JPH10204425A - 新規サーモクロミック調光材料 - Google Patents

新規サーモクロミック調光材料

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Publication number
JPH10204425A
JPH10204425A JP9012657A JP1265797A JPH10204425A JP H10204425 A JPH10204425 A JP H10204425A JP 9012657 A JP9012657 A JP 9012657A JP 1265797 A JP1265797 A JP 1265797A JP H10204425 A JPH10204425 A JP H10204425A
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JP
Japan
Prior art keywords
group
thermochromic
light
light modulating
monomer
Prior art date
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Application number
JP9012657A
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English (en)
Inventor
Yasukazu Nakada
安一 中田
Shunsaku Node
俊作 野手
Takanori Saito
隆則 齋藤
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Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線、酸素、熱等の外的刺激に強く、特定
波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する能力
を有し、さらに熱的環境の変化により、特定反射波長を
可変可能にし得る材料を提供すること。 【解決手段】 モノマー成分 【化21】 (式中、X1 ,X2 は同一または異なるHまたはCH3
であり、Aは屈曲鎖、R1 は末端鎖であり、Bはカイラ
ル化合物基であり、Mはメソーゲン基である。モノマー
成分(a),(b)の量比(モル比)はそれぞれ0.0
1〜0.99の範囲内であり、かつ(a)+(b)=1
である。)を共重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーモクロミック性
を示す新規な調光材料に関し、さらに詳しくは、調光素
子、光フィルター、建装用調光材料等として好適に用い
られ、特定の波長の光を反射するサーモクロミック調光
材料に関する。
【0002】本発明は、そのようなサーモクロミック調
光材料に限らず、サーモクロミック性を利用できる種々
の応用用途に適用できる。
【0003】
【従来の技術】サーモクロミック性を示す材料は、熱的
環境の変化によりその色調が変化する。その特徴を利用
して、サーモセンサーや記録素子などの製造に使用され
てきた。
【0004】調光素子、光フィルター、建装用調光材料
に求められる性質は、特定の光を反射し、それ以外の波
長の光を透過することである。さらにその特定波長が任
意に可変可能である性質が求められている。従来、調光
材料は特定波長の光を吸収或いは反射するのみであり、
その反射或いは吸収する波長を可変可能にさせることは
不可能であった。サーモクロミック材料は、熱によって
反射または吸収する波長を変化させる能力を有する。し
かしながら、サーモクロミック材料の多くは無機顔料で
あり、反射波長以外の光を全て分散してしまう傾向があ
る。これに対して、有機色素タイプのサーモクロミック
材料は、特定波長の光を反射し、それ以外の波長の光を
透過することが可能であるものの、外的刺激、例えば、
紫外線、酸素、熱によって分解し易いという欠点を持
つ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであっ
て、紫外線、酸素、熱等の外的刺激に強く、特定波長の
光を反射し、それ以外の波長の光を透過する能力を有
し、さらに熱的環境の変化により、特定反射波長を可変
可能にし得る材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々検討した
結果、上述の課題は、紫外線、酸素、熱等の外的刺激に
強く、特定波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透
過する能力を有し、さらに熱的環境の変化により、特定
反射波長を可変可能な材料として、一定のメソーゲン
基、カイラル化合物基、および末端鎖を含む高分子液晶
材料を調光材料として用いることにより解決することを
見出した。
【0007】すなわち、 請求項1の発明に係るサーモ
クロミック調光材料は、モノマー成分が
【0008】
【化8】
【0009】(式中、X1 ,X2 は同一または異なるH
またはCH3 であり、Aは屈曲鎖、R1 は末端鎖であ
り、Bはカイラル化合物基であり、Mはメソーゲン基で
ある)からなるランダム共重合体を用いてなることを特
徴とする。
【0010】請求項2の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1に記載のモノマー成分(a),
(b)とモノマー成分
【0011】
【化9】
【0012】(式中、X3 はHまたはCH3 であり、R
2 はR1 とは独立な末端鎖である)からなるランダム共
重合体であることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1または2において前記屈曲鎖Aが
【0014】
【化10】
【0015】からなる群より選択された少なくとも1種
の基であることを特徴とする。
【0016】請求項4の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1〜3のいずれかにおいて前記メソー
ゲン基Mが
【0017】
【化11】
【0018】からなる群より選択された少なくとも1種
の基であることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1〜4のいずれかにおいて前記カイラ
ル化合物基Bが
【0020】
【化12】
【0021】からなる群より選択された少なくとも1種
の基であることを特徴とする。
【0022】請求項6の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1〜5のいずれかにおいて 前記末端
鎖R1
【0023】
【化13】
【0024】からなる群より選択された少なくとも1種
の基であることを特徴とする。
【0025】請求項7の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1ないし6のいずれかにおいて前記末
端鎖R2
【0026】
【化14】
【0027】からなる群より選択された少なくとも1種
の基であることを特徴とする。
【0028】請求項8の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1〜7のいずれかにおいて前記化合物
がカイラルネマチック相を示すことを特徴とする。
【0029】請求項9の発明に係るサーモクロミック調
光材料は、請求項1〜8のいずれかにおいて前記化合物
が結晶相で、カイラルネマチック相構造から由来する色
調を示すことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明に係わるサーモクロミック
材料は請求項1に示した成分からなる、アクリルあるい
はメタクリル系の側鎖型液晶高分子であり、アクリルあ
るいはメタクリル基に屈曲鎖(A)を介してメソーゲン
(M)と末端鎖(R1 )が結合した構造を持つモノマー
成分(a)と、アクリルあるいはメタクリル基にカイラ
ル化合物(B)が連結したモノマー成分(b)とが共重
合していることを特徴とする。これらの異なるモノマー
成分の共存により、特定波長の光を反射し、それ以外の
波長を透過する能力を有し、熱的環境の変化により、特
定反射波長を可変可能にし得る性質が得られる。主とし
てモノマー成分(a)は分子の配列に寄与し、モノマー
成分(b)は分子の配列にねじれを与えることで、ねじ
れに起因した特定波長の反射に寄与する。
【0031】また、請求項2に記載されたモノマー成分
(c)は、本発明に係るサーモクロミック調光材料のガ
ラス転移温度を調節して材料としての取り扱い易さに寄
与する。
【0032】上記式中、R1 ,R2 は末端鎖であり、R
1 は下記の式で表される炭素数1−30のアルキル基お
よびアルコキシ基、炭素数3−21のメチル(ポリ)エ
チレンオキシド基、炭素数4−31のメチル(ポリ)プ
ロピレンオキシド基である。
【0033】
【化15】
【0034】このような末端鎖としては具体的には、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基、エイコシル基、トリコシル基、トリアコンチル
基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基、デコ
キシ基、ドデコキシ基、エイコソキシ基、トリアコント
キシ基、メチルモノエチレンオキシド基、メチルジエチ
レンオキシド基、メチルトリエチレンオキシド基、メチ
ルテトラエチレンオキシド基、メチルペンタエチレノキ
シド基、メチルヘキサエチレンオキシド基、メチルヘプ
タエチレンオキシド基、メチルオクタエチレノキシド
基、メチルノナエチレンオキシド基、メチルデカエチレ
ンオキシド基、メチルモノプロピレンオキシド基、メチ
ルジプロピレンオキシド基、メチルトリプロピレンオキ
シド基、メチルテトラプロピレンオキシド基、メチルペ
ンタエチレノキシド基、メチルヘキサプロピレンオキシ
ド基、メチルヘプタプロピレンオキシド基、メチルオク
タエチレノキシド基、メチルノナプロピレンオキシド
基、メチルデカプロピレンオキシド基、などが挙げられ
る。これらのうち、メトキシ基が特に好ましい。
【0035】R2 は、下記の式で表される炭素数1−3
0のアルコキシ基、炭素数3−21のメチル(ポリ)エ
チレンオキシド基、炭素数4−31のメチル(ポリ)プ
ロピレンオキシド基である。
【0036】
【化16】
【0037】上記式(I)中、Mはメソーゲン基を表
し、メソーゲン基としては2以上のフェニレン基がパラ
位で鎖状に結合したもの、あるいはこのような鎖状フェ
ニレン結合を構成しているフェニレン鎖間にオキシカル
ボニル基(−(CO)O−)、ジアゾ基(−N=N−)
あるいはアゾメチン基(−CH=N−)、アゾキシ基
(−N(O)=N−)が介在してなるメソーゲン基さら
にはシクロヘキシル基とフェニレン基とがパラ位で直接
結合したメソーゲン基などが挙げられる。
【0038】このようなメソーゲン基としては具体的に
は、例えば、下記式で表されるメソーゲン基が挙げられ
る。
【0039】
【化17】
【0040】なお、これらのメソーゲン基の骨格は、シ
アノ基、ハロゲン基、メトキシ基、メチル基などの置換
基でその一部が置換されていてもよい。
【0041】上記式(I)中、Bはカイラル化合物基を
表し、例えば、下記式で表される化合物基が挙げられ
る。
【0042】
【化18】
【0043】本発明の新規サーモクロミック調光材料に
おいて、モノマー成分(a)と(b)の量比(モル比)
はそれぞれ0.01〜0.99の範囲内であり、かつ、
(a)のモル比と(b)のモル比の和が1であれば、特
に限定されないが、好ましくは(a)のモル比は0.3
0〜0.99、(b)のモル比は0.01〜0.70で
ある。
【0044】また、モノマー成分(a),(b)および
(c)のモル比はそれぞれ0.01〜0.98の範囲内
であり、かつ、その三成分のモル比の和が1であれば、
特に限定されないが、好ましくは(a)のモル比は0.
30〜0.98、(b)のモル比は0.01〜0.6
9、(c)のモル比は0.01〜0.50である。
【0045】新規サーモクロミック調光材料の平均分子
量は5,000〜10,000,000、好ましくは1
0,000〜500,000である。
【0046】このようなA,M およびBを有する新規
サーモクロミック調光材料は、カイラルネマチック液晶
構造を示すことが望ましい。
【0047】このような新規サーモクロミック調光材料
としては、具体的には、例えば下記のようなモノマー成
分の組み合わせからなる共重合体からなる化合物が挙げ
られる。
【0048】
【化19】
【0049】本発明の新規サーモクロミック調光材料に
用いるランダム共重合は、下記のモノマー成分(a)お
よび(b)、場合によってさらに(c)を含むモノマー
組成物を適当な溶媒に溶解して重合開始剤の存在下にラ
ジカル重合方により共重合することにより合成すること
ができる。
【0050】
【化20】
【0051】(上記式中、X1 ,X2 ,X3 ,A,B,
M,R1 およびR2 は上記と同じである。) 上述のラジカル重合においては、溶媒としてテトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン水、ベンゼ
ン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ
ール、エタノール、t−ブタノール、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、N,N′−ジメチ
ルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、ジ
メチルクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、エチレン
ジクロライド、二硫化炭素などを使用することができ
る。重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾ
イルなどを使用することができる。重合温度は通常、−
100℃から250℃、好ましくは25℃から100℃
である。
【0052】このようにして調製された本発明による式
(I)の新規サーモクロミック調光材料は、その特徴的
な分子構造からカイラルネマチック液晶相を広範囲の温
度範囲、例えば−20℃〜300℃において示す。そし
てカイラルネマチック液晶相において、液晶相の形態に
依存して、広範囲の波長、例えば200〜10、000
nmの範囲で反射を示す。さらに、その反射波長は加熱
することによって変化する。本発明に係る新規サーモク
ロミック調光材料は、低温において低波長側の波長の反
射を示すが、加熱することによって、高波長側の波長を
反射する傾向にある。このように、本発明のサーモクロ
ミック調光材料は、温度(熱)によって反射波長を可変
可能にできる。例えば、400〜500nmの反射波長
範囲が40℃から120℃の加熱によって1,000〜
2,000nmの反射波長範囲にシフトする。
【0053】本発明においては、例えば種類の異なる2
種以上の上述のサーモクロミック化合物を従来より公知
の他の結晶化合物、例えば、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、4−オクチル−4′−シア
ノビフェニル、コレステリルベンゾエート、コレステリ
ルノナノエート、N−(4−メトキシベンジリデン)−
4−n−ブチルアニリン、N−p−ペンチルオキシベン
ジリデン−p′−n−ブチルアニリン、ベンゼンヘキサ
−n−ヘキサノエート、4−オクチルオキシシアノビフ
ェニル、ヒドロキシプロピルセルロース、トリアセチル
セルロース、ポリベンジルグルタメート、ポリメチルグ
ルタメート、塩化コレステリル、臭化コレステリルなど
と配合してもよい。これらのうち、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、4−オクチル−4′
−シアノビフェニル、N−(4−メトキシベンジリデ
ン)−4−n−ブチルアニリン、ベンゼンヘキサ−n−
ヘキサノエート、4−オクチルオキシシアノビフェニル
等は反射波長を長波長側にシフトさせる傾向がある。ま
た、コレステリルベンゾエート、コレステリルノナノエ
ート、ヒドロキシプロピルセルロース、トリアセチルセ
ルロース、ポリベンジルグルタメート、ポリメチルグル
タメート、塩化コレステリル、臭化コレステリルなどは
反射波長を短波長側にシフトさせる傾向がある。これら
を使用することによって、さらに本発明の新規サーモク
ロミック調光材料の反射特性を調節することが可能であ
る。
【0054】また、本発明の新規サーモクロミック調光
材料を、ガラスなどの基板上あるいは、合成樹脂等のフ
ィルム上に塗布し、ポリエチレン、ポリエステル等の保
護層を設けて、ラミネートフィルムにすることにより、
調光素子、光フィルター、建装用調光材料とすることが
できる。特に、ウィンドーフィルムとして好適に使用す
ることができる。例えば、低温においては本発明の新規
サーモクロミック調光材料の液晶相は紫外から可視光の
光線を反射し、その他の光、近赤外光や赤外光は透過
し、一方高温においては近赤外光や赤外光を反射し、紫
外から可視光の光線を透過する。このフィルムを窓に貼
付することにより、冬季、窓の温度が比較的に低い時に
太陽光からの赤外光を透過し、夏季、窓の温度が比較的
に高温になった時のみ、太陽光からの赤外光を反射する
機能性ウィンドーフィルムを作成することができる。
【0055】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何等限定される
ものではない。
【0056】なお、以下の実施例において得られた新規
サーモクロミック調光材料の構造は、NMR、IR、元
素分析により確認した。新規サーモクロミック調光材料
の分子量はGPCにより、相転移温度の測定および液晶
相構造の確認はDSC(示差熱分析)およびホットステ
ージを搭載した偏光顕微鏡によって行った。
【0057】実施例で得られた化合物の構造式を表1お
よび表2に、それらの相転移挙動を表3にそれぞれ示
す。
【0058】相状態は次の略号を用いて示した。
【0059】 G: ガラス状態 N*: カイラルネマチック液晶相 I: 等方相 (実施例1)4−(4′−メトキシジフェニルオキシカ
ルボニル)フェニルオキシヘキシル・メタクリレートと
コレステリルオキシ・メタクリレートをモル比で0.
5:0.5の割合でテトラヒドロフランに溶解し、重合
開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリルを
用いたラジカル重合法により、窒素気流下60℃で24
時間反応を行った。反応によって得られたポリマー溶液
をメタノールに注加し、精製を行い、乾燥後測定試料と
した。表1に合成した新規サーモクロミック調光材料の
組成を示し、表3に相転移挙動を示す。分子量を、テト
ラヒドロフランを展開溶媒とするゲル透過クロマトグラ
フィー(GPC)により測定したところ、スチレン換算
の重量平均分子量は28,000であった。
【0060】(実施例2)4−(4′−メトキシジフェ
ニルオキシカルボニル)フェニルオキシヘキシル・メタ
クリレート、コレステリルオキシ・メタクリレートおよ
びブチル・アクリレートをモル比で0.7:0.2:
0.1の割合でテトラヒドロフランに溶解し、重合開始
剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリルを用い
たラジカル重合法により、窒素気流下60℃で24時間
反応を行った。反応によって得られたポリマー溶液をメ
タノールに注加し、精製を行い、乾燥後測定試料とし
た。表1に合成した新規サーモクロミック調光材料の組
成を示し、表3に相転移挙動を示す。分子量を、テトラ
ヒドロフランを展開溶媒とするゲル透過クロマトグラフ
ィー(GPC)により測定したところ、スチレン換算の
重量平均分子量は13,000であった。
【0061】(実施例3)4−(4′−メトキシジフェ
ニルオキシカルボニル)フェニルオキシヘキシル・メタ
クリレート、2−メチルブチル・メタクリレートおよび
ブチル・アクリレートをモル比で0.8:0.15:
0.05の割合でテトラヒドロフランに溶解し、重合開
始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリルを用
いたラジカル重合法により、窒素気流下60℃で24時
間反応を行った。反応によって得られたポリマー溶液を
メタノールに注加し、精製を行い、乾燥後測定試料とし
た。表1に合成した新規サーモクロミック調光材料の組
成を示し、表3に相転移挙動を示す。分子量を、テトラ
ヒドロフランを展開溶媒とするゲル透過クロマトグラフ
ィー(GPC)により測定したところ、スチレン換算の
重量平均分子量は57,000であった。
【0062】(実施例4)4−(4′−メトキシアゾベ
ンゼン)オキシヘキシル・メタクリレートとコレステリ
ルオキシ・メタクリレートをモル比で0.5:0.5の
割合でテトラヒドロフランに溶解し、重合開始剤として
α,α′−アゾビスイソブチロニトリルを用いたラジカ
ル重合法により、窒素気流下60℃で24時間反応を行
った。反応によって得られたポリマー溶液をメタノール
に注加し、精製を行い、乾燥後測定試料とした。表2に
合成した新規サーモクロミック調光材料の組成を示し、
表3に相転移挙動を示す。分子量を、テトラヒドロフラ
ンを展開溶媒とするゲル透過クロマトグラフィー(GP
C)により測定したところ、スチレン換算の重量平均分
子量は32,000であった。
【0063】(実施例5)4−(4′−メトキシアゾベ
ンゼン)オキシヘキシル・メタクリレート、コレステリ
ルオキシ・メタクリレートおよびブチル・アクリレート
をモル比で0.7:0.2:0.1の割合でテトラヒド
ロフランに溶解し、重合開始剤としてα,α′−アゾビ
スイソブチロニトリルを用いたラジカル重合法により、
窒素気流下60℃で24時間反応を行った。反応によっ
て得られたポリマー溶液をメタノールに注加し、精製を
行い、乾燥後測定試料とした。表2に合成した新規サー
モクロミック調光材料の組成を示し、表3に相転移挙動
を示す。分子量を、テトラヒドロフランを展開溶媒とす
るゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定し
たところ、スチレン換算の重量平均分子量は12,00
0であった。
【0064】(反射波長の測定)実施例1〜5で得られ
たポリマーを各々50mm×20mm×1mmの石英ス
ライドガラス2枚の中心に挟み、250℃に加熱した
後、フィルム厚を50μmに調節した。これら試料の各
温度における反射スペクトルを図1〜図5に示す。
【0065】図1〜図5から明らかなように、実施例1
〜3で得られたポリマーは、反射率のピークが実施例1
では70℃、120℃、140℃においてそれぞれ約6
00nm、880nm、1230nm近辺に(図1)、
実施例2では100℃、150℃においてそれぞれ約7
50nm、約1100nm近辺に(図2)、実施例3で
は20℃、70℃、100℃、150℃において約50
0nm、650nm、860nm、1100nm近辺に
(図3)、実施例4では90℃、105℃において約6
00nm、800nm近辺に(図4)、実施例5では7
0℃、100℃において約800nm、1100nm近
辺に(図5)現れる。このように、本発明の新規サーモ
クロミック調光材料は温度の変化により反射波長が変化
する。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】本発明による新規サーモクロミック調光
材料は特定のカイラルネマチック液晶相を形成したこと
により、液晶相の形態に依存して、広範囲の波長範囲で
光を反射し、その反射波長は加熱することによって変化
するので、調光素子、光フィルター、建装用調光材料な
どの用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に従って得られた本発明の新規サーモ
クロミック調光材料の各温度における反射スペクトルを
示すグラフである。
【図2】実施例2に従って得られた本発明の新規サーモ
クロミック調光材料の各温度における反射スペクトルを
示すグラフである。
【図3】実施例3に従って得られた本発明の新規サーモ
クロミック調光材料の各温度における反射スペクトルを
示すグラフである。
【図4】実施例4に従って得られた本発明の新規サーモ
クロミック調光材料の各温度における反射スペクトルを
示すグラフである。
【図5】実施例5に従って得られた本発明の新規サーモ
クロミック調光材料の各温度における反射スペクトルを
示すグラフである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー成分が 【化1】 (式中、X1 ,X2 は同一または異なるHまたはCH3
    であり、Aは屈曲鎖、R1 は末端鎖であり、Bはカイラ
    ル化合物基であり、Mはメソーゲン基である)からなる
    ランダム共重合体を用いてなることを特徴とする新規サ
    ーモクロミック調光材料。
  2. 【請求項2】 モノマー成分として 【化2】 (式中、X3 はHまたはCH3 であり、R2 は末端鎖で
    ある。)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載
    のサーモクロミック調光材料。
  3. 【請求項3】 前記屈曲鎖Aが 【化3】 からなる群より選択された少なくとも1種の基であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のサーモクロミ
    ック調光材料。
  4. 【請求項4】 前記メソーゲン基Mが 【化4】 からなる群より選択された少なくとも1種の基であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサーモ
    クロミック調光材料。
  5. 【請求項5】 前記カイラル化合物基Bが 【化5】 からなる群より選択された少なくとも1種の基であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサーモ
    クロミック調光材料。
  6. 【請求項6】 前記末端鎖R1 が 【化6】 からなる群より選択された少なくとも1種の基であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサーモ
    クロミック調光材料。
  7. 【請求項7】 前記末端鎖R2 が 【化7】 からなる群より選択された少なくとも1種の基であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のサーモ
    クロミック調光材料。
  8. 【請求項8】 前記化合物がカイラルネマチック相を示
    すことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のサ
    ーモクロミック調光材料。
  9. 【請求項9】 前記化合物が結晶相で、カイラルネマチ
    ック相構造から由来する色調を示すことを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載のサーモクロミック調光材
    料。
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