本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
パチンコ機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4,4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されており、下受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、環状のガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。そして、遊技盤10の前面左側で、ガイドレール11が二重となっており、その間に形成された円弧状領域を、後述する球発射装置36により発射された遊技球が通過して遊技領域へ至るようになっている。ここで、ガイドレール11間の円弧状領域により、本発明にかかる球導入路45が構成されている。
遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。センターケース13には、演出表示装置14が組み付けられている。演出表示装置14は、液晶表示器又はドットマトリクス表示器等からなり、その表示画面には演出図柄や各種演出画像が表示される。
図3(A)に示すように、遊技領域12の左側部には、多数のLED(発光ダイオード)が配設される。この多数のLEDは、左上の列から順番に、普通図柄表示装置16、普通始動記憶数表示装置18、特別図柄表示装置15、第一特別始動記憶数表示装置17a、第二特別始動記憶数表示装置17bを構成している。
普通図柄表示装置16は1個のLEDからなり、その点灯態様によって普通図柄を表示するものである。後述する普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、このLEDが点滅することで普通図柄を変動させ、その後にLEDが点灯状態又は消灯状態で停止することにより普通図柄を停止表示する。LEDが点灯した停止態様が当り停止態様、LEDが消灯した停止態様がハズレ停止態様に設定されており、当り停止態様で確定停止した場合には、後述の普通電動役物23が拡開作動する。
特別図柄表示装置15は3個のLEDからなり、その点灯態様によって特別図柄を表示するものである。後述するように、特別図柄表示装置15は、所定契機によって、各LEDを点滅させることにより夫々の特別図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した停止図柄態様で特別図柄を停止表示する。本実施例では、特別図柄表示装置15で、全てのLEDが消灯した停止図柄態様がハズレ停止図柄態様、LEDのいずれかが点灯した停止図柄態様が当り停止図柄態様と設定されており、いずれかの特別図柄が当り停止図柄態様で確定停止した場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技状態に移行する。また、大当りとなった時のLEDの点灯態様によって、後述する大当りの種類が決定される。
第一特別始動記憶数表示装置17aは四個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって、後述する第一特別始動記憶データの記憶数を表示するものである。また、第二特別始動記憶数表示装置17bは四個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって後述の第二特別始動データの記憶数を表示するものである。また、普通始動記憶数表示装置18は2個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって後述の普通当りカウンタ値の記憶数を表示するものである。
図2に示すように、センターケース13の右側方には普通始動ゲート19が設けられており、普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、この普通始動ゲート19に具備された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて普通図柄表示装置16のLEDが点滅開始する。
また、図2に示すように、遊技領域12の、センターケース13の下方部12cには、第一特別始動口20aを有する特別入賞装置22が配設されている。かかる特別入賞装置22は開口の大きさを変化させないタイプであり、遊技球は第一特別始動口20aを常時通過可能となっている。そして、第一特別始動口20aを遊技球が通過すると、特別入賞装置22に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。
また、図2,3(B)に示すように、普通始動ゲート19の直下位置には第二特別始動口20bを有する普通電動役物23が配設される。図3(B)に示すように、普通電動役物23は開閉翼片24を備えている。開閉翼片24は、ソレノイド(図示省略)によって駆動されるものであり、開閉翼片24の定常位置では第二特別始動口20bは遊技球が通過不能な閉塞状態であるが、ソレノイドによって開閉翼片24が拡開駆動されると第二特別始動口20bは遊技球が通過可能な開放状態となる。第二特別始動口20bは、通常は閉塞状態であるが、普通図柄表示装置16で普通図柄が当り停止態様で停止表示されると、所定時間開閉翼片24が拡開駆動されて第二特別始動口20bが所定時間開放状態となる。そして、開放された第二特別始動口20bを遊技球が通過すると、普通電動役物23に内臓された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。
普通電動役物23の下方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備し、この開閉片27は内蔵するソレノイドにより開閉制御されることによって大入賞口25が開放状態又は閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知する球検知スイッチが設けられている。
また、遊技領域12の左下部には一般入賞口28を有する一般入賞装置29が三個配設されており、遊技球が一般入賞口28に入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
なお、本実施例において、第一特別始動口20aにより、本発明にかかる「第一の特別始動口」が構成されており、第二特別始動口20bにより、本発明にかかる「第二の特別始動口」が構成されている。
そして、遊技盤10の遊技領域12は、センターケース13によってその左側方の第一球流下領域12aと右側方の第二球流下領域12bとに分岐されており、当該遊技領域12に発射された遊技球が第一球流下領域12aか第二球流下領域12bのいずれか一方の領域を流下するようになっている。ここで、センターケース13の直下位置(遊技領域12の下方部12c)には、第一特別始動口20aが配設されており、センターケース13の左側方の第一球流下領域12aを流下した遊技球が流入可能となっている。一方、第二球流下領域12bには、前記した普通始動ゲート19、普通電動役物23、特別電動役物26が配設されており、センターケース13の右側方の第二球流下領域12bを流下した遊技球が流入可能となっている。さらに、本実施例にあっては、左側の第一球流下領域12aを流下した遊技球が、普通始動ゲート19、普通電動役物23、および特別電動役物26に入賞できず、また、右側の第二球流下領域12bを流下した遊技球が、第一特別始動口20aに入賞できないようになっている。そのため、第一球流下領域12aと第二球流下領域12bとへの遊技球の打ち分けを行うことにより、遊技の興趣が向上するようにしている。尚、遊技領域12の最下端部には、アウト口30が設けられている。このアウト口30には、第一球流下領域12aと第二球流下領域12bとを夫々流下した遊技球が流入する。
一方、上記した発射ハンドル9は、ベース部材31の外周部に、突起が形成された円板状の操作部32を回動操作可能に配設してなるものである。具体的には、発射ハンドル9の内部には、操作部32を回動操作していない定常角度位置に付勢するバネ(図示省略)が配設されており、遊技者は、該バネの付勢力に抗して操作部32を時計回りに回動操作可能となっている。また、発射ハンドル9の内部には、操作部32の定常角度位置からの回動操作角度を検知して出力する回動角度検知センサ33が配設されている。回動角度検知センサ33は、操作部32の回動操作角度に応じて出力電圧を増減するものであり、可変抵抗器や電子ボリューム等によって構成される。
また、パチンコ機1の内部には、遊技盤10の下方に球発射装置36が設けられる。この球発射装置36は、遊技球を打圧する発射鎚37と、該発射鎚37を駆動するロータリーソレノイド38と、打圧された遊技球を上記した球導入路45へ案内する発射レール39等を備えてなるものであり、前記操作部32の回動操作角度に応じた強度で遊技球を1球ずつ遊技盤10の遊技領域12へ打圧発射する。
次に、本実施例のパチンコ機1の遊技作動を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられている。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものであり、本発明に係る特別図柄制御手段、遊技状態制御手段、及び打ち分け報知制御手段は、主にこの主制御基板60により実現される。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、第一特別始動口20aや第二特別始動口20bの入賞時に生成される特別始動記憶データを参照して、当落判定や図柄の変動・停止態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続されている。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜66に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62〜66にそれぞれ出力し、各制御基板62〜66の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
ここで、主制御基板60の記憶装置RAMの記憶領域に設けられる各乱数カウンタについて説明する。
大当りカウンタは0〜299の範囲の値を取るものであり、第一特別始動口20a又は第二特別始動口20bへ入賞するとその時点の大当りカウンタの値が生成される。そして抽出された大当りカウンタ値は、所定の大当り値と比較され、抽出された大当りカウンタ値が大当り値と一致していた場合には「大当り(特別図柄の当選)」となり、不一致であった場合には「ハズレ」となる。ここで所定大当り値には、高確率時の大当り値「7,11,37,87,127,177,207,233,257,273」と通常確率時の大当り値「7」の二種類があり、通常遊技状態では、大当りカウンタ値は通常確率時の大当り値と比較されるが、確変遊技状態では、高確率時の大当り値と比較される。すなわち、通常遊技状態では、抽出された大当りカウンタ値が「7」の場合にのみ当選となり、確変遊技状態では、抽出された大当りカウンタ値が「7,11,37,87,127,177,207,233,257,273」の場合に当選となる。したがって、通常遊技状態では、当選する確率(以下、当選確率という)は1/300であり、確変遊技状態では、当選確率は10/300(=1/30)となる(図5(A)参照)。
また、図柄カウンタは0〜7の範囲の値を取るものであり、第一特別始動口20a又は第二特別始動口20bへ入賞するとその時点の図柄カウンタの値が抽出される。上記大当りカウンタ値の判定結果が「大当り」である場合に、抽出された図柄カウンタの抽出値が、当選種類に対応する所定の当選種別判定値と一致するか否かによって当選種類が決定される。具体的には、第一特別始動口20aへの入賞により発生する第一特別始動記憶データとしては、抽出された図柄カウンタ値が「0,1」の場合には「通常大当り」と決定され、抽出された図柄カウンタ値が「2,3」の場合には「突確大当り」と決定され、抽出された図柄カウンタ値が「4,5,6,7」の場合には「確変大当り」と決定される。すなわち、第一特別始動口20aに係る「大当り」の25%が「通常大当り」に、25%が「突確大当り」に、50%が「確変大当り」に振り分けられることとなる。第二特別始動口20bへの入賞により発生する第二特別始動記憶データとしては、抽出された図柄カウンタ値が「0,1」の場合には「通常大当り」と決定され、抽出された図柄カウンタ値が「2,3,4,5,6,7」の場合には「確変大当り」と決定される。すなわち、第二特別始動口20bに係る「大当り」の25%が「通常大当り」に、75%が「確変大当り」に振り分けられることとなる(図5(B)参照)。
第一特別始動口20a又は第二特別始動口20bに入賞した際には、演出表示装置14で演出図柄のリーチ変動を行うか否かを決定するためのリーチカウンタや、特別図柄や演出図柄の変動態様を決定するための態様カウンタからも値が抽出される。これら各種カウンタ値の集合により、一個の第一特別始動記憶データや第二特別始動記憶データが生成され、記憶装置RAMに記憶される。そして、これら各特別始動記憶データに従って、特別図柄の変動開始から確定停止に至る一連の図柄生成行程が、上記した特別図柄表示装置15で実行される。
ここで、記憶装置RAMには、第一特別始動口20aの入賞に基づく第一特別始動記憶データを記憶する始動記憶領域と、第二特別始動口20bの入賞に基づく第二特別始動記憶データを記憶する始動記憶領域とが設けられている。これら各始動記憶領域には、夫々に四個の各特別始動記憶データを記憶保持できるようになっており、各特別始動記憶データが発生した順番に従って記憶保持される。尚、各特別始動記憶データは、最先に記憶されたものから順に消化されて、それに従った図柄生成行程を実行する。そのため、図柄生成行程の実行により、その特別始動記憶データが消去される。また、始動記憶領域に四個の特別始動記憶データが記憶されている場合には、新たな特別始動記憶データを生成しないようにしている。
また、普通当りカウンタは0〜30の範囲の値を取るものであり、遊技球が普通始動ゲート19を通過するとその時点の普通当りカウンタの値が抽出される。そして抽出された普通当りカウンタ値は、所定の当り値と比較され、抽出された普通当りカウンタ値が該当り値と一致していた場合には内部的に「当り(普通図柄の当選)」となり、不一致であった場合には「ハズレ」となる。ここで、普通当りカウンタ値が当り値と一致する当選確率としては、通常遊技状態で1/10、確変遊技状態で9/10となるように制御処理している。尚、記憶装置RAMには、遊技球の普通始動ゲート19を遊技球が通過した時に取得された普通当りカウンタ値を記憶する始動記憶領域も設けられており、最大2個の普通当りカウンタ値を発生順に記憶する。そして、最先の普通当りカウンタ値を消化し、これに従って普通図柄表示装置16を変動して停止する。
上記した各始動記憶領域毎に記憶されている第一特別始動記憶データの記憶数と第二特別始動記憶データの記憶数とが、記憶装置RAMに記憶保持され、各記憶数に従って、第一特別始動記憶数表示装置17aと第二特別始動記憶数表示装置17bとを点灯する。同様に、普通当りカウンタ値の記憶数に従って、普通始動記憶数表示装置18を点灯する。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、普通始動ゲート19、特別入賞装置22、普通電動役物23、特別電動役物26、一般入賞装置29等が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物23や特別電動役物26等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
上記の図柄表示制御基板62には、演出表示装置14の表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、その表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の表示態様を表示するデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバにより、前記データに従って演出表示装置14に所定態様で表出させる。
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを、出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータにより、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板64には、特別図柄表示装置15、普通図柄表示装置16、第一特別始動記憶数表示装置17a、第二特別始動記憶数表示装置17b、普通始動記憶数表示装置18等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、LEDやランプ等の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LED,装飾ランプ等を所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、LEDやランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定のLEDやランプ等を点灯、点滅させる。すなわち、この光源制御基板64及び主制御基板60等により、本発明に係る特別図柄制御手段が構成される。
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを、出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板65には、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行う機外装置であるプリペイドカードユニットが、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続されており、遊技球の残球データ等をやり取りする。
上記の発射制御基板66には、球発射装置36等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板66の入力ポートには回動角度検知センサ33が接続され、回動角度検知センサ33から発射ハンドル9の回動操作角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板66の出力ポートには球発射装置36のロータリーソレノイド38が接続される。発射制御基板66は、回動角度検知センサ33からの入力信号に応じた電圧強度でロータリーソレノイド38を間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の回動操作角度に応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。また、発射制御基板66は、その入力ポートを介して主制御基板60から発射停止信号を受信すると、発射ハンドル9の回動操作角度αとは無関係に球発射装置36の作動を停止させる。
次に、本実施例のパチンコ機1の基本的な遊技作動を、図1〜5を参照して簡単に説明する。なお、本実施例のパチンコ機1の基本的な遊技作動は、既存のパチンコ機と同様であるため詳細な説明は省略する。
本発明のパチンコ機1にあっては、通常の遊技状態(通常遊技状態)に加え、特別図柄の当選確率が通常確率よりも高確率となる確変遊技状態と、特別図柄の当り(大当り)によって開始される上記特別遊技状態といった三つの遊技状態がある。また、特別遊技状態には、多くの賞球を獲得可能な通常特別遊技状態と、ほとんど賞球を獲得できない突確特別遊技状態とがある。
通常遊技状態及び確変遊技状態にあっては、遊技球が球発射装置36から遊技盤10の遊技領域12に発射され、該遊技球がいずれかの特別始動口20a,20bを通過した場合、乱数抽選が行われて特別始動記憶データが生成される。そして、生成された特別始動記憶データに基づいて図柄生成行程が順次実行される。図柄生成行程が開始されると、特別図柄表示装置15でLEDが点滅し、特別図柄が変動開始する。そして、各特別図柄が点滅を停止すると、遊技者に特別図柄の停止図柄態様を認識させるため、特別図柄を一定時間(約1秒)停止表示する。ここで、いずれかの特別図柄が当り停止図柄態様で停止表示されると大当りとなり、後述の特別遊技状態に移行する。
また、通常、図柄生成行程の実行中は、スピーカや装飾用ランプが所定態様で作動し、また、演出表示装置14の表示画面で演出用の図柄が変動する。ここで、表示画面では、場合によって遊技者の大当りへの期待感を高めるいわゆるリーチ変動が実行される。かかるリーチ変動を実行する場合には、当り停止図柄態様で確定表示する頻度が高くなるように設定されており、遊技者はリーチ変動により大当りの期待感を高めるとともに、表示画面での多様な演出態様により、演出用図柄の変動が停止するまで興奮を持続させることができる。さらに、図柄生成行程における当りまたははずれの停止図柄態様に従って、所定の停止図柄態様に対応した演出用の停止図柄を演出表示装置14で表示する。そのため、遊技者は、演出表示装置14を注視することにより、図柄生成行程で当り又ははずれのいずれで確定したかを容易に知ることができる。このように図柄生成行程は、特別図柄表示装置15と、該特別図柄表示装置15の変動態様および停止図柄態様に対応して演出表示する演出表示装置14とによって、実行表示するように制御している。
特別図柄表示装置15で実行する図柄生成行程は、第一または第二特別始動記憶データを記憶していれば、ハズレ停止図柄態様で停止する毎に次々に実行する。一方、当り停止図柄態様で停止した場合には、特別遊技状態に移行するために該特別図柄遊技状態の終了まで実行されない。また、遊技球の特別始動口20a,20bへの通過によって生成された特別始動記憶データは、当該特別始動記憶データに基づく図柄生成行程が開始されるまで記憶保持される。ここで、遊技球の第一特別始動口20a通過によって生成された特別始動記憶データは、4個を上限として記憶保持され、その記憶数が第一特別始動記憶数表示装置17aに表示される。一方、遊技球の第二特別始動口20b通過によって生成された特別始動記憶データは、4個を上限として記憶保持され、その記憶数が第二特別始動記憶数表示装置17bに表示される。そして、このように特別始動記憶数表示装置17a,17bが点灯している場合には、一個消灯して、図柄生成行程を実行する。尚、本実施例にあっては、第一特別始動記憶数表示装置17aと第二特別始動記憶数表示装置17bとの両方が点灯して両方の特別始動記憶データを記憶保持している場合には、第二特別始動記憶データを優先して消化するように処理している。
次に、通常遊技状態及び確変遊技状態での普通図柄表示装置16の変動態様について概説する。
遊技球が普通始動ゲート19を通過すると、普通図柄表示装置16の一個のLEDが点滅開始して、普通図柄が変動開始する。一方、この普通図柄表示装置16の点滅中又は普通電動役物23の開放動作中に、遊技球が普通始動ゲート19を通過すると、普通始動記憶数表示装置18のLEDの点灯数(最大二個)を追加し、未実行の変動回数を遊技者に報知する。
普通図柄は所定時間経過すると変動を停止し、当り態様又はハズレ態様で停止表示する。そして当り態様で停止表示した場合には普通電動役物23の拡開作動が実行されて第二特別始動口20bが所定時間開放状態となる。普通図柄の停止表示後、又は普通電動役物23の開放動作終了後に、普通始動記憶数表示装置18のLEDが点灯している場合には、該LEDが一つ消灯し、普通図柄は再び変動開始することとなる。
次に、通常遊技状態と確変遊技状態の違いを説明する。
確変遊技状態は、図5(A)に示すように、通常遊技状態に比して高確率で特別図柄が当たりやすくなる遊技状態である。具体的には、通常遊技状態中の当選確率が1/300であるのに対し、確変遊技状態では当選確率が1/30となるので、確変遊技状態は通常遊技状態よりも10倍当り易い有利な状態といえる。また、確変遊技状態では、特別図柄を変動表示する平均時間(図柄生成行程に要する平均時間)が通常遊技状態の半分に短縮されるとともに、普通図柄の変動時間も通常遊技状態よりも短縮される。さらには、確変遊技状態では、普通図柄の当選確率が通常遊技状態(1/10)よりも高確率(9/10)となるとともに、普通電動役物23拡開作動する時間も通常遊技状態の0.2秒に比して2秒に延長されて、第二特別始動口20bが長時間開放される。このように確変遊技状態では、普通電動役物23の開放頻度や開放時間が増えることで、第二特別始動口20bが開放状態となる割合が向上する。このため、通常遊技状態では、専ら遊技球は第一特別始動口20aに入賞し、第二特別始動口20bに入賞することは稀であるが、確変遊技状態では遊技球が第二特別始動口20bへ入賞し易くなり、第二特別始動口20bへの入賞頻度が第一特別始動口20aへの入賞頻度を上回ることとなる。
次に、特別遊技状態について説明する。
特別遊技状態は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する遊技状態であり、上述のように、通常遊技状態又は確変遊技状態で特別図柄表示装置15で当り停止図柄態様を停止表示して大当りとなると開始され、所定回数の開閉ラウンドを終了すると特別遊技状態が終了し、通常遊技状態又は確変遊技状態へ移行する。特別遊技状態は、多量の賞球を獲得し得る通常特別遊技状態と殆ど賞球を獲得できない突確特別遊技状態がある。通常特別遊技状態では、図5(B)のように、大入賞口25が最大30秒間開放して閉鎖すると一回の開閉ラウンドが終了する。そして、この開閉ラウンドを16回繰り返すことによって通常特別遊技状態が終了する。この通常特別遊技状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。一方、突確特別遊技状態では、大入賞口25が0.2秒間開放しただけで閉鎖して、一回の開閉ラウンドが終了する。そして、この開閉ラウンドを2回繰り返すことによって突確特別遊技状態が終了する。この突確特別遊技状態は、1秒に満たない時間で終了するため、大入賞口25への入賞は期待できず、遊技者は賞球をほとんど獲得できない。
本実施例のパチンコ機にあっては、図5(B)に示すように、特別図柄の当選種類は、通常特別遊技状態の実行後に通常遊技状態に移行する「通常大当り」と、突確特別遊技状態の実行後に確変遊技状態に移行する「突確大当り」と、通常特別遊技状態の実行後に確変遊技状態に移行する「確変大当り」とに分けられる。
特別図柄の当選種類は、特別始動記憶データに含まれる図柄カウンタ値によって決定される。ここで、図5(B)に示すように、第一特別始動口20aへの入賞に基づく図柄生成行程で大当りとなった場合、通常大当りとなる確率が25%,突確大当りとなる確率が50%、確変大当りとなる確率が25%である。一方、第二特別始動口20bへの入賞に基づく図柄生成行程で大当りとなった場合、通常大当りとなる確率が25%、確変大当りとなる確率が75%である。すなわち、第二特別始動口20b入賞で大当りになった場合には、100%の確率で通常の特別遊技状態(30秒16回の開閉ラウンド)に移行して遊技者が多量の賞球を獲得できるのに対し、第一特別始動口20a入賞で大当りになった場合には、50%の確率で突確特別遊技状態(0.2秒2回の開閉ラウンド)に移行して遊技者は殆ど賞球を獲得できなくなるため、第二特別始動口20bに係る図柄生成行程で大当りになった場合の方が、第一特別始動口20aに係る図柄生成行程で大当りとなった場合よりも、遊技者はより多くの遊技球を獲得できる見込みがある。さらに言えば、第一特別始動口20aに係る図柄生成行程と、第二特別始動口20bに係る図柄生成行程とは大当りとなる確率は同じであるから、図柄生成行程の結果として期待される利得は、第二特別始動口20b入賞に係る第二特別始動記憶データに基づく図柄生成行程の方が、第一特別始動口20a入賞に係る第一特別始動記憶データに基づくものよりも期待利得が大きい。
尚、本実施例にあっては、上記した第一特別始動記憶データを消化して図柄生成行程を実行する際に、当該第一特別始動記憶データの大当りカウンタ値が当りであり且つ図柄タウンタ値が突確大当りであった場合には、変動時間の短い図柄生成行程を選択して実行すると共に、センターケース13の演出表示装置14で当該図柄生成行程に対応する演出表示を実行しない。これにより、遊技者には、突確大当りとなったことが分かり難く、さらに突確特別遊技状態が実行されたことも分かり難くなっている。そのため、見かけ上、通常遊技状態から確変遊技状態へいきなり変換したようにする遊技を実行でき、遊技の興趣性を高めている。ここで、突確大当りの場合の図柄生成行程中に演出表示装置14で表示する図柄態様としては、図柄生成行程と全く無関係の演出図柄を表示しても良いし、はずれの停止図柄を確定するようにした仮の演出態様を実行するようにしても良い。
次に、本実施例のパチンコ機1の制御処理について、図6〜11に従って説明する。
図6は、主制御用中央制御装置CPUで所定間隔(2ms)で実行されるメイン処理の制御内容を示すフローチャートである。このメイン処理によって、遊技の主要な制御処理が実現される。
メイン処理では、入賞に係る制御処理を行う入賞検出処理、各種乱数カウンタの値を更新するカウンタ値更新処理、異常検出処理、特別図柄の当選判定等を行う特別始動口処理、普通図柄の当選判定等を行う普通始動口処理、特別図柄の表示制御等を行う特別図柄処理、普通図柄の表示制御を行う普通図柄処理、特別遊技状態に係る制御を行う大入賞口処理、普通電動役物23の作動制御を行う普通電動役物処理、遊技球の打ち分けを判定する打ち分け処理、各制御基板へ制御コマンドを出力するコマンド出力処理の各サブルーチンを順番に実行する。ここで、打ち分け処理は、本発明の要部にかかるため、その詳細は後述する。また、このメイン処理の制御処理内容は、従来のパチンコ機で採用されているものである。そのため、遊技球の入賞に関する制御処理について説明し、その他の制御処理についてはその説明を省略する。
上記した入賞検出処理では、図7のように、第一特別始動口20a、第二特別始動口20b、一般入賞口28、大入賞口25、普通始動ゲート19への入賞があるか否かを夫々に判定する。第一特別始動口20aおよび第二特別始動口20bへの入賞があると判定した場合には、それぞれ賞球数のコマンドをセットし、夫々の記憶数が4個以上であるか否かを判定し、4個より少ないと、第一特別始動記憶データおよび第二特別始動記憶データを夫々生成し記憶する。また、一般入賞口28および大入賞口25への入賞がある場合には、夫々の賞球数のコマンドをセットする。また、普通始動ゲート19への入賞がある場合には、その記憶数が2個以上であるか否かを判定し、2個より少ないと、普通当りカウンタ値を抽出して記憶する。
上記した特別始動口処理では、図8のように、図柄生成工程の実行中(特別図柄の変動中)または特別遊技状態であるか否かを判定し、いずれにも該当しない場合に、第二特別始動記憶データの記憶数が存在すると、該第二特別始動記憶データを消化して特別図柄表示装置15で図柄生成行程を開始する。また、第二特別始動記憶データが記憶されていない場合には、第一特別始動記憶データが記憶されているか否かを確認し、記憶されていると、該第一特別始動記憶データを消化して特別図柄表示装置15で図柄生成行程を開始する。
ここで、第二特別始動記憶データが記憶されている場合には、最先に記憶された第二特別始動記憶データを読み込み、読み込んだ当該データを消去し且つ記憶数を1減算する処理を行う。さらに、特別始動フラグ=1とし且つ図柄変動開始フラグ=1とする。一方、第二特別始動記憶データが記憶されておらず、第一特別始動記憶データが記憶されている場合には、最先に記憶された第一特別始動記憶データを読み込み、読み込んだ当該データを消去し且つ記憶数を1減算する処理を行う。この場合には、特別始動フラグ=0で維持し且つ図柄変動開始フラグ=1とする。このように第一または第二特別始動記憶データを消化すると、確変フラグ=0の場合には通常確率時の大当り値をセットし、確変フラグ=1の場合には高確率時の大当り値をセットする。そして、読み込んだデータの大当りカウンタ値が大当り値と一致するか否かを判定し、一致した場合には、確変フラグ=0とし且つ大当りフラグ=1として、当選種類の振分けを行う当選種別処理に移行する。一方、大当りカウンタ値が大当り値と一致しない場合には、ハズレフラグ=1とする。
上記した当選種別処理は、図9のように、特別始動フラグ=1であるか否かを判定し、該特別始動フラグ=1の場合には、第二特別始動口20b入賞に係る特別始動記憶データ用の第二当選種別判定値をセットし、また、特別始動フラグ=0の場合には、第一特別始動口20a入賞に係る特別始動記憶データ用の第一当選種別判定値をセットする。そして、読み込んだ第一または第二特別始動記憶データの図柄カウンタ値が、当選種別判定値の通常当り値と一致するか否かを判定し、一致しない場合には突確当り値と一致するか否かを判定する。ここで、通常当り値と一致した場合には、通常当りフラグ=1とし且つ確変フラグ=0とする。また、通常当り値と一致せず且つ突確当り値と一致した場合には、通常当りフラグ=0とし且つ確変フラグ=1とする。また、通常当り値および突確当り値の両方と一致しない場合には、通常当りフラグ=1とし且つ確変フラグ=1とする。
上記した特別図柄処理は、図10のように、特別図柄表示装置15で特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動していない場合には、図柄変動開始フラグ=1か否かを判定する。ここで、図柄変動開始フラグ=1の場合には、図柄生成行程での特別図柄の変動態様及び停止図柄態様、さらには、図柄生成行程中に演出表示装置14で表示する演出態様を決定するための特別図柄変動停止態様選択処理を行う。そして、変動時間計測用のタイマをセットし、特別図柄変動停止態様選択処理で選択した変動態様を特別図柄表示装置15で表示するための変動コマンドをセットし、さらに、選択した演出態様を演出表示装置14で表示するための演出態様を選択してその演出コマンドをセットして、最後に図柄変動開始フラグ=0とする。尚、上記した通常当りフラグ=0の場合には、突確大当りであることから、特別図柄変動停止態様選択処理により、演出表示装置14で表示するための、突確大当りと無関係の演出態様を選定すると共に、特別図柄表示装置15で表示するための、突確大当りに応じた変動態様を選定する。さらに、短い変動時間計測用のタイマをセットする。
一方、特別図柄が変動中の場合には、変動時間が終了したか否かを判定し、変動時間が終了していると、ハズレフラグ=1であるか否かを判定する。そして、ハズレフラグ=1でない場合は、上記の特別図柄変動停止態様選択処理で選択した当り停止図柄態様により特別図柄を停止表示させるための停止コマンドをセットし、続いて、大当りフラグ=0として、特別遊技状態中を示す特別遊技フラグ=1とする。また、ハズレフラグ=1である場合には、上記の特別図柄変動停止態様選択処理で選択したハズレ停止図柄態様で特別図柄を停止表示させるための停止コマンドをセットし、ハズレフラグ=0とする。
上記した大入賞口処理は、図11のように、特別遊技フラグ=1であるか否かを判定し、特別遊技フラグ=1であると判定した場合は、大入賞口25が開放中であるか否かを判定する。大入賞口25が開放していない場合には、通常当りフラグ=1であると、開放タイマに「30秒」をセットし、通常当りフラグ=0であると、開放タイマに「0.2秒」をセットする。そして、特別電動役物26の駆動ソレノイドをONにする。
一方、大入賞口25が開放中である場合には、開放タイマが開放時間を計測終了したか否かを判定し、計測終了していないと、大入賞口25に入賞した入賞数が9個以上か否かを判定する。ここで、開放タイマが計測終了したか、または入賞数が9個以上である場合には、特別電動役物26の駆動ソレノイドをOFFにして大入賞口25を閉止し、特別遊技状態中の開閉ラウンドの回数をカウントするためのラウンド数Rに1加算して、前記入賞数をリセットする。続いて、ラウンド数RがR≧16であるか否かを判定し、R≧16であると判定した場合はラウンド数Rをリセットして、特別遊技フラグ=0とする。また、R≧16でないと判定した場合は、通常当りフラグ=0であり且つラウンド数RがR≧2あると、ラウンド数Rをリセットし、特別遊技フラグ=0とする。
以上の制御処理において、本発明にかかる特別図柄制御手段としては、上記した特別始動口処理、当選種別処理、特別図柄処理を行う主制御基板60、図柄表示制御基板62、光源制御基板64等により構成されている。また、本発明にかかる遊技状態制御手段としては、上記した特別始動口処理、当選種別処理、特別図柄処理、大入賞口処理を行う主制御基板60等により構成されている。
次に、本発明の要部について説明する。
本実施例のパチンコ機1にあっては、上述したように、通常遊技状態では遊技領域12の右側の第一球流下領域12aへ向けて遊技球を発射し、確変遊技状態および特別遊技状態では遊技領域12の左側の第二球流下領域12bへ向けて遊技球を発射するように、遊技球を打ち分けることにより、遊技の興趣を向上できるようにしている。これは、通常遊技状態では、普通始動ゲート19を遊技球が通過しても普通電動役物23が開放する確率が低く(1/10)、かつ開放時間が短い(0.2秒)ことから、第二特別始動口20bに遊技球が入賞することが極めて難しい。そのため、通常遊技状態では、通常、常時開放している第一特別始動口20aが配設された第一球流下領域12aに向けて遊技球が発射される。一方、確変遊技状態では、普通電動役物23が高確率(9/10)で開放し、かつ開放時間も長い(2秒)ことから、第二特別始動口20bに入賞し易くなる。そして、第二特別始動口20bに入賞して大当りとなると、「通常大当り」か「確変大当り」のいずれかになるため、遊技者の得る利益が大きい。そのため、確変遊技状態では、通常、第二球流下領域12bへ向けて遊技球が発射される。さらにまた、特別遊技状態では、大入賞口25が開放するため、第二球流下領域12bへ向けて遊技球が発射される。
このように遊技球を打ち分けることにより、遊技者が適正な利益を得ることができるため、遊技球の打ち分けが適正に行われているか否かを判定し、打ち分けされていない場合に、打ち分けすることを遊技者に促す報知を行うようにしている。このように遊技球の打ち分けをしているか否かの判定と報知とを行う打ち分け処理(図13,14,16,18参照)について、以下の実施例1〜4に示す具体例により説明する。
実施例1の構成にあっては、図12のように、遊技盤10に形成された球導入路45に、球発射装置36により発射された遊技球pを検知する非接触型センサ41,41が所定距離をおいて二箇所配設されている。この非接触型センサ41,41としては、発光部と受光部とを一つのケース体内に配設してなる反射型のフォトセンサを用いており、発光部と受光部とが球導入路45内に向くようにしてガイドレール11の外側に埋め込められて配設されている。ここで、ガイドレール11は長尺状の金属製薄板を湾曲して形成されており、非接触型センサ41,41が臨む部位を開口し、当該開口部に光を透過する透光性板材が嵌め込まれて、その表面が滑らかな曲面状となっている。これにより、遊技球pが当接しながら通過しても、該遊技球pの進行を阻害しないようにしている。また、各非接触型センサ41,41と対向するガイドレール11の内側には、受光部から発射した光を反射する薄板状の反射板42,42が嵌め込まれている。各非接触型センサ41,41は、発光部から発射して反射板から反射した光を受光部により受信する。そして、遊技球pが通過すると、発光部から発射した光が遊技球pによって妨げられるために、遊技球pを非接触により検知することができる。二つの非接触型センサ41,41は、盤面中継基板61を介して主制御基板60に接続されており、発光部から光を定期的(例えば2ms毎)に発射する指令信号を主制御基板60から入力すると共に、遊技球pの検知信号を主制御基板60へ出力する。主制御基板60は、各非接触型センサ41,41から入力した各検知信号の時間差を計測し、該時間差と各非接触型センサ41,41間の距離とに基づいて遊技球pの球速αを算出する。
尚、上記の非接触型センサ41,41は、球導入路45の下流側(上部側)に、比較的広い間隔をおいて配設されている。このように配設することにより、遊技領域12の右側(第二球流下領域12b)と左側(第一球流下領域12a)とに打ち分けられる速度差を明確化できるようにしている。これは、球導入路45の下流側では、球発射装置36により打圧された時よりも減速しており、比較的速度差がはっきりし易いためである。
この実施例1では、上記のように、非接触型センサ41,41による遊技球pの検知信号に従って算出した遊技球pの球速αが、第二球流下領域12bへ進行するために要する球速として設定した有利球速閾値βより大きいか否かを判定する。この判定により、通常遊技状態、確変遊技状態、特別遊技状態の各遊技状態に適した打ち分けが行われているか否かを判断する打ち分け処理を行う。そして、各遊技状態に適した打ち分けが行われていない場合には、それを報知することにより、遊技者に打ち分けを行うように促す。ここで、有利球速閾値βとしては、遊技球pが第二球流下領域12bへ進行するために必要な最下限の球速に設定している。そのため、非接触型センサ41,41の検知に基づいて算出した遊技球pの球速αが、有利球速閾値βより大きいと、遊技球pは第二球流下領域12bへ進行し、有利球速閾値βより小さいと、遊技球pは第一球流下領域12aへ進行する。すなわち、遊技球pの球速αが、有利球速閾値βよりも小さいか否かを判定することにより、遊技球pを第二球流下領域12bと第一球流下領域12aとに打ち分けているか否かを判定でき得る。
打ち分け処理は、図13のように、確変フラグ=1か否かと特別遊技フラグ=1か否かの判定を行い、通常遊技状態(両者共に「0」の場合)、確変遊技状態(確変フラグ=1かつ特別遊技フラグ=0の場合)、特別遊技状態(特別遊技フラグ=1の場合)のいずれであるか判定する。確変遊技状態または特別遊技状態である場合には、球速計測処理(図示せず)により、各非接触型センサ41,41により順に検知した遊技球pの各検知時間に基づいて、球導入路45を通過する当該遊技球pの球速αを算出する。そして、この球速αが、上記した有利球速閾値βより小さいか否かを判定する。ここで、有利球速閾値β以上であると、当該打ち分け処理を終了する。一方、球速αが有利球速閾値βより小さいと、予め設定した操作時間の計測を開始する。そして、操作時間が経過するまでの間に、遊技球pの球速βが有利球速閾値βより大きくならなければ、打ち分け報知処理を行う。尚、操作時間の経過前に有利球速閾値βより大きくなると、操作時間の計測を終了する。
上記した打ち分け報知処理(図示せず)では、第二球流下領域12bへ向けて遊技球pを発射することを促す有利打ち分け報知または特別打ち分け報知を行う。本実施例1では、この有利打ち分け報知として、確変遊技状態では、センターケース13の演出表示装置14で「確変中です。右打ちして下さい」との表示を複数回表示すると共に、スピーカーから所定の音を発するように処理する。一方、特別遊技状態では、特別打ち分け報知として「大当り中です。右打ちして下さい」との表示を複数回表示すると共に、スピーカから所定音を発する。このように有利打ち分け報知や特別打ち分け報知を行うことにより、遊技者に、確変遊技状態や特別遊技状態で右打ちを促すことができる。
また、通常遊技状態である場合には、球速計測処理により球導入路45を通過する遊技球pの球速αを計測し、該球速αが有利球速閾値βより小さいか否かを判定し、有利球速閾値βより大きいと、上記した操作時間の計測を開始する。そして、操作時間の経過までに、球速αが有利球速閾値βより小さくならなければ、打ち分け報知処理を行う。この場合には、打ち分け報知処理により、第一球流下領域12aへ向けて遊技球pを発射することを促す通常打ち分け報知を行う。この通常打ち分け報知は、センターケース13の演出表示装置14で「左打ちして下さい」との表示を複数回表示すると共に、スピーカーから所定の音を発するように処理する。これにより、遊技者に、通常遊技状態で左打ちを促すことができる。
尚、本実施例にあって、上記した操作時間の計測中に、遊技状態が変換した場合には、図示しない割り込み処理により、操作時間の計測を終了して、操作時間フラグ=0とする処理を実行する。また、上述した突確特別遊技状態は、その状態の継続時間が極めて短いことから、実質的に操作時間を計測できないため、打ち分け処理が行われないことと同じである。
このように各遊技状態に適した遊技球pの打ち分けが行われるようにすることにより、各遊技状態に応じた利益を遊技者が享受できる。すなわち、通常遊技状態では、上述したように第二特別始動口20bに入賞し難いことから、第一特別始動口20aを配設した左側の第一球流下領域12aへ向けて遊技球pを発射するように促す。また、確変遊技状態では、上述したように第二特別始動口20bへ入賞する確率が高くなるため、該第二特別始動口20bを配設した右側の第二球流下領域12bへ向けて遊技球pを発射するように促す。また、特別遊技状態では、上述したように大入賞口25を開放する開放ラウンドが実行されることから、該大入賞口25を配設した右側の第二球流下領域12bへ向けて遊技球pを発射するように促す。
さらに、打ち分け処理では、球導入路45を通過する遊技球pの球速αが有利球速閾値βより小さいか否かによって、遊技者が適正な打ち分けを行っているか否かを判断するようにしていることから、遊技者が適正に打ち分けを行っている場合には、上記した打ち分け報知処理が行われない。ここで、遊技領域12に発射された遊技球pは、遊技領域12に配設した釘に跳ね返るために、右打ち又は左打ちしていても、反対側へ遊技球pが流下してしまうこともあり得る。このような場合にも、本実施例の打ち分け処理では、遊技者が打ち分けを行っていると判断できるため、打ち分けを促す打ち分け報知を実行しない。したがって、遊技者が実行している打ち分け行為と、打ち分け報知の実行有無とが確実に一致するため、打ち分けているときに打ち分け報知を実行してしまい、遊技者に不快感や不信感を与えることが無い。
さらにまた、非接触型センサ41,41は、非接触で遊技球pを検知する光電センサであり、ガイドレール11の外側に配設されていることから、球導入路45を通過する遊技球pの進行方向や勢いを阻害しない。そのため、遊技者が回動操作する発射ハンドル9に従って発射される遊技球pの発射強度が安定し、遊技球pの打ち分けを行い易い。さらに、遊技球pの発射強度を調整する際にも、該調整を安定して行い易いため、上記した各入賞口へ向けた遊技球pの発射調整を安定して行い得る。また、このように、遊技球pを検知するために配設された部材(非接触型センサ41,41)によって、遊技球pの進行が影響を受けないことから、遊技球pの行き先への期待感が維持され、遊技球pの入賞口や始動口等への入賞を期待して一喜一憂する興趣が充分に発揮され得る。
本実施例1にあって、本発明にかかる打ち分け報知制御手段として、打ち分け処理(および球速計測処理、打ち分け報知処理)を実行する主制御基板60、図柄制御基板62等により構成されている。また、本発明にかかる打ち分け報知装置が、演出表示装置14等により構成されている。また、球速計測処理内容が球速計測処理であり、打ち分け報知処理内容が打ち分け報知処理であり、球速判定処理内容が、打ち分け処理により構成されている。
尚、本実施例にあっては、各非接触型センサ41,41によって遊技球pを検知した時間差によって球速αを算出して有利球速閾値βと比較するように処理しているが、非接触型センサ41,41間の距離が一定であることから、この検知時間の時間差により球速αに代用可能である。そのため、検知時間の時間差として、第二球流下領域12bへ進行する球速αに相当する閾値(すなわち、有利球速閾値)を設定し、この閾値により非接触型センサ41,41の検知時間の時間差を判定するようにしても良い。この場合にも、球速αを有利球速閾値βにより判定していることと同義である。
実施例2の構成にあっては、その打ち分け処理として、遊技状態が変換した場合に、第一球流下領域12aと第二球流下領域12bとへの遊技球pの打ち分けが行われたか否かを、遊技状態の変換前後における球速の変化量(球速変化量)により判定し、打ち分けが行われていないと、打ち分けを促す報知を行うようにしたものである。そして、打ち分けを判定するために、遊技球pの球速変化量として球速増減閾値γを設定しており、遊技状態の変換前後の球速変化量が球速増減閾値γより小さいか否かにより、打ち分けされているか否かを判定する。
尚、上記した通常特別遊技状態から確変遊技状態へ変換する場合には、同じ第二球流下領域12bへ向けて遊技球pを発射するため、球速変化量が大きいと、第一球流下領域12aへ向けて発射することとなる。そのため、この場合には、他の変換の場合と逆に、球速変化量が球速増減閾値γより大きいと、打ち分け報知処理へ移行する。
先ず、通常遊技状態から特別遊技状態へ移行した場合に、遊技球pの打ち分けを判断する処理としては、図14の大入賞口処理により、大入賞口開放前で且つ通常当りフラグ=1の場合に、開放タイマに30秒をセットすると共に、予め設定した速度確認時間をセットし、球速変化フラグ=1とする。一方、図15に示す打ち分け処理では、球速計測処理により、非接触型センサ41,41の遊技球検知に基づいて球速αを算出し、前記した球速変化フラグ=0の場合に、当該球速αを変化基準速度α1として記憶して、次々に更新する。そして、球速変化フラグ=1の場合には、直前に更新した変化基準速度α1と球速αとの速度差によって球速変化量(=|α−α1|)を算出し、この球速変化量が、予め設定した球速増減閾値γよりも小さいか否かを判定する。ここで、前記球速変化量が球速増減閾値γ以上の場合には、速度確認時間の計測を終了し且つ球速変化フラグ=0とする。一方、球速変化量が球速増減閾値γよりも小さい場合には、速度確認時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ打ち分け処理を終了し、経過していれば打ち分け報知処理を実行する。
同様に、特別遊技状態が突確当りにより実行される突確特別遊技状態の場合には、図14のように、ラウンド数が2ラウンドに達すると、上記した速度確認時間をセットし、球速変化フラグ=1とする。そして、図15の打ち分け処理により、変位基準速度α1と球速αとによる球速変化量が、球速増減閾値γよりも小さいか否かを判定する。この判定結果に従って、打ち分け報知処理の実行有無が決まる。ここで、突確大当りの場合には、上述したように、その図柄生成行程に従った演出を演出表示装置14で行わないようにしていることから、通常、突確大当りとなったことが分かり難い。特に、突確大当りによる図柄生成行程の変動時間も短時間化していることから、見かけ上、通常遊技状態から確変遊技状態へ直接移行しているようになる。そのため、遊技者は、通常遊技状態で第一球流下領域12aへ向けて発射していた状態から、確変遊技状態で第二球流下領域12bへ発射する状態へ、直接的に発射ハンドル9を回動操作する。このような場合には、上記した通常遊技状態から特別遊技状態へ移行した場合と同様に、遊技球pの球速変化量(=|α−α1|)が、球速増減閾値γ以上の場合に、遊技球pの打ち分けが行われたと判定し、また、球速増減閾値γより小さい場合には打ち分け報知処理を実行する。
さらに、通常特別遊技状態から通常遊技状態へ変換される場合にあっても、同様の打ち分け処理を行う。すなわち、図14の大入賞口処理で、ラウンド数が16ラウンドに達して確変フラグ=0の場合には、上記した速度確認時間をセットし、球速変化フラグ=1とする。そして、図15の打ち分け処理により、変化基準速度α1と球速αとによる球速変化量が、球速増減閾値γよりも小さいか否かを判定し、球速増減閾値γよりも小さい場合には、速度確認時間が経過したか否かを判定して、経過していれば打ち分け報知処理を実行する。この打ち分け報知処理により、第一球流下領域12aへの発射を促す通常打ち分け報知を行う。
また、通常特別遊技状態から確変遊技状態へ変換する場合にあっては、上記した球速変化量が球速増減閾値γより小さい場合に、第二球流下領域12bへ打ち分けていると判定する。すなわち、大入賞口処理で、図14のように、ラウンド数が16ラウンドに達すると、確変フラグ=1か否かを判定し、確変フラグ=1の場合には上記した速度確認時間をセットし、球速変化フラグ=2とする。そして、打ち分け処理では、図15のように、球速変化フラグ=2の場合には、変化基準速度α1と球速αとによる球速変化量が、球速増減閾値γよりも小さいか否かを判定し、球速増減閾値γよりも小さい場合には、第二球流下領域12bへ発射されていると判定して、速度確認時間の計測を終了し且つ球速変化フラグ=0とする。一方、球速増減閾値γ以上の場合には、速度確認時間が経過したか否かを判定して、経過していれば打ち分け報知処理を実行し、有利打ち分け報知を行う。尚ここで、通常の特別遊技状態から確変遊技状態へ移行する場合には、同じ第二球流下領域12bへ遊技球pを発射するのであるが、実質的には遊技球pの打ち分けを行っていることと同義であると言える。
尚、打ち分け処理にあっては、上述したように、球速変化フラグ=0の場合に変化基準速度α1を次々に更新するようにしているが、遊技者が発射ハンドル9から一時的に手を離してしまうこともあるため、球速α=0では更新しないようにしている。これにより、例えば、遊技状態が変換する際に、遊技者が発射ハンドル9から手を離した場合にも、その直前の球速αが変化基準速度α1として記憶されるため、これに基づいて、球速変化量を算出することができる。
本実施例2にあっても、打ち分け報知処理は、上述した実施例1と同様に実行される。通常の特別遊技状態に変換した場合に、第二球流下領域12bへ向けて遊技球pを発射していないと、特別打ち分け報知を行う。同様に、確変遊技状態に変換した場合には有利打ち分け報知を行い、通常遊技状態に変換した場合には通常打ち分け報知を行う。尚、突確特別遊技状態では、その状態の継続時間が極めて短いことから、打ち分けの判定や報知処理を行わない。
本実施例2の構成にあっても、確変遊技状態または通常の特別遊技状態となった際に右打ちしていないと右打ちを促す報知を実行し、通常遊技状態となった際に左打ちをしていないと左打ちを促す報知を実行することから、各遊技状態に応じた適正な利益を遊技者が享受できるという、上述した実施例1と同様の作用効果を奏し得る。また、各遊技状態へ変換した場合に遊技球pの球速変化量が球速増減閾値に比して大きいか否かによって、遊技者が打ち分けを行っているか否かを判断していることから、遊技者が打ち分けを行えば、打ち分け報知処理が実行されない。そのため、遊技者が打ち分けを行なっているにも関わらず、打ち分け報知が行われて遊技者に不快感を与えてしまうという問題を生じない。
尚、本実施例2にあって、上記した大入賞口処理や打ち分け処理(および打ち分け報知処理)以外については、実施例1と同じ制御処理と構成とを備えているため、詳細説明を省略すると共に同じ構成要素には同じ符号を記している。
実施例3の構成にあっては、図16のように、遊技球pの通過を検知する非接触型センサ71を、遊技盤10の、ガイドレール11の上端近傍に埋設している。この非接触型センサ71の埋設位置は、ガイドレール11に沿って右側の第二球流下領域12bへ進行する遊技球pが通過し、且つ左側の第一球流下領域12aへ進行する遊技球pが通過しない位置である。すなわち、ガイドレール11に沿って第二球流下領域12bへ進行する遊技球pは、非接触型センサ71上を通過し、第一球流下領域12aへ進行する遊技球pは、ガイドレール11から離間して流下するために、非接触型センサ71上を通過しない。これにより、非接触型センサ71では、第二球流下領域12bへ進行する遊技球pを検知できる。
尚、非接触型センサ71としては、電磁誘導を利用した高周波発振型の近接センサを適用している。そして、この近接センサは、その検出コイルにより発生した磁界に遊技球pが近づくと、検出コイルのインピーダンスが変化することによって、遊技球pを検知できるものであり、検知可能領域が存在する。本実施例3にあっては、前記の検知可能領域が比較的狭いものを用いており、第一球流下領域12aに流下する遊技球pがガイドレール11から離間する位置と、第二球流下領域12bに流下する遊技球pがガイドレール11から離間する位置との境界に可及的に近い部位に埋設している。このような埋設部位は、ガイドレール11の上端近傍部位となる。
この非接触型センサ71は、盤面中継基板61を介して主制御基板60に配設されており(図示せず)、検出コイルにより発生した磁界に遊技球pが近づいてインピーダンスが変化すると、その検知信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60へ出力する。
本実施例3の打ち分け処理としては、図17のように、予め設定した検知時間の計測を開始し、この検知時間中に、上記した非接触型センサ71により検知した遊技球pの検知数δをカウントする。そして、確変遊技状態(確変フラグ=1)および特別遊技状態(特別遊技フラグ=1)の場合には、検知時間が経過したときに、遊技球pの検知数δが所定の検知閾値ε以下であると、検知数δをリセットして打ち分け報知処理を行う。また、検知時間の経過までに、遊技球pの検知数δが検知閾値εを越えると、検知数δをリセットして、当該検知時間の計測を終了する。尚、検知時間の計測が終了しても、次の検知時間の計測が開始される。
ここで、上記した検知閾値εとしては、検知時間内に非接触型センサ71により検知される遊技球pの検知数δを判定するために設定されており、該検知数δが検知閾値εを越えれば、遊技球pが第二球流下領域12bへ向けて発射されていると判定し、また、検知数δが検知閾値ε以下であれば、遊技球pが球流下領域12aへ向けて発射されていると判断する。そのため、確変遊技状態または特別遊技状態の場合には、検知数δが検知閾値ε以下であると、第二球流下領域12bへの打ち分けが行われていないと判定し、打ち分け報知処理により第二球流下領域12bへの発射を促す有利打ち分け報知または特別打ち分け報知を実行する。
一方、通常遊技状態(確変フラグ=0かつ特別遊技フラグ=0)の場合には、検知時間内に遊技球pの検知数δが上記の検知閾値εを越えると、第二球流下領域12bへ遊技球pを発射していると判定し、検知数δをリセットし且つ検知時間を計測終了して、打ち分け報知処理を行う。この打ち分け報知処理により通常打ち分け報知を実行する。また、検知時間の経過終了したときに、遊技球pの検知数δが検知閾値ε以下であると、検知数δをリセットする。
本実施例3の構成にあっても、確変遊技状態または通常の特別遊技状態となった際に右打ちしていないと右打ちを促す報知を実行し、通常遊技状態となった際に左打ちをしていないと左打ちを促す報知を実行することから、各遊技状態に応じた適正な利益を遊技者が享受できるという、上述した実施例1と同様の作用効果を奏し得る。さらに、第二球流下領域12bへ進行する遊技球pを検知して、その検知数により遊技者が打ち分けを行っているか否かを判断しているため、遊技者が打ち分けを行っていれば、打ち分け報知処理が実行されない。そのため、遊技者が打ち分けを行なっているにも関わらず、打ち分け報知が行われて遊技者に不快感を与えてしまうという問題を生じない。また、非接触型センサ71は、遊技盤10に埋設され且つ非接触で検知するものであるため、遊技盤10の盤面上を進む遊技球pの進行方向を変えず且つその勢いを邪魔しない。そのため、遊技者が調整する遊技球pの発射強度に従って遊技球pの流下経路が定まり易く、この調整を容易に行い得る。
尚、本実施例3にあって、非接触型センサ71及び打ち分け処理(および打ち分け報知処理)以外については、実施例1と同じ制御処理と構成とを備えているため、詳細説明を省略すると共に同じ構成要素には同じ符号を記している。
実施例4の構成にあっては、図18のように、遊技球pの通過を検知する非接触型センサ81を、第二球流下領域12bの上部域を臨む左右両側に埋設している。この非接触型センサ81は、可視光線や赤外線などの信号光を発射する発光素子を備えた発射体81aと、該発射体81aから発射した信号光を受信する受光素子を備えた受信体81bとからなる透過型の光電センサにより構成されており、発射体81aと受信体81bとが対向するようにセンターケース13の右端上部とガイドレール11の右側上部とに配設されている。さらに、この発射体81aと受信体81bとを結ぶ直線上には釘やガイド部材などが配設されていないようにする。これにより、発射体81aから発射した信号光が一直線に受信体81bへ届き、該信号光が第二球流下領域12bの上部域を横断している。
この非接触型センサ81は、盤面中継基板61を介して主制御基板60に配設されており、主制御基板60からの発射指令信号に従って発射体81aから信号光を発射し、該信号光を受信した受信体81bから受信信号を主制御基板60へ出力する。ここで、主制御基板60は、2ms毎に発射指令信号を発信し、その受信信号を受信しており、2ms毎に信号光が第二球流下領域12bの上部域を横断するように発生維持されている。そして、この第二球流下領域12bの上部域を遊技球pが流下すると、前記信号光が遮られることにより、当該遊技球pを検知する。これにより、非接触型センサ81は、第二球流下領域12bを流下する遊技球pを確実かつ精度良く検知することができる。尚、第二球流下領域12bの上部域は、普通始動ゲート19の上方となる領域であることから、該第二球流下領域12bへ打ち分けていると判断でき得る。
本実施例4にあっては、上述した実施例3の場合と同様に、打ち分け処理(図16参照)により、予め設定した検知時間中に非接触型センサ81により検知した遊技球pの検知数δをカウントし、確変遊技状態または特別遊技状態である場合には、該検知数δが所定の検知閾値ε以下であると、第二球流下領域12bへ打ち分けを行っていないと判定して打ち分け報知処理を行う。一方、遊技球pの検知数δが検知閾値εを越えていれば、第二球流下領域12bへ打ち分けていると判定する。また、通常遊技状態では、遊技球pの検知数δが検知閾値εを越えていると、第一球流下領域12aへ打ち分けていないと判定して打ち分け報知処理を行い、一方、検知閾値ε以下であると、第一球流下領域12aへ打ち分けていると判断する。
このような実施例4の構成にあっても、上述した実施例3と同様の作用効果奏する。尚、本実施例4にあっては、非接触型センサ81を配設した以外は、上述した実施例3と同じ制御処理と構成であることから、その説明を省略し、同じ構成要素には同じ符号を記している。
このような実施例1〜4のパチンコ機にあって、第一特別始動口をセンターケース13直下の下方部12cに配設した構成であるが、第一球流下域12aに配設した構成としても良い。また、大入賞口は、第一特別始動口と同じ第一球流下領域に配設する構成としても良い。また、第一球流下領域と第二球流下領域とを、第一特別始動口および第二特別始動口の下方で合流し、この合流した領域に大入賞口を配設しても良い。
上述した実施例1〜4にあって、各センサは、異なる種類のものを適宜用いることも可能である。例えば、実施例4にあって、遊技盤に、第二球流下領域12bの上部域を横断するように近接センサ(実施例3参照)を所定間隔をおいて埋設するようにしても良い。
また、上述した実施例1〜4にあって、夫々に設定した時間や閾値などは、遊技状態に応じて適宜異なるように設定することも可能である。同様に、有利打ち分け報知、特別打ち分け報知、通常打ち分け報知にあっても、様々に設定することができ得る。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。