以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
(内枠13)
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球ユニット65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球ユニット65等の入球部への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球ユニット65、スルーゲート66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に縦に並べて配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の直下に配置された作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、上側作動入球部62の下方に配置された作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、当該可動片を動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下作動口63a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が不可又は上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の側方となる位置には、上記スルーゲート66が配置されている。遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
下側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。高頻度サポートモード中は、投資を抑えながら(持ち球の減りを抑えながら)遊技を進めることができる。
可変表示ユニット67を挟んで作動入球部62,63とは反対側となる位置(可変表示ユニット67の上方)に、上述した可変入球ユニット65が配設されている。可変入球ユニット(特別入球装置又は特別入球手段)65には大入賞口が形成され、当該大入賞口を開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、大入賞口用の開閉部材としてのシャッタを有してなる。シャッタは、遊技球の入球が許容される許容状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる阻止状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同シャッタは可変入球駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においてはシャッタが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球ユニット65の開放態様としては、例えば所定期間(本実施の形態においては30sec又は0.06sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては16ラウンド又は2ラウンド)を上限としてシャッタの開放が繰り返されるように設定されている。
本実施の形態では、遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67を右側から迂回する右ルート(2点鎖線参照)と、左側から迂回する左ルート(1点鎖線参照)に大別されている。ここで、各作動入球部62,63及び可変入球ユニット65の配置について補足説明する。左ルートに向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域へ、すなわち両作動入球部62,63へと誘導される。一方、右ルートに向けて遊技球が発射された場合には、当該遊技球が可変入球ユニット65に到達する。この際、可変入球ユニット65を素通りした遊技球は下側作動入球部63へと流下し、当該下側作動入球部63の下作動口63aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。
つまり、本実施の形態では、上側作動入球部62については右ルートへ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されており、可変入球ユニット65については左ルートへ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。故に、上側作動入球部62への入賞を狙う場合には左ルートを通るようにして遊技球を発射する必要があり、可変入球ユニット65への入賞を狙う場合には右ルートを通るようにして遊技球を発射する必要がある。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
センターフレーム76の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム76の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム76に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口62aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
センターフレーム76の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部77及び第2保留ランプ部78が設けられている。左側の第1保留ランプ部77は、上側作動入球部62に対応しており遊技球が上作動口62aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部77の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部78は、下側作動入球部63に対応しており、遊技球が下作動口63aを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部78の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
なお、上述した上側作動入球部62を狙う場合には、左ルートを経由させる必要があり、右ルートを流下する遊技球は上側作動入球部62に入賞することが回避される。また、詳細については後述するが上側作動入球部62よりも下側作動入球部63の方が特別遊技状態の振分抽選等が優遇されている。下側作動入球部63の電動役物71が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤60において遊技領域PEの外となる部分には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部と、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部とを有してなる。
下側作動入球部用表示部では、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果(大当たり結果)であった場合には、下側作動入球部用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部では、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果(大当たり結果)であった場合には、下側作動入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が設けられている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数表示部が設けられている。
これら表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、同各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット15)
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(可変入球ユニット65)
本実施の形態においては、開閉実行モードとなることで入球が許容される上記可変入球ユニット65及びそれに関連する構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図5及び図6に基づき可変入球ユニット65及びそれに関連する構成について補足説明する。図5は可変入球ユニット65周辺を拡大して示す図4の部分拡大図、図6は図5のA−A線部分断面図である。
既に説明したように、遊技盤60における中央開口85の上側〜右側となる部分には、主として高頻度サポートモード又は開閉実行モードとなっている場合に利用される右ルートが形成されており、遊技盤60において当該右ルートの途中位置(詳しくは可変表示ユニット67の上側)となる位置には開口部82が設けられている。
開口部82は遊技盤60の厚さ方向に貫通しており(図6参照)、図5に示すようにこの開口部82に対して遊技機前方から可変入球ユニット65が嵌まっている。このようにして可変入球ユニット65が配置された状態では、当該可変入球ユニット65の主要部分を構成するとともに遊技盤60に対する取付部としての機能が付与されたベース体300により同開口部82が覆われている。
ベース体300は、開口部82の縁部に沿って形成されたハウジング301を備えている。ハウジング301は遊技盤60の前面と平行となるように形成された平板部と当該平板部から遊技機後方に膨出する膨出部とを有している。平板部が遊技盤60の前面に対して当接した状態で同遊技盤60にネジ止めされることにより、可変入球ユニット65が遊技盤60に対して一体化されている。
図6に示すように、ハウジング301には、略平板状のカバー302が遊技機前方から固定されている。カバー302は透明な合成樹脂材料からなり、当該カバー302を通じてその後方を視認可能となるように構成されている。なお、図4及び図5においては説明の便宜上、カバー302を通じて視認可能となる部分については実際に目視した状態に近くなるように実線を用いて表示している。
カバー302は、その外形がハウジング301の外形とほぼ同一となるように形成されており、ハウジングの前面(平板部)と隙間を隔てて対向している。平板部とカバー302との隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも大きくなるように形成されており、これら平板部及びカバー302によって挟まれた領域が、右ルートの一部を構成する球通路310となっている。球通路310の通路幅(上記隙間寸法)等は同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しないように規定されている。
球通路310は、縦方向に延びる上流側通路311と、当該上流側通路311と交差する方向(具体的に横方向)に延びる下流側通路312とを有してなる。上流側通路311は上方に開放されており、右ルートへ発射された遊技球は、可変入球ユニット65の上方に設けられた返し部材(詳しくはゴムクッション)に当たって勢いが弱められることで向きを変え、自重によって落下することにより上流側通路311の上記開放部分を通じて球通路310へ流入する。以下、球通路310を区画形成している各壁部のうち、ハウジング301の前面によって形成されている壁部を「奥壁部315」、カバー302の後面によって形成されている壁部を「前壁部316」と称する。
上流側通路311には、縦に並べて複数(詳しくは2つ)の可変入球装置が配設されている。これら可変入球装置330,380の基本構成については共通となっている。そこで、以下の説明では両可変入球装置330,380の共通点について説明し、その後、両可変入球装置330,380の相違点について説明する。
可変入球装置330,380は奥壁部315に形成された大入賞口331,381を有している。大入賞口331,381は奥壁部315の厚さ方向(前後方向)に貫通しており、上流側通路311の通路方向と交差する方向(横方向)に延びる略矩形状(横長状)をなしている。ハウジング301には、大入賞口331,381への遊技球の流入が許容される状態(以下、許容状態という)と、流入が不可となる状態(以下、阻止状態という)とに切替可能なシャッタ332,382が取り付けられている。
シャッタ332,382は、大入賞口331,381に合わせて横長状をなしており、下端部が回動可能に軸支されていることで前後に回動可能となっている。ハウジング301には、シャッタ332,382を駆動させる駆動部333,383(詳しくはソレノイド)が配設されている。駆動部333,383は主制御装置162に電気的に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。駆動部333,383が動作することにより、シャッタ332,382が上記軸支部分を中心に(下端部を基端として)回動して開位置/閉位置に配置されることにより、可変入球装置330,380が上記許容状態/阻止状態に切り替わることとなる。つまり、主制御装置162は、可変入球装置330,380用の駆動制御手段として機能している。
阻止状態においては大入賞口331,381を覆うとともに球通路310(上流側通路311)への突出が抑えられ、許容状態においては大入賞口331,381を開放するとともに、球通路310(上流側通路311)へ突出する。シャッタ332,382が球通路310に突出することにより、当該球通路310が寸断され、球通路310に沿った遊技球の流れ(落下)が妨げられることとなる。シャッタ332,382が球通路310に突出している許容状態では、球通路310を落下する遊技球がシャッタ332,382に当たることで、遊技機後方に移動し、大入賞口331,381へ流入することとなる。
なお、上流側通路311については、その途中位置(詳しくは上側の可変入球装置330の前方となる位置)にて後方にオフセットするオフセット部が設けられており、可変入球装置330,380に到達する遊技球が球通路310において奥壁部315に沿って移動するように工夫されている。
ハウジング301において大入賞口331,381の奥側には、同大入賞口331,381に連通するようにして流入通路334,384が形成されている。流入通路344,384は下流部分にて一条となるように合流している。大入賞口331,381に流入した遊技球は流入通路344,384の合流部分を通じて上記回収通路へと案内されることとなる。
流入通路344,384の途中位置(合流部分よりも上流側となる位置)には、遊技球を検知する検知センサ335,385が配設されている(図5参照)。検知センサ335,385は主制御装置162に電気的に接続されており、主制御装置162においてはこれら検知センサ335,385からの検知情報(検知信号)に基づいて、各可変入球装置330,380への入球(入賞)を個別に把握する構成となっている。
再び図5を参照して、上側の可変入球装置330(以下、上側可変入球装置330と称する)と、下側の可変入球装置380(以下、下側可変入球装置380という)との相違点について説明する。
上側可変入球装置330は、上記返し部材の直下に位置しており、右ルートの入口部分よりも横幅が大きくなるように構成されている。当該入口部分と上側可変入球装置330との間には複数の遊技釘69が配設され、遊技球の流下経路に上側可変入球装置330の幅方向(左右方向)にてばらつきを生じさせることで、流下経路が画一的になることを抑制している。但し、上側可変入球装置330の横幅は、多様化された遊技球のほぼ全てが当該上側可変入球装置330に到達するように規定されている。上側可変入球装置330を狙って発射された遊技球については、当該上側可変入球装置330が許容状態となっている場合には、ほぼ全てが上側可変入球装置330に入球することとなる。つまり、実質的な遊技球の零れがほぼ「0」となるように回避される構成となっている。
上側可変入球装置330の直下となる位置に上記下側可変入球装置380が配設されている。下側可変入球装置380は、上側可変入球装置330との離間距離が遊技球の直径寸法よりも小さくなるようにして上側可変入球装置330と併設されている。下側可変入球装置380の下側大入賞口381及び下側シャッタ382は、上側可変入球装置330の上側大入賞口331及び上側シャッタ332と同じ方向に延びている。但し、その長手寸法(横幅)については、上側大入賞口331よりも小さくなるように構成されている。
具体的には、下側可変入球装置380の右端部は、上側可変入球装置330の右端部よりも左側に位置している。これら両端部のギャップは遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなっている。既に説明したように、上流側通路311における遊技球の実質的な流下範囲については、上側可変入球装置330と同じ幅となるように規定されている。このため、当該流下範囲の右側限界位置を流下する遊技球(上側可変入球装置330の右端部を素通りした遊技球)については、下側可変入球装置380の右方を通過することで、当該下側可変入球装置380を迂回するようにして移動することとなる。
また、下側可変入球装置380の左端部は、上側可変入球装置330の左端部よりも右側に位置している。これら両端部のギャップは遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなっている。既に説明したように、上流側通路311における遊技球の実質的な流下範囲については、上側可変入球装置330と同じ幅となるように規定されている。このため、当該流下範囲の左側限界位置を流下する遊技球(上側可変入球装置330の左端部を素通りした遊技球)については、下側可変入球装置380の左方を通過することで、当該下側可変入球装置380を迂回するようにして移動することとなる。
このように、上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380については、横幅の相違によって、右ルートへ発射された遊技球の入球確率に差が設定されている。つまり、許容状態となる対象が下側可変入球装置380である場合には許容状態となる対象が上側可変入球装置330である場合と比較して入球確率が低下し、必然的に所定数(本実施の形態においては10個)の入球に要する期間についても後者よりも前者の方が長くなる。大当たりに当選して開閉実行モード(詳しくは後述する16R大当たり結果に対応する開閉実行モード)に移行した場合には、右ルートを狙って遊技球を発射することにより、遊技を進めることができる。この場合、許容状態となる対象をラウンド毎に変更することで(許容状態となる対象を混在させることで)、遊技進行のリズムに緩急差を生じさせ遊技進行の単調化を抑制することが可能となっている。
球通路310の上流側通路311を通過した遊技球、すなわち何れの可変入球装置330,380にも入球しなかった遊技球については、下側可変入球装置380の下方に設けられた上記下流側通路312へ移る。ここで、下流側通路312について補足説明する。
下流側通路312は、遊技盤60の中央から右側へと下り傾斜しており、その底部317が上記センターフレーム76の上面部分によって構成されている。上流側通路311→下流側通路312へ移った遊技球は、底部317に当たることにより減勢され、当該底部317に沿って図柄表示装置75(表示画面75a)の側方へと移動することとなる。
本実施の形態における可変入球ユニット65(可変入球装置330,380)は、開閉実行モード外では阻止状態に維持され、開閉実行モード中に所定の条件が成立することで阻止状態から許容状態に切り替わる。ここで、図7の概略図を参照して、開閉実行モード中の可変入球ユニット65の動作態様について説明する。
図7(a)に示すように、2つの可変入球装置330,380の両方が阻止状態に維持されている場合には、可変入球ユニット65への入球が不可となる。ここで、図7(a)→図7(b)に示すように、上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替わると、上流側通路311が上側シャッタ332によって寸断され、右ルートを流下する遊技球のほぼ全てが上側大入賞口331に入球することとなる。このように上側可変入球装置330が許容状態となっている期間中は、下側可変入球装置380は阻止状態に維持されることとなる。
図7(b)となっている状態にて予め設定された許容期間(開放期間)の経過又は予め設定された数(所定数)の入球の発生の何れかの条件が成立したことに基づいて、図7(b)→図7(a)に示すように上側可変入球装置330が許容状態から阻止状態に切り替わる。その後、所定のインターバル期間に亘って両可変入球装置330,380が阻止状態に維持される。
このインターバル期間を経過した後は、図7(a)→図7(c)に示すように、下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替わる。下側可変入球装置380が許容状態に切り替わると、上流側通路311が下側シャッタ382によって寸断され、右ルートを流下する遊技球が下側大入賞口381に入球することとなる。このように、下側可変入球装置380が許容状態となっている期間中は、上側可変入球装置330は許容状態に維持されることとなる。
図7(c)となっている状態にて予め設定された許容期間(開放期間)の経過又は予め設定された数(所定数)の入球の発生の何れかの条件が成立したことに基づいて、図7(c)→図7(a)に示すように下側可変入球装置380が許容状態から阻止状態に切り替わる。その後、所定のインターバル期間に亘って両可変入球装置330,380が阻止状態に維持される。
図7(a)〜図7(c)に示す何れの状態であっても、可変入球装置330,380に入球しなかった遊技球については、上流側通路311→下流側通路312に移り、球通路310を通じて図柄表示装置75の側方となる領域へと案内されることとなる。
なお、開閉実行モード中は、可変入球装置330,380が所定の順序で許容状態となるように設定されており、2つの可変入球装置330,380がともに許容状態となることが回避されている。
本実施の形態に示す遊技盤60においては、可変入球ユニット65に遊技機前方から重なるようにして可動演出装置80が配設されていることを特徴の1つとしている。再び図5及び図6を参照して、この可動演出装置80について説明する。
<可動演出装置80>
可動演出装置80は、センターフレーム76の上部に取り付けられた装飾ユニット91を備えている。装飾ユニット91は、固定式の固定装飾体92及びアーム94を介して昇降可能に保持された可動式の可動装飾体93を有し、固定装飾体92が左側、可動装飾体93が右側となるように左右に並べて配置されている。これら装飾体92,93は有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、同装飾体92,93の後方となる領域や背後に位置する構成を視認不可となるように遮蔽する機能が付与されている。
可動装飾体93は、固定装飾体92と横並びとなる待機位置と、右斜め下方に降下して図柄表示装置75(詳しくは表示画面75a)と重なる演出位置とに移動可能となっている。可動演出装置80には、可動装飾体93を駆動させる駆動部95(詳しくはモータ)が配設されている。駆動部95は報知・演出制御装置143に電気的に接続されており、当該駆動部95が報知・演出制御装置143からの駆動信号に基づいて動作することで、可動装飾体93が待機位置/演出位置等に移動する構成となっている。
なお、可動装飾体93の移動方向を両可変入球装置330,380の並設方向(上流側通路311の通路方向:上下方向)に対して斜めに傾けることにより、可動装飾体93の移動量を担保しつつ、上記並設方向における可動装飾体93の変位量の増加を抑えることが可能となっている。
可動演出装置80には、可動装飾体93の待機位置からの移動を阻止するロック状態と、可動装飾体93の待機位置からの移動を許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置96が配設されている。ロック装置96についても報知・演出制御装置143に接続されており、当該報知・演出制御装置143からの駆動信号に基づいてロック状態/アンロック状態の切り替えがなされる。ここで、図8及び図6を参照して、可動装飾体93と可変入球ユニット65との位置関係について説明する。図8は可動装飾体93の動作態様を示す概略図である。
図8(a)に示すように、可動装飾体93は、待機位置に配置されている状態にて、その上端縁が下側可変入球装置380を横切り且つその下端縁が球通路310の下方に位置するように形成されている。つまり、可動装飾体93が待機位置に配置された状態では、当該可動装飾体93が下側可変入球装置380及び球通路310(詳しくは下流側通路312)の両方に跨るようにして可変入球ユニット65の一部を遊技機前方から覆う構成となっている。つまり、可動装飾体93が待機位置に配置された状態では、可変入球ユニット65において当該可動装飾体93の背後に隠れている部分については視認不可となるように、目視による確認可能な範囲が制限されている。
既に説明したように、下側可変入球装置380の下側シャッタ382は、その下端部を基端として回動可能となっている。図6の2点鎖線に示すように、下側シャッタ382が手前側に回動して許容状態となっている状況下にて可動装飾体93が待機位置に配置されている場合には、当該下側シャッタ382の全体が可動装飾体93の背後に隠れることとなる。また、下側可変入球装置380の下側流入通路384については、上側大入賞口331の一部が遊技機前方に露出しているものの、下側流入通路384に流入した遊技球が当該下側流入通路384の底面に沿って奥方に移動する場合に、同遊技球が可動装飾体93の背後に隠れるように構成されている。
可動装飾体93が待機位置に配置されている場合には、下側可変入球装置380の視認性が妨げられることにより、当該下側可変入球装置380が許容状態に切り替わった旨を目視にて把握することが困難になる。特に、可動部材としての下側シャッタ382については、回動角度が90度に近づくにつれて見かけ上の動作スピードが低下する。このため、許容状態になる直前や許容状態からの動きだし時には下側シャッタ382の動きを目視で捉えやすくなる。この点、上述の如く下側シャッタ382が許容状態となった場合には当該下側シャッタ382全体が可動装飾体93の背後に隠れる構成とすることで、上記目視での捕捉を困難にすることができる。
また、仮に下側可変入球装置380が許容状態となっている場合に、当該下側可変入球装置380への入球が発生すると、当該遊技球が突然消えたように見える。この結果、下側可変入球装置380が許容状態に切り替わった旨が把握されやすくなる。そこで、下側可変入球装置380だけでなく球通路310において当該下側可変入球装置380に続く部分を併せて覆う構成とすることにより、入球の発生が許容状態への切り替えの把握の契機になることを抑制できる。特に、一旦可動装飾体93の背後に隠れた遊技球は、可変入球装置330,380から離れた位置(図柄表示装置75の側方)にて再び視認可能となるように構成したことで、遊技者の目に留まる機会を好適に減らすことができる。
図8(a)→図8(b)に示すように、可動装飾体93が演出位置に配置されている状態では、可動装飾体93の重なりの対象が可変入球ユニット65から図柄表示装置75(表示画面75aの変動表示領域)に移り、可動装飾体93と可変入球ユニット65との重なりが解消される。これにより、下側可変入球装置380や球通路310が遊技機前方から視認可能となる。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ151a、上側作動入球部62用の検知センサ151b、下側作動入球部63用の検知センサ151c、スルーゲート66用の検知センサ151d、可変入球ユニット65用の検知センサ335,385が接続されており、これら各種検知センサ151a〜151d,335,385からの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)が実行される。また、MPU602では、上側作動入球部62(上作動口62a)及び下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143(詳しくは報知・演出制御基板611)が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口331,381への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口62aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口63aへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側作動入球部63に付随した電動役物71を駆動させる駆動部71b、可変入球ユニット65のシャッタ332,382を駆動させる可変入球駆動部333,383、主表示ユニット81の主表示部Dの保留数表示部や各種入球部用表示部等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口331,381が開閉されるように、MPU602において可変入球ユニット65における可変入球駆動部333,383の駆動制御が実行される。また、下側作動入球部63の電動役物71の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において駆動部71bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の主表示部Dにおける下側作動入球部用表示部又は下側作動入球部用表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置191を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置143、表示制御装置620に送信されることとなる。
報知・演出制御装置143は、MPU612が搭載された報知・演出制御基板611を有してなり、MPU612には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614などが内蔵されている。
報知・演出制御装置143のMPU612は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置620に転送する。
表示制御装置620はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM623、そのROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPU622では、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて図柄表示装置75の表示制御を実行する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について説明する。なお、以下の説明においては適宜図10及び図11を参照する。図10及び図11は図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示内容を説明するための概略図である。
表示制御装置620には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図10(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図10(j)参照)とが予め記憶されている。なお、図示は省略するが、キャラクタROMには、上記主図柄に置換可能な図柄として「CHANCE」図柄が記憶されている。
図11(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図11(b)に示すように表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ライン、中ライン、右ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
確変大当たり結果となった場合には、以降の抽選にて相対的に大当たり結果となりやすい高確率モードとなり、この高確率モードは通常大当たり結果となるまで継続される。一方、通常大当たり結果となった場合には、相対的に大当たり結果となりにくい(高確率モードよりも大当たり結果となりにくい)低確率モードとなる。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
<各種カウンタについて>
次に、上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部Dの表示の設定(発光態様の設定)、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DR及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604の保留球格納エリア604bには、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとが設けられている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動口62a,63aへの入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動口62a,63aへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、作動口62a,63aへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個(すなわち計8個)まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア604bには総保留数記憶領域FEが設けられており、当該総保留数記憶領域FEには作動口62a,63aへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、主表示部Dの作動入球部用表示部にて変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62又は下側作動入球部63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図13を用いて説明する。図13に示すように、当否テーブルとしては、図13(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図13(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図13(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図13(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」の30個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/20となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入球ユニット65の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモード、という3つの条件に差違が設定されている。これにより、大別して5つの大当たりが設定されている。以下、上記各条件について説明する。
開閉実行モードにおける可変入球ユニット65の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入球ユニット65への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。
具体的には、高頻度入賞モードでは、可変入球装置330,380の大入賞口331,381の開閉が複数回行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口331,381への入賞個数が10個となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、可変入球装置330,380の大入賞口331,381の開閉が複数回行われるとともに、1回の開放は0.06sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口65aへの入賞個数が10個となるまで継続される。
本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口331,381の開放時間は0.06secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、大入賞口への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モード中には実質的に可変入球ユニット65への入賞が発生しない構成とするとよい。
因みに、以下の説明においては説明便宜上、少なくとも高頻度入賞モードに対応している開閉実行モードについては、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードと称し、低頻度入賞モードにのみ対応している開閉実行モードについては低頻度入賞モード対応の開閉実行モードと称する。
下側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下側作動入球部63の電動役物71が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選(サポート抽選)における電役開放状態当選(サポート当選)となる確率が異なっている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては低頻度サポートモードよりもサポート抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、本実施の形態においては、高頻度サポートモード中にスルーゲート66への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は100%となっており、低頻度サポートモード中にスルーゲート66への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は20%となっている。
また、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードにおいては、サポート抽選に当選した場合に電動役物71が開放状態となる回数が同じ(詳しくは3回)となるように設定されている一方、1回当たりの開放時間に差が設定されている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が5secとなるように設定されているのに対して低頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が0.15secとなるように設定されている。
更には、高頻度サポートモードでは1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が2secであるのに対して、低頻度サポートモードでは同確保時間が12secとなるように差が設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下側作動入球部63の下作動口63aへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下側作動入球部63(下作動口63a)よりも上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上側作動入球部62(上作動口62a)よりも下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えばサポート抽選に当選した場合の開放回数に差を設定してもよい。さらには、開放回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、上側作動入球部62(上作動口62a)又は下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアに格納され、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアに格納される。
<遊技結果の振り分け>
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図14を用いて説明する。図14に示すように、振分テーブルとしては、図14(a)の上側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図14(b)の下側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、図14(a)に示すように、遊技結果の振分先として、2R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、2R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)、16R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果A(高確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果B(高確率対応遊技結果)が設定されている。
2R確変大当たり結果は、開閉実行モードとして低頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、この高確率モードについては次回大当たり結果となるまで継続される。2R確変大当たり結果は、所謂潜伏確変に対応する大当たり結果に相当する。
2R通常大当たり結果は、開閉実行モードとして低頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
上述した2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果においては、実質的に遊技球の払い出しが期待できない大当たり結果である。これに対して、以下に示す各種16R大当たり結果については遊技球の払い出しが期待できる大当たり結果となっている。
16R通常大当たり結果は、開閉実行モードとして高頻度入賞モード→低頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。
16R確変大当たり結果Aは、開閉実行モードとして高頻度入賞モード→低頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高確率モードについては次回大当たり結果となるまで継続される。
16R通常大当たり結果及び16R確変大当たり結果Aにおいては、第1ラウンド→第4ラウンドまでが高頻度入賞モード対応となっており、第5ラウンド→第16ラウンドまでが低頻度入賞モード対応となっている。つまり、第1ラウンド〜第4ラウンドまでは遊技球の払い出しが期待できる一方、第5ラウンド以降は実質的に遊技球の払い出しが期待できない構成となっており、実質的に4R大当たり結果に相当する。
上側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が2R確変大当たり結果に対応しており、「25〜34」が2R通常大当たり結果に対応しており、「35〜39」が16R通常大当たり結果に対応しており、「40〜44」が16R確変大当たり結果Aに対応しており、「45〜49」が16R確変大当たり結果Bに対応している。
一方、下側作動入球部用の振分テーブルでは、図14(b)に示すように、遊技結果の振分先として、16R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果A(高確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果B(高確率対応遊技結果)が設定されている。本実施の形態においては下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合に高頻度入賞モードとなる確率が、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合に高頻度入賞モードとなる確率が高く設定されている。より具体的には、下側作動入球部63への入球に基づく振分抽選においては、その対象から2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果が除外されており、振分結果が全て実質的に遊技球の払い出しが発生するものに限定されている。これにより、上側作動入球部62に対する下側作動入球部63の優位性が担保されている。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
ここで、上記当否抽選及び振分抽選により各種大当たり結果となった場合に、図柄表示装置75の表示画面75aにて停止表示される図柄の組み合わせについて補足説明する。
既に説明したように、表示画面75aにおいては、上・中・下の3つの図柄列が設定されており、上図柄列及び下図柄列は「1」〜「9」の9種類の主図柄とそれら各主柄の間に配された副図柄とを有してなり、中図柄列は「0」〜「9」の10種類の主図柄とそれら各主図柄の間に配された副図柄とを有してなる。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、同一の特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図11参照)のうち1のライン上に停止表示されることにより、16R確変大当たり結果A又は16R確変大当たり結果Bとなった旨が教示される構成となっている。
また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、同一の非特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図11参照)のうち1のライン上に停止表示されることにより、16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果B又は16R通常大当たり結果の何れかとなった旨が教示される構成となっている。
つまり、特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、確変大当たり結果である旨が明示される一方、非特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、確変大当たり結果及び通常大当たり結果の何れであるかが非明示となる。
2R確変大当たり結果又は2R通常大当たり結果となる場合、また遊技回中に後述する特殊リーチ表示が実行される過程においては、上図柄列と下図柄列とによって同一図柄の組み合わせが停止された状態にて、それら両図柄が待機している有効ラインと同一のライン上(後述するリーチライン上)に中図柄列における「CHANCE」図柄(特殊図柄:オールマイティー図柄)が停止表示される。
一方、この停止態様については、必ずしも2R確変大当たり結果又は2R通常大当たり結果となった場合に表示されるわけではなく、外れ結果となった場合やリーチ表示中に図柄の変動表示を一旦停止して後述するスーパーリーチ(特殊リーチ表示)への昇格が行われる場合にも表示される構成となっている。つまり、「CHANCE」図柄の停止については、2R確変大当たり結果や2R通常大当たり結果だけを教示するものとはなっていない。
また、上述した主表示部Dの作動入球部用表示部においては、当否抽選の結果が明示される。当該作動入球部用表示部においては上述した大当たりの種別に関しても区別して表示されるが、各作動入球部用表示部においては同作動入球部用表示部を構成している複数のLEDを個々に点灯/消灯させることにより、また発色パターンを様々に変化させることにより各大当たりに対応する絵柄が多様になっている。これにより、当該作動入球部用表示部を目視で確認したとしても、大当たりの種別を識別することが困難となっている。
再び図12を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)又は下側作動入球部63(下作動口63a)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアに格納され、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当否抽選に当選となる遊技回)においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(主表示部D)の上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下側作動入球部63の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物71を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物71を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eが用いられる。
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。MPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ例えば(上記検知センサ151a〜151d,335,385)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口62aへの入球が発生したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納し、下作動口63aへの入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート66を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63(作動口62a,63a)への入賞に伴う作動入球部用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
作動入球部用の入賞処理においては先ず、遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)に入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、上側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアに保留記憶されている上側始動保留記憶数をセットする。続いて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されていない場合、すなわち上側作動入球部62(上作動口62a)ではなく下側作動入球部63への入賞が発生している場合には、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に送信される。
続いて、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、下側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出して、当該保留エリアに保留記憶されている下側始動保留記憶数をセットした後、情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、上側作動入球部62及び下側作動入球部63のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
情報取得処理においては先ず、セットした始動保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数を1インクリメントするとともに、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数と言う)を1インクリメントする。
その後、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上側作動入球部用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした上側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
また、下側作動入球部用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした下側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続いて、上側作動入球部62又は下側作動入球部63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための処理である保留情報の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に送信されることとなる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(主表示部D)における作動入球部用表示部などの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下側作動入球部63に設けられた電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット81(主表示部D)におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS207では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS211にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
ここで、ステップS203の遊技回制御処理を図17及び図18のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図17のフローチャートに示すように、ステップS301にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示部Dの作動入球部用表示部が変動表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて下側作動入球部用保留エリア又は右側作動入球部用保留エリアに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず上側作動入球部用保留エリア及び下側作動入球部用保留エリアに記憶された保留情報のうち最も古いものがどちらの保留エリアに格納されているかを判定する。そして、上述した最も古い保留情報が格納されている保留エリアを対象として、以下の処理を実行する。なお、以下の説明においては、先ず上側作動入球部用保留エリアが対象となった場合について説明し、その後、下側作動入球部用保留エリアが対象となった場合について説明する。
先ず上側作動入球部用保留エリアの始動保留球数及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、当該下側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、上側作動入球部用保留エリアの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置620に送信される。
一方、下側作動入球部用保留エリアが対象となった場合についても同様に、先ず下側作動入球部用保留エリアの始動保留球数及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、下側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、下側作動入球部用保留エリアの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置620に送信される。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット81(詳しくは主表示部Dの作動入球部用表示部)における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、ステップS305の変動開始処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS401にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かによって判定する。高確率モードフラグは、開閉実行モード終了時に当該開閉実行モードの契機となった大当たり結果が確変大当たり結果である場合に各種フラグ格納エリア604eに格納され、次回の大当たりが発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握するとともに、今回の数値情報が上側作動入球部62への入球に基づくものであるかそれとも下側作動入球部63への入球に基づくものであるかを判定する。
大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報が上側作動入球部62への入球に基づいた数値情報である場合には、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルのうち上側作動入球部用の振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、2R確変大当たり結果,2R通常大当たり結果,16R通常大当たり結果,16確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報が下側作動入球部63への入球に基づいた数値情報である場合には、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルのうち下側作動入球部用の振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、16R通常大当たり結果,16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、ステップS403における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS405にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS406にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS402にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS407にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS405〜ステップS407の各停止結果設定処理では、主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS405及びステップS406では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU402にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、ステップS405では確変大当たりフラグを格納し、ステップS406では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS405〜ステップS407のいずれかの処理を実行した後は、ステップS408にて、変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、先ず上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、今回の遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生とする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
その後、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続いてその変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行され得る構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
さらに、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、例えば確変大当たり結果の場合に特定図柄の組み合わせや非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように変動表示時間が設定されている。
リーチ表示を行わないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、始動保留球数Nの数に依存しない構成としてもよく、始動保留球数Nの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図18)の説明に戻り、ステップS408にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS409にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS409にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回におけるランプ部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるようにランプ部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいてその遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま変動表示パターンを特定するための情報を付加して表示制御装置620に送信する。その後、ステップS410にて主表示部Dの作動入球部用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、主表示部Dの作動入球部用表示部が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述した変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部Dの作動入球部用表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS305〜ステップS307のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示部Dの作動入球部用表示部にて停止表示されるように当該作動入球部用表示部を制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図19〜図21のフローチャートを参照して説明する。
図19に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS501にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の上側作動入球部用表示部又は下側作動入球部用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS503に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、2R確変大当たり結果対応フラグ、2R通常大当たり結果対応フラグ、16R通常大当たり結果対応フラグ、16R確変大当たり結果A対応フラグ、16R確変大当たり結果B対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入球ユニット65の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入球ユニット65の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS505では格納されている大当たり結果対応フラグが16R対応のものであるか否かを判定する。ステップS505にて肯定判定した場合には、ステップS506にてRAM604の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「16」をセットする。ステップS505にて否定判定をした場合には、ステップS507にてRAM604の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「2」をセットする。
ステップS506,S507の処理を実行した後は、ステップS508にて今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。すなわち、上述した16R大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS508にて肯定判定をした場合にはステップS509に進む。ステップS509ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞モードフラグをセットする。
ステップS509の処理を実行した後、又はステップS508にて否定判定をした場合にはステップS511に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図10)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置610から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置610から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。ステップS511の処理を実行した後はステップS512にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図20のフローチャートを参照して、オープニングコマンド設定処理について説明する。
<オープニングコマンド設定処理>
オープニングコマンド設定処理においては先ず、ステップS601にて今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果A及び16R確変大当たり結果Bの何れかに対応しているか否かを判定する。ステップS601にて肯定判定をした場合にはステップS602に進み、第1種オープニングコマンドを設定する。この第1種オープニングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては可変入球ユニット65へ向けた遊技球の発射を促すメッセージ等が表示される。
ステップS601にて否定判定をした場合にはステップS603に進み、今回の開閉実行モードが16R通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS603にて肯定判定をした場合にはステップS604に進み、第2種オープニングコマンドを設定する。この第2種オープニングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては可変入球ユニット65へ向けた遊技球の発射を促すメッセージ等が表示される。
ステップS603にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが2R通常大当たり結果及び2R確変大当たり結果の何れかである場合には、ステップS605に進み、第3種オープニングコマンドを設定する。
本実施の形態における表示画面75aにおいては、遊技状態が遊技者にとって有利であるか否かを示唆する手段として、背景画像の切り替えを行うことにより滞在ステージを移行させる構成が採用されている。16R通常大当たり結果、16R確変大当たり結果A、16R確変大当たり結果Bを比較した場合には、16R通常大当たり結果 < 16R確変大当たり結果A < 16R確変大当たり結果Bの順に遊技者にとっての有利度が高くなるように設定されている。当該滞在ステージとしては、有利度が相違する3つのステージが設定されている。
既に、何れの大当たり結果に対応しているかが表示画面75aにて(例えば停止表示された図柄の組わせ等によって)明示されている場合には、上記オープニングコマンドの受信に基づいて滞在ステージが明示された情報に対応するようにして決定されることとなる。一方、何れの大当たり結果に対応しているかが非明示となっている場合には、滞在ステージの振分が行われることとなる。第1種オープニングコマンドに基づく振り分けが行われる場合には下位のステージよりも上位のステージが選択されやすくなっており、第2種オープニングコマンドに基づく振り分けが行われる場合には上位のステージよりも下位のステージが選択されやすくなっている。なお、非明示対応の大当たり結果の場合には、開閉実行モード中に所謂昇格演出を行うことでどの大当たり結果に対応しているかを告知する構成としてもよい。
一方、2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果の何れかとなっている場合には、第3種オープニングコマンドが出力される。報知・演出制御装置143では、この第3種オープニングコマンドを受信した場合には、通常遊技状態との識別が困難又は不可となるようにして開閉実行モードのオープニング演出を実行する。つまり、第3種オープニングコマンドを受信した場合には、上記第1種/第2種オープニングコマンドによる開閉実行モードへの移行を明示する表示を行うのではなく、あたかも通常遊技状態が続いているように見せかけることで開閉実行モードへの移行を隠す構成となっている。このオープニング演出についての詳細は後述する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS513に進む。ステップS513では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS514にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
<大入賞口開閉処理>
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS701にて上側大入賞口331及び下側大入賞口381の何れかが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球ユニット65における可変入球駆動部333,383の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口331,381が開放中でない場合には、ステップS702にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS702にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS702にて否定判定をした場合にはステップS703に進む。ステップS703では開放数カウンタOCの値が偶数であるか否かを判定する。ステップS703にて肯定判定をした場合には、ステップS704に進み第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。第1開放タイマカウンタTC1は、下側大入賞口381の開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図15)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS704にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が偶数(奇数ラウンド)であり且つ第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」である場合には、ステップS705に進み、可変入球ユニット65における上側大入賞口331の開放処理を実行する。具体的には、上側大入賞口331を開放すべく上側可変入球駆動部333を駆動状態とする。その後、可変入球ユニット65(上側大入賞口331)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS706〜S708及びステップS714の処理を実行する。
ステップS706では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS706にて肯定判定をした場合にはステップS707に進み、第1開放タイマカウンタTC1に「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS714にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS706にて否定判定をした場合には、第1開放タイマカウンタTC1に「30」(0.06secに相当)をセットし、続くステップS714にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
ステップS703の説明に戻り、当該ステップS703にて否定判定をした場合、すなわち開放数カウンタOCの値が奇数であると判定した場合には、ステップS709に進む。ステップS709では第2開放タイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。第2開放タイマカウンタTC2は、下側大入賞口381の開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図15)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS709にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が奇数(偶数ラウンド)であり且つ第2開放タイマカウンタTC2の値が「0」である場合には、ステップS710に進み、可変入球ユニット65における下側大入賞口381の開放処理を実行する。具体的には、下側大入賞口381を開放すべく下側可変入球駆動部383を駆動状態とする。その後、可変入球ユニット65(下側大入賞口381)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS711〜S713及びステップS714の処理を実行する。
ステップS711では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS711にて肯定判定をした場合にはステップS712に進み、第2開放タイマカウンタTC2に「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS714にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS711にて否定判定をした場合には、第2開放タイマカウンタTC2に「30」(0.06secに相当)をセットし、続くステップS714にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
つまり、本実施の形態における可変入球ユニット65においては、奇数ラウンド(第1ラウンド,第3ラウンド,第5ラウンド,・・・,第13ラウンド,第15ラウンド)においては上側可変入球装置330が開放され、偶数ラウンド(第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,・・・,第14ラウンド,第16ラウンド)においては下側可変入球装置380が開放されるように構成されており、開閉実行モードが終了するまで、上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380が交互に開放される。
より具体的には、図22(a)の概略図に示すように、2R確変大当たり結果又は2R通常大当たり結果である場合には、絵柄表示手段としての図柄表示装置75(表示画面75a)から相対的に遠い上側可変入球装置330→図柄表示装置75から相対的に近い下側可変入球装置380の順に許容状態に切り替わる。また、図22(b)の概略図に示すように、16R通常大当たり結果,16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bである場合については、上側可変入球装置330→下側可変入球装置380→上側可変入球装置330→ ・・・ →上側可変入球装置330→下側可変入球装置380の順に許容状態に切り替わる。
ここで、図23の概略図を参照して各可変入球装置330,380の開放時間について補足説明する。
2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにおいては、先ず第1ラウンドにて上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331が開放されることとなる。その後、第2ラウンドにて下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381が開放されることとなる。但し、これら各大入賞口331,381の開放時間については「0.06sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に短くなるように設定されている。つまり、2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにおいては実質的に入球が発生しないように開放期間が制限されている。
次に、16R通常大当たり結果及び16R確変大当たり結果Aに対応する開閉実行モードにおいては、先ず第1ラウンドにて上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331が開放されることとなる。その後、第2ラウンドにて下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381が開放されることとなる。第3ラウンドにおいてはて上側可変入球装置330が再び阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331が開放されることとなる。その後、第4ラウンドにて下側可変入球装置380が再び阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381が開放されることとなる。これら各大入賞口331,381の開放時間については「30sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に長くなるように設定されている。つまり、16R確変大当たり結果A及び16R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにおいては第1ラウンド〜第4ラウンドにおける入球が担保されるように開放期間が規定されている。
一方、第5ラウンド以降は、上述した開放順序を踏襲しつつ上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380が交互に許容状態に切り替わる。但し、これら各大入賞口331,381の開放時間については「0.06sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に短くなるように設定されている。つまり、第5ラウンド以降は、実質的に入球が発生しないように開放期間が制限されている。
16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードにおいては、先ず第1ラウンドにて上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替わって上側大入賞口331が開放されることとなる。次に第2ラウンドにて下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381が開放されることとなる。第3ラウンドにおいては上側可変入球装置330が再び阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331が開放されることとなる。その後、第4ラウンドにて下側可変入球装置380が再び阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381が開放されることとなる。第5ラウンド以降は第16ラウンドとなるまで、上述した開放順序を踏襲しつつ上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380が交互に許容状態に切り替わる。これら各大入賞口331,381の開放時間については「30sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に長くなるように設定されている。つまり、16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードにおいては第1ラウンド〜第16ラウンドの全てのラウンドにおける入球が担保されるように開放期間が規定されている。
ここで、16R通常大当たり結果,16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードでは第1ラウンド〜第4ラウンドにて実行される開閉実行モード対応の演出が一部共通化されている。具体的には、16R通常大当たり結果,16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bの何れであるかが非明示のまま開閉実行モードに移行した場合には、開閉実行モード中(第1ラウンド〜第4ラウンド)にて何れの大当たり結果に対応しているかが教示される構成となっている(所謂ランクアップ演出、昇格演出が実行される)。つまり、開閉実行モード中に実質4R対応の大当たり結果であるか実質16R対応の大当たり結果であるかが教示される。更には、開閉実行モード中(例えば第4ラウンド以降)又は開閉実行モード終了後に高確率モードへの移行の可否が教示される。これにより、開閉実行モード中の遊技が単調になることを抑制することができる。
ステップS714の処理を実行した後は、ステップS715にて可変入球ユニット65が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて下側大入賞口381及び上側大入賞口331の何れかが開放中であると判定した場合にはステップS716に進み、第1開放タイマカウンタTC1及び第2開放タイマカウンタTC2のうち開放中の大入賞口に対応するもの(以下、説明の便宜上「開放タイマカウンタTC」と称する)の値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS717に進み、下側大入賞口381及び上側大入賞口331のうち開放対象となっているものに遊技球が入賞したか否かを可変入球ユニット65に対応した検知センサ335,385からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS718にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって例えば図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS718にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS719に進む。ステップS719では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS720にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS720にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS716にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS721にて下側大入賞口381及び上側大入賞口331のうち開放対象となっているものを閉鎖すべく上側可変入球駆動部333及び下側可変入球駆動部383のうち対応するもの(駆動状態となっているもの)を非駆動状態とする。
続くステップS722では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS723では更新された開放数カウンタOCの値と当該開閉実行モードの契機となった大当たりの種別とを参照して、低頻度入賞モードへ移行するタイミングであるか否かを判定する。本実施の形態においては、16確変大当たり結果A及び16R通常大当たり結果となった場合には、開閉実行モードの途中で(所定ラウンドとなった場合に)高頻度入賞モードから低頻度入賞モードへ移行する。具体的には、第4ラウンドの終了を契機として、高頻度入賞モードから低頻度入賞モードへ移行する。そこで、ステップS723の処理では、開放数カウンタOCの値が「12」となっているか否かを判定する。そして、ステップS723にて肯定判定をした場合には、ステップS724にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている高頻度入賞モードフラグを消去する。
ステップS724の処理を実行した後、又はステップS723にて肯定判定をした場合には、ステップS725に進む。ステップS725では、開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS725にて否定判定をした場合にはステップS726に進み、更新された開放数カウンタOCの値が偶数であるか否かを判定する。
ステップS726にて開放数カウンタOCの値が偶数であると判定した場合、すなわち次に実行されるラウンドが奇数ラウンドであると判定した場合には、第1開放タイマカウンタTC1に「150」(0.3secに相当)をセットする。
一方、ステップS726にて開放数カウンタOCの値が奇数であると判定した場合、すなわち次に実行されるラウンドが偶数ラウンドであると判定した場合には、第2開放タイマカウンタTC2に「150」(0.3secに相当)をセットする。
ステップS727又はステップS728の処理を実行した後は、ステップS729にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS725の説明に戻り、当該ステップS725にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS730に進む。ステップS730では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリアに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS731にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
本実施の形態におけるエンディングコマンドについては、上記オープニングコマンドと同様に、開閉実行モードへの移行時の状況等に応じて第1種エンディングコマンド/第2種エンディングコマンド/第3種エンディングコマンドが設定されており、開閉実行モード後に移行する背景画像等がこれら各種コマンドに応じて確定表示される構成となっている。
具体的には、今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果に対応している場合には、第1種エンディングコマンドを設定する。この第1種エンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては滞在ステージの移行処理を終了する。詳しくは、第1種特殊ステージ〜第3種特殊ステージへの移行処理を完了する。一方、今回の開閉実行モードが16R通常大当たり結果に対応したものである場合には、第2種エンディングコマンドを設定する。この第2種エンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては滞在ステージの移行処理を終了する。具体的には第1種特殊ステージ又は第2種特殊ステージへの移行処理を完了する。
また、第3種エンディングコマンドにおいては、上述した第1種エンディングコマンド及び第2種エンディングコマンドとは異なる表示演出を経て滞在ステージの移行処理を実行されるように設定されている。当該第3種エンディングコマンドによる滞在ステージの移行についての詳細は後述する。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS514にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS515にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS516にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS517にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、開閉実行モードを経て移行する遊技状態の有利度に差が生じることが特徴の1つとなっており、当該特徴にかかる構成によって遊技態様の多様化が図られている。以下、上記特徴にかかる構成について説明する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
以下、図24のフローチャートを参照して開閉実行モード終了時の移行処理(ステップS517)について説明する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、ステップS801にて今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が16R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに16R確変大当たり結果A又は16R確変大当たり結果Bの何れかに対応フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて肯定判定をした場合にはステップS802に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS802の消去処理を実行した後はステップS803,S804に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS803にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、ステップS804に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
ステップS803及びステップS804にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が確変大当たり結果でないと判定した場合にはステップS805に進む。ステップS805においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が16R通常大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに16R通常大当たり結果に対応するフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS805にて肯定判定をした場合にはステップS806に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS806の消去処理を実行した後はステップS807,S808に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS807にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS1108ではRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている遊技回数カウンタGC1に「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS807及びステップS808にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS805の説明に戻り、当該ステップS805にて否定判定を行った場合には、ステップS809に進む。ステップS809においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに2R確変大当たり結果に対応するフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS809にて肯定判定をした場合にはステップS810に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS810の消去処理を実行した後はステップS811に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。なお、2R確変大当たり結果である場合には、16R確変大当たり結果とは異なり高頻度サポートモードフラグが格納されない。つまり、電動役物71のサポート態様については低頻度サポートモードが継続されることとなる。
ステップS809にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R通常大当たり結果である場合には、ステップS812に進む。ステップS812では、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
つまり、2R通常大当たり結果の場合には、16R通常大当たり結果とは異なり開閉実行モード終了後に高頻度サポートモードに移行することはなく、電動役物71のサポート態様については低頻度サポートモードが継続されることとなる。
<開閉実行モードにおける遊技の流れ>
ここで、図25及び図26を参照して、開閉実行モード中の遊技の流れ(可変入球ユニット65の動作態様及びそれに伴う入球態様の変化)について説明する。図25は16R大当たり結果対応の開閉実行モード中の可変入球ユニット65の動作態様を示すタイミングチャート、図26は2R大当たり結果対応の開閉実行モード中の可変入球ユニット65の動作態様を示すタイミングチャートである。なお、既に説明したように16R対応の開閉実行モード中は複数回(全16回)に亘って可変入球ユニット65が許容状態に切り替ることとなるが、一連の遊技の流れについては同様のパターンを繰り返すように規定されているため、その一部について例示する。
図25に示すように16R対応の大当たりに当選して開閉実行モードに移行すると、表示画面75aにてオープニング表示が行われた後に上記ロック装置がロック状態からアンロック状態に切り替る。これにより、当該ロック装置による可変入球装置330,380の切替規制が解除される。第1ラウンドでは、両可変入球装置330,380のうち上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替る。具体的には、上側可変入球駆動部333に駆動信号が出力され、上側シャッタ332が閉位置から開位置へ変位する。
上側シャッタ332が開位置に配置されることにより、球通路310の上流側通路311が寸断される。可変入球ユニット65に到達した遊技球は、遊技盤60の前面に沿うようにして落下し、上側シャッタ332に当たることで流下方向が遊技盤60の厚さ方向(後方)に変化する。これにより、上側シャッタ332に沿って下側大入賞口381に流入することとなる。
可変入球ユニット65は2つの可変入球装置330,380を併有しているが、これら可変入球装置330,380のうち上流側の一方(上側可変入球装置330)を第1ラウンドにおける開放対象とすることにより、発射された遊技球が可変入球ユニット65に入球するまでの期間を僅かながら短くすることが可能となっている。このように、第1ラウンドにおける開放対象を下側可変入球装置380ではなく上側可変入球装置330とすることにより、開閉実行モード開始時の遊技進行の迅速化に貢献している。
ta1のタイミングにて上側大入賞口331への入球数(入賞数)が9個となり、ta2のタイミングにて上側大入賞口331への入球数が所定数(10個)に到達すると、それを契機として上側可変入球駆動部333への駆動信号の出力が停止される。これにより、上側シャッタ332が開位置から閉位置に復帰し、上側可変入球装置330が許容状態から阻止状態に復帰する。
ta2のタイミングから所定のインターバル期間(0.3sec)が経過したta3のタイミングでは第2ラウンドが開始される。具体的には、下側可変入球装置380の下側可変入球駆動部383に駆動信号が出力されて下側シャッタ382が閉位置から開位置へ変位し、両可変入球装置330,380のうち下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替る。
下側シャッタ382が開位置に配置されることにより、球通路310の上流側通路311が寸断される。可変入球ユニット65に到達し上側可変入球装置330を素通りした遊技球は、遊技盤60の前面と平行に(沿うようにして)落下を続け、そのまま上側大入賞口331に流入する。
ここで、本実施の形態におけるインターバル期間(0.3sec)は遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短くなるように設定されている。このため、第1ラウンドの終了契機となった遊技球に続く遊技球が可変入球ユニット65(詳しくは下側可変入球装置380)に到達する前に当該下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替りやすくなっている。
そもそも、図4等に示したように右ルートは左ルートと比べて遊技球の流下経路が限られており、遊技球同士の間隔が小さくなることが抑制されている。これにより、遊技球の追い越しや所謂ブドウの発生を抑え、遊技球が発射された順序で可変入球ユニット65に到達しやすくなっている。このような構成と相まって、ラウンド移行時(第1ラウンド→第2ラウンドの移行時)に球零れ(無駄球)が生じることを好適に抑制することが可能となっている。
ta4のタイミングにて第2ラウンドが開始されてから下側可変入球装置380に入球(入賞)した遊技球の数が所定数(10個)に達したta5のタイミングでは、当該ta5のタイミングで入球した遊技球を契機として下側可変入球駆動部383への駆動信号の出力が停止される。これにより、下側シャッタ382が開位置から閉位置に復帰し、下側可変入球装置380が許容状態から阻止状態に復帰する。
ta5のタイミングから所定のインターバル期間(0.3sec)が経過したta6のタイミングでは第3ラウンドが開始される。具体的には、上側可変入球装置330の上側可変入球駆動部333に駆動信号が出力されて上側シャッタ332が閉位置から開位置へ変位し、両可変入球装置330,380のうち上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替る。
既に説明したように、本実施の形態におけるインターバル期間(0.3sec)は遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短くなるように設定されている。このため、第2ラウンドの終了契機となった遊技球に続く遊技球が可変入球ユニット65(詳しくは上側可変入球装置330)に到達する前に当該上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替りやすくなっている。
また、上側可変入球装置330と下側可変入球装置380との間隔は、当該上側可変入球装置330を素通りした遊技球が下側可変入球装置380(下側シャッタ382)に到達するのに要する期間が上記発射周期及びインターバル期間よりも短くなるように設定されている。故に、開放対象が下側可変入球装置380から上側可変入球装置330に移る場合、詳しくは下側可変入球装置380が阻止状態に切り替ったタイミングにて両可変入球装置330,380の間に遊技球が存在しにくくなっている。このような構成と相まって、第2ラウンド→第3ラウンドへの移行時に球零れ(無駄球)が生じることを好適に抑制することが可能となっている。
以降は、第3ラウンド→第4ラウンド→第5ラウンド・・・のラウンド進行に応じて開放対象が交互に変更され、第16ラウンドの終了に伴って開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)から通常の遊技状態へ復帰する。開閉実行モードの終了を契機として上記ロック装置がロック状態に復帰し、各可変入球装置330,380の許容状態への切り替えが不可となる。
図26に示すように2R対応の大当たりに当選して開閉実行モードに移行すると、tb0のタイミングにて図柄表示装置75の表示画面75aにてオープニング表示が開始され、オープニング表示が行われた後に上記ロック装置がロック状態からアンロック状態に切り替る。これにより、当該ロック装置による可変入球装置330,380の切替規制が解除される。tb1のタイミングからオープニング表示期間が経過したtb1のタイミングでは、両可変入球装置330,380のうち上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に切り替る。具体的には、上側可変入球駆動部333に駆動信号が出力され、上側シャッタ332が閉位置から開位置へ変位する。これにより、第1ラウンドが開始される。
2R大当たり結果に基づいて移行した開閉実行モードは上述した低頻度入賞モードに対応している、このため、上記16R大当たり結果の場合とは異なり、実質的に遊技球の入球が発生しない。つまり、tb1のタイミング〜tb2のタイミングに示すように、ラウンド遊技に係る2つの終了条件のうち所定期間(0.06sec)の経過によって第1ラウンドが終了することとなる。tb2のタイミングにて所定期間が経過すると、それを契機として上側可変入球駆動部333への駆動信号の出力が停止される。これにより、上側シャッタ332が開位置から閉位置に復帰し、上側可変入球装置330が許容状態から阻止状態に復帰する。
tb2のタイミングの後、所定のインターバル期間(0.3sec)が経過したtb3のタイミングでは、第2ラウンドが開始される。具体的には、下側可変入球装置380の下側可変入球駆動部383に駆動信号が出力されて下側シャッタ382が閉位置から開位置へ変位し、両可変入球装置330,380のうち下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に切り替る。
ここで、2R大当たり結果に基づいて移行した開閉実行モードは上述した低頻度入賞モードに対応している、このため、上記16R大当たり結果の場合とは異なり、実質的に遊技球の入球が発生しない。つまり、tb3のタイミング〜tb4のタイミングに示すように、ラウンド遊技に係る2つの終了条件のうち所定期間(0.06sec)の経過によって第1ラウンドが終了することとなる。tb4のタイミングにて所定期間が経過すると、それを契機として下側可変入球駆動部383への駆動信号の出力が停止される。これにより、下側シャッタ382が開位置から閉位置に復帰し、下側可変入球装置380が許容状態から阻止状態に復帰する。
tb4のタイミングからエンディング表示期間が経過したtb5のタイミングにて開閉実行モードが終了し、通常遊技状態に移行する。
本実施の形態においては、開閉実行モード終了後を経て遊技状態を変化させることが可能となっており、開閉実行モードにおける特典享受の度合いに差を設けることで、遊技状態を変化させる契機を多様化している。ここで、開閉実行モード終了後に図柄表示装置75の表示画面75aに表示される背景(ステージ)については、内部的に高確率モードである可能性が高いことを示すものと当該可能性が低いものとが複数設定されており、この滞在ステージ(背景画像)によって高確率モードである可能性が示唆されることとなる。滞在ステージは大別して、高確率モードに対応するもの、低確率モードに対応するもの、高確率/低確率の両モードに対応するものが記憶されている。
滞在ステージと高確率/低確率モードとを敢えて完全にリンクさせない構成とすることとして高確率モードに移行しているか否かを明示/非明示とする構成を採用することにより、開閉実行モード終了後の遊技への期待感の低下を好適に抑制する工夫がなされている。以下、図27及び図28を参照して、当該工夫に係る前提構成について説明する。図27は報知・演出制御装置143のMPU612にて実行されるステージ移行処理を示すフローチャート、図28はステージの振分テーブルを示す概略図である。
<当たり種別の告知・特殊ステージへの移行>
報知・演出制御装置143のMPU612においては、定期処理の一環として、当たり種別告知用処理が実行される。具体的には、16R確変大当たり結果B対応の開閉実行モードへの移行契機となる遊技回(以下、該当遊技回という)にて16R確変大当たり結果Bとなった旨を告知するか否かの抽選が実行され、当該抽選に当選した場合には該当遊技回にて16R確変大当たり結果Bとなった旨が告知されることとなる。詳しくは、表示画面75aの有効ライン上に各種特定図柄のうち「7」図柄の組わせが表示されることとなる。該当遊技回にて16R確変大当たりBとなった旨の告知が行われない場合には、表示画面75aの有効ライン上に他の特定図柄の組わせ又は非特定図柄の組わせが表示され、その後、開閉実行モード中の昇格演出等により16R確変大当たり結果Bとなった旨が告知されることとなる。
16R確変大当たり結果A対応の開閉実行モードへ移行する場合には、可変入球ユニット65の動作態様が16R確変大当たり結果及び16R通常大当たり結果で共通化されているため、当該可変入球ユニット65を見て何れの大当たり結果であるかを判断することは困難になる。そこで、16R確変大当たり結果Bとは異なり、16R確変大当たり結果Aとなった旨を明示しない構成が採用されている。
つまり、16R確変大当たり結果Bとなった該当遊技回においては、表示画面75aの有効ライン上に各種特定図柄のうち「7」図柄以外の特定図柄の組わせ又は非特定図柄の組わせが表示される。特定図柄の組み合わせが表示された場合には、少なくとも確変大当たり結果である旨が示唆されるものの、この時点では16R確変大当たり結果Bである可能性が残る。一方、非特定図柄の組み合わせが表示された場合には、16R確変大当たり結果及び16R通常大当たり結果である可能性が残る。16R確変大当たり結果Aの場合には、16R確変大当たり結果Aとなった旨を開閉実行モード中に告知するか否かの抽選が行われることとなる。当該抽選に当選した場合には、開閉実行モード中に16R確変大当たり結果Aとなった旨が告知されることとなる。
これに対して16R通常大当たり結果対応の開閉実行モードへ移行する場合には、図柄表示装置75の表示画面75aの有効ライン上に各種非特定図柄の組わせが表示される。非特定図柄の組み合わせが表示された場合には、16R確変大当たり結果及び16R通常大当たり結果である可能性が残る。つまり、16R通常大当たり結果となった場合に、非特定図柄の組わせが表示されたとしても、内部的には確変大当たり結果である可能性を残すことができる。16R通常大当たり結果の場合には、16R通常大当たり結果となった旨を開閉実行モード中に告知するか否かの抽選が行われることとなる。当該抽選に当選した場合には、開閉実行モード中に16R通常大当たり結果となった旨が告知されることとなる。
2R確変大当たり結果対応の開閉実行モードへの移行契機となる遊技回(以下、該当遊技回という)においては、当該2R確変大当たり結果となった旨が告知されることが回避される一方、開閉実行モード中に2R確変大当たり結果となった旨を告知するか否かの抽選が行われることとなる。当該抽選に当選した場合には、開閉実行モード中に2R確変大当たり結果となった旨が告知されることとなる。一方、2R通常大当たり結果対応の開閉実行モードへ移行する場合には、移行契機となる遊技回及び開閉実行中に大当たりの種別が告知されることはない。
開閉実行モード中に大当たりの種別を告知する旨が決定された場合には、RAM614の各種フラグ格納エリアに確定フラグが格納されることとなる。該当遊技回や開閉実行モード中に大当たりの種別が告知された場合には、告知結果に対応させて図柄表示装置75の表示画面75aに表示されるステージが特殊ステージに変更されることで滞在しているモード(高確率モード/低確率モード)が明示され、該当遊技回や開閉実行モード中に大当たりの種別が告知されなかった場合には、図柄表示装置75の表示画面75aに表示されるステージが特殊ステージに変更されることで滞在しているモード(高確率モード/低確率モード)が示唆されることとなる。具体的には、報知・演出制御装置143のMPU612においては、開閉実行モードから通常遊技状態に復帰する際にステージ移行処理が実行される。これにより、当たり種別の明示及び示唆が行われる。ここで、図27のフローチャートを参照してステージ移行処理について説明する。
<ステージ移行処理>
ステージ移行処理においては先ず、ステップS901にて開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合にはそのまま本ステージ移行処理を終了する。
ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS902に進み当該開閉実行モードが16R確変大当たり結果Bに対応しているか否かを判定する。ステップS902にて肯定判定をした場合にはステップS903に進み、第3特殊ステージ移行処理を行う。第3特殊ステージは背景画像が赤色となるステージであり、16R確変大当たり結果Bである場合には、必ずこのステージが選択されることとなる。つまり、16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードを経て第3特殊ステージが表示された場合には、内部的に高確率モードとなっていることが確定する。なお、この第3特殊ステージについては、次に開閉実行モードへの移行が確定するまで継続表示されることとなる。
ステップS902にて否定判定をした場合にはステップS904に進む。ステップS904では、RAM614の各種フラグ格納エリアに上記確定フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS904にて肯定判定をした場合には、ステップS905にて当該開閉実行モードが確変大当たり結果に対応するものであったか否かを判定する。具体的には、確定フラグには大当たりの種別に関する情報が含まれており、この情報に基づいてステップS905の判定がなされる。
ステップS905にて肯定判定をした場合、すなわち確変大当たり結果に対応していると判定した場合には、上記ステップS903に進み第3特殊ステージ移行処理を行う。つまり、16R確変大当たり結果Aである旨が事前に告知されている場合には、開閉実行モードが終了後に第3特殊ステージに移行する。これにより、内部的に高確率モードへ移行している旨が明示されることとなる。
一方、ステップS905にて否定判定をした場合、すなわち16R通常大当たり結果に対応していると判定した場合には、ステップS906に進み第1特殊ステージ移行処理を行う。第1特殊ステージは背景画像が黄色となるステージであり、通常大当たり結果(低確率モード)に対応している。つまり、開閉実行モード中の当たり種別の告知を経て第1特殊ステージが表示された場合には、内部的に低確率モードとなっていることが確定となる。
ステップS906の処理を実行した後は、ステップS907に進み特出ステージの転落条件の設定処理を行う。具体的には、第1特殊ステージへの移行が確定した場合には、高頻度サポートモードが終了するまで継続表示されるように転落条件が設定されることとなる。つまり、開閉実行モード終了後に「100」の遊技回を経過したことを契機として通常ステージ(背景画像が青色となるステージ)へと復帰することとなる。
ステップS904の説明に戻り、当該ステップS904にて否定判定をした場合には、ステップS908に進みステージ振分け処理を行う。つまり、確定フラグが格納されていない場合であって16R確変大当たり結果A,16R通常大当たり結果,2R確変大当たり結果、2R通常大当たり結果である場合には、表示制御装置410によってステージの振分け抽選が実行され、その後ステップS909にて振分け結果に対応したステージへの移行処理が実行されることとなる。ここで、図28の概略図を参照してこの抽選による振分け態様について説明する。
図28(a)に示すように、16R確変大当たり結果A又は2R確変大当たり結果である場合には、低確率モードが濃厚となる第1特殊ステージへの振分け確率が10%、高確率モードが確定する第3特殊ステージへの振分け確率が30%となるように設定されている。高確率モード及び低確率モードのいずれの可能性をも含む第2特殊ステージ(背景緑色)への振分け確率は60%となっており、多くの場合には第2特殊ステージへと移行することとなる。
図28(b)に示すように、16R通常大当たり結果である場合には、低確率モードが濃厚となる第1特殊ステージへの振分け確率が50%、高確率モードが濃厚となる第3特殊ステージへの振分け確率が0%となるように設定されている。高確率モード及び低確率モードのいずれの可能性をも含む第2特殊ステージ(背景緑色)への振分け確率は50%となっており、第3特殊ステージへの移行が回避されることとなる。
図28(c)に示すように、2R通常大当たり結果である場合には、低確率モードが確定する通常ステージ(背景青色)への振分け確率が50%、低確率モードが濃厚となる第1特殊ステージへの振分け確率が30%、高確率モードが確定する第3特殊ステージへの振分け確率は0%、高確率モード及び低確率モードのいずれの可能性をも含む第2特殊ステージ(背景緑色)への振分け確率は20%となっており、第3特殊ステージへの移行が回避されることとなる。
以上詳述したように、16R大当たり結果となった場合には、必ずしもその種別が明示されるわけではないため、開閉実行モード終了後の遊技への期待感を好適に煽ることができる。また、2R大当たり結果となった場合についても、特殊ステージへの移行によって高確率モードへ移行した可能性を示すことにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
但し、16R大当たり結果については実質的に出球が期待できるのに対して、2R大当たり結果については実質的に出球が期待できないため、2R大当たり結果に当選した旨が遊技者によって把握されることが、遊技者に損失感を与える要因になりかねない。そこで、本実施の形態においては、このような不都合の発生を回避するための工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、当該工夫に係る構成及びその前提構成について説明する。
報知・演出制御装置143のMPU612においては、主制御装置162からの情報に基づいて図柄表示装置75(表示画面75a)における図柄の変動表示態様を決定する処理(変動表示対象決定処理)を行う。遊技回中に行われる変動表示態様には、大別して当たり対応リーチ表示と、外れ対応リーチ表示と、完全外れ表示とが設定されている。
<変動表示態様決定処理>
図29のフローチャートに示すように、変動表示態様決定処理においては、先ずステップS1001にて主制御装置162から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示態様決定処理を終了する。
ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002にて今回受信したコマンドに基づく遊技回が大当たり対応の遊技回であるか否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003に示すように大当たり対応の演出選択テーブルを参照し、ステップS1004にて大当たり対応の演出態様設定処理を行う。ステップS1004に示す大当たり対応の演出態様設定処理においては、上述した可動演出装置80と連動する連動演出を行うか否かの選択を行う。但し、大当たりの種別が2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果のいずれかである場合には、当該連動演出が選択肢から外れるように構成されている。
ステップS1002の説明に戻り、当該ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005では、今回受信したコマンドに基づく遊技回が外れリーチに対応しているか否かを判定する。ステップS1005にて肯定判定をした場合には、ステップS1006に示すように外れリーチ対応の演出選択テーブルを参照し、ステップS1007にて外れリーチ対応の演出態様設定処理を行う。ステップS1007に示す外れリーチ対応の演出態様設定処理においては、上述した可動演出装置80と連動する連動演出を行うか否かの選択を行う。
一方、ステップS1005にて否定判定をした場合、すなわち今回受信したコマンドに基づく遊技回が完全外れに対応している場合には、ステップS1008に示すように完全外れ対応の演出選択テーブルを参照し、ステップS1009にて完全外れ対応の演出態様決定処理を行う。なお、完全外れに対応する遊技回においては上記連動演出が選択されることが回避される。
当たり対応リーチ表示及び外れ対応リーチ表示は、ノーマルリーチと当該ノーマルリーチよりも大当たりの当選期待度が高くなるように設定されたスーパーリーチとが設定されており、上記連動演出は複数存在するスーパーリーチの1つを構成している。
大当たり結果に対応する遊技回(当たり対応リーチ表示に対応する遊技回)では、連動演出対応のスーパーリーチ > スーパーリーチ > ノーマルリーチ の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回(外れリーチ表示に対応する遊技回)では、完全外れ > ノーマルリーチ > スーパーリーチ > 連動演出対応のスーパーリーチ の順に選択されやすい構成となっている。
ここで、図30(a)の概略図を参照してノーマルリーチの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図11参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定の停止表示期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間(確定表示期間)が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
次に、上述したノーマルリーチの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチの変動表示態様について説明する。図30(b)の概略図に示すように、スーパーリーチについては、ノーマルリーチと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。図30(b)に示す具体例では、リーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示されるように構成されている。
以上詳述したノーマルリーチ及びスーパーリーチにおける変動表示態様を踏まえて連動演出対応のスーパーリーチについて説明する。図30(c)の概略図に示すように、連動演出対応のスーパーリーチが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図11参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を一旦停止(仮停止)させる。この際、リーチライン上に上述した特殊図柄(詳しくは「CHACE」図柄)が止まることとなる。
その後、リーチ演出は可動演出装置80が動作して連動演出に係る部分に移行する。ここで、可動演出装置80の動きを図31のフローチャートを参照して説明する。可動演出装置80用の駆動制御手段としての機能が付与された報知・演出制御装置143のMPU612においては定期処理の一環として可動演出装置連動制御処理が実行される。可動演出制御処理は、遊技回中又は開閉実行モード中に実行される処理である。
<可動演出装置連動制御処理>
可動演出装置連動制御処理においては先ず、ステップS1101にてRAM614の各種フラグ格納エリアに可動演出装置連動フラグが格納されているか否かを判定する。可動演出装置連動フラグは、上記変動表示態様決定処理にて連動演出が選択された場合、又は2R大当たり結果対応の開閉実行モードに移行する際(オープニングコマンド受信時)に格納されるフラグである。
ステップS1101にて否定判定をした場合にはそのまま本連動制御処理を終了する。一方、ステップS1101にて肯定判定をした場合にはステップS1102に進む。ステップS1102では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。本実施の形態においては、開閉実行モード中の演出の一環として連動演出が実行される場合があるが、この連動演出についての詳細は後述する。
ステップS1102にて否定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中ではなく遊技回中である場合には、ステップS1103に進む。ステップS1103では、可動演出装置80の可動装飾体93が演出位置に配置されているか否かを判定する。ステップS1103にて否定判定をした場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では、煽り演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。
ステップS1104にて肯定判定をした場合には、ステップS1107にて煽り演出用駆動処理を実行した後、本連動制御処理を終了する。ここで、煽り演出とは、可動演出装置80の可動装飾体93を待機位置に配置した状態で僅かに上下に往復動(振動)させる演出である。煽り演出用駆動処理においては、駆動部95に駆動信号を出力することにより、このような動きが所定の期間に亘って継続される。
ステップS1104にて否定判定をした場合にはステップS1105に進み、降下演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、可動装飾体93を待機位置から演出位置に降下させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1105にて肯定判定をした場合には、ステップS1106にて演出位置への移動処理(降下演出用処理)を実行した後、本連動制御処理を終了する。ステップS1106の処理では、駆動部95に駆動信号を出力することにより、可動装飾体93を待機位置から演出位置に降下させる。
ステップS1103の説明に戻り、当該ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1108に進み、待機位置への復帰タイミングとなっているか否かを判定する。ステップS1108にて否定判定をした場合には、そのまま本連動制御処理を終了する。ステップS1108にて肯定判定をした場合には、ステップS1109に進む。
ステップS1109では演出位置に配置された可動装飾体93の待機位置への復帰処理を実行する。具体的には、駆動部95に駆動信号を出力することにより、可動装飾体93を演出位置から待機位置へ移動させる。
ここで、再び図30(c)を参照して連動演出対応のスーパーリーチの態様について説明する。上述したように全ての図柄列が停止して中図柄列に「CHANCE」図柄が停止した後のタイミングで、可動装飾体93が動作して上記煽り演出が実行される。煽り演出が実行された後は、可動装飾体93が待機位置から演出位置へと降下し、その後、中図柄列の「CHANCE」図柄がスーパーリーチに対応したキャラクタ画像に置換される。そして、可動装飾体93の待機位置への復帰に合わせて、上下の図柄列が停止表示されたまま中図柄列の変動表示が再開される。
その後、上記スーパーリーチと同様の態様で演出が進行し、大当たり結果である場合には大当たり結果に対応する図柄の組み合わせが形成されるようにして中図柄が停止表示され、外れ結果である場合には外れ結果に対応する図柄の組み合わせが形成されるようにして中図柄が停止表示されることとなる。
なお、連動演出非対応のノーマルリーチの場合には、煽り演出→降下演出となるのではなく煽り演出の後に降下演出が実行されることなく当該遊技回が終了する。
本実施の形態においては、2R大当たり結果となった場合には、上述した連動演出対応のスーパーリーチと同様の態様の演出が該当遊技回及び開閉実行モードに亘って実行されることを特徴の1つとしている。つまり、開閉実行モードにおいても、上述した連動演出に相当する演出が実行されることを特徴の1つとしている。以下、当該特徴的な構成について、図31のフローチャート及び図32の概略図を参照して説明する。図32(a)〜(b)においては、大当たり結果となる場合に該当遊技回にて実行される演出の態様を例示している。
図32(a)にはスーパーリーチを経由して大当たり結果となる場合が例示されており、図32(b)には連動演出対応のスーパーリーチを経由して大当たり結果となる場合が例示されている。ここで、図32(b)に示す連動演出対応のスーパーリーチでは、連動演出に発展する直前に全ての図柄列のスクロール表示が一旦停止する。そして、可動演出装置80の可動装飾体93の動作に基づいてスクロール表示が再開される構成となっている。これら一連の演出の開始タイミングについては、遊技回の開始タイミングと同期しており、一連の演出の終了タイミングについても遊技回の終了タイミングと同期している。
図32(c)に示す演出の流れは、一見すると図32(b)に示す演出と共通であり、最終停止結果のみが相違している。しかしながら、実際には図32(b)に示す例では、該当遊技回及び開閉実行モード中の演出を繋げることにより、図32(b)と同様の演出であるかのように擬態させている。
具体的には、2R確変大当たり結果又は2R通常大当たり結果に対応する該当遊技回では、ノーマルリーチが選択される。つまり、該当遊技回においては、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図11参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止(確定表示)させる。この際、リーチライン上に上述した特殊図柄(詳しくは「CHACE」図柄)が止まることとなる。つまり、この時点で確定表示が行われて該当遊技回が終了し、開閉実行モードへ移行する。
ここで、図31のフローチャートを参照して開閉実行モードにおける可動演出装置連動制御処理について補足説明する。ステップS1102にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であって且つ可動演出装置80ようの連動フラグが存在する場合には、ステップS1110に進む。ステップS1110では、可動演出装置80の可動装飾体93が演出位置に配置されているか否かを判定する。ステップS1110にて否定判定をした場合には、ステップS1111に進む。ステップS1111では、煽り演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。
ステップS1111にて肯定判定をした場合には、ステップS1114にて煽り演出用駆動処理を実行した後、本連動制御処理を終了する。ここで、煽り演出とは、可動演出装置80の可動装飾体93を待機位置に配置した状態で僅かに上下に往復動(振動)させる演出である。煽り演出用駆動処理においては、駆動部95に駆動信号を出力することにより、このような動きが所定の期間に亘って継続される。
ステップS1111にて否定判定をした場合にはステップS1112に進み、降下演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、可動装飾体93を待機位置から演出位置に降下させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1112にて肯定判定をした場合には、ステップS1113にて演出位置への移動処理(降下演出用処理)を実行した後、本連動制御処理を終了する。ステップS1113の処理では、駆動部95に駆動信号を出力することにより、可動装飾体93を待機位置から演出位置に降下させる。
ステップS1110の説明に戻り、当該ステップS1110にて肯定判定をした場合には、ステップS1115に進み、待機位置への復帰タイミングとなっているか否かを判定する。ステップS1115にて否定判定をした場合には、そのまま本連動制御処理を終了する。ステップS1115にて肯定判定をした場合には、ステップS1116に進む。
ステップS1116では演出位置に配置された可動装飾体93の待機位置への復帰処理を実行する。具体的には、駆動部95に駆動信号を出力することにより、可動装飾体93を演出位置から待機位置へ移動させる。
以上、詳述したように、開閉実行モード中に実行される連動演出での可動装飾体93の動作態様については、遊技回中に実行される連動演出での可動装飾体93の動作態様と共通化されている。
再び図32(c)を参照して2R確変大当たり結果又は2R通常大当たり結果となった場合の演出の流れについて説明する。上述したように全ての図柄列が停止して中図柄列に「CHANCE」図柄が停止した後のタイミング、すなわち該当遊技回から開閉実行モードに移行したタイミングで、可動装飾体93が動作して上記煽り演出が実行される。煽り演出が実行された後は、可動装飾体93が待機位置から演出位置へと降下し、その後、中図柄列の「CHANCE」図柄がスーパーリーチに対応したキャラクタ画像に置換される。そして、可動装飾体93の待機位置への復帰に合わせて、上下の図柄列が停止表示されたまま中図柄列の変動表示が再開される。
その後、上記スーパーリーチと同様の態様で演出が進行し、2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果の両方に対応する図柄の組み合わせが形成されるようにして中図柄が停止表示されることとなる。
以上詳述したように、開閉実行モード中のオープニング表示〜エンディング表示を、連動演出対応のスーパーリーチの後半部分と共通化させることにより、該当遊技回におけるノーマルリーチ及び開閉実行モード中の表示演出によって連動演出対応のスーパーリーチと同様の演出が構築されている。この演出を見た遊技者は、単に連動演出対応のスーパーリーチ(特殊リーチ表示)が実行されたのか、それともノーマルリーチ対応の該当遊技回→開閉実行モードに続く一連の演出表示(連続演出表示)が実行されたのかを識別することが困難となる。
ここで、特殊リーチ表示に係る遊技の流れと連続演出表示に係る遊技の流れとの違いを図33のタイミングチャートを参照して説明する。なお、tc1のタイミング〜tc7のタイミングに示す部分が特殊リーチ表示(外れ結果)に係る遊技の流れに対応しており、tc11のタイミング〜tc19のタイミングに示す部分が連続演出表示に係る遊技の流れに対応している。
先ず特殊リーチ表示に係る遊技の流れについて説明する。tc1のタイミングにて主表示部Dの作動入球部用表示における絵柄の変動表示が開始されるとともに図柄表示装置75の表示画面75aにて停止表示されている各図柄列の変動表示が開始される。tc1のタイミングから所定の期間を経過したtc2のタイミングにて上下の図柄列のスクロール表示が停止してリーチ表示に移行する。このリーチ表示はtc3のタイミングとなるまで継続され、当該tc3のタイミングで中図柄が仮停止表示される。その直後のtc4のタイミングでは、可動演出装置80が可動装飾体93が待機位置に停止している待機状態から、待機位置にて上下動を繰り返す煽り状態に移行する。この煽り状態(煽り演出)はtc5のタイミングになるまで継続される。そして、tc5のタイミングにて可動装飾体93が待機位置から演出位置へ降下して可動演出装置80が演出状態に移行する。
その後、tc6のタイミングにて可動装飾体93が待機位置から演出位置に戻り、可動演出装置80が待機状態に復帰する。これに合わせて、図柄表示装置75の表示画面75aに仮停止表示されていた中図柄列が再度スクロール表示を開始する。tc6のタイミングから所定の期間が経過したtc7のタイミングにて主表示部Dの作動入球部用表示部の変動表示が終了し、当該遊技回の遊技結果に対応する絵柄が停止表示される。これに合わせて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいても中図柄列のスクロール表示が終了し、遊技結果が明示される。なお、図33に示す例では当該遊技回は外れ結果に対応しているため、外れ結果に対応する図柄組わせが停止表示されることで、その旨が遊技者に告知されることとなる。
次に、連続演出表示に係る遊技の流れについて説明する。tc11のタイミングにて主表示部Dの作動入球部用表示における絵柄の変動表示が開始されるとともに図柄表示装置75の表示画面75aにて停止表示されている各図柄列の変動表示が開始される。tc11のタイミングから所定の期間を経過したtc12のタイミングにて上下の図柄列のスクロール表示が停止してリーチ表示に移行する。このリーチ表示はtc13のタイミングとなるまで継続され、当該tc13のタイミングで主表示部Dの作動入球部用表示部の変動表示が終了し、当該遊技回の遊技結果に対応する絵柄が停止表示される。これに合わせて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいても中図柄列のスクロール表示が終了し、遊技結果が明示される。つまり、連続演出表示中に表示画面75aの図柄の変動表示が停止した場合には、見た目上は上記特殊演出表示における仮停止表示と同様となるが、実際にはこの停止表示された図柄の組わせが確定表示に相当する。なお、停止表示される中図柄については、図32に示したように「CHANCE」図柄であり、「CHANCE」図柄の停止は連動演出への移行契機として設定されている。故に、遊技者は「CHANCE」図柄を見た場合には連動演出対応のスーパーリーチへの発展を期待して図柄表示装置75を注視することとなり、開閉実行モードへ移行したことが気付かれにくくなる。
tc13のタイミング以降は開閉実行モードが終了して次の遊技回が実行されるまで主表示部Dの作動入球部用表示部が停止表示されたままとなる。その後、tc14のタイミングにて開閉実行モードへ移行すると、これに合わせて可動演出装置80が可動装飾体93が待機位置に停止している待機状態から、待機位置にて上下動を繰り返す煽り状態に移行する。
続くtc15のタイミングでは、上側可変入球装置330の上側大入賞口331が所定期間(0.06sec)に亘って開放され、tc16のタイミングでは下側可変入球装置380の下側大入賞口381が所定期間(0.06sec)に亘って開放される。これら2度の開放が行われる間も可動演出装置80(可動装飾体93)による煽り演出が継続されることとなる。両可変入球装置330,380が開放された後のtc17のタイミングにて、可動装飾体93が待機位置から演出位置へ降下して可動演出装置80が演出状態に移行する。
ここで、可動装飾体93の上下動のタイミングと可変入賞装置380(シャッタ382)の動作タイミングとの関係について補足説明する。可動装飾体93については、最上位位置から降下を開始するタイミングがシャッタ382が降下を開始するタイミングよりも僅かに遅れるように構成されている。つまり、シャッタ382が開位置へ移動を開始した直後に可動装飾体93が降下を開始する。このように、可動装飾体93をシャッタ332に追従させる構成とすることにより、可動装飾体93の動きを目立ちにくくすることが可能となっている。
なお、これら各構成の動作タイミングを逆にしてもよい。すなわち、可動装飾体93が降下を開始した後、当該可動装飾体93に追従してシャッタ332が動作する構成としてもよい。このように可動装飾体93の動きを先行させることにより、遊技者の目線をシャッタ332ではなく可動装飾体93に向けやすくなる。
その後、tc18のタイミングにて可動装飾体93が待機位置から演出位置に戻り、可動演出装置80が待機状態に復帰する。これに合わせて、図柄表示装置75の表示画面75aに停止表示されていた中図柄列が再度スクロール表示を開始する。tc18のタイミングから所定の期間が経過したtc19のタイミングにて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいても中図柄列のスクロール表示が終了する。そして、続くtc20のタイミングにて新たに遊技回が開始すると、主表示部Dの作動入球部用表示部が停止表示→変動表示に切り替わり、これに合わせて図柄表示装置75の表示画面75aにおいても停止表示されている全図柄列の変動表示が再開されることとなる。
このように、開閉実行モード中の表示演出を通常遊技状態におけるリーチ表示に擬態させることにより、連続演出表示と特殊リーチ表示との識別を難しくして、該当遊技回→開閉実行モードを経て次の遊技回へ進むことを把握しづらくしている。
遊技者の注目を表示画面75aに向けさせることにより、低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードへの移行を隠すことには、遊技者が遊技球の払い出しを受けることができなかったことに対して損失感を抱くことを抑制する上で有利である。但し、高頻度入賞モードにおいては、寧ろ可変入球装置330,380やその動き自体が遊技者の遊技意欲を高める要因となる。そこで、本実施の形態においてはこれらの各種事情に配慮して、可動装飾体93の配置を変化させる構成が採用されている。
ここで、図34〜図36を参照して、開閉実行モードにおける可変入球ユニット65(可変入球装置330,380)の動作態様と、可動演出装置80(可動装飾体93)の動作態様との関係について説明する。図34は遊技進行に伴う可動演出装置80の動きを示すタイミングチャート、図35は16R大当たり結果対応の開閉実行モード中の可変入球ユニット65及び可動演出装置80の動作態様の一部を示す概略図、図36は2R大当たり結果対応の開閉実行モード中の可変入球ユニット65及び可動演出装置80の動作態様を示す概略図である。
可変入球ユニット65及び可動演出装置80の動作態様については、開閉実行モードが何れの大当たり結果に対応しているかによって相違する。具体的には、16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モード,16R確変大当たり結果A/16R通常大当たり結果に対応する開閉実行モード,2R確変大当たり結果/2R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードの3つの開閉実行モードに各々に対応して差別化されている。以下、先ず16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードへ移行する場合について説明する。
図34(a)に示すように、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行すると、開閉実行モードのオープニング演出が実行されている最中に可動演出装置80が動作し、可動装飾体93が待機位置から演出位置へと移動する(図35(a)→図35(b)参照)。これにより、可動装飾体93と可変入球ユニット65(詳しくは下側可変入球装置380等)との重なりが回避され、両可変入球装置380及び球通路310全体が遊技機前方から視認可能となる。つまり、上述した可変入球ユニット65の遮蔽が解除される。
オープニング演出の終了後は、規定ラウンド(16R)に達するまで、上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380が交互に許容状態に切り替わる。この場合であっても、図35(c),(d)に示すように、可動装飾体93は演出位置に配置された状態で維持されるため、可変入球装置330,380の動きや可変入球装置330,380への入球の様子を目視にて確認できる。
規定ラウンドに達した後は、開閉実行モードが終了して通常遊技状態へ復帰する旨を示唆する演出としてエンディング演出が実行されるが、このエンディング演出が実行されている最中に可動演出装置80が動作し、可動装飾体93が演出位置から待機位置へと移動する(図35(b)→図35(a)参照)。これにより、可動装飾体93と可変入球ユニット65(詳しくは下側可変入球装置380等)とが重なり、下側可変入球装置380及び球通路310の一部が視認不可となるように遮蔽される。
次に16R確変大当たり結果A及び16R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードへ移行する場合について説明する。
図34(b)に示すように、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行すると、開閉実行モードのオープニング演出が実行されている最中に可動演出装置80が動作し、可動装飾体93が待機位置から演出位置へと移動する(図35(a)→図35(b)参照)。これにより、可動装飾体93と可変入球ユニット65(詳しくは下側可変入球装置380等)との重なりが回避され、両可変入球装置380及び球通路310全体が遊技機前方から視認可能となる。
オープニング演出の終了後は、規定ラウンド(16R)に達するまで、上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380が交互に許容状態に切り替わる。ここで、16R確変大当たり結果A及び16R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードでは、可変入球装置330,380の開閉態様が第1ラウンド〜第4ラウンドは高頻度入賞モードとなり、第5ラウンド〜第16ラウンドは低頻度入賞モードとなる。
第1ラウンド〜第4ラウンドでは、可動装飾体93は演出位置に配置された状態で維持されるため、可変入球装置330,380の動きや可変入球装置330,380への入球の様子を目視にて確認できる(図35(c),(d)参照)。そして、第4ラウンド終了後は、可動装飾体93が演出位置から待機位置に復帰した状態で、可変入球装置330,380が動作することとなり、可変入球装置380や球通路310の視認が不可となった状態で開閉実行モードが進行することとなる。規定ラウンドに達した後は、開閉実行モードが終了して通常遊技状態へ復帰する旨を示唆する演出としてエンディング演出が実行される。
なお、本実施の形態においては、所謂ランクアップボーナスが採用されており、該当遊技回にて16R確変大当たり結果Bとなった旨が告知されていない場合には、第4ラウンドの終了前に高頻度入賞モードが続くか否かを示唆する演出が実行される。具体的には、可動装飾体93が演出位置にて上下動し(予兆演出)、その結果待機位置に復帰する場合と演出位置に留まる場合とに分かれる。16R確変大当たり結果Bの場合には、可動装飾体93が当該予兆演出を経てそのまま演出位置に留まり、16R確変大当たり結果A又は16R通常大当たり結果の場合には、可動装飾体93が当該予兆演出を経て待機位置に復帰することとなる。
次に2R確変大当たり結果及び2R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードへ移行する場合について説明する。
図34(c)に示すように、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行すると、開閉実行モードのオープニング演出が実行されている最中に可動演出装置80が動作し、上述した煽り演出が実行される。この煽り演出が実行されている最中、すなわち可動装飾体93が待機位置に配置されている状況下にて、上側可変入球装置330→下側可変入球装置380の順に許容状態に切り替わる(図36(a)→図36(b)→図36(c)→図36(a)参照)。
可動装飾体93が可変入球ユニット65(詳しくは下側可変入球装置380及び球通路310の一部)に遊技機前方から重なった状態にて、すなわち下側可変入球装置380及び球通路310の一部が視認不可となるように遮蔽された状態にて可変入球装置330,380が動作することとなる。
可変入球装置330,380の許容状態への切り替えが完了した後に可動装飾体93が待機位置→演出位置→待機位置へと移動し、図32(c)に示した表示演出が実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
作動入球部62,63への入球を契機として「特別遊技状態」としての開閉実行モードに移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入球ユニット65への入球が容易化される。開閉実行モードとしては入球発生機会に差が生じるように設定された高頻度入賞モード対応のもの(16R大当たり結果対応の開閉実行モード)と低頻度入賞モード対応のもの(2R大当たり結果対応の開閉実行モード)とが設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードが設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、低頻度入賞モードにおける可変入球ユニット65への入球の期待度が高頻度入賞モードと比べて低くなることで、例えば低頻度入賞モードにおける可変入球ユニット65の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本実施の形態においては、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなっている場合には、可動演出装置80の可動装飾体93を上記可変入球ユニット65に遊技機前方から重なる待機位置に位置させることで、可変入球ユニット65の視認性を低下させて遊技者の目につきにくくすることができる。このように、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードを経由して遊技状態を移行させる場合に、可変入球ユニット65の動きを目立ちにくくすることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、低頻度入賞モード対応の開閉実行モード(大当たり)の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
なお、表示画面75aを有する図柄表示装置75については、遊技者の注目が向きやすい構成であるため、遊技者の顔の正面に位置するように配設することでその視認性が好適に担保されている。そこで、この種の遊技機においては、可変入球ユニット65を図柄表示装置75の上方に配置することにより、可動装飾体93の背後に位置する可変入球ユニット65を遊技者からは見えづらくしつつホール管理者(例えばホールを巡回しているはホール管理者や天井等に配設されたカメラを用いて監視を行っているホール管理者)による視認性を担保することができる。低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードを経由した遊技状態の変更時に可変入球ユニット65を動作させる構成との組み合わせによれば、上述した効果を享受しつつ例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて行うことが可能となる。
可変入球ユニット65が許容状態/阻止状態に切り替わる場合には、当該可変入球ユニット65の動きが目につきやすくなる。そこで、可動演出装置80を構成する装飾ユニット91(可動装飾体93)は、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなっている状況下にて可変入球ユニット65が許容状態/阻止状態に切り替わる場合に上記待機位置に位置するように構成されている。これにより、可変入球ユニット65の動きが目立ちやすくなることを抑制可能となっている。
パチンコ機10等の遊技機においては、可動演出装置80を用いて演出を行うことにより、遊技の単調化を抑えて遊技への注目度の向上を実現することができる。このような既存の構成を利用して、可変入球ユニット65の目視による確認を難しくすることにより、上述した効果を好適に発揮させることができる。
この種の可動演出装置80については、可動演出装置80連動のリーチ表示が実行される等の特殊な条件が成立していない場合には、可動装飾体93が待機位置に留まる構成される。故に、可動装飾体93が待機位置に存在していることが低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなっていることを遊技者に示唆する要因になることを回避できる。
より具体的には、「可動装飾体93が待機位置にあること」=「低頻度入賞モード対応の開閉実行モード」になってしまっては、可動装飾体93の動きを見て低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなったか否かを判別可能となり、上述した各種機能が上手く作用しなくなる。そこで、通常遊技状態中に可動装飾体93を待機位置→演出位置に変位させる構成として、待機位置を基準位置とすることにより(待機位置に配置された状態で可変入球ユニット65と重なる構成とすることにより)、必ずしも「可動装飾体93が第1位置にあること」=「低頻度入賞モード対応の開閉実行モード」の関係とならないようにすることができる。これにより、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、可変入球ユニット65を見るまでもなく可動装飾体93の位置から低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなっていることが遊技者によって把握されることを回避できる。
可変入球ユニット65の状態が変化したか否かに基づいて開閉実行モードになったか否かを目視で判別可能な構成においては、遊技者の注目が可変入球ユニット65を構成する「開閉体」としてのシャッタ382に向きやすくなる。このような実情に配慮すれば、可動装飾体93によって視認を妨げる対象をシャッタ382とすることには、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードになったことを好適に隠すことができるという技術的意義がある。
シャッタ382については、開位置に配置されたタイミングにて動きが遅くなったり一時的に動きが止まったりする。このようにしてシャッタ382の動作スピードが低下すると、シャッタ382の動きが遊技者の目に留まりやすくなると想定される。そこで、本実施の形態に示すように開位置に配置される場合にはシャッタ382が可動装飾体93の背後に隠れる構成とすることにより、開閉の切り替え時に動作スピードが落ちることが上記不都合の発生を招来する要因になることを好適に抑制できる。
低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなっている状況下にて可動装飾体93が待機位置に配置されている状態で上記煽り演出(煽り動作)を行う。可変入球ユニット65のみが動作する場合と比較して、その前方に位置する構成(可動装飾体93)も動作する構成とすれば、可変入球ユニット65の動きを目立ちにくくすることができる。
特に、通常遊技状態となっている状況下にて可動装飾体93が待機位置→煽り動作(待機位置)→演出位置に変位する連動演出対応のスーパーリーチが行われる。このため、煽り動作が行われた場合には、連動演出対応のスーパーリーチが実行されるかのような印象を遊技者に与えることができる。故に、低頻度入賞モード対応の開閉実行モード中に煽り動作が行われる場合にあたかも通常遊技状態が続いているかのようにカモフラージュできる。
なお、煽り動作を行う場合であっても、可変入球ユニット65(詳しくは下側可変入球装置380や球通路310)との重なりが維持される。これにより、上記カモフラージュ効果を享受しつつ、それに起因して上述した目視による確認を妨げる機能が低下することを抑制できる。また、煽り動作における可動装飾体93の動作方向を上下として、下側可変入球装置380の下側シャッタ382が開閉する場合と動作方向を揃えることにより、可動装飾体93が煽り動作を行っている最中にシャッタ382を開閉させたとしても当該シャッタ382の動きを目立ちにくくすることがで、上述したカモフラージュ効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、通常遊技状態における外れ対応のリーチ表示と同様の演出が実行される。低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへの移行契機となった遊技回と当該開閉実行モードとに亘って通常遊技状態と同様の演出を行うことにより、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへ移行したか否かを分かりづらくすることができる。特に、可動装飾体93が動作した場合には、その結果として図柄が再度変動表示されるか否かさらには停止結果がどのようになるかに遊技者の注意が向くこととなる。つまり、遊技者の注目対象が表示画面75aから可動装飾体93に向いた後は、注目対象が再び表示画面75aに戻ることとなる。これにより、可動装飾体93の背後で可変入球ユニット65が動作したとしても、当該動作は表示画面75aに注目している遊技者にとって分かりづらくなる。
以上の各種工夫を施した場合であっても、そもそも可変入球ユニット65が入球を許容する構成である以上、可変入球ユニット65付近に到達した遊技球が遊技領域PEから消えると、遊技球の消失の結果から遡って許容状態に切り替わった旨(開閉実行モードに移行した旨)が遊技者によって把握されやすくなると懸念される。特に、発射操作によって周期的に発射される遊技球については、その流れに何らかのリズムが生じる。故に、上記事象を根拠として開閉実行モードへの移行を分かりづらくする機能が上手く作用しなくなると想定される。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、可変入球ユニット65を構成する下側可変入球装置380だけでなく球通路310においてその下流側部分についても可動装飾体93による遮蔽対象とすることにより、仮に可変入球ユニット65への入球が発生したとしても当該入球を目立ちにくくさせることができる。以上の理由から、入球の発生によって開閉実行モードへの切り替えが把握されやすくなることを好適に抑制できる。
球通路310において可動装飾体93によって覆われる部分には、当該球通路310に沿った遊技球の移動方向を変化させることにより、遊技球を減速させる「減速部」として球通路310の下流側通路312の底部317が設けられている。
このように、下側可変入球装置380の直下にて、所定の周期で発射された遊技球の間隔が詰まり、下側可変入球装置380付近にて遊技球群が疎→密になる。これにより、一部の遊技球が低頻度入賞モード対応の開閉実行モード中に下側可変入球装置380に入球したとしても当該入球を目立ちにくくすることができる。
上記減速機能については、例えば遊技釘69等を複数配設して遊技球の流れを多様に変化させる(乱す)ことにより実現できる。しかしながら、下側可変入球装置380付近にて遊技球の流れが乱れることは、下側可変入球装置380の動きを妨げる要因になったり、下側可変入球装置380への入球が過度に発生する要因になったりする。特に低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては下側可変入球装置380への入球の発生や下側可変入球装置380の動作の乱れが当該開閉実行モードとなった旨を遊技者に示唆する契機となり得る。
この点、上述したように下側可変入球装置380の下流側にて流下経路を縦向きから横向きに変える構成とすれば、遊技球の挙動の乱れが過剰になることを抑制しつつ、上述した疎→密の変化を好適に発生させることができる。
特に、下側可変入球装置380を素通りした遊技球は、センターフレーム76によって形成された通路底部317に沿って移動することとなり、その流下方向が縦向きから横向きに変化することとなる。このようにセンターフレーム76によって流下経路を規定することにより、上述した減速機能を発揮させるための構成が複雑になることを好適に抑制できる。
なお、可動装飾体93によって可動演出装置80が構成されている場合には、この可動演出装置80を表示画面75aと上下又は左右に並べて配置されることが多い。このような実情に鑑みれば、可動装飾体93による遮蔽対象を表示画面75aの周囲に配設することで実用上好ましい構成が実現される。
可変入球ユニット65への入球が容易となっている状況では、上述したように可変入球ユニット65への入球や可変入球ユニット65の動きが遊技者の遊技意欲をかきたてる要因になり得る。そこで、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなって可変入球ユニット65へ遊技球が入りやすくなっている状況下では可動装飾体93を演出位置へ配置させて可変入球ユニット65の視認性を担保し、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなって可変入球ユニット65へ遊技球が入りにくくなっている状況下では可動装飾体93を待機位置へ配置させて可変入球ユニット65の視認を妨げる構成とすることにより、上記効果を発揮させつつ可変入球ユニット65による注目度向上効果を好適に担保することが可能となる。
上述したように抽選の結果を図柄表示装置75(表示画面75a)にて表示するタイプの遊技機においては、遊技者の注目が専ら図柄表示装置75に向くと想定される。注視している対象から遠くなればなるほど、視界から外れる又は視界の限界付近に近づくことで、仮に可変入球ユニット65(可変入球装置330,380)が動作したとしてもその動きを目で捉えることが難しくなる。但し、可変入球ユニット65を注視していれば、例えその動きが分かりにくくても当該可変入球ユニット65が動作しているか否かを見極めることは容易となる。
本実施の形態においては、低頻度入賞モード対応(2R大当たり結果対応)の開閉実行モードとなった場合には、先ず図柄表示装置75から遠い上側可変入球装置330が阻止状態→許容状態に切り替わり、その後図柄表示装置75に近い下側可変入球装置380が阻止状態→許容状態に切り替わる。これにより、少なくとも下側可変入球装置380の動作が行われるまで遊技者の注意を図柄表示装置75(表示画面75a)に向けさせておくことができ、可変入球ユニット65への注視のきっかけを与えにくくすることができる。例えば、下側可変入球装置380を先に動作した場合には、視界に何らかの違和感が生じた遊技者が可変入球ユニット65を注視することで、遠い側の上側可変入球装置330の動作が目視で確認され、結果として低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなった旨が把握されやすくなる。本実施の形態によれば、そもそもの遊技者の注意が可変入球ユニット65に向く機会を減らし、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードに移行したことを気付かれにくくすることができる。故に、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードの存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
上述したように、上側可変入球装置330→下側可変入球装置380の順に許容状態への切り替えがなされる構成では、図柄表示装置75(表示画面75a)から遠い順に許容状態に切り替えることで、可変入球ユニット65へ注目が向く契機を減らすことができる。
しかしながら、仮に上側可変入球装置330への入球が発生した場合には、所定数の遊技球の払い出しが行われ、当該遊技球の払い出しが契機となって可変入球ユニット65へ遊技者の注意が向く可能性を否定できない。つまり、切替順序を工夫して可変入球ユニット65全体へ注意が向かないように工夫したとしても、遊技球の払い出しが発生しては当該工夫による効果が上手く発揮されなくなると想定される。
そこで、本実施の形態に示すように、上側可変入球装置330が許容状態となる期間を遊技球の発射周期より短くすれば上側可変入球装置330への入球を好適に抑制し、上記効果を好適に発揮させることができる。
特に、低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モードは上側可変入球装置330→下側可変入球装置380の順に許容状態に切り替わることで終了する。つまり、仮に下側可変入球装置380の動きが視界に入って遊技者が違和感を覚えたとしても、次に上側可変入球装置330が再度許容状態に切り替わることが回避される。故に、低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モードへ移行した旨を好適に隠すことができる。
例えば可変入球ユニット65の動きを目視で確認できない構成とした場合には、低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モードへの移行を好適に隠すことができる反面、以下の不都合が生じる。すなわち、遊技者が多くの特典を享受し得る高頻度入賞モード(16R大当たり結果)対応の開閉実行モードにおいては、その契機となる可変入球ユニット65の動き自体が遊技への注目度を高めるように作用し得るところ、可変入球ユニット65の目視による確認が不可となっていればそのような効果が期待できなくなる。つまり、可変入球ユニット65を完全に隠してしまうことは遊技への注目度を向上する上で好ましくない。一方、このような効果を期待して可変入球ユニット65の視認性を過度に高めてしまうと、上述したような不都合が発生し得る。つまり、可変入球ユニット65の見せ方は2つの相反する効果に関係している。
ここで、本実施の形態においては、低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モード中は、図柄表示装置75(表示画面75a)に近い側の下側可変入球装置380については許容状態及び阻止状態の切り替えが行われた場合であっても、可動装飾体93によってその動きを把握することが困難となるように工夫されている。一方、遠い側の比較的視界に入りにくい上側可変入球装置330については、可動装飾体93による遮蔽の対象となっていない。これにより、可変入球ユニット65全体での視認性を担保することにより高頻度入賞モード(16R大当たり結果)対応の開閉実行モードとなった場合の注目度向上効果を担保しつつ、低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モードとなった場合の視認性を好適に低下させることができる。
低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モードが実質的な出球等の期待できないものである場合、当該開閉実行モードとなっている期間をできるだけ短くすることで、遊技進行が無駄に遅延されることを回避できる。但し、このような遊技進行の迅速化を実現する上では、可動装飾体93と下側可変入球装置380との関係から、上記期間の短縮が困難になったり、可動装飾体93の動作態様に係る制約が強くなったりすると想定される。
この点、上述したように上側可変入球装置330→下側可変入球装置380の順に許容状態に切り替わる構成においては、開閉実行モードに移行してから下側可変入球装置380が許容状態に切り替わるまでにタイムラグが生じる。開閉実行モードへの移行前に可動装飾体93を演出位置に配置して所定の演出を行った場合であっても、当該タイムラグを待機位置に可動装飾体93を復帰させる期間として利用できる。つまり、遮蔽対象となる下側可変入球装置380の許容状態への切り替えを上側可変入球装置330の後とすることは、低頻度入賞モード(2R大当たり結果)対応の開閉実行モードの間延びを抑えつつ、可動装飾体93の変位に要する期間を確保する上で好ましい構成であり、可動装飾体93を遮蔽手段として利用する場合であっても上述した各種不都合の発生を抑制できるという効果が期待できる。
可動装飾体93によって下側可変入球装置380の視認性を低下させる構成においては、それによって遊技者が本来享受し得るはずの特典を取りこぼす要因となっては、遊技意欲を低下させる要因となりかねない。そこで、両可変入球装置330,380のうち一方の視認性を担保した上で、この可変入球装置330(上側可変入球装置330)を他の可変入球装置380(下側可変入球装置380)よりも右ルートにおける上流側に配置し、さらに開閉実行モードにおいてはこの上側可変入球装置330を先に開放することにより、特典の取りこぼしを抑えつつ開閉実行モードへ移行した旨を遊技者に教示できる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
上側可変入球装置330(上側大入賞口331)と下側可変入球装置380(下側大入賞口381)とに大小の差を付与することにより入球確率(入球のリズム)に差違を生じさせる(消化に要する期間に変化を生じさる)ことができる。これにより、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおける遊技の単調化を好適に抑制することができる。
上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380は、遊技領域PEに形成された右ルート上に、下側可変入球装置380が上側可変入球装置330の下流側に位置するようにして配設されている。かかる構成においては、開閉実行モード中に遊技球の発射速度等の調整を行う必要がなく、開閉実行モードにて煩わしさを生じない。この種の遊技においては、開閉実行モードにおける遊技が単調になり得るが、上述した技術的思想(大小の差)を適用することで、そのような弊害の発生を抑えることが可能となる。
上記実施の形態においては、固定装飾体92及び可動装飾体93によって装飾ユニット91を構成し、両装飾体92,93の一方によって下側可変入球装置380を遮蔽する構成とした。例えば1の構成によって装飾ユニット91を構成する場合と比較して、視線を固定装飾体92及び可動装飾体93に分散させることができ、例えば可動演出装置80による演出等を行う場合に遊技者の、視線が可動装飾体93に集中することを抑制することが可能となっている。これにより、可動装飾体93の背後に位置する下側可変入球装置380に視線が向くことを抑制できる。
可動装飾体93の上端部には凹凸が形成されている。係る構成によれば、上端部が直線状をなす場合と比較して、上下動を繰り返す場合に背後の可変入球装置380の動きを目立ちにくくすることができる。特に、これら凹凸は、可動装飾体93のスライド方向と斜めに交差している。このため、可動装飾体93の煽り動作に伴って凹凸が左右にも変位する。このような構成とすることで、可変入球装置380の動きを一層目立ちにくくすることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、上側可変入球装置330(「第1可変入球部」に相当)と下側可変入球装置380(「第2可変入球部」に相当)とを1ユニット化することで可変入球ユニット65(「可変入球部」に相当)を形成したが、これに限定されるものではない。少なくとも上側可変入球装置330及び下側可変入球装置380に相当する構成を有しているのであれば、これらを個別に設けてもよい。つまり、上側可変入球ブロックと下側可変入球ブロックとを別体としてもよい。
また、上記実施の形態では、2つの可変入球装置330,380を有する構成について説明したが、可変入球装置の数については任意であり、2つに限定されるものではない。例えば、可変入球装置を1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。なお、3つ以上の可変入球装置を併用する場合には、これら3つの可変入球装置の1つが許容状態となっている場合に他の可変入球装置が阻止状態となるように開放対象を制限すればよい。
(2)上記実施の形態では、遊技領域PEに設けられた可変表示ユニット67を左側から迂回する左ルートと右側から迂回する右ルートとを設け、これら両ルートのうち右ルーとに2つの可変入球装置330,380を配設したが、2つの可変入球装置330,380を左ルートに配設することも可能である。
また、両可変入球装置330,380の一方を左ルートに配設し、他方を右ルートに配設してもよい。
(3)上記実施の形態では、上側可変入球装置330の上側シャッタ332(「第1可動体」に相当)及び下側可変入球装置380の下側シャッタ382(「第2可動体」に相当)については阻止状態では遊技領域PEへの突出が抑えられ、許容状態では遊技領域PEに突出する構成としたが、これに限定されるものではなく、許容状態では遊技領域PEへの突出が抑えられ、阻止状態では遊技領域PEに突出する構成とすることも可能である。
また、シャッタ332,382を回動式としたが、スライド式とすることも可能である。この場合、スライド式のシャッタについては、その動きを目で捕捉することは困難になる。そこで、スライド式のシャッタと回動式のシャッタとを併用する場合には、「可動体」としての可動装飾体93による遮蔽対象を回動式のシャッタとすることが好ましい。
(4)上記実施の形態では、「可動体」としての可動装飾体93を有色不透明な合成樹脂材料によって形成することで、可動装飾体93の背後を視認不可としたが、少なくとも背後の構成の視認性を低下させることができるのであれば足り、完全に遮蔽する必要はない。
(5)上記実施の形態では、可動演出装置80が「可動体」としての可動装飾体93を有する構成としたが、必ずしも可動体に装飾機能や演出機能が付与されている必要はなく、背後に配置された可変入球装置の一部を視認困難又は視認不可とする機能が付与されていれば足りる。
(6)上記実施の形態では、球通路310をその途中位置にて縦方向から横方向に変化させることにより下側可変入球装置380の下流側にて遊技球を減速させる構成としたが、少なくとも下側可変入球装置380の下流側にて遊技球を減速させることができるのであれば、その具体的構成については任意である。例えば、遊技釘69等を配設することにより遊技球を減速させる構成とすることも可能である。
(7)上記実施の形態では、可変入球装置330,380の大入賞口331,381(「第1開口」及び「第2開口」に相当)を横長に形成して、それら可変入球装置330,380を縦に並べて配置する構成とすることにより、可変入球装置330,380に係る占有領域の拡がりを抑える構成とした。しかしながら、可変入球装置330,380の位置関係については任意に変更することも可能である。例えば、各大入賞口が縦長に形成されている場合には、可変入球装置を横に並べて配置する構成としてもよい。
(8)上記実施の形態では、開閉実行モードに移行した場合に、上側可変入球装置330→下側可変入球装置380→上側可変入球装置330・・・の順に交互に開放対象を切り替える構成としたが、最初に開放される対象を下側可変入球装置380とし、当該下側可変入球装置380→上側可変入球装置330→下側可変入球装置380・・・の順に交互に開放対象を切り替える構成とすることも可能である。
また、「絵柄表示手段」としての図柄表示装置75に対して遠い側の可変入球装置330→近い側の可変入球装置380の順に開放対象を切り替える構成を変更し、図柄表示装置75に対して近い側の可変入球装置380→遠い側の可変入球装置330の順に開放対象を切り替える構成とすることも可能である。
なお、可変入球装置330,380の配置については、必ずしも図柄表示装置75の上方に限定されるものではなく、図柄表示装置75の下方、右方、左方の何れであってもよい。但し、上述したように図柄表示装置75との連動演出を行う可動演出装置80によって可変入球装置を覆う場合には、図柄表示装置75に隣接する位置に可変入球装置の配置領域を確保することが好ましい。
(9)上記実施の形態では、「第1特別遊技状態」としての高頻度入賞モード対応(16R大当たり結果対応)の開閉実行モードにおいては、可動演出装置80の可動装飾体93を演出位置に配置する構成としたが、高頻度入賞モード対応(16R大当たり結果対応)の開閉実行モードにおいても可動演出装置80の可動装飾体93を待機位置に配置する構成とすることも可能である。このような変形例を適用する場合には、以下の点に留意されたい。
入球確率の異なる大小の可変入球装置330,380を併用している遊技機においては、不利側の可変入球装置380を注視した場合に、こぼれ球が目についてしまい入球率の差違(消化スピードの差違)の設定が遊技者の遊技意欲を損う要因になりかねない。そこで、本実施の形態に示すように、入球確率が相対的に低くなる不利側の可変入球装置380を隠すことにより、第1可変入球部では入球確率が高く高速消化が可能であるように見せつつ、第2可変入球部にて遊技球の零れを発生させることが可能となる。これにより、過度に多くの利益が遊技者に付与されることがないように好適に調整できる。
(10)上記実施の形態においては、上側大入賞口331の横幅を下側大入賞口381の横幅よりも大きくしたが、上側大入賞口331の横幅と下側大入賞口381の横幅とを同等としてもよいし、上側大入賞口331の横幅を下側大入賞口381の横幅よりも小さくしてもよい。但し、可動装飾体93による遮蔽対象となっている大入賞口が大型化することは、遮蔽機能を担保する上で可動装飾体93の大きさや形状等に係る制約を強くする要因となり得る。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように、遮蔽対象となる大入賞口(可変入球装置)については遮蔽対象となっていない大入賞口(可変入球装置)よりも小さくすることが好ましい。
(11)上記実施の形態では、上側可変入球装置330が阻止状態から許容状態に移行する際に要する移行期間と、下側可変入球装置380が阻止状態から許容状態に移行する際に要する移行期間とが同一となるように設定したが、これら移行期間を相違させることも可能である。また、上側可変入球装置330が許容状態から阻止状態に移行する際に要する移行期間と、下側可変入球装置380が許容状態から阻止状態に移行する際に要する移行期間とが同一となるように設定したが、これら移行期間を相違させることも可能である。つまり、移行期間を差別化することにより両可変入球装置330,380の動作態様に差違を設定することも可能である。
また、可変入球装置330,380が所定数の入球発生又は所定期間の経過で許容状態から阻止状態に切り替るようにラウンド遊技の終了条件を共通化したが、同終了条件を各可変入球装置330,380毎に個別に設定することも可能である。
(12)上記実施の形態では、何れの大当たり結果となった場合であっても開閉実行モードの態様を共通化したが、これに限定されるものではなく、大当たり結果によって開閉実行モードの態様(開閉態様)を相違させてもよい。遊技機前方からの視認性については、上側可変入球装置330(上側シャッタ332)よりも下側可変入球装置380(下側シャッタ382)の方が低くなる。そこで、出球が全く又はほとんど期待のできない低頻度入賞モード対応の当たり結果(本実施の形態に示す2R大当たり結果:所謂突然確変、潜伏確変、小当たり)となった場合には、開閉対象を下側可変入球装置380に限定してもよい。
(13)上記実施の形態では、可動装飾体93による遮蔽対象を下側可変入球装置380及び球通路310としたが、少なくとも下側可変入球装置380が遮蔽対象となっているのであれば足り、必ずしも球通路310を遮蔽対象とする必要はない。
(14)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群及び特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部への入球を契機として、例えば特別遊技状態に移行させるか否かの抽選や特別遊技状態後の遊技状態を遊技者に有利なものとするか否かの抽選を行うものがある。この種の遊技機においては、特別遊技状態への移行によって遊技領域に設けられた可変入球部への入球が容易化され、同可変入球部への入球に基づいて予め定められた数の遊技球が払い出されることがある。近年では、上記特別遊技状態として第1特別遊技状態と同第1特別遊技状態よりも可変入球部への入球の期待度が低い第2特別遊技状態とを設定し、例えば第2特別遊技状態後の遊技状態を同第2特別遊技状態前の遊技状態から変化させる遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。このように第2特別遊技状態を経由して遊技状態を移行する遊技機においては、例えば遊技者へ払い出される遊技球の極端な増加を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することにより、遊技状態の移行契機を多様化することが可能となる。なお、第2特別遊技状態を経由した遊技状態の変更時に可変入球部を動作させる構成によれば、例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて簡易的に行うことが可能となる。」という背景技術について、「しかしながら、上述の如く第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機(特に可変入球部の動作に基づく目視での確認が許容された遊技機)においては、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなるため、例えば第2特別遊技状態における可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合には、遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入球ユニット65の下側可変入球装置380)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と、記切替制御手段による切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記可変入球部に遊技機前方から重なる第1位置と当該第1位置よりも前記可変入球部との重なりが抑えられた第2位置とに変位可能な可動体(可動装飾体93)を備え、
前記可動体は、当該可動体の後方が視認不可又は困難となるように形成され、前記第2特別遊技状態においては前記第1位置に位置するように構成されていることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、第2特別遊技状態となっている場合には、可動体を第1位置に位置させることで、可変入球部の視認性を低下させて遊技者の目につきにくくすることができる。このように、第2特別遊技状態を経由して(すなわち第2特別遊技状態の前後で)遊技状態を移行させる場合に、可変入球部の動きを目立ちにくくすることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、第2特別遊技状態の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
なお、「表示画面を有し、当該表示画面にて抽選手段による抽選の結果に応じて絵柄を可変表示する絵柄表示手段」を備えている遊技機においては、絵柄表示手段が遊技者の顔の正面に位置するように配設される。そこで、この種の遊技機においては、可変入球部を絵柄表示手段の上方に配置することにより、可動体の背後に位置する可変入球部を遊技者からは見えづらくしつつホール管理者(例えばホールを巡回しているはホール管理者や天井等に配設されたカメラを用いて監視を行っているホール管理者)による視認性を担保することができる。第2特別遊技状態を経由した遊技状態の変更時に可変入球部を動作させる構成との組み合わせによれば、上述した効果を享受しつつ例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて行うことが可能となる。
特徴A2.前記可動体は、前記第2特別遊技状態となっている状況下にて前記可変入球部が前記受入状態及び前記非受入状態に切り替わる場合に前記第1位置に位置するように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
可変入球部が受入状態/非受入状態に切り替わる場合には、当該可変入球部の動きが目につきやすくなる。そこで、本特徴に示すように、可変入球部が動作する際に可動体を第1位置に位置させる構成とすることにより、特徴A1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A3.前記第1位置は前記可動体の待機位置であり、前記通常の遊技状態となっている状況下にて所定の条件が成立した場合に当該可動体を前記第1位置から前記第2位置へ変位させる手段を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
「可動体が第1位置にあること」=「第2特別遊技状態」になってしまっては、可動体の動きを見て第2特別遊技状態となったか否かを判別可能となり、特徴A1等に示した機能が上手く作用しなくなる。そこで、通常の遊技状態中に可動体を第1位置(待機位置)→第2位置(例えば演出位置)に変位させる構成として、第1位置を待機位置することにより、必ずしも「可動体が第1位置にあること」=「第2特別遊技状態」の関係とならないようにすることができる。これにより、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、可変入球部を見るまでもなく可動体の位置から第2特別遊技状態となっていることが遊技者によって把握されることを回避できる。
特徴A4.前記可動体を有し、所定の条件が成立した場合に前記可動体を前記第1位置から前記第2位置に変位させて所定の演出を行う可動演出装置(可動演出装置80)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
パチンコ機等の遊技機においては、可動演出装置を用いて演出を行うことにより、遊技の単調化を抑えて遊技への注目度の向上が図られていることが多い。このような既存の構成を利用して、可変入球部の目視による確認を難しくすることにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
この種の可動演出装置については、可動演出装置連動のリーチ表示が実行される等の特殊な条件が成立していない場合には、可動体が第1位置(上述した待機位置)に留まる構成される。故に、可動体が第2特別遊技状態にて第1位置に存在していることが第2特別遊技状態となっていることを遊技者に示唆する要因になることを回避できる。
つまり、「可動体が第1位置にあること」=「第2特別遊技状態」になってしまっては、可動体の動きを見て第2特別遊技状態となったか否かを判別可能となり、特徴A1等に示した機能が上手く作用しなくなる。そこで、通常の遊技状態中に可動体を第1位置(待機位置)→第2位置(例えば演出位置)に変位させる構成として、必ずしも「可動体が第1位置にあること」=「第2特別遊技状態」の関係とならないようにすることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A5.前記可動体を前記第1位置及び前記第2位置に変位させる駆動制御手段(報知・演出制御装置143のMPU612)を備え、
前記駆動制御手段は、
前記第1特別遊技状態となっている場合に前記可動体が前記第2位置に配置された状態とする手段と、
前記第2特別遊技状態となっている場合に前記可動体が前記第1位置に配置された状態とする手段と
を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
可変入球部への入球が容易となっている状況では、可変入球部への入球や可変入球部の動きが遊技者の遊技意欲をかきたてる要因になり得る。そこで、特別遊技状態となって可変入球部へ遊技球が入りやすくなっている状況下(第1特別遊技状態)では可動体を第2位置へ配置させて当該可変入球部の視認性を担保し、特別遊技状態となって可変入球部へ遊技球が入りにくくなっている状況下(第2特別遊技状態)では可動体を第1位置へ配置させて当該可変入球部の視認を妨げる構成とすることにより、特徴A1等に示した効果を発揮させつつ可変入球部による注目度向上効果を好適に担保することが可能となる。
特徴A6.前記可変入球部は、遊技球が通過可能な開口(上側大入賞口331)と、前記開口を開閉する開閉体(上側シャッタ332)とを有してなり、
前記可動体は前記第1位置に配置されている状態にて前記開閉体と対峙していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
可変入球部の状態が変化したか否かに基づいて特別遊技状態(第2特別遊技状態)になったか否かを目視で判別可能な構成においては、遊技者の注目が可変入球部を構成する開閉体に向きやすくなる。このような実情に配慮すれば、可動体によって視認を妨げる対象を開閉体とすることには第2特別遊技状態になったことを好適に隠すことができるという技術的意義がある。
特徴A7.前記可変入球部は、前記開閉体が開位置に配置されることで前記受入状態となり、前記開閉体が閉位置に配置されることで前記非受入状態となるように構成されており、
前記開閉体は、前記開位置に配置された状態では前記可動体の背後に隠れるように構成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
開閉体については、開位置に配置されたタイミングにて動きが遅くなったり一時的に動きが止まったりする。このようにして開閉体の動作スピードが低下すると、開閉体の動きが遊技者の目に留まりやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように開位置に配置される場合には開閉体が可動体の背後に隠れる構成とすることにより、開閉の切り替え時に動作スピードが落ちることが上記不都合の発生を招来する要因になることを好適に抑制できる。
特徴A8.前記切替制御手段は、前記第2特別遊技状態においては前記可動体が前記第1位置に配置されている状況下にて前記開閉体を開閉させる手段を有していることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8に示すように可動体が第1位置に配置されている状況下にて開閉体を動作させる構成とすれば、特徴A1等に示した技術的思想を好適に具現化できる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴A1に適用することも可能である。この場合、「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、前記始動入球部への入球に基づいて、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入球ユニット65の下側可変入球装置380)と、前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)とを備え、前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と、記切替制御手段による切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、前記可変入球部の少なくとも一部に遊技機前方から重なる第1位置と当該第1位置よりも前記可変入球部との重なりが抑えられた第2位置とに変位可能な可動体(可動装飾体93)を備え、前記可動体は、当該可動体の後方が視認不可又は困難となるように形成されており、前記第2特別遊技状態においては前記可動体が前記第1位置に位置している状況下にて前記切替制御による前記可変入球部の切り替えが行われることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A9.前記可動体を有し、所定の条件が成立した場合に前記可動体を前記第1位置から前記第2位置に変位させて所定の演出を行う可動演出装置(可動演出装置80)と、
前記可動体を駆動制御する駆動制御手段(報知・演出制御装置143)と
を備え、
前記駆動制御手段は、
前記通常の遊技状態となっている状況下にて前記第1位置における特別動作を経て前記可動体を前記第1位置から前記第2位置に変位させることにより第1所定演出を行う手段と、
前記第2特別遊技状態となっている状況下にて前記可動体が前記第1位置に配置されている場合に前記特別動作を実行させることにより第2所定演出を行う手段と
を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、第2特別状態となっている状況下にて可動体が第1位置に配置されている状態で特別動作を行う。可変入球部のみが動作する場合と比較して、その前方に位置する構成(可動体)も動作する構成とすれば、可変入球部の動作を目立ちにくくすることができる。
特に、通常の遊技状態となっている状況下にて可動体が第1位置→特別動作(第1位置)→第2位置に変位する第1所定演出が行われる。このため、特別動作が行われた場合には、第1所定演出が実行されるかのような印象を遊技者に与えることができる。故に、第2特別遊技状態中に第2所定演出が実行される場合にあたかも通常の遊技状態が続いているかのようにカモフラージュできる。
特徴A10.前記特別動作が行われる場合の前記可動体の動作範囲は、前記可変入球部との重なりが維持される範囲となるように設定されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特別動作(例えば所謂煽り演出)を行う場合であっても、可変入球部との重なりが維持される。これにより、特徴A9に示したカモフラージュ効果を享受しつつ、それに起因して特徴A1等に示した目視による確認を妨げる機能が低下することを抑制できる。
特徴A11.前記可変入球部は、遊技球が通過可能な開口(下側大入賞口381)と、前記開口を開閉する開閉体(下側シャッタ382)とを有してなり、
前記特別動作における前記可動体の動作の方向は、前記開閉体が開閉する場合と同じ側となるように設定されていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11に示すように、動作態様を揃えることにより、可動体が特別動作を行っている最中に開閉体を開閉させたとしても当該開閉体の動きを目立ちにくくすることができ、上述したカモフラージュ効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
特徴A12.遊技者による発射操作が行われた場合に所定の周期で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記可変入球部は前記遊技領域に形成された所定の流下経路(右ルートの球通路310)の途中位置に配設されており、
前記可動体は前記第1位置に配置された状態にて、前記所定の流下経路において前記可変入球部に続く部分(下流側通路312)を遊技機前方から覆っていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示した工夫を施した場合であっても、そもそも可変入球部が入球を許容する構成である以上、可変入球部付近に到達した遊技球が遊技領域から消えると、遊技球の消失の結果から遡って許容状態に切り替わった旨(第2特別遊技状態に移行した旨)が遊技者によって把握されやすくなると懸念される。特に、発射操作によって周期的に発射される遊技球については、流れに少なからずリズムが生じる。故に、上記事象を根拠として第2特別遊技状態への移行を分かりづらくする機能が上手く作用しなくなると想定される。
この点、本特徴に示す構成によれば、可変入球部だけでなくその下流側部分についても可動体による遮蔽対象とすることにより、仮に可変入球部への入球が発生したとしても当該入球を目立ちにくくさせることができる。以上の理由から、入球の発生によって第2特別状態への切り替えが把握されやすくなることを好適に抑制できる。
特徴A13.前記所定の流下経路において前記可動体によって覆われる部分には、当該所定の流下経路に沿った遊技球の移動方向を変化させることにより、遊技球を減速させる減速部(球通路310の下流側通路312の底部317)が設けられていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定の周期で発射された遊技球の間隔が詰まり、可変入球部付近にて遊技球群が疎→密になる。これにより、一部の遊技球が第2特別遊技状態中に可変入球部に入球したとしても当該入球を目立ちにくくすることができる。
特徴A14.前記減速部は前記所定の流下経路を前記可変入球部の下流側にて縦方向から横方向に変化させる曲がり部であることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A13に示した減速機能については、例えば遊技釘等を複数配設して遊技球の流れを多様に変化させる(乱す)ことにより実現できる。しかしながら、可変入球部付近にて遊技球の流れが乱れることは、可変入球部の動きを妨げる要因になったり、可変入球部への入球が過度に発生する要因になったりする。特に第2特別遊技状態においては可変入球部への入球の発生や可変入球部の動作の乱れが当該第2特別遊技状態となった旨を遊技者に示唆する契機となり得る。
この点、可変入球部の下流側にて流下経路を縦向きから横向きに変える構成とすれば、遊技球の挙動の乱れが過剰になることを抑制しつつ、上述した疎→密の変化を生じさせることができる。故に、特徴A13に示した効果を享受しつつ、それに起因した不都合の発生を好適に回避できる。
特徴A15.表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて絵柄の可変表示を行う絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記遊技領域にて前記遊技盤の前面から起立し、前記表示画面を上側から囲むようにして配設された囲み部(センターフレーム76)と
を備え、
前記可変入球部は前記囲み部の上方に配設されており、
前記囲み部の外周部分において前記可変入球部の下流側となる部分(底部317)には、前記囲み部に沿うようにして遊技球の流下方向を縦向きから横向きに変化させる通路底部が形成され、当該通路底部によって前記減速部が構成されていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A13に示した減速機能を発揮させる上では例えば遊技釘等を複数配設して、遊技球の流れを乱すことにより実現できる。しかしながら、可変入球部付近にて遊技球の流れが乱れることは、可変入球部の動きを妨げる要因になったり、可変入球部への入球が過度に発生する要因になったりする。
この点、可変入球部の下流側にて流下経路を縦向きから横向きに変える構成とすれば、遊技球の挙動の乱れが過剰になることを抑制しつつ、上述した疎→密の変化を生じさせることができる。
特に、可変入球部を素通りした遊技球は、囲み部に沿って移動することとなり、その流下方向が縦向きから横向きに変化することとなる。このように囲み部によって流下経路を規定することにより、上述した減速機能を発揮させるための構成が複雑になることを好適に抑制できる。また、
なお、可動体によって可動演出装置が構成されている場合には、この可動演出装置を表示画面と上下又は左右に並べて配置されることが多い。このような実情に鑑みれば、可動体による遮蔽対象を表示画面の周囲に配設することで実用上好ましい構成が実現される。
特徴A16.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入球ユニット65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記可変入球部に遊技機前方から重なる第1位置と当該第1位置よりも前記重なりが抑えられた第2位置とに変位可能な可動体(可動装飾体93)と、
前記可動体を前記第1位置及び前記第2位置に変位させる駆動部(駆動部95)と、
前記駆動部を駆動制御する駆動制御手段(報知・演出制御装置143のMPU612)と
を備え、
前記駆動制御手段は、前記第1特別遊技状態において前記可動体を前記第2位置に位置させる手段と、前記第2特別遊技状態において前記可動体を前記第1位置に位置させる手段とを有していることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われるとともに、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、上述したように第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、第2特別遊技状態となっている場合には、可動体を第1位置に位置させることで、可変入球部の視認性を低下させて遊技者の目につきにくくすることができる。このように、第2特別遊技状態を経由して(すなわち第2特別遊技状態の前後で)遊技状態を移行させる場合に、可動体の動きを目立ちにくくすることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、第2特別遊技状態の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
また、可変入球部への入球が容易となっている状況では、可変入球部への入球自体が遊技意欲を上昇させる要因になり得る。そこで、特別遊技状態となって可変入球部へ遊技球が入りやすくなっている状況下(第1特別遊技状態)では可動体を第2位置へ配置させて当該可変入球部の視認性を担保し、特別遊技状態となって可変入球部へ遊技球が入りにくくなっている状況下(第2特別遊技状態)では可動体を第1位置へ配置させて当該可変入球部の視認を妨げる構成とすることにより、上述した効果を発揮させつつ可変入球部による注目度向上効果を好適に担保することが可能となる。
特徴A17.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入球ユニット65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記第2特別遊技状態においては、前記第1特別遊技状態と比べて前記可変入球部の視認が困難又は当該可変入球部の視認が不可となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われるとともに、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、上述したように第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、第2特別遊技状態となっている場合には、可変入球部の視認性を低下させて遊技者の目につきにくくすることができる。このように、第2特別遊技状態を経由して(すなわち第2特別遊技状態の前後で)遊技状態を移行させる場合に、可変入球部を目立ちにくくすることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、第2特別遊技状態の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
また、可変入球部への入球が容易となっている状況では、可変入球部への入球自体が遊技意欲を上昇させる要因になり得る。そこで、特別遊技状態となって可変入球部へ遊技球が入りやすくなっている状況下(第1特別遊技状態)では当該可変入球部の視認性を担保し、特別遊技状態となって可変入球部へ遊技球が入りにくくなっている状況下(第2特別遊技状態)では当該可変入球部の視認を妨げる構成とすることにより、上述した効果を発揮させつつ可変入球部による注目度向上効果を好適に担保することが可能となる。
特徴A18.表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて前記抽選手段に結果に基づき絵柄の可変表示を行う絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記抽選手段により前記抽選が行われることに先立って又は前記抽選手段により前記抽選が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記抽選の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
前記可動体を駆動制御することにより特別演出を行う演出実行手段と
を備え、
前記演出実行手段は、
前記遊技回制御手段により絵柄の可変表示が開始され前記抽選の結果に対応した停止結果が表示されるまでの間に前記絵柄の可変表示を一旦停止させて、前記可動体を前記第1位置にて動作させる第1演出手段と、
前記第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回にて、前記遊技回制御手段により前記抽選の結果に対応した停止結果が表示された後であって前記第2特別遊技状態中に前記可動体を前記第1位置にて動作させ、前記絵柄の可変表示を再開させて所定の停止結果を表示させる第2演出手段と
を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、第2特別遊技状態においては、通常の遊技状態における外れ時の演出と同様の演出が実行される。第2特別遊技状態の契機となった遊技回と当該第2特別遊技状態とに亘って通常の遊技状態と同様の演出を行うことにより、第2特別遊技状態へ移行したか否かを分かりづらくすることができる。特に、可動体が動作した場合には、その結果として絵柄が可変表示されるか否かさらには停止結果がどのようになるかに遊技者の注意が向くこととなる。つまり、遊技者の注目対象が表示画面から可動体に向いた後は、注目対象が再び表示画面に戻ることとなる。これにより、可動体の背後で可変入球部が動作したとしても、当該動作は表示画面に注目している遊技者にとって分かりづらくなる。
特徴A19.前記第2特別遊技状態となっている場合であっても、前記可変入球部の一部については遊技機前方から視認可能となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A18のいずれか1つに記載の遊技機。
第2特別遊技状態においても可変入球部は視認しづらくなってはいるものの、注視すればその動き等を確認できる構成とすることにより、すなわち遊技状態の移行契機となり得る第2特別状態であっても可変入球部が動作しそれを目視で確認できる構成とすることにより、例えば遊技状態の変化が正規のものであるか否かの確認をホール管理者が目視にて簡易的に行うことが可能となる。
なお、上記各特徴に示した構成においては、「前記可変入球部への入球に基づいて遊技球の払い出しを行う払出手段(払出装置222)」を備えている場合に、以下の不都合が生じ得る。すなわち、第2特別遊技状態となったことを概観上分かりにくくなるように隠そうとしても、可変入球部への入球が発生→遊技球の払い出しが発生することで、それが第2可変入球部に切り替わった事実を遊技者に示唆する要因になり得る。故に、望ましくは、第2特別遊技状態における可変入球部の切り替え態様については、例えば遊技球発射手段による遊技球の発射周期よりも短くする等して実質的に入球が発生しない又はほぼ発生しない構成とすることが好ましい。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて前記抽選手段に結果に基づき絵柄の可変表示を行う絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な第1可変入球部(上側可変入球装置330)及び第2可変入球部(下側可変入球装置380)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記第1可変入球部及び第2可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記第1可変入球部よりも前記第2可変入球部の方が前記絵柄表示手段寄りとなるように配置されており、
前記切替制御手段は、前記第2特別遊技状態となった場合に前記1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えた後に前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える手段を有していることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、上述したように第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、以下の理由からこのような不都合の発生を好適に抑制できる。特徴B1に示すように抽選の結果を絵柄表示手段(表示画面)にて表示するタイプの遊技機においては、遊技者の注目が専ら絵柄表示手段に向くと想定される。注視している対象から遠くなればなるほど、視界から外れる又は視界の限界付近に近づくことで、仮に可変入球部が動作したとしてもその動きを目で捉えることが難しくなる。但し、可変入球部を注視していれば、例えその動きが分かりにくくても当該可変入球部が動作しているか否かを見極めやすくなる。
本特徴においては、第2特別遊技状態となった場合には、先ず絵柄表示手段から遠い第1可変入球部が非受入状態→受入状態に切り替わり、その後絵柄表示手段に近い第2可変入球部が非受入状態→受入状態に切り替わる。これにより、少なくとも第2可変入球部の動作が行われるまで遊技者の注意を表示画面に向けさせておくことができ、可変入球部への注視のきっかけを与えにくくすることができる。例えば、第2可変入球部を先に動作した場合には、視界に何らかの違和感が生じた遊技者が可変入球部を注視することで、遠い側の第1可変入球部の動作が目視で確認され、結果として第2特別遊技状態となった旨が把握されやすくなる。このように、本特徴に示す構成によれば、そもそもの遊技者の注意が可変入球部に向く機会を減らし、第2特別遊技状態に移行したことを気付かれにくくすることができる。故に、第2特別遊技状態の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
特徴B2.遊技者による発射操作に基づいて、所定の周期(0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記第1可変入球部への入球が発生したことに基づいて遊技球の払い出しを行う払出手段(払出装置222)と
を備え、
前記切替制御手段は、前記第1可変入球部が前記受入状態となっている受入期間が前記遊技球発射手段の発射周期よりも短くなるように設定されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示したように、第1可変入球部→第2可変入球部の順に受入状態への切り替えがなされる構成では、表示画面から遠い順に受入状態に切り替えることで、可変入球部へ注目が向く契機を減らすことができる。
しかしながら、仮に第1可変入球部への入球が発生した場合には、所定数の遊技球の払い出しが行われ、当該遊技球の払い出しが契機となって可変入球部へ遊技者の注意が向く可能性を否定できない。つまり、切替順序を工夫して可変入球部全体へ注意が向かないように工夫したとしても、遊技球の払い出しが発生しては当該工夫による効果が上手く発揮されなくなると想定される。
そこで、本特徴に示すように、第1可変入球部の受入期間を遊技球の発射周期より短くすれば第1可変入球部への入球を好適に抑制し、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴B3.前記第2特別遊技状態となった場合には、前記切替制御手段によって前記1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えた後に前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えて当該第2特別遊技状態が終了するように構成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第2特別遊技状態は第1可変入球部→第2可変入球部の順に受入状態に切り替わることで終了する。つまり、仮に第2可変入球部の動きが視界に入って遊技者が違和感を覚えたとしても、次に第1可変入球部が受入状態に切り替わることが回避される。故に、第2特別遊技状態へ移行した旨を好適に隠すことができる。
なお、「第1特別遊技状態」では第1可変入球部→第2可変入球部→第1可変入球部・・・の順の受入状態に切り替わる構成とすればよい。
特徴B4.前記第2可変入球部は、前記第1可変入球部と比べて前記非受入状態及び前記受入状態の切り替えの目視による識別が困難となっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば可変入球部の動きを目視で確認できない構成とした場合には、第2特別遊技状態への移行を好適に隠すことができる反面、以下の不都合が生じる。すなわち、遊技者が多くの特典を享受し得る第1特別遊技状態においては、その契機となる可変入球部の動き自体が遊技への注目度を高めるように作用し得るところ、可変入球部の目視による確認が不可となっていればそのような効果が期待できなくなる。つまり、可変入球部を完全に隠してしまうことは遊技への注目度を向上する上で好ましくない。一方、このような効果を期待して可変入球部の視認性を過度に高めてしまうと、特徴B1に示したような不都合が発生し得る。つまり、可変入球部の見せ方は2つの相反する効果に関係している。
ここで、本特徴においては、表示画面に近い側の可変入球部については非受入状態及び受入状態の切り替えが行われた場合であっても、それを把握することが困難となるように工夫されている。このような構成に特徴B1に示した技術的思想を適用することにより、遠い側の第1可変入球部の動作が可変入球部への注視の契機となることを抑制し、近い側の第2変入球部の動きが遊技者によって把握されることを好適に回避できる。故に、可変入球部全体での視認性を担保することにより第1特別遊技状態となった場合の注目度向上効果を担保しつつ、特徴B1に示した効果を発揮させることができる。
特徴B5.前記第2可変入球部の少なくとも一部に遊技機前方から対峙することにより、当該対峙している部分を遊技機前方から視認不可又は視認困難となるように遮蔽する遮蔽部を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1可変入球部と比較して遊技者の視界に入りやすい第2可変入球部を隠す構成とすることにより、第2可変入球部の動きが可変入球部への注視の契機となって、第1可変入球部の動きが遊技者に把握されることを好適に抑制できる。これにより、第2特別遊技状態にて受入状態への切替対象を繰り返し変更しても、第2特別遊技状態へ移行した旨を把握されにくくして、遊技状態の移行契機の多様化を好適に実現することができる。
特徴B6.前記表示画面と重なる演出位置と、当該演出位置よりも前記表示画面との重なりが抑えられた待機位置とに変位可能な可動装飾体(可動装飾体93)と、
所定の条件が成立した場合に、前記可動装飾体を前記待機位置から前記演出位置に変位させる駆動部(駆動部95)と
を備え、
前記第2特別遊技状態においては、前記可動装飾体が前記待機位置に維持される構成となっており、
前記待機位置に配置された可動装飾体の後方に前記第2可変入球部が配置されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、表示画面の周囲に配置された可動装飾体を第2可変入球部用の視認を妨げる手段(例えば遮蔽手段)として機能させることができる。これにより、特徴B4に示した効果を好適に享受できる。なお、本特徴に示す可動装飾体については、その背後が視認不可又は視認困難となるように構成することが好ましい。
例えば第2特別遊技状態が実質的な出球等の期待できないものである場合、第2特別遊技状態となっている期間をできるだけ短くすることで、遊技進行が無駄に遅延されることを回避できる。但し、このような遊技進行の迅速化を実現する上では、可動装飾体と第2可変入球部との関係から、上記期間の短縮が困難になったり、可動装飾体の動作態様に係る制約が強くなったりすると想定される。
この点、特徴B1に示したように、第1可変入球部→第2可変入球部の順に受入状態に切り替わる構成においては、第2特別遊技状態に移行してから第2可変入球部が受入状態に切り替わるまでにタイムラグが生じる。第2特別遊技状態への移行前に可動装飾体を演出位置に配置して所定の演出を行った場合であっても、当該タイムラグを待機位置に可動装飾体を復帰させる期間として利用できる。つまり、遮蔽対象となる第2可変入球部の受入状態への切り替えを第1可変入球部の後とすることは、第2特別遊技状態の間延びを抑えつつ、可動装飾体の変位に要する期間を確保する上で好ましい構成であり、可動装飾体を遮蔽手段として利用する場合であっても上述した各種不都合の発生を抑制できるという効果が期待できる。
特徴B7.前記第2可変入球部へ向けた遊技球の流下経路上に前記第1可変入球部が配置されており、
前記切替制御手段は、前記第1特別遊技状態となった場合に前記1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えた後に前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴B4乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
遮蔽部や可動装飾体等によって第2可変入球部の視認性を低下させる構成においては、それによって遊技者が本来享受し得るはずの特典を取りこぼす要因となっては、遊技意欲を低下させる要因となりかねない。
そこで、両可変入球部のうち一方の視認性を担保した上で、この可変入球部(第1可変入球部)を他の可変入球部(第2可変入球部)よりも上流側に配置し、さらに第1特別遊技状態においてはこの第1可変入球部を先に開放することにより、特典の取りこぼしを抑えつつ第1特別遊技状態へ移行した旨を遊技者に教示できる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B8.前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部を挟んで前記絵柄表示手段とは反対側に配設されていることを特徴とする特徴B4乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
複数の可変入球部を併用する場合には、可変入球部を同じ個所(表示画面の上下左右)に併設することにより、特別遊技状態(詳しくは第1特別遊技状態)にて注目すべき個所をまとめることができ、つまり、第2可変入球部を隠す構成を採用したとしても、第1可変入球部の視認性を担保しておくことで第1特別遊技状態に移行して遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される状況となった旨を遊技者に対して好適に教示できる。つまり、第2特別遊技状態では上記遮蔽機能によって当該第2特別遊技状態になったことを目立ちにくくしつつ、第1特別遊技状態ではその旨を容易に把握し得る構成が実現される。
例えば、本特徴に示す構成を「前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部は横長状をなしており、前記第2可変入球部は、前記絵柄表示手段の上側又は下側に配置され、前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部を挟んで前記絵柄表示手段とは反対側に配設されていることを特徴とする特徴B4乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴B9.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて前記抽選手段に結果に基づき絵柄の可変表示を行う絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な第1可変入球部(上側可変入球装置330)及び第2可変入球部(下側可変入球装置380)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記第1可変入球部及び第2可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記第1可変入球部よりも前記第2可変入球部の方が前記絵柄表示手段寄りとなるように配置されており、
前記第2可変入球部の少なくとも一部に遊技機前方から対峙することにより、当該対峙している部分を遊技機前方から視認不可又は視認困難となるように遮蔽する遮蔽部を備えていることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、上述したように第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。この点、本特徴に示す構成によれば、このような不都合の発生を好適に抑制できる。
詳しくは、本特徴に示すように、抽選の結果を絵柄表示手段(表示画面)にて表示する構成においては、遊技者の注目が専ら絵柄表示手段に向くと想定される。注視している対象から遠くなればなるほど、仮に可変入球部が動作したとしても、その動きを捉えることが難しくなる。逆に、表示画面に近い可変入球部については遊技者の視界に入りやすくなることでその動きを捉えることが容易となる。
本特徴においては、表示画面に近い側の可変入球部(第2可変入球部)の目視による確認を遮蔽手段によって妨げることにより、遊技者の注意が第2可変入球部に向く機会を減らし、第2特別遊技状態に移行したことを気付かれにくくすることができる。故に、第2特別遊技状態の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部への入球を契機として、例えば特別遊技状態に移行させるか否かの抽選を行うものがある。この種の遊技機においては、特別遊技状態への移行によって遊技領域に設けられた可変入球部への入球が容易化され、同可変入球部への入球に基づいて予め定められた数の遊技球が払い出されることがある(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、上述の如く特別遊技状態が設定された遊技機においては、特別遊技状態における遊技の単調化の抑制や特別遊技状態における遊技進行の迅速化等を抑える上でその構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴C群>
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入球ユニット65)と、
予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変入球部は、
遊技球が通過可能な第1開口(大入賞口331)と当該第1開口への遊技球の受け入れを行う受入位置及び同第1開口への遊技球の受け入れを行わない非受入位置に変位可能な第1可動部材(シャッタ332)とを有する第1可変入球部(可変入球装置330)と、
遊技球が通過可能な第2開口(大入賞口381)と当該第2開口への遊技球の受け入れを行う受入位置及び同第2開口への遊技球の受け入れを行わない非受入位置に変位可能な第2可動部材(シャッタ382)とを有する第2可変入球部(可変入球装置380)と
を有してなり、
前記切替制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を所定の順序で前記非受入状態及び前記受入状態の切り替える手段を有し、
前記第2可変入球部の第2開口は、前記第1可変入球部の第1開口よりも小さくなっていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、開口に大小の差を付与することにより入球確率(入球のリズム)に差違を生じさせる(消化に要する期間に変化を生じさる)ことができる。これにより、特別遊技状態における遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴C2.前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部は、前記遊技領域にて遊技球が流下する所定の流下経路上(右ルート上)に、前記第2可変入球部が前記第1可変入球部の下流側となる位置に配設されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技球の発射調整を行う必要がなく、特別遊技状態にて煩わしさを生じない。この種の遊技においては、特別遊技状態における遊技が単調になり得るが、特徴C1に示した技術的思想を適用することで、そのような弊害の発生を払拭できる。
特徴C3.前記流下経路においては、前記第1可変入球部を迂回して前記第2可変入球部へ遊技球が到達することが規制されており、
前記第1開口及び前記第2開口は横長状をなし、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部が縦並びとなるようにして配置されることで、前記第1可変入球部に入球しなかった遊技球の一部については前記第2可変入球部への到達が回避されるように構成されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
流下経路上に並設された2つの可変入球部について特徴C1に示した入球確率の差違を生じさせるには、本特徴に示す構成とすればよい。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴C4.前記第2可変入球部及び当該第2可変入球部の側方であって前記第1可変入球部の下方となる部分に遊技機前方から対峙することにより、当該対峙している部分を遊技機前方から視認不可又は視認困難となるように遮蔽する遮蔽部を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
入球確率の異なる大小の可変入球部を併用している遊技機においては、第2可変入球部を注視した場合に、こぼれ球が目についてしまい入球率の差違(消化スピードの差違)の設定が遊技者の遊技意欲を損う要因になりかねない。
そこで、本特徴に示すように、入球確率が相対的に低くなる第2可変入球部を隠すことにより、第1可変入球部では入球確率が高く高速消化が可能であるように見せつつ、第2可変入球部にて遊技球の零れを発生させることが可能となる。これにより、過度に多くの利益が遊技者に付与されることがないように好適に調整できる。
特徴C5.前記遮蔽部は、前記流下経路において前記第2可変入球部の下流側となる部分と対峙していることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C4に示したように、敢えて零れを発生させる場合には、それら零れた遊技球が目立つことにより、第1可変入球部及び第2可変入球部の有利不利の関係が露呈すると懸念される。そこで、本特徴に示すように、第2可変入球部の下流側部分を隠すことにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
特徴C6.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて前記抽選手段に結果に基づき絵柄の可変表示を行う絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第1開口(大入賞口331)を有し、当該第1開口へ遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な第1可変入球部(上側可変入球装置330)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第2開口(大入賞口381)を有し、当該第2開口へ遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な第2可変入球部(下側可変入球装置380)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記第1可変入球部及び第2可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記第1可変入球部よりも前記第2可変入球部の方が前記絵柄表示手段寄りとなるように配置されており、
前記第2可変入球部は、前記第1開口よりも前記第2開口の方が小さくなるように構成されおり、
前記切替制御手段は、前記第2特別遊技状態となった場合に前記1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えた後に前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える手段を有していることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、上述したように第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、以下の理由からこのような不都合の発生を好適に抑制できる。特徴B1に示すように抽選の結果を絵柄表示手段(表示画面)にて表示するタイプの遊技機においては、遊技者の注目が専ら絵柄表示手段に向くと想定される。注視している対象から遠くなればなるほど、視界から外れる又は視界の限界付近に近づくことで、仮に可変入球部が動作したとしてもその動きを目で捉えることが難しくなる。但し、可変入球部を注視していれば、例えその動きが分かりにくくても当該可変入球部が動作しているか否かを見極めやすくなる。
本特徴においては、第2特別遊技状態となった場合には、先ず絵柄表示手段から遠い第1可変入球部が非受入状態→受入状態に切り替わり、その後絵柄表示手段に近い第2可変入球部が非受入状態→受入状態に切り替わる。これにより、少なくとも第2可変入球部の動作が行われるまで遊技者の注意を表示画面に向けさせておくことができ、可変入球部への注視のきっかけを与えにくくすることができる。例えば、第2可変入球部を先に動作した場合には、視界に何らかの違和感が生じた遊技者が可変入球部を注視することで、遠い側の第1可変入球部の動作が目視で確認され、結果として第2特別遊技状態となった旨が把握されやすくなる。このように、本特徴に示す構成によれば、そもそもの遊技者の注意が可変入球部に向く機会を減らし、第2特別遊技状態に移行したことを気付かれにくくすることができる。故に、第2特別遊技状態の存在が上述した遊技意欲の低下の要因になることを好適に抑制し、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
特に、絵柄表示手段に近い第2可変入球部を小型化することにより、上述した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴C7.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162)と、
表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて前記抽選手段に結果に基づき絵柄の可変表示を行う絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第1開口(大入賞口331)を有し、当該第1開口へ遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な第1可変入球部(上側可変入球装置330)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第2開口(大入賞口381)を有し、当該第2開口へ遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な第2可変入球部(下側可変入球装置380)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記第1可変入球部及び第2可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態終了後に、当該特別遊技状態発生前の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように遊技状態を移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、前記切替制御手段による切替態様が第1態様に対応する第1特別遊技状態と切替態様が前記第1態様よりも入球が困難な第2態様に対応する第2特別遊技状態とが設定されており、
前記第1可変入球部よりも前記第2可変入球部の方が前記絵柄表示手段寄りとなるように配置されており、
前記第2可変入球部は、前記第1開口よりも前記第2開口の方が小さくなるように構成されおり、
前記第2特別状態においては、前記第2可変入球部に遊技機前方から対峙することにより、当該対峙している部分を遊技機前方から視認不可又は視認困難となるように遮蔽する遮蔽部を備えていることを特徴とする遊技機。
始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入球部への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、上述したように第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態が設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第2特別遊技状態における可変入球部への入球の期待度が第1特別遊技状態と比べて低くなることで例えば第2特別遊技状態における第2可変入球部の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、以下の理由からこのような不都合の発生を好適に抑制できる。特徴B1に示すように抽選の結果を絵柄表示手段(表示画面)にて表示するタイプの遊技機においては、遊技者の注目が専ら絵柄表示手段に向くと想定される。注視している対象から遠くなればなるほど、視界から外れる又は視界の限界付近に近づくことで、仮に可変入球部が動作したとしてもその動きを目で捉えることが難しくなる。但し、可変入球部を注視していれば、例えその動きが分かりにくくても当該可変入球部が動作しているか否かを見極めやすくなる。
本特徴においては、第1可変入球部と比較して遊技者の視界に入りやすい第2可変入球部を小さく設定し且つ遮蔽部によって隠す構成とすることにより、第2可変入球部の動きが可変入球部への注視の契機となって、第1可変入球部の動きが遊技者に把握されることを好適に抑制できる。これにより、第2特別遊技状態にて受入状態への切替対象を繰り返し変更しても、第2特別遊技状態へ移行した旨を把握されにくくして、遊技状態の移行契機の多様化を好適に実現することができる。
特徴C8.前記遮蔽部は、前記表示画面と重なる演出位置及び当該演出位置よりも前記表示画面との重なりが抑えられた待機位置に変位可能な可動装飾体(可動装飾体93)であり、
所定の条件が成立した場合に、前記可動装飾体を前記待機位置から前記演出位置に変位させる駆動部(駆動部95)を備え、
前記第2特別遊技状態においては、前記可動装飾体が前記待機位置に維持される構成となっていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
表示画面の周囲に配置された可動装飾体を第2可変入球部用の視認を妨げる手段(例えば遮蔽手段)として機能させることにより、特徴C7に示した効果を好適に享受できる。
但し、可動装飾体に遮蔽機能を付与する場合には、可動装飾体の形状や配置に係る制約が強くなり、可動装飾体本来の機能(遊技機の見栄え等を向上する機能)が損なわれる可能性が生じる。そこで、第1可変入球部及び第2可変入球部の両可変入球部のうち比較的小型の第2可変入球部を遮蔽対象とすることにより、可動装飾体の形状等に係る制約が強くなることを好適に抑制できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(遊技釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。