JP2008270358A - レーザ発振素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分低減できるレーザ発振素子を提供
すること。
【解決手段】コレステリック液晶を含み、一定方向に積層されるコレステリック液晶層1〜5を備え、コレステリック液晶層1〜5のうちの1層のコレステリック液晶層1が、外部からの励起により発光する色素を含有する色素含有コレステリック液晶層であり、残りの4層のコレステリック液晶層2〜5が上記色素を含有しない色素非含有コレステリック液晶層であり、色素含有コレステリック液晶層1の両側にそれぞれ、色素非含有コレステリック液晶層2〜5が2層ずつ設けられ、コレステリック液晶層2〜5が同一の螺旋ピッチを有し、色素から発せられる光の発光帯と、コレステリック液晶層2〜5中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っているレーザ発振素子100。
【選択図】図1

Description

本発明は、コレステリック液晶を用いたレーザ発振素子に関する。
コレステリック液晶は特定の波長の光を選択的に反射する性質を有しており、特に、コレステリック液晶の螺旋の掌性と同じ掌性の円偏光を選択的に反射し、逆の掌性の円偏光を透過させる。
このようなコレステリック液晶については、従来より、選択反射波長帯域のエッジ部分においてレーザ発振が起こることが報告されている(例えば非特許文献1参照)。
最近では、レーザ発振の低閾値化のためには選択反射波長帯域の内側の波長でレーザ発振を起こさせるべきとの提案がなされたことから、このようなレーザ発振を起こさせるレーザ発振素子に関して種々の研究が行われるようになっている。例えば、本発明者らは、螺旋の掌性及びピッチが同一の2枚のコレステリック液晶フィルムの間に、蛍光色素を含むコレステリック液晶を挟んで重ね合わせたレーザ発振素子によってレーザ発振の閾値を低減することを提案している(例えば特許文献1参照)。ここで、蛍光色素は、上記2枚のコレステリック液晶の選択反射波長帯域と重なり合う発光帯を有している。
コップ(Kopp)、外4名、 「コレステリック液晶におけるフォトニックストップバンド端における低閾値レージング(Low-thresholdlasing at the edge of aphotonicstop band in cholesteric liquid crystals)」、オプティクスレター(OpticsLetter)、米国、1998年、第23巻、p.1707−1709 特開2007−019447号公報
前述した特許文献1に記載のレーザ発振素子においては、レーザ発振するのに必要な最低励起エネルギー量は比較的低いものの、長時間の使用や連続(CW)発振等への適用をも考慮した場合、未だ改良の余地がある。
そこで、本発明は、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることができるレーザ発振素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、まず特許文献1に記載されているような3層のコレステリック液晶層のうち中央のコレステリック液晶層に蛍光色素が含まれている系に対し、その外側のコレステリック液晶層の更に外側に、異なる掌性のコレステリック液晶層が積層された系に着目し、このような系を用いてレーザ発振を行わせたところ、一般的な原理に従って考えればレーザ発振が極めて起こりにくい系であるにもかかわらず、レーザ発振が起こり、しかも、レーザ発振の際の励起エネルギーの閾値がかなりの程度減少することを見出した。そこで、本発明者らはかかる知見をきっかけとして更に鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち本発明は、コレステリック液晶を含み、一定方向に積層される5層のコレステリック液晶層を備えるレーザ発振素子であって、前記5層のコレステリック液晶層のうちの1層のコレステリック液晶層が、外部からの励起により発光する色素を含有する色素含有コレステリック液晶層であり、残りの4層のコレステリック液晶層が、前記色素を含有しない色素非含有コレステリック液晶層であり、前記色素含有コレステリック液晶層の両側にそれぞれ、前記色素非含有コレステリック液晶層が2層ずつ設けられ、前記色素非含有コレステリック液晶層が同一の螺旋ピッチを有し、前記色素から発せられる光の発光帯と、前記色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っていることを特徴とするレーザ発振素子である。
このレーザ発振素子においてレーザ発振を起こさせる場合、色素の励起光として、例えば色素非含有コレステリック液晶層における選択反射波長帯域より短い波長を有し且つ色素を励起することが可能な光が励起光として用いられる。本発明のレーザ発振素子によれば、この励起光が例えば色素非含有コレステリック液晶層に入射される。すると、励起光は、色素非含有コレステリック液晶層を透過して色素含有コレステリック液晶層に入射され、色素を励起して発光を起こさせ、レーザ発振を起こすことが可能となる。このとき、レーザ発振素子によれば、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることができる。即ち、本発明のレーザ発振素子によれば、レーザ発振の際の励起エネルギーの閾値を十分に低減させることができる。言い換えると、本発明のレーザ発振素子によれば、レーザ発振を高効率で起こさせることが可能となる。これによりレーザ発振素子の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことも可能となり、小型化も可能となる。
本発明のレーザ発振素子において、レーザ発振が起こる理由は定かではないが、色素非含有コレステリック液晶層および色素含有コレステリック液晶層それぞれ単層の光学的特徴の重ね合わせではなく、5層全体で1つのフォトニック結晶として作用するためと推察される。すなわち、コレステリック液晶層単層では選択反射帯域内にあるすべての波長の光の輻射が抑制される。ところが、本発明においてはレーザ発振素子が特定の波長に関しては輻射が許されるという特徴を持つ欠陥層を有するフォトニック結晶として作用することで、レーザ発振の閾値が著しく低減したためと考えられる。さらには、色素非含有コレステリック液晶層に挟まれた色素含有コレステリック層からのみ光が発せられること、即ちフォトニック結晶の中心部でのみ発光があることによって、生じた光がフォトニック結晶内部に封じこめられ、レーザ発振の閾値が著しく低減したと考えられる。特に、レーザ発振素子が5層のコレステリック液晶層を有することで、レーザ発振素子におけるコレステリック液晶層間の界面を多くすること、ひいては位相の飛びを多く起こさせることが、レーザ発振の低閾値化に有利に作用しているものと考えられる。
上記レーザ発振素子において、隣り合う色素非含有コレステリック液晶層の螺旋の掌性が互いに異なることが好ましい。この場合、レーザ発振の際の閾値をより十分に低減することができる。
上記レーザ発振素子において、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域に内包されていることが好ましい。この場合、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域に内包されていない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。この理由についても明らかではないが、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域に内包されることで、レーザ発振素子が、欠陥層を有するフォトニック結晶としてより強く作用し、かつ色素非含有コレステリック液晶層が一種の共振器の役割も果たしているためではないかと考えられる。
また、上記レーザ発振素子において、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端に対し、合致しているか、20nm以内で長波長寄りにあることが好ましい。
この場合、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端が色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つ色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
また上記レーザ発振素子において、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で短波長寄りにあることが好ましい。この場合、色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端が色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つ色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
さらに、上記レーザ発振素子においては、色素含有コレステリック液晶層に含まれる色素が有機系色素であることが好ましい。
この場合、色素が無機系色素である場合に比べて、液晶に対する溶解性に優れ、液晶の配向を損なわないという利点が得られる。
上記レーザ発振素子においては、前記色素が、前記色素含有コレステリック液晶層の厚さ方向に沿って、前記コレステリック液晶の配向に従って配向していることが好ましい。
この場合、前記色素が、前記色素含有コレステリック液晶層中の前記コレステリック液晶の配列方向に沿って配向していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記レーザ発振素子においては、前記色素含有コレステリック液晶層と、前記色素非含有コレステリック液晶層のうち前記色素含有コレステリック液晶層に隣接するコレステリック液晶層との界面において、コレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していることが好ましい。
この場合、上記界面におけるコレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
なお、本発明では、コレステリック液晶の透過スペクトルをマイクロスコープスペクトルメータ(ORC製TFM-120AFT-PC)により測定して得られたスペクトルにおいて、選択反射帯域で透過率が60%となる2ヶ所の波長のうち短波長側の波長を「選択反射帯域の短波長端」とし、長波長側の波長を「選択反射帯域の長波長端」とする。
更に、本発明において、色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の螺旋ピッチが他の色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の螺旋ピッチの±10%以内である場合も、色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の螺旋ピッチが同一であるものとする。
更に、本発明において、「色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域が、色素非含有コレステリック液晶層の選択反射波長帯域に内包されている」とは、色素含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の短波長端が、色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の短波長端と合致しているか又はそれより長波長寄りにあり、且つ、色素含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の長波長端が、色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の長波長端と合致しているか又はそれより短波長寄りにあることを言う。
本発明のレーザ発振素子によれば、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることが可能となる。これによりレーザ発振素子の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことが可能となり、小型化も可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(レーザ発振素子)
図1は、本発明のレーザ発振素子の一実施形態を概略的に示す断面図である。図1に示すように、レーザ発振素子100は、コレステリック液晶、及び外部からの励起により発光する色素を含有する色素含有コレステリック液晶層1を備えている。色素含有コレステリック液晶層1の第1面1a上には、当該第1面1aから遠ざかる方向に、コレステリック液晶を含む2層のコレステリック液晶層2,3が順次積層されている。さらに、コレステリック液晶層3上には透明な配向基板7が積層されている。また、コレステリック液晶層2とコレステリック液晶層3との間には、ポリビニルアルコール(PVA:Poly Vinyl Alcohol)などの等方性の配向膜(図示せず)が設けられている。以下、必要に応じ、コレステリック液晶層2,3及び配向基板7を含む積層体を第1積層体9と言う。
また、色素含有コレステリック液晶層1の第1面1aと反対側の第2面1b上には、当該第2面1bから遠ざかる方向に、コレステリック液晶を含む2層のコレステリック液晶層4,5が順次積層されている。さらに、コレステリック液晶層5上には透明な配向基板8が積層されている。また、コレステリック液晶層4とコレステリック液晶層5との間にも、上記と同様の等方性の配向膜(図示せず)が設けられている。以下、必要に応じ、コレステリック液晶層4,5及び配向基板8を含む積層体を第2積層体10と言う。
このように、レーザ発振素子100は、一定方向に積層される5層のコレステリック液晶層を備えており、色素含有コレステリック液晶層1は、第1積層体9と第2積層体10とによって挟まれている。言い換えると、色素含有コレステリック液晶層1の両側にはそれぞれ2層ずつコレステリック液晶層が積層されている。
コレステリック液晶層2〜5中のコレステリック液晶においては、液晶分子により螺旋構造が形成されている。具体的には、液晶分子のダイレクタの向きがコレステリック液晶層2〜5の厚さ方向に沿って、言い換えると、コレステリック液晶層2〜5の表面に直交する方向に沿って、螺旋を巻くように変化している。コレステリック液晶は、この螺旋構造に起因して特定波長帯域の光を選択的に反射することが可能となっている。
ここで、コレステリック液晶層2〜5におけるコレステリック液晶は同一の螺旋ピッチを有する。従って、コレステリック液晶層2〜5の選択反射波長帯域も同一となっている。
また、隣り合うコレステリック液晶層2及びコレステリック液晶層3の螺旋の掌性は、互いに異なっている。本実施形態では、コレステリック液晶層2の螺旋の掌性は右であり、コレステリック液晶層3の螺旋の掌性は左となっている。
一方、隣り合うコレステリック液晶層4及びコレステリック液晶層5の螺旋の掌性も互いに異なっている。本実施形態では、コレステリック液晶層4の螺旋の掌性は右であり、コレステリック液晶層5の螺旋の掌性は左となっている。また、色素含有コレステリック液晶層1の螺旋の掌性は、コレステリック液晶層3,5の螺旋の掌性と同一である。即ち、色素含有コレステリック液晶層1の螺旋の掌性は左である。従って、掌性が左のコレステリック液晶層をL、掌性が右のコレステリック液晶層をRとすると、レーザ発振素子100は、LR−L−RLの構造を有することになる。
そして、色素含有コレステリック液晶層1中における色素から発せられる光の発光帯と、コレステリック液晶層2〜5中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っている。
このレーザ発振素子100においてレーザ発振を起こさせる場合、色素の励起光として、例えばコレステリック液晶層2〜5における選択反射波長帯域より短い波長を有し且つ色素を励起することが可能な光が励起光として用いられる。レーザ発振素子100によれば、この励起光が例えば配向基板7からコレステリック液晶層3に入射される。すると、励起光は、コレステリック液晶層3、コレステリック液晶層2を透過して色素含有コレステリック液晶層1に入射され、色素を励起して発光を起こさせ、レーザ発振を起こすことが可能となる。このとき、レーザ発振素子100によれば、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることができる。即ち、レーザ発振素子100によれば、レーザ発振の際の励起エネルギーの閾値を十分に低減させることができる。言い換えると、レーザ発振素子100によれば、レーザ発振を高効率で起こさせることが可能となる。これによりレーザ発振素子100の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことも可能となる。
ここで、レーザ発振が起こる理由は定かではないが、コレステリック液晶層2〜5および色素含有コレステリック液晶層1それぞれ単層の光学的特徴の重ね合わせではなく、5層全体で1つのフォトニック結晶として作用するためと推察される。すなわち、コレステリック液晶層単層では選択反射帯域内にあるすべての波長の光の輻射が抑制される。ところが、本構成においてはレーザ発振素子100が、特定の波長に関しては輻射が許されるという特徴を持つ欠陥層を有するフォトニック結晶として作用することで、レーザ発振の閾値が著しく低減したためと考えられる。特に、レーザ発振素子100が5層のコレステリック液晶層を有することで、レーザ発振素子100におけるコレステリック液晶層間の界面を多くすること、ひいては位相の飛びを多く起こさせることが、レーザ発振の低閾値化に有利に作用しているものと考えられる。またレーザ発振が高効率で起こるのは、選択反射帯域がコレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域に内包され、蛍光を発する色素含有コレステリック液晶層1を、第1積層体9と第2積層体10とで挟み込むことで新たな欠陥モードが生じるため、欠陥準位に相当する波長に発光が集中的に起こることに起因すると本発明者らは考える。
(コレステリック液晶)
次に、色素含有コレステリック液晶層1及びコレステリック液晶層2〜5を構成するコレステリック液晶について詳細に説明する。
色素含有コレステリック液晶層1のコレステリック液晶と、コレステリック液晶層2〜5のコレステリック液晶とは、互いに同一の螺旋ピッチを有していれば、同一のコレステリック液晶で構成されても、異なるコレステリック液晶で構成されてもよい。
但し、色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域は、コレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域に内包されていることが好ましい。この場合、色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域が、コレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域に内包されていない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
また、色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域の短波長端は、コレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域の短波長端に対し、合致しているか、20nm以内で長波長寄りにあることが好ましい。
この場合、色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域の短波長端がコレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つ色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域の長波長端が、コレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
また色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域の長波長端は、コレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域の長波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で短波長寄りにあることが好ましい。この場合、色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域の短波長端がコレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つ色素含有コレステリック液晶層1の選択反射帯域の長波長端が、コレステリック液晶層2〜5の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記レーザ発振素子100においては、色素含有コレステリック液晶層1と、コレステリック液晶層2〜5のそれぞれの界面において、コレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していることが好ましい。
この場合、上記界面におけるコレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記コレステリック液晶層を構成する液晶物質としては、高分子液晶物質と低分子液晶物質があり、高分子液晶物質としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、またはこれらの混合物を用いることができる。
主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、またはこれらの混合物等が挙げられる。
また、側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、またはこれらの混合物が挙げられる。
これらのなかでも合成や配向の容易さなどから、主鎖型高分子液晶物質が好ましく、その中でもポリエステル系が特に好ましい。
ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位が好適な例として挙げられる。
また低分子液晶物質としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類、ステロール化合物誘導体類などの末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられる。
コレステリック液晶層3、5を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えばコレステリック液晶層3、5は、透明基板上に配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を施した後、前記コレステリック液晶を必須成分とする液晶材料を塗布し、熱処理することによって得ることができる。コレステリック液晶層2,4は、例えばコレステリック液晶層3,5の上に配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を施した後、前記コレステリック液晶を必須成分とする液晶材料を塗布し、熱処理することによって得ることができる。
色素含有コレステリック液晶層1を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。色素含有コレステリック液晶層1は、第1積層体9と第2積層体10との間に例えば1μmから1000μm程度のスペーサを狭持し、この空間に低分子液晶物質を毛細管現象を利用して注入することによって得ることができる。この際、スペーサには、例えばガラスビーズ、シリカビーズ、もしくはポリスチレン、アクリル樹脂のようなプラスチック製ビーズを用いることができ、また、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルムを用いることができる。
さらに色素含有コレステリック液晶層1は、コレステリック液晶2もしくはコレステリック液晶層4の上に上記コレステリック液晶を必須成分とする液晶材料を塗布し、熱処理することによっても得ることができる。
なお、色素含有コレステリック液晶層1に含まれるコレステリック液晶は、低分子液晶物質に限られるものではなく、高分子液晶物質であってもよい。この場合、色素含有コレステリック液晶層1における熱揺らぎが抑制されるため、色素含有コレステリック液晶層1に含まれるコレステリック液晶が、高分子液晶物質でない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
ここで、コレステリック液晶が高分子液晶物質である色素含有コレステリック液晶層1を得るためには、例えば紫外線硬化型のコレステリック液晶を溶解することが可能な溶媒中に当該コレステリック液晶を溶解させて液晶溶液を準備し、この液晶溶液をコレステリック液晶層2とコレステリック液晶層4との間に注入した後、液晶溶液に紫外線を照射して硬化さえればよい。
(色素)
次に、色素含有コレステリック液晶層1中に含まれる色素について詳細に説明する。
色素は、光励起により光を発することが可能であればいかなるもであってもよく、有機系色素または無機系色素のいずれであっても構わない。ここで、光励起により発せられる光には、蛍光のみならず燐光も含まれる。有機系色素としては、例えば、スチリル(Styryl)、キサンテン(Xanthene)、オキサジン(Oxazine)、クマリン(Coumarine)、スチルベン(Stilben)誘導体、オキサゾール(Oxazole)誘導体、オキサジアゾール(Oxadiazole)誘導体、p−オリゴフェニレン(Origophenylene)誘導体が挙げられる。また、下記化学構造式:
Figure 2008270358
(上記式中、RがO(CH12Hである場合は、RはH又はt−Buを表し、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHである場合は、Rは水素又はt−Buを表し、mは1以上の整数を表す。)
で表される化合物、又は下記構造式:
Figure 2008270358
(上記式中、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHである場合は、RはH又はt−Buを表し、nは1以上の整数を表す。)
で表される化合物なども用いることができる。これらの化合物の分子量は特に規定されないが、5万以下であることが好ましい。分子量が5万以上の場合は粘性が高くなり配向性が悪化するため好ましくない。
また、上記有機系色素としては、下記構造式:
Figure 2008270358
で表されるクォーターチオフェン(QT:Quarter Thiophene)も使用することができる。
無機系色素としては、例えば硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム、カナリーガラス、シアン化白金、アルカリ土類金属の硫化物、希土類化合物などが挙げられる。
上記色素のうち有機系色素が特に好ましい。この場合、液晶への溶解性に優れ、液晶の配向性を阻害しにくいという利点がある。このうち特に好ましいのは、下記構造式
Figure 2008270358
(上記式中、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHを表し、Rはt−Buを表し、mは1以上の整数を表す)
で表される有機系色素である。この有機系色素を用いると、他の有機系色素に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減できる。
また、色素は、色素含有コレステリック液晶層1の厚さ方向に沿って、コレステリック液晶の配向に従って配向していることが好ましい。即ち、色素は、色素含有コレステリック液晶層1の厚さ方向に沿って、コレステリック液晶と同様に螺旋状に配向していることが好ましい。ここで、色素の螺旋のピッチは、コレステリック液晶の螺旋ピッチと同一である。この場合、色素が、色素含有コレステリック液晶層1中のコレステリック液晶の配列方向に沿って配向していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
なお、十分な光強度のレーザ発振を起こす観点からは、コレステリック液晶の選択反射波長帯域内に色素の発光帯が含まれることが好ましい。
(配向基板)
配向基板7,8は、色素の励起光及び当該励起光による色素の発光に対して透明であり且つコレステリック液晶層3,5を支持することが可能なものであれば特に制限されず、配向基板7、8としては、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルム、又はこれらのフィルムの一軸延伸フィルムもしくは二軸延伸フィルム又はガラス基板等が例示できる。これらのフィルムはその製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくともコレステリック液晶層3、5に使用されるコレステリック液晶に対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が不十分、または配向能を示さない等の場合には、必要によりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸したり、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行ったり、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてラビング処理を行ったり、酸化珪素等の斜方蒸着処理を行ったり、あるいはこれらの処理を適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表面に規則的な微細溝を設けた各種ガラス板等も配向基板7、8として使用することができる。
これらの中でも、配向基板7、8としては、フィルム上に、ラビング処理した配向膜(例えばポリイミドフィルム)を形成したものが好ましく用いられる。
(レーザ発振素子の製造方法)
上記レーザ発振素子100は、以下のようにして製造することができる。
まず透明な配向基板7、8を用意する。配向基板7、8としては、例えばラビング処理した配向膜が形成されたガラス基板が用いられる。
次に、コレステリック液晶層3、5を構成するコレステリック液晶を溶媒と混合して所定濃度の液晶溶液を調製し、この液晶溶液を配向基板7,8の配向膜上に塗布する。これにより、コレステリック液晶が配向する。このとき、必要なら熱処理などによりコレステリック液晶の配向を形成する。熱処理は液晶相発現温度範囲に加熱することにより、該液晶物質が本来有する自己配向能により液晶を配向させるものである。熱処理の条件としては、用いる液晶物質の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜300℃、好ましくは30〜250℃の範囲である。あまり低温では、液晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温では、液晶物質が分解したり配向基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜60分、好ましくは10秒〜30分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成しないおそれがあり、また60分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。
上記液晶溶液を構成する溶媒は、用いるコレステリック液晶の種類により異なるが、通常トルエン、キシレン、ブチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素系、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系、ブチルアルコール、トリエチレングリコール、ジアセトンアルコール、ヘキシレングリコール等のアルコール系等が挙げられる。これらの溶媒は必要により適宜混合して使用してもよい。また、溶液の濃度は用いられるコレステリック液晶の分子量や溶解性、さらに最終的に目的とするコレステリック液晶層3、5の厚み等により異なるため一概には決定できないが、通常は1〜60質量%、好ましくは3〜40質量%である。
また上記液晶溶液には、塗布を容易にするために界面活性剤を加えても良く、この界面活性剤としては、例えばイミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル及び親油基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類や溶剤、あるいは塗布する配向基板7,8の配向膜にもよるが、通常、コレステリック液晶の質量に対する比率にして10ppm〜10%、好ましくは50ppm〜5%、さらに好ましくは0.01%〜1%の範囲である。
また上記液晶溶液には、コレステリック液晶層3、5の耐熱性等を向上させるために、コレステリック液晶相の発現を妨げない程度のビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤等を添加し、後の工程で架橋することもできる。またアクリロイル基、ビニル基あるいはエポキシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格とした重合性官能基を予め液晶物質に導入しておきコレステリック相を発現させ架橋させてもよい。
液晶溶液の塗布方法は、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。塗布された膜の乾燥状態における膜厚は、通常0.2〜30μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.7〜3μmである。膜厚が0.2μmよりも薄い場合は、コレステリック液晶の螺旋構造の巻き数が十分でなく選択反射などの光学性能が不十分であり、膜厚が30μmよりも厚い場合は、コレステリック液晶の配向が不十分になるおそれがある。
コレステリック液晶の配向を形成させた後は、配向の固定化を行う。この場合、コレステリック液晶の配向が熱処理などにより完成したのち、そのままの状態で配向基板7,8上のコレステリック液晶を、使用した液晶に適した手段を用いて固定化する。このような手段としては、例えば急冷によるガラス固定化、熱、紫外線、電子線などのエネルギー照射による架橋化などが挙げられる。
次に、コレステリック液晶層3,5の上に上記と同様の配向膜を例えばスピンコート法によって形成し、配向膜にラビング処理を施す。ここで、配向膜は、溶媒がコレステリック液晶層3,5中のコレステリック液晶を溶解することを防止する役目も担っている。このとき、配向膜は、ポリビニルアルコール(PVA)で構成されることが好ましい。この理由は次の通りである。即ち、PVAは水系溶媒に可溶であるため、コレステリック液晶層3,5中のコレステリック液晶が高分子液晶物質で構成されていても、コレステリック液晶層3,5を溶解することなく、コレステリック液晶層3,5上にPVA層を配向膜として形成することが可能である。また、形成されたPVA層は、コレステリック液晶層2,4を形成する際に、コレステリック層3,5を溶解する溶媒に対してバリア層となり、さらにラビング処理を施すことが可能で配向膜としても機能する。さらに、配向膜がポリイミドである場合、バリア層となるような周密な膜とするためにはポリイミドの前駆体に対して300度近い高温での熱処理と必要である。この温度では、コレステリック液晶層3,5が液晶相から等方相となり配向状態も乱れ、均一なコレステリック液晶層3,5を保持できなくなる。これに対し、PVAの場合は、このような高温での熱処理を行わなくても周密なバリア層を形成することが可能であり、均一なコレステリック液晶層3,5を保持することができる。ここで、「周密」とは、嵩高く密度が高い状態を言う。また、ポリイミドでは短波長側に吸収があるため黄色に着色するのに対し、PVAはほぼ完全に透明である。
次に、コレステリック液晶として、上記コレステリック液晶層3,5のコレステリック液晶とは螺旋の掌性が異なるものを用いること以外は上記と同様にして、配向膜上にそれぞれコレステリック液晶層2,4を形成する。
なお、コレステリック液晶層2,4を予め作製している場合には、コレステリック液晶層2,4とコレステリック液晶層3,5とを熱融着などによって直接接着してもよい。
こうして、配向基板7、コレステリック液晶2,3を含む第1積層体9と、配向基板8、コレステリック液晶4,5を含む第2積層体10とが得られる。
次に、コレステリック液晶層2、4が互いに内側を向くように、第1積層体9と第2積層体10とをスペーサ(図示せず)を介して接続する。
そして、コレステリック液晶と色素とを溶媒中に混合した溶液を調製し、この溶液を、毛細管現象を利用して第1積層体9と第2積層体10との間のスペースに封入した後、この溶液を加熱して溶媒を除去する。これにより第1積層体9と第2積層体10との間に欠陥層として機能する色素を含有した色素含有コレステリック液晶層1が得られる。以上のようにしてレーザ発振素子100が得られる。
なお、上記製造方法では、第1積層体9と第2積層体10とを、スペーサを介して接続し、溶液を封入した後、溶媒を除去することにより、コレステリック液晶を配向させて第1積層体9と第2積層体10との間に色素含有コレステリック液晶層1を形成しているが、色素および色素含有コレステリック液晶層1の配向が固定化されている場合、すなわち色素含有コレステリック液晶層1が高分子フィルムからなる場合には、第1積層体9、色素含有コレステリック液晶層1、第2積層体10を、ホットラミネータなどを用いた熱融着により、もしくは接着剤などを用いて相互に積層すればよい。
なお、本発明のレーザ発振素子は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば図2に示すように、コレステリック液晶層2とコレステリック液晶層3とを相互に入れ替えるとともに、コレステリック液晶層4とコレステリック液晶層5とを相互に入れ替えてもよい。この場合、掌性が左のコレステリック液晶層をL、掌性が右のコレステリック液晶層をRとすると、レーザ発振素子200は、RL−L−LRの構造を有することになる。この場合でも、色素含有コレステリック液晶層1の一方の側では、隣り合うコレステリック液晶層2,3が互いに異なる掌性を有する。また色素含有コレステリック液晶層1の他方の側では、隣り合うコレステリック液晶層4,5が互いに異なる掌性を有する。このような構成のレーザ発振素子200でも、レーザ発振の際の励起エネルギーの閾値を十分に低減することができる。これにより、レーザ発振素子200の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことが可能となり、小型化も可能となる。
また、上記実施形態において、コレステリック液晶層2とコレステリック液晶層3とを相互に入れ替えただけのレーザ発振素子(即ち、LR−L−LR構造のレーザ発振素子)や、コレステリック液晶層2とコレステリック液晶層5とを相互に入れ替えただけのレーザ発振素子(即ち、RR−L−LL構造のレーザ発振素子)も本発明に含まれる。
次に、実施例を用いて、本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず掌性が右、即ちR構造のコレステリック液晶層(以下、「PCLCフィルム」)3,5を形成するための高分子コレステリック液晶溶液を次のようにして準備した。即ち、芳香族ポリエステルからなる高分子アキラルネマチック液晶と、芳香族ポリエステルからなる高分子キラルネマチック液晶との液晶混合物(新日本石油(株)製LCフィルム)を用い、これをクロロホルム中に溶解して高分子コレステリック液晶溶液を得た。ここで、液晶混合物中の高分子キラルネマチック液晶の混合比は、右ねじれ高分子キラルネマチック液晶が90質量%、高分子アキラルネマチック液晶が10質量%となるようにした。また、高分子コレステリック液晶溶液中の液晶混合物の濃度は10質量%とした。
この高分子コレステリック液晶溶液を、一方向にラビング処理したポリイミド配向膜(JSR(株)製1254)を持つガラス基板上にスピンコートした後、コレステリック液晶溶液に対し180℃に加熱して2分間硬化処理した。こうして、ガラス基板上に、良好に配向した厚さ約2μmの高分子コレステリック液晶フィルム3,5を形成した。即ち配向基板7,8上にPCLCフィルム3,5を得た。このとき、PCLCフィルムの螺旋軸はガラス基板の表面に垂直であった。また2つのPCLCフィルムのそれぞれについて透過スペクトルを測定し、選択反射波長帯域において短波長端及び長波長端を算出した。そして、その算術平均により、PCLCフィルムの選択反射の中心波長を決定した。その結果、選択反射の中心波長はいずれのPCLCフィルムについても483nmであった。また選択反射波長帯域が2つのPCLCフィルムで同一であり且つPCLCフィルムが同一材料で形成されるため、螺旋ピッチが同一であることが分かった。また、透過スペクトルの測定において、入射光を右円偏光にしたところ、選択反射波長帯域が観測されず、透過率が高くなったことから、PCLCフィルムの螺旋の掌性は左螺旋であることが分かった。
次に、PVA溶液をPCLCフィルム3,5上にスピンコートし、乾燥後、100℃で30分加熱し、PVA膜を得た。PVA溶液は、溶媒としての精製水にPVAを溶解することによって得た。このとき、PVA溶液中のPVA濃度が3質量%となるようにした。その後、PVA膜に対し、一定方向にラビング処理を施した。
一方、PCLCフィルム2,4を形成するために、上記PCLCフィルム3,5のコレステリック液晶とは螺旋の掌性が異なる(即ちL構造の)高分子コレステリック液晶を用い、液晶混合物中の高分子キラルネマチック液晶の混合比を、左ねじれ高分子キラルネマチック液晶が87質量%、高分子アキラルネマチック液晶が13質量%となるようにしたこと以外は上記と同様にして高分子コレステリック液晶溶液を準備した。そして、この高分子コレステリック液晶溶液を用い、上記と同様にしてPVA膜上に、良好に配向した厚さ約2μmのPCLCフィルム2,4を形成した。こうして配向基板7上に順次PCLCフィルム3,2が積層された第1積層体9と、配向基板8上に順次PCLCフィルム5,4が積層された第2積層体10を得た。このとき、PCLCフィルムの螺旋軸はガラス基板の表面に垂直であった。
また第1積層体9及び第2積層体10のそれぞれについて透過スペクトルを測定し、選択反射波長帯域において短波長端及び長波長端を算出した。そして、その算術平均により、第1積層体及び第2積層体の選択反射の中心波長を決定した。その結果、選択反射の中心波長は第1積層体9及び第2積層体10のいずれについても495nmであった。またPCLCフィルムが同一材料で形成されているため、PCLCフィルム2,4は、PCLCフィルム3,5と螺旋ピッチが同一であることが分かった。また、透過スペクトルの測定において、入射光を右円偏光にしたところ、選択反射波長帯域が観測されたことから、PCLCフィルム2,4の螺旋の掌性は左螺旋であることが分かった。
次に、上記のようにして得られた2つの積層体を、PCLCフィルム2,4が内側に配置されるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚さ12.5μmのスペーサを介して接続した。
一方、市販のネマチック液晶(Merck社製ZLI-2293)にキラル剤(Merck社製MLC-6247)を28.2質量%含有したコレステリック液晶(CLC)の低分子化合物と下記化学構造式:
Figure 2008270358
で表されるクォーターチオフェンをクロロフォルム中に混合することで、色素ドープCLC溶液を調製した。このとき、コレステリック液晶に対する色素の含有率は0.3質量%とした。
その後、色素ドープCLC溶液を、毛細管現象を利用してPCLCフィルム2,4間のスペースに導入し、70℃でクロロフォルムを蒸発させ、欠陥層としての色素含有コレステリック液晶層1を形成した。
こうして得たサンプルについて、マイクロスコープスペクトロメータ(ORC製TFM−120AFT−PC)の入射光側に左右円偏光フィルムを挟み、左右円偏光透過スペクトルを測定することにより、色素ドープCLCの螺旋の掌性は左螺旋であることが分かった。
以上のようにして厚さ22μmのレーザ発振素子を得た。
(比較例1)
配向基板7上にコレステリック液晶層2,3を形成せず、配向基板8上にコレステリック液晶層4,5を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した。作製したレーザ発振素子の厚さは13μmであった。
(比較例2)
配向基板7上にコレステリック液晶層3を形成せず、コレステリック液晶層2を直接形成し、配向基板8上にコレステリック液晶層5を形成せず、コレステリック液晶層4を直接形成したこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した。作製したレーザ発振素子の厚さは17μmであった。
(比較例3)
配向基板7上にコレステリック液晶層3を形成し、コレステリック液晶層2を形成せず、配向基板8上にコレステリック液晶層5を形成し、コレステリック液晶層4を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した。作製したレーザ発振素子の厚さは17μmであった。
(蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振スペクトルの測定)
実施例1および比較例1〜3で得られたレーザ発振素子について、透過スペクトル及びレーザ発振スペクトルの測定を行った。結果を図3〜6に示す。なお、図3〜6のそれぞれにおいて、点線が蛍光スペクトル及び透過スペクトルに、実線がレーザ発振スペクトルに対応する。なお、蛍光スペクトル及びレーザ発振スペクトルの強度は図3〜6のグラフにおいて左側の縦軸で表され、透過スペクトルは、図3〜6のグラフにおいて右側の縦軸で表される。但し、図3〜6においては、透過スペクトルはトランスミッタンスで表してある。蛍光スペクトルについては、比較例2のレーザ発振素子の測定結果を示す。
蛍光スペクトル及びレーザ発振スペクトルの測定においては特に、励起光として、オプティカルパラメトリック発振器(Optical Parametric Oscillator: OPO)から出射される420nmパルスレーザビームを使用した。なお、OPOの励起には、Nd:YAGレーザから出射される第三高調波を使用した。
また励起光は、レーザ発振素子のガラス基板表面に対して垂直に入射した。より具体的に述べると、直径1mmφのアパチャーを通った励起光の偏光の方向がガラス基板に形成した配向膜に対するラビング方向と直交するように励起光をガラス基板に入射した。実施例1、比較例1〜3のそれぞれにおいて、励起光のエネルギーはそれぞれ329nJ/Pulse、645 nJ/Pulse、623nJ/Pulse、374nJ/Pulseとした。レーザ光のレーザ発振素子からの発光は、励起光を遮断するシャープカットフィルタを通した後、ガラス基板の正面、すなわちガラス基板の表面に対する法線上に配置されたレンズによって、マルチチャンネルスペクトロメータ(オーシャンオプティックス社製HR-4000)で検出した。このマルチチャンネルスペクトロメータの波長分解能は500nmで0.11nmである。
透過スペクトルは、マイクロスコープスペクトロメータ(ORC製TFM−120AFT−PC)により測定した。
図3〜6に示す結果より、色素含有コレステリック液晶層1中の色素の発光帯と、コレステリック液晶層2〜5中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域とが一部において重なり合っていることが確認された。また実施例1のレーザ発振素子においては、FWHM値の極めて小さなレーザ発振が確認された。このときのFWHM値は0.35nmでスペクトルメータの波長分解能の限界値であった。これに対し、比較例1〜3のレーザ発振素子によれば、FWHM値はそれぞれ0.5nm、0.45nm、0.4nmであった。
次に、実施例1、比較例1〜3で得られたレーザ発振素子について、レーザ発振に必要な入射エネルギーの最小値(閾値)を調べる測定も、励起光として、オプティカルパラメトリック発振器(Optical Parametric Oscillator: OPO)から出射される420nmのパルスレーザビームを使用した。
パルスレーザビームの入射エネルギーは、透過率の異なる13枚のニュートラルデンシティフィルタを組み合わせて変化させた。
上記ニュートラルデンシティフィルタを透過した励起光は、レーザ発振素子のガラス基板表面に対して垂直に入射した。レーザ発振素子からの発光は、励起光を遮断するシャープカットフィルタを通した後ガラス基板の正面、すなわちガラス基板の表面に対する法線上に配置されたレンズによって、マルチチャンネルスペクトロメータ(オーシャンオプティックス社製HR-4000)で検出した。
図7に、実施例1および比較例1〜3より得られたレーザ発振素子の入射エネルギーとレーザ発振素子からの発光の最大ピークの光強度の関係を示す。横軸の単位はnJであり、縦軸の単位は任意単位である。図7において、「□」は、5層構造のレーザ発振素子、つまり実施例1のレーザ発振素子についての結果を示し、「○」は単層構造のレーザ発振素子、つまり比較例1のレーザ発振素子についての結果を示している。また「△」は、3層構造のレーザ発振素子、つまり比較例2のレーザ発振素子についての結果を示し、「☆」は、3層構造のレーザ発振素子、つまり比較例3のレーザ発振素子についての結果を示している。図7より、実施例1及び比較例1〜3のレーザ発振素子について、レーザ発振の際の閾値を求めた。結果を表1に示す。なお、表1において、L,Rは各コレステリック液晶層の螺旋の掌性を表し、−L−は色素含有コレステリック液晶層を表す。
Figure 2008270358
表1に示す結果より、実施例1のレーザ発振素子は、比較例1〜3のレーザ発振素子よりもレーザ発振の際の閾値が著しく低下していることが分かった。
このことから、本発明のレーザ発振素子によれば、レーザ発振の際の閾値を十分に低減できることが確認された。
本発明に係るレーザ発振素子の一実施形態を概略的に示す図である。 本発明に係るレーザ発振素子の他の実施形態を概略的に示す図である。 実施例1のレーザ発振素子に係る蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例1に係るレーザ発振素子の蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例2に係るレーザ発振素子の蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例3に係るレーザ発振素子の蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 実施例1および比較例1、2、3のレーザ発振素子に係る励起光エネルギーとレーザ光強度の関係を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1…色素含有コレステリック液晶層、2〜5…コレステリック液晶層(色素非含有コレステリック液晶層)、7,8…配向基板、100,200…レーザ発振素子。

Claims (8)

  1. コレステリック液晶を含み、一定方向に積層される5層のコレステリック液晶層を備えるレーザ発振素子であって、
    前記5層のコレステリック液晶層のうちの1層のコレステリック液晶層が、外部からの励起により発光する色素を含有する色素含有コレステリック液晶層であり、残りの4層のコレステリック液晶層が、前記色素を含有しない色素非含有コレステリック液晶層であり、
    前記色素含有コレステリック液晶層の両側にそれぞれ、前記色素非含有コレステリック液晶層が2層ずつ設けられ、
    前記色素非含有コレステリック液晶層が同一の螺旋ピッチを有し、
    前記色素から発せられる光の発光帯と、前記色素非含有コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っていること、
    を特徴とするレーザ発振素子。
  2. 隣り合う前記色素非含有コレステリック液晶層の螺旋の掌性が互いに異なる、請求項1に記載のレーザ発振素子。
  3. 前記色素含有コレステリック液晶層の選択反射帯域が、前記色素非含有コレステリック液晶層の選択反射波長帯域に内包されている、
    請求項1又は2に記載のレーザ発振素子。
  4. 前記色素含有コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の短波長端が、前記色素非含有コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の短波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で長波長寄りにある、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  5. 前記色素含有コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の長波長端が、前記色素非含有コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の長波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で短波長寄りにある、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  6. 前記色素含有コレステリック液晶層に含まれる前記色素が有機系色素である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  7. 前記色素が、前記色素含有コレステリック液晶層の厚さ方向に沿って、前記コレステリック液晶の配向に従って配向している、請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  8. 前記色素含有コレステリック液晶層と、前記色素非含有コレステリック液晶層のうち前記色素含有コレステリック液晶層に隣接するコレステリック液晶層との界面において、コレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
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