JP2019177292A - 遊技機 - Google Patents

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Naoto Masuko
直人 益子
圭介 伏屋
Keisuke Fushiya
圭介 伏屋
大介 池田
Daisuke Ikeda
大介 池田
和也 下島
Kazuya Shimojima
和也 下島
志穂 原田
Shiho Harada
志穂 原田
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Abstract

【課題】遊技への注目度を好適に高めることができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ機は前面に遊技領域が形成された遊技盤を備えている。遊技盤には、開閉実行モードに移行することで遊技球が入球可能となる上側可変入球装置及び下側可変入球装置65が設けられている。下側可変入球装置65には、下側大入賞口65aに流入した遊技球を特別入球部353又は排出通路部317に振り分ける複数の振分部材352が配設されている。下側大入賞口65aと振分部材352との間には、下側大入賞口65aから流入した遊技球を貯留可能な複数の待機通路331と、これら待機通路331からの遊技球の流出を規制するシャッタ341とが配設されている。シャッタ341が規制状態から許容状態に切り替わることにより、各待機通路331に待機中の遊技球が振分部材352へ案内される。【選択図】 図5

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。
このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−071059号公報
しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を好適に高めることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
本発明は、
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に入った遊技球を第1所定部及び当該第1所定部とは異なる第2所定部へ振り分ける振分装置と、
前記第1所定部へ遊技球が到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記入球手段の入口部分と前記振分装置との間に設けられ、前記入球手段に入った複数の遊技球を貯留可能な貯留手段と、
前記貯留手段からの遊技球の流出を許容する許容状態及び当該流出を規制する規制状態に切替可能な切替手段と
を備え、
前記貯留手段は遊技機正面視にて並設された第1貯留部及び第2貯留部を有し、前記切替手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分装置に供給される構成となっており、
前記振分装置は、前記第1貯留部を通じて遊技球が供給される第1振分手段と、前記第2貯留部を通じて遊技球が供給される第2振分手段とを有し、前記第2貯留部を通じて前記第2振分手段に供給された遊技球は、前記第1貯留部を通じて前記第1振分手段に供給された遊技球よりも前記第1所定部へ案内されやすくなるように構成されており、
前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、前記第1貯留部にて貯留されている遊技球の数が上限数に達した場合に、後続の遊技球が前記第2貯留部側に案内されるように構成されており、
遊技機前方から見て前記第2貯留部の方が前記第1貯留部よりも視認がしやすくなるようにそれら第1貯留部及び第2貯留部の視認性に差違を付与する手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を好適に高めることができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)下側可変入球装置を構成する可変ユニットを示す正面図、(b)可変ユニットを示す側面図である。 (a)可変ユニットを正面側から見た斜視図、(b)可変ユニットを背面側から見た斜視図である。 可変ユニットを主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。 可変ユニットの内部構造を示す縦断面図である。 各振分部材の違いを示す概略図である。 (a)振分部材の動作に係る構成を示す概略図、(b)振分部材と回転周期との関係を示す概略図である。 可変ユニットの動きを示す動作説明図である。 可変ユニットの動きを示す動作説明図である。 第1の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための概略図である。 当否抽選用のテーブルを示す概略図である。 振分抽選用のテーブルを示す概略図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 継続抽選用処理を示すフローチャートである。 開閉実行モードにおける遊技の流れを示すタイミングチャートである。 継続抽選が行われる際の遊技球の動きを示す概略図である。 継続抽選が行われる際の遊技球の動きを示す概略図である。 (a)第2の実施の形態における待機通路への流入率と振分部材の受入部の数との関係を示す概略図、(b)第3の実施の形態における停留部を示す概略図である。 第4の実施の形態における停留部を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
(内枠13)
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65等の入球部への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65、スルーゲート66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路(以下、単に流路ともいう)が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に縦に並べて配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の直下に配置された作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、上側作動入球部62の下方に配置された作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、当該可動片を動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下作動口63a)への入球が可能な開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の側方となる位置には、上記スルーゲート66が配置されている。遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
下側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。高頻度サポートモード中は、投資を抑えながら(持ち球の減りを抑えながら)遊技を進めることができる。
可変表示ユニット67を挟んで作動入球部62,63とは反対側となる位置(可変表示ユニット67の上方)に上述した可変入球装置64が配設され、可変表示ユニット67よりも下側となる位置(作動入球部62,63の側方)に可変入球装置65が配設されている。以下の説明では、上側の可変入球装置64を「上側可変入球装置64」、下側の可変入球装置65を「下側可変入球装置65」と称する。なお、図4においては、下側可変入球装置65をドットハッチングを用いて簡略化して示している。
上側可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)64には上側大入賞口64aが形成され、当該上側大入賞口64aを開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。開閉機構は、上側大入賞口64a用の開閉部材としての開閉体64bを有してなる。開閉体64bは、遊技球の入球を許容される開状態(補助状態又は受入状態)と、開放状態よりも入球が困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、開閉体64bは可変入球駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉体64bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
また、下側可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)65には下側大入賞口65aが形成され、当該下側大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。開閉機構は、下側大入賞口65a用の開閉部材としての開閉体65bを有してなる。開閉体65bは、遊技球の入球を許容される開状態(補助状態又は受入状態)と、開放状態よりも入球が困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、開閉体65bは可変入球駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉体65bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置64,65の開放態様としては、例えば所定期間(本実施の形態においては30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては16ラウンド又は8ラウンド)を上限としてシャッタの開放が繰り返されるように設定されている。
本実施の形態では、遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67を右側から迂回する右ルート(1点鎖線参照)と、左側から迂回する左ルート(2点鎖線参照)に大別されている。ここで、各作動入球部62,63及び可変入球装置64,65の配置について補足説明する。左ルートに向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域へ、すなわち両作動入球部62,63へと誘導される。一方、右ルートに向けて遊技球が発射された場合には、当該遊技球が可変入球装置64,65に到達する。この際、可変入球装置64,65を素通りした遊技球は下側作動入球部63へと流下し、当該下側作動入球部63の下作動口63aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。
つまり、本実施の形態では、上側作動入球部62については右ルートへ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されており、可変入球装置64,65については左ルートへ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。故に、上側作動入球部62への入賞を狙う場合には左ルートを通るようにして遊技球を発射する必要があり、可変入球装置64,65への入賞を狙う場合には右ルートを通るようにして遊技球を発射する必要がある。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
センターフレーム76の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム76の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム76に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口62aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
センターフレーム76の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部77及び第2保留ランプ部78が設けられている。左側の第1保留ランプ部77は、上側作動入球部62に対応しており遊技球が上作動口62aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部77の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部78は、下側作動入球部63に対応しており、遊技球が下作動口63aを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部78の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
なお、上述した上側作動入球部62を狙う場合には、左ルートを経由させる必要があり、右ルートを流下する遊技球は上側作動入球部62に入賞することが回避される。また、詳細については後述するが上側作動入球部62よりも下側作動入球部63の方が特別遊技状態の振分抽選等が優遇されている。下側作動入球部63の電動役物71が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤60において遊技領域PEの外となる部分には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部と、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部とを有してなる。
上側作動入球部用表示部では、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果(大当たり結果)であった場合には、上側作動入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部では、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果(大当たり結果)であった場合には、下側作動入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が設けられている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数表示部が設けられている。
これら表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、同各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット15)
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(下側可変入球装置65)
本実施の形態においては、開閉実行モードとなることで入球が許容される上記下側可変入球装置65及びそれに関連する構成が特徴的なものとなっている。下側可変入球装置65は、下側可変入球装置65の上流部分を構成し下側大入賞口65aへの入球の可否に係る入球ユニット250と、下側可変入球装置65の下流部分を構成し下側大入賞口65aへ入球した遊技球を用いて遊技進行に係る抽選(詳しくは後述するラウンド継続抽選)を行う抽選ユニット300とが組み合わされてなる。以下、図4〜図8に基づき下側可変入球装置65(特に抽選ユニット300)に関する構成について補足説明する。図5(a)は下側可変入球装置65を示す正面図、図5(b)は抽選ユニット300の側面図、図6(a)は抽選ユニット300の正面斜視図、図6(b)は抽選ユニット300の背面斜視図、図7は抽選ユニット300を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図、図8は抽選ユニット300の内部構造を示す断面図である。なお、説明の便宜上、図5(b)以外の各図においては、下側可変入球装置65の前面部を構成するカバー体の図示を省略している。
図4に示したように入球ユニット250の下側大入賞口65aは遊技盤60の幅方向に左右に延びる横長状をなすように構成されており、右ルートを流下する遊技球の上記幅方向における流入箇所のばらつきが許容されている。図5(a)に示すように、下側大入賞口65aに流入した遊技球は、入球ユニット250に形成された流入通路251を経て抽選ユニット300に案内される。
流入通路251の途中位置には、下側大入賞口65aに流入した遊技球を検知する上流側検知センサ255が配設されている。上流側検知センサ255は主制御装置162に接続されており、下側大入賞口65aへの入球が発生した場合にはこの上流側検知センサ255から主制御装置162へその旨を示す検知情報が出力される。主制御装置162においては、入力された検知情報に基づいて下側大入賞口65aへの入球の有無を監視し、入球を確認した場合には所定数の遊技球(賞球)の払い出しを行う。また、既に説明したように開閉実行モードにおける下側可変入球装置65の閉鎖条件としては、入球数(10個)及び開放期間(30sec)の2つの条件が設定されている。これら閉鎖条件のうち前者については、上流側検知センサ255からの検知情報に基づいて確認されている入球数に基づいて成立の可否が判定される構成となっている。下側大入賞口65aに近づけて上流側検知センサ255を配置することにより、閉鎖条件成立に伴う閉状態への切り替えの応答性を向上し、上記入球数を超える入球(所謂オーバー入賞)の発生を抑制している。
流入通路251については、縦方向に延びており、その横幅が下側大入賞口65aと同等となるように構成されている。つまり、通路方向における同一高さ位置を複数の遊技球が同時に通過し得る横幅が確保されている。このため、下側大入賞口65aへ入球した遊技球は、当該下側大入賞口65aの幅方向における位置ばらつきが許容された状態で、抽選ユニット300へ移る。
図5(b)に示すように、抽選ユニット300は、遊技球の流路や駆動機構等の各種構成の収容部を構成する略箱状のハウジング301と、ハウジング301(詳しくは前面部311)を遊技機前方から覆うカバー体303とを有している。抽選ユニット300に設けられた流路の途中位置には、遊技球を排出通路部317と当該排出通路部317よりも遊技者に有利な特別入球部353とに振り分ける振分装置302が配設されている。振分装置302を経て排出通路部317又は特別入球部353に到達した遊技球については、下側可変入球装置65から排出され、遊技盤60の背面側に設けられた上記回収通路を経て遊技ホールの島設備に返却されることとなる。
これらハウジング301及びカバー体303については透明な合成樹脂材料によって形成されており、ハウジング301及びカバー体303を通じて下側可変入球装置65の内部(後述する停留部321や振分部材352等)が視認可能となっている。故に、下側可変入球装置65に流入した遊技球の流下先等の目視による確認が許容されている。
特別入球部353及び排出通路部317には、遊技球を検知する下流側検知センサが各々配設されている。主制御装置162においては、これら下流側検知センサからの検知情報に基づいて遊技球の振り分け先を把握する。詳細については後述するが、特別入球部353への入球が発生した場合には遊技者に有利な特典が付与され、遊技球が排出通路部317へのみ振り分けられた場合と比較して遊技進行が遊技者に有利となる。
ハウジング301(詳しくは前面部311)の上部には、流入通路251を通過した遊技球の振分装置302への案内路をカバー体303とともに形成する流路形成部320が設けられている。流路形成部320は前面部311の一部を後方に凹ませてなり、流路形成部320とカバー体303との隙間が遊技球の通過領域DEとなっている。この通過領域DEの横幅についても流入通路251と同様に下側大入賞口65aの横幅と同等となっている。通過領域DEは、上流側領域と下流側領域とに大別されており、各領域には異なる機能が付与されている。具体的には、下流側領域には遊技球を一時的に停留可能とする停留部321が設けられており、上流側領域には停留部321へ遊技球を案内する機能が付与されている。
図6に示すように、停留部321は、ハウジング301の前面部311に沿うように形成された奥壁部322と、当該奥壁部322から遊技機前方に起立する左右の側壁部323とそれら側壁部323の間に設けられた複数の区画部324とを有してなり、それら側壁部323及び区画部324により下側大入賞口65aの長手方向と同じ方向(遊技球の落下方向と交差する方向)に並ぶようにして複数の待機通路331が区画形成されている。つまり、停留部321においては遊技球の流路が複数(本実施の形態においては5つ)に分岐している。
通過領域DE(上流側領域)には、前面部311から前方に突出する複数の突起312が形成されており、通過領域DEを通過する遊技球の落下方向が突起312に衝突することで変化するように構成されている。これら突起312は、左右に並ぶ複数の待機通路331のうち中央に位置する待機通路331 < その両側に位置する2つの待機通路 <
左右両端に位置する待機通路の順に遊技球の流入率(振分率)が高くなるように遊技球を振り分ける機能が付与されている。
待機通路331は鉛直方向に延びており、その出口部分333には待機通路331からの遊技球の流出を規制するシャッタ341が配設されている。シャッタ341は、板面が上下を向く平板状をなしており、その横幅が上記複数の待機通路331の横幅と同等となるように形成されている。シャッタ341の左右の端部は、停留部321の側方へ延出しており、これら延出部分がハウジング301の左右の側壁部に形成されたガイド溝313(図5(a)参照)に挿通されている。これにより、シャッタ341がハウジング301によって前後方向へスライド移動可能に保持された状態となっている。
ハウジング301には、シャッタ341用の駆動部としてソレノイドが搭載されている。ソレノイドは主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて励磁状態/非励磁状態に切り替わる構成となっている。ソレノイドに駆動信号が入力されて当該ソレノイドが励磁状態となることにより、シャッタ341は待機通路331へ突出する突出位置から突出が抑えられた退避位置へと後退し、待機通路331からの遊技球の流出を規制する規制状態から流出を許容する許容状態に切り替わる。そして、駆動信号の入力が解除されて非励磁状態となった場合には付属の付勢部材(バネ)の付勢力によってシャッタ341が退避位置から突出位置へ戻り、許容状態から規制状態に復帰することとなる。
シャッタ341が規制状態となっている状況下においては、待機通路331に流入した遊技球はシャッタ341の上面342に載り、振分装置302側への降下が規制される。待機通路331の通路長は、当該待機通路331内に所定数(本実施の形態においては3つ)の遊技球を待機させること(停留させること)が可能となるように規定されており、この所定数(以下、待機上限数と称する)に達するまで遊技球が溜まることとなる。なお、待機通路331の通路幅については遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられており、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過することが不可となっている。
ここで、シャッタ341の保持構造について補足説明する。既に説明したようにシャッタ341はその左右両端部がガイド溝313によって保持されている。複数の待機通路331のうちガイド溝313に近いものの方は遠いものと比較して遊技球の流入率が高くなっている。このため、待機中の遊技球からシャッタ341に加わる負荷(球圧)についてはガイド溝313に近い位置にて大きくなりやすい。このように、負荷の大きくなる位置をガイド溝313に近づけておくことにより、シャッタ341に撓み等の変形が生じることを抑制している。
但し、ガイド溝313から遠い待機通路331に遊技球が待機している場合には、保持位置からの距離が大きくなることによって球圧の影響が大きくなる。つまり、待機している遊技球の数がそれほど多くない場合であっても、待機位置と保持位置との関係によってはその影響を無視できない。ここで、本実施の形態に示す停留部321においては奥壁部322,側壁部323,区画部324に跨るようにしてスリット326が形成され、このスリット326を通じてシャッタ341が出没する構成となっている。つまり、スリット326によってシャッタ341の動作領域が確保されている。
仮に、中央の待機通路331に遊技球が溜まる等して、ガイド溝313から遠い位置にて上記球圧が大きくなった場合には、停留部321の区画部324等が下方から当接することによってシャッタ341の撓み変形が規制されることとなる。つまり、停留部321にはシャッタ341の保持をサポートする機能が付与されている。これにより、シャッタ341に生じる変形を抑制し、シャッタ341の動作不良等の発生を抑制することが可能となっている。
シャッタ341の下方には、上記振分装置302が配設されている。シャッタ341が許容状態となることで、待機通路331に待機していた遊技球は自重によって待機通路331から降下して振分装置302へ移る。ここで、振分装置302について説明する。
振分装置302は、当該振分装置302に供給された遊技球を上記特別入球部353及び排出通路部317に振り分ける可変式の振分部材352と、振分部材352を保持するホルダ351とを備えている。振分部材352は、全体として略円板状(円柱状)をなしており、各待機通路331に1対1で対応するようにして設けられている。より詳しくは、振分部材352同士が同軸となるようにして待機通路331の配列方向と同じ方向に並べて設けられている。
図7に示すように、振分部材352の中央部分には、厚さ方向に貫通する貫通孔373が形成されており、この貫通孔373にホルダ351を構成する軸体361が挿通されている。軸体361の両端部がホルダ351の本体部に固定されることにより、軸体361を中心に振分部材352が回転可能な状態で保持されている。
ハウジング301には、振分部材352を回転させる駆動部としてのモータ315(図5(b)参照)と、モータ315からの動力を振分部材352に伝える伝達ギア316とを備えている。モータ315は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて定常回転する。振分部材352の側面部371には、伝達ギア316に係合する従動ギア374が形成されており、モータ315に発生した動力が伝達ギア316→従動ギア374に伝わることにより、上記軸体361を中心に振分部材352が回転することとなる。本実施の形態においては、パチンコ機10の電源がONになってからOFFとなるまで、モータ315が一定速度で一定方向に回転する(定常回転する)構成となっている。これにより、振分部材352についても一定定速で一定方向へ回転を繰り返すこととなる。なお、振分部材352の回転方向は、当該振分部材352の外周部372が停留部321に隣接する位置を遊技機手前側から奥側へ横切る方向となるように規定されている。
振分部材352の外周部372には、周方向に等間隔となるようにして複数の受入部376が形成されている(図5(b)参照)。受入部376は、回転中心側に凹んでおり、遊技球の入球を許容している。ここで、受入部376は、特別入球部353へ遊技球を案内する「第1案内部」としての第1受入部377と、排出通路部317へ遊技球を案内する「第2案内部」としての第2受入部378とにより構成されている。
図8の断面図に示すように、第2受入部378は有底となっており、その深さ寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなっている。第2受入部378に流入した遊技球については、振分部材352の回転に伴って後方へ変位し、排出通路部317へ案内されることとなる。
これに対して、第1受入部377は外周部372と貫通孔373とを繋ぐように形成されており、第1受入部377に流入した遊技球については、当該第1受入部377を通じて貫通孔373へ案内されることとなる。ここで、上述した軸体361は、断面が上方に開放された円弧状(樋状)をなしている。振分部材352の回転に伴って第1受入部377が待機通路331に連通する位置に到達した状態では、第1受入部377と軸体361の開放部分とが連通する。これにより、第1受入部377に流入した遊技球は開放部分を通じて軸体361に案内されることとなる。
軸体361の内周面は、中央を境界として左右両側に下り傾斜しており、軸体361に到達した遊技球は、この傾斜に沿ってホルダ351の本体部へと移動する。ホルダ351の左右両側には、特別入球部353と軸体361とを繋ぐ管状の連絡通路354が形成されている。第1受入部377→軸体361→連絡通路354を経由した遊技球は特別入球部353へと案内される。
ここで、本実施の形態においては、振分部材352毎に特別入球部353への振分確率に差が設定されている。具体的には、図5(a)に示すように、左側から右側へ第1待機通路331Aに対応する第1振分部材352A,第2待機通路331Bに対応する第2振分部材352B,第3待機通路331Cに対応する第3振分部材352C,第4待機通路331Dに対応する第4振分部材352D,第5待機通路331Eに対応する第5振分部材352Eによって振分部材352が構成されており、これら第1振分部材352A〜第5振分部材352Eについては、上記受入部376の数や外径寸法が統一されていることにより、外観は類似している。しかしながら、案内先の異なる第1受入部377と第2受入部378との内分けが異なっていることにより、遊技球の振分態様に差が生じる構成となっている。
詳しくは、第1受入部377と第2受入部378との内分けが、中央に位置する第3振分部材352Cと、その両側に位置する第2振分部材352B及び第4振分部材352Dと、左右両端に位置する第1振分部材352A及び第5振分部材352Eとで異なっている。ここで、図9を参照して第1振分部材352A〜第5振分部材352Eの違いについて説明する。図9(a)は第1振分部材352A及び第5振分部材352Eを示す概略図、図9(b)は第2振分部材352B及び第4振分部材352Dを示す概略図、図9(c)は第3振分部材352Cを示す概略図である。
図9(a)に示すように、第1振分部材352A及び第5振分部材352Eについては、第1受入部377A,377Eの数が「1」且つ第2受入部378A,378Eの数が「5」となっている。つまり、第1振分部材352A及び第5振分部材352Eについては、特別入球部353への振分確率が1/6且つ排出通路部317への振分確率が5/6となっている。受入部376A,376Eの数が待機通路331A,331Eにおける待機上限数を上回っているため、待機している遊技球の数が上限に達している場合であっても、必ずしも特別入球部353への振り分けが担保されるわけではない。
図9(b)に示すように、第2振分部材352B及び第4振分部材352Dについては、第1受入部377B,377Dの数が「2」且つ第2受入部378B,378Dの数が「4」となっている。つまり、第2振分部材352B及び第4振分部材352Dについては、特別入球部353への振分確率が1/3且つ排出通路部317への振分確率が2/3となっている。なお、第1受入部377B,377Dは、中心軸線CLを中心として対称となるように配設されており、間に位置する第2受入部378B,378Dの数についても同数となっている。このため、待機通路331B,331Dに待機している遊技球の数が上限に達している場合には、1の遊技球は特別入球部353への振分が担保される。
図9(c)に示すように、第3振分部材352Cについては、第1受入部377Cの数が「3」且つ第2受入部378Cの数が「3」となっている。つまり、第3振分部材352Cについては、特別入球部353への振分確率が1/2且つ排出通路部317への振分確率が1/2となっている。なお、第1受入部377C及び第2受入部378Cは、交互となるように配設されている。このため、待機通路331B,331Dに待機している遊技球の数が上限に達している場合及び待機している遊技球の数が「2」である場合には、1の遊技球は特別入球部353への振分が担保される。
このように、遊技球が特別入球部353に振り分けられる確率は、第1振分部材352A(第1待機通路331A)及び第5振分部材352E(第5待機通路331E) < 第2振分部材352B(第2待機通路331B)及び第4振分部材352D(第4待機通路331D) < 第3振分部材352C(第3待機通路331C)の順に高くなるように構成されている。但し、既に説明したように、下側大入賞口65aへ入球した遊技球の流入確率は、第3待機通路331C < 第2待機通路331B及び第4待機通路331D < 第1待機通路331A及び第5待機通路331Eの順に高くなるように構成されており、特別入球部353への入球の期待度の過度の偏りが抑えられている。
ハウジング301及びカバー体303において各待機通路331A〜331E及び各振分部材352A〜352Eと対峙している部分については、シボ加工等を施すことにより透明度に差が付与されている。具体的には、第1振分部材352A(第1待機通路331A)及び第5振分部材352E(第5待機通路331E)に対応する部分 < 第2振分部材352B(第2待機通路331B)及び第4振分部材352D(第4待機通路331D)に対応する部分 < 第3振分部材352C(第3待機通路331C)に対応する部分の順に透明度が高くなっており、視認性に差違が付与されている。このようにして、遊技者にとって有利度の高いものほど視認性が高くすることにより、注目すべき箇所へ遊技者の視線を誘導することができる。
ここで、下側大入賞口65aへ入球した遊技球の流入先に偏りが生じる構成においては、シャッタ341が規制状態から許容状態に切り替わってから待機中の全ての遊技球が排出されるまでの期間が無駄に長くなり得る。つまり、複数の振分部材352A〜352Eを併用することにより振分抽選に要する期間(抽選期間)を短縮効果が弱まると懸念される。そこで、本実施の形態においては、このような不都合の発生を回避する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図7及び図10を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図10(a)は振分部材352の動作に係る構成を示す概略図、(b)振分部材352と回転周期との関係を示す概略図である。
既に説明したように、振分部材352はモータ315の動力が伝達ギア316を介して振分部材352に伝播されることで回転する(図10(a)参照)。伝達ギア316は個々の振分部材352に対応するようにして設けられており、振分部材352毎にギア比に差が設定されている。これにより、振分部材352毎の回転速度が相違している。
具体的には、図10(b)に示すように、下側大入賞口65aに入球した遊技球の流入率が比較的高い第1待機通路331A及び第5待機通路331Eに対応の第1振分部材352A及び第5振分部材352Eについては他の振分部材352B〜352Dよりも回転速度が高くなるようにギア比が設定されている。また、第1待機通路331A及び第5待機通路331Eに次いで流入率が高い第2待機通路331B及び第4待機通路331Dに対応の第2振分部材352B及び第4振分部材352Dについては回転速度が第1振分部材352A及び第5振分部材352Eの回転速度よりも低く且つ第3振分部材352Cの回転速度よりも高くなるようにギア比が設定されている。つまり、回転周期は、第1振分部材352A及び第5振分部材352E < 第2振分部材352B及び第4振分部材352D < 第3振分部材352Cの順に長くなっている。このように、流入率の高いものほど回転速度を高く設定することにより、振分抽選が間延びすることを抑制することが可能となっている。
なお、本実施の形態においては、第1振分部材352A及び第5振分部材352Eの回転速度及び位相(回転位置)が一致しており、遊技機正面視にてこれら第1振分部材352A及び第5振分部材352Eが同期回転する構成となっている。また、第2振分部材352B及び第4振分部材352Dの回転速度及び位相(回転位置)が一致しており、遊技機正面視にてこれら第2振分部材352B及び第4振分部材352Dが同期回転する構成となっている。但し、対となる振分部材同士を同期させる必要はなく、位相にずれを付与したり回転速度に差を付与したりすることも可能である。
次に、図11及び図12を参照して、下側可変入球装置65(詳しくは抽選ユニット300)における遊技球の動きの概要について説明する。図11及び図12は抽選ユニット300の動きを示す概略図である。
下側可変入球装置65が閉状態から開状態に切り替わると、遊技領域PEを流下する遊技球が下側大入賞口65aに流入し、それら流入した遊技球が停留部321の待機通路331に到達する。
図11(a)に示すように、シャッタ341が規制状態となっている場合には、待機通路331に到達した遊技球の振分装置302への流下が規制される。このように流下が規制されている状況下においては、待機通路331に流入した遊技球は当該待機通路331にて待機することとなる(一時的に停留することとなる)。
図11(a)→図11(b)に示すように、シャッタ341が後退して規制状態が解除されると、待機通路331に待機中の遊技球群が振分装置302向けて降下する。図11(b)においては、振分部材352の受入部376が待機通路331(出口部分333)から外れた位置に存在しており、降下した遊技球は振分部材352の外周部372に載った状態で停留する。この状態では並び順が変わらないようにして遊技球群の列が維持される。
図11(b)→図11(c)に示すように、振分部材352が回転を続けると、受入部376に先頭の遊技球が流入する。図11(c)においては、第2受入部378が待機通路331の直下となる位置を横切っている。既に説明したように第2受入部378は有底であり、その深さが遊技球の直径寸法と同等となるように形成されている。このため、1の遊技球のみが第2受入部378に流入し、当該流入した遊技球によって後続の遊技球の第2受入部378への流入が規制されることとなる。
図11(c)→図12(d)に示すように、振分部材352の回転が続くことにより、再び第2受入部378へ遊技球が流入し、ストックされている遊技球が減少する。図12(d)→図12(e)に示すように、第1受入部377が待機通路331の延長上となる位置に到達すると、待機していた最後の遊技球が当該第1受入部377へ流入する。この時点では、第1受入部377が上下方向を向いているため、第1受入部377に流入した遊技球は、振分部材352の回転中心CLに向けて落下する。
図12(e)→図12(f)に示すように、第1受入部377に沿って落下した遊技球は当該第1受入部377を通じて軸体361に到達する。軸体361に到達した遊技球は上記連絡通路354を通じて特別入球部353へ案内される。これに対して、第2受入部378によって後方へ搬送された遊技球は、自重によって第2受入部378から離脱することで、排出通路部317に流入することとなる。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図13のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ151a、上側作動入球部62用の検知センサ151b、下側作動入球部63用の検知センサ151c、スルーゲート66用の検知センサ151d、上側可変入球装置64用の検知センサ151e、下側可変入球装置65用の検知センサ255,305〜306が接続されており、これら各種検知センサ151a〜151e,255,305〜306からの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)が実行される。MPU602では、上側作動入球部62(上作動口62a)及び下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口64a,65aへの入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口62aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口63aへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側作動入球部63に付随した電動役物71を駆動させる駆動部71b、可変入球装置64,65の開閉体64b,65bを駆動させる可変入球駆動部64c,65c、下側可変入球装置65のモータ315及びソレノイド345、主表示ユニット81の主表示部Dの保留数表示部や各種入球部用表示部等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口64a,65aが開閉されるように、MPU602において可変入球装置64,65における可変入球駆動部64c,65cの駆動制御が実行される。また、下側作動入球部63の電動役物71の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において駆動部71bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の主表示部Dにおける下側作動入球部用表示部又は下側作動入球部用表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
報知・演出制御装置143は、MPUが搭載された報知・演出制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMなどが内蔵されている。
報知・演出制御装置143のMPUは、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置620に転送する。
表示制御装置620はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて図柄表示装置75の表示制御を実行する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について説明する。
表示制御装置620には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータと、数字が付されていない副図柄のデータとが予め記憶されている。図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ライン、中ライン、右ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
確変大当たり結果となった場合には、以降の抽選にて相対的に大当たり結果となりやすい高確率モードとなり、この高確率モードは通常大当たり結果となるまで継続される。一方、通常大当たり結果となった場合には、相対的に大当たり結果となりにくい(高確率モードよりも大当たり結果となりにくい)低確率モードとなる。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
(各種カウンタについて)
次に、図14の概略図を参照して、上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部Dの表示の設定(発光態様の設定)、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81の作動入球部用表示部及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604の保留球格納エリア604bには、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとが設けられている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動口62a,63aへの入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動口62a,63aへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、作動口62a,63aへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個(すなわち計8個)まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア604bには総保留数記憶領域FEが設けられており、当該総保留数記憶領域FEには作動口62a,63aへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、主表示部Dの作動入球部用表示部にて変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62又は下側作動入球部63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図15を用いて説明する。図15に示すように、当否テーブルとしては、図15(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図15(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図15(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図15(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」の30個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/20となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入球装置64,65の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モードという2つの条件に差違が設定されている。これにより、大別して4つの大当たりが設定されている。
開閉実行モードにおける可変入球装置64,65の開閉制御の態様としては、開閉実行モード中にラウンド継続抽選を行う場合のラウンド継続抽選対応モードと、ラウンド継続抽選を行わない場合のラウンド継続抽選非対応モードとが設定されている。ラウンド継続抽選対応モードでは上側可変入球装置64及び下側可変入球装置65の両方が開閉対象となるのに対して、ラウンド継続抽選非対応モードでは上側可変入球装置64のみが開閉対象となる。また、上述した大当たり結果が確変大当たり結果である場合には開閉実行モード終了後の抽選モードが高確率モードとなり、通常大当たり結果である場合には開閉実行モード終了後の抽選モードが低確率モードとなる。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、上側作動入球部62(上作動口62a)又は下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアに格納され、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアに格納される。
(遊技結果の振り分け)
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図14を用いて説明する。図16に示すように、振分テーブルとしては、図16(a)の上側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図16(b)の下側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
上側作動入球部用の振分テーブルでは、図16(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果A(継続抽選非対応遊技結果)、通常大当たり結果B(継続抽選対応遊技結果)、確変大当たり結果A(継続抽選非対応遊技結果)、確変大当たり結果B(継続抽選対応遊技結果)が設定されており、下側作動入球部用の振分テーブルでは、図16(b)に示すように、通常大当たり結果B(継続抽選対応遊技結果)、確変大当たり結果B(継続抽選対応遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果Aは、開閉実行モードとしてラウンド継続抽選非対応モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、この高頻度サポートモードについては当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。通常大当たり結果Aについては、ラウンド継続抽選非対応であるため、開閉実行モードにおけるラウンド数は「8」となる。
通常大当たり結果Bは、開閉実行モードとしてラウンド継続抽選対応モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、この高頻度サポートモードについては当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。通常大当たり結果Bについてはラウンド継続抽選に対応しているため、開閉実行モードにおけるラウンド数は「8」又は「16」となる。具体的には、ラウンド継続抽選にて当選となった場合、すなわち特別入球部353への入球が発生した場合にはラウンド数が「16」となり、ラウンド継続抽選にて非当選となった場合、すなわち特別入球部353への入球が発生しなかった場合にはラウンド数が「8」となる。
確変大当たり結果Aは、開閉実行モードとしてラウンド継続抽選非対応モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、この高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。確変大当たり結果Aについては、ラウンド継続抽選非対応であるため、開閉実行モードにおけるラウンド数は「8」となる。
確変大当たり結果Bは、開閉実行モードとしてラウンド継続抽選対応モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、この高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。確変大当たり結果Bについてはラウンド継続抽選に対応しているため、開閉実行モードにおけるラウンド数は「8」又は「16」となる。具体的には、ラウンド継続抽選にて当選となった場合、すなわち特別入球部353への入球が発生した場合にはラウンド数が「16」となり、ラウンド継続抽選にて非当選となった場合、すなわち特別入球部353への入球が発生しなかった場合にはラウンド数が「8」となる。
図16(a)に示すように、上側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果Aに対応しており、「10〜19」が通常大当たり結果Bに対応しており、「20〜34」が確変大当たり結果Aに対応しており、「35〜49」が確変大当たり結果Bに対応している。これに対して、下側作動入球部用の振分テーブルでは、図16(b)に示すように、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜19」が通常大当たり結果Bに対応しており、「19〜49」が確変大当たり結果Bに対応している。つまり、上側作動入球部62への入球に基づいて大当たり結果となった場合には、ラウンド継続抽選が行われる場合と行われない場合とに分かれるのに対して、下側作動入球部63への入球に基づいて大当たり結果となった場合には必ずラウンド継続抽選が行われる構成となっている。これにより、上側作動入球部62に対する下側作動入球部63の優位性が担保されている。
再び図14を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)又は下側作動入球部63(下作動口63a)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアに格納され、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当否抽選に当選となる遊技回)においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(主表示部D)の上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下側作動入球部63の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物71を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物71を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eが用いられる。
(主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。MPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ例えば(上記検知センサ151a〜151e,255,305〜306)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口62aへの入球が発生したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納し、下作動口63aへの入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート66を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63(作動口62a,63a)への入賞に伴う作動入球部用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
作動入球部用の入賞処理においては先ず、遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)に入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、上側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアに保留記憶されている上側始動保留記憶数をセットする。続いて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されていない場合、すなわち上側作動入球部62(上作動口62a)ではなく下側作動入球部63への入賞が発生している場合には、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に送信される。
続いて、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、下側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出して、当該保留エリアに保留記憶されている下側始動保留記憶数をセットした後、情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、上側作動入球部62及び下側作動入球部63のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
情報取得処理においては先ず、セットした始動保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数を1インクリメントするとともに、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数と言う)を1インクリメントする。
その後、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上側作動入球部用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした上側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
また、下側作動入球部用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした下側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続いて、上側作動入球部62又は下側作動入球部63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための処理である保留情報の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に送信されることとなる。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図18のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(主表示部D)における作動入球部用表示部などの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下側作動入球部63に設けられた電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット81(主表示部D)におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS207では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS211にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
ここで、ステップS203の遊技回制御処理を図19及び図20のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図19のフローチャートに示すように、ステップS301にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示部Dの作動入球部用表示部が変動表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて下側作動入球部用保留エリア又は右側作動入球部用保留エリアに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず上側作動入球部用保留エリア及び下側作動入球部用保留エリアに記憶された保留情報のうち最も古いものがどちらの保留エリアに格納されているかを判定する。そして、上述した最も古い保留情報が格納されている保留エリアを対象として、以下の処理を実行する。なお、以下の説明においては、先ず上側作動入球部用保留エリアが対象となった場合について説明し、その後、下側作動入球部用保留エリアが対象となった場合について説明する。
先ず上側作動入球部用保留エリアの始動保留球数及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、当該下側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、上側作動入球部用保留エリアの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置620に送信される。
一方、下側作動入球部用保留エリアが対象となった場合についても同様に、先ず下側作動入球部用保留エリアの始動保留球数及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、下側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、下側作動入球部用保留エリアの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置620に送信される。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット81(詳しくは主表示部Dの作動入球部用表示部)における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、ステップS305の変動開始処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS401にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かによって判定する。高確率モードフラグは、開閉実行モード終了時に当該開閉実行モードの契機となった大当たり結果が確変大当たり結果である場合に各種フラグ格納エリア604eに格納され、次回の大当たりが発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握するとともに、今回の数値情報が上側作動入球部62への入球に基づくものであるかそれとも下側作動入球部63への入球に基づくものであるかを判定する。
大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報が上側作動入球部62への入球に基づいた数値情報である場合には、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルのうち上側作動入球部用の振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、通常大当たり結果A,通常大当たり結果B,確変大当たり結果A,確変大当たり結果Bのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報が下側作動入球部63への入球に基づいた数値情報である場合には、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルのうち下側作動入球部用の振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、通常大当たり結果B,確変大当たり結果Bのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、ステップS403における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS405にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS406にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS402にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS407にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS405〜ステップS407の各停止結果設定処理では、主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS405及びステップS406では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、ステップS405では確変大当たりフラグを格納し、ステップS406では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS405〜ステップS407のいずれかの処理を実行した後は、ステップS408にて、変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、先ず上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、今回の遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生とする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
その後、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続いてその変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行され得る構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
さらに、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、例えば確変大当たり結果の場合に特定図柄の組み合わせや非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように変動表示時間が設定されている。
リーチ表示を行わないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、始動保留球数Nの数に依存しない構成としてもよく、始動保留球数Nの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS408にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS409にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS409にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回におけるランプ部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるようにランプ部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいてその遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま変動表示パターンを特定するための情報を付加して表示制御装置620に送信する。その後、ステップS410にて主表示部Dの作動入球部用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図19)の説明に戻り、主表示部Dの作動入球部用表示部が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述した変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図17)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部Dの作動入球部用表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS305〜ステップS307のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示部Dの作動入球部用表示部にて停止表示されるように当該作動入球部用表示部を制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図21〜図23のフローチャートを参照して説明する。
図21に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS501にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の上側作動入球部用表示部又は下側作動入球部用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(確定表示期間)が経過している場合には、ステップS503に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、通常大当たり結果A対応フラグ、通常大当たり結果B対応フラグ、確変大当たり結果A対応フラグ、確変大当たり結果B対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入球装置64,65の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入球装置64,65の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS505では格納されている大当たり結果対応フラグがラウンド継続抽選に対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに通常大当たり結果B対応フラグ及び確変大当たり結果B対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。ステップS505にて肯定判定した場合には、ステップS506にて各種フラグ格納エリア604eに継続抽選フラグをセットする。ステップS506の処理を実行した後、又はステップS505にて否定判定をした場合には、RAM604の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「8」をセットする。
ステップS507の処理を実行した後はステップS508に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。ステップS508の処理を実行した後はステップS509にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS510に進む。ステップS510では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS510にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS601にて上側大入賞口64a及び下側大入賞口65aの何れかが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球装置64,65における可変入球駆動部64c,65cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口64a,65aが開放中でない場合には、ステップS602にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS602にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS602にて否定判定をした場合にはステップS603に進む。ステップS603では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口64a,65aの開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図17)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS703にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS604に進む。ステップS604では開放数カウンタOCが「1」であるか否か、すなわち第8ラウンドの開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS604にて否定判定をした場合にはステップS605進む。ステップS605では、各種フラグ格納エリア604eに継続抽選フラグが格納されている場合には、これを消去する。
ステップS605の処理を実行した後、又はステップS604にて否定判定をした場合には、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア604eに継続抽選フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS606にて否定判定をした場合にはステップS607にて上側可変入球装置64における上側大入賞口64aの開放処理を行う。具体的には、上側大入賞口64aを開放すべく上側可変入球駆動部64cを駆動状態とする。
一方、ステップS606にて肯定判定をした場合、すなわち継続抽選フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS608に進む。ステップS608では開放数カウンタOCが「2」であるか否かを判定する。すなわち、継続抽選に係る特定ラウンドとしての第7ラウンドが開始されるタイミングであるか否かを判定する。ステップS608にて肯定判定をした場合には、ステップS609に進む。ステップS609では下側可変入球装置65における下側大入賞口65aの開放処理を行う。具体的には、下側大入賞口65aを開放すべく下側可変入球駆動部65cを駆動状態とする。
ステップS608にて否定判定をした場合、すなわち、継続抽選フラグが格納されてはいるものの特定ラウンドではないと判定した場合には、上記ステップS607の処理を実行する。つまり、ラウンド継続抽選対応の大当たり結果であっても、特定ラウンド以外のラウンドでは開放対象が上側可変入球装置64となる。
ステップS607又はステップS609の処理を実行した後は、ステップS610に進み、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS611にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
ステップS611の処理を実行した後は、ステップS612にて可変入球装置64,65が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて下側大入賞口65a及び上側大入賞口64aの何れかが開放中であると判定した場合にはステップS613に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS614に進み、下側大入賞口65a及び上側大入賞口64aのうち開放対象となっているものに遊技球が入賞したか否かを可変入球装置64,65に対応した検知センサ151e,255からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS615にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって例えば図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS615にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS616に進む。ステップS616では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS617にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS617にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS613にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS618にて下側大入賞口65a及び上側大入賞口64aのうち開放対象となっているものを閉鎖すべく上側可変入球駆動部64c及び下側可変入球駆動部65cのうち対応するもの(駆動状態となっているもの)を非駆動状態とする。
続くステップS619では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
ステップS619の処理を実行した後はステップS620に進む。ステップS620では、開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS620にて否定判定をした場合にはステップS621に進む。ステップS621ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに継続抽選フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS621にて否定判定をした場合には、ステップS622に進み、開放タイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットする。
一方、ステップS621にて継続抽選フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS623に進む。ステップS623では開放数カウンタOCが「1」であるか否かを判定する。すなわち、特定ラウンドとしての第7ラウンドから第8ラウンドへ移行する際のインターバル期間を設定する状況であるか否かを判定する。ステップS623にて肯定判定をした場合には、ステップS624に進み、開放タイマカウンタTCに「5000」(10secに相当)をセットする。
本実施の形態においては、ラウンド継続抽選が実行される場合には、第7ラウンド中は下側可変入球装置65が開放されて、当該下側可変入球装置65へ遊技球が流入することとなる。これら流入した遊技球を直ちに排出するのではなく、当該排出が第7ラウンドの終了時まで遅延される。そして、第7ラウンド〜第8ラウンドのインターバル期間を利用して、それらの遊技球を用いてラウンド継続抽選が実行される。詳細については後述するが、このインターバル期間が通常と比べて長くなるように延長されることとなるが(2sec→10sec)、これは遊技球の排出に要する期間(継続抽選に要する所要期間)を加味したものとなっている。
ステップS623にて否定判定をした場合、すなわち継続抽選フラグは格納されてはいるものの特定ラウンドとしての第7ラウンドから第8ラウンドへ移行する際のインターバル期間を設定する状況ではない場合には、ステップS622に進み、開放タイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットする。
ステップS622又はステップS624の処理を実行した後は、ステップS729にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS620の説明に戻り、当該ステップS620にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS626に進む。ステップS626では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS731にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図21)の説明に戻り、ステップS511にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS512にて継続抽選用処理を実行する。ステップS512の処理を実行した後は、ステップS513にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS514にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS515にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図23のフローチャートを参照して、ステップS512の継続抽選用処理について説明する。
(継続抽選用処理)
継続抽選用処理においては先ず、ステップS701にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに上述した継続抽選フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS701にて否定判定をした場合には、そのまま本継続抽選用処理を終了する。ステップS701にて肯定判定をした場合にはステップS702に進む。ステップS702では、下側可変入球装置65に付属のシャッタ341が開放中であるか否か、具体的には待機通路331からの遊技球の流出を許容する上記許容状態となっているか否かを判定する。
ステップS702にて否定判定をした場合には、ステップS703に進む。ステップS703では開放数カウンタOCが「1」となっているか否かを判定する。詳しくは、第7ラウンド〜第8ラウンドのインターバル期間に移行しているか否かを判定する。ステップS703にて否定判定をした場合には、そのまま本継続抽選処理を終了する。
ステップS703にて肯定判定をした場合には、下側可変入球装置65の開閉体65bが閉状態となっている状況下にて開放タイマカウンタTCの値が「4000」となっているか否かを判定する。すなわち、第7ラウンドの終了から2secが経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS704にて否定判定をした場合には、そのまま本継続抽選処理を終了する。
ステップS704にて肯定判定をした場合にはステップS705に進む。ステップS705ではシャッタ341を開放する処理を行う。具体的には、ソレノイド345に駆動信号を出力することによりシャッタ341を規制状態から許容状態に切り替える。これにより、停留部321の待機通路331に待機中の遊技球の振分部材352へ向けた移動が許容されることとなる。
ステップS705の処理を実行した後は、ステップS706にて抽選開始コマンドを設定した後、本継続抽選用処理を終了する。ステップS706にて設定された抽選開始コマンドは通常処理(図18)のステップS201にて報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に出力されることとなる。これにより、図柄表示装置75の表示画面75a及びスピーカ部29にて継続抽選が開始した旨の報知が実行される。
本実施の形態に示す下側可変入球装置65においては、下側大入賞口65aと停留部321とが離間しているため下側大入賞口65aに流入した遊技球が停留部321に到達するのにある程度の期間を要する。上述したように、開閉体65bが閉状態に切り替わってからシャッタ341を遅れて許容状態に切り替える構成とすることにより、当該許容状態となったタイミングでは下側大入賞口65aに流入した遊技球が停留部321に到達済みとなるように工夫されている。
ステップS702の説明に戻り、当該ステップS702にて肯定判定をした場合には、ステップS707に進む。ステップS707では特別入球部353への入球が発生したか否かを第1下流側検知センサ305からの検知情報に基づいて判定する。ステップS707にて肯定判定をした場合には、ステップS708にて入球検知コマンドを設定する。この入球検知コマンドは、通常処理(図18)のステップS201にて報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に出力される。これにより、図柄表示装置75の表示画面75a及びスピーカ部29にてラウンド継続抽選に当選した旨の報知が実行される。続くステップS709では開放数カウンタOCに「9」を設定する。これにより、開閉実行モードにおける継続ラウンド数が「8」→「16」に延長されることとなる。
ステップS709の処理を実行した後、又はステップS707にて否定判定をした場合には、ステップS710に進む。ステップS710では開放タイマカウンタTCが「0」となっているか否かを判定する。つまり、ラウンド抽選に対応するインターバル期間を経過して第8ラウンドに移行するタイミングとなったか否かを判定する。ステップS710にて否定判定をした場合には、そのまま本継続抽選用処理を終了する。
ステップS710にて肯定判定をした場合には、ステップS711にて継続抽選終了コマンドを設定する。この継続抽選終了コマンドは、通常処理(図18)のステップS201にて報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に出力される。これにより、図柄表示装置75の表示画面75a及びスピーカ部29にてラウンド継続抽選が終了した旨の報知が実行される。
続くステップS712では、シャッタ341を閉鎖する処理を実行する。具体的には、ソレノイド345への駆動信号の出力を停止してシャッタ341を許容状態から規制状態に切り替える。これにより、停留部321から振分装置302への遊技球の移動が不可となる。これに併せて、振分装置302を用いたラウンド継続抽選の有効期間が終了する。
なお、主制御装置162のMPU602においては、特別入球部353を通じて排出された遊技球の数を第1下流側検知センサ305からの検知情報に基づいて把握し、排出通路部317を通じて排出された遊技球の数を第2下流側検知センサ306からの検知情報に基づいて把握している。このようにして把握された遊技球の排出数と、上流側検知センサ255からの検知情報に基づいて把握している流入数とを比較することにより、下側可変入球装置65内に遊技球が残存しているか否かを監視することが可能となっている。
ここで、図24のタイミングチャートを参照して、ラウンド継続抽選が実行される際の遊技の流れについて説明する。
上側可変入球装置64が開放対象となっている第6ラウンドが終了するt1のタイミングでは、上側可変入球装置64の開閉体64bが開状態から閉状態に切り替わる。閉状態に切り替わってから所定のインターバル期間(2sec)が経過したt2のタイミングでは、下側可変入球装置65の開閉体65bが閉状態から開状態に切り替わり、下側大入賞口65aへの入球が許容される。このインターバル期間については、右ルートを流下する遊技球が上側可変入球装置64から下側可変入球装置65に到達するのに要する期間よりも僅かに短くなるように設定されており、右ルートに向けて遊技球を連続して発射している場合の無駄球の発生が抑えられている。
t2のタイミングにて第7ラウンドが開始すると、下側大入賞口65aへの入球が発生する。下側大入賞口65aが開放されている期間中は、シャッタ341が規制状態となっているため、下側大入賞口65aに流入した遊技球は、シャッタ341よりも下流側に位置する振分装置302への移動が回避され、振分装置302の直上に位置する待機通路331にて待機した状態となる。
入球数が入球上限数である「10」に達したt3のタイミングでは、開閉体65bが開状態から閉状態に切り替わることによりそれ以上の入球が回避されることとなる。これにより、第7ラウンドにおける抽選用遊技球のストックが終了する。その後、遊技球が停留部321(待機通路331)に到達した後のt4のタイミングでは、シャッタ341が規制状態から許容状態に切り替わる。これにより、待機通路331に待機していた遊技球が振分装置302に向けて移動する。なお、開閉体65bが開状態となっている期間については、遊技球の貯留期間(ストック期間)であるともいえる。
振分装置302によるラウンド継続抽選が終了した後のt5のタイミングでは、シャッタ341が規制状態に復帰するとともに上側可変入球装置64の上側大入賞口64aが開放されることとなる。ここで、次ラウンドへの移行タイミングを円滑且つ迅速に行う上では、ラウンド継続抽選に要する期間をできるだけ短くすることが好ましい。本実施の形態においては、このような期間短縮に係る工夫によって継続抽選対応の開閉実行モードにて遊技進行が無駄に遅延されることを回避している。以下、図25及び図26を参照して当該期間短縮に係る構成について説明する。図25及び図26は下側可変入球装置65内での遊技球の動きを示す概略図である。
図25(a)→図25(b)に示すように、下側可変入球装置65(下側大入賞口65a)に流入した遊技球は、流路形成部320の通過領域DEを経て停留部321に到達する。既に説明したように、本実施の形態における流路形成部320については、第3待機通路331C < 第2待機通路331B < 第1待機通路331Aの順に遊技球が流入しやすくなっているため、図25(c)に示すように、ある程度の遊技球が溜まった状態では、第1待機通路331A〜第3待機通路331Cに待機している遊技球の数に偏りが発生しやすくなっている。但し、何れの待機通路331A〜331Cについても待機上限数は、大入賞口65aへの入球上限数よりも少なくなっている。このため、例えば第1待機通路331Aに待機している遊技球の数が待機上限数に達した後は、後続の遊技球が待機中の遊技球に当たって跳ね返ることにより、第2待機通路331Bや第3待機通路331Cに向かいやすくなっており、待機数の過度の偏りが抑制される。このようにして待機数の平滑化を図ることにより、遊技球を排出するのに要する期間の間延びを抑えることが可能となっている。
図25(c)→図25(d)に示すように、シャッタ341が規制状態から許容状態に切り替わると、各待機通路331A〜331Cに待機している遊技球がシャッタ341に当接しているものを先頭に各々降下する。これにより、第1待機通路331Aに待機中の遊技球は第1振分部材352Aに載った状態となり、第2待機通路331Bに待機中の遊技球は第2振分部材352Bに載った状態となり、第3待機通路331Cに待機中の遊技球は第3振分部材352Cに載った状態となる。
ここで、本実施の形態における各振分部材352A〜352Cについては、第3振分部材352C < 第2振分部材352B < 第1振分部材352Aの順に回転速度が速くなっている(回転周期が短くなっている)。このため、図25(d)→図26(e)に示すように、遊技球の消化速度についても第3振分部材352C < 第2振分部材352B < 第1振分部材352Aの順に早くなるように差が生じる。
例えば図25(d)→図25(e)においては、第1待機通路331Aに待機している遊技球の数が「3」→「2」に減少し、第2待機通路331Bに待機している遊技球の数が「2」→「1」に減少する一方で、第3待機通路331Cに待機している遊技球の数が「2」→「2」に維持されている。
図26(e)→図26(f)に示すように、振分部材352A〜352Cの回転が進むことにより、第1待機通路331Aに待機している遊技球の数が「2」→「1」に減少し、第2待機通路331Bに待機している遊技球の数が「1」→「1」に維持され、第3待機通路331Cに待機している遊技球の数が「2」→「1」に減少している。
このように、案内され得る遊技球の数が比較的多いものほど消化速度を速くすることにより、遊技球の消化完了待ちの期間を短くすることが可能となっている。また、第3待機通路331C(第3振分部材352C)が最も遊技者にとって有利な流路を形成しており、敢えて第3振分部材352Cの回転速度を抑えることにより、第3振分部材352Cの動きを目視で確認しやすくなり、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましい構成が実現されている。
また、仮に第1受入部377へ遊技球が流入する場合には、1の遊技球だけでなく複数の遊技球(本実施の形態においては貯留上限数と同じ数:3つ)が同じ第1受入部377にまとめて流入し得る。このため、瞬間的な遊技球の消化速度は第1振分部材352A < 第2振分部材352B < 第3振分部材352Cの順に高くなる。そもそも、特別入球部353については少なくとも1つの遊技球が到達した時点でラウンド継続が確定する構成であり、複数の遊技球の到達を待つ必要はない。そこで、第1受入部377による遊技球の排出効率を第2受入部378による遊技球の排出効率よりも高く設定することには、技術的意義がある。
そして、図26(f)→図26(g)に示すように、振分部材352A〜352Cの回転が進むことにより、最終的に全ての待機通路331A〜331Cに待機していた遊技球の排出が完了することとなるが、この際の待機通路331A〜331C間での排出完了までのタイムラグが減縮される。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
下側可変入球装置65に付属のシャッタ341(「規制手段」に相当)が規制状態となっている状況下にて停留部321(「貯留手段」に相当)に到達した遊技球が一時的に当該停留部321にて待機する。その後、シャッタ341が規制状態から許容状態に切り替わることで待機中の遊技球がシャッタ341へと案内され、振分装置302においては複数の遊技球を用いて特別入球部353(「第1所定部」に相当)/排出通路部317(「第2所定部」に相当)への振り分け(振分抽選)が実行されることとなる。このような斬新な抽選方式によれば、上記振分抽選やそれに至る過程(貯留具合)にて遊技への注目度を好適に向上させることができる。
特に、待機している遊技球の量(ストック数)が多くなることにより、相対的に遊技者に不利な排出通路部317への振分確率が下がる。つまり、シャッタ341が規制状態となっている場合にできるだけ多くの遊技球を入球させることにより、その後の振分抽選における遊技者の有利度合いが強くなる。このような構成によれば、振分抽選への過程における遊技への注目度を飛躍的に高めることができる。
停留部321には横並びとなるようにして複数の待機通路331が並設されており、振分装置302へはそれら複数の待機通路331部から各々遊技球が供給される。同じ数の遊技球が供給されるとしても、その供給元が複数となることで、1の待機通路からのみ遊技球が供給される場合と比較して、遊技球の供給に要する期間を短縮することが可能となる。これにより、振分装置302を利用した振分抽選の迅速化に寄与できる。
複数の待機通路331を併用する構成においては、遊技球の待機数の偏りが大きくなることにより、上述した期間短縮効果が発揮されにくくなる。この点、本実施の形態に示したように、各待機通路331における待機上限数を揃える構成とすれば、そのような不都合の発生を簡易な構成によって抑制することができる。
1の待機通路331にて待機している遊技球の数が待機上限数に達した場合には後続の遊技球が当該待機通路331とは別の待機通路331に案内される。このような救済機能を付与することにより、上限数の存在が過度に不利に作用するような印象を遊技者に与えることを抑制できる。これは、上述した待機数の平滑化を実現する上でも好ましい構成である。
特に、第1待機通路331Aに待機している遊技球の数が待機上限数に達した場合には、後続の遊技球が第1待機通路331Aよりも遊技者に有利な第2待機通路331B等に向う。このように、余剰球の発生が遊技者にとって有利に作用する余地を設けることにより、待機上限数の存在が遊技意欲を減退させる要因になることを好適に抑制できる。
そもそも、「入球手段」としての下側大入賞口65aへの入球発生頻度が極めて低い場合には、上述したような一括での抽選機能が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本実施の形態に示すように、入球頻度が高低切り替わる可変式の入球部との組み合わせにて、入球頻度が高い場合を利用することにより、そのような不都合の発生を好適に回避できる。つまり、可変式の入球部が受入状態となっている場合にはまとまった数の入球が期待でき、停留部321における待機数が過度に少なくなることを抑制できる。このようにして、ある程度の遊技球が確保された後にシャッタ341が許容状態に切り替わることにより、まとまった数の遊技球がまとめて振分装置302へ案内されやすくなる。
本実施の形態に示すシャッタ341については、複数の待機通路331の並設方向と同じ方向に延びており且つその変位方向が当該並設方向と交差する方向となるように規定されている。シャッタ341を突出位置/退避位置へ変位させることにより複数の待機通路331から振分装置302への遊技球の供給をまとめて規制状態/許容状態に切り替える構成とすることにより、待機通路331毎の遊技球の供給のタイミングにばらつきを軽減して、振分抽選開始時の応答性を好適に向上させることができる。
大型のシャッタ341によって複数の待機通路331からの遊技球の流出を規制する構成においては、待機している遊技球の数に偏りが生じることで、シャッタに荷重(遊技球の重さ等)が加わる位置についても偏りが生じる。このような荷重によってシャッタ341に撓み等の変形が生じることはシャッタ341の動作を不安定にさせる要因になり得る。そこで、本実施の形態に示したように待機通路331を仕切りる区画部324にスリット326を形成しこのスリット326にシャッタ341を挿通させる構成とすれば、区画部324によってシャッタ341を支えることができ、上述した変形等の発生を好適に抑制できる。故に、簡易な構成によってシャッタ341の動作安定性の向上に寄与できる。
本実施の形態に示す振分装置302においては、複数の待機通路331に遊技球が分かれて待機すること、1の待機通路331に待機している遊技球の数が待機上限数に近づくことの2つの要因によって特別入球部353へ遊技球が振分られる可能性が高くなる。このような構成とすることにより、遊技者は特定の待機通路331にてまとまった数の遊技球が待機することや複数の待機通路331に手広く遊技球が待機することを期待して遊技を行うこととなる。これにより、無駄に待機上限数を多く設定することなく遊技者の遊技への注目度の向上に寄与できる。
振分部材352には第1受入部377及び第2受入部378が併存している。第2受入部378に遊技球が入っている場合には、当該遊技球によって後続の遊技球の当該第2受入部378への入球が回避されることとなる。つまり、先行する遊技球によって後続の遊技球の入球先が絞れられることとなる。この結果、排出通路部317への振分確率が低下するとともに特別入球部353への振分確率が上昇することとなる。このように、受入部377,378の深さの違いを利用して、入球数に差を設定することにより、入球制限に係る構成を簡素化できる。
シャッタ341は許容状態となった後は少なくとも待機通路331に待機している遊技球が全て排出されるまで当該許容状態に維持される構成となっている。遊技球が待機している状況下にてシャッタ341を無理に規制状態に切り替える構成ではないため、遊技球群へのシャッタ341の無理な割り込みを回避することにより、シャッタ341の保護を図り、当該シャッタ341に係る動作不良等の発生を好適に抑制できる。
振分装置302を構成する振分部材352については、ここに回転周期が相違している。このため、振分部材352毎に遊技球が受入部376に流入するタイミングをずらすことができる。これは、遊技球の流入先を目で追いやすくする上で有利であるだけでなく、抽選タイミングに差を生じさせて抽選態様の多様化を実現する上でも好ましい。
複数の待機通路331に待機している遊技球をまとめて振分装置302に送ることで並列的に振分抽選を行う場合には、抽選に係る総期間が間延びすることが迅速な遊技の進行の妨げになり得る。ここで、本実施の形態に示したように遊技球の流入率の高い待機通路331に対応する振分部材352ほど回転周期を短くすることにより、上記総期間の間延びを好適に抑制することができる。これにより、遊技球の流入先に偏が生じる構成であっても、それに起因して遊技進行が過度に遅くなることを回避できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、流入率の高い待機通路331に対応した振分部材352ほど回転速度を速く(回転周期を短く)設定することにより、開閉実行モードにおけるラウンド継続抽選(振分抽選)に要する所要期間の間延びを抑える構成とした。本実施の形態においても、ラウンド継続抽選に要する所要期間の短縮を実現する工夫がなされている点では上記第1の実施の形態と同様であるものの、その効果を発揮させるための具体的な構成が上記第1の実施の形態と相違している。以下、図27(a)を参照して、上記所要期間の短縮を実現する為の構成について説明する。図27(a)は振分部材352の受入部376の数とそれら振分部材352に対応付けられた各待機通路331への流入率との関係を示す概略図である。なお、第1の実施の形態と共通となっている各種構成については説明を援用する。
本実施の形態においては、第1振分部材352A〜第5振分部材352Eの回転周期が同一となるように規定されている。仮に回転周期を単に同一とした場合には、待機中の全ての遊技球の排出に要する期間が流入率の第3振分部材352C < 第2振分部材352B,第4振分部材352D < 第1振分部材352A,第5振分部材352Eの順に長くなってしまう。これでは、振分抽選に要する期間が間延びし得る。
この点、本実施の形態では、受入部376の数が各振分部材352A〜352Eにて相違している。具体的には、第3振分部材352C < 第2振分部材352B,第4振分部材352D < 第1振分部材352A,第5振分部材352Eの順に多くなっている。このため、回転周期は同一であっても、回転によって排出される遊技球の数(排出効率)については、第3振分部材352C < 第2振分部材352B,第4振分部材352D < 第1振分部材352A,第5振分部材352Eの順に高くなる。
このように、流入率が高い待機通路331に対応した振分部材352ほど受入部376の数を多くすることにより、抽選期間の間延びを抑えることができる。本実施の形態においては特に、回転速度に差を設ける必要がないため、振分部材の回転に係る構成(上記リンク機構)を簡素化することができ、抽選ユニット(下側可変入球装置)の占有領域の減縮に貢献できる。
<第3の実施の形態>
上記第1及び第2の実施の形態では、待機通路331に待機している遊技球の数が待機上限数に達した場合に、待機通路331の最上位に位置する遊技球の一部が当該待機通路331の入口部分332から突出する構成とし、この突出部分に後続の遊技球が当たることにより他の待機通路331への移動を促す構成とした。本実施の形態においては、この誘導機能を強化する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図27(b)を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図27(b)は第3の実施の形態における停留部321X及びその周辺構成を示す概略図である。
「規制手段」としてのシャッタ341Xの上面342Xにて第1待機通路331AXの出口部分333AXを塞いでいる部分には、第2待機通路331Bとは反対側(左の側壁部323)側へ下り傾斜する傾斜部343Xが形成されている。第1待機通路331AXに案内された遊技球のうちシャッタ341Xに接触しているものは、傾斜部343Xに沿って左の側壁部323Xへ誘導され、第2待機通路331Bから遠い側へ偏倚した位置にて待機することとなる。このようにして待機している遊技球は、傾斜部343X及び側壁部323Xによって待機位置のばらつきが回避されることとなる。
ここで、第1待機通路331Aに2つ目の遊技球が流入すると、当該遊技球は待機中の1つ目の遊技球によって区画部324側へ誘導され、当該区画部324に接触した位置にて待機することとなる。3つ目の遊技球が第1待機通路331Aに流入すると、当該3つ目の遊技球は待機中の2つ目の遊技球によって側壁部323X側へ誘導され、当該側壁部323Xに接触した状態で待機することとなる。つまり、第1待機通路331Aに流入した遊技球は、振分部材352の並設方向に蛇行するようにして列をなした状態で待機することとなる。
本実施の形態においても、待機上限数は「3」となっており、3つ目の遊技球が第1待機通路331Aの入口部分332から突出した状態で待機することとなる。3つ目の遊技球については、側壁部323に添うようにして待機している。このため、後続の遊技球が第1待機通路331Aに向けて移動する場合には、当該後続の遊技球が上記3つ目の遊技球によって第2待機通路331B側へ案内されやすくなり、3つ目の遊技球の上に載った状態になることが抑制される。
なお、側壁部323Xにて入口部分332よりも上側となる部分に張出部等を形成することも可能である。係る構成によれば、上記3つ目の遊技球の上に4つ目の遊技球が載ることを一層好適に抑制できる。
因みに、このような案内機能については、通路の配列や遊技球の待機上限数に依存する。そこで、これら前提構成に応じて傾斜部343Xの向きを規定するとよい。例えば、本実施の形態に示す第1待機通路331Aについては当該第1待機通路331Aに待機する遊技球の上限数(待機上限数)を3個としたが、この待機上限数を4個とした場合は、傾斜部343Xの傾斜方向が逆となるように(第2待機通路331B側へ下り傾斜するように)変更するとよい。これにより、先行する遊技球によって後続の遊技球を案内する機能を担保できる。また、待機上限数を5個とした場合は、傾斜部343Xの傾斜方向を本実施の形態と同じ方向とすればよい。つまり、第1待機通路331Aと第2待機通路331Bとの位置関係においては、待機上限数が偶数の場合には傾斜部343Xを第2待機通路331B側へ下り傾斜させる構成(すなわち待機上限数を超えた遊技球の案内先と同じ側へ下り傾斜させる構成)、待機上限数が奇数の場合には傾斜部343Xを側壁部323側へ下し傾斜させる構成(すなわち待機上限数を超えた遊技球の案内先とは反対側へ下り傾斜させる構成)とするとよい。
第5待機通路331Eにおいてもシャッタ341に形成された傾斜部343Xによって当該シャッタ341に載る遊技球が第4待機通路331Dとは反対側(右の側壁部323側)に誘導される構成となっている。これにより、第5待機通路331Eに流入した遊技球の数が待機上限数に達した後は、後続の遊技球が第4待機通路331Dへ誘導されやすくなっている。
このようにして、上限数を超えた遊技球の積み上がりを抑制することにより、振分抽選に係る期間が間延びすることを抑制できる。特に、余剰球については、第1待機通路331A及び第5待機通路331Eよりも遊技者に有利となる第2待機通路331Bや第4待機通路331Dへの流入が促されるため、積み上がり規制が遊技者にとって不利に作用することを抑制できる。これにより、遊技の円滑な進行の実現が遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを回避できる。
また、遊技球の積み上がりを回避することは、余剰球を隣の待機通路331B,331Dに流入させるべく遊技者によってパチンコ機10が押される等することを抑制し、パチンコ機10の保護を実現する上でも好ましい構成である。
<第4の実施の形態>
上記第3の実施の形態では、1の待機通路331Xに待機中の遊技球の数が上記待機上限数に達している場合には、後続の遊技球を隣に位置する他の待機通路331Xへ案内することにより、遊技球の流入先の過度の偏りを抑制する構成とした。これは、ラウンド継続抽選に要する所要期間を短くする上で有利な構成である。但し、このような構成においては、隣り合う2つの待機通路331Xにて待機中の遊技球の数がともに上記待機上限数に達した場合には、後続の遊技球が2つの待機通路331Xの最上流に位置する2つの遊技球に引っ掛かることにより、流路形成部320から停留部321Xへの案内が上手く行われなくなる可能性を否定できない。このような事象が稀にしか発生しないとしても、当該事象までをも考慮してインターバル期間を設定した場合には、上記所要期間の短縮効果が弱まると懸念される。本実施の形態においては、このような事象の発生を構造的側面から回避する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図28を参照して、本実施の形態における工夫について説明する。図28は停留部321Yの一部を拡大して示す概略図である。
停留部321Yを構成している第1待機通路331AY及び第2待機通路331BYについては、入口部分332Yに高低差が付与されている。具体的には、流入率が相対的に高い第1待機通路331AYにおいては、第2待機通路331BYと比べて待機上限数が1つ多くなるようにして通路長が長くなっている。つまり、第1待機通路331AYと第2待機通路331BYとを仕切っている区画部324aYの上端部が、第2待機通路331BYと第3待機通路331CYとを仕切っている区画部324bYの上端部よりも上側に位置している。
このため、仮に、第1待機通路331AY及び第2待機通路331BYの両方に待機している遊技球の数が待機上限数に達している場合であっても、後続の遊技球は第1待機通路331AYの最上位位置に待機している遊技球と第2待機通路331BYの最上位位置に待機している遊技球とに跨るようにして待機することが回避される。
このようにして、遊技球が流路形成部320→停留部321Yに移ることなく当該流路形成部320に残存することを抑制することができる。これにより、上記インターバル期間を設定する場合に考慮すべき事情を減らすことができ、当該インターバル期間の短縮に貢献することができる。
なお、本実施の形態においては、貯留上限数について差違を許容する構成としたが、例えばシャッタの上下位置や振分部材の上下位置を工夫することにより、待機上限数を揃える構成としてもよい。例えば、シャッタを、待機上限数を超える遊技球の案内方向(流下方向)へ下る段差、具体的には第1待機通路に対応している部分→第2待機通路に対応している部分→第3待機通路に対応している部分の順、第5待機通路に対応している部分→第4待機通路に対応している部分→第3待機通路に対応している部分の順に低位となるように段差を形成することも可能である。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態では、「貯留部」としての待機通路331を左右に並べて配置したが、これら待機通路331の配置については任意である。例えば、待機通路331を前後に並べて配置することも可能である。但し、遊技機前方からの貯留数の目視による確認を容易とする上では、上記実施の形態に示したように待機通路331を左右に並べて配置することが好ましい。
(2)上記実施の形態では、各待機通路331に停留可能な遊技球の上限数を揃える構成としたが、待機通路331毎に上限数を個別に設定することも可能である。例えば、遊技球が流入しやすい待機通路331(例えば第1待機通路331A)と遊技球が流入しにくい待機通路331(例えば第3待機通路331C)とを比較した場合に、後者よりも前者の方が上限数が少なくなるようにして差を設定すれば、抽選期間の間延びを抑えることができる。
(3)上記実施の形態では、下側大入賞口65aを横長とし当該下側大入賞口65aから流路形成部320(通過領域DE)への流入箇所の多様性を確保する構成としたが、下側大入賞口65aに流入した遊技球を一か所にまとめて流路形成部320へ案内する案内通路を介在させてもよい。この場合、検知手段を構成する検知手段を当該案内通路に配設することにより、遊技球の検知に係る構成の簡素化や入球を契機として閉鎖状態に切り替わる際の応答性の向上に貢献することができる。
なお、下側可変入球装置65における開閉体65bについては、必ずしも回動式とする必要はなく、スライド式とすることも可能である。
(4)上記実施の形態では、特定ラウンド(第7ラウンド)となった場合に、当該特定ラウンドの終了に伴って開閉体65bが閉鎖状態に切り替わったことを契機として、シャッタ341が閉状態から開状態に切り替わる構成、すなわち遊技球を貯留する貯留期間の経過後のインターバル期間を利用して継続抽選を行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、開閉体65bが閉鎖状態に切り替わる前にシャッタを開状態に切り替える構成、つまり貯留期間と抽選期間とを一部重複させる構成とすることを否定するものではない。
また、上記継続抽選については、インターバル期間中に完遂される構成としたが、次ラウンドに跨って実行される構成としてもよいし、次ラウンド以降に持ち越された後に実行される構成としてもよい。つまり、抽選が複数のラウンドに跨る構成としてもよいし、抽選用の遊技球をストックする(獲得する)ラウンドと、それらストックされた遊技球を用いて抽選を行うラウンドとを分ける構成とすることも可能である。
以下、上記技術的思想を具現化した場合の具体的構成について例示する。開閉実行モードにおけるラウンド継続数を8ラウンドR及び16ラウンドのいずれとするかを下側可変入球装置65への入球に基づいて決定する。この抽選においては、上記分岐が発生する前の所定のラウンド(例えば第4ラウンド)にて下側可変入球装置65を開放する。開放から所定期間(例えば30sec)が経過した場合にシャッタ341を開放する。上側可変入球装置64が開放されている最中(例えば第5ラウンド〜第7ラウンド)に、下側可変入球装置65における継続抽選及び遊技球の排出を実行する。そして、分岐が発生する第8ラウンドにて継続抽選の結果を報知する。このような構成として、開閉実行モード中に上側可変入球装置64への入球に基づいて遊技球を獲得する遊技と、下側可変入球装置65への入球に基づく継続抽選及び貯留された遊技球の排出等とを並行して行うこと(同時進行)が可能となれば、抽選及びその準備に要する期間を好適に確保することができる。これは、遊技進行の円滑化を図る上で好ましい構成である。
(5)上記実施の形態においては、第3振分部材352Cの左右に第1振分部材352A及び第5振分部材352Eを配設し、これら第1振分部材352A及び第5振分部材352Eの回転速度を共通とする構成とした。第1振分部材352A及び第5振分部材352Eについては、受入部376の数及び配置が共通となっており且つ位相差が0となるようにして同期回転する(遊技球の振分態様が共通化されている)。このため、両振分部材352A,352Eの一方を経由した特別入球部353(「第1所定部」に相当)への入球が発生しないのであれば、他方を経由した特別入球部353への入球も発生しない。
ここで、第1振分部材352Aと第5振分部材352Eとに位相差を設ける構成とすれば、両振分部材352A,352Eの一方を経由した特別入球部353への入球が発生しない場合であっても、他方を経由した特別入球部353への入球が発生する可能性が残る。このような位相差の設定により、下側可変入球装置65における振分態様の更なる多様化を実現することができる。
なお、上記位相差を設定する上では、回転速度及び初期位置の少なくとも一方に差を設けるとよい。例えば、両振分部材352A,352Eの一方の回転速度を他方の回転速度よりも僅かに速く又は遅くすることにより上記位相差を発生させることができ、この位相差が時間の軽軽とともに大きくなったり小さくなったりする。これにより、上記振分態様の更なる多様化に貢献できる。
因みに、第3振分部材352Cの左右に配設された第2振分部材352B及び第4振分部材352Dについても、受入部376の配置が共通となっており且つ位相差が0となるようにして同期回転する。これら第2振分部材352B及び第4振分部材352Dに位相差が生じる構成とすることも可能である。
(6)上記実施の形態では、第1振分部材352A及び第5振分部材352Eを共通とし、第2振分部材352B及び第4振分部材352Dを共通とした上で、それら第1振分部材352A〜第5振分部材352Eを第3振分部材352Cを中心に左右対称となるように配置したが、これに限定されるものではない。第1振分部材352A〜第5振分部材352Eの全てに差違を設けてもよい。例えば、受入部376の数や、第1受入部377及び第2受入部378の内分け、第1受入部377及び第2受入部378の位置関係の少なくとも何れかに差違を付与するとよい。
(7)上記実施の形態では、第1待機通路331A〜第5待機通路331Eのうち、両端に配設された第1待機通路331A及び第5待機通路331Eへの遊技球の流入確率が他の待機通路331B〜331Dよりも高くなるように設定したが、待機通路331A〜331Eへの流入確率については任意に変更してもよい。
但し、シャッタ341の両端部にガイド溝313(「保持部」に相当)が形成されており、このガイド溝313によってシャッタ341がスライド移動可能に保持されている点に着目した場合には、保持位置に近い位置で比較的大きな負荷を受けることによりシャッタ341の撓み等の変形を好適に抑制することができる。このような事情に配慮すれば、上記流入確率の変更を行う際には、流入確率が比較的高い待機通路の近くにてシャッタ341を保持する構成とすることが好ましい。
(8)上記実施の形態では、振分部材352(「可動体」に相当)を回転式としたが、これに限定されるものではない。少なくとも「第1所定部」としての特別入球部353へ遊技球を振り分ける状態と、「第2所定部」としての排出通路部317へ遊技球を振り分ける状態とに切替可能であれば、振分部材352の動作態様については任意に変更してもよい。例えば、振分部材352をスライド式とすることも可能である。
(9)上記実施の形態では、待機通路331A〜331Eにて停留可能な遊技球の上限数を振分部材352A〜352Eに形成された受入部376A〜376Eの数よりも少なくしたが、これに限定されるものではない。待機通路331A〜331Eにて停留可能な遊技球の上限数を振分部材352A〜352Eに形成された受入部376A〜376Eの数よりも多くしてもよいし、両者を同数としてもよい。
(10)上記実施の形態では、開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)へ移行した場合に入球可能となる「可変入球部」として上側可変入球装置64及び下側可変入球装置65を併用する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば上側可変入球装置64を省略することも可能である。
この場合、例えば継続抽選が行われるラウンドと行われないラウンドとで下側可変入球装置65内の流路を切り替える構成とするとよい。具体的には、停留部321よりも上流となる位置に下側可変入球装置65から遊技球を排出可能な排出口と、下側可変入球装置65に流入した遊技球を上記排出口及び停留部321の何れかに案内するように流路を切り替える流路切替手段とを配設し、継続抽選対応のラウンドでは遊技球を停留部321(「貯留部」に相当)へ案内し、継続抽選非対応のラウンドでは遊技球を停留部321へ案内しない構成とするとよい。
但し、流路切替手段については停留部321よりも上流側に配設する必要は必ずしもなく、停留部321よりも下流側(例えば振分部材352よりも下流側)に配設することも可能である。つまり、各ラウンドにて排出される遊技球が振分部材352を経由する構成とすることも可能である。このような構成においては、流路切替手段によって特別入球部353へ向かう遊技球を排出通路部317へ案内し、特別入球部353への入球を回避するとよい。これにより、特別入球部353への入球による権利が付与されないといった誤認が生じることを回避できる。継続抽選非対応のラウンドにて遊技球が振分部材352を経由して排出される場合には、遊技進行の迅速化を妨げる要因になり得る。このような事情に鑑みた場合、例えば上記継続抽選対応のラウンド以外のラウンドでは振分部材352の回転速度を継続抽選対応のラウンドよりも速くなるように制御するとよい。このようにして排出効率を高める構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
(11)上記実施の形態では、所定のラウンドとなった場合に下側可変入球装置65におけるラウンド継続抽選を行う構成としたが、どのラウンドにて継続抽選を行うかについては任意である。また、継続抽選の対象となるラウンド等を複数(例えば毎ラウンド)とすることも可能である。
(12)上記実施の形態では、シャッタ341が閉状態から開状態に切り替わった後は、継続抽選が終了するまで開状態に維持される構成としたが、シャッタ341の動作態様についてはこれに限定されるものではない。例えば、継続抽選が開始〜終了するまでの過程で開状態/閉状態の切り替えが繰り返される構成とすることも可能である。
(13)上記実施の形態では、「駆動部」としてのモータ315と「駆動力伝達機構」としての伝達ギア316とを併用することにより、1のモータ315によって全ての振分部材352A〜352Eを動作(回転)させる構成とした。そして、リンク機構を構成する伝達ギア316の回転比の違いによって、それら振分部材352A〜352Eの回転周期に差を設けたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、各振分部材352A〜352Eに対応するモータを各々設け、それらモータを個別に駆動制御することにより、回転周期に差を設けてもよい。このように、個別に駆動部を設けた場合には、振分部材352A〜352Eの回転速度を一定とするのではなく、個別の速度変化を発生させることが可能となる。
(14)上記実施の形態では、振分部材352A〜352Eの回転周期を到達し得る遊技球の数が多いものほど短く、少ないものほど長く設定することにより、振分抽選に要する期間を平滑化して当該抽選の間延びを抑制する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、振分部材352A〜352Eの回転周期を統一してもよい。また、回転周期を到達し得る遊技球の数が多いものほど長く、少ないものほど短く設定することを否定するものではない。
本変形例に示す技術的思想を具現化する上では、例えば受入部376の数を到達し得る遊技球の数が多いものほど多く、少ないものほど少なく設定することも可能である。
(15)上記実施の形態に示した第1待機通路331Aでは、先行する遊技球の待機位置を通路中心から左右にオフセットするように蛇行させて、上限に達した際に入口部分332Aから突出する遊技球を隣の第2待機通路331Bとは反対側にずらす構成とし、後続の遊技球が当たった際に、第2待機通路331Bの入口部分332B側への跳ね返りを促す構成とした。第1待機通路331Aにて余剰となった遊技球を他の待機通路(例えば第2待機通路331B等)へ移動させる構成については上記のものに限定されない。例えば、第1待機通路331Aの入口部分332A付近に左右に揺動可能な可動片を設け、余剰となった遊技球をこの可動片によって他の待機通路(例えば第2待機通路331B等)へ案内する構成とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、待機通路331A〜331Eを区画形成する仕切り部としての区画部324にスリット326(「挿通部」に相当)を設け、少なくともシャッタ341が規制状態となっている場合にはこのスリット326にシャッタ341が挿通された状態に維持される構成としたが、これに限定されるものではない。例えばシャッタ341の先端部分に各待機通路331A〜331Eの出口部分333A〜333Eに対応する突出部を個別に設ける構成とすれば、上記スリット326を省略することができる。但し、スリット326にシャッタ341が挿通されている構成においては、区画部324によってシャッタ341の撓み変形が規制することができる。シャッタ341に遊技球が載る点に鑑みれば、上述したように、区画部324にサポート機能を付与することは、シャッタ341の変形を抑え、当該シャッタ341の動作安定性等を向上することができるという技術的意義がある。
(17)上記実施の形態では、1のシャッタ341によって複数の待機通路331の出口部分333を塞ぐ構成としたが、各待機通路331の出口部分333に対応するシャッタを個別に設けてもよい。
(18)上記実施の形態では、「第1所定部」としての特別入球部353への入球に基づいて開閉実行モードにおけるラウンド遊技が継続される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、特別入球部353への入球に基づいて抽選モードが高確率モードへ移行する構成としてもよいし、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する構成としてもよい。
(19)上記実施の形態では、振分部材352の回転速度や待機通路331における最大貯留数等によって規定される排出所要期間、すなわち下側可変入球装置65からの遊技球の排出に要する期間に基づいてインターバル期間(抽選期間)を設定したが、これに限定されるものではない。例えば、下側可変入球装置65における残存球が0となることで(すなわち流入数と流出数とが一致することで)インターバル期間(抽選期間)が終了する構成(例えば次ラウンドへ移行する構成)とすることも可能である。
(20)下側可変入球装置65を用いて高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)への移行抽選を行う場合には、ラウンド間のインターバル期間にて当該移行抽選を実行する構成に代えて、開閉実行モードから通常遊技状態に移行する前のエンディング期間を利用して当該移行抽選を行う構成とすることも可能である。
(21)上記実施の形態では、下側可変入球装置65に流入した遊技球の振分先として、排出通路部317と特別入球部353とを設けたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技球の振分先を有利度に差が設定された(例えば賞球数の異なる)複数の一般入賞口とすることも可能である。なお、このような構成とした場合には、案内先の一般入賞口へ到達した遊技球が全てそれら一般入賞口へ入球する構成としてもよし、一部の遊技球については一般入賞口への入球が回避されるような分岐を設ける構成としてもよい。
上述したように下側可変入球装置65にラウンド継続抽選や高確遊技状態等への移行抽選との関連性を付与しない構成とする場合には、上側可変入球装置64の配置との関連性が低下し、当該可変入球装置65の配置に係る制約が緩和される。そこで、可変入球装置65を上側可変入球装置64の下流(遊技盤60における右下部分)以外の位置、例えば作動口62a,63aよりも下流側であって、それら作動口62a,63aとアウト口68との間等に配設する構成としてもよい。
可変入球装置65に流入した遊技球を複数の一般入賞口へ振り分ける構成においては、シャッタ341の開閉タイミングを遊技機が規定する構成とする必要は必ずしもなく、例えば遊技者によって操作される操作部(例えば操作ボタン等)を設け、当該操作部の操作に基づいてシャッタ341を開閉させる構成とし、遊技球の貯留/放出のタイミングを遊技者に委ねる(選択させる)構成としてもよい。
また、遊技球の振分先として遊技者へ遊技球の払い出し、ラウンド継続、高確遊技状態への移行等の特典が付与される所謂「入賞」対応の入球部を配設する必要はなく、振分先に応じて遊技演出を行う構成とすることも可能である。例えば、内部的に高確率モードとなっているかを概観から特定することが困難な所謂潜伏確変が搭載されているタイプの遊技機においては、上記振分先に応じて潜伏確変の示唆演出を行う構成とすることも可能である。この際、振分先に応じて示唆演出の信頼度を変化させる構成とすることにより、遊技者に対して遊技球の振分先への注目を促すことができる。
(22)上記実施の形態に示した下側可変入球装置65においては突起312を固定式としたが、これら突起312を可動式とすることも可能である。例えば突起312が所定の方向(上下方向/左右方向等)にスライド移動する構成としてもよいし、突起312が流路に対して出没する構成としてもよい。
(23)モータ315については、所定の条件が成立することにより(回転方向や回転速度)が変化する構成としてもよい。
(24)上記実施の形態では、第7ラウンドにて特別入球部353への入球が発生しなった場合に、第8ラウンドにて可変入球装置64の開放動作を終了する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、可変入球装置64の駆動制御態様(入賞モード)として、高頻度入賞モードと当該高頻度入賞モードよりも入球が発生しにくい(例えば実質的に入球が回避される)低頻度入賞モードとを設け、特別入球部353への入球が発生しなかった場合には、第9ラウンド〜第16ラウンドにおける駆動制御態様を高頻度入賞モードから低頻度入賞モードに切り替える構成とすることも可能である。このような構成とすれば、下側可変入球装置65からの遊技球の排出に対する配慮によって第7ラウンド〜第8ラウンド間のインターバル期間の間延びを好適に抑制できる。この場合、例えば第7ラウンドにおける抽選結果に係るフラグに基づいて、第9ラウンド以降の開閉態様を切り替える構成とすればよい。
(25)上記実施の形態においては抽選ユニット300の外郭を構成するハウジング301及びカバー体303を透明な合成樹脂材料によって形成し、当該抽選ユニット300の内部(例えば停留部321や振分部材352)を遊技機前方から視認可能としたが、これに限定されるものではない。少なくとも停留部321や振分部材352の視認性が担保されるのであれば足り、ハウジング301及びカバー体303を部分的に透明とすることも可能である。
また、上記実施の形態においては、シボ加工によって透明度を変化させることにより、第1待機通路331A(第1振分部材352A) → 第2待機通路331B(第2振分部材352B) → 第3待機通路331C(第3振分部材352C)の順に視認性が高くなるように差別化したが、このような視認性の差を設けるための具体的構成については任意である。
バックライト等の照明を用いる場合には、光量や光度の差によって上記視認性の違いを発生させるとよい。また、配置によって視認性の差を発生させてもよい。例えば、遊技者に近い位置の方が視界に入りやすくなる点に着目すれば、遊技者に近い側から遠い側に、第3待機通路331C(第3振分部材352C) → 第2待機通路331B(第2振分部材352B) → 第1待機通路331A(第1振分部材352A)の順に配列することにより視認性の差を設けることも可能である。
照明やシャッタ等を用いて視認性が高い高視認状態と、それよりも視認性が低い低視認状態とに切り替える可変手段を設けてもよい。以下の具体例においては、視認性の変化に係る構成を、第1待機通路331A(第1振分部材352A)及び第2待機通路331B(第2振分部材352B)に適用した場合について例示したが、これに限定されるものではない。第2待機通路331B(第2振分部材352B)及び第3待機通路331C(第3振分部材352C)に適用してもよいし、第1待機通路331A(第1振分部材352A)及び第3待機通路331C(第3振分部材352C)に適用してもよいし、第1待機通路331A(第1振分部材352A)〜第5待機通路331E(第5振分部材352E)に適用してもよい。
遊技者にとって相対的に不利な第1待機通路331Aに遊技球が入っていない状況下においては第1待機通路331A(第1振分部材352A)を高視認状態且つ第2待機通路331B(第2振分部材352B)を低視認状態とし、所定の条件が成立した場合(例えば第1待機通路331Aに待機している遊技球の数が上限数に達した場合や、第2待機通路331Bへ遊技球が流入した場合)に第2待機通路331B(第2振分部材352B)を高視認状態且つ第1待機通路331A(第1振分部材352A)を低視認状態となるように切り替える構成とすることも可能である。そもそも、第2待機通路331B(第2振分部材352B)については第1待機通路331A(第1振分部材352A)と比較して遊技者に有利となるように設定されており、遊技者に注目してもらいたい箇所ではあるが、第2待機通路331B(第2振分部材352B)への入球が発生しなかった場合に、遊技者の印象が悪化する可能性がある。そこで、第2待機通路331B(第2振分部材352B)を遊技球が通過し得る状況になった場合に、第2待機通路331B(第2振分部材352B)の視認性を高める構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、下側可変入球装置65に遊技者の注目が向くのが開閉実行モード(特に抽選が行われるラウンド)である点に鑑みれば、このような注目が向きやすい状況となった場合に視認性の差を発生させる構成とすることも可能である。つまり、通常遊技状態等では視認性の差が発生しないように規制される構成とすることも可能である。
(26)下側可変入球装置65に設けられたシャッタ341の開閉タイミングについては任意に変更してもよい。例えば、下側大入賞口65aが閉じたタイミングにてシャッタ341を開状態に切り替える構成としてもよいし、下側大入賞口65aが閉じる前のタイミング又は後のタイミングにてシャッタ341を開状態に切り替える構成としてもよい。また、シャッタ341を閉状態に維持して遊技球の貯留を促す期間(シャッタ341を開状態に切り替えるまでの期間)についても任意に変更してよい。
ここで、シャッタ341の動作タイミングを一義的に規定する必要はなく、当該動作タイミングを複数種設けてもよい。例えば、作動口62a,63aへの入球に基づく抽選結果(当たり結果の種類)に応じてシャッタ341の動作タイミングを個別に設定することも可能である。貯留される遊技球の数が多くなるほど遊技者にとって有利になるため、シャッタ341の動作タイミングや閉状態に維持される期間の差によって、有利不利の差を生じさせることができる。これは、遊技の単調化を抑制する上でも好ましい構成である。
(27)上記実施の形態においては、第3待機通路331C < 第2待機通路331B < 第1待機通路331Aの順に遊技球が流入しやすくなっており、第3振分部材352C < 第2振分部材352B < 第1振分部材352Aの順に回転速度を速くなるように設定した。つまり、遊技球が供給されやすい流路ほど排出効率(消化効率又は球送り効率)を高くすることにより、抽選に要する期間の間延びを抑制し、遊技進行の迅速化を実現した。
ここで、遊技球の排出効率については、振分部材352に形成されている受入部376の数、受入部376の大きさ、振分部材352の回転速度(回転周期)等の因子に依存するが、これら各因子については、遊技球が供給されやすい流路ほど排出効率が高くなるという技術的思想を担保できる範囲であれば任意に変更してもよい。
(28)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な入球手段(下側可変入球装置65)と、
前記入球手段に流入した遊技球を第1所定部(特別入球部353)及び当該第1所定部とは異なる第2所定部(排出通路部317)へ振り分ける振分手段(振分装置302を構成する振分部材352)と、
前記第1所定部へ遊技球が到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と、
前記入球手段の入口部分と前記振分手段との間に設けられ、前記入球手段から流入した複数の遊技球を貯留可能な貯留手段(停留部321)と、
前記貯留手段からの遊技球の流出を許容する許容状態及び当該流出を規制する規制状態に切替可能な規制手段(シャッタ341)と
を備え、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることで前記貯留手段から流出した遊技球が前記振分手段に案内されることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、規制手段が規制状態となっている状況下にて貯留手段に到達した遊技球が一時的に当該貯留手段にて待機する。その後、規制手段が規制状態から許容状態に切り替わるとそれら複数の遊技球が振分手段へと案内され、振分手段においては複数の遊技球を用いて第1所定部/第2所定部への振分(以下、振分抽選ともいう)が実行されることとなる。このような斬新な抽選方式によれば、上記振分抽選やそれに至る過程(貯留具合)にて遊技への注目度を好適に向上させることができる。
なお、「遊技球を貯留可能」とは、遊技球の流れを一時的に停滞させることを示す。つまり、必ずしも遊技球を停止させる必要はなく、同遊技球の揺動を許容することを含む。因みに、「遊技球を貯留可能」を「遊技球を待機可能」又は「遊技球を停留可能」と置き換えることも可能である。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な入球手段(下側可変入球装置65)と、
前記入球手段に流入した遊技球を第1所定部(特別入球部353)及び当該第1所定部とは異なる第2所定部(排出通路部317)へ振り分ける振分手段(振分装置302を構成する振分部材352)と、
前記第1所定部へ遊技球が到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と、
前記入球手段の入口部分と前記振分手段との間に設けられ、前記入球手段から流入した複数の遊技球を貯留可能な貯留手段(停留部321)と、
前記貯留手段からの遊技球の流出を許容する許容状態及び当該流出を規制する規制状態に切替可能な規制手段(シャッタ341)と
を備え、
前記貯留手段から流出した遊技球が前記振分手段に案内され、前記貯留手段に貯留されている遊技球の数に応じて前記第1所定部へ遊技球が振り分けられやすくなる構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、規制手段が規制状態となっている状況下にて貯留手段に到達した遊技球が一時的に当該貯留手段にて待機する。その後、規制手段が規制状態から許容状態に切り替わるとそれら複数の遊技球が振分手段へと案内され、振分手段においては複数の遊技球を用いて第1所定部/第2所定部への振分(以下、振分抽選ともいう)が実行されることとなる。このような斬新な抽選方式によれば、上記振分抽選やそれに至る過程(貯留具合)にて遊技への注目度を好適に向上させることができる。
特に、貯留されている遊技球の量が多くなることにより、相対的に遊技者に不利な第2所定部への振分確率が下がることとなる。つまり、規制手段が規制状態となっている場合にできるだけ多くの遊技球を入球させることにより、その後の振分抽選における遊技者の有利度合いが強くなる。このような構成によれば、振分抽選への過程における遊技への注目度を飛躍的に高めることができる。
なお、「遊技球を貯留可能」とは、遊技球の流れを一時的に停滞させることを示す。つまり、必ずしも遊技球を停止させる必要はなく、同遊技球の揺動を許容することを含む。因みに、「遊技球を貯留可能」を「遊技球を待機可能」又は「遊技球を停留可能」と置き換えることも可能である。
特徴A3.前記貯留手段は、横並びとなるように設けられた複数の貯留部(待機通路331)を有してなり、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記複数の貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分手段に供給されることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、複数の貯留部から各々遊技球が供給される。同じ数の遊技球が供給されるとしても、その供給元が複数となることで、1の貯留部からのみ遊技球が供給される場合と比較して、遊技球の供給に要する期間を短縮することが可能となる。これにより、振分手段による振分抽選の迅速化に寄与できる。
特徴A4.前記複数の貯留部は、各々の貯留部にて貯留可能な遊技球の上限数が同一となるように構成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
複数の貯留部を有する構成においては、貯留数の偏りが大きくなることにより、特徴A3に示した効果が発揮されにくくなる。この点、本特徴に示すように、各貯留部の上限数を揃える構成とすれば、特徴A3に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A5.前記複数の貯留部は、所定の貯留部にて貯留されている遊技球の数が上限数に達した場合に、後続の遊技球が他の貯留部に案内されるように構成されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、貯留数が上限に達した場合には後続の遊技球が当該貯留部とは別の貯留部に案内される。このような救済機能を付与することにより、上限数の存在が過度に不利に作用するような印象を遊技者に与えることを抑制できる。
また、上限到達時に他の貯留部へ遊技球が案内されることにより、貯留対象の偏りが過度に大きくなることを抑制できる。これにより、特徴A3等に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A6.前記入球手段は、入球を許容する受入状態(例えば開放状態)と当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態(例えば閉鎖状態)とに切替可能となっており、
前記入球手段が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わる場合に、前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
そもそも、入球手段への入球発生頻度が極めて低い場合には、上述したような一括での抽選機能が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、入球頻度が高低切り替わる可変式の入球手段との組み合わせにて、入球頻度が高い場合を利用することにより、そのような不都合の発生を好適に回避できる。つまり、可変式の入球手段が受入状態となっている場合にはまとまった数の入球が期待でき、貯留手段(貯留部)における貯留数が過度に少なくなることを抑制できる。このようにして、ある程度の遊技球が確保された後に規制手段が許容状態に切り替わることにより、まとまった数の遊技球がまとめて振分手段へ案内されやすくなる。
特徴A7.遊技状態が通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)となった場合に、前記入球手段を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処置を実行する機能)を備え、
前記切替制御手段は、前記入球手段が前記受入状態となっている状況下にて当該入球手段への入球数が複数の数である所定数(例えば10個)に達した場合に、前記入球手段を前記受入状態から前記非受入状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
本特徴に示すように、入球手段への入球数が複数の数である所定数となることで当該入球手段が受入状態から非受入状態に切り替わる構成とすることにより、上述した貯留数の確保に寄与できる。
特徴A8.前記規制手段は、前記貯留手段と前記振分手段とを繋ぐ流路へ突出する突出位置と、当該突出位置よりも前記流路への突出が抑えられた退避位置とに変位可能なシャッタ(シャッタ341)を有し、前記シャッタが前記突出位置に配置されることで前記規制状態となり且つ前記シャッタが前記退避位置に配置されることで前記許容状態となるように構成されており、
前記複数の貯留部は、所定方向(例えば左右方向)に並設されており、
前記シャッタの変位方向は、前記所定方向と交差する方向(例えば前後方向)となるように規定されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、シャッタを突出位置から退避位置へ変位させることにより複数の貯留部から振分手段への遊技球の供給が許容されることとなる。このように複数の貯留部からの遊技球供給の可否をまとめて切り替える構成とすれば、貯留部毎の遊技球の供給のタイミングにばらつきを軽減して、振分抽選開始時の応答性を好適に向上させることができる。
特徴A9.前記シャッタは、前記複数の貯留部に跨るように形成され、前記突出位置に配置されている状態では当該シャッタに遊技球が載る構成となっており、
前記複数の貯留部を仕切る仕切り部(区画部324)には、前記シャッタが挿通されるスリット(スリット326)が形成されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9に示すように大型のシャッタによって複数の貯留部からの遊技球の流出を規制する構成においては、貯留数に偏りが生じることで、シャッタに荷重(遊技球の重さ等)が加わる位置についても偏りが生じる。このような荷重によってシャッタに撓み等の変形が生じることはシャッタの動作を不安定にさせる要因になり得る。
そこで、本特徴に示すように仕切り部に形成されたスリットにシャッタを挿通させる構成とすれば、仕切り部によってシャッタを支えることができ、上述した変形等の発生を好適に抑制できる。故に、簡易な構成によってシャッタの動作安定性の向上に寄与できる。
特徴A10.前記振分手段は、前記複数の貯留部のうち1の貯留部に貯留されている遊技球の数が当該貯留部における貯留可能な遊技球の上限数に近づくにつれて、前記振分手段による前記第1所定部への振分確率が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、複数の貯留部に遊技球が分かれて貯留されること、1の貯留部における貯留数が上限に近づくことの2つの要因によって第1所定部へ遊技球が振分られる可能性が高くなる。このような構成とすることにより、遊技者は特定の貯留部にてまとまった数の遊技球が待機することや複数の貯留部に手広く遊技球が待機することを期待して遊技を行うこととなる。これにより、無駄に上限数を多く設定することなく遊技者の遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴A11.前記振分手段には、遊技球を受け入れ可能な複数の受入部(受入部376)が形成されており、
前記複数の受入部のうち一部の受入部は当該受入部に入った遊技球を前記第2所定部へ送るように構成されており、当該受入部に遊技球が入っている場合には、当該遊技球によって後続の遊技球の当該受入部への流入が回避されるように構成されていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、振分手段には第1所定部対応の受入部(第1受入部377)及び第2所定部対応の受入部(第2受入部378)が併存している。第2所定部対応の受入部に遊技球が入っている場合には、当該遊技球によって後続の遊技球の当該受入部への入球が回避されることとなる。つまり、先行する遊技球によって後続の遊技球の入球先が絞れられることとなる。この結果、第2所定部への振分確率が低下するとともに第1所定部への振分確率が上昇することとなる。これにより、特徴A10に示した技術的思想を好適に具現化できる。
特徴A12.前記規制手段は、前記許容状態となった後は、少なくとも前記貯留手段に貯留されている遊技球が当該貯留手段から全て排出されるまで、当該許容状態に維持される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、規制手段が規制状態から許容状態に切り替わった場合には、少なくとも貯留手段に貯留されている遊技球がなくなるまでは規制手段が許容状態に維持される。貯留されている遊技球群への規制手段の無理な割り込みを回避することにより、規制手段に生じる負荷を緩和して、当該規制手段に係る動作不良等の発生を好適に抑制できる。
特徴A13.前記貯留手段は、横並びとなるように設けられた第1貯留部(例えば第1待機通路331A)及び第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を有してなり、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分手段に供給され、
前記第1貯留部に貯留されている遊技球の数が当該第1貯留部にて貯留可能な遊技球の上限数に達している状況にて当該第1貯留部へ向けて移動する遊技球が前記第2貯留部側へ案内される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、貯留対象に偏りが生じ第1貯留部が満タンになった場合には、後続の遊技球は第2貯留部側へ案内されることとなる。これにより、無駄球の発生を抑えるだけでなく、貯留先の過度の偏りを抑えるようにして平滑化することにより、並列となる複数の貯留部を併用することによる恩恵を好適に享受できる。
特徴A14.前記第1貯留部に貯留されている遊技球の数が上限数に達している状況下にて当該第1貯留部へ向けて移動する遊技球は、前記第1貯留部に貯留されている遊技球に当たることにより、前記第2貯留部へ案内される構成となっていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第1貯留部に待機している遊技球に後続の遊技球が当たることにより、当該遊技球が第2貯留部へ案内されることとなる。このように、先行する遊技球を用いて上記平滑化を行うことにより、貯留先を変更する為の構成を簡素化できる。
特徴A15.前記第1貯留部は通路状をなし、通路幅が同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように規定されており、当該第1貯留部に貯留されている遊技球の数が前記貯留上限に達した場合には最後に貯留された遊技球の一部が当該第1貯留部の入口部分から突出した状態となるように形成されていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、最後に貯留された遊技球の一部を入口部分から突出させておくことにより、当該遊技球を後続の遊技球を案内する案内手段として機能させることができる。これにより、特徴A14に示した技術的思想を好適に具現化できる。
なお、最後に貯留された遊技球の突出量については、遊技球の半分以下となるように構成するとよい。係る構成によれば、後続の遊技球との衝突によって待機中の遊技球が貯留部から飛び出ることを抑制することができる。
特徴A16.前記規制手段は、前記第1貯留部の底部を構成しており、
前記規制手段にて前記底部を構成している部分には、前記第1貯留部と前記第2貯留部との並設方向にて前記第1貯留部側に下り傾斜となる傾斜部(傾斜部343)が形成されており、
前記第1貯留部の通路長は、当該第1貯留部における前記上限数が奇数となるように形成されていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、最初に第1貯留部に流入した遊技球は、第2貯留部から遠い側に偏倚した位置に待機し、次の遊技球は第2貯留部に近い側に偏倚した位置に待機する。このように遊技球の待機位置を限定することにより、奇数である上記上限数に達した際の最後の遊技球については、第2貯留部から遠い側に偏倚した位置に待機することとなる。これにより、当該遊技球に後続の遊技球が当たった場合には、この後続の遊技球が第2貯留部へ案内されやすくなる。故に、構造を過度に複雑にすることなく、上限到達時の遊技球の案内機能を享受できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記規制手段は、前記第1貯留部の底部を構成しており、前記規制手段にて前記底部を構成している部分には、前記第1貯留部と前記第2貯留部との並設方向にて前記第2貯留部側に下り傾斜となる傾斜部(傾斜部343)が形成されており、前記第1貯留部の通路長は、当該第1貯留部における前記上限数が偶数となるように形成されていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A17.前記振分手段は、
前記第1貯留部(例えば第1待機通路331A)を通じて遊技球が供給される第1可動体(例えば第1振分部材352A)と、
前記第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を通じて遊技球が供給される第2可動体(例えば第2振分部材352B)と
を有し、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記第1所定部へ遊技球を案内する状態と前記第2所定部へ遊技球を案内する状態とに周期的に切り替わる構成となっており、
前記第1可動体の切替周期と、前記第2可動体の切替周期とが相違していることを特徴とする特徴A13乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A17によれば、第1可動体の切替周期と第2可動体の切替周期とが相違している。このため、第1貯留部における貯留数が上限に達して第2貯留部へ遊技球が案内された場合には、単に複数の可動体による振分抽選が実行されるだけではなく、その抽選タイミングに差を生じさせることができる。故に、抽選態様の更なる多様化に寄与できる。
特徴A18.前記振分手段は、
前記第1貯留部(例えば第1待機通路331A)を通じて遊技球が供給される第1可動体(例えば第1振分部材352A)と、
前記第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を通じて遊技球が供給される第2可動体(例えば第2振分部材352B)と
を有し、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記第1所定部へ遊技球を案内する状態と前記第2所定部へ遊技球を案内する状態とに周期的に切り替わる構成となっており、
前記第1貯留部に供給された遊技球が前記第1所定部へ案内される確率と前記第2貯留部に供給された遊技球が前記第1所定部に案内される確率とが相違していることを特徴とする特徴A13乃至特徴A17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1可動体による振分確率と第2可動体による振分確率とが相違している。このため、第1貯留部における貯留数が上限に達して第2貯留部へ遊技球が案内された場合には、単に複数の可動体による振分抽選が実行されるだけではなく、その抽選に係る有利度合いに差を生じさせることができる。故に、抽選態様の更なる多様化に寄与できる。
特徴A19.前記入球手段の入口部分と前記貯留手段との間に設けられ、前記入口部分に流入した遊技球の流路を形成する流路形成部(流路形成部320)を備え、
前記流路形成部は、前記第1貯留部への流入確率が前記第2貯留部への流入確率よりも高くなるように構成されており、
前記第2貯留部を通じて前記第2可動体に供給された遊技球は、前記第1貯留部を通じて前記第1可動体に供給された遊技球よりも前記第1所定部へ案内されやすくなっていることを特徴とする特徴A13乃至特徴A18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A19によれば、相対的に不利な第1貯留部に遊技球が溜まることにより、相対的に有利な第2貯留部へ遊技球が案内されやすくなる。これにより、第1貯留部に遊技球が溜まることが遊技者の遊技意欲を減退させる要因になることを抑制できる。このような構成を特徴A1等に示した構成と組み合わせることにより、できるだけ多くの遊技球が入球手段へ入るように遊技を行うように促し、その結果として実際に多くの入球が発生したとしても、それが抽選期間の間延びの要因になることを抑制し、遊技進行の円滑さを担保できる。
特徴A20.前記規制手段は、前記貯留手段と前記振分手段とを繋ぐ流路へ突出する突出位置と、当該突出位置よりも前記流路への突出が抑えられた退避位置とに変位可能なシャッタ(シャッタ341)を有し、前記シャッタが前記突出位置に配置されることで前記規制状態となり且つ前記シャッタが前記退避位置に配置されることで前記許容状態となるように構成されており、
前記シャッタは、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に跨るように形成され、前記突出位置に配置されている状態では当該シャッタに遊技球が載る構成となっており、
前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、前記第2貯留部よりも前記第1貯留部が前記シャッタの保持位置(ガイド溝313)寄りとなるように配させていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A19に示したように、遊技球の流入確率に差が生じている構成においては、シャッタに高負荷となる部分(比較的球圧が大きくなる部分)と低負荷となる部分(比較的球圧が小さくなる部分)とが生じる。このような負荷によってシャッタに撓み等の変形が生じた場合には、上記切替機能が上手く発揮されなくなり、動作に係る信頼性が低下すると懸念される。そこで、比較的貯留数が多くなりやすい第1貯留部(高負荷の要因となる構成)をシャッタの保持位置に近づけて配置することにより、負荷を受けたシャッタの変形を好適に抑制することができる。このようにして規制手段の保護を図ることにより、貯留数の偏重に起因した動作信頼性の低下を好適に払拭できる。
特徴A21.前記規制手段は、前記貯留手段と前記振分手段とを繋ぐ流路へ突出する突出位置と、当該突出位置よりも前記流路への突出が抑えられた退避位置とに変位可能なシャッタ(シャッタ341)を有し、前記シャッタが前記突出位置に配置されることで前記規制状態となり且つ前記シャッタが前記退避位置に配置されることで前記許容状態となるように構成されており、
前記シャッタは、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に跨るように形成され、前記突出位置に配置されている状態では当該シャッタに遊技球が載る構成となっており、
前記シャッタの両側部にて当該シャッタを変位可能に保持する保持部(ガイド溝313)を備え、
前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、前記第2貯留部よりも前記第1貯留部が前記保持位部寄りとなるように配させていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A19に示したように、遊技球の流入確率に差が生じている構成においては、シャッタに高負荷となる部分(比較的球圧が大きくなる部分)と低負荷となる部分(比較的球圧が小さくなる部分)とが生じる。このような負荷によってシャッタに撓み等の変形が生じた場合には、上記切替機能が上手く発揮されなくなり、動作に係る信頼性が低下すると懸念される。そこで、比較的貯留数が多くなりやすい第1貯留部(高負荷の要因となる構成)をシャッタの保持部に近づけて配置することにより、負荷を受けたシャッタの変形を好適に抑制することができる。このようにして規制手段の保護を図ることにより、貯留数の偏重に起因した動作信頼性の低下を好適に払拭できる。
特徴A22.前記貯留手段は、横並びとなるように設けられた第1貯留部(例えば第1待機通路331A)及び第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を有してなり、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分手段に供給され、
前記振分手段は、
前記第1貯留部を通じて遊技球が供給される第1可動体(例えば第1振分部材352A)と、
前記第2貯留部を通じて遊技球が供給される第2可動体(例えば第2振分部材352B)と
を有し、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記第1可動体による遊技球の振分態様と、前記第2可動体による遊技球の振分態様とが相違するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A21のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A22によれば、第1可動体による遊技球の振分態様と第2可動体による遊技球の振分態様とが相違する。このため、第1貯留部及び第2貯留部を通じて振分手段へ遊技球が案内された場合には、単に複数の可動体による振分抽選が実行されるだけではなく、その経緯に応じて振分態様に差が生じることとなる。故に、遊技球の貯留先を複数設けたことと相まって、振分抽選の単調化を好適に抑制し、遊技球の挙動に対する注目度の向上に貢献できる。
特徴A23.前記貯留手段は、横並びとなるように設けられた第1貯留部(例えば第1待機通路331A)及び第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を有してなり、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分手段に供給され、
前記振分手段は、
前記第1貯留部を通じて遊技球が供給される第1可動体(例えば第1振分部材352A)と、
前記第2貯留部を通じて遊技球が供給される第2可動体(例えば第2振分部材352B)と
を有し、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記第1所定部へ遊技球を案内する状態と前記第2所定部へ遊技球を案内する状態とに周期的に切り替わる構成となっており、
前記第1可動体の切替周期と、前記第2可動体の切替周期とが相違していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A21のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A23によれば、第1可動体の切替周期と第2可動体の切替周期とが相違する。このため、第1貯留部及び第2貯留部を通じて振分手段へ遊技球が案内された場合には、単に複数の可動体による振分抽選が実行されるだけではなく、そのタイミングに応じて振分結果に差が生じることとなる。故に、遊技球の貯留先を複数設けたことと相まって、振分抽選の単調化を好適に抑制し、遊技球の挙動に対する注目度の向上に貢献できる。
特徴A24.前記入球手段の入口部分と前記貯留手段との間に設けられ、前記入口部分に流入した遊技球の流路を形成する流路形成部(流路形成部320)を備え、
前記流路形成部は、前記第1貯留部への流入確率が前記第2貯留部への流入確率よりも高くなるように構成されており、
前記第1可動体の動作周期が、前記第2可動体の動作周期よりも短くなっていることを特徴とする特徴A22又は特徴A23に記載の遊技機。
複数の貯留部に貯留されている遊技球をまとめて振分手段に送ることで並列的に振分抽選を行う場合には、抽選に係る総期間が間延びすることが、迅速な遊技の進行の妨げになり得る。ここで、本特徴に示すように第2貯留部よりも第1貯留部の方に遊技球が流入しやすい構成においては、振分抽選の進行が第1貯留部〜第1可動体に依存してしまう。そこで、第1可動体の動作周期(速度)を第2可動体の動作周期(速度)よりも短くすることにより、上記総期間の間延びを好適に抑制することができる。これにより、遊技球の流入先が第1貯留部/第2貯留部で偏る構成であっても、それに起因して遊技進行が過度に遅くなることを回避できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記貯留手段は、横並びとなるように設けられた第1貯留部(例えば第1待機通路331A)及び第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を有してなり、前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分手段に供給され、前記振分手段は、前記第1貯留部を通じて遊技球が供給される第1可動体と、前記第2貯留部を通じて遊技球が供給される第2可動体とを有し、前記第1可動体及び前記第2可動体は、所定の動作周期で動作することにより、前記第1所定部に遊技球を振り分ける状態と、前記第2所定部に遊技球を振り分ける状態とに切り替わる構成となっており、前記入球手段の入口部分と前記貯留手段との間に設けられ、前記入口部分に流入した遊技球の流路を形成する流路形成部(流路形成部320)を備え、前記流路形成部は、前記第1貯留部への流入確率が前記第2貯留部への流入確率よりも高くなるように構成されており、前記第1可動体の動作周期が、前記第2可動体の動作周期よりも短くなっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A23のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A25.前記第1可動体及び前記第2可動体には、遊技球を受け入れ可能な複数の受入部(受入部376)が形成されており、前記複数の受入部のうち所定の受入部は当該所定の受入部に入った遊技球を前記第2所定部へ搬送するように構成されており、
前記所定の受入部に遊技球が入っている場合には、当該遊技球によって後続の遊技球の当該所定の受入部への流入が回避されるように構成されており、
前記第1可動体は、前記第2可動体よりも前記所定の受入部の数が多くなるように構成されていることを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、振分手段には第1所定部対応の受入部及び第2所定部対応の受入部(所定の受入部)が併存している。所定の受入部に遊技球が入っている場合には、当該遊技球によって後続の遊技球の当該所定の受入部への入球が回避されることとなる。つまり、先行する遊技球によって後続の遊技球の入球先が絞れられることとなる。この結果、第2所定部への振分確率が低下するとともに第1所定部への振分確率が上昇することとなる。ここで、特徴A24に示したように、第1可動体の動作周期が短い構成にて敢えて第1可動体を経由した第1所定部への振分確率を下げる構成とすることにより、第2貯留部への関心が薄れることを抑制し、第1貯留部及び第2貯留部を好適に共存させることが可能となる。
特徴A26.前記第1貯留部及び前記第1可動体は、前記第1貯留部に貯留される遊技球の上限数が前記第1可動体における前記受入部の数よりも少なくるように形成されていることを特徴とする特徴A25に記載の遊技機。
第1貯留部に貯留される遊技球の数に遊技者が注視してしまっては、遊技者にとって比較的有利な第2貯留部への貯留の有無に対する遊技者の関心が薄れてしまう。これでは、2つの貯留部を併用する意義が薄れると懸念される。そこで、遊技球が流入しやすい第1貯留部については敢えて貯留上限数を受入部の数よりも少なくすることにより、第1貯留部における貯留数が振分抽選にて過度に支配的になることを抑制し、第2貯留部との共存による一括での振分抽選への注目を促すことができる。なお、受入部の数よりも貯留上限数を少なくすることは、振分抽選に要する所要期間が間延びすることを抑制する上でも好ましい構成である。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な入球手段(下側可変入球装置65)と、
前記入球手段に入球した遊技球を前記第1所定部(特別入球部353)及び当該第1所定部とは異なる第2所定部(排出通路部317)に振り分ける振分手段(振分装置302)と、
前記入球手段に入球した遊技球が前記第1所定部に到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と、
を備え、
前記振分手段は、遊技球を受入可能な複数の受入部(受入部376)を有する可動体(振分部材352)が所定の周期で変位するように構成されており、
前記受入部は、前記可動体に到達した遊技球を前記第1所定部へ遊技球を案内する第1受入部(第1受入部377)と、前記可動体に到達した遊技球を前記第2所定部へ案内する第2受入部(第2受入部378)とを有しており、
前記振分手段には、前記第1受入部の数及び前記第2受入部の数の少なくとも何れかが異なる複数の可動体(第1振分部材352A〜第5振分部材352E)が設けられており、
前記入球手段に入球した遊技球は前記複数の可動体の何れかに案内されることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、入球手段に入った遊技球は、振分手段(可動体)を経由して第1所定部及び第2所定部に振り分けられることとなる。振分手段を構成する複数の可動体については第1受入部及び第2受入部の数の少なくとも何れかが異なっており、遊技球の振分態様に違いが生じる。このように、振分態様の異なる複数の可動体を併用し、入球手段に入球した遊技球がこれら可動体に振り分けられる構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴B2.前記複数の可動体として第1可動体(例えば第1振分部材352A)及び第2可動体(例えば第2振分部材352B)を有し、
前記入球手段に入球した遊技球を前記第1可動体及び前記第2可動体の何れかに案内する案内手段(流路形成部320や停留部321)を備え、
前記案内手段は先行する遊技球の案内状況に応じて後続の遊技球の案内先が変化するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2に示すように、先行する遊技球の案内状況に応じて後続の遊技球の案内先が変化し得る構成とすれば、第1可動体及び第2可動体への遊技球の振分態様に入球状況に応じた変化を生じさせることができる。これにより、特徴B1に示した単調化の抑制効果を一層好適に抑制することができる。
特徴B3.前記第2可動体は、前記第1可動体よりも前記第1所定部への振分率が高くなるように構成されており、
前記案内手段は、前記第1可動体へ案内される遊技球の数が所定数に達している場合には、後続の遊技球が前記第2可動体へ案内される確率が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、遊技者にとって相対的に不利となるように設定された第1可動体へ案内される遊技球の数が所定数に達している場合には、後続の遊技球が第2可動体へ案内される確率が高まる。これにより、遊技球の案内先が第1可動体側へ偏った場合であっても、入球手段への入球が発生しさえすれば、第2可動体側へ遊技球が案内されやすくなる。これにより、第1所定部への到達→特典付与を期待する遊技者に対して少しでも多くの遊技球を入球させるようにして遊技を行うように促すことができ、遊技への注目度の更なる向上に貢献することができる。
特徴B4.前記案内手段は、前記第1可動体へ遊技球を案内する第1案内部(例えば第1待機通路331A)と前記第2可動体へ遊技球を案内する第2案内部(例えば第2待機通路331B)とを有し、
前記第1案内部から前記第1可動体への遊技球の供給及び前記第2案内部から前記第2可動体への遊技球の供給の少なくとも何れかを遅延させる遅延手段(シャッタ341等)を備えていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B6によれば、複数の遊技球が第1案内部/第2案内部へ案内される場合に、先行する遊技球の動きを一時的に遅らせることで、後続の遊技球の到達を待つことができる。これにより、各案内部→各可動体への供給タイミングのずれを減縮し、複数の可動体を用いた抽選を並列して行うことができる。これにより、抽選に対して遊技者の注目を促すことができる。
特徴B5.前記第1可動体が変位する周期と前記第2可動体が変位する周期とが異なっていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B4に示したように複数の可動体を用いて並列的に振分抽選を行う構成においては、抽選タイミングが完全に一致した場合に、抽選対象となった各遊技球の動きを目で追うことが困難になる。そこで、各可動体が変位する周期に差を付与すれば、実際の振り分けタイミングに僅かながら差を生じさせることができる。このようにして、個々の遊技球の動きを把握しやすい構成とすることにより、特徴B4に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成については「前記第1可動体及び前記第2可動体は回転可能に設けられており、前記第1可動体における前記受入部の配置間隔と、前記第2可動体における前記受入部の配置間隔とが一致しており、前記第1可動体及び前記第2可動体を位相差が生じるようにして回転させる手段を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。」とすることも可能である。また、「前記第1可動体に到達した遊技球が当該第1可動体に設けられた前記第1受入部及び前記第2受入部の何れかに入るまでに要する所要期間と、前記第2可動体に到達した遊技球が当該第2可動体に設けられた前記第1受入部及び前記第2受入部の何れかに入るまでに要する所要期間とが相違し得る構成となっていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す技術的思想を特徴B1等に適用することにより、第1所定部/第2所定部への遊技球の振分態様の多様化を実現することができる。
特徴B6.前記第1可動体が変位する周期は前記第2可動体が変位する周期よりも短くなるように設定されており、
前記案内手段は、前記入球手段へ入球した遊技球が前記第2案内部よりも前記第1案内部へ向けて移動しやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
上述した並列的な振分抽選を行う場合には、振分抽選に係る期間が間延びすることを抑制して、遊技進行のメリハリを強化することができる。但し、入球手段へ入った遊技球の通過経路に偏りがある場合には、上記期間が通行量の多い経路に依存して長くなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、通行量の多い経路(第1案内部〜第1可動体)においては、第1可動体の変位周期を短くすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制し、振分抽選の迅速化に寄与できる。
特徴B7.前記第1可動体及び前記第2可動体は、水平方向に延びる軸線を中心として所定方向へ回転可能な回転体であり、
前記第1可動体に配設された前記受入部及び前記第2可動体に配設された前記受入部は、それら第1可動体及び第2可動体の回転方向に並べて配されており、
前記第1可動体の外周部及び前記第2可動体の外周部に前記第1受入部の入口部分が形成されており、前記第1可動体及び前記第2可動体に供給された遊技球は、前記入口部分に入るまで前記第1可動体の外周部又は前記第2可動体の外周部に載った状態となるように構成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、振分手段に到達した遊技球の待機期間は可動体の変位周期(回転周期)に依存し、当該変位周期を超えて待機したままになることを抑制することができる。これにより、振分抽選が無駄に長くなることを抑制することができる。
なお、上述したように各可動体に複数の受入部を配列する構成は、振分抽選に係る期間を短縮する上で好ましい。
特徴B8.前記振分手段と前記案内手段との間に設けられ、前記振分手段への遊技球の供給を許容する許容状態及び前記振分手段への遊技球の供給を規制する規制状態に切替可能な規制手段(シャッタ341等)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602の切替機能)と
を備え、
前記切替制御手段は、前記規制手段を前記許容状態としてから前記規制状態に復帰させるまでの期間が前記第1可動体及び前記第2可動体のうち回転周期の長い一方の回転速度に基づいて設定されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、複数の遊技球が案内手段(例えば第1案内部や第2案内部)へ案内される場合に、先行する遊技球の動きを一時的に遅らせることで、後続の遊技球の到達を待つことができる。これにより、各案内部→各可動体への供給タイミングのずれを減縮し、複数の可動体を用いた抽選を並列して行うことができる。これにより、抽選に対して遊技者の注目を促すことができる。
ここで、規制手段を許容状態→規制状態に復帰させる場合に遊技球が案内手段(例えば第1案内部や第2案内部)に残ったままとなっては、このような復帰動作が上手く行われなくなる可能性を否定できない。また、本来であれば振分手段へ供給されるはずであった遊技球が上手く振分手段へ供給されず振分抽選の機会を逸してしまう可能性も残る。この点、本特徴に示すように規制手段を許容状態から規制状態に復帰させるまでの期間が第1可動体及び第2可動体のうち回転周期の長い一方の回転速度に配慮して設定する構成とすれば、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、特徴B4等との組み合わせにおいては、特徴B4等に示した「遅延手段」と本特徴に示す「規制手段」とを同一のものとすることも可能である。
特徴B9.前記案内手段は、前記第1可動体へ遊技球を案内する第1案内部(例えば第1待機通路331A)と前記第2可動体へ遊技球を案内する第2案内部(例えば第2待機通路331B)とを有し、
前記規制手段は、前記第1案内部及び前記第2案内部に跨るように構成されたシャッタ(シャッタ341)を有し、前記シャッタが前記第1案内部及び前記第2案内部からの遊技球の流出を規制する規制位置から当該流出を許容位置へ変位することにより、前記規制状態から前記許容状態に切り替わる構成となっていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9に示すように大型のシャッタによって複数の案内部からの遊技球の流出を規制する構成においては、各案内部から各可動体への遊技球の供給タイミングを揃えることができる。これにより、上述した振分抽選を並列して行う機能を簡易な構成によって発揮させることができる。
特徴B10.前記案内手段は、前記第1可動体へ遊技球を案内する第1案内部(例えば第1待機通路331A)と前記第2可動体へ遊技球を案内する第2案内部(例えば第2待機通路331B)とを有し、
前記第1案内部及び前記第2案内部は、複数の遊技球を貯留可能となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10によれば、各案内部に複数の遊技球を待機させておくことができ、待機している遊技球が尽きるまで振分抽選を連続して行うことができる。これにより、抽選期間の間延びを抑制して、遊技への注目度の向上に貢献することができる。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きの多様化を好適に実現させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な入球部(下側可変入球装置65)と、
振分手段(振分部材352)を有し、当該振分手段の動作により前記入球部に入った遊技球を第1所定部(特別入球部353)及び当該第1所定部とは異なる第2所定部(排出通路部317)に振り分ける振分装置(振分装置302)と、
前記入球部に入った遊技球を前記振分装置へ案内する案内手段(流路形成部320や停留部321)と
を備えた遊技機であって、
前記振分手段として、第1振分手段(例えば第1振分部材352A)及び第2振分手段(例えば第2振分部材352B)を有し、
前記案内手段は、前記入球部に入った遊技球を前記第1振分手段へ案内する第1案内部(例えば第1待機通路331A)と、前記入球部に入った遊技球を前記第2振分手段へ案内する第2案内部(例えば第2待機通路331B)とを有し、
前記入球部へ入った遊技球は前記第2案内部よりも前記第1案内部に流入しやすくなるように構成されており、
前記第1案内部に流入した遊技球が前記第1振分手段によって前記第1所定部及び前記第2所定部に振り分けられるまでの所要期間は、前記第2案内部に流入した遊技球が前記第2振分手段によって前記第1所定部及び前記第2所定部に振り分けられるまでの所要期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、入球部に入った遊技球は、振分装置によって第1所定部及び第2所定部に振り分けられる。ここで、第1案内部→第1振分手段を経由する第1ルートと、第2案内部→第2振分手段を経由する第2ルートとを併用すれば、遊技球の振分態様の多様化を実現しつつ振り分けに要する期間の短縮を実現することができる。しかしながら、振分多様の多様化等の観点から遊技球の流入数に第2案内部 < 第1案内部となるような偏りを設けた場合には、流入数の多いルートでの待ち等が長くなって振り分けに要する期間が間延びしやすくなる。
この点、本特徴に示すように、遊技球が比較的通過しやすい第1ルートは、遊技球が比較的通過しにくい第2ルートよりも、案内部に流入した遊技球が第1所定部/第2所定部に振り分けられるまでの所要期間が短くなるようにすることで、振分装置における遊技球の振り分けに要する期間の間延びを抑制できる。これは、遊技進行の円滑化を図る上で好ましい構成である。
因みに、本特徴群に示す技術的思想と上述した他の特徴群に示し技術的思想とを組み合わせる場合には、本特徴に示す「振分手段」を「可動体」とし、本特徴に示す「振分装置」を「振分手段」とすることも可能である。
特徴C2.前記第1振分手段によって遊技球の振り分けが行われる期間と、前記第2振分手段によって遊技球の振り分けが行われる期間との少なくとも一部が重複し得る構成となっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2に示すように各ルートによる遊技球の振り分けが並行しておこなれる構成に対して特徴C1に示した技術的思想を適用すれば、遊技進行の更なる円滑化に寄与できる。
特徴C3.前記第1振分手段及び前記第2振分手段は、周期的に動作する構成となっており、
前記第1振分手段の動作周期は、前記第2振分手段の動作周期よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3に示すように各振分手段の動作周期の差を利用すれば、特徴C1に示した所要期間の差を好適に創出できる。また、動作周期を相違させる構成によれば、第1振分手段と第2振分手段との関係(例えば相対位置や位相)が様々に変化することとなる。これは、各ルートにおける遊技球の振り分けタイミングを多様化して、遊技の単調化を抑制する上で好ましい構成である。
なお、本特徴に示す構成を「前記第1振分手段及び前記第2振分手段は、周期的に動作する構成となっており、前記第1振分手段の動作速度は、前記第2振分手段の動作速度よりも速くなるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C4.前記第1振分手段及び前記第2振分手段には、遊技球を受入可能な受入部(受入部376)が形成されており、
前記第1振分手段に形成された受入部の数が、前記第2振分手段に形成された受入部の数よりも多くなっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C3に示すように受入部の数の差を利用すれば、特徴C1に示した所要期間の差を好適に創出できる。係る構成においては、振分手段の動作速度を無暗に上げる必要がなくなり、振分装置の動作の安定化に寄与できる。
特徴C5.前記案内手段と前記振分装置との間に設けられ、前記案内手段からの遊技球の流出を規制することにより当該案内手段における遊技球の貯留を許容する第1状態と、前記規制を解除する第2状態とに切替可能な切替手段(シャッタ341等)を備え、
前記切替手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わることにより、前記第1案内部に貯留されている遊技球が前記第1振分手段へ供給され且つ前記第2案内部に貯留されている遊技球が前記第2振分手段へ供給されるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C5によれば、複数の案内部に貯留されている遊技球を一括して振り分ける構成とすることにより、遊技球の振り分けに対する注目度を好適に向上させることができる。また、同時に供給(振分)を開始する構成では、上記効果を享受することができる反面、遊技球が溜まりやすいルートが足を引っ張ることにより、振分装置全体で見た場合の振り分けに要する期間の短縮が困難になり得る。これは、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。このような構成に対して、特徴C1等に示した技術的思想を適用することにより、振り分けに要する期間の間延びを好適に抑制して実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C6.遊技球の入球を許容する許容状態と、遊技球の入球を規制する規制状態とに切替可能な入球手段と、
所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を前記入球手段が前記許容状態と前記規制状態とに複数回切り替わる特別遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段と
を備え、
前記入球部は前記入球手段としての機能が付与されており、
前記入球部が前記許容状態となっている状況下にて第1切替条件が成立した場合に前記入球部を前記規制状態に切り替える切替制御手段を備え、
前記入球部が前記許容状態となっている状況下にて第2切替条件が成立した場合に前記切替手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、特別遊技状態中に振分装置による遊技球の振り分けを行われる。ここで、入球部が許容状態となっている状況下にて第1切替条件が成立することで入球部への入球が規制され、第2切替条件が成立することで切替手段が第2状態となって案内手段から振分装置への遊技球の供給が開始される。この種の遊技機に対して特徴C1に示し技術的思想を適用すれば、遊技球の排出効率を高めることにより、許容状態→規制状態→規制状態となる場合のインターバル期間や特別遊技状態を終了する際のエンディング期間に係る制約を緩和することができる。つまり、遊技球の排出期間の間延びを抑制し、特別遊技状態における遊技進行の円滑化に寄与できる。
なお、例えば「前記入球部が前記許容状態となって当該入球部に遊技球が入った場合には、前記入球部に入った遊技球が当該入球部から全て排出されたことを条件として前記入球手段を前記規制手段から前記許容状態に切り替える又は前記特別遊技状態を終了する」構成に対して本特徴C5に示す技術的思想を適用することにより実用上好ましい構成が実現できる。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な入球手段(下側可変入球装置65)と、
前記入球手段に入った遊技球を第1所定部(特別入球部353)及び当該第1所定部とは異なる第2所定部(排出通路部317)へ振り分ける振分装置(振分部材352)と、
前記第1所定部へ遊技球が到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と、
前記入球手段の入口部分と前記振分装置との間に設けられ、前記入球手段に入った複数の遊技球を貯留可能な貯留手段(停留部321)と、
前記貯留手段からの遊技球の流出を許容する許容状態及び当該流出を規制する規制状態に切替可能な切替手段(シャッタ341)と
を備え、
前記貯留手段は遊技機正面視にて並設された第1貯留部及び第2貯留部を有し、前記切替手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分装置に供給される構成となっており、
前記振分装置は、前記第1貯留部(例えば第1待機通路331A)を通じて遊技球が供給される第1振分手段(例えば第1振分部材352A)と、前記第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を通じて遊技球が供給される第2振分手段(例えば第2振分部材352B)とを有し、前記第2貯留部を通じて前記第2振分手段に供給された遊技球は、前記第1貯留部を通じて前記第1振分手段に供給された遊技球よりも前記第1所定部へ案内されやすくなるように構成されており、
前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、前記第1貯留部にて貯留されている遊技球の数が上限数に達した場合に、後続の遊技球が前記第2貯留部側に案内されるように構成されており、
遊技機前方から見て前記第2貯留部の方が前記第1貯留部よりも視認がしやすくなるようにそれら第1貯留部及び第2貯留部の視認性に差違を付与する手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、入球手段に流入した遊技球は、第1貯留部や第2貯留部に貯留され、切替手段が許容状態となることにより振分装置へ供給される。ここで、第1貯留部を通じて第1振分手段へ供給される遊技球と、第2貯留部を通じて第2振分手段へ供給される遊技球とを比較した場合、後者の方が第1所定部へ案内される確率が高くなる。但し、入球手段へ流入した遊技球は第1貯留部へ案内されやすくなっており、第1貯留部における貯留数が上限数に達した場合に第1貯留部に向かう遊技球が第2貯留部側へ案内されることとなり、第2貯留部における貯留への期待が大きくなる。
本特徴においては、第1貯留部及び第2貯留部(それら貯留部に貯留される遊技球)を視認可能としつつ、両貯留部の視認性に差を付与している。具体的には、第1貯留部と比べて第2貯留部の視認性を高くすることにより、遊技者が注目すべき箇所を分かりやすくすることができる。このような視認性の差によって遊技者の注目を第2貯留部へ向けさせることにより、遊技球の振分態様を複雑にして遊技の単調化を抑えたとしても、それに起因して注目箇所が分かりづらくなることを抑制できる。故に、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な入球手段(下側可変入球装置65)と、前記入球手段に入った遊技球を第1所定部(特別入球部353)及び当該第1所定部とは異なる第2所定部(排出通路部317)へ振り分ける振分装置(振分部材352)と、前記第1所定部へ遊技球が到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と、前記入球手段の入口部分と前記振分装置との間に設けられ、前記入球手段に入った複数の遊技球を貯留可能な貯留手段(停留部321)と、前記貯留手段からの遊技球の流出を許容する許容状態及び当該流出を規制する規制状態に切替可能な切替手段(シャッタ341)とを備え、前記貯留手段は遊技機正面視にて並設された第1貯留部及び第2貯留部を有し、前記切替手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分装置に供給される構成となっており、前記振分装置は、前記第1貯留部(例えば第1待機通路331A)を通じて遊技球が供給される第1振分手段(例えば第1振分部材352A)と、前記第2貯留部(例えば第2待機通路331B)を通じて遊技球が供給される第2振分手段(例えば第2振分部材352B)とを有し、前記第2貯留部を通じて前記第2振分手段に供給された遊技球は、前記第1貯留部を通じて前記第1振分手段に供給された遊技球よりも前記第1所定部へ案内されやすくなるように構成されており、前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、前記第1貯留部にて貯留されている遊技球の数が上限数に達した場合に、後続の遊技球が前記第2貯留部側に案内されるように構成されており、遊技機前方から見て前記第2貯留部の方が前記第1貯留部よりも視認がしやすくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
因みに、本特徴群に示す技術的思想と上述した他の特徴群に示し技術的思想とを組み合わせる場合には、本特徴に示す「振分手段」を「振分手段」とし、本特徴に示す「振分装置」を「振分手段」とすることも可能である。
特徴D2.前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、遊技球の流下方向と交差する所定の方向に並設され且つ入口部分が上側を向くようにして形成されており、
前記所定の方向にて対峙するようにして設けられ前記第1貯留部を区画する一対の壁部の隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも大きく直径寸法の2倍よりも小さくなるように構成されており、
前記第1貯留部は、当該第1貯留部に貯留される遊技球の数が上限数に達した場合には、当該第1貯留部の入口部分から突出する最上位の遊技球が前記一対の壁部のうち前記第2貯留部から遠い側の壁部寄りに位置するように形成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D1に示したように第1貯留部に貯留された遊技球の数が上限数に達した後は後続の遊技球が第2貯留部へ案内されやすくなる構成として第1貯留部の貯留態様と第2貯留部の貯留態様とに関連性を付与することにより、相対的に不利な第1貯留部へ遊技球が案内された場合であってもその後の展開への期待感を高めることができる。しかしながら、このような構成においては仮に第1貯留部に上限数を超えた遊技球が貯留してしまった場合には以下の不都合が生じ得る。すなわち、特徴D1に示した構成によって注目度の向上を図ったことにより、第2貯留部への案内が上手く行われいことが際立ってしまうという不都合が生じ得る。特に、第1貯留部へ向かう遊技球を第2貯留部へ案内する構成が複雑になった場合には動作不良等が発生しやすくなり、上記不都合が顕著になると懸念される。
この点、本特徴に示す構成においては、第1貯留部及び第2貯留部が遊技球の流下方向と交差する所定の方向(例えば左右方向)に並設されており、第1貯留部にて遊技球が積みあがった場合には、上限数に達した最後(最上位)の遊技球が当該第1貯留部の入口部分から突出し且つ第2貯留部とは反対側の壁部寄りに位置することとなる。このため、後続の遊技球は先行する遊技球に当たることにより第2貯留部側へ案内されやすくなる。このように簡素な構造によって遊技球の動きをコントロールする構成によれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D3.前記切替手段は、前記第1貯留部及び前記第2貯留部の底部を形成しており、
前記切替手段にて前記第1貯留部の底部を構成している部分には、当該第1貯留部に到達した遊技球を前記一対の壁部のうち一方側へ偏倚した位置に待機した状態となるように案内する手段を備えていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、切替手段に載っている遊技球を先頭として遊技球が積みあがった際に、遊技球が上記所定の方向に蛇行するようにして待機させることができる。これにより、遊技球が上記流下方向(例えば高さ方向)に真っ直ぐに積み上がる構成と比較して、当該流下方向における貯留手段の縦幅(上下幅)を減縮できる。特徴D1等に示した構成においては、貯留手段における貯留数をある程度大きくすることにより、遊技者の注目度の向上に寄与できる。但し、それにより貯留手段の縦幅が大きくなりすぎれば、その配置に係る制約が強くなると想定される。そこで、第1貯留部にて遊技球を蛇行させるようにして待機させる構成とすれば、貯留手段の縦幅に係る制約を緩和して配置自由度の向上に貢献できる。
なお、本特徴に示す構成によって第1貯留部に待機する遊技球を蛇行させることにより、第1貯留部が満タンになった場合に後続の遊技球を第2貯留部に案内するという特徴D2に示した機能を好適に発揮させることができる。このような技術的思想を具現化する上では、例えば切替手段にておいて底部を構成している部分に、遊技球に当接する突起や傾斜部を設け、これら突起や傾斜部よって遊技球を一方の壁部側へ偏倚した位置へ案内する構成とするとよい。
特徴D4.前記振分装置は、遊技機前方から視認可能となっており、
遊技機前方から見て前記第2振分手段の方が前記第1振分手段よりも視認しやすくなるように視認性に差違を付与する手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1に示した構成においては、振分装置によって当該振分装置(振分手段)に到達した遊技球が振り分けられることとなる。つまり、遊技球が相対的に有利な第1所定部に振り分けられるか否かについては振分手段の動きに依存している。そこで、貯留手段だけではなく振分手段についても視認性を担保することには遊技球の挙動への注目度を好適に向上させることができるという技術的意義がある。ここで、第1振分手段と比較して第2振分手段の方が遊技者にとって有利となるように(特典手段による恩恵をうけやすくなるように)有利度の差が設定されている。そこで、第2貯留部〜第2振分手段の視認性を第1貯留部〜第2振分手段の視認性よりも高くすることにより、遊技者にとって相対的に不利な第2所定部への振り分けが目立つ等して、注目を促すべき箇所から目が逸れることを好適に抑制できる。
特徴D5.前記第1貯留部及び前記第2貯留部の視認性を変化させる視認性可変手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1等に示した構成によれば、注目すべき箇所を明らかにする上で好ましい構成が実現できる。但し、状況によっては、遊技者の注目が向くことが遊技者の遊技意欲を減退させる要因となる可能性を完全に否定できるものではない。例えば、第2貯留部への注目を促した場合に、第2貯留部へ遊技球が流入すればよいが、仮に第2貯留部への入球が発生しなかった場合には、それが遊技者の遊技意欲を削ぐ要因になり得る。そこで、本特徴に示すように、常に同様の視認性の差を生じさせるのではなく、状況応じて視認性の差を調整可能となれば上記不都合の発生を好適に抑制できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(遊技釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、60…遊技盤、62,63…始動入球部としての作動入球部、64…上側可変入球装置、65…入球手段としての下側可変入球装置、300…入球ユニット、302…振分手段を構成する振分装置、312…突起、313…保持部としてのガイド溝、315…駆動部としてのモータ、316…駆動力伝達手段を構成する伝達ギア、317…第2所定部としての排出通路部、320…流路形成部、321…貯留部を構成する停留部、324…仕切り部としての区画部324、326…挿通部としてのスリット、331…待機通路、332…入口部分、332…出口部分、341…シャッタ、345…駆動部としてのソレノイド、352…振分手段(可動体)を構成する振分部材、353…第1所定部としての特別入球部、376…受入部、377…第1受入部、378…第2受入部、DE…案内領域、PE…遊技領域。

Claims (1)

  1. 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、
    前記入球手段に入った遊技球を第1所定部及び当該第1所定部とは異なる第2所定部へ振り分ける振分装置と、
    前記第1所定部へ遊技球が到達した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記入球手段の入口部分と前記振分装置との間に設けられ、前記入球手段に入った複数の遊技球を貯留可能な貯留手段と、
    前記貯留手段からの遊技球の流出を許容する許容状態及び当該流出を規制する規制状態に切替可能な切替手段と
    を備え、
    前記貯留手段は遊技機正面視にて並設された第1貯留部及び第2貯留部を有し、前記切替手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わることにより、前記第1貯留部及び前記第2貯留部に貯留されている各遊技球が前記振分装置に供給される構成となっており、
    前記振分装置は、前記第1貯留部を通じて遊技球が供給される第1振分手段と、前記第2貯留部を通じて遊技球が供給される第2振分手段とを有し、前記第2貯留部を通じて前記第2振分手段に供給された遊技球は、前記第1貯留部を通じて前記第1振分手段に供給された遊技球よりも前記第1所定部へ案内されやすくなるように構成されており、
    前記第1貯留部及び前記第2貯留部は、前記第1貯留部にて貯留されている遊技球の数が上限数に達した場合に、後続の遊技球が前記第2貯留部側に案内されるように構成されており、
    遊技機前方から見て前記第2貯留部の方が前記第1貯留部よりも視認がしやすくなるようにそれら第1貯留部及び第2貯留部の視認性に差違を付与する手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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