JP2005246041A - 組合せ式遊技機 - Google Patents

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JP2005246041A JP2004263798A JP2004263798A JP2005246041A JP 2005246041 A JP2005246041 A JP 2005246041A JP 2004263798 A JP2004263798 A JP 2004263798A JP 2004263798 A JP2004263798 A JP 2004263798A JP 2005246041 A JP2005246041 A JP 2005246041A
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英理子 佐藤
Hironori Hiramatsu
平松  裕規
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Abstract

【課題】 斬新で構成の容易な盤面の組合せ式遊技機を提供する。
【解決手段】 振り分け装置で振り分けられて、誘導増加装置作動領域を通過しようとする遊技球を検出して、所定の演出を行う。こうすれば、遊技球の振り分けを、振り分け装置自体で演出する必要が無くなるので、振り分け装置あるいは振り分け装置を含む特別遊技装置を小型で簡素なものとすることができるので、遊技盤の盤面構成が容易になるとともに、構成の自由度が向上する分だけ斬新な盤面を構成することが可能となる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、遊技盤上に所定数の遊技球を発射することにより、1回の単位遊技(ゲーム)を終了させ、単位遊技中に獲得された得点に応じた賞球を遊技者に払い出す組合せ式遊技機に関する。
従来より、遊技盤上に規定数(例えば、15個または16個など)の遊技球を発射することにより1回の単位遊技を終了させる組合せ式遊技機(アレンジボール遊技機)が知られている。この組合せ式遊技機は、発射された遊技球が所定の入球口に入球すると対応する入賞図柄が点灯表示するように構成されており、規定数の遊技球を発射すると、入球した入球口の組合せに応じた入賞図柄の組合せが表示される。そして、表示された入賞図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せである場合には得点が付与され、この得点に応じた賞球が遊技者に払い出されることで遊技が行われている。
こうした組合せ式遊技機では、特定入球口に入球した遊技球が、その特定入球口の内部に設けられている特定の領域(誘導増加装置作動領域)を通過すると、誘導増加装置が作動して、いわゆる特別遊技状態が開始される。特別遊技状態は、遊技者にとってたいへん有利な遊技状態であるため、遊技者は特定入球口に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域を通過して、特別遊技状態が開始されることを期待しながら遊技を行うのが通常である。
もっとも、誘導増加装置作動領域の上流側には振り分け装置が設けられており、特定入球口に入球した遊技球は、振り分け装置で誘導増加装置作動領域を通過する遊技球と、通過しない遊技球とに振り分けられ、誘導増加装置作動領域に振り分けられた場合にだけ、特別遊技状態が開始される。特定入球口から入球した遊技球が、振り分け装置においてどちらに振り分けられるかは遊技者にとって大きな関心事であることから、組合せ式遊技機では、振り分け装置において遊技球が振り分けられる様子を演出し、遊技者の興趣を効果的に高めるための工夫が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−210719号公報
しかし、こうした組合せ式遊技機では、特定入球口から入球した遊技球が振り分け装置で振り分けられる様子を効果的に演出しようとして、いきおい振り分け装置(あるいは振り分け装置を含んだ特別遊技装置の全体)が大型化してしまうという問題がある。遊技機の盤面の大きさには制限があるから、振り分け装置(あるいは特別遊技装置)が大型化すると遊技領域が狭くなってしまい、遊技機の盤面を構成することが困難となる。
また、振り分け装置(あるいは特別遊技装置)が大きくなれば、入賞図柄を表示するための装置など他の装置を搭載するためのスペースが狭くなるので、搭載の自由度が小さくなってしまい、斬新な盤面を構成することが困難になるという問題もある。
更に、特定入球口から入球した遊技球が振り分け装置で振り分けられる様子を効果的に演出しようとする結果、振り分け装置(あるいは特別遊技装置)の構成が複雑になってしまうという問題もある。また、遊技球を誘導増加装置作動領域と誘導増加装置非作動領域とに振り分ける振り分け装置は、通常、所定の動きを繰り返すだけであるため、長く遊技をしている遊技者にとっては単調に感じられ、遊技の興趣に欠ける嫌いがあるという問題がある。加えて、振り分け装置で遊技球が振り分けられる演出は、比較的短時間で終了してしまうので、遊技者は振り分けの演出を見逃してしまうと言う問題もある。
この発明は、従来技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、振り分け装置(あるいは特別遊技装置)を大型化させることなく、遊技球の振り分けを効果的に演出することで、盤面の構成が容易な組合せ式遊技機を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、振り分け装置を大型化させることなく、遊技球の振り分けを効果的に演出することで、斬新な盤面を構成可能な組合せ式遊技機を提供することを目的とする。
更に、本発明の他の目的は、遊技球の振り分けを効果的に演出しながら、簡素な構造の振り分け装置を備えた組合せ式遊技機を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第1の組合せ式遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技盤上に所定数の遊技球を発射して一単位遊技を行い、該一単位遊技で得られた遊技結果に応じて遊技価値の払い出しを行う組合せ式遊技機において、
遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる誘導増加装置と、
特定入球口から入球した遊技球を、前記誘導増加装置を作動させる誘導増加装置作動領域と、該誘導増加装置を作動させない誘導増加装置非作動領域とに振り分ける振り分け装置と、
前記振り分け装置と前記誘導増加装置作動領域との間に設けられて、該作動領域を通過する遊技球を検出する作動領域通過検出手段と、
前記振り分け装置と前記誘導増加装置非作動領域との間に設けられて、該非作動領域を通過する遊技球を検出する非作動領域通過検出手段と、
前記作動領域通過検出手段または前記非作動領域通過検出手段による遊技球の検出結果に基づいて所定の演出を行う演出手段と
を備えることを特徴とする。
かかる組合せ式遊技機においては、遊技球が誘導増加装置作動領域を通過すると、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が発生する。特定入球口から入球した遊技球は、振り分け装置によって、誘導増加装置作動領域と誘導増加装置非作動領域とに振り分けられる。振り分け装置と誘導増加装置作動領域との間には遊技球を検出する作動領域通過検出手段が設けられており、また、振り分け装置と誘導増加装置非作動領域との間には遊技球を検出する非作動領域通過検出手段が設けられている。そして、誘導増加装置作動領域を通過しようとする遊技球が検出されると、特別遊技状態が発生する場合の所定の演出が行われる。一方、誘導増加装置非作動領域を通過しようとする遊技球が検出されると、特別遊技状態が発生しない場合の所定の演出が行われる。尚、所定の演出を開始する時期としては、遊技球が特定入球口に入球してから作動領域通過検出手段または非作動領域通過検出手段が遊技球を検出するまでの間としてもよいし、作動領域通過検出手段または非作動領域通過検出手段が遊技球を検出した時とすることもできる。
このように、遊技球が誘導増加装置または誘導増加装置非作動領域を通過しようとすることを検出して所定の演出を行えば、遊技球が振り分けられる様子を振り分け装置自体で演出する必要が無い。このため、振り分け装置あるいは特別遊技装置を大型化させることなく、遊技球の振り分けを効果的に演出することができる。加えて、大型の振り分け装置あるいは特別遊技装置が不要となれば、遊技盤面の構成が容易になるとともに、斬新な遊技盤面を構成することも可能となる。更に、振り分け装置あるいは特別遊技装置を簡素なものとすることができるので、遊技機の製造をより容易にすることも可能となる。
かかる組合せ式遊技機においては、振り分け装置を遊技盤の前面側から不可視な位置に設けることとしても良い。
振り分け装置を遊技盤の前面側から不可視な位置に設ければ、盤面の構成を簡素で且つ斬新なものとすることができる。更に、広い遊技領域を確保することができるので、遊技に幅を持たせることが可能となって好ましい。
こうした組合せ式遊技機においては、誘導増加装置作動領域および誘導増加装置非作動領域は、それぞれの領域を通過しようとする遊技球が、遊技盤の前面側から目視可能に設けておくこととしてもよい。
誘導増加装置作動領域または誘導増加装置非作動領域を通過しようとする遊技球を目視することができれば、振り分けられた遊技球を遊技者が確認することができるので、振り分け結果に疑念を生じさせることを回避して、遊技の健全性を高めることが可能となる。
こうした組合せ式遊技機においては、振り分け装置を、遊技盤の盤面から突出しないように設けることとしてもよい。
こうすれば、振り分け装置の部分も遊技球の流下経路として利用することができるので、盤面の構成が容易になるとともに、遊技の幅を広げることが可能となる。
また、こうした組合せ式遊技機においては、作動領域通過検出手段と誘導増加装置作動領域との間で、あるいは、非作動領域通過検出手段と誘導増加装置非作動領域との間で遊技球を所定期間だけ停留させ、少なくとも、この停留期間中に所定の演出を行うこととしてもよい。
こうすれば、演出を行う時間を確保することができるので、より効果的な演出を行うことが可能となる。更に、遊技球の停留期間を調整することもできるので、演出時間および演出内容を、遊技の進行に合わせて変更することが可能となる。
また、前述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第2の組合せ式遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技球が入球可能な複数の入球領域と、該入球領域への遊技球の入球に応じた入賞情報を表示する入賞情報表示手段とが設けられた遊技盤上に、所定数の遊技球を発射して一単位遊技を行い、該一単位遊技で該入賞情報表示手段に表示された入賞情報の組合せから遊技結果を決定して、該遊技結果に応じて定められた遊技価値の払い出しを行う組合せ式遊技機において、
遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる誘導増加装置と、
特定入球口から入球した遊技球を、前記誘導増加装置を作動させる誘導増加装置作動領域と、該誘導増加装置を作動させない誘導増加装置非作動領域とに振り分ける振り分け装置と、
前記振り分け装置と前記誘導増加装置作動領域との間に設けられて、該作動領域を通過する遊技球を検出する作動領域通過検出手段と、
前記振り分け装置と前記誘導増加装置非作動領域との間に設けられて、該非作動領域を通過する遊技球を検出する非作動領域通過検出手段と、
前記振り分け装置で遊技球が振り分けられるに伴って、遊技者側の第1のキャラクタと相手側の第2のキャラクタとが勝負を決する所定の演出図柄を表示するとともに、前記作動領域通過検出手段で遊技球が検出された場合には、該第1のキャラクタが勝利した所定の演出図柄を表示し、前記非作動領域通過検出手段で遊技球が検出された場合には、該第2のキャラクタが勝利した所定の演出図柄を表示する演出手段と
を備えることを特徴とする。
かかる組合せ式遊技機においては、第1のキャラクタが勝利した場合には、遊技球が誘導増加装置作動領域を通過して特別遊技状態が開始される。一方、第2のキャラクタが勝利した場合には、遊技球は、誘導増加装置非作動領域を通過することになり、特別遊技状態が開始されることはない。すなわち、特別遊技状態が開始されるか否かは、第1のキャラクタが勝利するか否かに依存することとなるので、遊技者は、誘導増加装置作動領域と誘導増加装置非作動領域とに遊技球が振り分けられる様子を傍観するのとは異なり、第1のキャラクタを応援しながら演出図柄を注視することになる。この結果、遊技の進行に、より主体的に参加している印象を与えることができるので、遊技者の興趣を効果的に向上させることができる。加えて、遊技者は振り分けの演出、および振り分けの結果を見逃すことなく、明確に認識することが可能となる。
このような組合せ式遊技機においては、遊技球が特定入球口に入球したことを検出できるようにしておき、第1のキャラクタと第2のキャラクタとが勝負を決する演出図柄は、遊技球が特定入球口に入球したことを検出して表示するものとしてもよい。
このようにすれば、遊技盤上の遊技球が特定入球口に入球した場合に速やかに演出を開始することができる。この結果、演出時間を長くとることができるので、演出の自由度を高めることができ、延いては遊技者の興趣を大きく向上させることが可能となる。
また、第1のキャラクタと第2のキャラクタとが勝負を決する演出図柄は、作動領域通過検出手段あるいは非作動領域通過検出手段のいずれかで遊技球が検出されたら表示するものとしてもよい。
この様な構成としておけば、たとえ誘導増加装置作動領域と誘導増加装置非作動領域とに遊技球が振り分けられる途中で、何らかの理由で遊技球が通路にひっかかった場合でも、演出が開始されることはない。このため、遊技球が通路にひっかかって振り分けができなくなったにも拘らず演出だけを開始してしまい、遊技者を混乱させるような事態を回避することができるので好ましい。
また、このように、振り分けができなかった場合には演出が開始されないようにしておければ、あたかも上手く振り分けられているかの様に遊技者を誤解させることがない。このため、振り分けができなかったことを、遊技者に違和感を与えることなく報知することが可能となるので好ましい。
また、このように、球詰まりが起きているときには演出が開始されず、球詰まりが解消したら演出が開始されることとしておけば、球詰まりが発生後に解消した場合でも演出をやり直す必要がない。このため、演出の自然な流れを損なうことなく遊技を進めることが可能となるので好ましい。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.アレンジボール遊技機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.ガイドレールおよび発射装置ユニットの構造:
A−3.遊技盤の構成:
A−3.裏面構造:
B.電子制御装置の構成:
B−1.全体構成:
B−2.払出制御部の構成:
B−3.発射制御部の構成:
B−4.音ランプ制御部の構成:
B−5.図柄制御部の構成:
B−6.遊技確認時間:
C.遊技球発射制御の概要:
D.パチンコ機全体の制御の概要:
D−1.メインジョブの概要:
D−2.電源投入処理:
D−3.遊技開始処理:
D−4.ゲーム管理処理:
D−5.入賞図柄処理:
D−6.役物遊技処理:
D−7.得点増加装置処理:
D−8.誘導増加装置処理:
D−9.誘導図柄および役物誘導装置処理:
D−10.電源断発生処理:
E.第1実施例の特別遊技装置:
E−1.特別遊技装置の構造:
E−2.振り分け演出処理:
E−3.変形例:
F.第2実施例:
A.アレンジボール遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、第1実施例のアレンジボール遊技機(以下、単に遊技機という)1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は、木製の板状体を略長方形の枠状に組立てて形成されており、遊技機1の外枠を構成する。本体枠2の内側には、プラスチック製の中枠3が左端で軸支されて、本体枠2に対して開閉可能な状態ではめ込まれている。この中枠3の上側2/3程度を占める部分は枠体部となっており、下側1/3程度を占める部分は下板部となっている。
中枠3の下側を占める下板部には、上皿部5および下皿部6に加えて、発射装置ユニット10(図2、図4参照)や、球送り装置12(図7参照)、球送りカウントスイッチ、発射球カウントスイッチ、検出スイッチ、スピーカ266(図27参照)などが設けられている。発射装置ユニット10は、遊技球を遊技盤20に発射する遊技球発射手段を構成しており、球送り装置12は、この発射装置ユニットに遊技球を供給する。発射装置ユニット10に供給される遊技球は、球送りカウントスイッチによって検知され、発射装置ユニット10から発射される遊技球は、発射球カウントスイッチによって検知される。また、発射された遊技球のうち遊技盤20の盤面に到達しなかった遊技球は、ファール球検出スイッチによって検知される。本実施例のスピーカ266は、中高音用スピーカ(ツイータ)および低音用スピーカ(ウーファ)とを含んで構成されていて、遊技状態に応じた効果音等を発生させることができる。上皿部5および下皿部6の詳細については後述する。
一方、中枠3の上側を占める枠体部には、その前面側に遊技盤20が、更にその前面側に前面枠4が設けられており、前面枠4は中枠3の左端で開閉可能に軸支されている。前面枠4は、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されており、この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれている。
前面枠4は、プラスチック材料で形成されており、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cとは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との問に2個設けられている。これらのLED表示部4a〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。ここで、重度のエラーとは、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合のエラーであり、軽度のエラーとは、それ以外のエラーである。
また、前面枠4には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部230は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(例えば1秒)以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。なお、前面枠4開放に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200には送信されない。
前面枠4の下方には、中枠3の下板部に設けられた上皿部5が、中枠3に対して開閉可能に左端側で軸支されている。この上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、後述する発射装置ユニットに供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等に加えて、投入された遊技球を排出するための排出ボタン5bが設けられており、上皿部5の内部には、遊技球を排出するための機構などが設けられている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5gが形成されている。第1音声出力部5gは、スピーカ266のうち中高音用スピーカ(ツイータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図27参照)が設けられている。また、本実施例の上皿部5には、前面左端側の部位に操作スイッチSW1が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球技き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端を手前側に倒すように回転可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球技き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。
排出ノブ6bは、プルロック式に構成されている。遊技者が下皿部6に溜まった遊技球を手前側に掻き出すように動作することで、排出ノブ6bが回転軸を中心に手前側に回転し、この状態でロックされる。同時に球抜き穴が排出ノブ6bの回転に連動して開放し、遊技球が下皿部6から排出される。排出ノブ6bをもう一度押すことでロックが解除され、排出ノブ6bを元の状態に戻すことができ、球抜き穴は閉鎖する。
下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側の下面には、第2音声出力部6cが設けられている。第2音声出力部6cは、スピーカ266のうち低音用スピーカ(ウーフア)とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。また、下皿部6の左側には灰皿7も設けられている。
一方、下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット10(図2、図3参照)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に接続されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13〈CRユニット)が装着されている。
A−2.ガイドレールおよび発射装置ユニットの構造 :
次に、図2〜図6を参照しながら、遊技球を誘導するガイドレールおよび発射装置ユニットについて説明する。図2は中枠3を正面側からみた斜視図であり、図3は中枠3を背面側からみた斜視図である。また、図4は発射レール11の拡大図である。
図2に示すように、中枠3には外レール22が設けられている。外レール22は、遊技盤20上に形成される後述の中レール23(図8参照)とともに遊技盤20上に遊技球を誘導するガイドレールを構成している。外レール22は、板状部材を円弧状に曲げることによって形成されている(図3参照)。外レール22は、両端部の一部が板面に対して直角に折り曲げられ、取付部(ネジ止め部)22a、22bが形成されている。取付部22a、22bにはネジ穴が形成されている。
中枠3には、略円弧状のレール取付部3aが形成されている。このレール取付部3aの内側に外レール22をはめ込んで、取付部22a、22bをレール取付部3aにネジ止めすれば、外レール22を中枠3に固定することができる。このように外レール22の一部を折り曲げて形成した取付部22a、22bを利用して中枠3に取り付けることとすれば、外レール22を中枠3に固定するための固定部材を別途用いる必要がなくなるので、部品点数を削減できるとともに、組み付け作業も容易に行うことが可能となる。
図2に示すように、外レール22の右下には発射レール11が設けられている。また、図4に示すように、発射レール11における遊技球の発射位置には、上述した発射球カウントスイッチ221が設けられている。
図2、図3には、上述した発射装置ユニット10が中枠3に取り付けられている様子が示されている。発射装置ユニット10には、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する槌10a(図2参照)や、槌10aの回転を規制するストッパ部10b、10c(図2)、槌10aに打撃力を付与するバネ部10d(図3)、モータ部10f(図3)などが設けられている。モータ部10fには、発射モータが内蔵されており、モータの回転軸に固定されたカム10eが回転することによって、槌10aに連続的に打撃力を発生させる。
また、ハンドル軸10g(図2)は、前述した発射ハンドル8に連結されている。遊技者がハンドル8を回転させると、ピニオン10hとラック10i(図3)によって、その回転運動が直線運動に変換される。そしてラック10iは、遊技者による発射ハンドル8の操作量をバネ部10dに伝達する。
図5は、発射ハンドル8を回転させていない場合のピニオン10hとラック10iの拡大図である。また、図6は、発射ハンドル8を回転させている場合のピニオン10hとラック10iの拡大図である。図5および図6に示されているように、ラック10iの近傍には発射スタートスイッチ10jが設けられている。発射スタートスイッチ10jは、直線運動するラック10iの移動によって、出力がオンとオフとに切り替わるように構成されている。本実施例では発射スタートスイッチ10jとしてリミットスイッチを用いている。
発射スタートスイッチ10jは、遊技者が発射ハンドル8を所定角度以上回転させ、ラック10iが遊技球の打ち出しに最も適した所定の発射スタート位置にきたときにオン/オフが切り替わるような位置に設けられている。本実施例の発射スタートスイッチ10jは、発射ハンドル8を操作していない場合にオン出力(High)であり、遊技者が発射ハンドル8を操作すると、すなわち所定角度以上回転させるとオフ出力(Low)に切り替わる。
バネ部10dには、弾性体としてのゼンマイバネが内蔵されており、ゼンマイバネの一端は槌10aの回転軸に接続され、他端はラック10iに接続されている。ラック10iは、直線運動によりゼンマイバネ(渦巻きバネ)のバネ力(反発力)を調整するバネスライダ部を構成している。ゼンマイバネのバネ力は、槌10aの先端を発射位置方向に移動させる方向に働く。槌10aは、遊技球の発射を行っていない定常時には、ゼンマイバネのバネ力によりストッパ部10b、10cに押しつけられている。このとき、槌10aの先端は遊技球直前の発射位置に位置する。槌10aの先端は、図4に示すように発射球カウントスイッチ221の手前に位置している。なお、ストッパ部10b、10cにおける槌10aとの接触部は、弾性部材から構成されている。
本実施例では、モータ部10fの発射モータとしてマイクロステップ駆動のステッピングモータを用いている。ステッピングモータは、所定周波数の駆動パルス信号により駆動される。このようなマイクロステップ駆動のステッピングモータを採用することにより、低振動化を図ることが可能となる。
また、槌10aの回転軸には、カム10eと接触する係合部(図示せず)が設けられている。発射モータが回転することで、カム10eが槌10aの係合部を押圧し、槌10aがゼンマイバネを圧縮しながら発射位置から離れる方向に引っ張られる。カム10eが所定の発射角度まで回転すると、カム10eと槌10aの係合部との係合が外れ、ゼンマイバネのバネ力により槌10aが振り出される。この結果、槌10aの先端は発射位置にある遊技球を打撃(発射)することができる。槌10aは、ストッパ部10b、10cに接触するまで回転し、ストッパ部10b、10cは槌10aが衝突すると弾性変形しながら、槌10aの回転運動を停止させる。
このように遊技球は、発射モータが1回転する毎に1球ずつ発射される。発射モータが連続して回転することで上記動作を繰り返し、遊技球を連続的に発射することができる。
モータ部10fには、発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。原点センサとしては、例えば光センサを用いることができる。本実施例では、槌10aが振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜200)だけ回転した位置を原点と定めている。
遊技者は、発射ハンドル8の回転量を調整することで、槌10aによる遊技球の打撃力(発射力)を調整することができる。すなわち、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、ハンドル軸10gとハンドル軸10gに連結されたピニオン10hを介して、ラック10iが直線運動する。ラック10iはバネ部10dのゼンマイバネに接続されているので、ラック10iの移動量に応じてゼンマイバネのバネ力を変化させることで、槌10aによる遊技球の発射力を変化させることができる。
ここで、球送り装置12について図7に基づいて説明する。球送り装置12は、前述した上皿部5の遊技球投入部に投入された遊技球を、発射レース11の発射位置に供給する機能を有している。図7(a)〜(c)は球送り装置12の正面図およびA−A断面図を示している。上皿部5に貯留された遊技球は、球送り装置12の動作によって、発射レール11の発射位置に供給される。図7(a)〜(c)に示すように、球送り装置12には球送りカム12bが設けられている。球送りソレノイド12aが球送りカム12bを駆動すると、上皿部5の遊技球が1個ずつ発射レール11の発射位置に供給される。
図7(a)は、球送りソレノイド12aがオフとなった状態を示している。球送りソレノイド12aがオフになると、上皿部5からの供給口を塞ぐような位置まで球送りカム12bが回転する。その結果、上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となる。
図7(b)は、球送りソレノイド12aがオンとなった状態を示している。球送りソレノイド12aがオンになると、球送りカム12bが逆方向に回転し、塞がれていた供給口を通って上皿部5から遊技球が供給され、球送りカム12bに設けられた凹部に流入する。もっとも、凹部は遊技球1球分の大きさしかないので、結局、球送りソレノイド12aがオンになると、上皿部5から球送りカム12bの凹部に1球だけ遊技球が供給されることになる。
図7(c)は、球送りソレノイド12aが再びオフとなった状態を示している。球送りソレノイド12aがオフになると、球送りカム12bは、再び、上皿部5からの供給口を塞ぐような位置まで回転する。この時、凹部に受け入れていた遊技球が発射レール11に供給される。すなわち、遊技球が1球だけ発射レール11に供給されることになる。
このように、球送りソレノイド12aをオフからオンにする度に、遊技球が1球だけ球送りカム12bの凹部に受け入れられ、また、球送りソレノイド12aをオンからオフに戻す度に、球送りカム12bの凹部に1球だけ受け入れられていた遊技球が、発射レール11に供給されることになる。
A−3.遊技盤の構成 :
次に、遊技盤2dの構成について図8に基づいて説明する。図8は、遊技盤20の盤面を模式的に示した正面図である。遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。
図8に示すように、遊技盤20の中央には、外レール22と内レール23とによって囲まれた略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21の中央には、任意の図柄を表示可能な図柄表示装置31が設けられている。本実施例の図柄表示装置31は、大きな液晶表示画面を搭載しており、液晶画面上で種々の演出を行うことが可能となっている。図柄表示装置31の上方には、遊技によって獲得された得点を表示する得点表示装置28が設けられており、図柄表示装置31の左斜め上方には誘導図柄作動ゲート29が、誘導図柄作動ゲート29の下方(図柄表示装置31からは左斜め下方)には左入球口(入球領域)26が設けられている。また、図柄表示装置31の右斜め上方には役物誘導装置作動ゲート30が設けられており、役物誘導装置作動ゲート30の下方(図柄表示装置31からは右斜め下方)には右入球口(入球領域)27が設けられている。役物誘導装置作動ゲート30と右入球口27との間、すなわち図柄表示装置31の右側には、第2役物作動口33も設けられている。更に、図柄表示装置31の下方には、第1役物作動口(特定入球口)32および特別遊技装置(誘導増加装置)36が設けられている。そして、特別遊技装置36の左右には、16連入球口(入球領域)24および16連入球口LED表示部25が、それぞれ半分ずつ設けられている。特別遊技装置36の詳細については別図を用いて後述する。
これら16連入球口24,左入球口26、誘導図柄作動ゲート29、役物誘導装置作動ゲート30、第1役物作動口(特定入球口)32、第2役物作動口33の内部には、図示しない入球検知スイッチがそれぞれ設けられており、遊技球の入球あるいは通過を検知することが可能となっている。尚、本実施例では、16連入球口24は、16個の入球口によって構成されているものとして説明するが、この16連入球口24を構成する入球口の数は16個に限定されるものではなく、例えば、15個の入球口から構成される15連入球口とすることも可能である。16連入球口24の右端にある入球口(16番の入球口)は得点増加装置作動口24aを兼ねており、この入球口に遊技球が入球すると、得点増加装置が作動する。
更に、遊技領域21には、図示しない多数の障害釘も設けられている。16連入球口24の、少なくとも3番、5番、11番、13番、15番の各入球口については、遊技球が直接には入球し難いように障害釘が設定されている。16連入球口24の上方左側に設けられた左入球口26に遊技球が入球すると、5番の入球口に入球したのと同様の効果が得られるようになっており、また、右入球口27に遊技球が入球すると、12番の入球口に入球したことと同様の効果が得られるようになっている。
図9は、図柄表示装置31の画面構成を示す正面図である。図9に示すように、図柄表示装置31には、誘導図柄表示部31a、31b、入賞図柄表示部31c、残り球表示部31d等が設けられている。また、本実施例の誘導図柄表示部は、図柄表示装置31の右下に設けられた本図柄表示部31aと、図柄表示装置31の中央に大きく設けられた疑似図柄表示部31bなどから構成されている。本図柄表示部31aは識別図柄としての本図柄を表示するものであり、複数(本例では2つ)の図柄表示領域を備え、それぞれ赤色、青色、緑色の3色で表示可能に構成されている。結局、本実施例では、2×3=6通りの本図柄の組合せを表示可能となっている。
疑似図柄表示部31bは、疑似図柄を表示するための複数(本例では3つ)の図柄表示領域を備えている。本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が、予め定められた当たり図柄(特定の図柄)の組合せである場合には、疑似当たり図柄を表示するとともに、本図柄が当たり図柄以外の組合せである場合には、疑似外れ図柄を表示するようになっている。具体的には、疑似図柄表示部31bの3つの図柄表示領域はそれぞれ「三」「七」「玉」「花」からなる4通りの図柄を表示可能であり、4×4×4=64通りの疑似図柄の組合せを表示可能である。
誘導図柄(本図柄および疑似図柄)は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過することにより変動開始し、所定時間変動表示した後で停止表示を行う。誘導図柄変動時間の経過後、遊技者が誘導図柄を確認するために誘導図柄停止表示時間が設定されている。誘導図柄変動時間は、例えば本図柄は1.1秒とし、疑似図柄は1.4秒とする。また、当たりの場合の誘導図柄停止表示時間は、例えば本図柄、疑似図柄ともに4秒とし、外れの場合の誘導図柄停止表示時間は、例えば本図柄は0.5秒とし、疑似図柄は0.2秒とする。
ここで、本図柄の変動時間が疑似図柄の変動時間よりも短く設定されているのは、次の理由によるものである。すなわち、本図柄の変動中は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過しても本図柄は新たに変動を開始することはなく、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングが本図柄の変動停止後でなければ本図柄が新たな変動を開始しない。従って、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過しても図柄の変動が開始されずに、遊技者が苛立ちを感じてしまうことを、少しでも緩和するためである。すなわち、遊技者は通常、疑似図柄を見ているため、疑似図柄における一つの変動と次の変動との間の変動していない期間(外れの場合の停止表示時間)を短くすることによって遊技者の苛立ち感が緩和できる。なお、当たりの場合には、第1役物作動口(特定入球口)32が開放されるため、この限りでない。
また、当たりの場合の誘導図柄停止表示時間が外れの場合の誘導図柄停止表示時間よりも長く設定されているのは、後述するように、誘導増加装置が作動し12ゲームが終了したとき、左打ちにより誘導図柄作動ゲート29を通過させて誘導図柄表示部を作動させ、誘導図柄の当たり表示後に右打ちをするのであるが、誘導図柄の停止表示中は第1役物作動口32が開放されず、停止表示が終了した後に第1役物作動口32が開放されるため、遊技者が誤って第1役物作動口32に入球させて、いわゆるパンクが発生することを防止するためである。
本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が、予め定められた当たり図柄の組合せである場合には、一定時間経過後に第1役物誘導装置が作動開始して、遊技領域21に設けられた特定入球口としての第1役物作動口32が、遊技球が入球し易い開放状態となる。第1役物作動口32は、左右一対の可動片を備えており、この可動片は常時はほぼ直立状態となっている。この一対の可動片が直立状態にあるときは、第1役物作動口32は遊技球が入球しにくい状態にある。また、これら一対の可動片が外側方向に回動すると、可動片は傾倒状態(逆ハの字状態)となり、第1役物作動口32は開放状態となって遊技球が入球し易い状態となる。第1役物誘導装置とは、このように、第1役物作動口32の状態を変化させる機構であり、後述の主制御部200を主体として構成される。
本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、第1役物作動装置を作動させるか否かの判定(当否判定)と、当否判定にて「当たり」と判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の当たり図柄を決定するために使用される。また、図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄を決定するために用いられるとともに、当否判定にて「外れ」と判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の外れ図柄を決定するために使用される。
当否の判定は、具体的には次のようにして行われる。当否判定用の当たり値が予め設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで当否判定用乱数を取得して、取得した乱数値が当たり値と一致していれば当たりと判定され、本図柄表示部31aに所定の当たり図柄の組合せが表示される。疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。具体的には、当否判定にて当たりと判定された場合には、「三・三・三」、「七・七・七」、「玉・玉・玉」、「花・花・花」のいずれかの組合せからなる疑似当たり図柄に決定され、当否判定にて外れと判定された場合には、上記疑似当たり図柄以外の組合せからなる疑似外れ図柄に決定される。
また、図9に示すように、図柄表示装置31の下部画面には、入賞図柄表示部31cが設けられている。入賞図柄表示部31cは、上述の16連入球口24に対応するものであり、16個の入賞図柄を備えている。入賞図柄表示部31cでは、16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合に、その入球口に対応する入賞図柄にて入賞表示を行う。尚、発射された遊技球が全て入球した後、遊技者が入賞図柄を確認するための時間として、賞図柄確認時間(本例では0.5秒)が設定されている。
また、第1役物作動口(特定入球口)32に入球した遊技球は、特別遊技装置36の内部に導かれるように構成されている。詳細には後述するが、特別遊技装置36の内部には、誘導増加装置作動領域(特定の領域)41aと、誘導増加装置非作動領域41bと、遊技球をこれらいずれかの領域に振り分ける振り分け装置37が設けられている。そして、この振り分け装置37は、遊技者が直接には確認できない不可視状態で設けられている。第1役物作動口32から入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過すると、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が開始されるようになっている。
遊技球が第1役物作動口32に入球すると、16連入球口LED表示部25における4つの入賞図柄を同時に表示させる第1役物が作動して、12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示する。また、第1役物は当該ゲームが終了したときには作動を終了する。
第1役物誘導装置は、後述の主制御部200を主体に構成されるもので、図柄表示装置31で当たり図柄の組合せが停止表示された場合に作動するが、第1役物誘導装置の作動中に第1役物作動口32に入球があった場合、あるいは3ゲームが終了した場合には作動を終了して、第1役物作動口32を閉鎖する。
一方、誘導増加装置が作動すると、役物誘導装置作動ゲート30が有効になる。そして役物誘導装置作動ゲート30の有効時に、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過すると、第2役物誘導装置が作動を開始して第2役物作動口33が開放状態となり、遊技球が入球し易くなる。第2役物作動口33は一対の可動片を備えており、この可動片が左右外側に向かって回動し、直立状態から傾倒状態(逆ハの字状態)に変化すると、第2役物作動口33が開放状態となって、遊技球が入球し易くなる。
第2役物作動口33は、16連入球口LED表示部25における4つの入賞図柄を同時に表示させる第2役物を作動させるものである。第2役物作動口33に入球した場合には、第2役物が作動して11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示する。第2役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
また、役物誘導装置作動ゲート30は、各単位ゲームにおいて最初に遊技球が通過して第2役物作動口33が開放状態となるまでは有効であるが、第2役物作動口33が一旦開放状態になってから次の単位ゲームが開始されるまでは無効となる。
第2役物誘導装置は、後述の主制御部200を主体として構成されるもので、上述したように、役物誘導装置作動ゲート30の有効時に遊技球が通過すると作動を開始するが、第2役物誘導装置の作動中に第2役物作動口33に入球があった場合、あるいは当該ゲームが終了したときには作動を終了して、第2役物作動口33を閉鎖する。
第1役物作動口(特定入球口)32に入球した遊技球は、特別遊技装置36の内部に設けられた振り分け装置37に導かれ、誘導増加装置作動領域41aあるいは誘導増加装置非作動領域41bのいずれかに振り分けられる。そして、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過すると、誘導増加装置が作動を開始する。誘導増加装置の作動は、作動開始から所定回数の14ゲームが終了した場合、あるいは作動中に新たに遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過(いわゆるパンク)した場合に終了する。尚、誘導増加装置は、後述の主制御部200を主体として構成されている。
本実施例の遊技機1は、一単位遊技(1ゲーム)に規定数(例えば15個)の遊技球を発射して、この単位遊技中に点灯表示した入賞図柄の組合せにより賞態様が決定(得点が成立)され、賞態様に対応する賞遊技価値の付与として賞球の払い出しが行われる。例えば入賞図柄が4個連続して点灯表示された場合には1点が付与され、1点につき規定数の賞球が払い出される。また、本実施例では、所定の入賞図柄の連続した組合せ(本例では12・13・14・15番)に対して3点が付与される。ただし、1ゲームにおいて獲得できる遊技球数は、規定数の10倍(規定数を15個とすれば150個)が上限となっている。
前述したように、16連入球口24のうち16番の入賞図柄に対応する入球口24aは、得点増加装置作動口としての機能も有しており、遊技球が入球口24aに入球した場合には、16番の入賞図柄が表示されるとともに得点増加装置が作動する。得点増加装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、当該ゲームにおいて1得点当たりに払い出される賞球数を増加(本実施例では2倍)させる機能を有している。得点増加装置は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
図8に示したように、入球口24aは、16連入球口24の内、特別遊技装置36の右側に設けられた一連の入球口の右端部に位置しており、遊技球が難入球口に比べ比較的入球し易い普通入球口である。遊技者は、遊技領域21の右方側に設けられた役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを狙って遊技球を打ち出す操作(いわゆる右打ち)を行うことにより、特別遊技状態が発生しているときはもちろんのこと、特別遊技が発生していない通常遊技状態においても、入球口24aに遊技球を容易に入球させることができる。
A−3.裏面構造 :
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図10〜図12に基づいて説明する。図10は遊技機1の裏機構盤102の正面図であり、図11は賞球タンク105およびタンクレール106の平面図であり、図12はケースレール108の形状を示す概念図である。
図10に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ104は、賞球タンク105内に遊技球が存在する場合にはオン出力となり、賞球タンク105内に遊技球が存在しない場合にはオフ出力となる。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、賞球タンク105の底部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
タンク球切れ検知スイッチ104のオフ状態が所定時間以上検知された場合には、後述する払出制御部230はタンク球切れエラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、遊技球払出装置109による賞球停止と貸球停止とを行う。タンク球切れエラーは、タンク球切れ検知スイッチ104のオン状態が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合に解除される。なお、タンク球切れに関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
図11に示すように、タンクレール106は裏機構盤102の側面から所定の間隔を設けて配置されている。これにより、裏機構盤102の壁面とタンクレール106との間の空間を有効利用することができる。例えば、遊技盤20中央付近に大型の液晶表示装置等の電子機器を配置する場合に有効である。タンクレール106内には、遊技球が整列しながら流下する2列の樋106a、106bが並行して設けられている。賞球タンク105内の遊技球は、賞球タンク105の底部からタンクレール106の各樋106a、106bに流入し、タンクレール106を整列しながら流下する。
図10に戻り、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球技きレバー107の下流側には、順に遊技球払出装置109、遊技球の振り分け部110がそれぞれ設けられている。遊技球払出装置109については後述する。また、図12に示すように、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。ケースレール108内には、タンクレール106の各樋106a、106bに対応して2本の樋(遊技球通路)が平行して形成されている。
図12に示すように、ケースレール108には上流側から順に、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて球速を落とすための屈曲部108aと、遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げるための垂直部108bとが設けられている。屈曲部108aの下流側端部は、ケースレール108における略中央部より上流側に設けられており、垂直部108bは、遊技球払出装置109の直前において垂直に所定の長さを有するように設けられている。これにより、垂直部108bがケースレール108全体の半分以上の長さを占めている。このような垂直部108bを遊技球払出装置109の直前に設けることで、遊技球の自重により遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げることができる。
図10に戻り、タンクレール106の下方には、図柄表示装置31の表示盤を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース112が設けられ、主制御基板ケース112の下方には発射装置制御基板ケース113が設けられ、裏機構盤102の右下方部には、払出制御基板ケース118が設けられている。これらの基板ケース112、113、118には、後述の各種制御基板が格納されている。また、主制御基板ケース112の右側上方には後述の盤面中継基板が装着されている。
裏機構盤102の右上方部には、ヒューズボックス119と、電源スイッチ120と、電源中継基板121と、大当たり、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。また、この端子基板122の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123が設けられている。払出制御基板ケース118から接続ケーブル124が上方に延び、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
次に、遊技球払出装置109の構成について図13、図14に基づいて説明する。図13は遊技球払出装置109の外観を示す斜視図であり、図14は遊技球払出装置109を分解した状態を示す斜視図である。図13に示すように、遊技球払出装置109の内部には、上述のケースレール108から供給される遊技球が通過可能な遊技球通路109a、109bが2列形成されている。また、遊技球払出装置109は、3つのケーシング109c、109d、109eと払出モータ109fとを備えている。払出モータ109fとしては、例えばステッピングモータを用いることができる。遊技球払出装置109は、2列の遊技球通路109a、109bから交互に遊技球を払い出すように構成されている。
図14に示すように、ケーシング109c、109d、109eの内部には、遊技球通路109a、109bにおける遊技球の流れを規制するカム109g、109hと、払出モータ109fの駆動力をカム109g、109hに伝える駆動力伝達軸109iが設けられている。カム109g、109hは払出モータ109fにより回転駆動され、カム109g、109hの回転/停止により、遊技球払い出しのオン/オフが行われる。
カム109g、109hは、各遊技球通路109a、109bに対応した2枚の板状回転体からなる。各カム109g、109hは、回転軸にて連結されている。各カム109g、109hの外周部には、略円弧状の凹部(球受け部)が3つ形成されており、各凹部に遊技球通路109a、109bを流れる遊技球が1個ずつ入り込む。それぞれのカム109g、109hに形成された凹部は、各カム109g、109hで位相をずらして形成されている。各カム109g、109hは、外周部に形成された凹部が各遊技球通路109a、109bに位置するように配置されている。カム109g、109hは、図14において反時計回りに回転し、遊技球通路109a、109bに上方から供給される遊技球を1個ずつ下方へ送り出す。
各凹部の外縁部のうちカム回転方向の前側が滑らかに形成されている。これにより、カム109g、109hが回転する際、遊技球通路109a、109bの遊技球がより速く凹部に入り込むことができ、遊技球払出装置109による払い出しをより高速化することができる。また、本実施例のカム109g、109hは一方向のみに回転するので、このような高速払出に適したカム形状にすることができる。なお、本実施例の遊技球払出装置109は、4秒間当たり160個(1秒当たり40個)の払出速度で遊技球を払い出すことができるように構成されている。
カム109g、109hの回転軸は、遊技球通路109a、109bにおける入口部の延長線上に設けられている。すなわち、上述のケースレール108の垂直部108bの延長線上にカム109g、109hの回転軸が位置する。このような構成により、遊技球払出装置109の停止中にケースレール108内に存在する遊技球の球圧(自重)でカム108が回転してしまうのを防ぐことができる。また、2列の遊技球通路109a、109bには、遊技球払出装置109で払い出した遊技球数を検知する払出センサ109j、109kが設けられている。
ところで、遊技球払出装置109における払い出し高速化に伴い、カム109g、109hが脱調することが考えられ、払出数の正確性に問題が生じる可能性がある。特に、カム109g、109hが高速回転している状態から停止する際に脱調が発生しやすい。そこで、本実施例の遊技球払出装置109では、遊技球の払い出し終了前に払出モータ109fの回転速度を通常回転速度より遅い回転速度に一旦減速して所定個数の遊技球を払い出した後、払出モータ109fを停止するように構成されている。例えば最後の1球を払い出す前に、払出モータ109fの回転速度を例えば通常回転速度の半分の回転速度に減速し、最後の1球を払い出してから払出モータ109fを停止させる。これにより、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴う脱調を防止できる。なお、「通常回転速度」とは、遊技球払出装置109が定常状態の払出速度(本例では40個/秒)で遊技球を払い出す際の払出モータ109fの回転速度である。
また、カム109g、109hが停止している状態から高速回転を開始する際にも脱調が発生しやすい。このため、本実施例の遊技球払出装置109では、遊技球の払い出し開始時に、払出モータ109fの回転速度を通常回転速度より遅い回転速度から回転開始して所定個数の遊技球を払い出した後、払出モータ109fを通常回転速度に加速するように構成されている。例えば最初の1球目を払い出す前に、払出モータ109fの回転速度を例えば通常回転速度の半分の回転速度で回転開始し、最初の1球を払い出してから払出モータ109fを通常回転速度に加速する。これによっても、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴う脱調を防止できる。
図15は、払出モータ109fの払出速度と払出停止時間との関係を示している。本実施例の遊技球払出装置109には、遊技球払出中に払い出しを定期的に停止する所定の払出停止時間が設けられている。具体的には、遊技球を所定個数(例えば15個)払い出す毎に、所定の払出停止時間だけ払出モータ109fを停止する。この払出停止時間中に遊技球の球圧を上げることができ、結果として連続して払い出しを行う場合より払い出し速度を向上させることができる。
払出停止時間は、短すぎると球圧が上がらず、逆に長すぎると払出時間が全体として長くなるとともに、球圧が上がりすぎる。球圧が上がりすぎると球噛みが発生し、カム109g、109hが回転不能となって正確な払い出しが行えなくなるおそれがある。このため本実施例では、払出速度が例えば1秒当たり40個を超える領域で払い出し停止時間を設定している。具体的には、15球を0.3秒で払い出した後、払出モータ109fを0.1秒間停止させる。
B.電子制御装置の構成 :
B−1.全体構成 :
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図16に基づいて説明する。図16は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図16に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260および280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、音ランプ制御部260および図柄制御部280などから構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260および280は、払出制御基板230a、音ランプ制御基板260aおよび図柄制御基板280aなど、各種の周辺制御基板をそれぞれ備えている。
主制御部200は、各副制御部230、260、および280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、および280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
また、主制御部200から音ランプ制御部260には、各種ランプ制御コマンドおよび各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、音ランプ制御部260を介して、図柄の表示を指示する図柄表示制御コマンド、1〜16の入賞図柄の表示を指示する入賞図柄表示コマンド、すべての図柄表示の消灯を指示する入賞図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。こうした動作を可能とするための主制御部200の構成については、別図を用いて後述する。
各制御部200、230、260、および280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260、および280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200および払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200および払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200には、盤用外部端子基板201、16連スイッチ中継基板202、誘導図柄作動ゲートスイッチ204、盤面中継基板210および遊技枠中継基板220が接続されている。
盤用外部端子基板201には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、遊技機用として使用されるものであり、賞球信号、入球口入球信号、得点増加装置に係る入球口入球信号、役物作動口入球信号、特定入球口入球信号、誘導増加装置作動領域通過信号、誘導図柄に係るゲート通過信号、役物誘導装置に係るゲート通過信号、役物作動信号、得点増加装置作動信号、役物作動口開放信号、役物誘導装置作動信号、誘導図柄に係るゲート有効信号、役物誘導装置に係るゲート有効信号などの信号を試験装置に送出することができる。
16連スイッチ中継基板202には、16連入球口24の各入球口への入球を検知する16連入球口検知スイッチ203が接続され、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号が主制御部200に送信される。そして、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号により、16番の入賞図柄に対応する入球口24a(図8参照)への入球を検知した場合には得点増加装置の作動を開始する。誘導図柄作動ゲートスイッチ204は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したことを検出するものである。
ここで、主制御部200の構成について説明する。図17は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図17に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411、および出力制御回路412などを備えている。
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
また、RAM402には、遊技機1で用いられる各種乱数の乱数カウンタが設定されている。本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)に用いられる。遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過すると当否判定用乱数が取得され、この乱数値が予め設定されていた当たり値に一致すると当たりと判定される。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、図柄表示装置31で停止表示される誘導図柄を決定するために用いられる。
さらに、RAM402には、発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするための球送りカウンタと、発射装置ユニットで発射された遊技球をカウントするための発射カウンタと、16連入球口24、左入球口26、右入球口27、第1役物作動口32、第2役物作動口33に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタとが設定されている。
次に、盤面中継基板210を図18に基づいて説明する。図18は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図18に示すように、盤面中継基板210には、左入球口スイッチ211、役物作動口スイッチ212aおよび212b、誘導増加装置作動領域スイッチ(以下、作動領域スイッチとも言う)214a、誘導増加装置非作動領域スイッチ(以下、非作動領域スイッチとも言う)214b、各種ソレノイド216、回転体用モータ217、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218が接続されている。
左右入球口スイッチ211aおよび211bは、左入球口26および右入球口27の内部にそれぞれ設けられ、遊技球の入球を検知するものである。役物作動口スイッチ212aおよび212bは、第1役物作動口32および第2役物作動口33の内部にそれぞれ設けられ、遊技球の入球を検知するものである。作動領域スイッチ214aおよび非作動領域スイッチ214bは、それぞれ誘導増加装置作動領域41a、誘導増加装置非作動領域41bへの遊技球の通過を検知するものである。また、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218は、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過したことを検出するものである。これらの遊技球検知スイッチや位置検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。
各種ソレノイド216としては、第1役物作動口32および第2役物作動口33をそれぞれ開閉するものがあり、開放ソレノイドと閉鎖ソレノイドとから構成されている。回転体用モータ217は、特別遊技装置36に設けられた後述する振り分け装置37を回転させるものである。
次に、遊技枠中継基板220を図19に基づいて説明する。図19は、遊技枠中継基板220に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板220は、主に中枠3に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図19に示すように、枠中継基板220には、発射球カウントスイッチ221、ファール球検出スイッチ222が接続されている。さらに枠中継基板220には、後述の球送り中継基板251を介して球送りカウントスイッチ254が接続されている。
発射球カウントスイッチ221は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。また、ファール球検出スイッチ222は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域21に到達しないで、下皿部6に戻ってきた遊技球を検知する。球送りカウントスイッチ254は、上皿部5から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントする。
B−2.払出制御部の構成 :
次に、払出制御部230の動作、すなわち払出動作について概要を説明する。前述した図16に示されているように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知する。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知する。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図17で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている0本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
払出制御部230を図20に基づいてさらに説明する。図20は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図20に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13およびCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の未接続が検知された場合には、払出制御部230はエラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。プリペイドカードユニット13の未接続エラーは、払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の接続が検知された場合に解除される。なお、プリペイドカードユニット13の未接続に関するエラー信号は、払出制御部230から主制御部200に送信されない。
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109fおよび払出センサ109j、109kが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241およびエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109j、109kは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
賞球表示LED基板241およびエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4gおよびエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示LED基板242は複数種類のLEDを備えており、エラーLED表示部4hは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーLED表示部4hは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
ここで、払出制御部230とプリペイドカードユニット13との問の信号について説明する。まず、遊技機1の電源が投入されると、払出制御部230はプリペイドカードユニット13に遊技機動作信号(PRDY信号)を出力する。また、プリペイドカードユニット13は、払出制御部230に電源信号(VL信号)を出力する。払出制御部230では、このVL信号の入力状態に基づいてプリペイドカードユニット13の接続あるいは未接続を判定する。
払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の未接続が検知された場合には、払出制御部230はエラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。プリペイドカードユニット13の未接続エラーは、払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の接続が検知された場合に解除される。なお、プリペイドカードユニット13の未接続に関するエラー信号は、払出制御部230から主制御部200には送信されない。
プリペイドカードユニット13にてプリペイドカードがセットされ、貸球ボタン237が操作されると、プリペイドカードユニット13は払出制御部230にカードユニットREADY信号(BRDY信号)を出力する。更に、この時点から所定の遅延時間経過後、プリペイドカードユニット13は払出制御部230に貸出要求信号(BRQ信号)を出力する。
そして、払出制御部230はプリペイドカードユニット13に出力する貸出完了信号(EXS信号)を立ち上げておき、上記貸出要求信号(BRQ信号)の立ち下がりを検出したら払出モータを作動させ、所定個数の貸球を遊技者に払い出す。払出制御部230は、貸球払出が完了したら、EXS信号を立ち下げ、その後、プリペイドカードユニット13からのBRDY信号の立ち下がりを検出したら、貸球払出制御を終了する。
本実施例の払出制御部230は、タンク球切れスイッチ232からの信号と払出センサ109j、109kからの信号とに基づいて、ケースレール106内の球詰まりを検出する。具体的には、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されない場合で、かつ、タンク球切れスイッチ232にて球切れが検出されない場合は、ケースレール108で球詰まりが発生していると判断される。一方、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されない場合で、かつ、タンク球切れスイッチ232にて球切れが検出された場合は、賞球タンク105で球切れが発生していると判断される。
払出センサ109j、109kでの球詰まり検知は以下のように行う。まず、払出センサ109j、109kにて遊技球を所定時間以上検知できない場合には、払出モータ109fを逆回転で数ステップ動作させた後、最低速にて正方向に回転させる。その後所定時間経過しても払出センサ109j、109kにて遊技球が検知できない場合には、払出制御部230はケースレール108で球詰まりエラーが発生したと判断し、賞球停止および貸球停止を行う。球詰まりエラーは、払出センサ109j、109kにて遊技球が検知された場合に解除される。なお、球詰まりに関するエラー信号は、払出制御部230から主制御剖200に送信される。
ケースレール108で球詰まりが発生していると判断された際、2個の払出センサ109j、109kの双方で遊技球が検出されない場合には、ケースレール108のすべての樋で球詰まりが発生し、遊技球の払い出しが不可能であると判断できる。一方、2個の牡出センサ109j、109kのいずれかのみで遊技球が検出されない場合には、ケースレール108内のいずれかの樋のみで球詰まりが発生しており、残りの樋では遊技球の払い出しが可能であると判断できる。
本実施例の遊技機1では、ケースレール108の球詰まりに対して複数段階のエラー状態を設定している。具体的には、複数のケースレール108のいずれかの樋のみで球詰まりが発生した場合を遊技球払出装置109を停止させない第1のエラー状態(軽度のエラー)とし、複数のケースレール108のすべての樋で球詰まりが発生した場合を遊技球払出装置109を停止させる第2のエラー状態(重度のエラー)としている。具体的には、第1のエラー状態となった場合、払出制御部230は、エラーLED表示部4hにてオレンジ色に点灯する第1のエラー報知を行って遊技場従業員に警告を報知し、遊技球払出装置109による遊技球の払い出しを継続する。これにより、エラー報知にて遊技場従業員に復旧を促すとともに、遊技場従業員が来るまでの間はケースレール108の球詰まりしていない樋により遊技球の払い出しを継続できる。一方、第2のエラー状態となった場合、払出制御部230は、エラーLED表示部4hを赤色に点灯する第2Cエラー報知を行って遊技場従業員に異常を報知し、遊技球払出装置109を停止させる。
払出センサ109j、109kにて遊技球が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合には、払出制御部230は遊技球払出装置109に異常が発生したと判断し、エラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、賞球停止および貸球停止を行う。払出装置異常エラーは、払出センサ109j、109kにて遊技球を所定時間(本例では1秒)以上検知されなかった場合に解除される。なお、遊技球払出装置109の異常に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
図21は、払出センサ109j、109kから出力される信号の流れを示している。図21に示すように、払出センサ109j、109kからの信号が払出制御部230に入力する。払出制御装置230では、払出センサ109j、109kからの信号に基づいて遊技球払出装置109における払出数を計数する。上述のように、遊技球払出装置109での払出数には賞球数と貸球数が含まれている。このうち賞球数は主制御部200にて計数する必要があるので、賞球数に関する信号のみが払出制御部230から主制御部200に送信される。
払出制御部230は、主制御部200からの賞球払出指令、あるいはプリペイドカードユニット13からの貸出要求信号(BRQ信号)に応じて、遊技球を払い出すように構成されている。したがって、払出制御部230では、現在払い出している遊技球が賞球用か貸球用なのかを判別可能である。そこで、払出センサ109j、109kからの信号が賞球数である場合には、払出制御部230から主制御部200に払出個数分のパルス信号を送信する。なお、主制御部200では貸球数を知る必要がないので、払出センサ109j、109kからの信号が貸球数の場合には、払出制御部230から主制御部200に信号を送信しない。
払出センサ109j、109kからの信号が賞球数である場合には、払出制御基板230aのCPUから主制御基板200aのCPU400のカウンタに、賞球数に対応するパルス信号をソフトウェアによって出力する。主制御部200のCPU400の読み取り動作は4ms毎に行われるので、払出制御部230からのパルス信号の出力間隔を主制御部200のCPU400の読み取り間隔より長く(4ms以上)する必要がある。本実施例では、払出制御部230から送信する1球毎のパルス信号の出力間隔を10msとしている。なお、本実施例の払出モータ109fは、4秒当たり160個の払出速度なので、1個払い出すのに25msを要する。
また、主制御部200のCPU400のカウンタに入力するように構成したことで、払出制御部230から主制御部200に送信するパルス信号にノイズが混じり、主制御部200が賞球数を誤検知するおそれがある。そこで、払出制御部230は、賞球数1個に対して複数のパルス信号を出力するように構成されている。本実施例の払出制御部230では、1球につき3パルス出力する。主制御部200にて4ms毎に払出制御部230から送信されるパルスを読み取った際、3パルスで1球とカウントする。
図22(a)〜(d)は、払出制御部230から主制御部200に送信されるパルス信号を示している。図22(a)に示すように、仮にノイズが1パルス分発生して合計4パルスになったとしても、1パルス分をノイズと判断して1球とカウントすることができる。尚、1球当たりのパルス数をさらに増加させることで、主制御部200における検出精度をより向上させることができる。すなわち、払い出しがなくノイズが3パルス分発生した場合には、主制御部200では1球と判断してしまうが、例えば1球当たりのパルス数をより多く設定すれば(例えば1球当たり10パルス)、このような誤検知を回避できる。また、主制御部200の読み取り間隔内で賞球パルス信号に加えてノイズが3パルス分発生した場合には合計6パルスとなり、2球と誤検知することが考えられる。しかしながら、上記のように払出制御部230から送信されるパルス信号の出力間隔は10msに設定されているので(図22(b)参照)、10ms当たり3パルス以上であっても、3パルスを超える分はノイズと判断して、1球しかカウントしない。
また、図22(c)に示すように、1球分の3パルスを送信している途中で主制御部200のCPU400がカウンタの値を読み込んだ場合、3未満であるので、パルス送信の途中であると判断して何もせず戻る。4ms後に再度カウンタの値を読み込んだ際に3以上であれば、1球と判断してカウンタをクリアする。
また、図22(d)に示すように、1回目のカウンタ値の読み込みが3未満であり、かつ、2回目の読み込みでも1回目の値と同じであれば、ノイズと判断してカウンタをクリアする。
主制御部200から払出制御部230に賞球コマンドが送信された後、所定時間経過しても払い出された賞球数が要求した賞球数に不足している場合、主制御部200から払出制御部230に賞球不足コマンドが送信される。この場合には、払出制御部230は賞球不足エラーとしてエラーLED表示部4hを赤色に点滅させ、遊技球払出装置109による遊技球の払い出し動作は継続する。賞球不足エラーは、賞球が終了しないと次のゲームに移行できないアレンジボール遊技機に特有のエラーであるため、他のエラーと区別してエラー報知を行う。具体的には、他のエラー発生時はエラーLED表示部4hを点灯させるのに対して、賞球不足エラー発生時にはエラーLED表示部4hを点滅させる。払い出された賞球数が要求した賞球数に達した場合に、主制御部200より賞球不足解除コマンドが払出制御部230に送信され、賞球不足エラーが解除される。
次に、主制御基板200aと払出制御基板230aを接続するコネクタの接続確認について図23に基づいて説明する。図23は、払出制御基板230aにおけるコネクタの接続確認を説明するための概念図である。主制御基板200aと払出制御基板230aとは、両端にコネクタ200e、230eを有するハーネスを介して接続されている。ハーネスの両端にはコネクタ(図示略)が設けられている。図23に示すように、主制御基板200aにはコネクタ受部200cが設けられ、払出制御基板230aには、コネクタ受部230cと負論理のAND回路230dとが設けられている。コネクタ受部200c、230cには、ハーネスの端部に設けられたハーネス側コネクタ200e、230eが挿入して接続される。ここで、コネクタ受部200c、230cの端子数が多いとコネクタ挿入時に斜め挿入が起こりやすくなる。この結果、接続されていない端子が生じて誤作動の原因となる。このような斜め挿入の場合、コネクタ受部200c、230cの両端の端子のいずれかが未接続となる。そこで、本実施例では、コネクタ受部230cの両端に設けられたピン(端子)を接続確認用の信号線として用いている。AND回路230dは、コネクタ受部230cの両端の接続確認用端子からの信号を負論理で入力し、それらの信号の論理積をとってCPU230bに信号を負論理で出力する。CPU230bはAND回路230dからの信号の入力状態によりコネクタの接続状態を判断する。
コネクタ受部230cの接続確認用端子からの信号は、ハーネスが接続された状態ではLowとし、ハーネスが接続されてない状態ではHighとしている。したがって、コネクタ受部230cの両端の接続確認用端子が両方とも接続されている場合にはAND回路230dの出力はLowとなり、一方でも接続されていない場合にはAND回路230dの出力はHighとなる。そして、AND回路230dの出力がHighの場合には、CPU230bは接続確認用端子の少なくとも一方が未接続であると判断する。この判断に基づいてCPU230bは、エラー表示部4hを赤色に点灯させ、接続エラー報知を行う。
本実施例のようにコネクタ230cの両端の端子を接続確認用の信号線とし、これらの信号を用いてAND回路230dで負論理の論理積をとることで、コネクタ230cの接続確認を払出制御部230において容易に行うことができ、主制御部200と払出制御部230との接続を確実にすることができる。この払出制御部230における接続確認は、例えば遊技機1を遊技店に設置するとき、電源投入時あるいは電源投入後であって遊技者が遊技を行っていない時等に行うことができる。
B−3.発射制御部の構成 :
次に、発射制御部250の動作、すなわち遊技球の発射動作について説明する。図24は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図24に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回転させたかどうかを示す発射スタートスイッチ10j(図5、図6参照)からの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力される。
上述のように、発射停止スイッチ8bはタッチスイッチ8aと直列的に接続されており、発射停止スイッチ8bのオン/オフはタッチ信号として出力される。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていて、かつ、発射停止スイッチ8bが押されていない場合に、タッチ信号がオンになる。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていないか、あるいは発射停止スイッチ8bを押した場合に、タッチ信号がオフになる。
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌10aを稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。本実施例では、発射モータ252の駆動パルス信号の周波数を固定値とし、発射モータ252の回転周期、すなわち1回転に要する時間を固定値(本例では500ms)としている。
球送り中継端子板253には、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド12a、球送りカウントスイッチ254が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ254からの信号は遊技枠中継基板220を介して主制御部200に送信される。
上記原点センサ251の信号は、発射制御部250を介して、払出制御部230に送信される。払出制御部230は、原点センサ251にて原点が検出された場合に、上記球送り許可信号を所定期間(本例では60ms)だけ許可状態(L出力)にするように構成されている。
図25は、発射制御部250の回路構成を示している。図25に示すように、発射制御部250には、払出制御部230から球送り許可信号および発射許可信号が入力し、発射ハンドル8からタッチ信号および発射スタート信号が入力する。さらに、発射制御部250には払出制御部230のCPUに設けられたクロック発生器(図示せず)からのクロック信号が入力する。また、発射制御部250は、3つのAND回路250a、250b、250c、フリップフロップ250d、分周回路250e、モータ駆動回路250fを備えている。
第1AND回路250aは、発射許可信号とフリップフロップ250dからの信号(発射条件成立信号)を入力とし、発射モータ252を駆動するモータ駆動回路250fに信号を出力する。第2AND回路250bは、球送り許可信号とフリップフロップ250dからの信号(発射条件成立信号)を入力とし、球送りソレノイド12aに信号を出力する。第3AND回路250cは、タッチ信号と発射スタート信号を入力とし、フリップフロップ250dに信号を出力する。分周回路250eは、所定のクロック周波数を分周して所望のパルス幅の基準クロック信号を生成し、この基準クロック信号をフリップフロップ250dに出力する。モータ駆動回路250fは、第1AND回路250aからの信号がHighになった場合に、発射モータ252に所定周波数のパルス信号を出力する。
発射許可信号は、発射許可時にはLow出力(オフ)であり、発射禁止時にはHigh出力(オン)であり、それぞれインバータにて反転された後、第1AND回路250aに入力する。したがって、第1AND回路250aに入力する発射許可信号は、発射許可時にはHighとなり、発射禁止時にはLowとなる。同様に、球送り許可信号は、球送り許可時にはLow出力(オフ)であり、球送り禁止時にはHigh出力(オン)であり、それぞれインバータにて反転された後、第2AND回路250bに入力する。したがって、第2AND回路250bに入力する球送り許可信号は、球送り許可時にはHighとなり、球送り禁止時にはLowとなる。
発射許可時および球送り許可時において、遊技者が発射ハンドル8を操作していない場合には、フリップフロップ250dの出力信号はLowなので、第1、第2AND回路250a、250bの出力信号もLowとなる。ここで、遊技者が発射ハンドル8に触れるとともに、所定角度以上回転させることで、タッチ信号および発射スタート信号がHighとなり、第3AND回路250cの出力がHighとなり、この信号がフリップフロップ250dに入力される。フリップフロップ250dでは、第3AND回路250cからの入力信号がHighとなった場合、次の基準クロック信号の立ち上がり(Low−High)で、第1、第2AND回路250a、250bへの出力信号がHighとなる。これにより、第1、第2AND回路250a、250bの出力信号がHighとなり、発射モータ252および球送りソレノイド12aが作動を開始する。
図26は、発射制御部250における球送り許可信号と基準クロック信号との関係を示すタイミングチャートである。上述のように原点センサ251による原点確認後、球送り許可信号が所定時間(60ms)だけイネーブル(Low)、すなわち発射許可状態となる。球送りソレノイド12aを確実に作動させるためには、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている間に基準クロック信号が立ち上がる必要がある。すなわち、上記分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅は、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている所定時間より短いことが必要である。
図26に示すように、本実施例では分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅を1msとしている。このように、分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅を、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている所定時間より短く設定することで、確実に球送り処理を行うことができ、確実に遊技球を発射することができる。また、基準クロック信号のパルス幅が小さい方が、発射許可信号がイネーブル(High−Low)になってから球送りソレノイド12aが作動開始するまでの間隔が短くなり、球送り処理を迅速に行うことができる。
B−4.音ランプ制御部の構成 :
次に、音ランプ制御部260を図27に基づいて説明する。図27は、音ランプ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部260に設けられた音ランプ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図27に示すように、音ランプ制御部260には、ランプインターフェース基板261を介して、16連入球口LED基板262、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が搭載されており、音ランプ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。
16連入球口LED基板262は、16連入球口24のいずれかに入球した際に、対応する16連入球口LED表示部25のLEDを点灯させるためのものである。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
さらに、音ランプ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御基板260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置31における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
B−5.図柄制御部の構成 :
次に、図柄制御部280を図28に基づいて説明する。図28は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図28に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置31を作動させる図柄表示装置基板281が接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして使用することにより、図柄表示装置31の表示制御を行う。また、図柄制御部280には、図示しない外部の試験装置を接続するための図示しない試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、誘導図柄用として使用されるものであり、図柄変動中信号などの信号を試験装置に送出することができる。
図29は、図柄制御に関するコマンドの流れを示すブロック図である。図29に示すように、図柄制御に関するコマンドには、共通コマンドと図柄制御コマンドとがある。共通コマンドは、図柄表示装置31で表示される図柄の表示制御コマンドを含んでおり、主制御部200から音ランプ制御部260に送信される。音ランプ制御部260は、共通コマンドを受け取ると、そのまま図柄制御部280に送信する。図柄制御コマンドは、音ランプ制御部260が主制御部200から受け取った共通コマンドに基づいて図柄制御部280に送信される。
B−6.遊技確認時間 :
電子制御装置に関する説明の最後に、遊技確認時間について説明しておく。図30は、遊技確認時間について説明するための説明図である。本実施例の遊技機1では、ゲームとゲームとの問に遊技確認時間(本例では16ms)が設けられている。図30は主制御部200から外部検査装置に出力される遊技中信号の出力タイミングチャートであり、図30(a)は電源投入時の状態を示し、また図30(b)は遊技中の状態を示している。
電源投入時には、図30(a)に示すように、電源投入から遊技の結果が得られるまで、主制御部200から外部の検査装置に遊技中であることを示す遊技中信号が試験信号端子から出力される。次回のゲーム以降は、図30(b)に示すように、遊技確認時間終了後から次のゲームの遊技の結果が得られるまで遊技中信号が出力される。この遊技中信号が出力されていない時間が遊技確認時間となる。この遊技確認時間により、外部検査装置側で1ゲームの開始および終了を明確に把握することが可能となる。
また、遊技確認時間は、前のゲームにおける所定個数(例えば15個)の遊技球すべてが複数の入球口(例えば、16連入球口24、第1役物作動口32、第2役物作動口33、左入球口26、誘導増加装置作動領域41a、排出口)へ入球・通過した後、後述の2秒間(一定時間)のインターバル時間の経過後または/および前述の0.5秒の入賞図柄確認時間の経過後において、遊技の結果が得られた際に設定される。このため、所定個数の遊技球の上記各入球口等への入球・通過以外に遊技機1に備えられた各遊技装置(例えば、遊技球払出装置109、役物誘導装置、誘導増加装置等)の作動・非作動状況をも明確化して1ゲームの区切りを完全に明確化できる。
また、本実施例の遊技機1では、1ゲームにおいて所定個数の遊技球すべての発射が行われた後、次のゲームに進む前に所定のインターバル時間(例えば2秒)が設けられている。主制御部200は、発射球カウントスイッチ221により15個すべての遊技球が発射されたことを検出すると、インターバル機能を開始する。主制御部200は、インターバル機能の開始により払出制御部230に発射禁止コマンドを送信する。これにより、払出制御部230から発射制御部250への発射許可信号がオフとなり、発射制御部250は発射モータ252の動作を禁止する。この結果、インターバル機能作動中は発射装置ユニット10が停止する。インターバル機能は作動を開始してから2秒後に停止し、インターバル時間が終了する。
C.遊技球発射制御の概要:
次に、図31〜図35を参照しながら、発射制御部250による遊技球の発射制御について説明する。
図31は、電源オン時における発射制御を示すタイミングチャートである。図31に示すように、電源オンにより、発射強制信号および発射許可信号がイネーブル(Low)となる。このとき、遊技者が発射ハンドル8を操作開始すると、タッチスイッチ8aからの信号がHighとなり、発射モータ252が回転して槌10aが振り出され、遊技球の球送り処理がされていない状態で空打ちを1回行う。そして、原点センサ251による原点確認後、球送り処理を行う。なお、電源投入時に発射位置に遊技球が予め存在している場合には、上記空打ちで遊技球を発射してしまうが、これは発射球としてカウントしない。
発射モータ252の原点は、上述のように槌10aの振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜200)だけ回転した位置と定められている。従って、本実施例のように電源投入後に一度だけ空打ちを行うことで、原点確認を行うことができ、確実な球送り処理を行うことができる。
具体的には、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動する。球送りソレノイド12aの作動終了とともに、発射強制信号をディセーブル(High)とする。遊技球は、球送りカウントスイッチ254を通過して発射装置ユニット10の発射位置(発射球カウントスイッチ221)に送られる。そして、発射モータ252の回転により槌10aが回転し、遊技球が発射される。上述のように本実施例では、発射モータ252が1回転するのに要する時間、すなわち遊技球の発射間隔(発射周期)を500msと設定している。したがって、1ゲームに15球の遊技球を発射するものとすれば、本実施例において1ゲーム終了に要する最短時間は、500ms×15発+インターバル時間(2秒)=9.5秒となる。
図32は、連続動作中における発射制御を示すタイミングチャートである。図32に示すように、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、発射モータ252が連続的に回転し、原点検出、球送り処理、遊技球発射が連続的に行われる。
図33は、発射を中断した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図33に示すように、遊技者が発射ハンドル8から手を離すとタッチセンサ信号がLowとなり、遊技球の発射後、次の原点が検出された時点で発射モータ作動信号がLowとなって発射モータ252が停止する。これにより、遊技球の発射が中断される。
図34は、発射を再開する場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図34に示すように、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動する。球送り許可信号の立ち下がりにより発射モータ252が作動開始し、遊技球発射が再開される。再開1球目の発射以降は、原点検出により球送り処理が行われる。
図35は、所定個数の遊技球を全て発射終了した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図35に示すように、遊技球の発射数が所定個数(例えば15個)に達した場合、原点が現れたところ、すなわち原点センサ信号の立ち下がりで発射許可信号をディセーブル(High)にする。これにより、遊技球の発射が終了する。
発射モータ252の動作後、所定時間経過しても原点センサ251にて原点が検知できない場合、あるいは、発射モータ252の動作後、所定時間以上原点センサ251による原点の検知が続いた場合には、払出制御部230は発射装置ユニット10で異常が発生したと判断し、エラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。発射装置ユニット10の異常エラーは、原点センサ251にて原点が検知できない場合には原点が検知できたとき、原点センサ251にて原点を検知し続けた場合には原点を検知しなくなったときに解除される。なお、発射装置ユニット10の異常に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
D.パチンコ機全体の制御の概要 :
D−1.メインジョブの概要 :
次に、本実施例の遊技機1の制御の概要について、図36〜図48のフローチャートに基づいて説明する。図36は、主制御部200のROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図36に示すメインジョブは、電源投入処理Sl00を実行した後、遊技開始処理S200、ゲーム管理処理S300、入賞図柄処理S400、役物処理S500、得点増加装置処理S600、誘導増加装置処理S700、誘導図柄および役物誘導装置処理S800の各ステップが、タイマによって割込が発生する毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、タイマが発生する割込周期は4msに設定されている。
D−2.電源投入処理 :
電源投入処理S100を図37のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S101)。具体的には、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可する。次に、RAMクリアスイッチが押されている場合、あるいは、RAMにバックアップフラグ(電源断の発生情報)が設定されていない場合には、電源投入時と判定してRAM初期化処理を行い、その後リターンする(S102、S103、S104)。RAM初期化処理としては、CPU周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、RAMの全領域を0クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
一方、RAMにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したRAMの内容からチェックサムを算出して(Sl05)、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する(Sl06)。これらのチェックサムが一致しない場合にはRAMの内容が壊れていると判定し、上記Sl04のRAM初期化処理を行う。一方、RAMの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う(S107)。まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
D−3.遊技開始処理 :
次に、遊技開始処理S200を図38のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する(S202)。次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。具体的には、上述のRAMに設定された乱数カウンタの値を、初期値(例えば0)から所定値(例えば255)の間で1ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
次に、S204〜S212の賞球制御を行う。まず、16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口をチェックし、遊技球が16連入球口24に入球して入賞となる組合せが得られた場合には、該当する得点情報をRAMに保存する(S204、S205)。次に、ケースレール球切れスイッチ108および下受け皿満タンスイッチ224により、球切れまたは満タン状態を判定する(S206)。
球切れ又は満タン状態で賞球停止状態でない場合には、払出制御部230に払出不可指定コマンドを送信する(S207、S208)。球切れまたは満タン状態でなく賞球停止状態の場合には、払出制御部230に払出可指定コマンドを送信する(S209、S210)。保存した得点情報がある場合には、払出制御部230に得点に応じた賞球コマンドを送信する(S211、S212)。
D−4.ゲーム管理処理 :
次に、ゲーム管理処理S300を図39のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム開始フラグによりゲーム開始時か否かを判定する(S301)。この結果、ゲーム開始時であると判定された場合は、ゲーム開始時の設定処理を行う(S302)。ゲーム開始時の設定処理では、ゲームを行うにあたって必要な各種のフラグを確認したり、あるいはフラグやタイマを設定する処理を行う。
一方、ゲーム開始時でない場合には、まず、球送りカウントスイッチ254により球送りの監視を行う(S303)。球送りカウントスイッチ254がオンの場合には、球送りカウンタを1加算する。球送りカウンタが15以上になった場合には、払出制御部230に球送り禁止コマンドを送信し、球送りを終了する。次に、発射球カウントスイッチ222により発射球の監視を行う(S304)。発射球カウントスイッチ222がオンの場合には、発射カウンタを1加算する。発射カウンタが所定数(例えば15)以上になった場合には、払出制御部230に発射禁止コマンドを送信して、全ての遊技球を発射完了とする。次に、ファール球検出スイッチ223によりファール球の監視を行う(S305)。具体的には、ファール球検出スイッチ223がオンの場合には、球送りカウンタおよび発射カウンタを1減算する。次に、16連入球口スイッチ204により入球の監視を行う(S306)。16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口をチェックし、遊技球が16連入球口24に入球した場合には入球カウンタを1加算し、入球カウンタが所定数(例えば15)以上となった場合には全ての遊技球の入球が完了とする。
次に、S307〜S314のゲーム終了チェック処理を行う。まず、遊技の結果が得られたか否か、すなわち1ゲームが終了したか否かを判定する。遊技の結果は、以下のすべての要件を満たしている場合に得られる。すなわち、発射カウンタにより全ての遊技球が発射と判定され(S307)、インターバル時間が経過したと判定され(S308)、入球カウンタにより全ての遊技球が入球したと判定され(S309)、入賞図柄確認時間が経過したと判定され(S310)、図柄表示装置31の誘導図柄変動が終了したと判定され(S311)、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは排出口を通過したと判定され(S312)、獲得遊技球(賞球)の払出が完了したと判定された(S313)場合には、遊技の結果が得られたと判定できる。この結果、遊技の結果が得られた、すなわち1ゲームが終了したと判定された場合には、ゲーム終了処理としてゲーム終了フラグを1にして、リターンする(S314)。上記要件のいずれかを満たさないと判定された場合には、そのままリターンする。なお、ゲーム終了フラグが1に設定されると遊技の結果が得られ、図33で示した遊技中信号が16msの間オフとなる。したがって、遊技確認時間が設定され、その時間の経過後、次のゲームが開始可能となる。
D−5.入賞図柄処理 :
次に、入賞図柄処理S400を図40のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する(S401)。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、遊技終了時の設定として、図柄制御部280に入賞図柄消灯コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED消灯コマンドを送信する〈S401、S402)。その後リターンする。これにより、16連入賞口LED表示部25のLEDが消灯する。
一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、遊技中であるか否か判定し(S403)、入球カウンタにより全ての遊技球の入球が完了したか否か判定し(S404)、16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口に入球があったか否か判定する(S405)。この結果、遊技中であって全遊技球が入球完了する前に入球口に入球があった場合には、図柄制御部280に各入球口に対応した入賞図柄表示コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED表示コマンドを送信し、リターンする(S406)。それ以外の場合はそのままリターンする。これにより、対応する16連入賞口LED表示部25のLEDが点灯する。
D−6.役物遊技処理 :
次に、役物遊技処理S500を図41のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否か判定する(S501)。この結果、遊技中でない場合にはそのままリターンする。一方、遊技中である場合には、S502〜S507の第1役物処理を行う。まず、第1役物が作動中であるか否か判定する(S502)。この結果、第1役物が作動中でないと判定された場合には、第1役物作動処理を行う(S503、S504、S505)。具体的には、全ての遊技球が入球したか否かを入球カウンタによって判定し、役物作動口スイッチ212aにより第1役物作動口32に入球があったか否かを判定する。この結果、全遊技球の入球が完了していない状態で、第1役物作動口32に入球があった場合には、第1役物の作動を開始し、後述の第2役物処理に移る。それ以外の場合には、そのまま第2役物処理に移る。第1役物の作動により、12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示される。一方、第1役物が作動中と判定された場合には、第1役物作動終了処理を行う(S506、S507)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第1役物の作動を終了して第2役物処理に移る。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのまま第2役物処理に移る。
次に、S508〜S513の第2役物処理を行う。まず、第2役物が作動中であるか否か判定する(S508)。この結果、第2役物が作動中でないと判定された場合には、全ての遊技球が入球したか否か、更に遊技球が第2役物作動口に入球したか否かを判断する(S509、S510)。全遊技球の入球が完了しているか否かは、入球カウンタの値によって判定することができる。また、遊技球が第2役物作動口33に入球したか否かについては、役物作動口スイッチ212bにより検出することができる。そして、全ての遊技球の入球が完了した場合や(S509:yes)、第2役物作動口に入球していない場合は(S510:no)、そのまま役物遊技処理を終了して、図36に示したメインジョブに復帰する。
一方、全ての遊技球の入球が完了していないと判断され(S509:no)、更に、遊技球が第2役物作動口に入球したと判断された場合は(S510:yes)、第2役物の作動を開始する(S520)。そして、第2役物が作動すると、11番、13番、14番、15番の入球口に入球したことと同様の効果が発生し、対応する入賞図柄が点灯表示される。一方、第2役物が作動中と判定された場合には、第2役物作動終了処理を行う(S512、S513)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否かを判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第2役物の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていない場合には、そのままリターンする。
D−7.得点増加装置処理 :
次に、図42のフローチャートに基づいて、得点増加装置処理S600について説明する。まず、遊技中か否か判定し、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする(S601)。一方、遊技中と判定された場合には、得点増加装置が作動中か否か判定する(S602)。この結果、得点増加装置が作動中でないと判定された場合には、得点増加装置作動処理を行う(S603〜S605)。具体的には、所定数の遊技球が全て入球したか否かを、入球カウンタによって判定し(S603)、続いて16連入球口検知スイッチ204により16番の入賞図柄に対応する入球口(得点増加装置作動口)24aに入球があったか否かを判定する。この結果、全ての遊技球が入球していない状態で、16番の入球口24aに入球したと判定された場合には、得点増加装置の作動を開始し、リターンする。それ以外の場合にはそのままリターンする。
一方、得点増加装置が作動中であると判定された場合には(S602:yes)、得点増加装置作動終了処理を行う(S606〜S608)。具体的には、遊技の結果が得られたか否かを、ゲーム終了フラグによって判定する(S606)。遊技の結果が得られていなければ(S606:no)、そのまま得点増加装置処理を終了して、図36に示したメインジョブに復帰する。
一方、遊技の結果が得られている場合は(S606:yes)、そのゲームにおいて得点が成立したか否かを判断する(S607)。そして、得点が成立している場合は(S607:yes)、得点増加装置の作動を停止させた後(S608)、図42に示す得点増加装置処理を終了する。これに対して、得点が成立していない場合は(S607:no)、直ちに得点増加装置処理を終了する。すなわち、得点増加装置が作動しているにも関わらず(S602:yes)、そのゲームで得点が成立しなかった場合は(S606:yes、且つ、S607:no)、得点増加装置を作動させたまま、得点増加装置処理を終了することになる。換言すれば、本実施例では、通常の場合すなわち得点が成立していれば、ゲームの終了時点では得点増加装置が停止されるのに対し、得点増加装置が作動したにも関わらず得点が成立しなかった場合にだけ、得点増加装置が作動したままゲームが終了することになる。
D−8.誘導増加装置処理 :
次に、誘導増加装置処理S700を図43のフローチャートに基づいて説明する。誘導増加装置処理を開始すると、先ず初めに、遊技中か否かを判定する(S708)。そして、遊技中でないと判定された場合には(S708:no)、そのまま誘導増加装置処理を終了して、図36に示したメインジョブに復帰する。
一方、遊技中と判定された場合には(S708:yes)、誘導増加装置(ここでは特別遊技装置36に該当)が作動しているか否かを判定する(S710)。この結果、誘導増加装置が作動していないと判定された場合には、後述する振り分け演出処理を行った後(S7000)、作動領域スイッチ214により遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したか否かを判定する(S712)。そして、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したと判定された場合には(S712:yes)、誘導増加装置を作動させた後(S714)、誘導増加装置処理を終了して図36に示したメインジョブに復帰する。一方、S712において遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過していないと判定された場合は(S712:no)、誘導増加装置を作動させることなく、そのまま処理を抜けて図36のメインジョブに復帰する。
こうして誘導増加装置が作動すると、役物誘導装置作動ゲート30が有効となり、特別遊技状態が開始される。そして、ゲートの有効期間に遊技球が役物誘導装置作動ゲート30を通過すると、第2役物誘導装置が作動して第2役物作動口33が開放されることになる。また、詳細な処理内容は後述するが、誘導増加装置が作動している間は、第1役物誘導装置が作動する確率、すなわち第1役物作動口32が開放する確率を増加させる。具体的には、第1役物作動口32が開放する確率を「1/1」に増加させる。これにより、特別遊技状態が開始されてから特定回数経過した時点で誘導図柄を変動停止表示させることにより、特別遊技終了後に行われる最初の単位遊技で、第1役物作動口32を開放させておくことができる。
このようにして開始された特別遊技状態は、所定回数の単位遊技(ここでは14ゲーム)だけ繰り返されるが、この繰り返しの途中で、遊技球が重ねて誘導増加装置作動領域41aを通過すると、その時点で特別遊技状態が終了してしまう。このような状態は、パンク状態と呼ばれる。このような動作を行うことに対応して、S710において誘導増加装置が作動中と判断された場合、すなわち遊技球が既に誘導増加装置作動領域41aを通過している場合は(S710:yes)、重ねて遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したか否かを判断する(S716)。具体的には、作動領域スイッチ214を用いて、遊技球が再び誘導増加装置作動領域41aを通過したか否かを検出する。
そして、作動領域41aを遊技球が通過していないと判断された場合は(S716:no)、特別遊技状態の開始から14ゲーム分を終了したか否かを判断する(S718)。未だ、14ゲームが終了していなければ(S718:no)、そのまま誘導増加装置処理を終了して図36のメインジョブに復帰するが、14ゲームが終了したと判断された場合は、特別遊技状態を終了させるべく、誘導増加装置の作動を停止する(S720)。誘導増加装置の作動が停止されると、役物誘導装置作動ゲート30も無効になる。
一方、特別遊技状態の途中で、遊技球が重ねて誘導増加装置作動領域41aを通過したと判断された場合は(S716:yes)、パンク状態が発生したことを報知した後(S722)、誘導増加装置の作動を停止させる。パンクの報知は、例えば図柄表示装置31に設けられた所定のLEDを点灯させることによって行うことができる。パンクになると、14ゲーム経過する前に特別遊技状態が終了してしまうが、パンク状態が発生したことを遊技者に報知しておけば、特別遊技状態が突然終了したことに対して、遊技者が不満を訴えたり、機械の故障を訴えることがない。その結果、パンクしたことに起因して、遊技者と遊技場従業員とのトラブルが発生することを回避することができ、遊技の健全性を高めることが可能となる。
D−9.誘導図柄および役物誘導装置処理 :
次に、誘導図柄および役物誘導装置処理S800を、図44のフローチャートに基づいて説明する。まず、第1役物誘導装置が作動しているか否か判定する(S801)。この結果、第1役物誘導装置が作動中であると判定された場合には(S801:yes)、後述のS816〜S818で示す役物誘導装置終了処理を行う。一方、第1役物誘導装置が作動中でないと判定された場合には(S801:no)、誘導図柄が変動中か否か判定する(S802)。この結果、誘導図柄が変動中であると判定された場合は(S802:yes)、後述のS809で示す変動時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄が変動中でないと判定された場合には(S802:no)、誘導図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S803)。この結果、誘導図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S803:yes)、後述のS811で示す停止表示時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S803:no)、誘導図柄作動ゲートスイッチ201により遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したか否かを判定する(S804)。この結果、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過していないと判定された場合は(S804:no)、そのままリターンする。一方、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したと判定された場合は(S804:yes)、誘導図柄当否判定を行う(S805)。
ここで、誘導図柄当否判定処理(図44のS805)を図46のフローチャートに基づいて説明する。誘導図柄当否判定処理では、先ず初めに、当否判定用乱数の値が当たり値か否かを判断する(S8051)。ここで、当否判定用乱数の値は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで、乱数カウンタから予め取得されている。そして、当否判定用乱数の値が当たり値と一致していると判断された場合は(S8051:yes)、図柄表示装置31に停止表示される誘導図柄を、当り用の停止図柄に設定した後(S8053)、当り予定フラグをセットする(S8055)。
また、S8051において当否判定用乱数の値が当たりでないと判断された場合は(S8051:no)、図柄表示装置31に表示される誘導図柄を外れ停止図柄に設定する(S8057)。尚、これらの当たり停止図柄および外れ停止図柄は、本図柄表示部31aに表示される本図柄と、疑似図柄表示部31bに表示される疑似図柄とについて設定される。当否判定用乱数の値が当たりでなかった場合は、こうして外れ図柄を一旦は設定した後、誘導増加装置が作動中か否かを判断する(S8058)。そして、誘導増加装置が作動中であると判断された場合は(S8058:yes)、当たり停止図柄を設定した後(S8053)、当たり予定フラグのセットを行う(S8055)。すなわち、誘導増加装置作動中は、例え、当否判定用乱数が当たり値と一致していない場合でも、常に図柄表示装置31の誘導図柄は当たり図柄で停止表示され、後述する第1役物誘導装置処理により第1役物作動口32が開放されることになる。つまり、誘導増加装置作動中に遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した場合は、当否判定の結果に関係なく、1/1の確率で第1役物誘導装置が作動して、第1役物作動口32が開放されることになる。尚、本実施例では、外れ停止図柄の設定後(S8057)、誘導増加装置作動中の場合(S8058:yes)には、当たり停止図柄の設定(S8053)および当たり予定フラグのセット(S8054)をしているが、当たり停止図柄を設定せずに大当たり予定フラグをセットしても良い。この場合、誘導増加装置作動中に限り、図柄表示装置31に外れ図柄が停止表示されても、後述する第1役物誘導装置処理により第1役物作動口32が開放されることになる。また、S8058の処理で誘導増加装置作動中と判定された後に当たり停止図柄を設定する際には、本図柄はS8057の処理で設定された外れ停止図柄のままとしておき、疑似図柄のみ当たり停止図柄を設定しても良い。
一方、S8058において、誘導増加装置が作動中ではないと判断された場合は(S8058:no)、図46に示した誘導図柄当否判定処理を抜けて、図44に示した誘導図柄および役物誘導増加装置処理に復帰する。
誘導図柄および役物誘導装置処理では、誘導図柄当否判定処理から復帰すると、図柄表示装置31に表示される誘導図柄の変動時間設定および変動パターンの設定を行い(図44のS806)、図柄制御部280に所定の図柄制御コマンドを送信し、誘導図柄の変動を開始する(S807)。なお、誘導図柄の変動時間は状況に応じて適切な値に設定することができるが、本実施例では、1.5秒前後の値に設定されている。次に、誘導図柄変動時間が経過したか否かの判定を行う(S808)。この結果、誘導図柄変動時間が経過していないと判定された場合にはそのままリターンする。一方、誘導図柄変動時間が経過していると判定された場合には、誘導図柄を停止させ(S809)、誘導図柄停止表示時間(本例では0.5秒)を設定する(S810)。
次に、誘導図柄停止表示時間が経過したか否かの判定を行う(S811)。この結果、誘導図柄停止表示時間が経過していないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄停止表示時間が経過していると判定された場合には、誘導図柄が当たりか否かを判定する(S812)。この結果、誘導図柄が当たりでないと判定された場合には(S812:no)、そのままリターンする。一方、誘導図柄が当たりと判定された場合には(S812:yes)、第1役物誘導装置の作動を開始する(S813)。第1役物誘導装置が作動を開始すると、特定入球口である第1役物作動口32が開放状態となる。
次に、図47のフローチャートに示すガイド処理を行う(S814)。ここでは、特別遊技状熊終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放したままの状態となるように、遊技者に狙い所をガイドし、それにより、連続した特別遊技状態の発生(いわゆる連荘)の確率を高くするものである。
まず、誘導増加装置が作動しているか否かを判定し(S8141)、誘導増加装置が作動していない場合には、そのままリターンする。一方、S8141で誘導増加装置が作動していると判定された場合には、誘導増加装置の作動開始から12ゲームが終了したか否かの判定を行う(S8142)。この結果、12ゲームが終了していないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、12ゲームが終了したと判定された場合には、第1役物作動口32が閉鎖しているか否かを判定し(S8143)、第1役物作動口32が閉鎖している場合には、図柄制御部280に図柄制御コマンドを送信して、左打ちを行うようにガイドする(S8144)。図柄表示装置31には、図示しないガイド表示部が設けられており、遊技者に対して左打ちあるいは右打ちのガイドを行うことが可能となっている。左打ちにより遊技球を誘導図柄作動ゲート29に通過させると、図柄表示装置31において誘導図柄変動が開始される。尚、この場合は誘導増加装置が作動中であるため、図46に示すように誘導図柄の当否判定の結果に関わらず、誘導図柄は常に当たり図柄で停止表示され、第1役物作動口32が開放される。
左打ちをガイドした後、誘導図柄が当たりか否かを判定する(S8145)。この結果、誘導図柄が当たりでないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄が当たりと判定された場合には、図柄制御部280に図柄制御コマンドを送信し、図柄表示装置31のガイド表示部にて右打ちをするようにガイドする(S8147)。また、S8143にて第1役物作動口32が閉鎖していない(開放されている)と判定された場合も、右打ちをする旨のガイドを図柄表示装置31のガイド表示部にて行う(S8147)。なお、S8144で左打ちをガイドした後に誘導図柄が当たりになった場合、誘導図柄が当たりと判定されてから所定時間(例えば、4秒)経過後に、第1役物作動口32を開放させるようになっている。
このように、図柄表示装置31のガイド表示部にて、誘導増加装置の作動開始に関する情報として右打ちをするようにガイドすることにより、第1役物作動口32への入球を回避しつつ、役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを遊技者に狙わせることができる。そして、図柄表示装置31のガイド表示部にて右打ちをするようにガイドして、第1役物作動口32への入球を回避させることにより、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放した状態にすることができ、このとき、遊技球を第1役物作動口32に入球させ、この遊技球が特定の領域(誘導増加装置作動領域41a)を通過すれば、特別遊技状態を再度発生させることができる。したがって、連荘に対する遊技者の期待感を格段に高めて、興趣を向上させることができる。
また、誘導増加装置の作動開始から12ゲームが終了した時点で、図柄表示装置31のガイド表示部にて左打ちをガイドすることにより、仮に13ゲーム目で遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過しなかった場合でも、14ゲーム目で遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過すれば、誘導図柄が当たり停止表示され、第1役物作動口32が開放される。したがって、13ゲームが終了した時点で左打ちをガイドする場合よりも高い確率で、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放した状態にすることができる。
次に、図44に戻り、上記S801で第1役物誘導装置が作動中と判定された場合には、役物誘導装置終了処理を行う(S816、S817、S818)。具体的には、第1役物作動口32に入球したか否かを判定し、遊技の結果が3回得られたか否かを判定する。この結果、第1役物作動口32に入球したか、あるいは遊技の結果が3回得られたと判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を停止する。これにより、第1役物作動口32が閉鎖する。一方、いずれかの条件を満たさない場合には、そのままリターンする。
D−10.電源断発生処理 :
次に、電源断発生処理S900を図48のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
まず、使用レジスタをRAMに退避し、スタックポインタの値を保存する(S901、S902)。次に、遊技球払出装置の賞球残数を確認するために、払出センサ109j、109kの監視を所定時間(本例では84ms)行い、第1役物作動口32および第2役物作動口33の役物作動口スイッチ212aおよび212bを通過する遊技球の監視を所定時間(本例では84ms)行う(S903、S904)。次に、チェックサムを算出して保存し、バックアップフラグをセットする(S905、S906)。次に、RAMへのアクセスを禁止し、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行う(S907)。RAMデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理S100に移る。
E.第1実施例の特別遊技装置 :
以上に説明した第1実施例の遊技機1では、特別遊技装置36はコンパクトな構成となっている。このため、盤面上に広い遊技領域を確保することが可能になるとともに、遊技盤面の構成自由度を大きく向上させることができるので、斬新な盤面を構成することが可能となる。例えば、図8に示したように、遊技盤面の中央部分の広い領域に図柄表示装置31を搭載することも可能である。もちろん、前述したように、いわゆる組合せ式遊技機では、特定入球口である第1役物作動口32に入球した遊技球が、誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bのいずれに振り分けられるかが、遊技者にとっての大きな関心事であることから、遊技球の振り分けを効果的に演出可能なことは重要である。本実施例の遊技機1では、特別遊技装置36がコンパクトに構成されているにも関わらず、遊技球の振り分けを効果的に演出して遊技者の興趣を向上させることも可能となっている。以下では、こうしたことを可能とするための第1実施例の特別遊技装置36の構成について説明する。
E−1.特別遊技装置の構造 :
図49は、第1実施例の特別遊技装置36の外観形状を示す斜視図である。本実施例の特別遊技装置36は、略箱形状をした一体のケース36vを備えており、前面側には特定入球口としての第1役物作動口32が取り付けられている。また、特別遊技装置36の下部前面側には、遊技球の出口窓が2つ設けられている。後述するように、特別遊技装置36のケース36vの内部には振り分け装置が設けられており、遊技球が第1役物作動口32に入球すると、振り分け装置によって、いずれかの出口窓に振り分けられる。特別遊技装置36の背面側には振り分け装置を駆動するための駆動モータ36mが取り付けられている。このように振り分け装置はケース36vの内部に設けられているので、遊技者は、振り分け装置を直接には目視することができない。
特別遊技装置36の2つの出口窓は、右側の出口窓が誘導増加装置作動領域41aの上方に開口し、左側の出口窓が誘導増加装置非作動領域41bの上方に開口している。このため、右側の出口窓に振り分けられた遊技球は誘導増加装置作動領域41aに落下し、左側の出口窓に振り分けられた遊技球は誘導増加装置非作動領域41bに落下する。ここで、誘導増加装置作動領域41aへと落下した遊技球は作動領域スイッチ214aを通過して、誘導増加装置作動領域41aに遊技球が振り分けられたことが作動領域スイッチ214aに検出されるようになっている。また、誘導増加装置非作動領域41bへと落下した遊技球は非作動領域スイッチ214bを通過して、誘導増加装置非作動領域41bに遊技球が振り分けられたことが非作動領域スイッチ214bに検出されるようになっている。
図50は、特別遊技装置36の内部に設けられた主要な構成部品を概念的に示した斜視図である。図示されているように、特別遊技装置36の内部には、第1役物作動口32に続けて設けられた振り分け装置37と、振り分け装置37の背面側に設けられた2本の遊技球通路38a,38bなどが設けられている。遊技球通路38aは、誘導増加装置作動領域41a側の出口窓に接続されており、遊技球通路38bは、誘導増加装置非作動領域41b側の出口窓に接続されている。第1役物作動口32に入球した遊技球は、図示しない役物作動口スイッチ212aを通って振り分け装置37に導かれ、振り分け装置37によって、2本の遊技球通路38a,38bのいずれかに振り分けられる。振り分け装置37の動作については後述する。
図51は、特別遊技装置36の主要部品、および特定入球口としての第1役物作動口32の分解斜視図である。第1役物作動口32には、一対の可動片32wが設けられており、第1役物誘導装置が作動すると可動片32wが外側に向かって回転することにより、第1役物作動口32が開放状態となる。振り分け装置37は、略円板形状の回転体によって構成されており、外周面の2ヶ所には、遊技球がちょうど入る大きさの2つの切り欠き部37a,37bが設けられている。また、第1役物作動口32と振り分け装置37との間には、第1役物作動口32に入球した遊技球を検出する第1役物作動口スイッチ212aが設けられている。振り分け装置37に設けられた切り欠き部37a,37bのうちで、一方の切り欠き部37aは比較的浅く形成されているが、もう一方の切り欠き部37bは、外周面から円板の中心に向かって深く切り欠かれた形状となっている。振り分け装置37は、中心部分が駆動モータ36mに接続されており、遊技中はゆっくりと回転している。
振り分け装置37の背面側には、2本の遊技球通路38a,38bが設けられている。2つの遊技球通路の入り口は、振り分け装置37の回転中心から半径方向に向かって異なる位置に設けられており、振り分け装置37が回転すると、遊技球通路38aの入り口部分には深い方の切り欠き部37aが、また、遊技球通路38bの入り口部分には浅い方の切り欠き部37bが、それぞれ一致するようになっている。前述したように遊技球通路38a,38bの出口側は、それぞれ誘導増加装置作動領域41a,誘導増加装置非作動領域41bに接続されており、通路の中間位置には後述する遊技球停留部38c,38dが設けられている。尚、この遊技球停留部38cが本発明の作動領域停留手段に相当し、遊技球停留部38dが本発明の非作動領域停留手段に相当している。
次に、振り分け装置37が遊技球を振り分ける動作について説明する。図52は、第1役物作動口32に入球した遊技球が振り分け装置37によって、誘導増加装置非作動領域41bに振り分けられる様子を概念的に示した説明図である。第1役物作動口32の内部は、振り分け装置37の外周面上に接続されており、入球した遊技球は、振り分け装置37の外周面上に導かれるようになっている。図52(a)は、第1役物作動口32に遊技球が入球した様子を示している。振り分け装置37は、駆動モータ36mによって回転しており、外周面に遊技球を載せたまま、遊技機1の前面側から見て時計方向にゆっくりと回転していく。図52(b)は、外周面の遊技球を載せたまま振り分け装置37が回転して行く様子を概念的に示している。
振り分け装置37が回転して、切り欠き部37bが遊技球の位置に到達すると、外周面に留まっていた遊技球は切り欠き部37bに収容され、そのまま切り欠き部37bとともに移動する。図52(c)は、第1役物作動口32から入球した遊技球が、切り欠き部37bに収納された状態で、振り分け装置37の回転とともに移動する様子を概念的に示している。図51を用いて前述したように、浅い方の切り欠き部37bの移動経路上には、遊技球通路38bの入り口が開口しており、切り欠き部37bに収容されたまま通路の入り口まで移動した遊技球は、通路入り口から遊技球通路38bを通って、誘導増加装置非作動領域41bに導かれる。図52(d)は、遊技球が遊技球通路38bを通って、遊技盤面に設けられた誘導増加装置非作動領域41bに導かれる様子を概念的に示している。図中に示した太い破線の矢印は、遊技球通路38bの中を移動する遊技球の経路を概念的に示したものである。
尚、図50および図51に示されているように、浅い方の切り欠き部37bは、深い方の切り欠き部37aよりも、回転方向前方側に設けられている。このため、第1役物作動口32の入球時に浅い切り欠き部38bの前方に落下した遊技球は、図52に示したように、必ず遊技球通路38bを通って誘導増加装置非作動領域41bに導かれることになる。
次に、図53を参照しながら、遊技球が誘導増加装置作動領域41aに振り分けられる場合について説明する。図53(a)は、第1役物作動口32に入球した遊技球が、2つの切り欠き部37b、37aの外周面に落下した様子を示している。振り分け装置37が回転すると、遊技球は振り分け装置37の外周面から深い方の切り欠き部37aに落ち込んで、切り欠き部37aに収容されたまま移動する。図53(b)は、第1役物作動口32から入球した遊技球が、切り欠き部37aに収納された状態で、振り分け装置37の回転とともに移動する様子を概念的に示している。そして、やがて遊技球が、遊技球通路38aの入り口が開口している箇所まで移動すると、遊技球通路38aに進入し、通路内を転がって、誘導増加装置作動領域41aに導かれる。図53(c)は、誘導増加装置作動領域41aに導かれる様子を概念的に示している。図中に示した太い破線の矢印は、遊技球通路38aの中を移動する遊技球の経路を概念的に示したものである。
このように、第1役物作動口32に入球した遊技球が、回転方向前方にある浅い方の切り欠き部37bと、後方にある深い方の切り欠き部37aとの間の外周面に落下した場合にだけ、遊技球が誘導増加装置作動領域41aに振り分けられる。他の場合、すなわち、遊技球が第1役物作動口32に入球して浅い方の切り欠き部37bの前方側に落ちた場合、あるいは深い方の切り欠き部37aの後方側に落ちた場合は、遊技球は必ず遊技球通路38bを通って、誘導増加装置非作動領域41bに振り分けられることになる。尚、遊技球が誘導増加装置作動領域41aに振り分けられる確率は、射幸性が著しく高くならないように「1/3」を越えないようにする必要がある。そこで、本実施例では、振り分け装置37(回転体)の外周90°の範囲に2つの切り欠き部37a,37bが位置するようにして、遊技球が誘導増加装置作動領域41aに振り分けられる確率を、1/4(=90°/360°)となるようにしている。
また、図51に示したように、遊技球通路38a、38bには、それぞれ遊技球停留部38c,38dが設けられている。以下では、これら遊技球停留部38c,38dの構成について説明する。図54は、遊技球通路38aに設けられた遊技球停留部38cの断面構造を概念的に示した説明図である。尚、遊技球通路38bに設けられた遊技球停留部38dも同様の構造をしているため、図54にまとめて示している。説明が煩雑となることを避けるため、以下では専ら、遊技球停留部38cについて説明する。
図54に示されているように、遊技球停留部38cの内部には、遊技球を検知する遊技球センサ38eと、ストッパ38gと、ストッパ38gを駆動するアクチュエータ38iなどが設けられている。ストッパ38gは、通常時には遊技球通路38aの通路内に突出した状態となっている。従って、振り分け装置37で振り分けられて、遊技球通路38aを通過する遊技球は、遊技球センサ38eで検知された後、ストッパ38gに遮られて遊技球通路38aの内部で停留する。そして、主制御基板200aによってアクチュエータ38iが駆動され、ストッパ38gが引き込まれて通路が開放されると、ストッパ38gの上部に停留していた遊技球が、通路内を落下して誘導増加装置作動領域41aへと導かれていく。尚、74遊技球センサ38eが本発明の作動領域通過検出手段に相当し、遊技球センサ38fが本発明の非作動領域通過検出手段に相当する。
E−2.振り分け演出処理 :
以上に説明したように、本実施例の特別遊技装置36は、第1役物作動口32と、振り分け装置37と、遊技球通路38a,38bを主要部品とした簡素な構成となっている。しかし、遊技球が第1役物作動口32に入球すると、次のような振り分け演出を行うために、特別遊技装置36が簡素な構成であるにも関わらず、遊技球の振り分けを効果的に演出することが可能となっている。
図55は、図43に示した誘導増加装置処理中で行われる振り分け演出処理の流れを示すフローチャートである。振り分け演出処理を開始すると、先ず初めに、遊技球が特定入球口である第1役物作動口32に入球したか否かを判断する(S7002)。そして、遊技球が特定入球口に入球していない場合は(S7002:no)、そのまま振り分け演出処理を抜けて、図43に示した誘導増加装置処理に復帰する。
一方、遊技球が特定入球口(第1役物作動口32)に入球したと判断された場合は(S7002:yes)、図柄表示装置31の表示画面上で振り分け演出を開始する(S7003)。このS7003の処理では、主制御部200から図柄制御部280に振り分け演出開始コマンドが送信され、このコマンドを受信した図柄制御部280の制御により、図柄表示装置31の表示画面上で振り分け演出が開始される。この振り分け演出とは、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aもしくは誘導増加装置非作動領域41bのどちらに振り分けられるのか、すなわち、誘導増加装置が作動するか否か(特別遊技が開始されるか否か)を表示画面上で表示するもので、例えば、前述の疑似図柄や、振り分け演出専用の図柄やキャラクタ等を用いて行うことができる。そして、振り分け演出の終了時に、振り分け結果として「当たり図柄」や「当たりキャラクタ」等が表示されれば、遊技球は誘導増加装置作動領域41aに振り分けられることとなり、振り分け結果として「外れ図柄」や「外れキャラクタ」等が表示されれば、遊技球は誘導増加装置非作動領域41bに振り分けられることとなる。
尚、第1役物作動口32に遊技球が入球すると第1役物作動口32は閉鎖されるが、この時、図柄表示装置31の表示画面上では振り分け演出が開始されるため、この振り分け演出の表示が終了するまでは、誘導図柄作動ゲート29は無効となっている。よって、図柄表示装置31の表示画面上で振り分け演出が行われている間に遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したとしても、誘導図柄の変動停止表示は行われない。
そして、振り分け演出が開始されたら、第1役物作動口32に入球した遊技球が、誘導増加装置作動領域41aを通過するか否かを判断する(S7004)。図50ないし図53を用いて前述したように、特定入球口としての第1役物作動口32に入球した遊技球は、誘導増加装置作動領域41aにつながる遊技球通路38a、または誘導増加装置非作動領域41bにつながる遊技球通路38bのいずれかに、振り分け装置37によって振り分けられる。そして、図54に示すように、これら遊技球通路38a,38bの中程には、それぞれ遊技球センサ38e,38fおよびストッパ38g,38hが設けられている。従って、遊技球が誘導増加装置作動領域41aの側に振り分けられた場合は、遊技球通路38aに設けられた遊技球センサ38eによって球の通過が検知された後、その下方に設けられたストッパ38gによって、遊技球通路38aの中で停留されることになる。逆に、遊技球が誘導増加装置非作動領域41bの側に振り分けられた場合は、遊技球通路38bに設けられた遊技球センサ38fによって球の通過が検知された後、その下方に設けられたストッパ38hによって、遊技球通路38bの中で停留されることになる。このことから、遊技球センサ38eが球の通過を検出した場合は、遊技球は誘導増加装置作動領域41aを通過することになると判断できるし、逆に、遊技球センサ38fが球の通過を検出した場合は、遊技球は誘導増加装置非作動領域41bを通過することになると判断できる。図55のS7004では、このようにして、遊技球センサ38e,38fのいずれのセンサが遊技球の通過を検出するかによって、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過しようとしているか否かを判断するのである。
遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過しようとしている場合は(S7004:yes)、図柄表示装置31の表示画面上で、当たり用の演出表示すなわち、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する場合の演出表示を行う(S7100)。このS7100の処理では、遊技球センサ38eの遊技球検出に基づいて、主制御部200から図柄制御部280に当たり演出コマンドが送信され、このコマンドを受信した図柄制御部280の制御により、図柄表示装置31の表示画面上で行われている振り分け演出が当たりパターンとなって、当たり用の演出表示が行われる。そして、「当たり」の振り分け結果を表示して当たり用の演出表示が終了すると、当たり用の通路すなわち遊技球通路38aに設けられたアクチュエータ38iを駆動することにより、ストッパ38gを解除した後(S7010)、振り分け演出処理を終了して図43の誘導増加装置処理に復帰する。その結果、遊技球は遊技球通路38a内を通って遊技盤面上に導かれ、盤面上に設けられた誘導増加装置作動領域41aを通過することになる。
一方、遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過しようとしている場合は(S7004:no)、図柄表示装置31の表示画面上で、外れ用の演出表示すなわち、遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過する場合の演出表示を行う(S7008)。このS7008の処理では、遊技球センサ38fの遊技球検出に基づいて、主制御部200から図柄制御部280に外れ検出コマンドが送信され、このコマンドを受信した図柄制御部280の制御により、図柄表示装置31の表示画面上で行われている振り分け演出が外れパターンとなって、外れ用の演出表示が行われる。そして、「外れ」の振り分け結果を表示して外れ用の演出表示が終了すると、外れ用の通路すなわち遊技球通路38bに設けられたアクチュエータ38jを駆動することによってストッパ38hを解除した後(S7012)、振り分け演出処理を終了して図43の誘導増加装置処理に復帰する。その結果、遊技球は遊技球通路38b内を通って遊技盤面上に導かれ、盤面上に設けられた誘導増加装置非作動領域41bを通過することになる。
以上に説明した振り分け演出処理では、特定入球口である第1役物作動口32に入球した遊技球が、誘導増加装置作動領域41aを通過しようとしているのか、あるいは誘導増加装置非作動領域41bを通過しようとしているのかを検出する。こうしたことは、誘導増加装置作動領域41aに続く遊技球通路38aと、誘導増加装置非作動領域41bに続く遊技球通路38bのそれぞれに、遊技球センサを設けておくことによって可能となる。そして、かかるセンサによって、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過しようとしていることが検出された場合には、図柄表示装置31を用いて所定の演出を行う。前述したように、本実施例の図柄表示装置31には大画面の液晶表示装置が搭載されており、そして図柄表示装置31は遊技盤面のほぼ中央に設けられている。このため、第1役物作動口32から特別遊技装置36の内部に入った遊技球が、誘導増加装置作動領域41aに振り分けられる様子を、図柄表示装置31の液晶画面上で効果的に演出しつつ表示することが可能である。
そして、誘導増加装置作動領域41aへと振り分けられた遊技球は、遊技通路38aを通って遊技盤面に導かれ、そして遊技者の目の前で、遊技盤面上に設けられた誘導増加装置作動領域41aを通過する。
一方、第1役物作動口32に入球した遊技球が、誘導増加装置非作動領域41bを通過しようとしている場合は、遊技球通路38bに設けた遊技球センサ38jによって、これを検出することができる。遊技球センサ38jが遊技球を検出した場合は、第1役物作動口32から特別遊技装置36の内部に入った遊技球が、誘導増加装置非作動領域41bに振り分けられる様子を、図柄表示装置31の液晶画面上で効果的に演出しながら表示させる。そして、誘導増加装置非作動領域41bへと振り分けられた遊技球は、遊技通路38bを通って遊技盤面に導かれ、遊技者の目の前で、遊技盤面上に設けられた誘導増加装置非作動領域41bを通過する。
前述したように組合せ式遊技機では、特別遊技装置36の内部に入った遊技球が、誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bのいずれに振り分けられるかは遊技者にとっての大きな関心事であることから、このようにして、遊技球が振り分けられる様子を図柄表示装置31の表示画面上で効果的に演出してやれば、遊技者の興趣を大きく高めることが可能となる。
特に、本実施例の特別遊技装置36では、振り分け装置37が遊技球を振り分ける様子を遊技者に直接確認させるようには構成されていない。このため、遊技球の振り分けを演出するための複雑な機構の振り分け装置が不要となって、特別遊技装置36をコンパクトに構成することが可能になる。加えて、特別遊技装置36を搭載する位置も、遊技者に最も目立ち易い遊技盤面中央部とする必要もなく、例えば、図8に例示したように、盤面の下部に設けることも可能となる。その結果、大画面の液晶表示装置を搭載した図柄表示装置31を、最も目立ち易い遊技盤面の略中央部に設けることが可能となり、図柄表示装置31での演出効果を最大限に発揮させることが可能となる。更に、振り分け装置37は遊技者から不可視状態となっており、図柄表示装置31の表示画面上で振り分け演出が行われることから、実際には振り分け装置37によって遊技球の振り分けが行われているにも関わらず、遊技者には、遊技球の振り分けを、振り分け演出による図柄やキャラクタ等の判定により行っているかのような印象を与えることができる。
また、特別遊技装置36の内部で振り分けられた遊技球は、遊技球通路38a,38bを通って遊技盤面に導かれ、遊技者の目の前で、誘導増加装置作動領域41abまたは誘導増加装置非作動領域41bのいずれかを通過することから、遊技者は振り分けられた結果を、自分の目で実際に確認することができる。このため、振り分け結果の信頼性が高められるので、例え、遊技者にとって不利な結果であっても遊技者に不信感を抱かせることなく、健全な状態で遊技を進めることが可能となる。
更に、振り分け装置37で実際の遊技球を用いた演出に比べれば、表示画面上での演出は遙かに演出の自由度が高くなっている。従って、どのような遊技者にとっても、演出が過度に感じられてストレスを与えることのないように、演出の態様を適切に設定することも可能となる。
加えて、遊技球が振り分けられる様子を、実際の遊技球を用いて演出すると、遊技者の中には、遊技に熱中するあまり、有利な振り分け結果を得ようとして遊技機を叩いたり揺すったりすることがある。これに対して、振り分け装置を不可視として表示画面上で振り分けを演出しているのであれば、遊技者は、遊技機を叩いたり揺すったりしても、振り分け結果に影響はないと思うので、こうした不正な行為を抑制することができるという効果も得られる。
更に加えて、本実施例の遊技機では、振り分けられた遊技球が通過する遊技球通路38a,38bの中程に、それぞれストッパ38i,38jを設けており、ストッパを開放するまで、遊技球を通路内に停留させておくことが可能である。すなわち、ストッパ38i,38jの駆動タイミングを調整することで、特別遊技装置36の内部に入った遊技球が、誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bを通過するまでの時間を自由に設定することができる。このため、図柄表示装置31での振り分け演出の自由度を大きく高めることが可能になり、加えて、遊技状態によって演出時間を変更することも容易に実現することができる。尚、遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bを通過するタイミングは、図柄表示装置31の表示画面上で行われた振り分け演出の終了と略同時か、もしくは、振り分け演出が終了してから所定時間経過後までの期間が望ましい。なぜなら、振り分け演出の終了前に遊技球が入球してしまうと、振り分け演出が終了する前に振り分け結果が遊技者に分かってしまったり、誘導増加装置が作動開始(特別遊技状態が開始)してしまう可能性があるからである。
E−3.変形例 :
以上に説明したように、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過すると誘導増加装置が作動して、いわゆる特別遊技状態が開始される。しかし、誘導増加装置の作動中(特別遊技状態中)に重ねて遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過すると、誘導増加装置の作動が終了(特別遊技状態が終了)して、いわゆるパンクが発生する。第1役物作動口32に遊技球が2個連続して入球し、その2個の遊技球がいずれも振り分け装置37の切り欠き部37aに入球した場合、これら2個の遊技球は、誘導増加装置作動領域41aを通過することになる。この結果、誘導増加装置が作動した後、直ちにパンクが発生して作動を停止することとなる。
変形例の特別遊技装置36では、こうした点に鑑みて、当たり側の遊技球通路38aから、外れ側の遊技球通路38bに接続されるような予備通路を設けている。図56は、変形例の特別遊技装置36の内部に設けられた主要な構成部品を概念的に示した斜視図である。図示されているように、変形例の特別遊技装置36には、2つの遊技球通路38a、38bをつなぐ予備通路38kが設けられており、当たり側の遊技球停留部38cの上流側から、遊技球を外れ側の遊技球通路38bに排出することが可能となっている。
図57は、変形例の特別遊技装置36において、遊技球通路38aから予備通路38kが分岐する部分の構造を示す断面図である。変形例の遊技球通路38aにも、遊技球停留部38cの内部にストッパ38gが設けられている。そして、予備通路38kは、図示するように、ストッパ38gの上流側から分岐して、図示しない外れ側の遊技球通路38bに接続されている。図57では、2個の遊技球が振り分け装置37の切り欠き部37aに同時に入球し、その結果、2個の遊技球が当たり側の遊技球通路38a内を落下した様子を概念的に表している。前述したように、遊技球通路38aには遊技球停留部38cが設けられており、遊技球通路38a内を落下した遊技球はストッパ38g上で一旦停留される。
ここで、変形例の特別遊技装置36では、ストッパ38gの上流側に予備通路38kが設けられているので、先に落下した遊技球はストッパ38g上で停留するが、後から落下した方の遊技球は、ストッパ38gに衝突した後、予備通路38kを通って排出される。その後、ストッパ38gが駆動されて、遊技球通路38aが開放されると、ストッパ38g上に停留していた1個の遊技球だけが誘導増加装置作動領域41aを通過することになる。このため、例え、第1役物作動口32に遊技球が2個連続して入球し、その2個の遊技球がともに振り分け装置37の切り欠き部37に入球したとしても、パンク状態の発生を回避することが可能となる。
最後に、特別遊技装置36の遊技盤への取り付け状態について説明する。図58は、特別遊技装置36を遊技盤面に取り付ける各種形態を概念的に示した説明図である。本実施例では、特別遊技装置36のケース36vの全体が、遊技盤面の前面側からは見えない位置に取り付けられている。図58(a)は、このようにケース36vが遊技盤面の背面側に取り付けられている様子を概念的に示している。図中で特別遊技装置36のケース36vが、2つの出口までを残して破線で示されているのは、この部分が遊技盤面からは見えない位置に取り付けられていることを概念的に示したものである。
特別遊技装置36を、図58(a)に示す態様で遊技盤面の背面側に取り付けてやれば、特定入球口としての第1役物作動口32と、2つの出口窓との間の領域を遊技領域とすることができるので、この領域に役物を搭載したり、障害釘を設けたり、あるいは遊技球の流下経路を形成するなど、遊技領域として有効活用することが可能となる。
参考として、特別遊技装置36のケース36vが、遊技盤面から突出した状態で組み付けられている様子を図58(b)に示した。このように、ケース36vが遊技盤面から突出していると、遊技球はこの領域を通過することができず、役物や障害釘を設けることもできない場合がある。すなわち、この領域は無駄な領域となってしまう可能性があり、結果として遊技領域が狭くなってしまう。これに対して、本実施例のように、特別遊技装置36を遊技盤面から突出しないような態様で取り付けてやれば、無駄な領域が生じることはない。
また、図58(c)に例示するように、特別遊技装置36のケース36vの前面が、遊技盤面とほぼ同一面となるようにして、ケース36vの前面が遊技盤面側から見えるような状態で取り付けることとしてもよい。このような態様で取り付けた場合でも、ケース36vの部分は無駄領域となることはなく、また、ケース36vに役物や障害釘を設けておくことも可能である。
F.第2実施例 :
上述した様に、遊技球が振り分けられることに伴って行われる演出を図柄表示装置31の表示画面上で行うこととする場合、演出の内容を、遊技球の振り分けに直接関係するものに限る必要はない。例えば、遊技者側の第1のキャラクタと敵側の第2のキャラクタとが勝負する様な演出を行い、勝負の結果と、遊技球が振り分けられた結果とが連動する様にしておけば、遊技者に、より主体的に遊技の進行に参加している印象を与えることができ、延いては遊技者の興趣を効果的に高めることが可能である。また、遊技者は、遊技球が振り分けられる様子を図柄表示装置31の画面表示上で行われる演出によって明確に確認することができる。このため、大当たりが発生したことを見逃すことが無くなり、大当たりの発生と同時に右打ちに切り替えることができる。従って、遊技者が不利益を被るおそれが無く、遊技の公平性を確保することができるという効果も得られる。以下では、このような第2実施例について説明する。
図59は、第2実施例の振り分け演出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、第1実施例における振り分け演出処理(図55)と同様に、誘導増加装置処理(図43)のS7000で行われる。
図59の振り分け演出処理を開始すると、先ず初めに、遊技球が特定入球口である第1役物作動口32に入球したか否かを判断する(S7102)。この判断は、役物作動口スイッチ212a(図52参照)による検出結果に基づいて行うことができる。そして、遊技球が特定入球口に入球していない場合は(S7102:no)、そのまま振り分け演出処理を抜けて、図43に示した誘導増加装置処理に復帰する。
一方、遊技球が特定入球口(第1役物作動口32)に入球したと判断された場合は(S7102:yes)、図柄表示装置31の表示画面上で、以下に説明するような振り分け演出を開始する(S7104以下の処理)。
特定入球口に遊技球が入球すると、まず、遊技者側のキャラクタと敵側のキャラクタとを図柄表示装置31の表示画面に表示する(S7104)。図60は、敵側のキャラクタ801を表示した画面の一例を示す説明図である。また、図61は、遊技者側のキャラクタ802を表示した画面の一例を示す説明図である。
これらの画面を表示したら、次に、武器選択処理を行う(S7200)。図62は、武器選択処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、遊技者側のキャラクタ802が敵側のキャラクタ801を攻撃する武器が選択される。
武器選択処理では、まず、特定入球口に入球した遊技球が、誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bの何れに振り分けられるかを検出する(S7201)。武器選択処理では、遊技球が2つの領域のうちいずれに振り分けられるかによって異なった処理を行うので、武器選択処理を開始すると、まず、遊技球がいずれの領域に振り分けられるかが検出されるまで待機するのである。ここで、前述したように、誘導増加装置作動領域41aに振り分けられる遊技球は遊技球センサ38eによって検出され、誘導増加装置非作動領域41bに振り分けられる遊技球は遊技球センサ38fによって検出される。従って、遊技球がいずれの遊技球センサで検出されたかによって、誘導増加装置作動領域41aと誘導増加装置非作動領域41bとのいずれに振り分けられるかを検出することができる。
遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bの何れに振り分けられるかが検出されたら(S7201)、次に、図柄表示装置31の表示画面上に武器ルーレットを表示する(S7203)。図63は、武器ルーレットの一例を示す説明図である。図63の武器ルーレット810には、4つの領域803a,804a,803b,804bが時計回り方向に順に並べて設けられている。そして、これら4つの領域803a,804a,803b,804bは、時計回り方向に1つずつ選択されて、選択された領域が強調表示される。図63では、領域803aにハッチングを付すことで、領域803aが選択されている様子を示している。武器ルーレット810は、このように各領域を時計回りに次々と選択しながら回転している。なお、領域803a,803bには比較的弱い武器が設定されており、領域804a,804bには比較的強い武器が設定されている。また、図63に例示されているように、図柄表示装置31の表示画面上には、ルーレットを止めて武器を選択するよう、遊技者に促す文章も表示されている。表示に従って遊技者が操作スイッチSW1を押すと、ルーレットが停止して武器を選択することが可能となっている。
武器選択処理では、図柄表示装置31の表示画面上に、以上のような武器ルーレットを表示すると(S7203)、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過するか否かを判断する(S7207)。ここで、武器ルーレットの表示に続いて、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過するか否かを判断しているのは、次のような理由によるものである。
前述したように第2実施例の図柄表示装置31では、遊技球の振り分けが実施されることに伴って、遊技者側の第1のキャラクタと敵側の第2のキャラクタとが勝負を決する演出が行われる。勝負の結果は、遊技球が振り分けられた結果と連動しており、遊技球が誘導増加装置作動領域41aの側に振り分けられた場合には、遊技者側のキャラクタ(第1のキャラクタ)が勝利し、逆に誘導増加装置非作動領域41bの側に振り分けられた場合には、敵側のキャラクタ(第2のキャラクタ)が勝利する演出が行われる。このように図柄表示装置31上で演出される勝負の結果は、実際には遊技球の振り分け結果と連動しているのであるが、遊技者が強い武器を選択した状態で第1のキャラクタが勝利すると、あたかも強い武器を選択したために遊技者側の第1のキャラクタが勝利したかのような印象を遊技者に与えることができる。このような演出を行えば、遊技者は、第1のキャラクタを勝利させるために強い武器を選択しようと、ルーレットをタイミング良く止めることに熱中することとなり、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。また、武器の選択によって勝敗が左右され、延いては特別遊技状態が開始されるか否かが左右されるかのような印象を持つこととなるので、遊技者は、より主体的に遊技に参加することができる。こうした演出を可能とするためには、遊技者が操作スイッチSW1を押して武器を選択する前に、遊技球の振り分け結果を知っておく必要がある。そこで、S7203において武器ルーレットを表示したら、続いて行われるS7207では、遊技球が誘導増加装置作動領域41aあるいは誘導増加装置非作動領域41bのいずれを通過するかを検出するのである。尚、図54を用いて前述したように、誘導増加装置作動領域41aを通過する遊技球は遊技球センサ38eによって検出され、誘導増加装置非作動領域41bを通過する遊技球は遊技球センサ38fによって検出されるので、どちらのセンサによって遊技球が検出されたかに応じ、遊技球が誘導増加装置作動領域41a、誘導増加装置非作動領域41bのいずれを通過するかを検出することができる。
遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過すると判断された場合は(S7207:yes)、ルーレットが強い武器の領域で止まり易いように設定する(S7209)。すなわち、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する場合は第1のキャラクタが勝利することとなるので、あたかも、強い武器を選択したために第1のキャラクタが勝利したかのような印象を、遊技者に抱かせるのである。逆に、遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過すると判断された場合は(S7207:no)、ルーレットが弱い武器の領域で止まり易いように設定する(S7211)。すなわち、遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過する場合は第1のキャラクタが敗北することとなるので、あたかも、弱い武器を選択したために第1のキャラクタが敗北したかのような印象を、遊技者に抱かせるのである。
第2実施例の武器選択処理では、次のような制御を行うことによって、ルーレットが強い武器で止まり易くする制御、あるいは弱い武器で止まり易くする制御を実現している。図63を用いて説明したように、武器ルーレットは一定速度で回転しているが、遊技者が操作スイッチSW1を押すとルーレットは次第に減速し、いずれかの領域で停止する。ここで、ルーレットが領域の境界付近で止まりそうになった場合には、強い武器の領域(図63の領域803a,803b)あるいは弱い武器の領域(図63の領域804a,804b)のいずれか所望の領域で止まるように、ルーレットの停止位置を制御することが可能となっている。従って、例えば、強い武器で止まり易いように設定された場合に(S7209)、ルーレットの停止位置が、強い武器の領域を越えて弱い武器の領域に入りそうになった場合には、ルーレットの減速を早めて強い武器の領域に停止させる制御を行う。同様に、例えば、弱い武器で止まり易いように設定された場合に(S7211)、ルーレットの停止位置が、弱い武器の領域の手前で停止しそうになった場合には、ルーレットの減速を緩めて弱い武器の領域で停止するような制御を行っている。図62に示した武器選択処理のS7209およびS7211では、このような、いずれかの制御内容が設定される。
以上のような処理を行ったら、遊技者によって操作スイッチSW1が押されるまで待機する(S7212)。図63に示されているように、武器ルーレットの左上方には、操作スイッチを押して武器を選択するよう遊技者に促す文章が表示されているので、ルーレットが表示されると、程なく、遊技者によって操作スイッチSW1が押されることになる。尚、本実施例では、遊技者に操作スイッチSW1を押すよう促す表示は、武器ルーレットと同時に表示されるものとしたが、遊技球が誘導増加装置作動領域41aあるいは誘導増加装置非作動領域41bのいずれを通過しようとしているかを確認した後に表示することとしても良い。
操作スイッチSW1が押されたことが検出されたら、ルーレットの回転を減速して、いずれかの領域に停止させる(図62のS7214)。このときには、ルーレットが強い武器の領域と弱い武器の領域との境界付近で止まりそうになった場合には、予めS7207〜S7211で停止し易いように設定されていた方の領域で停止するような制御を行う。この様にしてルーレットが止まった領域に設定されていた武器が、遊技者によって選択された武器となる。
以上のようにして武器が選択されたら、次に、「じゃんけん」の手を選択する(S7216)。本実施例では、遊技者側のキャラクタ802と敵側のキャラクタ801との勝負が「じゃんけん」の形で行われるので、S7216ではその勝負における遊技者側のキャラクタ802の「手」、すなわち「グー」、「チョキ」、「パー」が1つ選択される。この選択は、どのような態様で行うこともできるが、一例としては、乱数を生成する乱数生成装置を用意しておき、S7216を実行するたびに新たな乱数を生成し、生成された乱数に応じた「手」が選択されるものとしてもよい。
最後に、このようにして決まった遊技者側の武器と「手」とが、図柄表示装置31の表示画面上に表示される(S7218)。図64は、遊技者側の武器と「手」が表示されている画面の一例を示す説明図である。図64では、強い方の武器が選択され、かつ、「じゃんけん」の「手」として「パー」が選択された場合について示している。
以上のようにして遊技者側の武器と「手」とが決まったら、図62の武器選択処理を終了して、図59の振り分け演出処理に復帰する。
振り分け演出処理(図59)では、S7200の武器選択処理が終了すると、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過しようとしているかどうかを判断する(S7110)。そして、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過しようとしている場合(S7110:yes)、すなわち特別遊技状態が発生する場合には、遊技者側のキャラクタ802が勝利した画面を表示する(S7112)。図65は、遊技者側のキャラクタ802が勝利した画面の一例を示す説明図である。この画面では、敵側のキャラクタ801の「手」として、遊技者側のキャラクタ802の「手」に対して負ける「手」が表示される。図65では、遊技者側のキャラクタ802の「手」が「パー」である場合に、敵側のキャラクタの「手」として「グー」が表示された状態を示している。
このような画面を表示した後、ストッパ38g(図54参照)を解除する(S7114)。ストッパ38gを解除すれば、当たり側の遊技球停留部38c(図54参照)に停留していた遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過することとなる。
これに対して、遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過する場合には(S7110:no)、遊技者側のキャラクタ802が負けた画面を表示する(S7116)。図66は、遊技者側のキャラクタ802が負けた画面の一例を示す説明図である。この画面では、敵側のキャラクタ801の「手」として、遊技者側のキャラクタ802の「手」に対して勝つ「手」が表示される。図66では、遊技者側のキャラクタ802の「手」が「パー」である場合に、敵側のキャラクタの「手」として「チョキ」が表示された状態を示している。
このように、遊技者側のキャラクタ802が負けた画面を表示した後、ストッパ38h(図54参照)を解除する(S7118)。ストッパ38hを解除すれば、外れ側の遊技球停留部38b(図54参照)に停留していた遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過することとなる。
以上の処理が終わると、その後は、遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bのいずれかを通過するまで待機する(S7120)。前述したように、誘導増加装置作動領域41aを通過した遊技球は作動領域スイッチ214aによって検出され、誘導増加装置非作動領域41bを通過した遊技球は非作動領域スイッチ214bによって検出されることから、具体的には、遊技球がどちらかのスイッチで検出されるまで待機することとなる。
作動領域スイッチ214aと非作動領域スイッチ214bとのいずれかによって遊技球が検出されれば、S7122において、いずれのスイッチによって遊技球が検出されたかを判断する。つまり、誘導増加装置作動領域41aと誘導増加装置非作動領域41bとのいずれを遊技球が通過したかを判断する。そして、遊技球が作動領域スイッチ214aで検出された場合、すなわち遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過した場合には、遊技者側のキャラクタ802が勝負に勝ったことを示す画面を表示する(S7124)。図67には、遊技者側のキャラクタ802の勝利を表す演出画面の一例を示している。このような画面が表示された場合には、遊技者は、特別遊技状態での遊技を開始することができる。これに対して、遊技球が非作動領域スイッチ214bで検出された場合、すなわち遊技球が誘導増加装置非作動領域41bを通過した場合には、遊技者側のキャラクタ802が勝負に負けたことを示す画面を表示する(S7126)。図68には、遊技者側のキャラクタ802の敗北を表す演出画面の一例を示している。このような画面が表示された場合には、特別遊技状態が開始されることはなく、遊技者は、通常遊技状態で遊技を続けることとなる。
以上、第2実施例の遊技機1について説明した。第2実施例の遊技機では、遊技球が振り分け装置37で振り分けられる際に、遊技者側の第1のキャラクタと敵側の第2のキャラクタとが戦う演出画面が表示される。また、戦いに際して第1のキャラクタが使用する武器は、弱い武器から強い武器まで複数種類用意されている武器の中から、遊技者が選択することが可能となっている。このため、遊技者は遊技の進行に、より主体的に参加していると感じることができるので、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となる。
また、第2実施例の遊技機1では、特定入球口に役物作動口スイッチ212aが設けてあり、キャラクタ801とキャラクタ802との演出は、役物作動口スイッチ212aで遊技球が検出された場合に開始される。この結果、本実施例の遊技機1では、遊技球が特定入球口に到達すると直ちに演出が開始されることとなる。このように速やかに演出が開始されることで、比較的長く演出時間をとることができるようになり、ひいては演出の自由度を向上させることが可能となるので、効果的に遊技者の興趣を向上させることができる。
もっとも、遊技者側のキャラクタ802と敵側のキャラクタ801とが勝負を決する演出は、特定入球口に遊技球が入球してから、誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bを遊技球が通過するまでの間であれば、どのタイミングで開始してもよい。例えば、特定入球口に入った遊技球が遊技球センサ38eあるいは遊技球センサ38f(図54参照)に検出された場合に演出を開始するものとしてもよい。この場合、図59のS7102において、遊技球が特定入球口に入球したか否かを判断するかわりに、遊技球が遊技球センサ38eあるいは遊技球センサ38f(図54参照)に検出されたか否かを判断することとすればよい。
このようにすれば、演出の開始時点で既に遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは誘導増加装置非作動領域41bのどちらを通過するかが分かっていることとなる。この結果、主制御部200から図柄制御部280に送信される振り分け演出開始コマンドは、振り分け演出の開始指示と振り分け結果の指示とを兼ねたコマンドとすることが可能となり、図柄制御部280は、その1つのコマンドに基づいて振り分け演出の開始から終了までの制御を行うことができる。
また、このようにすれば、遊技球が振り分けられた結果を確認してから演出を開始することとなる。このため、何らかの理由で振り分けの途中に遊技球が引っ掛かってしまい、振り分けができなくなったときでも、振り分けができないまま演出だけを開始してしまうという事態を回避できるので好ましい。
なお、勝負の結果を示す演出画面(図67、図68参照)は、図59のS7120で作動領域スイッチ214aまたは非作動領域スイッチ214bに遊技球が検出される前に表示することも可能である。例えば、ストッパ38gが解除されたら(S7114)すぐに図67の演出画面を表示するものとしたり、ストッパ38hが解除されたら(S7118)すぐに図68の演出画面を表示するものとしてもよい。
以上の遊技機1の構成により、以下のような効果を得ることができる。
(1)図柄制御部280で1つの図柄表示装置31を制御するように構成することで、図柄制御基板280aにLED駆動回路等を設ける必要がなく、図柄制御部280をパチンコ遊技機と共用化することができる。また、図柄表示装置31を、任意の図柄を表示可能な液晶(LCD)などの表示装置を用いて構成した場合には、誘導図柄の表示に加えて入賞図柄も図柄表示装置31に表示することが可能である。この結果、次のような効果も得ることが可能となる。先ず、入賞図柄を表示するための16連入球口LED表示部25を、図柄表示装置31で代用させることができるので、図柄表示を制御する図柄制御部280の構成を簡略化することができる。これにより、図柄制御基板280aの端子数を減らすことができるので、図柄制御基板280aのコストを低減することができる。また、図柄表示装置31として、任意の図柄を表示できる表示装置を用いることで、例えばキャラクタや数字等を用いて入賞図柄を表現することができる。入賞図柄の配列も本実施例のような横一列に限らず、任意に変更することが可能となる。このように、多彩な表示方法で入賞図柄の表示を行うことができる。さらにまた、本実施例のガイド表示部のように、遊技の進行に応じて任意にメッセージを表示する遊技情報報知部を図柄表示部31に設けることで、例えば遊技者の利益に関連する情報および不利益に関連する情報を指示報知する指示報知情報を表示して、ナビゲーションを行うことができる。具体的には、遊技情報報知部では遊技者が狙うべきところ、あるいは狙うべきでないところを指示報知することができる。
(2)ケースレール108の球詰まりに対して複数段階のエラー状態を設定し、ケースレール108の複数の樋のいずれかの樋で球詰まりが発生した場合でも直ちに遊技球払出装置109を停止させず、警告報知をしながら球詰まりが発生していない残りの樋で払い出しを継続することで、遊技を進行させることができる。これにより、ケースレール108で球詰まりが発生した場合でも、遊技機1の稼働率の低下を抑制することができる。
(3)また、タンク球切れスイッチ232からの信号と払出センサ109j、109kからの信号とに基づいて、ケースレール108内の球詰まりを検出することで、ケースレール108の遊技球の有無を検出するスイッチを設ける必要がなく、回路構成を簡略化することができる。
(4)また、遊技球払出装置109にて遊技球の払い出しを停止する前に、カム109g、109hを一旦減速させてから停止させることで、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴うカム109g、109hの脱調を防止できる。これにより、遊技球払出装置109の払い出しを正確に行うことができる。同様に、遊技球払出装置109にて遊技球の払い出し開始時においても、払出モータ109fの回転速度を通常の回転速度より遅い回転速度から回転を開始することで、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、カム109g、109hの脱調を防止できる。これにより、遊技球払出装置109の払い出しを正確に行うことができる。
(5)また、ケースレール108における遊技球払出装置109の直前に、垂直に所定の長さを有する垂直部108bを設けることで、遊技球の自重により遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げることができ、払出速度を高速化することができる。さらに、遊技球払出中に払い出しを定期的に停止する所定の払出停止時間を設けることで、払出停止時間中に球圧を上げることができ、払出速度をより高速化することができる。このように定期的に払い出しを停止することで、球圧が上がりすぎて球噛み等が発生することを防止でき、遊技球の正確な払い出しを行うことができる。これにより、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されずにエラーが発生する原因を取り除くことができる。
(6)また、払出センサ109j、109kからの信号を払出制御部230にて受け取って払出個数を計数し、賞球数分のパルス信号を主制御部200に送信することで、1種類の払出センサ109j、109kで賞球数と貸球数を計数することが可能となるため、賞球数を計数するための賞球センサと貸球数を計数するための貸球センサを別々に設ける必要がない。これにより、回路構成を簡略化することができる。また、遊技球を賞球センサと貸球センサに振り分けるために、遊技球通路109a、109bを賞球センサ用の通路と貸球センサ用の通路に分離する必要がなく、遊技球払出装置109の構成を簡素化することができる。すなわち、賞球センサ用通路と貸球センサ用通路に遊技球を振り分けるために、通路切替用部材を設けたり、あるいは払出モータ109fの回転方向を変える必要がない。
(7)また、遊技球払出装置109における払出速度の高速化に伴い、払出センサ109j、109kにおける遊技球の通過速度が高速化する。この場合、払出センサ109j、109kの出力時間が払出制御部230の制御間隔より短いと遊技球の通過を検知できない可能性があるが、本実施例の払出制御部230では、制御間隔を主制御部200より短く設定しているので、遊技球の通過を確実に検知することができる。
(8)また、払出制御部230から賞球数分のパルス信号を主制御部200のCPU400のカウンタにソフト出力することで、主制御基板200aにセンサ入力用のI/0ポートを設ける必要がない。これにより、I/0ポート増設に伴うコストアップを回避できる。
(9)また、主制御部200のCPU400のカウンタに賞球数分のパルス信号を入力し、CPU400はカウンタを参照して制御を行うように構成することで、ポート入力処理、チャタリング処理といったプログラムが不要となり、プログラム容量を削減することができる。さらに、カウンタはCPUの動作とは独立して動作しているため、CPUの割り込み速度(ポートサンプリング速度)に対して微妙な入力信号に対しても入力が可能であり、入力信号に対して確度の高いカウントが可能となる。
(10)また、発射モータ252の原点を検出する原点センサ251を設け、発射制御部230が発射モータ252の原点確認後に球送り処理を行うことで、正確な球送りを行うことができ、確実に所定数の遊技球の発射を行うことができる。さらに電源投入後、遊技者が発射ハンドル8に触れた際に槌10aの空打ちを1回行うことで、電源投入時における原点確認を確実に行うことができる。これにより、電源投入後、初回の球送りを確実に行うことができる。さらにまた、槌10aの先端を発射球カウントスイッチ222から退避した位置に配置しているので、槌先の検出による発射球誤検知を防止できる。また、基準クロック信号のパルス幅を、球送り許可信号が発射許可状態となっている時間より短く設定することで、確実に球送り処理を行うことができ、確実に発射を行うことができる。
(11)また、遊技者が発射ハンドル8を回転開始したことを検知する発射スタートスイッチ10jを、直線運動するラック10iの移動によりオン/オフするように構成したことで、例えば発射ハンドル8にガタツキや劣化が生じたような場合であっても、遊技球の打ち出しに適した発射スタート位置を正確に検知することが可能となる。これにより、常に同じハンドル位置で遊技球を発射開始することが可能となる。さらに、発射ハンドル8内の機構が簡素になり、発射ハンドル8の組み付け性を向上させることができる。また、発射停止スイッチ8bをタッチスイッチ回路に組み込み、タッチスイッチ8aと直列的に接続することで、回路構成を簡略化することができる。
(12)加えて、本実施例の遊技機では、特定入球口に遊技球が入球すると所定の演出を開始して、誘導増加装置作動領域または誘導増加装置非作動領域を通過しようとする遊技球の検出に基づいた所定の演出を行っているために、振り分け装置自体で遊技球の振り分けを演出する必要が無くなり、振り分け装置あるいは振り分け装置を含んだ特別遊技装置を小型で簡素なものとすることができる。このため、遊技機の盤面上に広い遊技領域を確保することが可能となるので、盤面構成が容易になるとともに、斬新な盤面を構成することも可能になる。更に、誘導増加装置作動領域を通過しようとする遊技球を検出した後、誘導増加装置作動領域の上流側で遊技球を停留させて演出時間を確保してやれば、より効果的な演出を行って、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となる。
(13)更に、本実施例の遊技機では、遊技球が振り分けられることに伴って、遊技者側の第1のキャラクタと、敵側の第2のキャラクタとが勝負を決するような演習を行い、遊技球が振り分けられた結果と、勝負の結果とが連動する様になっている。このため、遊技者に主体的に遊技の進行に参加している印象を与えることができ、延いては遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となる。
以上、本発明についての各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した各実施例では、誘導増加装置作動領域41aおよび誘導増加装置非作動領域41bを遊技盤面上に設けて、遊技者が遊技球の入球を確認できるようにしていたが、これら誘導増加装置作動領域41aおよび誘導増加装置非作動領域41bを、特別遊技装置36のケース36vの内部や、遊技盤面の背面側に設けるなどして、遊技者からは見えない不可視状態で設けることとしても良い。これにより、遊技球の振り分けを、振り分け装置37ではなく、あたかも表示画面上の振り分け演出による図柄やキャラクタなどで判定しているかのような印象を、遊技者により強く与えることが可能となる。
また、上述した各実施例では、第1役物作動口32と特別遊技装置36とを図柄表示装置31の下方に設けているが、特別遊技装置36をコンパクトな構成としているので、図柄表示装置31の上方または左右方向に設けることもできる。これにより、遊技盤面上に設ける第1役物作動口32や特別遊技装置36の配設位置に制約がなくなるので、遊技領域の設計の自由度を高めることが可能となる。
また、上述した各実施例では、一単位遊技で15個の遊技球を発射する組合せ式遊技機に本発明を適用した場合について説明した。しかし、こうした組合せ式遊技機に限らず、例えば一単位遊技で16個の遊技球を発射する組合せ式遊技機に適用しても良いことは言うまでもない。
本実施例の組合せ式遊技機の正面図である。 本実施例の組合せ式遊技機の中枠を正面側からみた斜視図である。 本実施例の組合せ式遊技機の中枠を背面側からみた斜視図である。 本実施例の組合せ式遊技機の発射レール11の拡大図である。 発射装置ユニットの発射ハンドルを回転させていない場合のピニオンおよびラック部分の拡大図である。 発射装置ユニットの発射ハンドルを回転させている場合のピニオンおよびラック部分の拡大図である。 本実施例の組合せ式遊技機に投入された遊技球が球送り装置から発射装置ユニットに供給される様子を示す説明図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載された遊技盤の盤面を模式的に示した正面図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載された図柄表示装置の画面構成を示す正面図である。 本実施例の組合せ式遊技機の裏機構盤の正面図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載された賞球タンクおよびタンクレールを上面側から見た説明図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載されたケースレールの形状を示す概念図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載された遊技球払出装置の外観を示す斜視図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載された遊技球払出装置の分解斜視図である。 払出モータの払出速度と払出停止時間との関係を示す説明図である。 本実施例の組合せ式遊技機に搭載された電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。 主制御部の主制御基板に搭載されたCPUの構成を示すブロック図である。 盤面中継基板に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。 遊技枠中継基板に対する信号の入出力を示すブロック図である。 払出制御部に対する信号の入出力を示すブロック図である。 払出センサから出力される信号の流れを示すブロック図である。 払出制御部から主制御部にパルス信号が送信される様子を示すタイミングチャートである。 払出制御基板においてコネクタの接続を確認する様子を示す説明図である。 発射制御部に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。 発射制御部の回路構成を概念的に示す説明図である。 発射制御部における球送り許可信号と基準クロック信号との関係を示すタイミングチャートである。 音ランプ制御部に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。 図柄制御部に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。 図柄制御に関するコマンドの流れを示すブロック図である。 遊技確認時間について説明するための説明図である。 電源オン時における発射制御を示すタイミングチャートである。 連続動作中における発射制御を示すタイミングチャートである。 発射を中断した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。 発射を再開する場合の発射制御を示すタイミングチャートである。 規定数の遊技球を発射終了した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。 主制御部のROMに格納されたプログラムに基づいてCPUが実行するメインジョブの一例を示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる電源投入処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる遊技開始処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われるゲーム管理処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる入賞図柄処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる役物遊技処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる得点増加装置処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる誘導増加装置処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる誘導図柄および役物誘導装置処理の前半部分の処理を示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる誘導図柄および役物誘導装置処理の後半部分の処理を示すフロー図である。 誘導図柄および役物誘導装置処理中で行われる誘導図柄当否判定処理の流れを示すフロー図である。 誘導図柄および役物誘導装置処理中で行われるガイド処理の流れを示すフロー図である。 メインジョブ中で行われる電源断発生時処理の流れを示すフロー図である。 本実施例の特別遊技装置の外観形状を示す斜視図である。 特別遊技装置の内部に設けられた主要な構成部品を概念的に示した斜視図である。 特別遊技装置の主要部品および特定入球口としての第1役物作動口の分解斜視図である。 第1役物作動口に入球した遊技球が振り分け装置によって誘導増加装置非作動領域に振り分けられる様子を概念的に示した説明図である。 第1役物作動口に入球した遊技球が振り分け装置によって誘導増加装置作動領域に振り分けられる様子を概念的に示した説明図である。 遊技球通路に設けられた遊技球停留部の断面構造を概念的に示した説明図である。 誘導増加装置処理中で行われる振り分け演出処理の流れを示すフロー図である。 変形例の特別遊技装置の内部に設けられた主要な構成部品を概念的に示した斜視図である。 変形例の特別遊技装置において遊技球通路から予備通路が分岐する部分の構造を示す断面図である。 特別遊技装置を遊技盤面に取り付ける各種形態を概念的に示した説明図である。 第2実施例の振り分け演出処理の流れを示すフローチャートである。 敵側のキャラクタを表示した画面の一例を示す説明図である。 遊技者側のキャラクタを表示した画面の一例を示す説明図である。 武器選択処理の流れを示すフローチャートである。 武器ルーレットの一例を示す説明図である。 遊技者側の武器と「手」とを表示する画面の一例を示す説明図である。 遊技者側のキャラクタが勝利した画面の一例を示す説明図である。 遊技者側のキャラクタが負けた画面の一例を示す説明図である。 遊技者側のキャラクタの勝利を演出する演出画面の一例を示す説明図である。 遊技者側のキャラクタの敗北を演出する演出画面の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 …遊技機(組合せ式遊技機)
20 …遊技盤
24 …16連入球口(入球領域)
25 …16連入球口LED表示部(入賞情報表示手段)
31 …図柄表示装置(演出手段)
32 …第1役物作動口(特定入球口)
36 …特別遊技装置(誘導増加装置)
37 …振り分け装置
38e …遊技球センサ(作動領域通過検出手段)
38f …遊技球センサ(非作動領域通過検出手段)
38i …ストッパ(遊技球停留手段)
38j …ストッパ(遊技球停留手段)
41a…誘導増加装置作動領域
41b…誘導増加装置非作動領域
801…敵側のキャラクタ
802…遊技者側のキャラクタ

Claims (8)

  1. 遊技盤上に所定数の遊技球を発射して一単位遊技を行い、該一単位遊技で得られた遊技結果に応じて遊技価値の払い出しを行う組合せ式遊技機において、
    遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる誘導増加装置と、
    特定入球口から入球した遊技球を、前記誘導増加装置を作動させる誘導増加装置作動領域と、該誘導増加装置を作動させない誘導増加装置非作動領域とに振り分ける振り分け装置と、
    前記振り分け装置と前記誘導増加装置作動領域との間に設けられて、該作動領域を通過する遊技球を検出する作動領域通過検出手段と、
    前記振り分け装置と前記誘導増加装置非作動領域との間に設けられて、該非作動領域を通過する遊技球を検出する非作動領域通過検出手段と、
    前記作動領域通過検出手段または前記非作動領域通過検出手段による遊技球の検出結果に基づいて所定の演出を行う演出手段と
    を備えることを特徴とする組合せ式遊技機。
  2. 前記振り分け装置が、前記遊技盤の前面側から不可視な位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の組合せ式遊技機。
  3. 請求項2記載の組合せ式遊技機において、
    前記誘導増加装置作動領域および前記誘導増加装置非作動領域は、それぞれの領域を通過しようとする遊技球が前記遊技盤の前面側から目視可能に設けられていることを特徴とする組合せ式遊技機。
  4. 前記振り分け装置が、前記遊技盤の盤面から突出しないように設けられていることを特徴とする請求項1記載の組合せ式遊技機。
  5. 請求項1記載の組合せ式遊技機において、
    前記作動領域通過検出手段と前記誘導増加装置作動領域との間に設けられて、該作動領域を通過しようとする遊技球を所定期間だけ停留させる作動領域停留手段と、
    前記非作動領域通過検出手段と前記誘導増加装置非作動領域との間に設けられて、該非作動領域を通過しようとする遊技球を所定期間だけ停留させる非作動領域停留手段と
    を備え、
    前記演出手段は、少なくとも前記遊技球の停留期間中に前記所定の演出を行うことを特徴とする組合せ式遊技機。
  6. 遊技球が入球可能な複数の入球領域と、該入球領域への遊技球の入球に応じた入賞情報を表示する入賞情報表示手段とが設けられた遊技盤上に、所定数の遊技球を発射して一単位遊技を行い、該一単位遊技で該入賞情報表示手段に表示された入賞情報の組合せから遊技結果を決定して、該遊技結果に応じて定められた遊技価値の払い出しを行う組合せ式遊技機において、
    遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる誘導増加装置と、
    特定入球口から入球した遊技球を、前記誘導増加装置を作動させる誘導増加装置作動領域と、該誘導増加装置を作動させない誘導増加装置非作動領域とに振り分ける振り分け装置と、
    前記振り分け装置と前記誘導増加装置作動領域との間に設けられて、該作動領域を通過する遊技球を検出する作動領域通過検出手段と、
    前記振り分け装置と前記誘導増加装置非作動領域との間に設けられて、該非作動領域を通過する遊技球を検出する非作動領域通過検出手段と、
    前記振り分け装置で遊技球が振り分けられるに伴って、遊技者側の第1のキャラクタと相手側の第2のキャラクタとが勝負を決する所定の演出図柄を表示するとともに、前記作動領域通過検出手段で遊技球が検出された場合には、該第1のキャラクタが勝利した所定の演出図柄を表示し、前記非作動領域通過検出手段で遊技球が検出された場合には、該第2のキャラクタが勝利した所定の演出図柄を表示する演出手段と
    を備えることを特徴とする組合せ式遊技機。
  7. 請求項6記載の組合せ式遊技機であって、
    前記演出手段は、前記特定入球口に遊技球が入球したことを検出して、前記第1のキャラクタと前記第2のキャラクタとが勝負を決する前記演出図柄を表示することを特徴とする組合せ式遊技機。
  8. 請求項6記載の組合せ式遊技機であって、
    前記演出手段は、前記作動領域通過検出手段あるいは前記非作動領域通過検出手段のいずれかで遊技球が検出されると、前記第1のキャラクタと前記第2のキャラクタとが勝負を決する前記演出図柄を表示することを特徴とする組合せ式遊技機。
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