JP2008266675A - 耐折損性に優れたレールの製造方法 - Google Patents

耐折損性に優れたレールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高炭素含有の鋼レールにおいて足先部での疲労損傷の発生や疲労損傷を起因とする折損の発生を抑制し、レール底部の耐折損性を向上させる。
【解決手段】質量%で、C:0.65〜1.20%、Si:0.05〜2.00%、Mn:0.05〜2.00%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるレールを製造し、 前記レールの足先部をAr3変態点もしくはArcm変態点〜950℃の温度範囲に再加熱し、その後、冷却速度0.5〜20℃/secの範囲で加速冷却し、400℃以上で加速冷却を停止し、その後、常温まで放冷もしくは加速冷却し、さらに、500〜650℃の温度範囲に再加熱し、その後、常温まで放冷もしくは加速冷却し、かつ熱処理後の前記レールの足先部の硬さがHv320以上であることを特徴とする耐折損性に優れたレールの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、旅客鉄道や貨物鉄道のレールに要求される、レール足先部からの折損等の破壊の発生を防止することを目的としたレールの製造方法に関するものである。
旅客鉄道や貨物鉄道では、輸送の高効率化の手段として、列車速度の向上や列車積載重量の増加が図られている。このような鉄道輸送の効率化はレール使用環境の過酷化を意味し、レール材質の一層の改善が要求されるに至っている。具体的には、曲線区間に敷設されたレールでは、G.C.(ゲージ・コーナー)部や頭側部の摩耗が急激に増加し、レールの使用寿命の点で問題視されるようになった。
そこで、高炭素鋼を用いたパーライト組織を呈した下記に示すような高強度(高硬度)レールやその製造方法が発明され、旅客鉄道の曲線区間のレール寿命を飛躍的に改善してきた(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1の開示技術では、圧延を終えた鋼レールをオーステナイト域温度から800〜450℃間を冷却速度1〜4℃/secで冷却することにより、高硬度のパーライト組織のレールを提供することができる。
特許文献2の開示技術では、圧延を終えた鋼レールをオーステナイト域温度からレール頭部を囲続するノズルから気体冷却媒体をレール頭部に指向して適用することにより高硬度のパーライト組織のレールを製造することができる。
しかし、特許文献1、2の開示技術で製造されたレールでは、車輪のフランジと主に接触する頭部コーナー部や頭側部の耐摩耗性の確保は可能であるが、レール底部(レール足先部を含む)については、材質な制御が十分ではなく、製造方法によっては、レール底部から疲労損傷が発生し、最終的には折損に至るといった問題があった。
そこで、レール底部の材質を制御し、レール底部を起点とする折損を防止するため、レール底部に限定した熱処理方法が発明され、レールの使用寿命を飛躍的に改善してきた(例えば、特許文献3、4参照)。
特許文献3の開示技術では、圧延および熱処理を終えた鋼レールの腹部や底部をオーステナイト域に再加熱後、急速冷却してマルテンサイト変態させ、再び再加熱し、急速冷却することにより、衝撃破壊抵抗性に優れたレールを提供することができる。
特許文献4の開示技術では、圧延および熱処理を終えた鋼レールの底部を600〜750℃に再加熱後、急速冷却することにより、耐落重特性に優れたレールを提供することができる。
しかし、特許文献3の開示技術では、断面積の大きいレール腹部や底部の全体を均一に熱処理することが困難であり、レール腹部や底部の安定した特性の向上が困難であった。また、レール腹部や底部の全体を再加熱しなければならず、また、その後にマルテンサイト組織を生成させるには、大掛かりな急冷装置が必要となり、経済性も悪いといった問題もあった。
また特許文献4の開示技術のレールでは、再加熱によりレール底部の靭性の向上により、耐落重特性は向上するものの、軟質化するため疲労強度が低下し、疲労損傷の発生や疲労損傷を起因とするレール折損を防止することが困難であった。
特開昭62−56524号公報 特開昭61−149436号公報 特開昭62−227042号公報 特開平4−202626号公報
上述した背景から、旅客鉄道や貨物鉄道のレールに要求される、底部からの折損の発生を安定して抑制することができるレールの製造方法の提供が望まれるようになった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み案出されたものであり、その目的とするところは、旅客鉄道や貨物鉄道のレールに要求される、底部の疲労損傷の発生や疲労損傷を起因とする折損の発生を抑制し、レールの使用寿命を向上させることにある。
本発明の耐折損性に優れたレールの製造方法は、レール足先部の再加熱温度、加速冷却速度、その後の再加熱温度の最適化を図り、さらに、硬度の最適化を図ることにより、レール底部の折損のうち足先部での疲労損傷の発生や疲労損傷を起因とする折損の発生を抑制し、レール底部の耐折損性を向上させることを目的として創出されたものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、鋼レールにおいて、レール底部の耐折損性を向上させるため、レール足先部の再加熱温度、加速冷却速度、さらに、その後の再加熱温度の最適化を図り、さらには、硬度の最適化を図ることにより、レール底部の耐折損性を向上させるものである。
本発明の構成は下記のとおりである。
質量%で、C:0.65〜1.20%、Si:0.05〜2.00%、Mn:0.05〜2.00%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるレールを製造し、
前記レールの足先部をAr3変態点もしくはArcm変態点〜950℃の温度範囲に再加熱し、その後、冷却速度0.5〜20℃/secの範囲で加速冷却し、400℃以上で加速冷却を停止し、その後、常温まで放冷もしくは加速冷却し、
さらに、500〜650℃の温度範囲に再加熱し、その後、常温まで放冷もしくは加速冷却し、
かつ熱処理後の前記レールの足先部の硬さがHv320以上であることを特徴とする耐折損性に優れたレールの製造方法。
本発明によれば、レール足先部の再加熱温度、加速冷却速度、さらに、その後の再加熱温度の最適化を図り、さらには、硬度の最適化を図ることにより、旅客鉄道や貨物鉄道のレールの底部に要求される耐折損性を向上させることができる。
以下に本発明について詳細に説明する。本発明者らは、現行の旅客鉄道や貨物鉄道においてレール底部から折損が発生する原因を調査した。その結果、レール底部からの折損は主にレール足先部から発生し、その起点部には疲労き裂の生成が認められることを確認した。
さらに、本発明者らは、レール足先部の材質特性を調査した。その結果、足先部はレール圧延時の温度が低く、焼入れ性が低いこと、さらには、熱処理前に変態が始まり、レールの熱処理開始温度が確保できないこと等から、足裏部と比較して、硬度が低く、疲労強度が低いことが確認された。
そこで、本発明者らは、レール足先部の疲労損傷の発生を防止するため、足先部の高強度化を図る熱処理方法を検討した。その結果、レール足先部を部分的に再加熱し、その後にある一定範囲内の冷却速度で加速冷却する熱処理が有効であることを見出した。
この効果を検証するため、本発明者らは、上記熱処理を施した実レールを用いて疲労試験を行った。その結果、上記熱処理を施したレールでは疲労き裂の発生は抑制できるが、疲労き裂が発生・伝播した後に、短時間で折損(脆性破壊)に至るといった問題が発生した。
本発明者らは、疲労き裂が発生・伝播した後に、短時間で折損(脆性破壊)に至る要因を解明した。その結果、足先部は熱処理により高強度化したため、靭性が低下し、折損(脆性破壊)を促進させていることが明らかとなった。
そこで、本発明者らは、レール足先部の強度を損なわず、靭性を向上させる熱処理方法を検討した。その結果、まず、足先部の高強度化を図る熱処理において、再加熱温度の制御を行い、結晶粒の微細化を図り、さらに、加速冷却後の組織の靭性を向上させるため、その後の再加熱温度の最適化を図り、疲労き裂の発生の抑制と同時に、短時間での折損、すなわち、脆性破壊に至ることが回避できることを見出した。
以上のことから、本発明者らは、高炭素含有の鋼レールにおいて、レール足先部をある一定範囲の温度で再加熱し、加速冷却を施し、その後、一定範囲の温度で再加熱し、これに加えて、熱処理後のレール足先部の硬さを制御することにより、レール底部の折損に対する抵抗性を改善できることを見出した。
次に、本発明の限定理由について詳細に説明する。
(1) 第一段の再加熱熱処理条件の限定理由
まず、レール足先部の第一段の再加熱温度をAr3変態点もしくはAcm変態点〜950℃の温度範囲に限定した理由について説明する。
再加熱温度が950℃を超えると、再加熱時のオーステナイト粒が粗大化し、加速冷却後の結晶粒が粗大し、最終熱処理後のレール足先部の靭性が低下し、疲労き裂の発生後の脆性破壊を促進させ、レール底部の耐折損性の向上が図れない。また、再加熱温度がAr3変態点もしくはAcm変態点未満の場合、再加熱しても炭化物が溶け残り、オーステナイト組織中に粗大な炭化物が生成する。このため、最終熱処理後のレール足先部の靭性が低下し、疲労き裂の発生後の脆性破壊を促進させ、レール底部の耐折損性の向上が図れない。以上のことからレール足先部の第一段の再加熱温度をAr3変態点もしくはArcm変態点〜950℃の温度範囲に限定した。
Ar3変態点、Arcm変態点は鋼の炭素量や合金成分によりそれぞれ異なっている。変態点を正確に求めるには実験による検証が必要である。これらの値を簡便に求めるには、炭素量のみを基準に、冶金学の教科書(例えば、鉄鋼材料、日本金属学会編)などに掲載されている、Fe−Fe3C系の平衡状態図から読み取ることが望ましい。実際のレール圧延におけるAr3変態点、Arcm変態点は平行状態図の線よりも20〜30℃低めの値となる。
また、レール足先部の第一段再加熱温度時の保持時間については特に限定していない。ただし加熱時間が必要以上に長いと、レール底部が変形してレールの真直性が失われ、また、オーステナイト粒も粗大化して最終熱処理後のレール底部の耐折損性が向上しない。一方、加熱時間が短すぎると、オーステナイト化が完了せず、オーステナイト組織中に粗大な炭化物が残留し、最終熱処理後のレール底部の耐折損性が向上しない。このため、保持時間については、再加熱温度、成分、レール形状等に応じて制御する必要がある。少なくとも上記温度範囲において、最終熱処理後のレール足先部の疲労強度や延性を向上させ、レール底部の耐折損性を改善するには、保持時間5〜10分程度が望ましい。
さらに、レール足先部の第一段の再加熱方法については特に限定していないが、再加熱はレール足先部のみを選択的に再加熱することが可能なガス火炎加熱あるいは高周波加熱の適用が望ましい。
再加熱時の温度については、レール足先部の表層の温度を制御することにより、上述した効果を達成することが可能である。
次に、第一段の再加熱後のレール足先部を冷却速度0.5〜20℃/secの範囲で400℃以上まで加速冷却する方法において、加速冷却停止温度、加速冷却速度を上記の様に限定した理由について説明する。
まず、加速冷却停止温度について限定した理由について説明する。400℃未満の温度で加速冷却を停止すると、加速冷却中にオーステナイト組織からの変態が完了せず、残留したオーステナイト組織がマルテンサイト組織に変態し、大きな変態膨張によりレールの足先部の形状確保が困難となる。このため、加速冷却停止温度範囲を400℃以上に限定した。
なお、加速冷却停止温度には上限値は設定していなが、目的とする金属組織が得られるように、加速冷却停止温度を制御することが望ましい。例えば、ベイナイト組織を得るには400〜500℃、パーライト組織を得るには500〜650℃の温度範囲で加速冷却を停止することが望ましい。
次に、加速冷却速度について限定した理由について説明する。加速冷却速度が0.5℃/sec未満になると、加速冷却途中の高温度域で変態が開始する。その結果、最終熱処理後のレール足先部の硬さが低下し、疲労強度の向上が図れない。具体的には、レール足先部の硬度がHv320未満となり、疲労損傷の発生を防止することが困難となる。また、成分系によっては初析セメンタイト組織が生成し、最終熱処理後の靭性が低下し、レール底部の耐折損性が向上しない。加速冷却速度が20℃/secを超えると、加速冷却中にオーステナイト組織からの変態が完了せず、残留したオーステナイト組織がマルテンサイト組織に変態し、大きな変態膨張によりレールの足先部の形状確保が困難となる。このため、加速冷却速度を0.5〜20℃/secの範囲に限定した。
なお、レール足先部の高硬度を図り、断面内で均一な組織を得るには、加速冷却速度は2〜10℃/secの範囲が最も望ましい。またレール足先部の第一段の加速冷却方法については特に限定していないが、加速冷却はレール足先部のみを選択的に冷却することが可能な空気もしくは水、汽水の適用が望ましい。
レール足先部の冷却停止温度、冷却速度については、レール足先部の表層の温度を制御することにより、上述した効果を達成することが可能である。
また、加速冷却後の冷却方法については、常温まで放冷もしくは加速冷却が望ましい。特に冷却停止温度が高い場合は、軟化が促進され、レール足先部の疲労強度が低下し、レール底部の耐折損性が低下する。このため、冷却停止後に再び加速冷却をすることが望ましい。加速冷却停止後の室温までの加速冷却速度や冷却方法については特に限定していないが、組織の軟化を抑制し、周囲の部分の熱影響をできるだけ緩和するため、冷却速度0.2℃/sec以上の冷却が望ましい。なお、上記の冷却速度を制御するには、エアー等の緩冷却が可能な冷媒の適用が望ましい。
(2) 第二段の再加熱熱処理条件の限定理由
次に、レール足先部の第一段の再加熱熱処理後に500〜650℃の温度範囲に再加熱し、その後、放冷もしくは加速冷却する方法において、第二段の再加熱温度を上記のように限定した理由について説明する。
再加熱温度が650℃を超えると、焼戻し効果が過大となり、硬さが急激に低下し、レール足先部の疲労強度が低下し、レール底部の耐折損性の向上が図れない。また、再加熱温度が500℃未満の場合、靭性の改善が図れず、疲労破壊から脆性破壊への移行を遅延できず、レール底部の耐折損性が向上しない。このためレール足先部の第二段の再加熱温度を500〜650℃の範囲に限定した。
なお、レール足先部の第二段再加熱温度時の保持時間については特に限定していないが、加熱時間が長いと、レール底部が変形し、レールの真直性が失われる。加熱時間が短いと、靭性が向上せず、レール足先部の耐折損性が改善しなくなる。このため、保持時間については、再加熱温度、成分、レール形状等に応じて制御する必要がある。少なくとも上記温度範囲において、足先部の疲労強度や延性を向上させ、レール底部の耐折損性を改善するには、保持時間5〜10分程度が望ましい。
レール足先部の第二段の再加熱方法、加熱速度、およびその後の加速冷却方法については特に限定していないが、再加熱はレール足先部のみを選択的に再加熱することが可能なガス火炎加熱あるいは高周波加熱の適用が望ましい。特に、周囲の部分の熱影響をできるだけ緩和するため、加熱速度1℃/sec以上の急速加熱、さらには、足先部だけの熱処理が可能な高周波加熱コイルによる加熱やアセチレン等のガストーチの使用が望ましい。
再加熱時の温度については、レール足先部の表層の温度を制御することにより、上述した効果を達成することが可能である。
また、再加熱後の冷却については、常温まで放冷もしくは加速冷却が望ましい。特に再加熱後温度が高い場合は、軟化が促進され、レール足先部の疲労強度が低下し、レール底部の耐折損性が低下する。このため、再加熱後、加速冷却をすることが望ましい。また、レール足先部の疲労き裂の発生をさらに抑制し、耐折損性を高めるには、圧縮残留応力を付与することを目的に加速冷却をすることが望ましい。
なお、加速冷却速度ついても特に限定していないが、軟化を抑制し、圧縮残留応力を十分に付与するためには、再加熱後、常温度域まで冷却速度1℃/sec以上で加速冷却することが望ましい。また、高い圧縮残留応力を付与し、耐折損性を飛躍的に改善するには、常温度域まで冷却速度10℃/sec〜20℃/secの範囲で加速冷却することが望ましい。
再加熱後の加速冷却方法については特に限定していないが、加速冷却はレール足先部のみを選択的に冷却することが可能な空気もしくは水、汽水の適用が望ましい。
(3) 再加熱部位の説明
次に、レール足先部の再加熱を行う部位について説明する。レール足先部の再加熱部位については特に限定していないが、折損の起点であるレール足先部を中心に再加熱処理を行う必要がある。ここで、図1にパーライト系レールの底部断面表面位置での呼称、および、再加熱熱処理領域を示す。1は足裏部、2は足先部、3は底部、Wはレールの底部の幅である。レール底部とはレール足裏部と足先部を包括的に含む領域である。レール足先部の再加熱は、少なくとも左右の足先部先端から0.2Wまでの部分に施すことが望ましい。
(4)レール足先部の硬さの限定理由
次に、レール足先部の硬さをHv320以上に限定した理由について説明する。レール足先部の硬さがHv320未満になると、作用する応力が大きい場合は、レール足先部から疲労き裂が発生し、レール底部からの折損が発生し易くなる。このためパーライト組織の硬さをHv320以上に限定した。なお、レール足先部の表面下1〜5mmの範囲の硬さを上記した範囲にすればよい。
なお、レール足先部の硬度は、主に、第一段の再加熱熱処理における加速冷却速度、第二段の再加熱熱処理における加熱温度を制御することで調整が可能となる。レールの使用条件に応じて上記の制御を行い、最適な硬度特性を得るように調整することが望ましい。
このように、レール足先部の再加熱熱処理を左右の足先部端部から例えば0.2Wまでの部分に施すことにより、鋼の疲労強度と靭性が向上し、さらには、圧縮残留応力の付与により、レール底部の耐折損性が大きく向上する。
さらに、上記領域の硬さがHv360以上であれば、レール足先部の疲労強度がさらに向上し、レール底部からの折損がさらに抑制され、耐折損性がさらに向上する。なお、硬さについては特に上限値を限定していないが、パーライト組織およびベイナイト組織を主体とする金属組織において、疲労強度の確保、靭性の確保を両立するのには、Hv460程度が実質的な上限となる。
(5)鋼レールの化学成分の限定理由
請求項1において、レール鋼の化学成分を上記請求範囲に限定した理由について詳細に説明する。以下、組成における質量%は、単に%と記載する。
Cは、足先部の強度を確保する有効な元素である。C量が0.65%以下では、初析フェライト組織が生成し、レール足先部の硬度が確保できず、疲労強度が低下し、レールの使用寿命が低下する。また、C量が1.20%を超えると、レール足先部に初析セメンタイト組織が生成し、靭性が低下し、レール底部の耐折損性が大きく低下する。このため、C量を0.65〜1.20%に限定した。
Siは、フェライト相への固溶体硬化によりレール足先部の硬度(強度)を上昇させる元素であるが、0.05%未満の含有量ではその効果が小さく、レール足先部として必要な最低限の強度を確保することが困難となる。また、2.00%を超えると、レール足先部の靭性が低下し、レール底部の耐折損性が大きく低下する。このため、Si量を0.05〜2.00%に限定した。
Mnは、変態温度を低下させ、焼入れ性を高めることによってレール足先部の高強度化に寄与する元素であるが、0.05%未満の含有量ではその効果が小さく、レール足先部として必要な最低限の強度を確保することが困難となる。また、2.00%を超えると、焼入れ性が増加し、熱処理条件によっては足先部にマルテンサイト組織が生成し、大きな変態膨張によりレールの足先部の形状確保が困難となる。このため、Mn量を0.05〜2.00%に限定した。
また、上記の成分組成で製造されるレールは、足先部の硬度(強化)の向上、靭性の向上、熱影響部の軟化の防止、を図る目的で、Cr、Mo、V、Nb、B、Co、Cu、Ni、Ti、Mg、Ca、Al、Nの元素を必要に応じて添加する。
ここで、Cr、Moは、平衡変態点を上昇させ、主に、硬度を確保する。V、Nbは、熱間圧延やその後の冷却課程で生成した炭化物や窒化物により、オーステナイト粒の成長を抑制し、さらに、析出硬化により、靭性と硬度を向上させる。また、再加熱時に炭化物や窒化物を安定的に生成させ、熱影響部の軟化を防止する。Bは、変態温度の冷却速度依存性を低減させ、硬度を向上させる。Co、Cuは、フェライト相に固溶し、硬度を高める。Niは、Cu添加による熱間圧延時の脆化を防止し、同時に、硬度を向上させ、さらに、熱影響部の軟化を防止する。Tiは、熱影響部の組織の微細化を図り、脆化を防止する。Mg、Caは、オーステナイト粒の微細化を図り、同時に、変態を促進し、靭性を向上させる。Alは、共析変態温度を高温側へ移動させ、強度を向上させる。さらに、共析炭素量を高炭素側へ移動させ、初析セメンタイト組織の生成を抑制する。Nはオーステナイト粒界からの変態を促進させ、組織を微細にすることより、靭性を向上させることが主な添加目的である。
(6)レール足先部の組織形態
レール足先部の金属組織については特に限定するものではないが、上記成分範囲の鋼において、疲労強度の確保を図り、同時に靭性の確保を図るには、熱処理後の最終的な組織は、パーライト組織、ベイナイト組織、またはその混合組織を基地組織としたものが望ましい。
上記のような成分組成で構成されるレール鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で溶製を行い、この溶鋼を造塊・分塊あるいは連続鋳造し、さらに、熱間圧延および熱処理を経てレールとして製造される。次に、このレール足先部を熱処理することにより、レール底部からの折損を抑制し、レールの使用寿命を改善することが可能となる。
次に、本発明の実施例について説明する。
表1に供試レール鋼の化学成分を示す。
Figure 2008266675
表2は、表1に示す供試レール鋼を用いて、本発明のレール製造方法で製造したレールにおける足先部の熱処理条件、熱処理後の硬さ、基地金属組織、さらには、衝撃試験結果、疲労試験結果を示す。
Figure 2008266675
表3は、表1に示す供試レール鋼を用いて、比較レール製造方法で製造したレールにおける足先部の熱処理条件、熱処理後の硬さ、基地金属組織、さらには、衝撃試験結果、疲労試験結果を示す。
Figure 2008266675
なお、レールの構成は以下のとおりである。
●本発明熱処理レール(27本) 符号:1〜27
上記成分範囲内のレール鋼を、上記限定範囲内のレール足先部熱処理条件で製造したレール。
●比較熱処理レール(13本) 符号:28〜40
上記成分範囲内のレール鋼を、上記限定範囲外のレール足先部熱処理条件で製造したレール。
図2に、レール足先部の衝撃試験片の採取位置を図示する。また、図3に、表1に示す本発明レール鋼(符号:1〜27)と表2に示す比較レール鋼(符号:28〜36、39、40)の疲労試験結果を鋼の炭素量と破断回数で整理したグラフを示す。なお、レールの底部断面表面位置での呼称、及び再加熱熱処理領域については、図1に従う。
また、各種試験条件は下記のとおりである。
●衝撃試験
試験片:JIS3号2mmUノッチシャルピー衝撃試験片
試験片採取位置:レール足先部(図2参照)
試験温度:常温(+20℃)
●疲労試験
試験機:三点曲げ疲労試験機
試験片形状:141ポンドレール×1500mm
試験形態 スパン長:1000mm、3点曲げ(頭部1点載荷、底部2点支持)
試験条件 レール足先部作用応力:450MPa
(載荷荷重は足先部に貼り付けた歪みゲージの静的応力から制御)
試験温度:常温(+20℃)
繰り返し回数:破断まで。
表2、表3、図3に示すように、本発明レール鋼(符号:1〜27)はレール足先部の熱処理条件をある一定範囲内に制御することにより、比較レール鋼(符号:28〜36、39、40)と比べて、同一炭素量で比較して、疲労試験における破断までの繰り返し回数が増加し、レール底部の耐折損性が向上している。
実施例について詳細に説明する。表2、図3に示すように、本発明レール鋼では、レール足先部の第一段熱処理の再加熱温度の低減(符号:8、9)、加速冷却速度の増加(符号:10、11)、加速冷却速度後の加速冷却の付与(符号:19、20:軟化の抑制)により、足先部の硬度や靭性の向上がさらに図られ、疲労試験における破断までの繰り返し回数が増加し、レール底部の耐折損性が向上している。
また、表2、図3に示すように、本発明レール鋼では、レール足先部の第二段熱処理の再加熱温度の低減(符号:25、26)、さらには、第二段再加熱後の加速冷却の付与(符号:21、22:圧縮残留応力の付与)により、足先部の硬度や靭性の向上、残留応力の最適化がさらに図られ、疲労試験における破断までの繰り返し回数が増加し、レール底部の耐折損性が向上している。
さらに、表2、表3に示すように、本発明レール鋼では、比較レール鋼(未処理、符号:28〜31)と比較して、レール足先部の硬度を向上させることにより、疲労試験における破断までの繰り返し回数が増加し、レール底部の耐折損性が向上している。
また、表2、表3に示すように、本発明レール鋼では、比較レール(符号:32〜40)と比較して、レール足先部の第一段再加熱温度、加速冷却速度、加速冷却停止温度、第二段の再加熱温度の最適化を図り、レール足先部の硬度や靭性を向上させることにより、疲労試験における破断までの繰り返し回数が増加し、レール底部の耐折損性が向上している。
このように本発明によれば、旅客鉄道や貨物鉄道のレールの底部に要求される耐折損性を向上させることができる。
レールの底部断面表面位置での呼称を示した図。 レール足先部の衝撃試験片の採取位置を示した図。 表1に示す本発明レール鋼(符号:1〜16)と表2に示す比較レール鋼(符号:17〜28、28、29)の疲労試験結果を鋼の炭素量と破断回数で整理した図。
符号の説明
1:足裏部、
2:足先部、
3:底部
W:レール底部の幅

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.65〜1.20%、Si:0.05〜2.00%、Mn:0.05〜2.00%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるレールを製造し、
    前記レールの足先部をAr3変態点もしくはArcm変態点〜950℃の温度範囲に再加熱し、その後、冷却速度0.5〜20℃/secの範囲で加速冷却し、400℃以上で加速冷却を停止し、その後、常温まで放冷もしくは加速冷却し、
    さらに、500〜650℃の温度範囲に再加熱し、その後、常温まで放冷もしくは加速冷却し、
    かつ熱処理後の前記レールの足先部の硬さがHv320以上であることを特徴とする耐折損性に優れたレールの製造方法。
JP2007107850A 2007-04-17 2007-04-17 耐折損性に優れたレールの製造方法 Active JP4994928B2 (ja)

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