JP5832689B1 - コンクリート構造物の製造方法、摩擦低減部材、及びコンクリート構造物用の型枠構造 - Google Patents

コンクリート構造物の製造方法、摩擦低減部材、及びコンクリート構造物用の型枠構造 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができるコンクリート構造物の製造方法を提供する。【解決手段】コンクリート打設用の型枠10を設置し、型枠10の内面に養生シート16を配置する設置工程と、型枠10の内面に養生シート16が配置された状態でコンクリートCの打設を行う打設工程と、コンクリートCの打設後に型枠10を脱型する脱型工程と、を備える。設置工程において、平面状の端面13aを有するコーン13が端部側に取り付けられるセパレータ14と、コーン13の端面13aを包含する平面状の摩擦低減部材20とを準備し、コーン13の端面13aが摩擦低減部材20を介して型枠10の内面に配置された養生シート16に突き当たるように、コーン13の端面13aと養生シート16との間に摩擦低減部材20を介在させてセパレータ14を設置する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物の製造方法、摩擦低減部材、及びコンクリート構造物用の型枠構造に関する。
コンクリートの品質を向上させる製造方法として、特許文献1には新たなコンクリート構造物の製造方法が開示されている。このコンクリート構造物の製造方法では、コンクリート打設用の型枠の内面に予め養生シートを貼り付けておき、その状態でコンクリートの打設を行う。このコンクリート構造物の製造方法では、型枠を設置する際に、端部側にコーンが取り付けられたセパレータを、コーンが型枠の内面に配置された養生シートに突き当たるように設置している。
特開2014−214551号公報
通常、セパレータは、端部が型枠を貫通して外側に突出し、型枠の外側において、セパレータを把持するフォームタイ(登録商標)のナット部に螺合される。そのため、例えばフォームタイのナット部を締め込む際、コーンがナット部と共回りすることがある。ここで、上述した特許文献1の方法では、型枠の内面に配置された養生シートにコーンが直接突き当たるように設置されるため、コーンの共回りによって養生シートも回転させられて、養生シートにシワが形成されてしまうおそれがある。このように養生シートにシワが形成された状態でコンクリートを打設すると、養生シートのシワがコンクリートに転写されてしまうおそれがある。
本発明は、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができるコンクリート構造物の製造方法、摩擦低減部材、及びコンクリート構造物用の型枠構造を提供することを目的とする。
本発明に係るコンクリート構造物の製造方法は、コンクリート打設用の型枠を設置し、型枠の内面に養生シートを配置する設置工程と、型枠の内面に養生シートが配置された状態でコンクリートの打設を行う打設工程と、コンクリートの打設後に型枠を脱型する脱型工程と、を備え、設置工程において、平面状の端面を有するコーンが端部側に取り付けられるセパレータと、コーンの端面を包含する平面状の摩擦低減部材とを準備し、コーンの端面が摩擦低減部材を介して型枠の内面に配置された養生シートに突き当たるように、コーンの端面と養生シートとの間に摩擦低減部材を介在させてセパレータを設置することを特徴とする。
このコンクリート構造物の製造方法では、コーンの端面と養生シートとの間に摩擦低減部材を介在させてセパレータを設置する。そのため、例えばセパレータを設置する際にコーンが養生シートに対して回転する場合、コーンの端面から養生シートに伝達する摩擦力が低減される。これにより、コーンが回転したとしても、その回転が養生シートに伝わりづらくなるため、養生シートにシワが発生することを抑制できる。その結果、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができる。また、コーンの回転が養生シートに伝わりづらくするために養生シートに切込みを入れる手間を省くことも可能となる。
また、コンクリート構造物の製造方法では、摩擦低減部材の養生シートに対する第1摩擦係数は、コーンの端面の養生シートに対する第2摩擦係数よりも小さいことが好ましい。この場合、コーンの端面から養生シートに伝達する摩擦力を確実に低減することができるため、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができる。
また、コンクリート構造物の製造方法では、摩擦低減部材は、弾性体からなるものであってもよい。この場合、コーンの端面から養生シートに伝達する摩擦力が好適に分散され、コーンが回転したとしても、その回転が養生シートにより伝わりづらくなるため、養生シートにシワが発生することを一層抑制できる。
また、コンクリート構造物の製造方法では、摩擦低減部材は、コーンの端面の外形形状と略同じ外形形状を有してもよい。この場合、セパレータの設置に伴う摩擦低減部材の反りを抑制できる。
また、別の側面として、本発明は、上記のコンクリート構造物の製造方法に用いるための摩擦低減部材として捉えることもできる。このような摩擦低減部材を用いることにより、上述した作用効果を奏することができる。
更に別の側面として、本発明は、コンクリート打設用の型枠と、型枠の内面に配置された養生シートと、平面状の端面を有するコーンが端部側に取り付けられるセパレータと、コーンの端面を包含する平面状の摩擦低減部材と、を備え、コーンの端面と養生シートとの間に摩擦低減部材を介在させてセパレータを設置することを特徴とするコンクリート構造物用の型枠構造として捉えることができる。このようなコンクリート構造物用の型枠構造を用いることにより、上述した作用効果を奏することができる。
本発明によれば、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができるコンクリート構造物の製造方法、摩擦低減部材、及びコンクリート構造物用の型枠構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る設置工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る打設工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る摩擦低減部材を示す図である。 本発明の一実施形態に係るコーンの共回りを示す図である。 (a)は、比較例に係るコーンの共回りを示す拡大図である。(b)は、実施形態に係るコーンの共回りを示す拡大図である。 養生シートの表面の水への接触角を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る設置工程を説明するための図である。図2は、本発明の一実施形態に係る打設工程を説明するための図である。図3は、本発明の一実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。最初に、図1〜3を参照して、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法の全体的な流れについて説明する。
このコンクリート構造物の製造方法では、まず、設置工程を行う。この設置工程では、コンクリート構造物用の型枠構造を構成する各部材を準備する。具体的には、設置工程では、コンクリート打設用の型枠10、鉄筋11、間隔保持材12(コーン13及びセパレータ14を含む)、フォームタイ15、養生シート16、及び摩擦低減部材20を準備する。
図1に示されるように、設置工程では、続いて、これら各構成を所定の位置に設置する。より詳しくは、コンクリート構造物の形状に沿うような所定の位置に型枠10を設置し、型枠10の内側の所定の位置に鉄筋11を配筋する。そして、設置した型枠10の内面に養生シート16を配置する。養生シート16は、例えば、粘着性の両面テープ、水の表面張力、グリースなどを利用して型枠10の内面に貼り付けることができる。
図2に示されるように、型枠10等が所定の位置に設置されると、コンクリートCを型枠10内に流し込むコンクリートの打設工程が行われる。コンクリートが打設されると、続いて、バイブレータ等を用いて締固めを行う。これにより、型枠10内の隅々まで十分にコンクリートCが流れこむようになる。コンクリートの締固めが終了すると、型枠10をはめたまま、コンクリートCの湿潤養生を例えば7日〜28日程度行い、コンクリートCを硬化させる。ここで、詳細は後述するが、摩擦低減部材20によって養生シート16にシワWが発生することが抑制されているため、シワWが抑制された平滑な状態の養生シート16にコンクリートCが接触した状態で、コンクリートCの硬化が進むことになる。このようにしてコンクリートCが硬化することによって、平滑なコンクリートCの表面を得ることが可能となる。
図3は、実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。図3に示されるように、コンクリートCの凝結がある程度進み硬化したら、型枠10を脱型する脱型工程を行う。脱型の際には、コーン13もコンクリートCから取り除かれる。コーン13を取り外した跡には穴Hが形成され、穴Hの底部にセパレータ14の端部が露出する。型枠10を脱型した後、円錐台形状の埋込みコーン(不図示)を穴Hに埋め込む埋め込み工程を行う。埋込みコーンは、例えばモルタル製であり、内部に埋設された爪部がセパレータ14の雄ネジを把持することで固定される。なお、埋込みコーンとしては、モルタル製に限られず、その他適切な材料を用いることができる。また、埋込みコーンは、円錐台形状(コーン形状)に限られず、穴Hに応じた形状であればよい。
続いて、コンクリートCの表面に残置された養生シート16を用いて、コンクリート構造物を養生する養生工程を行う。この養生工程では、既に型枠10が取り除かれており、養生シート16をコンクリート表面に残置させるだけで、特別な設備を用いることなく、そのまま長期に養生を続けることができる。例えば、型枠10の脱型後30日以上養生を続けてもよいし、型枠10の脱型後90日以上養生を続けてもよい。更に、コンクリート構造物の引き渡しに至るまで(例えば脱型後1年以上)養生を続けても、もちろんよい。このような長期の養生を続けられることにより、コンクリート構造物の強度や耐久性を飛躍的に高めることができる。
その後、所定の養生期間が終了すると、コンクリートCの表面から養生シート16を剥がす撤去工程を行う。必要があればコンクリートC側に残った養生シート16の切れ端を表面から取り除く処理を行う。このようにしてコンクリート構造物が完成する。
ここで、図1に戻り、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法に用いる部材について、より詳細に説明する。
間隔保持材12は、コーン13と、セパレータ14と、を有している。コーン13は、円錐台形状を呈している。コーン13は、円錐台形の底面に相当する平面状の端面13aを有する。ここでの端面13aは、一例として、反対側の端面よりも大きい直径を有する円形形状を呈している。コーン13は、設置工程において、端面13aが型枠10及び養生シート16に対向するように配置される。コーン13には、セパレータ14をその軸線と同軸となるように貫通させる内径を有する略円形の開口が設けられている。コーン13の材料としては、例えば樹脂が用いられる。コーン13の材料としては、金属、セラミックその他の素材が用いられてもよい。コーン13は、必ずしも円錐台形状(コーン形状)である必要はなく、平面状の端面13aを有する形状であればよい。
セパレータ14は、コンクリート打設時における型枠10のはらみを防止する。セパレータ14は、型枠10に略直交する方向に沿って所定の間隔で配置されている。セパレータ14は、例えば金属製の棒部材である。セパレータ14には、コーン13が端部側に取り付けられている。ここでは、セパレータ14の端部に雄ネジが形成され、コーン13の内部の雌ネジと螺合して互いに固定されている。なお、セパレータ14の材料及びセパレータ14へのコーン13の取り付け態様は、この例に限定されるものではない。
セパレータ14には、型枠10の外側において、セパレータ14を把持して型枠10のはらみ変形を押さえるためのフォームタイ15が設けられている。より詳しくは、セパレータ14は、セパレータ14を延長する延長部14aを含む。延長部14aは、型枠10及び養生シート16を貫いて外側に突出している。外側に突出する延長部14aの先端には、雄ネジが形成されており、この雄ネジにフォームタイ15のナット部15aが螺合する。フォームタイ15は、ナット部15aの螺合によって、型枠10に沿って配置された一対のパイプを保持する。
養生シート16は、配置工程において、型枠10の内面(つまり打設されるコンクリート側の面)に配置される。なお、養生シート16は、型枠10を所定の位置に設置する前に、予め型枠10の内面に配置してもよい。養生シート16は、例えば、粘着性の両面テープ、水の表面張力、グリースなどを利用して、型枠10の内面に貼り付けることができる。
養生シート16の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ナイロン6、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はポリオレフィンなどの高分子化合物を用いることができる。養生期間を長くとるためにそのままコンクリート表面に貼り付ける点を考慮すると、汎用されていて費用が比較的安いポリプロピレンやポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルから構成される養生シートが好ましい。ここでは、養生シート16の材料としてポリプロピレンが用いられている。また、養生シート16の厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、例えば0.05mm〜2mm程度である。
摩擦低減部材20は、型枠を設置した際、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力を低減するためのワッシャー状の部材である。図4に示されるように、摩擦低減部材20は、セパレータ14を設置する際、コーン13の端面13aと養生シート16との間に介在させられる。摩擦低減部材20は、平面状を呈しており、コーン13の端面13aを包含する外形形状を有する。摩擦低減部材20の外形形状は、コーン13の端面13aと略同一の外形形状であり、ここでは円形形状である。摩擦低減部材20の外形形状は、端面13aと同一の外形形状に限定されない。つまり、端面13aと略同一の外形形状には、端面13aの外形形状よりもわずかに大きい外形形状が含まれる。端面13aの外形形状よりもわずかに大きい外形形状とは、具体的には、セパレータ14の中心軸から摩擦低減部材20の外縁までの長さが、セパレータ14の中心軸から端面13aの外縁までの長さよりも所定長だけ長い長さとされた外径形状である。所定長としては、例えば5mm以下の長さとすることができる。なお、摩擦低減部材20の外形形状は、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力を低減できるのであれば、端面13aの外形形状よりもわずかに小さい外形形状であっても良い。
摩擦低減部材20は、摺動面21、摺動面22及び貫通孔23を含む。摺動面21は、コーン13の端面13aに当接する面である。摺動面21は、例えば、少なくとも端面13aと当接する範囲においてセパレータ14の中心軸を軸として周方向に連続する平坦面である。ここでは、摺動面21は、全体にわたって面一な平坦面とされている。摺動面22は、養生シート16と当接する面である。摺動面22は、セパレータ14の中心軸を軸として少なくとも周方向に連続する面である。摺動面22は、全体にわたって面一な平坦面であると好ましい。これにより、後述のように端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力が一層好適に分散される。貫通孔23は、セパレータ14を挿通させるための開口である。貫通孔23は、セパレータ14の直径よりも所定長だけ長い直径を有する円形形状とされている。所定長としては、0mmよりも大きく3mm以下の長さとすることができ、ここでは1mmとされている。
貫通孔23の直径は、セパレータ14を当該貫通孔23に挿通させるために、セパレータ14の直径よりも大きい直径とすることで所定の余裕代を確保する必要がある。ここで、この余裕代が大きく(貫通孔23の直径が大きく)なりすぎると、例えば水平方向に延びるように配置されたセパレータ14を貫通孔23に挿通させて摩擦低減部材20がセパレータ14に支持されている状態(支持状態)において、摩擦低減部材20の貫通孔23の中心軸とセパレータ14の中心軸との間にずれが生じる。その結果、コーン13の端面13aの外縁が摩擦低減部材20の摺動面21の外縁からはみ出す(摩擦低減部材20の外形形状がコーン13の端面13aの外形形状をカバーできなくなる)おそれがある。このため、上記支持状態において、コーン13の端面13aの外縁が摩擦低減部材20の摺動面21の外縁に納まるように(摩擦低減部材20の外形形状がコーン13の端面13aの外形形状をカバーできる範囲内となるように)余裕代を調整することが好ましい。
摩擦低減部材20は、例えば樹脂弾性体からなる。摩擦低減部材20の材料としては、摩擦低減部材20の養生シート16に対する動摩擦係数(第1摩擦係数)μが、コーン13の端面13aの養生シート16に対する動摩擦係数(第2摩擦係数)μよりも小さくなるような材料が採用される。具体的には、コーン13がポリプロピレン製の場合、摩擦低減部材20の材料としては、例えば、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリスチレン、ポリエチレン、四フッ化エチレン等の高分子化合物を用いることができる。ここでは、摩擦低減部材20の材料として、未発泡の高密度ポリエチレンが用いられる。
摩擦低減部材20では、コーン13の端面13aと養生シート16とに挟まれる部分において、フォームタイ15のナット部15aの締め込みによって生じる圧縮力が作用する。この圧縮力によって摩擦低減部材20の外縁付近が変形することを抑制するため、摩擦低減部材20の厚さは、300μm〜1000μmとすることができる。ここでの摩擦低減部材20の厚さは、例えば500μmとされている。
次に、上述した摩擦低減部材20を用いたコンクリート構造物を製造する方法及びその作用について説明する。
図1に示されるように、型枠10を所定の位置に設置し、型枠10の内面に養生シート16を配置した後、コーン13の端面13aが摩擦低減部材20を介して型枠10の内面に突き当たるように、コーン13の端面13aと養生シート16との間に摩擦低減部材20を介在させてセパレータ14を設置する。
このとき、フォームタイ15のナット部15aを回転させると、図5に示されるようにコーン13が共回りすることがある。図5の例では、ナット部15aの回転Rによってセパレータ14を介して反対側のコーン13が回転rで回っている。そして、一般的に、コーン13の端面13aには、コンクリートCがセパレータ14側に浸入することを抑制するためのシール部材(例えばノロ漏れ防止ゴムリング)が設けられている。そのため、この回転rによって、摩擦低減部材20が回転rで回ることがある。
ここで、図6(a)に示されるように、コーン13の端面13aと養生シート16との間に摩擦低減部材20を介在させない場合、コーン13の端面13aが養生シート16に直接突き当たるように設置されるため、コーン13の共回りによって養生シート16が回転されて、養生シート16にシワWが形成されてしまうことがあった。このように養生シート16にシワWが形成された状態で、打設工程においてコンクリートCを打設すると、シワWがコンクリートCに転写されてしまい、コンクリート構造物の表面の品質が低下するおそれがあった。また、このようなシワWの発生を回避するために、養生シート16におけるコーン13の端面13aが突き当たる部分に端面13aの外形形状に沿って切込みを入れることで、コーン13の回転が養生シート16に伝わりづらくする方法もあるが、その分手間がかかってしまう。
そこで、図6(b)に示されるように、本実施形態では、コーン13の端面13aと養生シート16との間に摩擦低減部材20を介在させてセパレータ14を設置する。そのため、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力が低減される。これにより、コーン13の回転によって養生シート16が回転されて養生シート16にシワWが発生することを抑制できる。また、コーンの回転が養生シートに伝わりづらくするために養生シートに切込みを入れる手間を省くことも可能となる。
続いて、図2に示されるように、コンクリートCを型枠10内に流し込むコンクリートの打設工程が行われる。この打設工程では、コーン13の端面13aが摩擦低減部材20を介して型枠10の内面に突き当たった状態でコンクリートが打設される。そして、図3に示されるように、型枠10を脱型する脱型工程を行い、コンクリートCの表面に残置された養生シート16を用いて、コンクリート構造物を養生する養生工程を行う。その後、所定の養生期間が終了すると、コンクリートCの表面から養生シート16を剥がす撤去工程を行う。必要があればコンクリートC側に残った養生シート16の切れ端を表面から取り除く処理を行う。このようにしてコンクリート構造物が完成する。
以上、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、コーン13の端面13aと養生シート16との間に摩擦低減部材20を介在させてセパレータ14を設置する。そのため、例えばセパレータ14を設置する際にコーン13が養生シート16に対して回転する場合、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力が低減される。これにより、コーン13が回転したとしても、その回転が養生シート16に伝わりづらくなるため、養生シート16にシワWが発生することを抑制できる。その結果、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができる。また、コーン13の回転が養生シート16に伝わりづらくするために養生シート16に切込みを入れる手間を省くことも可能となる。
また、摩擦低減部材20の養生シート16に対する動摩擦係数μは、コーン13の端面13aの養生シート16に対する動摩擦係数μよりも小さい。これにより、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力を確実に低減することができるため、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができる。
また、摩擦低減部材20は、樹脂弾性体からなるものとされている。これにより、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力が好適に分散され、コーン13が回転したとしても、その回転が養生シート16により伝わりづらくなるため、養生シート16にシワWが発生することを一層抑制できる。
また、摩擦低減部材20は、コーン13の端面13aの外形形状と略同じ外形形状又は端面13aの外形形状よりもわずかに大きい外形形状を有している。これにより、セパレータ14の設置に伴う摩擦低減部材20の反りを抑制できるため、コーン13の端面13aと養生シート16との接触面積の低下が抑制される。その結果、コーン13の端面13aから養生シート16に伝達する摩擦力が一層好適に分散され、養生シート16にシワWが発生することを更に好適に抑制できる。
また、別の側面として、本実施形態に係る摩擦低減部材20を用いることにより、上述した作用効果を奏することができる。
更に別の側面として、本実施形態に係るコンクリート構造物用の型枠構造100は、コンクリート打設用の型枠10と、型枠10の内面に配置された養生シート16と、平面状の端面13aを有するコーン13が端部側に取り付けられるセパレータ14と、コーン13の端面13aを包含する平面状の摩擦低減部材20と、を備える。コンクリート構造物用の型枠構造100では、コーン13の端面13aと養生シート16との間に摩擦低減部材20を介在させてセパレータ14が設置されている。このようなコンクリート構造物用の型枠構造100を用いることにより、上述した作用効果を奏することができる。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
上記実施形態では、一つの摩擦低減部材20を、コーン13の端面13aと養生シート16との間に介在させたが、複数の摩擦低減部材を、コーン13の端面13aと養生シート16との間に介在させてもよい。この場合、複数の摩擦低減部材としては、複数の摩擦低減部材20を用いてもよいし、摩擦低減部材20とは形状等が異なる摩擦低減部材を摩擦低減部材20に加えて用いてもよい。要は、コーン13が養生シート16に対して回転する場合においてコーン13の端面から養生シート16に伝達する摩擦力を低減できればよい。
また、例えば、上記実施形態における養生シート16として、養生シート16のコンクリートC側の接触面の水との接触角が50度以上であるものを採用してもよい。具体的には、養生シート16の接触面の水との接触角θが69度以上であることが好ましく、接触角θが80度以上であることが更に好ましく、接触角θが90度以上であることがより一層好ましい。
ここで、「接触角θ」とは、図7の(a)に示されるように、液滴の接線と固体表面(養生シート16の表面)とのなす角度であり、以下の式(1)で示される。
Figure 0005832689

γ:固体の表面張力
γ:液体の表面張力
γSL:固体と液体の界面張力
そして、「接触角θ」は、例えば、θ/2法で測定することができる。具体的には、図7の(b)に示されるように、液滴の半径rと高さhを求める。そして、以下の式(2)、式(3)から、接触角θを求めることができる。
Figure 0005832689

Figure 0005832689
通常、セメントの当初の硬化に必要な量以上の余剰な水がコンクリートCに含まれていると、打設後にコンクリートCが硬化する際、ブリージング水が発生することがある。上述のように、水との接触角が50度以上の養生シート16を打設時に用いることにより、ブリージング水が発生することを効果的に抑制することができる。このようにブリージング水の発生が抑制されるのは、コンクリートCの表面を覆っている養生シート16のシート面(接触面)の接触角(濡れ角とも言う)が大きいと、コンクリートC内に含まれていてその表面から外に出ようとする水や当該水中に存在する空気がシート接触面においてコンクリートC内部に押し戻される作用が働き、その結果、水及びその内部の空気がコンクリートC内に残存したまま硬化が進むためと考えられる。そして、上記実施形態における養生シート16によれば、このようにしてブリージング水の発生が抑制されるため、脱型後の水和反応に必要な水をコンクリートCが含有していることになり、コンクリート養生の際に外部から養生水を供給することなく又は養生水をそれほど用いることなく、所定の圧縮強度や耐久性などの品質を発現できるコンクリート構造物を製造することができる。
また、養生シート16は、シートの水蒸気透過性の小さいものを用いることが好ましく、シートの水蒸気透過性が10g/m・24h以下であることが好ましく、シートの水蒸気透過性が5g/m・24h以下であることがより一層好ましい。また、養生シート16は、シートの二酸化炭素透過性の小さいものを用いることが好ましく、シートの二酸化炭素透過性が10万cc/m・24h・atm以下であることが好ましく、シートの二酸化炭素透過性が5万cc/m・24h・atm以下であることがより一層好ましい。素材の表面を各種表面加工技術によって加工することで、水蒸気透過性又は二酸化炭素透過性を小さくしたシートを作製することができる。
10…型枠、13…コーン、13a…端面、14…セパレータ、16…養生シート、20…摩擦低減部材、C…コンクリート。

Claims (6)

  1. コンクリート打設用の型枠を設置し、前記型枠の内面に養生シートを配置する設置工程と、
    前記型枠の内面に前記養生シートが配置された状態でコンクリートの打設を行う打設工程と、
    前記コンクリートの打設後に前記型枠を脱型する脱型工程と、を備え、
    前記設置工程において、
    平面状の端面を有するコーンが端部側に取り付けられるセパレータと、前記コーンの前記端面を包含する平面状の摩擦低減部材とを準備し、
    前記コーンの前記端面が前記摩擦低減部材を介して前記型枠の内面に配置された前記養生シートに突き当たるように、前記コーンの前記端面と前記養生シートとの間に前記摩擦低減部材を介在させて前記セパレータを設置することを特徴とする、コンクリート構造物の製造方法。
  2. 前記摩擦低減部材の前記養生シートに対する第1摩擦係数は、前記コーンの前記端面の前記養生シートに対する第2摩擦係数よりも小さい、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  3. 前記摩擦低減部材は、弾性体からなる、請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  4. 前記摩擦低減部材は、前記コーンの前記端面の外形形状と略同じ外形形状を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法に用いるための摩擦低減部材。
  6. コンクリート打設用の型枠と、
    前記型枠の内面に配置された養生シートと、
    平面状の端面を有するコーンが端部側に取り付けられるセパレータと、
    前記コーンの前記端面を包含する平面状の摩擦低減部材と、を備え、
    前記コーンの前記端面と前記養生シートとの間に前記摩擦低減部材を介在させて前記セパレータを設置することを特徴とする、コンクリート構造物用の型枠構造。
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