JP2004211194A - 高炭素鋼レールの熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.90〜1.20質量%を含有する鋼レールにおいて、レール形状に熱延後、60秒以内にレールの足先部をオーステナイト(γ)域温度から冷却速度5〜20℃/secで少なくとも 650℃まで加速冷却し、及び/又は 100秒以内に、柱部をγ域温度から冷却速度 2〜20℃/secで少なくとも 650℃まで加速冷却する。又はレール形状に熱間圧延後60秒以内に、足先部の温度を昇温前よりも50〜100 ℃上昇させ、及び/又は 150秒以内に柱部の温度を昇温前よりも20〜100 ℃上昇させる。そして頭部と足部は、γ域温度から冷却速度 1〜10℃/secで少なくとも650℃まで加速冷却する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炭素含有鋼からなるレールにおいて、レール断面全体にわたって初析セメンタイト組織の生成を抑制し、脆性破壊の発生、疲労強度や靭性の低下を防止し、これに加えて、頭部の耐摩耗性を確保することを目的とした高炭素鋼レールの熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、海外の石炭や鉄鉱石を輸送する重荷重鉄道や国内の貨物鉄道では、より一層の鉄道輸送の高効率化のために、貨物の高積載化を強力に進めており、特に急曲線のレールでは、G.C.部(ゲージ・コーナー部)や頭側部の耐摩耗性が十分確保できず、摩耗によるレール寿命の低下が問題となってきた。
【0003】
このような背景から、現状の共析炭素含有の高強度レール以上の耐摩耗性を有するレールの開発が求められるようになってきた。この問題を解決するため、本発明者らは下記に示すようなレールを開発した。
▲1▼ 過共析鋼(C:0.85超〜1.20%)を用いて、パーライト組織中のラメラ中のセメンタイト密度を増加させた、耐摩耗性に優れたレール(特許文献1)。
▲2▼ 過共析鋼(C:0.85超〜1.20%)を用いて、パーライト組織中のラメラ中のセメンタイト密度を増加させ、同時に頭部を熱処理することにより硬さを制御した、耐摩耗性に優れたレールおよびその製造法(特許文献2)。
▲3▼ 過共析鋼(C:0.85超〜1.20%)を用いて、パーライト組織中のラメラ中のセメンタイト密度を増加させ、同時に頭部や柱部を熱処理することにより硬さを制御した、耐摩耗性に優れたレール及びその製造法(特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−144016号公報
【特許文献2】
特開平8−246100号公報
【特許文献3】
特開平9−137228号公報
【0005】
これらのレールの特徴は、鋼の炭素量を増加し、パーライトラメラ中のセメタイト相の体積比率を増加させ、さらに頭部、柱部を熱処理することにより、硬さや組織を制御することにより、パーライト組織の耐摩耗性や靭性を向上させるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼に示されたパーライト組織を呈する発明レール鋼では、高炭素化により耐摩耗性の向上が図れる。しかし上記発明レール鋼は、現行の共析炭素含有の高強度レール鋼よりも炭素量が高く、初析セメンタイト組織が生成し易い。このため、初析セメンタイト組織が疲労き裂や脆性破壊の起点となり、レールの使用寿命が低下するといった問題があった。
【0007】
また、上記▲2▼、▲3▼に示された熱処理方法では、レール頭部、またはさらに柱部を加速冷却することにより、頭部のパーライト組織の硬さ確保や柱部の初析セメンタイト組織の生成抑制は可能である。しかし、レール足部や足先部においては、上記熱処理方法を用いても、疲労き裂や脆性破壊の起点となる初析セメンタイト組織の生成抑制は困難であった。特に足先部は、頭部や柱部と比べて断面積が小さいことにより、他の部位と比べ圧延終了時の温度が低下するため、頭部や柱部と同一タイミングで熱処理を行っても、熱処理前に足先部に初析セメンタイト組織が生成してしまう。また柱部についても、圧延終了時の温度が低いことに加え、各種合金元素の偏析帯が残存するため初析セメンタイト組織が生成しやすい。これらのため、足先部や柱部からの疲労き裂や脆性き裂の発生を完全には防止できなかった。
【0008】
このような背景から、高炭素含有のレール鋼において、レール頭部や足部のみならず、足先部や柱部の初析セメンタイト組織の生成を抑制し、脆性破壊の発生、疲労強度や靭性の低下を防止し、これに加えて頭部の耐摩耗性を確保する熱処理方法の開発が求められていた。
【0009】
すなわち本発明は、高炭素含有のレール鋼において、熱間圧延終了後、ある一定時間内で、レール足先部、および/または柱部に加速冷却または昇温を行い、これに加えてレール頭部、足部に加速冷却を行い、さらに頭部の加速冷却速度の向上を図り、初析セメンタイト組織の生成抑制により、脆性破壊の発生、疲労強度や靭性の低下を防止し、同時にレール頭部の耐摩耗性を確保することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するものであって、その要旨とするところは次の通りである。
(1) 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲5〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
(2) 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、100秒以内に、鋼レールの柱部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲2〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、鋼レールの頭部、足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
【0011】
(3) 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲5〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、熱間圧延後100秒以内に、鋼レールの柱部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲2〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、鋼レールの頭部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
(4) 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部の温度を昇温前よりも50〜100℃上昇させ、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
【0012】
(5) 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、150秒以内に、鋼レールの柱部の温度を昇温前よりも20〜100℃上昇させ、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
(6) 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部の温度を昇温前よりも50〜100℃上昇させ、かつ、熱間圧延後、150秒以内に、鋼レールの柱部の温度を昇温前よりも20〜100℃上昇させ、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
(7) オーステナイト域温度からの冷却において、鋼レールの頭部の冷却速度を3〜20℃/secの範囲とし、少なくとも500℃まで加速冷却することを特徴とする前記(1)〜(6)の高炭素鋼レールの熱処理方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明者らは、高炭素含有のレール鋼において、初析セメンタイト組織の生成が抑制可能な熱処理方法を検討した。その結果、熱間圧延後のレールにおいて、頭部、柱部に加えて、足部をオーステナイト域から加速冷却することにより、初析セメンタイト組織の生成が十分に抑制されることが確認された。
しかしレール足先部は、圧延終了時の温度が低いため、頭部や足部と同一タイミングで熱処理を行っても、熱処理前に初析セメンタイト組織が生成してしまう。このため、足先部からの疲労き裂や脆性き裂の発生を抑制できなかった。
【0014】
また本発明者らは、高炭素含有のレール鋼において、柱部に初析セメンタイト組織が生成する要因やその特徴をレール圧延実験により検討した。
その結果、▲1▼レール柱部には溶鋼の鋳造段階で鋳片中心部に合金元素が濃化した偏析帯が形成されているため初析セメンタイト組織の生成が促進され易いこと、▲2▼レール柱部は頭部や足部と比べて断面積が小さいため、圧延終了時の温度が低下し、偏析帯の有無に関係なく、圧延終了後、比較的短時間で初析セメンタイト組織が生成すること、が明らかとなった。
【0015】
そこで本発明者らは、高炭素含有のレール鋼において、レール足先部および柱部の初析セメンタイト組織の生成抑制方法を検討した。その結果、レール足先部および/または柱部について、頭部や足部とは別個に加速冷却する、またはレール足先部および/または柱部のみを昇温し、その後、頭部および足部をオーステナイト域から加速冷却することにより、初析セメンタイト組織の生成が抑制できることを見出した。
【0016】
次に本発明者らは、実レール製造において、レール足先部および/または柱部の初析セメンタイト組織の生成が抑制できる熱処理方法を検討した。
その結果、実レール製造では、レール足先部および/または柱部の初析セメンタイト組織の生成の程度は、熱間圧延終了後加速冷却開始までの時間と加速冷却速度とに良い相関があることが確認された。
この考えに基づいて様々な実験を行った結果、レール足先部および/または柱部において、▲1▼熱間圧延終了後、一定時間以内に、ある一定範囲の冷却速度で、冷却終了温度を一定温度以上とする加速冷却を行うこと、▲2▼熱間圧延終了後、一定時間以内に、ある一定範囲内の昇温を行い、その後ある一定範囲の冷却速度で、冷却終了温度を一定温度以上とする加速冷却を行うことにより、初析セメンタイト組織の生成が抑制できることを見出した。
【0017】
さらに本発明者らは、実レール製造において、レール足先部および/または柱部に加えて、レール頭部や足部の初析セメンタイト組織の生成が抑制できる熱処理方法を検討した。レール頭部や足部については、レール柱部の熱処理中および/または熱処理の前後に、ある一定範囲の冷却速度で、冷却終了温度を一定温度以上とする加速冷却を行うことにより、初析セメンタイト組織の生成が十分に抑制できることを確認した。
【0018】
これらの発明に加えて、本発明者らは、上記の熱処理方法において、レール頭部の耐摩耗性を確保するレールの熱処理方法を検討した。その結果、レール頭部、柱部および足部のオーステナイト域からの加速冷却時に、レール頭部の加速冷却速度を、上記の冷却速度範囲よりも高い冷却速度範囲とすることにより、レール頭部の高硬度化が図れ、耐摩耗性が確保できることを見出した。
【0019】
したがって本発明では、高炭素含有のレール鋼において、熱間圧延終了後、ある一定時間以内に、レール足先部および/または柱部に加速冷却または昇温を行い、かつレール頭部や足部に加速冷却を行うことにより、脆性破壊の発生起点となり、疲労強度や靭性の低下をもたらす初析セメンタイト組織の生成が抑制可能となり、さらに頭部の加速冷却速度の適正化を図ることにより、レール頭部の耐摩耗性を確保できることを知見した。
【0020】
すなわち本発明は、高炭素含有のレール鋼において、レール足先部や柱部、さらに、頭部、足部にわたる、レール断面全体にわたって初析セメンタイト組織の生成を抑制し、脆性破壊の発生、疲労強度や靭性の低下を防止し、これに加えて、頭部の耐摩耗性を確保することを目的とした高炭素鋼レールの熱処理方法に関するものである。
【0021】
次に、本発明の限定理由について詳細に説明する。
(1)鋼レールの化学成分の限定理由:
請求項1において、レール鋼の炭素量を上記請求範囲に限定した理由について詳細に説明する。
Cは、パーライト変態を促進させて、かつ耐摩耗性を確保する有効な元素である。C量が0.90%未満では、パーライト組織中のセメンタイト相の体積比率が確保できず、耐摩耗性が維持できない。またC量が0.90%未満では、加速冷却や加速冷却を行わない自然冷却の状態においても、初析セメンタイト組織の生成量が少なく、本発明の熱処理方法を適用しても十分な効果が得られない。またC量が1.20%を超えると、初析セメンタイト組織の生成が促進され、本発明の熱処理方法を適用しても、初析セメンタイト組織の生成を抑制できず、レールの疲労強度や靭性が低下する。このため、C量を0.90〜1.20%に限定した。
【0022】
なお、本発明熱処理方法においては、上記の炭素量以外の鋼レールの成分系は特に限定するものではない。パーライト組織の硬度の向上、パーライト組織の延性や靭性の向上、溶接部の熱影響部の軟化の防止、レール頭部内部の断面硬度分布の制御、初析セメンタイト組織の生成抑制を図る目的で、必要に応じて、Si,Mn,Cr,Mo,V,Nb,B,Co,Cu,Ni,Ti,Mg,Ca,Al,Zr,N等の元素を1種または2種以上を含有する成分系が望ましい。
【0023】
上記のような成分組成で構成されるレール鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で溶製を行い、この溶鋼を造塊・分塊あるいは連続鋳造により鋼片を製造する。さらに熱間圧延を経てレールとして製造される。
次に、この熱間圧延した高温度の熱を保有するレール柱部、さらにはレール頭部、足部に上記限定の熱処理を施すことにより、脆性破壊や疲労き裂の発生に有害な初析セメンタイト組織の生成を防止することが可能となる。
【0024】
(2)レール足先部および/または柱部の加速冷却条件の限定理由:
請求項1ないし3において、熱間圧延終了後のレール足先部および/または柱部の加速冷却開始までの時間、冷却速度、冷却温度範囲を上記請求範囲に限定した理由について詳細に説明する。
まず、熱間圧延終了後のレール足先部および/または柱部の加速冷却開始までの時間について説明する。加熱間圧延終了後、加速冷却開始までの経過時間は、レール足先部では60秒以内、レール柱部では100秒以内である。この時間を超えると、本発明の成分系では、加速冷却前に初析セメンタイト組織が生成し、レール疲労強度や靭性の低下させる。
なお、レール柱部の熱間圧延終了後の加速冷却開始までの時間については、特に下限値は限定していないが、オーステナイト粒の均一化や圧延時の温度ムラの低減を図るため、熱間圧延終了後10秒以上経過した後に加速冷却を開始することが望ましい。
【0025】
次に、レール足先部および/または柱部の加速冷却時の冷却速度範囲について説明する。
レール足先部の加速冷却速度範囲を5〜20℃/sec、レール柱部の加速冷却時の冷却速度範囲を2〜20℃/secの範囲に限定した。冷却速度がこれより遅いと、本発明の成分系では初析セメンタイト組織の生成の抑制が困難となり、また冷却速度が20℃/secを超えると、マルテンサイト組織が生成し、レールの靭性が大きく低下するため制限される。
【0026】
なお、上記のレール足先部および/または柱部の加速冷却時の冷却速度は、冷却開始から終了までの平均的な冷却速度であり、冷却途中の冷却速度を示すものではない。したがって、冷却開始から終了までの平均的な冷却速度が上記限定範囲内であれば、初析セメンタイト組織の生成の抑制が可能となる。
【0027】
次に、レール柱部の加速冷却時の冷却温度範囲について説明する。
650℃を超えた温度で加速冷却を終了すると、加速冷却終了後に、レール内部から過大な復熱が発生する。この結果、温度上昇により、パーライト組織が十分に生成する前に初析セメンタイト組織が生成する。このため、少なくとも650℃まで加速冷却することが必要である。
なお、加速冷却を終了する温度の下限値は特に限定してないが、初析セメンタイト組織の生成を抑制し、かつ柱の偏析部等により生成するミクロマルテンサイト組織の生成を防止するには、実質的に500℃が下限となる。
【0028】
(3)レール足先部および/または柱部の昇温条件の限定理由:
請求項4ないし6において、熱間圧延終了後のレール足先部および/または柱部の昇温開始までの時間、昇温温度範囲を上記請求範囲に限定した理由について詳細に説明する。
まず、熱間圧延終了後のレール足先部および/または柱部の昇温開始までの時間について説明する。さきに述べたように、熱間圧延終了後、加速冷却までの経過時間が一定時間を超えると、本発明の成分系では初析セメンタイト組織が生成し始める。これを抑制ないしは解消すべく昇温するのであるが、昇温開始までの時間が一定時間を超えると、生成した初析セメンタイトを解消しきれなくなり、その後の熱処理において初析セメンタイト組織が残留し、レールの疲労強度や靭性の低下させる。このため昇温開始までの経過時間を、レール足先部については60秒以内、レール柱部については150秒以内とした。
なお、昇温開始までの経過時間に下限値は特に限定していないが、圧延時の温度ムラを低減し、精度よく昇温を図るため、熱間圧延終了後10秒以上経過した後に昇温を開始することが望ましい。
【0029】
次に、レール足先部および/または柱部の昇温温度の範囲について説明する。レール足先部の昇温温度は50〜100℃の範囲に、レール柱部の昇温温度は20〜100℃の範囲に限定した。昇温温度がこれ未満では前記のような効果は得られない。また昇温温度が100℃を超えると、熱処理後のパーライト組織が粗大になり、レール柱部の靭性が低下する。
【0030】
(4)レール頭部、足部および昇温時の柱部の加速冷却条件の限定理由:
請求項1ないし6において、頭部、足部の加速冷却速度、加速冷却温度範囲を限定した理由について詳細に説明する。
まず、加速冷却速度の範囲について説明する。本発明の成分系では、加速冷却速度が1℃/sec未満では、初析セメンタイト組織の生成の抑制が困難となる。また加熱冷却速度が10℃/secを超えると、レール柱部の偏析帯にマルテンサイト組織が生成し、レール柱部の靭性が大きく低下する。このため、加速冷却速度の範囲を1〜10℃/secの範囲に限定した。
【0031】
なお、上記の加速冷却速度は、加速冷却開始から終了までの平均的な冷却速度であり、冷却途中の冷却速度を示すものではない。したがって、加速冷却開始から終了までの平均的な冷却速度が上記限定範囲内であれば、初析セメンタイト組織の生成の抑制が可能となる。
【0032】
次に、加速冷却温度の範囲について説明する。
650℃を超えた温度で加速冷却を終了すると、加熱冷却終了後にレール内部から過大な復熱が発生する。この結果、温度上昇により、パーライト組織が十分に生成する前に初析セメンタイト組織が生成する。このため、少なくとも650℃まで加速冷却することを限定した。
加速冷却を終了する温度の下限値は特に限定してないが、初析セメンタイト組織の生成を防止し、かつレール柱部偏析帯のマルテンサイト組織の生成を防止するには、実質的に500℃が下限となる。
【0033】
なお、レール頭部および足部の加速冷却については、レール足先部や柱部のように冷却開始または昇温までの経過時間は特に限定されない。レール足先部および/または柱部の加速冷却と同時、またはその前後であっても、温度範囲が適正であれば初析セメンタイト組織の生成は抑制され、材質的にも問題は生じない。むろん、レール柱部の昇温は、加速冷却に先立って行うことが必須である。
【0034】
(5)頭部加速冷却条件の限定理由:
請求項7において、レール頭部の加速冷却速度、加速冷却温度範囲を上記請求範囲に限定した理由について詳細に説明する。
まず、加速冷却速度の範囲について説明する。本発明の成分系では、レール頭部の加熱冷却速度が3℃/sec未満では、レール頭部の高硬度が図れず、レール頭部の耐摩耗性の確保が困難となる。また加熱冷却速度が20℃/secを超えると、レール頭部にマルテンサイト組織が生成し、靭性が大きく低下する。このため、レール頭部の加速冷却速度の範囲を3〜20℃/secの範囲に限定した。
【0035】
次に、加速冷却温度の範囲について説明する。
500℃を超えた温度でレール頭部の加熱冷却を終了すると、加熱冷却終了後にレール内部から過大な復熱が発生する。この結果、温度上昇によりパーライト変態温度が上昇し、パーライト組織の高硬度が図れず、耐摩耗性を確保できない。このため、少なくとも500℃まで加速冷却を行うことを限定した。
なお、レール頭部の加速冷却を終了する温度の下限は特に限定してないが、レール頭部の硬度を確保し、かつ頭部内部の偏析部等に生成しやすいマルテンサイト組織の生成を防止するには、実質的に400℃が下限となる。
【0036】
ここで、レールの部位について説明する。図1はレール各部位の呼称を示したものである。「頭部」とは、図1に示す主に車輪と接触する部分(符号:1)、「柱部」とは、図1に示すレール頭部よりも下部の断面厚さが薄い部分(符号:2)、「足部」とは、図1に示すレール柱部よりも下部の部分(符号:3)である。また、「足先部」とは、図1に示すレール足部(符号:3)の先端部分(符号:4)である。
本発明では、先端から10〜40mmの領域をその対象範囲とする。したがって、「足先部」(符号:4)は足部(符号:3)の一部を示すものである。
レール熱処理時の冷却速度、加速冷却の温度範囲は、図1に示す頭部(符号:1)、足部(符号:3)のレール幅中央部、柱部(符号:2)のレール高さ中心部に相当する位置、足先部(符号:4)の足部先端から5mm位置において、表面から深さ0〜3mmの範囲を測定すれば、それぞれの部位を代表させることができる。
【0037】
本発明では、加速冷却に用いる冷媒については特に限定していないが、所定の冷却速度を確保し、レール各部位において、冷却条件の制御を確実に行うため、エアー、ミスト、エアーとミストの混合冷媒を用いて、レール各部位の外表面に所定の冷却を行うことが望ましい。また、レール足先部および柱部の昇温についてもその方法については特に限定していないが、部分的に所定の加熱を行うため、高周波加熱や火炎加熱が望ましい。
【0038】
本発明の熱処理方法によって製造された鋼レールの金属組織は、ほぼ全体にわたってパーライト組織であることが望ましい。成分系と加速冷却条件の選択によっては、パーライト組織中に微量な初析フェライト組織、初析セメンタイト組織およびベイナイト組織が生成することがある。しかし、パーライト組織中にこれらの組織が生成しても、微量であればレールの疲労強度や靭性に大きな影響をおよぼさない。このため、本発明の熱処理方法によって製造された鋼レールの頭部の組織としては、若干の初析フェライト組織、初析セメンタイト組織およびベイナイト組織が混在する場合も含まれる。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
表1に供試レール鋼の化学成分を示す。
表2は、表1に示す供試レール鋼を用いて、本発明の熱処理方法で製造したレールの、足先部圧延終了後から熱処理開始までの経過時間、レール頭部、柱部、足部の加速冷却条件、ミクロ組織、さらに落重試験結果、頭部硬さの値を示す。
表3は、表1に示す供試レール鋼を用いて、比較熱処理方法で製造したレールの、足先部圧延終了後から熱処理開始までの経過時間、レール頭部、柱部、足部の加速冷却条件、ミクロ組織、さらに落重試験結果、頭部硬さの値を示す。
【0040】
なお、レールの構成は以下のとおりである。
・本発明熱処理レール(8本) 符号A〜H
上記成分範囲内のレール鋼を上記限定範囲内の熱処理条件で製造したレール。
・比較熱処理レール (8本) 符号I〜P
上記成分範囲内のレール鋼を上記限定範囲外の熱処理条件で製造したレール。
【0041】
各種試験条件は下記のとおり。
・落重試験
落錘重さ :907kg
支点間距離 :0.914m
落錘高さ :10.6m
試験温度 :常温(20℃)
試験姿勢 HT:レール頭部が引張応力
BT:レール足部が引張応力
【0042】
表2,表3に示すように、表1に示した高炭素含有のレール鋼において、レール足先部に、熱間圧延終了後、ある一定時間内で事前の熱処理を行い、その後、レール頭部、柱部、足部に加速冷却を行う本発明熱処理方法で製造したレール (符号:A〜H)は、比較製造方法で製造したレール(符号:I〜P)と比べて、初析セメンタイト組織の生成を抑制し、疲労強度や靭性の低下が防止できた。さらに、表2、表3に示すように、レール頭部の加速冷却速度の制御を行うことにより、レール頭部の耐摩耗性を確保することができた。
【0043】
上記のように、高炭素含有のレール鋼において、熱間圧延終了後、ある一定時間内で、レール足先部に加速冷却または昇温を行い、次にレール頭部、柱部、足部に加速冷却を行うことにより、疲労き裂や脆性き裂の発生に有害な初析セメンタイト組織の生成が抑制可能となり、さらに頭部の加速冷却速度の適正化を図ることにより、レール頭部の耐摩耗性を確保できた。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
(実施例2)
表4に供試レール鋼の化学成分を示す。なお残部はFeおよび不可避的不純物である。表5は、表4に示す供試レール鋼を用いて、本発明の熱処理方法で製造したレールにおける、圧延終了後から柱部熱処理開始までの時間、レール柱部の熱処理条件とミクロ組織、レール頭部、足部の加速冷却条件よミクロ組織、さらに柱部初析セメンタイト組織の交線数(N)と頭部硬さの値を示す。
【0048】
表6は、表4に示す供試レール鋼を用いて、比較熱処理方法で製造したレールにおける、圧延終了後から柱部熱処理開始までの時間、レール柱部の熱処理条件とミクロ組織、レール頭部、足部の加速冷却条件よミクロ組織、さらに柱部初析セメンタイト組織の交線数(N)と頭部硬さの値を示す。
【0049】
なお、レールの構成は以下のとおりである。
・本発明熱処理レール(8本) 符号A〜H
上記成分範囲内のレール鋼を、上記限定範囲内の熱処理条件で製造したレール。
・比較熱処理レール (10本) 符号I〜R
上記成分範囲内のレール鋼を、上記限定範囲外の熱処理条件で製造したレール。
【0050】
ここで、実施例に示す初析セメンタイト交線数(N)や測定する際の初析セメンタイト組織の現出方法について説明する。
まず、初析セメンタイト組織の現出方法について説明する。まずレール頭部の横断面をダイヤ研摩する。続いて被研面をピクリン酸カセイソーダ液で浸漬し、初析セメンタイト組織を現出する。現出条件は、研摩面の状態により若干調整が必要であるが、基本的には液温80℃、約120分の浸漬が望ましい。
【0051】
次に、初析セメンタイト交線数(N)の測定方法について説明する。
初析セメンタイト組織を現出したレール頭部の任意の点を、光学顕微鏡により観察する。視野倍率200倍で直交する300μmの線分と交差する初析セメンタイト組織の本数をカウントする。図2に測定方法の模式図を示す。
交差する初析セメンタイト組織の本数は、直交する300μmの各線分と交差した本数の合計とした。なお観察視野としては、初析セメンタイト組織のばらつきを考慮すると、最低でも5視野以上の観察を行い、その平均値を代表値とすることが望ましい。
【0052】
以上の結果を表5,表6に示す。表4に示した成分を含有する高炭素含有のレール鋼において、レール柱部に、熱間圧延終了後、ある一定時間内で、上記限定範囲内の熱処理を行い、さらにレール頭部、足部についても、上記限定範囲内の加速冷却を行う本発明熱処理方法で製造したレール(符号:A〜H)は、比較熱処理方法で製造したレール(符号:I、L〜O、Q〜R)と比べて、初析セメンタイト組織の交線数(N)が大幅に低減した。
【0053】
また、上記限定範囲内の加速冷却を行う本発明熱処理方法で製造したレール (符号:A〜H)は、比較熱処理方法で製造したレール(符号:J〜K、P)と比べて、熱処理時の冷却速度の制御を適切に行うことにより、レール柱部の靭性や疲労強度の低下を引き起こすマルテンサイト組織や粗大パーライト組織の生成を防止することができる。
さらに、表5,表6に示すように、レール頭部の加速冷却速度の制御を行うことにより、本熱処理方法で製造したレール(符号:C、E〜H)に見られるように、レール頭部の耐摩耗性を確保することができた。
【0054】
上記のように、高炭素含有のレール鋼において、熱間圧延終了後、ある一定時間内でレール柱部に加速冷却または昇温を行い、かつレール頭部や足部、昇温時には柱部にも加速冷却を行うことにより、脆性破壊の発生起点となり、疲労強度や靭性の低下をもたらす初析セメンタイト組織の生成が抑制可能となり、さらに頭部の加速冷却速度の適正化を図ることにより、レール頭部の耐摩耗性を確保できた。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
以上の実施例においては、足先部と柱部についてそれぞれ別個に試験を行ったが、両方を組み合わせることにより、レールの断面全体にわたって良好なパーライト組織を生成をできることは明白である。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高炭素含有のレール鋼において、レール足先部および/または柱部、さらに頭部、足部の初析セメンタイト組織の生成を抑制し、脆性破壊の発生、疲労強度や靭性の低下を防止し、同時にレール頭部の耐摩耗性を確保したレールを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レール各部位の呼称を示す図。
【図2】初析セメンタイト組織の交線数(N)の測定方法の模式図。
【符号の説明】
1:頭部
2:柱部
3:足部
4:足先部
Claims (7)
- 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲5〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
- 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、100秒以内に、鋼レールの柱部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲2〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、鋼レールの頭部、足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
- 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲5〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、熱間圧延後100秒以内に、鋼レールの柱部をオーステナイト域温度から冷却速度範囲2〜20℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却し、かつ、鋼レールの頭部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
- 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部の温度を昇温前よりも50〜100℃上昇させ、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
- 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、150秒以内に、鋼レールの柱部の温度を昇温前よりも20〜100℃上昇させ、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
- 質量%で、C:0.90〜1.20%を含有するレール用鋼材をレール形状に熱間圧延後、60秒以内に、鋼レールの足先部の温度を昇温前よりも50〜100℃上昇させ、かつ、熱間圧延後、150秒以内に、鋼レールの柱部の温度を昇温前よりも20〜100℃上昇させ、かつ、鋼レールの頭部、柱部および足部については、オーステナイト域温度から冷却速度範囲1〜10℃/secで、少なくとも650℃まで加速冷却することを特徴とする高炭素鋼レールの熱処理方法。
- オーステナイト域温度からの冷却において、鋼レールの頭部の冷却速度を3〜20℃/secの範囲とし、少なくとも500℃まで加速冷却することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高炭素鋼レールの熱処理方法。
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