JP2008258465A - セラミック多層基板の製造方法およびセラミックグリーン積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割用切り込み溝の精度に優れたセラミック多層基板の製造方法とセラミックグリーン積層体を提供する。
【解決手段】セラミック多層基板の製造方法であって、金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに前記金属刃がセラミックグリーン積層体に対して接触する位置を検出する。
【選択図】図3
【解決手段】セラミック多層基板の製造方法であって、金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに前記金属刃がセラミックグリーン積層体に対して接触する位置を検出する。
【選択図】図3
Description
本発明は、セラミック多層基板に関するもので、特にセラミックグリーン積層体およびセラミック多層基板の製造に関するものである。
今日、LSI・チップ部品等は小型化・薄型化が益々進んでおり、これらを実装する配線基板も小型化・薄型化が望まれている。このような要求に対して、基板内に内部電極等を配したセラミック多層基板は、要求される高密度配線が可能となり、かつ薄型化が可能なことから、携帯電話等の移動体通信端末機器の分野などにおいて、アンテナスイッチモジュール、PAモジュール基板、フィルタ、チップアンテナ、各種パッケージ部品等の種々の電子部品を構成するのに広く用いられている。
上記セラミック多層基板は、電子部品、半導体集積回路等を高密度に搭載すべく、以下のように形成される。低温焼成セラミック材料:LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)からなるセラミックグリーンシートにビアホールを開け、その穴に導体を充填し、シート表面には回路を構成する電極パターンを印刷形成し、これらのシートを複数枚積層し、圧着して未焼成のセラミック多層基板(セラミックグリーン積層体)を形成する。
その後これを焼成し、多くの場合はさらにメッキ処理を行う。その後リフローハンダ技術を用いて必要な受動部品を搭載したり、チップ搭載機やワイヤボンディング装置などを用いて半導体部品を搭載することで機能部品として完成する。セラミック多層集合基板から複数個の小片への分割は、焼成後やメッキ後に行っても良いが、その後の取り扱いが煩雑になるため、受動部品や半導体部品を搭載した後に行うことが合理的である。
その後これを焼成し、多くの場合はさらにメッキ処理を行う。その後リフローハンダ技術を用いて必要な受動部品を搭載したり、チップ搭載機やワイヤボンディング装置などを用いて半導体部品を搭載することで機能部品として完成する。セラミック多層集合基板から複数個の小片への分割は、焼成後やメッキ後に行っても良いが、その後の取り扱いが煩雑になるため、受動部品や半導体部品を搭載した後に行うことが合理的である。
セラミック多層集合基板から複数個の小片への分割方法にはさまざまな方法があり、特許文献1(特許第2856045号公報)では切込溝をカッターや回転するダイヤモンドソーで形成し、焼成後に溝に沿って分割する方法について述べている。特許文献2(特開2004−179556号公報)ではレーザパルス光を照射してセラミック基板に複数の楕円が連続するような溝を形成する方法を説明し、溝を上方から見た時の形状について説明している。
セラミック多層集合基板で製品を多数個取りする目的で焼結後の分割を行う方法としては焼結後のセラミック多層基板にダイシングなど砥石を用いる切削加工を行うことも可能であるが、切削液による汚染の問題や、それを防ぐための保護カバー脱着、汚れを除去する洗浄と乾燥などを必要とし、工程が煩雑になるという問題もある。また、砥石の加工しろを設けなければならないので僅かながら基板面積が無駄になってしまうという問題がある。このようなことより、分割用切込み溝の形成手段としては、未焼結状態の、つまり生状態のセラミックグリーン積層体の表面に金属刃を有する切断およびまたは切り込み加工装置により縦横に切り込み溝を設けることが広く行われている。通常セラミック多層集合基板の寸法は縦横50〜300mm、厚さは0.25〜3mmであることが多い。縦横寸法は大きいほど、一つのセラミック多層基板から得られる製品数が多くなり、製品1個あたりの製造コストを低減することに役立つ。厚さは製品の薄型化要求など用途と設計によって主に決まるものであり、製造コストから誘導するものではない。分割用切り込み溝の形成手段としては、通常は未焼結状態の、つまり生状態のセラミックグリーン積層体の表面に金属刃を有する切断およびまたは切り込み加工装置により縦横に切り込み溝を設けることが行われている。
ところで、このようなセラミック多層基板を用いる製品の小型および薄型化が進み、その厚みが1mm以下、殊に0.25〜0.6mm程度の場合が多くなる中で、分割用の切り込み溝は0.04から0.1mm程度の深さで溝の長さ方向全体にわたり精密かつ均一に制御することが重要となっている。浅いほどその制御が困難であるとともに、分割工程で製品の正しい境界位置で割れない場合があり、反対に溝が深すぎては後の工程で取り扱い中に不所望にも割れてしまう場合がある。また、部分的に適切な深さの溝が形成されていてもその深さが実際には不均一になっていることがあり、セラミック多層基板の溝深さを均一に制御することは重要かつ困難な問題となってきている。
前記溝の好適な構成に関しては、特許文献3(特開2004−200627号公報)ではセラミック基板の分割用切り込み溝交差部と非交差部で異なる深さにすることで分割が確実に行われると同時に不所望なクラックを防止できることを示している。また、特許文献4(特開2003−249755号公報)では焼成後分割用切り込み溝の焼成肌部分の厚み方向幅が0.01から1mmにわたること、および未焼成のセラミックグリーン積層体においても同様に0.01から1mmの切り込みを形成することを述べ、分割用切り込み溝深さの適正な値を説明している。
分割用切り込み溝の深さはセラミック多層基板厚みの1/10乃至1/6程度が適切である。切り込み溝が浅すぎては分割し難くなったり、分割線が所定の製品境界線から逸脱してしまう、逆に溝が深すぎるときには後の製造工程やハンドリング時に不所望にも割れてしまうことがある。このような問題は、特に薄いセラミックス多層基板の場合に顕著になる。すなわちセラミック多層基板の厚みが0.4mmの時には、その厚みの1/10乃至1/6に相当する溝深さは約0.04mm乃至0.07mmの非常に浅いものになり、その深さを精密に制御しなければいけない。溝の加工深さは金属刃がセラミックグリーン積層体に接触する点を基準点として、そこから押し込まれる相対移動距離を管理することで制御が可能である。ところが分割用切り込み溝を加工する前のセラミックグリーン積層体には0.1mm程度かそれ以上の反りやうねりのあることが通常であるため、金属刃がセラミックグリーン積層体に接触する基準点の検出自体が難しく、ひいては切り込み溝深さの精密制御も誤差が多くなるため、加工の高精度化はたいへん困難なものとなる。
また、セラミックグリーン積層体の寸法は通常、縦横50〜300mmであるため、多数個取りのセラミックグリーン積層体を加工するときには、切込み溝加工装置内の加工テーブルおよび/または金属刃をその平面内で50〜300mm平行移動させて複数の切り込み加工を行う必要がある。さらに切込み溝加工装置内の加工テーブルを90度回転させて、交差する方向の切込み溝を同様に50〜300mmにわたって複数本加工することで一連の加工が終了する。このように加工テーブルや金属刃を50〜300mm平行移動させたり、90度回転させる機械動作のなかで、金属刃と加工テーブルおよびそこに搭載されたセラミックグリーン積層体を常に一定の水平面内に保持することは困難である。機械動作には水平面の傾斜変化などにより高さ方向のわずかなズレを伴い、その値はしばしば0.1mmを容易に超えてしまう。したがって切り込み溝の深さをセラミックグリーン積層体全体で、たとえば0.04mm乃至0.07mmの間から選ばれた一定の値で均一に制御することは困難であった。上記公知文献では溝の構成を開示するに留っており、溝の深さ制御の問題や溝の長さ方向にわたる均一性制御の問題を解決できる手段が望まれていた。
本発明はセラミック多層基板の製造において分割用切り込み溝を形成するときに、その分割用切り込み溝が比較的浅い場合でも、基板全体にわたって必要な深さで均一に形成し、また複数の基板にわたり、ひいては複数の基板製造ロットにわたり分割用切り込み溝が安定して必要な深さに形成できる製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、そのような製造方法を適用するために適したセラミックグリーン積層体を提供することをも目的とするものである。
本発明のセラミック多層基板の製造方法は、金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部の非回路形成部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに前記金属刃がセラミックグリーン積層体に対して接触する位置を検出することを特徴とする。前記金属刃がセラミックグリーン積層体の表面周辺端部に設けられたダミー導体に食い込み始めると、これらの間で電気的導通が生じるため、導通状態の変化を監視すればそれをもとに金属刃とセラミックグリーン積層体の接触点を判定することができる。このときの位置はその後分割用切り込み溝加工を行う時の基準点として利用することができる。ここで、非回路形成部とは、セラミックグリーン積層体において最終的に製品となる回路を形成していない部分をいう。また、ダミー導体とは、最終製品のセラミック多層基板において本質的な電気回路としての機能を持たない導体、すなわち、電気回路としての機能を持たないか、電気信号回路としての機能を持たない電源回路の一部程度の機能か、構造体を固定する機械的な機能か、最終組み立て時に液状樹脂の流れを制御するような機能しか有していないような導体をいう。
前記ダミー導体は、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部から10mm以下の範囲に設けられていることが望ましい。本発明で導通状態の変化を監視するためのダミー導体は金属刃によって切断されたり接触によって傷つけられたりするので、最終的に製品にならない部分に設けることが好ましい。通常セラミックグリーン積層体の周辺端部は製造工程中のつかみしろなど、最終的には製品にならず捨てる部分になる場合が多い。該部分は一定量必要とされるが、ダミー導体を周辺端部から大きく離れて形成するとそれだけ非回路形成部を大きくしなければならず、それが大きくなると製品の取り数が減ってしまう。したがって、ダミー導体は、前記範囲に設けることが好ましい。さらに、非回路形成部もセラミックグリーン積層体の表面周辺端部から10mm以下とすることが好ましい。最終的には製品にならず捨てる部分と非回路形成部を対応させて、該非回路形成部を前記範囲とすることで、工程上の無駄を省くことができる。
また、前記セラミック多層基板の製造方法において、前記ダミー導体が前記セラミックグリーン積層体の両主面に設けられ、かつ導体で充填されたビア電極を介して相互に電気的に接続されていることが好ましい。かかる構成によれば、金属刃とセラミックグリーン積層体との導通を、金属刃と接する側とは反対側の主面から検出することができるので、一方の主面だけで金属刃の接触と導通の検出を行う場合に比べて、ダミー導体を形成する領域を小さくすることができる。さらに、検出のための測定部品の構成を簡素化することが可能となる。
さらに、前記セラミック多層基板の製造方法において、導通状態を監視するためのダミー導体をセラミックグリーン積層体表面の少なくとも一辺に沿って複数設けることもさらに有効である。複数のダミー導体のうち、最も離れたダミー導体のそれぞれと金属刃との導通状態の変化を監視することで、セラミックグリーン積層体と金属刃との平行度を確認することが可能になるからである。セラミックグリーン積層体と金属刃との平行度を確認するためには複数のダミー導体相互の距離は離れているほうが好都合であり、その距離はセラミックグリーン積層体の該当する辺の長さの1/3以上であることが望ましい。ここで、ダミー導体相互の距離は互いに最も近接している内端同士の距離である。
前記ダミー導体を形成する方法としては、前記ダミー導体をセラミックグリーン積層体に印刷する形成方法が好適である。セラミックグリーン積層体の片側の面においては導通状態を監視するためのダミー導体はセラミックグリーンシートに製品パターンを印刷するとき同時に形成することができる。セラミックグリーン積層体の反対側の面においては、グリーンシートを必要枚数積層してグリーン積層体となした後、反対面に印刷形成することが容易で安定な方法である。
また、本発明に係る他のセラミック多層基板の製造方法は、金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の周辺端部の非回路形成部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに切り込み加工終了の判定を行うことを特徴とする。該セラミック多層基板の製造方法は、金属刃による分割用切り込み溝の加工深さを精密に制御する方法を提案するものである。セラミックグリーン積層体を構成する複数のセラミックグリーンシートの周辺端部の非回路形成部に内部ダミー導体を設けることにより、金属刃がその層に到達したときダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、その導通状態をもとに金属刃がセラミックグリーン積層体に対して押し込まれた深さを知り、加工終了点を正しく判定することが可能になる。このときセラミックグリーン積層体表面に設けたダミー導体で求めた基準位置との差を数値管理することで以後同じ方向に平行に加工する溝の深さを制御すればよい。
また、そのようなセラミックグリーン積層体内部のダミー導体は表面のダミー導体同様に最終的に製品にならない部分、具体的には周辺端部の非回路形成部に設けることが好ましい。さらにダミー導体はセラミックグリーン積層体の周辺端部から10mm以下の範囲に設けることが好ましい。ダミー導体を周辺端部から大きく離れて形成するとそれだけ非回路形成部を大きくしなけらばならず、それが大きくなると製品の取り数が減ってしまう。したがって、ダミー導体は、前記範囲に設けることが好ましい。さらに、非回路形成部もセラミックグリーン積層体の表面周辺端部から10mm以下とすることが好ましい。
さらに、前記セラミック多層基板の製造方法において、前記内部ダミー導体が前記セラミックグリーン積層体内部の複数の層に設けられていることが好ましい。切り込み加工深さを精密制御するためには、加工がある層までは達しているが、その次の層までは達していないことをあわせて条件判定しなければならないことがあり、そのようなときには複数の内部ダミー導体が設けられていると好都合である。
さらに、セラミックグリーン積層体の内部に設けるダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視するためには、内部に設けられたダミー導体は導体で充填されたビア電極に接続され、表面のダミー導体に接続されていることが実用的で望ましい。導通状態を監視するため何らかの測定系と接続するためには略平板状の表面で行うことが最も容易で確実だからである。内部ダミー導体に係る該構成は、金属刃とセラミックグリーン積層体の接触点を判定するための表面ダミー導体に係る前記構成とともに用いることもできる。
本発明のセラミックグリーン積層体は、略矩形のセラミックグリーン積層体の周囲四辺のうち少なくとも一辺側において、前記セラミックグリーン積層体の端部の非回路形成部に、少なくとも一方の主面に形成された一方の表面ダミー導体および/または他方の主面に形成された他方の表面ダミー導体とを有していることを特徴とする。表面ダミー導体をセラミックグリーン積層体の主面に設けることによって、導通状態監視による加工装置の金属刃とセラミックグリーン積層体との位置判定に、前記表面ダミー導体を用いることができる。該ダミー導体は導通確認用のダミー導体を用いることが好ましい。導通確認用の場合、一つの主面に形成されたダミー導体単独で導通測定系との接続ができるだけの大きさ、長さを有するか、他の面のダミー導体と接続された構造を有する構成とする。主面に該表面ダミー導体は金属刃によって切断されたり接触によって傷つけられたりするので、最終的に製品にならない部分、すなわち非回路形成部に設けることが好ましい。通常セラミックグリーン積層体の周辺端部は、製造工程中のつかみしろなど製造工程に不可避な部分が存在する。該部分と非回路形成部を対応させ、かかる部分に前記表面ダミー導体を設けることによって、製造上のロスを少なくすることができる。該部分は一定量必要とされるが、ダミー導体を周辺端部から大きく離れて形成するとそれだけ非回路形成部を大きくしなけらばならず、それが大きくなると製品の取り数が減ってしまう。したがって、ダミー導体は、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部から10mm以下の範囲に形成することが好ましい。さらに、非回路形成部もセラミックグリーン積層体の表面周辺端部から10mm以下とすることが好ましい。金属刃とセラミックグリーン積層体との導通状態を監視するための測定系の接続のためには所定の領域が必要とされるが、表面ダミー導体は、セラミックグリーン積層体の端部から7mm以下の範囲に形成することがより好ましい。それによって、非回路形成部も端部から7mm以下としてセラミックグリーン積層体からの製品の取り数を増やすことができる。
また、前記一方の表面ダミー導体と、前記他方の表面ダミー導体とを電気的に接続するビア電極を有していることが好ましい。両主面に形成されたダミー導体を接続することによって、一方の表面ダミー導体を金属刃とセラミックグリーン積層体との接触に、他方の表面ダミー導体を導通の検出に用いることができるので、一方の主面だけで金属刃の接触と導通の検出を行う場合に比べて、ダミー導体を形成する領域を小さくすることができる。
さらに、前記セラミックグリーン積層体において、前記一方の表面ダミー導体および/または前記他方の表面ダミー導体と前記ビア電極を介して電気的に接続された内部ダミー導体を備えていることが好ましい。かかる構成によれば、セラミックグリーン積層体と金属刃の接触点の判定と、押し込み加工終了点の判定とが行えるセラミックグリーン積層体を提供することができる。
さらに、前記セラミックグリーン積層体において、前記一方の表面ダミー導体および/または前記他方の表面ダミー導体が前記一辺側に沿って、離間して複数設けられていることが好ましい。該構成を用いれば、該複数のダミー導体のそれぞれと金属刃との導通状態の変化を監視することで、セラミックグリーン積層体と金属刃との平行度を確認することが可能となる。
さらに、前記セラミックグリーン積層体において、前記離間して複数設けられている表面ダミー導体および/または内部ダミー導体が複数の離間したビア電極と接続された複数の導体電極群をなしており、前記導体電極群が互いに電気的に独立していることが好ましい。該構成によれば、導通状態を監視する測定・検出を容易かつ確実に行うことができる。すなわち、電気的に独立であれば、前記導体電極群に金属刃が接触するまでの開放状態と、接触したときの導通状態を比較するための容易な測定で十分である。しかし電気的に独立でない時には、前記導体電極群に金属刃が接触するまで、および接触したとき、ともに導通状態であり、その値の差を雑音に比較して十分に大きくすることが困難になるからである。
さらに、前記セラミックグリーン積層体において、複数設けられた前記一方の表面ダミー導体または他方の表面ダミー導体のうち、最も離れたダミー導体間の距離が前記一辺の長さの1/3以上であることが好ましい。セラミックグリーン積層体と金属刃との平行度を確認するためには複数のダミー導体相互の距離は離れているほうが好都合であり、その距離はセラミックグリーン積層体の該当する辺の長さの1/3以上であることが望ましい。
本発明によれば、金属刃を用いて切断および/または分割用切り込み溝加工を行うとき、その加工精度を従来よりも大幅に向上させることが可能となる。
以下、本発明のセラミック多層基板の製造方法およびセラミック多層基板について説明する。図1はセラミック多層基板の製造過程を説明するための一例を示す断面図である。工程順序や材料は一例を示しただけで、必ずしも下記である制約は無く、また複数の工程を同時に実施してもよい。場合によっては、不要となる工程は実施しない場合もある。図2はセラミック多層基板の製造方法によって得られるセラミック多層集合基板の斜視図の一例である。ここで、セラミック多層集合基板とは、同一機能を有する小片のセラミック多層基板が複数形成されているものである。但し、セラミック多層基板の小片数は任意である。
図1に従って、セラミック多層集合基板の一実施例について、低温焼成可能なセラミック材料およびそれに適した導電体材料等を用いる低温焼成セラミックシステムを適用する場合について説明するが、アルミナを主成分として1100℃以上の高温で焼成する材料システムにおいても本発明の効果は同様に発揮される。まず、低温焼成可能なセラミック材料の粉末とガラス成分の粉末及び有機バインダ、可塑剤、溶剤の混合物からなるスラリーを有機キャリアフィルム(PETフィルム)上にドクターブレード法により所望の厚さ、およそ10〜200μmに形成して、複数の基板用グリーンシート1a、1b、1c、1d、1eおよび1fを準備する。尚、低温焼成可能なセラミックでなるグリーンシートの作製はドクターブレード法に限定されず、例えば圧延法、押し出し法、印刷法等によって作製することもできる。また、用いる低温焼結可能なセラミック材料としては、800〜1000℃で銀などの導体ペーストと同時焼成できるセラミック材料であって、所謂LTCCセラミックスなら何でも使用できる。一例としては、主成分であるAl、Si、Sr、TiをそれぞれAl2O3、SiO2、SrO、TiO2に換算したとき、Al2O3:10〜60質量%、SiO2:25〜60質量%、SrO:7.5〜50質量%、TiO2:20質量%以下(0を含む)であり、その主成分に対して、副成分として、Bi、Na、K、Coの群のうちの少なくとも1種をBi2O3換算で0.1〜10質量%、Na2O換算で0.1〜5質量%、K2O換算で0.1〜5質量%、CoO換算で0.1〜5質量%含有し、更に、Cu、Mn、Agの群のうちの少なくとも1種をCuO換算で0.01〜5質量%、MnO2換算で0.01〜5質量%、Agを0.01〜5質量%含有し、その他不可避不純物を含有している混合物を一旦700℃〜850℃で仮焼し、これを粉砕して得られる平均粒径0.6〜2μmの微粉砕粒子からなる誘電体磁器組成物を挙げることができる。
上記基板用グリーンシート1a、1b、1c、1d、1eおよび1fに適宜ビアホールを形成し、ビアホールにAg等の導体ペーストを充填してビア導体3を作製する。また所望の基板用グリーンシートの表面に同じ導体ペーストで導体パターン2を印刷により5〜35μm厚さに形成する。これらの導体パターンによりインダクタ、伝送線路、コンデンサ、グランド電極、さらに周辺端部付近の非回路形成部には本発明によるところの導通状態を監視するためのダミー導体等を形成する。前記導体パターンは上記ビア導体により接続して適宜回路を構成する。尚、所望の基板用グリーンシートとは、セラミック多層基板の回路設計の必要に応じてビア導体3や導体パターン2を形成するグリーンシートをいう。この例では、全ての基板用グリーンシートにビア導体や導体パターンを形成した。
次に、ビア導体3及び/又は導体パターン2を形成した複数の基板用グリーンシート1a、1b、1c、1d、1eおよび1fをプレスによる圧着、キャリアフィルムの剥離工程を繰り返して積層し未焼結セラミックグリーン積層体7を作製する。先ず、未焼結セラミックグリーン積層体7の表層となる基板用グリーンシート1aを、固定用フィルム上にセットし、上側の金型で所定の圧力、温度、時間でプレスし圧着する。例えば、圧力10〜50kg/cm2(0.98〜4.9MPa)、温度30〜60℃、時間3〜15秒である。熱圧着上下の金型はヒーターを内蔵した単純な平板形状でよい。プレスによる圧着が終わると、基板用グリーンシート1aのキャリアフィルムを剥離する。この時、グリーンシートは固定用フィルムに強固に固定されており、キャリアフィルムの剥離に際して一緒に剥離されることはない。次に、第2層目の基板用グリーンシート1bを積層する。基板用グリーンシート1bには、内層に所定の内部回路を構成する導体パターン2が印刷されている。基板用グリーンシート1bの主面が第1層の基板用グリーンシート1aに当接するようにセットし、第1層の基板用グリーンシート1aの場合と同様に、プレスし圧着する。この時、プレス温度を印刷ペースト内の粘着剤が軟化固着する温度とすれば、加圧力により印刷部が相手側の基板用グリーンシートと接合する。従って、基板用グリーンシート同士は、印刷導体ペーストを介して結合される。また、電極が無くセラミック層同士が直接接触するところも、電極を介する場合と同様に軟化して固着し結合する。このときの圧着温度は粘着剤の種類にもよるが、通常40〜90℃程度である。接合強度は加圧力を変えることにより調整できる。圧着後、基板用グリーンシート1bのキャリアフィルムを剥離する。第3層の基板用グリーンシート1c以降は、第2層目の基板用グリーンシート1bの積層で述べたものと同様な一連の作業を繰り返す。また、積層体を強力に一体化させるために、さらに圧着工程を行ってもよい。図1の構成では6層としているが、積層数はこれに限定するものではなく、回路構成によって異なり10層以上の未焼結セラミックグリーン積層体とする場合もある。
この未焼結多層セラミック体の上下面(基板表面)に、適宜Agを主体とする導体ペーストを用いて、表面電極4、また基板表面の周辺端部付近の非回路形成部には本発明によるところの導通状態を監視するためのダミー導体6を印刷形成する。さらに基板表面の導体パターン4の周囲にはオーバーコート材5を形成する。このオーバーコート材の材質としては、焼結収縮特性や熱膨張特性が未焼結セラミックグリーン積層体の素材と近似していることが望ましい。例えば、基板用シートと同材質のスラリーにコート部分の視認性を向上するような機能を付与するための添加成分を加えたものが挙げられる。表面導体パターンの周縁にオーバーコートを被覆して電極被覆領域を形成することにより、表面の導体パターンの機械的保護と、後の工程で導体パターンの上に設けた半田が流れ出して他の回路と短絡するような不具合を防止することができる。尚、基体表面の導体パターンとオーバーコート材は必ずしも未焼結多層セラミック体の状態で設ける必要はなく、焼結後の多層セラミック体に対して形成するのでも良い。その後、CIP装置にて、9.8MPa〜39.2MPaの圧力で85℃で熱圧着し、各層が一体化した未焼結セラミックグリーン積層体7となす(図1)。
次に、図3に示すように、上記未焼結セラミックグリーン積層体7の表面(通常は上面と下面の両面)に金属刃により縦方向と横方向に交差する切り込み溝14を形成する。この分割用切り込み溝の数は、集合基板の大きさや製品基板のサイズによって異なる。回路を構成する導体パターンに悪影響がでない位置に、通常2〜30mm程度の距離を置いて切り込み溝を入れる。該切り込み溝の深さを精密に制御するためには深さ方向位置の基準点を正確に知る必要がある。表面周辺端部の非回路形成部に設けられたダミー導体に金属刃が接触するとき、ダミー導体と金属刃を介した導通状態が変化するため、そのときの位置を基準とすればよい。すなわち、セラミック多層基板の製造方法として、金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部の非回路形成部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに前記金属刃がセラミックグリーン積層体に対して接触する位置を検出する方法を採用する。かかる制御をするためには、セラミックグリーン積層体として、略矩形のセラミックグリーン積層体の周囲四辺のうち少なくとも一辺側において、セラミックグリーン積層体の端部の非回路形成部に、少なくとも一方の主面に形成された一方の表面ダミー導体および/または他方の主面に形成された他方の表面ダミー導体とを有しているものを用いればよい。さらに、前記ダミー導体は、端部から10mm以下の範囲に形成することが好ましい。また、前記非回路形成部も端部から10mm以下の範囲とすることが好ましい。前記範囲よりも広い領域を前提に全体を設計することも可能であるが、製品領域が狭くなり、取り数が少なくなるために経済的な効率が犠牲になる。反対にダミー導体の印刷範囲を狭くすることは経済的効率を高めることに結びつくが、ダミー導体の印刷範囲は大部分または全てが後の工程におけるハンドリング用つかみしろ等の目的で利用されるため、通常少なくとも3mm程度かそれ以上とすることが好ましい。ダミー導体の幅方向寸法は最も狭いところで1mm程度かそれ以上が好都合である。後に導通状態の変化を測定するときに、特別な位置決めをしなくとも測定プローブを容易に接触させることが可能になるからである。また、未焼結の導体は導電性が低くまた表面の接触抵抗も高い場合が多いが、ダミー導体の幅を前記範囲とすることにより、電気的接触と測定を確実にすることが容易になる。幅1〜3mm程度であれば、取り扱う人の目にも認識しやすくなり、最も望ましい。反対に10mmを超えるような広い幅で形成すると、コスト上好ましくない上、認識用に用いる場合には大きすぎる。ダミー導体の形状は、略矩形形状が実用的で好ましい。また、ダミー導体の形成位置は、略矩形のセラミックグリーン積層体の周囲四辺のうち少なくとも一辺側であればよく、複数の辺に沿って形成してもよい。例えば、対となる対向する二辺や全辺において、形成してもよい。
導通状態の変化を監視する電気信号の引き出し位置と接続方法は、セラミックグリーン積層体の構造や、切断および/または切り込み加工装置とその内部にある加工テーブルの材質と構造によって適切に選べばよい。具体的には、切断および/または切り込み加工装置の内部にある加工テーブルが実質的に絶縁性であれば、電気信号の引き出し位置はセラミックグリーン積層体の上面とし、接続にはプローブを使用することが好都合である。この場合、一方の主面に形成された一方の表面ダミー導体、または他方の主面に形成された他方の表面ダミー導体を金属刃との接触と電気信号の引き出しに用いる。表面ダミー導体が両主面に設けてあれば、セラミックグリーン積層体の両面で導通状態の監視による位置制御を行うことができる。他方の主面にも形成されているダミー導体に金属刃を接触させ、または食い込ませて導通状態の変化を監視することで基準位置の再確認を行うことは加工の高精度化のために有効な手段である。それまでの製造工程で温度や圧力、その他加工のいろいろな履歴が一方の面と他方の面で異なるため、表面付近の微小な湾曲や変形、さらに硬度などが異なっている場合があり、基準位置の検出に僅かな差が生じていることがあるためである。他にも、異なる材質のセラミックグリーンシートを積層し、表裏の主面に露出しているセラミック材料が異なるとき、それぞれの材料に応じ最適な溝深さが異なる場合があり、そのような時には基準位置の再確認を行うほうがより安定した製造工程制御を行うことができる。金属刃がダミー導体に接触したとき、ダミー導体に接触しているプローブを経由して導通が得られ、金属刃とプローブ間で導通状態の変化を監視することができる。反対に、切断およびまたは切り込み加工装置の内部にある加工テーブルが実質的に導電性であれば、電気信号の引き出し位置はセラミックグリーン積層体の下面でも良く、接続には必ずしもプローブを必要としない。この場合、一方の主面に形成された表面ダミー導体と他方の主面に形成された表面ダミー導体とを電気的に接続するビア電極を有するセラミックグリーン積層体を用いることが好ましい。金属刃が一方の表面ダミー導体に接触したとき、そのダミー導体からビア電極を通して他方の表面ダミー導体へ、さらに他方の表面ダミー導体から加工テーブルへと導通が得られ、金属刃と加工テーブル間で導通状態の変化を監視することができる。
また、金属刃が接触する表面ダミー導体が複数ある時には、それぞれの表面ダミー導体と金属刃とが接触する基準位置も複数生じることになるが、それら基準位置の差をセラミックグリーン積層体と金属刃との相対的な傾きとして扱い、それを元に金属刃の傾きを補正することで分割用切り込み溝はより均一かつ精密に加工できる。この場合、セラミックグリーン積層体としては一方の表面ダミー導体、および/または他方の表面ダミー導体が一辺側に沿って、離間して複数設けられている構成を用いればよい。傾きを知るためにはセラミックグリーン積層体の一辺に沿った複数の表面ダミー導体相互の距離は大きいほど有利であり、通常は離れているほうがより精度が高くなる。かかる観点からは、最も離れたダミー導体間の距離が積層体の辺の長さの1/3以上であることが望ましい。金属刃とセラミックグリーン積層体との平行性を容易に検出するためには2箇所の表面ダミー導体の相対的な距離は、より望ましくは積層体の辺の長さの1/2以上である。傾きの誤差は頻繁に生じるものではないので、通常は分割用切り込み溝加工の毎回ごとに行う必要はない。このように基準位置決定と、必要に応じて金属刃の傾きを補正したのち、実際の分割用切り込み溝の加工を行う。また、複数のダミー導体は、安定して形成でき、最終製品の特性や品質に影響せず、導通状態を監視する測定に供することができるならば異なる形状や寸法でも良く、またその要件を満たす範囲であれば2つが同一でなくても構わない。
まず、セラミックグリーン積層体内部の周辺端部近傍に設けられた導通状態を監視するための表面ダミー導体を横切ることができる位置に、金属刃と加工装置内の加工テーブルの水平面内での相対位置を概略調整し、先に決定した基準位置に調整する。こうして金属刃とセラミックグリーン積層体の表面は高い精度で接触する。
次に、予め設定した切り込み深さ設定値に従い金属刃と加工装置内加工テーブルの高さ方向相対距離を接近するように移動し、金属刃をセラミックグリーン積層体に食い込ませる。この場合において、前記一方の表面ダミー導体、および/または前記他方の表面ダミー導体と前記ビア電極を介して電気的に接続する内部ダミー導体を備えているセラミックグリーン積層体を用いれば以下のように切り込み量を高精度に制御することができる。具体的には、金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の周辺端部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに切り込み加工終了の判定を行う方法を採用する。接近する移動距離に対して、金属刃とセラミックグリーン積層体内層の周辺端部に設けられた内部ダミー導体とを介した導通状態は変化し、そのときの移動距離を設計上すでにわかっているセラミックグリーン積層体の層厚み構成と比較することで、実際の加工がどの層まで到達しているか、つまり加工の精度を正確に把握することができる。セラミックグリーン積層体の層厚み構成は必ずしも一定の間隔とは限らないが、所望の切り込み溝加工深さが概略正しい深さに到達しているか、何らかの原因で浅すぎるのかまたは深すぎるのかを確認することができる。内部ダミー導体は必ずしも全てのグリーンシートに対して行う必要はなく、厚さ10μmから20μm程度の薄いグリーンシートが連続して重なるような設計の製品では、1層おき、あるいは2〜3層おきに間引きしても構わない。ただし表面ダミー導体との電気的接続を得るための直径150μm程度のビア穴充填印刷は、穴加工を行ったグリーンシートの全てに対して行う必要がある。導通状態の変化を監視する電気信号の引き出し位置と接続方法を、セラミックグリーン積層体の構造や、切断および/または切り込み加工装置とその内部にある加工テーブルの材質と構造によって適切に選ぶ必要があることは基準位置の決定の場合と同様である。このような基準位置決定と分割用切り込み溝の高精度な加工は通常、セラミックグリーン積層体の表裏両面に対して実施されるが、片面だけに行う場合でも同様に高精度を実現することが可能である。また、離間して複数設けられている表面ダミー導体、および/または内部ダミー導体が複数の離間したビア電極と接続された複数の導体電極群をなしている場合、該導体電極群は互いに導通状態として用いることもできるが、互いに電気的に独立し、絶縁状態として用いることにより、導通状態を監視する測定・検出を容易かつ確実に行うことができるので好ましい。なお、使用する切断および/または切り込み加工装置は、本発明に係る機能以外は特に限定するものではない。例えば、加工テーブルと金属刃を有し、これらの相対的位置関係、具体的には加工テーブルの面に対する金属刃の高さを変えることによって切断加工や切り込み加工ができるものであればよい。また、加工テーブルに回転機構が備えられていれば、直交する溝を形成する場合などに、セラミックグリーン積層体を精度よく回転させることができる。また、金属刃は導電性を有していればよいが、高精度かつ安定に加工を行うためには硬質であることが好ましい。また、加工するセラミックグリーン積層体の一辺よりも刃渡りが大きいものを用いればよい。
次に、上記分割用切り込み溝加工が完了した積層体を焼成炉内で熱処理し拘束層のバインダの蒸発と燃焼を適宜行いながら未焼結多層セラミック体が焼結する温度である800〜1000℃で焼成を行いセラミック多層基板11を得る。ここで、低温焼成セラミック多層基板を製造する場合にはセラミック多層基板の寸法精度をさらに向上させるため焼結収縮を拘束する何らかの工夫を行い、拘束焼成工法を採ることも有効である。その場合には分割用切り込み溝を加工した後、アルミナのような800〜1000℃では焼結しないセラミック材料のグリーンシートを用意し、それをセラミックグリーン積層体の表裏に積層、圧着する。拘束用のグリーンシートは、200μm程度の厚いアルミナのグリーンシートでも良いが、厚いほどシートの乾燥に時間がかかる一方で、結果的に得られる拘束の効果にはあまり寄与しない。反対に30μmなどのように薄いときは、乾燥が早いため成形は容易であるが、強度が不足して取り扱いが難しく、またセラミックグリーン積層体の焼成収縮を拘束する力が不足する場合もあり、望ましくない。拘束用のグリーンシートは好ましくは100〜150μmである。その後焼成炉内で熱処理し拘束層のバインダの蒸発と燃焼を適宜行いながら未焼結多層セラミック体が焼結するよう800〜1000℃で焼成を行う。また、拘束焼成工法では焼成完了後のセラミック多層基板の表面にアルミナなど拘束層材料が付着しているためサンドブラスト処理や超音波洗浄等によりこれを取り除く。
上記のようにして得られるセラミック多層集合基板11の一例を図2に示す。このようにセラミック多層集合基板11には縦方向および横方向に分割用切り込み溝14が形成されており、この分割用切り込み溝に沿って破断して小片のセラミック多層基板を得ることができる。
分割用切り込み溝の深さは、セラミックグリーン積層体厚みの1/10〜1/6程度が適切である。1/10より浅いときには焼成後の分割で所望の分割境界線から外れるように非直線的な分割境界線となる場合があり、1/6より深いときには焼成中または焼成後に溝付近での強度が不足して不所望にも割れてしまうことがあるからである。
分割したときの側面形状は、分割用切り込み溝跡の切欠き部を有しており、セラミック多層基板の両面に分割用切り込み溝を形成した時には側面の中央部が凸になった段差形状に形成されている。このように凸状とすることによって、セラミック多層基板の側面の隅部の欠けや割れを防止することができる。このような側面は、多数個取りの際の分割によって形成されたもので、基板の1つの側面のみが分割によって形成された場合にはその1つの側面に、基板の2側面が分割によって形成された場合にはその2側面に、基板の3側面あるいは4側面が分割によって形成された場合にはその3側面あるいは4側面に切欠き部を有している。また、切り込み溝で焼結後に分割した場合は、側面の一部は焼結肌で、側面の他の部分が破断面となる。
(実施例1)
Al2O3:48質量%、SiO2:38質量%、SrO:10質量%、TiO2:4質量%を主成分とし、さらに主成分に対して、Bi2O3:2.5質量%、Na2O:2質量%、K2O:0.5質量%、CuO:0.3質量%、MnO2:0.5質量%を含む組成のセラミック材を800℃×2時間で仮焼きし、これを微粉砕した平均粒径約1μmのセラミック粉100質量部に対して有機バインダとしてPVBを15質量部、可塑剤としてDOP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))を10質量部加えて、更に溶剤として、エタノールとブタノールの混合物を使用し、ボールミルにて20時間分散した。得られたスラリーを、減圧下にて脱泡し一部溶剤を揮発させて、ドクターブレード法にてシート成形した。得られた基体用グリーンシートを、キャリアフィルムとともに所定の大きさに裁断し、所定の位置にビア穴加工を行った。ビア穴の直径は30から150μmの範囲で選ばれる。今日のような集積度の高いセラミック多層基板においては、特にその中でも直径40から80μmが好適である。次にビア穴配置を目印にしながら位置合わせを行い、所定の導体パターンをAgペーストを用いてスクリーン印刷して形成した。
Al2O3:48質量%、SiO2:38質量%、SrO:10質量%、TiO2:4質量%を主成分とし、さらに主成分に対して、Bi2O3:2.5質量%、Na2O:2質量%、K2O:0.5質量%、CuO:0.3質量%、MnO2:0.5質量%を含む組成のセラミック材を800℃×2時間で仮焼きし、これを微粉砕した平均粒径約1μmのセラミック粉100質量部に対して有機バインダとしてPVBを15質量部、可塑剤としてDOP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))を10質量部加えて、更に溶剤として、エタノールとブタノールの混合物を使用し、ボールミルにて20時間分散した。得られたスラリーを、減圧下にて脱泡し一部溶剤を揮発させて、ドクターブレード法にてシート成形した。得られた基体用グリーンシートを、キャリアフィルムとともに所定の大きさに裁断し、所定の位置にビア穴加工を行った。ビア穴の直径は30から150μmの範囲で選ばれる。今日のような集積度の高いセラミック多層基板においては、特にその中でも直径40から80μmが好適である。次にビア穴配置を目印にしながら位置合わせを行い、所定の導体パターンをAgペーストを用いてスクリーン印刷して形成した。
セラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、同時に該グリーンシートの一辺沿いに端部から約0.5mm部分から始まり、面の内側に向かうように長さ約9mmにわたる表面ダミー導体6を印刷形成した。グリーンシート端部から測った実際の表面ダミー導体の印刷範囲としては、印刷スクリーンをセットする時の位置ズレや印刷自体のにじみ等ばらつき要因がしばしば加わり、必ずしも精密には決まらない。本実施例では上記ばらつき要因を加えて最大でも10mm弱に制御できた。該表面ダミー導体は9mm×1.5mmの略矩形である。そのほかの層、すなわち内層に相当するグリーンシートに対しても導体パターンのスクリーン印刷を行ったが、本実施例ではこれらに対してはどの辺に沿っても端部付近にはダミー導体を設けなかった。印刷後全てのグリーンシートを適宜35℃に保持した温風循環式乾燥オーブン中で約5時間乾燥した。前記基体用グリーンシートの各層を順次、位置合わせ後、約50℃、圧力40kg/cm2(3.9MPa)で熱圧着し、仮圧着状態の積層体を得た。積層体全体を表裏反転後、他方の表面に導体パターンをスクリーン印刷で形成した。該他方の表面には内層と同様にダミー導体を設けなかった。該他方の表面に印刷した導体パターンをグリーンシートの時と同様に適宜温風で乾燥し、さらに必要に応じて表面導体パターンの一部には絶縁性のオーバーコートペーストを印刷し、やはり同様に適宜温風で乾燥を行った。このようにして一体化された本実施例のセラミックグリーン積層体は一方の表面の一辺に沿って、ただ一つの表面ダミー導体を有している。図4は表面ダミー導体の形成状態を示す模式図である。
CIP装置にて100kg/cm2(9.8MPa)、85℃で熱圧着し、各層と全ての表面が一体化した未焼結セラミックグリーン積層体を得た後に、金属刃により積層体の表面に分割用切り込み溝を形成した。なおCIP後セラミックグリーン積層体の寸法は約90×95mm、厚さ0.9mmで、この場合適切な分割用切り込み溝深さは0.15mmである。本実施例において所望の完成製品寸法は8×6mmであるが、焼成収縮前のグリーン体寸法では10×7.5mmであり、約80×95mmのCIP後セラミックグリーン積層体の中に7×10個が格子状に並ぶように配置されている。このセラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工装置内の加工テーブル上に搭載した。ダミー導体を設けた主面が上、設けていない他方の主面が加工テーブルに接触する下側である。CIP工程を経たセラミックグリーン積層体は硬化し、微視的には脆くなっているため以後の加工工程での破損を防ぐために金属刃およびまたは加工テーブルを30〜80℃程度の温度に保温しておくと具合が良い。
次に溝形成を行った。図8を参照しつつ、溝形成の工程を説明する。図8はセラミックグリーン積層体7の主面を見た図である。図中の点線は金属刃の接触位置を示す。導通を測定するためのプローブを一方の表面の非回路形成部15に形成されたダミー導体6に接触させた。接触位置は長さ約9mmの表面ダミー導体の積層体中心寄りで、導体端部から1mmほどの位置にした。このプローブは測定用電源と導通検出回路を経て切り込み加工用金属刃に接続した。積層体上でダミー導体の形成されている一辺と平行に、その端部から約2.5mm内側寄りの位置Aにて前記金属刃を徐々に厚み方向に接近させ、さらに接触を経て食い込ませるように移動して、その接近移動量を測定しながらダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視した。金属刃を徐々に接近させるときの速度は0.3〜3m/分の範囲が適切である。ここで便宜上、このときの加工方向をY方向と呼ぶことにする。さて、導通状態ははじめ開放であったり、10数Ωであったり、不安定であったが、やがて金属刃が安定してダミー導体に接触する位置に至るとともに11Ωで安定した。この位置を基準位置として制御装置に記憶させた。さらに、予め別に記憶させた加工テーブル高さまで金属刃を押し下げ、セラミックグリーン積層体のY方向の一辺を直線的に切りそろえた。本実施例では、以後導通を測定する必要が無いため、ここで測定用プローブを取り除く。続いて金属刃をその厚み方向、つまりX方向に7.5mm平行移動(位置A→位置B)し、先に記憶させた基準位置まで刃を移動しセラミックグリーン積層体の新たな表面に接触させ、さらに深くなる方向へと移動を続けて適切な溝深さである0.15mm押し込み、1本めの分割用切り込み溝加工を完了した。先に切りそろえた直線的端部と1本めの分割用切り込み溝との間の領域は、後のハンドリング用つかみしろになる。引き続き金属刃をX方向に10mmのピッチで平行移動し(位置B→位置C)、同様の動作を繰り返すことで2本めの分割用切り込み溝加工を完了する。1本めと2本めの分割用切り込み溝の間の領域は、最終製品領域となる。このような動作を8本めまで繰り返し、最後に金属刃をX方向に7.5mm平行移動し、別に予め記憶させた加工テーブル高さまで金属刃を押し下げ、セラミックグリーン積層体7の最初の一辺と対向するもう一辺を直線的に切りそろえ、Y方向の加工を完了した。
刃を持ち上げ加工テーブルを90度回転し、次にX方向の加工を同様に行った。こちらの方向には表面にダミー導体を形成していないため、基準位置は最初に記憶した数値をそのまま用いた。なおX方向の加工では最終製品の寸法がY方向とは異なり最終製品領域となる部分の幅7.5mmに相当するピッチで金属刃をY方向に送ること、配列数が異なるため11本めまで溝加工を繰り返すことを除いては、上述のY方向加工と同様である。次に表裏を反転して、他方の主面に対してY方向の分割用切り込み溝加工を行う。既に加工済みの一方の主面と同様であるが、こちらの面にはダミー導体が存在しないため導通を測定するためのプローブをセラミックグリーン積層体に接触させる必要は無い。またY方向の両端は既に先ほどの一方の面から切りそろえが済んでいるため、一本目の分割用切り込み溝加工から開始すればよい。つまり、切りそろえられた端部からX方向に7.5mm平行移動したところで、記憶させた基準位置まで刃を下降しセラミックグリーン積層体の新たな表面に接触させ、さらに移動を続けて適切な溝深さである0.15mm押し込み、分割用切り込み溝加工を完了すればよい。金属刃をX方向に10mmのピッチで平行移動しながら、同様の加工を8本目まで繰り返す。最後の切りそろえが必要ないことはやはり上述の場合と同様である。加工テーブルを90度回転し、X方向の分割用切り込み溝加工を同様に11本めまで繰り返し、回路形成部16に対して全ての分割用切り込み溝加工を完了した。
セラミックグリーン積層体に形成された分割用切り込み溝の深さを測定し所望の深さ0.15mmと比較した。そのために別途作製する試料の準備では予め300〜600℃の大気中で熱処理し、バインダなどの樹脂成分を蒸発させ、樹脂で固めてから断面を顕微鏡で観察、測定する方法をとった。最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.12mmと0.19mmであった。本実施例では加工テーブルが高さ方向で固定され、金属刃だけが上下に動くような方法を用いたが、反対に加工テーブルの高さを動かして金属刃を固定にしても、あるいは加工テーブルと金属刃の両方を高さ方向可動な構造にして実施することが可能である。この積層体を焼成炉内で約600℃に加熱することで脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて1時間保持し焼結体となした。この焼結体に付着した拘束層を超音波洗浄によって除去した後、Ni下地メッキ層を厚み5μmに形成し、続けて金メッキ層を厚み0.05μmに形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、小片のセラミック多層基板を得た。寸法8×6mmの小片セラミック多層基板取れ数は108個である。未焼結多層セラミック体の厚さと所望の分割用切り込み溝の深さ、本発明を適用して加工したときの分割用切り込み溝の深さを表2に示す。
分割用切り込み溝加工を完了したセラミックグリーン積層体を焼成炉内で約600℃に加熱することで脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて1時間保持し焼結体となした。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。
焼成後のセラミック多層基板の分割用切り込み溝評価項目は、切り込み溝に沿って分割したときの、破断のし易さを「良好(○)」あるいは「悪い(×)」で評価し、割れや欠け等の欠陥状況を「無し(○)」あるいは「有り(×)」で評価し、焼結後のハンドリング性を、「焼成後に割れるような異常が無いもの、あるいは焼成後の部品搭載時などに不所望な割れがないもの(○)」と「割れてしまったもの(×)」で評価した。なお、破断のし易さは破断に要する力の大小で判断した。評価結果を表1に示す。本実施例では分割したときの破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無かった。
(実施例2)
セラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、実施例1と同じように表面ダミー導体6を印刷形成した。ただし本実施例では表面ダミー導体相当位置に、予めレーザー加工でビア穴を形成した。そのほかの層、すなわち内層に相当するグリーンシートに対しても同様にして表面ダミー導体に接続するよう、すなわち積層体をなしたときに略同一投影面上で重なる位置に予めレーザー加工でビア穴を形成し、導体パターンのスクリーン印刷と同時にそのビア穴を充填するための印刷も行った。しかしながらその大きさはビア穴を充填するために必要十分な直径150μm程度の大きさと形状であって、表面ダミー導体のように数mmのような大きなものではない。つまり金属刃が分割用切り込み溝加工を行うときに、前記金属刃の内層における通過点にはダミー導体は存在しない。その後の乾燥や、積層は実施例1と同様である。積層体全体を表裏反転後、他方の表面に導体パターンをスクリーン印刷で形成した。このとき同時に、一方の表面ダミー導体から内層を経て他方の表面に露出しているビアを覆うように、ダミー導体9を形成した。このダミー導体の形状と寸法は一方の表面ダミー導体6と同一のものとした。他方の表面に印刷した導体パターンをグリーンシートの時と同様に適宜温風で乾燥し、さらに必要に応じて表面導体パターンの一部には絶縁性のオーバーコートペーストを印刷し、やはり同様に適宜温風で乾燥を行った。このようにして本実施例のセラミックグリーン積層体は図5に示すように、両方の主面において、共通する一辺に沿って、対向するように二つの表面ダミー導体を有し、それらは導体で充填されたビアを介して相互に電気的に接続されている。実施例1と同様にCIP工程を経た後、セラミックグリーン積層体の厚みは0.9mmであった。適切な分割用切り込み溝深さは0.15mmで実施例1と同様である。
セラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、実施例1と同じように表面ダミー導体6を印刷形成した。ただし本実施例では表面ダミー導体相当位置に、予めレーザー加工でビア穴を形成した。そのほかの層、すなわち内層に相当するグリーンシートに対しても同様にして表面ダミー導体に接続するよう、すなわち積層体をなしたときに略同一投影面上で重なる位置に予めレーザー加工でビア穴を形成し、導体パターンのスクリーン印刷と同時にそのビア穴を充填するための印刷も行った。しかしながらその大きさはビア穴を充填するために必要十分な直径150μm程度の大きさと形状であって、表面ダミー導体のように数mmのような大きなものではない。つまり金属刃が分割用切り込み溝加工を行うときに、前記金属刃の内層における通過点にはダミー導体は存在しない。その後の乾燥や、積層は実施例1と同様である。積層体全体を表裏反転後、他方の表面に導体パターンをスクリーン印刷で形成した。このとき同時に、一方の表面ダミー導体から内層を経て他方の表面に露出しているビアを覆うように、ダミー導体9を形成した。このダミー導体の形状と寸法は一方の表面ダミー導体6と同一のものとした。他方の表面に印刷した導体パターンをグリーンシートの時と同様に適宜温風で乾燥し、さらに必要に応じて表面導体パターンの一部には絶縁性のオーバーコートペーストを印刷し、やはり同様に適宜温風で乾燥を行った。このようにして本実施例のセラミックグリーン積層体は図5に示すように、両方の主面において、共通する一辺に沿って、対向するように二つの表面ダミー導体を有し、それらは導体で充填されたビアを介して相互に電気的に接続されている。実施例1と同様にCIP工程を経た後、セラミックグリーン積層体の厚みは0.9mmであった。適切な分割用切り込み溝深さは0.15mmで実施例1と同様である。
このセラミックグリーン積層体を、切断および切り込み加工を行う装置内の加工テーブルに搭載した。表面ダミー導体は概略、表裏が対称な構造をなしているので、最初にどちらの主面を上下どちらに向けて搭載しても構わない。導通を測定するためには、本実施例ではプローブを用いなかった。測定用電源と導通検出回路は一方が加工用金属刃に接続され、他方が加工テーブルに接続される。加工テーブルは直流的に導電性のある金属でできている。金属刃がダミー導体に接触したとき、そのダミー導体を介して加工テーブルまでが直列につながった短絡状態になるので導通状態の変化を検出することが可能になる。積層体上でダミー導体の形成されている一辺と平行に、その端部から約2.5mm内側寄りの位置にて前記金属刃を徐々に接近させ、さらに接触を経て食い込ませるように移動して、その接近移動量を測定しながらダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視した。便宜上、このときの加工方向をY方向と呼ぶことにする。導通状態ははじめ開放であったり、数Ωであったり、不安定であったが、やがて金属刃が安定してダミー導体に接触する位置に至るとともに4Ωにて安定した。この位置を基準位置として制御装置に記憶させた後、予め別に記憶させた加工テーブル高さまで金属刃を押し下げ、セラミックグリーン積層体のY方向の一辺を直線的に切りそろえた。以後、最初の主面におけるYX両方向の切り込み溝加工は実施例1と同様に完了した。
次に表裏を反転して、他方の主面に対してY方向の分割用切り込み溝加工を行う。そのとき基準位置を再確認するため最初に、他方の主面にも形成されているダミー導体に金属刃を接触させ、導通状態の変化を監視することで基準位置の再確認を行う。分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ、最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.13mmと0.18mmであった。こうして得られたセラミックグリーン積層体を焼成炉に入れて脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて保持し焼結体となした。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。分割用切り込み溝を評価したところ、分割したときの破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無かった(表1)。
(実施例3)
セラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、同時に該グリーンシートの一辺沿いに表面ダミー導体を印刷形成した。このとき表面ダミー導体を同じ一辺沿いに2箇所形成したことを除きそのほかの内容はCIP工程が完了するまで実施例1と全く同様にしてセラミックグリーン積層体を作製した。前記2箇所に形成したダミー導体は、両方とも実施例1と同じ寸法と形状にし、2箇所に形成した表面ダミー導体は互いに電気的絶縁状態とした。また、2箇所の表面ダミー導体の相対的な距離は、本実施例では、矩形(四角形状)をなしたセラミックグリーン積層体の短辺長さ約90mmに対して、2箇所の表面ダミー導体の相対的な距離は60mmとした。以下、本実施例では2箇所の表面ダミー導体を区別するときには便宜上、それぞれを表面ダミー導体A(図6中の6)、表面ダミー導体B(図6中の10)と呼ぶことにする。
セラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、同時に該グリーンシートの一辺沿いに表面ダミー導体を印刷形成した。このとき表面ダミー導体を同じ一辺沿いに2箇所形成したことを除きそのほかの内容はCIP工程が完了するまで実施例1と全く同様にしてセラミックグリーン積層体を作製した。前記2箇所に形成したダミー導体は、両方とも実施例1と同じ寸法と形状にし、2箇所に形成した表面ダミー導体は互いに電気的絶縁状態とした。また、2箇所の表面ダミー導体の相対的な距離は、本実施例では、矩形(四角形状)をなしたセラミックグリーン積層体の短辺長さ約90mmに対して、2箇所の表面ダミー導体の相対的な距離は60mmとした。以下、本実施例では2箇所の表面ダミー導体を区別するときには便宜上、それぞれを表面ダミー導体A(図6中の6)、表面ダミー導体B(図6中の10)と呼ぶことにする。
実施例1と同じ加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を搭載した。搭載するときの上下面の置き方は実施例1と同じである。続いて導通を測定するため2つののプローブを2箇所のダミー導体に接触させた。接触位置は実施例1と同様であるが、電気的に独立したダミー導体が2つあるため、測定系も独立して2回路必要である。2つのプローブと2回路の測定系も、以下では表面ダミー導体と同様に必要なときにはA、B記号をつけて区別することにする。同じ記号をつけたもの同士がそれぞれ組みになるよう設計した。実施例1と同様に金属刃を徐々に接近、さらに接触を経て食い込ませるように移動した。その接近移動量を測定しながらダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視したところ、A記号のついた系統がまだ絶縁状態のままであるにも関わらずBの系統は安定した導通になり、金属刃とセラミックグリーン積層体とが平行に、均一に接触していないことがわかった。本実施例の場合は金属刃の取り付け調整により前記平行性を調整したが、金属刃の支持部分に傾きを調整する機構を設ければ平行性の確認と調整、調整と再確認の自動制御を行うことは容易である。前記平行性の調整を実施した後は、実施例1とまったく同様にして端部を切りそろえるとともに、分割用切り込み溝加工を両主面に対して実施した。分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.13mmと0.17mmであった。更に同様にして焼成炉にて脱バインダ処理と焼結を行った。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。分割用切り込み溝を評価したところ、分割したときの破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無かった(表1)。
(実施例4)
実施例1と同様にセラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、同時に該グリーンシートの一辺沿いに端部から約0.5mm部分から始まり、面の内側に向かうように長さ約9mmにわたる表面ダミー導体6をも印刷形成した。ただし、本実施例では表面ダミー導体相当位置に、予めビア穴を形成した。そのほかの層、すなわち内層に相当するグリーンシートに対しても同様にして表面ダミー導体に接続するよう、すなわち積層体をなしたときに略同一投影面上で互いに重なるような位置に予めビア穴を形成し、導体パターンのスクリーン印刷と同時にそのビア穴充填印刷を兼ねる内部ダミー導体(図7中の12a,12b,12c,12d)印刷を行った。印刷後全てのグリーンシートを乾燥させ、乾燥後グリーンシートを積層し、他方の表面に導体パターンをスクリーン印刷で形成することは実施例1と同じである。他方の表面にも内層や一方の表面と同様にダミー導体9を設け、その後の乾燥やオーバーコート印刷などは実施例1と同様に行った。このようにして製造した本実施例のセラミックグリーン積層体は同じ一辺に沿った両方の表面にダミー導体を有し、さらに略同一投影面には内部ダミー導体も有し、これらは互いにビア導体を介して電気的に導通している。実施例1と同様にCIP工程を経た後、セラミックグリーン積層体の厚みは0.9mmであった。適切な分割用切り込み溝深さは0.15mmである。本実施例において所望の完成製品寸法は8×6mmであるが、焼成収縮前のグリーン体寸法では10×7.5mmであり、約80×95mmのCIP後セラミックグリーン積層体の中に7×10個が格子状に並ぶように配置されている。
実施例1と同様にセラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに対して導体パターンをスクリーン印刷するとき、同時に該グリーンシートの一辺沿いに端部から約0.5mm部分から始まり、面の内側に向かうように長さ約9mmにわたる表面ダミー導体6をも印刷形成した。ただし、本実施例では表面ダミー導体相当位置に、予めビア穴を形成した。そのほかの層、すなわち内層に相当するグリーンシートに対しても同様にして表面ダミー導体に接続するよう、すなわち積層体をなしたときに略同一投影面上で互いに重なるような位置に予めビア穴を形成し、導体パターンのスクリーン印刷と同時にそのビア穴充填印刷を兼ねる内部ダミー導体(図7中の12a,12b,12c,12d)印刷を行った。印刷後全てのグリーンシートを乾燥させ、乾燥後グリーンシートを積層し、他方の表面に導体パターンをスクリーン印刷で形成することは実施例1と同じである。他方の表面にも内層や一方の表面と同様にダミー導体9を設け、その後の乾燥やオーバーコート印刷などは実施例1と同様に行った。このようにして製造した本実施例のセラミックグリーン積層体は同じ一辺に沿った両方の表面にダミー導体を有し、さらに略同一投影面には内部ダミー導体も有し、これらは互いにビア導体を介して電気的に導通している。実施例1と同様にCIP工程を経た後、セラミックグリーン積層体の厚みは0.9mmであった。適切な分割用切り込み溝深さは0.15mmである。本実施例において所望の完成製品寸法は8×6mmであるが、焼成収縮前のグリーン体寸法では10×7.5mmであり、約80×95mmのCIP後セラミックグリーン積層体の中に7×10個が格子状に並ぶように配置されている。
このセラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工装置内の加工テーブル上に搭載した。加工テーブルの保温などは実施例1と同様である。導通を測定するためには、本実施例ではプローブを用いなかった。上下両主面の表面ダミー導体が相互に電気的に接続されているため、測定や導通状態を監視する手段と手順は実施例2と同様である。積層体上でダミー導体の形成されている一辺と平行に、その端部から約1.5mm内側寄りの位置にて前記金属刃を徐々に接近させ、さらに接触を経て食い込ませるように移動して、その接近移動量を測定しながらダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視した。便宜上、このときの加工方向をY方向と呼ぶことにする。導通状態ははじめ開放であったり、数Ωであったり、不安定であったが、やがて金属刃が安定してダミー導体に接触する位置に至るとともに4Ωへと安定した。この位置を基準位置として制御装置に記憶させた後、所望の分割用切り込み溝深さ0.15mmまで金属刃を押し下げた。それよりも浅い層にある内部ダミー導体を横切ったときには瞬間的に導通状態の変化を観測することができたため、何層目まで金属刃が到達したのかを容易に確認することができた。さらに予め別に記憶させた加工テーブル高さまでゆっくりと金属刃を押し下げY方向の一辺を直線的に切りそろえた。続いて金属刃をその厚み方向、つまりX方向に8.5mm平行移動し、先に記憶させた基準位置まで刃を移動しセラミックグリーン積層体の新たな表面に接触させ、さらに移動を続けて適切な溝深さである0.15mm押し込み、1本めの分割用切り込み溝加工を完了した。続く2本目以降の加工は実施例1と同様である。
次に表裏を反転して、他方の主面に対する加工を行った。端部から約1.0mm内側寄りの位置にて金属刃を徐々に接近させ、さらに接触を経て食い込ませるように接近移動させ移動量を測定しながらダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視した。導通状態の変化は最初の主面の時と同様に観測され基準位置の再確認を行い、続いて所望の分割用切り込み溝深さ0.15mmまで金属刃を押し下げた。最初の主面側からの加工の時と同様に浅い層にある内部ダミー導体を横切ったときには瞬間的に導通状態の変化を観測することができたため、何層目まで金属刃が到達したのかを容易に確認することができた。本実施例の場合には設計から予想されるとおりの層を横切ったところで導通状態の変化を確認できたが、予想よりも0.05mm程度異なったときなどには加工深さの設定値を修正することが望ましい。さらに予め別に記憶させた加工テーブル高さまでゆっくりと金属刃を押し下げY方向の一辺を直線的に切りそろえた。最初の主面に置けるY方向加工は端部から1.5mmのところから開始し、そこでいったん切りそろえたので、表裏反転後端部から約1.0mmでの切り落とし加工を追加して合計2.5mmを切り落としたことになり、切り落とし量は実施例1〜3と同様である。以後、他方の主面におけるYX両方向の切り込み溝加工は実施例1と同様に行って完了した。
分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.12mmと0.18mmであった。こうして得られたセラミックグリーン積層体を焼成炉に入れて脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて保持し焼結体となした。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μm金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。分割用切り込み溝を評価したところ、分割したときの破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無かった(表1)。
(比較例1)
グリーンシートへのビア穴加工やグリーンシートへの印刷を実施例2と同様に実施した。ただし本比較例では表面ダミー導体を全く設けず、それに相当する位置へのビア穴加工も行わなかった。さらにまた、本比較例では薄型製品を製作するため、使用したグリーンシートには実施例2よりも薄手の20〜40μmのものを多用し、全体の使用枚数も11枚に少なくした。そのほかは実施例2と同様である。CIP工程を経た後の、設計上のセラミックグリーン積層体厚みは0.45mmである。適切な分割用切り込み溝深さは0.07mmで、実施例2の半分以下である。加工用金属刃を加工テーブルに接触させ、最下点を確認した後、予めマイクロメーターで実測した積層体の厚み0.46mmを制御装置に入力して金属刃を上昇させ、そこを原点とした。セラミックグリーン積層体を加工テーブルに搭載し、積層体の端部から約2.5mm内側寄りの位置にて金属刃を最下点まで徐々に下降させ、セラミックグリーン積層体のY方向の一辺を直線的に切りそろえた。続いて1本目から8本目までの切り込み溝加工では、セラミックグリーン積層体の上面に相当する前記原点を基準にして、そこから0.07mm深さで切り込み加工を実施した。X方向および、他方の主面に対しても同様に、前記原点を基準に、そこから0.07mm深さの切り込み加工を繰り返した。分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.02mmと0.10mmであった。
グリーンシートへのビア穴加工やグリーンシートへの印刷を実施例2と同様に実施した。ただし本比較例では表面ダミー導体を全く設けず、それに相当する位置へのビア穴加工も行わなかった。さらにまた、本比較例では薄型製品を製作するため、使用したグリーンシートには実施例2よりも薄手の20〜40μmのものを多用し、全体の使用枚数も11枚に少なくした。そのほかは実施例2と同様である。CIP工程を経た後の、設計上のセラミックグリーン積層体厚みは0.45mmである。適切な分割用切り込み溝深さは0.07mmで、実施例2の半分以下である。加工用金属刃を加工テーブルに接触させ、最下点を確認した後、予めマイクロメーターで実測した積層体の厚み0.46mmを制御装置に入力して金属刃を上昇させ、そこを原点とした。セラミックグリーン積層体を加工テーブルに搭載し、積層体の端部から約2.5mm内側寄りの位置にて金属刃を最下点まで徐々に下降させ、セラミックグリーン積層体のY方向の一辺を直線的に切りそろえた。続いて1本目から8本目までの切り込み溝加工では、セラミックグリーン積層体の上面に相当する前記原点を基準にして、そこから0.07mm深さで切り込み加工を実施した。X方向および、他方の主面に対しても同様に、前記原点を基準に、そこから0.07mm深さの切り込み加工を繰り返した。分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.02mmと0.10mmであった。
こうして得られたセラミックグリーン積層体を焼成炉に入れて脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて保持し焼結体となした。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。分割用切り込み溝を評価したところ、分割したときの破断線はところどころ所望の境界線を逸脱したり蛇行していた。その蛇行線は表裏面で一致しないため、時には割れた状態に見える場合もあった。しかしながら焼結後のハンドリング時に不所望に割れることは無かった(表1)。
(実施例5)
グリーンシートへのビア穴加工やグリーンシートへの印刷を実施例2と同様に実施した。ただし本実施例では薄型製品を製作するため、使用したグリーンシートには比較例1同様に薄手の20〜40μmのものを多用し、全体の使用枚数も11枚に少なくした。そのほかは実施例2と同様である。CIP工程を経た後、設計上のセラミックグリーン積層体厚みは0.45mmである。適切な分割用切り込み溝深さは0.07mmであり、実施例2の半分以下である。製作した本実施例のセラミックグリーン積層体は両方の主面において、共通する一辺に沿って、対向するように二つの表面ダミー導体を有し、それらは導体で充填されたビアを介して相互に電気的に接続されている。このセラミックグリーン積層体に対する切断および切り込み加工手順、それに伴う表面ダミー導体と金属刃を介して導通状態を監視する手順は実施例2と同様である。分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.05mmと0.10mmであった。こうして得られたセラミックグリーン積層体を焼成炉に入れて脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて保持し焼結体となした。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。分割用切り込み溝を評価したところ、分割したときの破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無く(表1)、特に薄型のセラミック多層基板において本発明が有効であることが確認できた。
グリーンシートへのビア穴加工やグリーンシートへの印刷を実施例2と同様に実施した。ただし本実施例では薄型製品を製作するため、使用したグリーンシートには比較例1同様に薄手の20〜40μmのものを多用し、全体の使用枚数も11枚に少なくした。そのほかは実施例2と同様である。CIP工程を経た後、設計上のセラミックグリーン積層体厚みは0.45mmである。適切な分割用切り込み溝深さは0.07mmであり、実施例2の半分以下である。製作した本実施例のセラミックグリーン積層体は両方の主面において、共通する一辺に沿って、対向するように二つの表面ダミー導体を有し、それらは導体で充填されたビアを介して相互に電気的に接続されている。このセラミックグリーン積層体に対する切断および切り込み加工手順、それに伴う表面ダミー導体と金属刃を介して導通状態を監視する手順は実施例2と同様である。分割用切り込み溝の深さを実施例1と同じようにして測定したところ最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.05mmと0.10mmであった。こうして得られたセラミックグリーン積層体を焼成炉に入れて脱バインダ処理を行い、さらに昇温して900℃にて保持し焼結体となした。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。分割用切り込み溝を評価したところ、分割したときの破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無く(表1)、特に薄型のセラミック多層基板において本発明が有効であることが確認できた。
(実施例6)
LTCC多層基板の寸法精度をさらに高めるのに効果的な、いわゆる拘束焼成工法にて本発明の適用を試みた。使用したセラミックグリーン積層体用の材料や所定の導体パターンを形成するAgペーストは実施例1と同様であるが、面内で拘束されながら厚み方向に収縮する特有の熱挙動にあわせるため、Agペーストには無機酸化物やPd、またPtなどを添加することもしばしば有効である。そのほかに必要となる材料は焼成時、主面内での収縮を拘束する手段である。本実施例では拘束手段には800〜1000℃では焼結しない、かつ安価で入手しやすいアルミナのシートを用いた。アルミナ以外でも、800〜1000℃では焼結しないもので未焼結のセラミックグリーン積層体を面内で収縮させない機能があるものであればよい。平均粒径3μmのアルミナ原料粉に、有機バインダ、可塑剤、溶剤を加えたセラミックスラリーを作製し、これをドクターブレード法でキャリアフィルム上にシートを成形した。厚さは安定したシート成形が容易な125μmである。
LTCC多層基板の寸法精度をさらに高めるのに効果的な、いわゆる拘束焼成工法にて本発明の適用を試みた。使用したセラミックグリーン積層体用の材料や所定の導体パターンを形成するAgペーストは実施例1と同様であるが、面内で拘束されながら厚み方向に収縮する特有の熱挙動にあわせるため、Agペーストには無機酸化物やPd、またPtなどを添加することもしばしば有効である。そのほかに必要となる材料は焼成時、主面内での収縮を拘束する手段である。本実施例では拘束手段には800〜1000℃では焼結しない、かつ安価で入手しやすいアルミナのシートを用いた。アルミナ以外でも、800〜1000℃では焼結しないもので未焼結のセラミックグリーン積層体を面内で収縮させない機能があるものであればよい。平均粒径3μmのアルミナ原料粉に、有機バインダ、可塑剤、溶剤を加えたセラミックスラリーを作製し、これをドクターブレード法でキャリアフィルム上にシートを成形した。厚さは安定したシート成形が容易な125μmである。
セラミックグリーン積層体の一方の表面に相当するグリーンシートに導体パターンをスクリーン印刷するとき、同時に印刷形成する表面ダミー導体は8mm×1.5mmの略矩形とした。所望の積層数に相当する印刷を完了した後、積層とCIP工程を経てセラミックグリーン積層体を得た。次に金属刃により積層体の表面に分割用切り込み溝を形成した。なおCIP後セラミックグリーン積層体の寸法は約90×95mm、厚さ0.85mmで、拘束焼成工法を適用するこの場合には適切な分割用切り込み溝深さは0.10mmである。本実施例において所望の完成製品寸法は8×6mmであるが、拘束焼成工法では収縮前のグリーン体寸法もほとんど同一で8×6mmであり、約80×95mmのCIP後セラミックグリーン積層体の中に9×12個が格子状に並ぶように配置される。セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工装置内の加工テーブル上に搭載する時の操作は実施例1と同様である。
溝形成で実施例1と主に異なる点は、溝深さと送りピッチである。導通を測定するためのプローブを実施例1と同様に操作した。積層体上でダミー導体の形成されている一辺と平行に、その端部から約6mm内側寄りの位置にて前記金属刃を徐々に厚み方向に接近させ、さらに接触を経て食い込ませるように移動して、その接近移動量を測定しながらダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視したところ、抵抗値は11Ωで安定した。この位置を基準位置として制御装置に記憶させた。本実施例では実施例1と異なり、セラミックグリーン積層体の一辺を切り落とさず、基準位置から所望の0.10mm深さで加工を停止させた。これが1本めの分割用切り込み溝になる。この分割用切り込み溝よりも外側の領域は、アルミナシートによる拘束効果が曖昧な領域で寸法が不安定なので、後の焼成工程後廃棄する不要部である。続いて金属刃をその厚み方向、つまり実施例1で述べたのと同様にX方向へ3mm平行移動し、先に記憶させた基準位置まで刃を移動しセラミックグリーン積層体の新たな表面に接触させる。さらに深くなる方向へと移動を続けて適切な溝深さである0.10mm押し込み、2本めの分割用切り込み溝加工を完了した。1本めと2本めの分割用切り込み溝の間の領域は、上述の不要部を除去した後、工程中のつかみしろになる。引き続き金属刃をX方向に8mmのピッチで平行移動し、同様の動作を繰り返すことで3本めの分割用切り込み溝加工を完了する。このような動作を11本めまで繰り返し、最後に金属刃をX方向に3mm平行移動し、深さ0.10mmで12本目の溝加工を行いY方向の加工を完了した。11本目と12本目の分割用切り込み溝の間の領域は、上述の不要部を除去した後、工程中のつかみしろになる。また、12本目の分割用切り込み溝よりも外側の領域は、アルミナシートによる拘束効果が曖昧な領域で寸法が不安定なので、後の焼成工程後廃棄する不要部である。
刃を持ち上げ加工テーブルを90度回転し、次にX方向の加工を同様に行った。こちらの方向には表面にダミー導体を形成していないため、基準位置は最初に記憶した数値をそのまま用いた。なおX方向の加工では最終製品の寸法がY方向とは異なり、最初に端部から7mmの位置に一本目の加工を、さらにそこから4.5mmのところに2本目の加工を行い、以後14本めまでは最終製品領域となる部分の幅6mmに相当するピッチで金属刃をY方向に送ること、最後にもう一度4.5mm送り15本目の溝加工をすることを除いては、上述のY方向加工と全く同様である。X方向の加工では1本目と15本目の分割用切り込み溝よりも外側の領域が、アルミナシートによる拘束効果が曖昧で寸法が不安定な領域に相当し、後の焼成工程後廃棄する不要部である。また、1本目と2本目の分割用切り込み溝の間、および14本目と15本目の分割用切り込み溝の間の領域が不要部を除去した後の、工程中のつかみしろになる部分である。本実施例では分割用切り込み溝加工は片方の主面だけに対して行い、他方の主面には行わなかった。必要に応じて両面に対して行っても良いが、片方だけの時には表裏で分割用切り込み溝の相対的な位置ズレがないという利点がもたらされ、しばしば有効である。
セラミックグリーン積層体に形成された分割用切り込み溝の深さを測定し所望の深さ0.10mmと比較した、このときの測定手順は実施例1と同様である。最も浅い部分と深い部分はそれぞれ約0.08mmと0.11mmであった。分割用切り込み溝の加工を完了したセラミックグリーン積層体の両面に拘束用アルミナシートを搭載し、CIP装置にて300kg/cm2(29.4MPa)、85℃で熱圧着し拘束層と未焼結多層セラミック体を一体化した積層体を得た。焼成炉内での熱処理は実施例1と同様である。焼成完了後セラミック多層基板の表面に付着しているアルミナを取り除いた。その後表面電極上に厚み5μmのNi下地メッキ層を形成し、続けて厚み0.05μmの金メッキ層を形成した。さらに拘束効果が曖昧な最も外側の不要部領域を分割用切り込み溝に沿って折り、分離した。この不要部領域を分離する工程は、都合によってはメッキ工程の前に行っても良い。しかしながら先述のアルミナを取り除く操作では通常、純水などを使用する湿式工程が加わるので、不要部領域を折って分離する前にいったん清浄に乾燥し、折って分離した後再び湿式工程であるメッキに投入するという煩雑さが生じる。メッキの後、はんだペーストを印刷し、必要な部品を搭載後リフロー装置を通してはんだ付けを行った。はんだ付け完了後に分割用切り込み溝に沿って破断し、寸法8×6mmの小片セラミック多層基板を得た。
本実施例では分割溝を片方の主面だけに設けたが、破断性は良好で、割れや欠け等も無く、焼結後のハンドリング時にも不所望に割れることは無く、さらに加えて拘束焼成工法特有の高い寸法精度を得ることができた(表1)。
以上、実施例と比較例は、典型的な低温焼成セラミックシステムを用いた工法に基づいて記したが、本発明はそのほかにも低温焼成セラミックシステムの寸法精度を向上させる拘束焼成工法や、1100℃を越える中高温で焼成するセラミックシステムを用いた工法についても全く同様に適用し、その効果を発揮することが可能である。
1a〜1f:セラミックグリーンシート
2:内部電極
3:ビアホール
4:外部電極
5:オーバーコート層
6:表面ダミー導体
7:セラミックグリーン積層体
9:他方の表面ダミー導体
10:表面ダミー導体
11:セラミック多層集合基板
12a:内部ダミー導体
12b:内部ダミー導体
12c:内部ダミー導体
12d:内部ダミー導体
14:分割用切り込み溝
15:非回路形成部
16:回路形成部
2:内部電極
3:ビアホール
4:外部電極
5:オーバーコート層
6:表面ダミー導体
7:セラミックグリーン積層体
9:他方の表面ダミー導体
10:表面ダミー導体
11:セラミック多層集合基板
12a:内部ダミー導体
12b:内部ダミー導体
12c:内部ダミー導体
12d:内部ダミー導体
14:分割用切り込み溝
15:非回路形成部
16:回路形成部
Claims (16)
- 金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の表面周辺端部の非回路形成部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、
少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに前記金属刃がセラミックグリーン積層体に対して接触する位置を検出することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 前記ダミー導体が前記セラミックグリーン積層体の表面周辺端部から10mm以下の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記ダミー導体が前記セラミックグリーン積層体の両主面に設けられ、かつ導体で充填されたビア電極を介して相互に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記ダミー導体を前記セラミックグリーン積層体表面の少なくとも一辺に沿って複数設け、そのうち、最も離れたダミー導体間の距離が前記一辺の長さの1/3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記ダミー導体をセラミックグリーン積層体に印刷する形成方法で得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 金属刃を有する切断および/または切り込み加工装置内の加工テーブル上にセラミックグリーン積層体を載置し、セラミックグリーン積層体の周辺端部の非回路形成部に設けられたダミー導体に前記金属刃を接近および接触させて、その接近移動量を測定しながら前記セラミックグリーン積層体を切断または切り込み加工する工程を有し、
少なくとも前記ダミー導体と金属刃の双方を介した導通状態を監視し、前記導通状態をもとに切り込み加工終了の判定を行うことを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 前記ダミー導体が前記セラミックグリーン積層体内部の周辺端部の非回路形成部に設けられた内部ダミー導体であることを特徴とする請求項6に記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記内部ダミー導体が前記セラミックグリーン積層体内部の複数の層に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記内部ダミー導体が、導体で充填されたビア電極を介してセラミックグリーン積層体の表面に形成されたダミー導体に電気的に接続されていることを特徴とする請求項7または8に記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記セラミックグリーン積層体内部において周辺端部の非回路形成部に導通状態を監視するために設けられた内部ダミー導体が、導体で充填されたビア電極を介してセラミックグリーン積層体の表面周辺端部の非回路形成部に設けられた前記ダミー導体に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 略矩形のセラミックグリーン積層体の周囲四辺のうち少なくとも一辺側において、
前記セラミックグリーン積層体の端部の非回路形成部に、
少なくとも一方の主面に形成された一方の表面ダミー導体、および/または他方の主面に形成された他方の表面ダミー導体とを有していることを特徴とするセラミックグリーン積層体。 - 前記一方の表面ダミー導体と、前記他方の表面ダミー導体とを電気的に接続するビア電極を有していることを特徴とする請求項11に記載のセラミックグリーン積層体。
- 前記一方の表面ダミー導体および/または前記他方の表面ダミー導体と前記ビア電極を介して電気的に接続された内部ダミー導体を備えていることを特徴とする請求項11または12に記載のセラミックグリーン積層体。
- 前記一方の表面ダミー導体および/または前記他方の表面ダミー導体が前記一辺側に沿って、離間して複数設けられていることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載のセラミックグリーン積層体。
- 前記離間して複数設けられている表面ダミー導体、および/または内部ダミー導体が複数の離間したビア電極と接続された複数の導体電極群をなしており、前記導体電極群が互いに電気的に独立していること特徴とする請求項14に記載のセラミックグリーン積層体。
- 複数設けられた前記一方の表面ダミー導体または他方の表面ダミー導体のうち、最も離れたダミー導体間の距離が前記一辺の長さの1/3以上であることを特徴とする請求項14または15に記載のセラミックグリーン積層体。
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JP2007100187A JP2008258465A (ja) | 2007-04-06 | 2007-04-06 | セラミック多層基板の製造方法およびセラミックグリーン積層体 |
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CN117202485A (zh) * | 2023-09-20 | 2023-12-08 | 赛维精密科技(广东)有限公司 | 一种fpcb线路板、组合模切生产工艺及生产设备 |
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CN117202485B (zh) * | 2023-09-20 | 2024-04-02 | 赛维精密科技(广东)有限公司 | 一种fpcb线路板、组合模切生产工艺及生产设备 |
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