JP2008260442A - 車両用冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムにおいて、車室の乗員が感じる、ウォータポンプの動作音による不快な騒音を低減することができるようにする。
【解決手段】車両用冷却システム40は、電動機冷却系52の冷却水の温度に基づいて電動機用ウォータポンプ58の回転速度を変更して冷却水の流量を制御する制御部66を有する。制御部66は、冷却水の流量を変更するとき(S120)、ラジエータファン62の風量を増加させる(S140)。風量の増加により、ラジエータファン62の動作音が大きくなり、車室の騒音も大きくなるので、乗員が感じる、電動機用ウォータポンプ58の動作音による不快な騒音を低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムに関し、特に冷却水を循環させるポンプの流量を調節可能なシステムに関する。
車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムが知られている。この車両用冷却システムは、通常、冷却水の放熱を行うラジエータと、このラジエータと原動機を接続した循環路と、この循環路に冷却水を循環させるウォータポンプとを有する。このウォータポンプの動作により、ラジエータで放熱された冷却水が原動機に流れると、原動機と冷却水との間で熱交換が行われるので、原動機が冷却される。
下記特許文献1には、原動機として内燃機関と電動機を有するハイブリッド車両に搭載され、内燃機関を冷却する内燃機関冷却用の循環路と、電動機及びインバータを冷却する電動機・インバータ冷却用の循環路との2種の異なる循環路を有する車両用冷却システムが記載されている。この車両用冷却システムにおいては、電動機・インバータ冷却用の循環路を流れる冷却水の温度に基づいてその循環路に設けられたウォータポンプが駆動制御、すなわちポンプの回転速度が制御されることが示されている。この回転速度の制御により、冷却水の流量が調整されて、効果的に電動機・インバータを冷却することができる。
特開2005−224042号公報
上記特許文献1の車両用冷却システムにおいては、電動機・インバータ冷却用の循環路を流れる冷却水の流量を変更する場合、その循環路に設けられたウォータポンプの回転速度を変化させている。回転速度が変化する範囲に、ウォータポンプを支持する支持部材などの構造体を共振させる共振周波数領域が含まれる場合、回転速度の変化中において、構造体の共振による音が発生する。この共振による音を含むウォータポンプの動作音は、室内の騒音が低い状態、例えば停車中のとき、車室の乗員に不快感を与えてしまう可能性がある。
本発明の目的は、車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムであって、車室の乗員が感じる、ウォータポンプの動作音による不快な騒音を低減することができる車両用冷却システムを提供することにある。
本発明は、車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムであって、原動機は電動機を含み、電動機に対応して設けられ、冷却水の放熱を行う電動機用ラジエータと、前記電動機用ラジエータに空気を送るラジエータファンと、電動機と前記電動機用ラジエータとに冷却水を循環させるウォータポンプと、冷却水の温度に基づいて前記ウォータポンプの回転速度を変更して冷却水の流量を制御する制御部と、を有し、 前記制御部は、冷却水の流量を変更制御するとき、前記ラジエータファンの風量を増加させることを特徴とする。
また、原動機は、さらに内燃機関を含み、内燃機関に対応して設けられ、冷却水の放熱を行う内燃機関用ラジエータを有し、前記ラジエータファンは、前記内燃機関用ラジエータにも空気を送ることができる。
また、本発明は、内燃機関と電動機とにより駆動されるハイブリッド車両に搭載され、内燃機関と電動機とを、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムであって、電動機に冷却水を循環させるウォータポンプと、電動機に循環する冷却水の温度に基づいて前記ウォータポンプの回転速度を変更して、冷却水の流量を制御する制御部と、内燃機関に対応して設けられ、冷却水の放熱を行う内燃機関用ラジエータと、前記内燃機関用ラジエータに空気を送るラジエータファンと、を有し、前記制御部は、電動機に循環する冷却水の流量を変更制御するとき、前記ラジエータファンの風量を増加させることを特徴とする。
本発明の車両用冷却システムによれば、車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムであって、車室の乗員が感じる、ウォータポンプの動作音による不快な騒音を低減することができる。
以下、本発明に係る車両用冷却システムの実施形態について、図面に従って説明する。なお、一例として、内燃機関と電動機の出力により走行する車両、すなわちハイブリッド車両を挙げ、この車両に搭載される車両用冷却システムについて説明する。なお、本発明は、ハイブリッド車両に限らず、電動機のみを原動機とする車両に搭載された車両用冷却システムにも適用できる。
まず、本実施形態に係る車両用冷却システム40を搭載するハイブリッド車両10の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両用冷却システム40と、それを搭載するハイブリッド車両10との概略構成を示す図である。
ハイブリッド車両10は、原動機として内燃機関12と、第一の電動機(以下、第一MGと記す)14と、第二の電動機(以下、第二MGと記す)16とを有する。原動機12,14,16には、これらの動力を分配、統合する動力分配統合機構18が接続されている。この動力分配統合機構18には、ギア機構20、終減速機構22を介して駆動輪24が接続されている。各原動機12,14,16の動力は、動力分配統合機構18により統合された後に、ギア機構20、終減速機構22を介して駆動輪24に伝達され、ハイブリッド車両10が走行する。ギア機構20は、動力分配統合機構18の出力軸の回転速度を変える機構である。終減速機構22は、左右の駆動輪24の回転差を吸収する差動機構を含む。
ハイブリッド車両10は、走行状態に応じて内燃機関12と第一及び第二MG14,16の出力を制御することにより、様々な態様の運用を行うことができる。例えば、内燃機関12または第二MG16のどちらか一方で走行する、内燃機関12と第二MG16とを協調して走行する、また内燃機関12の出力の一部により第一MG14で発電を行うなど様々な態様の運用を行うことができる。さらに、減速時において、駆動輪24から入力されるハイブリッド車両10の運動エネルギにより第二MG16で回生発電を行うことを許容することもできる。
第一及び第二MG14,16は、第一及び第二インバータ26,28を介してバッテリ30にそれぞれ電気的に接続されている。第一MG14と第一インバータ26とは、三相交流用のケーブル32を介して接続され、第一インバータ26とバッテリ30とが直流用のケーブル34を介して接続されている。また、第二MG16と第二インバータ28とは、三相交流用のケーブル32を介して接続され、第二インバータ28とバッテリ30とが直流用のケーブル34を介して接続されている。バッテリ30に蓄えられた直流電力は、第一及び第二インバータ26,28により三相交流電力に変換された後に、第一及び第二MG14,16に供給され、これらのMG14,16を駆動する。また、第一及び第二MG14,16により発電された三相交流電力は、第一及び第二インバータ26,28により直流電力に変換された後に、バッテリ30に送られ、バッテリ30に蓄えられる。
ハイブリッド車両10は、各原動機12,14,16を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システム40を有している。この車両用冷却システム40は、内燃機関12を冷却する内燃機関冷却系42と、各MG14,16及び各インバータ26,28を冷却する電動機・インバータ冷却系(以下、電動機冷却系と記す)52とを含む。内燃機関冷却系42と電動機冷却系52には、冷却水が循環する循環路がそれぞれ別個に形成されている。
内燃機関冷却系42には、内燃機関12と、これに対応して設けられた内燃機関用ラジエータ46とを接続し、冷却水が循環する内燃機関用循環路44が形成されている。この循環路44には、冷却水を循環させる内燃機関用ウォータポンプ48が設けられている。このウォータポンプ48には、内燃機関12のクランクシャフト(図示せず)がベルト(図示せず)を介して接続されている。内燃機関12の動力が、クランクシャフト、ベルトを介して内燃機関用ウォータポンプ48に伝達され、このウォータポンプ48を駆動する。内燃機関用ウォータポンプ48の駆動により、内燃機関用ラジエータ46で放熱された冷却水が内燃機関12に流れ、これと冷却水との間で熱交換が行われるので、内燃機関12が冷却される。
一方、電動機冷却系52には、各MG14,16及び各インバータ26,28と、これらに対応して設けられた電動機用ラジエータ56とを接続し、冷却水が循環する電動機用循環路54が形成されている。この循環路54には、冷却水を循環させる電動機用ウォータポンプ58が設けられている。このウォータポンプ58は、電動ポンプであり、駆動用モータ(図示せず)が電動機用ウォータポンプ58を調節可能に駆動する。このウォータポンプ58の駆動により、電動機用ラジエータ56で放熱された冷却水が各MG14,16と各インバータ26,28に流れ、それらと冷却水との間で熱交換が行われるので、各MG14,16と各インバータ26,28が冷却される。
ハイブリッド車両10は、車室用の空気調和装置(図示せず)に対応して設けられ、冷却媒体(冷媒)の放熱を行うコンデンサ64を有する。このコンデンサ64と各ラジエータ46,56とは、一体となって一体化ラジエータ68を構成する。この一体化ラジエータ68には、これに空気を送るラジエータファン62が取り付けられている。ラジエータファン62は、電動ファンであり、駆動用モータ(図示せず)がラジエータファン62を調節可能に駆動する。ラジエータファン62の駆動により、一体化ラジエータ68に空気が送られ、効果的に冷却水及び冷媒が放熱される。ラジエータファン62から一体化ラジエータ68に空気が送られる状態とは、ラジエータファン62から一体化ラジエータ68に向けて空気が送り出される状態と、一体化ラジエータ68からラジエータファン62に空気が吸い込まれる状態のことである。
車両用冷却システム40は、各冷却系42,52の冷却水の温度に応じて車両用冷却システム40を適切な動作状態に制御する制御部66を有する。制御部66には、車両用冷却システム40が所定の動作状態になるように調節する各種調節部が接続されている。各種調節部は、例えば、電動機用ウォータポンプ58とラジエータファン62との駆動用モータである。また、制御部66には、各冷却系42,52の冷却水の温度を検出する温度センサが接続されている。その温度センサは、内燃機関用温度センサ50と電動機用温度センサ60である。内燃機関用温度センサ50は、内燃機関用循環路44に設けられ、この循環路44を流れる冷却水の温度TEを検出する。電動機用温度センサ60は、電動機用循環路54に設けられ、この循環路54を流れる冷却水の温度THを検出する。また、制御部66には、冷媒圧力センサ(図示せず)が接続されている。冷媒圧力センサは、コンデンサ64に接続される冷媒系の流路(図示せず)に設けられ、この流路を流れる冷媒の圧力Pを検出する。
制御部66は、各冷却系42,52の冷却水の温度とラジエータファン62の回転速度とを対応づけたマップを記憶している。すなわち、制御部66は、冷却水の温度TEとラジエータファン62の回転速度とを対応づけたマップと、冷却水の温度THとラジエータファン62の回転速度とを対応づけたマップとを記憶している。これらのマップから、冷却水の温度TEに対応するラジエータファン62の回転速度と、冷却水の温度THに対応するラジエータファン62の回転速度とがそれぞれ設定される。また、制御部66は、冷媒の圧力Pとラジエータファン62の回転速度とをそれぞれ対応づけたマップを記憶している。このマップから、冷媒の圧力Pに対応するラジエータファン62の回転速度が設定される。制御部66は、冷却水の温度TE,TH及び冷媒の圧力Pに基づいて設定された3つのラジエータファン62の回転速度から最も大きい値の回転速度を選択する。この回転速度が現状の回転速度と異なる場合、制御部66は、選択された回転速度を示す制御信号をラジエータファン62に出力する。その制御信号により、ラジエータファン62の回転速度が変更され、ラジエータファン62の風量が変更される。例えば内燃機関冷却系42の負荷が大きくなり、冷却水の温度TEが高温になった場合、より大きい値のラジエータファン62の回転速度が設定され、その回転速度が選択され、ラジエータファン62が制御される。この制御により、ラジエータファン62の風量が増大し、一体化ラジエータ68の放熱量が向上するので、効果的に内燃機関冷却系42の負荷を処理することができる。一方、各冷却系42,52及び冷媒系の負荷が小さくなり、冷却水の温度TE,THが低温かつ冷媒の圧力Pが低圧になった場合、ラジエータファン62の駆動用モータの電力消費量を考慮して、回転速度が小さくなるようにラジエータファン62が制御される。
また、制御部66は、冷却水の温度THと電動機用ウォータポンプ58の回転速度とを対応づけたマップとを記憶している。このマップから、冷却水の温度THに対応する電動機用ウォータポンプ58の回転速度が設定される。制御部66は、冷却水の温度THに基づいて設定された電動機用ウォータポンプ58の回転速度が現状の回転速度と異なる場合、制御部66は、設定された回転速度を示す制御信号を電動機用ウォータポンプ58に出力する。その制御信号により、電動機用ウォータポンプ58の回転速度が変更され、冷却水の流量が変更される。電動機冷却系52の負荷が大きくなり、冷却水の温度THが高温になった場合、より大きい値の電動機用ウォータポンプ58の回転速度が設定され、そのウォータポンプ58が制御される。この制御により、電動機用ウォータポンプ58の流量が増大し、各MG14,16及び各インバータ26,28からの吸熱量と、電動機用ラジエータ56の放熱量とが向上するので、効果的に電動機冷却系52の負荷を処理することができる。一方、電動機冷却系52の負荷が小さくなり、冷却水の温度THが低温の場合、電動機用ウォータポンプ58の駆動用モータの電気消費量を考慮して、回転速度が小さくなるように電動機用ウォータポンプ58が制御される。
次に、電動機冷却系52における制御部66の冷却水量制御動作について図を用いて説明する。図2は、電動機冷却系52における制御部66の冷却水量制御動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS100において、電動機用温度センサ60から冷却水の温度THが検出され、ステップS110においては、検出された冷却水の温度THに基づいて電動機用ウォータポンプ58の回転速度が設定される。
ステップS120において、現状の電動機用ウォータポンプ58の回転速度を変更するか否かが判定される。ステップS110により設定された回転速度と、現状の回転速度とが異なる場合、現状の回転速度を変更すると判定され、ステップS130に移行する。一方、ステップS110により設定された回転速度と、現状の回転速度とが同じ場合、現状の回転速度は適正であると判定され、制御動作が終了する。
次に、ステップS130では、ラジエータファン62の風量を増加することができる否かが判定される。現状のラジエータファン62の回転速度が最大値、すなわち出力が100%のとき、風量を増加することができないと判定され、ステップS150に移行する。一方、現状のラジエータファン62の出力が100%未満の場合、風量を増加することができると判定され、ステップS140において、ラジエータファン62の回転速度が増加され、風量が増加される。風量の増加期間は、一時的であり、少なくとも電動機用ウォータポンプ58の回転速度の変更動作が完了するまでの期間である。
ステップS150において、電動機用ウォータポンプ58の回転速度が設定された回転速度に変更され、冷却水の流量が変更されて、制御動作が終了する。
本実施形態に係る車両用冷却システム40によれば、電動機冷却系52の冷却水の流量を変更するとき、ラジエータファン62の風量を増加させる。ラジエータファン62の風量の増加により、ラジエータファン62の動作音が大きくなるので、冷却水の流量を変更するときに車室の乗員が感じる、電動機用ウォータポンプ58の動作音による不快な騒音を低減することができる。
次に、別の態様の車両用冷却システム70について図3を用いて説明する。図3は、別の態様の車両用冷却システム70と、それを搭載するハイブリッド車両10との概略構成を示す図である。なお、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
車両用冷却システム70には、内燃機関用ラジエータ72に対応する内燃機関用ラジエータファン76と、電動機用ラジエータ74に対応する電動機用ラジエータファン78とが設けられている。
制御部80は、冷却水の温度TEと内燃機関用ラジエータファン76の回転速度とを対応づけたマップと、冷却水の温度THと電動機用ラジエータファン78の回転速度とを対応づけたマップとを記憶している。これらのマップから、冷却水の温度TEに対応する内燃機関用ラジエータファン76の回転速度と、冷却水の温度THに対応する電動機用ラジエータファン78の回転速度とがそれぞれ設定される。以下、内燃機関用ラジエータファン76の風量制御について説明するが、電動機用ラジエータファン78の風量制御についても同様とすることができる。冷却水の温度TEに基づいて設定された内燃機関用ラジエータファン76の回転速度が現状の回転速度と異なる場合、制御部80は、設定された回転速度を示す制御信号を内燃機関用ラジエータファン76に出力する。その制御信号により、内燃機関用ラジエータファン76の回転速度が変更され、そのラジエータファン76の風量が変更される。内燃機関冷却系82の負荷が大きくなり、冷却水の温度TEが高温になった場合、より大きい値の内燃機関用ラジエータファン76の回転速度が設定され、そのラジエータファン76が制御される。この制御により、内燃機関用ラジエータファン76の風量が増大し、内燃機関用ラジエータ72の放熱量が向上するので、効果的に内燃機関冷却系82の負荷を処理することができる。一方、内燃機関冷却系82の負荷が小さくなり、冷却水の温度TEが低温になった場合、内燃機関用ラジエータファン76の駆動用モータの電力消費量を考慮して、回転速度が小さくなるように内燃機関用ラジエータファン76が制御される。
次に、電動機冷却系84における制御部80の冷却水量制御動作について図を用いて説明する。図4は、電動機冷却系84における制御部80の冷却水量制御動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、電動機用温度センサ60から冷却水の温度THが検出され、ステップS210においては、検出された冷却水の温度THに基づいて電動機用ウォータポンプ58の回転速度が設定される。
ステップS220において、現状の電動機用ウォータポンプ58の回転速度を変更するか否かが判定される。ステップS210により設定された回転速度と、現状の回転速度とが異なる場合、現状の回転速度を変更すると判定され、ステップS230に移行する。一方、ステップS210により設定された回転速度と、現状の回転速度とが同じ場合、現状の回転速度は適正であると判定され、制御動作が終了する。
次に、ステップS230では、内燃機関用ラジエータファン76の風量を増加することができる否かが判定される。現状の内燃機関用ラジエータファン76の回転速度が最大値、すなわち出力が100%のとき、風量を増加することができないと判定され、ステップS250に移行する。一方、現状の内燃機関用ラジエータファン76の出力が100%未満の場合、風量を増加することができると判定され、ステップS240において、内燃機関用ラジエータファン76の回転速度が増加され、風量が増加される。風量の増加期間は、一時的であり、少なくとも電動機用ウォータポンプ58の回転速度の変更動作が完了するまでの期間である。
ステップS250において、電動機用ウォータポンプ58の回転速度が設定された回転速度に変更され、冷却水の流量が変更されて、制御動作が終了する。
本実施形態に係る車両用冷却システム70によれば、電動機冷却系84の冷却水の流量を変更するとき、内燃機関用ラジエータファン76の風量を増加させる。内燃機関用ラジエータファン76の風量の増加により、内燃機関用ラジエータファン76の動作音が大きくなるので、冷却水の流量を変更するときに車室の乗員が感じる、電動機用ウォータポンプ58の動作音による不快な騒音を低減することができる。
本実施形態では、電動機冷却系84の冷却水の水量が変更制御されるとき、風量を増加させるラジエータファンが内燃機関用ラジエータファン76である場合について説明したが、この構成に限定されるものではない。動作音が大きくなるのであれば、電動機用ラジエータファン78であっても、これと内燃機関用ラジエータファン76との両方であってもよい。
上記各実施形態では、電動機用ウォータポンプ58の回転速度が変更されるとき、ラジエータファンの風量を増加させる場合について説明したが、この構成に限定されるものではない。構造体を共振させる共振周波数領域を通過して電動機用ウォータポンプ58の回転速度が変更されるときに限って、ラジエータファンの風量を増加させてもよい。風量の増加により、ラジエータファンの動作音が大きくなるので、車室の乗員が感じる、共振により発生した音による不快な騒音を低減することができる。なお、共振周波数領域は、予め実験的に求めることができる。
本実施形態に係る車両用冷却システムと、それを搭載するハイブリッド車両との概略構成を示す図である。 電動機冷却系における制御部の制御動作例を示すフローチャートである。 別の態様の車両用冷却システムと、それを搭載するハイブリッド車両との概略構成を示す図である。 電動機冷却系における制御部の別の制御動作例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ハイブリッド車両、12 内燃機関、14 第一MG、16 第二MG、40,70 車両用冷却システム、42,82 内燃機関冷却系、46,72 内燃機関用ラジエータ、48 内燃機関用ウォータポンプ、52,84 電動機冷却系、56,74 電動機用ラジエータ、58 電動機用ウォータポンプ、62 ラジエータファン、66,80 制御部、76 内燃機関用ラジエータファン、78 電動機用ラジエータファン。

Claims (3)

  1. 車両を駆動する原動機を、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムであって、
    原動機は電動機を含み、
    電動機に対応して設けられ、冷却水の放熱を行う電動機用ラジエータと、
    前記電動機用ラジエータに空気を送るラジエータファンと、
    電動機と前記電動機用ラジエータとに冷却水を循環させるウォータポンプと、
    冷却水の温度に基づいて前記ウォータポンプの回転速度を変更して冷却水の流量を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、冷却水の流量を変更制御するとき、前記ラジエータファンの風量を増加させる、
    ことを特徴とする車両用冷却システム。
  2. 請求項1記載の車両用冷却システムにおいて、
    原動機は、さらに内燃機関を含み、
    内燃機関に対応して設けられ、冷却水の放熱を行う内燃機関用ラジエータを有し、
    前記ラジエータファンは、前記内燃機関用ラジエータにも空気を送る、
    ことを特徴とする車両用冷却システム。
  3. 内燃機関と電動機とにより駆動されるハイブリッド車両に搭載され、内燃機関と電動機とを、冷却水を介して冷却する車両用冷却システムであって、
    電動機に冷却水を循環させるウォータポンプと、
    電動機に循環する冷却水の温度に基づいて前記ウォータポンプの回転速度を変更して、冷却水の流量を制御する制御部と、
    内燃機関に対応して設けられ、冷却水の放熱を行う内燃機関用ラジエータと、
    前記内燃機関用ラジエータに空気を送るラジエータファンと、
    を有し、
    前記制御部は、電動機に循環する冷却水の流量を変更制御するとき、前記ラジエータファンの風量を増加させる、
    ことを特徴とする車両用冷却システム。
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CN109723532A (zh) * 2019-02-27 2019-05-07 吉林大学 一种基于双循环冷却回路的工程车辆智能热调控系统

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