以下、本発明の最良の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
〈遊技台の第1実施形態〉
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技台としてのパチンコ機1000Aの外観を示す正面図である。
パチンコ機1000Aの遊技盤100には、ほぼ円形に配設された外レール210及び内レール220によって遊技領域300が形成され、この遊技領域300の上方には天ランプ410が配置されている。また、遊技領域300の下方には、パチンコ球を溜めておく球皿420が配置され、球抜きレバー430を操作することによって球皿420の球貯留部に貯留された遊技球を抜き出すことができる。更に、球皿420の側方には、パチンコ球を発射し、飛距離を調整する発射ハンドル440が配置してある。
遊技領域300の適所には、遊技球が衝接することで流下方向に変化を与える遊技球衝接体として風車310や障害釘320が適宜配設され、遊技球の流下を予測し難い不規則なものとする。また、遊技領域300には、複数の入賞口330を適所に配置し、これら一般入賞領域としての入賞口330に遊技球が入賞すると、特典として所定数の遊技球が遊技者に与えられる。
遊技領域300には、この他にも種々の遊技具や遊技装置が設けられ、多様な入賞領域が形成されている。遊技領域300の略中央には、比較的大型の遊技装置である中央役物装置500Aが配設され、この中央役物装置500Aは、盤面より後方に窪む凹室構造であり、大型の液晶表示器等で構成した可変表示装置510の表示部が前面に臨み、凹室底部は遊技球が転動可能なステージ520を構成し、一方の側壁(例えば、パチンコ機1000Aの正面に向かって左側の側壁)に設けたワープ通路構成体530Aを介して遊技領域300から導入された遊技球がステージ520上を転動する。
中央役物装置500Aの左右には普通図柄始動ゲート331が配設され、中央役物装置500Aの下方には、特別図柄始動口332、可変入賞口333、大入賞口334、アウト口340が、上下に並んで配設されている。更に、遊技領域300の右側下方には、特別図柄表示器350及び特別図柄保留ランプ360、普通図柄表示器370及び普通図柄保留ランプ380、が配設されている。なお、前記特別図柄表示器350及び普通図柄表示器370は、いわゆる7セグメント式表示器やドットマトリクス表示器等によって構成し、数字や記号等を可変表示できるものである。
次に、上記構成のパチンコ機1000Aにおける遊技の概略を説明する。遊技者が発射した打球は、外レール210及び内レール220により形成された発射球通路から球戻り防止部材230を押し開いて、遊技領域300へ飛入する。遊技領域300に飛入した打球は、その発射勢や遊技球衝接体への衝接状態に応じて、遊技領域300の下方へ流下して行く。
そして、遊技球が運良く普通図柄始動ゲート331を通過し、この球がセンサによって検出されると、普通図柄表示器370が作動する。この普通図柄表示器370の可変表示が停止したとき、その停止態様が所定の態様、例えば「7」が停止表示されると、当りとなって、可変入賞口333が作動し、球が入賞し易い状態に変化する。なお、普通図柄始動ゲート331の通過は、所定数、例えば4個まで記憶され、普通図柄保留ランプ380によって表示される。
一方、遊技領域300を流下する打球が、特別図柄始動口332へ入球し、この球がセンサによって検出されると、特別図柄表示器350が作動する。なお、特別図柄表示器350の表示動作は、より演出性の高い表示内容として、可変表示装置510に表示させる。そして、特別図柄表示器350の停止表示態様(実質的には、可変表示装置510における停止表示態様)が所定の態様になると、いわゆる大当りとなって、大入賞口334が開放され、大入賞口334へ入球し易い特定遊技状態(大当り状態)になる。この特定遊技状態においては、大入賞口334を一定時間(例えば、29秒)が経過するまで、又は所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開放(このような開放を以下開放サイクルという)し、この開放サイクル中に継続権が発生することを条件として所定回数(例えば、16回)の開放サイクルを繰り返すことで、遊技者は効率良く賞球を獲得できる。
なお、特別図柄始動口332への入球は、所定数、例えば4個まで記憶され、特別図柄保留ランプ360によって表示されるが、この特別図柄始動口332への入球数の保留記憶は、遊技者にとって関心の高い情報であるから、例えは、遊技者の視認性が高い中央役物装置500Aにも特別図柄保留ランプ540を設け、特別図柄始動口332への入球数の保留記憶を効果的に表示できるようにした。この保留記憶数が上限値(例えば4つ)に達すると、その後に特別図柄始動口332へ入球しても保留記憶には加算されず、入球に対する賞球が与えられるだけになるので、遊技者の判断により、保留記憶が減数されるまで発射操作を中断するような遊技進行を行い易くなる。
次に、中央役物装置500Aの詳細構造を図2および図3に基づいて説明する。図2(a)は中央役物装置500Aにおけるステージ520とワープ通路構成体530Aの斜視図、図2(b)はワープ通路構成体530Aの斜視図、図3(a)は図2(b)におけるIIIA−IIIA矢視断面図、図3(b)は図2(b)におけるIIIB−IIIB矢視断面図である。
ステージ520は、その上面が遊技球の転動する球転動面520aであり、中央後部に設けた案内入口521に入った遊技球は、図示を省略した案内通路を通ってステージ520の前面中央に開設した案内出口522から出る。この案内出口522は、特別図柄始動口332の直上方に位置するので、案内出口522から出て遊技領域300を再び流下する遊技球は、高い確率で特別図柄始動口332へ入賞する。なお、ステージ520の球転動面520aは、案内入口521に入らなかった遊技球が自然流下して前端縁から落ちて再び遊技領域300へ戻るような曲面形状になっている。
ワープ通路構成体530Aは、遊技球が流入可能なワープ入口530aが開設されて略下方に遊技球を流下させる球流路が形成される導入部531と、該導入部531を経て流下してきた遊技球を第1球通路532aもしくは第2球通路532bの何れかに振り分けて通過させる振分部532と、該振分部532の最下流へ到達した遊技球をステージ520へ導出するワープ出口530bが開設された導出部533から構成される。このワープ出口530bは、ステージ520の後部に遊技球を導出する位置に開設することで、ワープ出口530bから球転動面520a上へ導出された遊技球は、遊技領域300からステージ520へ飛入した遊技球よりも、案内入口521へ入り易い。
導入部531から導入された遊技球が導出部533へ通過可能な案内領域として機能する振分部532には、第1球通路532aと第2球通路532bを区画する縦板状の振分部材532cを設けてあり、導入部531から落下してきた遊技球は、この振分部材532cによって区画された第1球通路532aもしくは第2球通路532bを通って下流へと流下することとなる。なお、この振分部材532cの突出高さは低く抑えてあるので(例えば、遊技球の直径程度)、導入部531から落下してきた遊技球が振分部532の底壁に当たって弾み、第1球通路532aから第2球通路532bへ移行したり、逆に第2球通路532bから第1球通路532aへ移行したりすることもある。
しかして、導入部531における第2球通路532bの底壁適所には、特定球導入手段600Aの特定球通路601(例えば、鉛直下向きの流路から後方へ屈曲する略L字状の通路)へ遊技球を導入する導入部たる特定球導入口601aを開設してあり、第2球通路532bを下流側へ流下して行く遊技球が特定球導入口601aから特定球通路601へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される。
すなわち、この特定球導入手段600Aは、振分部532における第2球通路532bを通過する遊技球を特定球として導入することができるのである。なお、振分部532に設ける球通路は2つに限定されるものではなく、3つ以上の球通路を設け、これら球通路の何れか1つの球通路を通過する遊技球を特定球として導入できるように特定球導入手段600Aを設けても良い。或いは、複数の特定球導入手段600Aを各々異なる球通路に設けるようにしても良い。
また、特定球導入手段600Aに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。なお、特定球導入手段600Aに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
さらに、本構成例のワープ通路構成体530は、透光性素材で形成し、遊技機1000Aの前面側から導入部531および振分部532を見えるようにし、ワープ通路構成体530Aを透かして遊技球が特定球導入手段600Aの特定球導入口601aより導入されるところを、遊技者が見ることも可能である。但し、ワープ通路構成体530Aは、その内部の視認性を低減させるように、半透明や色付きの樹脂素材を用いて可視光の透過率を抑制したり、可視光を乱反射させる凹凸加工を表面に施したりしておく。すなわち、ワープ通路構成体530A自体を視認性低減手段として機能させるのである。
このように、特定球導入手段600Aにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定球導入口601aに入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。加えて、ワープ導入口530aから連続して遊技球が導入された場合など、どの遊技球がどの球通路に振り分けられたか判じ難く、遊技球が特定球導入口601aに入ったかどうか視認できないため、それだけ特定球導入手段600Aへの特定球導入に対する期待感を持たせることができる。また、振分部532を通過する遊技球が特定球導入手段600Aに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、振分部532を通過する遊技球が特定球導入手段600Aに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。
なお、視認性低減手段を構成するためには、ワープ通路構成体530Aの全体を半透明素材等で形成する必要はなく、特定球導入手段600Aにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に位置する前面部に、半透明樹脂等よりなる可視光透過率低減部材を用いることにより、視認性低減手段を構成しても良い。また、可視光透過率が比較的高い透明樹脂を用いてワープ通路構成体530Aを形成した場合であっても、視認性を低減したい部位における壁部を厚くすることで、透明度を低下(可視光の透過率を低減)させることができ、視認性低減手段を実現することが可能である。
〈制御ブロック〉
次に、図4を用いて、パチンコ機1000Aの制御部の回路構成について説明する。パチンコ機1000Aの制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部701と、主制御部701より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部751と、から構成されている。
主制御部701は、CPU713、ROM714、RAM715、I/O716、カウンタタイマ717を備える基本回路712、水晶発振器711、カウンタ回路718、センサ回路719、表示回路721,723,725、ソレノイド回路727、情報出力回路737を備えている。そして、この水晶発振器711及びカウンタ回路718により基本回路712の内部クロックを生成している。
副制御部751は、CPU763、ROM764、RAM765、I/O766、カウンタタイマ767を備える基本回路762、水晶発振器761、音源IC770、表示回路772を備えている。
前記した遊技盤100に配置された各種始動口、入賞口、ゲート、可変入賞口、大入賞口等に設けた各種センサ720(本実施形態においては、特定球導入手段600Aの特定球検出器602を含む)が、センサ回路719を介して基本回路712に接続されている。例えば、特別図柄始動口332に遊技球が入賞した場合であれば、特別図柄始動口332に設けた球検出センサ(各種センサ720の一例)が遊技球の通過を検出し、センサ回路719に信号を出力し、信号を入力したセンサ回路719は基本回路712に信号を出力する。
また、特別図柄表示部722は、表示回路721を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した特別図柄表示器350が制御される。普通図柄表示部724は、表示回路723を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した普通図柄表示器370が制御される。後述する特図関連処理S205で特別図柄表示部722を変動表示すると決定した場合には、後述するポート出力S208で特別図柄表示器350に出力するべき信号の内容を決定し、基本回路712のCPU713はI/O716及び表示回路721を介して必要な信号を特別図柄表示部722に出力する。
特別図柄保留ランプ360、普通図柄保留ランプ380や球抜きレバー430が内蔵する照明装置等の各種状態表示部726は、表示回路725を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。大入賞口334や可変入賞口333に設けた各種ソレノイド728は、ソレノイド回路727を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。例えば、後述する特図関連処理S205で大入賞口334を開放する場合には、後述するポート出力S208で大入賞口を開閉駆動するソレノイド728を開放駆動する信号を生成し、基本回路712のCPU713はI/O716及びソレノイド回路727を介して生成した信号をソレノイド728に出力する。
LCD769は、副制御部751とは別基板構成で、液晶制御回路768に接続され、この液晶制御回路768は、更に基本回路762に接続されて、CPU763により制御される。なお、このLCD769は、前記した可変表示装置510が備えるものであり、副制御部751のCPU763からの制御信号に基づいて図柄や演出用キャラクタ等を表示する。
スピーカ771は、CPU763の制御下に音源IC770に基づいて効果音を発声する。また、遊技盤100に設けた天ランプ410等の各種ランプ773は、表示回路772を介して基本回路762に接続され、CPU763により制御される。
パチンコ機1000Aには、更に、球皿420から供給される球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられ、球の発射強度を遊技者に調節させる発射ハンドル440、及び該発射ハンドル440からの信号に応じた発射強度で駆動される発射モータ781が、発射制御部782を介して払出制御部791の制御下にある。また、発射制御部782には、球送り装置783が接続され、球皿420の球を打球発射装置へ1発づつ供給する。
また、払出制御部791には、払出装置792、払出センサ793が接続され、主制御部701からの払出個数命令信号により指定された個数の賞球を払出装置792から払い出す。また、過払い出し又は払い出し不足などの異常が発生していないかを確認するために払出センサ793により払い出し数をカウントする。なお、払出制御部791は、発射制御部782に接続され、打球発射装置を停止させる機能を有している。
更に、払出制御部791はインターフェース部794を介してパチンコ機1000Aとは別体のカードユニット2000と接続している。カードユニット2000からインターフェース部794を介して球貸し指令信号を受信した場合には直ちに、所定数(例えば25球)の貸し球を遊技者に払い出す。
主制御部701が備える情報出力回路737は、普通図柄表示部724、特別図柄表示部722に図柄を確定表示するごと、払出センサ803が賞球の通過を確認するごとに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路3000に出力している。
そして、パチンコ機1000Aには、電源制御部795が設けられ、各制御部や諸装置に電源を供給すると共に、電源電圧の低下や電断が発生した場合に、始動記憶や賞球数等の遊技情報をバックアップするために、主制御部701のRAM715及び払出制御部のRAMに主電源がオフの場合に電源を供給するバックアップ電源を備えている。
〈遊技制御処理〉
次に、図5によって、主制御部701による遊技制御処理の概要を説明する。図3(a)は、リセット割り込みに関するフローチャートであり、図3(b)は、タイマ割り込みに関するフローチャートである。
先ず、図3(a)において、パチンコ機1000Aに最初に電源を投入すると、ステップ101(以下、S101と略記する。)で、各ポートの初期化やメモリーのチェック等の初期設定を実行する。また、この初期設定における判定結果に基づく条件分岐により、以降の各処理へすすむ。
S102において、電源断から正常に復帰した場合には、S103で、電源が遮断される前の状態に復帰させる。
S104では、前述の初期化処理S101中に電源制御部871に設けたRAMクリアボタンが操作されていることを検出した場合、又は、電源が遮断される前のRAMに復帰させることが不可能と判断された場合に、RAMを強制的にクリアして、前回のデータを全て消去する。S105では、主制御部701に供給される電源の電圧が特定の値未満にまで低下した場合に、電源監視手段から電源異常信号が発生していないかを検出している。電源異常信号を検知した場合には、電断処理、例えばポートの初期化等を実行する。S106では、ソフト乱数を更新し、これらの処理をループする。
ソフト乱数には、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数カウンタの初期値を決定する、いわゆる初期値乱数のカウンタが含まれる。その他、特別図柄表示装置722において演出表示する時間を決定する乱数の初期値乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数用の乱数カウンタ等が含まれる。
RAMエラーであるS107においては、適正な遊技進行を期せないので、パチンコ機1000Aは非稼働状態のままとなる。
次に、図3(b)におけるタイマ割り込み処理について簡単に説明する。このタイマ割り込み処理は、パチンコ機1000Aにおける遊技の基本的制御を示すものである。
先ず、S201では、レジスタ退避処理として、レジスタの内容をRAMに退避させる。
S202では、入力ポート取得処理として、各入力ポートデータを取得する。例えば、普通図柄始動ゲート331や特別図柄始動口332等に設けたセンサの検出状態を取得するのである。
S203では、ソフト乱数更新処理を実行する。このソフト乱数更新は、前記したように、乱数の初期値、乱数のカウンタの更新に加え、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数のカウンタ、特別図柄表示装置722の演出表示する時間を決定する乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数カウンタを更新するものである。また、所定の乱数カウンタが初期値に達した場合には、その所定の乱数カウンタの値を、対応する初期値乱数カウンタの値に置き換えるものである。
S204では、入賞検出処理を実行して、始動口(特別図柄始動口332)や入賞口(入賞口330、可変入賞口333、大入賞口334)に入賞があるか否かを監視する。そして、入賞口に入賞があった場合には、賞球数をカウントアップする。具体的には、入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞口に対して予め定められた賞球数をRAM715に設けた賞球数カウンタに加算する。また、特別図柄始動口332に入賞があり、保留数が4未満の場合には、カウンタ回路718をラッチして、このカウンタ回路718からの出力値を特図大当乱数値として取得し、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる特図乱数カウンタ、特図演出タイマ乱数カウンタから、特図乱数値、特図演出乱数値を取得し、保留する。更に、普通図柄始動ゲート331を球が通過し、保留数が4未満の場合には、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる普図当乱数カウンタから、普図当乱数値を取得し、保留する。
S205では、特図関連処理を実行する。この特図関連処理では、特別図柄表示部722に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また大当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で特図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて特別図柄関連の処理を行なう。まず特図大当乱数値が所定の大当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には大当りフラグを立てる。すなわちRAM715の大当り判定結果記憶領域に、大当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、大当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。もし大当りフラグを立てた場合には、特図乱数値が特定の値である場合には、特別図柄表示部722を停止表示させ、大当り動作を開始・終了した後で、特別図柄表示部722が再度大当りしやすい確率変動状態にすることを示す情報をRAM715に記憶する。これを確変フラグを立てると呼ぶこととする。また特定の値で無い場合には、確率変動状態にしないことを示す情報をRAM715に記憶する。大当りフラグが立っているか否か、確変フラグが立っているか否か、および特図演出乱数値の値に基づいて特別図柄表示部722の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間を決定し、RAM715に記憶する。これを変動時間と呼ぶこととする。また、特図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
S206では、普図関連処理を実行する。この普図関連処理では、普通図柄表示部724に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で普図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて普通図柄関連の処理を行なう。まず普図当乱数値が所定の当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には当りフラグを立てる。すなわちRAM715の当り判定結果記憶領域に、当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。また、普図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
S207では、制御コマンド送信処理を実行する。制御コマンドは、払出コマンド及び演出コマンドを示す。払出コマンドについては、前述のS204の処理で賞球数がカウントアップされていれば、すなわちRAM715に設けた賞球数カウンタがゼロでなければ、その賞球数カウンタの値を払出コマンドに含めて、払出制御部801に送信する。その払出コマンドを受信した払出制御部801は、そのコマンドに含まれる賞球数分払出されるように払出装置802を駆動制御する。演出コマンドは、前述の変動時間などを含むコマンド、変動停止コマンド、副制御部751に送信する。具体的には、主制御部701は大当りフラグ、確変フラグ、および変動時間の値を含む信号を副制御部751に出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に図柄の変動表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で変動時間を経過したことを示す情報をRAM715に書き込んだ次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、変動停止の処理を開始する。すなわち副制御部751に変動を停止させることを指令する情報を含んだ信号を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に特別図柄が停止したことを演出する画像の表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で大当りを開始するタイミングに設定された次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、大当り処理を開始する。すなわち副制御部751に大当りを開始することを示す情報を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に大当り開始を演出する画像の表示を開始する。
S208では、ポート出力処理を実行する。このポート出力処理では、各種表示器(例えば、特別図柄表示部724や普通図柄表示部724など)の表示制御信号、大入賞口334の扉や可変入賞口333の羽根を開閉駆動するソレノイド728を開駆動または閉駆動するための信号を出力するとともに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路3000に外部信号の出力制御をする。
S209では、タイマ更新処理を実行する、このタイマ更新処理では、前述の特図関連処理S205で決定した変動時間の経過を監視し、経過すると所定の停止表示時間の経過の監視を行う。この所定の停止表示時間が経過すると、大当たりフラグが立っている場合には、大当たり動作の各時間(例えば、大当たり開始前インターバル、大入賞口開放時間、大入賞口閉鎖時間、大当たり終了インターバル)の経過の監視を行う。また大当たりフラグが立っていない場合には所定の抽選間隔時間の監視を行い、所定の抽選間隔時間が経過すると次の特別図柄変動開始可能な状態とする。普通図柄表示部、可変入賞口に関しても同様の処理を行なう。
S210では、レジスタ復帰処理を実行する。即ち、前記したS201のレジスタ退避処理で退避させたデータをレジスタに再度書き込む。
〈遊技台の第2実施形態〉
次に、前述した遊技台の第1実施形態であるパチンコ機1000Aとは異なる態様で特定球導入手段と視認性低減手段を実装した第2実施形態に係るパチンコ機1000Bについて、図6〜図8に基づいて説明する。
図6は、パチンコ機1000Bの正面図で、前述したパチンコ機1000Aと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。第2実施形態に係るパチンコ機1000Bでは、中央役物装置500Bのステージ520Bを視認性低減手段として用い、このステージ520Bに対して特定球導入手段600Bを設ける。なお、ワープ通路構成体530はワープ入口530aから導入された遊技球を確実にワープ出口530bへ導くワープ通路を形成するものであり、その内部に遊技球の通過路を振り分ける構造は持たない。
図7(a)は、中央役物装置500Bにおけるステージ520Bとワープ通路構成体530の斜視図、図7(b)はステージ520Bにおける案内入口521から案内出口522へ至る案内通路523の部分拡大斜視図、図8(a)は図7(b)におけるVIIIA−VIIIA矢視断面図、図8(b)は図7(b)におけるVIIIB−VIIIB矢視断面図である。
ステージ520Bは、その全体、もしくは、案内通路523の形成部分を透光性合成樹脂等で形成することにより、遊技機1000Bの前面側から案内通路523を透かして見えるようにする。このように、遊技者から視認可能な案内通路523は、案内入口521から遊技球が入ってくる上流部と案内出口522から遊技球が排出される下流部との間に、例えば、縦板状の振分部材524を突設することで、案内通路523を二分岐させる。すなわち、案内入口521より案内通路523内に入った遊技球は、振分部材524によって第1通過部523aと第2通過部523bの何れかを通ることとなる。
しかして、案内通路523における第2通過部523b(例えば、遊技機1000B正面よりステージ520Bを見下ろしたときに右側となる球通路)の底壁適所には、特定球導入手段600Bの特定球通路601(例えば、鉛直下向きの流路から後方へ屈曲する略L字状の通路)へ遊技球を導入する導入部たる特定球導入口601aを開設してあり、第2通過部523bを下流側へ流下して行く遊技球が特定球導入口601aから特定球通路601へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される。
すなわち、この特定球導入手段600Bは、案内通路523における第2通過部523bを通過する遊技球を特定球として導入することができるのである。なお、案内通路523は、2つの通過部へ分岐する構造に限定されるものではなく、3つ以上の通過部を設け、これら通過部の何れかを通過する遊技球を特定球として導入できるように特定球導入手段600Bを設けても良い。或いは、複数の特定球導入手段600Bを各々異なる通過部に設けるようにしても良い。
また、特定球導入手段600Bに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。なお、特定球導入手段600Bに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
そして、特定球導入手段600Bの特定球導入口601aを底壁に開口させた第2通過部523bと、特定球導入口601aを設けていない第1通過部523aとを有する案内通路523を構成するステージ520Bは、透光性合成樹脂で形成するので、遊技機1000Bの前面側から球転動面520aを透かして、遊技球が特定球導入手段600Bの特定球導入口601aより導入されるところを、遊技者が見ることも可能である。但し、案内通路523は、その視認性を低減させるように、半透明や色付きの樹脂素材を用いて可視光の透過率を抑制し、視認性低減手段として機能させるのである。
このように、本実施形態のパチンコ機1000Bにおいても、特定球導入手段600Bにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定球導入口601aに入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。加えて、ステージ520Bの案内入口521から連続して遊技球が案内通路523へ入った場合など、どの遊技球がどの通過部に振り分けられたか判じ難く、遊技球が特定球導入口601aに入ったかどうか視認できないため、それだけ特定球導入手段600Bへの特定球導入に対する期待感を持たせることができる。また、案内通路523の第2通過部523bを通過する遊技球が特定球導入手段600Bに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、振分部532を通過する遊技球が特定球導入手段600Bに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第3実施形態〉
次に、第3実施形態に係るパチンコ機1000Cについて、図9および図10に基づいて説明する。本実施形態に係るパチンコ機1000Cは、特定球導入手段と視認性低減手段を併せて実装した振分装置390Cを備える。
図9は、パチンコ機1000Cの正面図で、前述したパチンコ機1000A,1000Bと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。第3実施形態に係るパチンコ機1000Cでは、振分装置390Cの前面パネル391Cが遊技盤100の表面と略面一となるようにし、この前面パネル391Cの適所に設けた振分導入口392に入った遊技球は、導入路393によって振分装置390Cの底壁394に配設した振分凹部395へ導入される(図10を参照)。
上記振分凹部395は浅い擂り鉢状の凹面を備え、この凹面に複数の振分口396を開設することで、振分凹部395を転動する遊技球は、何れかの振分口396に入り、導出路397によって遊技盤100の後方へ導かれて適宜処理される。すなわち、振分装置390Cは、遊技球を複数の振分口396の何れかに振り分ける振分手段として機能するのである。
しかして、振分装置390Cの振分凹部395の適所には、特定球導入手段600Cの特定球通路601(例えば、鉛直下向きの流路から後方へ屈曲する略L字状の通路)へ遊技球を導入する導入部たる特定球導入口601aを特別な振分口として設け、振分凹部395を転動する遊技球特定球導入口601aから特定球通路601へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される。
すなわち、この特定球導入手段600Cは、振分装置390Cの振分凹部395において特定球導入口601aに振り分けられた遊技球を特定球として導入することができるのである。なお、振分凹部395に設ける振分口395や特定球導入口601aの開設数は開設位置は特に限定されるものではなく、特定球の発生頻度を適切に調整できるようにすれば良い。また、特定球導入口601aを除く振分口395の中に序列を設け、例えば、ある振分口395に遊技球が振り分けられると入賞球として賞球を払い出し、ある振分口395に入ると外れ球として扱うようにしても良い。
また、特定球導入手段600Cに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。なお、特定球導入手段600Cに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
そして、特定球導入手段600Cの前面パネル391Cは、透光性合成樹脂で形成するものとし、遊技機1000Cの前面側から前面パネル391Cを透かして、振分凹部395で遊技球が特定球導入手段600Cの特定球導入口601aより導入されるところを、遊技者が見ることも可能である。但し、前面パネル391Cは、その視認性を低減させるように、半透明や色付きの樹脂素材を用いて可視光の透過率を抑制し、視認性低減手段として機能させるのである。
このように、本実施形態のパチンコ機1000Cにおいても、特定球導入手段600Cにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定球導入口601aに入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。加えて、複数の振分口395と併せて特定球導入口601aを設けるので、遊技球がどのように振り分けられたかを確認し難いため、それだけ特定球導入手段600Cへの特定球導入に対する期待感を持たせることができる。また、振分装置390Cで振り分けられる遊技球が特定球導入手段600Cに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、振分凹部395で遊技球が特定球導入手段600Cに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第4実施形態〉
次に、第4実施形態に係るパチンコ機1000Dについて、図11および図12に基づいて説明する。本実施形態に係るパチンコ機1000Dは、特定球導入手段と視認性低減手段を併せて実装した振分装置390Dを備える。
図11は、パチンコ機1000Dの正面図で、前述したパチンコ機1000A,1000B,1000Cと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。第4実施形態に係るパチンコ機1000Dでは、振分装置390Dの前面パネル391Dが遊技盤100の表面と略面一となるようにし、この前面パネル391Dの適所に設けた振分導入口392に入った遊技球は、導入路393によって振分装置390Dの底壁394に配設した振分凹部395へ導入される(図12を参照)。
上記振分凹部395は浅い擂り鉢状の凹面を備え、この凹面に複数の振分口396を開設することで、振分凹部395を転動する遊技球は、何れかの振分口396に入り、導出路397によって遊技盤100の後方へ導かれて適宜処理される。すなわち、振分装置390Dは、遊技球を複数の振分口396の何れかに振り分ける振分手段として機能するのである。
しかして、振分装置390Dの振分凹部395の適所には、特定球導入手段600Dの特定球通路601(例えば、鉛直下向きの流路から後方へ屈曲する略L字状の通路)へ遊技球を導入する導入部たる特定球導入口601aを特別な振分口として設け、振分凹部395を転動する遊技球特定球導入口601aから特定球通路601へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される。
すなわち、この特定球導入手段600Dは、振分装置390Dの振分凹部395において特定球導入口601aに振り分けられた遊技球を特定球として導入することができるのである。なお、振分凹部395に設ける振分口395や特定球導入口601aの開設数は開設位置は特に限定されるものではなく、特定球の発生頻度を適切に調整できるようにすれば良い。また、特定球導入口601aを除く振分口395の中に序列を設け、例えば、ある振分口395に遊技球が振り分けられると入賞球として賞球を払い出し、ある振分口395に入ると外れ球として扱うようにしても良い。
また、特定球導入手段600Dに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。なお、特定球導入手段600Dに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
そして、特定球導入手段600Dの前面パネル391Dは、透明度の高い透光性合成樹脂で形成するものとし、遊技機1000Dの前面側から前面パネル391Dを透かして、振分凹部395で遊技球が特定球導入手段600Dの特定球導入口601aより導入されるところを、遊技者が見ることも可能である。但し、前面パネル391Dは、その視認性を低減させるように、例えば、縦ストライプ状の可視領域391aと不可視領域391bを交互に形成(例えば、不透明インクで不可視領域391bに相当する模様をパネル表面に印刷)して可視光の透過率を抑制し、視認性低減手段として機能させるのである。
なお、本構成例として示した振分装置500Dの前面パネル391Dにおいては、可視領域391aと不可視領域391bの面積比をほぼ等しくすることで、可視光透過率を約50%としたが、可視領域391aと不可視領域391bとの相対比率を適宜変更することにより、視認性を微調整することが可能である。また、可視領域391aと不可視領域391bの形状も特に限定されるものではなく、横ストライプ状でも良いし、ドットパターン形状でも良い。また、本構成例の前面パネル391Dにおいては、ほぼ透明と看做し得る可視光透過率の極めて高い領域を可視領域391a、ほぼ不透明と看做し得る可視光透過率の極めて低い領域を可視領域391bとしたが、これに限定されるものではなく、相対的に可視光透過率の高い領域と可視光透過率の低い領域との対比で視認性低減手段として機能させても構わない。更には、可視光透過率が夫々異なる3種類以上の領域を組み合わせて視認性低減手段として機能させても構わない。
このように、本実施形態のパチンコ機1000Dにおいても、特定球導入手段600Dにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定球導入口601aに入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。加えて、複数の振分口395と併せて特定球導入口601aを設けるので、遊技球がどのように振り分けられたかを確認し難いため、それだけ特定球導入手段600Dへの特定球導入に対する期待感を持たせることができる。また、振分装置390Dで振り分けられる遊技球が特定球導入手段600Dに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、振分凹部395で遊技球が特定球導入手段600Dに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第5実施形態〉
次に、第5実施形態に係るパチンコ機1000Eについて、図13および図14に基づいて説明する。本実施形態に係るパチンコ機1000Eは、上面開放ポケット状の特定入賞口603を用いて構成した特定球導入手段600Eを設けると共に、特定入賞口603の視認性を低減させるように視認性低減手段810Eを設けたものである。
図13は、パチンコ機1000Eの正面図で、前述したパチンコ機1000A〜1000Dと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。第5実施形態に係るパチンコ機1000Eでは、特定入賞口603に入った遊技球が、特定球導入手段600Eの特定球導入口601aから特定球通路601(例えば、後方へ下り傾斜する流路から下方へ屈曲する逆L字状の通路)へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される(図14を参照)。
特定球導入手段600Eに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。すなわち、特定球導入部である特定入賞口603を、特別図柄始動入賞口として機能させるのである。なお、特定球導入手段600Eに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
そして、特定入賞口603の前面側に配置する板状の視認性低減部材811と、この視認性低減部材811を盤面に保持する支持部材812によって視認性低減手段810Eが構成される。この視認性低減部材811は透光性素材で形成し、遊技機1000Eの前面側から視認性低減部材811を透かして特定入賞口603を見えるようにするが、その内部の視認性を低減させるように、半透明や色付きの樹脂素材を用いて可視光の透過率を抑制したり、可視光を乱反射させる凹凸加工を表面に施したりしておく。なお、遊技盤100の前面側に配置されるガラス板440の内面側適所に半透明シートを貼ることで、特定入賞口603の視認性を低減する視認性低減手段としても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1000Eにおいても、特定球導入手段600Eにおける特定入賞口603と遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定入賞口603に入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。また、遊技球が特定球導入手段600Eに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、視認性低減部材811の奥で遊技球が特定球導入手段600Eに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第6実施形態〉
次に、第6実施形態に係るパチンコ機1000Fについて、図15〜図17に基づいて説明する。本実施形態に係るパチンコ機1000Fは、特定球導入手段600Fの球導入部を遊技盤100の盤面に直接設け、その近傍に配置した回転体たる風車820Fを視認性低減手段としたものである。
図15は、パチンコ機1000Fの正面図で、前述したパチンコ機1000A〜1000Eと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。図16は、風車820Fの裏面側斜視図で、図17は、特定球導入手段600Fと風車820Fの構成説明図である。第5実施形態に係るパチンコ機1000Fでは、特定球導入手段600Fの特定球導入口601aが遊技盤100の表面に開口しているため、普通に上方から流下してくる遊技球が特定球導入口601aへ導入される可能性は極めて低いものの、特定球導入口601aから特定球通路601(例えば、後方へ下り傾斜する流路から下方へ屈曲する逆L字状の通路)へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される。
なお、特定球導入手段600Fに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。すなわち、特定球導入部である特定球導入口601aを、特別図柄始動入賞口として機能させるのである。なお、特定球導入手段600Fに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
一方、風車820Fは、遊技盤100に対して回動自在に軸支するための軸部821に等角度間隔で配置した3枚の衝突片822を備えると共に、その前面側に視認性低減部たる略円形状の前面装飾板823を配置したものである。なお、特定球導入口601aの前面側に前面装飾板823が位置するように配設する風車820Fは、透光性の素材にて形成することで、前面装飾板823および衝突片822を透かして、遊技盤100の表面に開口する特定球導入口601aを視認できるが、その視認性を低減させて視認性低減部とするために、着色した透光性樹脂素材を用いたり、前面装飾板823の板厚を厚くしたり、或いは、前面装飾板823の表面に可視領域と不可視領域を形成する装飾印刷を施したり、装飾シートを貼ったりする。また、透光性樹脂性の前面板に金属を被せて前面装飾板とする場合には、金属板にスリット状の孔やドット状の孔等を適宜に開設しておくことにより、不可視である金属板に可視領域を生ぜしめることができ、視認性低減部として用いることができる。このように、衝突片の前面側に設けた視認性低減部を特定球導入口601aの前方に位置させることで、風車820Fを視認性低減手段として機能させることができる。
さらに、風車820Fの衝突片823は、流下してきた遊技球が風車820Fをα方向(パチンコ機1000Fに向って反時計方向)へ回転させるように衝突したとき、その遊技球を後方へ導くような曲面を呈する後方誘導面822aを備える。また、遊技球導入手段600Fの特定球導入口601aは、風車820Fの軸部821を通る仮想的な鉛直面よりもパチンコ機1000Fに向って左側へ寄せた位置に設けることで、風車820Fに絡んだ遊技球が衝突片823から外れて自然流下するようになる前に特定球導入口601aの配設位置へ到達できるようにする。
すなわち、風車820Fをα方向へ回転させるように衝突片823に衝突した遊技球は、後方誘導面822aによって後方(遊技盤100の表面)へ導かれ、風車820Fの回転に伴って特定球導入口601aの前面側まで来ると、円滑に特定球導入手段600Fの特定球通路601へ導入されることとなる。なお、流下してきた遊技球が風車820Fをβ方向(パチンコ機1000Fに向って時計方向)へ回転させるように衝突した場合、その遊技球は後方誘導面822aが形成されていない面に当たることとなるため、後方へは誘導されないし、特定球導入口601aの開口位置へ至る前に風車820Fから離れて行くこととなり、特定球導入手段600Fに特定球として導入される可能性は極めて低い。
このように、本実施形態のパチンコ機1000Fにおいても、特定球導入手段600Fにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定球導入口601aに入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。また、遊技球が特定球導入手段600Fに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、風車820Fの後方で遊技球が特定球導入手段600Fに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第7実施形態〉
次に、第7実施形態に係るパチンコ機1000Gについて、図18〜図19に基づいて説明する。図18は、パチンコ機1000Gの正面図で、前述したパチンコ機1000A〜1000Fと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るパチンコ機1000Gは、中央役物装置500Gのステージ520Gにおける球転動面520aの適所に振分領域525を設ける。この振分領域525には、アウト通路526のアウト口526aと併せて特定球導入手段600Gの球導入部たる特定球導入口601aを設けることで、振分領域525へ至った遊技球がアウト口526aもしくは特定球導入口601aに振り分ける振り分け手段として機能する。
そして、この振分領域525の前方には、所要形状の透光性板材である視認性低減部材527を立設し、視認性低減部材525を透かして、振分領域525に開口する特定球導入口601aおよびアウト口526aを視認できるが、その視認性を低減させるように、着色した透光性樹脂素材を用いたり、視認性低減部材525の板厚を厚くしたり、或いは、視認性低減部材525の表面に可視領域と不可視領域を形成する装飾印刷を施したり、装飾シートを貼ったりする。斯くすることで、視認性低減部材525を視認性低減手段として機能させることができる。
ステージ520Gにおける球転動面520aは、左右両側から中央に向かって窪む凹面形状であり、ステージ520Gの一側(例えば、パチンコ機1000Gに向って左側)に設けたワープ通路構成体530のワープ出口530bから導出された遊技球は、勢いよくステージ520Gの他側(パチンコ機1000Gに向って右側)に向って流下し易く、ここに振分領域525を設けてある。すなわち、ワープ出口530bから球転動面520a上へ導出された遊技球は、遊技領域300から球転動面520aへ飛入した遊技球よりも、振分領域525へ到達し易いのである。なお、ステージ520Gの球転動面520aは、全体が前方へ緩やかに傾斜するものとし、振分領域525にて特定球導入口601aもしくはアウト口526aに入らなかった遊技球は、ステージ520Gの前端から落下し、再び遊技領域300を流下することとなる。
さらに、本実施形態のパチンコ機1000Gにおいては、ワープ出口530bから球転動面520a上へ導入された遊技球が振分領域525へ向けて通過することを阻止する状態と、通過することを妨げない状態とに変換可能な通過阻止手段550を設けてある。この通過阻止手段550は、板状の阻止部材551の下部に取り付けたプランジャ552をソレノイド553が下方へ引き込んだ状態(例えば、図19(a)および図20(a)を参照)においては、阻止部材551の上端が球転動面520aと略面一となって、遊技球が振分領域525へ向けて通過することを妨げず、ソレノイド553がプランジャ552を押し上げた状態(図19(b)および図20(b)を参照)に変換すると、遊技球は阻止部材551によって振分領域525へ向うことを阻まれ、ステージ520Gの前縁から落下する可能性が高くなる。
すなわち、通過阻止手段550の阻止部材551が球転動面520aから突出した状態にあっては、ワープ出口530bから球転動面520a上へ導入された遊技球が振分領域525へ向うことを阻止され、特定球導入口601aに導入されて特定球となる可能性は殆ど無いが、通過阻止手段550の阻止部材551の上端が球転動面520aと略面一となっている状態にあっては、ワープ出口530bから球転動面520a上へ導入された遊技球が振分領域525へ向かうので、特定球導入口601aに導入されて特定球となる期待感を遊技者に持たせることができる。なお、通過阻止手段550の状態変換タイミングは特に限定されるものではなく、比較的短い周期(例えば、2〜3秒程度)で、変換動作を繰り返すようにしても良いし、所定の遊技条件(例えば、所定の入賞口への球入賞など)が達成されたときに、一定時間だけ通過阻止状態から通過可能状態へ変換させるようにしても良い。
上記振分領域525でアウト口526aに振り分けられた遊技球は、アウト通路526を経てアウト出口526bより遊技盤100裏面側へ導出され、遊技領域300の最下部に設けたアウト口340と同様にアウト球として回収処理される。一方、特定球導入手段600Gの特定球導入口601aに振り分けられた遊技球は、特定球通路601(例えば、鉛直下向きの流路から後方へ屈曲する略L字状の通路)へ導入されると、例えば、非接触式の通過センサで構成した特定球検出器602によって特定球として検出された後、特定球通路601の流下端である特定球導出口601bから導出され、図示を省略した球処理機構によって処理される。
特定球導入手段600Gに導入された特定球の扱いは、特に限定されるものではなく、一般の入賞球としても良いし、普通図柄始動入賞球としても良いが、本実施形態においては、特別図柄始動入賞球として扱うものとし、特定球検出器602が特定球を検出すると、始動入賞口332に入賞した場合と同様に、特別図柄表示器350を変動表示するゲームが開始されたり、特別図柄保留ランプ360,540に保留記憶として加算されたりする。なお、特定球導入手段600Gに導入された特定球に基づき開始される変動表示ゲームは、他の始動入賞口332に入賞した場合に行われるゲームよりも当り確率を高くした状態で行うようにしても良い。斯くすれば、他の始動口332に入賞しないで特別図柄保留ランプ360,540が点灯した場合(特定球検出器602により特定球が検出された場合)には、変動表示ゲームで当りとなる可能性が高いので、遊技者は期待感を持って遊技することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機1000Gにおいても、特定球導入手段600Gにおける特定球導入口601aと遊技者の視点との間に視認性低減手段が配置されることで、遊技球が特定球導入口601aに入るところが視認し難くなるので、遊技者を遊技に集中させることができる。加えて、振分領域525には特定球導入口601aと併せてアウト口526aを設けるので、遊技球がどのように振り分けられたかを確認し難いため、それだけ特定球導入手段600Gへの特定球導入に対する期待感を持たせることができる。また、振分領域525で振り分けられる遊技球が特定球導入手段600Gに特定球として導入されると、特別図柄表示器350によるゲームの開始や特別図柄保留ランプ360,540の保留記憶更新(ランプの追加点灯)により、遊技者は、振分凹部395で遊技球が特定球導入手段600Gに特定球として導入されたことを知るので、驚きと喜びを効果的に与えることができ、興趣を高めることができる。