JP2008266533A - コークス炉の建設方法及びコークス炉建設用仮上屋 - Google Patents

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Abstract

【課題】コークス炉建設用仮上屋を用いてコークス炉を建設する際に、コークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業を短期間で行うことを可能とし、これによりコークス炉建設の工期を短縮できるコークス炉の建設方法及びコークス炉建設用仮上屋を提供すること。
【解決手段】コークス炉を建設する際にコークス炉建設用仮上屋で煉瓦積みされるコークス炉本体を覆う建設方法であって、予め建設された前記コークス炉建設用仮上屋を前記コークス炉本体建設前に該コークス炉本体建設位置に移動し、該コークス炉本体の建設後に、前記コークス炉建設用仮上屋を解体することなく前記コークス炉本体位置から移動することを特徴とするコークス炉の建設方法用いる。コークス炉に設置されたレールをコークス炉建設用仮上屋の移動用レールとして用いることが好ましい。このために下部に移動用の車輪を有するコークス炉建設用仮上屋を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、煉瓦積みにより建設されるコークス炉の建設方法に関し、特に建設の際にコークス炉の本体を覆うコークス炉建設用仮上屋に関するものである。
製鉄用のコークスは、石炭を乾留する炭化室、燃料ガスを燃焼させる燃焼室が交互に並べられて炉団を形成しているコークス炉により製造される。コークス炉は、石炭を装入する装炭車、製造されたコークスを炭化室から押出す押し出し機、押し出されたコークスを受けるガイド車と消火車等の移動設備を有している。
コークス炉の建設には数年を要し、その工事は、土木、建築、機械、計装、築炉と多岐にわたっている。コークス炉本体のコンクリート基礎ができあがると、次にその上で煉瓦積みが行なわれる。煉瓦積みの期間は長期に及ぶものであり、煉瓦積みの際には煉瓦(耐火物)が風雨にさらされないように、煉瓦積みされるコークス炉本体は、コークス炉建設用仮上屋で覆われ、耐火物が保護される(例えば、特許文献1参照。)。
図3に従来のコークス炉建設用仮上屋30を示す。コークス炉の消火車側(紙面に向かって左側)及び押し出し機側(紙面に向かって右側)にコークス炉本体1を挟んで柱31、32を建て、柱31、32上にコークス炉本体1を覆う屋根33を載せる。消火車側の柱31は消火車軌条3上に配置され、押し出し機側の柱32は、押出機の軌条4上に配置されている。
このコークス炉建設用仮上屋は、煉瓦積み前にコークス炉建設場所にて、柱、梁、屋根、壁を設置・組み立てし、煉瓦積みが完了して、コークス炉本体が所定の温度まで昇温された後、その場所で解体・撤去を行なっている。
特開2006−36934号公報
コークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業は、作業効率上、短期間で完了することが望ましい。しかし、コークス炉建設用仮上屋は、コークス炉の規模にもよるが、高さ30m、幅30m、長さ50〜130m程度の非常に大きな建築物であり、コークス炉への設置、あるいは撤去に、それぞれ1〜2ヶ月の長期間を要するものである。
一方で、上部でコークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業中に、その下部に人が立ち入ると危険であるという、上下作業防止の安全管理上の問題がある。コークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業中はその下部における作業を中断する必要があり、これにより工期が長期化する。特に撤去は、コークス炉本体の昇温中に行なうが、昇温に伴う温度測定等の作業のためにコークス炉周辺に人が立ち入る時は、安全上その上部でコークス炉建設用仮上屋の撤去作業を行なうことができないため、撤去作業は必要以上に長期化する。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス炉建設用仮上屋を用いてコークス炉を建設する際に、コークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業を短期間で行うことを可能とし、これによりコークス炉建設の工期を短縮できるコークス炉の建設方法及びコークス炉建設用仮上屋を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)、コークス炉を建設する際にコークス炉建設用仮上屋で煉瓦積みされるコークス炉本体を覆う建設方法であって、予め建設された前記コークス炉建設用仮上屋を前記コークス炉本体建設前に該コークス炉本体建設位置に移動し、該コークス炉本体の建設後に、前記コークス炉建設用仮上屋を解体することなく前記コークス炉本体位置から移動することを特徴とするコークス炉の建設方法。
(2)、コークス炉に設置されたレールをコークス炉建設用仮上屋の移動用レールとして用いることを特徴とする(1)に記載のコークス炉の建設方法。
(3)、(1)または(2)に記載のコークス炉の建設方法で用いるコークス炉建設用仮上屋であって、下部に移動用の車輪を有することを特徴とするコークス炉建設用仮上屋。
本発明によれば、コークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業を短期間で行なうことができ、コークス炉建設用仮上屋の建設・解体作業を、コークス炉建設の他の工事・作業と同時に行なうことができ、コークス炉建設の工期を大幅に短縮できる。
また、上下作業が発生する恐れが無いので、コークス炉建設工事における安全性も向上する。
本発明者は、コークス炉建設用仮上屋の建設(組み立て)を、コークス炉建設工事区域外にて行ない、組み立て完了後にレール等を用いて、コークス炉本体を覆う所定の位置に移動させ、該所定位置で固定し、煉瓦積み等の工事の完了後に、固定を解除して、コークス炉建設用仮上屋をレール等を用いてコークス炉建設工事区域外に移動し、解体を行なうことで、コークス炉体の工事・昇温作業との競合無く、コークス炉建設用仮上屋の建設・解体作業を行なうことができることを見出し、本発明を完成した。すなわち、コークス炉建設用仮上屋を移動可能な構造とすることで、これを実現することができる。
このために、コークス炉建設用仮上屋はその接地部分に車輪を有する構造とする。車輪による移動のためには、移動用のレールを設置することが好ましい。コークス炉建設用仮上屋専用のレールを設置することも考えられるが、コークス炉では、ガイド車、消火車、押し出し機が炉に沿って走行する構造であるため、ガイド車軌条、消火車軌条、押し出し機軌条が設置されており、これらのレールを利用することが好ましい。
コークス炉建設用仮上屋の建設(組み立て)および解体は、コークス炉建設工事区域外にて行なうが、コークス炉建設用仮上屋の移動距離は最低限とすることが好ましいので、できるだけコークス炉の近傍で行なうとよい。
コークス炉本体の煉瓦積み終了後のコークス炉建設用仮上屋の移動(撤去)は、コークス炉本体を昇温して、炉体温度が雨にぬれても問題ない一定以上の温度になった後に行なうことが好ましい。
図1を用いて、本発明のコークス炉建設用仮上屋の一実施形態を説明する。
図1は、建設中のコークス炉において、コークス炉建設用仮上屋10が設置された状態の断面の概略図であり、煉瓦積みして建設されたコークス炉本体1には、一端にガイド車が走行するガイド車軌条2と消火車が走行する消火車軌条3とを、他端に押し出し機が走行する押し出し機軌条4が設置されている。コークス炉建設用仮上屋10の柱11と柱12の下部には車輪が設置されている(図示せず)。13は屋根である。柱11はガイド車軌条2のコークス炉本体1から遠い側のレール上に位置している。柱12は押し出し機軌条4のコークス炉本体1に近い側のレール上に位置している。14はコークス炉建設用仮下屋であり、煉瓦等を仮置きするための場所として、必要に応じてコークス炉建設用仮上屋10と一体として建設される。コークス炉建設用仮下屋14の柱15は押し出し機軌条4のコークス炉本体1から遠い側のレール上に位置している。柱15の下部にも車輪が設置されている(図示せず)。
コークス炉建設用仮上屋10の柱11を載せるレールとしては、既設のものから任意に選択することができるが、レール下部に支えを有する構造であるなど、大荷重に耐えられるものを選択することが好ましい。
次に、上記のコークス炉建設用仮上屋を用いたコークス炉の建設方法の一実施形態を図2を用いて説明する。
図2は、コークス炉建設区域およびその周辺を上方から見た概略図である。まず、コークス炉建設用仮上屋10aを予めコークス炉建設区域外で組み立て、建設を完了しておく。このコークス炉建設用仮上屋10aをレールを用いて、コークス炉本体1建設位置に移動する。図2においては、ガイド車軌条2のレールと、押し出し機軌条4のレールを利用している。レールの点線部分は既設のレールの不足分であり、新たに設置する。建設済みのコークス炉建設用仮上屋を移動するので、わずかな時間でコークス炉建設用仮上屋を設置することができる。移動したコークス炉建設用仮上屋は、ボルト等を用いてレール受等に固定する。コークス炉建設用仮上屋10bの中でコークス炉本体1を建設する。煉瓦積みを行ない、炉蓋、上昇管、ダクト、周辺機械等の設置も行なう。コークス炉本体1を建設し昇温後に、コークス炉建設用仮上屋10bを解体することなく、固定を解除し、コークス炉本体1位置からレール上を移動して、コークス炉建設区域外にて解体を行なう。移動後に解体を行なうことで、コークス炉建設用仮上屋10bをわずかな時間で撤去することができる。これによりコークス炉建設用仮上屋の設置・撤去作業を短期間で行うことができ、工期を2〜3ヶ月程度短縮することができる。また、上下作業が発生する可能性が無くなり、設置・撤去作業中の安全上の問題も解決できる。
尚、本発明はコークス炉の新規建設だけでなく、既存のコークス炉の大規模改修の際にも用いることができる。
本発明のコークス炉建設用仮上屋の一実施形態の概略図。 コークス炉建設区域およびその周辺の上視図。 従来のコークス炉建設用仮上屋の概略図。
符号の説明
1 コークス炉本体
2 ガイド車軌条
3 消火車軌条
4 押し出し機軌条
5 石炭塔
10(10a、10b) コークス炉建設用仮上屋
11 柱
12 柱
13 屋根
14 コークス炉建設用仮下屋
15 柱
30 従来のコークス炉建設用仮上屋
31 柱
32 柱
33 屋根

Claims (3)

  1. コークス炉を建設する際にコークス炉建設用仮上屋で煉瓦積みされるコークス炉本体を覆う建設方法であって、予め建設された前記コークス炉建設用仮上屋を前記コークス炉本体建設前に該コークス炉本体建設位置に移動し、該コークス炉本体の建設後に、前記コークス炉建設用仮上屋を解体することなく前記コークス炉本体位置から移動することを特徴とするコークス炉の建設方法。
  2. コークス炉に設置されたレールをコークス炉建設用仮上屋の移動用レールとして用いることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の建設方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコークス炉の建設方法で用いるコークス炉建設用仮上屋であって、下部に移動用の車輪を有することを特徴とするコークス炉建設用仮上屋。
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