JP5529458B2 - 赤外域選択反射膜及び赤外域選択反射フィルム - Google Patents

赤外域選択反射膜及び赤外域選択反射フィルム Download PDF

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Description

本発明は、太陽から可視光、紫外光とともに届く、赤外域の波長の光線、特に温度上昇をもたらす波長域の光線を選択的に反射する膜とフィルムに関する。
地球温暖化の抑止に向けた取り組みに多くの注目が集まっている。二酸化炭素排出の抑制がそのうちのひとつの重要な技術である。それには、現状の快適な暮らしを維持しつつ、如何にしてエネルギー消費を抑制していくのか、ということが課題のひとつとなる。
例えば、窓ガラスを通して差し込んでくる太陽光線中の赤外線による室内の温度上昇は、夏季には冷房のためのエネルギーの必要量を増大させてしまうものになる。かかる室温上昇を抑制することを目的として、種々の無機材料や有機材料を用いた、多層膜による反射あるいは吸収といった方法により、前記赤外線を遮断するための手段が講じられてはいる。しかし、かかる方法では、冬季には室温上昇に寄与するはずの、前記赤外線の遮断を招き、逆に、暖房のためのエネルギー付加を増大させる結果を招いてしまうことになる。特に、吸収剤のみの使用は、例えば、窓ガラス部分の温度を上昇させてしまうため好ましくはない。
従って、前記赤外線を、夏季には遮断するものの、冬季には透過させ得るものが望まれることになる。さらには、気温の年較差のみならず、日較差にも対応可能であることも望まれる。窓ガラスを利用してかかる機能を発現させるとするならば、加えて、意匠性をも付与し、広告媒体や視覚的快適性発現媒体としての機能の発現も望まれるところである。
そのような前者の要求に応じて、特許文献1に積層光学フィルムが開示されているが、更なる簡便な優れた方法と、前記意匠性の付与についての要求の実現が求められている。
特開2004−29181号公報
本発明は、意匠性を有し、広告媒体や視覚的快適性発現媒体としての機能の発現を可能とする、及び/又は太陽光線中の赤外線を夏季には遮断するものの冬季には透過可能にする、赤外域で選択反射する膜及びフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1)選択反射帯域の中心波長が700〜2000nmの範囲にある構造色を示す層を有する赤外域選択反射膜であって、該構造色を示す層がコレステリック液晶相を含む層であり、該構造色を示す層にコレステリック液晶相を形成する下記一般式(I)で表される化合物を架橋して得られた高分子および光に感応し螺旋ピッチを変化させ得る光感応性官能基を有する化合物を含ことを特徴とする赤外域選択反射膜。
一般式(I)
−L−Cy−L−(Cy−L)n−Cy−L−Q
(式中、QおよびQの少なくともいずれか一方は重合性基であり、重合性基でない場合には水素原子またはアルキル基である。LおよびLはそれぞれ独立に二価の連結基であり、LおよびLはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは水素原子または炭素原子数1〜7のアルキル基)、二価の鎖状基またはこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり、Cy、CyおよびCyは二価の環状基であり、nは1または2である。)
(2)構造色を示す層の選択反射帯域の幅が100〜400nmである(1)に記載の赤外域選択反射膜。
(3)前記構造色を示す層に加えて、吸収極大が700〜2000nmの範囲にあり、その吸収帯の半値幅が20〜200nmである赤外染顔料を含む層を有し、該構造色を示す層の選択反射帯域の幅が赤外染顔料の吸収帯半値幅より大きい(1)または(2)に記載の赤外域選択膜。
(4)前記構造色を示す層に加えて、シアニン色素、オキソノール色素、スクアリリウム色素、ジイモニウム色素、アゾメチン色素、フタロシアニン色素、金属キレート色素、リレン系色素、アミニウム色素及びキノン色素からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる赤外染顔料を含む層を有することを特徴とする(1)〜()のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜。
)前記光感応性官能基を有する化合物が桂皮酸誘導体、アゾベンゼン誘導体及びビナフトール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする(〜(4)のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜。
)少なくともひとつの可視域選択反射領域と少なくともひとつの赤外域選択反射領域とで形成されたパターンを有する(1)〜()のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜。
)透明支持体上に(1)〜()のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜を形成してなることを特徴とする赤外域選択反射フィルム。
)透明支持体側から、少なくとも構造色を示す層、赤外染顔料を含む層が相互の関係としてこの順に被覆されてなることを特徴とする()に記載の赤外域選択反射フィルム。
なお、上記膜及びフィルムには、構造色を示す層及び赤外染顔料を含む層以外の層が必要に応じて設けられていてもよい。このような層としては、配向膜、紫外線吸収層、紫外線反射層、保護層、中間層などが挙げられる。
本発明では、多層膜干渉やフォトニック結晶、コレステリック液晶等に代表される構造色を利用することにより、また、その構造の変化を制御することにより、従来の技術と比較してより容易に種々の波長の光線の選択反射を制御することを可能にしている。即ち、本発明によれば、選択反射を、光感応型官能基の光吸収による構造変化や赤外染顔料の光吸収による熱発生を利用して、広範囲に制御可能な赤外域選択反射膜及び赤外域選択反射フィルムを提供することができる。
すなわち、光感応型官能基の光吸収による構造変化を用いた場合には、光照射により螺旋ピッチを大きくできる光感応型官能基を有する化合物の存在下により、光の照射エネルギーが大きいとき(夏期)には、光の照射エネルギーが小さいとき(冬期)に比べ、螺旋ピッチが大きくなり、その結果、選択反射波長が長波長化し、赤外線の反射量を大きくすることができる。すなわち、太陽光線中の赤外線を、夏季には遮断するものの、冬季には透過可能にする。
一方、赤外染顔料を用いた場合には、赤外染顔料の光吸収により熱が発生し、この結果、構造色を示す層が膨張し、反射波長が長波化する。光の照射エネルギーが大きいとき(夏期)には、光の照射エネルギーが小さいとき(冬期)に比べ、構造色を示す層の厚さが大きくなり、その結果、選択反射波長が長波長化し、赤外線の反射量を大きくすることができる。すなわち、太陽光線中の赤外線を、夏季には遮断するものの、冬季には透過可能にする。
本発明の赤外域選択反射膜及び赤外域選択反射フィルムは、パターンを形成可能であり、温度変化により赤外域選択反射能を変化させることも可能である。従って、本発明によれば、所望の意匠性及び/又は気候変動適応性を示す赤外域選択反射膜及び赤外域選択反射フィルムを簡便に作製することができる。かかるフィルムは、赤外域選択反射フィルムとして窓ガラス用途に有用である。
以下に本発明の赤外域選択反射膜及び赤外域選択反射フィルムについて詳しく説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[光感応性官能基を有する化合物]
本発明において、光感応性官能基を有する化合物とは、光を吸収することにより構造が変化する官能基を有する化合物をいう(以下、キラル化合物ともいう)。ここで、構造が変化する官能基を有する化合物とは、光異性化反応、光二量化反応、および光分解反応の少なくとも1つを起こす化合物である。
光異性化反応を起こす化合物とは、光の作用で立体異性化または構造異性化を起こす化合物をいう。光異性化化合物には、アゾベンゼン化合物(K. Ichimura et al., Langmuir,vol 4, page 1214 (1988);K. Aoki et al., Langmuir, vol 8, page 1007 (1992);Y. Suzuki et al., Langmuir vol. 8, page 2601 (1992);K. Ichimuraet al., Appl. Phys. Lett., vol. 63, No. 4, page 449 (1993);N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 3298 (1993) ;N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 857 (1993))、ヒドラゾノ−ケトエステル化合物(S. Yamamura et al., Liquid Crystals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))、スチルベン化合物(市村國宏他、高分子論文集、第47巻、10号、771頁(1990))、ビナフトール化合物(特許第4137436号公報、V. P. Shibaev et. al.,Liquid Crystals,vol. 21, page 327(1996)、及びP. L. Nordio et. al.,Liquid Crystals,vol. 24, page 219(1998))およびスピロピラン化合物(K. Ichimura et al., Chemistry Letters, page 1063 (1992) ;K.Ichimura et al., Thin Solid Films, vol. 235, page 101 (1993))、及びこれらの化合物のうち高分子化合物については、その残基を主鎖又は側鎖に有するポリマーが含まれる。その中で、C=C、またはN=Nからなる二重結合構造を含む光異性化化合物が好ましく、N=Nからなる二重結合構造を含むアゾベンゼン化合物、C=Cからなる二重結合構造を含む桂皮酸誘導体、スチルベン誘導体が特に好ましい。
光二量化反応を起こす化合物とは、光の照射によって、二つの基の間に付加反応を起こして環化する化合物をいう。光二量化化合物には、桂皮酸誘導体(M. Schadt et al., J. Appl. Phys., vol. 31, No. 7, page 2155 (1992))、クマリン誘導体(M. Schadt et al., Nature., vol. 381, page 212 (1996))、カルコン誘導体(
小川俊博他、液晶討論会講演予稿集,2AB03(1997))、ベンゾフェノン誘導体(Y. K. Jang et al.,, SID Int. Symposium Digest, P-53(1997).)、及びこれらの誘導体の残基を主鎖又は側鎖に有する化合物が含まれる。中でも、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、及びこれらの残基を側鎖に有するポリマーが好ましく、桂皮酸誘導体及びこれらの残基を側鎖に有するポリマーがより好ましい。また、フォトクロミック化合物(スピロピラン、フルギド、ジアリールエテン等)、も好ましい。
本発明で用いる光感応性官能基を有する化合物としては上記の桂皮酸誘導体、アゾベンゼン誘導体及びビナフトール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種からなることが好ましい。光感応性官能基を有する化合物の使用量は、0.01〜2.0g/mが好ましく、0.05〜1.00g/mがより好ましい。
[選択反射]
本明細書において、「選択反射」とは、光の任意の波長のみを反射し、その他の波長の光を透過する性質をいう。これはブラッグ反射という現象を利用したものであって、屈折率が互いに異なる層を2層以上(但し、各層の厚みは、目的とする光の波長よりも小さくする)有する積層体によって発現する性質である。例えば、目的とする波長域に光吸収がなく、且つ屈折率が大きい物質と、同様に光吸収がなく、且つ屈折率が小さい物質とを、交互に光の波長よりも小さい厚みで積層すると発現する性質である。例えば、無機の酸化物質を透明基材に真空成膜形成した波長選択反射層が、レーザー用の誘電体ミラーや液晶プロジェクターに用いられるダイクロイックフィルターに用いられている。本発明においても、前記波長選択反射層を形成する際に、かかる技術を利用してもよい。上記波長範囲における波長選択性を示すためには、各層間の屈折率差は、0.05以上であるのが好ましく、0.08以上であるのがさらに好ましい。
一方、有機材料を塗布することによって、前記波長選択反射層を形成してもよい。例えば、螺旋状構造又は格子状構造に配向可能な液晶を塗布後に、螺旋構造又は格子構造に配向させ、かかる配向状態を固定することによって形成することもできる。これらの構造を示す液晶相としては、コレステリック液晶相、強誘電性液晶相、反強誘電性液晶相、ブルー相があり、これらのいずれを利用することもできる。また、目的とする光の波長の大きさの半分から十分の一程度の大きさの周期構造があれば、上記の物質によらず、選択反射性を示すことが可能であるので、いわゆるストップバンドを光の波長領域に有するフォトニック結晶も使用できる。
これらの中でも、コレステリック液晶を波長選択反射層に用いるのが、光学特性の均一性が得やすい点、及び選択反射波長の調整の容易性からより好ましい。さらに蒸着などの真空工程を必要とせず塗布によって形成できるため、より安価に製造できる。
なお、本発明において選択反射帯域とは、選択反射する波長域の半値幅の帯域を意味する。
[意匠性を有する赤外域選択反射フィルム]
本発明は、太陽光線に含まれ、特に、その照射により温度上昇をもたらす赤外線を選択反射する膜及びフィルムであり、さらに意匠性を有する膜及びフィルムに関する。
本発明において構造色を示す層の選択反射帯域の中心波長は、700〜2000nm、好ましくは、850〜1500nm、さらに、好ましくは、900〜1300nmである。
本発明の態様(第1の態様)は、多層膜干渉やフォトニック結晶に代表される構造色を利用しその選択反射により、赤外線を反射したり、ある領域において意匠性を発現したりするものである。本態様では、光あるいは熱により、選択反射域が変わり、目的の文字や絵などの意匠を発現可能であることが好ましい。例えば、コレステリック液晶組成物中のキラル化合物に、光あるいは熱による螺旋捻り力変化能を付与する、あるいは(逆)オパール型フォトニック結晶に、光あるいは熱による体積変化能を付与することで可能になる。コレステリック液晶組成物中のキラル化合物への、光による螺旋捻り力変化能の付与については後述する。
また、本発明の他の好ましい態様(第2の態様)は、赤外線の反射能力を、例えば、夏季の晴天時には高くし、冬季の特に曇天時には低くすることの可能なものである。比較的狭い領域において赤外線を吸収する、好ましくは、実質的に可視部に吸収のない、染顔料を該フィルム中に加えておくことにより、温度上昇をもたらす。例えば、赤外線顔料が赤外線を吸収することにより、光エネルギーを熱に変換し、これがコレステリック液晶相に伝わり膨張することでコレステリック液晶のピッチが長くなり、可視領域に近い選択反射帯域から、広く赤外領域に選択反射帯域が変化する。赤外線を吸収する染顔料の吸収帯域は狭いので、選択反射効率を大きく損なうことはない。
以下、本発明の膜及びフィルムの調製に用いられる種々の材料について説明する。
[コレステリック液晶]
コレステリック液晶から形成された波長選択反射層は、コレステリック液晶組成物を必要に応じて有機溶媒溶液として、透明支持体もしくは仮基材上に塗布して、溶媒を蒸発させた後、必要に応じて加熱して液晶性分子を水平配向させ、その螺旋軸を基板に略垂直にさせた後、固定化することで形成することができる。仮基材上に形成した場合は、該波長選択反射層を透明支持体上に転写することで作製することもできる。
コレステリック液晶は熱力学的には液晶テレビなどの液晶表示装置に広く用いられているネマチック液晶と同じ相に属する液晶相であるが、螺旋構造を有する点でネマチック相と異なっている。コレステリック液晶の螺旋は光学活性なキラル化合物によって誘起されるので、コレステリック液晶中にはキラル化合物が含まれる必要がある。キラル化合物自身がコレステリック液晶相を示す場合は、キラル化合物だけでコレステリック液晶層を形成できるが、ネマチック液晶化合物とキラル化合物を混合してコレステリック液晶組成物あるいは共重合高分子を調製し、それを塗布して波長選択反射層を形成するのが、後述する螺旋ピッチや屈折率異方性の制御の容易性の点で好ましい。
コレステリック液晶は周期的な螺旋構造を有するために、その螺旋の捩れセンスの円偏光に対して波長選択反射性を有する。コレステリック液晶が850nm〜1500nmの範囲に反射最大強度値を有する波長選択反射性を示すようにするためには、液晶の平均屈折率と螺旋の周期(螺旋ピッチ)との積が850nm〜1500nmの範囲になるように、キラル化合物の濃度や、キラル化合物の種類を調節する。一般的な液晶の平均屈折率は、1.5〜1.7の範囲にあるので、本発明の光学特性を得るためには、波長選択反射層を形成後の螺旋ピッチを約500nm〜1000nmの範囲に調整すればよい。
螺旋ピッチはキラル化合物の混合比率を高くすると短くなる。また、同じキラル化合物濃度でもキラル化合物の捩れ力が強いものを用いると螺旋ピッチは短くなる。キラル化合物の捩れ力の測定方法や、コレステリック液晶の螺旋ピッチの測定方法は楔型のセルを用いて、発生する欠陥線の間隔を測定して算出できる(参考資料 液晶便覧 丸善196p)。また、コレステリック液晶組成物に重合性の液晶化合物を用いて、配向後に重合させて螺旋構造を固定して波長選択反射層を形成する場合は、重合によって塗布膜の厚さが収縮するために螺旋ピッチもそれに対応して短くなるので、これを考慮して螺旋ピッチの調整を行う必要がある。ただしこの重合による厚さの変化は小さく、約10%以下、通常は5%程度になる。
選択反射帯域幅はコレステリック液晶の螺旋ピッチと液晶の屈折率の異方性(Δn=ne−no、ne:異常光屈折率、no:常光屈折率)の積になるのでΔnが大きい液晶を使用すれば、選択反射帯域の幅は広くできるし、逆に幅を狭くする場合にはΔnの小さな液晶を用いる。また、選択反射の中心を帯域幅だけずらした波長選択反射層を積層することによっても帯域幅を広くできる。さらに、コレステリック液晶の塗布膜の厚さ方向にキラル化合物の濃度分布を形成して、螺旋ピッチの厚さ方向への分布を持たせることによっても帯域幅を広くできる。液晶の屈折率の異方性はアッベの屈折率計を用いて測定できる(液晶便覧編集委員会編 液晶便覧 丸善、平成12年10月30日発行、201頁)。
本発明において構造色を示す層の選択反射帯域の幅は100〜400nmであることが好ましい。
選択反射の反射率は、液晶層の厚さが厚いほど、また液晶のΔnが大きいほど高くできる。円偏光反射率はΔn=0.2の液晶を用いた場合には、液晶層の厚さが厚くなるにつれて増大し、約2.5μmでほぼ100%となり、それ以上厚くしても変化がない。この性質を利用して主に塗布の厚みを制御して反射率の調整を行うことができる。また、透明基材上にたとえば市松模様状に波長選択反射層を形成して、その形成部分と非形成部分との比率を変えることによっても反射率を制御できる。また、円偏光反射率100%のコレステリック液晶層であっても、自然光に対する反射率は50%になるので、これ以上の自然光に対する反射率は、前記コレステリック液晶層と螺旋のセンスが逆のコレステリック液晶層を積層して波長選択反射層を形成することによって得ることができる。
コレステリック液晶の螺旋構造による選択反射は干渉現象なので、その反射の波長域が可視域にあれば、色付いて見えるが、それ自体に光吸収はなく、反射光と透過光の総和をとれば入射光強度に対して原理的には100%となる。本発明においては、反射の波長域を赤外域と可視域とに制御することにより、意匠性を付与できる。また、下記に例示したネマチック液晶化合物とキラル化合物を用いることによって実質的に光吸収のない反射材料を形成できる。コレステリック液晶の使用量は0.3〜30g/mが好ましく、0.5〜10.0g/mが特に好ましい。
《ネマチック液晶化合物》
ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶だけではなく、高分子液晶も用いることができる。
本発明において、意匠性のみを持たせる場合(第1の態様)には、ネマチック液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、気候変動に応じて赤外線選択反射性を変化し得る機能を付与する場合(第2の態様)には、最終的に適度に架橋した高分子液晶を用いることが好ましい。これらの重合性液晶化合物としては重合性棒状液晶性化合物として知られる、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号及び同98/52905号等の各明細書、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号及び特開2001−328973号の各公報などに記載の化合物を用いることができる。
本発明においては、コレステリック液晶相を形成する下記一般式(I)で表される化合物を架橋して得られた高分子を含む。
該化合物は、重合性液晶化合物である。
一般式(I)
−L−Cy−L−(Cy−L)n−Cy−L−Q
式中、QおよびQの少なくともいずれか一方は重合性基であり、重合性基でない場合には水素原子またはアルキル基である。LおよびLはそれぞれ独立に二価の連結基であり、LおよびLはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR −(R は水素原子または炭素原子数1〜7のアルキル基)、二価の鎖状基またはこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり、Cy、CyおよびCyは二価の環状基であり、nは1または2である。
前記式(I)中、Q1およびQ2少なくともいずれか一方は重合性基であり、重合性基でない場合には水素原子またはアルキル基である。重合性基とは、重合反応可能な基を意味する。すなわち、重合性基としては、同種官能基間で結合を形成し得るもの、異種官能基間で結合し得るもののいずれでもよい。例えばS.R.サンドラーおよびW. カロー(S.R.Sandler,W.Karo)著、オーガニック ファンクショナルグループ プレパレーションズ(Oragnic Functional Group Preparations)第1巻および第2巻(アカデミックプレス社、ニューヨーク、ロンドン 1968年刊)に記載の置換基を挙げることができる。それらのうち好ましくは、多重結合(構成原子は、炭素原子、非炭素原子のいずれでもよい)およびオキシラン、アジリジンなどの複素小員環であり、さらに好ましくはR.A.M.Hikmetらの研究報告〔Macromolecules, 25巻,4194頁(1992年)〕及び〔Polymer,34巻,8号,1736頁(1993年)〕、D.J.Broerらの研究報告〔Macromolecules, 26巻,1244頁(1993年)〕に記載されているように、二重結合すなわちアクリロイル基、ビニルオキシ基およびエポキシ基である。好ましくは、重合開始剤等の存在下、光及び/又は熱の供与によって重合反応を開始し得る基である。その例には、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基等が含まれる。
前記重合性基は、付加重合(開環重合を含む)反応または縮合重合反応可能な官能基から選択されるのが好ましい。以下に重合性基の例を示す。式中、Etはエチル基、Prはプロピル基を表す。
Figure 0005529458
およびLはそれぞれ独立に二価の連結基である。二価の連結基としては−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは水素原子(H)、メチル基及びエチル基より選ばれる置換基を表す)、−CH=N−、−N=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは水素原子が好ましい。組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(QまたはQ)に、右側がCy(CyまたはCy)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
上記式中、二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基又は置換アルキニレン基を意味する。二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基又は置換アルケニレン基であるのが好ましく、アルキレン基又はアルケニレン基であるのがさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−1,4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが挙げられる。
前記式中の二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義
および例と同様である。
及びLはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、二価の鎖状基またはこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。上記Rは、炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。二価の鎖状基についてはLおよびLの定義と同義である。
一般式(I)において、nは1または2である。nが2の場合、二つのLは同じであっても異なっていてもよく、二つのCyも同じであっても異なっていてもよい。nは1が好ましい。
一般式(I)で表される重合性液晶化合物は、下記一般式(I−1)で表されることが好ましい。
一般式(I−1)
21−L21−Cy21−L22−Cy22−L23−Cy23−L24−Q22
式中、Q21およびQ22の少なくともいずれか一方はアクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基およびビニルオキシ基から選ばれる基であり、重合性基でない場合には水素原子またはアルキル基である。
21およびL24は−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは水素原子(H)、メチル基及びエチル基より選ばれる置換基を表す)、−CH=N−、−N=N−、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基又は置換アルキニレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
22およびL23は−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは水素原子(H)、メチル基及びエチル基より選ばれる置換基を表す)、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基又は置換アルキニレン基、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
Cy21、Cy22およびCy23は芳香族環基、脂肪族環基および複素環基である。Cy21、Cy22およびCy23はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
一般式(I)において、Cy、CyおよびCyはそれぞれ独立に二価の環状基を表す。該環状基の環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。単環でも縮合環でもよく、単環が好ましい。芳香族環、脂肪族環および複素環のいずれでもよい。このうち、芳香族環としては、ベンゼン環(特に1,4−フェニレン基)、ナフタレン環(特にナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基)が好ましい例として挙げられ、脂肪族環としては、シクロヘキサン環(特に1,4−シクロへキシレン基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン環が好ましい例として挙げられ、複素環としては、ピリジン環(特にピリジン−2,5−ジイル基)、ピリミジン環(特にピリミジン−2,5−ジイル基)、チオフェン環(特にチオフェン−2,5−ジイル基)、ジオキサン環が好ましい例として挙げられる。また、Cy、CyおよびCyはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が挙げられる。
重合性棒状液晶化合物の残基の好ましい例には、ビフェニル基、フェニレンカルボニルオキシビフェニル基、カルボニルオキシビフェニル基、ターフェニル基、ナフチレンカルボニルオキシフェニル基、フェニレンエテニレンカルボニルオキシビフェニル基、フェニレンエチニレンフェニル基、安息香酸フェニルエステル基、ベンジリデンアニリン基、アゾベンゼン基、アゾキシベンゼン基、スチルベン基、フェニレンエチニレンカルボニルオキシビフェニル基、ナフチレンビフェニル基、及びそれらのベンゼン環が飽和になったものあるいは複素環に置き換わったものが含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
以下に、一般式(I)で表される重合性液晶化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、Etはエチル基を表す。
ここで、I−15)〜I−17)は参考例である。
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
上記化合物にさらに重合性基を加え重合性基を複数にしたものを架橋基として用いることができる。
棒状液晶性高分子としては、一般式(5)で表される繰り返し単位を有するポリマーを使用することができる。
Figure 0005529458
ただし、前記一般式(5)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Sは二価の連結基を表し、Mはメソゲン基を表す。
が表す置換基の例には、前記一般式(1)中のR等の置換基の例として例示したものが含まれる。中でも、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子がより好ましく、水素原子、メチル基が更に好ましい。
5は、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、2価の複素環残基、−CO−、−NR15−(R15は炭素数が1〜6のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。アルキレン基の炭素数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、可能であれば、置換基(アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基等)によって置換されていてもよいが、無置換であることが好ましい。
としては、−O−、−CO−、−NR15−(R15は炭素数が1〜6のアルキル基又は水素原子)、アルキレン基又はアリーレン基を含んでいることが好ましく、−O−、−CO−、アルキレン基又はアリーレン基を含んでいることが特に好ましい。更に、Sは、−O−、−CO−、アルキレン基又はアリーレン基のみから構成されていることが好ましい。
で表されるメソゲン基としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)などに記載の構造を用いることができる。
より好ましくは、下記一般式(6)で表されるメソゲン基である。
Figure 0005529458
前記一般式(6)中、L11及びL12は、それぞれ、単結合又は二価の連結基を表し、Cy11、Cy12及びCy13は、それぞれ、二価の環状基を表し、pは0〜2の整数を表す。pが2の場合、2つのL12は同じであっても異なっていてもよく、2つのCy12も同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(6)中、L11及びL12は、好ましくは、それぞれ、−O−、−S−、−CO−、−NR16−、二価の鎖状基、二価の環状基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基、又は、単結合である。前記R16は、炭素数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
二価の鎖状基は、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基が好ましく、これらは、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子が好ましい。アルキレン基又はアルケニレン基が好ましく、無置換のアルキレン基又は無置換のアルケニレン基が更に好ましい。アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましい。アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましい。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましい。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2−ブテニレン基、2−ブチニレン基などが挙げられる。
二価の環状基は、後述するCy11、Cy12及びCy13と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(6)において、pは、0又は1であることが好ましい。
前記一般式(6)において、Cy11、Cy12及びCy13は、それぞれ独立に二価の環状基である。環状基に含まれる環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることが更に好ましい。環状基に含まれる環は、単環でも縮合環でもよく、単環が好ましい。環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環及びナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基及びナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、一般式(5)で表されるポリマーの具体例をあげるが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 0005529458
[キラル性を有する部分構造]
前記液晶ポリマーは、コレステリック性を有し、コレステリック相を形成するために側鎖に光学活性中心を導入した構造を有することが好ましく、キラル性を有する部分構造を側鎖中に有することがより好ましい。
以下に光学活性中心とラジカル重合性基を有するキラル化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005529458
前記液晶ポリマーの共重合ユニットとして用いるキラル性を有する部分構造を有する繰り返し単位を有する化合物としては捩れ力が大きい、あるいは液晶性を阻害しないなどの観点から以下に例示する化合物が好ましい。
Figure 0005529458
前記液晶ポリマー中、キラル性を有する部分構造を有する繰り返し単位の比率は、全繰り返し単位の総量の30mol%以下であるのが好ましく、20mol%以下であるのがより好ましく、10mol%以下であるのが更に好ましい。なお、下限値は1mol%以上であることが好ましい。前記キラル性を有する部分構造を有する繰り返し単位の比率が30mol%を超えると、液晶性、コレステリック性発現に悪影響を及ぼす恐れがある。
以下に側鎖に光学活性基が導入されたポリマーの具体例を上げるが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 0005529458
Figure 0005529458
本発明では光学活性基を有するラジカル重合性モノマーを液晶性高分子に共重合した例を挙げたが、本発明では液晶性高分子に光学活性基を有するラジカル重合性モノマーあるいは非重合性の光学活性化合物を添加して、使用しても良い。
また、複数個の重合性基を有するモノマーを適当量共重合して得られる、部分的に架橋された高分子を用いても良い。
前記波長選択反射層の形成には、円盤状液晶性化合物を利用してもよい。例えば、円盤状液晶性化合物の分子を螺旋状に配向させて、その状態に固定することで、前記波長選択反射層を形成してもよい。円盤状液晶性化合物としては、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章 第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されているものを用いることができる。棒状液晶と同様に、高分子液晶性分子も用いることができるし、活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
《光学活性化合物》
前記波長選択反射層の形成には、ネマチック液晶とともに、キラル化合物を用いてもよい。キラル化合物は、コレステリック液晶組成物の螺旋構造を誘起する力が大きいものが好ましく、このためにはキラル部位を分子の中心に位置させ、その周囲をリジットな構造とすることが好ましく、分子量は300以上が好ましい。また光照射によって捩れ力が変化するキラル化合物を、選択反射帯域の中心波長および幅を制御する目的で使用することが特に好ましい。この場合、キラル部位以外に光照射によって異性化反応する部位を分子構造の中に配置する必要がある。捩れ力の変化を大きくするためには、異性化による構造変化の度合いの大きいものを使用し、キラル部位と光照射による異性化を生じる部位を近接させることが好ましい。
さらにネマチック液晶性の重合性モノマーへの溶解性の高いキラル化合物が好ましく、融点が低いものやその溶解度パラメータSP値が、液晶性の重合性モノマーに近似するものがより好ましい。また、キラル化合物に重合性の結合基を1以上導入すると、形成された選択反射性層の耐熱性を向上させることができる。コレステリック液晶組成物中におけるキラル化合物あるいは共重合体としてのキラル部位の全含有量としては、特に制限はなく適宜選択できるが、2〜30質量%程度が好ましい。
キラル化合物としては、特表2002−533742号明細書の段落番号[0099]〜[0100]、特開平11−193287明細書の段落番号[0043]〜[0047]、液晶便覧 丸善280p〜312pなどに記載の化合物が知られているが、本発明において意匠性を付与する場合には、下記のうち、光照射によって捩れ力が変化するキラル化合物を用いることが好ましい。(シンナメート、アゾなど)
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
《波長選択反射層の具体的な形成方法》
コレステリック液晶組成物から形成された波長選択反射層は、コレステリック液晶組成物、所望により、下記の重合性開始剤や空気界面水平配向剤や他の添加剤を含む塗布液を、透明支持体の上に形成された配向膜の上に塗布して、水平配向させ、その螺旋軸を支持体平面に対してほぼ垂直にして、該配向状態を固定することで形成することができる。波長選択反射層の厚さは通常0.1μm〜20μm程度が好ましい。また、配向膜を用いずに、磁場、電場配向、ずり応力操作により配向させることもできる。
加熱配向の温度は、一般的には、液晶性組成物の結晶相/ネマチック相転移温度以上、ネマチック相/等方相転移温度以下で行なう。加熱配向時間は、特に制限されないが、10秒〜3分程度の範囲が好ましい。配向固定は、加熱配向温度で行ってもよいし、それより低温で結晶が析出しない範囲の温度で行ってもよい。
《水平配向膜》
配向膜としては、従来公知の種々の配向膜を用いることができる。例えば、透明支持体上にポリイミドやポリビニルアルコール等からなる薄膜を形成して、それをレーヨン布等でラビング処理したラビング膜、斜方蒸着膜、シンナメートやアゾベンゼンなど光架橋基を有するポリマーあるいはポリイミドに偏光紫外線を照射した光配向膜、延伸フィルムなどが用いられる。配向膜にプレチルト角の均一性が高い材料を用いるとラビング処理を省略することも可能である。配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等)により実施できる。
《空気界面水平配向剤》
通常、液晶性化合物は、空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に水平配向した状態を得るために、空気界面側において液晶性化合物を水平に配向制御することが必要である。この目的のために、空気界面側に偏在して、その排除体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物を水平に配向させる作用を及ぼす化合物を液晶塗布液に含有させて、波長選択反射層を形成するのが好ましい。具体的には、ノニオン系の界面活性剤が好ましく、公知のノニオン系界面活性剤の中から適宜選択して使用することができる。
たとえば、特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面配向剤として用いることができる。また、特開2004−53981号公報の段落番号[0072]〜[0075]、に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。また、これらの化合物を配合することによって塗布性が改善され、ムラ又はハジキの発生が抑制される。
液晶塗布液への空気界面配向剤の使用量は、0.05質量%〜5質量%であることが好ましい。また、フッ素系空気界面配向剤を用いる場合は、1質量%以下であることが好ましい。なお、層中において均一性の高い水平配向状態を形成するためには、下記に示す界面活性剤を、層形成用の液晶組成物に含有させることが好ましい。式中、Acはアセチル基を表す。
Figure 0005529458
[重合開始剤]
水平配向させた液晶性化合物の配向状態を維持して固定する場合、その固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。本発明のフィルムを形成するための組成物は、以下に述べる重合開始剤を含有しているのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応や電子線照射による重合反応等活性エネルギー線を用いる場合が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、活性エネルギー線を用いる、光重合反応または電子線照射による重合反応が好ましく、特に光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下がよりさらに好ましい。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。光照射は非偏光でも偏光でもよく、偏光を用いる場合は直線偏光を用いることが好ましい。さらに、フィルターや波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。また、光感応性キラル剤の制御と、重合とを異なる波長の光を用いて行ってもよい。このための具体的方法として、例えば、特開2002−338575公報中の記載を参照することができる。
《波長選択反射層中の他の材料》
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特開2005−62673号公報明細書中の段落番号[0069]〜[0126]記載の化合物が挙げられる。
液晶性化合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
本発明では、液晶性化合物から形成された波長選択反射層を、透明支持体上に形成してもよい。透明支持体は透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明支持体の例には、ガラス板の他に、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ノルボルネン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレートのフィルムが含まれる。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは波長選択反射層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止したりするために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
[塗布方法]
支持体上に液晶塗布液組成物を塗布する方法としては、該組成物そのものを塗布する方法、該組成物を適切な溶媒に溶解して塗布した後に乾燥する方法などが採用される。塗布する方式としては、公知の方法、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が採用される。
《紫外線吸収層》
太陽光に含まれる紫外線によって波長選択反射層が劣化するのを防ぐことを目的として、紫外線吸収層を設置することが好ましい。紫外線吸収層は本発明のフィルムの光入射面に配置させるのが好ましい。紫外線吸収層は紫外線吸収剤を樹脂とともに溶媒に溶解して、塗布、乾燥することによって形成できる。紫外線吸収層の固形分塗布量は、一般に0.5〜50g/m2、好ましくは0.5〜20g/m2である。固形分塗布量が50g/m2を超えると、散乱ロス発生や透明性が低下し好ましくない。また、0.5g/m2未満であると、実質的な紫外線吸収効果が得られない。前記紫外線吸収剤の添加量は、樹脂に対し1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。添加量が1質量%未満では添加効果を十分に発揮することができず、添加量が30質量%を超えると、樹脂表面へ紫外線吸収剤がブリードアウトしたり、樹脂中で紫外線吸収剤が結晶化して析出したりして、十分な耐光性が得られない。さらに、紫外線吸収効果がさらに十分に得られるように、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤を併用してもかまわない。
前記紫外線吸収剤は、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ波長400nm以上の可視光域において、吸収が少ないものが好ましい。具体的には、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤を用いることができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系が好ましい。紫外線吸収剤は、吸収波長の異なる複数の吸収剤を複合して用いることが、広い波長範囲で高い遮断効果を得ることができるので好ましい。
また、紫外線吸収剤については、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。
紫外線吸収剤と相溶性の高い樹脂としてはポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、キシレン樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂などが挙げられるが、特に好ましいものは、ポリエステル系樹脂または塩化ビニル系樹脂である。
本発明の赤外域選択反射フィルムは、右円偏光選択反射フィルムと左円偏光選択反射フィルムとを重ねて使用することによって特定波長の反射率を高く出来る。また、反射波長が異なる波長選択反射フィルムを重ねて使用することによって、反射帯域をより広くしたフィルムを作製することもできる。
[赤外染顔料]
本発明において、使用する赤外吸収色素(前記赤外染顔料と同義)は特に制限がなく、赤外領域の吸収が大きく可視領域の吸収が小さい吸収スペクトルを有する色素を選択して使用することが好ましい。赤外吸収色素には、有機化合物と無機化合物が含まれる。有機化合物である赤外吸収色素を用いることが好ましい。赤外吸収色素には、シアニン色素、オキソノール色素、スクアリリウム色素、その他のポリメチン色素、ジイモニウム色素、アゾメチン色素、フタロシアニン色素、金属キレート色素、リレン系色素、アミニウム色素、キノン色素等が含まれる。赤外吸収色素については、色材、61〔4〕215−226(1988)、および化学工業、43−53(1986、5月)に記載がある。
赤外吸収色素には、ジヒドロペリミジンスクアリリウム色素(米国特許5380635号明細書および特開平10−36695号公報記載)、シアニン色素(特開昭62−123454号、同3−138640号、同3−211542号、同3−226736号、同5−313305号、同6−43583号の各公報、特開平9−96891号公報および欧州特許0430244号明細書記載)、ピリリウム色素(特開平3−138640号、同3−211542号の各公報記載)、ジイモニウム色素(特開平3−138640号、同3−211542号の各公報記載)、ピラゾロピリドン色素(特開平2−282244号記載)、インドアニリン色素(特開平5−323500号、同5−323501号の各公報記載)、ポリメチン色素(特開平3−26765号、同4−190343号の各公報および欧州特許377961号明細書記載)、オキソノール色素(特開平3−9346号明細書記載)、アントラキノン色素(特開平4−13654号明細書記載)、ナフタロシアニン色素(米国特許5009989号明細書記載)およびナフトラクタム色素(欧州特許568267号明細書記載)が含まれる。
好ましい赤外吸収色素は、式(X−1)で表されるシアニン色素、式(X−3)で表されるジヒドロペリミジンスクアリリウム色素、式(X−4)で表されるナフトオキサジニンスクアリリウム色素、式(X−5)で表されるジイモニウム色素、式(X−6)で表されるポリメチン色素、式(X−7)で表されるアゾメチン色素、式(X−8)で表されるオキソノール色素、式(X−9)で表わされるフタロシアニン色素である。
式(X−1)で表されるシアニン色素について説明する。
Figure 0005529458
式中、Z1およびZ2は、それぞれ縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群を表わし、R1およびR2は、それぞれアルキル基を表わし、Lは5、7、9または11個のメチン基が二重結合が共役するように結合している連結基を表わし、a、bおよびcは、それぞれ0または1を表わし、Xはアニオンを表わす。
式(X−1)において、Z1およびZ2は、それぞれ縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群である。含窒素複素環およびその縮環の例には、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環およびキノキサリン環が含まれる。含窒素複素環は、6員環よりも5員環の方が好ましい。5員の含窒素複素環にベンゼン環またはナフタレン環が縮合しているものがさらに好ましい。インドレニン環およびベンゾインドレニン環が最も好ましい。
これら含窒素複素環およびそれに縮合している環は、置換基を有してもよい。置換基の例には、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、炭素原子数が20以下、好ましくは12以下のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、炭素原子数が20以下、好ましくは12以下のアリール基(例、フェニル、4-クロロフェニル)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、シアノ、ニトロおよびカルボキシル、スルホが含まれる。カルボキシルおよびスルホは遊離の酸であっても良いしカチオンと塩を形成してもよい。また、カルボキシルおよびスルホは、N+と分子内塩を形成してもよい。好ましい置換基は、塩素原子、メトキシ、メチルおよびカルボキシル、スルホである。
式(X−1)において、R1およびR2は、それぞれアルキル基である。アルキル基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−ペンテニル、ビニル、アリル、2−ブテニル、1−プロペニル、ヘキシル、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。アルキル基は置換基を有してもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびヒドロキシル、カルボキシル、スルホが含まれる。
式(X−1)において、Lは5、7、9または11個のメチン基が、二重結合が共役するように結合している連結基である。メチン基の数は、5個(ペンタメチン化合物)、7個(ヘプタメチン化合物)または9個(ノナメチン化合物)であることが好ましく、7個または9個であることがさらに好ましく、7個であることが最も好ましい。メチン基は置換基を有してもよい。ただし、置換基を有するメチン基は、中央の(メソ位の)メチン基であることが好ましい。メチン基の置換基については、下記式L5(ペンタメチン)、L7(ヘプタメチン)およびL9(ノナメチン)を引用して説明する。
Figure 0005529458
式中、R9は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、−NR1415(R14はアルキル基またはアリール基を表わし、R15は水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはアシル基を表わし、R14とR15とが結合して5員または6員の含窒素複素環を形成していてもよい)、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表わし、R10およびR11は、水素原子であるか、互いに結合して5員、6員または7員環を形成する原子群を表わし、R12およびR13は、それぞれ水素原子またはアルキル基を表わす。
上記ハロゲン原子の例には、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が含まれる。塩素原子が特に好ましい。上記アルキル基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれる。メチルが特に好ましい。アルキル基は置換基を有してもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびヒドロキシルが含まれる。上記アリール基の炭素原子数は、6〜12であることが好ましい。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は置換基を有してもよい。置換基の例には、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、アリル)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、炭素原子数が20以下、好ましくは12以下のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、シアノ、ニトロおよびカルボキシルが含まれる。R9が、−NR1415である場合、R14とR15の少なくとも一方がフェニルであることが特に好ましい。上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は1〜10であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メシルおよびエタンスルホニルが含まれる。上記アリールスルホニル基の炭素原子数は6〜10であることが好ましい。アリールスルホニル基の例には、トシルおよびベンゼンスルホニルが含まれる。上記アシル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。アシル基の例には、アセチル、プロピオニルおよびベンゾイルが含まれる。R14とR15とが結合して形成する含窒素複素環の例には、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環が含まれる。含窒素複素環は、置換基を有してもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル)、アリール基(例、フェニル)およびアルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)が含まれる。R10とR11とが互いに結合して5員、6員または7員環を形成することが好ましい。R9が水素原子である場合は、環を形成することが特に好ましい。R10とR11とが形成する環の例としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環を挙げることができる。R10とR11とが形成する環は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。
式(X−1)において、a、bおよびcは、それぞれ0または1である。aおよびbは、0である方が好ましい。cは一般に1である。ただし、カルボキシル、スルホのようなアニオン性置換基を有しこれがN+と分子内塩を形成する場合は、cは0になる。式(X−1)において、Xはアニオンである。アニオンの例としては、ハライドイオン(Cl-、Br-、I-)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 -、BF4 -およびClO4 -を挙げることができる。
好ましいシアニン色素の具体例を以下に示す。なお、本明細書においてMeはメチル基を表す。
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
Figure 0005529458
以上のシアニン色素は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、およびデー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トッピクス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14節、482〜515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodds Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977年刊、第15章、369〜422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、特開昭62−123252号、特開平3−226736号、同5−88293号、同5−313305号、同6−313939号、同6−43583号の各公報、欧州特許0430244A号明細書の記載を参照して合成できる。
以上のシアニン色素をレーキ化し、レーキシアニン色素として用いてもよい。式(X−1)において、アニオン性解離基が置換している場合、カチオンの塩とすることでレーキ化が可能である。アニオン性解離性基の例としては、カルボキシル、スルホ、フェノール性ヒドロキシル、スルホンアミド基、スルファモイル、ホスホノを挙げることができる。カルボキシル、スルホおよびスルホンアミド基が好ましい。カルボキシル、スルホが特に好ましい。シアニン色素をレーキ化する無機のカチオンの例には、アルカリ土類金属イオン(例、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Sr2+)、遷移金属イオン(例、Ag+、Zn2+)やその他の金属イオン(例、Al3+)が含まれる。有機のカチオンの例には、アンモニウムイオン、アミジニウムイオンおよびグアニジウムイオンが含まれる。有機のカチオンは、4以上の炭素原子数を有することが好ましく、二価または三価のカチオンが好ましい。レーキシアニン色素は、複塩の状態であってもよい。
次に式(X−3)で表されるジヒドロペリミジンスクアリリウム色素について説明する。
Figure 0005529458
式(X−3)中、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67およびR68は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またヘテロ環基であり、R61とR62、R63とR64、R65とR66、R67とR68、R62とR63、そしてR66とR67は、互いに結合し5または6員環を形成してもよく、R69およびR70は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロ、カルボキシルまたはスルホを表わし、nは0〜3の整数を表す。
式(X−3)において、アルキル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、1〜8であることがさらに好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、へキシル、ウンデシル、シクロペンチル、アリル、ベンジル、フェネチルおよびシクロヘキシルが含まれる。アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシ、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソブトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)およびアシルオキシ基(例、アセチルオキシ、ブチリルオキシ、ヘキシリルオキシ、ベンゾイルオキシ)が含まれる。
式(X−3)において、アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、炭素原子数が1〜8のアルキル基(例、メチル、エチル、ブチル)、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アミノ、アルキル置換アミノ基(例、メチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド)、スルホンアミド基(例、メタンスルホンアミド)、シアノ、ニトロおよびカルボキシルが含まれる。
式(X−3)において、アルコキシ基の炭素原子数は、1〜6であることが好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシおよびエトキシが含まれる。式(X−3)において、アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(例、Cl)が含まれる。アリールオキシ基の例には、フェノキシおよびp−クロロフェノキシが含まれる。式(X−3)において、アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。式(X−3)において、アミノ基の例には、メチルアミノが含まれる。式(X−3)において、アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。式(X−3)において、スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミドが含まれる。式(X−3)において、ハロゲン原子の例には、Br、Cl、Fが含まれる。式(X−3)において、ヘテロ環基としては、5または6員の飽和または不飽和のヘテロ環基が好ましく、2-フリル、2-テトラヒドロフリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジルが含まれる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
61とR62、R63とR64、R65とR66、R67とR68、R62とR63、R66とR67が互いに結合して形成する環の例には、シクロペンタン環およびシクロヘキサン環が含まれる。スクアリリウム環がジヒドロペリミジン環に結合する位置は、ジヒドロペリミジン環のベンゼン環に窒素原子が結合している位置に対して、オルト位またはパラ位であることが好ましく、オルト位であることがさらに好ましい。
以下に、式(X−3)で表わされるジヒドロペリミジンスクアリリウム色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
Figure 0005529458
式(X−3)で表わされるジヒドロペリミジンスクアリリウム色素は、米国特許5380635号明細書に記載の合成方法を参照して合成することができる。
次に式(X−4)で表されるナフトオキサジンスクアリリウム色素について説明する。
Figure 0005529458
式(X−4)中、R81、R82、R83、R84、R85およびR86は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わし、R81とR82、そしてR85とR86は、互いに結合し5または6員環を形成してもよく、R87およびR88は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカルボキシルを表わし、nは0〜3の整数を表す。
式(X−4)において、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アミド基およびスルホンアミド基は、式(X−3)と同様の定義を有する。式(X−4)において、R81とR82およびR85とR86が互いに結合して形成する環の例には、シクロペンタン環およびシクロヘキサン環が含まれる。スクアリリウム環がナフトオキサジニン環に結合する位置は、ナフトオキサジニン環のベンゼン環に窒素原子が結合している位置に対して、オルト位またはパラ位であることが好ましく、オルト位であることがさらに好ましい。以下に、式(X−4)で表わされるナフトオキサジニンスクアリリウム色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
その他のスクアリリウム、クロコニウム色素を用いることも可能である。その他のスクアリリウム、クロコニウム色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
次に式(X−5)で表されるジイモニウム色素について説明する。
Figure 0005529458
式(X−5)中、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97およびR98は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わし、R99、R100、R101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカルボキシルを表わし、あるいは、R91とR92、R93とR94、R95とR96、R97とR98、R91とR99、R92とR99、R93とR100、R94とR100、R95とR101、R96とR101、R97とR102またはR98とR102は、互いに結合して5または6員環を形成してもよい。nは0〜3の整数を表わし、Xは分子内の電荷を中和するに必要なアニオンまたはカチオンであり;そして、cは0〜6の整数である。
式(X−5)において、アルキル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、1〜8であることがさらに好ましく4であることが特に好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ノルマルブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、へキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびウンデシルが含まれる。アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシ、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソブトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アシルオキシ基(例、アセチルオキシ、ブチリルオキシ、ヘキシリルオキシ、ベンゾイルオキシ)、カルボキシルおよびスルホが含まれる。
式(X−5)において、アリール基の炭素原子数は、6〜12であることが好ましい。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、炭素原子数が1〜8のアルキル基(例、メチル、エチル、ブチル)、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アミノ、アルキル置換アミノ基(例、メチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド)、スルホンアミド基(例、メタンスルホンアミド)、シアノ、ニトロ、カルボキシルおよびスルホが含まれる。
式(X−5)において、アルコキシ基の炭素原子数は、1〜6であることが好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシおよびエトキシが含まれる。式(X−5)において、アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(例、Cl)が含まれる。アリールオキシ基の例には、フェノキシおよびp−クロロフェノキシが含まれる。式(X−5)において、アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。式(X−5)において、アミノ基の例には、メチルアミノが含まれる。式(X−5)において、アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。式(X−5)において、スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミドが含まれる。式(X−5)において、ハロゲン原子の例には、Br、Cl、Fが含まれる。
式(X−5)において、R91とR92、R93とR94、R95とR96またはR97とR98が互いに結合して形成する環の例には、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環およびピロリジン環が含まれる。R91とR99、R92とR99、R93とR100、R94とR100、R95とR101、R96とR101、R97とR102またはR98とR102が互いに結合して形成する環の例には、ジュロリジン環およびテトラヒドロキノリン環が含まれる。R99、R100、R101またはR102が、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97またはR98と結合して環を形成する場合、R99、R100、R101またはR102の位置は、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97またはR98の位置と隣接していることが好ましい。
式(X−5)において、Xで表されるアニオンの例には、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-、I-)、p−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、サッカリンアニオンおよびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオンが含まれる。化合物が、分子内に2個のカルボキシル基またはスルホ基を有する場合、cは0である。化合物が、分子内に3個以上のカルボキシル基またはスルホ基を有する場合はカチオンが必要になる。カチオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アンモニウムイオン(例、トリエチルアンモニウムイオン)およびピリジニウムイオンが含まれる。
以下に、式(X−5)で表わされるジイモニウム色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
式(X−5)で表わされるジイモニウム色素は、特公昭43−25335号公報に記載の合成方法等を参照して合成することができる。
次に式(X−6)で表されるポリメチン色素について説明する。
Figure 0005529458
式(X−6)中、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116およびR117は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表わし、R118、R119、R120およびR121は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカルボキシルを表わし、R110とR111、R112とR113、R114とR115、R116とR117、R110とR118、R111とR118、R112とR119、R113とR119、R114とR120、R115とR120、R116とR121またはR117とR121は、互いに結合して5または6員環を形成してもよい。L14は、トリメチンまたはペンタメチンを表わし、nは0〜3の整数を表わし、Xは分子内の電荷を中和するに必要なアニオンまたはカチオンを表わし、mは0〜6の整数である。
式(X−6)において、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アミド基およびスルホンアミド基は、式(X−5)と同様の定義を有する。
式(X−6)において、R110とR111、R112とR113、R114とR115またはR116とR117が互いに結合して形成する環の例には、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環およびピロリジン環が含まれる。R110とR118、R111とR118、R112とR119、R113とR119、R114とR120、R115とR120、R116とR121またはR117とR121が互いに結合して形成する環の例には、ジュロジン環およびテトラヒドロキノリン環が含まれる。R118、R119、R120またはR121が、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116またはR117と結合して環を形成する場合、R118、R119、R120またはR121の位置は、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116またはR117の位置と隣接していることが好ましい。L14のメチンは置換基を有していてもよい。L14のメチンの置換基は、式(X−1)のメチン(L)の置換基と同様である。式(X−6)において、Xおよびmは、式(X−5)と同様の定義を有する。以下に、式(X−6)で表わされるポリメチン色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
式(X−6)で表わされるポリメチン色素は、J.Am.Chem.Soc,80 3772-3777(1958)に記載の合成方法を参照して合成することができる。
次に式(X−7)で表されるアゾメチン色素について説明する。
Figure 0005529458
式(X−7)中、R130は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル、スルホ、R135−NH(C=O)−、R135−NHSO2−、R135−SO2NH−、R135−CONH−またはR135−NHCONH−を表わし、R131は、水素原子、アルキル基、R136−SO2NH−またはR136−CONH−を表わし、R135およびR136は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わし、R132は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基またはハロゲン原子を表わし、nは0から3の整数を表わし、R133およびR134は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わし、R132とR133、R133とR134、またはR132とR134が互いに結合して5または6員環を形成してもよい。
式(X−7)において、アルキル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、1〜8であることがさらに好ましく4であることが特に好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ノルマルブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、へキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびウンデシルが含まれる。アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシ、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソブトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アシルオキシ基(例、アセチルオキシ、ブチリルオキシ、ヘキシリルオキシ、ベンゾイルオキシ)、カルボキシルおよびスルホが含まれる。
式(X−7)において、アリール基の炭素原子数は、6〜12であることが好ましい。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、炭素原子数が1〜8のアルキル基(例、メチル、エチル、ブチル)、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アミノ、アルキル置換アミノ基(例、メチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド)、スルホンアミド基(例、メタンスルホンアミド)、シアノ、ニトロ、カルボキシルおよびスルホが含まれる。
式(X−7)において、アルコキシ基の炭素原子数は、1〜6であることが好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシおよびエトキシが含まれる。式(X−7)において、アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(例、Cl)が含まれる。アリールオキシ基の例には、フェノキシおよびp−クロロフェノキシが含まれる。式(X−7)において、アミノ基の例には、メチルアミノが含まれる。式(X−7)において、アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。式(X−7)において、スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミドが含まれる。
式(X−7)において、ヘテロ環基を形成するヘテロ環の例には、ピリジン環、1,3−チアゾール環、1,3,4−トリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環および1,2,4−チアジアゾール環が含まれる。式(X−7)において、ハロゲン原子はF、Br、Clである。
式(X−7)において、R133とR134が互いに結合して形成する環の例には、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環およびピロリジン環が含まれる。式(X−7)において、R132とR133またはR132とR134が互いに結合して形成する環の例には、ジュロリジン環およびテトラヒドロキノリン環が含まれる。以下に、式(X−7)で表わされるアゾメチン色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
式(X−7)で表わされるアゾメチン色素は、特開平5−323500号、同5−323501号の各公報に記載の合成方法を参照して合成することができる。
次に式(X−8)で表されるオキソノール色素について説明する。
Figure 0005529458
式中、Y1およびY2は、それぞれ独立に脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を表わし、L2は、奇数個のメチンからなるメチン鎖を表わし、X2は、水素原子またはカチオンを表わす。
式(X−8)において、Y1およびY2は、それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群である。脂肪族環よりも複素環の方が好ましい。脂肪族環の例には、インダンジオン、ジメドンが含まれる。複素環の例には、5−ピラゾロン環、イソオキサゾロン環、バルビツール酸環、チオバルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環およびメルドラム酸環が含まれる。5−ピラゾロン環、ピラゾロピリドン環およびバルビツール酸環が好ましい。脂肪族環および複素環は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表わす。
式(X−8)において、L2は、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。L2は、3個、5個または7個のメチンからなるメチン鎖であることが好ましく、5個のメチンからなるメチン鎖であることが特に好ましい。メチンは置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは中央の(メソ位の)メチンであることが好ましい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。メチン鎖の二つの置換基が結合して5員環または6員環を形成してもよい。
式(X−8)において、X2は、水素原子またはカチオンである。カチオンの例には、アルカリ金属(例、Na、K)イオン、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンおよびテトラブチルアンモニウムイオンが含まれる。以下に、オキソノール染料の例を示す。
Figure 0005529458
Figure 0005529458
式(X−8)で表されるオキソノール色素は、特開平7−230671号公報、欧州特許0778493号および米国特許5459265号、特公昭39−22069号、同43−3504号、同54−38129号の各公報に記載の合成方法を参照して合成することができる。
次に式(X−9)で表わされるフタロシアニンについて説明する。
Figure 0005529458
式(X−9)中、R130、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137、R138、R139、R140、R141、R142、R143、R144及びR145により表される基は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルファモイル、カルバモイル、アミノを表わすか、隣接する二つが結合し環を形成する。Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす。
式(X−9)において、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子が好ましい。アルキル基は、炭素原子数が1から18のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル)が好ましい。アリール基は炭素原子数が6から18のアリール基(例、フェニル、4-メチルフェニル)が好ましい。アルコキシ基は炭素原子数が1から18のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、シクロヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ)が好ましい。アリールオキシ基は炭素原子数6から18のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)が好ましい。アルキルチオ基は炭素数1から18のアルキルチオ基(例、メチルチオ、ブチルチオ、オクチルチオ、2-エチルヘキシルチオ)が好ましい。アリールチオ基は炭素原子数6から18のアリールチオ基(例、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−tert−ブチルフェニルチオ)が好ましい。アルキルスルホニル基は炭素原子数が1から18のアルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル)が好ましい。アリールスルホニル基は炭素原子数6から18のアリールスルホニル基(例、フェニルスルホニル)が好ましい。スルファモイル基は炭素原子数が0から18のスルファモイル基(例、無置換のスルファモイル基、N−メチルスルファモイル、モルホリノスルホニル)が好ましい。カルバモイル基は炭素数0から18のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)が好ましい。アミノ基は無置換のアミノ基でも置換基を有していてもよい。置換基としては上記で示したアルキル基、アリール基のほかに、アシル基、カルバモイル基、スルホニル基があげられる。置換アミノ基の具体例としてはアルキルアミノ基(メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基等)、アリールアミノ基(アニリノ基、N-メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、インドリノ基等)、アシルアミノ基(アセトアミド基、プロピオニルアミノ基、フタルイミド基、N-メチルアセトアミド基等)、カルバモイルアミノ基(N,N-ジメチルアミノカルボニルアミノ基、ピロリジノカルボニルアミノ基等)、スルホニルアミノ基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)があげられる。
Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす。ここで、無金属とは、金属以外の原子、例えば、2個の水素原子であることを意味する。また、金属としては、鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、錫等が挙げられる。金属酸化物としては、チタニル、バナジル等が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマニウム、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、塩化珪素等が挙げられる。好ましくは、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物であり、具体的には、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、バナジル、チタニル、塩化インジウム、塩化錫(II)であり、より好ましくは銅、バナジル及び亜鉛である。
以下に、フタロシアニン色素類の好ましい具体例を示す。
Figure 0005529458
Figure 0005529458
これらフタロシアニン色素類は、欧州特許第0155780号、特表2005−537319、特開2001-106689、特開2005-220060等に記載の方法を参考に合成することができる。
金属キレート色素としては、例えば、特開昭63-2275987号公報、特開2007-70499号公報、特開2007-119722号公報、特開2007-118227号公報、特開2008-111939号公報、A.L.Balch et.al., Inorganic Chemistry, vol.14, page 2724(1975)に記載されている化合物を使用することができる。
リレン系色素としては、例えば、K. Mullen et.al., Angew. Chem. Int. Ed., vol.34, page 1323(1995)、K. Mullen et.al., Angew. Chem. Int. Ed., vol.45, page 1401(2006)、K. Mullen et.al., Chem. Commun., page 2778(2002)、K. Mullen et.al., J. Org. Chem, vol.72, page 10243(2007)に記載されている化合物を使用することができる。
アミニウム色素としては、例えば、特開2003−280247号公報、特開2003−295496号公報、特開2004−145036号公報、特開2007−92060号公報に記載されている化合物を使用することができる。
キノン色素としては、例えば、W. Ott et.al., Angew. Chem. Int. Ed., vol.20, page 982(1981)、Y. Kubo et.al., Chemistry Letters, page 2057(1987)、K. Mullen et.al.,Dyes and Pigments, vol. 75, page 1(2007)、特開昭60-15458号公報に記載されている化合物を使用することができる。
これらの他に、Angew.Chem.Int.Ed.,2006年,45巻,9号,1401ページ、米国特許第5986099号等に記載赤外吸収色素を用いることもできる。以下に、その他の赤外吸収色素の具体例を示す。
Figure 0005529458
本発明においては二種類以上の赤外吸収色素を併用してもよい。赤外吸収色素は、適当な溶媒に溶解して、赤外吸収層の塗布液に添加することができる。赤外染顔料の使用量は0.01〜2.00g/mが好ましく、0.05〜1.00g/mがより好ましい。赤外吸収色素の固体微粒子分散物(いわゆる顔料はこの範疇に含まれる)を赤外吸収層の塗布液に添加することも可能である。色素の固体微粒子分散物については、特開平2−282244号、同3−138640号の各公報および特願平7−269097号明細書に記載がある。赤外吸収色素の固体微粒子を得るためには、公知の分散機を用いることができる。分散機の例には、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミルおよびローラーミルが含まれる。分散機については、特開昭52−92716号公報および国際特許公開88/074794号明細書に記載がある。縦型または横型の媒体分散機が好ましい。分散は、適当な媒体の存在下で実施してもよい。分散用界面活性剤を用いることも可能である。
[フィルム]
本発明の一態様として、高分子フィルム等からなる支持体の表面に、本発明に必要な組成物を用いて形成した赤外域選択反射層を有するフィルムがあるが、本発明に必要な組成物を用いて形成された膜が、自己支持性を有する場合は、本発明のフィルムは該膜のみからなっていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(赤外線吸収剤の効果)
LC−1 90wt%、LC−2 5wt%、LC−4(キラル化合物) 5wt%からなる2−ブタノン溶液に、Irg907(商品名、チバスペシャルティーケミカルズ社製) 3wt%、DETX(商品名、日本化薬社製) 1wt%を加えた溶液を作製した。この溶液を、SE150(商品名、日産化学社製)を配向膜として塗布しラビングしたガラス基板上に塗布し乾燥した。このときの塗布量は、液晶化合物が2.9g/m、キラル化合物が0.15g/m、光重合開始剤が0.1g/mであった。UV光(EXECURE3000(商品名、HOYA社製))での露光(100mW/cm、10秒)を行った。得られた膜上に、例示赤外顔料D−53 0.5g、エマルゲンA60(商品名、花王(株)社製)0.05g、ジルコニアビーズ(0.1mm)10g、蒸留水4.5gの混合物を、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製)を用いて分散して得られた分散物0.6gを、4質量%ゼラチン水溶液2.0gに40℃にて加え、混合し得られた液(赤外線吸収剤ゼラチン水溶液)を塗布し乾燥した。このものの分光吸収特性は、λmax980nmで光学濃度1.11、半値幅は約40nmであった。例示近赤外顔料の塗布量は0.15g/mであった。得られた試料を5℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。試料の温度上昇により選択反射帯域の中心波長が750nmから760nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから710nm〜810nmに変化した。より長波の赤外光を反射可能になったが、その効果はわずかであった。同一のサンプルを26℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。試料の温度上昇により選択反射帯域の中心波長が750nmから800nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから750nm〜850nmに変化した。より長波の赤外光を反射可能になった。
Figure 0005529458
[実施例2]
(赤外線吸収剤の効果)
LC−1 90wt%、LC−2 5wt%、LC−4(キラル化合物) 5wt%からなる2−ブタノン溶液に、Irg907(商品名、チバスペシャルティーケミカルズ社製) 3wt%、DETX(商品名、日本化薬社製) 1wt%を加えた溶液を作製した。この溶液を、SE150(商品名、日産化学社製)を配向膜として塗布しラビングしたガラス基板上に塗布し乾燥した。このときの塗布量は、液晶化合物が2.9g/m、キラル化合物が0.15g/m、光重合開始剤が0.1g/mであった。UV光(EXECURE3000(商品名、HOYA社製))での露光(100mW/cm、10秒)を行った。得られた膜上に、例示赤外顔料P−1 0.05g、ドデシルベンゼンスルホン酸0.02g、ジルコニアビーズ(0.1mm)5g、蒸留水5.0gの混合物を、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製)を用いて分散して得られた分散物0.72gを、10質量%ゼラチン水溶液0.28gに40℃にて加え、混合し得られた液(赤外線吸収剤ゼラチン水溶液)を塗布し乾燥した。このものの分光吸収特性は、λmax851nmで光学濃度0.36、半値幅は約75nmであった。例示近赤外顔料の塗布量は0.18g/mであった。得られた試料を5℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。選択反射帯域の中心波長が750nmから755nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから705nm〜805nmに変化した。同一のサンプルを26℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。試料の温度上昇により選択反射帯域の中心波長が750nmから800nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから750nm〜850nmに変化した。
[実施例3]
(赤外線吸収剤の効果)
LC−1 90wt%、LC−2 5wt%、LC−4(キラル化合物) 5wt%からなる2−ブタノン溶液に、Irg907(商品名、チバスペシャルティーケミカルズ社製) 3wt%、DETX(商品名、日本化薬社製) 1wt%を加えた溶液を作製した。この溶液を、SE150(商品名、日産化学社製)を配向膜として塗布しラビングしたガラス基板上に塗布し乾燥した。このときの塗布量は、液晶化合物が2.9g/m、キラル化合物が0.15g/m、光重合開始剤が0.1g/mであった。UV光(EXECURE3000(商品名、HOYA社製))での露光(100mW/cm、10秒)を行った。得られた膜上に、例示赤外顔料O−5 0.3g、ネオゲンSC(商品名、第一工業製薬製)0.78g、ジルコニアビーズ(0.1mm)5g、蒸留水1.49gの混合物を、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製)を用いて分散して得られた分散物0.12gを、10質量%ゼラチン水溶液0.30gに40℃にて加え、さらに蒸留水0.58gを混合し得られた液(赤外線吸収剤ゼラチン水溶液)を塗布し乾燥した。このものの分光吸収特性は、λmax858nmで光学濃度0.70、半値幅は約112nmであった。例示近赤外顔料の塗布量は0.07g/mであった。得られた試料を5℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。選択反射帯域の中心波長が750nmから760nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから710nm〜810nmに変化した。同一のサンプルを26℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。試料の温度上昇により選択反射帯域の中心波長が750nmから800nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから750nm〜850nmに変化した。
[実施例4]
(重合性液晶の効果)
実施例1のLC−1の代わりに例示重合性液晶I−1を用いた以外は、実施例1と同様に赤外線選択反射フィルムを作成した。得られた試料を5℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。選択反射帯域の中心波長が750nmから760nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから710nm〜810nmに変化した。同一のサンプルを26℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。試料の温度上昇により選択反射帯域の中心波長が750nmから800nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから750nm〜850nmに変化した。
[実施例5]
(キラル化合物の効果)
実施例1のLC-4の代わりにキラル化合物A−1を用いた以外は、実施例1と同様に
赤外線選択反射フィルムを作成した。得られた試料を5℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。選択反射帯域の中心波長が750nmから760nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから710nm〜810nmに変化した。同一のサンプルを26℃で24時間保存した後、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製)を30分間照射した。試料の温度上昇により選択反射帯域の中心波長が750nmから800nmにシフトした。選択反射帯域は700nm〜800nmから750nm〜850nmに変化した。
[実施例6]
(光照射によるパターニング)
LC−1 89.5wt%、LC−2 5wt%、LC−3(キラル化合物) 5.5wt%からなる2−ブタノン溶液に、Irg907(商品名、チバスペシャルティーケミカルズ社製) 3wt%、DETX(商品名、日本化薬社製) 1wt%を加えた溶液を作製した。この溶液を、SE150(商品名、日産化学社製)を配向膜として塗布しラビングしたガラス基板上に3μmの厚みで塗布し乾燥した。このときの塗布量は、液晶化合物が2.8g/m、キラル化合物が0.16g/m、光重合開始剤が0.1g/mであった。これに市松模様にパターニングされたマスクと365nmに中心を持つバンドパスフィルターを通して、UV光(EXECURE3000(商品名、HOYA社製))でのパターニング露光(100mW/cm、10秒)を行った。ついでマスクとバンドパスフィルターを取り除き、400nm以上の光を透過する(400nmで50%透過)シャープカットフィルターを付け、窒素ガスを吹き付けながら、上記と同様なUV光源で全面露光した。パターン露光部の選択反射帯域の中心波長は900nm、半値幅(選択反射帯域の幅)150nm(選択反射帯域は825nm〜975nm)でほぼ無色であった。非パターン露光部では選択反射帯域の中心波長は650nm、半値幅150nm(選択反射帯域は575nm〜725nm)でほぼ赤色であった。赤外光反射部と可視域反射部を同時に有した意匠性のあるパターニングが可能であることが分かる。
Figure 0005529458
[実施例7]
(キラル化合物の効果)
実施例6のキラル化合物LC−3の代わりに例示したキラル化合物C−1を用いた以外は実施例6と同様に膜を作成した。パターン露光部の選択反射帯域の中心波長は900nm、半値幅150nm(選択反射帯域は825nm〜975nm)でほぼ無色であった。非パターン露光部では選択反射帯域の中心波長は640nm、半値幅150nm(選択反射帯域は565nm〜715nm)でほぼ赤色であった。赤外光反射部と可視域反射部を同時に有した意匠性のあるパターニングが可能であることが分かる。
[実施例8]
(キラル化合物の効果)
実施例6のキラル化合物LC−3の代わりに例示したキラル化合物C−5を用いた以外は実施例6と同様に膜を作成した。パターン露光部の選択反射帯域の中心波長は900nm、半値幅150nm(選択反射帯域は825nm〜975nm)でほぼ無色であった。非パターン露光部では選択反射帯域の中心波長は640nm、半値幅150nm(選択反射帯域は565nm〜715nm)でほぼ赤色であった。赤外光反射部と可視域反射部を同時に有した意匠性のあるパターニングが可能であることが分かる。
[実施例9]
(光照射によるパターニングと赤外線吸収剤の効果)
実施例2のLC−1、LC−2、LC−4の量を、LC−1 87.8wt%、LC−2 5wt%、LC−3 7.2wt%に変えた2−ブタノン溶液を用い、実施例2と同様に露光して得られた試料(露光部の選択反射帯域の中心波長は750nm、半値幅150nm(選択反射帯域は675nm〜825nm)でほぼ無色であった。非露光部では選択反射帯域の中心波長は550nm、半値幅150nm(選択反射帯域は475nm〜625nm)でほぼマゼンタ色であった。)上に、実施例1で用いた赤外線吸収剤ゼラチン水溶液を塗布し乾燥した。実施例1と同様にキセノンランプで照射したところ、露光部、非露光部ともに、選択反射帯域の中心波長は約50nm長波長化した。赤外光反射部と可視域反射部を同時に有した意匠性のあるパターニングが可能であり、赤外光の反射特性を変化させることも可能であることが分かる。

Claims (8)

  1. 選択反射帯域の中心波長が700〜2000nmの範囲にある構造色を示す層を有する赤外域選択反射膜であって、該構造色を示す層がコレステリック液晶相を含む層であり、該構造色を示す層にコレステリック液晶相を形成する下記一般式(I)で表される化合物を架橋して得られた高分子および光に感応し螺旋ピッチを変化させ得る光感応性官能基を有する化合物を含ことを特徴とする赤外域選択反射膜。
    一般式(I)
    −L−Cy−L−(Cy−L)n−Cy−L−Q
    (式中、QおよびQの少なくともいずれか一方は重合性基であり、重合性基でない場合には水素原子またはアルキル基である。LおよびLはそれぞれ独立に二価の連結基であり、LおよびLはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは水素原子または炭素原子数1〜7のアルキル基)、二価の鎖状基またはこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり、Cy、CyおよびCyは二価の環状基であり、nは1または2である。)
  2. 構造色を示す層の選択反射帯域の幅が100〜400nmである請求項1に記載の赤外域選択反射膜。
  3. 前記構造色を示す層に加えて、吸収極大が700〜2000nmの範囲にあり、その吸収帯の半値幅が20〜200nmである赤外染顔料を含む層を有し、該構造色を示す層の選択反射帯域の幅が赤外染顔料の吸収帯半値幅より大きい請求項1または2に記載の赤外域選択膜。
  4. 前記構造色を示す層に加えて、シアニン色素、オキソノール色素、スクアリリウム色素、ジイモニウム色素、アゾメチン色素、フタロシアニン色素、金属キレート色素、リレン系色素、アミニウム色素及びキノン色素からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる赤外染顔料を含む層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜。
  5. 前記光感応性官能基を有する化合物が桂皮酸誘導体、アゾベンゼン誘導体及びビナフトール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜。
  6. 少なくともひとつの可視域選択反射領域と少なくともひとつの赤外域選択反射領域とで形成されたパターンを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜。
  7. 透明支持体上に請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外域選択反射膜を形成してなることを特徴とする赤外域選択反射フィルム。
  8. 透明支持体側から、少なくとも構造色を示す層、赤外染顔料を含む層が相互の関係としてこの順に被覆されてなることを特徴とする請求項に記載の赤外域選択反射フィルム。
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