JP2008264863A - 片面溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る片面溶接装置Fは、溶接機ビームBを自動走行する溶接機Jによって、被溶接部材E,Eを突き合わせてなる開先線Mに沿って片面から溶接する片面溶接装置であって、前記被溶接部材E,Eの開先線Mを下方から裏当てする裏当部10およびこの裏当部10を移動させる駆動機構100を有する裏当装置1と、開先線位置検出手段30と、制御部50と、を備えてなる。
【選択図】図5
Description
かかるアーク溶接装置は、当該装置の長手方向に裏当装置を3つ以上並設しており、これらに内装される駆動機構によって、アーク溶接装置の長手方向と直交する方向に個々に移動させることができるようになっている。
このアーク溶接装置は、両端部に配置された裏当装置のうち、どちらか一方を基準として、その裏当装置からの距離の比と、他の裏当装置の駆動速度と、の積の速度で電動モータを同時駆動させて、前記した3つ以上の裏当て支持装置の裏当部の幅方向における中心位置を、アーク溶接装置の長手方向に延びる仮想の開先基準線の中心位置に合わせるように制御することで、かかる位置調整を容易にしている。
このようにすれば、開先線位置検出センサによって開先線を確実に検出することができ、センサ位置検出器によって、開先線を検出した開先線位置検出センサの正確な位置情報を得ることができる。
このようにすれば、溶接機ビームの長手方向において少なくとも2箇所の異なる位置で開先線の位置を検出することができるので、より正確な開先線の位置情報を得ることが可能となる。そのため、裏当部の位置をより正確に微調整することが可能となり、裏当部を開先線の真下に、自動的且つより精度良く位置決めすることができる。
このようにすれば、延出ビームに備えられた2個以上の開先線位置検出センサによって開先線を2箇所以上でその位置を検出することができる。また、2箇所以上で開先線の位置を検出するので、より正確な開先線の位置情報を得ることが可能となる。そのため、裏当部の位置を正確に微調整することが可能となり、裏当部を開先線の真下に、自動的且つより精度良く位置決めすることができる。
このようにすれば、開先線と直交する方向に溶接機を移動させることにより、溶接機に備えられた開先線位置検出センサによって開先線の位置を検出することができる。
まず、図1から図6を参照して、本発明の片面溶接装置の第1実施形態について説明する。参照する図面において、図1は、本発明の第1実施形態に係る片面溶接装置を示す一部切欠図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る片面溶接装置の要部を拡大した要部拡大図であり、図3は、裏当部の基準位置と開先線の基準位置とを説明するための説明図であって、(a)は、同じ板厚同士の被溶接部材を突き合わせてなる開先線を溶接する場合における裏当部の基準位置と開先線の基準位置の説明図であり、(b)は、異なる板厚同士の被溶接部材を突き合わせてなる開先線を溶接する場合における裏当部の基準位置と開先線の基準位置の説明図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る片面溶接装置の動作の様子を説明する説明図であって、(a)はその平面図、(b)はその側面図であり、図5は、本発明の第1実施形態に係る片面溶接装置の裏当部を移動させるための構成を示すブロック図であり、図6は、本発明の第1実施形態に係る片面溶接装置の動作フローを示すフローチャートである。
なお、本明細書においては、図1に示すように、片面溶接装置Fによって溶接される方向と平行な方向を長手方向とし、片面溶接装置Fによって溶接される方向と水平な面において直角となる方向を幅方向とする。
土台フレームHは、図2に示すように、鋼製の角材を枠組みして形成され、上方が開放されており、この土台フレームHの内部に、前記した裏当装置1が配置されている。
なお、裏当ローラ5の形状は、円柱体に限定されるものではなく、例えば、球体でもよい。さらに、裏当ローラ5の数、大きさ、隣り合う裏当ローラ5同士の間隔、裏当ローラ部4の設置個数などは、裏当装置1の大きさ等にしたがって適宜設定することができる。
また、駆動機構100は、例えば、図2では図示しないモータ(裏当微調整用モータ131,141(図5参照))およびロータリエンコーダなどの裏当部10の位置を検出するための位置検出器(裏当部位置検出器132,142(図5参照))を内装した駆動部100aと、駆動部100aに直結されたネジ軸100bと、ネジ軸100bに係合されるとともに裏当部10の底板11に接合される係合部100cとを有する。これにより、モータを駆動させることで、裏当部10が裏当ローラ部4上を幅方向に移動させることができる。前記したように、この駆動機構100は、第1実施形態においては、裏当装置1の両端に一箇所ずつ設置されている(つまり、この裏当部位置検出器は1台の裏当装置1に少なくとも2個備えられている)。なお、この駆動機構100は、裏当装置1の端部よりも内側の位置に設けてもよいことはいうまでもない。
ここで、裏当部10の基準位置とは、片面サブマージアーク溶接を行うにあたって、裏当部10に対して予め設定される位置をいい、例えば、図3(a)に示すように、同じ板厚同士の被溶接部材E,Eを突き合わせてなる開先線Mを溶接する場合などにおいては、裏当部10(銅板14)の幅方向における中心位置Pcを裏当部10の基準位置とすることができる。また、図3(b)に示すように、異なった板厚同士の被溶接部材E1,E2を突き合わせ、厚板側の被溶接部材E1の裏面をテーパ加工したサーピン継手である場合などにおいては、裏当部10(銅板14)の幅方向における中心位置Pcから所定量オフセットさせた位置Poを裏当部10の基準位置とすることができる。
また、開先線Mの基準位置とは、片面サブマージアーク溶接させるために配置すべき開先線Mの位置をいう。裏当部10の基準位置および開先線Mの基準位置は、任意に設定することができる。
かかる開先線位置検出センサ31,41は、被溶接部材E,Eや開先線Mと離間する位置に備えられるため、これらに接触しないで開先線Mを検出することのできる赤外線や超音波などを用いた公知の非接触タイプの検出センサを好適に用いることができる。また、センサ位置検出器32,42は、前記した裏当部位置検出器132,142(図5参照)と同様、例えば、ロータリエンコーダなどを用いて、モータ33,43の回転数をコード化することによりその位置情報を得ることができる。また、ロータリエンコーダなどを延出ビームC,Cに当接して転動させ、その回転数をコード化することにより、その位置情報を得てもよい。
なお、開先線Mがサーピン継手の場合は、開先線Mの位置の検出を開始する前に、予めサーピン種別、つまり、Rサーピン、Lサーピン、またはサーピンなしなどの情報をこの操作手段51で入力し、開先線位置検出トリガを開先線位置算出部53に送信する際に、当該サーピン種別に関する情報を裏当部移動信号生成部54に送信するようにするとよい。
ここで、前記した操作手段51によって、サーピン種別に関する情報が送信されてきた場合は、その情報に基づいて、裏当部10の位置決めを所定量オフセットさせるなどの処理を行わせる旨の信号を裏当部微調整用モータ動作処理部55に送信する。
なお、裏当部位置検出器132,142は、当該裏当部位置検出器132,142の位置を検出して、その位置情報を、サーボドライバ5131,5141を介して裏当部微調整用モータ動作処理部55および裏当部移動信号生成部54に随時フィードバックすることにより、裏当部10をより適切な位置、すなわち、開先線Mの基準位置と裏当部10の基準位置とが合致するように制御する。
すなわち、図6のフローチャートに示すように、開先線Mの位置を検出すべく、オペレータが必要な信号を操作手段51で入力すると、操作手段51から送信された信号に基づいて、前記した制御部50の開先線位置検出手段移動動作処理部52、開先線位置算出部53などが前記した処理を行い、開先線位置検出手段30,40を移動させつつ開先線Mの位置を検出する(ステップS1)。そして、その開先線Mの位置の検出結果に基づいて、裏当部移動信号生成部54、裏当部微調整用モータ動作処理部55などが前記した各処理を行い、裏当部微調整用モータ131,141を作動させて裏当部10の位置を微調整する(ステップS2)。
仮に裏当部10の中心位置に、点P1,P2を想定し、想定した点P1と開先線Mの中心位置とを合致させたとき、点P2が図4(a)の紙面において、左側に傾いて位置する場合は、点P1側の駆動機構100を駆動させないで、この点P1を支点として、対向する点P2側の駆動機構100のみを駆動させ、裏当部10に想定した点P2を図4(a)の紙面において右方向に移動させて、裏当部10の基準位置が開先線Mの基準位置と合致するようにその位置を微調整する。
参照する図面において、図7は、本発明の第2実施形態に係る片面溶接装置の一部を拡大して示した一部拡大図であり、図8は、本発明の第2実施形態に係る片面溶接装置の動作の様子を説明する説明図であって、(a)はその平面図、(b)はその側面図であり、図9は、本発明の第2実施形態に係る片面溶接装置の裏当部を移動させるための構成を示すブロック図であり、図10は、本発明の第2実施形態に係る片面溶接装置の動作フローを示すフローチャートである。
つまり、図8(a)に示すように、溶接機Jを溶接機ビームBに沿って移動(つまり、長手方向に移動)させ、当該片面溶接装置Fの長手方向(図1参照)における、少なくとも2箇所の異なる位置で片面溶接装置Fの幅方向(図7、図8(a)(b)参照)に、当該溶接機Jに備えられたスライダSで溶接機Jをスライドさせて開先線Mの位置を検出し、その位置情報を得る。
この場合、開先線Mの位置の検出は、溶接機Jに備えられた開先線Mを検出する開先線検出センサ31と、この開先線センサ31の位置情報を得るセンサ位置検出器32と、を含んで構成することを例示することができる。このようにすれば、溶接機Jに設けられたロータリエンコーダなどの溶接機位置検出器JPDで溶接機ビームB上の移動量を測定することで、片面溶接装置Fの長手方向における位置情報を得ることができ、溶接機JのスライダSに設けられたロータリエンコーダなどのセンサ位置検出器32でスライド量を測定することで、片面溶接装置Fの幅方向における位置情報を得ることができる。
そして、溶接機Jに備えられた開先線検出手段30によって、開先線Mを検出した旨の信号および溶接機Jの位置情報を得て、これらを開先線位置算出部53に送信する。
すなわち、図10のフローチャートに示すように、開先線Mの位置を検出すべく、オペレータが必要な信号を操作手段51で入力すると、操作手段51から送信された信号に基づいて、前記した制御部150の開先線位置検出手段移動動作処理部52、開先線位置算出部53などが前記した各処理を行い、溶接機Jを溶接終端部側まで(例えば、図8(a)の紙面において、裏当部10の下端部分まで)移動させる(ステップS11)。溶接終端部側まで溶接機Jを移動させたら、その位置で溶接機Jを片面溶接装置Fの幅方向に移動(スライド)させつつ、開先線Mを検出する(ステップS12)。
なお、裏当部10の位置の微調整は、第1実施形態で説明した通りであるので、その説明を省略する。
つまり、本発明に係る片面溶接装置Fは、従来、手間と時間をかけて熟練したオペレータが手動操作により行っていた裏当部の位置決め作業を自動的に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る片面溶接装置Fは、精度良く位置決めすることができるため、裏フラックスの散布幅を狭めることができ、裏フラックスの使用量を減らすことができるという効果を奏する。
さらに、本発明に係る片面溶接装置Fは、精度良く位置決めすることができるため、特に、サーピン継手の溶接部材を溶接する際の裏当部の位置決めを省力化することができるという効果を奏する。
このようにすれば、前記したように、溶接機ビームBに対する移動量を測定することで、片面溶接装置Fの長手方向における位置情報を得ることができ、開先線位置検出手段30が溶接機Jをスライドする移動量を測定することで、片面溶接装置Fの幅方向における位置情報を得ることができる。
B 溶接機ビーム
J 溶接機
1 裏当装置
10 裏当部
100 駆動機構
131,141 裏当部微調整用モータ
132,142 裏当部位置検出器
30,40 開先線位置検出手段
31,41 開先線検出センサ
32,42 センサ位置検出器
50,150 制御部
52 開先線位置検出手段移動動作処理部
53 開先線位置算出部
54 裏当部移動信号生成部
55 裏当部微調整用モータ動作処理部
E 被溶接部材
M 開先線
Claims (7)
- 被溶接部材を突き合わせてなる開先線の下方から裏当てする裏当部を用いて、前記開先線に沿って前記被溶接部材の片面から溶接する片面溶接装置であって、
前記開先線の位置を検出し、検出した前記開先線と前記裏当部との位置を制御する制御部を有し、前記制御部の制御する位置に、前記裏当部の駆動機構を介して当該裏当部を移動させることを特徴とする片面溶接装置。 - 溶接機ビームに沿って走行する溶接機によって、被溶接部材を突き合わせてなる開先線に沿って片面から溶接する片面溶接装置であって、
前記被溶接部材の開先線を下方から裏当てする裏当部およびこの裏当部を移動させる駆動機構を有するとともに、前記裏当部の基準位置を検出してその位置情報を得る裏当部位置検出器を複数個備えた裏当装置と、
前記裏当部よりも上方の離間した位置に設けられ、前記開先線に直交する方向に走査して、少なくとも2箇所の前記開先線の位置を検出してその位置情報を得る開先線位置検出手段と、
前記開先線位置検出手段で得られた少なくとも2箇所の前記開先線の位置情報からそれぞれの前記開先線の基準位置を算出するとともに、前記裏当部位置検出器で得られた前記裏当部の位置情報から前記裏当部の基準位置を算出し、前記開先線の基準位置と前記裏当部の基準位置とを合致させるべく、前記裏当部を移動させる移動量を算出する制御部と、
を備えることを特徴とする片面溶接装置。 - 前記開先線位置検出手段は、
前記被溶接部材に光を照射し、その光の反射光により前記開先線を検出する開先線位置検出センサと、
前記開先線位置検出センサを前記開先線に直交する方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段により移動する移動量から当該開先線位置検出センサの位置情報を得るセンサ位置検出器と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の片面溶接装置。 - 前記開先線位置検出手段は、前記溶接機ビームの長手方向における少なくとも2箇所の異なる位置に設けたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の片面溶接装置。
- 前記溶接機ビームは、当該溶接機ビームの任意の箇所から長手方向に直交して延出する延出ビームを2本以上備えており、
少なくとも2本の前記延出ビームのそれぞれに前記開先線位置検出手段を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の片面溶接装置。 - 前記延出ビームは、前記溶接機ビームに接続されている基端部に、水平面において回転させる回転部を介して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の片面溶接装置。
- 前記溶接機に前記開先線位置検出手段を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の片面溶接装置。
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