JP2008271989A - 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法 - Google Patents

沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008271989A
JP2008271989A JP2008213579A JP2008213579A JP2008271989A JP 2008271989 A JP2008271989 A JP 2008271989A JP 2008213579 A JP2008213579 A JP 2008213579A JP 2008213579 A JP2008213579 A JP 2008213579A JP 2008271989 A JP2008271989 A JP 2008271989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
submerged
submerged plant
water
floating island
plants
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008213579A
Other languages
English (en)
Inventor
Akita Tai
昭太 袋
Yoshihiko Shimada
義彦 島多
Hiroshi Kubota
洋 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
Priority to JP2008213579A priority Critical patent/JP2008271989A/ja
Publication of JP2008271989A publication Critical patent/JP2008271989A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02P60/216

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Abstract

【課題】沈水植物用人工浮島を沈水植物を餌等とする動物から保護し、設置水域での沈水植物群落の復元を行う。
【解決手段】沈水植物用人工浮島10をフロート40とフレーム31等から構成し、水深が上下できるようにする。フレーム31内に植栽基盤20を設ける。水没部分には沈水植物を餌とする魚等を防ぐネット51を、その上方には水鳥による沈水植物の攪乱を防止するネット52を設ける。沈水植物は、透明度が悪い当初は光の透過率が良い浅い水深で育て、生育するにつれて透明度を改善させ漸次水深を深くする。その状態で、沈水植物の種子等を水底に飛散させ周囲に群落を形成し、沈水植物用人工浮島10を撤去する。
【選択図】図1

Description

本発明は人工浮島に関する技術で、特に、沈水植物に適した植栽環境を確保し、沈水植物の形成を促進して水質浄化を効率的に進めるのに適用して有効な技術である。
池や湖沼、河川などに人工の浮体を浮かべ、それにヨシやキショウブなどの抽水植物を植栽する人工浮島は、水質浄化、生物の生息場、消波、景観の向上等の機能を有し、閉鎖性水域の水質浄化、消波構造物として適用されている。かかる人工浮島には、これまでにも様々な構造が提案されている。
一方、車軸藻、クロモ、フサモ、エビモ等々の水辺の沈水植物(沈水植物とは、原則、水面下に根・茎・葉のすべてが存在する植物であるが、ある時期にはミズニラのように葉先が水面上にでるものや、キクモのように水面上で花を咲かせる種もいる)群落は、閉鎖性水域の汚濁に伴う透明度の減少により、これらの沈水植物群落が生息していた水底に光が到達しなくなった結果、その多くが消失した。現在沈水植物は、全国各地で絶滅および絶滅が危惧されている。日本では水草の1/3がレッドデータブックに記載されている。
最近になってこれらの沈水植物群落には、水中の栄養塩の取り込み、底泥の巻上げ防止、動物プランクトンの隠れ家、底生動物の棲み家など水質浄化を初めとする様々な機能があることが明らかになってきた。生物の多様性の保全と合わせて、沈水植物群落を含めた水辺植性帯の復元の試みが自然再生事業として始まっている。
沈水植物の植栽基盤としては、例えば特許文献1に、植栽基盤の適切な水位変化が得られるように植栽基盤を上下できる構成が開示されている。また、特許文献2には、沈水植物としての明言はないものの、水に全体が水没して沈水植物と思われるものが、水上から水中に向かってゆるやかに傾斜させた重りを入れた植生基盤に生えている構成が開示されている。
特開平11−275990号公報 特開2002−119157号公報
沈水植物の再生、復元を試みるについては、次のような課題があることに本願発明者は気づいた。
すなわち、復元を試みるような水域では水の汚濁がかなりの程度進んで、透明度が低い。そのため、沈水植物群落は従来生息していた水深の深い場所では、光が届かず生育できない。水域の透明度にも依存するが、例えば、苗株や種子を散布しても水深30cm程度の浅い水域でしか発芽、生育することができない。
植栽や種子散布当初は沈水植物群落が一旦は再生するが、そのような浅い水深ではヨシなどの抽水植物やヒシなどの浮葉植物が生育できるため、最終的には沈水植物群落はこれらの植物が繁茂することにより、光を十分に得ることができず消失してしまう。沈水植物群落の再生、復元に大きな課題が残っている。
これまでに沈水植物を含む水生植物群落を復元する浮島が提案されているが、例えば特許文献1、2に記載の浮島構造の構成では、抽水植物や植生移行帯に焦点を当てているため、必ずしも沈水植物の復元に焦点を当てているとはいえない。従って、最適な沈水植物の植栽基盤はどのようなものかについての詳細は分からない。
そこで、本発明者は沈水植物の植栽基盤に関して種々研究、調査を行った結果、以下の問題点があることを見出した。かかる問題点は、これまでの湖沼沿岸域における沈水植物群落の再生の試みの結果得られたものであり、従来の浮島の構造では、再生、復元は難しいと言える。
草食性や雑食性魚類が沈水植物に与える食害
ソウギョ等の草食性の魚やハクレン等の雑食性の魚は、過去に湖沼等に繁茂する水草を除去するために人工的に放流され、沈水植物群落を消失させてしまった。このような食性の魚類が含まれる水域では、沿岸域に植栽することはもとより、沈水植物用の浮島を設置する際にも侵入防止策を講じなければ沈水植物を生育することはできない。
プランクトン食性魚の蝟集による沈水植物群落で増殖した動物性プランクトンの捕食
沈水植物群落内では、水域汚濁の原因となる植物プランクトンを捕食する(水質浄化作用のある)動物プランクトンが増殖することが知られている。しかし、植物群落繁茂前や繁茂したとしても雑食性や動物プランクトン食性の魚類が数多く蝟集すると、動物プランクトンが食い尽くされてしまい、動物プランクトンによる水質浄化機能を十分に発揮することができなくなる。かかる魚類の防止策を講じる必要がある。
カモ等の鳥類による沈水植物の食害、植栽基盤の攪乱
カモ等の鳥類は、浮島を営巣・休息の場とするだけでなく、水草を摂餌してしまう。また、浮島内を遊泳することで、水掻きで荒らしたり、植栽した沈水植物をくちばしで抜いてしまう等生育初期の沈水植物が植栽された植栽基盤を撹乱してしまう。かかる攪乱を防ぐ必要がある。
植物種や水質により生育可能水深が異なる
水域の水質により汚濁の程度が異なり、それに伴い光の透過する水深が大きく異なる。沈水植物種やその生育段階によって光要求条件が異なるため、植栽基盤の位置を上下させる必要がある。
風波の影響による沈水植物の繁茂限界
沈水植物群落を復元する上での問題として、風波の影響による植物の繁茂限界がある。風や波が強い水域では植栽基盤が移動し、沈水植物群落の根の固着能力が非常に乏しいため、ある一定以上の風波では生育することができない。このため、例えば、霞ヶ浦等の沿岸域における沈水植物群落の復元においては、粗朶等の消波施設が必要となっている。従来の浮島構造ではこれらの消波機能については考慮されておらず、このような風波の強い地点では、沈水植物群落の生育は非常に難しいと言える。
他水域からの沈水植物種の持ち込み
これまでの浮島では、生育した苗を植栽する形や土砂に種子を投入したものである。市販品では、かかる苗や種子は復元を希望する水域からのものではなく、そのため他水域からの沈水植物種の移入に繋がり、その結果として遺伝的撹乱が起き、在来種の復元とはならない。本来の意味での自然再生とは異なるものとなる。
このように沈水植物用人工浮島の構成には解決すべき問題点が多数あり、かかる問題点の解決を通して初めて沈水植物による水域汚濁の改善等の水質浄化作用が行われるのである。
本発明の目的は、沈水植物用人工浮島を、沈水植物を餌等とする動物から保護することにある。
他の本発明の目的は、沈水植物用人工浮島を用いて水域での沈水植物群落の復元をも含めた形成を適切に行うことにある。
他の本発明の目的は、沈水植物用人工浮島を用いて設置水域の水質浄化を適切に行うことにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明は、沈水植物の生育可能な光透過率の生育限界水深が前記沈水植物の成長により深くなるのに従って、前記沈水植物が5cm以上の厚みの植栽基盤に植栽された沈水植物用人工浮島の前記植栽基盤を前記限界水深の範囲内で深くするステップと、前記植栽基盤に植栽された沈水植物の種子あるいは胞子を水底に飛散させるステップと、前記飛散した種子あるいは胞子に基づき前記水底に沈水植物を生やすステップとを有し、前記沈水植物用人工浮島には、前記沈水植物間に生息し植物プランクトンを食べる大型のミジンコが捕食されないようにネットが設けられていることを特徴とする沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法である。かかる構成において、前記沈水植物の生育可能な光透過率の限界水深とは、光の透過率が20%以上の水深であることを特徴とする。上記いずれかの構成において、前記沈水植物は、発芽前あるいは苗株の茎丈が10cm以下の場合には、光量子計の測定で水面の光の50%以上となる水深を選択して生育されることを特徴とする。沈水植物を植栽する植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記植栽基盤の水没部分を、前記沈水植物を餌とする動物が入れないようにネットで囲うことを特徴とする。かかる構成において、前記ネットは、網目サイズが1mm以上、100mm以下であることを特徴とする。また、沈水植物を植栽する植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記植栽基盤の上方部は、前記沈水植物を餌とする鳥が入れないようにネットで囲うことを特徴とする。かかる構成において、前記ネットは、網目サイズが5mm以上、200mm以下であることを特徴とする。
また、沈水植物を植栽する植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記植栽基盤の水没部分を、前記沈水植物を餌とする動物が入れないようにネットで囲い、前記植栽基盤の上方部は、前記沈水植物を攪乱する鳥が入れないようにネットで囲うことを特徴とする。沈水植物を植栽する植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記植栽基盤の水没部分を、前記沈水植物を生活の場とする動物プランクトンを餌とする魚が入れないようにネットで囲い、前記植栽基盤の上方部は、前記沈水植物を攪乱する鳥が入れないようにネットで囲うことを特徴とする。
沈水植物を植栽する沈水植物用植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記沈水植物用植栽基盤は、消波機能物により囲われていることを特徴とする。かかる構成において、前記消波機能物は、前記沈水植物用人工浮島への波高が、前記沈水植物の生育限界の波高より高い場合には、前記沈水植物の生育限界の波高より高い波がくる方向に設けることを特徴とする。前記消波機能物は、前記沈水植物用人工浮島への波高が、前記沈水植物の生育限界の波高より低い場合には、前記沈水植物用人工浮島への波高の内の最大波高の波がくる方向に設けることを特徴とする。以上、いずれかの構成において、前記消波機能物は、抽水植物を植栽基盤に植栽した抽水植物用人工浮島であること特徴とする。沈水植物を植栽する沈水植物用植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記沈水植物用植栽基盤は、抽水植物を植栽基盤に植栽した抽水植物用人工浮島に併置されていることを特徴とする。
沈水植物を植栽する沈水植物用植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記沈水植物はスポンジ、ロックウール、スラグウール等の植栽材に植えられ、前記沈水植物を植えた植栽材を前記沈水植物用植栽基盤内に差すことを特徴とする。また、沈水植物を植栽する沈水植物用植栽基盤を有する沈水植物用人工浮島では、前記沈水植物は、前記沈水植物用植栽基盤を設置する水域の水底から採取した土砂に含まれていた沈水植物種子を発芽させたものであることを特徴とする。
本発明は、沈水植物の生育可能な光透過率の限界水深が前記沈水植物の成長により深くなるのに従って、前記沈水植物が植栽された沈水植物用人工浮島の植栽基盤を前記限界水深の範囲内で深くするステップと、前記植栽基盤に植栽された沈水植物の種子あるいは胞子を水底に飛散させるステップと、前記飛散した種子あるいは胞子に基づき前記水底に沈水植物を生やすステップとを有することを特徴とする沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法である。かかる構成において、前記植栽基盤は、前記水底に沈水植物が根付いた時点で撤去することを特徴とする。かかる構成において、前記沈水植物の生育可能な光透過率の限界水深とは、光の透過率が20%以上の水深であることを特徴とする。かかる構成において、前記沈水植物は、前記沈水植物用植栽基盤を設置する水域の水底から採取した土砂に含まれていた沈水植物種子を発芽させたものであることを特徴とする。
沈水植物を植栽基盤に植栽した沈水植物用人工浮島を用いて水質浄化を図る方法では、
前記沈水植物用人工浮島の植栽基盤に植栽した沈水植物内に、動物プランクトンを外部から持ち込んで生息させることを特徴とする沈水植物用人工浮島を用いた水質浄化方法である。かかる構成において、前記動物プランクトンは、前記沈水植物用人工浮島の設置対象水域の水底から採取した底泥を用いて発生させたものである。かかる構成において、前記沈水植物は、前記沈水植物用人工浮島を設置する水域の水底から採取した土砂に含まれていた沈水植物種子を発芽させたものであることを特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明の沈水植物用人工浮島の構成では、ネットを設ける簡単な構成の追加で、沈水植物を餌等とする動物から沈水植物自体を保護することができ、沈水植物用人工浮島の適切な植栽状態の管理が行える。また、本発明では、ネットを設けることで、植物プランクトンを沢山食べて水質浄化効果が高い大型のミジンコの捕食が行われないようにすることができる。特に、風波の影響が強い水域では抽水植物を植栽した植栽基盤を併置することで、沈水植物用人工浮島の正常な生育状態の確保が行える。また、風波の影響をうけない水域でも、抽水植物を植栽した植栽基盤を併置することで抽水植物用の浮島による遮光効果を主とする浄化作用を利用して透明度を増加させることにより沈水植物の初期の生育を促すことができる。
本発明によれば、沈水植物用人工浮島の設置水域に沈水植物群落の形成が可能となる。特に、沈水植物用人工浮島の設置水域の水底の土砂から発芽させた沈水植物を使用することで、設置水域での自然再生、復元が可能である。
本発明によれば、沈水植物内に、動物プランクトンを外部から投入するので、動物プランクトンの密度、種類が少ない等の水域環境でも、水質の浄化機能を発揮させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本発明は、沈水植物用の人工浮島の有する構造上の問題点を解決すると共に、沈水植物群落の植栽基盤を沈水植物の生育に必要な光条件の確保が行える水深に設置し、沈水植物だけを植栽して人工浮島とすることで、抽水植物や浮葉植物の侵入を防ぎ、結果として水域の水底に沈水植物群落を復元することを含めた沈水植物群落の形成が行える。また、沈水植物用の人工浮島と抽水植物用の人工浮島とをセットとして用いる場合においても、沈水植物用の人工浮島を区画化することにより抽水植物の侵入を防止し、沈水植物のみの群落を確保することができる。
さらには、かかる沈水植物用人工浮島を用いた池や湖沼等の水質の浄化において、沈水植物群落の水質浄化機能の一つに水質浄化能の高い動物プランクトンの隠れ家としての機能があるが、動物プランクトンの密度、種類数が非常に少ないか、あるいは小型の動物プランクトン群集しか存在しない水域においてもかかる浄化機能を高めることができる方法をも提案する。
すなわち、本発明により、次のような効果が得られる。多孔質部材に砂や土または軽量骨材を投入する形式により植栽基盤の安定性を確保し、波等により砂や土が消失するのを防ぐとともに、沈水植物の生育を促進することができる。砂や軽量骨材を充填した沈水植物植栽ポッドを充填することにより、砂の充填量を格段に少なくすることができ、軽量化に伴い浮体の大きさを小さくすることができ、コストも安価にすることができる。水質、植物の生育段階に合わせて植栽基盤の位置を変えることにより、沈水植物の生育を促進することができる。
草食、雑食、動物プランクトン食性の魚類の浮島内部への侵入を防ぎ、沈水植物の生育を促進することができる。鳥類からの捕食、植栽基盤の撹乱を防ぎ、沈水植物の生育を促進することができる。
対象水域の水質浄化を効果的に行い、最終的には沈水植物用浮島の周辺の水底に沈水植物群落を再生、生態系の水質浄化機能を高め、水域全域への沈水植物群落を復元することができる。水域特有の沈水植物群落を沈水植物浮島に復元することができる。水域の水底土砂に含まれる種子(埋土種子)が少ない場合においても、発芽・育成・苗株植え付けにより効果的に在来の(水域特有の)沈水植物群落を復元することができる。在来種の沈水植物の群落を浮島周辺の水底に復元、水域全域へ拡大、在来の沈水植物群落を復元することができる。かかる水質浄化、復元速度を高めることができる。
抽水浮島の消波、沈水植物とは異なる水質浄化効果により、より多機能で効果的な水質浄化が可能になる。
植物プランクトンを食べるミジンコ等の動物プランクトン、特に大型のミジンコを増加させることができ沈水植物用浮島の水質浄化効果を高めることができる。在来の動物プランクトン群集を発生、培養したものを用いることにより、他からの移入種の問題も解消する。
以下、各実施の形態をかかる効果との関係で説明することにより、本願発明についてより具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態の沈水植物用人工浮島の実施例を模式的に示す側面図である。図2(a)は本発明で使用するフロートとそのフレームの構成を示す斜視図であり、(b)はフレーム内に植栽基盤を設けた状況を示す斜視図である。図3(a)、(b)は、本発明で水位の調節を行う状況を示す説明図である。
沈水植物用人工浮島10の基本的な構成は、沈水植物を生育させる植栽基盤20と、それを支持する支持体30、かかる構成を水中に維持するための浮体としてのフロート40とから構成する。
フロート40の素材は塩ビ管等の中空パイプ40aや、あるいは発砲スチロール、木材、古タイヤ等であり、植栽基盤20等を含めた沈水植物用人工浮島10の全体構成を浮かべておけるだけの浮力を持っている材質であれば良い。
支持体30は、図2(a)、(b)に示すように、フレーム31を構成するアングル31a、植栽基盤20等を囲うシート32を構成するブルーシート32aからなる。アングル31aは、鋼材やプラスチック製、木製等で形成され、枠状に組み合わせて、図2(a)に示すように、フレーム31が形成されている。特に、風波等が問題となる場所では十分な強度を持ち、プラスチックには生分解性でないものを用いる。かかるフレーム31が、フロート40に接続されている。
また、植栽基盤20の下部、側面には、シート32が設けられ、植栽基盤20内に充填した砂や土または軽量骨材の流出が防止されている。シート32の材質としては、ブルーシートや建築・土木で用いる工事用のシート等の遮水性のシートを用いるとよい。
植栽基盤20は、多孔質部材20aに砂や土または軽量骨材等が充填されている。かかる多孔質部材20aとしては、例えば、軽量の化学合繊マットやヤシ繊維性のマットなどを用いることができる。かかる植栽基盤20に充填する砂等は、現地の沈水植物用人工浮島10の設置水域の水底の土砂を充填したりすることもできる。多孔質部材20aを用いることにより、風波等による充填した土砂や軽量骨材の基盤内からの流出を防止し、植栽基盤20を安定化することができる。
因みに、軽量骨材とはガラスや膨張頁岩等を原料とし、これを人工的に焼成・発泡して得られる内部に空隙を保有し、表面が緻密なガラスで覆われ砂よりも軽くて強い骨材である。一般的な商品名としてメサライトやGライト、アサノスーパーライト等が知られている。
さらには、多孔質部材20aに直接土砂等を充填することなく、土砂等を植栽ポッド21に充填したものを多孔質部材20aに充填しても構わない。かかる構成を採用すれば、植栽基盤20の軽量化を図ることができる。
植栽基盤20の厚みは、沈水植物の根が十分に張ることができる厚さ以上とする。沈水植物の種類にもよるが、平均的には、例えば5cm以上とすればよい。植栽ポッド21は、布織布やヤシ繊維製などの園芸等で用いられるポッドを使用すればよい。かかる植栽ポッド21に、砂等を充填すればよい。植栽ポッド21を用いることで、使用する砂や土砂の量を大きく削減することができる。
あるいは、植栽ポッド21等の充填ポッドを用いる代わりに、スポンジ、ロックウール、スラグウール等の植栽材を用いることで土を使わず植栽することができる。すなわち、沈水植物の種、胞子、あるいは苗等を、ロックウール等の植栽材を用いて土を使わずに植栽する。かかる植栽した植栽材を、例えば、植栽基盤20の化学合繊マットやヤシ繊維製のマット等の所定位置に差すようにして設ければよい。植栽ポッド21の代わりにスポンジ、ロックウール、スラグウール等の植栽材を用いることで、使用する土砂の量をゼロにすることもできる。
このように土砂等の量をゼロあるいは大きく低減化することで、植栽基盤20を軽量化し、フロート40等の浮体設備の縮小化、さらには植栽基盤20の層厚を大きくすることも可能となる。
植栽基盤20あるいは植栽ポッド21に砂を充填する場合は、山砂や川砂がよい。海砂は塩分が沈水植物の生育を阻害するため好ましくない。但し、川砂の中には水生植物の種子が混入していることがあるので、設置水域の沈水植物の復元を意図する場合には、注意を要する。また、砂、土ともに市販品を使用する場合には、成分表示に注意してカルシウム等の含有量が少ないものを選択し、アルカリ性のものは使用しない方がよい。
沈水植物を植栽基盤20等に植えるには、多孔質部材20aに砂や軽量骨材を充填した植栽基盤20に直接苗株を植えつける。あるいは、植栽ポッド21に苗株を植えつけた後、多孔質部材20aに充填する方法で植栽するとよい。
かかる植栽に際して、沈水植物用人工浮島10の設置対象水域の水底から採取した土砂に、在来の沈水植物の種子や胞子が埋土種子として多量に存在する場合は、多孔質部材20aに水底採取土砂を充填することで、その水域特有の多様な在来種を沈水植物用人工浮島10に復元できて好ましい。
また、沈水植物用人工浮島10の設置対象水域の水底から採取した土砂に埋土種子が少量しか含まれない場合は、あらかじめ水底から採取した土砂を、深さ20cm程度に地面を掘削し遮水シートを敷いた場所や大きなバッド等に敷き詰め、水を張り、十分な光条件のもとで在来の沈水植物を発芽させる。発芽、生育させた沈水植物の苗株を、多孔質部材20aに砂や軽量骨材を充填した植栽基盤20に直接植えつける。あるいは植栽ポッド21に植えつけた後、多孔質部材20aに植栽ポッド21を充填すればよい。かかる方法を採用すると、沈水植物用人工浮島10の設置対象水域に存在する在来の群生していた沈水植物を復元することができる。
植栽基盤20を支持するフレーム31と、浮体のフロート40に接続しているフレーム31との連結位置は上下可変とすることができるように構成されている。すなわち、フレーム31は、図3(a)、(b)に示すように、上下に伸縮させることにより、植栽基盤20の設置水深を調節することができるようになっている。かかる植栽基盤20の水深可変手段としては、例えば、一定間隔おきに穴のあいたアングル33をフレーム31の四隅に設けてフロート40と接続し、植栽基盤20を支持するフレーム31と接続されたアングル34をボルト35等で、適宜高さで固定するとよい。
水草の生育可能水深は水質によって大きく異なるため、目安として光の透過率をその生育可能か否かの基準として採用した。すなわち、光の透過率が水面の2%以上、さらに望ましくは20%以上となる水深であれば、沈水植物の生育が可能な生育限界水深とすることができる。
植え付け当初の苗株や発芽初期はなるべく水深を浅くして、光の透過率20%以上でもより十分に光が当たる浅い水深で植物の生育を促進するのが好ましい。茎丈が増加するとともに、光の透過率20%を限度としてその水深まで、植栽基盤20の設置水深を深くしていくのが望ましい。
尚、植栽基盤20に勾配をもうけることで、植栽基盤20内で光条件の異なる場を形成し、かかる構成で、同じ植栽基盤20内に水深に応じた多様な沈水植物群落を創出することを可能としても構わない。図4に、沈水植物を含めた水生植物の一覧を示した。
かかる構成の沈水植物用人工浮島10は、その周囲は、図1に示すように、植栽基盤20の下部から水面にかけて水没部分が、網目サイズ1mm以上、100mm以下のネット51で覆われている。より好ましくは、5mm以上、50mm以下のネットである。かかるネット51の材質は、ポリエチレンやポリプロピレン、ヤシ繊維製等、硬質、軟質を問わない。材質は、難分解性のものや耐水性、耐紫外線のある材質のものとするのが好ましい。
網目のサイズは小さい方が良いが、あまり細かくすると浮島内の水の流動を妨げるため孔径1mm以上とし、侵入を防止対象魚類の体長の100mm以下とすることが望ましい。さらに、5mm以上、50mm以下とすればより好ましい。5mm以上であれば、水の出入りの円滑性が確保され、50mm以下であれば、草魚等の特に沈水植物の食害が大きい体長の小さい魚や、動物プランクトンを食する魚に的を絞ることができ好ましい。
かかるネット51を設けることにより、沈水植物の生育を阻害する草食性の魚類や、沈水植物内に生息する動物プランクトンを捕食する魚類が、浮島内の植栽基盤20に侵入することを防ぐことができる。
上記ネット51は、上記草魚等の魚類以外にも、アメリカザリガニ等のザリガニ類の侵入を防止し、ザリガニ類の沈水植物の根きり、茎切断等の被害をも未然に防止することができる。
また、植栽基盤20の上方にも、図1に示すように、網目サイズ5mm以上、200mm以下、より好ましくは10mm以上、100mm以下のネット52を設ける。太陽光の透過状況を考えると5mm未満の網目サイズは、好ましくない。より好ましくは、10mm以上であれば、十分である。また、網目サイズが200mmより大きいと、水鳥等が入り、餌等を漁る際に沈水植物の植栽基盤20を攪乱する虞がある。より好ましくは、網目サイズが100mm以下であれば、カモ等の小さな鳥も侵入防止対象とすることができて好ましい。
かかるネット52の材質はポリエチレンやポリプロピレン、ヤシ繊維製等、硬質、軟質を問わない。材質も、難分解、耐紫外光のものを用いるのが好ましい。また、ネット52の太さは太くなると浮島基盤内の沈水植物群落に対する光の透過を妨げるため、丈夫で細めのネット52を使用するのが好ましい。
ネット52を設置する場所は、植栽基盤20の上方で、沈水植物の生育を妨げることがない高さであればどこでも構わない。フロート下部、水面下に設置すると景観保護という観点からは望ましい。このネット52を設置することにより、水草を捕食したり、または浮島内に侵入して植栽基盤20を撹乱するカモ等の水鳥、さらには鳥類による悪影響を最小限にすることができ、沈水植物群落の発芽、生育を促進することができる。
因みに、かかる鳥被害が発生しないか、あるいは問題とならない場合には、勿論ネット52の設置は必要ない。図3(a)、(b)では、かかるネット52の構成のない例を使用した。
(実施の形態2)
本実施の形態では、沈水植物用人工浮島10と抽水植物用人工浮島60とを併置した構成について説明する。かかる構成を採用することで、例えば、沈水植物用人工浮島10の植栽基盤20の風波による影響をより少なくし、且つ抽水植物用人工浮島60の作用により水の透明度を向上させて沈水植物がより生育し易いようにすることができる。図5は、沈水植物用人工浮島の風波等による影響が大きい方向に抽水植物用の人工浮島を設けた構成を示す説明図である。図6は、岸に向かって打ちつける波浪に対する沈水植物用人工浮島を保護する構成を示す説明図である。
本実施の形態では、沈水植物用人工浮島10へ打ち寄せる波の高い方には、消波機能物として抽水植物用人工浮島60が設けられている。抽水植物用人工浮島60は、沈水植物用人工浮島10より離されて設けられている。沈水植物用人工浮島10の構成は、前記実施の形態1で説明したと同様に構成されている。
一方、抽水植物用人工浮島60の構成は、フロート61を用いた浮体構造を有し、フレーム62内に植栽基盤63が設けられている。抽水植物用人工浮島60としては、フレーム式、フレームレス式等のどちらでもよく、植栽基盤63も化学合繊マットやヤシマット等を用いるとよい。かかる植栽基盤63に、例えば、キショウブ等の図4に示した抽水植物が植栽ポッドを介して、あるいは直接植栽されている。根が、植栽基盤20を通して、十分に張られている。
かかる構成では、沈水植物用人工浮島10に打ち寄せる波の高さを、予め設定しておいた沈水植物の生育の限界とする波高を基準として、その沈水植物の生育限界の波高より高いか、あるいは低いかで、その対応を分けている。
すなわち、沈水植物が生育することができる限界の波高より高い波が打ち寄せる場合は、その高い波が打ち寄せる方向に、抽水植物用人工浮島60を設置する。抽水植物用人工浮島60は、沈水植物用人工浮島10とは、所定の距離以上離れないようにアンカー等で別々に係留すればよい。
また、沈水植物用人工浮島10に打ち寄せる波が、沈水植物の生育限界の波高より低い場合には、打ち寄せる波の高さの内、最大波高の波の打ち寄せる方向に、抽水植物用人工浮島60を設ければよい。
沈水植物の生育限界の波高は、例えば、一般的に沈水植物の育つ生育限界として、20cmとしておけばよい。さらには、より詳細には、沈水植物毎にかかる生育限界の波高を決めても構わない。現在は、沈水植物の生育限界を示す平均波高を20cmと設定し、20cm以上の場合を設定波高より高い波と、20cm未満の場合を設定波高より低い波とした。
また、打ち寄せる波の高さは、現地での実測によればよい。例えば、方向別の波高を計器により計測すればよい。あるいは、方向別に、例えば、年間の風向、風速、吹送距離とから計算して、その波高が沈水植物の生育限界の波高より高いか、低いかで、消波機能物としての抽水植物用人工浮島60の設置方向を決めても構わない。
併せて、沈水植物用人工浮島10のそばに抽水植物用人工浮島60を設けることで、抽水植物用の浮島の存在により水面下への光の透過を抑え(遮光効果)、植物プランクトンの発生を防止する水質浄化能力によって初期の透明度を増加させ、沈水植物の初期の生育を高めることもできる。
かかる構成では、波風による影響が大きい水域に沈水植物用人工浮島10を設置しても、抽水植物用人工浮島60がかかる波風を直接受けて、沈水植物用人工浮島10への波の影響を少なく抑えることができる。特に、抽水植物の水中に伸張する根によって、水中の表層側の波が抑えられ、かかる消波効果が沈水植物の植栽基盤20に与える影響を軽減し、沈水植物の繁茂を促す。
例えば、湾岸等の風波の影響が大きい水域においては、特に有効に機能する。陸に向かって風波が押し寄せる状況下、沈水植物用人工浮島10を囲むように、抽水植物用人工浮島60を配することで、風波の影響を少なくすることができる。
また、沈水植物用人工浮島10に所定間隔離して設置される抽水植物用人工浮島60には、遮光、栄養塩類の取り込み、水中に伸張する根に付着する微生物群集による水質浄化、鳥類の休息・営巣の場等々、沈水植物用人工浮島10とは異なる多機能な作用を持っている。そこで、かかる異なる機能を有する沈水植物用人工浮島10、抽水植物用人工浮島60を配置し、二つの浮島を組みあわせることにより、効果的な水質浄化、生態系の創出を行うことができる。
すなわち、沈水植物用人工浮島10の周囲に従来の抽水植物用人工浮島60を配置することにより、従来の浮島よりも高い水質浄化能力を持たせることができる。例えば、抽水植物用人工浮島60に生えている抽水植物による遮光効果は、設置初期から効果的に植物プランクトンの増殖を抑え、水の透明度を向上させるため、その分、汚濁の高い水域への沈水植物用人工浮島10の設置可能性を広げられる。
また、沈水植物用人工浮島10の周囲に抽水植物用の浮島を配置することにより、沈水植物用人工浮島10のフロート40が人目につきにくくなり、景観を向上する等の付加価値も発生する。特に、風波の方向が一定しない水域の場合には、沈水植物用人工浮島10の周囲を完全に抽水植物用人工浮島60で囲むことが求められるが、かかる際には、その効果が大きい。
すなわち、沈水植物用人工浮島10では、沈水植物と共に植栽基盤20は常時水没しているため、フロート40が水面に浮いているだけの状態であるが、抽水植物用人工浮島60等のように植物が生えた状態の浮島があると、水面にフロート40だけが浮いているという味気ない状況が隠され、景観改善が行われて好ましいのである。
抽水植物、浮葉植物、沈水植物帯を連続的に設ける植生基盤もしくは浮島の構成が、これまで提案されている。しかし、透明度が低い水質浄化対象水域では、水深の浅い所でしか沈水植物は生育することができず、かかる構成では、沈水植物は抽水植物、浮葉植物の競争に負けて生育することができず、かかる構造は好ましくない。図5に示す如く、別々の浮島とするか、しきりを設ける等の構造とするのが望ましい。
また、風波等が植栽基盤20に与える影響が大きい場所では、消波構造として他にも、沈水植物用人工浮島10の植栽基盤20の周囲にある程度の高さの消波用の壁を設ける構造でも構わない。あるいは、プラスチック製の繊維状の紐状担体に付着性の微生物やワムシ等の原生動物が生息可能な構成を付加したものを、沈水植物用人工浮島10の周辺隣接域に配置して消波効果を確保するようにしても構わない。かかる構成では、紐状担体による水質浄化効果をも合わせて享受できる。
尚、上記説明では、風波の影響の強い場所に沈水植物用人工浮島10を設置するに際して抽水植物用人工浮島60を離して設ける場合について説明したが、特段風波の影響がないような穏やかな池の水面に沈水植物用人工浮島10を設ける場合には、抽水植物用人工浮島60を沈水植物用人工浮島10と併置させても構わない。例えば、フロート同士を接続させる等して連結し、隣接配置するようにしても構わない。かかる構成では、抽水植物用人工浮島60の機能は、前述の如く、遮光効果等により植物プランクトンの発生をより防止して、沈水植物の生育を促すことにある。勿論、かかる場合に、遮光効果、栄養塩類等の除去効果が得られる範囲内で、沈水植物用人工浮島10と抽水植物用人工浮島60とを離して置いても構わない。
(実施の形態3)
本実施の形態では、前記実施の形態1で述べた沈水植物用人工浮島10の構成を用いて、沈水植物用人工浮島10の設置対象水域に合わせた沈水植物群落の復元を行う方法について述べる。
かかる方法では、基本的に、沈水植物の生育可能な光透過率の生育限界水深が、沈水植物の成長により深くなるのに従って、沈水植物が植栽された沈水植物用人工浮島10の沈水植物用の植栽基盤20を生育限界水深の範囲内で漸次深くしていく手法を採用する。
図7(a)はかかる手法について述べたものであるが、設置対象水域として、溜め池Aを想定し、かかる溜め池Aに沈水植物用人工浮島10を設置し、水域に沈水植物の群落を形成する場合を例に挙げて説明する。かかる溜め池Aでは、沈水植物の生育が不可能な程に、水の汚濁が進んでいるものとする。
図7(a)に示すように、先ず、設置初期は植栽基盤20の高さを水表面に対する光の透過率が光量子計で20%以上となる範囲の水深に設置する。例えば、透明度が1m程度であれば、20〜30cm程度の水深となる。かかる水深に設置し、沈水植物の生育を促進する。設置当初は、水質汚濁が進行して沈水植物が実質的に絶滅したような水域では、水の透明度が悪く、植栽基盤20を浅く設定しないと、光の透過率が20%以上とならない。
より確実に行うには、発芽前や、苗株の茎丈が例えば10cm以下の場合には、光量子計の測定で水面の光の50%以上となる水深を選択して行うのがよい。
かかる状態で沈水植物が植栽基盤20に生育すると、生育した沈水植物により水の透明度が少しずつ改善されてくる。沈水植物が繁茂するにつれ、その水質浄化作用で透明度が増加し、光の透過率も向上する。その結果、沈水植物の生育可能な生育限界水深が深くなり、植栽基盤20の設置可能水深もそれに合わせて深くすることができる。
このように沈水植物の生育に合わせて、アングル33、34を調節することで、植栽基盤20の設置水深を深くする。植栽基盤20の設置水深を調節していくことにより、沈水植物群落の茎高を増大し、繁茂させていくのである。例えば、生育により茎丈が10cmより大きくなった場合には、水面の光に対する透過率が20%以上となる範囲で水深を深くして行く。例えば、光の透過率が20%の水深に設置する。
このようにして沈水植物がさらに繁茂し、対象水域の水質浄化が行われて、漸次水の透明度が改善されて行く。それに合わせて植栽基盤20の設置水深を深くして行くと、対象水域の湖底に沈水植物の繁茂が可能となる光を透過することができるようになる。かかる水深の変更は、例えば、年に1回、水が一番濁り易い時期、夏等に、光量子が20%となる水深に植栽基盤20の水深を下げてやればよい。
かかる状態で、沈水植物用の植栽基盤20に植栽された沈水植物の種子あるいは胞子が水底に飛散する。沈水植物用人工浮島10内の繁茂した沈水植物群落から種子や胞子が、周辺水域に供給されると、沈水植物用人工浮島10の周辺の水底から沈水植物群落が徐々に形成されてゆくこととなる。沈水域の生態系機能の回復により水質浄化が加速し、最終的には水域全体が浄化され、沈水植物群落についても水底に確実に形成されることとなる。かかる様子を、図7(b)に模式的に示した。
飛散した種子あるいは胞子に基づき水底に沈水植物を生やすことが確実に行われるようになった時点で、図7(c)に示すように、例えば、沈水植物用人工浮島10を、撤去すればよい。周囲景観の観点からも撤去が好ましい。
沈水植物用人工浮島10の植栽基盤20に設置対象水域の水底から採取した土砂を充填する場合には、かかる土砂に埋まっていた種子等が発芽して、その設置対象水域に以前存在していた沈水植物が生育することとなり、沈水植物群落の復元ができる。また、埋まっていた種子等が少ない場合には、かかる水底から採取した土砂からあらかじめ発芽、育成して、苗株を増やした上で、その苗株を用いることによりその水域に生息していた在来の沈水植物群落を水域に復元することもできる。
水質汚濁の進行した水域に浄化目的で沈水植物用の浮島を設置する際は、浮島の設置面積を、水面積に対して2割以上とする。一般的に、湖沼の沿岸域の沈水植物群落が2割復元すると、透明度が1m弱の水域では透明度は2m程度になると言われ、かなりの程度の透明度の改善効果がある。例えば、20%以上の透過率が確保される水深は0.7mから1.4mとなり、水深1.4mの水底まで沈水植物群落の復元が可能となる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した沈水植物用人工浮島10を用いて、動物プランクトンの密度、種類数が非常に少ないか、または小型の動物プランクトン群集しか存在しない水域において、沈水植物用人工浮島10による水質浄化機能を高める方法について説明する。
前記実施の形態で説明したように沈水植物用人工浮島10の植栽基盤20を使用して、適切に沈水植物を繁茂させる。このように沈水植物群落を繁茂させた後、図8に示すように、カブトミジンコ、オカメミジンコ、ケンミジンコ、ゾウミジンコ等のミジンコ類、カイアシ類、ワムシ類等の動物プランクトンを投入する。
投入する動物プランクトンは、単一種類でもよいが、これらの動物プランクトンの群集を混合して投入する方が、様々な植物プランクトンに対して効果があるので望ましい。投入する動物プランクトンの収集方法は、培養しても良いし、対象水域の流域の動物プランクトン群集が豊富な池や沼においては、動物プランクトン用のネットで捕集することで高密度に収集することができる。
特に、本発明では、前記実施の形態1で述べたように、沈水植物用人工浮島10の植栽基盤20の水没部分には、ネット51が張られているので、かかる動物プランクトンを餌とする魚等が入り込むことがない。そのため、投入した動物プランクトンは、沈水植物用人工浮島10の沈水植物内で生息し、増えることができる。
ミジンコの中でも、ゾウミジンコ(0.5mm)、ニセミジンコ(0.2〜0.5mm)、マルミジンコ(0.5mm)等の小型のミジンコに対して、大型のミジンコであるカブトミジンコ(0.6〜2mm)、ミジンコ(ダフニア:0.7〜3mm)、オカメミジンコ(成体の体長が2mm)等の場合には、小型のミジンコよりも様々な植物プランクトンを沢山食べて、水質浄化効率が高いことが知られている。
かかる大型のミジンコは、沈水植物が繁茂した隠れ家がないと、成体の体長が1〜2mmと大きくなるので、目立って魚に捕食され易い。しかし、本発明の沈水植物用人工浮島10では、ネット51でかかる魚の侵入を防止して、大型のミジンコの捕食が行われない。実際に、沈水植物等の水草の少ない水域では、大型のミジンコは少なく、ミジンコを外部から投入することの効果は大きいと言える。
また、ミジンコは水温の低下、餌環境の悪化等の環境条件の変化により耐久卵(休眠卵)を湖底に沈め、環境条件が好転したときにそれらの卵から発生してくることが知られている。かかる現象を利用して、まず対象水域の水底を採取し、魚のいない条件で湖底に眠っている動物プランクトンの耐久卵からミジンコを発生させ、増殖させる。それを沈水植物用人工浮島10内に繁茂した沈水植物群落に投入することで、他水域からの種の移入を防止し、在来の動物プランクトン群集を利用して浄化することができる。
アオコの形成の主な種となって発生する藍藻類のミクロキスティスを培養したものに、水底から採取した泥を投入した実験の結果を図9(a)に示す。実験は28℃、光量は2000ルクスで、12時間ごとに明暗条件を変化させ、ゆっくりと攪拌しながら行った。水底から動物プランクトン群集が発生し、14日後には植物プランクトンが動物プランクトンに捕食された。その結果、植物プランクトンの現存量の指標であるクロロフィルa濃度が大きく減少し、水が透明となることが確認された。
動物プランクトンの有無の違いで、水の透明度に関わる植物プランクトンの増加が影響を受けることが分かる。因みに、白抜きの場合は動物プランクトンが無い場合を示し、黒塗りの場合は動物プランクトンがある場合を示した。また、それぞれ3種の試験体を用いて行い、その結果を△、□、〇で示した。
また、動物プランクトンの個体数、種類数が少なく、アオコ(主に藍藻のミクロキスティス)が大量に発生している実際の池の水を採取し、池の泥を投入、魚が存在しない条件で実験を行った。25℃、2000ルクスの12時間の明暗条件の変換で18日間培養を行った。動物プランクトンはほとんど発生せず、植物プランクトンは減少しなかった。しかし、図9(b)に示すように、18日後に、動物プランクトンが豊富な池からプランクトンネットによりワムシやミジンコ等を含む動物プランクトン群集を捕集し、投入したところたちどころにアオコが消失し、透明度も改善され、クロロフィルa濃度が著しく減少した。
かかる実験結果により、動物プランクトン群集の少ない水域においても、耐久卵が水底に存在する場合はそこから発生、培養した動物プランクトン群集を、再生した沈水植物の群落の中に投入し生息させることで、水質の浄化作用が促進、改善されることが分かる。
また、耐久卵がない場合でも、図9(b)に示す如く、培養もしくは近くの動物プランクトンが豊富に存在する水域から捕集したものを、魚類の防止策を講じてある沈水植物用人工浮島10に投入する手法により、沈水植物群落内で増加させることができ、植物プランクトンを効果的に除去することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の沈水植物を人工的に植栽した沈水植物用人工浮島に関連した分野で有効に利用することができる。
本発明の一実施の形態の沈水植物用人工浮島の実施例を模式的の示す側面図である。 (a)は本発明で使用するフロートとそのフレームの構成を示す斜視図であり、(b)はフレーム内に植栽基盤を設けた状況を示す斜視図である。 (a)、(b)は、水位調整を行う状況を示す説明図である。 沈水植物等の水生植物の具体例を一覧にして示した説明図である。 沈水植物用人工浮島の風上側に抽水植物用人工浮島を設けた構成を示す説明図である。 岸に沿って沈水植物用人工浮島と抽水植物用人工浮島とを配置した様子を示す説明図である。 (a)、(b)、(c)は、沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群落の復元方法の手順を示す説明図である。 沈水植物用人工浮島に動物プランクトンを投入して水質改善の促進を行う説明図である。 (a)は動物プランクトンの有無による水質改善の様子を示す説明図であり、(b)は動物プランクトンを投入することで水質改善が図れることを示す説明図である。
符号の説明
10 沈水植物用人工浮島
20 植栽基盤
20a 多孔質部材
21 植栽ポッド
30 支持体
31 フレーム
31a アングル
32 シート
32a ブルーシート
33 アングル
34 アングル
35 ボルト
40 フロート
51 ネット
52 ネット
60 抽水植物用人工浮島
61 フロート
62 フレーム
63 植栽基盤
A 溜め池

Claims (3)

  1. 沈水植物の生育可能な光透過率の生育限界水深が前記沈水植物の成長により深くなるのに従って、前記沈水植物が5cm以上の厚みの植栽基盤に植栽された沈水植物用人工浮島の前記植栽基盤を前記限界水深の範囲内で深くするステップと、
    前記植栽基盤に植栽された沈水植物の種子あるいは胞子を水底に飛散させるステップと、
    前記飛散した種子あるいは胞子に基づき前記水底に沈水植物を生やすステップとを有し、
    前記沈水植物用人工浮島には、前記沈水植物間に生息し植物プランクトンを食べる大型のミジンコが捕食されないようにネットが設けられていることを特徴とする沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法。
  2. 請求項1記載の沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法において、
    前記沈水植物の生育可能な光透過率の限界水深とは、光の透過率が20%以上の水深であることを特徴とする沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法。
  3. 請求項1または2に記載の沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法において、
    前記沈水植物は、発芽前あるいは苗株の茎丈が10cm以下の場合には、光量子計の測定で水面の光の50%以上となる水深を選択して生育されることを特徴とする沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法。
JP2008213579A 2008-08-22 2008-08-22 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法 Pending JP2008271989A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213579A JP2008271989A (ja) 2008-08-22 2008-08-22 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213579A JP2008271989A (ja) 2008-08-22 2008-08-22 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005220722A Division JP4217232B2 (ja) 2005-07-29 2005-07-29 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008271989A true JP2008271989A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40050740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008213579A Pending JP2008271989A (ja) 2008-08-22 2008-08-22 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008271989A (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101990833A (zh) * 2010-08-26 2011-03-30 方运山 沉水植物育苗器及在水体生物生态系统修复中的应用
CN102726239A (zh) * 2012-06-28 2012-10-17 张朝峰 水上可升降栽培器及其制造方法
CN107055789A (zh) * 2016-12-23 2017-08-18 南京河海环境研究院有限公司 一种利用三维植物网修复沉水植物群落的方法
CN108552045A (zh) * 2018-06-20 2018-09-21 环境保护部环境规划院 一种引导沉水植被的系统及改善水体质量的方法
CN108751421A (zh) * 2018-08-08 2018-11-06 北京东方园林环境股份有限公司 一种抗风浪生态浮岛及其构建方法
CN109455818A (zh) * 2018-08-02 2019-03-12 广东东篱环境股份有限公司 一种可调节式沉水植物种植床及修复水体的方法
CN109734246A (zh) * 2019-01-28 2019-05-10 贵州师范大学 一种农村地区生活污水生态处理方法及系统
CN109763560A (zh) * 2019-03-12 2019-05-17 中铁四川生态城投资有限公司 梯田式生态景观湖及其施工方法
CN110352842A (zh) * 2019-07-08 2019-10-22 湖南省建筑设计院有限公司 基于纤维毯养殖的沉水植物养殖系统
CN110463469A (zh) * 2019-09-17 2019-11-19 揭阳职业技术学院 一种沉水水生植物培养种植与收割发生装置
CN112056203A (zh) * 2020-09-23 2020-12-11 苏州础润生态科技有限公司 一种可准确探究生长水深对沉水植物净化效果的影响的培养装置
CN112352635A (zh) * 2020-11-25 2021-02-12 上海应用技术大学 一种沉水植物种植装置
CN112607867A (zh) * 2020-11-18 2021-04-06 中国电建集团华东勘测设计研究院有限公司 生态潜岛装置及生态控藻系统
CN113003732A (zh) * 2021-04-01 2021-06-22 郑州轻工业大学 一种环保型城市河道组合式生态浮床
CN113233612A (zh) * 2021-06-10 2021-08-10 安徽新宇生态产业股份有限公司 一种富营养化水体沉水植物智能净化装置及其使用方法
CN113367029A (zh) * 2021-07-06 2021-09-10 长江大学 一种硬底质背景下沉水植物种植载体及种植方法
CN113412779A (zh) * 2021-06-22 2021-09-21 江汉大学 一种悬浮种植生长装置及其使用方法
CN113548732A (zh) * 2021-06-08 2021-10-26 无锡德林海环保科技股份有限公司 一种可降解的潜水种植床及其应用方法
CN114349285A (zh) * 2022-01-12 2022-04-15 武汉市秀谷科技有限公司 一种水生植物修复水体的方法
CN115304167A (zh) * 2022-08-19 2022-11-08 广东生太修复科技有限公司 一种适应性强的水体原位生态修复系统
CN115812549A (zh) * 2022-11-21 2023-03-21 中国科学院武汉植物园 一种快速恢复光叶眼子菜种群的方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63301727A (ja) * 1987-06-01 1988-12-08 Agency Of Ind Science & Technol 水耕栽培装置
JPH0956278A (ja) * 1995-08-21 1997-03-04 Kanagawa Pref Gov 植物の水上栽培方法および水上栽培装置
JPH11275990A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Kumagai Gumi Co Ltd 人工浮島
JP2000342092A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Marsima Aqua System Corp 水生植物栽培マウント
JP2001309728A (ja) * 2000-05-01 2001-11-06 Minamizawa Soshoku Bijutsu Kenkyusho:Kk 人工浮島ユニット及び人工浮島
JP2004135533A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Fujita Corp 人工浮島、および人工浮島における植生管理方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63301727A (ja) * 1987-06-01 1988-12-08 Agency Of Ind Science & Technol 水耕栽培装置
JPH0956278A (ja) * 1995-08-21 1997-03-04 Kanagawa Pref Gov 植物の水上栽培方法および水上栽培装置
JPH11275990A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Kumagai Gumi Co Ltd 人工浮島
JP2000342092A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Marsima Aqua System Corp 水生植物栽培マウント
JP2001309728A (ja) * 2000-05-01 2001-11-06 Minamizawa Soshoku Bijutsu Kenkyusho:Kk 人工浮島ユニット及び人工浮島
JP2004135533A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Fujita Corp 人工浮島、および人工浮島における植生管理方法

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101990833A (zh) * 2010-08-26 2011-03-30 方运山 沉水植物育苗器及在水体生物生态系统修复中的应用
CN102726239A (zh) * 2012-06-28 2012-10-17 张朝峰 水上可升降栽培器及其制造方法
CN107055789A (zh) * 2016-12-23 2017-08-18 南京河海环境研究院有限公司 一种利用三维植物网修复沉水植物群落的方法
CN108552045A (zh) * 2018-06-20 2018-09-21 环境保护部环境规划院 一种引导沉水植被的系统及改善水体质量的方法
CN109455818A (zh) * 2018-08-02 2019-03-12 广东东篱环境股份有限公司 一种可调节式沉水植物种植床及修复水体的方法
CN108751421A (zh) * 2018-08-08 2018-11-06 北京东方园林环境股份有限公司 一种抗风浪生态浮岛及其构建方法
CN108751421B (zh) * 2018-08-08 2023-07-25 北京东方园林环境股份有限公司 一种抗风浪生态浮岛及其构建方法
CN109734246A (zh) * 2019-01-28 2019-05-10 贵州师范大学 一种农村地区生活污水生态处理方法及系统
CN109763560A (zh) * 2019-03-12 2019-05-17 中铁四川生态城投资有限公司 梯田式生态景观湖及其施工方法
CN109763560B (zh) * 2019-03-12 2023-12-08 中铁四川生态城投资有限公司 梯田式生态景观湖及其施工方法
CN110352842A (zh) * 2019-07-08 2019-10-22 湖南省建筑设计院有限公司 基于纤维毯养殖的沉水植物养殖系统
CN110352842B (zh) * 2019-07-08 2024-03-26 湖南省建筑设计院有限公司 基于纤维毯养殖的沉水植物养殖系统
CN110463469A (zh) * 2019-09-17 2019-11-19 揭阳职业技术学院 一种沉水水生植物培养种植与收割发生装置
CN110463469B (zh) * 2019-09-17 2024-03-08 揭阳职业技术学院 一种沉水水生植物培养种植与收割发生装置
CN112056203A (zh) * 2020-09-23 2020-12-11 苏州础润生态科技有限公司 一种可准确探究生长水深对沉水植物净化效果的影响的培养装置
CN112056203B (zh) * 2020-09-23 2023-09-19 苏州础润生态科技有限公司 一种可准确探究生长水深对沉水植物净化效果的影响的培养装置
CN112607867A (zh) * 2020-11-18 2021-04-06 中国电建集团华东勘测设计研究院有限公司 生态潜岛装置及生态控藻系统
CN112352635A (zh) * 2020-11-25 2021-02-12 上海应用技术大学 一种沉水植物种植装置
CN113003732A (zh) * 2021-04-01 2021-06-22 郑州轻工业大学 一种环保型城市河道组合式生态浮床
CN113548732A (zh) * 2021-06-08 2021-10-26 无锡德林海环保科技股份有限公司 一种可降解的潜水种植床及其应用方法
CN113233612A (zh) * 2021-06-10 2021-08-10 安徽新宇生态产业股份有限公司 一种富营养化水体沉水植物智能净化装置及其使用方法
CN113412779A (zh) * 2021-06-22 2021-09-21 江汉大学 一种悬浮种植生长装置及其使用方法
CN113367029A (zh) * 2021-07-06 2021-09-10 长江大学 一种硬底质背景下沉水植物种植载体及种植方法
CN114349285A (zh) * 2022-01-12 2022-04-15 武汉市秀谷科技有限公司 一种水生植物修复水体的方法
CN115304167A (zh) * 2022-08-19 2022-11-08 广东生太修复科技有限公司 一种适应性强的水体原位生态修复系统
CN115304167B (zh) * 2022-08-19 2023-09-12 广东生太修复科技有限公司 一种适应性强的水体原位生态修复系统
CN115812549A (zh) * 2022-11-21 2023-03-21 中国科学院武汉植物园 一种快速恢复光叶眼子菜种群的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4217232B2 (ja) 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法
JP2008271989A (ja) 沈水植物用人工浮島を用いた沈水植物群の形成方法
JP5345375B2 (ja) 沈水植物の再生方法、それに使用する沈水植物の栽培方法、植物再生基盤、浮島
CN106242064B (zh) 一种高水力负荷人工湖湖滨带生态修复方法
JP2008061509A (ja) 藻場造成装置およびこれを用いた藻場造成方法
JP2002171853A (ja) 海藻類育成装置及び育成方法
JP4358833B2 (ja) 植栽基盤
Gökalp et al. Design for large-scale maricultures of the Mediterranean demosponge Chondrosia reniformis Nardo, 1847 for collagen production
JP2009137513A (ja) ポリウレアを付着させた発泡スチロールを用いた浮沈構造体
CN114262062A (zh) 一种沉水植物净化毯与水下生态修复系统
JP5507347B2 (ja) 閉鎖性水域の水質浄化方法
KR100958933B1 (ko) 맹꽁이의 자연복원 서식장치
CN108793413A (zh) 近岸水域生态修复方法
James Lakshadweep: Islands of ecological fragility, environmental sensitivity and anthropogenic vulnerability
JP2002330651A (ja) 藻場造成方法と藻草育成ネット
KR20150048372A (ko) 녹조예방을 위한 녹지확장형 수면녹화 방법 및 장치
JP2007231543A (ja) 人工干潟の造成方法及び人工干潟
KR101809351B1 (ko) 갯벌을 이용한 가리맛조개 인공종묘 중간 육성방법
KR102200440B1 (ko) 해상용 해삼 양식장치
CN111631125A (zh) 一种海上悬浮式鳗草无土移植装置及其应用
KR101190251B1 (ko) 수중 침하성 목재 상자를 이용한 잘피 숲 조성 방법
CN111453789A (zh) 基于物理遮光层构建的海水池塘绿藻防控方法
KR100374747B1 (ko) 생물자원 육성을 위한 로프형 인공수초 및 이를 이용한 수질정화방법
CN212212242U (zh) 海上悬浮式鳗草无土移植装置
Jellyman et al. A review of the potential to re-establish macrophyte beds in Te Waihora (Lake Ellesmere)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111129