以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.アレンジボール遊技機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.ガイドレールおよび発射装置ユニットの構造:
A−3.上皿部の構成:
A−4.遊技盤の構成:
A−5.裏面構造:
B.電子制御装置の構成:
B−1.全体構成:
B−2.払出制御部の構成:
B−3.発射制御部の構成:
B−4.音ランプ制御部の構成:
B−5.図柄制御部の構成:
B−6.遊技確認時間:
C.遊技球発射制御の概要:
D.パチンコ機全体の制御の概要:
D−1.メインジョブの概要:
D−2.電源投入処理:
D−2.遊技開始処理:
D−3.ゲーム管理処理:
D−4.入賞図柄処理:
D−5.役物遊技処理:
D−6.得点増加装置処理:
D−7.誘導増加装置処理:
D−8.誘導図柄および役物誘導装置処理:
D−9.電源断発生処理:
E.遊技球投入動作の概要:
E−1.遊技球投入部の構造:
E−2.遊技球投入動作:
E−3.遊技球排出動作:
E−4.投入球数検出制御:
F.第1実施例:
F−1.第1実施例の電源投入処理:
F−2.第1実施例の変形例:
G.第2実施例:
G−1.第2実施例の電源断発生処理:
G−2.第2実施例の電源投入処理:
A.アレンジボール遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、本実施例のアレンジボール遊技機(以下、単に遊技機という)1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は、前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は、木製の板状体を略長方形の枠状に組立てて形成されており、遊技機1の外枠を構成する。本体枠2の内側には、プラスチック製の中枠3が左端で軸支されて、本体枠2に対して開閉可能な状態ではめ込まれている。この中枠3の上側2/3程度を占める部分は枠体部となっており、下側1/3程度を占める部分は下板部となっている。
中枠3の下側を占める下板部には、上皿部5および下皿部6に加えて、発射装置ユニット10や、球送り装置12、球送りカウントスイッチ、発射球カウントスイッチ、検出スイッチ、スピーカ266などが設けられている。一方、中枠3の上側を占める枠体部には、その前面側に遊技盤20が、更にその前面側に前面枠4が設けられており、前面枠4は中枠3の左端で開閉可能に軸支されている。前面枠4は、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されており、この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれている。
前面枠4は、プラスチック材料で形成されており、遊技を効果滴に演出するためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cとは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との問に2個設けられている。これらのLED表示部4a〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。ここで、重度のエラーとは、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合のエラーであり、軽度のエラーとは、それ以外のエラーである。
また、前面枠4には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部230は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(例えば1秒)以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。なお、前面枠4開放に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200には送信されない。
前面枠4の下方には、中枠3の下板部に設けられた上皿部5が、中枠3に対して開閉可能に左端側で軸支されている。この上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられており、皿状の凹部の一部には後述する遊技球投入部などが形成されている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部から遊技球投入部に投入されて、後述する発射装置ユニットに供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等に加えて、投入された遊技球を排出するための排出ボタン5bが設けられており、上皿部5の内部には、投入された遊技球を検出するための機構や、遊技球を排出するための機構などが設けられている。これら上皿部5に設けられた各種機構については後述する。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5yが形成されている。第1音声出力部5yは、スピーカ266のうち中高音用スピーカ(ツイータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図27参照)が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球技き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、上端を回転軸として下端を奥側に押圧することにより回転可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球技き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを奥側に押圧することで球抜き穴は開放する。
一方、下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット10を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に接続されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13〈CRユニット)が装着されている。
A−2.ガイドレールおよび発射装置ユニットの構造 :
次に、図2〜図6を参照しながら、遊技球を誘導するガイドレールおよび発射装置ユニットについて説明する。尚、この発射装置ユニットは、遊技球発射手段の一態様を示すものである。図2は中枠3を正面側からみた斜視図であり、図3は中枠3を背面側からみた斜視図である。また、図4は発射レール11の拡大図である。
図2に示すように、中枠3には外レール22が設けられている。外レール22は、遊技盤20上に形成される後述の中レール23(図10参照)とともに遊技盤20上に遊技球を誘導するガイドレールを構成している。外レール22は、板状部材を円弧状に曲げることによって形成されている(図3参照)。外レール22は、両端部の一部が板面に対して直角に折り曲げられ、取付部(ネジ止め部)22a、22bが形成されている。取付部22a、22bにはネジ穴が形成されている。
中枠3には、略円弧状のレール取付部3aが形成されている。このレール取付部3aの内側に外レール22をはめ込んで、取付部22a、22bをレール取付部3aにネジ止めすれば、外レール22を中枠3に固定することができる。このように外レール22の一部を折り曲げて形成した取付部22a、22bを利用して中枠3に取り付けることとすれば、外レール22を中枠3に固定するための固定部材を別途用いる必要がなくなるので、部品点数を削減できるとともに、組み付け作業も容易に行うことが可能となる。
図2に示すように、外レール22の右下には発射レール11が設けられている。また、図4に示すように、発射レール11における遊技球の発射位置には、発射された遊技球を検出するための発射球カウントスイッチ221が設けられている。
図2、図3には、発射装置ユニット10が中枠3に取り付けられている様子が示されている。発射装置ユニット10には、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する槌10a(図2参照)や、槌10aの回転を規制するストッパ部10b、10c(図2)、槌10aに打撃力を付与するバネ部10d(図3)、モータ部10f(図3)などが設けられている。モータ部10fには、発射モータが内蔵されており、モータの回転軸に固定されたカム10eが回転することによって、槌10aに連続的に打撃力を発生させる。
また、ハンドル軸10g(図2)は、前述した発射ハンドル8に連結されている。遊技者がハンドル8を回転させると、ピニオン10hとラック10i(図3)によって、その回転運動が直線運動に変換される。そしてラック10iは、遊技者による発射ハンドル8の操作量をバネ部10dに伝達する。
図5は、発射ハンドル8を回転させていない場合のピニオン10hとラック10iの拡大図である。また、図6は、発射ハンドル8を回転させている場合のピニオン10hとラック10iの拡大図である。図5、図6に示されているように、ラック10iの近傍には発射スタートスイッチ10jが設けられている。発射スタートスイッチ10jは、直線運動するラック10iの移動によって、出力がオンとオフとに切り替わるように構成されている。本実施例では、発射スタートスイッチ10jとしてリミットスイッチを用いている。
発射スタートスイッチ10jは、遊技者が発射ハンドル8を所定角度以上回転させ、ラック10iが遊技球の打ち出しに最も適した所定の発射スタート位置にきたときにオン/オフが切り替わるような位置に設けられている。本実施例の発射スタートスイッチ10jは、発射ハンドル8を操作していない場合にオン出力(High)であり、遊技者が発射ハンドル8を操作すると、すなわち所定角度以上回転させるとオフ出力(Low)に切り替わる。
バネ部10dには、弾性体としてのゼンマイバネが内蔵されており、ゼンマイバネの一端は槌10aの回転軸に接続され、他端はラック10iに接続されている。ラック10iは、直線運動によりゼンマイバネ(渦巻きバネ)のバネ力(反発力)を調整するバネスライダ部を構成している。ゼンマイバネのバネ力は、槌10aの先端を発射位置方向に移動させる方向に働く。槌10aは、遊技球の発射を行っていない定常時には、ゼンマイバネのバネ力によりストッパ部10b、10cに押しつけられている。このとき、槌10aの先端は遊技球直前の発射位置に位置する。槌10aの先端は、図4に示すように発射球カウントスイッチ221の手前に位置している。なお、ストッパ部10b、10cにおける槌10aとの接触部は、弾性部材から構成されている。
本実施例では、モータ部10fの発射モータとしてマイクロステップ駆動のステッピングモータを用いている。ステッピングモータは、所定周波数の駆動パルス信号により駆動される。このようなマイクロステップ駆動のステッピングモータを採用することにより、低振動化を図ることが可能となる。
また、槌10aの回転軸には、カム10eと接触する係合部(図示せず)が設けられている。発射モータが回転することで、カム10eが槌10aの係合部を押圧し、槌10aがゼンマイバネを圧縮しながら発射位置から離れる方向に引っ張られる。カム10eが所定の発射角度まで回転すると、カム10eと槌10aの係合部との係合が外れ、ゼンマイバネのバネ力により槌10aが振り出される。この結果、槌10aの先端は発射位置にある遊技球を打撃(発射)することができる。槌10aは、ストッパ部10b、10cに接触するまで回転し、ストッパ部10b、10cは槌10aが衝突すると弾性変形しながら、槌10aの回転運動を停止させる。このように、発射モータが1回転する毎に遊技球が1球発射される。発射モータが連続して回転することで上記動作を繰り返し、遊技球を連続的に発射することができる。
モータ部10fには、発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。原点センサとしては、例えば光センサを用いることができる。本実施例では、槌10aが振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜200)だけ回転した位置を原点と定めている。
遊技者は、発射ハンドル8の回転量を調整することで、槌10aによる遊技球の打撃力(発射力)を調整することができる。すなわち、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、ハンドル軸10gとハンドル軸10gに連結されたピニオン10hを介して、ラック10iが直線運動する。ラック10iはバネ部10dのゼンマイバネに接続されているので、ラック10iの移動量に応じてゼンマイバネのバネ力を変化させることで、槌10aによる遊技球の発射力を変化させることができる。
ここで、球送り装置12について図7に基づいて説明する。球送り装置12は、前述した上皿部5の遊技球投入部に投入された遊技球を、発射レール11の発射位置に供給する機能を有している。図7(a)〜(c)は球送り装置12の正面図およびA−A断面図を示している。上皿部5に貯留された遊技球は、球送り装置12の動作によって、発射レール11の発射位置に供給される。図7(a)〜(c)に示すように、球送り装置12には球送りカム12bが設けられている。球送りソレノイド12aが球送りカム12bを駆動すると、上皿部5の遊技球が1個ずつ発射レール11の発射位置に供給される。
図7(a)は、球送りソレノイド12aがオフとなった状態を示している。球送りソレノイド12aがオフになると、上皿部5からの供給口を塞ぐような位置まで球送りカム12bが回転する。その結果、上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となる。
図7(b)は、球送りソレノイド12aがオンとなった状態を示している。球送りソレノイド12aがオンになると、球送りカム12bが逆方向に回転し、塞がれていた供給口を通って上皿部5から遊技球が供給され、球送りカム12bに設けられた凹部に流入する。もっとも、凹部は遊技球1球分の大きさしかないので、結局、球送りソレノイド12aがオンになると、上皿部5から球送りカム12bの凹部に1球だけ遊技球が供給されることになる。
図7(c)は、球送りソレノイド12aが再びオフとなった状態を示している。球送りソレノイド12aがオフになると、球送りカム12bは、再び、上皿部5からの供給口を塞ぐような位置まで回転する。この時、凹部に受け入れていた遊技球が発射レール11に供給される。すなわち、遊技球が1球だけ発射レール11に供給されることになる。
このように、球送りソレノイド12aをオフからオンにする度に、遊技球が1球だけ球送りカム12bの凹部に受け入れられ、また、球送りソレノイド12aをオンからオフに戻す度に、球送りカム12bの凹部に1球だけ受け入れられていた遊技球が、発射レール11に供給されることになる。
A−3.上皿部の構成 :
次に、本実施例の遊技機で採用されている上皿部5の構成について説明する。図8は、本実施例の遊技機に搭載されている上皿部5を背面側から見た斜視図である。図示されているように上皿部5は、略平面形状をしたパネル5dの前面側に皿外縁部5aが突設されて構成されており、その皿外縁部5aには、遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等に加えて、投入された遊技球を排出するための排出ボタン5bや、遊技を終了するための遊技終了ボタン5xなどが設けられている。外縁部5aの内部には皿状の凹部5cが形成されており、貸球や払い出された遊技球は、この凹部5cに一旦貯留される。この凹部5cの一部には、後述する遊技球準備部5uや遊技球投入部5hなどが形成されており、凹部5c内の遊技球は、遊技球準備部5uおよび遊技球投入部5hを介して、遊技球供給口5eから球送り装置12に供給される。
パネル5dの背面側には、受入口51や、ファール球受入口52、ファール球通路5tなどが設けられている。受入口51は、上皿部5の凹部5cに続いており、払い出された遊技球や貸球は、受入口51から凹部5cに導かれて貯留される。ファール球が発生した場合には、ファール球は、ファール球受入口52からファール球通路5tを経由して、後述する遊技球投入部5hに還流される。また、パネル5dの背面側には、球送り装置12に遊技球を供給するための遊技球供給口5eや、遊技球投入部5hあるいは遊技球準備部5uから排出された遊技球を下皿部6に排出するための排出口5gなども設けられている。遊技球供給口5eは、排出プレート5fによって上下に仕切られており、投入された遊技球は供給口5eの上側から球送り装置12に供給される。また、遊技球供給口5eの下側は球送り装置12の側面によって封鎖された状態となっている。
図9は、遊技機1の上方から上皿部5を見た様子を示す説明図である。図示されているように、上皿部5に設けられた皿状の凹部5cは、一端が細い通路状に形成されており、この通路部分は、中央に設けられた投入プレート5pによって、更に2条の通路に分離されている。これら通路の中で、凹部5cに接続されている側の通路が遊技球準備部5uを構成し、他方の通路が遊技球投入部5hを構成している。また、遊技球準備部5uと凹部5cとの間には供給プレート5sが設けられている。供給プレート5pは、通常は閉鎖状態となっており、遊技球準備部5uと凹部5cとは分離されているが、供給プレート5sを開放させれば、凹部5cに貯留されている遊技球を遊技球準備部5uに流入させることができる。遊技球を遊技球準備部5uに流入させた後、今度は投入プレート5pを開放状態とすれば、遊技球準備部5uに供給されている遊技球を遊技球投入部5hに投入することができる。遊技球投入部5hの終端には遊技球供給口5eが設けられており、遊技球投入部5hに投入された遊技球は、遊技球供給口5eを介して1球ずつ球送り装置12に供給される。また、遊技球準備部5uや遊技球投入部5hから遊技球を抜き出したり、あるいは上方から遊技球を挿入することができないように、遊技球準備部5uおよび遊技球投入部5hの上方を覆うようにしてカバー5kが設けられている。
更に、遊技球準備部5uおよび遊技球投入部5hの長さは、ちょうど規定数(本実施例では15個)の遊技球が整列する長さに設定されている。従って、一単位遊技を行う毎に、規定数ずつ遊技球を投入して遊技を進行させることが可能となっている。遊技球を投入する動作の詳細については後述する。
A−4.遊技盤の構成 :
次に、遊技盤2dの構成について図10に基づいて説明する。図10は、遊技盤20の盤面を模式的に示した正面図である。遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。
図10に示すように、遊技盤20は、外レール22と内レール23により形成される略円形状の遊技領域21が設けられている。遊技領域21には、16連入球口(入球領域)24、16連入球口LED表示部25、左入球口(入球領域)26、誘導図柄作動ゲート29、第2役物誘導装置作動ゲート30、図柄表示装置31、第1役物作動口(可変入球口)32、第2役物作動口33、特別遊技装置36等が設けられている。また、遊技領域21には、多数の障害釘(図示略)が設けられている。なお、16連入球口24、左入球口26、誘導図柄作動ゲート29、第2役物誘導装置作動ゲート30、第1役物作動口32、第2役物作動口33におけるそれぞれの内部には、遊技球の入球又は通過を検知する入球検知スイッチ(図示略)が設けられている。尚、16連入球口24、左入球口26、第1役物作動口32、および第2役物作動口33が本発明の入球領域に相当する。
16連入球口24は、遊技領域21の下方領域に設けられ、16個の入球口が横方向に一列に並んで配置されている。16連入球口24の前面側には、16連入球口LED表示部25が設けられている。16連入球口LED表示部25は、後述する図柄表示装置31内に設けられた入賞図柄表示部31c(図11)に対応して点灯するものであり、入賞図柄表示手段の一態様を示すものである。16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合には、その入球口に対応する入賞図柄表示部31cの入賞図柄が入賞表示するとともに16連入球口LED表示部25のLEDが点灯表示する。また、図示していないが、少なくとも3番、5番、11番、13番、15番の各入球口の障害釘は、遊技球が直接には入球し難いような状態に設定されている。
左入球口26は、16連入球口24の上方左側に設けられている。本実施例では、左入球口26に入球すると、16連入球口24における5番の入球口に入球したのと同様の効果が得られ、入賞図柄表示部31cの5番の入賞図柄が入賞表示するとともに、16連入球口LED表示部25の5番のLEDが点灯する。
本実施例の遊技機1は、一単位遊技(1ゲーム)に15個の遊技球を発射して、この単位遊技中に点灯表示した入賞図柄の組合せにより賞態様が決定(得点が成立)し、賞態様に対応する賞遊技価値の付与として賞球の払い出しが行われる。例えば入賞図柄が4個連続して点灯表示された場合には1点が付与され、1点につき規定数(15個)の賞球が払い出される。また、本実施例では、所定の入賞図柄の連続した組合せ(本例では12・13・14・15番)に対して3点が付与される。ただし、1ゲームにおいて獲得できる遊技球数は、規定数の10倍(150個)が上限となっている。
16連入球口24のうち、16番の入賞図柄に対応する入球口24aは得点増加装置作動口としての機能も有しており、遊技球が入球口24aに入球した場合には、16番の入賞図柄が表示されるとともに得点増加装置が作動して、当該ゲームにおいて1得点当たりに払い出される賞球数を増加(本例では2倍)させる。また、得点増加装置は当該ゲームが終了したときに作動を終了する。入球口24aは、16個の入球口が横方向に一列に並んで配置される16連入球口24の右端部に位置し、遊技球が比較的入球し易い入球口である。遊技者は、遊技領域21の右方側に設けられた第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを狙って遊技球を打ち出す操作(いわゆる右打ち)を行うことにより、特別遊技状態が発生しているときはもちろんのこと、特別遊技が発生していない通常遊技状態においても、入球口24aに遊技球を容易に入球させることができる。
誘導図柄作動ゲート29は、遊技領域21の左上方に設けられている。また、遊技領域21の中央部には、任意の図柄を表示可能な画面を有する図柄表示装置31が設けられている。本実施例の図柄表示装置31は、液晶(LCD)にて構成されている。図柄表示装置31は、ドットマトリクス等のその他の装置を用いて構成することもできる。
図11は、図柄表示装置31の画面構成を示す正面図である。図11に示すように、図柄表示装置31には、誘導図柄表示部31a、31b、入賞図柄表示部31c、残り球表示部31d等が設けられている。本実施例では、誘導図柄表示部として、本図柄表示部31aおよび疑似図柄表示部31bを備えている。本図柄表示部31aは識別図柄としての本図柄を表示するものであり、図柄表示装置31内の右下に配置されている。本図柄表示部31aは、複数(本例では2つ)の図柄表示領域を備え、それぞれ赤色、青色、緑色の3色で表示可能に構成されており、6通りの本図柄の組合せを表示可能となっている。
疑似図柄表示部31bは、図柄表示部31の上側約半分の領域を占めており、複数(本例では3つ)の図柄表示領域を備えている。本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が、予め定められた当たり図柄(特定の図柄)の組合せである場合には、疑似当たり図柄を表示するとともに、本図柄が当たり図柄以外の組合せである場合には、疑似外れ図柄を表示するようになっている。具体的には、疑似図柄表示部31bの3つの図柄表示領域はそれぞれ「三」「七」「玉」「花」からなる4通りの図柄を表示可能であり、64通りの疑似図柄の組合せを表示可能である。誘導図柄(本図柄および疑似図柄)は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過することにより変動開始し、所定時間変動表示した後で停止表示を行う。誘導図柄変動時間の経過後、遊技者が誘導図柄を確認するために誘導図柄停止表示時間が設定されている。
本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が、予め定められた当たり図柄の組合せである場合には、一定時間経過後に第1役物誘導装置(可変入球装置)が作動開始し、遊技領域21に設けられた可変入球口としての第1役物作動口32が、遊技球が入球し易い開放状態となる。第1役物作動口32は、一つの可動片を備えており、この可動片が右方向に作動して第1役物作動口32が開放状態になると、遊技球が入球し易い状態となる。また、本実施例では、本図柄が「赤一赤」の組合せを当たり図柄の組合せとし、それ以外の組合せを外れ図柄の組合せとしている。なお、第1役物誘導装置とは、第1役物作動口32の状態を変化させる機構であり、後述の主制御部200を主体として構成される。
本実施例では、乱数として、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等が用意されている。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、第1役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)と、当否判定にて「当たり」と判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の当たり図柄を決定するために使用される。また、図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄を決定するために用いられるとともに、当否判定にて「外れ」と判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の外れ図柄を決定するために使用される。
当否の判定は、具体的には次のようにして行われる。当否判定用の当たり値が予め設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで当否判定用乱数を取得して、取得した乱数値が当たり値と一致していれば当たりと判定される。そして、当たりと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は「赤一赤」の当たり図柄の組合せに決定される。一方、外れと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は図柄表示用乱数を用いて決定され、具体的には「青一青」、「青一赤」、「青一緑」、「緑一線」、「緑一赤」のいずれかに決定される。
疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。具体的には、当否判定にて当たりと判定された場合には、「三・三・三」、「七・七・七」、「玉・玉・玉」、「花・花・花」のいずれかの組合せからなる疑似当たり図柄に決定され、当否判定にて外れと判定された場合には、上記疑似当たり図柄以外の組合せからなる疑似外れ図柄に決定される。
図11に示すように、図柄表示部31内の下方には、入賞図柄表示部31cが設けられている。入賞図柄表示部31cは、上述の16連入球口24に対応するものであり、16個の入賞図柄を備えている。入賞図柄表示部31cでは、16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合に、その入球口に対応する入賞図柄にて入賞表示を行う。すなわち、16連入球口24のいずれかに遊技球が入球すると、入球した入球口に対応する入賞図柄の表示態様が変更されて、遊技球がいずれの入球口に入球したかを認識可能となっている。そして、隣り合う4つの入球口(例えば、11番、12番、13番、14番の入球口)に遊技球が入球した場合には、得点が成立して、これにより獲得された点数が入賞図柄表示部31cの該当する部分に表示されるように構成されている。なお、遊技球15個がすべて入球した後、遊技者が入賞図柄を確認する入ための時間として、入賞図柄確認時間(本例では0.5秒)が設定されている。
また、図柄表示部31の左側中央付近には、そのゲームにおける発射可能な遊技球の残り球数を表示する残り球表示部31dが設けられている。さらに、図11では図示を省略しているが、図柄表示部31には、1ゲーム中で成立した得点が表示される得点表示部、特別遊技状態が途中で終了(いわゆるパンク)した際に表示されるパンク報知部なども設けられている。パンク報知部の表示が消えるタイミングは、次に特別遊技状態が発生したとき、表示後所定ゲーム回数(例えば、3〜4ゲーム)が経過したとき、あるいは、表示後所定時間(例えば、10〜30秒)の経過後とすることができる。
さらに図柄表示部31には、図示を省略しているが、誘導増加装置が作動開始してからのゲーム数(ラウンド数)を示すラウンド数表示部や、遊技の進行に応じて任意にメッセージを表示する遊技情報報知部が設けられている。遊技情報報知部には、例えば遊技者の利益に関連する情報および不利益に関連する情報を指示報知する指示報知情報を表示して、ナビゲーションを行うことができる。具体的には、遊技情報報知部では遊技者が狙うべきところ、あるいは狙うべきでないところを指示報知することができる、なお、メッセージを表示する際には、必要に応じて疑似図柄表示部31bを小さく表示するようにしてもよい。
遊技球が第1役物作動口32に入球すると、入賞図柄表示部31cにおける4つの入賞図柄を同時に表示させる第1役物が作動して、12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示する。また、第1役物は、当該ゲームが終了したときには作動を終了する。
また、第1役物作動口32は、図柄表示部31の下方に設けられた特別遊技装置36への入球を可能とする特定入球口としての機能も有している。特別遊技装置36については後述する。
第1役物誘導装置は、上述したように、本図柄表示部31aで当たり図柄の組合せが停止表示された場合に作動するが、第1役物誘導装置の作動中に第1役物作動口32に入球があった場合、あるいは3ゲームが終了した場合には作動を終了して、第1役物作動口32を閉鎖する。
一方、遊技領域21の右上方には、第2役物誘導装置作動ゲート30が設けられている。この第2役物誘導装置作動ゲート30は、後述する誘導増加装置が作動することによって有効になる。また、第2役物誘導装置作動ゲート30の右下方には、第2の可変入球口としての第2役物作動口33が設けられている。第2役物誘導装置作動ゲート30の有効時に、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過すると、第2役物誘導装置(第2可変入球装置)が作動を開始して第2役物作動口33が開放状態となり、遊技球が入球し易くなる。第2役物作動口33は一つの可動片を備えており、この可動片が左に作動すると第2役物作動口33が開放状態となって、遊技球が入球し易くなる。
第2役物作動口33は、入賞図柄表示部31cにおける4つの入賞図柄を同時に表示させる第2役物を作動させるものである。第2役物作動口33に入球した場合には、第2役物が作動して11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示する。第2役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。また、第2役物誘導装置作動ゲート30は、各単位ゲームにおいて最初に遊技球が通過して第2役物作動口33が開放状態となるまでは有効であるが、第2役物作動口33が一旦開放状態になってから次の単位ゲームが開始されるまでは無効となる。第2役物誘導装置は、上述したように、第2役物誘導装置作動ゲート30の有効時に遊技球が通過すると作動を開始するが、第2役物誘導装置の作動中に第2役物作動口33に入球があった場合、あるいは当該ゲームが終了したときには作動を終了して、第2役物作動口33を閉鎖する。
次に、第1役物作動口32に入球した遊技球が導かれる特別遊技装置36について説明する。図10に示すように、特別遊技装置36は、図柄表示部31の下方に設けられている。図12は、特別遊技装置36の全体構成を示す斜視図である。図12に示すように、特別遊技装置36は、2つの遊技球通路37、41と、これらの間に配置された3つの回転体38、39、40とを備えている。
遊技球通路37、41は、その上面を遊技球が流下するように構成されている。第1役物作動口32に入球した遊技球は、図12中では左側から第1の遊技球通路37上に流れてくる。第1の遊技球通路37における下流側端部の中央付近には、遊技球の流れに変化を与えるための突起部37aが設けられている。突起部37aに当たった遊技球は両脇のいずれかにそれて流下する。第2の遊技球通路41については後述する。
2つの遊技球通路37、41の間に配置された回転体38、39、40は、遊技球の流れに変化を与えるためのものである。回転体38、39、40は細長形状であり、長手方向が水平方向かつ遊技球が流下する方向と直交する方向に配置されている。回転体38、39、40は長手方向を回転軸として、図示しない回転体用モータにより回転可能に構成されている。これらの回転体38、39、40は、同期して図12中における反時計方向に回転する。
第1の回転体38は略四角柱形状であり、ある側面は凸状に、また、ある側面は凹状に形成されている。そして、第1の回転体38上を遊技球が通過する際、凹面が上側に位置している場合には遊技球は中央付近を通過し、凸面が上側に位置している場合には遊技球は両脇のいずれかにそれ易くなる。両脇にそれた遊技球は、下方に落下する。
第2の回転体39は、側面の四隅が面取りされた略四角柱形状であり、側面の中央付近には貫通穴39aが形成されている。第2の回転体39上を遊技球が通過する際、貫通穴39aが上面に位置している場合には、中央付近を通過する遊技球は貫通穴39aに入り込んで下方に落下する。
第3の回転体40は、側面が凸になった樽形状であり、内部に複数の小型磁石が内蔵されている。第3の回転体40上を遊技球が通過する際、側面が凸になっているので遊技球は両脇のいずれかにそれ易くなる。一方、内蔵磁石の位置によっては、遊技球が磁石に引き寄せられて軌道修正される。それでも、両脇のいずれかにそれてしまった遊技球は、下方に落下する。
3つの回転体38、39、40の上を通過する際に下方に落下しなかった遊技球は、第2の遊技球通路41上に流下する。第2の遊技球通路41には、遊技球が入球可能な誘導増加装置作動領域(特定の領域)41aが設けられている。誘導増加装置作動領域41aは、上方が開口して遊技球が通過可能に構成されている。図示を省略しているが、誘導増加装置作動領域41aには、誘導増加装置作動領域41aの遊技球の通過を検知する誘導増加装置作動領域スイッチが設けられている。なお、特別遊技装置36の下方には図示しない排出口が設けられている。誘導増加装置作動領域41aに到達せず、途中で落下したすべての遊技球は、図示しない誘導壇加装置非作動領域を通過したことを誘導増加装置非作動領域スイッチにより検知された後、排出口を通過する。
誘導増加装置作動領域41aは、誘導増加装置を作動させる特定の領域を構成している。尚、前述したように誘導増加装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、遊技状態を変化させて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)を発生させるものである。
本実施例では、誘導増加装置が作動すると、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効になるとともに、第1役物作動口32が開放する確率が1/1に増加する。この結果、誘導増加装置作動中に遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過すれば、必ず第1役物作動口32が開放することになる。誘導増加装置の作動は、作動開始から所定回数の14ゲームが終了した場合、あるいは作動中に新たに遊技球が誘導増加装置作動領域38を通過(いわゆるパンク)した場合に終了する。
A−5.裏面構造 :
次に、パチンコ機1の裏面構造について説明する。図13は、本実施例のパチンコ機1の裏面構造を示した説明図である。本実施例では、パチンコ機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
図13に示されているように、裏機構盤102には、パチンコ機1の上部付近から右端中央部付近にかけて、賞球タンク105、タンクレール106、賞球払出装置109が設けられている。ここで、賞球タンク105には遊技球が蓄えられている。遊技者に対して遊技球が払い出される場合は、賞球タンク105に貯留されている遊技球が、タンクレール106を通って賞球払出装置109に供給され、賞球払出装置109で計数されて所定数の遊技球が払い出されることになる。この賞球払出装置109による払出し動作は、払出制御基板によって制御されている。この払出制御基板は、払出制御基板ケース118に収容されている。また、払出制御基板ケース118は、図13に示されているように、裏機構盤102の裏面側の右下部付近に設けられている。なお、払出制御基板の電気的構成については後述する。
また、パチンコ機1の裏面側のほぼ中央部には、音声・ランプ制御基板ケース114、ランプインターフェース基板ケース115、図柄制御基板ケース116、表示装置ケース117などが設けられているほか、各種信号を中継する中継端子基板190も設けられている。ここで、音声・ランプ制御基板ケース114には、音声・ランプ制御基板が収容されている。この音声・ランプ制御基板は、スピーカ400aやランプ等の制御を主に行うための基板である。次に、ランプインターフェース基板ケース115には、ランプインターフェース基板が収容されている。このランプインターフェース基板は、音声・ランプ制御基板からの命令を受けてランプ等に駆動信号を出力するための基板である。また、図柄制御基板ケース116は、中央装置26の制御を行うための図柄制御基板が収容される基板ケースであり、不正行為者が容易に開封できないような封止構造116aが採られている。
裏機構盤102の下部付近には、発射基板ケース130、電源基板ケース132、主制御基板ケース112などが設けられている。ここで、発射基板ケース130には、発射基板が収容されている。この発射基板は、遊技球の発射を司る制御基板であり、発射ハンドル9の操作に応じて発射動作を制御するように構成されている。電源基板ケース132には、電源基板が収容されている。この電源基板は、パチンコ機1内の各装置に対する電源供給を司る基板である。また、主制御基板ケース112には、主制御基板が収容されている。この主制御基板は、遊技の進行を司る制御基板である。主制御基板の電気的構成等については、後述する。裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
次に、遊技球払出装置109の構成について図14、図15に基づいて説明する。図14は遊技球払出装置109の外観を示す斜視図であり、図15は遊技球払出装置109を分解した状態を示す斜視図である。図14に示すように、遊技球払出装置109の内部には、上述のケースレール108から供給される遊技球が通過可能な遊技球通路109a、109bが2列形成されている。また、遊技球払出装置109は、3つのケーシング109c、109d、109eと払出モータ109fとを備えている。払出モータ109fとしては、例えばステッピングモータを用いることができる。遊技球払出装置109は、2列の遊技球通路109a、109bから交互に遊技球を払い出すように構成されている。
図15に示すように、ケーシング109c、109d、109eの内部には、遊技球通路109a、109bにおける遊技球の流れを規制するカム109g、109hと、払出モータ109fの駆動力をカム109g、109hに伝える駆動力伝達軸109iが設けられている。カム109g、109hは払出モータ109fにより回転駆動され、カム109g、109hの回転/停止により、遊技球払い出しのオン/オフが行われる。
カム109g、109hは、各遊技球通路109a、109bに対応した2枚の板状回転体からなる。各カム109g、109hは、回転軸にて連結されている。各カム109g、109hの外周部には、略円弧状の凹部(球受け部)が3つ形成されており、各凹部に遊技球通路109a、109bを流れる遊技球が1個ずつ入り込む。それぞれのカム109g、109hに形成された凹部は、各カム109g、109hで位相をずらして形成されている。各カム109g、109hは、外周部に形成された凹部が各遊技球通路109a、109bに位置するように配置されている。カム109g、109hは、図15において反時計回りに回転し、遊技球通路109a、109bに上方から供給される遊技球を1個ずつ下方へ送り出す。
各凹部の外縁部のうちカム回転方向の前側が滑らかに形成されている。これにより、カム109g、109hが回転する際、遊技球通路109a、109bの遊技球がより速く凹部に入り込むことができ、遊技球払出装置109による払い出しをより高速化することができる。また、本実施例のカム109g、109hは一方向のみに回転するので、このような高速払出に適したカム形状にすることができる。なお、本実施例の遊技球払出装置109は、4秒間当たり160個(1秒当たり40個)の払出速度で遊技球を払い出すことができるように構成されている。
カム109g、109hの回転軸は、遊技球通路109a、109bにおける入口部の延長線上に設けられている。すなわち、ケースレール108に設けられた垂直部分の延長線上にカム109g、109hの回転軸が位置している。このような構成により、遊技球払出装置109の停止中にケースレール108内に存在する遊技球の球圧(自重)でカム108が回転してしまうのを防ぐことができる。また、2列の遊技球通路109a、109bには、遊技球払出装置109で払い出した遊技球数を検知する払出センサ109j、109kが設けられている。
ところで、遊技球払出装置109における払い出し高速化に伴い、カム109g、109hが脱調することが考えられ、払出数の正確性に問題が生じる可能性がある。特に、カム109g、109hが高速回転している状態から停止する際に脱調が発生しやすい。そこで、本実施例の遊技球払出装置109では、遊技球の払い出し終了前に払出モータ109fの回転速度を通常回転速度より遅い回転速度に一旦減速して所定個数の遊技球を払い出した後、払出モータ109fを停止するように構成されている。例えば最後の1球を払い出す前に、払出モータ109fの回転速度を例えば通常回転速度の半分の回転速度に減速し、最後の1球を払い出してから払出モータ109fを停止させる。これにより、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴う脱調を防止できる。なお、「通常回転速度」とは、遊技球払出装置109が定常状態の払出速度(本例では40個/秒)で遊技球を払い出す際の払出モータ109fの回転速度である。
また、カム109g、109hが停止している状態から高速回転を開始する際にも脱調が発生しやすい。このため、本実施例の遊技球払出装置109では、遊技球の払い出し開始時に、払出モータ109fの回転速度を通常回転速度より遅い回転速度から回転開始して所定個数の遊技球を払い出した後、払出モータ109fを通常回転速度に加速するように構成されている。例えば最初の1球目を払い出す前に、払出モータ109fの回転速度を例えば通常回転速度の半分の回転速度で回転開始し、最初の1球を払い出してから払出モータ109fを通常回転速度に加速する。これによっても、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴う脱調を防止できる。
B.電子制御装置の構成 :
B−1.全体構成 :
図16は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。図16に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260および280などから構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、音ランプ制御部260および図柄制御部280などから構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260および280は、払出制御基板230a、音ランプ制御基板260aおよび図柄制御基板280aなど、各種の周辺制御基板をそれぞれ備えている。
主制御部200は、各副制御部230、260、および280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、および280は指令信号に基づいて各種制御を行う。例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
また、主制御部200から音ランプ制御部260には、各種ランプ制御コマンドおよび各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、音ランプ制御部260を介して、本図柄の表示を指示する誘導図柄表示制御コマンド、1〜16の入賞図柄の表示を指示する入賞図柄表示コマンド、すべての図柄表示の消灯を指示する入賞図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。なお、疑似図柄の表示を指示する表示制御コマンドは、音ランプ制御部260から図柄制御部280に送信される。
各制御部200、230、260、および280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260、および280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200および払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を電源基板127に備えており、電源断時にも主制御部200および払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200には、盤用外部端子基板201、16連スイッチ中継基板202、誘導図柄作動ゲートスイッチ204、盤面中継基板210および遊技枠中継基板220が接続されている。
盤用外部端子基板201には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、遊技機用として使用されるものであり、賞球信号、入球口入球信号、得点増加装置に係る入球口入球信号、役物作動口入球信号、特定入球口入球信号、誘導増加装置作動領域通過信号、誘導図柄に係るゲート通過信号、役物誘導装置に係るゲート通過信号、役物作動信号、得点増加装置作動信号、役物作動口開放信号、役物誘導装置作動信号、誘導図柄に係るゲート有効信号、役物誘導装置に係るゲート有効信号などの信号を試験装置に送出することができる。
16連スイッチ中継基板202には、16連入球口24の各入球口への入球を検知する16連入球口検知スイッチ203が接続され、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号が主制御部200に送信される。そして、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号により、16番の入賞図柄に対応する入球口24a(図10参照)への入球を検知した場合には得点増加装置の作動を開始する。誘導図柄作動ゲートスイッチ204は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したことを検出するものである。
図17は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図17に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411、および出力制御回路412などを備えている。また、本実施例の遊技機1では、電源基板127に電圧監視回路420を搭載している。電圧監視回路420は主制御部200および払出制御部230に供給される電圧が所定値以下になった場合には、主制御部200および払出制御部230のCPUに対して緊急性の最も高い割り込み信号(ノンマスカブル割り込み信号)として電源断信号を出力し、後述する電源断発生処理を開始させる機能を有している。尚、この電圧監視回路420は、電源断検知手段の一態様を構成している。
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
また、RAM402には、遊技機1で用いられる各種乱数の乱数カウンタが設定されている。本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)に用いられる。予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致した場合に当たりと判定される。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、図柄表示装置31で停止表示される誘導図柄を決定するために用いられる。
さらに、RAM402には、発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするための球送りカウンタと、発射装置ユニットで発射された遊技球をカウントするための発射カウンタと、入球口に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタとが設定されている。この発射カウンタは、発射球数計数手段の一態様を構成している。また、入球カウンタは、入球数計数手段の一態様を構成している。
次に、盤面中継基板210を図18に基づいて説明する。図18は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図18に示すように、盤面中継基板210には、左入球口スイッチ211、役物作動口スイッチ212aおよび212b、作動領域スイッチ214、各種ソレノイド216、回転体用モータ217、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218が接続されている。
左入球口スイッチ211は、左入球口26の内部に設けられ、遊技球の入球を検知するものである。役物作動ロスイッチ212aおよび212bは、第1役物作動口32および第2役物作動口33の内部にそれぞれ設けられ、遊技球の入球を検知するものである。作動領域スイッチ214は、誘導増加装置作動領域41aへの遊技球の通過を検知するものである。また、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218は、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過したことを検出するものである。これらの遊技球検知スイッチや位置検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド216としては、第1役物作動口32および第2役物作動口33をそれぞれ開閉するものがあり、開放ソレノイドと閉鎖ソレノイドとから構成されている。回転体用モータ217は、特別遊技装置36の回転体38、39、40を回転させるものである。
次に、遊技枠中継基板220を図19に基づいて説明する。図19は、遊技枠中継基板220に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板220は、主に中枠3に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図19に示すように、枠中継基板220には、発射球カウントスイッチ221、ファール球検出スイッチ222が接続されている。さらに枠中継基板220には、後述の球送り中継基板251を介して球送りカウントスイッチ254が接続されている。
前述したように、発射球カウントスイッチ221は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。また、ファール球検出スイッチ222は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域21に到達しないで、下皿部6に戻ってきた遊技球を検知する機能を有しており、球送りカウントスイッチ254は、上皿部5から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントする機能を有している。
B−2.払出制御部の構成 :
次に、払出制御部230の動作、すなわち払出動作について概要を説明する。図16に示されているように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図17で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている0本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
払出制御部230を図20に基づいてさらに説明する。図20は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図20に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13およびCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の未接続が検知された場合には、払出制御部230はエラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。プリペイドカードユニット13の未接続エラーは、払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の接続が検知された場合に解除される。なお、プリペイドカードユニット13の未接続に関するエラー信号は、払出制御部230から主制御部200に送信されない。
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109fおよび払出センサ109j、109kが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241およびエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109j、109kは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
賞球表示LED基板241およびエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4gおよびエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示LED基板242は複数種類のLEDを備えており、エラーLED表示部4hは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーLED表示部4hは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
ここで、払出制御部230とプリペイドカードユニット13との問の信号について説明する。まず、遊技機1の電源が投入されると、払出制御部230はプリペイドカードユニット13に遊技機動作信号(PRDY信号)を出力する。また、プリペイドカードユニット13は、払出制御部230に電源信号(VL信号)を出力する。払出制御部230では、このVL信号の入力状態に基づいてプリペイドカードユニット13の接続あるいは未接続を判定する。
払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の未接続が検知された場合には、払出制御部230はエラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。プリペイドカードユニット13の未接続エラーは、払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の接続が検知された場合に解除される。なお、プリペイドカードユニγト13の未接続に関するエラー信号は、払出制御部230から主制御部200には送信されない。
プリペイドカードユニット13にてプリペイドカードがセットされ、貸球ボタン237が操作されると、プリペイドカードユニット13は払出制御部230にカードユニットREADY信号(BRDY信号)を出力する。更に、この時点から所定の遅延時間経過後、プリペイドカードユニット13は払出制御部230に貸出要求信号(BRQ信号)を出力する。
そして、払出制御部230はプリペイドカードユニット13に出力する貸出完了信号(EXS信号)を立ち上げておき、上記貸出要求信号(BRQ信号)の立ち下がりを検出したら払出モータを作動させ、所定個数の貸球を遊技者に払い出す。払出制御部230は、貸球払出が完了したら、EXS信号を立ち下げ、その後、プリペイドカードユニット13からのBRDY信号の立ち下がりを検出したら、貸球払出制御を終了する。
本実施例の払出制御部230は、タンク球切れスイッチ232からの信号と払出センサ109j、109kからの信号とに基づいて、ケースレール106内の球詰まりを検出する。具体的には、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されない場合で、かつ、タンク球切れスイッチ232にて球切れが検出されない場合は、ケースレール108で球詰まりが発生していると判断される。一方、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されない場合で、かつ、タンク球切れスイッチ232にて球切れが検出された場合は、賞球タンク105で球切れが発生していると判断される。
払出センサ109j、109kでの球詰まり検知は以下のように行う。まず、払出センサ109j、109kにて遊技球を所定時間以上検知できない場合には、払出モータ109fを逆回転で数ステップ動作させた後、最低速にて正回転させる。その後所定時間経過しても払出センサ109j、109kにて遊技球が検知できない場合には、払出制御部230はケースレール108で球詰まりエラーが発生したと判断し、賞球停止および貸球停止を行う。球詰まりエラーは、払出センサ109j、109kにて遊技球が検知された場合に解除される。なお、球詰まりに関するエラー信号は、払出制御部230から主制御剖200に送信される。
ケースレール108で球詰まりが発生していると判断された際、2個の払出センサ109j、109kの双方で遊技球が検出されない場合には、ケースレール108のすべての樋で球詰まりが発生し、遊技球の払い出しが不可能であると判断できる。一方、2個の牡出センサ109j、109kのいずれかのみで遊技球が検出されない場合には、ケースレール108内のいずれかの樋のみで球詰まりが発生しており、残りの樋では遊技球の払い出しが可能であると判断できる。
本実施例の遊技機1では、ケースレール108の球詰まりに対して複数段階のエラー状態を設定している。具体的には、複数のケースレール108のいずれかの樋のみで球詰まりが発生した場合を遊技球払出装置109を停止させない第1のエラー状態(軽度のエラー)とし、複数のケースレール108のすべての樋で球詰まりが発生した場合を遊技球払出装置109を停止させる第2のエラー状態(重度のエラー)としている。
具体的には、第1のエラー状態となった場合、払出制御部230は、エラーLED表示部4hにてオレンジ色に点灯する第1のエラー報知を行って遊技場従業員に警告を報知し、遊技球払出装置109による遊技球の払い出しを継続する。これにより、エラー報知にて遊技場従業員に復旧を促すとともに、遊技場従業員が来るまでの間はケースレール108の球詰まりしていない樋により遊技球の払い出しを継続できる。一方、第2のエラー状態となった場合、払出制御部230は、エラーLED表示部4hを赤色に点灯する第2Cエラー報知を行って遊技場従業員に異常を報知し、遊技球払出装置109を停止させる。
払出センサ109j、109kにて遊技球が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合には、払出制御部230は遊技球払出装置109に異常が発生したと判断し、エラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、賞球停止および貸球停止を行う。払出装置異常エラーは、払出センサ109j、109kにて遊技球を所定時間(本例では1秒)以上検知されなかった場合に解除される。なお、遊技球払出装置109の異常に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
図21は、払出センサ109j、109kから出力される信号の流れを示している。図21に示すように、払出センサ109j、109kからの信号が払出制御部230に入力する。払出制御装置230では、払出センサ109j、109kからの信号に基づいて遊技球払出装置109における払出数を計数する。上述のように、遊技球払出装置109での払出数には賞球数と貸球数が含まれている。このうち賞球数は主制御部200にて計数する必要があるので、賞球数に関する信号のみが払出制御部230から主制御部200に送信される。
払出制御部230は、主制御部200からの賞球払出指令、あるいはプリペイドカードユニット13からの貸出要求信号(BRQ信号)に応じて、遊技球を払い出すように構成されている。したがって、払出制御部230では、現在払い出している遊技球が賞球用か貸球用なのかを判別可能である。そこで、払出センサ109j、109kからの信号が賞球数である場合には、払出制御部230から主制御部200に払出個数分のパルス信号を送信する。なお、主制御部200では貸球数を知る必要がないので、払出センサ109j、109kからの信号が貸球数の場合には、払出制御部230から主制御部200に信号を送信しない。
払出センサ109j、109kからの信号が賞球数である場合には、払出制御基板230aのCPUから主制御基板200aのCPU400のカウンタに、賞球数に対応するパルス信号をソフトウェアによって出力する。主制御部200のCPU400の読み取り動作は4ms毎に行われるので、払出制御部230からのパルス信号の出力間隔を主制御部200のCPU400の読み取り間隔より長く(4ms以上)する必要がある。本実施例では、払出制御部230から送信する1球毎のパルス信号の出力間隔を10msとしている。なお、本実施例の払出モータ109fは、4秒当たり160個の払出速度なので、1個払い出すのに25msを要する。
また、主制御部200のCPU400のカウンタに入力するように構成したことで、払出制御部230から主制御部200に送信するパルス信号にノイズが混じり、主制御部200が賞球数を誤検知するおそれがある。そこで、払出制御部230は、賞球数1個に対して複数のパルス信号を出力するように構成されている。本実施例の払出制御部230では、1球につき3パルス出力する。主制御部200にて4ms毎に払出制御部230から送信されるパルスを読み取った際、3パルスで1球とカウントする。
図22(a)〜(d)は、払出制御部230から主制御部200に送信されるパルス信号を示している。図22(a)に示すように、仮にノイズが1パルス分発生して合計4パルスになったとしても、1パルス分をノイズと判断して1球とカウントすることができる。
なお、1球当たりのパルス数をさらに増加させることで、主制御部200における検出精度をより向上させることができる。すなわち、払い出しがなくノイズが3パルス分発生した場合には、主制御部200では1球と判断してしまうが、例えば1球当たりのパルス数をより多く設定すれば(例えば1球当たり10パルス)、このような誤検知を回避できる。
また、主制御部200の読み取り間隔内で賞球パルス信号に加えてノイズが3パルス分発生した場合には合計6パルスとなり、2球と誤検知することが考えられる。しかしながら、上記のように払出制御部230から送信されるパルス信号の出力間隔は10msに設定されているので(図22(b)参照)、10ms当たり3パルス以上であっても、3パルスを超える分はノイズと判断し、1球にしかカウントしない。
また、図22(c)に示すように、1球分の3パルスを送信している途中で主制御部200のCPU400がカウンタの値を読み込んだ場合、3未満であるので、パルス送信の途中であると判断して何もせず戻る。4ms後に再度カウンタの値を読み込んだ際に3以上であれば、1球と判断してカウンタをクリアする。
また、図22(d)に示すように、1回目のカウンタ値の読み込みが3未満であり、かつ、2回目の読み込みでも1回目の値と同じであれば、ノイズと判断してカウンタをクリアする。
主制御部200から払出制御部230に賞球コマンドが送信された後、所定時間経過しても払い出された賞球数が要求した賞球数に不足している場合、主制御部200から払出制御部230に賞球不足コマンドが送信される。この場合には、払出制御部230は賞球不足エラーとしてエラーLED表示部4hを赤色に点滅させ、遊技球払出装置109による遊技球の払い出し動作は継続する。賞球不足エラーは、賞球が終了しないと次のゲームに移行できないアレンジボール遊技機に特有のエラーであるため、他のエラーと区別してエラー報知を行う。具体的には、他のエラー発生時はエラーLED表示部4hを点灯させるのに対して、賞球不足エラー発生時にはエラーLED表示部4hを点滅させる。払い出された賞球数が要求した賞球数に達した場合に、主制御部200より賞球不足解除コマンドが払出制御部230に送信され、賞球不足エラーが解除される。
次に、主制御基板200aと払出制御基板230aを接続するコネクタの接続確認について図23に基づいて説明する。図23は、払出制御基板230aにおけるコネクタの接続確認を説明するための概念図である。主制御基板200aと払出制御基板230aとは、両端にコネクタ200e、230eを有するハーネスを介して接続されている。ハーネスの両端にはコネクタ(図示略)が設けられている。
図23に示すように、主制御基板200aにはコネクタ受部200cが設けられ、払出制御基板230aには、コネクタ受部230cと負論理のAND回路230dとが設けられている。コネクタ受部200c、230cには、ハーネスの端部に設けられたハーネス側コネクタ200e、230eが挿入して接続される。
ここで、コネクタ受部200c、230cの端子数が多いとコネクタ挿入時に斜め挿入が起こりやすくなる。この結果、接続されていない端子が生じて誤作動の原因となる。このような斜め挿入の場合、コネクタ受部200c、230cの両端の端子のいずれかが未接続となる。そこで、本実施例では、コネクタ受部230cの両端に設けられたピン(端子)を接続確認用の信号線として用いている。AND回路230dは、コネクタ受部230cの両端の接続確認用端子からの信号を負論理で入力し、それらの信号の論理積をとってCPU230bに信号を負論理で出力する。CPU230bはAND回路230dからの信号の入力状態によりコネクタの接続状態を判断する。
コネクタ受部230cの接続確認用端子からの信号は、ハーネスが接続された状態ではLowとし、ハーネスが接続されてない状態ではHighとしている。したがって、コネクタ受部230cの両端の接続確認用端子が両方とも接続されている場合にはAND回路230dの出力はLowとなり、一方でも接続されていない場合にはAND回路230dの出力はHighとなる。そして、AND回路230dの出力がHighの場合には、CPU230bは接続確認用端子の少なくとも一方が未接続であると判断する。この判断に基づいてCPU230bは、エラー表示部4hを赤色に点灯させ、接続エラー報知を行う。
本実施例のようにコネクタ230cの両端の端子を接続確認用の信号線とし、これらの信号を用いてAND回路230dで負論理の論理積をとることで、コネクタ230cの接続確認を払出制御部230において容易に行うことができ、主制御部200と払出制御部230との接続を確実にすることができる。この払出制御部230における接続確認は、例えば遊技機1を遊技店に設置するとき、電源投入時あるいは電源投入後であって遊技者が遊技を行っていない時等に行うことができる。
B−3.発射制御部の構成 :
次に、発射制御部250の動作、すなわち遊技球の発射動作について説明する。図24は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図24に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回転させたかどうかを示す発射スタートスイッチ10j(図5、図6参照)からの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力する。
上述のように、発射停止スイッチ8bはタッチスイッチ8aと直列的に接続されており、発射停止スイッチ8bのオン/オフはタッチ信号として出力される。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていて、かつ、発射停止スイッチ8bが押されていない場合に、タッチ信号がオンになる。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていないか、あるいは発射停止スイッチ8bを押した場合に、タッチ信号がオフになる。
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌10aを稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。本実施例では、発射モータ252の駆動パルス信号の周波数を固定値とし、発射モータ252の回転周期、すなわち1回転に要する時間を固定値(本例では500ms)としている。
球送り中継端子板253には、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド12a、球送りカウントスイッチ254が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ254からの信号は遊技枠中継基板220を介して主制御部200に送信される。
上記原点センサ251の信号は、発射制御部250を介して、払出制御部230に送信される。払出制御部230は、原点センサ251にて原点が検出された場合に、上記球送り許可信号を所定期間(本例では60ms)だけ許可状態(L出力)にするように構成されている。
図25は、発射制御部250の回路構成を示している。図25に示すように、発射制御部250には、払出制御部230から球送り許可信号および発射許可信号が入力し、発射ハンドル8からはタッチ信号および発射スタート信号が入力する。さらに、発射制御部250には払出制御部230のCPUに設けられたクロック発生器(図示せず)からのクロック信号が入力する。また、発射制御部250は、3つのAND回路250a、250b、250c、フリップフロツプ250d、分周回路250e、モータ駆動回路250fを備えている。
第1AND回路250aは、発射許可信号とフリップフロツプ250dからの信号(発射条件成立信号)を入力とし、発射モータ252を駆動するモータ駆動回路250fに信号を出力する。第2AND回路250bは、球送り許可信号とフリップフロツプ250dからの信号(発射条件成立信号)を入力とし、球送りソレノイド12aに信号を出力する。第3AND回路250cは、タッチ信号と発射スタート信号を入力とし、フリップフロップ250dに信号を出力する。分周回路250eは、所定のクロック周波数を分周して所望のパルス幅の基準クロック信号を生成し、この基準クロック信号をフリップフロツプ250dに出力する。モータ駆動回路250fは、第1AND回路250aからの信号がHighになった場合に、発射モータ252に所定周波数のパルス信号を出力する。
発射許可信号は、発射許可時にはLow出力(オフ)であり、発射禁止時にはHigh出力(オン)であり、それぞれインバータにて反転された後、第1AND回路250aに入力する。したがって、第1AND回路250aに入力する発射許可信号は、発射許可時にはHighとなり、発射禁止時にはLowとなる。同様に、球送り許可信号は、球送り許可時にはLow出力(オフ)であり、球送り禁止時にはHigh出力(オン)であり、それぞれインバータにて反転された後、第2AND回路250bに入力する。したがって、第2AND回路250bに入力する球送り許可信号は、球送り許可時にはHighとなり、球送り禁止時にはLowとなる。
発射許可時および球送り許可時において、遊技者が発射ハンドル8を操作していない場合には、フリップフロツプ250dの出力信号はLowなので、第1、第2AND回路250a、250bの出力信号もLowとなる。ここで、遊技者が発射ハンドル8に触れるとともに、所定角度以上回転させることで、タッチ信号および発射スタート信号がHighとなり、第3AND回路250cの出力がHighとなり、この信号がフリップフロツプ250dに入力される。フリップフロツプ250dでは、第3AND回路250cからの入力信号がHighとなった場合、次の基準クロック信号の立ち上がり(Low−High)で、第1、第2AND回路250a、250bへの出力信号がHighとなる。これにより、第1、第2AND回路250a、250bの出力信号がHighとなり、発射モータ252および球送りソレノイド12aが作動を開始する。
図26は、発射制御部250における球送り許可信号と基準クロック信号との関係を示すタイミングチャートである。上述のように原点センサ251による原点確認後、球送り許可信号が所定時間(60ms)だけイネーブル(Low)、すなわち発射許可状態となる。球送りソレノイド12aを確実に作動させるためには、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている間に基準クロック信号が立ち上がる必要がある。すなわち、上記分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅は、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている所定時間より短いことが必要である。
図26に示すように、本実施例では分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅を1msとしている。このように、分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅を、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている所定時間より短く設定することで、確実に球送り処理を行うことができ、確実に遊技球を発射することができる。また、基準クロック信号のパルス幅が小さい方が、発射許可信号がイネーブル(High−Low)になってから球送りソレノイド12aが作動開始するまでの間隔が短くなり、球送り処理を迅速に行うことができる。
B−4.音ランプ制御部の構成 :
図27は、音ランプ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部260に設けられた音ランプ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図27に示すように、音ランプ制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、16連入球口LED基板262、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が搭載されており、音ランプ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。
16連入球口LED基板262は、16連入球口24のいずれかに入球した際に、対応する16連入球口LED表示部25のLEDを点灯させるためのものである。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
さらに、音ランプ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御基板260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置31における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
B−5.図柄制御部の構成 :
図28は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図28に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置31を作動させる図柄表示装置基板281が接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして使用することにより、図柄表示装置31の表示制御を行う。また、図柄制御部280には、図示しない外部の試験装置を接続するための図示しない試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、誘導図柄用として使用されるものであり、図柄変動中信号などの信号を試験装置に送出することができる。
図29は、図柄制御に関するコマンドの流れを示すブロック図である。図29に示すように、図柄制御に関するコマンドには、共通コマンドと図柄制御コマンドとがある。共通コマンドは、本図柄表示部31aで表示される本図柄の表示制御コマンドを含んでおり、主制御部200から音ランプ制御部260に送信される。音ランプ制御部260は、共通コマンドを受け取ると、そのまま図柄制御部280に送信する。図柄制御コマンドは、疑似図柄表示部31bで表示される疑似図柄の表示制御コマンドを含んでおり、音ランプ制御部260が主制御部200から受け取った共通コマンドに基づいて図柄制御部280に送信する。
B−6.遊技確認時間 :
図30は、遊技確認時間について説明するための説明図である。本実施例の遊技機1では、ゲームとゲームとの問に遊技確認時間(本例では16ms)が設けられている。図30は主制御部200から外部検査装置に出力される遊技中信号の出力タイミングチャートであり、図30(a)は電源投入時の状態を示し、また図30(b)は遊技中の状態を示している。
電源投入時には、図30(a)に示すように、電源投入から遊技の結果が得られるまで、主制御部200から外部の検査装置に遊技中であることを示す遊技中信号が試験信号端子から出力される。次回のゲーム以降は、図30(b)に示すように、遊技確認時間終了後から次のゲームの遊技の結果が得られるまで遊技中信号が出力される。この遊技中信号が出力されていない時間が遊技確認時間となる。この遊技確認時間により、外部検査装置側で1ゲームの開始および終了を明確に把握することが可能となる。
また、遊技確認時間は、前のゲームにおける15個の遊技球すべてが複数の入球口(例えば、16連入球口24、第1役物作動口32、第2役物作動口33、左入球口26、誘導増加装置作動領域41a、排出口)へ入球・通過した後、後述の2秒間(一定時間)のインターバル時間の経過後または/および前述の0.5秒の入賞図柄確認時間の経過後において、遊技の結果が得られた際に設定される。このため、15個の遊技球の上記各入球口等への入球・通過以外に遊技機1に備えられた各遊技装置(例えば、遊技球払出装置109、役物誘導装置、誘導増加装置等)の作動・非作動状況をも明確化して1ゲームの区切りを完全に明確化できる。
また、本実施例の遊技機1では、1ゲームにおいて遊技球15個のすべての発射が行われた後、次のゲームに進む前に所定のインターバル時間(例えば2秒)が設けられている。主制御部200は、発射球カウントスイッチ221により15個すべての遊技球が発射されたことを検出すると、インターバル機能を開始する。主制御部200は、インターバル機能の開始により払出制御部230に発射禁止コマンドを送信する。これにより、払出制御部230から発射制御部250への発射許可信号がオフとなり、発射制御部250は発射モータ252の動作を禁止する。この結果、インターバル機能作動中は発射装置ユニット10が停止する。インターバル機能は作動を開始してから2.0秒後に停止し、インターバル時間が終了する。
尚、上記の説明では、15個すべての遊技球が発射された後に、インターバル機能が開始され、固定時間(上記の例では2秒間)だけ発射装置ユニット10が停止するものとした。しかし、1ゲームの最低限時間(例えば、9秒間)を設定し、ゲームが開始されてから少なくとも最低限時間が経過しなければ、1ゲームが終了しないようにすることも可能である。すなわち、ゲームとゲームとの間には、15個の遊技球を発射するために要する時間を最低限時間から引いた残りの時間が、区切りの時間として発生することになる。こうした場合は、インターバル機能は、ゲームの開始直後から開始されると考えることも可能である。
また、1球あたりの発射時間間隔を、最短発射間隔(例えば420msec)と発射間隔調整時間(例えば80msec)とによって構成し、発射時間間隔を最短420msec〜最長500msecの間で変更可能としても良い。このように、発射時間間隔を調整可能としておけば、例えば遊技者が止め打ち等を行った場合でも、発射間隔調整時間を短縮することで発射時間間隔が長くなってしまうことを抑制することが可能となる。このように、1球あたりに発射時間間隔が変更可能な場合、15球発射するために要する時間は15×420msec(=6.3秒)から15×500msec(=7.5秒)の間で変化することになる。これに対応してゲームとゲームとの間に生じる区切りの時間も、1ゲームの最低限時間を9秒間とすれば、2.7秒から1.5秒の間で変化する可変期間となる。
このように、本実施例の遊技機では、遊技確認時間が設けられているので、1ゲームの開始時期および終了時期を明確に把握することができる。すなわち、遊技中信号がOFFになると遊技確認時間が立ち上がり、再び遊技中信号がONになると遊技確認時間が立ち下がる。遊技の結果は遊技中信号がOFFになるとともに、遊技確認時間が立ち上がるタイミングで得られることになる。
これに加えて、詳細には後述するように本実施例の遊技機1では、遊技球投入部5hへの規定数の遊技球の投入が完了しなければ新たな単位遊技が開始されることはない。従って、遊技確認時間が終了しても未だ、規定数の遊技球の投入が完了していない期間は、未だ遊技の準備中であって次回の遊技が開始されていない、いわば中途半端な期間と考えることもできる。そこで、このような期間を明確に把握可能とするために、以下に示すような遊技準備中信号を外部検査装置に向かって出力することとしてもよい。
図31は、本実施例の遊技機において、遊技中信号と遊技準備中信号とを出力している様子を概念的に示した説明図である。図30を用いて前述したように、遊技中は遊技中信号が出力され、遊技の結果が得られると、遊技中信号はOFFになるとともに遊技確認時間が設定される。遊技確認時間では、各種の遊技装置(例えば、入球表示装置、遊技球払出装置、役物誘導装置、誘導増加装置など)からの出力が一定時間(代表的には8〜12msec)保持された後、初期状態に戻される。こうすることにより、1ゲームの終了時点で作動していた遊技装置の遊技状態を確実に把握することが可能となり、遊技球の開発を迅速化することが可能となる。
図31に示したように、遊技確認時間が終了すると遊技準備中信号が立ち上がる。遊技準備中信号は、遊技球が遊技球供給部から遊技球投入部に流入中であることを示す信号である。そして、規定数の遊技球の投入完了が検出されたら、投入プレート5pが閉鎖されるとともに遊技準備中信号が立ち下がり、同時に遊技中信号が立ち上がる。
このようにして、遊技中信号と遊技準備中信号とを出力した場合には、遊技中信号と遊技準備中信号とがいずれもOFFである期間が、遊技確認時間となる。また、規定数の遊技球の投入が完了しておらず、次回の単位遊技開始の準備が終了しない状態では、遊技準備中信号がONになるので、このような状態を容易に把握することができる。このため、遊技機の状態を簡便に且つ明確に把握することが可能となり、遊技機の開発を促進することが可能となる。
C.遊技球発射制御の概要 :
図32は、電源オン時における発射制御を示すタイミングチャートである。図32に示すように、電源オンにより、発射強制信号および発射許可信号がイネーブル(Low)となる。このとき、遊技者が発射ハンドル8を操作開始すると、タッチスイッチ8aからの信号がHighとなり、発射モータ252が回転して槌10aが振り出され、遊技球の球送り処理がされていない状態で空打ちを1回行う。そして、原点センサ251による原点確認後、球送り処理を行う。なお、電源投入時に発射位置に遊技球が予め存在している場合には、上記空打ちで遊技球を発射してしまうが、これは発射球としてカウントしない。
発射モータ252の原点は、上述のように槌10aの振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜200)だけ回転した位置と定められている。従って、本実施例のように電源投入後に一度だけ空打ちを行うことで、原点確認を行うことができ、確実な球送り処理を行うことができる。具体的には、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動する。球送りソレノイド12aの作動終了とともに、発射強制信号をディセーブル(High)とする。遊技球は、球送りカウントスイッチ254を通過して発射装置ユニット10の発射位置(発射球カウントスイッチ221)に送られる。そして、発射モータ252の回転により槌10aが回転し、遊技球が発射される。上述のように本実施例では、発射モータ252が1回転するのに要する時間、すなわち遊技球の発射間隔(発射周期)を500msと設定している。したがって、本実施例において1ゲーム終了に要する最短時間は、500ms×15発+インターバル時間(2.0秒)=9.5秒となる。もちろん、前述したように、ゲーム開始直後からインターバル機能が開始されるものとしてもよい。この場合は、インターバル時間(例えば、9秒)から15発の遊技球を発射するために要した時間を引いた残りの時間が、ゲームとゲームとの間の区切りの時間として生じることになる。
図33は、連続動作中における発射制御を示すタイミングチャートである。図33に示すように、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、発射モータ252が連続的に回転し、原点検出、球送り処理、遊技球発射が連続的に行われる。
図34は、発射を中断した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図34に示すように、遊技者が発射ハンドル8から手を離すとタッチセンサ信号がLowとなり、遊技球の発射後、次の原点が検出された時点で発射モータ作動信号がLowとなって発射モータ252が停止する。これにより、遊技球の発射が中断される。
図35は、発射を再開する場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図35に示すように、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動する。球送り許可信号の立ち下がりにより発射モータ252が作動開始し、遊技球発射が再開される。再開1球目の発射以降は、原点検出により球送り処理が行われる。
図36は、遊技球を15発発射終了した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図36に示すように、遊技球の発射数が15個に達した場合、原点が現れたところ、すなわち原点センサ信号の立ち下がりで発射許可信号をディセーブル(High)にする。これにより、遊技球の発射が終了する。
発射モータ252の動作後、所定時間経過しても原点センサ251にて原点が検知できない場合、あるいは、発射モータ252の動作後、所定時間以上原点センサ251による原点の検知が続いた場合には、払出制御部230は発射装置ユニット10で異常が発生したと判断し、エラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。発射装置ユニット10の異常エラーは、原点センサ251にて原点が検知できない場合には原点が検知できたとき、原点センサ251にて原点を検知し続けた場合には原点を検知しなくなったときに解除される。なお、発射装置ユニット10の異常に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
D.パチンコ機全体の制御の概要 :
D−1.メインジョブの概要 :
図37は、主制御部200のROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図示されているように、メインジョブが開始されると、先ず初めに電源投入処理S100が行われる。また、この電源投入処理は、電源断状態の発生後に再び電源が投入された場合にも行われる。こうして電源投入処理が実行されると、その後はタイマによって割込が発生する度に、遊技開始処理S200、ゲーム管理処理S300、入賞図柄処理S400、役物処理S500、得点増加装置処理S600、誘導増加装置処理S700、誘導図柄および役物誘導装置処理S800の各ステップが繰り返し実行される。本実施例では、タイマが発生する割込周期は4msに設定されており、これら各ステップは約4ms毎に実行されることになる。尚、後述するように本実施例の遊技機では、一単位遊技の度に規定数ずつ遊技球を投入して遊技が進行するように構成されており、一単位遊技中には遊技球が追加して投入されることはない。このことと対応して、電源断発生後の電源投入処理では、電源断発生時の遊技状態に応じた処理を行う。図37に示すように、電源投入処理はメインジョブで初めに行われる処理であるが、このように処理の内容は遊技球を投入する動作とも関連している。そこで説明の都合上、先ず、遊技開始処理以降の各ステップの処理内容、および遊技球を投入する動作について説明し、その後に、電源断発生時処理および電源投入処理について詳しく説明する。
D−2.遊技開始処理 :
図38は、遊技開始処理の流れを示したフローチャートである。処理を開始すると、先ず初めに、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込んで(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する(S202)。次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。具体的には、上述のRAMに設定された乱数カウンタの値を、初期値(例えば0)から所定値(例えば255)の間で1ずつ加算する。乱数カウンタは、乱数値が所定値に達すると再び初期値に戻って1ずつ加算されるように構成されている。
次に、S204〜S212の賞球制御を行う。まず、16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口をチェックし、遊技球が16連入球口24に入球して入賞となる組合せが得られた場合には、該当する得点情報をRAMに保存する(S204、S205)。次に、ケースレール球切れスイッチ108および下受け皿満タンスイッチ224により、球切れまたは満タン状態を判定する(S206)。
球切れ又は満タン状態で賞球停止状態でない場合には、払出制御部230に払出不可指定コマンドを送信する(S207、S208)。球切れまたは満タン状態でなく賞球停止状態の場合には、払出制御部230に払出可指定コマンドを送信する(S209、S210)。保存した得点情報がある場合には、払出制御部230に得点に応じた賞球コマンドを送信する(S211、S212)。
D−3.ゲーム管理処理 :
次に、ゲーム管理処理S300を図39のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム開始フラグによりゲーム開始時か否かを判定する(S301)。この結果、ゲーム開始時であれば、ゲーム開始時の設定を行い(S302)、リターンする。ゲーム開始時の設定として、ゲームの開始に必要な各種のフラグやタイマに対して確認、設定あるいはクリア等の処理を行う。
一方、ゲーム開始時でない場合には、まず、球送りカウントスイッチ254により球送りの監視を行う(S303)。球送りカウントスイッチ254がオンの場合には、球送りカウンタを1加算する。球送りカウンタが15以上になった場合には、払出制御部230に球送り禁止コマンドを送信し、球送りを終了する。次に、発射球カウントスイッチ222により発射球の監視を行う(S304)。発射球カウントスイッチ222がオンの場合には、発射カウンタを1加算する。発射カウンタが15以上になった場合には、払出制御部230に発射禁止コマンドを送信し、15個発射完了とする。
次に、ファール球検出スイッチ223によりファール球の監視を行う(S305)。具体的には、ファール球検出スイッチ223がオンの場合には、球送りカウンタおよび発射カウンタを1減算する。
次に、複数の入球口スイッチ(16連入球口スイッチ203、左入球口スイッチ211、役物作動口スイッチ212a、212b)により、複数の入球口(16連入球口24,左入球口26、第1役物作動口32、第2役物作動口33)における入球の監視を行う(S306)。複数の入球口スイッチ203,211,212a,212bにより、複数の入球口24,26,32,33の各入球口をチェックし、遊技球が複数の入球口のうちの何れかの入球口に入球する毎に入球カウンタを1加算し、入球カウンタが15以上となった場合には15個入球完了(規定数入球完了)とする。前述したように入球カウンタは入球数計数手段の一態様を構成しており、上記の複数の入球口(16連入球口24,左入球口26、第1役物作動口32、第2役物作動口33)に入球した遊技球数を、各入球口に設けられた入球口スイッチによって検出して計数する機能を有している。
次に、S307〜S314のゲーム終了チェック処理を行う。まず、遊技の結果が得られたか否か、すなわち1ゲームが終了したか否かを判定する。遊技の結果は、以下のすべての要件を満たしている場合に得られる。
すなわち、発射カウンタにより遊技球15個発射と判定され(S307)、インターバル時間が経過したと判定され(S308)、入球カウンタにより遊技球15個がすべて入球したと判定され(S309)、入賞図柄確認時間が経過したと判定され(S310)、誘導図柄表示部31a、31bの作動が終了したと判定され(S311)、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは排出口を通過したと判定され(S312)、獲得遊技球(賞球)の払出が完了したと判定された(S313)場合に遊技の結果が得られたと判定できる。
この結果、遊技の結果が得られた、すなわち1ゲームが終了したと判定された場合には、ゲーム終了処理としてゲーム終了フラグを1にして、リターンする(S314)。上記要件のいずれかを満たさないと判定された場合には、そのままリターンする。なお、ゲーム終了フラグが1に設定されると遊技の結果が得られ、図30で示した遊技中信号が16msの間オフとなる。したがって、遊技確認時間が設定され、その時間の経過後、次のゲームが開始可能となる。
D−4.入賞図柄処理 :
次に、入賞図柄処理S400を図40のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する(S401)。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、遊技終了時の設定として、図柄制御部280に入賞図柄消灯コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED消灯コマンドを送信する(S401、S402)。その後リターンする。これにより、入賞図柄表示部31cの入賞図柄が初期の表示状態に戻されるとともに、これに対応する16連入賞口LED表示部25のLEDが消灯する。
一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、遊技中であるか否かを判定し(S403)、入球カウンタにより16個入球完了したか否かを判定し(S404)、16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口に入球があったか否かを判定する(S405)。この結果、遊技中であって15個入球完了する前に入球口に入球があった場合には、図柄制御部280に各入球口に対応した入賞図柄表示コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED表示コマンドを送信し、リターンする(S406)。それ以外の場合はそのままリターンする。これにより、入賞図柄表示部31cの入賞図柄が入球を示す態様で表示されるとともに、これに対応する16連入賞口LED表示部25のLEDが点灯する。
D−5.役物遊技処理 :
次に、役物遊技処理S500を図41のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否か判定する(S501)。この結果、遊技中でない場合にはそのままリターンする。一方、遊技中である場合には、S502〜S507の第1役物処理を行う。まず、第1役物が作動中であるか否か判定する(S502)。
この結果、第1役物が作動中でないと判定された場合には、第1役物作動処理を行う(S503、S504、S505)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が15個入球完了したか否か判定し、役物作動ロスイッチ212aにより第1役物作動口32に入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が15個入球完了していない状態で、第1役物作動口32に入球があった場合には、第1役物の作動を開始し、後述の第2役物処理に移る。それ以外の場合には、そのまま第2役物処理に移る。第1役物の作動により、12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示される。
一方、第1役物が作動中と判定された場合には、第1役物作動終了処理を行う(S506、S507)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第1役物の作動を終了して第2役物処理に移る。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのまま第2役物処理に移る。
次に、S508〜S513の第2役物処理を行う。まず、第2役物が作動中であるか否か判定する(S508)。この結果、第2役物が作動中でないと判定された場合には、第2役物作動処理を行う(S509、S510、S511)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が15個入球完了したか否か判定し、役物作動ロスイッチ212bにより第2役物作動口33に入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が15個入球していない状態で、第2役物作動口33に入球があったと判定された場合には、第2役物の作動を開始して、リターンする。それ以外の場合には、そのままリターンする。第2役物の作動により、11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示される。
一方、第2役物が作動中と判定された場合には、第2役物作動終了処理を行う(S512、S513)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否かを判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第2役物の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていない場合には、そのままリターンする。
D−6.得点増加装置処理 :
次に、図42のフローチャートに基づいて、得点増加装置処理S600について説明する。まず、遊技中か否か判定し、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする(S601)。一方、遊技中と判定された場合には、得点増加装置が作動中か否か判定する(S602)。この結果、得点増加装置が作動中でないと判定された場合には、得点増加装置作動処理を行う(S603〜S605)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が15個入球完了したか否か判定し、16連入球口検知スイッチ204により16番の入賞図柄に対応する入球口(得点増加装置作動口)24aに入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が15個入球していない状態で、16番の入球口24aに入球したと判定された場合には、得点増加装置の作動を開始し、リターンする。それ以外の場合にはそのままリターンする。
一方、得点増加装置が作動中であると判定された場合には、得点増加装置作動終了処理を行う(S606、S607)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合(ゲームが終了した場合)には、得点作動装置の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのままリターンする。
D−7.誘導増加装置処理 :
次に、誘導増加装置処理S700を図43のフローチャートに基づいて説明する。先ず、遊技中か否かを判定する(S701)。この結果、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、遊技中と判定された場合には、誘導増加装置が作動しているか否かを判定する(S703)。この結果、誘導増加装置が作動していないと判定された場合には、作動領域スイッチ214により遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したか否かを判定する(S704)。この結果、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したと判定された場合には誘導増加装置を作動させリターンし(S705)、通過していないと判定された場合は、そのままリターンする。
誘導増加装置の作動により、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効になるとともに、第1役物作動口32が開放する確率が増加する特別遊技状態が発生する。具体的には、第1役物作動口32が開放する確率を「1/1」に増加させるので、特別遊技状態発生中に遊技球が遊動図柄作動ゲート29を通過すると、第1役物作動口32が開放する。そして、特別遊技状態の発生中に第2役物誘導装置作動ゲート30を遊技球が通過すると、第2役物作動ロ33が開放する。
上記S703にて誘導増加装置が作動中と判定された場合には、誘導増加装置作動終了処理を行う(S706、S707、S708)。具体的には、作動領域スイッチ214により遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したか否か判定し、誘導増加装置の作動開始から14ゲーム終了したか否か判定する。この結果、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過した場合、あるいは誘導増加装置の作動開始から14ゲーム終了した場合には、誘導増加装置の作動を停止し、リターンする。それ以外の場合には、そのままリターンする。誘導増加装置の停止により特別遊技状態が終了し、第2役物誘導装置作動ゲート30が無効となる。
ここで、特別遊技状態が途中で消滅(いわゆるパンク)した場合(S706がYES)、図柄表示部31のパンク報知部を表示させる(S709)。パンクしたことについて遊技者が遊技場従業員に不満を訴えた場合、遊技場従業員は、パンク報知部が表示していることを確認することにより、特別遊技状態中に遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過してパンクしたことを、遊技者に対して説明することができる。従って、パンクしたことに起因する遊技者と遊技場従業員とのトラブルを防止し、遊技の健全性を高めることができる。
D−8.誘導図柄および役物誘導装置処理 :
次に、誘導図柄および役物誘導装置処理S800を、図44および図45のフローチャートに基づいて説明する。まず、第1役物誘導装置が作動しているか否か判定する(S801)。この結果、第1役物誘導装置が作動中であると判定された場合には、後述のS816〜S818で示す役物誘導装置終了処理を行う(S801)。一方、第1役物誘導装置が作動中でないと判定された場合には、誘導図柄が変動中か否か判定する(S802)。この結果、誘導図柄が変動中であると判定された場合は、後述のS809で示す変動時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄が変動中でないと判定された場合には、誘導図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S803)。
誘導図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S803:yes)、後述のS811で示す停止表示時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には、誘導図柄作動ゲートスイッチ204により遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したか否かを判定する(S804)。この結果、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過していないと判定された場合はそのままリターンする。一方、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したと判定された場合は誘導図柄当否判定を行う(S805)。
ここで、誘導図柄当否判定処理を図46のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技球がゲート29を通過したタイミングで乱数カウンタから取得した当否判定用乱数が、当たりか否かを判断する(S8055)。かかる判断は、当否判定用乱数が所定値であった場合には当たりと判断され、所定値ではない場合は外れと判断される。この結果、当否判定用乱数の値が当たりであると判定された場合には(S8055:yes)、当たりのときに誘導図柄表示部31a、31bに表示される当たり停止図柄を設定し(S8056)、当たり予定フラグをセットする(S8057)。
一方、当否判定用乱数の値が当たりでないと判定された場合には(S8055:no)、外れのときに誘導図柄表示部31a、31bに表示される外れ図柄を設定する(S8058)。これらの誘導図柄表示部31a、31bに表示される当たり図柄および外れ図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。次いで、誘導増加装置が作動中か否かを判断し(S8051)、誘導増加装置が作動中でなければ、そのまま誘導図柄当否判定処理を終了する。一方、誘導増加装置が作動中であれば、当たり予定フラグをセットした後(S8057)、誘導図柄当否判定処理を終了する。すなわち、誘導増加装置が作動中である場合は、当否判定用乱数の当否の結果に関わらず、常に当たり予定フラグがセットされることになる。尚、誘導増加装置が作動中の場合は、誘導図柄表示部31bに表示される疑似図柄を必ず疑似当たり図柄とすることも可能である。
次に図44に戻り、誘導図柄表示部31a、31bに表示される誘導図柄の変動時間設定および変動パターンの設定を行い(S806)、図柄制御部280に所定の図柄制御コマンドを送信し、誘導図柄の変動を開始する(S807)。なお、本実施例では、誘導図柄変動時間は本図柄を1.1秒とし、疑似図柄を1.4秒としている。
次に、誘導図柄変動時間が経過したか否かの判定を行う(S808)。この結果、誘導図柄変動時間が経過していないと判定された場合にはそのままリターンする。一方、誘導図柄変動時間が経過していると判定された場合には、誘導図柄を停止させ(S809)、誘導図柄停止表示時間(本例では0.5秒)を設定する(S810)。
次に、誘導図柄停止表示時間が経過したか否かの判定を行う(S811)。この結果、誘導図柄停止表示時間が経過していないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄停止表示時間が経過していると判定された場合には、当たり予定フラグがセットされているか否かを判定する(S812)。この結果、当たり予定フラグがセットされていないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、当たり予定フラグがセットされていると判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を開始する(S813)。
次に、図47のフローチャートに示すガイド処理を行う(S814)。ここでは、特別遊技状熊終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放したままの状態となるように、遊技者に狙い所をガイドし、それにより、連続した特別遊技状態の発生(いわゆる連荘)の確率を高くするものである。ガイド処理では、先ず初めに誘導増加装置が作動しているか否かを判定し(S8141)、誘導増加装置が作動していない場合には、そのままリターンする。一方、S8141で誘導増加装置が作動していると判定された場合には、誘導増加装置の作動開始から12ゲームが終了したか否かの判定を行う(S8142)。この結果、12ゲームが終了していないと判定された場合には、そのままリターンする。
一方、12ゲームが終了したと判定された場合には、第1役物作動口32が閉鎖しているか否かを判定し(S8143)、第1役物作動口32が閉鎖している場合には、図柄制御部280に図柄制御コマンドを送信し、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて左打ちをするようにガイドする(S8144)。左打ちにより遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過しやすくなり、誘導図柄表示部31a、31bが作動を開始する。このとき、図46に示す誘導図柄当否判定処理が行われるが、誘導増加装置が作動中であるため、誘導図柄当否判定用乱数値が当たり値に該当するか否かに関わらず当たり予定フラグがセットされて、第1役物作動口32が開放される。
左打ちをガイドした後、当たり予定フラグがセットされたか否かを判定する(S8145)。この結果、当たり予定フラグがセットされていないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、当たり予定フラグがセットされていると判定された場合には、図柄制御部280に図柄制御コマンドを送信し、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて右打ちをするようにガイドする(S8147)。また、S8143にて第1役物作動口32が閉鎖していない(開放されている)と判定された場合も、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて右打ちをするようにガイドする(S8147)。なお、S8144で左打ちをガイドした後に当たり予定フラグがセットされた場合、当たり予定フラグがセットされた状態で誘導図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、4秒)経過後に、第1役物作動口32を開放させるようになっている。
このように、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて、誘導増加装置の作動開始に関する情報として右打ちをするようにガイドすることにより、第1役物作動口32への入球を回避しつつ、第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを遊技者に狙わせることができる。そして、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて右打ちをするようにガイドして、第1役物作動口32への入球を回避させることにより、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放した状態にすることができ、このとき、遊技球を第1役物作動口32に入球させ、この遊技球が特定の領域(誘導増加装置作動領域41a)を通過すれば、特別遊技状態を再度発生させることができる。したがって、連荘に対する遊技者の期待感を格段に高めて、興趣を向上させることができる。
また、誘導増加装置の作動開始から12ゲームが終了した時点で、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて左打ちをガイドすることにより、仮に13ゲーム目で当たり予定フラグがセットされなかった場合でも、14ゲーム目で高い確率で当たり予定フラグがセットされるので、第1役物作動口32が開放される。したがって、13ゲームが終了した時点で左打ちをガイドする場合よりも高い確率で、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放した状態にすることができる。
次に、図45に戻り、上記S801で第1役物誘導装置が作動中と判定された場合には、役物誘導装置終了処理を行う(S816、S817、S818)。具体的には、第1役物作動口32に入球したか否かを判定し、遊技の結果が3回得られたか否かを判定する。この結果、第1役物作動口32に入球したか、あるいは遊技の結果が3回得られたと判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を停止する。これにより、第1役物作動口32が閉鎖する。一方、いずれかの条件を満たさない場合には、そのままリターンする。
本実施例の遊技機では、タイマが周期的に割込を発生させる度に、以上のような処理、すなわち遊技開始処理S200、ゲーム管理処理S300、入賞図柄処理S400、役物遊技処理S500、得点増加装置処理S600、誘導増加装置処理S700、誘導図柄および役物誘導装置処理S800の各処理が繰り返し行われることによって遊技が進行していく。
D−9.電源断発生処理 :
次に、電源断発生処理S900を図48のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電などによって供給電圧が所定電圧以下に低下すると、電源基板127に搭載された電圧監視回路420が電源断信号を出力するによって開始される処理である。
まず、使用レジスタをRAMに退避し、スタックポインタの値を保存する(S901、S902)。次に、遊技球払出装置の賞球残数を確認するために、払出センサ109j、109kの監視を所定時間(本例では84ms)行い、第1役物作動口32および第2役物作動口33の役物作動ロスイッチ212aおよび212bを通過する遊技球の監視を所定時間(本例では84ms)行う(S903、S904)。次に、チェックサムを算出して保存し、バックアップフラグをセットする(S905、S906)。
チェックサムは、大まかには次のようにして算出する。先ず、所定の基準データを予め設定しておく。そして、メモリ上の対象領域に記憶されているデータについて、順次データを読み出して基準データとの排他的論理和を算出し、得られた値をチェックサムデータエリアに順次書き込んでいく。こうして対象とする領域に記憶されている全データについての排他的論理和を書き込んだら、書き込んだ領域の各ビットの値を反転させ、得られたデータをチェックサムとする。次に、RAMへのアクセスを禁止し、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行う(S907)。RAMデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理S100に移る。
E.遊技球投入動作の概要 :
以上のような構成を有する遊技機において、遊技球を投入する動作について説明するが、説明のための準備として、遊技球準備部5uおよび遊技球投入部5hの構造について、若干説明しておく。
E−1.遊技球投入部の構造 :
図49は、本実施例の上皿部5を上方から見た様子を示す説明図である。図9を用いて前述したように、本実施例の上皿部5には、凹部5cや、遊技球準備部5u、遊技球投入部5hなどが設けられている。凹部5cの底面は、遊技球準備部5uに向かって緩やかに傾斜するように形成されており、アクチュエータ53を駆動して供給プレート5sを開放すると、凹部5cに蓄えられていた遊技球が遊技球準備部5uに流入するように構成されている。
また、図49(b)に示すように、遊技球準備部5uの底面も遊技球投入部5hに向かって傾斜するように形成されている。また、投入プレート5pは、図示しないアクチュエータ5qを駆動することによって開放状態とすることができる。図49(c)は、投入プレート5pが開放された状態を表している。このため、遊技球準備部5uに遊技球が供給されている状態で投入プレート5pを開放すると、遊技球準備部5uに供給されていた遊技球は、斜面を転がって遊技球投入部5hに投入されることになる。
また、遊技球準備部5uには、遊技球を検出する準備球センサ5vが設けられており、遊技球準備部5uに規定数の遊技球が供給された場合には、これを検知することが可能となっている。尚、本実施例の準備球センサ5vには、反射式の光学センサが採用されている。このセンサは、光を照射して反射光の有無を検出することによって、物体の有無を検出する方式のセンサである。センサの直ぐ近くに障害物(ここでは遊技球)が存在すれば、照射した光が障害物で反射することから、この反射光を検出することができる。逆に、近くに障害物が存在しなければ反射光を検出することはない。このため、反射光が検出されるか否かによって障害物を検出することが可能である。準備球センサ5vは、遊技球準備部5u内に小さな光を照射して反射光の有無を検出することにより、遊技球準備部5uに遊技球が供給されているか否かを検出する。
遊技球投入部5hには、投入センサ5wと、排出プレート5fとが設けられている。投入センサ5wには、上述した準備球センサ5vと同じく反射式の光学センサが採用されている。尚、排出プレート5fは、遊技球投入部5hに投入された遊技球を排出するためのプレートであり、排出ボタン5bを押すことによって、遊技球を排出することが可能である。遊技球を排出する動作については後述する。尚、本実施例では、遊技球投入部5hにのみ排出プレート5fが設けられているものとしているが、図49に破線で示したように、遊技球準備部5uにも排出プレート51fを設けることとしても良い。また、排出プレート5f、51fを開閉するための機構としては、排出ボタン5bを押し下げることによって排出プレート5f、51fを開くようなリンク機構が用いられているものとして説明するが、排出ボタン5bの操作信号に基づいて作動するアクチュエータなどの駆動源によって開閉する構造としてもよい。
また、本実施例の遊技機では、ファール球が発生した場合には、ファール球がファール球通路5tに導かれるように構成されており、ファール球通路5tの終端は、遊技球投入部5hに設けられた遊技球供給口5eの上流側に開口されている。従ってファール球は、遊技球投入部5hに投入されている遊技球の後方から、遊技球投入部5h内に戻されることになる。尚、ファール球通路5tの開口部は、遊技球供給口5eの直ぐ上流側に設けることとしても良い。この場合は、還流したファール球は直ちに遊技球供給口5eから球送り装置12に供給することができる。もちろん、遊技球投入部5h内に多数の遊技球が残っている間は、これら遊技球に阻まれてファール球は遊技球投入部5h内に戻ることはできないが、遊技球を発射していくに従って遊技球投入部内の遊技球は減少していくので、ある時点でファール球通路5tから遊技球投入部5hに還流されることになる。
一方、本実施例の遊技機のように、ファール球通路5tの開口部を遊技球供給口5eから上流側にある程度遡った位置に設けておけば、ファール球は、常に遊技球投入部5hに投入されている遊技球の後方から戻されることになるので、ファール球通路5tの開口部で球詰まりが生じるおそれがないので好ましい。
また、ファール球が発生した場合には遊技球の発射間隔を長くするように、発射制御を行うこととしてもよい。ファール球が還流されて再び発射装置ユニット10に供給されるまでの間に、球切れ状態の時間が発生すると、遊技者に違和感を与えてしまうおそれがある。こうした点に鑑みて、遊技球の発射間隔を長めに変更する。こうすれば、投入された最後の遊技球を発射するまでに要する時間も長くなるので、ファール球が遊技球投入部に還流されて、再び発射装置ユニット10に供給される時間を確保することができる。もちろん、ファール球が発生することを見越して、初めから発射間隔を若干長めの値に設定しておくこととしても良い。
E−2.遊技球投入動作 :
次に、遊技球を投入する動作について説明する。図50は、本実施例の遊技機において、供給プレート5sおよび投入プレート5pを開閉することで、遊技球を投入する動作を示した説明図である。図50(a)は、遊技を開始するために、上皿部5の凹部5cに貸し球が払い出された状態を示している。遊技が開始される前の状態では、凹部5cと遊技球準備部5uとの間に設けられた供給プレート5sは開放状態となっており、また、遊技球準備部5uと遊技球投入部5hとの間に設けられた投入プレート5pは閉鎖状態となっている。この状態で、凹部5cに貸し球としての遊技球が払い出されると、凹部5cから遊技球準備部5uに向かって遊技球が供給される。
図50(b)は、凹部5cから供給された遊技球が、遊技球準備部5uに整列した様子を示している。図示するように、遊技球準備部5uは、規定数(本実施例では15個)の遊技球が整列すると、ちょうど一杯となる長さに形成されている。そして、最後尾に整列した遊技球(規定個数目の遊技球)の位置には、前述した準備球センサ5vが設けられている。従って、準備球センサ5vで遊技球が検出されれば、遊技球準備部5uに規定数の遊技球が供給されたことになる。こうして、遊技球準備部5uに規定数の遊技球が供給されたことが確認されると、アクチュエータ53を駆動して供給プレート5sを閉鎖した後、図示しないアクチュエータ5qを駆動して投入プレート5pを開放状態とする。尚、供給プレート5sは、規定数の遊技球が受け入れられると閉鎖状態となり、受け入れた遊技球が無くなると開放状態となる。
図49を用いて説明したように、遊技球準備部5uの底面は遊技球投入部5hに向かって傾斜していることから、投入プレート5pが開放されると、準備部5uに整列していた遊技球は一斉に遊技球投入部5hに投入される。尚、ここでは、遊技球準備部5uの底面が傾斜した状態で固定されているものとして説明するが、準備部5uの底面を可動式として、投入プレート5pが開放されたときに準備部5uの底面が傾斜するようにすることも可能である。
図50(c)は、規定数の遊技球が、遊技球準備部5uから遊技球投入部5hに投入された様子を示している。遊技球投入部5hの終端には遊技球供給口5eが設けられており、投入された遊技球の中で先頭にある遊技球は、遊技球供給口5eを通って球送り装置12の球送りカム12bに供給され、発射されるまで、この位置で待機することになる。すなわち、投入された規定数の遊技球の中の1球は、球送り装置12の球送りカム12b上に供給されることになる。
こうしたことに対応して、投入センサ5wは、投入された遊技球が1球だけ球送り装置12に供給された後、最後尾の遊技球が来る位置に設けられている。従って、投入センサ5wで遊技球を検出することによって、遊技球準備部5uから遊技球が正常に投入されたことを認識することが可能となっている。尚、遊技球供給口5eを開閉する受入プレートを設けることとしても良い。この場合は、受入プレートを開放状態としない限り、遊技球準備部5uから遊技球を投入しただけでは遊技球が球送り装置12に供給されることはないので、それに合わせて投入センサ5wの搭載位置も変更される。そして、遊技球投入部5h内に規定数の遊技球が整列していることが、投入センサによって確認された後、受入プレートを開放して、遊技球供給口5eから球送り装置12に遊技球を供給すればよい。
以上のようにして、投入センサ5wの出力から、規定数の遊技球が正常に投入されたことが確認されたら、投入プレート5pを再び閉鎖して遊技球投入部5hと遊技球準備部5uとを分離した後、供給プレート5sを開放状態とする。図50(d)は、遊技球の投入後、投入プレート5pを閉鎖し、供給プレート5sを開放した様子を示している。供給プレート5sを開放すれば、図示されているように、凹部5cから遊技球準備部5uに遊技球が供給されていく。このとき、遊技球準備部5uと遊技球投入部5hとは投入プレート5pによって分離されているので、遊技球投入部5hに遊技球が投入されることはない。そして、準備球センサ5vによって遊技球が検出されたら、遊技球準備部5uに規定数の遊技球が供給されたものと判断して、供給プレート5sを閉鎖する。この状態では、投入プレート5pを開放するだけで、直ちに規定数の遊技球を投入することができる。すなわち、遊技球準備部5uには、いつでも投入可能なように規定数の遊技球が準備された状態となっている。そして、一単位遊技において発射された規定数の遊技球の全てが入球完了した場合には、図50(c)に示したように、投入プレート5pを開放することで、規定数の遊技球を速やかに且つ確実に投入して、新たな単位遊技を速やかに開始することが可能となる。
図51は、本実施例の遊技機において遊技球が投入される動作を示すタイミングチャートである。図50を用いて前述したように、遊技を開始するために貸し球が払い出される前の状態では、供給プレート5sは開いた状態となっている。そして、貸し球としての遊技球が払い出されると、凹部5cから遊技球準備部5uに遊技球が流入して、準備球センサ5vの出力がON(High状態)となる。準備球センサ5vの出力がONとなったら、遊技球準備部5uには規定数の遊技球が準備されたものと考えられるので、供給プレート5sを閉じた後、投入プレート5pを開放する。図50(c)に示したように、投入プレート5pが開放されると、遊技球準備部5uに準備されていた規定数の遊技球が一斉に遊技球投入部5hに投入される。その結果、遊技球準備部5uに設けられた準備球センサ5vの出力がONからOFFに切り換わり、一方、遊技球投入部5hに設けられた投入センサ5wの出力がOFFからONに切り換わる。
投入センサ5wの出力がONとなり、規定数の遊技球が投入されたことが確認できたら、次回の単位遊技の準備を行うべく投入プレート5pを閉鎖して、遊技球投入部5hと遊技球準備部5uとを分離した後、供給プレート5sを開放する。すると、凹部5cに貯留されていた遊技球が遊技球準備部5uに流入する。そして、再び、準備球センサ5vの出力がONになり、規定数の遊技球が流入したことを確認したら、供給プレート5sを閉鎖する。図51の上から2段目には、投入プレート5pの開放に伴って準備球センサ5vの出力が切り換わる様子が、そして、上から4段目には投入センサ5wの出力が切り換わる様子が、それぞれ示されている。
一方、規定数の遊技球が投入されて、投入センサ5wの出力がONとなっている状態で、遊技者が発射ハンドル8に触れることによりタッチセンサの出力がONに切り換わると、単位遊技が開始される。こうして単位遊技が開始されると、直ちにインターバル機能が作動を開始して、遊技時間として所定時間(ここでは9.0秒)を設定する。なお、前述したように、規定数の遊技球の発射後にインターバル機能を開始して、所定時間(例えば2.0秒)のインターバル時間を設定することとしても良い。
また、単位遊技が開始されると、排出プレート5fは作動禁止状態に設定される。尚、遊技球準備部5uにも排出プレート51fが設けられている場合は、排出プレート5fと同時に排出プレート51fも作動禁止状態に設定される。前述したように排出プレート5f(および排出プレート51f)は、遊技球を球抜きするためのプレートである。一旦、単位遊技が開始されたら、投入した遊技球を遊技の途中では排出できない設定とすることで、投入した規定数の遊技球を確実に発射することを可能とし、延いては、単位遊技を終了させることを可能としている。
一方、遊技球投入部5hに投入された遊技球は、1球ずつ球送り装置12に供給される。そして、球送りソレノイド作動信号をONにすると、球送りカム12bから遊技球が発射装置ユニット10に送り込まれ、その際、球送りカウントスイッチによって、遊技球が検出される。また、発射装置ユニット10から発射される遊技球は、発射球カウントスイッチによって検出され、更に、入球口に入球した遊技球は、入球口毎に設けられた入球カウントスイッチによって検出される。
このようにして遊技球投入部5hに投入された規定数の遊技球を1球ずつ発射して行き、規定数の遊技球が全て入球したことが検知されると、あとは、その単位遊技の結果が得られるまで遊技球が発射されることはない。そこで、規定数全ての遊技球(15球目の遊技球)の入球が入球カウントスイッチによって検出されたら、次回の単位遊技の準備を行うべく、投入プレート5pを開放する。前述したように、遊技球準備部5uには規定数の遊技球が、何時でも投入できるように準備されているので、投入プレート5pを開放すれば速やかに遊技球が投入され、その結果、投入センサ5wの出力が再びON状態となる。こうして投入センサ5wの出力がONとなり、規定数の遊技球の投入が確認されたら、投入プレート5pを閉じた後、更に次の単位遊技の準備を行うべく、供給プレート5sを開いて凹部5cから遊技球を流入させる。
こうして次の単位遊技の準備を行っている間に、インターバル時間(9.0秒)が経過すると一単位遊技が終了する。一単位遊技が終了したときにタッチセンサがONになっていれば、そのまま遊技を継続する。
尚、図51では、入球カウントスイッチにより規定数全ての遊技球の入球が確認されたら、投入プレート5pを開いて遊技球を投入している。すなわち、当該単位遊技の結果が得られる前に、次の単位遊技で使用する規定数の遊技球を予め投入していることになる。これに対して、遊技の結果が得られてから、投入プレート5pを開いて遊技球を投入することも可能である。タッチセンサの出力がONのままであれば、遊技球が投入されて、投入センサ5wの出力がONになった時点で、新たな単位遊技が開始され、インターバル機能が作動を開始することになる。
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、上皿部5の凹部5cと遊技球投入部5hとの間に遊技球準備部5uが設けられており、遊技球投入部5hに投入すべき規定数の遊技球を予め遊技球準備部5uに準備しておくことができる。このため、一単位遊技の終了後、そのまま遊技を継続する場合に、新たな単位遊技を速やかに開始することが可能となる。また、持ち球として残っている遊技球が規定数に満たなければ、遊技球を投入する前の準備段階で知ることができるので、遊技球を投入したにも関わらず、遊技が開始できない事態を確実に回避することが可能となる。
遊技球投入動作に関する説明の最後に、ファール球をファール球通路5tに導く機構について説明しておく。図52は、発射装置ユニット10付近における発射レール11の形状を概念的に示した説明図である。前述したように、発射装置ユニット10に供給された遊技球は、槌10aによって打ち出されて発射レール上を遊技盤面に向かって上昇していくが、打撃力が十分でない場合は遊技盤面に届く前に失速し、ファール球となって発射レール上を転がり落ちてくる。こうして発射レール11上を転がり落ちてきたファール球は、発射装置ユニット10まで戻ることなく途中に設けられた隙間から落下する。
ここで、本実施例の遊技機1では、ファール球が落下する隙間にファール球連絡通路11fが設けられており、ファール球連絡通路11fは図9に示したファール球通路5tに接続されている。また、ファール球連絡通路11fには、ファール球検出スイッチ222が設けられている。従って、ファール球が発生すると、ファール球検出スイッチ222で検出された後、ファール球通路5tに導かれ、通路内を通って最終的には、遊技球投入部5hに還流されることになる。このような方法を用いれば、たいへんに簡素な構造によってファール球を還流させることができる。
あるいは、次のような方法を用いてファール球を導くこととしても良い。図53は、ファール球をファール球通路5tに導くための他の機構を概念的に示した説明図である。図示した機構では、ファール球をファール球通路5tまで打ち上げるための打ち上げ装置50が設けられている。すなわち、発射レール11の隙間から落下したファール球は、通路を通って打ち上げ装置50まで導かれる。通路の途中には、ファール球を検出するファール球検出スイッチ222が設けられている。そして、ファール球の通過が検出されると、打ち上げ装置50を駆動することによって、ファール球をファール球通路5tまで打ち上げるのである。
このようにしてファール球をファール球通路5tに供給すれば、どのような遊技機1においても遊技球を確実に導くことが可能である。すなわち、図52に示した方法を用いた場合、もっぱら重力の作用を利用してファール球を導いていることから、ファール球連絡通路11fを、遊技球投入部よりも高い位置に設ける必要がある。換言すれば、ファール球連絡通路11fを、遊技球投入部よりも高い位置に設けることができない場合は、こうした方法を採用することは困難である。これに対して、図53に示した方法では、遊技機1の構造によらず、ファール球をファール球通路5tに供給することが可能となる。尚、ファール球をファール球通路5tに導くための機構は、図53に示した打ち上げ装置50に限定されるものではなく、例えば、ファール球を上方に搬送するスクリュータイプの揚送装置などを用いることも可能である。
E−3.遊技球排出動作 :
上皿部5には、投入された遊技球を排出するための機構も搭載されている。尚、この機構は、主制御部200とともに、遊技開始準備手段の一態様を構成する。図54は、遊技球を排出するための機構を示した説明図である。図8を用いて前述したように、遊技球投入部5hには排出プレート5fが設けられており、排出プレート5fの下方には排出通路5mが形成されている。
遊技者が、投入した遊技球を排出しようとする時は、皿外縁部5aの上面に設けられた排出ボタン5bを押下する。排出ボタン5bの動きは、図示しないリンク機構によって伝達されて、排出プレート5fをスライドさせる。図54は、排出プレート5fがスライドした状態を示している。その結果、遊技球投入部5hに投入されていた遊技球は、排出プレート5fの下側に設けられた排出通路5mに落下して、排出通路5mを通って排出口5gに導かれ、排出口5gから下皿部6に排出される。
また、遊技球準備部5uや上皿部5の凹部5c内の遊技球は、次のようにして排出される。遊技者が排出ボタン5bを押下すると、排出プレート5fが開放すると同時に、投入プレート5pおよび供給プレート5sも開放状態となる。図55は、排出プレート5f、投入プレート5p、および供給プレート5sが開放状態となっている様子を概念的に示した説明図である。投入プレート5pを開放状態とすれば、遊技球準備部5uに供給されていた遊技球が一斉に遊技球投入部5hに流入する。また、供給プレート5sを開放状態とすれば、凹部5cに貯留されていた遊技球が遊技球準備部5uに流入する。その結果、全ての遊技球が遊技球投入部5hに流入し、排出プレート5fを介して排出通路5mを通過した後、排出口5gから排出されることになる。尚、遊技球準備部5uにも排出プレート51fが設けられている場合は、遊技球投入部5hに設けられた排出プレート5fの開放に併せて、遊技球準備部5uの排出プレート51fも開放させればよい。また、排出プレート5fおよび排出プレート51fをいずれも開放する場合は、投入プレート5pは閉鎖したままとしておくこともできる。
また、本実施例の上皿部5には、遊技球の排出を禁止する機構も設けられている。図56は、遊技球の排出を禁止するための機構を示した説明図である。図示した実施例では、排出プレート5fに小さな貫通孔が設けられており、貫通孔の下方にはアクチュエータ5nが設けられている。遊技球の排出が禁止された状態では、アクチュエータ5nの先端に取り付けられたピンが上昇して排出プレート5fの貫通孔に嵌合する。このような状態では、もはや排出ボタン5bを押下しても排出プレート5fをスライドさせることができないので、遊技球投入部5hに投入された遊技球を排出することができなくなる。
尚、投入された遊技球の排出を禁止する機構としては、図56に示した機構に限られるものではなく、例えば、排出ボタン5bの動きを排出プレート5fに伝えるリンクの一部をロックしたり、あるいはリンクを空回りさせることによって排出ボタン5bの動きが排出プレート5fに伝わらないようにしても良い。また、排出プレート5fをスライドさせる機構(開閉機構)としては、前述したように排出ボタン5bの動き(上下動)をリンク機構によって伝達するものに限定されるものではなく、例えば、アクチュエータなどの駆動源によって排出プレート5fをスライドさせる機構としても良い。この場合、排出ボタン5bを押下した状態では排出ボタン操作信号を出力するものとして、その信号の出力の有無に基づいてアクチュエータなどの駆動源を作動させることにより、排出プレート5fの開閉を行うことができる。
尚、単位遊技が開始されてから所定期間、遊技球の排出を禁止する場合には、その所定期間の間は排出ボタン5bを押下しても排出ボタン操作信号を出力しないように制御すればよい。また、遊技球の排出を禁止する期間としては、単位遊技が開始されてから、少なくとも規定数すべての遊技球の入球が確認されるまでの間とすることができる。更に、遊技球準備部5uにも排出プレート51fが設けられている場合には、排出プレート51fにも、同様の排出禁止機構を搭載すればよい。このように、遊技球の排出が禁止される期間を設けておけば、規定数の遊技球を投入して遊技を開始したにもかかわらず途中で遊技球が排出されたために、遊技が終了できなくなる事態を確実に回避することが可能となる。換言すれば、本実施例の遊技機では、遊技球の排出ボタン5bを押しても直ちに遊技球が排出されるわけではない。以下では、排出ボタン5bが押されてから、遊技球が実際に排出されるまでの動作について説明する。
図57は、遊技球を排出する場合のタイミングチャートである。単位遊技の最中に(代表的には、15球目の遊技球を発射した後に)、遊技者が発射ハンドル8から手を離したものとする。すると、図示されているようにタッチセンサの出力がOFFに切り換わる。一方、15球目の遊技球が入球し、更にインターバル時間(9.0秒)が経過すると、遊技の結果が得られる。
遊技の結果が得られたときに、タッチセンサの出力がOFFになっている場合は、遊技者が遊技を終了して残っている持ち球を排出することが考えられるので、排出プレート5fを作動許可状態に設定する。前述したように、単位遊技が開始されると排出プレート5fに設けられた貫通穴にピンが嵌合することで、排出プレート5fは作動禁止状態となっている。そこで、遊技者が排出ボタン5bを押下して持ち球を排出させようとした場合に備えて、貫通穴からピンを抜くことにより排出プレート5fを作動可能な状態とするのである。尚、遊技球投入部5hに加えて遊技球準備部5uにも排出プレート51fが設けられている場合には、排出プレート5fと同様に、排出プレート51fの貫通穴にピンを嵌合させることによって作動禁止状態とし、貫通穴からピンを抜くことによって作動可能状態としてやればよい。
もちろん、タッチセンサの出力がOFFになっている(すなわち、遊技者が発射ハンドル8に触れていない)とは言え、再び遊技を開始することも起こり得る。そこで、遊技球の準備は行うべく、投入プレート5pを開放して規定数の遊技球を遊技球投入部5hに投入した後、供給プレート5sを開いて遊技球準備部5uに遊技球を流入させ、規定数の遊技球が流入したら、供給プレート5sを閉鎖する。この状態で、再び遊技者が発射ハンドル8に触れた場合には、タッチセンサの出力がONとなり、そして、投入センサ5wの出力は既にONとなっているから、そのまま新たな単位遊技が開始されることになる。
一方、遊技者が排出ボタン5bを押下すると、この動きがリンク機構によって伝達されて、排出プレート5f(および排出プレート51f)が開放される。同時に、排出ボタン5bの操作信号に基づいてアクチュエータ53が駆動して、供給プレート5sも開放される。尚、このとき、投入プレート5pも開放することとしても良い。図54を用いて前述したように、排出プレート5f(および排出プレート51f)の裏面側には排出通路5mが形成されている。このため、排出プレート5f(および排出プレート51f)を開くと、遊技球投入部5hおよび遊技球準備部5uにある規定数の遊技球が、排出通路5mを通過して下皿部6に排出される。また、凹部5cの遊技球も供給プレート5sを抜けて、下皿部6に排出されることになる。
E−4.投入球数検出制御 :
図58は、1回のゲームの途中で持ち球が尽きてしまい、そのゲームを完了できなくなることを回避するために、本実施例の遊技機1が行う制御の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、主制御部200において、図37に示したメインジョブに並行して実施される処理である。以下では、フローチャートに従って説明する。
投入球数検出制御を開始すると、先ず初めに、遊技確認時間が経過したか否かを判断する(S1002)。遊技確認時間とは、図30あるいは図31を用いて説明したように、遊技の結果が得られてからの所定期間(本実施例では16ms)を言う。遊技確認時間が経過していなければ(S1002:no)、次の単位遊技を開始することなく遊技確認時間が経過するまで待機する。そして、遊技確認時間が経過したと判断されたら(S1002:yes)、図8および図49を用いて前述した遊技球投入部5hに規定数(本実施例では15個)の遊技球が投入されたか否かを判断する(S1004)。前述したように本実施例の遊技機1では、遊技球投入部5hに投入センサ5wが設けられており、規定数の遊技球が投入されれば、投入センサ5wの出力が高インピーダンス状態となる。従って、投入センサ5wのインピーダンスを検出することにより、規定数の遊技球が投入されたか否かを判断することができる。
尚、本実施例の遊技機1では、投入センサ5wが高インピーダンス状態に切り換わるだけでなく、高インピーダンス状態が所定時間(例えば100ms)保たれた場合に初めて、規定数の遊技球が投入されたものと判断している。こうすれば、ノイズなどの影響で、規定数の遊技球が投入されたものと誤って判断してしまい、新たな遊技が開始されることを確実に回避することが可能となる。ちなみに、所定時間保たれることを検出する方法としては、例えば、主制御基板200aに搭載されたCPU400のタイマを用いて、所定時間経過後に再度、投入センサ5wのインピーダンスを検出してもよいが、簡便には、インピーダンスを検出する回路上に小容量のコンデンサを設けておき、高インピーダンス状態がある程度の期間保たれなければ、出力変化が検出されないようにすることも可能である。
規定数の遊技球が投入されていないと判断された場合は(S1004:no)、新たなゲームの開始を禁止する処理を行う(S1006)。具体的には、球送り装置12に組み込まれた球送りソレノイド12aの駆動信号をマスクして、球送りソレノイド12aの駆動を停止させる。こうすれば、遊技球が発射装置ユニット10に供給されなくなるので、新たなゲームの開始を禁止することができる。もちろん、新たなゲームの開始を禁止する方法は、こうした方法に限らず、他の方法を用いることもできる。例えば、発射装置ユニット10にモータ部10fとして組み込まれているステッピングモータの駆動信号をマスクすることにより、モータ部10fの動作を停止しても良い。あるいは、発射ハンドル8とハンドル軸10gとの間にクラッチ機構を設けておき、クラッチを切断して発射ハンドル8の回転がハンドル軸10gに伝達されないようにしてもよい。また、発射ハンドル8に設けられたタッチスイッチ8aからの信号をマスクしたり、発射停止スイッチ8bを強制的にON状態にしたり、発射スタートスイッチ10jからの信号をマスクしてもよい。更には、発射装置ユニット10の内部で遊技球を打ち出す槌10aを物理的にロックしてしまい、槌10aが遊技球を打ち出せないようにすることも可能である。
このようにして、遊技球投入部5hに規定数の遊技球が投入されるまで、遊技の開始を禁止した状態で待機しておき、規定数の遊技球の投入が確認されたら、遊技の開始禁止を解除した後(S1008)、遊技球の排出を禁止状態とする(S1010)。本実施例の遊技機1には、図56に示したように、遊技球の排出を禁止するための機構が搭載されており、この機構を動作させることによって、遊技球の排出を禁止状態とする。このように遊技球の排出を禁止するのは、次のような理由によるものである。本実施例の遊技機1は、1つのゲームを開始した後、途中で持ち玉が無くなってゲームの中断を余儀なくされることを回避するため、上述したように、規定数の遊技球が投入されたことが確認できなければ新たなゲームが開始できないような制御が搭載されている。しかし、規定数の遊技球が投入された場合でも、遊技球投入部5hから遊技球をゲームの途中で排出すると、規定数の遊技球を発射することができずにゲームの中断を余儀なくされる可能性が生じる。そこで、こうしたおそれを回避するために、遊技の開始禁止状態が解除されたら、遊技球の排出を禁止状態に設定しておくのである。
そして、今度は1個目の遊技球が発射されたか否かを判断し(S1012)、遊技球が発射されていない場合は(S1012:no)、発射されるまで待機する。このように、規定数の遊技球が投入されたことが確認され、遊技球の排出が禁止された状態で、1個ずつ遊技球が発射されるに従ってゲームが進行していく。ゲームの進行中にファール球が発生した場合は、ファール球は、前述したファール球通路5tを介して遊技球投入部5hに戻される。このように、ファール球そのものを遊技球投入部5hに戻すこととしているので、ファール球が発生した場合でも一旦、遊技球投入部5hに投入した規定数の遊技球を確実に発射することができ、開始したゲームを確実に終了することが可能となる。
ついで、規定数目(ここでは、15個目)の遊技球が入球したか否かを判断する(S1014)。そして、規定数の遊技球が入球していない場合は(S1014:no)、規定数の遊技球の入球が確認されるまで判断を繰り返す。そして、規定数の遊技球の入球が確認されたら(S1014:yes)、今度は、遊技の結果が得られたか否かを判断する(S1016)。本実施例の遊技機1では遊技確認時間が設けられているので、遊技の結果が得られたか否かを容易に判断することができる。遊技の結果が得られていない場合は(S1016:no)、結果が得られるまで待機する。そして、遊技の結果が得られたら(S1016:yes)、遊技球の排出禁止状態を解除する(S1018)。図56に示したように、本実施例の遊技機1では、排出プレート5fの貫通孔にピンを嵌合させることによって、遊技球の排出を禁止状態とすることができる。そこで、この貫通孔からピンを抜くことによって排出禁止状態を解除する。
こうして遊技球の排出禁止状態を解除したら、その遊技中に遊技終了ボタン5xが押されていたか否かを判断する(S1020)。遊技中に遊技者が、上皿5に設けられた遊技終了ボタン5xを押していなければ、(S1020:no)、S1002に戻って、続く一連の上述した処理を繰り返す。一方、遊技者が遊技終了ボタン5xを押していた場合は(S1020:yes)、新たなゲーム(単位遊技)を開始することなく遊技機1による遊技を終了する。この状態では、遊技球の排出禁止状態は解除されているので、遊技者は上皿部5から遊技球を球抜きすることが可能となっている。
遊技終了ボタン5xが押されたか否かを判断する方法としては、例えば、遊技終了ボタン5xが押された場合にセットされる遊技終了フラグを設け、図39に示すゲーム管理処理のS302の処理(ゲーム開始時の設定)において、遊技終了フラグがセットされているか否かを判断し(例えば、フラグが「1」であるか否かを判断)、遊技終了フラグがセットされていれば(例えば、「1」となっていれば)、新たなゲームを開始しないようにする。具体的には、遊技終了フラグがセットされている場合には、球送り装置12の球送りソレノイド12aの駆動信号をマスクして、球送りソレノイド12aの駆動を停止させることにより、遊技球を発射装置ユニット10に供給しないようにすれば良い。
尚、発射装置ユニット10への遊技球の供給を阻止する方法としては、上記方法に限定されるものではなく、例えば、発射装置ユニット10のモータ部10fとして組み込まれているステッピングモータの駆動信号をマスクしたり、発射ハンドル8のタッチスイッチ8aからの信号をマスクしたり、発射スタートスイッチ10jからの信号をマスクすることにより、発射装置ユニット10のモータ部10fの動作を停止したり、球送りソレノイド12aの駆動を停止させても良い。
また、遊技終了ボタン5xの操作は常時有効であるが、遊技終了ボタン5xを押すタイミングによって、遊技機1が遊技を終了するタイミングは異なったものとなる。例えば、1ゲーム中、すなわち、図30あるいは図31に示した遊技中信号がオンとなっている間に遊技終了ボタン5xが押された場合は、当該ゲームを最後まで行って遊技の結果が得られた後に、次のゲームを開始することなく遊技機1による遊技を終了することとなる。また、1ゲームが終了して次のゲームが開始されるまでの間、すなわち、図30あるいは図31に示した遊技確認時間作動中に遊技終了ボタン5xが押された場合は、その時点で次のゲームを開始することなく遊技機1による遊技を終了することとなる。
尚、遊技終了ボタン5xを押して遊技を終了した後、他の遊技者が遊技を行う場合には、一度セットされた遊技終了フラグをクリアする必要がある。この遊技終了フラグをクリアする方法としては、例えば、遊技終了フラグがセットされてから所定時間経過後に自動的に遊技終了フラグをクリアしたり、あるいは、遊技者が操作可能な遊技開始ボタンを設けておき、この遊技開始ボタンを押すことにより、遊技終了フラグをクリアするようにすればよい。
また、遊技者が遊技終了ボタン5bを操作しても、操作が無効となる期間を設けておいてもよい。このような期間を設けておけば、次のような利点を得ることができる。前述したように、本実施例の遊技機1では、一単位遊技の継続中は投入プレート5pが閉鎖状態となっており、一単位遊技が終了すると投入プレート5pが開放状態となって、次の単位遊技の準備を行うべく遊技球準備部5uから遊技球投入部5hに遊技球が投入される。ここで上述したように、投入プレート5pが開くと遊技終了ボタン5xが無効状態になることとすれば、遊技球が流入し始めて次回の遊技の準備が開始された後は、たとえ遊技者が遊技終了ボタン5xを押したとしても、そのまま次回の単位遊技が開始されることになる。こうすれば、一旦、遊技球投入部5hに投入された遊技球は、そのまま遊技に使用されることになるので、遊技機1による遊技の終了時の制御内容を簡素なものとすることが可能である。また、このように、遊技終了ボタン5xの操作が有効な期間と無効な期間とが存在することから、現在がいずれの状態であるかを遊技者に報知するために、操作の有効期間はボタンに内蔵したLEDを点灯させることとしてもよい。こうすれば、遊技者は遊技終了ボタン5xの点灯・消灯状態から、遊技の終了が可能な期間を容易に認識することが可能となる。更に、遊技終了ボタン5xの無効期間にボタンが押された場合、次回の単位遊技についてはそのまま開始するとしても、ボタン操作を記憶しておき、その次の単位遊技を開始しないこととしても良い。こうすれば、遊技終了ボタン5xを1回操作するだけで確実に遊技を終了させることが可能となる。
本実施例の遊技機1では、以上に説明した投入球数検出制御を行っているために、遊技球投入部5hに規定数の遊技球が投入されたことが確認されなければ、新たなゲームを開始することができない。そのため、1ゲームの途中で持ち玉が尽きてしまってゲームを中断せざるを得なくなることがなく、賞球の払い出しを受けることができない問題を確実に回避することができる。また、ひとたびゲームが開始されると、投入した遊技球を排出することもできないので、遊技者がゲームの途中で遊技台を移動して、ゲームが中断されたままになってしまい、新たな遊技者が途中からゲームを引き継がなければならない問題も回避することができる。
以上の遊技機1の構成により、以下のような効果を得ることができる。
(1)誘導図柄表示部31a、31bと入賞図柄表示部31cとを、同一の図柄表示装置31にて表示するように構成したことにより、図柄表示を制御する図柄制御部280の構成を簡略化することができる。これにより、図柄制御基板280aの端子数を減らすことができるので、図柄制御基板280aのコストを低減することができる。また、本実施例では、図柄表示部31に本入賞図柄を表示する入賞図柄表示部31cを設けているので、16連入球口24の前面側に設けられた疑似入賞図柄を表示する16連入球口LED表示部25を省略することも可能である。この場合には、音ランプ制御部の260の簡略化とコスト低減が可能となる。さらに、図柄制御部280で1つの図柄表示装置31を制御するように構成することで、図柄制御基板280aにLED駆動回路等を設ける必要がなく、図柄制御部280をパチンコ遊技機と共用化することができる。さらにまた、任意の図柄を表示できる図柄表示装置31に入賞図柄表示部31cを設けることで、例えばキャラクターや数字等を用いて入賞図柄を表現することができる。入賞図柄の配列も本実施例のような横一列に限らず、任意に変更することが可能となる。このように、多彩な表示方法で入賞図柄の表示を行うことができる。さらにまた、図柄表示部31に遊技の進行に応じて任意にメッセージを表示する遊技情報報知部が設けることで、例えば遊技者の利益に関連する情報および不利益に関連する情報を指示報知する指示報知情報を表示して、ナビゲーションを行うことができる。具体的には、遊技情報報知部では遊技者が狙うべきところ、あるいは狙うべきでないところを指示報知することができる。
(2)ケースレール108の球詰まりに対して複数段階のエラー状態を設定し、ケースレール108の複数の樋のいずれかの樋で球詰まりが発生した場合でも直ちに遊技球払出装置109を停止させず、警告報知をしながら球詰まりが発生していない残りの樋で払い出しを継続することで、遊技を進行させることができる。これにより、ケースレール108で球詰まりが発生した場合でも、遊技機1の稼働率の低下を抑制することができる。
(3)また、タンク球切れスイッチ232からの信号と払出センサ109j、109kからの信号とに基づいて、ケースレール108内の球詰まりを検出することで、ケースレール108の遊技球の有無を検出するスイッチを設ける必要がなく、回路構成を簡略化することができる。
(4)また、遊技球払出装置109にて遊技球の払い出しを停止する前に、カム109g、109hを一旦減速させてから停止させることで、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴うカム109g、109hの脱調を防止できる。これにより、遊技球払出装置109の払い出しを正確に行うことができる。同様に、遊技球払出装置109にて遊技球の払い出し開始時においても、払出モータ109fの回転速度を通常の回転速度より遅い回転速度から回転を開始することで、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、カム109g、109hの脱調を防止できる。これにより、遊技球払出装置109の払い出しを正確に行うことができる。
(5)また、ケースレール108における遊技球払出装置109の直前に、垂直に所定の長さを有する垂直部108bを設けることで、遊技球の自重により遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げることができ、払出速度を高速化することができる。さらに、遊技球払出中に払い出しを定期的に停止する所定の払出停止時間を設けることで、払出停止時間中に球圧を上げることができ、払出速度をより高速化することができる。このように定期的に払い出しを停止することで、球圧が上がりすぎて球噛み等が発生することを防止でき、遊技球の正確な払い出しを行うことができる。これにより、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されずにエラーが発生する原因を取り除くことができる。
(6)また、払出センサ109j、109kからの信号を払出制御部230にて受け取って払出個数を計数し、賞球数分のパルス信号を主制御部200に送信することで、1種類の払出センサ109j、109kで賞球数と貸球数を計数することが可能となるため、賞球数を計数するための賞球センサと貸球数を計数するための貸球センサを別々に設ける必要がない。これにより、回路構成を簡略化することができる。また、遊技球を賞球センサと貸球センサに振り分けるために、遊技球通路109a、109bを賞球センサ用の通路と貸球センサ用の通路に分離する必要がなく、遊技球払出装置109の構成を簡素化することができる。すなわち、賞球センサ用通路と貸球センサ用通路に遊技球を振り分けるために、通路切替用部材を設けたり、あるいは払出モータ109fの回転方向を変える必要がない。
(7)また、遊技球払出装置109における払出速度の高速化に伴い、払出センサ109j、109kにおける遊技球の通過速度が高速化する。この場合、払出センサ109j、109kの出力時間が払出制御部230の制御間隔より短いと遊技球の通過を検知できない可能性があるが、本実施例の払出制御部230では、制御間隔を主制御部200より短く設定しているので、遊技球の通過を確実に検知することができる。
(8)また、払出制御部230から賞球数分のパルス信号を主制御部200のCPU400のカウンタにソフト出力することで、主制御基板200aにセンサ入力用のI/0ポートを設ける必要がない。これにより、I/0ポート増設に伴うコストアップを回避できる。
(9)また、主制御部200のCPU400のカウンタに賞球数分のパルス信号を入力し、CPU400はカウンタを参照して制御を行うように構成することで、ポート入力処理、チャタリング処理といったプログラムが不要となり、プログラム容量を削減することができる。さらに、カウンタはCPUの動作とは独立して動作しているため、CPUの割り込み速度(ポートサンプリング速度)に対して微妙な入力信号に対しても入力が可能であり、入力信号に対して確度の高いカウントが可能となる。
(10)また、発射モータ252の原点を検出する原点センサ251を設け、発射制御部230が発射モータ252の原点確認後に球送り処理を行うことで、正確な球送りを行うことができ、確実に所定数の遊技球の発射を行うことができる。さらに電源投入後、遊技者が発射ハンドル8に触れた際に槌10aの空打ちを1回行うことで、電源投入時における原点確認を確実に行うことができる。これにより、電源投入後、初回の球送りを確実に行うことができる。さらにまた、槌10aの先端を発射球カウントスイッチ222から退避した位置に配置しているので、槌先の検出による発射球誤検知を防止できる。また、基準クロック信号のパルス幅を、球送り許可信号が発射許可状態となっている時間より短く設定することで、確実に球送り処理を行うことができ、確実に発射を行うことができる。
(11)また、遊技者が発射ハンドル8を回転開始したことを検知する発射スタートスイッチ10jを、直線運動するラック10iの移動によりオン/オフするように構成したことで、例えば発射ハンドル8にガタツキや劣化が生じたような場合であっても、遊技球の打ち出しに適した発射スタート位置を正確に検知することが可能となる。これにより、常に同じハンドル位置で遊技球を発射開始することが可能となる。さらに、発射ハンドル8内の機構が簡素になり、発射ハンドル8の組み付け性を向上させることができる。また、発射停止スイッチ8bをタッチスイッチ回路に組み込み、タッチスイッチ8aと直列的に接続することで、回路構成を簡略化することができる。
F.第1実施例 :
以上に説明した遊技機1では、一単位遊技の度に規定数ずつ遊技球を投入して遊技が進行するように構成されており、一単位遊技中には遊技球が追加して投入されることはない。このため、単位遊技の進行中に電源断が発生すると、電源が復帰しても一単位遊技を終了することができない場合がある。
例えば、規定数(ここでは、15個)の遊技球の中で7球目を発射した時点で電源断が発生したものとする。発射直後の7球目の遊技球は、当然、未だ遊技盤面上にあると考えられる。また、1球前に発射した遊技球についても、未だいずれの入球口にも入球しておらず、従って、電源断発生時点では入球数は5球のみであったとする。しかし現実には、7球目の遊技球が発射された後に電源断が起こっており、遊技球投入部5hには遊技球は8球しか残っていない。従って、電源断発生時点で5球分の入球結果をバックアップデータとして記憶し、電源復帰時にこのデータを読み出して遊技を続けたとしても、8球しか遊技球を発射することができず、電源断発生時に遊技盤面上にあった2球分だけ入球数が不足してしまう。このため、規定数全ての遊技球を入球させることができず、単位遊技を終了させることができなくなってしまう。
もちろん、不足する分の遊技球を追加して投入すれば単位遊技を終了させることができるが、電源断発生時にだけ、単位遊技の途中で不足する遊技球を追加して投入可能とすれば、そのための専用の機構や制御が必要となり、遊技機の構造や制御が複雑なものとなってしまう。あるいは、遊技盤面上にある全ての遊技球がいずれかの入球口に入球したことを確認してからバックアップデータを記憶することにすれば、こうした問題の発生を回避することはできるが、電源供給が止まった緊急の状態で全ての遊技球の入球を確認することは、それほど容易なことではない。こうした点に鑑みて本実施例の遊技機では、電源断からの復帰時には次のような電源投入処理を行う。
F−1.第1実施例の電源投入処理 :
図59は、第1実施例の電源投入処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、電源の投入時、あるいは、図48を用いて前述した電源断発生処理の終了後、システムリセットが発生すると開始される処理である。
第1実施例の電源投入処理を開始すると、先ず初めに、電源投入時に必要な各種設定を行う(S102)。具体的には、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可する。
次に、RAMクリアスイッチが押されているか否かを判断する(S104)。RAMクリアスイッチが押されている場合は、通常の電源投入時と判断される。そこで、遊技球を排出する動作を行う(S106)。すなわち、最後の遊技球を発射した直後に電源断が発生したのでない限り、遊技球投入部5hには電源断が発生した時のまま遊技球が残っていると考えられる。この様な状態では、遊技を開始しても単位遊技を終了させることはできない。そこで、排出プレート5fを開放して、遊技球投入部5hから遊技球を排出するのである。
尚、遊技球準備部5uにも排出プレート51fが設けられている場合には、遊技球準備部5u側の排出プレート51fは閉鎖したまま、遊技球投入部5h側の排出プレート5fのみを開放する。尚、排出プレート5fを開放させるためのアクチュエータ、更にはアクチュエータを制御するCPUは、遊技開始準備手段の一態様を構成する。
こうして、遊技球投入部5h内に残った遊技球を全て排出した後、RAM初期化処理を行う(Sl08)。RAM初期化処理としては、CPU周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、RAMの全領域を0クリアし、通常遊技中の初期値を設定した後、割り込みを許可状態とする。また、ゲーム開始フラグを設定する。このようなRAM初期化処理を行ったら、図37に示したメインジョブに復帰する。
一方、RAMクリアスイッチが押されていない場合は(S104:no)、電源断発生後の復電中であることが考えられる。そこで、バックアップフラグが設定されているか否かを判断する(S110)。電源断が発生すると図48に示した電源断発生処理が行われて、バックアップデータが記憶されるとバックアップフラグがセットされるので、バックアップフラグが設定されているか否かを確認するのである。確認の結果、バックアップフラグが設定されていない場合は(S110:no)、バックアップデータは保存されていないものと判断して、遊技球を排出した後(S106)、RAM初期化処理を行って(S108)、メインジョブに復帰する。
また、バックアップフラグがセットされている場合は(S110:yes)、バックアップデータを読み出して電源断発生時の遊技状態を復元する処理を行う。尚、主制御部200および払出制御部230のCPUに内蔵されており、バックアップデータが記憶されるRAM領域は、遊技状態記憶手段の一態様を構成している。バックアップデータを読み出すに際しては、先ずチェックサムを用いて、読み出したデータが正しいデータか否かを確認する。具体的には、RAMに記憶されているデータからチェックサムを算出して(Sl12)、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する(Sl14)。そして、これらチェックサムが一致していない場合は(S114:no)、RAMの内容が壊れていると考えられる。これでは、バックアップデータを用いて電源断発生時の遊技状態を復元することはできない。そこで、この様な場合には、遊技状態を復元することは断念して、遊技球を排出する処理を行う(S106)。すなわち、この様な場合にも遊技球投入部5hに遊技球が残っている可能性があるので、遊技球投入部5hから遊技球を排出するのである。こうして、遊技球投入部5h内に残った遊技球を全て排出した後、RAM初期化処理を行う(Sl08)。
一方、チェックサムが一致していれば(S114:yes)、バックアップデータが正確に記憶されているものと考えられる。そこで、この場合は復電処理を行う(S118)。復電処理では、まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、CPU周辺デバイスの初期設定を行って、レジスタを電源断直前の状態に戻しておく。
こうして電源断時の遊技状態に一旦、復帰させたら、続いて無効化処理を行う(S118)。すなわち、前述したように本実施例の遊技機では、遊技球投入部5hに規定数ずつ遊技球を投入して単位遊技を行っており、単位遊技の途中で遊技球を追加して投入することはできない。しかし、電源断が発生したときに遊技盤面上に発射した遊技球が入球せずに残っていると、復電後には、この入球していない遊技球の個数だけ入球数が不足してしまうため、電源断から復電しても単位遊技を終了できなくなってしまう。そこで、第1実施例の電源投入処理では、無効化処理を行って、電源断時に復帰した単位遊技を初めから無かったものとして強制的に終了(無効化)してしまうのである。こうして、一旦、単位遊技を終了しておけば、再び規定数の遊技球を投入することができ、新たな単位遊技を開始することが可能となる。以上のようにして第1実施例の電源投入処理を終了したら、遊技球を排出した後(S120)、図37に示したメインジョブに復帰して、遊技開始処理(S200)を開始する。
尚、この無効化処理では次のようにしてもよい。単位遊技が終了するたびに、その単位遊技の終了時点における遊技状態を記憶しておく。尚、記憶する遊技状態としては、例えば、誘導図柄の表示態様、第1あるいは第2役物誘導装置の作動状況、誘導増加装置の作動状況、第1あるいは第2役物誘導装置や誘導増加装置が作動開始してからのゲーム数などがある。そして、単位遊技の途中で電源断が発生すると、記憶しておいた前回の単位遊技終了時の遊技状態を、バックアップデータとしてRAM(遊技状態記憶手段)に記憶し、そのバックアップデータを読み出すことにより、電源断が発生した単位遊技の直前の単位遊技が終了したときの遊技状態に復帰させることとしても良い。こうすれば、例えば特別遊技中に電源断が発生した場合でも、特別遊技状態を継続したまま、電源断が発生した単位遊技のみを無効とすることが可能となる。
以上に説明した第1実施例の電源投入処理によれば、電源断後の電源投入処理で、遊技球を排出してしまうので、次回の単位遊技を開始するときに確実に規定数の遊技球を投入することができる。また、バックアップデータを読み出して電源断が発生する直前の遊技状態を復元した後、電源断時の単位遊技を無効としてしまう。こうして、電源断時の単位遊技を強制的に無効化することにより、新たに規定数の遊技球を投入して単位遊技を開始することが可能となる。
F−2.第1実施例の変形例 :
以上に説明した第1実施例では、電源断が発生した場合には、必ずバックアップデータを記憶するものとした。しかし、電源断が発生すると遊技球の発射球数と入球数とを比較して、両者が一致している場合にだけ、バックアップデータを記憶することとしてもよい。以下では、このような第1実施例の変形例について簡単に説明する。
図60は、第1実施例の変形例における電源断発生処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理も、停電などにより供給電圧が所定電圧以下に低下すると、電源基板127に搭載された電圧監視回路420が、主制御部200および払出制御部230のCPUに対して出力した電源断信号を受けて開始される処理である。
第1実施例の変形例の電源断発生処理を開始すると、先ず初めに、払出センサ109j、109kの監視を所定時間(本例では84ms)行い、第1役物作動口32および第2役物作動口33の役物作動ロスイッチ212aおよび212bを通過する遊技球の監視を所定時間(本例では84ms)行う(S952、S954)。
ついで、遊技球の発射球数と入球数とが一致しているか否かを判断する(ステップS956)。前述したように、主制御基板200aに設けられたRAM402には、発射装置ユニットから発射された遊技球数をカウントする発射カウンタと、入球口に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタとが設けられているので、これらカウンタの値を比較することで、発射球数と入球数とが一致するか否かを判断することができる。
発射球数と入球数とが一致していない場合は、発射された遊技球が遊技盤面上に残っているものと考えられる。このため、盤面上の遊技球の入球を確認しないままバックアップデータを記憶したのでは、前述したように、電源復帰時に遊技を再開しても入球数が不足してしまうことになる。特に、本実施例の遊技機では、遊技球投入部5hに規定数ずつ遊技球を投入して単位遊技を行い、単位遊技の途中で遊技球を追加して投入しないこととしているので、再開した単位遊技を終了することができなくなってしまう。そこで、第1実施例の変形例の電源断発生処理では、電源断が発生すると、発射球数と入球数とが一致しており(S956:yes)、復電後に入球数が不足するおそれのない場合にだけ、以下のようにしてバックアップデータを作成する処理を行う。
発射球数と入球数とが一致して、バックアップデータを記憶する場合は、先ず、使用している全レジスタのデータをRAMに退避させ(S958)、RAM上のスタックポインタの値を保存する(S960)。次いで、チェックサムを算出して保存する(S962)。
一方、発射球数と入球数とが一致しないと判断された場合は(S956:no)、バックアップデータを作成することなく、RAMへのアクセスを禁止した後(S966)、無限ループ処理を行いながら、システムリセットが発生するまで待機する。
このように第1実施例の変形例の電源断発生処理では、発射球数と入球数とが一致している場合には、バックアップフラグがセットされ、バックアップデータが記憶された状態で、システムリセットの発生を待機した状態で処理を終了する。これに対して、発射球数と入球数とが一致しない場合にはバックアップデータは生成されず、従ってバックアップフラグも設定されないまま、システムリセットの発生を待機した状態で電源断発生処理を終了することになる。
次いで、第1実施例の変形例では電源断状態から再び電源が投入されると、図61に示す電源投入処理を行う。図61は、第1実施例の変形例における電源投入処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図59に示した第1実施例の電源投入処理に対して、バックアップデータを用いて復電処理を行った後に、無効化処理および遊技球排出動作を行わない点のみが異なっており、他の部分についてはほぼ同様である。以下では、こうした相違点を中心として、変形例の電源投入処理について簡単に説明する。
第1実施例の変形例の電源投入処理を開始すると、先ず初めに電源投入時に必要な各種設定、すなわちスタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可状態に設定する(S152)。次いで、RAMクリアスイッチが押されているか否かを判断し(S154)、押されている場合は、前述した第1実施例と同様に、遊技球を排出する動作を行った後(S156)、RAM初期化処理を行う(Sl58)。
一方、RAMクリアスイッチが押されていない場合は(S154:no)、バックアップフラグが設定されているか否かを判断する(S160)。第1実施例の変形例においては、電源断が発生すると遊技球の発射球数と入球数とを比較して、両者が一致している場合にだけバックアップデータを記憶する。従って、RAMクリアスイッチが押されていない場合でも、バックアップデータが記憶されているとは限らないので、バックアップフラグが設定されているか否かを確認するのである。確認の結果、バックアップフラグが設定されていない場合は(S160:no)、電源断発生時に遊技球の発射球数と入球数とが一致していなかったものと判断される。このような場合は、例え電源断発生前の状態に復帰させても入球数が不足するため、単位遊技を終了させることはできない。そこで、遊技球を排出した後(S156)、RAM初期化処理を行い(S158)、メインジョブに復帰する。
バックアップフラグがセットされている場合は(S160:yes)、チェックサムを算出して(S162)、チャックサムが正常か否かを確認する(S164)。チェックサムが正常でない場合は(S164:no)、RAMの内容が壊れていると考えられるので遊技状態を復元することは断念し、遊技球投入部5hに残った遊技球を排出した後(S156)、RAM初期化処理を行う(Sl58)。
一方、チェックサムが正常であれば(S164:yes)、復電処理を行う(S166)。そして、第1実施例の変形例の電源投入処理では、前述した第1実施例の電源投入処理とは異なり、復電処理を行った場合には無効化処理および遊技球の排出動作を行うことなく、図37に示したメインジョブに復帰する。これは次のような理由によるものである。図60を用いて前述したように、第1実施例の変形例の電源断発生処理では、電源断発生時に遊技球の発射球数と入球数とが一致している場合にだけ、バックアップデータが記憶される。遊技球の発射球数と入球数とが一致していなければ、たとえ電源断発生前の遊技状態に復元しても、入球数が不足するため単位遊技を終了することができなくなる。しかし、発射球数と入球数とが一致していれば、復電後に入球数が不足することはないので、電源断発生前の遊技状態を復元して電源断発生時の単位遊技を再開することで、当該単位遊技を終了させることができる。そこで、第1実施例の変形例においては、バックアップデータを読み出して電源断発生時の遊技状態を再現できた場合は、無効化処理や遊技球の排出動作を行うことなく、そのままメインジョブに復帰して単位遊技を再開するのである。
以上に説明した第1実施例の変形例においては、電源断が発生すると遊技球の発射球数と入球数とを比較して、両者が一致していない場合は、バックアップデータを記憶することなく電源断発生処理を終了し、電源復帰時には、遊技球投入部5h内から遊技球を排出してしまう。このため、電源断発生時に遊技盤上に遊技球が残っていた場合でも、電源復帰後は、正常に単位遊技を開始することが可能となる。また、遊技球を追加して投入するための機構や制御が不要であるため、遊技機の構成や制御内容を簡素なものとすることができる。
一方、電源断発生時に遊技球の発射球数と入球数とが一致している場合は、電源復帰後にバックアップデータを読み出して電源断発生時の遊技状態を復元し、電源断発生時の単位遊技を再開することができる。発射球数と入球数とが一致していれば、未だ入球が完了していない遊技球が遊技盤上に残っていないので、電源断発生時の単位遊技を復電後に再開しても入球数が不足することはなく、正常に単位遊技を終了することが可能である。
尚、遊技球の発射球数と入球数とが一致しているか否かに関わらず、電源断発生からの復電時には、遊技球投入部5hから遊技球を排出した後、新たな単位遊技を開始することとしてもよい。この場合は、電源断発生時にバックアップデータを生成して保存する必要がなくなるので、電源断発生処理が簡素なものとなるだけでなく、電源の供給が途絶えた緊急の状態で行われる電源断発生処理を、速やかに終了させることが可能となるので好ましい。
G.第2実施例 :
以上に説明した第1実施例の遊技機では、電源断発生後の電源復帰時には、バックアップデータを用いて遊技状態を復元した後、電源断発生時の単位遊技を強制的に終了させる無効化処理を行うこととした。しかし、電源断発生からの復帰時には、バックアップデータを用いて電源断発生時の単位遊技の精算を行った後、新たな単位遊技を開始することとしても良い。以下では、こうした第2実施例について説明する。
G−1.第2実施例の電源断発生処理 :
第2実施例の電源断発生処理は、図48を用いて前述した第1実施例と同様である。以下、図48を用いて簡単に説明すると、まず、使用レジスタをRAMに退避して、スタックポインタの値を保存した後、所定時間だけ残存賞球および役物作動口の入球を監視する(S901、S902、S903、S904)。次いで、チェックサムを保存し、バックアップフラグをセットして、RAMをアクセス禁止状態に設定した後(S905、S906、S907)、無限ループ状態に移行する。
G−2.第2実施例の電源投入処理 :
図62は、第2実施例の電源断発生処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図59を用いて前述した第1実施例の電源投入処理に対して、復電処理後に精算処理を行う点が大きく異なっており、他の処理はほぼ同様である。以下では、かかる相違点を中心として、第2実施例の電源投入処理について説明する。
第2実施例の電源投入処理を開始すると、先ず初めに、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可状態に設定するなど、電源投入時に必要な各種設定を行う(S172)。
次に、RAMクリアスイッチが押されているか否かを判断し(S174)、押されていれば、排出プレート5fを開放して、遊技球投入部5hから遊技球を排出する(S176)。次いで、RAMを初期化した後(S178)、図37に示したメインジョブに復帰する。
一方、RAMクリアスイッチが押されていない場合は(S174:no)、バックアップフラグが設定されているか否かを判断する(S180)。そして、バックアップフラグが設定されていない場合は(S180:no)、遊技球を排出した後(S176)、RAM初期化処理を行って(S178)、メインジョブに復帰する。バックアップフラグがセットされている場合は(S180:yes)、チェックサムを算出して(Sl82)、チェックサムが正常か否かを判断する(Sl84)。そして、これらチェックサムが正常でない場合は(S184:no)、遊技状態を復元することは断念して、遊技球を排出し(S176)、RAM初期化処理を行う(Sl78)。一方、チェックサムが一致していれば(S184:yes)、バックアップデータが用いて復電処理を行うことにより、電源断が発生する直前の遊技状態を復元する(S186)。
こうして遊技状態を復元したら、復元した状態で単位遊技の精算を行う(S188)。すなわち、電源断が発生した時点で成立していた得点や、その得点に基づく賞球数や既に払い出した賞球数、得点増加装置などの作動状況などに従って、復電後に払い出すべき賞球数を算出して遊技球を払い出すことにより、電源断発生時の単位遊技を精算して、終了するのである。尚、第2実施例の電源投入処理では、バックアップデータを読み出して遊技状態を復元する際に、賞球の算出に必要な各種情報も復元されている。従って、バックアップデータを記憶しているRAMは、遊技価値情報記憶手段の一態様を構成している。また、賞球の払出制御を行う払出制御基板230aや、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109は、賞遊技価値付与手段の一態様を構成している。
次いで、排出プレート5fを開放して、遊技球投入部5hから遊技球を排出した後(S190)、図37に示したメインジョブに復帰する。こうして、電源断発生時の単位遊技を精算することで単位遊技を終了しておけば、再び規定数の遊技球を投入することができるので、新たな単位遊技を開始することが可能となる。
以上に説明した第2実施例の電源投入処理では、電源断から復帰したときに、電源断発生時点で成立していた得点を用いて、電源断発生時の単位遊技を精算する。このため、復電後には遊技球投入部5hに規定数の遊技球を改めて投入して、新たな単位遊技を開始することが可能となる。また、電源断発生時の状態で単位遊技を精算することで、成立していた得点が無駄になってしまうことを回避することができる。このため、遊技者に不満を抱かせることなく新たな単位遊技を開始することが可能となる。
このように、電源断からの復帰時には精算を行うこととしても、そのために新たな機構を追加したり、特別な制御を行う必要はなく、従って、遊技機の構造や制御内容が複雑なものになってしまうと言った弊害が生じることはない。
尚、以上に説明した第2実施例の遊技機では、電源断が発生すると、遊技状態の中で賞球に関わる遊技状態(例えば、得点や、得点増加装置の作動有無など)のみをバックアップデータとして記憶することとしてもよい。こうすれば、全ての遊技状態を保存する場合に比べて、バックアップデータを迅速に記憶することができ、電源発生処理を速やかに終了することができる。
以上、本発明についての各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。