JP2008267098A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸部22に回転自在に取り付けたローラー部23を介して障子からの鉛直力が下レール5に伝達され、この鉛直力を支持したローラー部23が障子の開閉に伴って回転することで、ローラー部23が下レール5に引っ掛かることなく円滑にスライド移動できる。そして、障子からの鉛直力をローラー部23が支持しているので、スライド部24が鉛直力を負担せず、スライド部24と案内溝54との摩擦抵抗を小さくすることができ、このスライド部24によってスムーズに案内して障子の開閉移動を確実かつ円滑に実施することができる。
【選択図】図5
Description
特許文献1に記載された建具では、上方に開口した断面略コ字形でかつ開口端縁が内側に折り曲げられた折返し片を有して下レールが形成されている。そして、案内具は、下レール内に挿入されてスライド自在に支持されるスライダと、このスライダに下端が連結されかつ上端がパネル下部に連結されるロッドとを有して構成されている。このロッドは、取付ブロックを介してパネルに支持され、取付ブロックに対して回動自在かつ下方に付勢された状態で取り付けられている。一方、スライダは、ロッドの軸部を受け入れる溝部、およびロッド下端に固定された連結片(鍔部)を受け入れる隙間を有するとともに、連結片を受け入れる際に弾性変形しかつ受け入れ後に連結片を係止する弾性片を有して構成されている。
このような構成によれば、面材に見込み方向の力が作用した場合でも、抜出し防止機構により案内溝からのスライド部の抜け出しを防止し、案内部材の案内溝からの脱落(脱輪)を確実に防止することができる。
このような構成によれば、案内溝に設けた突出片によって上方への移動を規制することでスライド部の抜け出しを防止し、案内部材の案内溝からの脱落を防止することができる。
このような構成によれば、規制部材で突出片を挟持してスライド部のスライド移動を規制することで、所定の面材の下部をスライド移動不能に支持することができ、共通の案内部材を用いてスライド可能およびスライド不能のいずれかの支持形態を変更することができる。
このような構成によれば、案内溝の底面部に設けた突条にローラー部が摺接することで、ローラー部と案内溝との摺接面積を小さくして、摺接抵抗を低減させることができ、面材の開閉移動をより円滑に実施することができる。
このような構成によれば、軸部の縮径部にスライド部の係合部を係合させることで、軸部に対するスライド部の上下移動を規制することができ、軸部を介してスライド部まで面材に作用した見込み方向の力を確実に伝達することができ、面材への見込み方向の力に対する案内部材の抜け出し抵抗力を向上させることができる。
ここで、本発明の建具としては、一対の面材が開閉可能に構成された折戸が例示できる。この際、一対の面材を一組み有したものであってもよく、さらに一対の面材を二組み以上の複数組み有したものであってもよい。
このような構成によれば、面材のスライド開閉時におけるスライド部と下レールの案内溝との摩擦抵抗を小さくしつつ、スライド開閉かつ回動開閉可能な面材を構成することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である折戸1を示す縦断面図である。図2および図3は、それぞれ折戸1の横断面図であり、図2は、折戸1を閉じた状態を示し、図3は、折戸1を開放した状態を示すものである。
図1〜図3において、折戸1は、天井2、床3および左右の壁(不図示)で囲まれた開口部に設けられて空間を左右に仕切るものであって、天井2位置に設けられた上枠4と、床3の床面材3Aに埋設して設けられた下レール5と、壁に設けられた左右の縦枠6と、上枠4および下レール5に開閉支持される4枚の面材としての障子10とを備えて構成されている。4枚の障子10は、それぞれ一対の障子10が二組みで構成され、各組の一対の障子10同士が互いに連結され、連結位置で折れ曲がりつつ開閉されるようになっている。
また、縦枠6は、壁に沿って上下に延びて取り付けられており、この縦枠6には、障子10の縦框13と磁着して障子10の移動を規制する磁着部6Aが設けられている。
図4は、下レール5および案内部材20を示す平面図である。図5および図6は、下レール5および案内部材20を示す縦断面図であり、図5は、図4に矢視V−V線で示す断面図であり、図6は、図4に矢視VI−VI線で示す断面図である。図7(A),(B)は、案内部材20を示す平面図および側面図である。
第1レール部材51の一対の内壁面には、第2レール部材52を係止する係止片511と、スライド部24を係止する突出片512とがそれぞれ一対で形成されている。一対の係止片511は、第1レール部材51の内壁面略中間位置から内方(互いに近づく方向)に向かって延びるとともに、先端が下方に折れ曲がって形成されている。そして、第2レール部材52は、下方に延びて係止片511に係止される一対の被係止片521を有して形成されている。また、一対の突出片512は、第1レール部材51の内壁面上端部(案内溝54の開口上端)から内方に向かって、互いに近づく方向に突出して形成されている。
なお、スペーサ55は、第1レール部材51の一対の突出片512に係合する一対の取付片551を有しており、この一対の取付片551が弾性変形することで一対の突出片512に着脱自在に取付可能に構成されている。
具体的には、図9に示すように、スペーサ55は、第1レール部材51の一対の突出片512の上面間に架け渡される上面部552と、この上面部552の下面から下方に突出する一対の取付片551とを有して形成されている。そして、一対の取付片551は、それぞれ一対の斜面を有した山形の抜止部553を有して形成されており、突出片512に対してこの斜面を摺接させながら弾性変形することで、第1レール部材51に対してスペーサ55が着脱できるようになっている。また、スペーサ55は、取付片551の一対の抜止部553の斜面のうち、上方に位置する斜面が突出片512の下面に当接することで、不用意に第1レール部材51から抜け出ないように規制され、第1レール部材51に取り付けられた状態で、下レール5の長手方向に沿ってスペーサ55がスライド移動自在になっている。
また、障子10に見込み方向からの力(面外の力)が作用した場合には、案内部材20の軸部22が側方かつ上方に抜け出そうとするが、軸部22の鍔部222がスライド部24の係合片部242下面に当接することで、軸部22の抜け出し力がスライド部24に伝達される。そして、スライド部24のスライド溝246が下レール5の突出片512に係止されることで、スライド部24が案内溝54から外れずに軸部22の抜け出し力に抵抗し、これによって障子10が下レール5から外れないようになっている。
一方、障子10を取り外す場合には、上述と逆の手順で先ず、軸部22からスライド部24を取り外しておき、その後、ローラー部23を上方に押し上げて軸部22を固定部21内に没入させ、これによりローラー部23を下レール5の案内溝54から外せばよい。
(1)すなわち、軸部22に回転自在に取り付けたローラー部23を介して障子10からの鉛直力が下レール5に伝達され、この鉛直力を支持したローラー部23が障子10の開閉に伴って回転することで、ローラー部23が下レール5に引っ掛かることなく円滑にスライド移動できる。そして、障子10からの鉛直力をローラー部23が支持しているので、スライド部24が鉛直力を負担せず、スライド部24と案内溝54との摩擦抵抗を小さくすることができ、このスライド部24によってスムーズに案内して障子10の開閉移動を確実かつ円滑に実施することができる。
以下、本発明の第2実施形態について図10〜図15に基づいて説明する。この第2実施形態は、下レールおよび案内部材の構成が前記第1実施形態と相違するもので、他の構成は第1実施形態と略同一である。
図10は、第2実施形態の下レール7および案内部材30を示す平面図である。図11および図12は、下レール7および案内部材30を示す縦断面図であり、図11は、図10に矢視XI−XI線で示す断面図であり、図12は、図10に矢視XII−XII線で示す断面図である。図13(A)〜(C)は、案内部材30を示す三面図であり、図14は、案内部材30のスライド部34を示す斜視図である。図15は、案内部材30の動作を示す縦断面図である。
案内溝74は、第1レール部材71の内壁面にて構成され互いに見込み方向に対向する一対の第1レール側面部741と、第2レール部材73の上面にて構成され一対の第1レール側面部741よりも内方(互いに近づく方向)に延びる一対の第1レール底面部742と、第2レール部材73の内壁面にて構成され一対の第1レール底面部742よりも下方に延びかつ互いに対向する一対の第2レール側面部743と、第2レール部材73の底面にて構成され一対の第2レール側面部743の下端部間に位置する第2レール底面部744とを有して形成されている。また、一対の第1レール底面部742のうち、一方の上面には、下レール7の長手方向に沿って上方に突出した第1突条745が形成され、一対の第1レール底面部742の両方の上面には、下レール7の長手方向に沿って上方に突出した第2突条746が形成されている。
以上のようなスライド部34は、上方規制部342に形成された略C字状の係合部の弾性によって軸部32に係合させた状態で軸部32回りに回動可能になっており、障子10の開閉移動に伴って下レール7の案内溝74内を摺動するとともに、スライド部34に対して障子10が回動できるようになっている。また、軸部32およびローラー部33をばねの付勢力に抗して上方に押し上げることで、スライド部34も案内溝74から上方に外れ、障子10とともに下レール7から取り外すことができ、さらに、上方規制部342の係合部を軸部32から外せばスライド部34が交換できるようになっている。
先ず、図15に白抜き矢印で示すように図の右側から左側に向かう力が障子10に作用すると、案内部材30の軸部32を介してスライド部34に力が伝達され、スライド部34が図の左側に押されるとともに反時計回りに回動される力が作用することとなる。このような力がスライド部34に作用すると、一方(図15の左側)の第1スライド側面部345が第1レール側面部741に当接するとともに、回動したスライド部34における他方(図15の右側)の第2スライド側面部347の下端部が第2レール側面部743に当接する。
(5)すなわち、下レール7の案内溝74が断面下向き凸状に形成され、これに案内される案内部材30のスライド部34が断面下向き凸状に形成されているので、スライド部34を案内溝74から上方に引き抜くことで、障子10を取り外す際にスライド部34を含んだ案内部材30全体を下レール7から取り外すことができ、スライド部34の交換が容易になってメンテナンス性を向上させることができる。さらに、下レール7の案内溝74が上方に開口して形成されているので、案内溝74内に入ったゴミや埃が容易に取り出せることから、スライド部34のスライド移動が阻害されることがなく障子10の開閉移動が円滑に実施できるとともに、スライド部34の破損も防止することができる。
例えば、前記実施形態においては、折戸タイプの障子10を例示したが、本発明の建具は折戸に限らず、レールに対してスライド開閉のみ可能で、回動開閉ができないタイプの建具であってもよい。
また、前記実施形態においては、二組み4枚の障子10を有した折戸1を例示したが、本発明の建具は、一組みの障子を有した折戸であってもよく、また、三組み以上の障子の組み合わせを有した折戸であってもよい。
また、本発明の建具の用途としては、可動間仕切り、屋内の部屋や物入れ、浴室等の出入り口に設けられる戸の他、面材の下部に若干の隙間があっても使用上差し支えのない位置にて空間を仕切る用途に利用可能である。
また、前記第1実施形態では、別体で構成された第1レール部材51と第2レール部材52とで下レール5を構成したが、これらを一体成形して下レール5を形成してもよい。これと同様に、前記第2実施形態では、別体で構成された第1レール部材71とスペーサ72と第2レール部材73とで下レール7を構成したが、これらを一体成形して下レール7を形成してもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (8)
- 面材と、当該面材を案内する下レールとを備えた建具であって、
前記面材の下部には、前記下レールに設けられた案内溝に案内されて当該下レールの長手方向にスライド移動自在に支持される案内部材が設けられ、
前記案内部材は、前記面材から下方に突出して設けられた軸部と、この軸部に回転自在に取り付けられて前記案内溝の底面部に摺接可能なローラー部と、前記軸部に取り付けられて少なくとも前記案内溝の側面部に摺接可能なスライド部とを有して構成されている建具。 - 前記案内溝と前記スライド部との間には、前記面材に作用する見込み方向の力に対して当該案内溝からの当該スライド部の抜け出しを防止する抜出し防止機構が設けられている請求項1に記載の建具。
- 前記案内溝は、互いに見込み方向に対向する一対のレール側面部と、これら一対のレール側面部の下端部間に位置するレール底面部とを有して上方に開口した溝状に形成され、前記一対のレール側面部には、互いに近づく方向に突出した一対の突出片が前記下レールの長手方向に連続して設けられ、
前記スライド部の一対の側面部には、それぞれスライド方向に沿って形成されて前記突出片を挿通させる一対のスライド溝が形成され、
前記スライド溝に前記突出片を挿通させた状態において、前記案内溝に対する前記スライド部の上方への移動を規制することで、前記抜出し防止機構が構成されている請求項2に記載の建具。 - 前記スライド部には、前記スライド溝に挿通された前記突出片を挟持することで当該スライド部のスライド移動を規制する規制部材が設けられている請求項3に記載の建具。
- 前記案内溝は、互いに見込み方向に対向する一対の第1レール側面部と、これら一対の第1レール側面部に対して内方に延びる一対の第1レール底面部と、これら一対の第1レール底面部よりも下方に延びかつ互いに対向する一対の第2レール側面部と、これら一対の第2レール側面部の下端部間に位置する第2レール底面部と、から前記下レールの長手方向に沿って断面下向き凸状に形成され、
前記スライド部は、前記第1レール側面部に対向配置される一対の第1スライド側面部と、前記第1レール底面部に摺接支持される一対の第1スライド底面部と、前記第2レール側面部に対向配置される一対の第2スライド側面部と、前記第2レール底面部の上側に対向配置される第2スライド底面部と、から断面下向き凸状に形成され、
前記面材に見込み方向の力が作用した際に、前記一対の第1スライド側面部のうちの一方が前記第1レール側面部に当接するとともに、前記一対の第2スライド側面部のうちの他方が前記第2レール側面部に当接することで、前記抜出し防止機構が構成されている請求項2に記載の建具。 - 前記案内溝の底面部には、前記ローラー部と摺接する少なくとも1本の突条が設けられている請求項1から請求項5のいずれかに記載の建具。
- 前記軸部には、径寸法が小さく形成された縮径部が設けられ、前記スライド部には、前記縮径部に係合する係合部が設けられている請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。
- 前記面材は、折り畳み自在に連結された一対の面材から構成され、
前記スライド部は、前記軸部に対して回動自在に取り付けられている請求項1から請求項7のいずれかに記載の建具。
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