JP2008261127A - 防護シート用支持金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平方向の高さ位置の異なる第1及び第2の緊結ホルダー102,103からなる緊結ポジション101を有する支柱の当該緊結ホルダー102,103に装着する防護シート用支持金具1において、第1の緊結ホルダー102に同支持金具1の金具本体2を嵌挿させた場合には下側の第1のフック部11aに防護シート側の鳩目を挿通させる。一方、第2の緊結ホルダー103に金具本体2を嵌挿させた場合には回動プレート9を上下反転させて上側の第2のフック部11bを下側に移動させて防護シート側の鳩目を挿通させる。
【選択図】 図8
Description
図11に示すように、支柱パイプ100の緊結ポジション101は180度対向して同じ高さに配置された一対の第1の緊結ホルダー102と、両第1の緊結ホルダー102と垂直方向に上下幅分がずれるとともに両第1の緊結ホルダー102と90度ずれて180度対向して同じ高さに配置される一対の第2の緊結ホルダー103とから構成されている。
このように隣接する緊結ホルダー102,103同士が上下幅方向にずれて形成されているのは主として支柱パイプ100の径と緊結ホルダー102,103の幅の関係に基づく。緊結ホルダー102,103の幅は水平パイプ(布材)を架設するためにその幅が規格化されている。そしてこのような緊結ホルダー102,103をやはり現状の規格化された支柱パイプ100の同じ高さ位置で四方に溶接するとどうしても隣接する緊結ホルダー同士が干渉してしまい溶接が困難である。そのため、現状ではこのように隣接する緊結ホルダー102,103を垂直方向に上下幅分をずらして溶接するわけである。
ところで、仮設足場からの落下物や埃の飛散を防止することを主目的として仮設足場の外周に防護シートが装備されることがある。この防護シートを取り付けるための具体的な手段として上記緊結ホルダー102,103に対して防護シート用支持金具を嵌挿し、その金具のフックに防護シートの吊り下げ部(例えば鳩目)を掛止させることが提案されている。そのような技術の一例として特許文献1を挙げる。特許文献1ではシート材取付金具50(防護シート用支持金具)をブラケット20(上記緊結ホルダー102,103に相当)に嵌挿し、防護シート材100の上部寄りに形成されている鳩目101に取付金具50のフック80を挿通させて掛止するようにしている。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、高さの異なる緊結ホルダーに取り付けても常に同じ水平線上にフック部を配置させることができる防護シート用支持金具を提供することにある。
前記第1又は第2の緊結ホルダーに対して嵌脱可能な金具本体と、同第1又は第2の緊結ホルダーに対して同金具本体が嵌挿された状態で同第1又は第2の緊結ホルダー側と係合して同金具本体を抜け止めするロック機構と、防護シート側に形成された吊り下げ部に挿通されて同防護シートを吊り下げ支持する上下二段の第1及び第2のフック部を備えるとともに同金具本体に対して回転可能に支持され同両フック部の配置位置を上下反転可能とする回動部材とを備え、前記金具本体を前記第1の緊結ホルダーに嵌挿させた際の前記第1のフック部の水平位置と、前記回動部材を回動させた状態で同金具本体を前記第2の緊結ホルダーに嵌挿させた際の前記第2のフック部の水平位置が同じであるようにしたことをその要旨とする。
このような構成とすることによって、防護シート用支持金具を水平方向の高さ位置の異なる第1及び第2の緊結ホルダーに対して装着する場合に回動部材を金具本体に対して回動させて上下反転させるだけでフック部を常に同じ高さ位置に保持できることとなる。
このような構成とすることによって請求項1の発明の作用に加えて、防護シート用支持金具の金具本体を第1又は第2の緊結ホルダーに嵌挿させることで自動的に回動部材は回動規制手段の作用によって回動できなくなるため一旦所定の高さ位置に配設された第1又は第2のフック部の配置位置が変位することはない。
また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記回動部材は前記金具本体に対して回動軸を中心に回動自在に取着され、同回動軸よりも同回動部材の重心が下方に存在しなおかつ同可動軸と同重心とを結ぶ線分が重力方向である場合に前記第1のフック部は同回動部材の下方位置に配置されるとともに前記第2のフック部は同可動軸を挟んだ同回動部材の上方位置に配置されることをその要旨とする。
このような構成とすることによって請求項1又は2の発明の作用に加えて、次のような作用が奏されることとなる。すなわち、回動部材は自身のもっとも重い部分が下方位置に配置されるように回動軸によって吊支されているが、そのような、「回動軸よりも回動部材の重心が下方に存在しなおかつ同可動軸と同重心とを結ぶ線分が重力方向である」場合においては自動的に第1のフック部は同回動部材の下方位置、つまり防護シート側の吊り下げ部を挿通させることができる作業位置に配設されることとなる。そのため基本的に作業者は第1のフック部を使用する場合には第1のフック部の位置をわざわざ手動で調整する必要がなくなる。但し、第2のフック部を同回動部材の下方位置に配置させる場合には能動的に回動部材を反転させる必要がある。
尚、回動部材は金具本体に対して回動軸を中心に回動自在とされているが、回動部材のもっとも重い部分が下方位置に配置されるためには回動部材はなるべく緩やかに軸支されていることが好ましい。
図1、図3、図4等に示すように、防護シート用支持金具(以下、支持金具)1は金具本体2を備えている。金具本体2は合金製板材をプレス成形して構成されており前板2a及び左右側板2b,2cからなる断面チャンネル状の長尺体に形成されている。前板2aの中央位置には前方に向かって突出されたドーム形状の突起3が形成されている。前板2aの上方寄り位置には取り付け孔4が形成されている。前板2aの下方寄り位置には略方形の開口部5が形成されている。開口部5内には前板2aから垂れ下がる下垂片6が配置されている。開口部5に面した裏面側にはロック機構としてのロックレバー7が配設されている。ロックレバー7は左右側板2b,2c間に配設された回動軸8に対して遊嵌されており、重心が回動軸8よりも上側かつ開口部5寄りに存在するため、ロックレバー7は常時開口部5方向に傾動させられている。ロックレバー7は常時は開口部5の下端縁5aに支持されて前板2aの前面側に上半身を露出させた状態で保持される。一方、ロックレバー7が後傾させられた場合には下垂片6に干渉するため前板2aの面(つら)よりも後方側には回動できないようになっている。つまりロックレバー7は開口部5の下端縁5aに当接する最前方位置から下垂片6に当接する最後方位置の間を揺動させられることとなっている。ロックレバー7の上縁は当接部7aとされている。
回動プレート9の左右側板9b、9cの外側には左右一対のフック金具11が溶着されている。両フック金具11の両端側は水牛の角のように両端が内側に湾曲した第1及び第2のフック部11a,11bとされている。両フック部11a,11bは対称形状とされている。図2(a)に示すように回動プレート9の回動中心Oに対するフック金具11の取り付け位置は上下方向に均等ではない。回動中心Oから遠い方の第1のフック部11aの先端までの距離L1と近い方の第2のフック部11bの先端までの距離L2を比較すると本実施例では、
L1−L2≒6cm
とされている。この差は後述する第1の緊結ホルダー102と第2の緊結ホルダー103との上下幅の差と一致する。尚、仮設足場に使用される部材はそれほどの精度が求められていないため公差は大きく、ここでも若干の寸法誤差があっても構わない。
回動プレート9の重心は回動中心Oよりも若干第1のフック部11a側に存在する。これは両フック金具11の取り付け位置が上下方向に均等ではないことに基づく。その結果、回動プレート9は特に外部からの支持がない限りは金具本体2に支持された状態で重力の作用によって常に第1のフック部11aが下方位置に配置されることとなる。
支持金具1は図12に示すような仮設足場Kの支柱パイプ100の所定の高さ位置に装着させる。そして、その後に、防護シートSの周縁寄りに形成された鳩目Hのうち、上縁側の鳩目Hに対して装着された支持金具1の第1又は第2のフック部11a,11bを挿通させるようにすることとなる。
まず、図11に基づいて簡単に支持金具1が装着される支柱パイプ100の緊結ポジション101付近の構造について説明する。仮設足場を構成する支柱パイプ100の緊結ポジション101は180度対向して同じ高さに配置された一対の第1の緊結ホルダー102と、両第1の緊結ホルダー102と垂直方向に上下幅分がずれるとともに両第1の緊結ホルダー102と90度ずれて180度対向して同じ高さに配置される一対の第2の緊結ホルダー103とから構成されている。第1の緊結ホルダー102と第2の緊結ホルダー103との上下幅のずれは本実施例では約6cmとされている。本実施例では上側に配置されるホルダーを第1の緊結ホルダー102とする。
両緊結ホルダー102,103は前板105及び左右側板106からなる断面チャンネル状の枠体であって、支柱パイプ100に固着された状態で上下に連通する通路107が構成される。両緊結ホルダー102,103の上縁108は水平に構成されている。前板105は下方寄りほど支柱パイプ100に接近するような斜状に構成されている。
また図9(c)のように金具本体2の下方への進出に伴って回動プレート9の前板9aの下縁110は緊結ホルダー102の上縁108に当接することとなり、それ以上の金具本体2の進出が阻止される。ちょうどその当接状態で金具本体2の前板2aに形成された突起3が前板105に当接して緊結ホルダー102内での金具本体2のがたつきが防止される。
次に下側の第2の緊結ホルダー103に支持金具1を装着する場合について説明する。まず作業者は回動プレート9を180度回動させ第2のフック部11bを下側の使用位置に配置する。そしてその状態を保持させながら第2の緊結ホルダー103に対して上方から前板2a、105同士が対面するように支持金具1の金具本体2を嵌挿させていく。下方への進出に伴ってロックレバー7が前板105に干渉する点は上記と同じである。また図9(c)のように回動プレート9の前板9aの下縁110(回動前は上縁である)が第2の緊結ホルダー103の上縁108に載置されて、それ以上の金具本体2の進出が阻止される。同時にこのように回動プレート9は下縁110が緊結ホルダー102の上縁108に当接して回動できなくなっているため作業者が保持していなくとも第2のフック部11bが再反転してしまうことがない。
図5〜図8にこのような作業工程によって第1及び第2の緊結ホルダー102,103に支持金具1を装着した状態を示す。
図5及び図6に示すように、支持金具1の第1のフック部11aと第2のフック部11bの水平位置はそれぞれ装着位置(防護シートSの鳩目Hを掛止させることができる先端が上を向いた位置)においては装着される緊結ホルダー102,103の高さが異なるにも関わらず一致する。従って、このように支持金具1が装着されることで図10(a)及び(b)に示すように構成側面に関わらず防護シートSは常に同じ高さで第1及び第2のフック部11a,11bに掛止されることとなる。
一方、支持金具1を仮設足場Kから取り外す際には、上記と逆にまず防護シートSを第1及び第2のフック部11a,11bから抜き取り、次いでロックレバー7が前板105に干渉しないように後方に押し戻しながら(つまり緊結ホルダー102,103と干渉させないようにして)上方に抜き取るようにする。
(1)本実施例の支持金具1は一種類のみで仮設足場のすべての構成側面における防護シートSの吊り下げ位置を共通にすることができるため、わざわざ複数種類の支持金具を用意しなくとも異なる構成側面間に渡って防護シートSを整然と装着させることができる。従って、支持金具1の製造コストや作業性の点で有利である。
(2)第1の緊結ホルダー102に支持金具1を装着する場合には作業者が補助しなくとも第1のフック部11aは自動的に下方位置に配置されるため、装着作業が軽減されることとなる。
(3)回動プレート9は金具本体2に対して回動自在であるため第2のフック部11b側を下側に移動させると作業者が保持していなければ第1のフック部11aの方が重いため反転してしまうこととなる。しかし、一旦支持金具1を第2の緊結ホルダー103に装着させると回動プレート9は下縁110が緊結ホルダー102の上縁108に当接して自動的に回動プレート9の回動が規制されるため第2のフック部11bが変位してしまうことはない。
(4)金具本体2を緊結ホルダー102,103に嵌挿させるだけで自動的にロックレバー7が作用して引き抜き力に対してロックレバー7の当接部7aが前板105の下端に干渉するため支持金具1が緊結ホルダー102,103から脱落することがない。
・フック金具11の形状は上記に限定されるものではない。例えば上記フック金具11では第1及び第2のフック部11a,11bが一体化されていたが、別々に構成することも自由である。
・金具本体2の形状やロック機構の一部であるロックレバー7の形状も上記に限定されるものではない。回動プレート9の形状も上記に限定されるものではない。
・フック金具11の形状は上記実施例では第1及び第2のフック部11a,11bは使用時に先端が上方を向くような構成であったが、先端が横〜斜め方向を向くような構成であっても構わない。
・防護シート側に形成された吊り下げ部としては上記実施例では鳩目Hであったが、他の手段で吊り下げ部を構成することも自由である。
・支柱のサイズや緊結ホルダー102,103のサイズとして上記は一例である。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (3)
- 仮設足場を構成する支柱であって、180度対向して同じ高さに配置された一対の第1の緊結ホルダーと、同両第1の緊結ホルダーと垂直方向に上下幅分がずれるとともに同両第1の緊結ホルダーと90度ずれて180度対向して同じ高さに配置される一対の第2の緊結ホルダーからなる緊結ポジションを有する支柱の同第1又は第2の緊結ホルダーに装着される防護シート用支持金具において、
前記第1又は第2の緊結ホルダーに対して嵌脱可能な金具本体と、
同第1又は第2の緊結ホルダーに対して同金具本体が嵌挿された状態で同第1又は第2の緊結ホルダー側と係合して同金具本体を抜け止めするロック機構と、
防護シート側に形成された吊り下げ部に挿通されて同防護シートを吊り下げ支持する上下二段の第1及び第2のフック部を備えるとともに同金具本体に対して回転可能に支持され同両フック部の配置位置を上下反転可能とする回動部材とを備え、
前記金具本体を前記第1の緊結ホルダーに嵌挿させた際の前記第1のフック部の水平位置と、前記回動部材を回動させた状態で同金具本体を前記第2の緊結ホルダーに嵌挿させた際の前記第2のフック部の水平位置が同じであるようにしたことを特徴とする防護シート用支持金具。 - 前記回動部材は前記金具本体を前記第1又は第2の緊結ホルダーに嵌挿させた状態で同ホルダーと干渉して同回動部材の回動を規制する回動規制手段を有することを特徴とする請求項1に記載の防護シート用支持金具。
- 前記回動部材は前記金具本体に対して回動軸を中心に回動自在に取着され、同可動軸よりも同回動部材の重心が下方に存在しなおかつ同回動軸と同重心とを結ぶ線分が重力方向である場合に前記第1のフック部は同回動部材の下方位置に配置されるとともに前記第2のフック部は同可動軸を挟んだ同回動部材の上方位置に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の防護シート用支持金具。
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