ5Bとを設ける構成としていた。このようにすることで、ローラ5Bにより巻取軸部4に巻装された基材Bとの当接が滑らかになり、負荷となることが抑制される。
この調整機構5の構成に代えて、例えばガイド5Aを筐体Cの内面に巻取軸部4−送出軸部2方向に長い溝を形成し、また、当接部を該筐体Cの内面から突出させた例えばピン(棒状体)に形成する、構成としてもよい。このようにすれば、全体構成はより簡略化される。
また、上記形態では、駆動部材2Bに傾斜面2bを有する、駆動部材2Bと伝達部材4Bとを密着させるばね4Cやばね2Cを設ける、構成の両方を具備する構成としていた。このようにすることで、駆動部材2Bと伝達部材4Bとの密着度が向上し、かつその使用時点における巻取軸部4の不要な移動を抑止できるが、これら構成に代えて、次のように構成してもよい。
まず、傾斜面2b、ばね4C(2C)の一方をした場合は、駆動部材2Bの傾斜面2bによって、又はばね4C,2Cの付勢によって、駆動部材2Bと伝達部材4Bとの密着度と使用時点における巻取軸部4の不要な移動の抑止は実用上問題ない程度で達成される。
ばね4C(2C)のみを設けている場合は、ばね4C(2C)が駆動部材2Bと伝達部材4Bとの実用上問題ない程度まで密着度を高くでき、また、この高密着度と、調整機構5における当接部(ローラ5B)と巻取軸部4の基材Bの巻装外周との当接により該巻取軸部4の不要な移動を実用上問題ない程度まで抑止できる。
一方、傾斜面2bのみを設けている場合は、駆動部材2Bの傘状の斜面と、調整機構5における当接部(ローラ5B)と巻取軸部4の基材Bの巻装外周との当接と、により、実用上問題ない程度まで、駆動部材2Bと伝達部材4Bとの密着度を高くできると共に、該巻取軸部4の不要な移動を抑止することができる。なお傾斜面2bは、伝達部材4B側に形成していても構わない。
そして、傾斜面2b、ばね4C(2C)を設けていない場合は、次のように構成すればよい。すなわち、少なくとも伝達部材4Bの外周縁部の駆動部材2B側の面にゴムなどの材料を設けておき、このゴムを弾性圧縮させた状態で巻取軸部4を軸方向に移動しないように、調整機構5上に設ける。
こうすることで、巻取軸部4は軸方向には移動せず、かつゴムが弾性復元しようとするから、実用上、問題ない程度で、常に駆動部材2Bと伝達部材4Bとを密着させることができると共に、巻取軸部4が送出軸部2方向に不要に移動することも抑止することができる。駆動部材2Bと伝達部材4Bとの密着は、回転の負荷とならない程度とすることは言うまでもない。
また、上記第1〜第3形態においては、巻取軸部4にラチェット機構4Dを設ける構成としていた。これにより、巻取軸部4の回転に伴う快適な使用感と、使用状態を使用者に伝えることができると共に、該巻取軸部4の逆転による基材Bの弛みを防止することができ、さらに安定した使用感となるが、ラチェット機構4Dを省略したとしても、走行の使用感を一定に維持する作用効果を得ることができることは言うまでもない。
本発明の第1形態の転写具の構成を示すと共に使い始め持の状態を示し、(a)は筐体を部分的に省略した状態の斜視図、(b)は(a)の平面方向から視た図である。 本発明の第1形態の転写具の構成を示すと共に使用途中持の、搬送状態にある転写媒体を塗布した基材及び基材を省略した状態を示し、(a)は筐体を部分的に省略した状態の斜視図、(b)は(a)の平面方向から視た図である。 本発明の第1形態の転写具の構成を示す、筐体の両側面、及び上面を部分的に省略した状態の斜視図である。 本発明の第2形態の転写具の構成を示し、(a)は筐体を部分的に省略した状態の分解斜視図、(b)は筐体を部分的に省略した状態の斜視図、である。 本発明の第2形態の転写具の構成を示し、(a)は使い始めの状態の図4(b)の平面方向から視た図、(b)は使い終わりの状態の図4(b)の平面方向から視た図、である。 本発明の第3形態の転写具の構成を示し、(a)は筐体を部分的に省略した状態の分解斜視図、(b)は(a)とは別方向から視た筐体を部分的に省略した状態の斜視図、である。 本発明の第3形態の転写具の構成を示し、(a)は使い始めの状態の図6(a)の平面方向から視た図、(b)は使い終わりの状態の図6(a)の平面方向から視た図、である。
符号の説明
1 転写具
2 送出軸部
2b 傾斜面
2A コア
2B 駆動部材
2C ばね
4 巻取軸部
4A コア
4B 伝達部材
4C ばね
4D ラチェット機構
5 調整機構
5A ガイド
5B ローラ
B 基材
C 筐体

Claims (5)

  1. 転写媒体が塗布された基材を巻装した送出軸部と、筐体から露出させて設けた転写部と、該転写媒体を被転写体に転写した後の該基材を巻き取る巻取軸部と、前記転写部によって前記送出軸部に生じる送出動力を前記巻取軸部へ伝達する駆動伝達手段とを有した転写具であって、前記送出軸部と前記巻取軸部との軸間距離を変更して前記駆動伝達手段の回転比を調整すべく、該送出軸部と該巻取軸部の、一方を他方に対して移動させる、又は、両方を互いに移動させる、調整機構を備えたことを特徴とする転写具。
  2. 調整機構は、送出軸部の巻装外径が小さくなると共に巻取軸部の巻装外径が大きくなるに伴って、前記送出軸部と前記巻取軸部との軸間距離を狭くすることを特徴とする請求項1記載の転写具。
  3. 駆動伝達手段は、送出軸部に設けられた駆動部材と、巻取軸部に設けられ、前記駆動部材にその外周が密接する伝達部材と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の転写具。
  4. 駆動部材に軸から外周に向かう傾斜面を形成する、駆動部材と伝達部材とを密着させるよう付勢するばねを設ける、の一方又は両方を具備したことを特徴とする請求項3記載の転写具。
  5. 巻取軸部にラチェット機構を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写具。
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