(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をアレンジボール遊技機(組合せ式遊技機)に適用した第1実施例を図1〜図51に示す。
図1は、本実施例のアレンジボール遊技機(以下、単に遊技機という)1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット10(図3、図4参照)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置12(図8参照)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット10に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ266(図30参照)が設けられている。なお、本実施例のスピーカ266は、中高音用スピーカ(ツィータ)及び低音用スピーカ(ウーファ)とを含んで構成されている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4a〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、後述のように複数段階のエラー表示が可能に構成されている。エラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。なお、本実施例では、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合を重度のエラーとし、それ以外の場合を軽度のエラーとしている。
前面枠4には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部230は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。なお、前面枠4開放に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信されない。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。第1音声出力部5cは、スピーカ266のうち中高音用スピーカ(ツィータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図30参照)が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端を手前側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。
排出ノブ6bは、プルロック式に構成されている。遊技者が下皿部6に溜まった遊技球を手前側に掻き出すように動作することで、排出ノブ6bが回転軸を中心に手前側に回動し、この状態でロックされる。同時に球抜き穴が排出ノブ6bの回動に連動して開放し、遊技球が下皿部6から排出される。排出ノブ6bをもう一度押すことでロックが解除され、排出ノブ6bを元の状態に戻すことができ、球抜き穴は閉鎖する。
下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側の下面には、第2音声出力部6cが設けられている。第2音声出力部6cは、スピーカ266のうち低音用スピーカ(ウーファ)とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。
下皿部6の左側には灰皿7が設けられている。ここで、灰皿7の構成を図2に基づいて説明する。図2(a)、(b)は灰皿7の斜視図である。図2(a)、(b)に示すように、灰皿7の上部にはスライド蓋7aが設けられている。図2(a)はスライド蓋7aが閉じた状態、図2(b)はスライド蓋7aが開いた状態をそれぞれ示している。このように、スライド蓋7aが前後方向にスライドすることで、灰皿7の上面を開閉することができる。
図2(c)は、スライド蓋7aが閉じた状態において、灰皿7を下皿部6の裏面側からみた背面図である。図2(c)に示すように、灰皿7にはスライド蓋7aを固定するための固定部材7bが設けられている。固定部材7bは、右端側の回転軸を中心に回動可能に構成されている。スライド蓋7aが閉じた状態において、固定部材7bを上側に回動させることで固定部材7bがスライド蓋7aに係合し、スライド蓋7aを固定することができる。上記構成により、灰皿7を使用不可とすることができる。
図1に戻り、下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット10(図3、図4参照)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に直列接続されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、遊技球を誘導するガイドレールと発射装置ユニットについて図3〜図7に基づいて説明する。図3は中枠3を正面側からみた斜視図であり、図4は中枠3を背面側からみた斜視図である。図5は発射レール11の拡大図である。
図3に示すように、中枠3には外レール22が設けられている。外レール22は、遊技盤20上に形成される後述の中レール23(図9参照)とともに遊技盤20上に遊技球を誘導するガイドレールを構成している。図4に示すように、外レール22は、板状部材が円弧状に曲げられて形成されている。外レール22は、両端部の一部が板面に対して直角に折り曲げられ、取付部(ネジ止め部)22a、22bが形成されている。取付部22a、22bにはネジ穴が形成されている。中枠3には、外レール22をはめ込むことができる略円弧状のレール取付部3aが形成されている。
外レール22をレール取付部3aの内側にはめ込み、取付部22a、22bをレール取付部3aにネジ止めすることで、外レール22を中枠3に固定することができる。このように外レール22の一部を折り曲げて取付部22a、22bを形成することで、外レール22を中枠3に固定する固定部材を別途用いる必要がなく、部品点数を削減できる。また、組み付け作業も容易に行うことができる。
図3に示すように、外レール22の右下には発射レール11が設けられている。また、図5に示すように、発射レール11における遊技球の発射位置には、上述の発射球カウントスイッチ221が設けられている。
図3、図4に示すように、中枠3には上述の発射装置ユニット10が設けられている。発射装置ユニット10には、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する槌10a(図3)、槌10aの回転を規制するストッパ部10b、10c(図3)、槌10aに打撃力を付与するバネ部10d(図4)、カム10eが回転軸に固定され、槌10aに連続的に打撃力を発生させる発射モータを内蔵したモータ部10f(図4)が設けられている。
また、発射ハンドル8にはハンドル軸10g(図3)が連結されており、ハンドル8の回転運動は、ピニオン10hとラック10i(図4)により直線運動に変換される。遊技者による発射ハンドル8の操作量は、ラック10iによりバネ部10dに伝えられる。
図6は発射ハンドル8を回動させていない場合のピニオン10hとラック10iの拡大図、図7は発射ハンドル8を回動させている場合のピニオン10hとラック10iの拡大図である。図6、図7に示すように、ラック10iの近傍には発射スタートスイッチ10jが設けられている。発射スタートスイッチ10jは、直線運動するラック10iの移動によりオン/オフが切り替わるように構成されている。本実施例では、発射スタートスイッチ10jとしてリミットスイッチを用いている。
発射スタートスイッチ10jは、遊技者が発射ハンドル8を所定角度以上回転させ、ラック10iが遊技球の打ち出しに最も適した所定の発射スタート位置にきたときにオン/オフが切り替わるように構成されている。本実施例の発射スタートスイッチ10jは、発射ハンドル8を操作していない場合にオン出力(High)であり、遊技者が発射ハンドル8を操作すると、すなわち所定角度以上回転させるとオフ出力(Low)に切り替わる。なお、発射スタートスイッチ10jは本発明の発射開始位置検知手段の一具体例を示すものであり、ラック10iは本発明の操作量伝達部材の一具体例を示すものである。
バネ部10dには弾性体としてのゼンマイバネが内蔵されており、ゼンマイバネの一端は槌10aの回転軸に接続され、他端はラック10iに接続されている。ラック10iは、直線運動によりゼンマイバネ(渦巻きバネ)のバネ力(反発力)を調整するバネスライダ部を構成している。ゼンマイバネのバネ力は、槌10aの先端を発射位置方向に移動させる方向に働く。槌10aは、遊技球の発射を行っていない定常時には、ゼンマイバネのバネ力によりストッパ部10b、10cに押しつけられている。このとき、槌10aの先端は遊技球直前の発射位置に位置する。槌10aの先端は、図5に示すように発射球カウントスイッチ221の手前に位置している。なお、ストッパ部10b、10cにおける槌10aとの接触部は、弾性部材から構成されている。
本実施例では、モータ部10fの発射モータとしてマイクロステップ駆動のステッピングモータを用いている。このようなマイクロステップ駆動のステッピングモータを採用することにより、低振動化を図ることができる。発射モータは、所定周波数の駆動パルス信号により駆動される。
また、槌10aの回転軸には、カム10eと接触する係合部(図示せず)が設けられている。発射モータが回転することで、カム10eが槌10aの係合部を押圧し、槌10aがゼンマイバネを圧縮しながら発射位置から離れる方向に引っ張られる。カム10eが所定の発射角度まで回転すると、カム10eと槌10aの係合部との係合が外れ、ゼンマイバネのバネ力により槌10aが振り出される。槌10aは、ストッパ部10b、10cに接触するまで回転する。ストッパ部10b、10cは槌10aが衝突すると弾性変形し、この結果、槌10aの先端は発射位置にある遊技球を打撃(発射)することができる。
このように、発射モータが1回転する毎に遊技球が1球発射される。発射モータが連続して回転することで上記動作を繰り返し、遊技球を連続的に発射することができる。
モータ部10fには、発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。原点センサは本発明の原点検出手段を構成するものであり、例えば光センサを用いることができる。本実施例では、槌10aが振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜20°)だけ回転した位置を原点と定めている。
また、遊技者が発射ハンドル8の回転量を調整することで、槌10aによる遊技球の打撃力(発射力)を調整することができる。すなわち、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、ハンドル軸10gとハンドル軸10gに連結されたピニオン10hを介して、ラック10iが直線運動する。ラック10iはバネ部10dのゼンマイバネに接続されているので、ラック10iの移動量に応じてゼンマイバネのバネ力を変化させることができ、槌10aによる遊技球の発射力を変化させることができる。
ここで、球送り装置12について図8に基づいて説明する。図8(a)〜(c)は球送り装置12の正面図およびA−A断面図を示している。球送り装置12は、上皿部5に貯留された遊技球を発射レール11の発射位置に供給するものである。図8(a)〜(c)に示すように、球送り装置12は球送りソレノイド12aと球送りカム12bとを備えている。球送りカム12bは、球送りソレノイド12aに連動して作動し、上皿部5の遊技球を1個ずつ発射レール11の発射位置に供給するものである。
図8(a)は、球送りソレノイド12aがオフとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが消磁することに連動して球送りカム12bが下側(図8(a)中の時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ不能な状態にしている。
図8(b)は、球送りソレノイド12aがオンとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ可能な状態となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが励磁することに連動して球送りカム12bが上側(図8(b)中の反時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ可能な状態にしている。遊技球は球送りカム12bの凹部にて一旦停止する。
図8(c)は、球送りソレノイド12aが再びオフとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となった場合であって、発射レール11に遊技球を供給可能となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが消磁することに連動して球送りカム12bが下側(図8(c)中の時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ不能な状態にするとともに、球送りカム12bの凹部に受け入れていた遊技球を発射レール11に供給する。
次に、遊技盤20の構成について図9に基づいて説明する。図9は、遊技盤20の盤面を模式的に示した正面図である。遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。
図9に示すように、遊技盤20は、外レール22と内レール23により形成される略円形状の遊技領域21が設けられている。遊技領域21には、16連入球口(入球領域)24、16連入球口LED表示部25、左入球口(入球領域)26、誘導図柄作動ゲート(始動口)29、第2役物誘導装置作動ゲート30、図柄表示装置31、第1役物作動口(可変入球口)32、第2役物作動口33、特別遊技装置36等が設けられている。また、遊技領域21には、多数の障害釘(図示略)が設けられている。なお、16連入球口24、左入球口26、誘導図柄作動ゲート29、第2役物誘導装置作動ゲート30、第1役物作動口32、第2役物作動口33におけるそれぞれの内部には、遊技球の入球又は通過を検知する入球検知スイッチ(図示略)が設けられている。
16連入球口24は、遊技領域21の下方領域に設けられ、16個の入球口が横方向に一列に並んで配置されている。16連入球口24の前面側には、疑似入賞図柄表示部としての16連入球口LED表示部25が設けられている。16連入球口LED表示部25は、後述する図柄表示装置31内に設けられた入賞図柄表示部31c(図10)に対応して点灯するものである。16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合には、その入球口に対応する入賞図柄表示部31cの入賞図柄が入賞表示するとともに16連入球口LED表示部25のLEDが点灯表示する。また、図示していないが、少なくとも3番、5番、11番、13番、15番の各入球口は、障害釘により直接の入球が困難な難入球口とされている。
左入球口26は、16連入球口24の上方左側に設けられている。本実施例では、左入球口26に入球すると、16連入球口24における5番の入球口に入球したのと同様の効果が得られ、入賞図柄表示部31cの5番の入賞図柄が入賞表示するとともに、16連入球口LED表示部25の5番のLEDが点灯する。
本実施例の遊技機1は、遊技球16個の発射を単位遊技(1ゲーム)として、1ゲーム中に点灯表示した入賞図柄の組合せにより賞態様が決定(得点が成立)し、賞態様に対応する賞遊技価値の付与として賞球の払い出しが行われる。例えば入賞図柄が4個連続して点灯表示された場合には1点が付与され、1点につき規定数(16個)の賞球が払い出される。本発明の賞遊技価値付与装置は、後述の主制御部200を主体として構成される。また、本実施例では、所定の入賞図柄の連続した組合せ(本例では12・13・14・15番)に対して3点が付与される。ただし、1ゲームにおいて獲得できる遊技球数は、規定数の10倍(160個)が上限となっている。
16連入球口24のうち、16番の入賞図柄に対応する入球口24aは得点増加装置作動口としての機能も有しており、入球口24aに入球した場合には、16番の入賞図柄が表示されるとともに得点増加装置が作動する。賞態様増加装置としての得点増加装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、当該ゲームにおいて1得点当たりに払い出される賞球数を増加(本例では2倍)させるものである。得点増加装置は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。入球口24aは、16個の入球口が横方向に一列に並んで配置される16連入球口24の右端部に位置し、遊技球が難入球口に比べ比較的入球し易い普通入球口であるので、遊技者は、遊技領域21の右方側に設けられた第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを狙って弾発する、いわゆる右打ちを行うことにより、特別遊技状態が発生しているときはもちろんのこと、特別遊技が発生していない通常遊技状態においても、入球口24aに遊技球を容易に入球させることができる。ここで、入球口24aは、複数の入球領域のうち予め定められた所定の入球領域を構成している。
誘導図柄作動ゲート29は、遊技領域21の左上方に設けられている。また、遊技領域21の中央部には、任意の図柄を表示可能な画面を有する図柄表示装置31が設けられている。本実施例の図柄表示装置31は、液晶(LCD)にて構成されている。図柄表示装置31は、その他ドットマトリクス等を用いて構成することもできる。
図10は、図柄表示装置31の画面構成を示す正面図である。図10に示すように、図柄表示装置31には、誘導図柄表示部(可変表示手段)31a、31b、入賞図柄表示部(入賞図柄表示手段)31c、残り球表示部31d等が設けられている。本実施例では、誘導図柄表示部として、本図柄表示部(本図柄表示手段)31aおよび疑似図柄表示部(疑似図柄表示手段)31bを備えている。本図柄表示部31aは識別図柄としての本図柄を表示するものであり、図柄表示装置31内の右下に配置されている。本図柄表示部31aは、複数(本例では2つ)の図柄表示領域を備え、それぞれ赤色、青色、緑色の3色で表示可能に構成されており、6通りの本図柄の組合せを表示できる。
疑似図柄表示部31bは、図柄表示部31の上側1/3程度を占めており、複数(本例では3つ)の図柄表示領域を備えている。本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が予め定められた当たり図柄(特定の図柄)の組合せである場合には、疑似当たり図柄を表示するとともに、本図柄が当たり図柄以外の組合せである場合には、疑似外れ図柄を表示するようになっている。具体的には、疑似図柄表示部31bの3つの図柄表示領域はそれぞれ「三」「七」「玉」「花」からなる4通りの図柄を表示可能であり、64通りの疑似図柄の組合せを表示できる。
誘導図柄(本図柄および疑似図柄)は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過することにより変動開始し、所定時間変動表示した後で停止表示を行う。誘導図柄変動時間の経過後、遊技者が誘導図柄を確認するために誘導図柄停止表示時間が設定されている。誘導図柄変動時間は、例えば本図柄は1.1秒とし、疑似図柄は1.4秒とする。また、当たりの場合の誘導図柄停止表示時間は、例えば本図柄、疑似図柄ともに4秒とし、外れの場合の誘導図柄停止表示時間は、例えば本図柄は0.5秒とし、疑似図柄は0.2秒とする。
ここで、本図柄の変動時間が疑似図柄の変動時間よりも短く設定されているのは、本図柄の変動中に誘導図柄作動ゲート29を遊技球が通過しても本図柄は変動せず、本図柄の変動停止後に誘導図柄作動ゲート29を遊技球が通過した場合に本図柄が変動するため、遊技者の図柄が変動しない場合における苛立ちを少しでも緩和するためである。すなわち、遊技者は通常、疑似図柄を見ているため、疑似図柄における一つの変動と次の変動との間の変動していない期間(外れの場合の停止表示時間)を短くすることによって遊技者の苛立ち感が緩和できる。なお、当たりの場合には、第1役物作動口32が開放されるため、この限りでない。
また、当たりの場合の誘導図柄停止表示時間が外れの場合の誘導図柄停止表示時間よりも長く設定されているのは、後述するように、誘導増加装置が作動し12ゲームが終了したとき、左打ちにより誘導図柄作動ゲート29を通過させて誘導図柄表示部を作動させ、誘導図柄の当たり表示後に右打ちをするのであるが、誘導図柄の停止表示中は第1役物作動口32が開放されず、停止表示が終了した後に第1役物作動口32が開放されるため、遊技者が誤って第1役物作動口32に入球させて、いわゆるパンクが発生することを防止するためである。
本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が、予め定められた当たり図柄の組合せである場合には、一定時間経過後に第1役物誘導装置(可変入球装置)が作動開始し、遊技領域21に設けられた可変入球口としての第1役物作動口32が、遊技球が入球し易い開放状態となる。本実施例では、低確率状態(詳細後述)では、本図柄が「赤−赤」の組合せを当たり図柄の組合せとし、それ以外の組合せを外れ図柄の組合せとしている。また、高確率状態(詳細後述)では、本図柄が「赤−赤」、「青−青」、「緑−緑」の組合せを当たり図柄の組合せとし、これら以外の組合せを外れ図柄の組合せとしている。なお、第1役物誘導装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、第1役物作動口32の状態を変化させるものである。
本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、第1役物作動装置を作動させるか否かの判定(当否判定)と、当否判定にて当たりと判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の当たり図柄を決定するために用いられる。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄を決定するために用いられるとともに、当否判定にて外れと判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の外れ図柄を決定するために用いられる。
具体的には、当否判定用乱数は、予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致する場合に当たりと判定される。そして、低確率状態で当たりと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は「赤−赤」の当たり図柄の組合せに決定される。一方、低確率状態で外れと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は図柄表示用乱数を用いて決定され、具体的には「青−青」、「青−赤」、「青−緑」、「緑−緑」、「緑−赤」のいずれかに決定される。
また、高確率状態で当たりと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は「赤−赤」、「青−青」、「緑−緑」のいずれかの当たり図柄の組合せに決定される。一方、高確率状態で外れと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は図柄表示用乱数を用いて決定され、具体的には「青−赤」、「青−緑」、「緑−赤」のいずれかに決定される。
疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。具体的には、当否判定にて当たりと判定された場合には、「三・三・三」、「七・七・七」、「玉・玉・玉」、「花・花・花」のいずれかの組合せからなる疑似当たり図柄に決定され、当否判定にて外れと判定された場合には、上記疑似当たり図柄以外の組合せからなる疑似外れ図柄に決定される。ところで、本図柄の当たり図柄の組合せは低確率状態と高確率状態とで異なり、低確率状態のときには当たり図柄でなかった図柄が、高確率状態のときには当たり図柄となるものがあるため、遊技者が違和感を覚えるおそれがある。そこで、本図柄が当たりの場合には、低確率状態か高確率状態かにかかわらず、疑似図柄表示部31bには、上記疑似当たり図柄を表示させて、遊技者の違和感をなくすようにしている。
図10に示すように、図柄表示部31内の下方には、入賞図柄表示部31cが設けられている。入賞図柄表示部31cは、上述の16連入球口24に対応するものであり、16個の入賞図柄を備えている。上述の16連入球口LED表示部25が疑似入賞図柄表示部を構成しているのに対し、入賞図柄表示部31cが本入賞図柄表示部を構成している。入賞図柄表示部31cでは、16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合に、その入球口に対応する入賞図柄にて入賞表示を行う。なお、遊技球16個がすべて入球した後、遊技者が入賞図柄を確認する入賞図柄確認時間(本例では0.5秒)が設定されている。
図11は入賞図柄表示部31cの表示例を示しており、(a)は16連入球口24に遊技球が入球した状態、(b)は得点成立前の状態、(c)は得点成立時の状態を示している。図11(a)〜(c)に示すように、本実施例の入賞図柄は花火の形で表示されている。
図11(a)に示すように、16連入球口24のいずれかの入球口(本例では2番と4番)に入球した場合には、その入球口に対応する入賞図柄表示部31cの入賞図柄の表示態様が変化して入賞表示を行う。本実施例では、入賞図柄を表す花火に導火線の火がつくように構成されている。
図11(b)に示すように、得点成立前の状態、すなわち16連入球口24のうち隣り合う3つの入賞口(本例では11番、12番、13番)に入球した場合には、入賞図柄が図11(a)で示した入賞表示とは異なる表示態様に変化する。本実施例では、入賞図柄を表す花火が拡大縮小を繰り返すように構成されている。これにより、遊技者に得点成立直前の状態であることを認識させることができる。
図11(c)に示すように、得点成立時、すなわち16連入球口24のうち隣り合う4つの入賞口(本例では11番、12番、13番、14番)に入球した場合には、該当個所において獲得した得点(本例では1点)を表示する。
図10に戻り、図柄表示部31の左側中央付近には、そのゲームにおける遊技球の残り数を表示する残り球表示部31dが設けられている。さらに、図10では図示を省略しているが、図柄表示部31には、1ゲーム中で成立した得点が表示される得点表示部、特別遊技状態が途中で終了(いわゆるパンク)した際に表示されるパンク報知部が設けられている。パンク報知部の表示が消えるタイミングは、次に特別遊技状態が発生したとき、表示後所定ゲーム回数(例えば、3〜4ゲーム)が経過したとき、あるいは、表示後所定時間(例えば、10〜30分)が経過したときである。
さらに図柄表示部31には、図示を省略しているが、誘導増加装置が作動開始してからのゲーム数(ラウンド数)を示すラウンド数表示部や遊技の進行に応じて任意にメッセージを表示する遊技情報報知部が設けられている。遊技情報報知部には、例えば遊技者の利益に関連する情報および不利益に関連する情報を指示報知する指示報知情報を表示して、ナビゲーションを行うことができる。具体的には、遊技情報報知部では遊技者が狙うべきところ、あるいは狙うべきでないところを指示報知することができる。なお、メッセージを表示する際には、必要に応じて疑似図柄表示部31bを小さく表示するようにしてもよい。
第1役物誘導装置は、第1役物誘導装置の作動中に第1役物作動口32に入球があった場合、あるいは3ゲームが終了した場合に作動を終了し、第1役物作動口32を閉鎖する。第1役物作動口32は遊技領域21内の上方中央付近に設けられている。第1役物作動口32は一対の可動片を備え、これらの可動片が左右に作動することにより第1役物作動口32が開放して入球し易くなる。
第1役物作動口32は、入賞図柄表示部31cにおける4つの入賞図柄を同時に表示させる第1役物を作動させるものである。第1役物作動口32に入球した場合には、第1役物が作動して12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示する。第1役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
第2役物誘導装置作動ゲート30は遊技領域21の右上方に設けられており、後述する誘導増加装置が作動すると、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効になる。また、第2の可変入球口としての第2役物作動口33は第2役物誘導装置作動ゲート30の右下方である遊技領域21内の右方に設けられており、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効なとき、すなわち誘導増加装置が作動しているときに遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過し、第2役物誘導装置(第2可変入球装置)が作動開始すると、第2役物作動口33が、遊技球が入球し易い開放状態となる。第2役物作動口33は一つの可動片を備え、この可動片が左に作動することにより第2役物作動口33が開放して入球し易くなる。
第2役物誘導装置作動ゲート30は、各単位ゲームにおいて最初に遊技球が通過して第2役物作動口33が開放状態となるまでは有効であるが、第2役物作動口33が一旦開放状態になってから次の単位ゲームが開始されるまでは無効となる。
第2役物誘導装置は、第2役物誘導装置の作動中に第2役物作動口33に入球があった場合、あるいは当該ゲームが終了したときに作動を終了し、第2役物作動口33を閉鎖する。
第2役物作動口33は、入賞図柄表示部31cにおける4つの入賞図柄を同時に表示させる第2役物を作動させるものである。第2役物作動口33に入球した場合には、第2役物が作動して11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示する。第2役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
第1役物作動口32は、特別遊技装置36への入球を可能とする特定入球口としての機能も有する。特別遊技装置36は、図柄表示部31の下方に設けられている。
図12は、特別遊技装置36の全体構成を示す斜視図である。図12に示すように、特別遊技装置36は、2つの遊技球通路37、41と、これらの間に配置された3つの回転体38、39、40とを備えている。
遊技球通路37、41は、その上面を遊技球が流下するように構成されている。第1役物作動口32に入球した遊技球は、図12中の左側から第1の遊技球通路37上に流れてくる。第1の遊技球通路37における下流側端部の中央付近には、遊技球の流れに変化を与えるための突起部37aが設けられている。突起部37aに当たった遊技球は両脇のいずれかにそれて流下する。第2の遊技球通路41については後述する。
2つの遊技球通路37、41の間に配置された回転体38、39、40は、遊技球の流れに変化を与えるためのものである。回転体38、39、40は細長形状であり、長手方向が水平方向かつ遊技球が流下する方向と直交する方向に配置されている。回転体38、39、40は長手方向を回転軸として、図示しない回転体用モータにより回転可能に構成されている。これらの回転体38、39、40は、同期して図12中における半時計方向に回転する。
第1の回転体38は略四角柱形状であり、側面が凸面と凹面を組み合わせて構成されている。第1の回転体38上を遊技球が通過する際、凹面が上側に位置している場合には遊技球は中央付近を通過し、凸面が上側に位置している場合には遊技球は両脇のいずれかにそれやすくなる。両脇のいずれかにそれた遊技球は、下方に落下する。
第2の回転体39は、側面の四隅が面取りされた略四角柱形状であり、側面の中央付近には貫通穴39aが形成されている。第2の回転体39上を遊技球が通過する際、貫通穴39aが上面に位置している場合には、中央付近を通過する遊技球は貫通穴39aに入り込んで下方に落下する。
第3の回転体40は、側面が連続した凸形状となっている樽形状であり、内部に複数の小型磁石が内蔵されている。第3の回転体40上を遊技球が通過する際、側面が凸形状であるので遊技球は両脇のいずれかにそれやすくなる。また、内蔵磁石の位置によっては、遊技球が磁石に引き寄せられて軌道修正される場合がある。両脇のいずれかにそれた遊技球は、下方に落下する。
3つの回転体38、39、40の上を通過する際に下方に落下しなかった遊技球は、第2の遊技球通路41上に流下する。第2の遊技球通路41には、遊技球が入球可能な誘導増加装置作動領域(特定の領域)41aが設けられている。誘導増加装置作動領域41aは、上方が開口して遊技球が通過可能に構成されている。図示を省略しているが、誘導増加装置作動領域41aには、誘導増加装置作動領域41aの遊技球の通過を検知する誘導増加装置作動領域スイッチが設けられている。なお、特別遊技装置36の下方には図示しない排出口が設けられている。誘導増加装置作動領域41aに到達せず、途中で落下したすべての遊技球は、図示しない誘導増加装置非作動領域を通過したことを誘導増加装置非作動領域スイッチにより検知された後、排出口を通過する。
誘導増加装置作動領域41aは、誘導増加装置を作動させる特定の領域を構成している。誘導増加装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、遊技状態を変化させて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)を発生させるものである。なお、誘導増加装置は本発明の特別遊技状態発生装置の一具体例を示すものである。
具体的には、誘導増加装置の作動により、当否判定用乱数の当たり値を増加させ、当たり発生確率を低確率状態から高確率状態に移行させるとともに、第2役物誘導装置作動ゲート30を有効にする。より具体的には、低確率状態には当たり図柄となる確率が例えば1/111であったものが、高確率状態では当たり図柄となる確率が例えば100/111となる。この結果、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過すれば、高い確率で第1役物作動口32が開放される。誘導増加装置の作動は、作動開始から所定回数の14ゲームが終了した場合、あるいは作動中に新たに遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過(いわゆるパンク)した場合に終了する。
上記の突起部37aと回転体38、39、40が本発明の振り分け手段を構成している。「振り分け手段」とは、可変入球口としての第1役物作動口32に入球した遊技球を、誘導増加装置作動領域41aあるいは誘導増加装置非作動領域に振り分けるものであり、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する確率は振り分け手段によって決定される。本第1実施例の振り分け手段は、突起部37aのような固定された構造物と、回転体38、39、40のような可動体とを含んでいる。さらに、誘導増加装置作動領域41aあるいは誘導増加装置非作動領域を可動体とし、これらにより振り分け手段を構成することもできる。
第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する確率(特定領域通過確率)を1/aとし、誘導増加装置が作動したときの本図柄表示部31aに表示される本図柄が当たり図柄で停止表示する特定図柄停止確率を1/bとし、誘導増加装置が継続して作動することとなる期待値である平均連続作動回数をPとした場合に、下記数式1の関係を有している(ただし、a、b、Pは実数である。)。
P=a・b/(a・b−1)…(1)
また、本第1実施例ではPの範囲を1<P≦1.5としている。誘導増加装置を作動可能とするためにP>1とする必要がある。さらにP≦1.5に設定することで、本図柄表示部31aに表示される本図柄が当たり図柄で停止表示し、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する確率(特定領域通過確率)1/aが1/3を越えないようにすることができる。これにより、特別遊技状態が過度に発生して、射幸性が高まりすぎることを防止できる。
本第1実施例では、特定領域通過確率1/aは振り分け手段の設計時に所定の設計値となるように設定されている。しかし、特定領域通過確率1/aの実際の測定値は、振り分け手段の形状や傾き等の構造上の複合的な要因や、遊技機の設置状況や、振り分け手段の組み付け状況などによって変動し得るので、設計値と実測値とが一致しないことが多い。このため、平均連続作動回数Pを所望の値に設定することが困難となる。そこで、Pを所望の値に設定するために、振り分け手段の設計変更により、aの値の設計値と測定値を近づける微調整を行えばよいが、この微調整は振り分け手段の設計変更と特定領域通過確率1/aの実測を何度も繰り返す必要があり、非常に時間がかかり困難である。一方、特定図柄停止確率1/bはソフト上の確率なので、後述の主制御部200のプログラムを修正することにより開発段階において任意の値に容易に変更可能な値である。そして、bの値は、Pとaとbが上記数式1の関係を満たすようにPの設定値とaの実測値に応じて調整可能に構成されている。
上記数式1よりbはPとaを用いて、
b=P/(P・a−a)…(2)
で求めることができる。
例えばP=1.25と設定し、aの設計値が4である場合、aの設計値に対するbの値は1.25となる。これに対し、aの実測値が4.5であった場合には、bを1.11に調整し、aの実測値が4.8であった場合には、bを1.04に調整する。これにより、Pを所望の値に容易に設定することができる。
bの値の調整は、bの値が特定図柄停止確率に係ることから、遊技機1の開発段階において開発者が手動で行うものである。例えば、特定領域通過確率1/aを12時間単位あるいは24時間単位等で実測してaのサンプリングを行い、この結果に基づいてbの値を調整することができる。
また、bの値は開発者が手動で行うように構成することができるが、後述の主制御部200にて自動的に調整制御するように構成することもできる。この場合、例えば、bの値を上記数式2に基づいて自動的に調整制御するためのプログラムと、そのプログラムを起動させるためのディップスイッチを主制御部200に設けて、ディップスイッチがオンになっているときにbの値を自動的に調整制御するように構成することができる。この場合におけるbの値の調整制御は、例えば、特定領域通過確率1/aを12時間単位あるいは24時間単位等で自動計測してaのサンプリングを自動的に行い、このサンプリングの結果に基づいて上記数式2による計算を自動的に行うことにより可能である。このようにbの値を自動的に調整制御することにより、平均連続作動回数Pを所望の値に設定する作業が更に容易に行うことができ、開発期間の短縮を図ることができる。
このようなbの値の調整制御は、bの値が特定図柄停止確率に係ることから、遊技機1の開発段階においてのみ可能とし、遊技機1が第三者検査機関による検査を受ける段階および遊技機1が市場に出る段階では不可能とする必要がある。したがって、遊技機1の開発段階において平均連続作動回数Pを所望の値に設定することができるbの値が決定されれば、前述したbの値を自動的に調整制御するためのプログラムとディップスイッチはなくすこととなる。
なお、特定領域通過確率1/aは、遊技機1を遊技店に設置した後において、その設置状況によっては、設計値と実測値が一致しなくなる場合がある。これにより、特定遊技状態が過度に発生して射幸性が高くなり過ぎたり、あるいは発生しにくくなって射幸性が低くなり過ぎる可能性がある。したがって、遊技機1を遊技店に設置した後にbの値の調整を行うことにより、遊技機1の適度な射幸性を保つことが可能となる場合もある。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図13〜図15に基づいて説明する。図13は遊技機1の裏機構盤102の正面図であり、図14は賞球タンク105およびタンクレール106の平面図であり、図15はケースレール108の形状を示す概念図である。
図13に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ104は、賞球タンク105内に遊技球が存在する場合にはオン出力となり、賞球タンク105内に遊技球が存在しない場合にはオフ出力となる。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、賞球タンク105の底部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
タンク球切れ検知スイッチ104のオフ状態が所定時間以上検知された場合には、後述する払出制御部230はタンク球切れエラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、遊技球払出装置109による賞球停止と貸球停止とを行う。タンク球切れエラーは、タンク球切れ検知スイッチ104のオン状態が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合に解除される。なお、タンク球切れに関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
図14に示すように、タンクレール106は裏機構盤102の壁面から所定の間隔を設けて配置されている。これにより、裏機構盤102の壁面とタンクレール106との間の空間を有効利用することができる。例えば、遊技盤20中央付近に大型の液晶表示装置等の電子機器を配置する場合に有効である。タンクレール106内には、遊技球が整列しながら流下する2列の樋106a、106bが平行して設けられている。賞球タンク105内の遊技球は、賞球タンク105の底部からタンクレール106の各樋106a、106bに流入し、タンクレール106を整列しながら流下する。
図13に戻り、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、順に遊技球払出装置109、遊技球の振り分け部110がそれぞれ設けられている。遊技球払出装置109については後述する。また、図15に示すように、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。ケースレール108内には、タンクレール106の各樋106a、106bに対応して2本の樋(遊技球通路)が平行して形成されている。
図15に示すように、ケースレール108には上流側から順に、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて球速を落とすための屈曲部108aと、遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げるための垂直部108bとが設けられている。屈曲部108aの下流側端部は、ケースレール108における略中央部より上流側に設けられており、垂直部108bは、遊技球払出装置109の直前において垂直に所定の長さを有するように設けられている。これにより、垂直部108bがケースレール108全体の半分以上の長さを占めている。このような垂直部108bを遊技球払出装置109の直前に設けることで、遊技球の自重により遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げることができる。
図13に戻り、タンクレール106の下方には、図柄表示装置31の表示盤を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース112が設けられ、主制御基板ケース112の下方には発射装置制御基板ケース113が設けられ、裏機構盤102の右下方部には、払出制御基板ケース118が設けられている。これらの基板ケース112、113、118には、後述の各種制御基板が格納されている。また、主制御基板ケース112の右側上方には後述の盤面中継基板が装着されている。
裏機構盤102の右上方部には、ヒューズボックス119と、電源スイッチ120と、電源中継基板121と、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。また、この端子基板122の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123が設けられている。払出制御基板ケース118から接続ケーブル124が上方に延び、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
次に、遊技球払出装置109の構成について図16、図17に基づいて説明する。図16は遊技球払出装置109の外観を示す斜視図であり、図17は遊技球払出装置109を分解した状態を示す斜視図である。図16に示すように、遊技球払出装置109の内部には、上述のケースレール108から供給される遊技球が通過可能な遊技球通路109a、109bが2列形成されている。また、遊技球払出装置109は、3つのケーシング109c、109d、109eと払出モータ109fとを備えている。払出モータ109fとしては、例えばステッピングモータを用いることができる。遊技球払出装置109は、2列の遊技球通路109a、109bから交互に遊技球を払い出すように構成されている。
図17に示すように、ケーシング109c、109d、109eの内部には、遊技球通路109a、109bにおける遊技球の流れを規制するカム109g、109hと、払出モータ109fの駆動力をカム109g、109hに伝える駆動力伝達軸109iが設けられている。カム109g、109hは払出モータ109fにより回転駆動され、カム109g、109hの回転/停止により、遊技球払い出しのオン/オフが行われる。
カム109g、109hは、各遊技球通路109a、109bに対応した2枚の板状回転体からなる。各カム109g、109hは、回転軸にて連結されている。各カム109g、109hの外周部には、略円弧状の凹部(球受け部)が3つ形成されており、各凹部に遊技球通路109a、109bを流れる遊技球が1個ずつ入り込む。それぞれのカム109g、109hに形成された凹部は、各カム109g、109hで位相をずらして形成されている。各カム109g、109hは、外周部に形成された凹部が各遊技球通路109a、109bに位置するように配置されている。カム109g、109hは、図17において反時計回りに回転し、遊技球通路109a、109bに上方から供給される遊技球を1個ずつ下方へ送り出す。
各凹部の外縁部のうちカム回転方向の前側が滑らかに形成されている。これにより、カム109g、109hが回転する際、遊技球通路109a、109bの遊技球がより速く凹部に入り込むことができ、遊技球払出装置109による払い出しをより高速化することができる。また、本実施例のカム109g、109hは一方向のみに回転するので、このような高速払出に適したカム形状にすることができる。なお、本実施例の遊技球払出装置109は、4秒間当たり160個(1秒当たり40個)の払出速度で遊技球を払い出すことができるように構成されている。
カム109g、109hの回転軸は、遊技球通路109a、109bにおける入口部の延長線上に設けられている。すなわち、上述のケースレール108の垂直部108bの延長線上にカム109g、109hの回転軸が位置する。このような構成により、遊技球払出装置109の停止中にケースレール108内に存在する遊技球の球圧(自重)でカム108が回転してしまうのを防ぐことができる。また、2列の遊技球通路109a、109bには、遊技球払出装置109で払い出した遊技球数を検知する払出センサ109j、109kが設けられている。
ところで、遊技球払出装置109における払い出し高速化に伴い、カム109g、109hが脱調することが考えられ、払出数の正確性に問題が生じる可能性がある。特に、カム109g、109hが高速回転している状態から停止する際に脱調が発生しやすい。そこで、本実施例の遊技球払出装置109では、遊技球の払い出し終了前に払出モータ109fの回転速度を通常回転速度より遅い回転速度に一旦減速して所定個数の遊技球を払い出した後、払出モータ109fを停止するように構成されている。例えば最後の1球を払い出す前に、払出モータ109fの回転速度を例えば通常回転速度の半分の回転速度に減速し、最後の1球を払い出してから払出モータ109fを停止させる。これにより、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴う脱調を防止できる。なお、「通常回転速度」とは、遊技球払出装置109が定常状態の払出速度(本例では40個/秒)で遊技球を払い出す際の払出モータ109fの回転速度である。
また、カム109g、109hが停止している状態から高速回転を開始する際にも脱調が発生しやすい。このため、本実施例の遊技球払出装置109では、遊技球の払い出し開始時に、払出モータ109fの回転速度を通常回転速度より遅い回転速度から回転開始して所定個数の遊技球を払い出した後、払出モータ109fを通常回転速度に加速するように構成されている。例えば最初の1球目を払い出す前に、払出モータ109fの回転速度を例えば通常回転速度の半分の回転速度で回転開始し、最初の1球を払い出してから払出モータ109fを通常回転速度に加速する。これによっても、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴う脱調を防止できる。
図18は、払出モータ109fの払出速度と払出停止時間との関係を示している。本実施例の遊技球払出装置109には、遊技球払出中に払い出しを定期的に停止する所定の払出停止時間が設けられている。具体的には、遊技球を所定個数(例えば16個)払い出す毎に、所定の払出停止時間だけ払出モータ109fを停止する。この払出停止時間中に遊技球の球圧を上げることができ、結果として連続して払い出しを行う場合より払い出し速度を向上させることができる。
払出停止時間は、短すぎると球圧が上がらず、逆に長すぎると払出時間が全体として長くなるとともに、球圧が上がりすぎる。球圧が上がりすぎると球噛みが発生し、カム109g、109hが回転不能となって正確な払い出しが行えなくなるおそれがある。このため本実施例では、払出速度が例えば1秒当たり40個を超える領域で払い出し停止時間を設定している。具体的には、16球を0.3秒で払い出した後、払出モータ109fを0.1秒間停止させる。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図19に基づいて説明する。図19は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図19に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、音ランプ制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、音ランプ制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。
主制御部200は、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
また、主制御部200から音ランプ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、音ランプ制御部260を介して、本図柄の表示を指示する誘導図柄表示制御コマンド、1〜16の入賞図柄の表示を指示する入賞図柄表示コマンド、すべての図柄表示の消灯を指示する入賞図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。なお、疑似図柄の表示を指示する表示制御コマンドは、音ランプ制御部260から図柄制御部280に送信される。
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
図20は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図20に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
また、RAM402には、遊技機1で用いられる各種乱数の乱数カウンタが設定されている。本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)に用いられる。予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致する場合に当たりと判定される。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、図柄表示装置31で停止表示される誘導図柄を決定するために用いられる。
さらに、RAM402には、発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするための球送りカウンタと、発射装置ユニットで発射された遊技球をカウントするための発射カウンタと、入球口に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタとが設定されている。
図19に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、16連スイッチ中継基板202、誘導図柄作動ゲートスイッチ204、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。
盤用外部端子基板201には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、遊技機用として使用されるものであり、賞球信号、入球口入球信号、得点増加装置に係る入球口入球信号、役物作動口入球信号、特定入球口入球信号、誘導増加装置作動領域通過信号、誘導図柄に係るゲート通過信号、役物誘導装置に係るゲート通過信号、役物作動信号、得点増加装置作動信号、役物作動口開放信号、役物誘導装置作動信号、誘導図柄に係るゲート有効信号、役物誘導装置に係るゲート有効信号などの信号を試験装置に送出することができる。
16連スイッチ中継基板202には、16連入球口24の各入球口への入球を検知する16連入球口検知スイッチ203が接続され、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号が主制御部200に送信される。そして、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号により、16番の入賞図柄に対応する入球口24a(図9参照)への入球を検知した場合には得点増加装置の作動を開始する。誘導図柄作動ゲートスイッチ204は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したことを検出するものである。
次に、盤面中継基板210を図21に基づいて説明する。図21は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図21に示すように、盤面中継基板210には、左入球口スイッチ211、役物作動口スイッチ212a及び212b、作動領域スイッチ214、各種ソレノイド216、回転体用モータ217、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218が接続されている。
左入球口スイッチ211は、左入球口26の内部に設けられ、遊技球の入球を検知するものである。役物作動口スイッチ212a及び212bは、第1役物作動口32及び第2役物作動口33の内部にそれぞれ設けられ、遊技球の入球を検知するものである。作動領域スイッチ214は、誘導増加装置作動領域41aへの遊技球の通過を検知するものである。また、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218は、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過したことを検出するものである。これらの遊技球検知スイッチや位置検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。
各種ソレノイド216としては、第1役物作動口32および第2役物作動口33をそれぞれ開閉するものがあり、開放ソレノイドと閉鎖ソレノイドとから構成されている。回転体用モータ217は、特別遊技装置36の回転体38、39、40を回転させるものである。
次に、遊技枠中継基板220を図22に基づいて説明する。図22は、遊技枠中継基板220に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板220は、主に中枠3に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図22に示すように、枠中継基板220には、発射球カウントスイッチ221、ファール球検出スイッチ222が接続されている。さらに枠中継基板220には、後述の球送り中継基板251を介して球送りカウントスイッチ254が接続されている。
発射球カウントスイッチ221は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。ファール球検出スイッチ222は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域21に到達しないで、下皿部6に戻ってきた遊技球を検知するものである。球送りカウントスイッチ254は、上皿部5から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするものである。
次に、図19に戻り、払出制御部230について説明する。図19に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図20で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
払出制御部230を図23に基づいてさらに説明する。図23は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図23に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13及びCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の未接続が検知された場合には、払出制御部230はエラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。プリペイドカードユニット13の未接続エラーは、払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の接続が検知された場合に解除される。なお、プリペイドカードユニット13の未接続に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信されない。
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109f及び払出センサ109j、109kが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109j、109kは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4g及びエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示LED基板242は複数種類のLEDを備えており、エラーLED表示部4hは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーLED表示部4hは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。なお、払出制御部230およびエラー表示LED基板242は、本発明の払出エラー報知手段の一具体例を構成している。
ここで、払出制御部230とプリペイドカードユニット13との間の信号について説明する。まず、遊技機1の電源が投入されると、払出制御部230はプリペイドカードユニット13に遊技機動作信号(PRDY信号)を出力する。また、プリペイドカードユニット13は、払出制御部230に電源信号(VL信号)を出力する。払出制御部230では、このVL信号の入力状態に基づいてプリペイドカードユニット13の接続あるいは未接続を判定する。
払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の未接続が検知された場合には、払出制御部230はエラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。プリペイドカードユニット13の未接続エラーは、払出制御部230にてプリペイドカードユニット13の接続が検知された場合に解除される。なお、プリペイドカードユニット13の未接続に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信されない。
プリペイドカードユニット13にてプリペイドカードがセットされ、貸球ボタン237が操作されると、プリペイドカードユニット13は払出制御部230にカードユニットREADY信号(BRDY信号)を出力する。更に、この時点から所定の遅延時間経過後、プリペイドカードユニット13は払出制御部230に貸出要求信号(BRQ信号)を出力する。
そして、払出制御部230はプリペイドカードユニット13に出力する貸出完了信号(EXS信号)を立ち上げておき、上記貸出要求信号(BRQ信号)の立ち下がりを検出したら払出モータを作動させ、所定個数の貸球を遊技者に払い出す。払出制御部230は、貸球払出が完了したら、EXS信号を立ち下げ、その後、プリペイドカードユニット13からのBRDY信号の立ち下がりを検出したら、貸球払出制御を終了する。
本実施例の払出制御部230は、タンク球切れスイッチ232からの信号と払出センサ109j、109kからの信号とに基づいて、ケースレール106内の球詰まりを検出する。具体的には、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されない場合で、かつ、タンク球切れスイッチ232にて球切れが検出されない場合は、ケースレール108で球詰まりが発生していると判断される。一方、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されない場合で、かつ、タンク球切れスイッチ232にて球切れが検出された場合は、賞球タンク105で球切れが発生していると判断される。
払出センサ109j、109kでの球詰まり検知は以下のように行う。まず、払出センサ109j、109kにて遊技球を所定時間以上検知できない場合には、払出モータ109fを逆回転で数ステップ動作させた後、最低速にて正回転させる。その後所定時間経過しても払出センサ109j、109kにて遊技球が検知できない場合には、払出制御部230はケースレール108で球詰まりエラーが発生したと判断し、賞球停止および貸球停止を行う。球詰まりエラーは、払出センサ109j、109kにて遊技球が検知された場合に解除される。なお、球詰まりに関するエラー信号は、払出制御部230から主制御部200に送信される。
ケースレール108で球詰まりが発生していると判断された際、2個の払出センサ109j、109kの双方で遊技球が検出されない場合には、ケースレール108のすべての樋で球詰まりが発生し、遊技球の払い出しが不可能であると判断できる。一方、2個の払出センサ109j、109kのいずれかのみで遊技球が検出されない場合には、ケースレール108内のいずれかの樋のみで球詰まりが発生しており、残りの樋では遊技球の払い出しが可能であると判断できる。
本実施例の遊技機1では、ケースレール108の球詰まりに対して複数段階のエラー状態を設定している。具体的には、複数のケースレール108のいずれかの樋のみで球詰まりが発生した場合を遊技球払出装置109を停止させない第1のエラー状態(軽度のエラー)とし、複数のケースレール108のすべての樋で球詰まりが発生した場合を遊技球払出装置109を停止させる第2のエラー状態(重度のエラー)としている。
具体的には、第1のエラー状態となった場合、払出制御部230は、エラーLED表示部4hにてオレンジ色に点灯する第1のエラー報知を行って遊技場従業員に警告を報知し、遊技球払出装置109による遊技球の払い出しを継続する。これにより、エラー報知にて遊技場従業員に復旧を促すとともに、遊技場従業員が来るまでの間はケースレール108の球詰まりしていない樋により遊技球の払い出しを継続できる。一方、第2のエラー状態となった場合、払出制御部230は、エラーLED表示部4hを赤色に点灯する第2のエラー報知を行って遊技場従業員に異常を報知し、遊技球払出装置109を停止させる。
払出センサ109j、109kにて遊技球が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合には、払出制御部230は遊技球払出装置109に異常が発生したと判断し、エラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、賞球停止および貸球停止を行う。払出装置異常エラーは、払出センサ109j、109kにて遊技球を所定時間(本例では1秒)以上検知されなかった場合に解除される。なお、遊技球払出装置109の異常に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
図24は、払出センサ109j、109kから出力される信号の流れを示している。図24に示すように、払出センサ109j、109kからの信号が払出制御部230に入力する。払出制御装置230では、払出センサ109j、109kからの信号に基づいて遊技球払出装置109における払出数を計数する。上述のように、遊技球払出装置109での払出数には賞球数と貸球数が含まれている。このうち賞球数は主制御部200にて計数する必要があるので、賞球数に関する信号のみが払出制御部230から主制御部200に送信される。
払出制御部230は、主制御部200からの賞球払出指令、あるいはプリペイドカードユニット13からの貸出要求信号(BRQ信号)に応じて、遊技球を払い出すように構成されている。したがって、払出制御部230では、現在払い出している遊技球が賞球用か貸球用なのかを判別可能である。そこで、払出センサ109j、109kからの信号が賞球数である場合には、払出制御部230から主制御部200に払出個数分のパルス信号を送信する。なお、主制御部200では貸球数を知る必要がないので、払出センサ109j、109kからの信号が貸球数の場合には、払出制御部230から主制御部200に信号を送信しない。
払出センサ109j、109kからの信号が賞球数である場合には、払出制御基板230aのCPUから主制御基板200aのCPU400のカウンタに、賞球数に対応するパルス信号をソフト出力する。主制御部200のCPU400の読み取り動作は4ms毎に行われるので、払出制御部230からのパルス信号の出力間隔を主制御部200のCPU400の読み取り間隔より長く(4ms以上)する必要がある。本実施例では、払出制御部230から送信する1球毎のパルス信号の出力間隔を10msとしている。なお、本実施例の払出モータ109fは、4秒当たり160個の払出速度なので、1個払い出すのに25msを要する。
また、主制御部200のCPU400のカウンタに入力するように構成したことで、払出制御部230から主制御部200に送信するパルス信号にノイズが混じり、主制御部200が賞球数を誤検知するおそれがある。そこで、払出制御部230は、賞球数1個に対して複数のパルス信号を出力するように構成されている。本実施例の払出制御部230では、1球につき3パルス出力する。主制御部200にて4ms毎に払出制御部230から送信されるパルスを読み取った際、3パルスで1球とカウントする。
図25(a)〜(d)は、払出制御部230から主制御部200に送信されるパルス信号を示している。図25(a)に示すように、仮にノイズが1パルス分発生して合計4パルスになったとしても、1パルス分をノイズと判断して1球とカウントすることができる。
なお、1球当たりのパルス数をさらに増加させることで、主制御部200における検出精度をより向上させることができる。すなわち、払い出しがなくノイズが3パルス分発生した場合には、主制御部200では1球と判断してしまうが、例えば1球当たりのパルス数をより多く設定すれば(例えば1球当たり10パルス)、このような誤検知を回避できる。
また、主制御部200の読み取り間隔内で賞球パルス信号に加えてノイズが3パルス分発生した場合には合計6パルスとなり、2球と誤検知することが考えられる。しかしながら、上記のように払出制御部230から送信されるパルス信号の出力間隔は10msに設定されているので(図25(b)参照)、10ms当たり3パルス以上であっても、3パルスを超える分はノイズと判断し、1球にしかカウントしない。
また、図25(c)に示すように、1球分の3パルスを送信している途中で主制御部200のCPU400がカウンタの値を読み込んだ場合、3未満であるので、パルス送信の途中であると判断して何もせず戻る。4ms後に再度カウンタの値を読み込んだ際に3以上であれば、1球と判断してカウンタをクリアする。
また、図25(d)に示すように、1回目のカウンタ値の読み込みが3未満であり、かつ、2回目の読み込みでも1回目の値と同じであれば、ノイズと判断してカウンタをクリアする。
主制御部200から払出制御部230に賞球コマンドが送信された後、所定時間経過しても払い出された賞球数が要求した賞球数に不足している場合、主制御部200から払出制御部230に賞球不足コマンドが送信される。この場合には、払出制御部230は賞球不足エラーとしてエラーLED表示部4hを赤色に点滅させ、遊技球払出装置109による遊技球の払い出し動作は継続する。賞球不足エラーは、賞球が終了しないと次のゲームに移行できないアレンジボール遊技機に特有のエラーであるため、他のエラーと区別してエラー報知を行う。具体的には、他のエラー発生時はエラーLED表示部4hを点灯させるのに対して、賞球不足エラー発生時にはエラーLED表示部4hを点滅させる。払い出された賞球数が要求した賞球数に達した場合に、主制御部200より賞球不足解除コマンドが払出制御部230に送信され、賞球不足エラーが解除される。
次に、主制御基板200aと払出制御基板230aを接続するコネクタの接続確認について図26に基づいて説明する。図26は、払出制御基板230aにおけるコネクタの接続確認を説明するための概念図である。主制御基板200aと払出制御基板230aとは、両端にコネクタ200e、230eを有するハーネスを介して接続されている。ハーネスの両端にはコネクタ(図示略)が設けられている。
図26に示すように、主制御基板200aにはコネクタ受部200cが設けられ、払出制御基板230aには、コネクタ受部230cと負論理のAND回路230dとが設けられている。コネクタ受部200c、230cには、ハーネスの端部に設けられたハーネス側コネクタ200e、230eが挿入して接続される。
ここで、コネクタ受部200c、230cの端子数が多いとコネクタ挿入時に斜め挿入が起こりやすくなる。この結果、接続されていない端子が生じて誤作動の原因となる。このような斜め挿入の場合、コネクタ受部200c、230cの両端の端子のいずれかが未接続となる。そこで、本実施例では、コネクタ受部230cの両端に設けられたピン(端子)を接続確認用の信号線として用いている。AND回路230dは、コネクタ受部230cの両端の接続確認用端子からの信号を負論理で入力し、それらの信号の論理積をとってCPU230bに信号を負論理で出力する。CPU230bはAND回路230dからの信号の入力状態によりコネクタの接続状態を判断する。
コネクタ受部230cの接続確認用端子からの信号は、ハーネスが接続された状態ではLowとし、ハーネスが接続されてない状態ではHighとしている。したがって、コネクタ受部230cの両端の接続確認用端子が両方とも接続されている場合にはAND回路230dの出力はLowとなり、一方でも接続されていない場合にはAND回路230dの出力はHighとなる。そして、AND回路230dの出力がHighの場合には、CPU230bは接続確認用端子の少なくとも一方が未接続であると判断する。この判断に基づいてCPU230bは、エラー表示部4hを赤色に点灯させ、接続エラー報知を行う。
本実施例のようにコネクタ230cの両端の端子を接続確認用の信号線とし、これらの信号を用いてAND回路230dで負論理の論理積をとることで、コネクタ230cの接続確認を払出制御部230において容易に行うことができ、主制御部200と払出制御部230との接続を確実にすることができる。この払出制御部230における接続確認は、例えば遊技機1を遊技店に設置するとき、電源投入時あるいは電源投入後であって遊技者が遊技を行っていない時等に行うことができる。
次に、発射制御部250を図27に基づいて説明する。図27は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図27に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチ10j(図6、図7)からの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力する。
上述のように、発射停止スイッチ8bはタッチスイッチ8aと直列的に接続されており、発射停止スイッチ8bのオン/オフはタッチ信号として出力される。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていて、かつ、発射停止スイッチ8bが押されていない場合に、タッチ信号がオンになる。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていないか、あるいは発射停止スイッチ8bを押した場合に、タッチ信号がオフになる。
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌10aを稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。本実施例では、発射モータ252の駆動パルス信号の周波数を固定値とし、発射モータ252の回転周期、すなわち1回転に要する時間を固定値(本例では500ms)としている。
球送り中継端子板253には、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド12a、球送りカウントスイッチ254が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ254からの信号は遊技枠中継基板220を介して主制御部200に送信される。
上記原点センサ251の信号は、発射制御部250を介して、払出制御部230に送信される。払出制御部230は、原点センサ251にて原点が検出された場合に、上記球送り許可信号を所定期間(本例では60ms)だけ許可状態(L出力)にするように構成されている。なお、本発明の発射制御手段は払出制御部230と発射制御部250とを含んで構成されている。
図28は、発射制御部250の回路構成を示している。図28に示すように、発射制御部250には、払出制御部230から球送り許可信号及び発射許可信号が入力し、発射ハンドル8からタッチ信号及び発射スタート信号が入力する。さらに、発射制御部250には払出制御部230のCPUに設けられたクロック発生器(図示せず)からのクロック信号が入力する。また、発射制御部250は、3つのAND回路250a、250b、250c、フリップフロップ250d、分周回路250e、モータ駆動回路250fを備えている。
第1AND回路250aは、発射許可信号とフリップフロップ250dからの信号(発射条件成立信号)を入力とし、発射モータ252を駆動するモータ駆動回路250fに信号を出力する。第2AND回路250bは、球送り許可信号とフリップフロップ250dからの信号(発射条件成立信号)を入力とし、球送りソレノイド12aに信号を出力する。第3AND回路250cは、タッチ信号と発射スタート信号を入力とし、フリップフロップ250dに信号を出力する。分周回路250eは、所定のクロック周波数を分周して所望のパルス幅の基準クロック信号を生成し、この基準クロック信号をフリップフロップ250dに出力する。モータ駆動回路250fは、第1AND回路250aからの信号がHighになった場合に、発射モータ252に所定周波数のパルス信号を出力する。
発射許可信号は、発射許可時にはLow出力(オフ)であり、発射禁止時にはHigh出力(オン)であり、それぞれインバータにて反転された後、第1AND回路250aに入力する。したがって、第1AND回路250aに入力する発射許可信号は、発射許可時にはHighとなり、発射禁止時にはLowとなる。同様に、球送り許可信号は、球送り許可時にはLow出力(オフ)であり、球送り禁止時にはHigh出力(オン)であり、それぞれインバータにて反転された後、第2AND回路250bに入力する。したがって、第2AND回路250bに入力する球送り許可信号は、球送り許可時にはHighとなり、球送り禁止時にはLowとなる。
発射許可時および球送り許可時において、遊技者が発射ハンドル8を操作していない場合には、フリップフロップ250dの出力信号はLowなので、第1、第2AND回路250a、250bの出力信号もLowとなる。ここで、遊技者が発射ハンドル8に触れるとともに、所定角度以上回動させることで、タッチ信号および発射スタート信号がHighとなり、第3AND回路250cの出力がHighとなり、これがフリップフロップ250dに入力する。フリップフロップ250dでは、第3AND回路250cからの入力信号がHighとなった場合、次の基準クロック信号の立ち上がり(Low→High)で、第1、第2AND回路250a、250bへの出力信号がHighとなる。これにより、第1、第2AND回路250a、250bの出力信号がHighとなり、発射モータ252及び球送りソレノイド12aが作動を開始する。
図29は、発射制御部250における球送り許可信号と基準クロック信号との関係を示すタイミングチャートである。上述のように原点センサ251による原点確認後、球送り許可信号が所定時間(60ms)だけイネーブル(Low)、すなわち発射許可状態となる。球送りソレノイド12aを確実に作動させるためには、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている間に基準クロック信号が立ち上がる必要がある。すなわち、上記分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅は、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている所定時間より短いことが必要である。
図29に示すように、本実施例では分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅を1msとしている。このように、分周回路250eにて生成する基準クロック信号のパルス幅を、球送り許可信号がイネーブル(Low)となっている所定時間より短く設定することで、確実に球送り処理を行うことができ、確実に発射を行うことができる。また、基準クロック信号のパルス幅が小さい方が、発射許可信号がイネーブル(High→Low)になってから球送りソレノイド12aが作動開始するまでの間隔が短くなり、球送り処理を迅速に行うことができる。
次に、音ランプ制御部260を図30に基づいて説明する。図30は、音ランプ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部260に設けられた音ランプ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図30に示すように、音ランプ制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、16連入球口LED基板262、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、音ランプ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。
16連入球口LED基板262は、16連入球口24のいずれかに入球した際に、対応する16連入球口LED表示部25のLEDを点灯させるためのものである。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
さらに、音ランプ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御基板260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置31における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
次に、図柄制御部280を図31に基づいて説明する。図31は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。なお、図柄制御部280は、本発明の図柄制御手段の一具体例を示すものである。
図31に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置31を作動させる図柄表示装置基板281とが接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置31の表示制御を行う。また、図柄制御部280には、図示しない外部の試験装置を接続するための図示しない試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、誘導図柄用として使用されるものであり、図柄変動中信号などの信号を試験装置に送出することができる。
図32は、図柄制御に関するコマンドの流れを示すブロック図である。図32に示すように、図柄制御に関するコマンドには、共通コマンドと図柄制御コマンドとがある。共通コマンドは、本図柄表示部31aで表示される本図柄の表示制御コマンドを含んでおり、主制御部200から音ランプ制御部260に送信される。音ランプ制御部260は、共通コマンドをそのまま図柄制御部280に送信する。図柄制御コマンドは、疑似図柄表示部31bで表示される疑似図柄の表示制御コマンドを含んでおり、音ランプ制御部260が主制御部200から受け取った共通コマンドに基づいて図柄制御部280に送信する。
次に、遊技確認時間を図33に基づいて説明する。本実施例の遊技機1では、ゲームとゲームとの間に遊技確認時間(本例では16ms)が設けられている。図33は主制御部200から外部検査装置に出力される遊技中信号の出力タイミングチャートであり、(a)は電源投入時、(b)は遊技中を示している。
電源投入時には、図33(a)に示すように、電源投入から遊技の結果が得られるまで、主制御部200から外部の検査装置に遊技中であることを示す遊技中信号が試験信号端子から出力される。次回のゲーム以降は、図33(b)に示すように、遊技確認時間終了後から次のゲームの遊技の結果が得られるまで遊技中信号が出力される。この遊技中信号が出力されていない時間が遊技確認時間となる。この遊技確認時間により、外部検査装置側で1ゲームの開始及び終了を明確に把握することが可能となる。
また、遊技確認時間は、前のゲームにおける16個の遊技球すべてが複数の入球口(例えば、16連入球口24、第1役物作動口32、第2役物作動口33、左入球口26、誘導増加装置作動領域41a、排出口)へ入球・通過した後、後述の2秒間(一定時間)のインターバル時間の経過後または/および前述の0.5秒の入賞図柄確認時間の経過後において、遊技の結果が得られた際に設定される。このため、16個の遊技球の上記各入球口等への入球・通過以外に遊技機1に備えられた各遊技装置(例えば、遊技球払出装置109、役物誘導装置、誘導増加装置等)の作動・非作動状況をも明確化して1ゲームの区切りを完全に明確化できる。
また、本実施例の遊技機1では、1ゲームにおいて遊技球16個のすべての発射が行われた後、次のゲームに進む前に所定のインターバル時間(例えば2秒)が設けられている。主制御部200は、発射球カウントスイッチ221により16個すべての遊技球が発射されたことを検出すると、インターバル機能を開始する。主制御部200は、インターバル機能の開始により払出制御部230に発射禁止コマンドを送信する。これにより、払出制御部230から発射制御部250への発射許可信号がオフとなり、発射制御部250は発射モータ252の動作を禁止する。この結果、インターバル機能作動中は発射装置ユニット10が停止する。インターバル機能は作動を開始してから2秒後に停止し、インターバル時間が終了する。
次に、発射制御部250による遊技球の発射制御について図34〜図38に基づいて説明する。
図34は、電源オン時における発射制御を示すタイミングチャートである。図34に示すように、電源オンにより、発射強制信号および発射許可信号がイネーブル(Low)となる。このとき、遊技者が発射ハンドル8を操作開始すると、タッチスイッチ8aからの信号がHighとなり、発射モータ252が回転して槌10aが振り出され、遊技球の球送り処理がされていない状態で空打ちを1回行う。そして、原点センサ251による原点確認後、球送り処理を行う。なお、電源投入時に発射位置に遊技球が予め存在している場合には、上記空打ちで遊技球を発射してしまうが、これは発射球としてカウントしない。
発射モータ252の原点は、上述のように槌10aの振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜20°)だけ回転した位置と定められている。従って、本実施例のように電源投入後に一度だけ空打ちを行うことで、原点確認を行うことができ、確実な球送り処理を行うことができる。
具体的には、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動する。球送りソレノイド12aの作動終了とともに、発射強制信号をディセーブル(High)とする。遊技球は、球送りカウントスイッチ254を通過して発射装置ユニット10の発射位置(発射球カウントスイッチ221)に送られる。そして、発射モータ252の回転により槌10aが回転し、遊技球が発射される。上述のように本実施例では、発射モータ252が1回転するのに要する時間、すなわち遊技球の発射間隔(発射周期)を500msと設定している。したがって、本実施例において1ゲーム終了に要する最短時間は、500ms×16発+インターバル時間(2秒)=10秒となる。
図35は、連続動作中における発射制御を示すタイミングチャートである。図35に示すように、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、発射モータ252が連続的に回転し、原点検出、球送り処理、遊技球発射が連続的に行われる。
図36は、発射を中断した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図36に示すように、遊技者が発射ハンドル8から手を離すとタッチ信号がLowとなり、遊技球の発射後、次の原点が検出された時点で発射モータ252が停止する。これにより、遊技球の発射が中断される。
図37は、発射を再開する場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図37に示すように、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動する。球送り許可信号の立ち下がりにより発射モータ252が作動開始し、遊技球発射が再開される。再開1球目の発射以降は、原点検出により球送り処理が行われる。
図38は、遊技球を16発発射終了した場合の発射制御を示すタイミングチャートである。図38に示すように、遊技球の発射数が16個に達した場合、原点が現れたところ、すなわち原点センサ信号の立ち下がりで発射許可信号をディセーブル(High)にする。これにより、遊技球の発射が終了する。
発射モータ252の動作後、所定時間経過しても原点センサ251にて原点が検知できない場合、あるいは、発射モータ252の動作後、所定時間以上原点センサ251による原点の検知が続いた場合には、払出制御部230は発射装置ユニット10で異常が発生したと判断し、エラーLED表示部4hを赤色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。発射装置ユニット10の異常エラーは、原点センサ251にて原点が検知できない場合には原点が検知できたとき、原点センサ251にて原点を検知し続けた場合には原点を検知しなくなったときに解除される。なお、発射装置ユニット10の異常に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
次に、本実施例の遊技機1の作動を図39〜図51のフローチャートに基づいて説明する。図39は、主制御部200のROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図39に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、ゲーム管理処理S300、入賞図柄処理S400、役物処理S500、得点増加装置処理S600、誘導増加装置処理S700、誘導図柄および役物誘導装置処理S800の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、リセット周期は4msに設定されている。
電源投入処理S100を図40のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S101)。具体的には、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可する。
次に、RAMクリアスイッチが押されている場合、あるいは、RAMにバックアップフラグ(電源断の発生情報)が設定されていない場合には、電源投入時と判定してRAM初期化処理を行い、その後リターンする(S102、S103、S104)。RAM初期化処理としては、CPU周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、RAMの全領域を0クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
一方、RAMにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したRAMの内容からチェックサムを算出して(S105)、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する(S106)。これらのチェックサムが一致しない場合にはRAMの内容が壊れていると判定し、上記S104のRAM初期化処理を行う。RAMの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う。
まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
次に、遊技開始処理S200を図41のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する(S202)。
次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。具体的には、上述のRAMに設定された乱数カウンタの値を、初期値(例えば0)から所定値(例えば255)の間で1ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
次に、S204〜S212の賞球制御を行う。まず、16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口をチェックし、遊技球が16連入球口24に入球して入賞となる組合せが得られた場合には、該当する得点情報をRAMに保存する(S204、S205)。次に、ケースレール球切れスイッチ108および下受け皿満タンスイッチ224により、球切れまたは満タン状態を判定する(S206)。
球切れ又は満タン状態で賞球停止状態でない場合には、払出制御部230に払出不可指定コマンドを送信する(S207、S208)。球切れまたは満タン状態でなく賞球停止状態の場合には、払出制御部230に払出可指定コマンドを送信する(S209、S210)。保存した得点情報がある場合には、払出制御部230に得点に応じた賞球コマンドを送信する(S211、S212)。
次に、ゲーム管理処理S300を図42のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム開始フラグによりゲーム開始時か否かを判定する(S301)。この結果、ゲーム開始時であれば、ゲーム開始時の設定を行い(S302)、リターンする。ゲーム開始時の設定として、ゲームの開始に必要な各種のフラグやタイマに対して確認、設定あるいはクリア等の処理を行う。
一方、ゲーム開始時でない場合には、まず、球送りカウントスイッチ254により球送りの監視を行う(S303)。球送りカウントスイッチ254がオンの場合には、球送りカウンタを1加算する。球送りカウンタが16以上になった場合には、払出制御部230に球送り禁止コマンドを送信し、球送りを終了する。
次に、発射球カウントスイッチ222により発射球の監視を行う(S304)。発射球カウントスイッチ222がオンの場合には、発射カウンタを1加算する。発射カウンタが16以上になった場合には、払出制御部230に発射禁止コマンドを送信し、16個発射完了とする。
次に、ファール球検出スイッチ223によりファール球の監視を行う(S305)。具体的には、ファール球検出スイッチ223がオンの場合には、球送りカウンタおよび発射カウンタを1減算する。
次に、16連入球口スイッチ204により入球の監視を行う(S306)。16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口をチェックし、遊技球が16連入球口24に入球した場合には入球カウンタを1加算し、入球カウンタが16以上となった場合には16個入球完了とする。
次に、S307〜S314のゲーム終了チェック処理を行う。まず、遊技の結果が得られたか否か、すなわち1ゲームが終了したか否かを判定する。遊技の結果は、以下のすべての要件を満たしている場合に得られる。
すなわち、発射カウンタにより遊技球16個発射と判定され(S307)、インターバル時間が経過したと判定され(S308)、入球カウンタにより遊技球16個がすべて入球したと判定され(S309)、入賞図柄確認時間が経過したと判定され(S310)、誘導図柄表示部31a、31bの作動が終了したと判定され(S311)、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域41aまたは排出口を通過したと判定され(S312)、獲得遊技球(賞球)の払出が完了したと判定された(S313)場合に遊技の結果が得られたと判定できる。
この結果、遊技の結果が得られた、すなわち1ゲームが終了したと判定された場合には、ゲーム終了処理としてゲーム終了フラグを1にして、リターンする(S314)。上記要件のいずれかを満たさないと判定された場合には、そのままリターンする。なお、ゲーム終了フラグが1に設定されると遊技の結果が得られ、図33で示した遊技中信号が16msの間オフとなる。したがって、遊技確認時間が設定され、その時間の経過後、次のゲームが開始可能となる。
次に、入賞図柄処理S400を図43のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する(S401)。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、遊技終了時の設定として、図柄制御部280に入賞図柄消灯コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED消灯コマンドを送信する(S401、S402)。その後リターンする。これにより、入賞図柄表示部31cの入賞図柄を表す花火の導火線の火が消され、これに対応する16連入賞口LED表示部25のLEDが消灯する。
一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、遊技中であるか否か判定し(S403)、入球カウンタにより16個入球完了したか否か判定し(S404)、16連入球口スイッチ204により16連入球口24の各入球口に入球があったか否か判定する(S405)。この結果、遊技中であって16個入球完了する前に入球口に入球があった場合には、図柄制御部280に各入球口に対応した入賞図柄表示コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED表示コマンドを送信し、リターンする(S406)。それ以外の場合はそのままリターンする。これにより、入賞図柄表示部31cの入賞図柄を表す花火の導火線に火がつき、これに対応する16連入賞口LED表示部25のLEDが点灯する。
次に、役物遊技処理S500を図44のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否か判定する(S501)。この結果、遊技中でない場合にはそのままリターンする。一方、遊技中である場合には、S502〜S507の第1役物処理を行う。まず、第1役物が作動中であるか否か判定する(S502)。
この結果、第1役物が作動中でないと判定された場合には、第1役物作動処理を行う(S503、S504、S505)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が16個入球完了したか否か判定し、役物作動口スイッチ212aにより第1役物作動口32に入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が16個入球完了していない状態で、第1役物作動口32に入球があった場合には、第1役物の作動を開始し、後述の第2役物処理に移る。それ以外の場合には、そのまま第2役物処理に移る。第1役物の作動により、12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示される。
一方、第1役物が作動中と判定された場合には、第1役物作動終了処理を行う(S506、S507)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第1役物の作動を終了して第2役物処理に移る。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのまま第2役物処理に移る。
次に、S508〜S513の第2役物処理を行う。まず、第2役物が作動中であるか否か判定する(S508)。
この結果、第2役物が作動中でないと判定された場合には、第2役物作動処理を行う(S509、S510、S511)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が16個入球完了したか否か判定し、役物作動口スイッチ212bにより第2役物作動口33に入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が16個入球していない状態で、第2役物作動口33に入球があったと判定された場合には、第2役物の作動を開始して、リターンする。それ以外の場合には、そのままリターンする。第2役物の作動により、11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示される。
一方、第2役物が作動中と判定された場合には、第2役物作動終了処理を行う(S512、S513)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否かを判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第2役物の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていない場合には、そのままリターンする。
次に、得点増加装置処理S600を図45のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否か判定し、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする(S601)。一方、遊技中と判定された場合には、得点増加装置が作動中か否か判定する(S602)。
この結果、得点増加装置が作動中でないと判定された場合には、得点増加装置作動処理を行う(S603〜S605)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が16個入球完了したか否か判定し、16連入球口検知スイッチ204により16番の入賞図柄に対応する入球口(得点増加装置作動口)24aに入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が16個入球していない状態で、16番の入球口24aに入球したと判定された場合には、得点増加装置の作動を開始し、リターンする。それ以外の場合にはそのままリターンする。
一方、得点増加装置が作動中であると判定された場合には、得点増加装置作動終了処理を行う(S606、S607)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合(ゲームが終了した場合)には、得点作動装置の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのままリターンする。
次に、誘導増加装置処理S700を図46のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否かを判定する(S701)。この結果、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする。
一方、遊技中と判定された場合には、誘導増加装置が作動しているか否かを判定する(S703)。この結果、誘導増加装置が作動していないと判定された場合には、作動領域スイッチ214により遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したか否かを判定する(S704)。この結果、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したと判定された場合には誘導増加装置を作動させリターンし(S705)、通過していないと判定された場合は、そのままリターンする。
誘導増加装置の作動により、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効になり、当否判定用乱数の当たり値を増加させ、本図柄表示部31aにおける当たり発生確率を増加させる。具体的には、本図柄が当たり図柄となる確率が例えば1/111から例えば100/111となり、役物誘導装置が作動する抽選確率が低確率状態から高確率状態に移行する特別遊技状態が発生する。そして、特別遊技状態の発生中に第2役物誘導装置作動ゲート30を遊技球が通過すると、第2役物作動口33が開放する。
上記S703にて誘導増加装置が作動中と判定された場合には、誘導増加装置作動終了処理を行う(S706、S707、S708)。具体的には、作動領域スイッチ214により遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過したか否か判定し、誘導増加装置の作動開始から14ゲーム終了したか否か判定する。この結果、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過した場合、あるいは誘導増加装置の作動開始から14ゲーム終了した場合には、誘導増加装置の作動を停止し、リターンする。それ以外の場合には、そのままリターンする。誘導増加装置の停止により特別遊技状態が終了し、第2役物誘導装置作動ゲート30が無効となり、当たり発生確率が例えば1/111の低確率状態となる。
ここで、特別遊技状態が途中で消滅(いわゆるパンク)した場合(S706がYES)、図柄表示部31のパンク報知部を表示させる(S709)。パンクしたことについて遊技者が遊技場従業員に不満を訴えた場合、遊技場従業員は、パンク報知部が表示していることを確認することにより、特別遊技状態中に遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過してパンクしたことを、遊技者に対して説明することができる。従って、パンクしたことに起因する遊技者と遊技場従業員とのトラブルを防止し、遊技の健全性を高めることができる。
次に、誘導図柄および役物誘導装置処理S800を図47、図48のフローチャートに基づいて説明する。まず、第1役物誘導装置が作動しているか否か判定する(S801)。この結果、第1役物誘導装置が作動中であると判定された場合には、後述のS816〜S818で示す役物誘導装置終了処理を行う(S801)。一方、第1役物誘導装置が作動中でないと判定された場合には、誘導図柄が変動中か否か判定する(S802)。
この結果、誘導図柄が変動中であると判定された場合は、後述のS809で示す変動時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄が変動中でないと判定された場合には、誘導図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S803)。
この結果、誘導図柄の停止表示時間中であると判定された場合には、後述のS811で示す停止表示時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には、誘導図柄作動ゲートスイッチ201により遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したか否かを判定する(S804)。
この結果、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過していないと判定された場合はそのままリターンする。一方、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したと判定された場合は誘導図柄当否判定を行う(S805)。
ここで、誘導図柄当否判定処理を図49のフローチャートに基づいて説明する。まず、誘導増加装置が作動中か否かを判定する(S8051)。この結果、誘導増加装置が作動中である場合には、高確率用のデータテーブルを選択し(S8052)、誘導増加装置が作動中でない場合には、低確率用のデータテーブルを選択する(S8053)。
次に、選択したデータテーブルの中に当否判定用乱数の値と同じ値が存在するか否か判定する(S8054)。当否判定用乱数は、遊技球がゲート29を通過したタイミングで乱数カウンタより取得される。
この結果、当否判定用乱数の値が当たりであると判定された場合には、当たりのときに誘導図柄表示部31a、31bに表示される当たり停止図柄を設定し(S8055)、当たり予定フラグをセットする(S8056)。一方、当否判定用乱数の値が当たりでないと判定された場合には、外れのときに誘導図柄表示部31a、31bに表示される外れ図柄を設定する(S8057)。これらの誘導図柄表示部31a、31bに表示される当たり図柄および外れ図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。
次に図47に戻り、誘導図柄表示部31a、31bに表示される誘導図柄の変動時間設定及び変動パターンの設定を行い(S806)、図柄制御部280に所定の図柄制御コマンドを送信し、誘導図柄の変動を開始する(S807)。なお、本実施例では、誘導図柄変動時間は本図柄を1.1秒とし、疑似図柄を1.4秒としている。
次に、誘導図柄変動時間が経過したか否かの判定を行う(S808)。この結果、誘導図柄変動時間が経過していないと判定された場合にはそのままリターンする。一方、誘導図柄変動時間が経過していると判定された場合には、誘導図柄を停止させ(S809)、誘導図柄停止表示時間(本例では0.5秒)を設定する(S810)。
次に、誘導図柄停止表示時間が経過したか否かの判定を行う(S811)。この結果、誘導図柄停止表示時間が経過していないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄停止表示時間が経過していると判定された場合には、誘導図柄が当たりか否かを判定する(S812)。この結果、誘導図柄が当たりでないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄が当たりと判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を開始する(S813)。
次に、図50のフローチャートに示すガイド処理を行う(S814)。ここでは、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放したままの状態となるように、遊技者に狙い所をガイドし、それにより、連続した特別遊技状態の発生(いわゆる連荘)の確率を高くするものである。
まず、誘導増加装置が作動しているか否かを判定し(S8141)、誘導増加装置が作動していない場合には、そのままリターンする。一方、S8141で誘導増加装置が作動していると判定された場合には、誘導増加装置の作動開始から12ゲームが終了したか否かの判定を行う(S8142)。この結果、12ゲームが終了していないと判定された場合には、そのままリターンする。
一方、12ゲームが終了したと判定された場合には、第1役物作動口32が閉鎖しているか否かを判定し(S8143)、第1役物作動口32が閉鎖している場合には、図柄制御部280に図柄制御コマンドを送信し、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて左打ちをするようにガイドする(S8144)。左打ちにより遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過しやすくなり、誘導図柄表示部31a、31bが作動を開始する。このとき、誘導増加装置が作動中であるため高い確率で誘導図柄が当たりとなり、第1役物作動口32が開放される。
左打ちをガイドした後、誘導図柄が当たりか否かを判定する(S8145)。この結果、誘導図柄が当たりでないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄が当たりと判定された場合には、図柄制御部280に図柄制御コマンドを送信し、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて右打ちをするようにガイドする(S8147)。また、S8143にて第1役物作動口32が閉鎖していない(開放されている)と判定された場合も、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて右打ちをするようにガイドする(S8147)。なお、S8144で左打ちをガイドした後に誘導図柄が当たりになった場合、誘導図柄が当たりと判定されてから所定時間(例えば、4秒)経過後に、第1役物作動口32を開放させるようになっている。
このように、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて、誘導増加装置の作動開始に関する情報として右打ちをするようにガイドすることにより、第1役物作動口32への入球を回避しつつ、第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを遊技者に狙わせることができる。
そして、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて右打ちをするようにガイドして、第1役物作動口32への入球を回避させることにより、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放した状態にすることができ、このとき、遊技球を第1役物作動口32に入球させ、この遊技球が特定の領域(誘導増加装置作動領域41a)を通過すれば、特別遊技状態を再度発生させることができる。したがって、連荘に対する遊技者の期待感を格段に高めて、興趣を向上させることができる。
また、誘導増加装置の作動開始から12ゲームが終了した時点で、図柄表示装置31の遊技情報報知部にて左打ちをガイドすることにより、仮に13ゲーム目で誘導図柄が当たりにならなかった場合でも、14ゲーム目で高い確率で誘導図柄が当たりとなり、第1役物作動口32が開放される。したがって、13ゲームが終了した時点で左打ちをガイドする場合よりも高い確率で、特別遊技状態終了後の最初のゲーム開始時に第1役物作動口32が開放した状態にすることができる。
次に、図48に戻り、上記S801で第1役物誘導装置が作動中と判定された場合には、役物誘導装置終了処理を行う(S816、S817、S818)。具体的には、第1役物作動口32に入球したか否かを判定し、遊技の結果が3回得られたか否かを判定する。この結果、第1役物作動口32に入球したか、あるいは遊技の結果が3回得られたと判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を停止する。これにより、第1役物作動口32が閉鎖する。一方、いずれかの条件を満たさない場合には、そのままリターンする。
次に、電源断発生処理S900を図51のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
まず、使用レジスタをRAMに退避し、スタックポインタの値を保存する(S901、S902)。次に、遊技球払出装置の賞球残数を確認するために、払出センサ109j、109kの監視を所定時間(本例では84ms)行い、第1役物作動口32および第2役物作動口33の役物作動口スイッチ212aおよび212bを通過する遊技球の監視を所定時間(本例では84ms)行う(S903、S904)。次に、チェックサムを算出して保存し、バックアップフラグをセットする(S905、S906)。次に、RAMへのアクセスを禁止し、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行う(S907)。RAMデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理S100に移る。
以上の遊技機1の構成により、以下のような効果を得ることができる。
(1)可変入球口に入球した遊技球が特定の領域を通過する特定領域通過確率を1/aとし、特別遊技状態発生装置が作動したときの可変表示装置に表示される識別情報が特定の図柄で停止表示する特定図柄停止確率を1/bとし、特別遊技状態発生装置が継続して作動することとなる期待値である平均連続作動回数をPとした場合に、数式P=a・b/(a・b−1)を用いることにより、可変入球口に入球した遊技球を特別遊技状態発生装置作動領域あるいはそれ以外の領域に振り分ける振り分け手段を有する組合せ式遊技機において、特別遊技状態発生装置の平均連続作動回数Pの予測を確実に行うことができるようになる。この結果、出玉率の予測ができ、遊技機の設計が容易になって、開発期間を短縮することができる。
また、aの設計値と実測値とが一致しない場合であっても、Pとaとbが上記数式P=a・b/(a・b−1)の関係を満たすように、Pの設定値とaの実測値に応じてbを調整することで、特別遊技状態発生装置の平均連続作動回数Pを容易に所望の値とすることができるようになる。これは、特に特定領域通過確率1/aがばらつき易い遊技機や特定領域通過確率1/aの微調整が難しい遊技機等に有効である。これにより、所望の連荘性を容易に設定でき、適度な射幸性を持つ遊技機を提供できる。
(2)誘導図柄表示部31a、31bと入賞図柄表示部31cとを、同一の図柄表示装置31にて表示するように構成したことにより、図柄表示を制御する図柄制御部280の構成を簡略化することができる。これにより、図柄制御基板280aの端子数を減らすことができるので、図柄制御基板280aのコストを低減することができる。
また、本実施例では、図柄表示部31に本入賞図柄を表示する入賞図柄表示部31cを設けているので、16連入球口24の前面側に設けられた疑似入賞図柄を表示する16連入球口LED表示部25を省略することも可能である。この場合には、音ランプ制御部の260の簡略化とコスト低減が可能となる。
さらに、図柄制御部280で1つの図柄表示装置31を制御するように構成するとで、図柄制御基板280aにLED駆動回路等を設ける必要がなく、図柄制御部280を第1種遊技機と共用化することができる。
さらにまた、任意の図柄を表示できる図柄表示装置31に入賞図柄表示部31cを設けることで、例えばキャラクターや数字等を用いて入賞図柄を表現することができる。入賞図柄の配列も本実施例のような横一列に限らず、任意に変更することが可能となる。このように、多彩な表示方法で入賞図柄の表示を行うことができる。
さらにまた、図柄表示部31に遊技の進行に応じて任意にメッセージを表示する遊技情報報知部が設けることで、例えば遊技者の利益に関連する情報および不利益に関連する情報を指示報知する指示報知情報を表示して、ナビゲーションを行うことができる。具体的には、遊技情報報知部では遊技者が狙うべきところ、あるいは狙うべきでないところを指示報知することができる。
(3)ケースレール108の球詰まりに対して複数段階のエラー状態を設定し、ケースレール108の複数の樋のいずれかの樋で球詰まりが発生した場合でも直ちに遊技球払出装置109を停止させず、警告報知をしながら球詰まりが発生していない残りの樋で払い出しを継続することで、遊技を進行させることができる。これにより、ケースレール108で球詰まりが発生した場合でも、遊技機1の稼働率の低下を抑制することができる。
(4)また、タンク球切れスイッチ232からの信号と払出センサ109j、109kからの信号とに基づいて、ケースレール108内の球詰まりを検出することで、ケースレール108の遊技球の有無を検出するスイッチを設ける必要がなく、回路構成を簡略化することができる。
(5)また、遊技球払出装置109にて遊技球の払い出しを停止する前に、カム109g、109hを一旦減速させてから停止させることで、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、払い出しの高速化に伴うカム109g、109hの脱調を防止できる。これにより、遊技球払出装置109の払い出しを正確に行うことができる。同様に、遊技球払出装置109にて遊技球の払い出し開始時においても、払出モータ109fの回転速度を通常の回転速度より遅い回転速度から回転を開始することで、払出モータ109fにかかる負荷が急激に変化するのを防止でき、カム109g、109hの脱調を防止できる。これにより、遊技球払出装置109の払い出しを正確に行うことができる。
(6)また、ケースレール108における遊技球払出装置109の直前に、垂直に所定の長さを有する垂直部108bを設けることで、遊技球の自重により遊技球払出装置109に供給される遊技球の球圧を上げることができ、払出速度を高速化することができる。さらに、遊技球払出中に払い出しを定期的に停止する所定の払出停止時間を設けることで、払出停止時間中に球圧を上げることができ、払出速度をより高速化することができる。このように定期的に払い出しを停止することで、球圧が上がりすぎて球噛み等が発生することを防止でき、遊技球の正確な払い出しを行うことができる。これにより、遊技球払出装置109の作動中に払出センサ109j、109kで遊技球が検出されずにエラーが発生する原因を取り除くことができる。
(7)また、払出センサ109j、109kからの信号を払出制御部230にて受け取って払出個数を計数し、賞球数分のパルス信号を主制御部200に送信することで、1種類の払出センサ109j、109kで賞球数と貸球数を計数することが可能となるため、賞球数を計数するための賞球センサと貸球数を計数するための貸球センサを別々に設ける必要がない。これにより、回路構成を簡略化することができる。また、遊技球を賞球センサと貸球センサに振り分けるために、遊技球通路109a、109bを賞球センサ用の通路と貸球センサ用の通路に分離する必要がなく、遊技球払出装置109の構成を簡素化することができる。すなわち、賞球センサ用通路と貸球センサ用通路に遊技球を振り分けるために、通路切替用部材を設けたり、あるいは払出モータ109fの回転方向を変える必要がない。
(8)また、遊技球払出装置109における払出速度の高速化に伴い、払出センサ109j、109kにおける遊技球の通過速度が高速化する。この場合、払出センサ109j、109kの出力時間が払出制御部230の制御間隔より短いと遊技球の通過を検知できない可能性があるが、本実施例の払出制御部230では、制御間隔を主制御部200より短く設定しているので、遊技球の通過を確実に検知することができる。
(9)また、払出制御部230から賞球数分のパルス信号を主制御部200のCPU400のカウンタにソフト出力することで、主制御基板200aにセンサ入力用のI/Oポートを設ける必要がない。これにより、I/Oポート増設に伴うコストアップを回避できる。
(10)また、主制御部200のCPU400のカウンタに賞球数分のパルス信号を入力し、CPU400はカウンタを参照して制御を行うように構成することで、ポート入力処理、チャタリング処理といったプログラムが不要となり、プログラム容量を削減することができる。さらに、カウンタはCPUの動作とは独立して動作しているため、CPUの割り込み速度(ポートサンプリング速度)に対して微妙な入力信号に対しても入力が可能であり、入力信号に対して確度の高いカウントが可能となる。
(11)また、発射モータ252の原点を検出する原点センサ251を設け、発射制御部230が発射モータ252の原点確認後に球送り処理を行うことで、正確な球送りを行うことができ、確実に所定数の遊技球の発射を行うことができる。さらに電源投入後、遊技者が発射ハンドル8に触れた際に槌10aの空打ちを1回行うことで、電源投入時における原点確認を確実に行うことができる。これにより、電源投入後、初回の球送りを確実に行うことができる。さらにまた、槌10aの先端を発射球カウントスイッチ222から退避した位置に配置しているので、槌先の検出による発射球誤検知を防止できる。
また、基準クロック信号のパルス幅を、球送り許可信号が発射許可状態となっている時間より短く設定することで、確実に球送り処理を行うことができ、確実に発射を行うことができる。
(12)また、遊技者が発射ハンドル8を回動開始したことを検知する発射スタートスイッチ10jを、直線運動するラック10iの移動によりオン/オフするように構成したことで、例えば発射ハンドル8にガタツキや劣化が生じたような場合であっても、遊技球の打ち出しに適した発射スタート位置を正確に検知することが可能となる。これにより、常に同じハンドル位置で遊技球を発射開始することが可能となる。さらに、発射ハンドル8内の機構が簡素になり、発射ハンドル8の組み付け性を向上させることができる。
また、発射停止スイッチ8bをタッチスイッチ回路に組み込み、タッチスイッチ8aと直列的に接続することで、回路構成を簡略化することができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図52に基づいて説明する。本第2実施例は、本発明を第1種遊技機に適用したものである。本第2実施例の遊技機1では、発射装置ユニット10による遊技球の発射間隔(発射周期)を600msとし、遊技球を連続的に発射した場合の発射速度が1分当たり100発以下となるように構成されている。
本第2実施例では、上記第1実施例と同様、発射モータ252が1回転するのに要する時間を500msとし、発射モータ252が1回転する毎に所定の発射間隔調整時間(本例では100ms)だけ発射モータ252を停止させて発射間隔を600msに調整している。
図52は、本第2実施例の遊技機1の連続動作中における発射制御を示すタイミングチャートであり、上記第1実施例の図35に対応する。図52に示すように本第2実施例では、原点センサ251による原点確認後、球送り処理及び発射遅延処理を行う。具体的には、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、球送り許可信号が60msだけイネーブル(Low)となり、球送りソレノイド12aが作動し、遊技球が発射位置に送られる。さらに、本実施例の遊技機1では、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、発射遅延処理として発射許可信号が100msだけディセーブル(High:発射禁止状態)となり、発射モータ252が100msだけ停止する。そして、発射遅延処理の終了により発射許可信号がイネーブル(Low)となり、発射モータ252が回転して槌10aが回転し、遊技球が発射される。
以降、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより、上記第1実施例と同様に、発射モータ252が連続的に回転し、原点検出、球送り処理、遊技球発射が600ms間隔で連続的に行われる。
以上のような構成により、発射装置ユニット10による遊技球の発射間隔を、上記第1実施例の組合せ式遊技機における500msと基本とし、これにソフト処理により所定の発射間隔調整時間(100ms)を挿入することで、遊技球の発射間隔を600msにすることができる。換言すれば、遊技球発射間隔の短い遊技機をベースにして発射モータ駆動用信号の周波数を一定に設定し、発射間隔を長くする場合には発射モータ252の回転毎にモータ停止コマンドを所定時間送出して(発射許可信号をHighにする)、1球発射する毎に所定時間のインターバルを持たせるようにしている。
このような構成により、遊技球の発射間隔が異なる遊技機に対して、発射モータ駆動用信号の周波数を複数設定する必要がなく、発射制御部230の回路が複雑化するのを防止できる。この結果、発射制御部230の回路構成は従来のままで、基板サイズを大型化することもなく、何種類もの発射速度を容易に設定することができる。これにより、簡易な構成で、組合せ式遊技機と第1種遊技機のような発射間隔が異なる遊技機間で発射制御部250を共用化することが可能となる。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について図53に基づいて説明する。本第3実施例は、本発明をアレンジボール遊技機に適用した例である。本第3実施例の遊技機1は、遊技球の発射間隔(発射速度)を変更可能に構成している。
上記第1実施例で述べたように、アレンジボール遊技機では1球当たりの基本発射間隔を例えば500msとしている。本第3実施例では、1球当たりの最短発射間隔を420msに設定し、これに所定の発射間隔調整時間(80ms)をソフト的に付加することで、1球当たりの発射間隔を500msとしている。発射間隔調整時間中には、発射モータ252が停止する。
図53は、本第3実施例の遊技機1の連続動作中における発射制御を示すタイミングチャートであり、上記第1実施例の図35に対応する。図53に示すように本第3実施例では、原点センサ251による原点確認後、球送り処理及び発射間隔調整処理を行う。具体的には、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、遊技球が発射位置に送られる。さらに、本実施例の遊技機1では、原点センサ信号の立ち下がりを検出すると、発射間隔調整処理として発射許可信号が80msだけディセーブル(High:発射禁止状態)となり、発射モータ252が80msだけ停止する。そして、発射間隔調整処理の終了により発射許可信号がイネーブル(Low)となり、発射モータ252が回転して槌10aが回転し、遊技球が発射される。なお、発射モータ252は最低発射間隔(420ms)の間だけ回転する。
発射間隔調整時間は、遊技球の発射間隔を調整するためのものであり、本第3実施例では、上記発射許可信号がディセーブル(High)となる時間を変更することで、発射間隔調整時間を変更することができる。発射間隔調整時間は、基本発射間隔(500ms)から最低発射間隔(420ms)を引いた値(80ms)を上限として、変更可能である。本第3実施例では、発射間隔調整時間を1ms単位で変更可能であり、80ms〜0msの範囲で変更することができる。このように発射間隔調整時間を変更することにより、1球当たりの発射間隔を基本発射間隔(500ms)から最低発射間隔(420ms)の間で変更することができる。したがって、発射間隔調整時間を0msとした場合に発射間隔が420ms/発で最短(最高速)となり、発射間隔調整時間を80msとした場合に発射間隔が500ms/発で最長(最低速)となる。
また、本第3実施例では、1ゲームの最低限時間(本例では10秒)を設定しており、ゲーム開始からの経過時間が少なくとも最低限時間を超えないと1ゲームが終了しないように構成されている。さらに、上記第1実施例では、1ゲームで遊技球16個発射後、次のゲームに進む前に固定値のインターバル時間を設定したが、本第3実施例ではインターバル時間に代えて、最低限時間(10秒)から遊技球16個の発射に要した時間を差し引いた時間を残余時間として設定している。残余時間は、遊技球16個の発射後、1ゲームを終了するのに結果的に残った時間であり、可変値である。
上記のように、最低発射間隔は420msなので、遊技球16個を発射可能な最短時間は420ms×16発=6.72sである。したがって、残余時間は最長3.28s(=10s−6.72s)となる。また、遊技者が止め打ち等を行い、16発発射終了前に最低限時間(10s)を経過した場合には、残余時間は0sとなる。
本第3実施例の遊技機1では、遊技状況に応じて発射間隔調整時間を変更し、発射間隔を変更する。発射間隔は1ゲーム単位で調整する。発射間隔を短くしたい場合には、遊技球の発射間隔を最低発射間隔(420ms)にする。発射間隔を変更するタイミングとしては、以下の(1)〜(3)の場合を例示できる。
(1)1ゲームにおいて遊技球16個発射前に最低限時間(10秒)を超えた場合には、発射間隔調整時間を0msとして遊技球の発射間隔を最低発射間隔(420ms)にする。(2)所定の遊技態様となった場合、例えば特別遊技状態のように図柄変動時間が長く、遊技者が止め打ちを行う可能性があるような遊技態様となった場合に、発射間隔調整時間を適宜調整して発射間隔を短くする。(3)所定ゲーム数の経過時間を測定し、経過時間の合計がゲーム数×最低限時間を超えている場合、以後所定ゲームにおいて発射間隔調整時間を適宜調整して発射間隔を短くする。
以上のように、基本となる発射間隔(420ms)にソフト的に発射間隔調整時間(80ms〜0ms)を付加することで、簡易な構成で遊技の進行に応じて遊技球の発射間隔を変更することができる。すなわち、通常時は発射間隔を長く設定してできるだけ発射を停止しないようにし、所定の場合に発射間隔調整時間を通常遊技状態における発射間隔調整時間より短く設定し、予め設定した最低限時間を超えた場合には発射間隔を最短にする。これにより、遊技者に違和感を与える発射停止時間をできるだけ排除しつつ、発射球数を可能な限り規則上の上限値(100発/分)に近づけることができる。
また、1ゲームの最低限時間をゲーム開始から所定時間(10秒)と設定することで、1ゲーム開始時からの経過時間を監視すればよい。このため、発射間隔の変更に応じてインターバル時間を変更する必要がなく、制御を簡素化することができる。
(第4実施例)
次に、本発明の第4実施例を図54に基づいて説明する。本第4実施例は、上記各実施例に比較して、払出センサ109j、109kのセンサ信号の処理が異なるものである。
図54は本第4実施例の払出センサ109j、109kから出力されるセンサ信号の流れを示すブロック図であり、(a)は組合せ式遊技機の構成例を示し、図54(b)は第1種遊技機の構成例を示している。
まず、組合せ式遊技機について説明する。図54(a)に示すように、払出制御部230の払出制御基板230aには、NAND回路(センサ信号選択出力手段)230eが設けられている。NAND回路230eは、払出センサ109j、109kからのセンサ信号と、CPU230bからの信号を入力とし、主制御部200に信号を出力する。CPU230bからNAND回路230eに入力する信号は、貸球払出を行っている際にHighとなる貸球払出状態信号である。
払出センサ109j、109kからのセンサ信号は、払出制御基板230aにおいてCPU230bとNAND回路230eとに入力する。払出制御基板230aのCPU230bは、払出センサ109j、109kからのセンサ信号に基づいて遊技球払出に関するエラー管理を行う。
賞球払出が行われている場合には、NAND回路230eに入力する払出センサ109j、109kからのセンサ信号がHighで、CPU230bからの貸球払出状態信号がLowとなる。この場合には、主制御部200に出力されるNAND回路230eの出力はHighとなり、NAND回路230eは払出センサ109j、109kからのセンサ信号をそのまま主制御部200に出力する。一方、貸球払出が行われている場合には、払出センサ109j、109kからのセンサ信号がHighで、CPU230bからの貸球払出状態信号がHighとなる。この場合には、主制御部200に出力されるNAND回路230eの出力はLowとなり、NAND回路230eは払出センサ109j、109kからのセンサ信号を出力しない。
このような構成のNAND回路230eを払出制御部230に設けることで、払出センサ109j、109kのセンサ信号が賞球数に対するものである場合にのみ、払出センサ109j、109kのセンサ信号を主制御部200に出力することができる。また、払出センサ109j、109kからのセンサ信号を賞球数に対するものとしてそのまま主制御部200に出力するので、CPU230bにて上記センサ信号をソフト加工する必要がなくなり、CPU230bの処理負担を軽減することができる。
組合せ式遊技機では、賞球払出が終了しないと次のゲームに移行しないため、賞球払出数を主制御部200で把握する必要がある。このため、主制御部200では、払出制御基板230aのNAND回路230eからの信号(賞球信号)をCPU400に入力する。主制御部200のCPU400は、払出制御基板230aのNAND回路230eからの信号に基づいて賞球払出に関するエラー管理を行う。また、主制御部200には外部試験装置500と接続するための試験信号端子(図示略)が設けられている。第三者検定機関による遊技機1の検査が行われる場合には、払出制御基板230aのNAND回路230eからの信号は外部試験装置500に出力される。
次に第1種遊技機について説明する。第1種遊技機では、主制御部200は賞球数を把握する必要がない。このため、図54(b)に示すように、主制御部200では、払出制御基板230aのNAND回路230eからの信号はCPU400に入力しない。図54(b)に示すように、図54(a)に示した組合せ式遊技機と同様、第1種遊技機の主制御部200には外部試験装置500と接続するための試験信号端子(図示略)が設けられている。第三者検定機関による遊技機1の検査が行われる場合には、払出制御基板230aのNAND回路230eからの信号は外部試験装置500に出力される。
このように、図54(a)で示した組合せ式遊技機のみならず、図54(b)で示した第1種遊技機においても、賞球信号を主制御部200に入力するように構成することで、主制御部200に外部試験装置に接続するための試験端子を設けることができる。これにより、払出制御部230の払出制御基板230aに外部試験装置に接続するための試験端子を設ける必要がなくなり、払出制御基板230aを組合せ式遊技機と第1種遊技機との間で共通化することができる。
(第5実施例)
次に、本発明の第5実施例を図55に基づいて説明する。本第5実施例は本発明を組合せ式遊技機に適用した例であり、上記第4実施例(図54(a))に比較して、主制御部200の主制御基板200aと払出制御部230の払出制御基板230aの入出力ポートの構成が異なる。
図55は、本第5実施例の主制御部200と払出制御部230と概略構成を示すブロック図である。主制御基板200aは、払出制御基板230aに賞球払い出し等のコマンドを出力する払出コマンド出力ポートと、賞球数計数用の賞球数用入力ポートとを有している。払出制御基板230aは、主制御基板200aの払出コマンド出力ポートからのコマンドが入力する払出コマンド入力ポートと、主制御基板200aの賞球数用入力ポートに賞球数を出力する賞球数用出力ポートを有している。
電源投入時における主制御部200と払出制御部230との間で行われる初期化処理(イニシャライズ)について説明する。初期化を行う際には、払出制御基板230aの賞球数用出力ポートは、初期化用の出力ポートとして用いられる。
電源投入時、払出制御基板230aの賞球数用出力ポートをHighにする。次に主制御基板200aの払出コマンド出力ポートから所定のイニシャライズコマンド(初期化コマンド)を出力する。払出制御基板230aは、払出コマンド入力ポートにて主制御基板200aからのイニシャライズコマンドを受信した場合、賞球数用出力ポートをHighからLowに状態を変化させる。主制御基板200aは、賞球数用入力ポートにて賞球数用出力ポートがHighからLowに変化したのを確認した場合にイニシャライズを終了する。一方、主制御基板200aが賞球数用入力ポートにて、賞球数用出力ポートがHighからLowに変化したのを確認できなかった場合には、払出制御基板230aが未接続であると判断できる。初期化終了後、払出制御基板230aの賞球数用出力ポートは、賞球数を出力するために用いられる。
以上のように、主制御部200から送信したイニシャライズコマンドに対して払出制御部230から応答があった場合に初期化を終了するように構成することで、払出制御基板230aの未接続を検出することができる。また、払出制御基板230aの賞球数用出力ポートを初期化用出力ポートとしても用いることで、初期化用のポートを別途設ける必要がないので入出力ポートの増加を抑制でき、ハードウェアの簡略化、コストダウンを図ることができる。
(第6実施例)
次に、本発明の第6実施例について図56、図57に基づいて説明する。本第6実施例は、上記第1実施例に比較して、遊技球の振り分け手段の構成が異なるものである。
図56は、本第6実施例の特別遊技装置36の全体構成を示す斜視図である。図56に示すように、特別遊技装置36は、誘導増加装置作動領域(特定の領域)41a、排出口42、旋回板(クルーン)43を備えている。本第6実施例では、クルーン43と誘導増加装置作動領域41aとが、本発明の振り分け手段を構成している。
クルーン43は、すり鉢円盤状で遊技球が通過可能な3つのクルーン穴43a、43b、43cが形成されている。第1役物作動口32に入球した遊技球は、クルーン43上で旋回しながらいずれかのクルーン穴43a〜43cを通過する。クルーン43には、遊技球がいずれのクルーン穴43a〜43cを通過したかを検知するクルーンスイッチ(図示略)が設けられている。なお、本実施例では、クルーン43の傾斜を変化させることができるように構成されており、クルーン43の傾斜を変化させることで遊技球が中央奥側のクルーン穴43bを通過させやすくすることができる。なお、本実施例では、3つのクルーン穴43a〜43cのうち中央奥側のクルーン穴43bが、最も遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過しやすいクルーン穴として構成されている。
誘導増加装置作動領域41aは、クルーン43の下方に設けられている。誘導増加装置作動領域41aとクルーン43との間には、遊技球が転がる傾斜面44が設けられている。遊技球が通過するクルーン穴43a〜43cに応じて、傾斜面44上における遊技球が転がる道筋が異なる。誘導増加装置作動領域41aは、上方が開口しているとともに内部を遊技球が通過可能に構成されている。
誘導増加装置作動領域41aは、移動手段としての作動領域移動用モータ(図示略)により駆動され、図56中左右方向に往復運動するように構成されている。
本実施例では、誘導増加装置作動領域41aが左右方向の往復運動中に遊技球が最も通過し易い位置、すなわち中央奥側のクルーン穴43bに対応する略中央位置(所定位置)に所定時間停止する。クルーン穴を通過した遊技球が、傾斜面44上を転がり傾斜面44下端に到達した際、遊技球の道筋に誘導増加装置作動領域41aが存在していれば、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する。
また、誘導増加装置作動領域41aは、予め定められた所定位置停止時間の長さが異なる複数種類の動作パターンにて動作可能に構成されている。駆動制御手段としての主制御部200が、例えば乱数抽選により複数種類の動作パターンから所定の動作パターンを選択し、選択した動作パターンにより作動領域移動用モータを駆動制御する。所定位置停止時間の長さにより、遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する確率が異なり、所定位置停止時間の長さが長くなるほど遊技球が誘導増加装置作動領域41aを通過する確率が高くなる。
図57は、本第6実施例の特別遊技装置36の変形例の全体構成を示す斜視図である。図56に示した例では、誘導増加装置作動領域41aとしてクルーン43下方で往復運動するものを用いたが、これに限らず、例えば図57に示すように、回転運動する円盤状部材に形成された穴により誘導増加装置作動領域41aを構成することもできる。
図57に示す例では、円盤状部材の周囲には4つの穴が形成され、そのうちの1つが誘導増加装置作動領域41aを構成し、他の穴は排出口(誘導増加装置非作動領域)42となっている。この場合、誘導増加装置作動領域41aの動作パターンは一周期が一回転である。
本第6実施例のような振り分け手段を有する遊技機においても、特定領域通過確率を1/aとし、特定図柄停止確率を1/bとし、誘導増加装置の平均連続作動回数をPとした場合に、数式P=a・b/(a・b−1)を用いることにより、特別遊技状態発生装置の平均連続作動回数Pの予測を確実に行うことができるようになる。また、aの設計値と実測値とが一致しない場合であっても、Pとaとbが上記数式P=a・b/(a・b−1)の関係を満たすように、Pの設定値とaの実測値に応じてbを調整することで、特別遊技状態発生装置の平均連続作動回数Pを容易に所望の値とすることができるようになる。
(第7実施例)
次に、本発明の第7実施例について図58に基づいて説明する。本第7実施例は、上記第1実施例に比較して、遊技球の振り分け手段の構成が異なるものである。上記第1実施例と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略し、主に特別遊技装置36について説明する。
図58は、本第7実施例の遊技盤20の概略構成を示す正面図である。図58に示すように、特別遊技装置36は、円盤状回転体44、誘導増加装置作動領域(Vゾーン)41a、誘導増加装置非作動領域42を備えている。本第7実施例では、誘導増加装置作動領域41aが、本発明の振り分け手段を構成している。
円盤状回転体44は、移動手段としてのモータ(図示略)により駆動され、正面から見て時計方向あるいは反時計方向に回転するように構成されている。円盤状回転体44の外周部には、遊技球が通過可能な複数の穴が形成されている。第1役物作動口31に入球した遊技球は、円盤状回転体44に形成されたいずれかの穴を通過する。円盤状回転体44に形成された穴のうち特定の穴が誘導増加装置作動領域41aを構成し、他の穴が誘導増加装置非作動領域42を構成している。このような構成により、誘導増加装置作動領域41aが回転運動する。
本第7実施例のような振り分け手段を有する遊技機においても、特定領域通過確率を1/aとし、特定図柄停止確率を1/bとし、誘導増加装置の平均連続作動回数をPとした場合に、数式P=a・b/(a・b−1)を用いることにより、特別遊技状態発生装置の平均連続作動回数Pの予測を確実に行うことができるようになる。また、aの設計値と実測値とが一致しない場合であっても、Pとaとbが上記数式P=a・b/(a・b−1)の関係を満たすように、Pの設定値とaの実測値に応じてbを調整することで、特別遊技状態発生装置の平均連続作動回数Pを容易に所望の値とすることができるようになる。
(他の実施形態)
なお、上記実施例では、払出制御部230は払出センサ109j、109kから賞球信号を受け取るたびに主制御部200にパルス信号を送信するように構成したが、これに限らず、例えば賞球数が大量である場合には所定数分(例えば10個単位)の賞球信号を受け取ってから、所定数分のパルス信号をまとめて主制御部200に送信するように構成してもよい。
また、遊技球払出装置109には、払出モータ10dの停止時にカム109g、109hの回転をロックするカム109g、109hのロック機構を設けてもよい。例えば、カム109g、109hの回転軸にギアと、このギアに係合するソレノイド式の係合手段とからなるロック機構を設けることができる。払出モータ109fの回転時には、ソレノイドを励磁することで係合手段とギアとの係合が外れ、払出モータ109fが回転可能となる。また、払出モータ109fの停止時には、ソレノイドを消磁することで係合手段とギアとが係合し、払出モータ109fがロックされる。このようなロック機構を設けることで、払出モータ109dの停止時に遊技球の球圧によってカム109g、109hが回転してしまうことをより確実に防止できる。
また、上記実施例では、主制御部200→音ランプ制御部260→図柄制御部280の順に信号が流れるように構成したが、これに限らず、図59に示すように主制御部200→図柄制御部280→音ランプ制御部260の順に信号が流れるように構成してもよい。
また、上記実施例では、図14で示したように賞球タンク105の底部におけるタンクレール106との接続部は、同一箇所に設けられているが、これに限らず、図60(a)の賞球タンク平面図に示すように、賞球タンク105とタンクレール106との接続部105a、105bを樋106a、106bのそれぞれでずらすように構成してもよい。このように構成することで、図60(b)の賞球タンク断面図に示すように、賞球タンク105内の遊技球がくずれやすくなり、遊技球が速やかに整列しながら各樋106a、106bに流入することができる。
また、上記実施例では、1個のエラーLED表示部4hで異なる色を表示(赤色とオレンジ色)することで複数段階のエラー表示を可能としたが、これに限らず、エラー段階によって異なるLED表示部で点灯・点滅を行うことで、複数段階のエラー表示を行うように構成してもよい。例えば重度のエラー発生の場合には左LED表示部4bを点灯・点滅させ、軽度のエラー発生の場合には右LED表示部4cを点灯・点滅させることで複数段階のエラー表示を行うことができる。
1…遊技機(組合せ式遊技機)、10…発射装置ユニット(発射手段)、20…遊技盤、24…16連入球口(入球領域)、25…16連入球口LED表示部、29…誘導図柄作動ゲート、31…図柄表示装置、31a…本図柄表示部(可変表示手段、本図柄表示手段)、31b…疑似図柄表示部(可変表示手段、疑似図柄表示手段)、31c…入賞図柄表示部(入賞図柄表示手段)、32…第1役物作動口(可変入球口)、37…突起部(振り分け手段)、38、39、40…回転体(振り分け手段)、41a…誘導増加装置作動領域(特定の領域)、108…ケースレール(遊技球誘導通路)、109…遊技球払出装置、200…主制御部(賞遊技価値付与装置、当否判定手段、可変入球装置、特別遊技状態発生装置、駆動制御手段)、230…払出制御部(払出エラー報知手段、発射制御手段)、242…エラー表示LED基板(払出エラー報知手段)、250…発射制御部(発射制御手段)、260…音ランプ制御部、280…図柄制御部(図柄制御手段)。