JP2007019447A - レーザ発振素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分低減できるレーザ発振素子を提供すること。
【解決手段】 本発明のレーザ発振素子1は、コレステリック液晶層2、コレステリック液晶層2に対向するコレステリック液晶層3、コレステリック液晶層2、3間に設けられ、コレステリック液晶及び蛍光性色素を含むコレステリック液晶層4を備え、コレステリック液晶層2、3中のコレステリック液晶は、螺旋の掌性及びピッチが同一であり、色素から発せられる蛍光の発光帯と、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の一部とが互いに重なり合っている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コレステリック液晶を用いたレーザ発振素子に関する。
コレステリック液晶は特定の波長の光を選択的に反射する性質を有しており、特に、コレステリック液晶の螺旋の巻きと同じ掌性の円偏光を選択的に反射し、逆の掌性の円偏光を透過させる。
このようなコレステリック液晶については、従来より、選択反射波長帯域のエッジ部分においてレーザ発振が起こることが報告されている(例えば非特許文献1参照)。
最近では、レーザ発振の低しきい値化のためには選択反射波長帯域の内側の波長でレーザ発振を起こさせるべきとの提案がなされたことから、このようなレーザ発振を起こさせるレーザ発振素子に関して種々の研究が行われるようになっている。このようなレーザ発振素子として、例えば色素を含む2つのコレステリック液晶フィルムを、方位角をずらした状態で重ね合わせるようにしたものが知られている(例えば非特許文献2参照)。
更に最近では、例えば2枚のコレステリック液晶フィルムを、それらの間に、色素を含むネマチック液晶を挟んで重ね合わせたものが知られている。(例えば非特許文献3参照)。
コップ(Kopp)、外4名、 「コレステリック液晶におけるフォトニックストップバンド端における低しきい値レージング(Low-thresholdlasing at the edge of a photonicstop band in cholesteric liquid crystals)」、オプティクスレター(Optics Letter)、米国、1998年、第23巻、p.1707−1709 尾崎、外3名、「コレステリック液晶のストップバンド内における欠陥モードとレーザ発振」、電気材料技術雑誌、2002年、第11巻、第2号、p.165−167 ソン(Song)、他13名、「高分子コレステリック液晶における欠陥モードレーザ発振に対する位相遅れの効果(Effect of phase retardation on defect modelasing in polymeric cholestericliquid crystals)」、アドバンスト マテリアルス(Advanced Materials)、ドイツ、2004年、第16巻、第9−10号、p.779−783
本発明者らは、前述した非特許文献2に記載のレーザ発振素子においては、選択反射帯域内の波長においてレーザ発振を起こさせることができるものの、ある程度のレーザ光強度を得るためにはレーザ発振素子の厚さを十分に大きくする必要があり、レーザ発振素子を小型化しながらレーザ発振を起こさせることができない、即ちレーザ発振を高い効率で起こさせることができないことを見出した。また、前述した非特許文献3に記載のレーザ発振素子においては、レーザ発振するのに必要な最低励起エネルギー量が未だ低いとは言えないため、レーザ素子内部での発熱量が大きく、素子を劣化させるため長時間の使用や連続(CW)発振に適しているとは言えないことを見出した。
そこで、本発明は、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることができるレーザ発振素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、まず2つのコレステリック液晶層間に、欠陥層として、色素と、前記コレステリック液晶層と逆の掌性の螺旋構造を有するコレステリック液晶を含有するコレステリック液晶層を備えた系に着目した。但し、このような系においては、色素の励起光を入射すると、色素から発せられる蛍光は、色素に入射される励起光の掌性と同一になると考えられており、そのため、この蛍光は、欠陥層としてのコレステリック液晶層を挟む2つのコレステリック液晶層を透過し、レーザ発振が起こらないものと考えられていた。本発明者らは、かかる系においてレーザ発振を起こさせるべく鋭意検討を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち本発明のレーザ発振素子は、コレステリック液晶を含む第1コレステリック液晶層と、前記第1コレステリック液晶層に対向配置され、コレステリック液晶を含む第2コレ
ステリック液晶層と、前記第1コレステリック液晶層と前記第2コレステリック液晶層との間に設けられ、コレステリック液晶及び、外部からの励起により蛍光を発する色素を含む第3コレステリック液晶層とを備えており、前記第1コレステリック液晶層と第2コレステリック液晶層中のコレステリック液晶は、コレステリック液晶の螺旋の掌性が同一であり、かつ、螺旋ピッチが同一であり、前記色素から発せられる蛍光の発光帯と、前記第1、第2コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っていること、を特徴とする。
このレーザ発振素子においてレーザ発振を起こさせる場合、色素の励起光として、例えば第1および第2コレステリック液晶層における選択反射波長帯域より短い波長を有し且つ色素を励起することが可能な光が励起光として用いられる。本発明のレーザ発振素子によれば、この励起光が例えば第1コレステリック液晶層に入射される。すると、励起光は、第1コレステリック液晶層を透過して第3コレステリック液晶層に入射され、色素を励起して蛍光発光を起こさせ、レーザ発振を起こすことが可能となる。このとき、レーザ発振素子によれば、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることができる。言い換えると、本発明のレーザ発振素子によれば、励起光の入射エネルギーが十分に小さくてもレーザ発振を起こすことが可能となる。更に別の言い方をすれば、本発明のレーザ発振素子によれば、レーザ発振を高効率で起こさせることが可能となる。これによりレーザ発振素子の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことも可能となり、小型化も可能となる。
本発明のレーザ発振素子において、レーザ発振が起こる理由は定かではないが、第1コレステリック液晶層、第2コレステリック液晶層および第3コレステリック液晶層それぞれ単層の光学的特徴の重ね合わせではなく、3層全体で1つのフォトニック結晶として作用するためと推察される。すなわち、コレステリック液晶層単層では選択反射帯域内にあるすべての波長の光の輻射が抑制される。ところが、本発明においては特定の波長に関しては輻射が許されるという特徴を持つ欠陥層を有するフォトニック結晶として作用することで、レーザ発振の閾値が著しく低減したためと考えられる。さらには、第1および第2コレステリック液晶層に挟まれた第3コレステリック層からのみ蛍光が発せられること、即ちフォトニック結晶の中心部でのみ発光があることによって、生じた光がフォトニック結晶内部に封じこめられ、レーザ発振の閾値が著しく低減したと考えられる。
上記レーザ発振素子において、第3コレステリック液晶層の選択反射帯域が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域に内包されていることが好ましい。この場合、第3コレステリック液晶層の選択反射帯域が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域に内包されていない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。この理由についても明らかではないが、第3コレステリック液層層の選択反射帯域が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域に内包されることで、レーザ発振素子が、欠陥層を有するフォトニック結晶としてより強く作用したためではないかと考えられる。
また、上記レーザ発振素子において、第3コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端に対し、合致しているか、20nm以内で長波長寄りにあることが好ましい。
この場合、第3コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端が第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つ第3コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
また上記レーザ発振素子において、第3コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で短波長寄りにあることが好ましい。この場合、第3コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端が第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つ第3コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
さらに、上記レーザ発振素子においては、第3コレステリック液晶層に含まれる色素が有機系色素であることが好ましい。
この場合、色素が無機系色素である場合に比べて、液晶に対する溶解性に優れ、液晶の配向を損なわないという利点が得られる。
上記レーザ発振素子においては、前記第3コレステリック液晶層に含まれる前記コレステリック液晶が、高分子液晶物質であることが好ましい。
この場合、第3コレステリック液晶層における熱揺らぎが抑制されるため、前記第3コレステリック液晶層に含まれる前記コレステリック液晶が、高分子液晶物質でない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記レーザ発振素子においては、前記色素が、前記第3コレステリック液晶層の厚さ方向に沿って、前記コレステリック液晶の配向に従って配向していることが好ましい。
この場合、前記色素が、前記第3コレステリック液晶層中の前記コレステリック液晶の配列方向に沿って配向していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記レーザ発振素子においては、前記第3コレステリック液晶層と、前記第1コレステリック液晶層及び前記第2コレステリック液晶層のそれぞれの界面において、コレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していることが好ましい。
この場合、界面におけるコレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
なお、本発明では、コレステリック液晶の透過スペクトルをマイクロスコープスペクトルメータ(ORC製TFM-120AFT-PC)により測定して得られたスペクトルにおいて、選択反射帯域で透過率が60%となる2ヶ所の波長のうち短波長側の波長を「選択反射帯域の短波長端」とし、長波長側の波長を「選択反射帯域の長波長端」とする。
更に、本発明において、第1コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の螺旋ピッチが第2コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の螺旋ピッチの±10%以内である場合も、第1コレステリック液晶層及び第2コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の螺旋ピッチが同一であるものとする。
更に、本発明において、「第3コレステリック液晶層の選択反射帯域が、第1および第2コレステリック液晶層の選択反射波長帯域に内包されている」とは、第3コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の短波長端が、第1コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の短波長端と合致しているか又はそれより長波長寄りにあり、且つ、第3コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の長波長端が、第1コレステリック液晶層中のコレステリック液晶における選択反射帯域の長波長端と合致しているか又はそれより短波長寄りにあることを言う。
本発明のレーザ発振素子によれば、色素及びコレステリック液晶を含む第3のコレステリック液晶層が、螺旋ピッチが同一のコレステリック液晶を含む第1コレステリック液晶層および第2コレステリック液晶層の間に欠陥層として狭持されることで、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることが可能となる。これによりレーザ発振素子の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことが可能となり、小型化も可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(レーザ発振素子)
図1は、本発明のレーザ発振素子の一実施形態を概略的に示す断面図である。図1に示すように、レーザ発振素子1は、コレステリック液晶を含むコレステリック液晶層(第1コレステリック液晶層)2と、コレステリック液晶を含むコレステリック液晶層(第2コレステリック液晶層)3とを備えており、これらは互いに対向して配置されている。コレステリック液晶層2、3の間には色素及びコレステリック液晶を含有するコレステリック液晶層(第3コレステリック液晶層)4が欠陥層として設けられている。
ここで、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶の螺旋は同一の掌性を有しており、且つ同一の螺旋ピッチを有している。またコレステリック液晶層4中のコレステリック液晶については、その螺旋の掌性は、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶と逆になっている。また色素から発せられる蛍光の発光帯と、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っている。
なお、コレステリック液晶層2上にはコレステリック液晶層(第3コレステリック液晶層)4の反対側に、透明な配向基板7が設けられ、コレステリック液晶層3上にはコレステリック液晶層(第3コレステリック液晶層)4の反対側に、透明な配向基板8が設けられている。
このレーザ発振素子1においてレーザ発振を起こさせる場合、色素の励起光として、例えばコレステリック液晶層2,3における選択反射波長帯域より短い波長を有し且つ色素を励起することが可能な光が励起光として用いられる。レーザ発振素子1によれば、この励起光が例えばコレステリック液晶層2に入射される。すると、励起光は、コレステリック液晶層2を透過してコレステリック液晶層4に入射され、色素を励起して蛍光発光を起こさせ、レーザ発振を起こすことが可能となる。このとき、レーザ発振素子1によれば、レーザ発振に必要な励起エネルギー量を十分に低減させることができる。言い換えると、レーザ発振素子1によれば、励起光の入射エネルギーが十分に小さくてもレーザ発振を起こすことが可能となる。更に別の言い方をすると、レーザ発振素子1によれば、レーザ発振を高効率で起こさせることが可能となる。これによりレーザ発振素子1の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことも可能となる。
ここで、レーザ発振が起こる理由は定かではないが、第1コレステリック液晶層、第2コレステリック液晶層および第3コレステリック液晶層それぞれ単層の光学的特徴の重ね合わせではなく、3層全体で1つのフォトニック結晶として作用するためと推察される。すなわち、コレステリック液晶層単層では選択反射帯域内にあるすべての波長の光の輻射が抑制される。ところが、本構成においては特定の波長に関しては輻射が許されるという特徴を持つ欠陥層を有するフォトニック結晶として作用することで、レーザ発振の閾値が著しく低減したためと考えられる。またレーザ発振が高効率で起こるのは、選択反射帯域がコレステリック液晶層2,3の選択反射帯域に内包され、蛍光を発するコレステリック液晶層4を、螺旋の掌性が互いに同一の2つのコレステリック液晶層2、3で挟み込むことで新たな欠陥モードが生じるため、欠陥準位に相当する波長に蛍光が集中的に生じることに起因すると本発明者らは考える。
コレステリック液晶層2中のコレステリック液晶においては、液晶分子により螺旋構造が形成されている。具体的には、液晶分子のダイレクタの向きがコレステリック液晶層2の厚さ方向に沿って、言い換えると、コレステリック液晶層2の表面に直交する方向に沿って、螺旋を巻くように変化している。コレステリック液晶は、この螺旋構造に起因して特定波長帯域の光を選択的に反射することが可能となっている。コレステリック液晶の螺旋の掌性は左であっても右であってもよいが、本実施形態では、コレステリック液晶の螺旋の掌性は左となっている、すなわち、コレステリック液晶の螺旋は左巻きであるものとする。
コレステリック液晶層3中のコレステリック液晶は、コレステリック液晶層2に対し螺旋の掌性が同一で且つ螺旋ピッチが同一であればいかなるものであってもよいが、通常はコレステリック液晶層3中のコレステリック液晶として、コレステリック液晶層2のコレステリック液晶と同一のコレステリック液晶が用いられる。これより、コレステリック液晶層2およびコレステリック液晶層3に光が入射されると、入射光に含まれる成分のうち、コレステリック液晶層2,3における螺旋の掌性と同一の掌性の円偏光が螺旋による周期構造に起因して選択的に反射される。
コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶は、コレステリック液晶層2、3に対し螺旋の掌性が逆であればいかなるものであってもよい。本実施形態では、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶の螺旋の掌性が左とされているので、コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶の螺旋の掌性は右となる。
但し、コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶の選択反射の帯域幅は、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶における選択反射の帯域幅よりも小さいことが、欠陥モードの導入という観点から好ましい。具体的には、コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶の選択反射の帯域幅は、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶における選択反射の帯域幅よりも小さければ特に限定されないが、95%以下であることが、コレステリック液晶層作製時の選択反射帯域の制御性の点から好ましい。
(コレステリック液晶)
次に、コレステリック液晶層2、3、4を構成するコレステリック液晶について詳細に説明する。
コレステリック液晶層(第3コレステリック液晶層)4中のコレステリック液晶は、コレステリック液晶層2,3中のコレステリック液晶の螺旋の掌性と逆の掌性を有するものであればいかなるものであってもよい。
但し、コレステリック液晶層4の選択反射帯域は、コレステリック液晶層2,3の選択反射帯域に内包されていることが好ましい。この場合、コレステリック液晶層4の選択反射帯域が、コレステリック液晶層2,3の選択反射帯域に内包されていない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
また、コレステリック液晶層4の選択反射帯域の短波長端は、コレステリック液晶層2,3の選択反射帯域の短波長端に対し、合致しているか、20nm以内で長波長寄りにあることが好ましい。
この場合、コレステリック液晶層4の選択反射帯域の短波長端がコレステリック液晶層2,3の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つコレステリック液晶層4の選択反射帯域の長波長端が、コレステリック液晶層2,3の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
またコレステリック液晶層4の選択反射帯域の長波長端は、コレステリック液晶層2,3の選択反射帯域の長波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で短波長寄りにあることが好ましい。この場合、コレステリック液晶層4の選択反射帯域の短波長端がコレステリック液晶層2,3の選択反射帯域の短波長端に対し20nmを超えて長波長寄りにあり、且つコレステリック液晶層4の選択反射帯域の長波長端が、コレステリック液晶層2,3の選択反射帯域の長波長端に対して20nmを超えて短波長寄りにある場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記レーザ発振素子1においては、コレステリック液晶層4と、コレステリック液晶層2,3のそれぞれの界面において、コレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していることが好ましい。
この場合、界面におけるコレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
上記コレステリック液晶は、コレステリック配向を固定化できる液晶物質から少なくとも構成される。
上記液晶物質としては、高分子液晶物質と低分子液晶物質があり、高分子液晶物質としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、またはこれらの混合物を用いることができる。
主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、またはこれらの混合物等が挙げられる。
また、側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、またはこれらの混合物が挙げられる。
これらのなかでも合成や配向の容易さなどから、主鎖型高分子液晶物質が好ましく、その中でもポリエステル系が特に好ましい。
ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
また低分子液晶物質としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類、ステロール化合物誘導体類などの末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられる。
コレステリック液晶層2、3を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。コレステリック液晶層2、3は、透明基板上に配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を施した後、前記コレステリック液晶を必須成分とする液晶材料を塗布し、熱処理することによって得ることができる。
コレステリック液晶層4を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。コレステリック液晶層4は、コレステリック液晶層2、3の間に例えば1μmから1000μm程度のスペーサーを狭持し、この空間に低分子液晶物質を毛細管現象を利用して注入することによって得ることができる。この際、スペーサーには、例えばガラスビーズ、シリカビーズ、もしくはポリスチレン、アクリル樹脂のようなプラスチック製ビーズを用いることができ、また、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルムを用いることができる。
さらにコレステリック液晶層4は、コレステリック液晶2もしくはコレステリック液晶層3の上に上記コレステリック液晶を必須成分とする液晶材料を塗布し、熱処理することによって得ることもできる。
なお、コレステリック液晶層4に含まれるコレステリック液晶は、低分子液晶物質に限られるものではなく、高分子液晶物質であってもよい。この場合、コレステリック液晶層4における熱揺らぎが抑制されるため、コレステリック液晶層4に含まれるコレステリック液晶が、高分子液晶物質でない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
コレステリック液晶が高分子液晶物質である場合、コレステリック液晶層4は、例えばコレステリック液晶を溶解することが可能な溶媒中に当該コレステリック液晶を溶解させて高分子溶液を準備し、これをコレステリック液晶層2又はコレステリック液晶層3の表面上に塗布し溶媒を除去することによって得ることができる。
(色素)
次に、コレステリック液晶層4中に含まれる色素について詳細に説明する。
色素は、光励起により蛍光を発することが可能であればいかなるもであってもよく、有機系色素または無機系色素のいずれであっても構わない。有機系色素としては、例えば、スチリル(Styryl)、キサンテン(Xanthene)、オキサジン(Oxazine)、クマリン(Coumarine)、スチルベン(Stilben)誘導体、オキサゾール(Oxazole)誘導体、オキサジアゾール(Oxadiazole)誘導体、p−オリゴフェニレン(Origophenylene)誘導体が挙げられる。また、下記化学構造式:

(上記式中、RがO(CH12Hである場合は、RはH又はt−Buを表し、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHである場合は、Rは水素又はt−Buを表し、mは1以上の整数を表す。)

(上記式中、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHである場合は、RはH又はt−Buを表し、nは1以上の整数を表す。)
で表される化合物なども用いることができる。これらの化合物の分子量は特に規定されないが、5万以下であることが好ましい。分子量が5万以上の場合は粘性が高くなり配向性が悪化するため好ましくない。
無機系色素としては、例えば硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム、カナリーガラス、シアン化白金、アルカリ土類金属の硫化物、希土類化合物などが挙げられる。
上記色素のうち有機系色素が特に好ましい。この場合、液晶への溶解性に優れ、液晶の配向性を阻害しにくいという利点がある。このうち特に好ましいのは、下記構造式

(上記式中、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHを表し、Rはt−Buを表し、mは1以上の整数を表す)
で表される有機系色素である。この有機系色素を用いると、他の有機系色素に比べて、より励起エネルギー量を低減できる。
また、レーザ発振素子1においては、色素が、コレステリック液晶層4の厚さ方向に沿って、コレステリック液晶の配向に従って配向していることが好ましい。即ち、色素は、コレステリック液晶層4の厚さ方向に沿って、コレステリック液晶と同様に螺旋状に配向していることが好ましい。ここで、色素の螺旋のピッチは、コレステリック液晶の螺旋ピッチと同一である。この場合、色素が、コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶の配列方向に沿って配向していない場合に比べて、レーザ発振に必要な励起エネルギー量をより十分に低減させることができる。
なお、十分な光強度のレーザ発振を起こす観点からは、コレステリック液晶の選択反射波長帯域内に色素の蛍光発光帯が含まれることが好ましい。
(配向基板)
配向基板7,8は、色素の励起光及び蛍光に対して透明であり且つコレステリック液晶層2、3を支持することが可能なものであれば特に制限されず、配向基板7、8としては、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルム、又はこれらのフィルムの一軸延伸フィルムもしくは二軸延伸フィルム等が例示できる。これらのフィルムはその製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくともコレステリック液晶層2、3に使用されるコレステリック液晶に対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が不十分、または配向能を示さない等の場合には、必要によりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸したり、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行ったり、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてラビング処理を行ったり、酸化珪素等の斜方蒸着処理を行ったり、あるいはこれらの処理を適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表面に規則的な微細溝を設けた各種ガラス板等も配向基板7、8として使用することができる。
配向基板7、8としては、好ましくは、透明基板9,10上に、ラビング処理した配向膜としてのポリイミドフィルム11、12を形成したものが用いられる。
(レーザ発振素子の製造方法)
上記レーザ発振素子1は、以下のようにして製造することができる。
まず透明な配向基板7、8を用意する。配向基板7、8としては、例えばラビング処理した配向膜が形成されたガラス基板が用いられる。
次に、コレステリック液晶層2、3を構成するコレステリック液晶を溶媒と混合して所定濃度の液晶溶液を調製し、この液晶溶液を配向基板7,8の配向膜上に塗布する。これにより、コレステリック液晶が配向する。このとき、必要なら熱処理などによりコレステリック液晶の配向を形成する。熱処理は液晶相発現温度範囲に加熱することにより、該液晶物質が本来有する自己配向能により液晶を配向させるものである。熱処理の条件としては、用いる液晶物質の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜300℃、好ましくは30〜250℃の範囲である。あまり低温では、液晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温では、液晶物質が分解したり配向基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜60分、好ましくは10秒〜30分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成しないおそれがあり、また60分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。
上記液晶溶液を構成する溶媒は、用いるコレステリック液晶の種類により異なるが、通常トルエン、キシレン、ブチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素系、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系、ブチルアルコール、トリエチレングリコール、ジアセトンアルコール、ヘキシレングリコール等のアルコール系等が挙げられる。これらの溶媒は必要により適宜混合して使用してもよい。また、溶液の濃度は用いられるコレステリック液晶の分子量や溶解性、さらに最終的に目的とするコレステリック液晶層2、3の厚み等により異なるため一概には決定できないが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%である。
また上記液晶溶液には、塗布を容易にするために界面活性剤を加えても良く、この界面活性剤としては、例えばイミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル及び親油基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類や溶剤、あるいは塗布する配向基板7,8の配向膜にもよるが、通常、コレステリック液晶の重量に対する比率にして10ppm〜10%、好ましくは50ppm〜5%、さらに好ましくは0.01%〜1%の範囲である。
また上記液晶溶液には、コレステリック液晶層2、3の耐熱性等を向上させるために、コレステリック液晶相の発現を妨げない程度のビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤等を添加し、後の工程で架橋することもできる。またアクリロイル基、ビニル基あるいはエポキシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格とした重合性官能基を予め液晶物質に導入しておきコレステリック相を発現させ架橋させてもよい。
液晶溶液の塗布方法は、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。塗布された膜の乾燥状態における膜厚は、通常0.2〜30μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.7〜3μmである。膜厚が0.2μmよりも薄い場合は、コレステリック液晶の螺旋構造の巻き数が十分でなく選択反射などの光学性能が不十分であり、膜厚が30μmよりも厚い場合は、コレステリック液晶の配向が不十分になるおそれがある。
コレステリック液晶の配向を形成させた後は、配向の固定化を行う。この場合、コレステリック液晶の配向が熱処理などにより完成したのち、そのままの状態で配向基板7,8上のコレステリック液晶を、使用した液晶に適した手段を用いて固定化する。このような手段としては、例えば急冷によるガラス固定化、熱、紫外線、電子線などのエネルギー照射による架橋化などが挙げられる。
次に、コレステリック液晶層2、3が互いに内側を向くように、配向基板7,8同士をスペーサ(図示せず)を介して接続する。
そして、コレステリック液晶4と色素とを溶媒中に混合した溶液を調製し、この溶液を毛細管現象を利用して配向基板7,8間のスペースに封入した後、この溶液を加熱して溶媒を除去する。これによりコレステリック液晶層2、3間に欠陥層として機能する色素を含有したコレステリック液晶4が得られる。以上のようにしてレーザ発振素子1が得られる。
なお、上記製造方法では、コレステリック液晶層2、3同士を、スペーサを介して接続し、溶液を封入した後、溶媒を除去することにより、コレステリック液晶を配向させてコレステリック液晶層2、3間にコレステリック液晶4を形成しているが、色素およびコレステリック液晶層4の配向が固定化されている場合、すなわちコレステリック液晶層4が高分子フィルムからなる場合には、コレステリック液晶層2、コレステリック液晶層4およびコレステリック液晶層3を、ホットラミネータなどを用いた熱融着もしくは接着剤などを用いて相互に積層すればよい。
なお、本発明のレーザ発振素子は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、コレステリック液晶層2、3のコレステリック液晶の螺旋の掌性が左とされているが、コレステリック液晶層2、3のコレステリック液晶の螺旋の掌性が同一であれば、右であってもよい。これに対し、コレステリック液晶層4のコレステリック液晶の螺旋の掌性は、コレステリック液晶層2、3のコレステリック液晶の掌性と逆であるとしていることから、コレステリック液晶層2、3のコレステリック液晶の螺旋の掌性が左の場合は、コレステリック液晶層4のコレステリック液晶の螺旋の掌性は右となる。また、コレステリック液晶層2、3のコレステリック液晶の螺旋の掌性が右の場合は、コレステリック液晶層4のコレステリック液晶の螺旋の掌性は左となる。
また上記実施形態では、コレステリック液晶層4のらせんの掌性がコレステリック液晶層2,3におけるらせんの掌性とは逆となっているが、同一であってもよい。この場合でも、レーザ発振素子1と同様、レーザ発振に必要なエネルギー量を十分に低減させることが可能となる。これにより、レーザ発振素子の内部劣化が抑制され、長時間のレーザ発振や連続レーザ発振を起こすことが可能となり、小型化も可能となる。
また上記実施形態では、コレステリック液晶層4の中に色素が含まれているが、色素はコレステリック液晶層4中に含まれていれば、コレステリック液晶層2、コレステリック液晶層3中に更に含まれていてもよい。
次に、実施例を用いて、本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず芳香族ポリエステルからなる高分子アキラルネマチック液晶と、芳香族ポリエステルからなる高分子キラルネマチック液晶との液晶混合物(新日本石油(株)製LCフィルム)を用い、これをクロロホルム中に溶解して高分子コレステリック液晶溶液を得た。ここで、液晶混合物中の高分子キラルネマチック液晶の混合比は93wt%とし、高分子コレステリック液晶溶液中の混合物の濃度は10wt%とした。
この高分子コレステリック液晶溶液を、一方向にラビング処理したポリイミド配向膜(JSR(株)製1254)を持つガラス基板上にスピンキャストした後、コレステリック液晶溶液に対し180℃に加熱して2分間硬化処理した。こうして、ガラス基板上に、良好に配向した厚さ約2μmの高分子コレステリック液晶(PCLC)フィルム2,3を形成した。即ち配向基板7,8上にPCLCフィルム2,3を得た。このとき、PCLCフィルムの螺旋軸はガラス基板の表面に垂直であった。また2つのPCLCフィルムのそれぞれについて透過スペクトルを測定し、選択反射波長帯域において短波長端及び長波長端を算出した。そして、その算術平均により、PCLCフィルムの選択反射の中心波長を決定した。その結果、選択反射の中心波長はいずれのPCLCフィルムについても483nmであった。また選択反射波長帯域が2つのPCLCフィルムで同一であり且つPCLCフィルムが同一材料で形成されるため、螺旋ピッチが同一であることが分かった。また、透過スペクトルの測定において、入射光を右円偏光にしたところ、選択反射波長帯域が観測されず、透過率が高くなったことから、PCLCフィルムの螺旋の掌性は左螺旋であることが分かった。
次に、上記のようにして得られた2つの配向基板7,8を、PCLCフィルム2,3が内側に配置されるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚さ12.5μmのスペーサを介して接続した。
一方、市販のコレステリック液晶(CLC)の低分子混合物(Merck社製ZLI2293と、Merck社製MLC6247との混合物)と、下記化学構造式:

(上記式中、RがCHCH(CHCH)CHCHCHCHを表し、Rはt−Buを表し、mは1以上の整数を表す)
で表される蛍光性高分子色素であって重量平均分子量が8100で、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnが2であるものとの混合物をクロロフォルム中に混合することで、色素ドープCLC溶液を調製した。このとき、低分子混合物中の低分子液晶であるMerc
k社製MLC6247の含有率は、27.9wt%となるようにした。
その後、色素ドープCLC溶液を、毛細管現象を利用してPCLCフィルム2,3間のスペースに導入し、70℃でクロロフォルムを蒸発させ、欠陥層としてのコレステリック液晶層4を形成した。
こうして得たサンプルの透過スペクトルを測定したところ、色素ドープCLC溶液の導入前に比べ、右円偏光入射に対する透過率が低くなったことから、色素ドープCLCの螺旋の掌性は右螺旋であることが分かった。従って、PCLCフィルム2,3における螺旋の掌性とは逆であることが確認された。
以上のようにして厚さ16.5μmのレーザ発振素子を得た(図2参照)。
(比較例1)
一方のPCLCフィルム3のみを除去したこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した(図3参照)。作製したレーザ発振素子の厚さは14.5μmであった。
(比較例2)
PCLCフィルム2,3を除去したこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した(図4参照)。作製したレーザ発振素子の厚さは12.5μmであった。
(蛍光スペクトル、反射スペクトル及びレーザ発振スペクトルの測定)
実施例1および比較例1、2で得られたレーザ発振素子について、蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振スペクトルの測定を行った。結果を図5〜7に示す。なお、図5〜7のそれぞれにおいて、破線が蛍光スペクトル、一点鎖線が透過スペクトル、実線がレーザ発振スペクトルに対応する。なお、蛍光スペクトル、レーザ発振スペクトルの強度は図5〜7のグラフにおいて、左側の縦軸で表され、透過スペクトルは、図5〜7のグラフにおいて、右側の縦軸で表される。但し、図5〜7においては、透過スペクトルはトランスミッタンスで表してある。
蛍光スペクトル及びレーザ発振スペクトルの測定においては特に、励起光として、オプティカルパラメトリック発振器(Optical Parametric Oscillator: OPO)から出射さ
れる435nmパルスレーザビームを使用した。なお、OPOの励起には、Nd:YAGレーザから出射される第三高調波を使用した。
また励起光は、レーザ発振素子のガラス基板表面に対して斜め(約30°)に入射した。より具体的に述べると、励起光の偏光の方向がガラス基板に形成した配向膜に対するラビング方向と一致するように励起光をガラス基板に入射した。実施例1、比較例1、比較例2のそれぞれにおいて、励起光のエネルギーはそれぞれ270nJ、300nJ、300nJとした。レーザ光のレーザ発振素子からの発光は、ガラス基板の正面、すなわちガラス基板の表面に対する法線上に配置されたレンズによって、マルチチャンネルスペクトロメータ(オーシャンオプティックス社製USB2000)で検出した。
透過スペクトルは、マイクロスコープスペクトロメータ(ORC製TFM−120AFT−PC)により測定した。
図5〜7に示す結果より、コレステリック液晶層4中の色素の発光帯と、コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域とが一部において重なり合っていることが確認された。また螺旋の掌性が同一の2層のコレステリック液晶層によって、螺旋の掌性が逆のコレステリック液晶層が挟まれた3層構造のレーザ発振素子、つまり実施例1のレーザ発振素子においては、FWHM値の極めて小さなレーザ発振が確認された。このときのFWHM値は0.42nmであった。これに対し、比較例1,2のレーザ発振素子によれば、FWHM値はどちらもレーザ発振しなかったため測定不能であった。
次に、実施例1、比較例1、2で得られたレーザ発振素子について、レーザー発振に必要な入射エネルギーの最小値(閾値)を調べる目的で、励起光源をHe-Cd(ヘリウム−カ
ドミウム)レーザから出射される442nmの連続光に変えた。
He-Cdレーザの出射口直後に回転型ニュートラルデンシティフィルタを設置し、レーザ
発振素子への入射エネルギー(光量)を連続的に調整できるようにした。
上記ニュートラルデンシティフィルタを透過した励起光は、レーザ発振素子のガラス基板表面に対して斜め(約30°)に入射した。レーザ発振素子からの発光は、ガラス基板の正面、すなわちガラス基板の表面に対する法線上に配置されたレンズによって、マルチチャンネルスペクトロメータ(オーシャンオプティックス社製USB2000)で検出した。
図8に、実施例1および比較例1、2より得られたレーザ発振素子の入射エネルギーとレーザ発振素子からの発光の最大ピークの光強度の関係を示す。横軸の単位はnJであり
、縦軸の単位は任意単位である。図8において、「□」は、3層構造のレーザ発振素子、
つまり実施例1のレーザ発振素子についての結果を示し、「○」は2層構造のレーザ発振素子、つまり比較例1のレーザ発振素子に対し、図3のバックワード方向に励起光を入射させた場合の結果を示している。また「△」は、2層構造のレーザ発振素子、つまり比較例1のレーザ発振素子に対し、図3のフォワード方向に励起光を入射させた場合の結果を示し、「☆」は、単層構造のレーザ発振素子、つまり比較例2のレーザ発振素子についての結果を示している。図8より、比較例1、2ではともに約660nJよりも励起光が強
い場合にレーザ発振が生じている、すなわちレーザ発振の閾値が約660nJになること
が分かる。これに対し、実施例1では閾値が約200nJとなっており、螺旋の掌性が同
一の2層のコレステリック液晶層の間に、螺旋の掌性が逆のコレステリック液晶層を挟ん
だ3層構造のレーザ発振素子において、レーザ発振の閾値が極めて小さくなることが確認された。
(実施例2)
まず芳香族ポリエステルからなる高分子アキラルネマチック液晶と、芳香族ポリエステルからなる高分子キラルネマチック液晶との液晶混合物(新日本石油(株)製LCフィルム)を用い、これをクロロフォルム中に溶解して高分子コレステリック液晶溶液を得た。ここで、液晶混合物中の高分子キラルネマチック液晶の混合比は93wt%とし、高分子コレステリック液晶溶液中の混合物の濃度は10wt%とした。
この高分子コレステリック液晶溶液を、一方向にラビング処理したポリイミド配向膜(JSR(株)製1254)を持つガラス基板上にスピンキャストした後、コレステリック液晶溶液に対し180℃に加熱して2分間配向処理した。こうして、ガラス基板上に、良好に配向した厚さ約2μmの高分子コレステリック液晶(PCLC)フィルム2、3を形成した。即ち、配向基板7、8上にPCLCフィルム2、3を得た。このとき、PCLCフィルムのらせん軸はガラス基板表面に垂直であった。また2つのPCLCフィルムのそれぞれについて透過スペクトルを測定し、選択反射波長帯域において短波長端及び長波長端を算出した。そして、その算術平均により、PCLCフィルムの選択反射の中心波長を決定した。その結果、選択反射波長の中心はいずれのPCLCフィルムについても512nmであった。また選択反射波長帯域が2つのPCLCフィルムで同一であり且つPCLCフィルムが同一材料で形成されるため、螺旋ピッチが同一であることが分かった。また、透過スペクトルの測定において、入射光を左円偏光にしたところ、選択反射波長帯域が観測されず、透過率が高くなったことから、PCLCフィルムの螺旋の掌性は右螺旋であることが分かった。
次に、上記のようにして得られた2つの配向基板7、8を、PCLCフィルム2、3が内側に配置されるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚さ12.5μmのスペーサを介して接続した。
次に、市販のコレステリック液晶(CLC)の低分子混合物(Merck社製ZLI2293と、Merck社製ZLI4572と、Merck社製RM257と、DMPAP 2,2-dimethoxy-2-phenyl acetophenone重合開始剤を82:9.1:8.6:0.3の重量比で混合した混合物を調合した。次に蛍光色素(Aldrich社製クォーターチオフェン)をクロロフォルムに溶解させて色素溶液を調製した。最後に蛍光色素濃度が低分子CLC混合物に対して0.3 wt%になるよう色素溶液を加えた後、クロロフォルムを70℃で完全に蒸発させて色素ドープCLCとした。
その後、色素ドープCLCを、毛細管現象を利用してPCLCフィルム2、3のスペースに導入し、欠陥層としてのコレステリック液晶層4を形成した。
こうして得たサンプルの透過スペクトルを測定したところ、色素ドープCLC溶液の導入前に比べ、左円偏光入射に対する透過率は変わらなかったことから、色素ドープCLCの螺旋の掌性は右螺旋であることが分かった。従って、PCLCフィルム2、3における螺旋の掌性と同一であることが確認された。
こうして厚さ16.5μmのレーザ発振素子を得た(図2参照)。
(比較例3)
一方のPCLCフィルム3のみを除去したこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した(図3参照)。作製したレーザ発振素子の厚さは14.5μmであった。
(比較例4)
PCLCフィルム2、3を除去したこと以外は実施例1と同様にしてレーザ発振素子を作製した(図4参照)。作製したレーザ発振素子の厚さは12.5μmであった。
(蛍光スペクトル、反射スペクトル及びレーザ発振の測定)
実施例2および比較例3、4で得られたレーザ発振素子について、蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定を行った。結果を図9〜11に示す。なお、図9〜11のそれぞれにおいて、破線が蛍光スペクトル、一点鎖線が透過スペクトル、実線がレーザ発振に対応する。なお、蛍光スペクトル、レーザ発振スペクトルの強度は図9〜11のグラフにおいて、左側の縦軸で表され、透過スペクトルは、図9〜11のグラフにおいて、右側の縦軸で表される。但し、図9〜11においては、透過スペクトルはトランスミッタンスで表してある。
蛍光スペクトル及びレーザ発振の測定においては特に、励起光として、オプティカルパラメトリック発振器(Optical Parametric Oscillator: OPO)から出射される420nmパルスレーザビームを使用した。なお、OPOの励起には、Nd:YAGレーザから出射される第三高調波を使用した。
また励起光は、レーザ発振素子のガラス基板表面に対して垂直に入射した。レーザ発振素子からの発光は、ガラス基板の正面、すなわちガラス基板の表面に対する法線上に配置されたレンズによって、マルチチャンネルスペクトロメータ(オーシャンオプティックス社製HR2000)で検出した。この際、シャープカットフィルターを用いて励起光がスペクトルメータに入射することを防いだ。
図9〜11に示す結果より、コレステリック液晶層4中の色素の発光帯と、コレステリック液晶層4中のコレステリック液晶の選択反射帯域とが一部において重なり合っていることが確認された。らせんの回転方向が同一の2層のコレステリック液晶層に挟まれた、螺旋の回転方向が同一の蛍光色素を含有するコレステリック液晶層を有する3層構造のレーザ発振素子において、FWHM値の小さなレーザ発振が確認された。励起光が600nJの場合の実施例2のレーザ発振素子によるレーザ光のFWHM値は0.41nmであった。これに対し、比較例3、4のレーザ発振素子では、それぞれ28nm、35nmであった。
図12に、実施例2および比較例3、4より得られたレーザ発振素子の入射エネルギーとレーザ発振素子からの発光の最大ピークの光強度の関係を示す。横軸の単位はμJであり、縦軸の単位は任意単位である。図12において、「□」は、3層構造のレーザ発振素子、つまり実施例2のレーザ発振素子についての結果を示し、「△」は2層構造のレーザ発振素子、つまり比較例3のレーザ発振素子に対し、図3のフォワード方向に励起光を入射させた場合の結果を示している。また、「○」は、単層構造のレーザ発振素子、つまり比較例4のレーザ発振素子についての結果を示している。図12より、比較例3、4ではともに約1.1μJよりも励起光が強い場合にレーザ発振が生じている、すなわちレーザ発振の閾値が約1.1μJになることが分かる。これに対し、実施例2では閾値が約0.33μJとなっており、らせんの回転方向が同一の2層のコレステリック液晶層に挟まれた、螺旋の回転方向が同一の蛍光色素を含有するコレステリック液晶層を有する3層構造のレーザ発振素子において、レーザ発振の閾値が極めて小さくなることが確認された。
本発明に係るレーザ発振素子の一実施形態を概略的に示す断面図である。 実施例1に係るレーザ発振素子を概略的に示す図である。 比較例1に係るレーザ発振素子を概略的に示す図である。 比較例2に係るレーザ発振素子を概略的に示す図である。 実施例1のレーザ発振素子に係る蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例1に係るレーザ発振素子の蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例2のレーザ発振素子に係る蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 実施例1および比較例1、2のレーザ発振素子に係る励起光エネルギーとレーザ光強度の関係を測定した結果を示すグラフである。 実施例2のレーザ発振素子に係る蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例3に係るレーザ発振素子の蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 比較例4のレーザ発振素子に係る蛍光スペクトル、透過スペクトル及びレーザ発振の測定結果を示すグラフである。 実施例2および比較例3、4のレーザ発振素子に係る励起光エネルギーとレーザ光強度の関係を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1…レーザ発振素子、2…コレステリック液晶層(第1コレステリック液晶層)、3…コレステリック液晶層(第2コレステリック液晶層)、4…コレステリック液晶層(第3コレステリック液晶層)、9,10…透明基板、7,8…配向基板、11,12…ポリイミドフィルム。

Claims (8)

  1. コレステリック液晶を含む第1コレステリック液晶層と、
    前記第1コレステリック液晶層に対向配置され、コレステリック液晶を含む第2コレス
    テリック液晶層と、
    前記第1コレステリック液晶層と前記第2コレステリック液晶層との間に設けられ、コレステリック液晶及び、外部からの励起により蛍光を発する色素を含む第3コレステリック液晶層とを備えており、
    前記第1コレステリック液晶層及び前記第2コレステリック液晶層中のコレステリック液晶は、螺旋の掌性が同一であり、かつ、螺旋ピッチが同一であり、
    前記色素から発せられる蛍光の発光帯と、前記第1、第2コレステリック液晶層中のコレステリック液晶の選択反射波長帯域の少なくとも一部とが互いに重なり合っていること、
    を特徴とするレーザ発振素子。
  2. 前記第3コレステリック液晶層の選択反射帯域が、前記第1および第2コレステリック液晶層の選択反射波長帯域に内包されている、
    請求項1に記載のレーザ発振素子。
  3. 前記第3コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の短波長端が、前記第1および第2コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の短波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で長波長寄りにある、
    請求項1又は2に記載のレーザ発振素子。
  4. 前記第3コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の長波長端が、前記第1および第2コレステリック液晶層の選択反射波長帯域の長波長端に対して合致しているか、又は20nm以内で短波長寄りにある、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  5. 前記第3コレステリック液晶層に含まれる前記色素が有機系色素である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  6. 前記第3コレステリック液晶層に含まれる前記コレステリック液晶が、高分子液晶物質である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  7. 前記色素が、前記第3コレステリック液晶層の厚さ方向に沿って、前記コレステリック液晶の配向に従って配向している、請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
  8. 前記第3コレステリック液晶層と、前記第1コレステリック液晶層及び前記第2コレステリック液晶層のそれぞれの界面において、コレステリック液晶の遷移モーメントの方向が一致している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のレーザ発振素子。
JP2005255562A 2005-06-10 2005-09-02 レーザ発振素子 Pending JP2007019447A (ja)

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