JP4261829B2 - 転写具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行を補助して快適に操作することができる転写具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば液状の修正液や液状の糊に代って、適量を容易に使用できる使い易さなどといった利点から、転写媒体を紙などの被転写体に転写する転写具が普及している。修正用の白色の転写媒体を使用する転写具は、被転写体の修正個所に転写媒体を転写して修正する。また、被転写体と貼着体とを貼着する粘着性を有する転写媒体を使用する転写具は、被転写体に転写した転写媒体に貼着体を貼着する。
【0003】
上記した転写具は、粘着性を呈した転写媒体、白色の転写媒体、が異なる他は両者ともにほぼ同様であり、次の構成である。筐体内には、送出軸部、巻取軸部、及び転写部を備えている。送出軸部は、転写媒体を塗布した長尺帯状の基材をその回転により送り出す。巻取軸部は、被転写体に転写媒体を転写した後の基材をその回転により巻き取る。
【0004】
これら巻取軸部と送出軸部は例えばギヤで噛合しており、基材の送り出しによる送出軸部の回転に伴って巻取軸部も回転する。転写部は、筐体の一端部に形成した開口から突出した状態で設けている。転写部は、転写媒体を塗布した基材を送出軸部から送り出し、被転写体に転写媒体を転写し、その後該基材を巻取軸部へ送る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の転写具は、使用時において送出軸部と巻取軸部との間の基材の張力(以下、テンションという)が、高過ぎても低過ぎても次の不具合が生じる。すなわち、走行時にテンションが低過ぎると、基材が弛み、送出軸部が巻取軸部に対して空転することがある。一方、テンションが高過ぎると、基材の送り出し又は巻き取りの操作(以下、「走行」という)に力を要し、ときには基材が破断することもある。
【0006】
そこで、通常、転写具は、少なくともテンションの過度な低下を抑制するために、送出軸部の送出回転に負荷(以下、これをブレーキ力という)を与えるようにしている。
【0007】
しかしながら、このブレーキ力は転写媒体の消費開始から消費終了に亘って常に一定であるため、消費開始時は送出軸部の巻き径が大きいので走行が滑らかであるが、消費終了時は送出軸部の巻き径がスタート時の送出軸部の巻き径に較べて小さいので、消費開始時の正常走行のテンションを基準とするとテンションが高くなり、走行が重く(操作させにくく)なるといった問題が生じる。
【0008】
このように消費開始時と消費終了時のテンションが変動することは、使用者にとって転写具の使用感が消費する度に次第に悪化していくことを意味する。つまり従来の転写具は、特に消費終了時に基材のテンションが高くなった際において、走行を(操作を)補助するようにはなっていなかったのである。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、消費開始時、終了時に拘わらず快適に操作することができる転写具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の転写具は、送出軸部又は巻取軸部に、トルク調整用のギヤ列を介して該送出軸部又は該巻取軸部を回転させる動力部を取り付けたのである。このようにすることで、消費終了時に向けてテンションが高くなった場合においても使用感の悪化が防止されると共に利便性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の転写具は、転写媒体を塗布した長尺帯状の基材を巻装した送出軸部と、被転写体に転写媒体を転写した後の前記基材を巻き取る巻取軸部とを筐体内に有し、使用による送出軸部の回転に伴って巻取軸部が回転する転写具において、送出軸部又は巻取軸部に、トルク調整用のギヤ列を介して該送出軸部又は該巻取軸部を回転させるための動力部を取り付けたものである。
【0012】
動力部は、例えば渦巻ばねによるゼンマイや、電池から電源を供給されて作動するモータを採用する。動力部からの出力は、例えば送出軸部(の軸やギヤ)を回転させる。
【0013】
動力部は、回転速度の安定性よりトルクの安定性が重視される。その理由は、消費終了が近付いたときに大きくなるテンションに抗するだけのトルクが保証されない場合、動力部の作用効果を得ることができないからである。
【0014】
よって、動力部は、動力源のみの構成ではなく、トルク調整用のギヤ列を介して送出軸部又は巻取軸部に出力される構成とする。一般的に転写具の実用可能なテンションは、40〜160gfである。さらに製造のばらつきを考えると目標とするテンションは80〜120gfである。
【0015】
しかし、テンションは送出軸部のリール半径に比例するので、消費開始から消費終了までに送出軸部のリール半径が小さくなっていくのでテンションはそれに比例して高くなっていく。このため、消費開始時に80gfという良好なテンションであっても、消費終了時には200gfとなることがあった。また、消費開始のテンションを40gf以下の低いテンションに設定すると、転写媒体が被転写媒体に貼り付いたままとなり、基材が弛んで筐体から抜け出ることになる。
【0016】
これを防止するため、基材長さを制限したり、送出軸部のリール半径を大きくしたりして、送出軸部のリールの半径比を少なくするようにするなどの処置が必要であった。このため、基材の長尺化ができなかった。
【0017】
従って、本発明において消費開始のテンションを80gf程度の高めに設定し、動力部は消費終了時においても巻き取れるトルクに設定しておけば、消費開始から消費終了までのテンション変化に影響することなく快適に使用することができ、基材を長尺化することが可能となる。
【0018】
また、使用者による走行速度と、動力部との回転速度を同期させるために、摩擦クラッチを動力部の出力端と、送出軸部又は巻取軸部の入力端に介在させることで、走行(回転)速度が同期している場合は動力を伝達するが、同期しない場合はすべりが生じて動力が伝達されないようにすることができる。
【0019】
従って、動力部の回転に対し、使用者による走行が早過ぎる場合、遅過ぎる場合、いずれにおいても動力は伝達されず(この場合は使用者の操作によって走行操作がなされる)に使用者の適宜の速度で使用することができ、また、テンションが高くなったときには動力部の走行に任せることで快適に使用できる。
【0020】
このようにしても、本発明の転写具は、動力部により回転力を補助するから、消費開始時から消費終了時に至るまでに次第に高くなるテンションを、使用者に感じさせることはなく、快適な使用感を与えることができる。
【0021】
また、本発明は、上記構成において、使用時に、送出軸部と巻取軸部間の基材の張力が所定状態になると動力部を動作させる張力検知部を有したものである。
【0022】
この場合、例えば、通常(低い)テンションのときに基材の走行経路を屈曲させるための操作杆を筐体内に設ければよい。このような構成とすれば、所定のテンションとなったときに基材の走行経路が直線状になり、このときに前記操作杆が基材に押圧され、この操作杆の押圧によって動力部がオンとなる。
【0023】
従って、張力検知部を設けた構成は、所定のテンションとなったときにのみオンとなるから、動力部が例えば電源供給を要するモータである場合は節電することができ、無駄がなくなる。
【0024】
また、本発明は、上記構成において、動力部の任意オン又はオフを切り替えるスイッチを有したものである。
【0025】
上記の構成では、使用者が使用するとき、あるいはテンションが高くなって使用感が悪化したと感じたときのように任意のタイミングで動力部をオンにすることができる。従って、大面積に亘って転写媒体を被転写体に転写する際に好適であり、使用者に使用疲れを感じさせることがない。
【0026】
また、本発明は、上記した構成に加えて、該筐体の被転写体に対する操作角度を任意に固定することができる支持体を筐体外に設け、この支持体の被転写体側端部に車輪を設けたものである。
【0027】
このようにすることで、上記した大面積に亘って転写媒体を被転写体に転写する際に好適であり、使用者に使用疲れを感じさせることがないという作用効果に加えて、最も視認性に優れた角度を固定して使用することができるようになる。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の転写具の実施例について説明する。図1は、本発明の転写具の概略構成を示す。図2及び図3は、本発明の転写具に備えた動力部を示す。図4は、送出軸部と巻取軸部とを詰め替える構成を示す。図5は、動力部を作動させるスイッチについての変形例を示す。図6及び図7は、張力検知部について示す。図8は、摩擦クラッチについて示す。図9は、走行角度を固定するための支持体について示す。
【0029】
図1に示すように、本発明の転写具1は、転写媒体(不図示及び参照番号無)を塗布した長尺帯状の基材Bを巻装した送出軸部2と、被転写体(不図示及び参照番号無)に転写媒体を転写した後の基材Bを巻き取る巻取軸部3とを筐体P内に有している。送出軸部2と巻取軸部3には、それぞれ同軸でギヤ2Aとギヤ3Aが各々枢支され、これらが噛合した状態となっている。
【0030】
筐体Pは、例えば図4に示す実施例以外は、上記送出軸部2と巻取軸部3との詰め替えができないように分解不可能としている。そして、この筐体Pの図示長手方向の一端部には開口が設けられ、この開口から転写部4が露出している。転写部4は、送出軸部2から送り出された基材Bに塗布された転写媒体を被転写媒体に転写する。従って基材Bは、送出軸部2から、転写部4を経由して巻取軸部3に至る経路となっている。
【0031】
(第1実施例)
図1に示す転写具1は、筐体Pの一側面部に動力部5が固定的に設けられている。動力部5は、本実施例では例えば次の構成となっている。動力部5はそのケースCの内外を貫通し、例えば送出軸部2に同軸にて固着された回転軸51を有する。ケースCの筐体Pに隣接しない外側面には、前記回転軸51の端部が露出し、この端部に後述する渦巻ばね52の巻取操作部53が設けられている。
【0032】
ケースC内において、回転軸51には渦巻ばね52の内周端部が固着されている。なお、渦巻ばね52の外周端部は、ケースCの内壁任意箇所に固着されている。また、回転軸51における渦巻ばね52の内周端部が固着されていない部位にはギヤ5Aが同軸で枢支されている。
【0033】
このギヤ5Aは隣接するギヤ5Bに同軸で形成された小径で段状のギヤ5bと噛合し、以降、ギヤ5Bとギヤ5c、ギヤ5Cとギヤ5d、が噛合状態とされている。これらギヤ列は、渦巻ばね52の開放に伴う回転軸51の回転速度を減速し、かつ例えば100gfのトルクを発生する構成とされている。
【0034】
ギヤ5Dには、ラチェット状のスイッチ54が係合している。このスイッチ54は、ギヤ5Dに係合する側とは反対の端部が操作杆54aとしてケースCから露出している。従って、本実施例では、スイッチ54を使用者が押すとギヤ5Dがフリーになり、渦巻ばね52の開放に伴って回転軸51が回転し、この回転により送出軸部2が回転する。
【0035】
図1における第1実施例では、使用時にスイッチ54を押しながら転写具1の操作を行う。このとき、基材Bの送出(及び巻取)は動力部5の動きに任せるため、使用者はスイッチ54を押すだけの操作でよい。このようにすれば、常に使用時に一定のトルクによる操作が行えるので、消費終了に向けて次第に基材Bのテンションが高くなった際でも使用者は走行が重くなったと感じることがない。
【0036】
図1における第1実施例においては、動力部5が筐体Pに一体的に設けられていたが、例えば転写具1と動力部5とが次のように構成されている場合は、必要に応じて動力部5が脱着可能となる。
【0037】
すなわち、図2及び図3に示すように、回転軸51における巻取操作部53を設けた側と反対の端部がケースCから露出し、露出した端部を例えば断面十字状としている。一方、送出軸部2の軸端は、筐体Pから露出した端面に十字状の窪みが形成されている。そして、これら回転軸51の十字状と送出軸部2の十字状の窪みが嵌合し、動力が伝達される。
【0038】
また、筐体Pの動力部5が取り付けられる側の側面に例えば爪部Nを形成して、動力部5の係合と位置決めを行うように構成する。このように構成することで、例えば動力部5は別に購入しておき、消費終了した後、新たに上記構成の転写具1のみを買い換えればよくなり、上記と同等の作用効果を転写具1の購入コスト(2個目以降)のみで得ることができる。
【0039】
図4には、送出軸部2と巻取軸部3とを取替可能な構成を示す。この場合、筐体Pをその厚み方向に分割可能に構成し、かつ外周の一部をヒンジを用いて結合しておけば、消費済の送出軸部2におけるリールと巻取軸部3におけるリールとを取り出し、新たな部材を購入し、装着することが可能となる。このようにすることで、さらに購入コストを低減させることができる。
【0040】
(第2実施例)
上記した第1実施例は、転写具1の使用の度に使用者によりスイッチ54を操作する構成となっていた。図5に示す第2実施例は、転写具1を使用するときにスイッチ54が操作されるように構成した。すなわち、スイッチ54は、操作杆54aをケースCから露出させ、端部を例えば転写部4の近傍に位置させた。
【0041】
図5に示すように、スイッチ54は、転写部4の先端部より若干長い状態とされている。従って、転写部4を被転写媒体に接触させた使用状態のときには、スイッチ54が押され、動力部5が作動するのである。
【0042】
そして、転写部4を被転写媒体から離間させて不使用状態となったときには、スイッチ54が、押し込まれた状態から復帰し、動力部5はオフ状態となる。このようにすることで、使用者にスイッチ54のオン又はオフの操作を意識させることがなくなり、使用時には常に動力部5がオンとなり、走行の補助が行えるようになる。
【0043】
(第3実施例)
上記第1実施例では動力部5のオン又はオフを使用者が操作する構成、第2実施例では使用するときに動力部5がオンに、使用しないときにはオフになる構成としていたが、図6及び図7に示す第3実施例では、これらに代えて、消費が進むにつれて基材Bのテンションが高くなったときに動力部5がオンとなる構成とした。
【0044】
すなわち、図6及び図7に示す第3実施例における転写具1は、次の構成とされる。スイッチ54は、全体が屈曲した形状とされ、この屈曲部に回動軸54bが形成されると共に、回動軸54bから一方の端部において、筐体P側に操作杆54aが形成され、さらに、ギヤ5Dとの対向側にラチェット状の爪54cが形成されている。また、回動軸54bから一方の端部は、ばねSによって常時ギヤ5Dに接触する方向に付勢されている。
【0045】
また、スイッチ54は、回動軸54bから他方の端部に、ギヤ55A,55aを回動可能に枢支する支持部54dが形成されている。この支持部54dに枢支されたギヤ55A,55aは、後述するギヤ5a,2aに対して接離移動する。なお、張力検知部は、これらスイッチ54、ギヤ5a,2aにより構成されるものとする。
【0046】
回転軸51は、送出軸部2に達しておらず、その端部にギヤ5aが設けられている。その他の動力部5におけるギヤの噛合状態は上記と同じである。送出軸部2においては、ギヤ2Aにおける動力部5側に小径で段状のギヤ2aが設けられている。なお、筐体Pは、動力部5が設けられた側と反対の端部に上記操作杆54aが貫通する孔P1が形成されている。この孔P1は、スイッチ54の動作確認用として形成されている。
【0047】
この構成において、操作杆54aは、図6に示すように、通常時、つまりテンションが低い状態のときは、ばねSによって付勢されて、スイッチ54基材Bの走行経路を屈曲させている。このとき、爪54cは、ギヤ5Dと噛合しており、動力部5はオフ状態となっている。また、このとき、図6に示すようにギヤ55A,55aは、各々ギヤ5a,2aから離間している。
【0048】
消費が進むにつれてテンションが高くなると、図7に示すように、それまで操作杆54aによって屈曲させられていた基材Bが直線状になり、操作杆54aはばねSの付勢力に抗して上方に移動する。このときに、爪54cは、ギヤ5Dの噛合を解除し、動力部5をオン状態とする。また、このとき、図7に示すように、回動軸54bを中心に他端部が下方に移動し、ギヤ55A,55aが各々ギヤ5a,2aと噛合する。
【0049】
これにより、つまりテンションが高くなると、動力部5がオン状態となり、このときに、回転軸51からの回転動力が、ギヤ5aから55aに、及びギヤ55Aから2aに伝達され、送出軸部2が動力部5によって動作することとなる。
【0050】
このようにすることで、真にテンションが高くなったときだけ走行を補助させるようにすることができる。なお、この場合、消費終了に近付いて、テンションが高くなったままであると、使用者は使用を停止して不使用状態としたにも拘わらず、送出軸部2が回転し続け、無駄に消費してしまう可能性がある。
【0051】
そのときは、例えば、上記した孔P1から露出した操作杆54aを図6の状態に戻して動力部5をオフ状態としたり、また、例えば、不使用状態のテンションのときには付勢力が高く、使用状態のテンション以上のときに付勢力に抗するように、ばねSの付勢力を調整したり、送出軸部2のギヤ2Aと巻取軸部3のギヤ3Aのバックラッシュを利用して不使用状態となったときには、バックラッシュ分だけテンションが下がるようにすればよい。
【0052】
(第4実施例)
上記第1乃至第3実施例においては、使用者は走行を動力部5の動力に任せる構成となっていた。転写具1は、例えば細かい箇所をゆっくりと操作したり、広い面積を素早く操作したりする場合がある。第4実施例ではこのような使用者の任意の走行操作を許容するために、図8のように構成した。
【0053】
すなわち、第4実施例では、動力部5の回転速度と使用者の走行速度(送出軸部2の回転速度)を比較して、ある所定の走行速度範囲を速く又は遅く外れる場合は、動力部5の回転動力が伝達されても使用者による走行を優先することができ、使用者が動力部5の回転に任せて操作したときには動力部5の回転動力によって操作ができるように構成した。
【0054】
図8に示す転写具1は、動力部5の回転軸51には、出力側端部に一体的に回転板5Sが設けられている。この回転板5Sは、例えば出力側表面にゴムが貼着されている。一方、送出軸部2の入力端部には、入力側表面にゴムが貼着された回転板2Sが一体的に設けられている。
【0055】
そして、回転板5S,2Sとは、常時面当たりした状態とされ、互いの摩擦力により動力部5の回転力が送出軸部2に伝達される。このように構成することにより、動力部5の回転力が送出軸部2に伝達されるが、使用者による速い走行、または遅い走行を行う際には、回転板5S,2Sが滑ることとなる。よって動力部5によらず使用者の任意の走行が可能となる。
【0056】
そして、未だ消費終了ではないときには、使用者による速い走行、または遅い走行を、使用者の任意に行えばよく、消費終了に近付き、そもそもの走行が重くなった(テンションが高く)なったときには、動力部5の回転力に任せて操作を行えばよい。
【0057】
(第5実施例)
図9に示す第5実施例による転写具1は、視認性に優れた箇所を固定して被転写媒体に転写媒体を転写する。この構成は、例えば該筐体P(ケースC)の側面に各々支持体6を設ける。この支持体6は、筐体P(ケースC)の取付端において軸が所定角度ピッチで回動可能に枢支される。そして、この支持体6の被転写媒体側端部に、車輪6Aを設けている。
【0058】
また、上記構成の転写具1は、例えばスイッチ54を第2実施例構成のように使用時に動力部5が作動する構成とすることが望ましい。このようにすることで、転写部4が被転写体を最も強く押圧する角度又は最も視認性に優れる角度を支持体6で調整し、その後、転写具1の走行方向を決定して、被転写体の転写媒体転写箇所に転写具1を載置して方向を定めるだけでよくなる。
【0059】
なお、この場合、使用者によって被転写体へ転写部4を押圧しないから、例えば筐体P内における転写部4側端部に錘を設けておくことで、転写部4は転写媒体を安定して被転写体に転写することができ、また、走行が安定する。さらに、支持体6の先端部にカバー(不図示)を設けることで、転写具1の不使用状態のときには、支持体6を転写部4側まで回動させて該転写部4を覆っておくことができる。
【0060】
なお、上記した第1〜第5実施例は、全て動力部5からの回転出力を送出軸部2に伝達する構成としていたが、巻取軸部3へ伝達する構成としてもよく、さらに、動力部5としては渦巻ばね52を動力源とするものに代えて例えば電池等で作動する小型モータを動力源とした構成としてもよい。これらのように変形しても上記と同等の作用効果を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明の転写具は、送出軸部又は巻取軸部に、トルク調整用のギヤ列を介して該送出軸部又は該送出軸部を回転させるための動力部を取り付けたので、消費開始時から消費終了時に至るまでに次第に高くなるテンションを、使用者に感じさせることはなく、快適な使用感を与えることができる。また、基材を長尺化できる。
【0062】
また、本発明は、上記構成において、使用時に、送出軸部と巻取軸部間の基材の張力が所定状態になると動力部を動作させる張力検知部を有したので、所定のテンションとなったときに動力部を作動させることができ、従って動力部が例えば電源供給を要するモータである場合は節電することができ、無駄がなくなる。また、本発明は、上記構成において、動力部の任意オン又はオフを切り替えるスイッチを有したので、使用者が使用するとき、あるいはテンションが高くなって使用感が悪化したと感じたときのように任意のタイミングで動力部を作動させることができ、従って、大面積に亘って転写媒体を被転写体に転写する際に好適であり、使用者に使用疲れを感じさせることがない。
【0063】
また、使用者による走行速度と、動力部との回転速度を同期させるために、摩擦クラッチを動力部の出力端と、送出軸部又は巻取軸部の入力端に介在させることで、走行(回転)速度が同期している場合は動力を伝達するが、同期しない場合はすべりが生じて動力が伝達されないようにすることができる。
【0064】
また、本発明は、上記した構成に加えて、該筐体の被転写体に対する操作角度を任意に固定することができる支持体を筐体外に設け、この支持体の被転写体側端部に車輪を設けたので、最も視認性に優れた角度を固定した状態で使用することができる。従って、上記したように大面積に亘って転写媒体を被転写体に転写する際に好適であり、使用者に使用疲れを感じさせることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写具及び第1実施例の転写具の概略構成を示し、(a)は側面方向から見た図、(b)は(a)のA−A線断面図、である。
【図2】本発明の転写具における動力部及び第1実施例の転写具における脱着可能な動力部を示し、(a)は一側面方向から見た図、(b)は上方から見た図、(c)は他側面方向から見た図、(d)は(a)側のケースを開けた状態を示す図、(e)は(b)において内部を示す図、(f)は(c)側のケースを開けた状態を示す図、である。
【図3】本発明の転写具における動力部及び第1実施例の転写具における脱着可能な動力部を示し、(a)は転写具本体を、(b)は脱着可能な動力部を、それぞれ示す図である。
【図4】本発明の第1実施例の変形例における転写具を示し、(a)は筐体の一側面を開けた状態を示す図、(b)は(a)を上方から見た図、である。
【図5】本発明の第2実施例における転写具を示し、(a)はスイッチを操作する前の状態で側面方向から見た図、(b)はスイッチが操作された状態で側面方向から見た図、である。
【図6】本発明の第3実施例による転写具を示し、(a)は動力作動前におけるスイッチの状態を部分的に示す図、(b)は(a)の状態における動力部の状態を部分的に示す図、(c)は動作状況に関する部材のみを部分的に示す図、である。
【図7】本発明の第3実施例による転写具を示し、(a)は動力作動時におけるスイッチの状態を部分的に示す図、(b)は(a)の状態における動力部の状態を部分的に示す図、(c)は動作状況に関する部材のみを部分的に示す図である。
【図8】本発明の第4実施例による転写具における回転力の伝達箇所を部分的に示す断面図である。
【図9】本発明の第5実施例による転写具を示し、(a)(b)は支持体により角度を調整した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 転写具
2 送出軸部
2A ギヤ
2a ギヤ
2S 回転板
3 巻取軸部
4 転写部
5 動力部
5S 回転板
5A〜5D ギヤ
5a〜5d ギヤ
51 回転軸
52 渦巻ばね
53 巻取操作部
54 スイッチ
54a 操作杆
54b 回動軸
54c 爪
54d 支持部
55A ギヤ
55a ギヤ
6 支持体
6A 車輪
B 基材
P 筐体
C ケース
S ばね

Claims (5)

  1. 転写媒体を塗布した長尺帯状の基材を巻装した送出軸部と、被転写体に転写媒体を転写した後の前記基材を巻き取る巻取軸部とを筐体内に有し、使用による送出軸部の回転に伴って巻取軸部が回転する転写具において、前記送出軸部又は前記巻取軸部に、トルク調整用のギヤ列を介して該送出軸部又は該巻取軸部を回転させるための動力部を取り付けたことを特徴とする転写具。
  2. 使用時に、送出軸部と巻取軸部間の基材の張力が所定状態になると動力部を動作させる張力検知部を有したことを特徴とする請求項1記載の転写具。
  3. 動力部の任意オン又はオフを切り替えるスイッチを有したことを特徴とする請求項1又は2記載の転写具。
  4. 動力部の出力端と送出軸部又は巻取軸部の入力端に、摩擦クラッチを介在させることを特徴とする請求項1記載の転写具。
  5. 該筐体の被転写体に対する操作角度を任意に固定することができる支持体を筐体外に設け、この支持体の被転写体側端部に車輪を設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の転写具。
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