JP2008263527A - 高周波スイッチ回路 - Google Patents

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邦浩 遠藤
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Abstract

【課題】耐電圧性に優れた半導体スイッチング素子を効果的に活用して、さらなる小型化を追求すること。
【解決手段】容量素子3と、容量素子3の一端側に設けられた入力端子1と、容量素子3の他端側に設けられた出力端子2と、一端が容量素子3の一端側に接続され、他端が接地されるスイッチング素子7aと、一端が容量素子7aの他端側に接続され、他端が接地されるスイッチング素子7bと、スイッチング素子7a,7bを同時に制御する制御端子6と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波スイッチ回路に関するものであり、特に、マイクロ波帯からミリ波帯に至る周波数帯に用いられて好適な高周波スイッチ回路に関するものである。
従来の高周波スイッチ回路として、例えば下記特許文献1に示されたものがある。この特許文献1では、アンテナ端子(1)を2つの入出力端子(2、3)に選択的に接続する高周波スイッチ回路において、2つの入出力端子(2、3)を結ぶ伝送線路の点とアースとの間に半導体スイッチング素子(6、7)を設けるとともに、該伝送路に1/4波長線路(4、5)を挿入し、伝送路上の前記点と前記アースとの間に前記半導体スイッチング素子との組み合わせにより共振回路を構成する誘導性リアクタンス回路(101、102)を設けるようにした、高周波スイッチ回路が開示されている。
この高周波スイッチ回路では、1/4波長線路の一端に接続された半導体スイッチング素子をオン制御する一方で、1/4波長線路の他端に接続された半導体スイッチング素子をオフ制御することにより、入力側から1/4波長線路の一端側を見たときのインピーダンスを開放とし、逆に、入力側から1/4波長線路の他端側を見たときのインピーダンスが開放とならないような制御を行っている。
すなわち、従来の高周波スイッチ回路では、入力側から1/4波長線路の一端側に向かう一方の経路を遮断経路とする制御を行うとともに、入力側から1/4波長線路の他端側に向かう他方の経路を通過経路とする制御を行うことにより、高周波信号の経路切換を実現している。
特開平8-213802号公報
しかしながら、上記特許文献1などに代表される従来の高周波スイッチ回路に共通する技術では、通過損失や信号漏洩という観点に対する考慮はなされているものの、耐電力性という観点に対する考慮はなされていない。このため、従来の高周波スイッチ回路では、入力電力が大きな高周波回路への適用が困難であるという課題があった。
また、高周波回路における従来の高耐電力化の考え方は、高周波回路に用いる半導体スイッチング素子を高耐電流化するという考え方が一般的であった。一方、半導体スイッチング素子の耐電流性は、半導体スイッチング素子のサイズに依存するので、半導体スイッチング素子を高耐電力化するためには、半導体スイッチング素子のサイズを大きくする必要があり、高周波スイッチ回路が大型化するという問題点があった。
他方、マイクロ波帯からミリ波帯などの高周波帯に用いられる高周波スイッチ回路では、回路への印加電圧は比較的大きく、回路に流れる電流は小さいという特性がある。また、半導体スイッチング素子を製造する場合、高耐電流化する場合に比べて高耐電圧化する方がサイズを小さくすることができる。したがって、高周波スイッチ回路を小型かつ高耐電力化するためには、高周波回路に用いる半導体スイッチング素子を高耐電圧化することが効果的である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐電圧性に優れた半導体スイッチング素子を効果的に活用して、さらなる小型化を追求した高周波スイッチ回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる高周波スイッチ回路は、容量素子と、前記容量素子の一端側に設けられた第1端子と、前記容量素子の他端側に設けられた第2端子と、一端が前記容量素子の一端側に接続され、他端が接地される第1のスイッチング素子と、一端が前記容量素子の他端側に接続され、他端が接地される第2のスイッチング素子と、前記第1、第2のスイッチング素子を制御する制御端子と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる高周波スイッチ回路によれば、入力端子から出力端子に向かう高周波信号の通過および遮断を制御する回路部として、入力端子と出力端子との間に挿入される容量素子の一端に接続される第1のスイッチング素子と、他端に接続される第2のスイッチング素子と、を設けるようにしたので、耐電圧性に優れた半導体スイッチング素子を効果的に活用して、さらなる小型化を追求した高周波スイッチ回路を提供することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の好適な実施の形態にかかる高周波スイッチ回路を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
(高周波スイッチ回路の構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる高周波スイッチ回路の構成を示す図である。同図に示す高周波スイッチ回路は、容量素子3と、容量素子3の一端側に設けられた入力端子1と、容量素子3の他端側に設けられた出力端子2と、例えばFETであるスイッチング素子7a,7bと、容量素子3の一端側とスイッチング素子7aの一端(ドレインまたはソース)とを接続するための、ボンディングワイヤまたはAuバンプなど(以下「ボンディングワイヤ等」という)の電気的接続手段4aと、容量素子3の他端側とスイッチング素子7bの一端(ドレインまたはソース)とを接続するためのボンディングワイヤ等である電気的接続手段4bと、スイッチング素子7a,7bの各他端(ソースまたはドレイン)を接地するためのボンディングワイヤ等である電気的接続手段5a,5bと、スイッチング素子7a,7bをオン/オフ制御するための制御端子6と、を備えている。なお、スイッチング素子7a,7bの各制御端(ゲート)は、制御端子6にそれぞれ接続されており、この制御端子6から入力される制御信号によって同時に制御される構成となっている。また、この実施の形態では、入力される高周波信号の信号レベルに対して、単一のスイッチング素子のみで対応可能な所望の耐電圧性を有するスイッチング素子を用いて構成している。
(高周波スイッチ回路の動作)
つぎに、図1に示した高周波スイッチ回路の動作について図2、3を参照して説明する。なお、図2は、スイッチング素子7a,7bをオフ制御した場合の等価回路を示す回路図であり、図3は、スイッチング素子7a,7bをオン制御した場合の等価回路を示す回路図である。
(スイッチング素子をオフ制御した場合の動作)
まず、スイッチング素子7a,7bをオフ制御した場合の動作について説明する。図1において、スイッチング素子7a,7bをオフ制御する制御信号が制御端子6に入力された場合の等価回路は、図2に示すように、スイッチング素子7aのオフ容量9a、ならびに電気的接続手段4a,5aの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7aの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8aが直列に接続された回路部16aと、スイッチング素子7bのオフ容量9b、ならびに電気的接続手段4b,5bの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7bの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8bが直列に接続された回路部16bと、が容量素子3の両端に接続される回路構成となる。
ここで、回路部16aにおいて、インダクタンス8aと、オフ容量9aとが、所望の周波数帯で直列共振するように構成することにより、当該周波数帯における回路部16aのインピーダンスを略ゼロとすることができ、容量素子3の一端側を当該周波数帯における短絡端とすることができる。
また、回路部16bにおいて、インダクタンス8bと、オフ容量9bとが、所望の周波数帯で直列共振するようなものに設定することにより、当該周波数帯における回路部16bのインピーダンスを略ゼロとすることができ、容量素子3の他端側を当該周波数帯における短絡端とすることができる。
いま、インダクタンス8aのインダクタンス成分をLt、スイッチング素子7aのオフ容量成分をCtすると、回路部16aにおける直列共振周波数fcは、次式で表すことができる。
fc=1/(2×π×√(Lt×Ct)) …(1)
なお、回路部16bにおいても同様であり、回路部16bにおける直列共振周波数fcは、インダクタンス8bのインダクタンス成分をLt、スイッチング素子7bのオフ容量成分をCtとすれば、上記(1)式で表すことができる。
このように、実施の形態1にかかる高周波スイッチ回路によれば、スイッチング素子7a,7bをオフ制御することにより、所望の周波数帯において、容量素子3の両端が接地された状態となるので、入力端子1から入力された当該周波数帯における高周波信号を遮断することが可能となる。
(スイッチング素子をオン制御した場合の動作)
つぎに、スイッチング素子7a,7bをオン制御した場合の動作について説明する。図1において、スイッチング素子7a,7bをオン制御する制御信号が制御端子6に入力された場合の等価回路は、図3に示すように、スイッチング素子7aのオン抵抗である抵抗10a、ならびに電気的接続手段4a,5aの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7aの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8aが直列に接続された回路部17aと、スイッチング素子7bのオン抵抗である抵抗10b、ならびに電気的接続手段4b,5bの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7bの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8bが直列に接続された回路部17bと、が容量素子3の両端に接続される回路構成となる。
ここで、インダクタンス8aのインダクタンス成分と、入力端子1の入力インピーダンス、および出力端子2の出力インピーダンスに対して、容量素子3の容量成分を所望の値に選ぶことにより、図2の等価回路は、入出力インピーダンスに整合するハイパスフィルタとして機能させることができる。
このため、実施の形態1にかかる高周波スイッチ回路によれば、スイッチング素子7a,7bをオフ制御することにより、所望の周波数帯において、入力端子1から入力された当該周波数帯における高周波信号を通過させることが可能となる。
なお、FETであるスイッチング素子では、スイッチング素子がオンとなるときに多くの電流が流れることになる。図1の高周波スイッチ回路では、スイッチング素子7aをオンさせるときには、高周波スイッチ回路がオン動作となるので、入力端子1から入力された高周波信号の殆どが出力端子2側に向かうこととなる。このとき、入力する高周波信号の電力は小さいため、スイッチング素子7aに流れる電流は少ない。逆に、スイッチング素子7aをオフするときには、高周波スイッチ回路がオフ動作となる。このとき、入力する高周波信号の電力は大きく、スイッチング素子7aに印加される電圧は大きくなる。ここで、図1に示した高周波スイッチ回路の構成では、容量素子3に接続するスイッチング素子として、耐電流性に優れたスイッチング素子を用いずに、耐電圧性に優れたスイッチング素子を用いることで高耐電力化することが可能となる。
以上説明したように、この実施の形態の高周波スイッチ回路によれば、入力端子1から出力端子2に向かう高周波信号の通過および遮断を制御する回路部として、入力端子1と出力端子2との間に挿入される容量素子3の一端に接続されるスイッチング素子7aと、他端に接続されるスイッチング素子7bと、を設ける構成としたので、耐電圧性に優れたスイッチング素子を効果的に活用することができ、さらなる小型化の追求が可能となる。
実施の形態2.
(高周波スイッチ回路の構成)
図4は、本発明の実施の形態2にかかる高周波スイッチ回路の構成を示す図である。同図に示す高周波スイッチ回路は、図1に示した高周波スイッチ回路の構成において、容量素子3の一端側とスイッチング素子7aの一端との間にインダクタ11aを接続するとともに、容量素子3の他端側とスイッチング素子7bの一端との間にインダクタ11bを接続するように構成している。なお、その他の構成については、実施の形態1と同一あるいは同等であり、これらの各部には同一符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
(高周波スイッチ回路の動作)
つぎに、図4に示した高周波スイッチ回路の動作について説明する。なお、図4に示した高周波スイッチ回路の等価回路は、図2および図3に示した等価回路の構成と同等である。
(スイッチング素子をオフ制御した場合の動作)
スイッチング素子7a,7bをオフ制御する制御信号が制御端子6に入力された場合、図2の等価回路の回路部16aは、スイッチング素子7aのオフ容量9aと、インダクタ11aのインダクタンス成分、電気的接続手段4a,5aの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7aの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8aと、の直列接続回路となる。したがって、実施の形態1と同様に、インダクタンス8aと、オフ容量9aとが、所望の周波数帯で直列共振するような各回路要素の値を設定することにより、当該周波数帯における回路部16aのインピーダンスを略ゼロとすることができ、容量素子3の一端側を当該周波数帯における短絡端とすることができる。
同様に、図2の等価回路の回路部16bは、スイッチング素子7bのオフ容量9bと、インダクタ11bのインダクタンス成分、電気的接続手段4b,5bの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7bの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8bと、の直列接続回路となる。したがって、実施の形態1と同様に、インダクタンス8bと、オフ容量9bとが、所望の周波数帯で直列共振するよう各回路要素の値を設定することにより、当該周波数帯における回路部16bのインピーダンスを略ゼロとすることができ、容量素子3の他端側を当該周波数帯における短絡端とすることができる。
このように、図4の高周波スイッチ回路によれば、スイッチング素子7a,7bをオフ制御する制御信号を制御端子6に入力することにより、所望の周波数帯において、入力端子1から入力された当該周波数帯における高周波信号を遮断することができる。
(スイッチング素子をオン制御した場合の動作)
スイッチング素子7a,7bをオン制御する制御信号が制御端子6に入力された場合、図3の等価回路の回路部17aは、スイッチング素子7aのオン抵抗である抵抗10aと、インダクタ11aのインダクタンス成分、電気的接続手段4a,5aの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7aの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8aと、の直列接続回路となる。また、図3の等価回路の回路部17bは、スイッチング素子7bのオン抵抗である抵抗10bと、インダクタ11bのインダクタンス成分、電気的接続手段4b,5bの各インダクタンス成分およびスイッチング素子7bの寄生インダクタンス成分によるインダクタンス8bと、の直列接続回路となる。
このように、図4の高周波スイッチ回路によれば、スイッチング素子7a,7bをオン制御する制御信号を制御端子6に入力することにより、カットオフ周波数(fc)のハイパスフィルタとして機能させることができる。
また、実施の形態2の高周波スイッチ回路では、容量素子3の各端と各スイッチング素子との間にインダクタ11a,11bを接続しているので、図1に示す実施の形態1の高周波回路と比較して、(1)式で示される直列共振周波数(fc)を下げることができる。したがって、実施の形態2の高周波スイッチ回路は、実施の形態1よりも、周波数の低い高周波信号の通過・遮断を制御する高周波スイッチ回路として用いることが好適である。
なお、実施の形態2の高周波スイッチ回路では、インダクタ11a,11bを各スイッチング素子の一端側に接続しているが、各スイッチング素子の他端側に接続するようにしてもよいことは無論である。
以上説明したように、この実施の形態の高周波スイッチ回路によれば、スイッチング素子7aの一端または他端にインダクタ11aを挿入するとともに、スイッチング素子7bの一端または他端にインダクタ11bを挿入するようにしているので、耐電圧性に優れたスイッチング素子を効果的に活用することができ、さらなる小型化の追求が可能となる。また、実施の形態1の高周波スイッチ回路よりも、周波数の低い高周波信号の通過・遮断を制御する高周波スイッチ回路として有効に活用することができる。
以上のように、本発明にかかる高周波スイッチ回路は、耐電圧性に優れた半導体スイッチング素子を効果的に活用した発明として有用である。
本発明の実施の形態1にかかる高周波スイッチ回路の構成を示す図である。 各スイッチング素子をオフ制御した場合の等価回路を示す回路図である。 各スイッチング素子をオン制御した場合の等価回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態2にかかる高周波スイッチ回路の構成を示す図である。
符号の説明
1 入力端子
2 出力端子
3 容量素子
4a,4b,5a,5b 電気的接続手段
6 制御端子
7a,7b スイッチング素子
8a,8b インダクタンス
9a,9b オフ容量
10a,10b 抵抗
11a,11b インダクタ
16a,16b,17a,17b 回路部

Claims (2)

  1. 容量素子と、
    前記容量素子の一端側に設けられた第1端子と、
    前記容量素子の他端側に設けられた第2端子と、
    一端が前記容量素子の一端側に接続され、他端が接地される第1のスイッチング素子と、
    一端が前記容量素子の他端側に接続され、他端が接地される第2のスイッチング素子と、
    前記第1、第2のスイッチング素子を制御する制御端子と、
    を備えたことを特徴とする高周波スイッチ回路。
  2. 前記第1のスイッチング素子の一端または他端に接続される第1のインダクタと、
    前記第2のスイッチング素子の一端または他端に接続される第2のインダクタと、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の高周波スイッチ回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2018116345A1 (ja) * 2016-12-19 2019-06-24 三菱電機株式会社 高周波回路及び高周波電力増幅器

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