JP2008272671A - 一体型固液分離システムおよびろ過装置 - Google Patents

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Minoru Sato
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良行 菅原
Naoteru Ota
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Abstract

【課題】処理対象の原水が大容量の処理に適し、費用対効果の面でも最適で、かつ良質な処理水を得ることができる沈降分離処理とろ過処理を併用した一体型固液分離システムを提供する。
【解決手段】原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽1と、前記上澄水をろ過スクリーン3でろ過してろ過水を流出するろ過容器5および前記ろ過スクリーン3面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機4からなり、前記沈殿槽1内に配設されるろ過装置2とを備えた一体型固液分離システムSにおいて、前記ろ過容器5は、上澄水流入口10と、ろ過水流出口11と、前記ろ過スクリーン3とともに前記ろ過容器5内を上澄水室8およびろ過水室9に分割する仕切壁6とを備え、かつ、前記ろ過スクリーン洗浄機4は、前記ろ過スクリーン3面の付着物を吸引する吸引ヘッド13と、該吸引ヘッド13に接続する吸引管14とを備えるものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、原水を固液分離する固液分離システムにおいて、沈降分離処理とろ過処理の2段階の固液分離処理機能を備えた一体型固液分離システムに関するものである。また、従来の沈降分離処理の沈殿槽に設置することで前記の一体型固液分離システムを実現可能なろ過装置に関するものである。
従来、懸濁物質を含んだ原水を沈殿槽に導入して静置し、懸濁物質を重力によって沈殿槽の下方に沈降分離させて堆積させ、上澄水を処理水として取り出すことで、原水を固液分離処理する沈降分離処理の固液分離システムが広く利用されている。この沈降分離処理の固液分離システムは、懸濁物質を重力によって沈降させることで処理水を得るシステムであることから、原水をそのまま沈殿槽に導入した状態では、比重が1以上の懸濁物質しか固液分離できず、良質の上澄水を得ることは困難である。このため、原水に凝集剤を添加し、比重が1未満の微細な懸濁物質同士が凝集する凝集フロックの形成を促し、凝集フロックの比重が1以上になるか、フロック径が大きくなるまで成長させて微細な懸濁物質を沈殿槽内で沈降分離させることで、良質の上澄水を得るようにしている。
この沈降分離処理の固液分離システムは、大容量の処理の場合、他の固液分離システムに比べて費用対効果の面で特に優れている。また、いずれの固液分離システムにおいても、固液分離した懸濁物質がシステム内に蓄積されることによって、蓄積した懸濁物質を系外に搬出するまでは、処理開始から時間経過と共に時間当たりの処理水量(処理効率)が低下していく。沈降分離処理の固液分離システムは、他の固液分離システムに比べて時間経過に対する処理効率の低下が少ない安定したシステムである。
しかし、重力による沈降分離に依存するこの固液分離システムは、凝集剤を添加しても固液分離できる懸濁物質の粒子径に限界があることから、他の固液分離システムに比べて得られる処理水質における分離限界値が大きいという致命的な問題があった。また、廃水処理に適用する場合、沈殿槽に流入する原水流量は時間毎に変動があり、凝集剤の添加量は原水流量に応じて調整する必要があるという問題があった。
一方、原水をろ過装置で固液分離するろ過処理の固液分離システムも従来から広く利用されている。このろ過装置で使用されるろ過フィルタには様々な種類がある。中空糸膜や平膜等に代表される膜面に非常に微小な通水孔を多数有するろ過膜のようなものもあれば、微細な網目の金属網、繊維布あるいは通水孔を多数有する多孔板に代表されるろ過スクリーンのようなものもある。また、アンスラサイトや珪砂等に代表されるろ材もろ過フィルタに属する。
ろ過装置には、この設置環境により、床上設置型と浸漬設置型の2つに分類される。床上設置型は、ろ過容器にろ過フィルタを配置して内部を原水室側とろ過水室側に分割した構成のろ過装置であり、ろ過容器の原水室側の原水を加圧ポンプや水頭圧でろ過水室側に圧送する、あるいはろ過水室側から吸引ポンプ等で吸引することで、原水をろ過処理するものである。また、浸漬設置型は、ろ過フィルタがろ過膜の場合に使用されているもので、原水が貯留される水槽にろ過膜を浸漬設置し、ろ過膜のろ過水室側から吸引ポンプ等で吸引して水槽内の原水をろ過膜に通過させる、あるいは水槽内の水圧で原水をろ過膜に通過させることでろ過処理するものである。
浸漬設置型のろ過装置は、廃水を処理槽に導入して生物化学処理を施す廃水処理システムの固液分離手段として、処理槽にろ過膜を浸漬設置するか、あるいは、生物化学的処理を施した処理水を貯留する貯留槽にろ過膜を浸漬設置して使用される。
ろ過処理による固液分離システムは、処理水の水質はろ過フィルタの原水が通過する通水孔径のみに依存するものであるので、処理水の水質が原水の水質変動に左右されないという大きなメリットがある。また、特にろ過フィルタにろ過膜を使用する場合には、通水孔径を相当小さくできるので、沈降分離方式の場合よりもはるかに高い水質の処理水を得ることができる。しかし、その反面、通水孔が懸濁物質で目詰まりしやすく、原水の通過水量が低下するので、処理時間に対する処理水量面における処理能力低下率が著しく高い。ろ過フィルタの目詰まりは逆洗浄等で付着物除去処理を行い、処理能力を回復させるが、原水の水質がよくないと付着物除去処理の頻度が増大するという問題があった。
以上のような各処理方式の問題点を解消すべく、沈降分離処理とろ過処理を併用した以下の固液分離システムが考案されている。
特許文献1記載の浄水処理装置は、凝集混和槽、フロック形成槽、沈殿池、砂ろ過塔で主に構成されている。この浄水処理装置では、まず、無機凝集剤を注入した原水を凝集混和槽に導入し、そこで原水中の濁質から微細フロックを形成させる。次に、微細フロックを含む原水に高分子凝集剤を注入してフロック形成槽に導入し、微細フロックを凝集させて巨大フロックを形成させる。さらに、巨大フロックを含む原水を沈殿池に導入して巨大フロックと沈殿処理水に固液分離する。最後に、沈殿処理水を砂ろ過塔でろ過処理する。以上のように、特許文献1記載の浄水処理装置では、沈降分離処理を行う沈殿池とろ過処理を行う砂ろ過塔を併用することで原水を浄化処理できるようになっており、それなりの効果を得ることができていた。
特許文献2記載の下水処理装置は、最初沈殿池と、最初沈殿池内に隔壁を設け、そこに筒状ろ材を充填した筒状ろ材充填部と、ろ材充填部を備えた硝化反応槽とで主に構成されている。この下水処理装置では、流入下水を最初沈殿池に導入し、粗大SSを沈降分離処理し、さらに上澄水を筒状ろ材充填部の下方から上方に通過させ、筒状ろ材によるSS捕捉(不溶解物質である懸濁物質のろ過処理)と筒状ろ材に保持されている脱窒菌による脱窒処理(溶解物質である窒素成分の除去)が行われ、さらに硝化反応槽でさらに脱窒処理が行われる。以上のように、特許文献2記載の下水処理装置では、沈降分離処理を行う最初沈殿池と、ろ過処理と脱窒処理を行う筒状ろ材充填部とを併用することで原水を浄化処理できるようになっており、それなりの効果を得ることができていた。
特開2003−340208号公報 特開平8−84999号公報
特許文献1記載の浄水処理装置は、沈降分離処理を行う沈殿池とろ過処理を行う砂ろ過塔を別々に設置しているため、設置面積が大きくなるという問題があった。また、沈殿池で得られる上澄水を砂ろ過塔へ移送してろ過処理を行うに際しては、砂ろ過塔内のろ材を通過させることができ、砂ろ過塔が沈殿池に流入する巨大フロック含有水の流入水量と同程度以上の処理水量を確保する必要がある。それには、砂ろ過塔に流入する上澄水に所定値以上の水圧が必要となる。沈殿池から砂ろ過塔への上澄水の送水を重力による自然流下で行い、かつ上澄水を水頭圧で加圧するには、沈殿池と砂ろ過塔の設置高さには相当の高低差が必要になる。このため、この浄水処理装置は、余程の高低差のある場所に設置するか、あるいは、砂ろ過塔を設置する場所を相当の低さの地下に設置することしかできず、大きな問題となっていた。
また、上澄水を加圧ポンプ等で強制加圧する、あるいは、砂ろ過塔のろ過水側から吸引ポンプで強制吸引することで、砂ろ過塔の処理水量を確保することは可能である。しかし、沈殿池から上澄水を強制的に吸引することになり、沈殿池内の上澄水に大きな水流を与えてしまうことになる。沈降分離処理は、重力によって懸濁物質を沈降させることで固液分離する処理方式であるので、沈殿池内で大きな水流が発生すると固液分離能力が低下してしまい、懸濁物質を多く含む水質の悪い上澄水が砂ろ過塔に送水されることになってしまう。これによって、砂ろ過塔内のろ材が懸濁物質で早期に目詰まりしてしまい、ろ材の洗浄頻度が大幅に増え、処理水量の低下や洗浄水使用量が増加してしまい大きな問題となっていた。
特許文献2記載の下水処理装置は、筒状ろ材がSSを捕捉し続けることによって筒状ろ材充填部を通過する水量が減少した場合には、エアレーションノズルによるエアレーションで筒状ろ材を流動させて剥離する空気洗浄を行うようになっており、これによって処理水量を維持できるようになっている。しかし、最初沈殿池内でエアレーションを行うと、上澄水と最初沈殿池底部の粗大SSが撹拌されてしまい、エアレーション中はもちろん、エアレーション終了後も粗大SSが再度沈降分離されるまでの間は、最初沈殿池の固液分離機能が大幅に低下してしまう。固液分離機能が復旧するまでは、最初沈殿池への下水の流入を抑制する必要がある。通常、最初沈殿池の手前に下水道からの下水(原水)を一時貯留し水量調整を行う調整槽を設置する。しかし、最初沈殿池のエアレーション後の沈降分離機能が復旧するまでの間、流入下水を調整槽に貯留しておく必要があるので、この調整槽の容量を大きくする必要があり、大きな問題となっていた。
筒状ろ材充填部の筒状ろ材には、脱窒菌等の微生物で形成される生物膜と、上澄水から捕捉されたSSとが付着しており、この付着物は、エアレーション時に物理的に剥離される。このエアレーション時においては、剥離した付着物が硝化反応槽に流出しないように、最初沈殿池内の下水の流入を一時的に抑制する等の対策が取られている。しかし、そのエアレーション時以外にも筒状ろ材の付着物が水流等の影響や生物膜が成長しすぎることによって剥離してしまうことがある。これは予定されていない剥離であり、筒状ろ材充填部内での上澄水の水流が下方から上方に向かう流れがあることから、剥離した付着物が筒状ろ材充填部の上方から処理水と共に硝化反応槽に流出してしまうという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、処理対象の原水が大容量の場合であり、かつ、大容量処理に適する沈降分離処理の固液分離システムを適用して得られる上澄水の水質では処理が不十分である場合において、大容量の処理に適し、費用対効果の面でも最適であり、かつ良質な処理水を得ることができる沈降分離処理とろ過処理を併用した一体型固液分離システムを提供することを目的とする。
この発明は、既存の沈降分離処理の沈殿槽に設置するだけで前記の一体型固液分離システムを構築することができるスクリーンろ過装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一体型固液分離システムは、原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽と、前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなり、前記沈殿槽内に配設されるろ過装置とを備えた一体型固液分離システムにおいて、前記ろ過容器は、上澄水流入口と、ろ過水流出口と、前記ろ過スクリーンとともに前記ろ過容器内を上澄水室およびろ過水室に分割する仕切壁とを備え、かつ、前記ろ過スクリーン洗浄機は、前記ろ過スクリーン面の付着物を吸引する吸引ヘッドと、該吸引ヘッドに接続する吸引管とを備えるものである。
本発明の請求項2の一体型固液分離システムは、前記ろ過容器に上澄水越流堰が設けられているものである。
本発明の請求項3の一体型固液分離システムは、原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽と、前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなり、前記沈殿槽内に配設されるろ過装置とを備えた一体型固液分離システムにおいて、前記ろ過容器は、側面に前記ろ過スクリーンが設けられていると共に、ろ過水流出口を備え、かつ、前記ろ過スクリーン洗浄機は、前記ろ過容器に設けられた洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給管とを備えるものである。
本発明の請求項4の一体型固液分離システムは、原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽内に配設され、前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなるろ過装置において、前記ろ過容器は、上澄水流入口と、ろ過水流出口と、上澄水越流堰と、前記ろ過スクリーンとともに前記ろ過容器内を上澄水室およびろ過水室に分割する仕切壁とを備え、かつ、前記ろ過スクリーン洗浄機は、前記ろ過スクリーン面の付着物を吸引する吸引ヘッドと、該吸引ヘッドに接続する吸引管とを備えるものである。
本発明の請求項5の一体型固液分離システムは、原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽内に配設され、前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなるろ過装置において、前記ろ過容器は、側面に前記ろ過スクリーンが設けられていると共に、ろ過水流出口を備え、かつ、前記ろ過スクリーン洗浄機は、前記ろ過容器内に設けられた洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給管とを備えるものである。
この発明に係る一体型固液分離システムによれば、導入する原水を沈殿槽で懸濁物質と上澄水に沈降分離処理し、さらにろ過スクリーンを備えるろ過装置によって上澄水をろ過処理することで、沈殿槽での沈降分離処理では固液分離しきれない微細な懸濁物質をろ過スクリーンで確実に固液分離でき、しかも、懸濁物質はろ過スクリーンの上澄水室側に付着することから、ろ材を用いたろ過処理の場合のような付着物が予期しない剥離を起こして処理水と共に流出してしまうことがなく信頼性の高い固液分離処理が行えるという大きな効果がある。しかも、ろ過装置は沈殿槽内に設置されるので、沈殿槽外に設置スペースを必要としないという大きな効果がある。
この発明に係る一体型固液分離システムによれば、ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機を備えることにより、ろ過スクリーン面に付着物が堆積することによって発生する目詰まりを除去できるので、ろ過スクリーンの処理効率を高い状態で維持でき、大容量のろ過処理が可能となる効果がある。また、頻繁にろ過スクリーンを洗浄できるので、ろ過スクリーンのメッシュを小さいものにしても、処理効率を高くできる効果がある。
この発明の請求項1に係る一体型固液分離システムによれば、ろ過容器内にろ過スクリーンと仕切壁を配設して、ろ過容器内を上澄水室とろ過水室に分割し、上澄水室側のろ過容器に上澄水が流入する上澄水流入口が設けられ、ろ過水室側のろ過容器にろ過処理したろ過水が流出するろ過水流出口が設けられ、上澄水室側のろ過スクリーン面の付着物を吸引除去するろ過スクリーン洗浄機を備えた構成としたことにより、以下に示す効果がある。すなわち、沈殿槽内の上澄水は、上澄水流入口から自然流下で溢れ入り、ろ過容器内でろ過処理するようになっているので、ろ過処理時やろ過スクリーン洗浄機によるろ過スクリーン洗浄時の影響が沈殿槽の上澄水へは及ぶことがなく、従来のろ過装置を内部に設置しない沈殿槽の場合と同等の沈降分離性能を常時維持できる効果がある。
この発明の請求項2に係る一体型固液分離システムによれば、ろ過容器内に上澄水室からろ過水室に上澄水を越流させるための上澄水越流堰を設けたことによって、以下に示す効果がある。すなわち、何等かの理由によりろ過スクリーン洗浄機が十分に機能せず、ろ過スクリーンが目詰まりして上澄水室内の上澄水がろ過水室側へ通過できなくなった場合、沈殿槽の原水導入口から原水が常時流入し続けることにより、上澄水流入口から上澄水が上澄水室内に流入し続けると上澄水室の水位が上昇し続け、上澄水越流堰の高さに達すると、自動的にそこから上澄水をろ過水室に逃がすことができる効果がある。また、上澄水越流堰からろ過水室に流入する水は沈殿槽で沈降分離処理を行った上澄水であり、沈殿槽の単独での処理における固液分離性能は最低限維持することができる効果がある。すなわち、この一体型固液分離システムでは、ろ過装置の処理効率が大幅に低下し、正常に機能しない場合においても、沈殿槽から原水や上澄水が槽外に漏水することがなく、沈殿槽の沈降分離処理による固液分離性能が低下することもなく、常時、沈殿槽としての機能は最低限補償できる効果がある。
この発明の請求項3に係る一体型固液分離システムによれば、ろ過容器の側面にろ過スクリーンを設置し、ろ過容器内にろ過スクリーンでろ過されたろ過水が流入するようにし、ろ過容器外側のろ過スクリーン面に微細な懸濁物質を付着物として捕捉させ、ろ過容器内に洗浄ノズルを配設してろ過容器内側のろ過スクリーン面に洗浄水を噴射することで付着物を沈殿槽内に剥離させ、ろ過スクリーン面を洗浄するように構成したことにより、以下に示す効果がある。すなわち、特許文献2記載のようなろ材を用いたろ過装置の場合、沈殿槽(最初沈殿池)内からろ材に対してエアレーションすることでろ材の付着物を剥離除去する構成であるため、エアレーションの気泡の上昇によって沈殿槽内での上澄水に上昇流を発生し、沈殿槽内のエアレーションされていない部分では下降流が発生することによって、沈殿槽内で撹拌流が発生してしまい、一時的に沈殿槽内の上澄水の水質が大幅に悪化してしまう。
これに対して、この発明の請求項3に係る一体型固液分離システムの場合、剥離した付着物が上澄水中で重力によって沈降するときに発生する若干の水流や、洗浄水がろ過スクリーンに当接することによって発生する振動やろ過スクリーンを通過した少量の洗浄水に起因する若干の水流の発生による乱れのみで済むため、ろ過スクリーン洗浄時に沈殿槽内での原水の沈降分離処理に与える影響が非常に少ないという効果がある。
また、ろ過スクリーン洗浄時の洗浄水は、そのほとんどがろ過水以上の水質でろ過容器内に残り、残りはろ過スクリーンから剥離した付着物と共に沈殿槽内に流出することから、洗浄排水を系外に排出するための手段を設ける必要がないという効果がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における一体型固液分離システムを示す平面図であり、図2は、図1の一体型固液分離システムの立面断面図である。また、図3は、図1中のろ過装置を示す拡大断面図である。この実施の形態1の一体型固液分離システムSは、原水を導入して懸濁物質と上澄水とに固液分離する沈殿槽1と、この沈殿槽1内に配設されて前記上澄水をろ過する平面型のろ過スクリーン3を備えたろ過装置2と、このろ過装置2に装備され、前記ろ過スクリーン3面の付着物を吸引除去するろ過スクリーン洗浄機4とから主に構成されている。
沈殿槽1は、平面矩形状をなして長手方向の一側上部に原水導入口1aを有し、この原水導入口1aから導入した原水を沈殿槽1内で静置して、原水中の懸濁物質を重力により沈殿槽1の下方に沈降分離させ、上澄水と懸濁物質に固液分離するようになっている。沈殿槽1の底面1bにおける原水導入口1a側にはホッパー部1cが設けられている。また、沈殿槽1の底面1bは、該底面1bの周縁側からホッパー部1c側に向かって所定の下がり勾配で傾斜している。このような沈殿槽1における原水導入口1aと反対側の槽内上部に、複数基(図1では3基)のろ過装置2が、沈殿槽1の原水導入口1aと反対側の側面に沿って所定の間隔で配設されている。
ろ過装置2は、概ね直方体状で上面が開放されたろ過容器5と、このろ過容器5内に配設された仕切壁6とを備えている。仕切壁6は、図3の紙面上で断面逆L形状をなしてろ過容器5に一体形成されて水平面部に連通口7を有しており、この連通口7に前記平面型のろ過スクリーン3が張設されている。そして、前記仕切壁6とろ過スクリーン3は、ろ過容器5内を上澄水室8とろ過水室9とに区分している。したがって、ろ過装置2は、平面型のろ過スクリーン3を用いて上澄水をろ過処理してろ過水を得るものである。
ろ過容器5の上澄水室8の周壁上端部には、沈殿槽1内の上澄水が溢れるようにして上澄水室8内に流入する上澄水流入口10が複数形成されており、ろ過容器5のろ過水室9側には、ろ過スクリーン3でろ過処理されたろ過水が流出するろ過水流出口11が形成されている。一方、前記仕切壁6の垂直面上端部には、上澄水室8内の水位より高い位置で開口して上澄水室8とろ過水室9を連通する上澄水越流堰12が設けられている。この上澄水越流堰12は、例えばろ過スクリーン洗浄機4の故障等により上澄水室8内の水位が異常上昇した際に、上澄水室8内の上澄水をろ過水室9内に流入させて前記上澄水が沈殿槽1外に漏水するのを防止するためのものである。
ろ過スクリーン3には、微細な懸濁物質を捕捉する必要があることから、通過径の小さい網状のものや多孔性のものを用いられる。網状のろ過スクリーン3としては、樹脂糸や細径の金属糸(針金)を網状に織ったものや網状に一体成型したもの等が適用可能である。ろ過スクリーン3は、所定時間毎にろ過スクリーン洗浄機4で表面が吸引されて引張応力が働くことから、ある程度以上の耐応力性を有する必要があるため、細径の金属糸を織った織金網の適用が望ましい。織金網の金属糸の素材としては、SUS304、SUS316、SUS316L、SUS430、SUS310S等のステンレス鋼、鉄、銅、黄銅、青銅、アルミニウム、ニクロム、チタン、ハステロイ、インコネル等が適用可能であるが、ろ過スクリーン3は、ほぼ常時上澄水中に水没していることから、ある程度の耐食性が必要である。費用対効果を考慮するとステンレス鋼が耐食性に優れる割には比較的安価であり、望ましい。織金網の織り方には、平織、綾織、撚線織、杉綾織、繻子織、平畳織、綾畳織、逆畳織、莚織、鎖状縦三本織等が適用可能である。最もシンプルな織り方である平織は、ろ過スクリーン3として十分に適用可能であり、かつ平織が他の織り方のものに比べて最も安価であり、最適である。なお、平織の場合、300メッシュから700メッシュ程度のものが特に適しており、その中でも500メッシュ程度のものが最適である。
多孔性のろ過スクリーン3としては、天然の多孔性素材を板状等に成型した構成のものや、板状の素材に人工的に微細孔を多数設けた構成のものが適用可能である。ただし、捕捉した懸濁物質をろ過スクリーン洗浄機4で吸引除去する必要があることから、樹脂の孔内に入り込んでしまって吸引除去できない状態が発生する恐れの少ない構造とする必要がある。
ろ過スクリーン洗浄機4は、上澄水がろ過スクリーン3でろ過処理される際に、上澄水室8側でろ過スクリーン3面に捕捉される上澄水中の微細な懸濁物質からなる付着物を吸引除去するためのものである。このようなろ過スクリーン洗浄機4は、上澄水室8側のろ過スクリーン3面上に配設された吸引ヘッド13と、この吸引ヘッド13に一端が接続された吸引管14と、この吸引管14が接続される吸引ポンプ15とにより構成されている。
ろ過容器5の上澄水室8側における長手方向両側の上端には天板5bが装着されており、ろ過水室9側の上端には天板5cは装着されている。天板5bには、長手方向にガイドレール16が設けられており、天板5cには、吸引ポンプ15が積載されている。吸引ヘッド13は、ろ過スクリーン3面上で長手方向へ往復移動可能に支持されている。吸引管14は、上澄室8内で端部が吸引ヘッド13に接続して直立する直立管部14Aと、伸縮可能であって上澄水室8上を水平方向に延伸して吸引ポンプ15の吸込側に接続する伸縮管部14Bとからなる。直立管部14Aは、両側のガイドレール16に載る2つの滑車17を備える支持部材18によって支持されており、吸引管14が伸縮管部14Bを有することによって、その伸縮管部14Bの伸縮方向に吸引ヘッド13が往復移動可能となっている。
また、前記吸引ヘッド13を走行駆動する手段として、天板5bの長手方向一側に配設された一対のプーリー19,20と、これらのプーリー19,20に巻回されたベルト21と、前記プーリー19を回転駆動する駆動機22とを備え、前記支持部材18をベルト21に固定して連動させた構成としてある。なお、吸引管14の伸縮管部14Bをゴム等の軟質樹脂で形成した場合、自重で垂れ下がってしまう恐れがある。この場合、伸縮管部14Bの上方にガイドレール16と平行にレールを設け、上端部にレール上を移動可能に加工した吊下支持金物を用い、その吊下支持金物のリング部で伸縮管部14Bを支持した構成とすると、伸縮管部14Bが上澄室8内に垂れ下がってしまい、ろ過スクリーン3面の洗浄機能へ影響を与えてしまうことを防止できる。
次に、実施の形態1における一体型固液分離システムの作用を説明する。沈殿槽1内に原水導入口1aから流入した原水は、沈殿槽1内で静置して、原水中の懸濁物質が重力で沈殿槽1内の下方に沈降分離されることにより、上澄水と懸濁物質とに固液分離され、懸濁物質は沈殿槽1底部のホッパー部1cに貯留される。一方、沈殿槽1内の上澄水は、原水導入口1aから新たな原水が流入する度に押し出されてろ過容器5の上澄水流入口10から溢れるようにして上澄水室8内に流入する。上澄水室8内に流入した上澄水は、ろ過スクリーン3を通過するが、このとき、上澄水に含まれた微細な懸濁物質がろ過スクリーン3面上に捕捉される。そして、ろ過スクリーン3を通過したろ過水はろ過水室9に流入した後、ろ過水流出口11から系外に排出される。
ろ過スクリーン3面上の付着物(微細な懸濁物質等)は適当な時期に洗浄除去する必要があり、その洗浄除去に際して吸引ポンプ15および駆動機22を共に起動させると、吸引ポンプ15によって吸引ヘッド13内には強力な吸引力が発生し、吸引ヘッド13下方のろ過スクリーン3面上の付着物が吸引され、ろ過スクリーン3のろ過水室9側のろ過水がその吸引力によってろ過スクリーン3を逆流して吸引ヘッド13に吸引され、さらにろ過スクリーン3と吸引ヘッド13との隙間から周囲の上澄水が吸引されることにより、これらの付着物を含む混合水が洗浄排水として吸引ヘッド13から、吸引管14を通って吸引ポンプ15の吐出側配管から系外に排出される。同時に駆動機22によってベルト21が正逆回転駆動されることにより、ベルト21に連動する支持部材18の滑車17がガイドレール16上を走行し、支持部材18に固定支持された吸引管14の直立管部14Aを介して吸引ヘッド13がろ過スクリーン3面上を長手方向に往復移動する。これにより、ろ過スクリーン3全面の付着物が吸引ヘッド13によって連続的に吸引除去される。
なお、ろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3の吸引洗浄サイクルであるが、常時作動させておく方式、一定時間ごとに作動させる方式、上澄水室8内の水位で作動させる方式、ろ過装置2のろ過水量で作動させる方式等がある。一定時間ごとに作動させる方式の場合は、想定される上澄水の水質と求められるろ過水の水質とから想定されるろ過スクリーン3によるろ過処理を開始してから所定のろ過水量を確保できなくなるまでの時間を目処に洗浄サイクルを設定するとよい。上澄水室8内の水位で作動させる方式は、ろ過スクリーン3が目詰まりしていき、ろ過水量がろ過装置2内に流入する上澄水量を下回ると、上澄水室8内の上澄水の水位が上昇してくる。この上澄水室8内の水位を電極棒、電極帯、水圧センサ、赤外線水位計、超音波水位計等の水位検知器で検出してろ過スクリーン洗浄機4を作動させるようにする。また、ろ過装置2のろ過水量で作動させる方式は、ろ過水量を流量計や量水器等で測定し、ろ過水量が所定値以下にまで低下したときに、ろ過スクリーン洗浄機4を作動させるようにする。
以上のように、実施の形態1の一体型固液分離システムによれば、原水を導入する沈殿槽1内にろ過容器5を設置し、このろ過容器内5に仕切壁6とろ過スクリーン3を配設して、前記ろ過容器5内を上澄水室8とろ過水室9とに区分し、上澄水室8側のろ過容器5に上澄水が流入する上澄水流入口10を設け、ろ過水室9側のろ過容器5にろ過処理したろ過水が流出するろ過水流出口11を設け、上澄水室8側のろ過スクリーン3面の付着物を吸引除去するろ過スクリーン洗浄機4を備えた構成としたことにより、以下に示す効果がある。
(1)沈殿槽1では導入した原水を懸濁物質と上澄水に沈降分離処理し、さらに、ろ過スクリーン3を備えるろ過装置2によって上澄水をろ過処理することで、沈殿槽1での沈降分離処理では除去しきれない微細な懸濁物質をろ過スクリーン3で確実に除去でき、しかも、懸濁物質はろ過スクリーン3の上澄水室8側に付着することから、ろ材を用いたろ過処理の場合のような付着物が予期しない剥離を起こして処理水と共に流出してしまうことがなく信頼性の高い固液分離処理が行えるという大きな効果がある。しかも、ろ過装置2は沈殿槽1内に設置されるので、沈殿槽1外に設置スペースを必要としないという大きな効果がある。
(2)沈殿槽1内の上澄水は、ろ過容器5の上澄水流入口10から自然流下で上澄水室8内に流入し、ろ過容器5内のろ過スクリーン3でろ過処理するようになっているので、ろ過処理時やろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3の洗浄時の影響が沈殿槽1の上澄水に及ぶことがなく、従来のろ過装置を内部に設置しない沈殿槽の場合と同等の沈降分離性能を常時維持できるという効果がある。
(3)上述のように、ろ過スクリーン3面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機4を備えることにより、ろ過スクリーン3面に付着物が堆積することによって発生する目詰まりを解消できるので、ろ過スクリーン3の処理効率を高い状態で維持でき、大容量のろ過処理が可能となる効果がある。また、頻繁にろ過スクリーン3を洗浄できるので、ろ過スクリーン3のメッシュを小さいものにしても、処理効率を高くすることができる効果がある。
(4)ろ過容器5内に上澄水室8からろ過水室9に上澄水を越流させるための上澄水越流堰12を設けたことによって、次のような効果がある。すなわち、何等かの理由によりろ過スクリーン洗浄機4が十分に機能せず、ろ過スクリーン3が目詰まりして上澄水室8内の上澄水がろ過水室9側へ通過できなくなった場合、沈殿槽1の原水導入口1aから原水が常時流入し続けることにより、上澄水流入口10から上澄水が上澄水室8内に流入し続けると上澄水室8の水位が上昇し続け、上澄水越流堰12の高さに達すると、そこから上澄水をろ過水室9に逃がすことができる効果がある。また、上澄水越流堰12からろ過水室9に流入する水は沈殿槽1で沈降分離処理を行った上澄水であり、沈殿槽1の単独での処理における固液分離性能は最低限維持することができる効果がある。すなわち、ろ過容器5内に備えられた仕切壁6に上澄水越流堰12を設けたことにより、一体型固液分離システムSでろ過装置2の処理効率が大幅に低下し、正常に機能しない場合においても、沈殿槽1から原水や上澄水が槽外に漏水することがなく、沈殿槽1の沈降分離処理による固液分離性能が低下することもなく、常時、沈殿槽1としての機能は最低限補償される効果がある。
(5)ろ過スクリーン洗浄機4が作動時は、吸引ヘッド13下面については、ろ過スクリーン3面の付着物を吸引除去する洗浄が行われるが、その部分以外のろ過スクリーン3面は、通常通り、上澄水のろ過処理が可能である。すなわち、ろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3面の洗浄を行っているときでも、ろ過装置2による上澄水のろ過処理を継続できる効果がある。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図3と同一部分には同一符号を付して重複説明は省略する。また、一体型固液分離システムを示す平面図については、ろ過装置2の詳細部分以外は図1と概ね同様であり、一体型固液分離システムの立面断面図についても、ろ過装置2の詳細部分以外は図2と概ね同様であるので、重複説明を省略する。この実施の形態2のろ過容器5は、仕切壁6の底面壁に円形状の複数の連通口7a,7b,7cを設け、これらの連通口7a,7b,7cに円形状のろ過スクリーン3A,3B,3Cを張設している点、上澄水室8内に複数の吸引ヘッド23,24,25を配設し、これらの吸引ヘッド23,24,25を回転駆動して複数のろ過スクリーン3A,3B,3Cを同時にまたは選択的に洗浄するように構成した点が前記実施の形態1と大きく異なる。
前記ろ過スクリーン3A,3B,3Cの上面近接位置に吸引ヘッド23,24,25を、該吸引ヘッド23,24,25のそれぞれから直立する直立管部23a,24a,25aがろ過スクリーン3A,3B,3Cのそれぞれの円形中心部に位置するように配設している。直立管部23a,24a,25aの各上端は、連結部23b,24b,25bを備えており、吸引管14の水平配管部14Cの所定箇所に設けられた分岐継ぎ手26,27,28によって直立方向で下方に分岐された各分岐端部と回転自在に接続されている。さらに直立管部23a,24a,25aには、同一軸心上にギア機構29,30,31がそれぞれ設けられており、これらを介してそれぞれの系統の駆動機22A,22B,22Cにより回転駆動されるようになっている。分岐継ぎ手26,27,28、駆動機22A,22B,22Cはそれぞれ天板5bの上面に据え付けられた支持枠5dに支持固定されており、これらの構成によって、吸引ヘッド23,24,25は、ろ過スクリーン3A,3B,3C上面から所定の高さ位置を維持しつつ、回転運動することが可能となっている。
次に、実施の形態2における一体型固液分離システムのろ過装置2の作用を説明する。ろ過容器5の上澄水室8内に沈殿槽1から溢れるようにして流入した上澄水は、ろ過スクリーン3A,3B,3Cを通過するとき、上澄水に含まれた微細な懸濁物質がろ過スクリーン3A,3B,3C面上に補足され、該ろ過スクリーン3A,3B,3Cを通過したろ過水は、ろ過水室9に流入してろ過水流出口11から排出される。駆動機22A,22B,22Cおよび吸引ポンプ15を起動させると、吸引ヘッド23,24,25がそれぞれの直立管部23a,24a,25aを回転軸として回転すると共に、それらの吸引ヘッド23,24,25のそれぞれの内部に発生する強力な吸引力によって、ろ過スクリーン3A,3B,3C面上の付着物がろ過スクリーン3から逆流するろ過水や吸引ヘッド23,24,25の周囲の上澄水とともに吸引除去される。なお、ろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3A,3B,3Cの吸引洗浄サイクルについては、実施の形態1のろ過装置5の場合と同様である。
以上のように、実施の形態2の一体型固液分離システムのろ過装置2によれば、前記実施の形態1と同様の効果に加え、複数のろ過スクリーン3A,3B,3C面上の付着物を、所定高さ位置で回転する吸引ヘッド23,24,25によって同時に効率よく吸引除去することができるという効果がある。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図4と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。また、一体型固液分離システムを示す平面図については、ろ過装置2の詳細部分以外は図1と概ね同様であり、一体型固液分離システムの立面断面図についても、ろ過装置2の詳細部分以外は図2と概ね同様であるので、重複説明を省略する。この実施の形態3のろ過装置2は、前記実施の形態2の1つのろ過容器5に代えて、底部がホッパー状に形成された円筒状をなして独立する複数(図5では2つ)のろ過容器5A,5Bを沈殿槽1内に配設した点、各ろ過容器5A,5Bに円環状の仕切壁6A,6Bを設置した点、該仕切壁6A,6Bに張設された円形状のろ過スクリーン3A,3Bのそれぞれの上面部で回転駆動される吸引ヘッド23,24を前記各ろ過容器5A,5Bの内部に個々に配設した点、独立するろ過容器5A,5Bのそれぞれに上澄水越流堰12A,12Bを個々に設けた点が、前記実施の形態2と大きく異なる。
また、実施の形態3では、仕切壁6A,6Bとろ過スクリーン3A,3Bによって、ろ過容器5A,5Bのそれぞれの内部が上澄水室8A,8Bとろ過水室9A,9Bとに区分されている点、ろ過水室5A,5Bのホッパー状底部のろ過水流出口11A,11Bが共通のろ過水移送管34に接続されている点、前記上澄水越流堰12A,12Bに上流水越流管32,33が接続され、該上流水越流管32,33がろ過水移送管34に分岐継ぎ手35を介して接続されている点も前記実施の形態2と異なる。さらに、ろ過容器5A,5Bのそれぞれに上澄水流入口10A,10Bが設けられている点も前記実施の形態2と異なる。その他の構造は前記実施の形態2とほぼ同じである。
次に、実施の形態3における一体型固液分離システムのろ過装置2の作用を説明する。ろ過容器5A,5Bのそれぞれの内部に上澄水流入口10A,10Bから沈殿槽1内の上澄水が溢れるようにして流入し、それぞれのろ過容器5A,5Bの内部においてろ過スクリーン3A,3Bによる上澄水のろ過処理が行われ、ろ過スクリーン3A,3Bを通過してろ過水室9A,9Bに流入したろ過水は、共通のろ過水移送管34を通って系外に排出される。また、駆動機22A,22Bおよび吸引ポンプ15を起動させることにより、ろ過容器5A,5Bのそれぞれの内部において吸引ヘッド23,24が回転駆動されると共に、それらの吸引ヘッド23,24に発生する強力な吸引力によって、ろ過スクリーン3A,3B面上の付着物がろ過スクリーン3A,3Bから逆流するろ過水や吸引ヘッド23,24の周囲の上澄水とともにろ過容器5A,5B毎に吸引除去される。
また、何等かの理由によりろ過スクリーン洗浄機4が十分に機能せず、ろ過スクリーン3A,3Bが目詰まりして上澄水室8A,8B内の上澄水がろ過水室9A,9B側へ通過できなくなった場合、沈殿槽1の原水導入口1aから原水が常時流入し続けることにより、上澄水流入口10A,10Bから上澄水が上澄水室8A,8B内に流入し続けると上澄水室8A,8Bの水位が上昇し続け、上澄水越流堰12A,12Bの高さに達すると、上澄水が上流水越流管32,33を通ってろ過水移送管34に流入し、系外に排出される。
以上のように、実施の形態3のろ過装置2によれば、前記実施の形態1および実施の形態2と同様の効果が得られる。また、実施の形態2のろ過装置2は、1つのろ過容器5内に複数のろ過スクリーン3A,3B,3Cが張設された構成であり、しかもろ過水流出口11が、沈殿槽1の躯体側壁に直接取り付けられた構成となっている。このため、処理可能なろ過水量を増やそうとしてろ過装置2を追加設置する場合、躯体側壁部分を新たなろ過装置2のろ過水流出口11を設置可能な形状とする工事を行う必要があり、工費が嵩み、また設置工期も長くなってしまう。これに対して、この実施の形態3のろ過装置2は、ろ過容器5A,5B内に1つのろ過スクリーン3A,3Bが張設された構成であり、しかも、ろ過水流出口11A,11Bや上澄水越流堰12A,12Bは、共通のろ過水移送管34に配管で接続する構成である。このため、新規にろ過装置2を設置する場合には、その新設のろ過装置2のろ過水流出口や上澄水越流堰は、配管で共通のろ過水移送管34に接続すればよく、工費も安価で済み、設置工期も短いという大きな効果がある。
実施の形態4.
図6は、実施の形態4における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図3と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。また、一体型固液分離システムを示す平面図については、ろ過装置2の詳細部分以外は図1と概ね同様であり、一体型固液分離システムの立面断面図についても、ろ過装置2の詳細部分以外は図2と概ね同様であるので、重複説明を省略する。この実施の形態4では、図1〜図3におけるろ過装置2のろ過容器5のろ過水室9内に散気管38を配設して、ろ過スクリーン3に対し下方からスクリーン洗浄用の空気を吹き付けるようにした点、その空気吹き付けによって、ろ過スクリーン3から浮き上がった付着物を上澄水と共に吸引ヘッド13で吸引除去するようにした点が、前記実施の形態1と大きく異なる。
この実施の形態4の具体的な構造を説明すると、前記散気管38は、前述のようにろ過容器5内のろ過水室9に配設されて定位置に保持固定され、その散気管38は、空気供給管37を介して空気供給機36の吹出側に接続されている。散気管38は、中空管の周面に管軸方向に直列に空気吐出口を多数設けた構造となっており、その空気吐出口からろ過スクリーン3を通過した微細な懸濁物質が散気管38内に入り込まないように、空気吐出口が下向きになるように配設されている。なお、散気管38はこの構造に限定されるわけではない。例えば、多数の比較的径大の穴を有する管の外周に多数の小孔を有するゴムを巻き回した構造や、ディスクディフューザー、袋状散気管、サラン巻散気管等、ろ過スクリーン3のろ過水が通過する通水孔を閉塞させている付着物を浮き上がらせることが可能であれば、どのような構造であってもよい。また、この実施の形態4のろ過装置5には、仕切壁6の下方に垂下壁部6aが設けられている。この垂下壁部6aは、散気管38から吐出される空気がろ過水室9内のろ過水の水流によって、ろ過水流出口11側に流れていくのを抑止するためのものである。
また、吸引ポンプ15の吸込側に吸引管14を介して接続された吸引ヘッド13は、ろ過容器5の上澄水室8側の側面におけるろ過スクリーン3の近傍に固定されて、該ろ過スクリーン3面に沿った方向へ横向きに配設されている。また、この実施の形態4では、ろ過容器5の上澄水流入口10に流入制御弁39を設けると共に、吸引ポンプ15系統の吸引管14には吸引制御弁40を設け、沈殿槽1内の上澄水の上澄水室8への流入を制御することが可能となっている。
次に、実施の形態4における一体型固液分離システムのろ過装置2の作用を説明する。ろ過装置2による通常のろ過処理時には、流入制御弁39を開き、かつ、吸引制御弁40を閉じた状態にする。この状態では、沈殿槽1内の上澄水がろ過容器5の上澄水流入口10から上澄水室8に流入することにより、前記実施の形態1の場合と同様に、ろ過容器5内では、ろ過スクリーン3による上澄水のろ過処理が行われると共に、ろ過スクリーン3を通過したろ過水はろ過水室9に流入した後、ろ過水流出口11から系外に排出される。
ろ過スクリーン3の洗浄に際しては、流入制御弁39を閉じて吸引制御弁40を開く。この状態で、空気供給機36および吸引ポンプ15を起動させると、散気管38から吐出された空気がろ過スクリーン3に下方から吹き付けられることにより、ろ過スクリーン3面上から付着物が剥離して上澄水室8内の上澄水中に浮き上がる。上澄水中に浮き上がった付着物は上澄水とともに吸引ヘッド13で吸引されて系外に排出される。なお、このろ過装置2の場合、構造上、ろ過スクリーン3の洗浄時は上澄水のろ過処理ができない。このため、このろ過装置2を適用する一体型固液分離システムの場合には、ろ過装置2を複数台設置し、1台のろ過装置2のろ過スクリーン3の洗浄を行っているときにも、他のろ過装置2で上澄水をろ過処理できるようにしておく必要がある。
以上のように、実施の形態4のろ過装置2によれば、実施の形態1に示した(1)から(4)の各効果のほかに、吸引ヘッド13および散気管38のそれぞれをろ過容器5内の定位置に固定保持されるように配設したので、吸引ヘッド13および散気管38のそれぞれの系統の関連機構を簡素化できるという効果がある。また、ろ過スクリーン3の洗浄に際しては、流入制御弁39を閉めて吸引制御弁40を開いた状態で、吸引ポンプ15および空気供給機36を起動させることで、散気管38からの吐出空気によって、ろ過スクリーン3面上から剥離して浮き上がった付着物を上澄水ともども吸引ヘッド13で効率よく吸引除去することができると共に、ろ過水室9内にろ過水も殆ど失われないという効果がある。さらには、流入制御弁39を閉めた状態では、上澄水室8内の上澄水の殆どを吸引ヘッド13で吸引除去することが可能なため、ろ過スクリーン3等のメンテナンスも容易に行うことができるという効果がある。
実施の形態5.
図7は、実施の形態5における一体型固液分離システムを示す平面図、図8は実施の形態5における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。この実施の形態5の一体型固液分離システムSは、原水を導入して懸濁物質と上澄水とに固液分離する沈殿槽1と、この沈殿槽1内に配置された複数(図7では4基)のろ過装置2と、これらのろ過装置2にそれぞれ装備されたろ過スクリーン洗浄機4とから主に構成されている。
沈殿槽1内には、該沈殿槽1の長手方向両側面のほぼ中間部から沈殿槽1の原水導入口1aと反対方向に延びる平面ほぼコ字形状に側壁41で仕切り、原水導入口1aと反対側で囲むように形成したろ過水移送路42が設けられ、このろ過水移送路42にはろ過水流出口43が設けられている。また、沈殿槽1におけるろ過水移送路42側の上部には複数の鉄骨梁44が横架され、この鉄骨梁44に支持部材46を介して複数のろ過容器5が保持(図8参照、この場合、1台のろ過容器5を4箇所で保持。)されており、これらのろ過容器5は、沈殿槽1内における側壁41で囲まれた槽内領域に配置されている。また、前記鉄骨梁44上には軸受台座45が設けられ、この軸受台座45上に吸引ポンプ15と駆動機22が設置されている。
ろ過容器5は有底円筒形状に形成され、そのろ過容器5の上端部周方向には、図8に示すように、複数の上澄水流入口10が設けられている。ろ過容器5内には、仕切壁50が設けられている。仕切壁50は、ろ過容器5と同心円状に配置された円筒部50a、円筒部50aの外面で全周に渡って設けられた支持環部50b、ろ過容器5の内面で全周に渡って設けられた支持環部50c、全周の内、複数箇所に設けられて支持環部50b,50cを連結する連結部50d(例えば、90度ごとに設け、計4箇所で連結する等)により構成されている。そして、支持環部50b,50c,連結部50dに囲まれた空間である複数の連通口7を全て覆うようにろ過スクリーン3が設置されている。ろ過スクリーン3は、連通口7毎に分割して設置してもよいし、全ての連通口7を1つのろ過スクリーン3で覆うようにしてもよい。いずれの場合においても、全ての連通口7に設置後のろ過スクリーン3は、中空円形状になっている。ろ過容器5の内部は、仕切壁50とろ過スクリーン3によって、上澄水室8とろ過水室9に区分されている。なお、円筒部50aの下端は、連結部50dよりも下方に突出した構成となっているが、これは、散気管38から吐出される空気がろ過水室9内のろ過水の水流によって、後述のろ過水流出口53側に流れていくのを抑止するためのものである。
円筒部50aの上端には、緊急時用の上澄水越流堰52が設けられており、ろ過スクリーン3から上澄水がろ過できない状況になって、上澄水室8の上澄水の水位が異常上昇してしまった場合には、上澄水を上澄水越流堰52からろ過水室9側に越流させて、沈殿槽1から上澄水が溢れ出ないようにしている。なお、ろ過水移送路42の側壁41の上端は、通常時に上澄水がろ過水移送路42に越流しないように上澄水越流堰52の高さよりも高くしてあるが、一部の側壁41の上端を上澄水越流堰52と同じ高さとした上澄水越流部とし、緊急時には側壁41の上澄水越流部からも上澄水が越流するように構成してもよい。また、ろ過容器5内に上澄水越流堰52を設けず、側壁41の上澄水越流部のみで緊急時、上澄水を越流させるようにしてもよい。ただし、側壁41の上澄水越流部の高さは、ろ過装置2内の上澄水室8の上澄水の水深がろ過スクリーン3を通過できるだけの水頭圧が確保できるだけの深さを確保できるように設ける必要がある。側壁41の上澄水越流部の高さを低くしすぎると、ろ過スクリーン3を上澄水が通過できずに、沈殿槽1内の上澄水が側壁41の上澄水越流部から越流してしまい、一体型固液分離システムが本来有する固液分離性能が発揮できなくなってしまう。現場でのろ過装置2の設置時に設置高さが設計上よりも高位置になってしまうこともあることを考慮すると、ろ過容器5内に上澄水越流堰52を設けた方が、ろ過スクリーン3面と上澄水越流堰52の高さとの相対的な高さを常に一定で確保することができ、ろ過装置2のろ過処理性能が確保できるので望ましい。
ろ過容器5のホッパー状に形成された底面壁の中心部には、ろ過容器5の外側から仕切壁50内の中部に向かって貫通して直立するろ過水流出管部51が一体形成されており、このろ過水流出管部51の上端にろ過水流出口53が形成されている。ろ過水流出管部51の下端はフランジが形成されており、ろ過水移送管54がフランジ接続されている。
吸引ヘッド13は、一端が吸引ポンプ15の吸引側に接続され、軸受台座45を貫通して配管されている吸引管14の他端に接続されており、吸引ポンプ15の吐出側には洗浄排水管15aが接続されている。吸引管14は、吸引ポンプ15に一端が接続して軸受台座45の上方で水平方向から垂直方向に管路を方向転換する屈曲管部14a、軸受台座45を貫通して直立する直立管部14b、軸受台座45の下方であり、かつ円筒部50aの上方で垂直方向から水平方向に管路を方向転換して吸引ヘッド13に接続する屈曲管部14c、直立管部14bの屈曲管部14a側と直立管部14c側とを水密かつ回動自在に連結する連結部14dにより構成されている。また、連結部14dの下方の直管部14bの外周には、プーリー14eが設けられている。そして、駆動機22の駆動軸に取り付けられたプーリー22aとの間にベルト22bが掛けられ、駆動機22の駆動軸からの駆動力が直管部14bに伝達されるようになっている。さらに、プーリー14eの下方には、支持部14fが設けられ、軸受台座45の吸引管14の貫通部に設けられている軸受部45aに摩擦抵抗を少なくするよう、ボールベアリングを介して載置して、吸引ヘッド13、吸引管14等の重量を軸受台座45に支持させている。
空気供給機36の吐出側に接続された空気供給管37は、屈曲管部14aおよび屈曲管部14cを貫通して吸引管14の管内を通っており、両貫通部分は溶接等で水密に固定されている。また、直管部14b内の空気供給管37は気密かつ回動自在に連結する連結部(図示せず)が設けられている。屈曲管部14cの下方の空気供給管37は、円筒部50a内を通り、円筒部50a内壁とろ過水流出管部51外壁との間を通り、ろ過水室9内に配置されている散気管38に接続されている。円筒部50aのろ過水流出口53よりも上方の高さ位置の内壁には支持部50eが設けられており、同一高さ位置の吸引管14の外周面には、支持部14gが設けられており、支持部材50fを介して吸引管14および散気管38の重量を支持している。なお、散気管38は、空気吐出口が下方になるように配置すると、ろ過スクリーン3を通過した極小の懸濁物質が空気吐出口から散気管38内に入り込むのを防止でき、望ましい。
なお、この実施の形態5のろ過装置2では、吸引ポンプ15を軸受台座45上に載置し、空気供給機36を沈殿槽1外に設置しているが、吸引ポンプ15および空気供給機36をともに軸受台座45上に載置してもよく、この場合、ろ過装置2の工場での製造段階で吸引管14および空気供給管37を配管できるので、現場での配管作業工数を削減できる効果がある。また、吸引ポンプ15および空気供給管36ともに沈殿槽1外に設置してもよく、1台の吸引ポンプ15や空気供給機36を複数台のろ過装置2で兼用する場合に適している(図7では、空気供給機36を4台のろ過装置2で兼用している。)。
次に、実施の形態5における一体型固液分離システムの作用を説明する。沈殿槽1内で固液分離された上澄水は、ろ過容器5の上端部周囲の上澄水流入口10からろ過容器5の上澄水室8内に流入する。上澄水室8内に流入した上澄水はろ過スクリーン3を通過してろ過水室9に流入するが、このとき、ろ過スクリーン3を通過する上澄水に含まれた微細な懸濁物質等がろ過スクリーン3面上に捕捉される。ろ過スクリーン3を通過したろ過水は、円筒部50a内壁とろ過水流出管部51外壁の間を通り、ろ過水流出口53から溢れ出るようにろ過水流出管部51内に流出し、ろ過水移送管54を通って系外に排出される。
ろ過スクリーン3の洗浄に際しては、吸引ポンプ15と駆動機22および空気供給機36を起動する。駆動機22の駆動力が、プーリー22a、ベルト22b、プーリー14eを経て、吸引管14の直立管部14bに回転駆動力が伝達され、吸引ヘッド13と散気管38がろ過スクリーン3を間に挟んで互いに向かい合った状態に一体で直立管部14bの管軸を回転軸として同期回転する。散気管38からは吸引ヘッド13に向かってろ過スクリーン3に下方から洗浄空気が吐出される。その洗浄空気が上昇してろ過スクリーン3を通過するときに、ろ過スクリーン3面上の付着物が剥離されると同時に、剥離された付着物は、吸引力によってろ過スクリーン3から逆流するろ過水や吸引ヘッド13の周囲の上澄水とともに吸引ヘッド13で吸引される。吸引ヘッド13で吸引された付着物を含むろ過水および上澄水は、洗浄排水として吸引管14を通って、吸引ポンプ15の吐出側に接続された洗浄排出管15aから系外に排出される。
その他、ろ過スクリーン3の仕様等、ろ過容器5の構成に関する事項、ろ過スクリーン洗浄機4の吸引洗浄サイクルに関する事項等については、実施の形態1の一体型固液分離システムの場合と同様である。
以上のように、実施の形態5の一体型固液分離システムによれば、前記実施の形態1と同様の効果があり、これに加えて、1基の駆動機22により吸引ヘッド13と散気管38を、両者がろ過スクリーン3を挟んで向かい合ったままの状態で一体に同期回転駆動することができるので、ろ過スクリーン3面上に捕捉された微細な懸濁物質等の付着物を、散気管38からの吹き出し洗浄空気と吸引ヘッド13の吸引力との相乗作用によって、吸引ヘッド13により、いっそう効率よく吸引除去することができるという効果がある。
実施の形態4のろ過装置2の場合では、散気管38からの洗浄空気でろ過スクリーン3の付着物を剥離させることができ、実施の形態1から3のろ過スクリーン洗浄機4に比べて洗浄効率が大幅に向上しているメリットがある反面、ろ過スクリーン3面の洗浄中は上澄水のろ過処理を中断しなければならず、1台のろ過装置2では連続したろ過処理ができないデメリットがあった。これに対して、この実施の形態5のろ過装置2では、散気管38の上方以外のろ過スクリーン3面には、ろ過スクリーン洗浄機4の影響を受けない構成であるので、洗浄空気による空気洗浄と吸引ヘッド13による吸引洗浄を併用した高い洗浄効率のろ過スクリーン3の洗浄機構を適用することができ、しかも、ろ過スクリーン3による連続したろ過処理を行うことができるという大きな効果がある。
また、ろ過容器5内の仕切壁50にも上澄水越流堰52が設けられているので、何等かの理由によりろ過スクリーン洗浄機4が十分に機能せず、ろ過スクリーン3が目詰まりして上澄水室8内の上澄水がろ過水室9側へ通過できなくなった場合、沈殿槽1の原水導入口1aから原水が常時流入し続けることにより、沈殿槽1内の水位が上昇し続けて上澄水越流堰41の高さに到達したとき、その上澄水越流堰41から沈殿槽1内の上澄水をろ過水移送路42に逃がすことができると共に、ろ過容器5内の仕切壁50の上澄水越流堰52からも逃がすことができるという効果がある。すなわち、ろ過容器5内に備えられた仕切壁50に上澄水越流堰52を設けたことにより、一体型固液分離システムSでろ過装置2の処理効率が大幅に低下し、正常に機能しない場合においても、沈殿槽1から原水や上澄水が槽外に漏水することがなく、沈殿槽1の沈降分離処理による固液分離性能が低下することもなく、常時、沈殿槽1としての機能は最低限補償される効果がある。
実施の形態6.
図9は、実施の形態6における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図7および図8と同一部分には同一符号を付して重複説明は省略する。この実施の形態6のろ過装置2は、前記実施の形態5における過容器5に昇降カバー57を設けた点が、前記実施の形態5と大きく異なる。この実施の形態6のろ過容器2は、ろ過容器5の上端部外周に縮径方向の傾斜面5aを形成し、この傾斜面5aの部位に昇降カバー57を、操作ハンドル58のハンドル軸58aで高さ調整可能に取り付けた構成となっている。前記昇降カバー57は、中央部が大きく開放された平面円形環状のフレーム部材からなって、外周縁部に円形環状の環状周壁部57aを一体に有しており、この環状周壁部57aは、ろ過容器5の傾斜面5aに沿った方向に傾斜している。
昇降カバー57の環状周壁部57aの内周面にはシールリング59が嵌着されている。なお、このシールリング59は、ろ過容器5の傾斜面5aに嵌着されたものであってもよい。このように形成された昇降カバー57は、操作ハンドル58の正逆回転操作によって高さ調整されるもので、昇降カバー57の下降位置では、ろ過容器5の上部周壁に設けられた上澄水流入口10を閉塞し、昇降カバー57の上昇位置では、上澄水流入口10を開放するようになっている。
ろ過容器5の底部外側には、ろ過水流出管部51に接続するろ過水移送路55が設けられ、このろ過水移送路55には、ろ過容器5の外壁面に沿って立ち上がる点検管路55aが設けられ、この点検管路55aには点検蓋56が被嵌してある。
次に、実施の形態6のろ過装置2の作用を説明する。沈殿槽1内の上澄水をろ過容器5内に上澄水流入口10から流入させてろ過処理する際には、昇降カバー57を上昇させて上澄水流入口10を開放した状態にしておく。このような上澄水流入口10の開放状態では、ろ過容器5内に沈殿槽1からの上澄水が常時流入するので、このままの状態では、ろ過容器5内に水を抜くことができず、ろ過容器5内のメンテナンスや部品交換等を行うことはできない。そこで、メンテナンスやろ過スクリーン3等の部品交換等に際しては、操作ハンドル58の回転操作で昇降カバー57を下降させて上澄水流入口10を閉塞する。これによって、沈殿槽1の上澄水がろ過容器5内には流入できなくなるので、上澄水室8からろ過水室9へ上澄水が通過するのを待つことでろ過容器5内の水を自然に流出させることができる。また、上澄水流入口10の閉塞状態で吸引ポンプ15を起動させれば、吸引ヘッド13によってろ過容器5内の水を速やかに引き抜くことができる。
なお、上澄水流入口10の開放状態においては、沈殿槽1からろ過容器5内に上澄水が連続流入するので、その上澄水のろ過処理およびろ過スクリーン3面上に捕捉された付着物の吸引洗浄処理を前記実施の形態5と同様に行うことができる。
以上のように、実施の形態6のろ過装置2によれば、実施の形態5に示した各効果のほかに以下に示す効果がある。実施の形態5のろ過装置2の場合、ろ過容器5内のメンテナンスや部品交換等を行う場合、沈殿槽1への原水の流入を停止して、沈殿槽内の上澄水位を上澄水流入口10の位置よりも低下させて上澄水がろ過容器5の上澄室8内に流入しないようにする方法か、揚重クレーン等でろ過容器5自体を沈殿槽1外に引き揚げる方法で対応する必要があった。沈殿槽1への原水の流入を停止させる方法は、通常、沈殿槽1へは、前段階の処理槽で処理された水が原水として流入する場合が多く、沈殿槽1への原水流入を停止することは実質困難である。また、ろ過容器5自体を引き揚げる方法は、引き揚げ作業前にろ過容器5と接続している配管類や支持部材46の取り外し作業が必須であり、作業労力が多大であり、またそれに要するコストも多大であった。これに対して、実施の形態6のろ過装置2では、ろ過容器5の上部に昇降カバー57を設けただけでの簡単な構成でありながら、その昇降カバー57を上昇・下降させることにより、ろ過容器5の上澄水流入口10を容易に開閉することができ、ろ過容器5内のメンテナンスや部品交換等に際しては、昇降カバー57を下降させるだけで、該昇降カバー57によって上澄水流入口10を閉塞することができ、これにより、沈殿槽1からろ過容器5内への上澄水の流入を遮断して、ろ過容器5内の水を自然に流出させたり、あるいは吸引ポンプ15の起動によって速やかに吸引排水することができて、ろ過容器5内のメンテナンスや部品交換を容易に実施できるという効果がある。また、沈殿槽1内には、通常、複数基のろ過装置2が配設されているので、そのうちの1基を点検する場合、他のろ過装置2を稼働させたままで、1基のろ過装置2のメンテナンスや部品交換等を容易に実施できるという効果がある。
実施の形態7.
図10は、実施の形態7における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図9と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。また、一体型固液分離システムを示す平面図については、ろ過装置2の詳細部分以外は図7と概ね同様であるので、重複説明を省略する。この実施の形態7のろ過装置2は、前記実施の形態6のろ過装置2における散気管38を不要化すると共に、吸引ポンプ15をろ過容器5の上澄水室8内に配設した点が、前記実施の形態6と大きく異なる。この実施の形態7のろ過装置2では、仕切壁50を上蓋部50gを有する有蓋筒状に形成すると共に、この仕切壁50の内部には、上澄水越流堰52から越流する上澄水を集水してろ過水流出口53の真上で開口するホッパー部50hを設けている。また、仕切壁50の上蓋部50gの上面中心位置には、洗浄排水管を兼ね、かつ下端に蓋部60aを有する中空シャフト60がをベアリング61を介して回転自在に載置されている。その中空シャフト60の下側周面には、洗浄排水管60bの一端が中空シャフト60の中空部と連通するように接続されており、その他端は、上澄水室8内に配置する吸引ポンプ15の吐出側に接続されている。吸引ポンプ15の吸込側には吸引管14の一端が接続されており、その他端はろ過スクリーン3面上に配置される吸引ヘッド13に接続されている。吸引ヘッド13および吸引ポンプ15は、吸引管14および洗浄排水管60bを介して中空シャフト60によって上澄水室8内の所定高さに保持されるようになっている。
また、前記中空シャフト60には、上方位置で洗浄排水枝管60cがその中空部と連通するように接続されている。中空シャフト60の周囲には、断面コの字状で円環樋状開放水路である洗浄排水路64が配設されている。この洗浄排水路64は、沈殿槽1に架けられている鉄骨梁44に載置されている台座62に支持部材62aを介して所定位置に保持されている。この洗浄排水路64には洗浄排水移送管64aが接続されており、洗浄排水移送管64aは、洗浄排水が管内を自然流下可能なように所定の下り勾配を有している。洗浄排水枝管60cの中空シャフト60に接続された端部の反対側の端部は、洗浄排水路64内で洗浄排水路64の接線方向に開放されている。洗浄排水枝管60cは、中空シャフト60に、その管軸に対して対称に複数本接続されている。中空シャフト60は、台座62を貫通しており、台座62の上方には、台座62b,62cが支持部材62d,62eを介して設けられている。台座62cには、駆動機22および減速機65が中空シャフト60と同軸に載置されており、減速機65の駆動軸は、駆動シャフト66を介して中空シャフト60と連結されている。駆動シャフト66は、台座62bにベアリングを介して回動自在に支持されている。
次に、実施の形態7のろ過装置2の作用を説明する。なお、このろ過装置2による上澄水のろ過処理は前記実施の形態6と同様に行われるので、説明を省略する。ろ過スクリーン3の洗浄に際しては、駆動機22および吸引ポンプ15を起動する。駆動機22の駆動力は、駆動シャフト66を介して中空シャフト60に伝達されてこの中空シャフト60と一体に吸引ポンプ15および吸引ヘッド13が回転する。吸引ポンプ15が起動することにより、吸引ヘッド13は、中空シャフト60を回転中心としてろ過スクリーン3面に沿って上澄水室8内を移動しながら、ろ過スクリーン3面の付着物をろ過スクリーン3から逆流するろ過水や上澄水とともに吸引する。吸引ヘッド13で吸引された付着物、ろ過水および上澄水の混合水である洗浄排水は、吸引管14から吸引ポンプ15に吸引された後、洗浄排水管60b、中空シャフト60内および洗浄排水枝管60cを圧送され、洗浄排水枝管60cの開放端部から洗浄排水路64内に排出される。洗浄排水路64内の洗浄排水は、洗浄排水移送管64aに流れ込み、自然流下によって系外に排出される。
以上のように、実施の形態7のろ過装置2によれば、実施の形態6で示した各効果のうち、散気管38を備えたことによる効果を除いた各効果が得られることに加えて、以下に示す効果がある。実施の形態6で示したろ過装置2では、吸引管14に前後の配管を水密かつ回動自在に連結する連結部14dを設け、吸引ポンプ15およびそれに接続する配管部分を軸受台座45上に固定し、吸引ヘッド13およびそれに接続する配管部分を回動自在としたことから、吸引ポンプ15までの吸引管14の管路長が長く、また吸引ヘッド13の吸引口から吸引ポンプ15の吸引口までの高低差もあるため、高い吸引側水頭が必要となる。このため、吸引ポンプ15により高い吸引力を有するものを選定する必要があり、また、吸引管14の連結部14dに高い気密性が必要であり、ろ過装置2の製造コストが高くなってしまうという問題があった。この実施の形態7のろ過装置2では、吸引ヘッド13と吸引ポンプ15がろ過容器5の上澄水室8内でろ過スクリーン3面に沿って一体に回る構造としたことで、吸引ヘッド13の吸引口から吸引ポンプ15の吸引口までの吸引管14の管路長が短く、かつ高低差も小さいので、実施の形態6で使用する吸引ポンプ15よりも吸引力の低い安価なものを使用することができる。また、吸引ポンプ15の吐出側の配管を圧送排水部分の洗浄排水枝管60cと、自然流下排水部分の洗浄排水路64とに分割して互いに非接続状態としたことにより、回動自在に連結する連結部が不要となり、ろ過装置2の製造コストを低減することができるという効果がある。
実施の形態8.
図11は、実施の形態8における一体型固液分離システムのろ過装置部分を示す立面断面図であり、図7〜図9と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態8のろ過装置2は、吸引ヘッド13および散気管38を含むろ過スクリーン洗浄機4の系統を定位置に固定保持し、ろ過容器5自体を回転させてろ過スクリーン3を洗浄するように構成した点が、前記実施の形態5,6と大きく異なる。
この実施の形態8においては、沈殿槽1(図7参照)の上部に横架された鉄骨梁44に支持部材46を介して平面円環状のガイドレール(以下、リングレール)70を取り付け、このリングレール70に、ろ過容器5の外周に複数箇所(例えば平面視十字状に4箇所、平面視放射状に6箇所等)設けられているアーム71をベアリングボール72を介して水平回転自在に吊持させることにより、ろ過容器5を回転自在に支持した構造としている。鉄骨梁44上の軸受台座45には、ろ過容器5の仕切壁50の円筒部50a内を垂下する中空駆動シャフト73がボールベアリングを介して回転自在に載置され、この中空駆動シャフト73の上端部には駆動機22の出力ギア22cに噛合する駆動ギヤ74が設けられている。
中空駆動シャフト73内には空気供給管37が挿通されており、円筒部50aでその内壁とろ過水流出管部51との間を通り、ろ過水室9内で水平方向に延びる散気管38に接続されている。また、軸受台座45上に設置されている吸引ポンプ15には、吸引管14の一端が接続されており、その他端は軸受台座45を貫通し、上澄水室8内に配置されている吸引ヘッド13に接続されている。これにより、吸引ヘッド13は、吸引管14によって、ろ過スクリーン3上の所定位置に支持固定されている。散気管38は、ろ過容器5の上澄水室8内に配設された吸引ヘッド13の真下に配設されており、その位置関係を保持した状態で散気管38と吸引ヘッド13は定位置に固定保持されている。ろ過容器5の底部におけるろ過水流出管部51の下端部は、ろ過水移送管54と回動自在に連結可能な回転連結部75で連結されている。なお、この回転連結部75は沈殿槽1内にあるので、完全な水密性までは必須とされず、少量の水漏れは許容されるが、多少コスト高であってもろ過水移送管45へ供給するろ過水量が少しでも多いほうがよい場合は水密性の高い連結構造とすることが望ましい。
中空駆動シャフト73の下端部外周には、放射方向に突出する複数の係合突部76が設けられている。図11では、平面視で120度毎に計3箇所設けた構成となっているが、平面視十字状に計4箇所設けた構成等、その構成は任意である。係合突部76には、ろ過容器5を回転させる際に高い応力が掛かるので、ろ過容器5等の回転させる部分の全重量と、係合突部76の材質に応じて、係合突部76の設置個数を選択するとよい。この係合突部76は、円筒部50aの内周面に係合されており、中空駆動シャフト73の回転駆動力を仕切壁50を介してろ過容器5全体に伝達するようになっている。この実施の形態8のろ過装置2では、駆動機22の駆動力を中空駆動シャフト73に伝達するのに出力ギア22cおよび駆動ギア74によるギア伝達機構を適用している。これは、実施の形態5のろ過装置2の構成では、吸引ヘッド13、散気管38およびこれに付随する配管類という比較的軽量なものを回動させるので、ベルトプーリーによる伝達機構でも十分駆動力を伝達できたが、この実施の形態8のろ過装置2の場合では、ろ過容器5等の重量の嵩むものを回動させる必要があるので、より確実に駆動力を伝達する必要があり、ギア伝達機構を適用している。ただし、ろ過容器5を樹脂製やアルミニウム等の軽金属で製作する等、回動させるものの全体重量が比較的軽量である場合では、ベルトプーリー等の伝達機構も適用可能である。
次に、実施の形態8のろ過装置2の作用を説明する。ろ過装置2による上澄水のろ過処理は、前記実施の形態5,6と同様に行われる。ろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3の吸引洗浄サイクルについても、前記各実施の形態の場合と同様である。駆動機22は、ろ過スクリーン3の吸引洗浄を行うときに、吸引ポンプ15や空気供給機36(図11では示されていないが、図7の一体型固液分離システムの平面図に示されている場合と同様に沈殿槽1外に設置されている。)等とともに起動するようになっている。ろ過スクリーン3の洗浄に際して、駆動機22を起動すると、この回転駆動力が、出力ギア22c、駆動ギヤ74、中空駆動シャフト73、係合突部76、仕切壁50のそれぞれを介してろ過容器5に伝達されることにより、ろ過容器5がリングレール70に沿って回転する。
この状態において、吸引ポンプ15および空気供給機36を同時に起動すると、上澄水室8内の定位置に固定保持された吸引ヘッド13に強力な吸引力が発生すると同時に、ろ過水室9内で前記吸引ヘッド13の真下に固定保持された散気管38から洗浄空気が吐出される。したがって、ろ過容器5と一体に回転動作中のろ過スクリーン3には、この下方から前記洗浄空気が吹き付けられることにより、ろ過スクリーン3面の付着物が剥離されると同時に、剥離された付着物が吸引力でろ過スクリーン3から逆流するろ過水や上澄水とともに吸引ヘッド13で吸引される。吸引ヘッド13で吸引された付着物、吸引力によってろ過スクリーン3から逆流したろ過水および吸引ヘッド13周囲の上澄水の混合排水である洗浄排水は、吸引管14および吸引ポンプ15を通って洗浄排水管15aから系外に排出される。
以上のように、実施の形態8のろ過装置2によれば、ろ過容器5を回転可能に配設すると共に、ろ過スクリーン洗浄機4の吸引ヘッド13および散気管38を定位置に固定保持させるように構成したので、実施の形態6で示した各効果に加えて、以下の効果がある。実施の形態6のろ過装置2では、吸引管14の連結部14dや空気洗浄管37を回動自在に連結する連結部は、気密性を必要とするため、製造コストが嵩んでしまうという問題があった。また、吸引ポンプ15が故障等によってメンテナンスする場合、洗浄排水管60bから吸引ポンプ15を上澄水室8外に取り外す必要があり、メンテナンスの作業時間が掛かり、また大きな労力を要するという問題があった。この実施の形態8のろ過装置では、ろ過容器5を回転させてろ過スクリーン3を移動させることにより、吸引ヘッド13および散気管38が吸引洗浄するろ過スクリーン3の領域を相対的に移動させることができ、吸引ヘッド13および散気管38を定位置に固定してもろ過スクリーン3面全体の付着物を吸引除去することができるので、吸引管14の連結部14dや空気供給管37の回動自在に連結する連結部が不要となり、製造コストの低減を図ることができる効果がある。また吸引ポンプ15を軸受台座45上に設置した構成であり、吸引ポンプ15のメンテナンスを軸受台座45上で実施でき、メンテナンスの作業時間の短縮や労力の軽減も図れる効果もある。
実施の形態9.
図12は、実施の形態9における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図7から図9と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態9のろ過装置2は、前記実施の形態5,6との比較において、吸引ヘッド13および散気管38を定位置に固定保持した点、仕切壁50を回転駆動可能に配設した点、沈殿槽1内に支持梁79を設置し、ろ過装置2を支持梁79上に載置する構成とした点が、前記実施の形態5,6と大きく異なる。
支持梁79は、沈殿槽1内に複数本設置されており、支持梁79上にろ過容器5が揚重クレーン等で揚重可能に載置されている。支持梁79の設置高さは、ろ過容器5が載置されたときに、沈殿槽1内の上澄水がろ過容器5内に溢れ入るように流入できるように適正位置に設定されている。ろ過容器5の底部には台座5qが取り付けられており、支持梁79上にろ過容器5が安定した姿勢で設置できるようになっている。ろ過容器5の外周面には、取付部材5sが複数箇所設置されており、その上方には断面コの字状の支持部材78aを介して台座78が設置されている。台座78上には、駆動機22および減速機65がその減速機65の駆動シャフト65aの駆動軸がろ過容器5の中心線と同一直線上になるように載置されており、減速機65の駆動シャフト65aは、台座78を貫通して下方に延伸されている。
ろ過容器5内の底部には、回転支持軸77が立設しており、この回転支持軸77を介して円筒状の仕切壁50が回転可能に配設されている。仕切壁50は、上蓋部50gを有する有蓋円筒状の円筒部50aと、ろ過容器5の内径よりもやや小径である円筒状の外周円筒部50iとをろ過容器の5の中心線を基準に同心円上に配置し、円筒部50aの外面で全周に渡って支持環部50bを設け、同様に外周円筒部50iの内面で全周に渡って支持環部50cを設け、支持環部50b,50cを連結する連結部50dを複数箇所(例えば、90度ごとに計4箇所設けて連結する等)に設けた構成となっている。そして、支持環部50b,50cおよび連結部50dによって囲まれた空間である複数の連通口7を全て覆うようにろ過スクリーン3が設置されている。
円筒部50aの内周面には、円筒部50aの中心線を基準に同心円上に軸受50jが配置され、連結部50kによって円筒部50aの内周面と軸受50jの外周面とが連結されている。連結部50kは、軸受50jの外周面から複数箇所(例えば、90度ごとに計4箇所等。)で放射状に配置されて円筒部50aの内周面と連結するようになっている。そして、回転支持軸77に軸受50jを挿通して仕切壁50を支持させ、上蓋部50gの上面と駆動シャフト65aを連結することで、駆動シャフト65aの駆動軸、仕切壁50の中心線、回転支持軸77の中心線が同一直線上に並んでいる。そして、駆動機22を起動させると、発生する駆動力が、減速機65から駆動シャフト65aを経由して仕切壁50に伝達して回転するようになっている。
以上の構成によって、ろ過容器5内は、円筒部50a、外周円筒部50iおよびろ過スクリーン3に囲まれた部分に上澄水室8が形成され、仕切壁50およびろ過スクリーン3の外側のろ過容器5内にろ過水室9が形成されている。ろ過容器5の外周円筒部50iの上端よりも上方位置には、上澄水流入口10が複数箇所設けられており、この上澄水流入口10の内周面に設けられた流入樋5tによって、沈殿槽1内の上澄水を上澄水室8内に流入させるようになっている。ろ過容器5の底部中心には、ろ過水流出口53Aが設けられており、ろ過容器の外面にろ過水流出口53Aから流出するろ過水を移送するろ過水移送路55が設けられている。この実施の形態9のろ過装置では、外周円筒部50iの上端が上澄水越流堰52Aとなっており、何等かの理由によってろ過スクリーン3が機能しなくなってしまい、上澄水流入口10から継続して上澄水が流入し続けて上澄水室8内の上澄水水位が上昇し続けた場合、その上澄水がろ過水室9側へ越流することが可能となっている。
ろ過スクリーン洗浄機4における吸引ヘッド13は、支持部材78cによって台座78に支持固定されており、これにより、吸引ヘッド13は上澄水室8の定位置(ろ過スクリーン3面の近接位置)に固定保持されている。吸引ヘッド13には、支持部材等で台座78に支持固定されている吸引管14が接続している。吸引管14は、台座78上で、沈殿槽1外に設置されている吸引ポンプ(図示せず。前記各実施の形態における吸引ポンプ15と同様の構造。)の吸引側に接続しているが、一部を可撓管14hとし、吸引管14の現場での施工時における設計図上での設置位置との誤差を吸収できるようになっている。
ろ過容器5のろ過水室9内には、前記吸引ヘッド13の真下に散気管38が設置されている。散気管38の設置高さと同一高さのろ過容器5の側壁には、配管37aが貫通した状態で溶接等により水密に固定されており、ろ過水室9内で散気管38と接続されている。散気管38の反対側の端部は、ろ過容器5の底面から立ち上げられている支持部材5uで支持固定されており、これらの構成によって、散気管38は、所定の設置位置で支持固定されている。配管37aのろ過容器5外側の端部は、空気供給管37に接続されており、空気供給管37の他端は沈殿槽1外に設置されている空気供給機36(図7参照)に接続されている。なお、支持環部50bの連通口7側の端部には、連結部50dよりも下方に突出する環状部が設けられており、また、外周円筒部50iの下端が連結部50dよりも下方に突出した構成となっているが、これらは、散気管38から吐出される空気が、ろ過スクリーン3に当たらずにろ過水流出口53側やろ過容器5の周壁と外周円筒部50iの隙間に流れていくのを抑止するためのものである。
台座78には、矩形状の天板78bの一端が着脱自在あるいは折り畳み自在にが接続されており、他端は沈殿槽1の側壁上端に掛かっている。これにより、沈殿槽1外から台座78までの通路および作業点検スペースが形成されている。ろ過装置2を揚重クレーン当で沈殿槽1外に引き揚げる時には、天板78bは取り外され、あるいは折り畳めるようになっている。
次に、実施の形態9のろ過装置2の作用を説明する。ろ過装置2による上澄水のろ過処理は、上澄水流入口10から流入する上澄水を流入樋5tで上澄水室8内に流入させること以外については、前記実施の形態5,6と同様に行われる。ろ過スクリーン3の吸引洗浄サイクルについても、前記各実施の形態の場合と同様である。駆動機22は、ろ過スクリーン3の吸引洗浄を行うときに、吸引ポンプ15や空気供給機36等とともに起動するようになっている。ろ過スクリーン3の洗浄に際して、駆動機22を起動すると、この回転駆動力が減速機65の駆動シャフト65aを介して仕切壁50の上蓋部50gに伝達されることにより、仕切壁50全体が回転駆動される。
この状態において、吸引ポンプ15および空気供給機36を同時に起動すると、上澄水室8内の定位置に固定保持された吸引ヘッド13に強力な吸引力が発生すると同時に、ろ過水室9内で前記吸引ヘッド13の真下に固定保持された散気管38から洗浄空気が吐出される。したがって、仕切壁50と一体に回転動作中のろ過スクリーン3には、この下方から前記洗浄空気が吹き付けられることにより、ろ過スクリーン3面の付着物が剥離されると同時に、剥離された付着物が吸引力でろ過スクリーン3から逆流するろ過水や上澄水とともに吸引ヘッド13で吸引され、吸引管14を通って系外に排出される。
以上のように、実施の形態9のろ過装置2によれば、実施の形態8で示した各効果に加えて、以下の効果がある。実施の形態8のろ過装置2は、ろ過容器5全体を回転させていたため、回転させる対象物の総重量は重く、駆動機22は駆動力の大きいものを選定する必要があった。また、駆動力が大きいことから、その回転駆動力の伝達を中継する中空駆動シャフト73、係合突部76、仕切壁50等に掛かる応力も大きくなるので、各部材の厚みを厚くする等して耐応力性を高める必要があった。このため、ろ過装置2の製造コストが嵩み、また駆動機22の消費電力も大きく、ランニングコストも嵩んでいた。これに対し、実施の形態9のろ過装置2では、仕切壁50とろ過スクリーン3のみを回転させるため、回転させる対象物の総重量は軽く、駆動機22の駆動力も比較的小さなものを選定できる。また、駆動力も小さいことから、その回転駆動力の伝達を中継する駆動シャフト65a、仕切壁50への応力も小さく、耐応力性の対策を講じる必要がなく、ろ過装置2の製造コストを実施の形態8のろ過装置2よりも大幅に低減させることができる効果がある。また、駆動機22の消費電力も小さく、ランニングコストも低減させることができる効果もある。
実施の形態10.
図13は、実施の形態10における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図であり、図7および図9と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態10のろ過装置2は、吸引管14の吐出側(吸引ヘッド13の接続側とは反対側)に洗浄排水を気水分離する分離タンク80を設け、分離した空気を空気供給機36に吸引させる構成として吸引ポンプを不要とした点が、実施の形態6と大きく異なる。
この実施の形態10においては、分離タンク80は、上部の洗浄排水流入口81と下部の洗浄排水流出口82および分離タンク80内の水位より上方で開口する空気流出口83を有している。そして、吸引管14の屈曲管部14aの端部と分離タンク80の洗浄排水流入口81とを吸引管14の一部として配管接続し、分離タンク80の洗浄排水流出口82と移送ポンプ150の吸引側とを洗浄排水管150aで配管接続すると共に、分離タンク80の空気流出口83と空気供給機36の空気取入口とをエアフィルタ84を介して吸引管14の一部として配管接続し、この空気供給機36の空気吐出側に空気供給管37を接続した構成となっている。
次に、実施の形態10のろ過装置2の作用を説明する。空気供給機36を起動すると、この空気供給機36の空気取入口に強い吸引力が発生する。この吸引力は、エアフィルタ84を経て、分離タンク80の空気流出口83に至り、分離タンク80内の空気が空気流出口83から吸い出されていく。このとき、分離タンク80内は負圧状態となるので、洗浄排水流入口81にも吸引ヘッド13から分離タンク80内へ洗浄排水を吸引する強い吸引力が発生する。一方、空気供給機36に吸入された空気は、加圧された後、空気供給管37を経て散気管38から洗浄空気としてろ過水中に吐出され、気泡として上昇してろ過スクリーン3を通過する際にろ過スクリーン3面の付着物を剥離させる。このとき、同時に吸引ヘッド13内では強力な吸引力が発生しており、ろ過スクリーン3面の付着物が剥離されると同時に、この剥離した付着物を吸引力でろ過スクリーン3から逆流するろ過水や周囲の上澄水とともに洗浄排水として吸引ヘッド13に吸引され、吸引管14を通って、分離タンク80内に流入する。
この分離タンク80内では、洗浄排水中の気泡が比重差で上方に分離され、また内部が負圧状態となっていることから洗浄排水中に溶存する空気も気体となって上方に分離される。分離タンク80内上方の空気は、強い吸引力によって空気流出口83から吸引されてエアフィルタ84で粉塵等が除去(浄化)され、空気供給機36の空気取入口に再度取り込まれる。一方、分離タンク80で空気が分離された洗浄排水は、洗浄排水流出口82から洗浄排水管150aを経由して移送ポンプ150に弱い吸引力で吸引され、加圧されて洗浄排水管150bから系外に排出される。
なお、この移送ポンプ150は、前記の各実施の形態における吸引ポンプ15とは設置目的が異なる。吸引ポンプ15は、吸引管14等に強力な吸引力を発生させるために設けられるものであるので、吸引圧の大きいポンプを選定する必要がある。これに対して、この実施の形態10のろ過スクリーン洗浄機4では、空気供給機36の空気取入口の強力な吸引力を利用して吸引管14等に強力な吸引力を発生させている。移送ポンプ150は、分離タンク80内の負圧に打ち勝って洗浄排水が洗浄排水流出口82から洗浄排水管150aへ流出できるだけの吸引力を発生させることができればよく、吸入圧の小さいポンプで十分機能する。また、分離タンク80内で洗浄排水の水位が上昇した際の水頭圧で負圧に打ち勝つことができるのであれば、移送ポンプ150に代えて、分離タンク80内に水位検知器を設け、所定水位に達したときに開弁する電磁弁、電動弁等の自動開閉弁を洗浄排水管150aに設けることでも十分に対応できる。
以上のように、実施の形態10のろ過装置2によれば、主に空気供給機36と分離タンク80とからなる構成によって、吸引ヘッド13、吸引管14等に強力な吸引力を発生させることが可能であり、強力な吸引力を発生させるための吸引圧の大きなポンプを設ける必要がなく、使用電力等のランニングコストを大幅に低減することができる効果がある。また、分離タンク80で洗浄排水から気泡を除去することができることから、気泡によって洗浄排水中の懸濁物質が水面上に浮上してしまうことを防止することができる効果もある。これにより、洗浄排水を沈殿槽1に戻したとしても、気泡によって懸濁物質が浮上して、沈降分離処理に悪影響を与えてしまうことを防止できる。
なお、実施の形態10のろ過装置2における分離タンク80とエアフィルタ84による構成は、散気管38を備える全てのろ過装置2に適用できるものである。
実施の形態11.
図14は、実施の形態11における一体型固液分離システムの立面断面図であり、図8と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態11の一体型固液分離システムSは、平面視で円形でありホッパー状に形成された(円形ホッパー状の)沈殿槽1内にろ過装置2を同心円形状に配設して沈殿槽1内の平面円形状の広い水域で上澄水のろ過処理が行えるように構成したものである。通常、円形ホッパー状の沈殿槽1では、当該槽の下方に堆積する懸濁物質を掻き寄せる掻寄機を備えているが、この実施の形態11における一体型固液分離システムのろ過装置2は、この掻寄機と組み合わせた構成となっている。その具体的な構成を以下に説明する。
円形ホッパー状の沈殿槽1の中心部には、円筒状のセンターウェル86が配設されている。また、原水流入管85が沈殿槽1外からセンターウェル86内まで配管されており、そこで開口している。これにより、原水はセンターウェル86内で沈殿槽1内に流入するようになっており、沈殿槽1内の沈降分離処理に悪影響を与えないようになっている。センターウェル86は、後述するろ過容器5に支持材86aによって、所定位置で支持されている。沈殿槽1には、鉄骨梁44が複数本横架されており、鉄骨梁44上には軸受台座45が設けられている。沈殿槽1の中心部付近の軸受台座45上には、さらに上段台座45Bが設けられており、台座を2段重ねした構成となっている。沈殿槽1の中心線上には、軸受台座45および上段台座45Bを貫通して回転シャフト88が立設されており、回転シャフト88の外周面に設けられた支持部88a,88bが、軸受台座45および上段台座45Bの各軸受部45a,45bにボールベアリングを介して載置され、回転シャフト88は、軸受台座45および上段台座45Bに支持されている。
回転シャフト88の下端には、取付基部91aおよび支柱91bを介して掻寄機91が取り付けられており、上端側の軸受台座45と上段台座45Bとの間の位置には駆動ギア74が取り付けられている。上段台座45Bには、駆動機22が載置されており、駆動機22の駆動軸取り付けられた出力ギア22cから駆動ギア74を経て回転シャフト88に駆動力が伝達されるようになっている。
沈殿槽1内の上部には、平面視環状のろ過装置2が配設されている。ろ過装置2を構成要素の1つである環状水槽のろ過容器5は、その外側側壁には沈殿槽1の内壁に取り付けるための取付部5eおよび補強材5fが設けられており、沈殿槽1とアンカーボルト等によって支持固定されている。ろ過容器5の中心側側壁の上端部には、複数の上澄水流入口10が設けられており、ろ過容器5の内部には、仕切壁50が設けられている。仕切壁50は、ろ過容器5と同心円上に配置された円筒部50a、円筒部50aの下端内面で全周に渡って設けられた支持環部50b、ろ過容器5の中心側側壁の外面側に設けられた支持環部50c、支持環部50b,50cを連結する連結部50d(例えば、90度毎に設け、計4箇所で連結する等)により構成されている。そして、支持環部50b,50c、連結部50dに囲まれた空間である連通口7を全て覆うようにろ過スクリーン3が設置されている。ろ過スクリーン3の設置の仕方については、実施の形態5のろ過装置2と同様である。ろ過容器5内は、仕切壁50とろ過スクリーン3によって、上澄水室8とろ過水室9に区分されている。
ろ過容器5の外側側壁には、ろ過水流出口11が設けられており、沈殿槽1側壁よりも外側に設けられた環状開放水路であるろ過水移送路42と連通するようになっている。また、円筒部50aの上端には、緊急時用の上澄水越流堰12が設けられており、ろ過スクリーン3から上澄水がろ過できない状況になって、上澄水室8内の上澄水の水位が異常上昇した場合には、上澄水をろ過水室9側に越流させて、ろ過水流出口11から沈殿槽1外に排水することで、沈殿槽1から上澄水が溢れ出ないようになっている。
回転シャフト88の上部には、その中心からろ過容器5の上方位置まで横に延びる洗浄機支持材92が一体にあるいは連結されており、この洗浄機支持材92には、ろ過スクリーン洗浄機4が搭載されている。洗浄機支持材92には、吸引ポンプ15が取り付けられており、その吸引側に吸引管14の一端が接続され、その他端を上澄水室8内のろ過スクリーン3面の近接位置に配設された吸引ヘッド13に接続されている。また、吸引ポンプ15の吐出側には、洗浄排水管15aの一端が接続されており、その他端はろ過水移送路42よりもさらに外側に設けられた環状開放水路である洗浄排水路93に向かって開口されている。
次に、実施の形態11の一体型固液分離システムの作用を説明する。沈殿槽1の原水流入管85からセンターウェル86内を通って沈殿槽1内に流入した原水は、静置されて原水中の懸濁物質が沈殿槽1の下方に沈降分離され、上澄水と懸濁物質とに固液分離される。沈殿槽1内の上澄水は、ろ過容器5内に上澄水流入口10から流入してろ過スクリーン3を通過することにより、上澄水に含まれた微細な懸濁物質等がろ過スクリーン3で捕捉されてろ過される。ろ過スクリーン3を通過してろ過水室9内に流入したろ過水は、ろ過水流出口11から沈殿槽1のろ過水移送路42に流入した後、ろ過水移送路42に接続しているろ過水移送管54から系外に排出される。
従来の円形ホッパー状の沈殿槽においても掻寄機91は沈降分離処理を行っている間は常時動作しているものであり、この実施の形態11の一体型固液分離システムの場合においても同様に駆動機22を作動させて掻寄機91を基本的に常時機能させている。よって、回転シャフト88に連結されている洗浄機支持材92およびろ過スクリーン洗浄機4もともに回転している。よって、吸引ヘッド13は上澄水室8内でろ過スクリーン3の近接位置の高さを維持しつつ、環状に配置されたろ過スクリーン3上を水平移動している。ろ過スクリーン3の付着物を吸引除去する時には、吸引ポンプ15を起動することにより、吸引ヘッド13内に吸引力が発生し、付着物とともに吸引力によってろ過スクリーン3を逆流したろ過水や吸引ヘッド13の周囲の上澄水が洗浄排水として吸引管14から吸引ポンプ15、洗浄排水管15aを経て洗浄排水路93に吐出され、系外に排出される。
その他、ろ過スクリーン3の仕様等、ろ過容器5の構成に関する事項、ろ過クリーン洗浄機4の吸引洗浄サイクルに関する事項等については、実施の形態5の一体型固液分離システムの場合と同様である。
以上のように、実施の形態11の一体型固液分離システムによれば、円形ホッパー状の沈殿槽に最も適した一体型固液分離システムを構築できる効果がある。また、円形ホッパー状の沈殿槽に設置するのに最適なろ過装置を提供できる効果がある。さらに、回転シャフト88に掻寄機91とろ過スクリーン洗浄機4の両方が取り付けられたことにより、掻寄機91を回転移動とろ過スクリーン洗浄機4の吸引ヘッド13の水平移動を1台の駆動機22の駆動力で賄うことができ、ろ過装置2の製造コストを低減でき、ろ過装置2を動作させるためのランニングコストも低減できる効果がある。さらに、実施の形態5のろ過装置2のような吸引管14に回動自在にかつ水密に連結する連結部14dや洗浄排水管15aに同様の連結部を設ける必要がなく、製造コストのさらなる低減が図れる効果もある。
実施の形態12.
図15は、実施の形態12における一体型固液分離システムの立面断面図であり、図14と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態12の一体型固液分離システムは、吸引ポンプ15の洗浄排水管15aをセンターウェル86内に延ばして洗浄排水を沈殿槽1内に戻すように構成した点が前記実施の形態11と大きく異なる。洗浄排水管15aをセンターウェル86内で開口することによって、沈殿槽1内の沈降分離処理に悪影響を与えずに洗浄排水を沈殿槽1内に戻すことができる構成となっており、その他の構成は前記実施の形態11と同じのため、説明を省略する。
以上のように、実施の形態12の一体型固液分離システムによれば、吸引ポンプ15で吸引された洗浄排水を系外に排出するのではなく沈殿槽1内に戻すので、沈殿槽1の周囲に洗浄排水を排出するための側溝である洗浄排水路93を構築する必要がなく、イニシャルコストの低減が図れる効果がある。特に、従来の沈殿槽1にろ過装置2を設置して一体型固液分離システムを構築する場合においては、既設の沈殿槽1には、外周に越流堰が存在するので、これをろ過水移送路42としてそのまま利用でき、しかも、従来の沈殿槽では構築されていない洗浄排水路93を新たに構築する必要がないので、設置のための工期も短くて済む。また、洗浄排水管15aは、回転シャフト88に向かって配管されることで洗浄機支持材92の長さを短くすることができるので、洗浄機支持材92に対して、あるいはそれと回転シャフト88との接続部に対して掛かるモーメントの負荷が小さくなり、しかも洗浄排水管15aは、洗浄機支持材92や回転シャフト88と所定箇所に支持固定されるため、洗浄排水管15a自身が有する剛性によって洗浄機支持材92やそれと回転シャフト88との接続部の剛性が強化される効果がある。特に洗浄排水管15aに剛性の高い鋼管を適用した場合においては、なお高い効果が得られる。
実施の形態13.
図16は、実施の形態13における一体型固液分離システムの立面断面図、図17は図16のA−A線に沿った平面断面図である。図12と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この実施の形態13の一体型固液分離システムは、実施の形態12とは、実施の形態5の場合と同様にろ過水室9内のろ過スクリーン3の下方に散気管38を配設した点、空気供給機36を吸引ヘッド13に設置した点、吸引ポンプ5に水中型ポンプを適用して吸引ヘッド13内に設置した点、およびこれらの変更に伴ってろ過容器5等の構造を変更した点が大きく異なる。
この実施の形態13におけるろ過容器5は、沈殿槽1の直径よりも小径の環状水槽としている。沈殿槽1の内壁には、取付部5eが取り付けられており、取付部5eの内壁は、沈殿槽の中央に配置される筒状のセンターウェル86の外壁と支持材86bで接続してセンターウェル86を所定位置で支持している。支持材86bは、補強材5fによって、載架できる重量が高められており、支持材86b上にろ過容器5が支持固定されている。なお、センターウェル86には、原水流入管85が接続しており、原水をセンターウェル86内に流入させることで、沈殿槽1内での沈降分離処理に悪影響を与えないようにしている。ろ過容器5の内部には、仕切壁50が設けられている。仕切壁50は、ろ過容器5の中心側側壁よりも径大の円筒部50a、円筒部50aの下端外面で全周に渡って設けられた支持環部50b、ろ過容器5の外側側壁の内面側で全周に渡って設けられた支持環部50c、支持環部50b,50cを連結する連結部50d(例えば、90度ごとに設け、計4箇所で連結する等)により構成されている。そして、実施の形態12の場合と同様に、連通口7、ろ過スクリーン3、上澄水室8、ろ過水室9等が形成されている。
ろ過容器5の外側側壁の上端部には、上澄水流入口10が複数設けられている。また、ろ過容器5のろ過水室9の外側側壁には、ろ過水流出口11が設けられている。ろ過水流出口11は、ろ過容器5の側壁と同程度以上の高さの側壁を有する連通路11aによって、沈殿槽1の外側に設けられているろ過水移送路42と連通している。以上の構成によって、実施の形態12の場合と同様に、上澄水流入口10から沈殿槽1内の上澄水が流入し、ろ過スクリーン3でろ過処理されたろ過水がろ過水流出口9から連通路11aを通じて、ろ過水移送路42、ろ過水移送管を経て系外に排出されるようになっている。
回転シャフト88のセンターウェル86上方位置には、沈殿槽1の中心から外壁の方向に向かって延びる板状部と板状部が撓まないように補強する補強部とからなる洗浄機支持材92が溶接等で取り付けられている。洗浄機支持材92には、吊下部材92aによって断面台形状の吸引ヘッド13がろ過スクリーン3面の近接位置に支持固定されている。吸引ポンプ15には、吸込口を直接水没させて水を直接吸引する水中型ポンプを適用している。吸引ポンプ15は、吸引ヘッド13の上面を貫通し、吸込口がろ過スクリーン3面上の付着物を吸引するのに最適な高さ位置に配設されている。吸引ポンプ15の吐出側には、洗浄排水管15aの一端が接続しており、洗浄機支持材92の板状部を下面から貫通し、上面で支持サドル等によって支持固定されている。センターウェル86の外周には、環状開放路の洗浄排水路87が形成されており、洗浄排水管15aの他端が洗浄機支持材92の上面から貫通して、洗浄排水路87内で開放されている。洗浄排水路87には、洗浄排水管87aが接続されており、洗浄排水は、系外に自然流下等で排出されるようになっている。
吸引ヘッド13の上面には空気供給機36が配設されている。ろ過水室9内の吸引ヘッド13の下方には、散気管38が配置されており、空気供給機36に一端が接続される空気供給管37がろ過容器5の中心側側壁と円筒部50aとの間を通って散気管38に接続し、散気管38へ空気を供給する役割と、散気管38を所定高さで支持する役割を担っている。以上の構成によるろ過スクリーン洗浄機4でのろ過スクリーン3の吸引洗浄であるが、吸引ヘッド13による付着物等の吸引除去と同時に、実施の形態5の場合と同様に散気管38からの洗浄空気によるろ過スクリーン3の付着物の剥離除去が行われること以外は、実施の形態12の場合と同様である。
なお、この実施の形態13のろ過装置2では、吸引ポンプ15からの洗浄排水を洗浄排水管15aから洗浄排水路87、洗浄排水管87aを経由して系外に排出されるようになっているが、実施の形態11の場合と同様に、沈殿槽1の外周に環状の洗浄排水路93を設けて、洗浄排水管15aを開口するように構成してもよい。また、実施の形態12の場合と同様に、洗浄排水管15aをセンターウェル86内で開口して洗浄排水を沈殿槽1内に戻すようにしてもよい。さらに、吸引ポンプ15についても、水中型ポンプではなく、渦巻式ポンプ等の陸上型ポンプを吸引ヘッド13上面に設置し、吸引管によって吸引ヘッドと陸上型ポンプの吸込側とを接続した構成としてもよい。
以上のように、実施の形態13の一体型固液分離システムによれば、実施の形態12に示した各効果に加え、円形ホッパー状の沈殿槽に設置するろ過装置2の場合においても、散気管38の洗浄空気によるろ過スクリーン3の付着物剥離も併用することでき、ろ過スクリーン洗浄機4の洗浄能力が向上する効果がある。
実施の形態14.
図18は、実施の形態14における一体型固液分離システムを示す平面図であり、図7および図8と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態14の一体型固液分離システムは、沈殿槽1内に配設するろ過容器5を平面楕円形状に形成した点、そのろ過容器5の中央部長手方向に上下が開放された楕円貫通筒状の洗浄排水路95を設けた点、ろ過スクリーン洗浄機4をろ過容器5の形状に沿って楕円走行させるようにした点が、前記実施の形態7と大きく異なる。
この実施の形態14において、ろ過容器5は、平面視楕円形状の外側側壁と中央部の洗浄排水路95の壁面を形成する内側側壁とこの2つの側壁に囲まれた領域の底部に蓋をする底面で形成される平面視トラック形状の容器となっている。また、外側側壁の所定高さの内面全周には、支持環部が設けられており、内側側壁の所定高さの外面全周にも、支持環部が設けられており、両支持環部を複数箇所で連結部によって連結されている。これによって、両支持環部と連結部に囲まれた空間である連通口が複数形成されており、この全ての連通口を覆うようにろ過スクリーン3が設置されている。このような構成により、ろ過容器内は、ろ過スクリーン3上面の上澄水室8と、ろ過スクリーン3下面のろ過水室(図示せず)に縦に分割されている。ろ過容器5の外側側壁の上端には、上澄水流入口10が複数設けられており、ろ過水室の外側側壁には、ろ過水流出口53Bが設けられている。そして、複数の鉄骨梁44が架けられた沈殿槽1内にこのろ過容器5を沈殿槽1内の上澄水が上澄水流入口10から流入する高さで、鉄骨梁44から垂下する支持材によって、支持固定されている。また、ろ過水流出口53Bには、ろ過水移送管54の一端が接続されており、その他端はろ過水移送路42に接続されている。
以上の構成によって、実施の形態7の場合と同様に、沈殿槽1内の上澄水は上澄水流入口から上澄水室8に流入し、ろ過スクリーン3で上澄水中の微細な懸濁物質が除去されてろ過水室9にろ過水が流出し、ろ過水流出口53Bからろ過水移送管54、ろ過水移送路42を経て、系外にろ過水が排出されるようになっている。なお、この実施の形態7の場合、ろ過スクリーン洗浄機4の不具合等により、ろ過スクリーン3が目詰まりして上澄水室8内の上澄水のろ過処理量が沈殿槽1への流入原水量を上回ってしまうときには、沈殿槽1のろ過水移送路42に設けられた越流開口12Aから沈殿槽1内の上澄水を直接越流させることで対応可能となっている。
一方、ろ過容器5のの上部には、該ろ過容器5の外側側壁に沿った平面楕円環状の外側の走行ガイド96と、内側側壁に沿った内側の走行ガイド97が配設されている。ろ過スクリーン3上面の近接位置には、吸引ヘッド13が配置されている。吸引ヘッド13には、走行ガイド96上を走行可能な車輪98aが取り付けられたアーム98bと、走行ガイド97上を走行可能な車輪98cが取り付けられたアーム98dが取り付けられ、吸引ヘッド13は所定高さで支持されている。吸引ヘッド13の上面には吸引ポンプ15が設置されており、その吸引ポンプ15の吸引側は、吸引管14により吸引ヘッド13と接続している。吸引ポンプ15の吐出側には、洗浄排水管15bの一端が接続され、その他端は、洗浄排水路95の上方から挿入されて、沈殿槽1の水面下で開口されている。
アーム98bには、車輪98aに駆動力を付与する駆動機98eが取り付けられており、車輪98a,98c、アーム98b,98d、駆動機98eによって、ろ過スクリーン洗浄機4の走行機構98を構成しており、駆動機98eを作動させることによって、吸引ヘッド13は、ろ過スクリーン3面の全面を走行することが可能となっている。
次に、実施の形態14における一体型固液分離システムのろ過スクリーン洗浄機4の作用を説明する。ろ過スクリーン洗浄機4に搭載された駆動機98eおよび吸引ポンプ15を起動すると、ろ過スクリーン洗浄機4が走行ガイド96,97上を自走しながら、前記実施の形態7と同様に、吸引ポンプ15によってもたらされる吸引ヘッド13内の吸引力によって、ろ過スクリーン3面の付着物がろ過スクリーン3を逆流するろ過水や吸引ヘッド13の周囲の上澄水と共に吸引ポンプ15の吸込口から吸引される。そして、吸引ポンプ15の吐出側から洗浄排水として洗浄排水管15bによってろ過容器5中央の洗浄排水路95を通って沈殿槽1内に戻されるようになっている。なお、この実施の形態14では、吸引ポンプ15に陸上型ポンプを適用し、その吸引側と吸引ヘッド13とを吸引管14で接続する構成としたが、実施の形態13の場合と同様に水中型ポンプである吸引ポンプ15を適用して吸引ヘッド13の上面を貫通して設置した構成としてもよい。
以上のように、実施の形態14の一体型固液分離システムによれば、ろ過容器5を平面楕円形状に形成したことにより、沈殿槽1の形状が平面矩形状の場合、そのろ過容器5を長軸方向が沈殿槽1の長手方向となるように該沈殿槽1内に配置することにより、沈殿槽1内の広域でろ過装置2によるろ過処理を行うことができるという効果がある。また、ろ過容器5の外側側壁と内側側壁の上部に走行ガイド96,97を設置すると共に、ろ過スクリーン洗浄機4に走行機構98を搭載し、ろ過容器5の楕円形状に沿ってろ過スクリーン洗浄機4を自走させるように構成したので、ろ過装置2によるろ過処理を効率的に行うことができるという効果がある。
実施の形態15.
図19は、実施の形態15における一体型固液分離システムを示す平面図であり、図18と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態15の一体型固液分離システムは、前記実施の形態14におけるろ過容器5中央の洗浄排水路95を断面有底筒状に形成した点、その洗浄排水路95に吸引ポンプ15の洗浄排水管15bからの洗浄排水を溜めて該洗浄排水を移送ポンプ99で系外に排出するようにした点が、前記実施の形態14と大きく異なる。具体的には、洗浄排水路95に貯留された洗浄排水は、一端が洗浄排水路95に接続され、他端が移送ポンプ99の吸入側に接続される吸引管99aで吸引され、移送ポンプ99の吐出側に接続された洗浄排水移送管99bによって系外に移送されるようになっている。
以上のように、実施の形態15の一体型固液分離システムによれば、ろ過スクリーン洗浄機4の洗浄排水をろ過容器5中央の洗浄排水路95に一時溜めておくことができ、その洗浄排水を移送ポンプ99によって適宜排出することができるという効果がある。
実施の形態16.
図20は、実施の形態16における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図21中のA−A線に沿って切断した立面断面図、図21は実施の形態16における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図20中のB−B線に沿って切断した立面断面図である。この実施の形態16のろ過装置2は、上面に開口部107A,107B、両側面に連通口7A,7Bを有して平面視矩形の直方体状に形成されたろ過容器5A,5Bと、これらのろ過容器5A,5Bの両側面の連通口7A,7Bにそれぞれ張設されたろ過スクリーン3と、該ろ過スクリーン3に離間対向する邪魔板部材100、ろ過容器5A,5Bの上方に配設された走行架台101、およびろ過スクリーン3に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズル108A,108Bにより主に構成されるろ過スクリーン洗浄機104とを備えている。
ろ過装置2のろ過容器5A,5Bは、ろ過スクリーン3の全体あるいは一部が沈殿槽1の上澄水面下に浸漬するように沈殿槽1の側壁に固定されている。そして、沈殿槽1内の上澄水をろ過スクリーン3の外側から通過させてろ過処理したろ過水が、ろ過容器5A,5B内に形成されるろ過水室110A,110Bに流入するように構成されている。また、ろ過容器5A,5Bにはろ過水流出口112A,112Bが設けられ、このろ過水流出口112A,112Bから沈殿槽1のろ過水移送路113にろ過水が流れるようになっている。
ろ過スクリーン洗浄機104の構成要素である走行架台101は、ろ過容器5A,5Bの長手方向側壁の上端に配設された走行ガイド103A,103B上に、滑車102を介して長手方向に移動可能に配置されている。走行架台101上には、駆動機101aが設置されている。駆動機101aの駆動力は、ベルトプーリーとギアの組み合わせによる伝達機構101bによって滑車102に駆動力が伝達され、走行架台101は、長手方向を前後に移動可能となっている。走行架台101には、洗浄水供給管105が配設されている。洗浄水供給管105は、伸縮する管材であり、洗浄水供給ポンプ(図示せず)から洗浄水の供給を受ける伸縮管部105c、供給される洗浄水を2方向に分岐する分岐管部105d、および分岐管部105dから洗浄水をろ過水室110A,110Bに配設される洗浄ノズル108A,108Bのそれぞれに供給する2本の供給管部105A,105Bによって構成されている。
洗浄ノズル108A,108Bは、洗浄水供給管105によって洗浄水の供給を受け、かつろ過水室110A,110B内の所定位置で支持されている。洗浄ノズル108A,108Bは、ろ過水室110A,110B内の両側壁に配設されるろ過スクリーン3に対して同時に洗浄水を吹付けられるように2つの吹付口を備えている。また、走行架台101には、洗浄ノズル108A,108Bに対応する位置であり、ろ過スクリーン3の沈殿槽1側から所定距離の位置に邪魔板部材100がそれぞれ取り付けられている。
次に、実施の形態16のろ過装置2の作用を説明する。沈殿槽1の上澄水が、ろ過容器5A,5Bの両側面のろ過スクリーン3の外側から通過することにより、上澄水中の微細な懸濁物質等が各ろ過スクリーン3の外側面に捕捉されることで、ろ過処理される。ろ過スクリーン3を通過したろ過水はろ過水室110A,110Bに流入した後、ろ過水流出口112A,112Bからそれぞれろ過水移送管113を通って系外に排出される。
ろ過スクリーン3の洗浄に際しては、走行架台101を自動走行させると同時に、沈殿槽1外に設置されている図示しない洗浄水供給ポンプを起動させると、走行架台101と共にろ過スクリーン洗浄機104系統の洗浄ノズル108A,108Bがろ過容器5A,5Bの長手方向に移動しながら洗浄水供給管105A,105B先端の洗浄ノズル108A,108Bからろ過スクリーン3の内側全面に洗浄水が連続して吹き付けられる。このときの洗浄水がろ過スクリーン3にぶつかった時の振動と、洗浄水がろ過スクリーン3を通過して外側に飛び出してくるときの圧力によって、ろ過スクリーン3の外側全面に付着した付着物が落とされ沈殿槽1内の上澄水中に剥離される。また、ろ過スクリーン3を通過して沈殿槽1内に飛び出した洗浄水と付着物の混合水は、邪魔板部材100にぶつかり、沈殿槽1内の水面下方に誘導されていくようになっている。
洗浄ノズル108A,108Bから吹付ける洗浄水は、水道水や井戸水のような上質な水だけでなく、ろ過スクリーン3でろ過したろ過水の一部を利用してもよい。ただし、洗浄ノズル108A,108Bから吐出される洗浄水は、ろ過スクリーン3に接触した後、ろ過室110A,110Bに流下するものが多く、ろ過水と共にろ過水流出口112A,112Bから流出するので、使用する洗浄水は、最低限、ろ過水の水質以上の水とする必要がある。なお、ろ過スクリーン3の材質等に関する事項、ろ過スクリーン洗浄機104によるろ過スクリーン3の洗浄サイクルに関する事項等については、実施の形態1に示した場合と同様である。
以上のように、実施の形態16のろ過装置2によれば、前記実施の形態1で示した各効果のうち、(1)および(3)で示した効果のほか、以下に示す効果がある。
(1)ろ過スクリーン洗浄機104の洗浄ノズル108A,108Bによって、洗浄水が吹付けられている部分以外のろ過スクリーン3面では、継続して沈殿槽1内の上澄水のろ過処理を継続することができる効果がある。
(2)ろ過容器5A,5Bの側面に連通口7A,7Bを設けてろ過スクリーン3を張設し、ろ過容器5A,5B内全体をろ過水室110A,110Bとし、前記実施の形態1から15のように上澄水室を形成しないことから、同一容積のろ過容器であってもろ過水室の容積を広く取ることができ、しかもろ過スクリーン3の表面積(ろ過面積)を広く取ることができる効果がある。
(3)ろ過スクリーン3の外側対向部位に邪魔板部材100が配置されているので、洗浄ノズル108A,108Bから吹付けられた洗浄水がろ過スクリーン3から付着物とともに沈殿槽1内に飛び出して沈殿槽1内の上澄水を大きく攪拌されるのを邪魔板部材100によって防止することができる。すなわち、邪魔板部材100がない場合、沈殿槽1内の上澄水が攪拌され、沈殿槽1内で沈降していた汚泥等の懸濁物質が浮き上がって上澄水と混合されるという不都合を前記邪魔板部材100によって防止することができるという効果がある。
実施の形態17.
図22は、実施の形態17における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図23中のA−A線に沿って切断した立面断面図、図23は実施の形態17における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図22中のB−B線に沿って切断した立面断面図である。この実施の形態17のろ過装置2は、外周面に複数の連通口109を有して沈殿槽1内に横軸方向に配設した円筒状のろ過容器115と、このろ過容器115の外周面に張設した横向き円筒状のろ過スクリーン116と、このろ過スクリーン116に内側から洗浄水を吹き付けるろ過スクリーン洗浄機117とによって主要部が構成されており、ろ過容器5内にろ過水室111が形成されている。
ろ過容器115は両端に回転軸115aを一体に有し、この回転軸115aの両端部がシャフト軸受119で回転自在に支持されている。ろ過容器115の軸方向一端側の回転軸115aは、例えば、プーリー120a,120bとベルト120c等からなる回転力伝達機構120を介して駆動機121の出力軸に連動させてある。ろ過容器115は、高さ方向の中間からやや上方位置より下側が沈殿槽1内の上澄水中に水没するように配設される。
ろ過容器115の回転力伝達機構120を設けた側とは他端側の回転軸115aは、径大の中空軸とし、端部にろ過水流出口126が設けられている。このろ過水流出口126の外側にはろ過水移送路127が配設されており、ろ過水移送路127の上端部には上澄水越流堰128が設けられている。この実施の形態17の一体型固液分離システムでは、ろ過装置2の何等かの不具合によって上澄水がろ過スクリーン116を通過できなくなり、沈殿槽1内の上澄水水位が異常に上昇してしまった場合には、上澄水越流堰128から緊急的に排水するようになっている。
ろ過スクリーン洗浄機117は、ろ過水流出口126からろ過容器115内の軸心部に挿入されて定位置に固定保持された洗浄水供給管122と、この洗浄水供給管122に接続されてろ過スクリーン116の非水没領域の内周面に対し内側から斜め上方に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズル118とを備えた構成となっている。洗浄ノズル118は、その複数が洗浄水供給管122の軸方向に所定の間隔で同一方向(斜め上方)を向くように設けられている。なお、洗浄水供給管122は、洗浄水供給ポンプ(図示せず)の吐出側に接続されているものである。
ろ過スクリーン116の非水没領域の外側には、洗浄ノズル118群によるろ過スクリーン116の洗浄水吹き付け領域に対応する位置に洗浄排水受け具123が配設されている。この洗浄排水受け具123は、ろ過スクリーン116の非水没領域の外側で該ろ過スクリーン116の洗浄水吹き付け領域のほぼ全面を覆うように水平方向に延びた樋部123aが回転力伝達機構120側に向かって下り勾配を有して形成されており、ろ過スクリーン116の内側から外側に飛び出す洗浄水とろ過スクリーン116面の付着物による洗浄排水を受け入れる洗浄排水路を形成している。洗浄排水受け具123の上端部には軸124が設けられ、この軸124の両端が軸受124aによって回動自在に支持されており、この状態において、洗浄排水受け具123の上端部は、ろ過スクリーン116から離れた近接位置に保持されている。洗浄排水受け具123の樋部123aは、ろ過スクリーン116外周面に自重によって、ろ過スクリーン116が摩擦で劣化しない程度に接触しており、ろ過スクリーン116内側が洗浄ノズル118から洗浄水が吹き付けられてろ過スクリーン116面が外側に撓んだ際には、洗浄排水受け具123が軸124を中心に回動して樋部123aがそれに追従するようになっている。
洗浄排水受け具123の樋部123aの下流側端部には、洗浄排水移送管125の一端が接続されており、その他端側は開放水路の洗浄排水路125a内で開口されている。洗浄排水受け具123の樋部123aで受け止められた洗浄排水は、洗浄排水移送管125によって洗浄排水路125aに移送され、洗浄排水路125aから系外に排水されるようになっている。なお、樋部123aがろ過スクリーン116の外周面に追従することに対応するため、洗浄排水移送管125の一部は可撓性を有した構造となっている。
次に、実施の形態17のろ過装置2の作用を説明する。沈殿槽6内の上澄水が、ろ過容器115のろ過スクリーン116を外周全面からろ過水室111内へ通過することにより、上澄水の含まれた微細な懸濁物質等がろ過スクリーン116の外周全面に付着する。ろ過水室111内のろ過水はろ過容器115のろ過水流出口126からろ過水移送路127に流入して系外に排出される。駆動機121はろ過処理時は作動しており、その駆動力が回転力伝達機構120によってろ過容器5に伝達して回転軸115aを中心に回転している。これにより、ろ過スクリーン116は、上澄水面下に水没している領域と非水没領域とが順次入れ替わるようになっている。
ろ過スクリーン116の洗浄に際して、図示しない洗浄水供給ポンプによって洗浄水供給管122に洗浄水を供給すると、洗浄ノズル118から洗浄水が斜め上方(洗浄排水受け具123の方向)に向かって吹き出し、その洗浄水が、ろ過スクリーン116の非水没領域のスクリーン面に内側から吹き付けられる。これにより、ろ過スクリーン116の外周面に付着した付着物が、内面から飛び出した洗浄水によって剥離され、ろ過スクリーン116の撓みによって樋部123aに強めに接触したときの物理的な作用によっても剥離され、この付着物を含む洗浄排水は洗浄排水受け具123の樋部123aで受け取られて洗浄排水移送管125に流入し、洗浄排水路125aを経て系外に排出される。なお、ろ過スクリーン116の材質等に関する事項、ろ過スクリーン洗浄機117によるろ過スクリーン116の洗浄サイクルに関する事項等については、実施の形態1に示した場合と同様である。また、洗浄水として適用可能な水に関しては、実施の形態16に示した場合と同様である。
以上のように、実施の形態17のろ過装置2によれば、実施の形態16で示した各効果が同様に得られるほか、以下に示す効果も得られる。すなわち、円筒状のろ過スクリーン116が張設されたろ過容器115を、該ろ過容器115の高さ方向のほぼ中間から下側が沈殿槽1内の上澄水中に水没するように、沈殿槽1内に回転駆動可能に配設し、そのろ過容器115内の軸方向に洗浄水供給管122を配設し、この洗浄水供給管122には、ろ過スクリーン116の非水没領域のスクリーン面に内側から洗浄水を吹き付ける洗浄ノズル118を設けたので、ろ過スクリーン116の洗浄に際しては、ろ過容器115を回転駆動している状態で、ろ過スクリーン116の非水没領域のスクリーン面に洗浄ノズル118から洗浄水を吹き付けることで、その洗浄水によって、ろ過スクリーン116の外周全面に付着した付着物を連続して効率よく剥離することができるという効果がある。
また、ろ過スクリーン116の非水没領域のスクリーン面外側には、洗浄ノズル118からの洗浄水吹き付け領域に対応位置する洗浄排水受け具123を配設したので、洗浄ノズル118からの吹き付け洗浄水によってろ過スクリーン116の外周面から剥離された付着物が沈殿槽1内に上澄水に混入するのを洗浄排水受け具123によって阻止することができるという効果がある。さらには、洗浄ノズル118からの洗浄水吹き出しの影響で、沈殿槽1内に上澄水が攪拌されて沈降汚泥等の懸濁物質と混合するのを防止できるという効果がある。また、洗浄排水受け具123は、洗浄ノズル118の洗浄水吹き出し圧力でろ過スクリーン116が撓んだ際に、その撓みに追従して首振り動作するので、洗浄排水受け具123の樋部123aに強く接触してろ過スクリーン116が早期に劣化したり損傷するようなことがないという効果がある。
実施の形態18.
図24は、実施の形態18における一体型固液分離システムを示す平面図、図25は実施の形態18における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図24中のA−A線に沿って切断した立面断面図、図26は実施の形態18における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図24中のB−B線に沿って切断した立面断面図である。この実施の形態18の一体型固液分離システムは、複数の中空円盤134を中空シャフト132で同軸上に連結した構成であり、中空円盤134にろ過スクリーン136が張設されたろ過容器133を沈殿槽1内に回転自在に配設すると共に、ろ過水を利用してろ過スクリーン136を洗浄するろ過スクリーン洗浄機140を設けることによって、主要部が構成されている。
中空円盤134は、中空シャフト132が連結する小径リングフレーム134aを2つ同心で距離をおいて配置し、またこれらと同心であり、両小径リングフレーム134a間の等距離の位置に大径リングフレーム134bを配置し、2つの小径リングフレーム134aのそれぞれの外周と大径リングフレーム134bとを連結するメンバー134cで連結したフレーム構造(図25では、1つの小径リングフレーム134aから十字状に4つのメンバー134cが大径リング134bと連結している。)であり、そのフレーム構造の中空シャフト132が接続する開口部以外の隙間である連通口134dを全て覆うようにろ過スクリーン136が張設された構成となっている。以上の構成により、ろ過容器133内の中空部分にろ過水室135が形成されている。各中空円盤134同士は、中空シャフト132で同軸心に連結されてろ過容器133が構成されている。ろ過容器133の両端の中空シャフト132は、一端は、後述する駆動機121が載置する台座121aから沈殿槽1の側壁に沿って沈殿槽1内に延伸する保持部121bに取り付けられたシャフト軸受131Aによって、他端は、沈殿槽1の側壁に設けられたろ過水移送路127の側壁に取り付けられたシャフト軸受131Bによって、ともにリングシール131sを介して水密に、かつ回転自在に配設されている。ろ過容器133の沈殿槽1内の設置高さは、実施の形態17のろ過容器115の場合と同様、容器高さ方向の中間からやや上方位置より下側が沈殿槽1の上澄水中に水没する高さとしている。
シャフト軸受131A側の中空シャフト132の外周には、プーリー120aが取り付けられている。また、沈殿槽1外に設置されている台座121aには、プーリー120bが駆動軸に取り付けられている駆動機121が載置されており、プーリー120aとプーリー120bとの間にベルト120cが掛けられて構成される回転力伝達機構120によって、駆動機121の駆動力が中空シャフト132に伝達されて、ろ過容器133が回転するようになっている。シャフト軸受121Bとこれが取り付けられているろ過水移送路127の側壁部分には、ろ過水室135とろ過水移送路127とを連通する開口131e,127aがそれぞれ設けられている。ろ過スクリーン136でろ過処理されてろ過水室135内に貯まったろ過水は、この開口131e,149aをろ過水流出口としてろ過水移送路127に直接流出させるようにしてもよい。しかし、その場合、ろ過水室135内のろ過水位が最低でも中空シャフト132の下端側内壁よりも高くならないと、そのろ過水がろ過水移送路127に流出しない。そこで、この実施の形態18のろ過装置2では、ろ過水室135内のろ過水を自己サイフォン作用でろ過水移送路127に移送するろ過水流出管147を配設している。
ろ過水流出管147は、本管部147aと、立下管部147bによって構成されている。本管部147aは、中空シャフト132および中空円盤134内を挿通する配管であり、シャフト軸受131A側の端部がキャップ等の閉塞部材147cで閉塞され、他端は、開口131e,127aを貫通してろ過水移送路127内で立ち下げられて底面近傍でろ過水流出口147dとして開口されている。閉塞部材147cには、本管部147aと同軸で延長されてシャフト軸受131Aや保持部121bに嵌め込まれて本管部147aの一端側を支持する支持部が設けられている。本管部147aの他端側は、シャフト軸受131Bやろ過水移送路127の側壁によって支持されており、これらによって、本管部147aが所定位置に支持されるようになっている。立下管部147bは、中空円盤134部分の本管部147aから分岐して立ち下げられ、下端を中空円盤134底部近傍で開口とされている。以上の構成のろ過水流出管147により、ろ過水室135内のろ過水位が本管部147a内が満水となるまで上昇すると自己サイフォン作用が働き、ろ過水を吸引してろ過水移送路127に移送し始め、ろ過水位が立下管147bの下端開口まで低下するまでろ過水の吸引および移送を継続して行うようになっている。
ろ過水流出口147dからろ過水移送路127に流出したろ過水は、ろ過水槽146に移送されて一時貯留される。そして、ろ過水移送管151によって系外に排出されるようになっている。また、ろ過水移送路127の側壁上端部には、上澄水越流堰128が設けられており、ろ過装置2が何等かの不具合によって上澄水がろ過スクリーン136を通過できなくなり、沈殿槽1内の上澄水水位が異常に上昇してしまった場合には、上澄水越流堰128から緊急的に排水するようになっている。
ろ過スクリーン洗浄機140は、中空シャフト132内に挿入されて該中空シャフト132と接触しない定位置に保持固定された洗浄水供給管141と、この洗浄水供給管141に接続されてろ過容器133の両側のろ過スクリーン136間に立ち上げられ、ろ過スクリーン136に接触しない定位置に固定保持された洗浄水供給枝管141aとを備えている。その洗浄水供給枝管141aには、上澄水面上のろ過スクリーン136に内側から洗浄水を吹き付けるための複数の洗浄ノズル142が設けられている。洗浄水供給管141は、自動開閉弁143を介して洗浄水供給ポンプ144の吐出側に接続されている。洗浄水供給ポンプ144の吸込側には洗浄水吸引管145が接続され、この洗浄水吸引管145はろ過装置2でろ過処理されたろ過水がろ過水移送管127で移送されて貯留されているろ過水槽146のろ過水中に端部にフート弁を取り付けて浸漬させてある。ろ過水槽146の下部にはろ過水移送管151が接続されている。自動開閉弁143は、洗浄水ポンプ144の起動時に自動的に開弁し、洗浄水ポンプ144の停止時に自動的に閉弁するようになっている。
次に、実施の形態18の一体型固液分離システムの作用を説明する。沈殿槽1内の上澄水が各ろ過容器133内のろ過水室135にろ過スクリーン136の外側から流入することにより、ろ過スクリーン136の外側のスクリーン面には微細な懸濁物質等が付着する。一方、ろ過スクリーン136でろ過処理されたろ過水は、ろ過水室135に貯留されていき、ろ過水位がろ過水流出管147の本管部147a内が満管状態になるまで上昇したとき、ろ過水流出管147内で自己サイフォンが発生し、各立下管部147bの下端開口からろ過水が吸引され、本管部147aのろ過水流出口147dからろ過水移送路127に排出される。ろ過水はろ過水移送路127によってろ過水槽146に移送されて一時貯留され、ろ過水移送管151によって系外に排出される。実施の形態17のろ過装置2の場合と同様、駆動機121はろ過処理時は作動しており、その駆動力が回転力伝達機構120によってろ過容器133に伝達して中空シャフト132および中空円盤134の回転軸を中心に回転している。これにより、ろ過スクリーン136は、上澄水面下に水没している領域と非水没領域とが順次入れ替わるようになっている。
ろ過スクリーン136の洗浄に際して、洗浄水ポンプ144を起動し、自動開閉弁143を開弁すると、ろ過水槽146内のろ過水が洗浄水として吸い上げられて洗浄水供給管141および洗浄水供給枝管141aに供給されることによって、洗浄ノズル142から非水没領域のろ過スクリーン136の内側に洗浄水が吹き付けられる。その洗浄水の吹き付け圧力によって、ろ過スクリーン136が振動すること、および吹き付け圧力でろ過スクリーン136の外面に洗浄水が飛び出すことにより、ろ過スクリーン136の外側に付着した付着物が振り落とされる。
なお、ろ過スクリーン136の材質等に関する事項、ろ過スクリーン洗浄機140によるろ過スクリーン136の洗浄サイクルに関する事項等については、実施の形態1に示した場合と同様である。また、洗浄水として適用可能な水に関しては、実施の形態16に示した場合と同様である。
以上のように、実施の形態18の一体型固液分離システムおよびろ過装置2によれば、実施の形態16で示した各効果が同様に得られるほか、以下に示す効果も得られる。すなわち、ろ過スクリーン136が張設された中空円盤134と中空シャフト132を連結した構成のろ過容器133を、該ろ過容器133の高さ方向のほぼ中間から下側が沈殿槽1内の上澄水中に水没するように、沈殿槽1内に回転駆動可能に配設し、ろ過容器133内のろ過水室135に洗浄水供給管141と洗浄水供給枝管141aを配設して洗浄ノズル142を設けて非水没領域のスクリーン面に内側から洗浄水を吹き付けるように構成したので、ろ過スクリーン136の洗浄に際しては、ろ過容器133を回転駆動している状態で、ろ過スクリーン136の非水没領域のスクリーン面に洗浄ノズル142から洗浄水を吹き付けることで、その吹き付け洗浄水によって、ろ過スクリーン136の外周全面に付着した付着物を連続して効率よく剥離することができるという効果がある。
また、ろ過装置2のろ過容器133をろ過スクリーン136が張設された複数の中空円盤134を中空シャフト132で連結した構成としたことから、中空円盤134と中空シャフト132を別部材で生産しておき、一体型固液分離システムを新たに構築する場合において、そのシステムが必要とするろ過装置2のろ過処理水量に応じて、中空円盤134の連結個数を変えて対応することができ、構築する一体型固液分離システムごとにろ過容器133を設計し、生産する必要がない。このため、ろ過装置2の製造コストの大幅な低減を図ることができる効果がある。
実施の形態19.
図27は、実施の形態19における一体型固液分離システムのろ過装置部分を図24中のB−B線に沿って切断した立面断面図であり、図26と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。また、一体型固液分離システムの平面図やろ過装置部分の図24中のA−A線に沿って切断した立面断面図については、ろ過スクリーン洗浄機140の構成以外については、概ね同様の構成であるので、図24および図25を準用する。この実施の形態19のろ過装置2は、前記実施の形態18ではろ過容器133内に挿入配置していた洗浄水供給管141を外側に配置し、この洗浄水供給管141の洗浄水供給枝管141aを各洗浄ノズル142が各ろ過容器133のそれぞれのろ過スクリーン136のスクリーン外面を向くように配置したものである。
したがって、実施の形態19のろ過装置2によれば、ろ過スクリーン136の洗浄時に外側から洗浄水が吹き付けられる水圧やこの水圧によってろ過スクリーン136が振動することにより、前記実施の形態18と同様の効果が得られる。
実施の形態20.
図28は、実施の形態20における一体型固液分離システムのろ過装置部分を示す立面断面図である。図7および図8と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態20の一体型固液分離システムのろ過装置2は、ろ過容器5に底面がなく、ろ過スクリーン3の下方から沈殿槽1内の上澄水を取り込んでろ過処理し、ろ過スクリーン3の上方に形成されたろ過水室9にろ過水を流出する構成とした点、ろ過スクリーン洗浄機4は、ろ過スクリーン3に空気洗浄は行なわず、ろ過スクリーン3の下面に付着する懸濁物質(付着物)を下方に配置した吸引ヘッド13によって吸引洗浄する点が実施の形態5とは大きく異なる。
ろ過容器5は、上下が開口となっている円筒形状の外筒5gと、外筒5gよりも小径の円筒形状であって同心円上に配置されている内筒5hと、外筒5gの内面で全周に渡って設けられた支持環部5iと、内筒5hの外面で全周に渡って設けられた支持環部5jと、全周のうち複数箇所に設けられて支持環部5i,5jを連結する連結部5k(例えば、90度ごとに設け、計4箇所で連結する等)によって主に構成されている。そして、支持環部5i,5j、連結部5kに囲まれた空間である複数の連通口7を全て覆うようにろ過スクリーン3が張設されている。ろ過スクリーン3の上方の外筒5gと内筒5hに囲まれた領域にろ過水室9が形成されている。ろ過水室9部分の外筒には、ろ過水を流出させるろ過水流出口11が配管で連通する形で形成されている。
ろ過スクリーン3の構成や仕様については、実施の形態1および実施の形態5の一体型固液分離システムの場合と同様である。
ろ過容器5は、その外筒5gが鉄骨梁44に支持部材46を介して沈殿槽1内で支持されている。鉄骨梁44上の軸受台座45に載置されている吸引ポンプ15の吸込側には、実施の形態5の場合と同様に吸引管14が接続されているが、この実施の形態20のろ過装置2には、洗浄空気を供給する空気供給管がなく二重管構造とする必要がないため、吸引管14の水平管部14aは同径のまま鉛直下向きに方向転換し、連結部14d、直立管部14bも同径のままとなっている。直立管部14bは、内筒5h内を挿通して、その下端よりも下方位置で水平方向になり、ろ過スクリーン3の下面に配置されている吸引ヘッド13に接続されている。内筒5hの内面には、支持部5mが設けられており、同じ高さ位置の直立管部14bには、支持部14gが設けられており、支持部材5nを介して吸引ヘッド13および吸引管14を回動自在に支持している。
内筒5h内は開放状態となっているので、沈殿槽1の上澄水が常時浸水している。ろ過スクリーン洗浄機4の故障等によってろ過スクリーン3によるろ過処理水量が大幅に低下してしまい、沈殿槽1内の上澄水位が異常上昇してしまった場合には、内筒5hの上端部分に設けられた上澄水越流堰52によって、沈殿槽1内の上澄水をろ過水室9に緊急的に越流させることが可能となっている。
次に、実施の形態20の一体型固液分離システムの作用を説明する。沈殿槽1内の上澄水が水頭圧力差によってろ過装置2のろ過スクリーン3の下方から流入する。この際、ろ過スクリーン3下方のスクリーン面には微細な懸濁物質等が付着する。一方、ろ過スクリーン3でろ過処理されたろ過水は、ろ過水室9に一時的に貯留され、ろ過水流出口11から配管によって系外に排出される。
ろ過スクリーン3の洗浄については、駆動機22および吸引ポンプ15を起動することで行われる。駆動機22の駆動力がプーリー22a、ベルト22b、プーリー14eを経て、吸引管14の直立管部14bに回転駆動力が伝達され、吸引ヘッド13がろ過スクリーン3下面近傍を回転移動する。このとき、吸引ヘッド13内には、吸引管14を介して吸引ポンプからの吸引力が発生しており、その吸引力によって、ろ過スクリーン3下面の付着物が吸引され、同時にろ過水室9から逆流するろ過水や吸引ヘッド13の周囲の上澄水も吸引される。吸引されたこれらの混合水である洗浄排水は、吸引管14を経由して吸引ポンプ15に吸引され、洗浄排水管15aによって系外に排出されるようになっている。以上の動作によって、ろ過スクリーン3全面の付着物が吸引除去される。なお、ろ過スクリーン3の洗浄サイクルに関する事項については、実施の形態1の場合と同様である。
以上のように、この実施の形態20のろ過装置2によれば、以下に示す各効果がある。
(1)沈殿槽1では導入した原水を懸濁物質と上澄水に沈降分離処理し、さらに、ろ過スクリーン3を備えるろ過装置2によって上澄水をろ過処理することで、沈殿槽1での沈降分離処理では除去しきれない微細な懸濁物質をろ過スクリーン3で確実に除去でき、しかも、懸濁物質はろ過スクリーン3の沈殿槽1側に付着することから、ろ材を用いたろ過処理の場合のような付着物が予期しない剥離を起こして処理水と共に流出してしまうことがなく信頼性の高い固液分離処理が行えるという大きな効果がある。しかも、ろ過装置2は沈殿槽1内に設置されるので、沈殿槽1外に設置スペースを必要としないという大きな効果がある。
(2)沈殿槽1内の上澄水は、ろ過装置2のろ過スクリーン3の下方から水頭圧力差で流入してろ過処理されるようになっており、またろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3の洗浄は、ろ過スクリーン3の下面近傍を移動する吸引ヘッド13による付着物、ろ過水および上澄水を吸引する吸引洗浄であり、周囲の上澄水への影響を最小限に抑えることができ、従来のろ過装置を内部に設置しない沈殿槽の場合と同等の沈降分離性能を常時維持できるという効果がある。
(3)上述のように、ろ過スクリーン3下面の付着物を吸引除去するろ過スクリーン洗浄機4を備えることにより、ろ過スクリーン3下面に付着物が堆積することによって発生する目詰まりを除去できるので、ろ過スクリーン3の処理水量を高い状態で維持でき、大容量のろ過処理が可能となる効果がある。また、こまめにろ過スクリーン3を洗浄できるので、ろ過スクリーン3のメッシュを小さいものにしても、高い処理効率が得られる効果がある。
(4)ろ過容器5内に沈殿槽1内の上澄水をろ過水室9に越流させるための上澄水越流堰52を設けたことによって、次のような効果がある。すなわち、何等かの理由によりろ過スクリーン洗浄機4が十分に機能せず、ろ過スクリーン3が目詰まりして沈殿槽1内の上澄水がろ過水室9側へ通過できなくなった場合、沈殿槽1の原水導入口1aから原水が常時流入し続けることにより、沈殿槽1内の上澄水位が上昇し続け、上澄水越流堰52の高さに達すると、そこから上澄水をろ過水室9に逃がすことができる効果がある。また、上澄水越流堰52からろ過水室9に流入する水は沈殿槽1で沈降分離処理を行った上澄水であり、沈殿槽1の単独での処理における固液分離性能は最低限維持することができる効果がある。
(5)ろ過スクリーン洗浄機4が作動時は、吸引ヘッド13上方のろ過スクリーン3面については付着物を吸引除去する洗浄が行われるが、その部分以外のろ過スクリーン3面は、通常通り、上澄水のろ過処理が可能である。すなわち、ろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3面の洗浄を行っているときでも、ろ過装置2による上澄水のろ過処理を継続できる効果がある。
実施の形態21.
図29は、実施の形態21における一体型固液分離システムのろ過装置部分を示す立面断面図である。図14および図28と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態21の一体型固液分離システムは、実施の形態20で示したろ過装置を、実施の形態11で示したろ過装置の構造を取り入れて円形ホッパー状の沈殿槽1に設置するのに適した構成とした点が他の各実施の形態のろ過装置とは大きく異なる。
この実施の形態21の一体型固液分離システムSは、原水流入管85やセンターウェル86等の沈降分離処理を行う沈殿槽1に関する部分の構成、掻寄機91やそれを回転させる駆動機22や回転シャフト88等の駆動力伝達の手段やそれらを支持する軸受台座45等に関する部分については、実施の形態11のものとほぼ同様である。また、ろ過容器5に上澄水室8がなく、ろ過容器5の下面に張設されたろ過スクリーン3から沈殿槽1内の上澄水を直接取り入れ、ろ過処理したろ過水をろ過スクリーン3上面のろ過水室9に流入させる構成、ろ過スクリーン3面の付着物をろ過スクリーン3の下面近傍に設けられた吸引ヘッド13で吸引する構成については、実施の形態20のろ過装置2と同様である。さらに、回転シャフト88に洗浄機支持材92を取り付けて吸引ポンプ15を取り付け、吸引管14で吸引ポンプ15の吸引側と吸引ヘッド13とを接続し、吸引ポンプ15の吐出側に洗浄排水管15aの一端を接続し、他端を洗浄排水路93に開口するようにし、ろ過スクリーン洗浄機4全体を移動可能とした構成については、実施の形態11のものとほぼ同様である。
この実施の形態21のろ過容器5は、沈殿槽1の内壁に取り付けられた固定部材5pと、その固定部材5pと外筒5gの外周面とを連結する支持材5rによって、沈殿槽1内の所定位置に支持固定されている。ろ過水流出口11側の外筒5gの外周面は、固定部材5pとはろ過水移送路42との連通路によって連結され、ろ過水移送の役割とろ過容器5の支持固定の役割を担っている。センターウェル86に関しても、固定部材5pと支持材86cによって沈殿槽1内の所定位置で支持されている。ろ過装置2によるろ過処理に関する事項、ろ過スクリーン洗浄機4によるろ過スクリーン3の吸引洗浄に関する事項については、実施の形態20のろ過装置2と概ね同様である。
以上のように、この実施の形態21のろ過装置2によれば、実施の形態20で示した効果のほか、実施の形態11で示した効果を同時に得られる効果がある。
実施の形態22.
図30は、実施の形態22における一体型固液分離システムのろ過装置部分を示す立面断面図である。図15および図29と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態22の一体型固液分離システムは、ろ過装置2のろ過スクリーン洗浄機4における付着物、上澄水およびろ過水の混合排水である洗浄排水を、実施の形態12のろ過装置2と同様に、センターウェル86内で排水して沈殿槽1内に返す構成とした点が
実施の形態21とは大きく異なる。
以上のように、この実施の形態22のろ過装置2によれば、実施の形態21に示した効果のほか、吸引ポンプ15で吸引された洗浄排水を系外に排出するのではなく沈殿槽1内に戻すので、沈殿槽1の周囲に洗浄排水を排出するための側溝である洗浄排水路93を構築する必要がなく、イニシャルコストの低減が図れる効果がある。特に、従来の沈殿槽1にろ過装置2を設置して一体型固液分離システムを構築する場合においては、既設の沈殿槽1には、外周に越流堰が存在するので、これをろ過水移送路42としてそのまま利用でき、しかも、従来の沈殿槽では構築されていない洗浄排水路93を新たに構築する必要がないので、設置のための工期も短くて済む。また、洗浄排水管15aは、回転シャフト88に向かって配管されることで洗浄機支持材92の長さを短くすることができるので、洗浄機支持材92に対して、あるいはそれと回転シャフト88との接続部に対して掛かるモーメントの負荷が小さくなり、しかも洗浄排水管15aは、洗浄機支持材92や回転シャフト88と所定箇所でに支持固定されるため、洗浄排水管15a自身が有する剛性によって洗浄機支持材92やそれと回転シャフト88との接続部の剛性が強化される効果がある。特に洗浄排水管15aに剛性の高い鋼管を適用した場合においては、なお高い効果が得られる。
本発明の実施の形態1における一体型固液分離システムを示す平面図である。 図1の実施の形態1における一体型固液分離システムの立面断面図である。 本発明の実施の形態1における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態2における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態3における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態4における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態5における一体型固液分離システムを示す平面図である。 本発明の実施の形態5における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態6における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態7における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態8における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態9における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態10における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態11における一体型固液分離システムの立面断面図である。 本発明の実施の形態12における一体型固液分離システムの立面断面図である。 本発明の実施の形態13における一体型固液分離システムの立面断面図である。 本発明の実施の形態13における一体型固液分離システムのA−A線平面断面図である。 本発明の実施の形態14における一体型固液分離システムを示す平面図である。 本発明の実施の形態15における一体型固液分離システムを示す平面図である。 本発明の実施の形態16における一体型固液分離システムのろ過装置部分のA−A線立面断面図である。 本発明の実施の形態16における一体型固液分離システムのろ過装置部分のB−B線立面断面図である。 本発明の実施の形態17における一体型固液分離システムのろ過装置部分のA−A線立面断面図である。 本発明の実施の形態17における一体型固液分離システムのろ過装置部分のB−B線立面断面図である。 本発明の実施の形態18における一体型固液分離システムを示す平面図である。 本発明の実施の形態18における一体型固液分離システムのろ過装置部分のA−A線立面断面図である。 本発明の実施の形態18における一体型固液分離システムのろ過装置部分のB−B線立面断面図である。 本発明の実施の形態19における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態20における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態21における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。 本発明の実施の形態22における一体型固液分離システムのろ過装置部分の立面断面図である。
符号の説明
1 沈殿槽
1a 原水導入口
1b 底面
1c ホッパー部
2 ろ過装置
3,3A,3B,3C ろ過スクリーン
4 ろ過スクリーン洗浄機
5,5A,5B ろ過容器
5a 傾斜面
5b,5c 天板
5d 支持枠
5e 取付部
5f 補強材
5g 外筒
5h 内筒
5i、5j 支持環部
5k 連結部
5m 支持部
5n 支持部材
5p 固定部材
5r 支持材
5q 台座
5s 取付部材
5t 流入樋
5u 支持部材
6,6A,6B 仕切壁
7,7A,7B,7a,7b,7c 連通口
8,8A,8B 上澄水室
9,9A,9B ろ過水室
10,10A,10B 上澄水流入口
11,11A,11B ろ過水流出口
11a 連通路
12,12A,12B 上澄水越流堰
13 吸引ヘッド
14 吸引管
14A 直立管部
14B 伸縮管部
14C 水平管部
14a 屈曲管部
14b 直立管部
14c 屈曲管部
14d 連結部
14e プーリー
14f,14g 支持部
14h 可撓管
15 吸引ポンプ
15a 洗浄排水管
16 ガイドレール
17 滑車
18 支持部材
19,20 プーリー
21 ベルト
22,22A,22B,22C 駆動機
22a プーリー
22b ベルト
22c 出力ギア
23,24,25 吸引ヘッド
23a,24a,25a 直立管部
23b,24b,25b 連結部
26,27,28 分岐継ぎ手
29,30,31 ギア機構
34 ろ過水移送管
36 空気供給機
37 空気供給管
37a 配管
38 散気管
39 流入制御弁
40 吸引制御弁
41 側壁
42 ろ過水移送路
43 ろ過水流出口
44 鉄骨梁
45 軸受台座
45a,45b 軸受部
45B 上段台座
46 支持部材
50 仕切壁
50a 円筒部
50b,50c 支持環部
50d 連結部
50e 支持部
50f 支持部材
50g 上蓋部
50h ホッパー部
50i 外周円筒部
50j 軸受部
50k 連結部
51 ろ過水流出管部
52,52A 上澄水越流堰
53 ろ過水流出口
53A ろ過水流入口
53B ろ過水流出口
54 ろ過水移送管
55 ろ過水移送路
55a 点検管路
56 点検蓋
57 昇降カバー
57a 環状周壁部
58 操作ハンドル
58a ハンドル軸
59 シールリング
60 中空シャフト
60a 蓋部
60b 洗浄排水管
60c 洗浄排水枝管
61 ベアリング
62 台座
62a 支持部材
62b,62c 台座
62d,62e 支持部材
64 洗浄排水路
64a 洗浄排水移送管
65 減速機
66 駆動シャフト
70 ガイドレール(リングレール)
71 アーム
72 ベアリングボール
73 中空駆動シャフト
74 駆動ギヤ
75 回転連結部
76 係合突部
77 回転支持軸
78 台座
78a,78c 支持部材
79 支持梁
80 分離タンク
81 洗浄排水流入口
82 洗浄排水流出口
83 分離空気流出口
84 エアフィルタ
85 原水流入管
86 センターウェル
86a,86b,86c 支持材
87 洗浄排水路
87a 洗浄排水管
88 回転シャフト
88a,88b 支持部
91 掻寄機
91a 取付基部
91b 支柱
92 洗浄機支持材
92a 吊下部材
93 洗浄排水路
95 洗浄排水路
96,97 走行ガイド
98 走行機構
98a,98c 車輪
98b,98d アーム
98e 駆動機
99 移送ポンプ
99a 吸引管
99b 洗浄排水移送管
100 邪魔板部材
101 走行架台
101a 駆動機
101b 洗浄排水移送管
102 滑車
103A,103B 走行ガイド
104 ろ過スクリーン洗浄機
105 洗浄水供給管
105c 伸縮管部
105d 分岐管部
105A,105B 供給管部
107A,107B 開口部
108A,108B 洗浄ノズル
109 連通口
110A,110B ろ過水室
112A,112B ろ過水流出口
113 ろ過水移送路
115 ろ過容器
115a 回転軸
116 ろ過スクリーン
117 ろ過スクリーン洗浄機
118 洗浄ノズル
119 シャフト軸受
120 回転力伝達部材
120a,120b プーリー
120c ベルト
121 駆動機
121a 台座
121b プーリー
121c ベルト
122 洗浄水供給管
123 洗浄排水受け具
123a 樋部
124 軸
124a 軸受
125 洗浄排水移送管
125a 洗浄排水路
126 ろ過水流出口
127 ろ過水移送路
127a 開口
128 上澄水越流堰
131A,131B シャフト軸受
131e 開口
131s リングシール
132 中空シャフト
133 ろ過容器
134 中空円盤
134a 小径リングフレーム
134b 大径リングフレーム
134c メンバー
134d 連通口
135 ろ過水室
136 ろ過スクリーン
140 ろ過スクリーン洗浄機
141 洗浄水供給管
141a 洗浄供給枝管
142 洗浄ノズル
143 自動開閉弁
144 洗浄水供給ポンプ
145 洗浄水吸引管
146 ろ過水槽
147 ろ過水流出管
147a 本管部
147b 立下管部
147c 閉塞部材
147d ろ過水流出口
149a 開口
151 ろ過水移送管

Claims (5)

  1. 原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽と、
    前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなり、前記沈殿槽内に配設されるろ過装置と
    を備えた一体型固液分離システムにおいて、
    前記ろ過容器は、
    上澄水流入口と、ろ過水流出口と、前記ろ過スクリーンとともに前記ろ過容器内を上澄水室およびろ過水室に分割する仕切壁と
    を備え、かつ、
    前記ろ過スクリーン洗浄機は、
    前記ろ過スクリーン面の付着物を吸引する吸引ヘッドと、該吸引ヘッドに接続する吸引管とを備える
    ことを特徴とする一体型固液分離システム。
  2. 前記ろ過容器には、上澄水越流堰が設けられていることを特徴とする請求項1記載の一体型固液分離システム。
  3. 原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽と、
    前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなり、前記沈殿槽内に配設されるろ過装置と
    を備えた一体型固液分離システムにおいて、
    前記ろ過容器は、
    側面に前記ろ過スクリーンが設けられていると共に、ろ過水流出口を備え、かつ、
    前記ろ過スクリーン洗浄機は、
    前記ろ過容器内に設けられた洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給管と
    を備えることを特徴とする一体型固液分離システム。
  4. 原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽内に配設され、前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなるろ過装置において、
    前記ろ過容器は、上澄水流入口と、ろ過水流出口と、上澄水越流堰と、前記ろ過スクリーンとともに前記ろ過容器内を上澄水室およびろ過水室に分割する仕切壁とを備え、かつ、
    前記ろ過スクリーン洗浄機は、
    前記ろ過スクリーン面の付着物を吸引する吸引ヘッドと、該吸引ヘッドに接続する吸引管とを
    備えることを特徴とするろ過装置。
  5. 原水を導入し、懸濁物質および上澄水に固液分離する沈殿槽内に配設され、前記上澄水をろ過スクリーンでろ過してろ過水を流出するろ過容器および前記ろ過スクリーン面の付着物を除去するろ過スクリーン洗浄機からなるろ過装置において、
    前記ろ過容器は、側面に前記ろ過スクリーンが設けられていると共に、ろ過水流出口を備え、かつ、
    前記ろ過スクリーン洗浄機は、前記ろ過容器内に設けられた洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給管とを備える
    ことを特徴とするろ過装置。
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