JP2008272374A - 生体器官拡張器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己拡張型ステントを用いる生体器官拡張器具であって、ステント収納用筒状部材の牽引時における始動が良好であり、牽引時における生体器官拡張器具の蛇行、キンクの発生が極めて少ない生体器官拡張器具を提供する。
【解決手段】生体器官拡張器具1は、先端側チューブ2と、このチューブ2の基端部に固定された基端側チューブ4と、基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材5と、ステント収納用筒状部材5内に収納された自己拡張型のステント3と、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ6を備える。ステント収納用筒状部材5は、牽引ワイヤ6の牽引により固定チューブ8の外面上を基端側に移動するものであり、かつ、基端に固定され、基端側への移動時に、固定チューブ8の外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材54を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道、消化管その他の臓器などの生体内に形成された狭窄部または閉塞部に、ステントを留置するための生体器官拡張器具に関する。
従来より、血管、胆管、食道、気管、尿道、消化管その他の臓器などの生体管腔または体腔の狭窄部あるいは閉塞部にステントを留置して、管腔または体腔空間を確保する生体器官拡張器具が提案されている。
上記生体器官拡張器具を構成するステントとしては、機能および留置方法によって、バルーン拡張型ステントと自己拡張型ステントとがある。
バルーン拡張型ステントは、ステント自身に拡張機能はなく、ステントを目的部位に留置するには、例えばステントを目的部位まで挿入した後、ステント内にバルーンを位置させてバルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的部位の内面に密着させて固定する。
このタイプのステントは上記のようなステントの拡張作業が必要であるが、収縮したバルーンにステントを直接取り付けて留置することもできるので、留置に関してはさほど問題がない。
これに対して、自己拡張型ステントは、ステント自身が収縮および拡張機能を有している。このステントを目的部位に留置するためには、収縮させた状態にて目的部位に挿入した後、収縮状態の維持のために負荷した応力を除去する。例えば、目的部位の内径より小さい外径のシース内にステントを収縮させて収納し、このシースの先端を目的部位に到達させた後、ステントをシースより押し出す。押し出されたステントは、シースより解放されることにより応力負荷が解除され、収縮前の形状に復元し拡張する。これにより、目的部位の内面に密着し固定する。
このタイプのステントは、ステント自身が拡張力を有しているので、バルーン拡張型ステントのような拡張作業は必要なく、血管の圧力等によって径が次第に小さくなり再狭窄を生じるといった問題もない。
しかしながら、自己拡張型ステントは、バルーン拡張型ステントより、一般的に正確に留置しにくいと言われている。その理由は、ステントを目的の狭窄部に配置した後は、バルーンの中に液体を注入するだけであるため、ステントの拡張時にステントが前後に動くことがない。一方、自己拡張型ステントのデリバリーシステムの構造は、内管と外管の間にステントを収納して拘束し、内管のステント基端側にステントの動きを規制する係止部を設け、外管を基端側に引くことで、ステントの拘束を解放して自己拡張させるものである。このとき外管の体腔内でのたるみや、外管と体腔若しくは外管を導入しているカテーテルとの摩擦、または、システムを体内に導入するためのイントロデューサーといわれるデバイスの弁との摩擦などに起因して、ステントは拡張するときに前進しやすいといわれている。
そこで、本件出願人は、特許文献1(特開2007−97620号公報)に示すものを提案している。
特許文献1の図15ないし図17に図示されている生体器官拡張器具10は、ガイドワイヤルーメン21を有する先端側チューブ2と、先端側チューブ2の基端部に固定された基端側チューブ4と、先端側チューブ2の先端側を被包しかつ基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材5と、筒状部材5内に収納されたステント3と、筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ6とを備える。先端側チューブ2は、先端側チューブ2の基端側にて開口する基端側開口23と、ステントの基端側への移動を規制するステント係止部22と、牽引ワイヤ巻取機構およびワイヤ巻取量規制機構を備える操作部を有する。
この生体器官拡張器具10におけるステント収納用筒状部材5aは、図15および図16に示すように、全体がほぼ同一外径の筒状部材が用いられている。そして、この実施例の生体器官拡張器具10では、このスリット59の先端側端部が、突起部29に当接するまで、ステント収納用筒状部材5aは、先端側チューブ上を基端側に移動可能となっている。よって、スリット59は、ステント3を収納したステント収納用筒状部材5aにおけるステント3の基端からステント収納用筒状部材5aの先端までの長さと同等もしくは若干長いものとなっている。
そして、この生体器官拡張器具は、自己拡張型ステントを用いる生体器官拡張器具であっても、基端側開口が器具の基端ではなく、先端側チューブの基端側にあるため、ステント留置作業時において、他の生体器官拡張器具に交換する作業が容易である。そして、牽引ワイヤを基端側に牽引することにより、ステントを放出できるため、ステントの放出作業時におけるステントの位置移動が極めて少ない。さらに、ステントの拘束体を基端側に牽引するワイヤの過剰巻取によるカテーテルの不必要な湾曲、損傷の発生がないという利点を備えている。
特開2007−97620号公報
特許文献1のものも十分に有効であるが、牽引ワイヤの牽引開始作業がより良好であり、牽引時におけるステント収納用筒状部材の基端での蛇行、キンクがより生じにくいものが望ましいものであることを本発明者らは知見した。
そこで、本発明の目的は、自己拡張型ステントを用いる生体器官拡張器具であって、ステント収納用筒状部材の牽引時における始動が良好であり、牽引時における生体器官拡張器具の蛇行、キンクの発生が極めて少ない生体器官拡張器具を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、基端側チューブと、前記先端側チューブの基端部および前記基端側チューブの先端部が固定されるとともに前記ガイドワイヤルーメンと連通する開口を備える固定チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ前記先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
前記先端側チューブは、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント係止部を備えるものであり、
前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、
前記ステント収納用筒状部材は、前記牽引ワイヤの牽引により前記固定チューブの外面上を基端側に移動するものであり、かつ、基端に固定され、前記基端側への移動時に、前記固定チューブの外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材を備える生体器官拡張器具。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(2) ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、基端側チューブと、前記先端側チューブの基端部および前記基端側チューブの先端部が固定されるとともに前記ガイドワイヤルーメンと連通する開口を備える固定チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ前記先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
前記先端側チューブは、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント係止部を備えるものであり、
前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、
前記生体器官拡張器具は、前記ステント収納用筒状部材の基端に近接するように配置されたスライドチューブを備え、該スライドチューブは、前記牽引ワイヤの牽引により前記ステント収納用筒状部材とともに移動し、かつ、前記固定チューブの外面上を基端側に向かって摺動するものであり、さらに、前記スライドチューブは、基端に固定され、前記基端側への移動時に、前記固定チューブの外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材を備える生体器官拡張器具。
(3) 前記スライドチューブは、前記ステント収納用筒状部材に固定されていないものである上記(2)に記載の生体器官拡張器具。
(4) 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記スライドチューブは、前記ステント収納用筒状部材の前記小径部の基端部を被包している上記(2)または(3)に記載の生体器官拡張器具。
(5) 前記生体器官拡張器具は、前記スライドチューブ内に収納されかつ該スライドチューブとともに移動するリング状部材を備え、前記牽引ワイヤは、前記リング状部材に固定されている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(6) 前記スライドチューブは、前記リング状部材を非固定状態にて収納するとともに回動を許容し、かつ軸方向への移動を実質的に阻止するリング状部材保持部を備えている上記(5)に記載の生体器官拡張器具。
(7) 前記硬質材料製筒状基端部材は、平滑内面を有する金属製筒状部材である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(8) 前記硬質材料製筒状基端部材は、基端部内面にエッジを持たないものとなっている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(9) 前記ステント収納用筒状部材は、該ステント収納用筒状部材の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部と、該突出部と前記ステント収納用筒状部材の内面間により形成される空隙部とを備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記空隙部内に侵入し、該空隙部において前記ステント収納用筒状部材に固定されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(10)前記基端側チューブの基端部には、前記牽引ワイヤを巻き取り、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備える操作部を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(11) 前記操作部は、操作部ハウジングを備え、前記牽引ワイヤ巻取機構は、前記操作部ハウジングより露出する部分を有する操作用回転ローラを備え、該回転ローラを回転させることにより前記牽引ワイヤを基端側にて巻き取るものである上記(10)に記載の生体器官拡張器具。
(12) 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を備えている上記(10)または(11)に記載の生体器官拡張器具。
(13) 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機能の前記牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(14) 前記牽引ワイヤ巻取機構は、操作用回転ローラと、該操作用回転ローラと同軸的かつ一体的に設けられるとともに、該操作用回転ローラ部より小径の巻取シャフト部を備え、該巻取シャフト部に前記牽引ワイヤの基端部が固定されている上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
本発明の生体器官拡張器具は、牽引ワイヤの牽引時に固定チューブの外面上を基端側に向かって摺動するステント収納用筒状部材の基端、もしくはステント収納用筒状部材の基端に近接するように配置され、牽引ワイヤの牽引により前記ステント収納用筒状部材とともに移動し、かつ、固定チューブの外面上を基端側に移動するスライドチューブの基端に、基端側への移動時に、固定チューブの外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材を備えている。このため、牽引時における移動の始端となるステント収納用筒状部材の基端もしくはスライドチューブの基端は、硬質部となっているため、この部分における変形が生じにくく、このため、牽引時における始動が良好であり、牽引時における生体器官拡張器具の蛇行、キンクの発生が極めて少ない。
本発明の生体器官拡張器具について実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の部分省略外観図である。図2は、図1の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。図3は、図2のA−A線断面図である。図4は、図2のB−B線断面拡大図である。図5は、図2のC−C線断面拡大図である。
本発明の生体器官拡張器具1は、ガイドワイヤルーメン21を有する先端側チューブ2と、基端側チューブ4と、先端側チューブ2の基端部および基端側チューブ4の先端部が固定されるとともにガイドワイヤルーメン21と連通する開口23を備える固定チューブ8と、先端側チューブ2の先端側を被包しかつ先端側チューブ2の基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材5と、ステント収納用筒状部材内に収納されたステント3と、ステント収納用筒状部材5に一端部が固定され、基端側チューブ4内を延びるとともに、基端側チューブ4の基端側に牽引することにより、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤ6(6a,6b)とを備える。
先端側チューブ2は、ステント収納用筒状部材5内に収納されたステント3の基端と当接し、ステントの基端側への移動を規制するステント係止部22を備える。
ステント3は、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にてステント収納用筒状部材5内に収納され、ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものである。
ステント収納用筒状部材5は、牽引ワイヤ6の牽引により固定チューブ8の外面上を基端側に移動するものであり、かつ、基端に固定され、基端側への移動時に、固定チューブ8の外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材54を備えている。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1は、基端側チューブ4の基端部には、牽引ワイヤ6を巻き取り、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備えている。
この実施例の生体器官拡張器具は、先端側チューブ2、ステント3、基端側チューブ4、ステント収納用筒状部材5、牽引ワイヤ6、固定チューブ8および牽引ワイヤ6の巻取機構を有する操作部10を備えている。
先端側チューブ2は、図1ないし図5に示すように、先端から基端まで貫通するガイドワイヤルーメン21を有するチューブ体であり、先端に固定された先端部材25により形成された先端部を有しているとともに、先端開口25aを備えている。なお、先端部は、先端側チューブと一体に形成してもよい。そして、先端側チューブ2は、基端において、基端側チューブ4の先端に固定されている。また、先端側チューブ2の基端部(この実施例では基端)に、基端側開口23を備えている。また、先端側チューブ2の基端部は、図3に示すように、湾曲している。そして、基端側開口23は、図1ないし図3に示すように、基端側に向かって傾斜するように斜めに形成されている。これにより、ガイドワイヤの誘導を容易にしている。
先端側チューブ2は、図に示すように、先端から基端まで貫通したガイドワイヤルーメン21を有するチューブ体である。先端側チューブ2としては、外径が0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.5mmであり、内径が0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1.2mm、長さが、20〜600mm、好ましくは30〜450mmである。
そして、先端部材25は、ステント収納用筒状部材5の先端より先端側に位置し、かつ、図1ないし図3に示すように、先端に向かって徐々に縮径するテーパー状に形成されていることが好ましい。このように形成することにより、狭窄部への挿入を容易なものとする。また、先端側チューブ2は、ステント3よりも先端側に設けられ、ステント収納用筒状部材の先端方向への移動を阻止するストッパーを備えることが好ましい。この実施例では、先端部材25の基端は、ステント収納用筒状部材5の先端と当接可能なものとなっており、上記のストッパーとして機能している。
なお、先端部材(先端部)25の最先端部の外径は、0.5mm〜1.8mmであることが好ましい。また、先端部材(先端部)25の最大径部の外径は、0.8〜4.0mmであることが好ましい。さらに、先端側テーパー部の長さは、2.0〜20.0mmが好ましい。
また、先端側チューブ2は、図3に示すように、ステント3の基端側への移動を規制するために、チューブ2の先端より所定距離基端側となる位置に設けられたステント基端部係止部22を備えている。係止部22は、環状突出部であることが好ましい。そして、このステント基端部係止部22より先端側が、ステント収納部位となっている。この係止部22の外径は、圧縮されたステント3の基端と当接可能な大きさとなっている。そして、ステント収納用筒状部材5が、基端側に移動しても、係止部22によりステント3は位置を維持するため、ステント収納用筒状部材5より、結果的に放出される。
さらに、先端側チューブ2は、図3に示すように、ステント基端部係止部22より所定長(ほぼステントの軸方向長)先端側となる位置に設けられたステント先端部係止部26を備えている。ステント先端部係止部26は、図3に示すように、ステント収納用筒状部材5の先端より、若干基端側に位置している。係止部26は、環状突出部であることが好ましい。そして、このステント先端部係止部26とステント基端部係止部22間が、ステント収納部位となっている。この係止部26の外径は、圧縮されたステント3の先端と当接可能な大きさとなっている。
ステント基端部係止部22およびステント先端部係止部26の外径は、0.8〜4.0mmであることが好ましい。なお、ステント基端部係止部22およびステント先端部係止部26は、図示するような環状突出部が好ましいが、ステント3の移動を規制し、かつ、押出可能であればよく、例えば、先端側チューブ2に一体にあるいは別部材で設けられた1つまたは複数の突起であってもよい。また、ステント基端部係止部22およびステント先端部係止部26は、X線造影性材料により別部材により形成されていてもよい。これにより、X線造影下でステントの位置を的確に把握することができ、手技がより容易なものとなる。X線造影性材料としては、例えば、金、プラチナ、プラチナ−イリジウム合金、銀、ステンレス、白金、あるいはそれらの合金等が好適である。そして、突出部は、X線造影性材料によりワイヤを形成し先端側チューブの外面に巻きつけること、もしくはX線造影性材料によりパイプを形成しかしめる又は接着することにより取り付けられる。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1では、図3に示すように、先端側チューブ2と先端部材25は、別部材にて形成されているとともに、先端側チューブ2は、先端部には、ストッパー部材27が固定されている。ストッパー部材27は、先端側チューブ2に固定された筒状部とこの筒状部より、テーパー状に広がるスカート部を備えている。そして、ストッパー部材27は、先端部材25内に埋設された状態となっており、先端部材25の離脱および先端側への移動を防止している。ストッパー部材27は、金属(例えば、ステンレス鋼)により形成することが好ましい。
先端側チューブの形成材料としては、硬度があってかつ柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。特に、上記の樹脂のうち、熱可塑性を有する樹脂が好ましい。なお、先端側チューブの露出する外面には、生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングしてもよい。抗血栓性材料としては、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが好適に使用できる。
また、先端部をチューブと別部材により構成する場合には、先端部(先端部材)25としては、柔軟性を有する材料を用いることが好ましい。例えば、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマーなどの合成樹脂エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴムなどのゴム類が使用される。
基端側チューブ4は、図1ないし図7に示すように、先端から基端まで貫通したチューブ体であり、基端に固定された操作部10を備えている。基端側チューブ4の先端部は、先端側チューブ2の基端部と接合されている。基端側チューブ4は、内部に牽引ワイヤ6を挿通可能な牽引ワイヤ用ルーメン41を備えている。
基端側チューブ4としては、長さが300mm〜1500mm、より好ましくは、1000〜1300mmであり、外径が0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.3mmであり、内径が0.3〜1.4mm、好ましくは0.5〜1.2mmである。
基端側チューブの形成材料としては、硬度があってかつ柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。なお、基端側チューブの外面には、生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングしてもよい。抗血栓性材料としては、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが使用できる。また、基端側チューブ4の形成材料としては、比較的剛性の高い材質を用いることが好ましい。例えばNi−Ti、真鍮、ステンレス鋼、アルミ等の金属、さらには、比較的剛性の高い樹脂、例えば、ポリイミド、塩化ビニル、ポリカーボネート等を用いることもできる。
そして、固定チューブ8は、先端側固定チューブ81と、基端側固定チューブ82を備える。ステント収納用筒状部材5は、先端側固定チューブ81上を基端方向に移動する。基端側固定チューブ82の基端部に、基端側チューブ4の先端部および先端側チューブ2の基端部が固定されている。具体的には、基端側固定チューブ82には、先端側チューブ2が、その基端側開口23を固定チューブ8の側面にて露出するように固定されている。
固定チューブ8は、先端方向に伸びかつステント収納用筒状部材5の基端側への移動時に、ステント収納用筒状部材5内に侵入可能な先端側固定チューブ81を備えている。そして、先端側固定チューブ81の長さは、ステント3の全長より長いものとなっている。なお、この実施例の生体器官拡張器具1では、基端側固定チューブ82の先端部に、それより小径の先端側固定チューブ81が固定された状態となっている。なお、先端側固定チューブ81は、基端側固定チューブ82と一体に形成されたものであってもよい。なお、先端側固定チューブ81の外径は、後述するステント収納用筒状部材5内に侵入可能な外径を有するものとなっている。また、先端側固定チューブ81は、図3に示すように、ほぼ同一外径および内径にて延びる筒状部となっている。
ステント収納用筒状部材5は、図1ないし図3に示すように所定長の管状体である。先端および後端は開口している。先端開口は、ステント3を体腔内の狭窄部に留置する際、ステント3の放出口として機能する。ステント3は、図7に示すように、この先端開口より押し出されることにより応力負荷が解除されて拡張し圧縮前の形状に復元する。
そして、ステント収納用筒状部材5の基端には、図3に示すように、ステント収納用筒状部材5の基端側への移動時に、固定チューブ8(具体的には、先端側固定チューブ81)の外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材54が固定されている。
この実施例では、硬質材料製筒状基端部材54の内径は、固定チューブ8(具体的には、先端側固定チューブ81)の外径とほぼ等しい、もしくは若干大きいものとなっている。このため、ステント収納用筒状部材5の基端側への移動時に、硬質材料製筒状基端部材54の内面が、先端側固定チューブ81の外面と摺接する。
また、この実施例では、図3に示すように、硬質材料製筒状基端部材54の内径は、ステント収納用筒状部材5(具体的には、基端側筒状部52)の内径より、若干小さいものとなっている。このため、ステント収納用筒状部材5は、基端側への移動時に、固定チューブ8(具体的には、先端側固定チューブ81)の外面に実質的に接触(摺接)しない状態にて移動可能となっている。
そして、硬質材料製筒状基端部材は、平滑内面を有する金属製筒状部材であることが好ましい。金属としては、ステンレス鋼、チタン合金などが好ましい。さらに、図3に示すように、硬質材料製筒状基端部材は、基端部内面にエッジを持たないものとなっていることが好ましい。この実施例では、硬質材料製筒状基端部材は、基端内面の環状角部が面取された状態となっている。このようにすることにより、基端部材54が固定チューブ8に損傷を与えることがない。また、硬質材料製筒状基端部材の基端外面の環状角部が面取された状態となっている。
ステント収納用筒状部材5の長さとしては、20mm〜400mm程度が好ましく、特に、30mm〜300mmが好ましい。また、外径としては、1.0〜4.0mm程度が好ましく、特に、1.5〜3.0mmが好ましい。また、ステント収納用筒状部材5の内径としては、1.0〜2.5mm程度が好ましい。
そして、このステント収納用筒状部材5は、ステント収納用筒状部材5の軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部51aと、突出部51aとステント収納用筒状部材5の内面間により形成される空隙部53とを備える。牽引ワイヤ6(6a、6b)の先端部69(69a,69b)は、空隙部53内に侵入し、空隙部53においてステント収納用筒状部材5に固定されている。そして、突出部51aとしては、ステント収納用筒状部材5の軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する環状突出部であり、空隙部は、環状突出部とステント収納用筒状部材の内面間により形成される基端側が開口した環状空隙部であることが好ましい。
この実施例の生体器官拡張器具1では、ステント収納用筒状部材5は、筒状部材本体部51と、この筒状部材本体部51の基端部に先端部が固定された基端側筒状部52を備えている。そして、筒状部材本体部51の基端部には、上述の突出部を形成する縮径部51aを備えている。縮径部51aは、外径が基端側に向かって縮径するテーパー部とこのテーパー部より基端側に延びる短い円筒部を備えている。そして、筒状部材本体部51の縮径部51aを被包するように基端側筒状部52は、筒状部材本体部51の基端部に固定されている。このため、筒状部材本体部51の縮径部51aは、筒状部材5の内方かつ基端方向に突出する環状突出部51aを構成している。そして、この環状突出部51aとステント収納用筒状部材5(具体的には、基端側筒状部の先端部)内面間により、環状空隙部53が形成されている。そして、この空隙部には、接着剤が充填されており、筒状部材本体部51と基端側筒状部52を一体化している。接着としては、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、シアノアクリレート系樹脂などの接着剤を用いることが好ましいが、熱融着であってもよい。また、環状空隙部に充填された接着剤により、後述する牽引ワイヤ6(6a,6b)の先端部(固定点)69(69a,69b)は、筒状部材5に固定されている。
そして、この実施例において用いられているステント収納用筒状部材5では、筒状部材本体部51および基端側筒状部52は、ほぼ同じ外径を有するものとなっている。ステント収納部位の外径としては、1.0〜4.0mm程度が好ましく、特に、1.5〜3.0mmが好ましい。また、ステント収納用筒状部材5の長さとしては、20〜400mm程度が好ましく、特に、30mm〜300mmが好ましい。また、筒状部材本体部51の長さとしては、10〜200mm程度が好ましく、特に、15mm〜150mmが好ましく、基端側筒状部52の長さとしては、10〜200mm程度が好ましく、特に、15mm〜150mmが好ましい。
なお、ステント収納用筒状部材5としては、上述したような筒状部材本体部51と基端側筒状部52からなるものに限定されるものではなく、一体物であってもよい。さらには、図6に示す実施例の生体器官拡張器具のように、基端側筒状部52は、第1の基端側筒状部52bと、この基端に接続された第2の基端側筒状部52cとからなるものであってよい。この場合、第2の基端側筒状部52cの先端部は、第1の基端側筒状部52bの基端部に侵入可能な縮径部とすることが望ましい。
そして、この生体器官拡張器具1では、先端側固定チューブ81の外側をステント収納用筒状部材5がスライドするものとなっている。上述したように、ステント収納用筒状部材5は、ほぼ全長にわたり同一外径となっており、先端側固定チューブ81もほぼ全長にわたり同一外径となっている。
そして、上述したように、固定チューブ8は、先端側固定チューブ81を備えている。先端側固定チューブ81の先端部は、ステント収納用筒状部材5の基端部材54内に侵入し、さらに基端側筒状部52内に侵入している。また、図2および図3に示すように、この生体器官拡張器具1では、複数(具体的には、2本)の牽引ワイヤ6a,6bを備えており、牽引ワイヤ6a、6bは、上述した筒状部材5が備える空隙部53において、固定点69a、69bにより、ステント収納用筒状部材5の内側に固定されている。また、牽引ワイヤ6a,6bおよびこの固定点69a、69bは、所定長離間している。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1では、先端側チューブ2は、ステント係止部22より基端側に一端を有し基端方向に伸び、かつ、先端側チューブ2を部分的に被包もしくは拡径するガイドチューブ部49を備えている。そして、ガイドチューブ部49の一端部は、ステント収納用筒状部材5の突出部51aより若干先端側に位置することが好ましい。また、ガイドチューブ部49は、ステント3の全長より長いものであることが好ましい。
具体的には、この実施例の生体器官拡張器具1では、ガイドチューブ部49は、先端側チューブ2を部分的に被包するように設けられたチューブ49により構成されている。このチューブ49は、先端側チューブ2に固定されていない。なお、ガイドチューブ部は、先端側チューブに固定してもよく、また、先端側チューブと一体に形成してもよい。そして、このガイドチューブ部49の外面と上述したステント収納用筒状部材5の突出部51aの内面は、若干離間する程度に近接している。このガイドチューブ部49を設けることにより、牽引ワイヤの牽引によるステント収納用筒状部材5の基端方向への移動時におけるステント収納用筒状部材5と先端側チューブの変形を防止し、ステント収納用筒状部材5の移動を良好なものとする。
また、上述したように、先端側固定チューブ81とステント収納用筒状部材5は、接着されておらず摺動可能となっており、牽引ワイヤ6a,6bを引くことによって、ステント収納用筒状部材5は基端側に移動する。しかし、ステント3は、係止部22により係止されているため、ステント3はステント収納用筒状部材5より排出される。このような形態をとることによって、全体のチューブ類を柔らかい素材により形成しても、牽引ワイヤはチューブの中にあるため、曲がった血管等でもたわむことなく安全にステントを拡張することが可能となる。
ステント収納用筒状部材5(筒状部材本体部51、基端側筒状部52)の形成材料としては、ステント収納用筒状部材に求められる物性(柔軟性、硬度、強度、滑り性、耐キンク性、伸縮性)を考慮して、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、PTFE、ETFE等のフッ素系ポリマー、さらには、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、ナイロン系(例えば、ポリアミドエラストマー)、ウレタン系(例えば、ポリウレタンエラストマー)、ポリエステル系(例えば、ポリエチレンテレフタレートエラストマー)、オレフィン系(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)の中から適宜選択される。
さらに、ステント収納用筒状部材5の外面、硬質材料製筒状基端部材54の内面には、潤滑性を呈するようにするための処理を施すことが好ましい。このような処理としては、例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーをコーティング、または固定する方法などが挙げられる。また、ステント収納用筒状部材5の内面に、ステント3の摺動性を良好なものにするため、上述のものをコーティング、または固定してもよい。
また、ステント収納用筒状部材5は、上記のようなポリマーの2層構造(例えば、外面はナイロン、内面はPTFE)の組み合わせで形成しても良い。
そして、図3に示すように、先端側チューブ2の基端部には、プライミング用開口28a、28bが設けられている。そして、この開口28a、28bを用いることにより、固定チューブ8内、およびステント収納用筒状部材5の基端側部分内の空気をプライミング液と置換するプライミングを行うことができるようになっている。
ステント3としては、いわゆる自己拡張型ステントであればどのようなものであってもよい。例えば、ステント3としては、図15(拡張して圧縮前の形状に復元した状態を示している)に示すような形状を有しているものが好適に使用できる。この例のステント3は、円筒状フレーム体30と、この円筒状フレーム体30を構成するフレーム36a,36bにより区画(囲撓)された開口34およびフレーム36aにより区画された切欠部35を有しており、フレーム体30は両端部33a,33bを有している。
ステントの形成材料としては、合成樹脂または金属が使用される。合成樹脂としては、ある程度の硬度と弾性を有するものが使用され、生体適合性合成樹脂が好ましい。具体的には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート),フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)、若しくは生体内吸収材料であるポリ乳酸、ポリグリコール酸、又はポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体などである。また、金属としても生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケルチタン合金などがある。特に、超弾性金属が好ましい。ステント3は、全体において物性の急激な変更点が形成されることなく一体に形成されていることが好ましい。ステントは、例えば、留置される生体内部位に適合した外径を有する金属パイプを準備し、金属パイプの側面を、切削加工(例えば、機械的切削、レーザ切削)、化学エッチングなどにより部分的に除去して、側面に複数の切欠部または複数の開口を形成することにより作製される。
このステント3はフレーム体30の端部に切欠部35を有するので、ステント3の端部33a,33bの変形が容易となり、特に、端部の部分的変形が可能となり、留置される血管の変形時に対する応答が良好である。また、端部33は、複数のフレーム36aの端部により形成されているため、つぶれにくく、十分な強度を有する。また、両端部間には、フレーム36a,36bにより囲まれた開口34が形成されており、この開口34は、フレーム36aの変形により容易に変形する。このため、ステント3はその中央部(フレーム体30の中央部)での変形も容易である。なお、切欠部および開口は図示した形状および個数に限定されるものではなく、切欠部としては、3〜10個、開口としては、3〜10個程度が好適である。
フレーム体30は、外径が2.0〜30mm、好ましくは、2.5〜20mm、内径が1.4〜29mm、好ましくは1.6〜28mmのものであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100mmである。
なお、ステントの形状は、図15に示すものに限られず、例えば両端部に台形状の切欠部が形成されるとともに、中央部にハニカム状に複数の六角形の開口が形成されているもの、また、両端部に長方形状の切欠部が形成され、中央部に複数の長方形状(切欠部の二倍の長さを有する)の開口が形成されているものなどであってもよい。さらに、ステント3の形状は、挿入時に縮径可能であり、かつ、体内放出時に拡径(復元)可能なものであればよく、上述の形状に限定されるものではない。例えば、コイル状のもの、円筒状のもの、ロール状のもの、異形管状のもの、高次コイル状のもの、板バネコイル状のもの、カゴまたはメッシュ状のものでもよい。
ステントを形成する超弾性金属としては、超弾性合金が好適に使用される。ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。特に好ましくは、49〜53原子%NiのTi−Ni合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTi−Ni合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,Bなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。また、上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
使用される超弾性合金の座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜200kgf/mm(22℃)、より好ましくは、8〜150kgf/mm、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kgf/mm(22℃)、より好ましくは、5〜130kgf/mmである。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧縮)させても、変形の解放後、加熱を必要とせずにほぼ圧縮前の形状に回復することを意味する。
また、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントは、略円筒形状に形成された縮径可能なステント本体と、ステント本体の側面を封鎖する筒状カバー(図示せず)を備えるものであってもよい。
そして、生体器官拡張器具1は、ステント収納用筒状部材5の環状突出部に一端部が固定され、ステント収納用筒状部材5の基端を越え、先端側固定チューブ81を含む固定チューブ8を貫通し、基端側チューブ4内を延びる牽引ワイヤ6を備えている。そして、この牽引ワイヤ6を基端側チューブの基端側に牽引することにより、ステント収納用筒状部材5は、基端側に移動する。
そして、図1ないし図7に示すように、この生体器官拡張器具1では、複数(具体的には、2本)の牽引ワイヤ6a,6bを備えており、牽引ワイヤ6a、6bは、かなりステントに近い部分に設けられた固定点69a、69bにより、ステント収納用筒状部材5の上述した環状突出部51aに接着剤により固定されている。また、牽引ワイヤ6a,6bおよびこの固定点69a、69bは、所定距離離間するように配置されている。また、牽引ワイヤ6a,6bの固定点69a、69bは、接着剤などによる固定を確実にするために、平坦部となるように形成されている。さらに、側面に波状部分を形成して接着剤などの固定手段からの抜け止めを設けてもよい。また、ワイヤ先端をリング状にする、平坦部に孔を開けるなどすることも可能である。
この実施例の生体器官拡張器具1では、牽引ワイヤ6は、図1に示すように、基端側チューブ4を貫通し、基端側チューブの基端より延出するものとなっている。
牽引ワイヤの構成材料としては、線材もしくは複数本の線材を撚ったものが好適に使用できる。また、牽引ワイヤの線径は、特に限定されないが、通常、0.01〜0.55mm程度が好ましく、0.1〜0.3mm程度がより好ましい。
また、牽引ワイヤ6の形成材料としては、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材や、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料、あるいは、これらを適宜組み合わせたものが挙げられる。
また、牽引ワイヤの側面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂としては、フッ素系樹脂、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。この中でも、フッ素系樹脂がより好ましい。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、パーフロロアルコキシ樹脂等が挙げられる。またシリコンや各種親水性樹脂によるコーティングであってもよい。
さらに、この実施例の生体器官拡張器具1では、上述した牽引ワイヤとは別に、剛性付与体11が設けられている。剛性付与体11は、図1ないし図7に示すように、生体器官拡張器具1の基端側より延び、基端側チューブ4内を通り、さらに、ステント収納用筒状部材5に侵入している。そして、剛性付与体11の先端11bは、図2ないし図5に示すよう先端側チューブ2の外面に固定部11aにより固定されている。この固定部は、管状部材(リング)でかしめるか接着することが好ましい。
また、剛性付与体11の先端側チューブ2への固定部11aは、先端側固定チューブ81より若干先端側となっている。また、剛性付与体11の先端側チューブ2への固定部11aは、ガイドチューブ49の基端より若干基端側となっている。そして、剛性付与体11は、基端部にて基端側チューブ4の基端部もしくは後述する操作部10に固定されていることが好ましい。このような剛性付与体11を設けることにより、牽引部材(牽引ワイヤ)の牽引時における生体器官拡張器具の変形を抑制できる。また、剛性付与体11の先端11bは、固定部11aによる固定を確実にするために、平坦部となるように形成してもよい。さらに、側面に波状部分を形成して固定部材からの抜け止めを設けてもよい。
剛性付与体11としては、線材もしくは複数本の線材を撚ったものが好適に使用できる。また、剛性付与体11の太さは、特に限定されないが、通常、0.01〜1.5mm程度が好ましく、0.1〜1.0mm程度がより好ましい。
また、剛性付与体11としては、本体側部分(具体的には、基端側チューブ内となる部分)が剛性が高く(例えば、線径が太い)、先端側部分が剛性が低い(具体的には、線径が細い)ものであることが好ましい。さらに、両者の変化点は、線径がテーパー状に変形するテーパー部11cとなっていることが好ましい。
また、剛性付与体11の形成材料としては、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材が挙げられる。また、剛性付与体11は、牽引部材(牽引ワイヤ)より、硬質であることが好ましい。
なお、本発明の生体器官拡張器具は、上述した実施例に限定されるものではない。例えば、図8ないし図13に示す生体器官拡張器具100のようなものであってもよい。
図8は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。 図9は、図8に示した実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。図10は、図8のD−D線拡大断面図である。図11は、図8のE−E線断面拡大図である。図12は、図8のF−F線断面拡大図である。図13は、図8に示した実施例の生体器官拡張器具の固定チューブの基端側部分付近の拡大断面図である。図14は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。
そして、この実施例の生体器官拡張器具100では、ステント収納用筒状部材105の基端に近接するように配置されたスライドチューブ107を備え、スライドチューブ107は、牽引ワイヤ6(6a、6b)の牽引によりステント収納用筒状部材105とともに移動し、かつ、固定チューブ108の外面上を基端側に向かって摺動するものであり、スライドチューブ107は、基端に固定され、基端側への移動時に、固定チューブ108の外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材54を備えている。硬質材料製筒状基端部材54としては、上述したものと同じである。
この実施例の生体器官拡張器具100は、先端側チューブ2、ステント3、基端側チューブ4、ステント収納用筒状部材105、牽引ワイヤ6、スライドチューブ107,固定チューブ108および牽引ワイヤ6の巻取機構を有する操作部10を備えている。そして、固定チューブ108は、先端側チューブ2と基端側チューブ4を接続するとともに、先端側チューブ2の基端部と連通する開口23を備えている。
先端側チューブ2、基端側チューブ4、ステント3、牽引ワイヤ6a,6bとしては、上述したものと同じである。
そして、この実施例の生体器官拡張器具100では、先端側チューブ2は、図9に示すように、ステント基端部係止部22より所定長(ほぼステントの軸方向長)先端側となる位置に設けられたステント先端部係止部26aを備えている。ステント先端部係止部26aは、図9に示すように、ステント収納用筒状部材105の先端より、若干基端側に位置している。係止部26aは、環状突出部であることが好ましい。そして、このステント先端部係止部26aとステント基端部係止部22間が、ステント収納部位となっている。この係止部26aの外径は、圧縮されたステント3の基端と当接可能な大きさとなっている。また、ステント先端部係止部26aは、基端面が基端方向に向かって縮径するテーパ面となっている。このため、ステント放出時において、ステント先端部係止部26aが障害となることがなく、また、ステント3の放出後の生体器官拡張器具1の回収(具体的には、ガイディングカテーテルあるいはシース内への収納)が容易となる。
ステント基端部係止部22およびステント先端部係止部26aの外径は、0.8〜4.0mmであることが好ましい。なお、ステント基端部係止部22およびステント先端部係止部26aは、図示するような環状突出部が好ましいが、ステント3の移動を規制し、かつ、押出可能であればよく、例えば、先端側チューブ2に一体にあるいは別部材で設けられた1つまたは複数の突起であってもよい。また、ステント基端部係止部22およびステント先端部係止部26aは、X線造影性材料により別部材により形成されていてもよい。これにより、X線造影下でステントの位置を的確に把握することができ、手技がより容易なものとなる。X線造影性材料としては、例えば、金、プラチナ、プラチナ−イリジウム合金、銀、ステンレス、白金、あるいはそれらの合金等が好適である。そして、突出部は、X線造影性材料によりワイヤを形成し先端側チューブの外面に巻きつけること、もしくはX線造影性材料によりパイプを形成しかしめる又は接着することにより取り付けられる。
そして、この実施例の生体器官拡張器具100では、図9に示すように、先端側チューブ2と先端部材25は、別部材にて形成されているとともに、先端側チューブ2は、先端部には、ストッパー部材27が固定されている。ストッパー部材27は、先端側チューブ2に固定された筒状部とこの筒状部より、テーパー状に広がるスカート部を備えている。そして、ストッパー部材27は、先端部材25内に埋設された状態となっており、先端部材25の離脱および先端側への移動を防止している。ストッパー部材27は、金属(例えば、ステンレス鋼)により形成することが好ましい。
基端側チューブ4は、上述した実施例と同様に、先端から基端まで貫通したチューブ体であり、基端に固定された操作部10を備えている。基端側チューブ4の先端部は、図13に示すように、固定チューブ108に、固定部材184により、接合されている。基端側チューブ4は、内部に牽引ワイヤ6を挿通可能な牽引ワイヤ用ルーメンを備えている。
ステント収納用筒状部材105は、図8および図9に示すように所定長を備える管状体である。先端および後端は開口している。先端開口は、ステント3を体腔内の狭窄部に留置する際、ステント3の放出口として機能する。ステント3は、上述したとおりである。
そして、このステント収納用筒状部材105は、基端部に設けられた小径部(縮径部)151aを備える筒状部材本体部151と、この小径部151aを被包するように設けられた筒状部152を備えている。なお、小径部151aの基端部は、筒状部152より突出している。具体的には、牽引ワイヤ6(6a、6b)の先端部69(69a,69b)は、小径部151aと筒状部152間に形成された空隙内に侵入し、空隙に充填された固定剤153により、ステント収納用筒状部材105に固定されている。小径部151aは、外径が基端側に向かって縮径するテーパー部とこのテーパー部より基端側に延びる短い円筒部を備えている。そして、筒状部材本体部151の縮径部151aを被包するように筒状部152は、筒状部材本体部151の基端部に固定されている。このため、筒状部材本体部151の小径部151aは、ステント収納用筒状部材105の内方かつ基端方向に突出する環状突出部を構成している。そして、この環状突出部とステント収納用筒状部材105(具体的には、基端側筒状部の先端部)内面間により、環状空隙部が形成されている。そして、この実施例では、牽引ワイヤ6(6a、6b)の先端部69(69a,69b)は、小径部151aの外面にて固定されている。そして、この空隙部には、接着剤が充填されており、筒状部材本体部151と基端側筒状部152を一体化している。また、環状空隙部に充填された固定剤等により、後述する牽引ワイヤ6(6a,6b)の先端部(固定点)69(69a,69b)は、ステント収納用筒状部材105に固定されている。固定剤としては、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、シアノアクリレート系樹脂などの接着剤を用いることが好ましいが、熱融着であってもよい。
そして、この実施例において用いられているステント収納用筒状部材105では、筒状部材本体部151および筒状部152は、ほぼ同じ外径を有するものとなっている。ステント収納部位の外径としては、1.0〜4.0mm程度が好ましく、特に、1.5〜3.0mmが好ましい。また、ステント収納用筒状部材105の長さとしては、20〜400mm程度が好ましく、特に、30mm〜300mmが好ましい。また、筒状部材本体部151の長さとしては、10〜200mm程度が好ましく、特に、15mm〜150mmが好ましく、基端側筒状部152の長さとしては、10〜200mm程度が好ましく、特に、15mm〜150mmが好ましい。
なお、ステント収納用筒状部材105としては、上述したような筒状部材本体部151と基端側筒状部152からなるものに限定されるものではなく、一体物であってもよい。
スライドチューブ107は、その先端が、ステント収納用筒状部材105の基端に近接するように配置されている。また、スライドチューブ107は、その基端側より固定チューブ内に収納可能なものとなっている。なお、スライドチューブ107は、基端側より固定チューブ108に被嵌可能なものであってもよい。スライドチューブ107は、牽引ワイヤ6の牽引によりステント収納用筒状部材105とともに基端側に移動可能であり、かつ、ステント収納用筒状部材105に固定されていないものとなっている。
そして、この実施例における生体器官拡張器具100では、スライドチューブ107内に非固定状態にて収納されかつスライドチューブ107とともに移動するリング状部材175を備え、牽引ワイヤ6a,6bは、リング状部材175の内面に固定されている。そして、スライドチューブ107は、リング状部材175の回動を許容し、かつ軸方向への移動を実質的に阻止するリング状部材保持部を備えている。このように、リング状部材175が、スライドチューブ107に対して、回動可能であることにより、スライドチューブ107の回動に対して、リング状部材175、牽引ワイヤの固定部および牽引ワイヤ自体も追従しにくいものとなる。
スライドチューブ107は、具体的には、図8および図9に示すように、スライドチューブ本体171と、縮径する先端部に固定された先端側部材を備えている。そして、この実施例では、スライドチューブ107の先端側部材は、図9に示すように、第1の筒状部材172とこの第1の筒状部材172とほぼ同じ外径および内径を備える第2の筒状部材173とから構成される外側チューブ部と、第1の筒状部材172の基端部および第2の筒状部材173の先端部内に配置された第3の筒状部材174により構成される内側チューブ部と、外側チューブと内側チューブを固定する、言い換えれば、第1の筒状部材172と第2の筒状部材173と第3の筒状部材174を固着する固着部176とを備えている。そして、外側チューブである第2の筒状部材173の基端部は、固着部177により、スライドチューブ本体171の縮径先端部に固定されている。また、スライドチューブ本体171の先端部は、外側チューブである第2の筒状部材173の基端部内に侵入するとともに、内側チューブ部を構成する第3の筒状部材174の基端部と所定距離離間している。これにより、スライドチューブ本体171の先端部と、外側チューブである第2の筒状部材173の内面と、内側チューブ部を構成する第3の筒状部材174の基端部により、リング状部材保持部を構成する環状凹部が形成されている。そして、リング状部材保持部であるこの環状凹部内に、リング状部材175が、収納されている。リング状部材175は、スライドチューブ本体171、第2の筒状部材173および第3の筒状部材174のいずれにも固定されていないため、回動可能である。しかし、スライドチューブ107内における軸方向への移動は、クリアランスを除き不能となっている。リング状部材175としては、金属リングが好適である。そして、牽引ワイヤ6a,6bは、図8に示すように、リング状部材175の内面に固定部175a、175bにより固定されている。固定部としては、溶接、接着剤などが好ましい。そして、このリング状部材175に牽引ワイヤ6a,6bが固定されているため、牽引ワイヤ6a,6bを牽引することにより、リング状部材175も牽引され、そして、リング状部材175により先端側より押されることにより、スライドチューブ107も生体器官拡張器具100の基端側に移動する。
また、スライドチューブ107は、その先端部が、ステント収納用筒状部材105の小径部151aの基端部を被包していることが好ましい。また、スライドチューブ107とステント収納用筒状部材105は、接合されていないことが好ましい。この実施例では、図9に示すように、接合されることなく、さらには、実質的に接触することなく、スライドチューブ107の先端部は、ステント収納用筒状部材105の小径部151aの基端部を被包している。具体的には、外側チューブ部を構成する第1の筒状部材172の先端部が、ステント収納用筒状部材105の小径部151aの基端部を実質的に接触することなく被包している。
さらに、この実施例では、スライドチューブ107は、スライドチューブ本体171の縮径先端部を除く部分に補強層178を備えている。このような補強層を設けることにより、耐キンク性が向上し、スライドチューブ107のスライドが良好なものとなる。補強層は、網目状の補強層であることが好ましい。網目状の補強層は、ブレード線で形成することが好ましい。例えば、ワイヤブレードであり、線径0.01〜0.2mm、好ましくは0.03〜0.1mmのステンレス、弾性金属、超弾性合金、形状記憶合金等の金属線で形成することができる。または、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維で形成してもよい。
そして、この生体器官拡張器具100では、先端側固定チューブ181の外側をスライドチューブ107がスライドするものとなっている。上述したように、スライドチューブ107は、縮径先端部を除き同一外径となっている。そして、スライドチューブ107の基端には、図9に示すように、スライドチューブ107の基端側への移動時に、固定チューブ108(具体的には、先端側固定チューブ181)の外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材54が固定されている。
この実施例では、硬質材料製筒状基端部材54の内径は、固定チューブ108(具体的には、先端側固定チューブ181)の外径とほぼ等しい、もしくは若干大きいものとなっている。このため、スライドチューブ107の基端側への移動時に、硬質材料製筒状基端部材54の内面が、先端側固定チューブ181の外面と摺接する。
また、この実施例では、図9に示すように、硬質材料製筒状基端部材54の内径は、スライドチューブ107(具体的には、スライドチューブ107の縮径先端部除く本体部分)の内径より、若干小さいものとなっている。このため、スライドチューブ107は、基端側への移動時に、固定チューブ108(具体的には、先端側固定チューブ181)の外面に実質的に接触(摺接)しない状態にて移動可能となっている。
そして、硬質材料製筒状基端部材54は、平滑内面を有する金属製筒状部材であることが好ましい。金属としては、ステンレス鋼、チタン合金などが好ましい。さらに、図9に示すように、硬質材料製筒状基端部材は、基端部内面にエッジを持たないものとなっていることが好ましい。この実施例では、硬質材料製筒状基端部材は、基端内面の環状角部が面取された状態となっている。このようにすることにより、基端部材54が固定チューブ108に損傷を与えることがない。また、硬質材料製筒状基端部材の基端外面の環状角部が面取された状態となっている。
固定チューブ108は、この実施例の生体器官拡張器具100では、図8,図9および図13に示すように、外径の大きい先端側固定チューブ181と、この先端側固定チューブ181の基端部に固定された基端側固定チューブ182を備えている。そして、スライドチューブ107は、先端側固定チューブ181に固定されておらず、基端側にスライドすることにより、固定チューブがスライドチューブにより被嵌される。基端側固定チューブ182の先端部は、先端側固定チューブ181の基端内に侵入し、固定部181bにより固定されている。
さらに、この実施例では、図9に示すように、固定チューブ108の先端側部分、具体的には、先端側固定チューブ181は、そのほぼ全体にわたり補強層185を備えている。補強層としては、網目状のもの、螺旋状のものなどが好ましい。特に、網目状補強層であることが好ましい。網目状補強層としては、金属細線により網状に形成されたものが好適である。金属細線としては、ステンレス鋼が好ましい。さらに、図9に示すように、基端側固定チューブ182との接続部となる部分には、補強層が存在しないものとすることが好ましい。
そして、図9に示すように、固定チューブ108は、先端側より、固定部24の配置付近までのびる補強層185を備えている。補強層は、上述したものと同じである。
なお、固定チューブ108は、上述した生体器官拡張器具100のように、先端側固定チューブ181と基端側固定チューブ182とを備えるものではなく、一体に形成された固定チューブとなっているものであってもよい。
先端側チューブ2の基端部には、図13に示すように、その基端部を収納した筒状固着部材183が設けられており、また、基端チューブ4の先端には、筒状固定部材184が設けられている。そして、図13および図12に示すように、基端側固定チューブ182に、筒状固着部材183および筒状固定部材184が固着されている。
また、図9に示すように、この生体器官拡張器具100では、複数(具体的には、2本)の牽引ワイヤ6a,6bを備えており、牽引ワイヤ6a、6bは、上述したステント収納用筒状部材105が備える空隙部にて、固定点69a、69b部分が、固定剤153により、ステント収納用筒状部材105の小径部の外側に固定されている。また、牽引ワイヤ6a,6bおよびこの固定点69a、69bは、所定長離間している。
ステント収納用筒状部材105(筒状部材本体部151、基端側筒状部152)、スライドチューブ107(スライドチューブ本体171)、固定チューブ108(先端側固定チューブ181、基端側固定チューブ182)の形成材料としては、ステント収納用筒状部材に求められる物性(柔軟性、硬度、強度、滑り性、耐キンク性、伸縮性)を考慮して、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、PTFE、ETFE等のフッ素系ポリマー、さらには、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、ナイロン系(例えば、ポリアミドエラストマー)、ウレタン系(例えば、ポリウレタンエラストマー)、ポリエステル系(例えば、ポリエチレンテレフタレートエラストマー)、オレフィン系(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)の中から適宜選択される。
さらに、ステント収納用筒状部材105の外面、硬質材料製筒状基端部材54の内面には、潤滑性を呈するようにするための処理を施すことが好ましい。潤滑性を呈するようにするための処理については、上述したとおりである。
そして、この実施例では、牽引ワイヤ6a,6bは、牽引により移動する部材に固定されている。具体的には、図8に示し、また、上述したように、牽引ワイヤ6a,6bは、スライドチューブ107が備えるリング状部材175(具体的には、その内面)にも固定されている。このため、この実施例の生体器官拡張器具100では、牽引ワイヤ6a,6bが、基端側に牽引されることにより、リング状部材175も基端側に牽引され、このリング状部材175にスライドチューブ107(スライドチューブ本体171)が当接することにより、スライドチューブも基端側に牽引される。よって、この実施例では、ステント収納用筒状部材105とスライドチューブ107とは、両者それぞれが別個に牽引されるものとなっており、牽引時に、ステント収納用筒状部材105とスライドチューブ107が当接しないものとなっている。また、牽引ワイヤ6a,6bの牽引時の力は、固定点69a、69bと牽引により移動する部材であるリング状部材175の固定部175a,175bとに分散されるため、固定点69a、69bにおける牽引ワイヤ6a,6bとステント収納用筒状部材105間の固定が解除されることを確実に防止する。
この実施例の生体器官拡張器具100では、上述した牽引ワイヤとは別に、剛性付与体11が設けられている。剛性付与体11は、図8、図9および図13に示すように、生体器官拡張器具100の基端側より延び、基端側チューブ4内を通り、さらに、固定チューブ108に侵入している。そして、剛性付与体11の先端11bは、図13に示すように、固定部24に固定されている。剛性付与体11の先端11bを固定部24に埋設することにより固定することが好ましい。なお、牽引ワイヤ6a、6bは、図9に示すように、固定部24に固定されておらず、固定部24に形成された通路24a、24bを通過している。
さらに、この実施例の生体器官拡張器具100では、図13および図12に示すように、剛性付与体11は、固定チューブ108に固定される筒状固定部材184にも固定されている。筒状固定部材184には、図13に示すように、軸方向に所定長のびる剛性付与体固定部184aが形成されている。このように、剛性付与体11の先端部を2カ所において固定することにより、剛性付与体11の先端部による強い補強効果を発揮する。
そして、剛性付与体11は、基端部にて基端側チューブ4の基端部もしくは後述する操作部10に固定されていることが好ましい。このような剛性付与体11を設けることにより、牽引部材(牽引ワイヤ)の牽引時における生体器官拡張器具の変形を抑制できる。また、剛性付与体11の先端11bは、固定部24による固定を確実にするために、平坦部となるように形成してもよい。さらに、側面に波状部分を形成して固定部材からの抜け止めを設けてもよい。
剛性付与体11としては、上述したものと同じである。
また、上述した実施例において、図14に示す生体器官拡張器具110のようなものであってもよい。
この生体器官拡張器具110では、牽引ワイヤ6a、6bは、スライドチューブ107aの内面に固定されている。
そして、この実施例におけるスライドチューブ107aは、生体器官拡張器具100が備えるスライドチューブ内に非固定状態にて収納されたリング状部材175を備えないものとなっている。具体的には、図14に示すように、スライドチューブ107aは、スライドチューブ本体171と、その縮径先端部に固定された先端側部材を備えている。そして、この実施例では、スライドチューブ107aの先端側部材は、第1の筒状部材172とこの第1の筒状部材172とほぼ同じ外径および内径を備える第2の筒状部材173とから構成される外側チューブ部と、第1の筒状部材172の基端部および第2の筒状部材173の先端部内に配置された第3の筒状部材174により構成される内側チューブ部と、外側チューブと内側チューブを固定する、言い換えれば、第1の筒状部材172と第2の筒状部材173と第3の筒状部材174を固着する固着部176とを備えている。そして、牽引ワイヤ6a、6bは、固着部176により固定されるとともに、固着部を通過している。これにより、牽引ワイヤ6a、6bは、直接、スライドチューブ107に固定されている。この実施例においても、牽引ワイヤ6a,6bの牽引時の力は、固定点69a、69bとスライドチューブ107aとの固定部に分散されるため、固定点69a、69bにおける牽引ワイヤ6a,6bとステント収納用筒状部材105間の固定が解除されることを確実に防止する。
そして、本発明の生体器官拡張器具1、100、110は、図1,図16ないし図20に示すような操作部10を基端側チューブ4の基端部に備えている。
図16は、本発明の生体器官拡張器具の操作部付近の拡大正面図である。図17は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部付近の拡大背面図である。図18は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。図19は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部分のみの右側面図である。図20は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。
この実施例の操作部10は、牽引ワイヤ巻取機構に加えて、牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構および牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている。
操作部10は、図16ないし図20に示すように、操作部ハウジング50を備える。操作部ハウジング50は、第1ハウジング50aと第2ハウジング50bにより構成されている。操作部ハウジング50は、基端側および中央部が屈曲しかつ丸みを帯びた形状となっており、把持しやすく、かつ、把持した状態におけるローラの操作を容易なものとしている。
そして、図18に示すように、基端側チューブ4の基端には、筒状コネクタ55の先端部が固定されている。また、操作部ハウジング50内には、コネクタ55の基端部に接続されたシール機構が収納されている。このシール機構は、図18に示すように、コネクタ55の後端部に固定される先端部を備えるシール機構筒状本体部材70と、筒状本体部材70の基端に固定されたキャップ部材71と、筒状本体部材70とキャップ部材71間に配置されたシール部材72と、筒状本体部材内に収納された剛性付与体固定用部材73を備えている。本体部材70およびキャップ部材71は、貫通する開口部を備えている。シール部材72は、牽引ワイヤ6(6a,6b)を液密状態かつ摺動可能に貫通させるための孔部もしくはスリットを備えている。また、剛性付与体固定用部材73には、剛性付与体11の基端部が固定されている。そして、剛性付与体固定用部材73は、筒状本体部材70内に固定されている。コネクタの構成材料としては、上述したものと同じである。シール部材の構成材料としては、弾性材料が使用される。弾性材料としては、上述したものと同じである。シール部材72の構成材料としては、弾性材料が使用される。弾性材料としては、上述したものと同じである。
ハウジング50は、図16ないし図19に示すように、操作用回転ローラ61を部分的に突出させるための開口部58、ローラ61に設けられた歯車部62の突出部と係合するロック用リブ(図示せず)、ローラ61の回転軸の一端64bを収納する軸受部94b、ローラ61の回転軸の他端64aを収納する軸受部94aを備えている。ロック用リブは、ローラ61の歯車部62に形成された突起部間に侵入可能な形状となっている。また、軸受部94a、94bは、図16および図17に示すように、ローラ61の回転軸の一端64bおよび他端64aを収納するとともに、上述の開口部と離間する方向に延びる瓢箪状のものとなっている。なお、軸受部94a、94bは、瓢箪状に限定されるものではなく、ロック用リブとの係合が解除できる距離移動できるものであればよい。例えば、軸受部94a、94bの形状は、長円、矩形、楕円状などであってもよい。特に、この実施例の操作部10では、上記の軸受部94a、94bは、図16および図17に示すように、瓢箪状のものとなっている。このため、操作用回転ローラ61を押し、軸受部94a,94bの一端側空間に収納されているローラ61の回転軸の端部64a,64bを、軸受部94a,94bの中央部内側面に形成された向かい合うリブ部分を乗り越えさせることにより、ローラ61の回転軸の端部64a,64bは、軸受部94a,94bの他端側空間に収納された状態となる。図18に示す状態が、ローラ61が押圧された状態である。そして、この状態において、ローラ61は、付勢部材により押圧されるが、ローラ61の回転軸の端部64a,64bは、軸受部94a,94bの中央部内側面に形成された向かい合うリブ部分に当接するため、軸受部94a,94bの一端側空間に移動しない。このため、ローラ61は、回転可能な状態を維持するものとなっている。
そして、この実施例では、図17および図20に示すように、操作部10は、カラー部材12を備えている。カラー部材12は、巻取シャフト部63を収納するとともに、巻取シャフト部63との間に環状空間を形成するカラー部14を有する。このカラー部14により、巻取シャフト部63に巻き取られた牽引ワイヤのゆるみが防止される。また、カラー部材12は、回転ローラの押圧時の移動の誘導および回転ローラのガタツキを抑制する機能も有する。カラー部材12のピン13が、第1ハウジング50aの突出部(軸受部)59および第2ハウジング50bの凹部(軸受部)158によって軸支されている。そして、軸受部94a、94bは、図16および図17に示すように、ピン13(軸受部59、158)を中心とする緩やかな円弧状に形成されており、かつ、ローラ61が、ロック用リブの高さ以上の距離を移動可能な長さを有するものとなっている。また、カラー部材12は、図20に示すように、側面よりカラー部14内の空間に到達する向かい合う2つの切欠部15を備えている。牽引ワイヤ6は、一方の切欠部15を貫通し、巻取シャフト部63に固定されている。
そして、牽引ワイヤ巻取機構は、ローラ61と、このローラ61の回転により回転する巻取シャフト部63とにより構成されている。巻取シャフト部63は、牽引ワイヤ6の基端部を把持もしくは固定している。具体的には、図17に示すように、牽引ワイヤ6の基端部には、ワイヤ6より大きく形成されたアンカー部65を備えており、巻取シャフト部63には、牽引ワイヤ6の収納可能なスリット63aが設けられている。そして、アンカー部65がスリット63aの基端外方に位置するように、巻取シャフト部63のスリット63aに、牽引ワイヤ6の基端部が収納されている。これにより、巻取シャフト部63が回転することにより、ワイヤ6は、巻取シャフト部63外面に巻き取られる。なお、牽引ワイヤ6の巻取シャフト部63への把持もしくは固定は、上述のものに限定されるものではなく、どのような方式のものであってもよい。例えば、牽引ワイヤ6の基端もしくは基端部を直接、巻取シャフトに固定してもよい。
また、牽引ワイヤ6の巻き取られる基端部は、巻取を容易なものとするために、柔軟なものとなっていることが好ましい。このような柔軟なものとする方法としては、牽引ワイヤ6の基端部を柔軟な材料により形成する方法、牽引ワイヤ6の基端部を細径とする方法などにより行うことができる。
そして、この実施例では、巻取シャフト部63は、回転ローラ61と同軸となるように一体化されている。さらに、図16、図18および図19に示すように、巻取シャフト部63は、回転ローラ61の一方の側面側に設けられている。そして、回転ローラ61を回転させることにより、巻取シャフト部63も同時に回転する。そして、回転ローラの回転操作量に比べて、牽引ワイヤの巻取量が少ないことが好ましい。このようにすることにより、ゆっくりとした巻取を行うことができ、ステント収納用筒状部材の基端側への移動もゆっくりかつ良好なものとなる。この実施例では、巻取シャフト部の外径は、回転操作用ローラより小径となっているため、回転ローラの回転操作量に比べて、牽引ワイヤの巻取量が少ないものとなっている。
また、巻取シャフト部63の外径としては、1〜60mm程度が好適であり、特に、3〜30mmが好ましく、回転ローラの外径としては、巻取シャフト部の外径の1〜20倍程度が好適であり、特に、1〜10倍が好ましい。また、回転ローラの外径としては、10〜60mm程度が好適であり、特に、15〜50mmが好ましい。
なお、回転ローラと巻取シャフト部は、このような一体的なものに限定されるものではなく、回転ローラが回転することにより、追従して回転する別部材により構成したものであってもよい。回転ローラの回転の伝達方式としては、ギア形式のもの、ベルト形式などどのようなものであってもよい。また、ローラ61の操作する際に接触する可能性のある表面部位は、滑りにくい表面となっていることが好ましい。例えば、ローラ61の操作する際に接触する可能性のある表面部位には、ローレット処理、エンボス処理、高摩擦材料被覆などを行うことが好ましい。
そして、この実施例の操作部10は、牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構、牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている。
操作用回転ローラ61は、図16ないし図18に示すように、同軸にかつ一体的に回動するように設けられた歯車部62を備えている。さらに、図17、図19に示すように、歯車部62は、回転ローラ61の他方の側面側(言い換えれば、巻取シャフト部63が設けられた面と反対側の面)に設けられている。よって、歯車部62と巻取シャフト部63は、操作用ローラ部が構成する壁により仕切られた状態となっている。
また、操作用回転ローラ61は、部分的に開口部より露出しており、この部分が操作部となる。そして、回転ローラは、一方の側面(具体的には、歯車部の側面)に設けられた回転軸の他端64aおよび他方の側面(具体的には、巻取シャフトの側面)に設けられた回転軸の一端64bを備えている。
さらに、ハウジング50内には、回転ローラ61をハウジングの開口部方向に付勢する付勢手段(付勢部材)80を備えている。具体的には、付勢手段80により、ローラ61は、付勢されている。さらに、ハウジング50には、付勢部材80により付勢された回転ローラ61の歯車部62の突起部間に侵入可能なロック用リブ(図示せず)が設けられている。このため、回転ローラ61は、付勢部材80により付勢された状態では、図17に示す状態となり、ロック用リブが歯車部62の突起部と係合するため、回転不能となっている。そして、回転ローラ61をロック用リブと離間する方向に押すと、回転ローラの回転軸の一端64bおよび他端64aは、ハウジング50に設けられた軸受部94aおよび94b内を移動し回転可能となる。よって、この実施例の操作部10は、回転ローラ61を押圧しない状態での回転を規制しており、牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を有するものとなっている。
さらに、この実施例の操作部では、上記の付勢手段80と上述した歯車部62により、牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構が構成されている。
操作部10内には、図16ないし図18に示すように、逆回転規制機構を備えている。この操作部10では、付勢部材80に逆回転規制機構が設けられており、付勢部材80は、逆回転規制部材でもある。逆回転規制機構は、逆回転規制部材(付勢部材でもある)80の先端部の上記操作用回転ローラ61の歯車部62と向かい合う部分に設けられ、歯車部と噛合可能な噛合部88と、弾性変形可能部86と、ハウジングへの装着部87を備えている。また、第1ハウジング50aは、内面に形成された第1の突出部(軸受部)59および第2の突出部79を備えている。第1の突出部59は、逆回転規制部材(付勢部材)80の弾性変形可能部86内に侵入するとともに、弾性変形可能部86の内面形状に対応した外面形状を有するものとなっている。具体的には、弾性変形可能部86の内面形状は、円弧状となっており、第1の突出部59は、その円弧形状に対応した円筒状となっている。そして、逆回転規制部材(付勢部材)80の装着部87は、第1ハウジング50aに形成された第1の突出部59と第2の突出部79間に装着可能な形状となっている。そして、逆回転規制部材(付勢部材)80は、その装着部87が、第1ハウジング50aの第1の突出部59と第2の突出部79間に装着されることにより、回動不能に装着されるとともに、弾性変形可能部86の弾性力により、操作用回転ローラ61を開口部58方向に付勢するものとなっている。また、逆回転規制部材(付勢部材)80の装着部87は、カラー部材12に設けられた円盤状の突出部13aにより、側面方向への移動が規制されている。
そして、上述したように、ローラ61を押圧することにより、ローラは回転可能となる。しかし、図18の矢印方向(牽引ワイヤを巻き取る方向)への回転は可能であるが、逆方向にローラ61を回転させようとすると、歯車部62の1つの歯部と逆回転規制部材(付勢部材)80の噛合部88とが係合し、その回転を阻止する。これにより、牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向へのローラの回転を規制する。また、この操作部10では、図19に示すように、逆回転規制部材(付勢部材)80は、第1ハウジング50aの内面と回転ローラ61の側面間に配置されている。このため、逆回転規制部材(付勢部材)80の横方向(水平方向)への動きが、第1ハウジング50aの内面と回転ローラ61の側面により規制されるものとなっている。
歯車部62は、回転ローラより小径のものとなっており、歯車部62の外径としては、10〜60mm程度が好適であり、特に、15〜50mmが好ましく、歯数としては、4〜200程度が好適であり、特に、4〜70が好ましい。
そして、操作部10が備えるカラー部材12は、一端部がピン13により軸支されているとともに、他端側のカラー部14は、巻取シャフト部63を収納するとともに、巻取シャフト部63との間に環状空間を形成する。この環状空間はあまり大きな空間ではなく、巻き取ったワイヤの外面間により狭小な環状空間を形成するものである。
次に、本発明の生体器官拡張器具1の使用方法について図面を用いて説明する。
まず、図1および図2に示す生体器官拡張器具の先端部材の開口部25aに、多くの場合は既に体内に留置されているガイドワイヤの末端を挿入し、開口23よりガイドワイヤ(図示せず)を出す。次に、生体内に挿入されているガイディングカテーテル(図示せず)内に挿入し、ガイドワイヤに沿わせて生体器官拡張器具1を押し進め、目的とする狭窄部内にステント収納用筒状部材5のステント収納部位を位置させる。
次に、操作部10の操作用回転ローラ61を押圧した後、ローラを図18の矢印方向に回転させる。これにより、牽引ワイヤ6は、巻取シャフト63の外周面に巻き取られるとともに、ステント収納用筒状部材5は、軸方向基端側に移動する。この時、ステント3はその後端面が先端側チューブ2のステント基端部係止部22の先端面に当接し係止されるので、ステント収納用筒状部材5の移動に伴って、ステント収納用筒状部材5の先端開口より放出される。この放出により、ステント3は、図7に示すように、自己拡張し狭窄部を拡張するとともに狭窄部内に留置される。
図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の部分省略外観図である。 図2は、図1の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。 図3は、図2のA−A線断面図である。 図4は、図2のB−B線断面拡大図である。 図5は、図2のC−C線断面拡大図である。 図6は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。 図7は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。 図8は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。 図9は、図8に示した実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。 図10は、図8のD−D線拡大断面図である。 図11は、図8のE−E線断面拡大図である。 図12は、図8のF−F線断面拡大図である。 図13は、図8に示した実施例の生体器官拡張器具の固定チューブの基端側部分付近の拡大断面図である。 図14は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。 図15は、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントの一例の外観図である。 図16は、本発明の生体器官拡張器具の操作部付近の拡大正面図である。 図17は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部付近の拡大背面図である。 図18は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。 図19は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部分のみの右側面図である。 図20は、図16に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。
符号の説明
1 生体器官拡張器具
2 先端側チューブ
3 ステント
4 基端側チューブ
5 ステント収納用筒状部材
6(6a,6b) 牽引ワイヤ
10 操作部
11 剛性付与体

Claims (14)

  1. ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、基端側チューブと、前記先端側チューブの基端部および前記基端側チューブの先端部が固定されるとともに前記ガイドワイヤルーメンと連通する開口を備える固定チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ前記先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
    前記先端側チューブは、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント係止部を備えるものであり、
    前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、
    前記ステント収納用筒状部材は、前記牽引ワイヤの牽引により前記固定チューブの外面上を基端側に移動するものであり、かつ、基端に固定され、前記基端側への移動時に、前記固定チューブの外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材を備えることを特徴とする生体器官拡張器具。
  2. ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、基端側チューブと、前記先端側チューブの基端部および前記基端側チューブの先端部が固定されるとともに前記ガイドワイヤルーメンと連通する開口を備える固定チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ前記先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
    前記先端側チューブは、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント係止部を備えるものであり、
    前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、
    前記生体器官拡張器具は、前記ステント収納用筒状部材の基端に近接するように配置されたスライドチューブを備え、該スライドチューブは、前記牽引ワイヤの牽引により前記ステント収納用筒状部材とともに移動し、かつ、前記固定チューブの外面上を基端側に向かって摺動するものであり、さらに、前記スライドチューブは、基端に固定され、前記基端側への移動時に、前記固定チューブの外面と接触する内面を備える硬質材料製筒状基端部材を備えることを特徴とする生体器官拡張器具。
  3. 前記スライドチューブは、前記ステント収納用筒状部材に固定されていないものである請求項2に記載の生体器官拡張器具。
  4. 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記スライドチューブは、前記ステント収納用筒状部材の前記小径部の基端部を被包している請求項2または3に記載の生体器官拡張器具。
  5. 前記生体器官拡張器具は、前記スライドチューブ内に収納されかつ該スライドチューブとともに移動するリング状部材を備え、前記牽引ワイヤは、前記リング状部材に固定されている請求項2ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  6. 前記スライドチューブは、前記リング状部材を非固定状態にて収納するとともに回動を許容し、かつ軸方向への移動を実質的に阻止するリング状部材保持部を備えている請求項5に記載の生体器官拡張器具。
  7. 前記硬質材料製筒状基端部材は、平滑内面を有する金属製筒状部材である請求項1ないし6のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  8. 前記硬質材料製筒状基端部材は、基端部内面にエッジを持たないものとなっている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  9. 前記ステント収納用筒状部材は、該ステント収納用筒状部材の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部と、該突出部と前記ステント収納用筒状部材の内面間により形成される空隙部とを備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記空隙部内に侵入し、該空隙部において前記ステント収納用筒状部材に固定されている請求項1ないし8のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  10. 前記基端側チューブの基端部には、前記牽引ワイヤを巻き取り、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備える操作部を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  11. 前記操作部は、操作部ハウジングを備え、前記牽引ワイヤ巻取機構は、前記操作部ハウジングより露出する部分を有する操作用回転ローラを備え、該回転ローラを回転させることにより前記牽引ワイヤを基端側にて巻き取るものである請求項10に記載の生体器官拡張器具。
  12. 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を備えている請求項10または11に記載の生体器官拡張器具。
  13. 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機能の前記牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている請求項10ないし12のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  14. 前記牽引ワイヤ巻取機構は、操作用回転ローラと、該操作用回転ローラと同軸的かつ一体的に設けられるとともに、該操作用回転ローラ部より小径の巻取シャフト部を備え、該巻取シャフト部に前記牽引ワイヤの基端部が固定されている請求項10ないし13のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
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