JP2008261472A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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豊 石橋
Hiroshi Ishikawa
宏史 石川
Toshishige Sano
敏成 佐野
Masami Sugaya
正美 菅谷
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Abstract

【課題】背面に支持部材を配置されることで入力軸や出力軸といった回転軸に固定される入力側ディスクもしくは出力側ディスクにおいて、前記ディスクと支持部材との間でのフレッチング磨耗を防止する。
【解決手段】入力軸1に支持部材としてのローディングナット9により入力側ディスク2が固定される。入力側ディスク2の背面とローディングナット9との間には、円環状で板状の板状部材51が配置される。板状部材51の両側面、すなわち、入力側ディスク2との当接面およびローディングナット9との当接面には、放射状に油溝が形成され、潤滑油をそれぞれの当接面に供給可能となっている。そして、潤滑油を供給することにより、フレッチング磨耗を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図6および図7に示すように構成されている。図6に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁(中間壁)13に対しアンギュラ玉軸受107を介して支持されるとともに、この仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図7参照)が回転自在に挟持されている。
図6中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図6の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図6のA−A線に沿う断面図である図7に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、支持ポスト64,68を支点として揺動できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図7に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸(傾転軸)14,14を中心として揺動(傾転)する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図7においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面(パワーローラ11)側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動(傾転)させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受(傾転軸受)30を介して揺動自在(傾転自在)に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図7の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている支持ポスト64(球面ポスト)によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、支持ポスト68(球面ポスト)およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図7の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位(オフセット)する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。
このようなトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された少なくとも一対の入力側ディスク2および出力側ディスク3と、一対の前記ディスク2,3間に挟持されるとともに入力側ディスク2から出力側ディスク3に回転速度比を変更可能に回転力を伝達する複数のパワーローラ11とを備えていることになる。
また、パワーローラ11,11を介して入力側ディスク2、2から出力側ディスク3、3に回転力を伝達するためには、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する必要がり、上述の押圧装置12が設けられている。また、押圧装置12は、同軸上に並んだ一対以上の前記ディスク2,2,3,3の一方の端側から押圧し、他方の端側となる入力側ディスク2は、上述のように、その背面を入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット(支持部材)9に突き当てられ、これにより押圧装置12の押圧力により入力軸1の軸方向に沿って移動しないようになっている。
すなわち、トロイダル型無段変速機は、一対以上の前記ディスクが当該ディスクの回転中心軸方向に並んだ状態で、一対以上の前記ディスクを前記回転中心軸方向に沿って押圧する押圧装置と、前記パワーローラを介して前記押圧装置の押圧力を受ける少なくとも1つのディスクの背面側に配置されて前記押圧装置の押圧力に抗して前記ディスクの前記回転中心軸方向に沿った移動を阻止する支持部材とを備えている。
なお、上述のトロイダル型無段変速機は、入力側ディスク2,2と出力側ディスク3,3を2対備えたダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機であるが、トロイダル型無段変速機には、フルトロイダル型や、入力側ディスク2と出力側ディスクを一対だけ備えたシングルキャビティ型などがある。また、入力側ディスク2,2、出力側ディスク3,3や、入力軸1や、出力軸や、押圧装置のレイアウトには様々なものが提案されており、ディスク2,2,3,3の回転中心部に入力軸1に代えて出力軸を配置することも可能である。
このようなトロイダル型無段変速機では、各部材が回転した状態で接触する部分があり、各部材の接触面間の相対的繰り返し微小滑り等のように、部材に繰り返し応力を受けるとたとえばフレッチング磨耗が発生する。
トロイダル型無段変速機において、このようフレッチング磨耗等の磨耗を防止するために、様々な提案がなされている(たとえば、特許文献1〜10参照)。
特開平10−231909号公報 特開2002−89647号公報 特開2002−206609号公報 特許第3503393号公報 特開2005−249181号公報 特開2005−249184号公報 特開2005−325971号公報 特開2006−242317号公報 特開2006−9994号公報 特開2006−242314号公報
ところで、従来のトロイダル型無段変速機において、上述のように一対の入力側ディスクのうちの一方の入力側ディスクは、入力側ディスクの背面側で入力軸に螺合したローディングナットにより締結した状態に前記入力軸に固定されている。また、入力側ディスクと入力軸とはスプライン結合されている。これにより、一方の入力側ディスク、入力軸およびローディングナットは一体に回転するので、これらの部材間で一見磨耗が発生しずらい構成に見える。
しかし、実際には、入力側ディスクは複数のパワーローラに押し付けられた状態で回転運動しているので、ローディングナットの入力側ディスク背面と当選する当接面の円周上の任意の一点を見た場合に、前記任意の一点とパワーローラの位置とが近接した場合に、任意の一点に大きな押圧力が働き、任意の一点とパワーローラが離れた場合に前記押圧力が弱くなることを入力側ディスクの回転により周期的に繰り返すことになる。
この繰り返し押圧力の大きさが変化することによりフレッチング磨耗が発生する。
ここで、一対のパワーローラは、左右逆に配置されるがその配置は、左右で同一の配置とされる。すなわち、一対のパワーローラは、互いに前記ディスクの回転中心を中心として対称となるように配置される。しかし、完全に対称となる配置とすることは不可能であり、僅かにずれが生じる。この場合に、一対のパワーローラが押し付けられた状態の入力側ディスクは、入力軸のスプライン結合部分におけるクリアランス等により許容される極めて小さな変位の範囲内で、入力側ディスクを押圧する一対のパワーローラの位置ずれ(対称な配置に対する誤差)に基づき傾くことになる。また、この傾きの方向は、入力側ディスクの回転により変化することになる。
一方、ローディングナットは、入力軸にねじ締めされてほとんど変位しない状態となっていることから、微視的に見た場合に入力側ディスクの背面とローディングナットの当接面とが相対的に傾いた状態となり、この状態で回転していると考えられる。すなわち、上述のように入力側ディスクの回転に伴なって押圧力が変化するとともに、入力側ディスクのローディングナットに対する微小な傾きの方向が変化することになり、その結果磨耗はより激しくなる。
また、フレッチング磨耗が発生すれば、磨耗粉が発生し、発生した磨耗粉がたとえば、入出力側ディスクとパワーローラとの間に噛み込むことにより、トロイダル型無段変速機の寿命の低下を招くことになる。
しかし、従来の特許文献1〜10には、この入力側ディスクとローディングナットとの接触面もしくは、入力側ディスクとローディングナットとの間に介在するプレートと、入力側ディスクおよびローディングナットとの接触面で発生するフレッチング磨耗については触れられていない。
本発明は、背面に支持部材を配置されることで入力軸や出力軸といった回転軸に固定される入力側ディスクもしくは出力側ディスクにおいて、前記ディスクと支持部材との間でのフレッチング磨耗を防止することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された少なくとも一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクと、一対の前記ディスク間に挟持されるとともに入力側ディスクから出力側ディスクに回転速度比を変更可能に回転力を伝達する複数のパワーローラと、一対以上の前記ディスクが当該ディスクの回転中心軸方向に並んだ状態で、一対以上の前記ディスクを前記回転中心軸方向に沿って押圧する押圧装置と、前記パワーローラを介して前記押圧装置の押圧力を受ける少なくとも1つのディスクの背面側に配置されて前記押圧装置の押圧力に抗して前記ディスクの前記回転中心軸方向に沿った移動を阻止する支持部材とを備えたトロイダル型無段変速機において、前記ディスクの背面と前記支持部材との間に板状部材を介在させるとともに、前記板状部材の前記ディスクおよび前記支持部材それぞれとの当接面に潤滑油を流入させる油溝を形成したことを特徴とする。
ここで、板状部材を、ディスクや支持部材と異なる材質とすることが好ましく、さらに、ディスクや支持部材より弾性変形し易い材質とすることが好ましい。また、板状部材のディスクおよび支持部材との当接面に固体潤滑材の皮膜を形成することが好ましい。また、板状部材に表面粗さを大きくする表面加工を施すことが好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、板状部材に設けられた油溝により、板状部材と支持部材との間、板状部材と支持部材に支持されるディスクとの間に、潤滑油を供給して保持させることが可能となる。これにより、支持部材、板状部材、ディスクの当接部分におけるフレッチング磨耗を防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
なお、本発明の特徴は、一対の入力側ディスク2,2のうちの背面にローディングナット9が配置される一方の入力側ディスク2と、前記ローディングナット9との間に板状部材51を介在させ、この板状部材51に油溝54,…等を設けたこと、すなわち、板状部材51の構造であり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6〜図7と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は、本発明の実施形態を示している。図1に示すように、一対の入力側ディスク2,2のうちのローディングナット9により入力軸1に固定される入力側ディスク2の背面側には、ローディングナット9が配置され、入力側ディスク2の背面と、ローディングナット9の前面との間には、板状部材51が配置されている。
この板状部材51は、一方の側面が入力側ディスク2の背面に当接し、他方の側面がローディングナット9の前面に当接するようになっている。また、ローディングナット9を入力軸1のねじ部にねじ締めすることで、板状部材51は、入力側ディスク2とローディングナット9とに押圧された状態となっている。
図2に示すように、板状部材51は、中央に入力軸1が貫通する貫通穴53を有する円環状でかつ板状に形成されている。そして、板状部材51の両側面、すなわち、入力側ディスク2の背面に当接する当接面と、ローディングナット9の前面に当接する当接面とには、半径方向に沿って、油溝54,…が形成されている。油溝54,…は、たとえば、溝切り加工により形成される。また、油溝54,…の断面形状は、どのような形状であってもよりが、ここでは円弧状とされている。
また、板状部材51には、放射状に複数の油溝54,…が設けられている。たとえば、この例では、4本の油溝54,…が互いに等間隔となる角度(90度)で板状部材51に設けられている。
また、板状部材51の両側面において、油溝54,…はほぼ同じ配置(同位相)で設けられており、両側面で同時に溝切り加工を行うようなことも可能となっている。
また、各油溝54,…は、円環状の板状部材51の内周縁から外周縁まで設けられ、それぞれ板状部材51の内周面側およびが外周面側に開口した状態となっており、潤滑油を板状部材51の内周面から流入させて、外周面側に流出することが可能となっている。
また、図1に示すように、入力軸1は、潤滑油を流すことが可能なように中心部に軸方向に沿った中空部55を備えている。そして、入力軸1の前記板状部材51が配置される部分には、入力軸1の中空部55と外部とに連通し、かつ、入力軸1の軸方向に直交し、かつ、半径方向に沿った油路56が形成されている。
これにより、入力軸1の中空部55から油路56を介して、板状部材51の油溝54,…に潤滑油を供給可能となっている。
そして、入力軸1から板状部材51の油溝54,…に供給された潤滑用は、油溝54,…から板状部材51の当接面と入力側ディスク2の背面との間、板状部材51の当接面とローディングナット9の前面との間に浸透して油膜を形成する。これにより、板状部材51の当接面と入力側ディスク2の背面との間、板状部材51の当接面とローディングナット9の前面との間とにおける繰り返し応力(擦れ)の発生によるフレッチング磨耗の発生を防止することができる。
なお、図2に示す板状部材51においては、加工性を重視して、板状部材51の両側面における油溝54,…の配置を同位相で同じもの、すなわち、互いに重なるものとしたが、板状部材51の両側面で互いに重なる位置に油溝54,…が形成されることにより、その部分において、板状部材51の厚さが油溝54,…の深さの二倍分薄くなることを防止するために、図3に示すように、板状部材51の両側面における油溝54,…の配置を異なる位相としてずらすようにしてもよい。すなわち、板状部材51の両側面で放射状に形成される油溝54,…が互いに重ならない位置に配置することで、板状部材51に油溝54,…の深さの2倍分だけ薄い部分ができるのを防止することができる。なお、図3に示す板状部材51において、各側面に形成される油溝54,…は、互いに45度分だけ位相がずれるが、各側面において、図2に示す板状部材51と同様の構成となっている。
また、図4に示す板状部材51においては、図3に示す板状部材51と同様に、板状部材51の両側面に互いに移送をずらして放射状に形成された油溝54,…に加えて、円環状の板状部材51の周方向に沿った油溝57が形成されている。この周方向に沿った油溝57は、放射状に板状部材51の半径方向に沿った油溝54,…の位置で、当該油溝54,…と交差し、かつ、油溝54,…と連通しており、油溝54,…から油溝57に潤滑油が流入可能となっている。
この周方向に沿った油溝57を設けることで、板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間に、潤滑油をより浸透させやすい状態となる。特に、板状部材51は、その中心を回転中心として回転するので、半径方向に形成された油溝54内の潤滑油は、内側から外側に遠心力により円滑に流れてしまうが、周方向に沿って形成された油溝57内に流入した潤滑油は、遠心力の方向と直交することにより、遠心力によって円滑に潤滑油が流れ出す構成とはならず、潤滑油を保持し易い構成となっている。
また、周方向に沿った油溝57からその外周側の板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間に遠心力により潤滑油を浸透させることができる。
なお、板状部材51の両側面に形成される周方向に沿った油溝57の位置は、油溝54の場合と同様に両側面で重ならない位置に形成するものとしてもよい。たとえば、円環状の油溝57の径を両側面で互いに異なるものとしてもよい。
図5に示す板状部材51は、図4に示す板状部材51と同様に、油溝54と油溝57とを設け、さらに、板状部材41の内周面に周方向に沿う油溝58を形成している。なお、一方の側面に形成された半径方向に沿う油溝54と内周面とが交差する部分には、貫通穴53を拡径するように切欠部59が設けられ、内周面に形成された油溝58は、切欠部59同士の間に、切欠部59を繋ぐように設けられている。
切欠部59は、板状部材51の内周面を部分的に一方の側面から他方の側面まで切り欠いたもので、板状部材51の一方の側面に半径方向に沿って形成された油溝54と連通するとともに、板状部材51の内周面に形成された油溝58に連通している。
また、板状部材51の他方に半径方向に沿って形成された油溝54と、板状部材51の内周面に周方向に沿って形成された油溝58とが交差して連通している。
これにより、入力軸1の油路56から流出する潤滑油は、板状部材51の内周面に形成された切欠部59および油溝58に流入して保持されるとともに、これら切欠部59および油溝58から潤滑油が半径方向に沿った油溝54に流入し、これら油溝54から周方向に沿った油溝57に潤滑油が流入するようになっている。
また、板状部材51の内周面に形成された切欠部59および油溝58に保持された潤滑油を遠心力により、それより外周側の板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間に浸透させることができる。
板状部材51の内周面に形成された切欠部59および油溝58を設けることで、より確実に潤滑油を油溝54,57に供給できるとともに、より確実に板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間に浸透させることができる。
なお、板状部材51は、たとえば、鉄製とされるが、磨耗を防止する上では、板状部材51は、入力側ディスク2およびローディングナット9と大きく異なる材質となっていることが好ましく、たとえば、入力側ディスク2およびローディングナット9より弾性変形し易い弾性材となる合成樹脂を用いるものとしてもよい。そして、板状部材51としては、耐熱性に優れるとともに、強度も高いエンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチック)を用いることが好ましい。たとえば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂としてもよい。
また、板状部材51には、固体潤滑材を塗布してコーティングするものとしてもよい。
固体潤滑材としては、たとえば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、二硫化モリブデン、グラファイト等を用いることができる。
また、固体潤滑材の塗布には、固体潤滑材の塗料として商品化されているものを用い、板状部材に当該塗料を塗布したり、板状部材を当該塗料に浸けたりしてもよいし、ショットピーニングにより、板状部材51の側面に固体潤滑材の粒子を打ち込んでコーティングするものとしてもよい。
また、板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間は、ローディングナット9をねじ締めすることで入力側ディスク2、板状部材51、ローディングナット9が互いに締め付けられ、潤滑油が浸透しにくい状態となっているが、板状部材51の表面を粗くすることで、微視的に板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間に隙間を設けることができ、これらの間に潤滑油を浸透し易くするとともに、潤滑油を保持させ易くする構成としてもよい。
すなわち、板状部材51の両側面の表面粗さを大きくするために、板状部材51の表面を粗くする表面加工が施されたものとしてもよい。
また、板状部材51の表面を粗くする表面加工としては、各種ブラスト加工(サンドブラスト、スチールグリットブラスト、アルミナグリットブラスト、ショットブラスト、ショットピーニング、ウェットブラスト)、シボ加工、放電加工、レーザ加工、ラッピング等が挙げられる。
以上のように板状部材51に潤滑油を供給することなどにより、板状部材51と入力側ディスク2との間および板状部材51とローディングナット9との間での磨耗を防止することができる。これにより、磨耗粉の発生も防止され、磨耗粉がディスク2,3とパワーローラ11とに噛み込まれることで、製品寿命が短くなるのを防止することができる。
なお、以上のような板状部材51を有する構造は、入力軸1もしくは出力軸等の回転軸に固定される前記ディスク2,3の背面にローディングナット9等の支持部材が配置される場合に適用可能であり、従来例として示したダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機以外のハーフトロイダル型無段変速機にも適用可能である。
また、板状部材51に形成される各構成は、基本的に径方向に沿った油溝54を必須とするが、そのほかの油溝57、油溝58、切欠部59のいずれも設けない構成としてもよいし、いずれか1つを設ける構成としてもよいし、いずれか2つを任意の組合せで設けるものとしてもよいし、3つとも設ける構成としてもよい。また、この場合に、板状部材51の両側面で油溝54や油溝57の位置を重ならないようにずらすものとしてもよいし、重なるようにしてもよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のローディングナットにより入力軸に固定される入力側ディスク部分を示す要部断面図である。 前記入力側ディスクとローディングナットとの間に介在する板状部材を示す斜視図である。 前記板状部材の変形例を示す斜視図である。 前記板状部材の変形例を示す斜視図である。 前記板状部材の変形例を示す斜視図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図6のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
9 ローディングナット(支持部材)
11 パワーローラ
12 押圧装置
51 支持部材
54 油溝
57 油溝

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された少なくとも一対の入力側ディスクおよび出力側ディスクと、一対の前記ディスク間に挟持されるとともに入力側ディスクから出力側ディスクに回転速度比を変更可能に回転力を伝達する複数のパワーローラと、一対以上の前記ディスクが当該ディスクの回転中心軸方向に並んだ状態で、一対以上の前記ディスクを前記回転中心軸方向に沿って押圧する押圧装置と、前記パワーローラを介して前記押圧装置の押圧力を受ける少なくとも1つのディスクの背面側に配置されて前記押圧装置の押圧力に抗して前記ディスクの前記回転中心軸方向に沿った移動を阻止する支持部材とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記ディスクの背面と前記支持部材との間に板状部材を介在させるとともに、前記板状部材の前記ディスクおよび前記支持部材それぞれとの当接面に潤滑油を流入させる油溝を形成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013221569A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP5832689B1 (ja) * 2015-08-05 2015-12-16 鹿島建設株式会社 コンクリート構造物の製造方法、摩擦低減部材、及びコンクリート構造物用の型枠構造
WO2018096941A1 (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 日本精工株式会社 トロイダル無段変速機

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