JP2008273144A - インクジェットヘッドのメンテナンス装置およびインクジェットヘッドのメンテナンス方法 - Google Patents

インクジェットヘッドのメンテナンス装置およびインクジェットヘッドのメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルダメージや液残りを発生させることなく、適切にノズル面をクリーニングすることができるインクジェットヘッドのメンテナンス装置を提供する。
【解決手段】制御部60は、位置調整機構7によって、ノズルプレート101の吐出面101aと吸収体401との間の距離を一定間隔D離して固定してから、吸引機構5によって、吸収体401にインク液を吸収させるので、ノズルプレート101と吸収体401との接触によるノズルプレート101の損傷を防止し、かつ、ノズルプレート101の吐出面101aに平行な方向へのノズルプレート101と吸収体401との相対的な移動によるインク液の拡がりを防止できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、インク液を吐出するインクジェットヘッドのメンテナンス装置およびインクジェットヘッドのメンテナンス方法に関する。
近年、インクジェット技術は、民生用のプリンタのみならず、液晶用のCF(Color Filter)パネル生産装置やその他生産装置にも幅広く転用されるようになってきており、その用途が多様化している。
このようなインクジェット装置は、インクジェットヘッドのノズル面に開口したノズル孔102aから、微小な液滴を吐出するものであり、液滴の吐出対象物に対する高い着弾精度が求められる。高い着弾精度を維持するためには、ノズル面、特にノズル孔102a近傍の表面状態が大きく寄与する。ノズル孔102a近傍に液滴残りや塵埃等の付着物が存在すると、吐出の際に形成されるメニスカスがその影響を受け、形成状態が不均一となり飛翔曲がりや液滴の飛散など、着弾に多大な影響を与える。
また、インクジェット装置は、単一物質を吐出させるよりも、民生用プリンタ等で用いられるインクをはじめとする、様々な材料を混合させ、液体とし、吐出させることが多い。このような複合材料では、ノズル孔102a近傍で溶媒乾燥が起こり、濃度の不均一、液体の増粘、目詰まり等の問題が発生する。もちろん、このような問題も吐出、着弾精度に影響を与える。
そのため、インクジェット装置では、目詰まりの回復と同時に、ノズル面をクリーニングすることが一般的に行われている。クリーニング方式は、ブレード等を物理的に接触させて液溜まり除去する接触方式(特開2004−291619号公報:特許文献1参照)と、ノズル面とメンテナンス部の間に液柱を立てて、相対的に動作させて液体を吸収させる非接触方式(特開2005−342991号公報:特許文献2参照)が一般的に用いられている。
特開2004−291619号公報 特開2005−342991号公報
しかしながら、上記従来の接触方式では、ブレード等を物理的に接触させて液溜まり除去するため、ノズル面を傷つける。また、クリーニング動作が繰り返された場合に、ブレードのエッジ部が磨耗し、ノズル面に付着物が残留する等、ブレードのクリーニング能力が低下する。ノズル面が適切にクリーニングされないと、ノズル孔102aから吐出された液滴の着弾精度が低下する。ブレードが磨耗する毎にブレードを交換したのでは、インクジェット記録装置による記録効率の低下、及び、コストアップになる、といった問題があった。
一方、上記従来の非接触方式では、ノズル面とメンテナンス部の間に液柱を立てて、相対的に動作させて液体をノズル面から除去するが、撥水膜が形成されていないところに液溜まりが残る。この液溜まりは除去しないと描画動作中に描画対象基板に落下し、不良を発生させるといった問題があった。
そこで、この発明の課題は、ノズルダメージや液残りを発生させることなく、適切にノズル面をクリーニングすることができるインクジェットヘッドのメンテナンス装置およびインクジェットヘッドのメンテナンス方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス装置は、
複数のノズル孔が形成されたプレート本体、および、このプレート本体の少なくとも一部において上記ノズル孔を囲うように形成されると共に上記プレート本体よりも撥液性の高い撥水膜を有するノズルプレートを設けたインクジェットヘッドと、
上記ノズルプレートの少なくとも一つの上記ノズル孔から上記インクジェットヘッド内部の上記インク液を押し出す加圧機構と、
上記ノズルプレートの上記ノズル孔に対向して配置されると共に上記加圧機構から押し出された上記インク液を吸収する吸収体と、
上記吸収体に負圧を印加して上記吸収体に上記インク液を吸収させる吸引機構と、
上記ノズルプレートの上記撥水膜側の吐出面に直交する方向における上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の距離を相対的に調整する位置調整機構と、
上記位置調整機構によって、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の距離を一定間隔離して固定してから、上記吸引機構によって、上記吸収体に上記インク液を吸収させる制御部と
を備えることを特徴としている。
この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記制御部は、上記位置調整機構によって、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の距離を一定間隔離して固定してから、上記吸引機構によって、上記吸収体に上記インク液を吸収させるので、上記ノズルプレートと上記吸収体との接触による上記ノズルプレートの損傷を防止し、かつ、上記ノズルプレートの上記吐出面に平行な方向への上記ノズルプレートと上記吸収体との相対的な移動による上記インク液の拡がりを防止できる。
したがって、上記ノズルプレートのダメージや上記ノズルプレートの上記インク液残りを発生させることなく、上記ノズルプレートの上記吐出面を、適切にクリーニングすることができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記制御部は、上記プレート本体の上記ノズル孔の中心と上記撥水膜の端部との最短距離をrとし、上記撥水膜上に半径rの上記インク液を形成したときの上記インク液の高さをhとしたとき、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の上記一定間隔Dが、h>Dを満たすようにしてから、上記吸収体に上記インク液を吸収させる。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記制御部は、上記プレート本体の上記ノズル孔の中心と上記撥水膜の端部との最短距離をrとし、上記撥水膜上に半径rの上記インク液を形成したときの上記インク液の高さをhとしたとき、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の上記一定間隔Dが、h>Dを満たすようにしてから、上記吸収体に上記インク液を吸収させるので、上記ノズル孔より排出される上記インク液が、上記ノズルプレートの上記撥水膜の形成領域外に、濡れ広がる前に、上記吸収体により上記インク液を吸収できて、上記ノズルプレートの撥水膜形成領域外での上記インク液残りの発生を抑制することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記吸収体における上記ノズルプレートの上記吐出面と対向する対向面の面積は、上記ノズルプレートの上記撥水膜の面積と同等以下である。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記吸収体における上記ノズルプレートの上記吐出面と対向する対向面の面積は、上記ノズルプレートの上記撥水膜の面積と同等以下であるので、上記ノズル孔より排出される上記インク液が、上記吸収体との間で液柱を形成する際に、上記吸収体に伝わることで液柱のサイズが大きくなって、上記撥水膜の形成領域外に濡れ広がるのを防止することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記吸収体を囲むように、上記吸収体よりも撥液性の高い撥液部材を、設けている。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記吸収体を囲むように、上記吸収体よりも撥液性の高い撥液部材を、設けているので、上記ノズルプレートと上記吸収体との間で形成される液柱のサイズの広がりを一層抑制することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記ノズルプレートと上記吸収体との間に液体を供給する液体供給機構を有する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記ノズルプレートと上記吸収体との間に液体を供給する液体供給機構を有するので、例えば、上記ノズルプレートの上記吐出面に付着した付着物を溶解させることができる液体を供給することにより、上記ノズルプレートの上記吐出面のクリーニング性が向上する。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記液体供給機構の上記液体を供給する供給口は、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向からみて、上記ノズルプレートの上記撥水膜に重なる。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記液体供給機構の上記液体を供給する供給口は、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向からみて、上記ノズルプレートの上記撥水膜に重なるので、上記ノズルプレートの撥水膜形成領域と上記吸収体との間に確実に上記液体を供給できて、上記液体が、上記ノズルプレートの撥水膜形成領域外に付着し、液残りを発生させることを防ぐことができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記液体供給機構は、上記液体を供給する供給路と、この供給路に超音波を印加する超音波発生部とを有する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記液体供給機構は、上記液体を供給する供給路と、この供給路に超音波を印加する超音波発生部とを有するので、上記供給路において超音波加振された洗浄効果の高い上記液体を供給できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記液体供給機構から供給される上記液体は、上記インク液に含まれる溶剤を有する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記液体供給機構から供給される上記液体は、上記インク液に含まれる溶剤を有するので、上記インク液の乾燥等で発生した上記インク液起因の付着物を効率良く除去することができるとともに、上記インクジェットヘッド内部の増粘インクを再溶解させ、目詰まりを防止することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記制御部は、上記加圧機構と上記吸引機構とを連動させ、上記加圧機構の加圧開始と上記吸引機構の吸引開始とのタイミング、および、上記加圧機構の加圧終了と上記吸引機構の吸引終了とのタイミングを、調整する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記制御部は、上記加圧機構と上記吸引機構とを連動させ、上記加圧機構の加圧開始と上記吸引機構の吸引開始とのタイミング、および、上記加圧機構の加圧終了と上記吸引機構の吸引終了とのタイミングを、調整するので、過剰加圧による上記吸収体と上記ノズルプレートとの間で形成される液柱の撥水膜形成領域外への濡れ広がりを防ぎ、確実に吸上記収体を経由して上記インク液を吸収することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記制御部は、上記液体供給機構と上記吸引機構とを連動させ、上記液体供給機構の供給開始と上記吸引機構の吸引開始とのタイミング、および、上記液体供給機構の供給終了と上記吸引機構の吸引終了とのタイミングを、調整する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記制御部は、上記液体供給機構と上記吸引機構とを連動させ、上記液体供給機構の供給開始と上記吸引機構の吸引開始とのタイミング、および、上記液体供給機構の供給終了と上記吸引機構の吸引終了とのタイミングを、調整するので、過剰供給による上記吸収体と上記ノズルプレートとの間で形成される液柱の撥水膜形成領域外への濡れ広がりを防ぎ、確実に吸上記収体を経由して上記インク液を吸収することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置では、上記吸収体は、不織布である。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記吸収体は、不織布であるので、上記インクジェットヘッドの作製精度ばらつきや、上記ノズルプレートと上記吸収体との間隔調整ばらつき等の影響で、万が一、上記ノズルプレートと上記吸収体とが接触した際も、上記ノズルプレートへのダメージを最小限にとどめることができる。
また、この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス方法は、
複数のノズル孔が形成されたプレート本体、および、このプレート本体の少なくとも一部において上記ノズル孔を囲うように形成されると共に上記プレート本体よりも撥液性の高い撥水膜を有するノズルプレートを設けたインクジェットヘッドと、上記ノズルプレートの上記ノズル孔に対向して配置される吸収体とを、位置調整機構により、相対的に移動して、上記ノズルプレートの上記撥水膜側の吐出面と上記吸収体との間の、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向における距離を、一定間隔離して固定する工程と、
加圧機構により、上記ノズルプレートの少なくとも一つの上記ノズル孔から上記インクジェットヘッド内部の上記インク液を押し出して、上記インク液が、上記ノズルプレートの上記撥水膜の外側に広がる前に、上記インク液を上記吸収体と上記ノズルプレートとの間で液柱に形成する工程と、
吸引機構により、上記吸収体に負圧を印加して上記吸収体に上記インク液を吸収させる工程と
を備えることを特徴としている。
この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記ノズルプレートの上記ノズル孔より排出される上記インク液を、上記ノズルプレートの上記撥水膜の外側に濡れ広がる前に、上記吸収体に吸収させるので、上記ノズルプレートの上記撥水膜の外側に濡れ広がり、上記インク液残りの発生を抑制することができる。
したがって、上記ノズルプレートのダメージや上記ノズルプレートの上記インク液残りを発生させることなく、上記ノズルプレートの上記吐出面を、適切にクリーニングすることができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、上記ノズルプレートの上記ノズル孔から上記インク液を押し出した後に、上記ノズルプレートの上記ノズル孔に負圧を印加する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記ノズルプレートの上記ノズル孔から上記インク液を押し出した後に、上記ノズルプレートの上記ノズル孔に負圧を印加するので、上記ノズル孔より排出された上記インク液が、万一、上記ノズルプレートの上記撥水膜上に残った際も、残った上記インク液の端部が上記ノズル孔と接触しているため、上記ノズル孔を負圧に引くことにより、残ったインク液を、上記ノズル孔内に吸引することができる。このため、上記ノズルプレートの上記吐出面の上記インク液残りが完全になくなる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、液体供給機構により、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間に液体を供給して、上記液体を上記ノズルプレートと上記吸収体との間で液柱に形成する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、液体供給機構により、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間に液体を供給して、上記液体を上記ノズルプレートと上記吸収体との間で液柱に形成するので、上記ノズルプレートを上記液体で洗浄することができる。このため、例えば、上記ノズルプレートの上記吐出面に付着した上記インク液が乾燥した場合、上記インク液が含む溶媒を洗浄液として選択することで、上記ノズルプレートの上記吐出面の付着物を再溶解させ、上記ノズルプレートの上記吐出面を効果的にクリーニングすることができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、上記液体供給機構により供給される上記液体は、超音波加振されている。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記液体供給機構により供給される上記液体は、超音波加振されているので、超音波加振された上記液体が上記ノズルプレートの上記吐出面に強固に付着した異物を除去できて、上記ノズルプレートの上記吐出面の洗浄性が一層向上する。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、上記超音波加振の周波数は、100kHz以上である。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記超音波加振の周波数は、100kHz以上であるので、超音波印加により発生するキャビテーションが撥水膜にダメージを与えることなく洗浄することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、上記加圧機構からの単位時間当たりの上記インク液の押し出し量をL1とし、上記液体供給機構からの単位時間当たりの上記液体の供給量をL2とし、上記吸引機構における単位時間当たりの吸収量をL3としたとき、L1+L2≦L3を満たす。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記加圧機構からの単位時間当たりの上記インク液の押し出し量をL1とし、上記液体供給機構からの単位時間当たりの上記液体の供給量をL2とし、上記吸引機構における単位時間当たりの吸収量をL3としたとき、L1+L2≦L3を満たすので、上記ノズルプレートと上記吸収体との間に供給される総液体量よりも、上記吸収体を介して吸収される液体量の方が多くなるため、液柱が撥水膜形成領域の外側に広がることがなくなる。このため、撥水膜形成領域外への上記インク液や上記液体の液残りの発生を抑制することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、上記加圧機構により上記ノズルプレートと上記吸収体との間で上記インク液を液柱に形成した後、上記位置調整機構により、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向に、上記ノズルプレートと上記吸収体とを相対的に離隔する。
この実施形態のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記加圧機構により上記ノズルプレートと上記吸収体との間で上記インク液を液柱に形成した後、上記位置調整機構により、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向に、上記ノズルプレートと上記吸収体とを相対的に離隔するので、上記ノズルプレートと上記吸収体との間で形成される上記インク液の液柱が細くなり、この液柱が崩壊した際の上記ノズルプレートの上記吐出面側に残る液量が少なくなる。
この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記制御部は、上記位置調整機構によって、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の距離を一定間隔離して固定してから、上記吸引機構によって、上記吸収体に上記インク液を吸収させるので、上記ノズルプレートのダメージや上記ノズルプレートの上記インク液残りを発生させることなく、上記ノズルプレートの上記吐出面を、適切にクリーニングすることができる。
また、この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、上記ノズルプレートの上記ノズル孔102aより排出される上記インク液を、上記ノズルプレートの上記撥水膜の外側に濡れ広がる前に、上記吸収体に吸収させるので、上記ノズルプレートのダメージや上記ノズルプレートの上記インク液残りを発生させることなく、上記ノズルプレートの上記吐出面を、適切にクリーニングすることができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、この発明のインクジェットヘッドのメンテナンス装置の簡略構成図を示している。本発明のメンテナンス装置1は、インクジェットヘッド10のノズルプレート101の吐出面101aに残されたインク液を除去する装置であり、上記インクジェットヘッド10と、このインクジェットヘッド10内部の上記インク液を押し出す加圧機構3と、この加圧機構3から押し出された上記インク液を吸収する吸収体401と、この吸収体401に負圧を印加して上記吸収体401に上記インク液を吸収させる吸引機構5と、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間の距離を相対的に調整する位置調整機構7と、上記位置調整機構7および上記吸引機構5を制御する制御部60とを有する。
上記インクジェットヘッド10は、上記吐出面101aが鉛直下向きになるように、インクジェットヘッド保持部材20に保持され、このインクジェット保持部材20により、上記インクジェットヘッド10の絶対位置が、調整される。上記インクジェット保持部材20は、スライダなどから構成される。
上記加圧機構3は、インクタンク30を有し、このインクタンク30は、インクジェットヘッド10に接続されており、上記インクタンク30内のインク液が、上記インクジェット10に供給される。上記インクタンク30は、密閉されており、このインクタンク30の内部の圧力は、例えば電磁弁などによって構成される図示しない圧力調整機構により、調整される。
上記インクタンク30内部には、インク液に対し耐薬品性の高い材質で作られたインク袋が配置され、そのインク袋内にインク液が充填される。通常、上記インクタンク30内は、上記インクジェットヘッド10からインクが溢れださないように、また、吐出を安定させるために、負圧になっている。
上記吸収体401は、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに対向して、配置される。上記吸収体401は、吸引部40に含まれる。
この吸引部40には、上記吸引機構5の吸引ポンプ50が接続され、この吸引ポンプ50は、上記吸収体401に接触したインク液が上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに残らないように、インク液を吸収する。
上記吸引部40には、液体供給機構41が接続され、この液体供給機構41は、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間に液体としての洗浄液を供給する。なお、上記液体供給機構41から供給される上記液体は、上記インク液に含まれる溶剤を有する。
上記位置調整機構7は、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに直交する方向における上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと上記吸収体401との間の距離を相対的に調整する。
上記制御部60は、例えば、パソコンであり、上記位置調整機構7によって、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと上記吸収体401との間の距離を一定間隔D離して固定してから、上記吸引機構5によって、上記吸収体401に上記インク液を吸収させる。
上記制御部60は、上記インクジェットヘッド保持部材20を制御し、上記インクジェットヘッド10の位置を調整する。また、上記制御部60は、上記液体供給機構41および上記加圧機構3を制御する。
つまり、上記制御部60は、上記加圧機構3と上記吸引機構5とを連動させ、上記加圧機構3の加圧開始と上記吸引機構5の吸引開始とのタイミング、および、上記加圧機構3の加圧終了と上記吸引機構5の吸引終了とのタイミングを、調整する。
また、上記制御部60は、上記液体供給機構41と上記吸引機構5とを連動させ、上記液体供給機構41の供給開始と上記吸引機構5の吸引開始とのタイミング、および、上記液体供給機構41の供給終了と上記吸引機構5の吸引終了とのタイミングを、調整する。
図2に示すように、上記ノズルプレート101は、複数のノズル孔102aが形成されたプレート本体102と、このプレート本体102の一面の全体において上記全てのノズル孔102aを露出するように形成される撥水膜103とを有する。なお、上記撥水膜103は、上記プレート本体102の上記一面の少なくとも一部において上記ノズル孔102aを囲うように形成されていてもよい。
上記撥水膜103は、上記プレート本体102よりも撥液性が高い。上記ノズルプレート101の上記吐出面101aは、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103側の面である。
上記ノズルプレート101の作製には、上記プレート本体102の材料として、例えばポリイミド膜を用い、その表面に蒸着あるいはディッピングなどで上記撥水膜103を形成した後、レーザー加工による穴空け加工を行い、上記ノズル孔102aを形成する。
上記ノズルプレート101は、加工が終わった後に、圧電部材からなる図示しないヘッドチップに接着剤で固定、接着される。このヘッドチップには、図示しないインク流路、インク室等が形成されており、インク袋のインク液が供給される構成である。
図3Aと図3Bに示すように、上記吸引部40は、中央部に凹部を有する枠体402と、この枠体402の凹部に配置された吸収体保持部材403と、この吸収体保持部材403に保持された上記吸収体401とを有する。なお、図3Aは、吸引部におけるノズルプレートとの対向側の平面図である。図3Bは、図3AのA−A’断面を示す断面図である。
上記吸収体401は、不織布であり、この不織布としては、例えば、カネボウ製の製品名「ザヴィーナミニマックス」を用いる。上記吸収体保持部材403は、SUS304製である。
上記枠体402は、ポリテトラフルオロエチレン製であり、上記吸収体401よりも撥液性が高い。つまり、上記枠体402は、上記吸収体401を囲むように設けられた撥液部材である。
上記吸収体401における上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと対向する対向面の面積は、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103の面積と同等以下である。例えば、上記ノズルプレート101のサイズが、縦2.5mm×横15mmであるのに対し、上記枠体402の開口部は、縦2mm×横14mmである。
上記吸収体保持部材403の中心には、上記ノズルプレート101と上記吸収体401の間に洗浄液を供給する洗浄液供給路405が形成され、上記吸収体401との接触面には、洗浄液供給口404が形成されている。そのため、上記吸収体401は、上記洗浄液供給口404を完全に塞がないよう、円状の穴加工がされている。
また、上記洗浄液供給路405には、上記枠体402の外側に超音波振動子409が取り付けられている。上記超音波振動子409は、超音波発信機408に接続されており、この超音波発信機408に通電することにより、上記超音波振動子409を機械変形させ、上記洗浄液供給路405内の洗浄液を加振することができる。
つまり、上記液体供給機構41は、上記液体を供給する上記洗浄液供給路405と、この供給路405に超音波を印加する超音波発生部42とを有し、この超音波発生部42は、上記超音波発信機408および上記超音波振動子409を有する。
上記洗浄液供給口404は、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに直交する方向からみて、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103に重なる。
また、上記枠体402の凹部の底面には、洗浄液吸引路406が形成されており、洗浄液吸引路406を負圧にすることにより、上記枠体402の凹部内が負圧になり、上記吸収体401を介して、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間のインク液や洗浄液を吸引する。吸引されたインク液や洗浄液は、廃液として、上記洗浄液吸引路406を通って、廃液タンク407に蓄積される。上記廃液タンク407として、ガラス製のビンを用い、ビン内を吸引ポンプ50で負圧にすることにより廃液を吸引する。
つまり、上記吸引機構5は、上記洗浄液吸引路406、上記廃液タンク407および上記吸引ポンプ50を有する。
上記構成のインクジェットヘッドのメンテナンス装置によれば、上記制御部60は、上記位置調整機構7によって、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと上記吸収体401との間の距離を一定間隔D離して固定してから、上記吸引機構5によって、上記吸収体401に上記インク液を吸収させるので、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との接触による上記ノズルプレート101の損傷を防止し、かつ、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに平行な方向への上記ノズルプレート101と上記吸収体401との相対的な移動による上記インク液の拡がりを防止できる。
したがって、上記ノズルプレート101のダメージや上記ノズルプレート101の上記インク液残りを発生させることなく、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aを、適切にクリーニングすることができる。
このとき、上記制御部60は、上記プレート本体102の上記ノズル孔102aの中心と上記撥水膜103の端部との最短距離をrとし、上記撥水膜103上に半径rの上記インク液を形成したときの上記インク液の高さをhとしたとき、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと上記吸収体401との間の上記一定間隔Dが、h>Dを満たすようにしてから、上記吸収体401に上記インク液を吸収させる。
したがって、上記ノズル孔102aより排出される上記インク液が、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103の形成領域外に、濡れ広がる前に、上記吸収体401により上記インク液を吸収できて、上記ノズルプレート101の撥水膜103形成領域外での上記インク液残りの発生を抑制することができる。
また、上記吸収体401における上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと対向する対向面の面積は、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103の面積と同等以下であるので、上記ノズル孔102aより排出される上記インク液が、上記吸収体401との間で液柱を形成する際に、上記吸収体401に伝わることで液柱のサイズが大きくなって、上記撥水膜103の形成領域外に濡れ広がるのを防止することができる。
また、上記吸収体401を囲むように、上記吸収体401よりも撥液性の高い撥液部材としての上記枠体402を、設けているので、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間で形成される液柱のサイズの広がりを一層抑制することができる。
また、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間に液体を供給する液体供給機構41を有するので、例えば、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに付着した付着物を溶解させることができる液体を供給することにより、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aのクリーニング性が向上する。
また、上記液体供給機構41の上記液体を供給する供給口404は、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに直交する方向からみて、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103に重なるので、上記ノズルプレート101の撥水膜103形成領域と上記吸収体401との間に確実に上記液体を供給できて、上記液体が、上記ノズルプレート101の撥水膜103形成領域外に付着し、液残りを発生させることを防ぐことができる。
また、上記液体供給機構41は、上記液体を供給する供給路405と、この供給路405に超音波を印加する超音波発生部42とを有するので、上記供給路405において超音波加振された洗浄効果の高い上記液体を供給できる。
また、上記液体供給機構41から供給される上記液体は、上記インク液に含まれる溶剤を有するので、上記インク液の乾燥等で発生した上記インク液起因の付着物を効率良く除去することができるとともに、上記インクジェットヘッド内部の増粘インクを再溶解させ、目詰まりを防止することができる。
また、上記制御部60は、上記加圧機構3と上記吸引機構5とを連動させ、上記加圧機構3の加圧開始と上記吸引機構5の吸引開始とのタイミング、および、上記加圧機構3の加圧終了と上記吸引機構5の吸引終了とのタイミングを、調整するので、過剰加圧による上記吸収体401と上記ノズルプレート101との間で形成される液柱の撥水膜103形成領域外への濡れ広がりを防ぎ、確実に吸上記収体を経由して上記インク液を吸収することができる。なお、上記加圧機構3は、上記ノズルプレート101の少なくとも一つの上記ノズル孔102aから上記インクジェットヘッド10内部の上記インク液を押し出す。
また、上記制御部60は、上記液体供給機構41と上記吸引機構5とを連動させ、上記液体供給機構41の供給開始と上記吸引機構5の吸引開始とのタイミング、および、上記液体供給機構41の供給終了と上記吸引機構5の吸引終了とのタイミングを、調整するので、過剰供給による上記吸収体401と上記ノズルプレート101との間で形成される液柱の撥水膜103形成領域外への濡れ広がりを防ぎ、確実に吸上記収体を経由して上記インク液を吸収することができる。
また、上記吸収体401は、不織布であるので、上記インクジェットヘッドの作製精度ばらつきや、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間隔調整ばらつき等の影響で、万が一、上記ノズルプレート101と上記吸収体401とが接触した際も、上記ノズルプレート101へのダメージを最小限にとどめることができる。
次に、上記メンテナンス装置1を使用したインクジェットヘッドのメンテナンス方法について、図4A〜図4Dを用いて説明する。
まず、図4Aに示すように、インクジェットヘッド10は、インクジェットヘッド保持部材20によって、ノズルプレート101の吐出面101aが、吸引部40と対向する位置に移動される。この際、ノズルプレート101と吸収体401の相対位置は、その中心が一致する位置に配置されるとともに、その間隔はあらかじめ制御部60に入力された一定間隔Dになるように移動される。
ここで、ノズルプレート101と吸収体401との間隔Dの設定について、図2、図5A〜図5C、図6A,図6Bを用いて以下に説明する。図5A〜図5Cは、インクタンク30を加圧した際のノズルプレート101のインク液の挙動を説明した図であり、図6A、図6Bは、ノズルプレート形成部材601にインク液501を滴下した際の、ノズルプレートの吐出面101aの側面方向から観察した図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかるノズルプレート101は、ノズル孔102aを除くその前面に撥水膜103が形成されている。複数のノズル孔102aのうち、最端の穴の中心からノズルプレート101の端部への最短距離rは、図に示すr1、r2、r3のうちのいずれかとなる。本実施の形態にかかるノズルプレート101の設計値は、r1=500μm、r2=1500μm、r3=2000μmであり、r1が最短距離rとなっている。
インクタンク30を加圧し、インクジェットヘッド10の内部のインクを排出すると、ノズル孔102aからは図5Aに示すように、インク液501が、撥水膜103上に半球状に広がる。
さらに加圧を続けると、図5Bに示すように、隣接チャネルから排出されたインク液501と接触し、結合されて大きな楕円形状のインク液501となる。このような楕円形状のインク液501は、外部からの物理的エネルギーを与えない理想状態では、その表面エネルギーが最も安定になるように半球状になろうと界面が変化する。しかしながら、本実施の形態にかかるメンテナンス方法では、インク液501が結合して大きな楕円形状のインク液501となった後も加圧をおこなっているため、この楕円形状を保ったまま、そのサイズが変化する。この場合、結合後のノズルプレート101との接触面が広がるのではなく、高さ方向への成長が支配的になる。結合後の楕円形状のインク液501の短径は結合前の半径とほぼ同程度であり、短径が成長するには、インク液501の撥水膜103上での接触角から理想的な高さに成長した後のこととなる。その後、短径の成長とともに、高さも成長するため、楕円形状のインク液501がノズルプレート101の側壁まで濡れ広がったときのインク液501の高さは、理想的に半球形状を保ったまま成長しノズルプレート101の側壁まで濡れ広がったとき高さと同じと考えられる。
一方、表面張力が高いインクでは、図5Cに示すように、大きな楕円形状のインク液501がその表面張力により、いくつかの半球形状のインク液501に分裂する。また、表面張力の低いインク液501であっても、ノズルプレート101のうねりや傷などの段差、ヘッド起因のチャネル間の加圧力ばらつきによるインク液501の成長ばらつき等の影響で、理想的な楕円形状を保ったままではなく、図5Cに示すようないくつかの半球形状のインク液501が成長する形となる。
以上から、インク液501の挙動は、理想的に半球形状を保ったまま成長すると考えることができる。
このようなインクタンク30の加圧によるインク液501の成長は、ノズルプレート101上での半径(あるいは短径)がrより大きくなると、インク液501はノズルプレート101の側壁まで濡れ広がり、液残りを発生させる。液残りを発生させないためには、インク液501の半径がrより大きくならないようにすることが必須である。
インク液501の半径がrのときの高さをhとすると、h>Dに設定すれば、インク液501が成長して半径rとなる前に吸収体401と接触することができるため、吸収体401からインク液501を吸引する圧力を調整することにより、インク液501の濡れ広がりを抑制し、液残りの発生を抑制することができる。このために、ノズルプレート101と吸収体401との間隔Dを適切な値に設定することが重要である。
ノズルプレート101と吸収体401との間隔Dについては、ノズルプレート101に形成された撥水膜103と同材料を用いて、これに対するインク液501、洗浄液滴の接触角を求める方法によって決定する。本実施の形態では、ノズルプレート101の形成工程で不要となった箇所のノズルプレート形成部材601を使用した。
図6Aに示すように、ノズルプレート形成部材601上にインク液501を滴下し、側面から観察することにより、その透過画像を得ることができる。透過画像にはインク液501の実像と鏡像が映し出されるため、その界面を判別し、図6Bに示すように、実像だけを画像処理により残す。この画像をもとに、接触角を測定する。
接触角の測定には、広くθ/2法が用いられており、この方法では、インク液501の中心点をO、点Oにおける垂線とインク液501の境界線の接点をP、インク液501の境界線とノズルプレート形成部材601との接点をQ(Q1,Q2)としたとき、点Qにおけるインク液501の接線とノズルプレート101との角(接触角)θは、線PQと線OQとのなす角の2倍となる。このことから、インク液501の半径rとインク液501の高さhとの関係を、接触角θを用いて、
h=rtan(θ/2)
となる。つまり、インク液501の半径がrとなる際、D<rtan(θ/2)を満たせばよい。
また、インク液501、洗浄液滴の体積が大きくなる場合、接触角は自重の効果により小さく求まることになるが、本実施の形態のインクジェットヘッドメンテナンス装置1においては、ノズル面が下向きとなるため、ノズルプレート101上のインク液501の高さh’は、自重の効果により接触角とrから求まる値よりも大きくなる。そのため、h’>h>Dとなり、インク液501がノズルプレート101の側壁まで濡れ広がる前に、吸収体401と接触する。
以上から、ノズルプレート101と吸収体401との間隔D については、D<rtan(θ/2)を満たすように設定すればよい。さらに好ましくは、Dの値が小さくなると、ノズルプレートのたわみ、吸収体401のたわみ、インクジェットヘッド保持部材の位置決め精度等の問題でノズルプレート101と吸収体401とが接触する危険があるため、これを防ぐためにも出来る限り大きな値を入力するほうがよい。
同様にして、洗浄液滴の接触角αから、D’<rtan(α/2)を満たすD’を求めることができる。このDとD’を比較し、値の小さい方をDとして制御部60に入力する。
本実施の形態では、インクのノズルプレート形成部材601に対する接触角が100°、洗浄液のノズルプレート形成部材601に対する接触角が114°、rが500μmであったことから、h=500×tan(50°)=595μmとなるため、D=500μmとした。
次に、図4Bに示すように、インクタンク30の加圧と、吸引部40からのインクの吸引を行う。インクタンク30を加圧することにより、インクジェットヘッド10のノズル孔102a近傍の増粘インク等を排出し、ノズルプレート101と吸収体401との間でインクの液柱701を形成する。この液柱701がノズルプレート101側壁まで濡れ広がらないように、吸引部40から排出されたインクを吸引する。本実施の形態では、インクタンク30に加圧する圧力および、吸引部40からインクを吸引するための吸引ポンプ50の圧力は、あらかじめ調整しておき、これらの圧力印加をON/OFFする電磁弁の切り替え、吸引ポンプ50の電源のON/OFFを制御部60で行った。
ノズルプレート101の側壁までインク液501を濡れ広がらせないためにも、インク排出量とインク吸引量の単位時間当たりの体積を求め、インク排出量とインク吸引量がほぼ等しいか、インク吸引量のほうが、やや大きいくらいに調整する必要がある。本実施の形態では、インクタンク30を加圧した際の単位時間当たりのインク排出量を、インク袋の重量変化と、インクの比重をもとに逆算して求めた。また、インク吸引量は、筒状容器を枠体402に固定し、筒状容器内のインクが吸引される構成にした後、容器から常にインクがオーバーフローするようにインクを供給した状態で吸引ポンプ50を稼動させ、インク廃液ビン内に蓄積されるインクの量から求めた。
次に、図4Cに示すように、インクタンク30の加圧を止め、洗浄液供給部から洗浄液を供給する。このことにより、ノズルプレート101と吸収体401との間で洗浄液の液柱702が形成され、ノズルプレート101のノズル孔102a以外の箇所についた、固着インクなどの付着物を再溶解、あるいは除去することができ、ノズルプレート101全面をクリーニングすることができる。本実施の形態では、図示しない洗浄液タンク(洗浄液が入った袋)を加圧することにより洗浄液を供給した。単位時間当たりの洗浄液の供給量は、洗浄液タンクの重量変化と、洗浄液の比重をもとに逆算して求めた。さらに、洗浄液供給量がインク排出量と同じになるように圧力調整を行った。本実施の形態では、制御部60内でカウントされたタイミングを元に、制御部60から送られた信号により、インクタンク30への加圧の停止および洗浄液供給のための電磁弁の操作を行った。
なお、洗浄液は固着物の再溶解を行うことを目的とし、インクが含有する溶媒を用いることが好ましい。本実施の形態で使用したインクは水性インクであり、洗浄液としては純水を用いた。
また、インクタンク30の圧力については、大気開放するのではなく、インクタンク30とインクジェットヘッド10のノズル孔102aとの位置関係によって発生する水頭差の圧力分がキャンセルされる程度に加減圧する。さらに好ましくは、インク液501がノズルプレート101上に濡れ広がらない程度に加圧されているのがよい。本実施の形態では、インクタンク30はインクジェットヘッド10よりも上部に配置されているため、インクタンク30には若干の負圧が印加されている。
また、洗浄液の供給と同時に超音波振動子を加振させるための電圧印加も行われる。超音波振動を加えることにより、ノズルプレート101と吸収体401との間で形成された液柱を伝い、ノズルプレート101に強固に固着した付着物を除去することが可能となる。しかしながら、超音波振動子は適切な駆動周波数で振動させないと、発生するキャビテーションによりノズルプレート101の撥水膜103にダメージを与え、撥水性を劣化させる。
以下に超音波振動子の駆動周波数について説明する。図7は、超音波振動子409の駆動周波数とノズルプレート101と同材料のノズルプレート形成部材601へのダメージとの関係を示したグラフである。キャビテーションによるダメージがあった場合は×、ダメージが無かった場合は○を結果に記している。
なお、実験では、超音波発信機のパワーを50W、100W、200Wで行ったが、パワーに対する依存は見られなかった。また、1分から15分の間で印加時間を変えて観察したが、時間依存も見られなかった。
図7からわかるように、超音波振動子の駆動周波数が100kHz未満では、ノズルプレート形成部材601にキャビテーションによるダメージが観測されたが、100kHz以上ではキャビテーションダメージが観測されなかった。そのため、本実施の形態では超音波振動子の駆動周波数を170kHzで行った。
次に、図4Dに示すように、洗浄液の供給を止め、ノズルプレート101と吸収体401との間で形成された液柱を分裂させる。ノズルプレート101上の撥水膜103と吸収体401との親撥水によって、ノズルプレート101への液残りは少なくなる。
洗浄液の供給の停止だけでも、本発明の効果を奏することができるが、さらに好ましくは、インクジェットヘッド10が吸引部40から鉛直方向に離れるように移動させる。インクジェットヘッド10をゆっくりと鉛直方向に動かすことにより、ノズルプレート101状への洗浄液残りがさらに少なくなる。本実施の形態では、200μm/secの速度で5mm鉛直上向きに動かしている。
次に、吸引ポンプ50をOFFにし、電磁弁を切り替えインクタンク30の圧力をさらに負圧にする。インクタンク30の圧力を負圧にすることにより、ノズルプレート上に残された洗浄液残りがノズル孔102aと接触している部分から吸引され、ノズルプレート101上には全く残らなくなる。一方で、クリーニングで残された液が少量ではあるがインクジェットヘッド10内に取り込まれるため、インク濃度変化が発生する。この濃度変化分以上のインクを、図示しない捨て吐出領域にインクジェットヘッド10を移動させ、捨て吐出することにより、メンテナンスが終了する。本実施の形態では、捨て吐出として、1万発吐出させている。
要するに、この発明のインクジェットヘッド10のメンテナンス方法は、
複数のノズル孔102aが形成されたプレート本体102、および、このプレート本体102の少なくとも一部において上記ノズル孔102aを囲うように形成されると共に上記プレート本体102よりも撥液性の高い撥水膜103を有するノズルプレート101を設けたインクジェットヘッド10と、上記ノズルプレート103の上記ノズル孔102aに対向して配置される吸収体401とを、位置調整機構7により、相対的に移動して、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103側の吐出面101aと上記吸収体401との間の、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに直交する方向における距離を、一定間隔D離して固定する工程と、
加圧機構3により、上記ノズルプレート101の少なくとも一つの上記ノズル孔102aから上記インクジェットヘッド10内部の上記インク液を押し出して、上記インク液が、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103の外側に広がる前に、上記インク液を上記吸収体401と上記ノズルプレート101との間で液柱に形成する工程と、
吸引機構5により、上記吸収体401に負圧を印加して上記吸収体401に上記インク液を吸収させる工程と
を備えている。
この発明のメンテナンス方法によれば、上記ノズルプレート101の上記ノズル孔102aより排出される上記インク液を、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103の外側に濡れ広がる前に、上記吸収体401に吸収させるので、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103の外側に濡れ広がり、上記インク液残りの発生を抑制することができる。
したがって、上記ノズルプレート101のダメージや上記ノズルプレート101の上記インク液残りを発生させることなく、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aを、適切にクリーニングすることができる。
また、この発明のメンテナンス方法では、上記ノズルプレート101の上記ノズル孔102aから上記インク液を押し出した後に、上記ノズルプレート101の上記ノズル孔102aに負圧を印加する。
したがって、上記ノズル孔102aより排出された上記インク液が、万一、上記ノズルプレート101の上記撥水膜103上に残った際も、残った上記インク液の端部が上記ノズル孔102aと接触しているため、上記ノズル孔102aを負圧に引くことにより、残ったインク液を、上記ノズル孔102a内に吸引することができる。このため、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aの上記インク液残りが完全になくなる。
また、この発明のメンテナンス方法では、液体供給機構41により、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aと上記吸収体401との間に液体を供給して、上記液体を上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間で液柱に形成する。
したがって、上記ノズルプレート101を上記液体で洗浄することができる。このため、例えば、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに付着した上記インク液が乾燥した場合、上記インク液が含む溶媒を洗浄液として選択することで、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aの付着物を再溶解させ、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aを効果的にクリーニングすることができる。
また、この発明のメンテナンス方法では、上記液体供給機構41により供給される上記液体は、超音波加振されている。
したがって、超音波加振された上記液体が上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに強固に付着した異物を除去できて、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aの洗浄性が一層向上する。
また、この発明のメンテナンス方法では、上記超音波加振の周波数は、100kHz以上である。
したがって、超音波印加により発生するキャビテーションが撥水膜103にダメージを与えることなく洗浄することができる。
また、この発明のメンテナンス方法では、上記加圧機構3からの単位時間当たりの上記インク液の押し出し量をL1とし、上記液体供給機構41からの単位時間当たりの上記液体の供給量をL2とし、上記吸引機構5における単位時間当たりの吸収量をL3としたとき、L1+L2≦L3を満たす。
したがって、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間に供給される総液体量よりも、上記吸収体401を介して吸収される液体量の方が多くなるため、液柱が撥水膜103形成領域の外側に広がることがなくなる。このため、撥水膜103形成領域外への上記インク液や上記液体の液残りの発生を抑制することができる。
また、この発明のメンテナンス方法では、上記加圧機構3により上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間で上記インク液を液柱に形成した後、上記位置調整機構7により、上記ノズルプレート101の上記吐出面101aに直交する方向に、上記ノズルプレート101と上記吸収体401とを相対的に離隔する。
したがって、上記ノズルプレート101と上記吸収体401との間で形成される上記インク液の液柱が細くなり、この液柱が崩壊した際の上記ノズルプレート101の上記吐出面101a側に残る液量が少なくなる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本実施の形態では、インクジェットヘッド10がインクジェットヘッド保持部材20により動作することについて説明したが、インクジェットヘッド10と吸引部40との相対位置が変わればよく、吸引部40が動く構成であってもかまわない。
本発明のインクジェットヘッドのメンテナンス装置の概略構成図である。 ノズルプレートの吐出面から見た平面図である。 吸引部のノズルプレートとの対向面の平面図である。 図3AのA−A’断面図である。 インクジェットヘッドのメンテナンス方法の第1工程を説明する説明図である。 インクジェットヘッドのメンテナンス方法の第2工程を説明する説明図である。 インクジェットヘッドのメンテナンス方法の第3工程を説明する説明図である。 インクジェットヘッドのメンテナンス方法の第4工程を説明する説明図である。 インクタンクを加圧した際のノズルプレートの第1の様子を示した平面図である。 インクタンクを加圧した際のノズルプレートの第2の様子を示した平面図である。 インクタンクを加圧した際のノズルプレートの第3の様子を示した平面図である。 ノズルプレート形成部材にインク液を滴下した際の側面から観察した図である。 ノズルプレート形成部材にインク液を滴下した際の側面から観察した図である。 超音波振動子の駆動周波数とノズルプレート形成部材へのダメージとの関係を示したグラフである。
符号の説明
1 インクジェットヘッドのメンテナンス装置
3 加圧機構
5 吸引機構
7 位置調整機構
10 インクジェットヘッド
20 インクジェットヘッド保持部材
30 インクタンク
40 吸引部
41 液体供給機構
42 超音波発生部
50 吸引ポンプ
60 制御部
101 ノズルプレート
101a 吐出面
102 プレート本体
102a ノズル孔
103 撥水膜
401 吸収体
402 枠体(撥液部材)
403 吸収体保持部材
404 洗浄液供給口
405 洗浄液供給路
406 洗浄液吸引路
407 廃液タンク
408 超音波発信機
409 超音波振動子
501 インク液
601 ノズルプレート形成部材
701 液柱(インク液)
702 液柱(洗浄液)

Claims (18)

  1. 複数のノズル孔が形成されたプレート本体、および、このプレート本体の少なくとも一部において上記ノズル孔を囲うように形成されると共に上記プレート本体よりも撥液性の高い撥水膜を有するノズルプレートを設けたインクジェットヘッドと、
    上記ノズルプレートの少なくとも一つの上記ノズル孔から上記インクジェットヘッド内部の上記インク液を押し出す加圧機構と、
    上記ノズルプレートの上記ノズル孔に対向して配置されると共に上記加圧機構から押し出された上記インク液を吸収する吸収体と、
    上記吸収体に負圧を印加して上記吸収体に上記インク液を吸収させる吸引機構と、
    上記ノズルプレートの上記撥水膜側の吐出面に直交する方向における上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の距離を相対的に調整する位置調整機構と、
    上記位置調整機構によって、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の距離を一定間隔離して固定してから、上記吸引機構によって、上記吸収体に上記インク液を吸収させる制御部と
    を備えることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記制御部は、上記プレート本体の上記ノズル孔の中心と上記撥水膜の端部との最短距離をrとし、上記撥水膜上に半径rの上記インク液を形成したときの上記インク液の高さをhとしたとき、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間の上記一定間隔Dが、h>Dを満たすようにしてから、上記吸収体に上記インク液を吸収させることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  3. 請求項1または2に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記吸収体における上記ノズルプレートの上記吐出面と対向する対向面の面積は、上記ノズルプレートの上記撥水膜の面積と同等以下であることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記吸収体を囲むように、上記吸収体よりも撥液性の高い撥液部材を、設けていることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記ノズルプレートと上記吸収体との間に液体を供給する液体供給機構を有することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  6. 請求項5に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記液体供給機構の上記液体を供給する供給口は、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向からみて、上記ノズルプレートの上記撥水膜に重なることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  7. 請求項5または6に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記液体供給機構は、上記液体を供給する供給路と、この供給路に超音波を印加する超音波発生部とを有することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  8. 請求項5から7の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記液体供給機構から供給される上記液体は、上記インク液に含まれる溶剤を有することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  9. 請求項1から8の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記制御部は、上記加圧機構と上記吸引機構とを連動させ、上記加圧機構の加圧開始と上記吸引機構の吸引開始とのタイミング、および、上記加圧機構の加圧終了と上記吸引機構の吸引終了とのタイミングを、調整することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  10. 請求項5から9の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記制御部は、上記液体供給機構と上記吸引機構とを連動させ、上記液体供給機構の供給開始と上記吸引機構の吸引開始とのタイミング、および、上記液体供給機構の供給終了と上記吸引機構の吸引終了とのタイミングを、調整することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  11. 請求項1から10の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置において、
    上記吸収体は、不織布であることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  12. 複数のノズル孔が形成されたプレート本体、および、このプレート本体の少なくとも一部において上記ノズル孔を囲うように形成されると共に上記プレート本体よりも撥液性の高い撥水膜を有するノズルプレートを設けたインクジェットヘッドと、上記ノズルプレートの上記ノズル孔に対向して配置される吸収体とを、位置調整機構により、相対的に移動して、上記ノズルプレートの上記撥水膜側の吐出面と上記吸収体との間の、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向における距離を、一定間隔離して固定する工程と、
    加圧機構により、上記ノズルプレートの少なくとも一つの上記ノズル孔から上記インクジェットヘッド内部の上記インク液を押し出して、上記インク液が、上記ノズルプレートの上記撥水膜の外側に広がる前に、上記インク液を上記吸収体と上記ノズルプレートとの間で液柱に形成する工程と、
    吸引機構により、上記吸収体に負圧を印加して上記吸収体に上記インク液を吸収させる工程と
    を備えることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
  13. 請求項12に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    上記ノズルプレートの上記ノズル孔から上記インク液を押し出した後に、上記ノズルプレートの上記ノズル孔に負圧を印加することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
  14. 請求項12に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    液体供給機構により、上記ノズルプレートの上記吐出面と上記吸収体との間に液体を供給して、上記液体を上記ノズルプレートと上記吸収体との間で液柱に形成することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
  15. 請求項14に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    上記液体供給機構により供給される上記液体は、超音波加振されていることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
  16. 請求項15に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    上記超音波加振の周波数は、100kHz以上であることを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
  17. 請求項14から16の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    上記加圧機構からの単位時間当たりの上記インク液の押し出し量をL1とし、上記液体供給機構からの単位時間当たりの上記液体の供給量をL2とし、上記吸引機構における単位時間当たりの吸収量をL3としたとき、L1+L2≦L3を満たすことを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
  18. 請求項12から17の何れか一つに記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    上記加圧機構により上記ノズルプレートと上記吸収体との間で上記インク液を液柱に形成した後、上記位置調整機構により、上記ノズルプレートの上記吐出面に直交する方向に、上記ノズルプレートと上記吸収体とを相対的に離隔することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
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