JP2008256602A - 断層画像処理方法および装置ならびにプログラム - Google Patents

断層画像処理方法および装置ならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】光トモグラフィー計測により効率的に断層画像を生成する。
【解決手段】OCT計測により干渉信号ISが取得されたとき、式(1)に示す補償テーブルRTを用いて干渉信号ISの振幅方向の補償と位相方向の補償とが同時に行われる。次に、断層情報取得手段53において、補償後の干渉信号IS10から断層情報r(z)が取得され、断層画像生成手段54により断層情報r(z)を用いて断層画像Pが生成される。そして、断層画像Pが画像出力手段55により表示装置60に表示される。
【選択図】図4

Description

本発明は、OCT(Optical Coherence Tomography)計測により光断層画像を生成する断層画像処理方法および装置ならびにプログラムに関するものである。
従来、生体組織の光断層画像を取得する際に、OCT計測を利用した光断層画像取得装置を用いることが提案されている。たとえば眼底や前眼部、皮膚の断層画像を取得する場合の他に、光プローブを用いる動脈血管壁の観察、内視鏡の鉗子チャンネルから光プローブを挿入する消化器管の観察など、様々な部位に応用されている。この光断層画像取得装置では、光源から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、該測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光、もしくは後方散乱光と参照光とを合波し、該反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得する。以下、測定対象からの反射光、後方散乱光をまとめて反射光と標記する。
上記のOCT計測には、大きくわけてTD−OCT(Time domain OCT)計測とFD(Fourier Domain)−OCT計測の2種類がある。TD−OCT(Time domain OCT)計測は、参照光の光路長を変更しながら干渉光強度を測定することにより、測定対象の深さ方向の位置(以下、深さ位置という)に対応した反射光強度分布を取得する方法である。
一方、FD(Fourier Domain)−OCT計測は、参照光と信号光の光路長は変えることなく、光のスペクトル成分毎に干渉光強度を測定し、ここで得られたスペクトル干渉強度信号を計算機にてフーリエ変換に代表される周波数解析を行うことで、深さ位置に対応した反射光強度分布を取得する方法である。TD―OCTに存在する機械的な走査が不要となることで、高速な測定が可能となる手法として、近年注目されている。FD(Fourier Domain)−OCT計測を行う装置構成で代表的なものとしては、SD−OCT(Spectral Domain OCT)装置とSS−OCT(Swept source OCT)の2種類が挙げられる(たとえば特許文献1、非特許文献1参照)。
上述したFD−OCT計測により取得される干渉信号は光源ユニットから射出される光のスペクトル強度成分と干渉成分とが乗算された状態で検出される。したがって、干渉信号から干渉成分のみを抽出するため、干渉信号からスペクトル成分を除去する必要がある。
また、SS−OCT計測の場合、干渉信号は時間変化(波長変化)に対する干渉強度が干渉信号として検出される。一方、干渉信号にフーリエ変換等の周波数解析を施すことにより断層情報を取得するためには波数変化に対する干渉強度からなる干渉信号が必要となり、特許文献1に示すような信号変換を行う必要がある。
米国第5956355号明細書 特開2005−283155号公報
このように、検出された干渉信号から断層情報(反射率)を取得するためには、干渉信号の振幅方向の前処理と干渉信号の位相方向の前処理とを施す必要がある。しかし、干渉信号の上述したような振幅方向の前処理と位相方向の前処理とはそれぞれ別々に行われているため、干渉信号の前処理に手間が掛かってしまい断層情報の取得および断層画像の生成の効率が悪いという問題がある。
そこで、本発明は、効率よく断層画像の取得を行うことができる断層画像処理方法および装置ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の光断層画像処理方法は、光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波し、反射光と参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、検出した干渉信号を用いて測定対象の断層情報を取得し断層画像を生成する断層画像処理方法において、干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを補償テーブルを用いて同時に行い、補償した干渉信号から測定対象の断層情報を取得し、取得した断層情報を用いて断層画像を生成することを特徴とするものである。
本発明の光断層画像処理装置は、光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波し、反射光と参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、検出した干渉信号を用いて測定対象の断層情報を取得し断層画像を生成する断層画像処理装置において、干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを補償テーブルを用いて同時に行う信号補償手段と、信号補償手段により補償された干渉信号から測定対象の断層情報を取得する断層情報取得手段と、断層情報取得手段により取得された断層情報を用いて断層画像を生成する断層画像生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の光断層画像処理プログラムは、光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と参照光とを合波し、反射光と参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出したとき、コンピュータに、干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを補償テーブルを用いて同時に行い、補償した干渉信号から測定対象の断層情報を取得し、取得した断層情報を用いて断層画像を生成することを特徴とするものである。
ここで、反射光とは、測定対象からの反射光および後方散乱光を意味する。
また、振幅の補償は、たとえば光のスペクトル強度成分と干渉成分とが重なり合って出力された干渉信号からスペクトル強度成分を除去し干渉成分を抽出するような補償を行うようにしてもよい。
なお、信号補償手段は、干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを同時に行うものであればいずれの振幅の補償、位相の補償を行うものであってもよい。たとえば干渉信号が波長毎の干渉強度を示す信号であるとき、信号補償手段は波数毎の干渉強度に変換するような位相の補償を行うようにしてもよい。また、信号補償手段が測定対象における光の分散による位相のずれを補償するものであってもよい。
また、補償テーブルは振幅の補償と位相の補償とを同時に行うことができるものであればよく、たとえば下記式(1)あるいは下記式(2)に示すようなものであってもよい。
Figure 2008256602
Figure 2008256602
なお、断層情報取得手段は、干渉信号から各深さ位置における断層情報を取得するものであればその方法は問わず、たとえばフーリエ変換処理、最大エントロピー法、Yule−Walker法等のスペクトル解析により断層情報を取得するようにしてもよい。
なお、光は所定の波長帯域内において波長を掃引しながら周期的に射出されたものであって、いわゆるSS−OCT計測により断層画像を取得するものであってもよいし、所定の波長帯域からなる低コヒーレンス光を射出するものであって、いわゆるSD−OCT計測により断層画像を取得するものであってもよい。
本発明の断層画像処理方法および装置ならびにプログラムによれば、光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と参照光とを合波し、反射光と参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出したとき、補償テーブルを用いて干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを同時に行い、補償した干渉信号から測定対象の断層情報を取得し、取得した断層情報を用いて断層画像を生成することにより、振幅の補償と位相の補償とを別々に行う場合に比べて効率的な断層画像処理を行うことができる。
なお、上記式(1)もしくは(2)に示すように、信号補償手段が干渉信号からスペクトル強度成分を除去し干渉成分を抽出する振幅の補償と、信号補償手段が波長毎の干渉強度からなる干渉信号を波数毎の干渉強度に変換し、測定対象における光の分散により生じた位相ずれを補償する位相の補償とを同時に行うものであるとき、高速に振幅の補償と位相の補償と同時に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の断層画像処理装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の断層画像処理装置を用いた光断層画像化システム1の好ましい実施の形態を示す模式図である。光断層画像化システム1は、たとえば体腔内の生体組織や細胞等の測定対象の断層画像PをSS−OCT(Spectral Domain OCT)計測により取得するものであって、光Lを射出する光源ユニット310と、光源ユニット310から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段3と、光分割手段により分割された測定光L1が測定対象Sの各深さ位置において反射したときの反射光(後方散乱光)と参照光L2とを合波する合波手段4と、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を干渉信号ISとして検出する干渉信号検出手段40と、干渉信号検出手段40により検出された干渉信号ISから断層画像を生成する断層画像処理装置50とを備えている。
光源ユニット310は、所定の波長帯域Δλ内において一定の周期Tで掃引させながらレーザ光Lを射出するものである。具体的には光源ユニット310は、半導体光増幅器(半導体利得媒質)311と光ファイバFB10とを有しており、光ファイバFB10が半導体光増幅器311の両端に接続された構造を有している。半導体光増幅器311は駆動電流の注入により微弱な放出光を光ファイバFB10の一端側に射出するとともに、光ファイバFB10の他端側から入射された光を増幅する機能を有している。そして、半導体光増幅器311に駆動電流が供給されたとき、半導体光増幅器311および光ファイバFB10により形成される光共振器によりパルス状のレーザ光Lが光ファイバFB1へ射出されるようになっている。
さらに、光ファイバFB10には光分岐器312が結合されており、光ファイバFB10内を導波する光の一部が光分岐器312から光ファイバFB11側へ射出されるようになっている。光ファイバFB11から射出した光はコリメータレンズ313、回折格子素子314、光学系315を介して回転多面鏡(ポリゴンミラー)316において反射される。そして反射された光は光学系315、回折格子素子314、コリメータレンズ313を介して再び光ファイバFB11に入射される。
ここで、この回転多面鏡316は矢印R1方向に回転するものであって、各反射面の角度が光学系315の光軸に対して変化するようになっている。これにより、回折格子素子314において分光された光のうち、特定の波長の光だけが再び光ファイバFB11に戻るようになる。この光ファイバFB11に戻る光の波長は光学系315の光軸と反射面との角度によって決まる。そして光ファイバFB11に入射した特定の波長の光が光分岐器312から光ファイバFB10に入射され、結果として特定の波長のレーザ光Lが光ファイバFB1側に射出されるようになっている。
したがって、回転多面鏡316が矢印R1方向に等速で回転したとき、再び光ファイバFB11に入射される光の波長λは、時間の経過に伴って一定の周期Tで変化することになる。こうして光源ユニット310からは、図2に示すように、波長帯域Δλ内において一定の周期Tで波長掃引されたレーザ光Lが光ファイバFB1側に射出される。なお、このレーザ光Lは図3に示すようなスペクトル強度を有する光となる。
光分割手段3は、たとえば2×2の光カプラから構成されており、光源ユニット310から光ファイバFB1を介して導波した光Lを測定光L1と参照光L2に分割する。光分割手段3は、2本の光ファイバFB2、FB3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2により導波され、参照光L2は光ファイバFB3により導波される。なお、本実施形態における光分割手段3は、合波手段4としても機能するものである。
光ファイバFB2には光プローブ30が光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2から光プローブ30へ導波される。光プローブ30は、たとえば鉗子口から鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、光学コネクタ31により光ファイバFB2に対し着脱可能に取り付けられている。光プローブ30は、シース内の光ファイバが矢印θ方向に回転することにより、測定対象Sに対し測定光L1を矢印θ方向に走査しながら照射する。また、光プローブ30は測定対象Sに測定光L1を照射したときの測定対象Sからの反射光L3を合波手段4側に導波する。
一方、光ファイバFB3における参照光L2の射出側には光路長調整手段20が配置されている。光路長調整手段20は、測定対象Sに対する測定開始位置を調整するために、参照光L2の光路長を変えるものであって、コリメータレンズ21および反射ミラー22を有している。そして、光ファイバFB3から射出した参照光L2はコリメータレンズ21を透過した後、反射ミラー22により反射され、再びコリメータレンズ21を介して光ファイバFB3に入射される。
ここで、反射ミラー22は可動ステージ23上に配置されており、可動ステージ23はミラー駆動手段24により矢印A方向に移動可能に設けられている。そして可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、参照光L2の光路長が変更するよう構成されている。
合波手段4は、2×2の光カプラからなり、光路長調整手段20により光路長の変更が施された参照光L2と測定対象Sからの反射光L3とを合波するとともに2分し、光ファイバFB1、FB4を介して干渉信号検出手段40側に射出するように構成されている。
干渉信号検出手段40は、たとえばフォトダイオード等からなっており、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出し干渉信号ISとして出力するものである。なお本例の装置は、干渉光L4を合波手段4(光ファイバカプラ)4で二分した干渉光L4をそれぞれ光検出器40aと40bに導き、バランス検波を行う機構を有している。
次に、上述した光断層画像化システム1の動作例について説明する。まず、可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長の調整が行われる。その後、光源ユニット10から光Lが射出され、光Lは光分割手段3により測定光L1と参照光L2とに分割される。測定光L1は光プローブ30により体腔内に導波され測定対象Sに照射される。そして、測定対象Sからの反射光L3が反射ミラー22において反射した参照光L2と合波手段4により合波され、反射光L3と参照光L2との干渉光L4が干渉信号ISとして干渉信号検出手段40により検出される。
そして、光プローブ30内の光ファイバを矢印θ方向に回転させることにより、測定対象Sに対して測定光L1を矢印θ方向に走査させる。すると、この走査方向に沿った各部分において測定対象Sの深さ方向(測定光L1の光軸方向z)の情報が得られる。よって、断層画像処理装置50において、この複数の干渉信号ISから断層画像Pが取得されることになる。なお、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向(光プローブ30の長手方向)に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像Pをさらに取得することも可能である。
図4は本発明の断層画像処理装置の好ましい実施の形態を示すブロック図であり、図4を参照して断層画像処理装置50について説明する。なお、図4のような断層画像処理装置50の構成は、補助記憶装置に読み込まれた断層画像処理プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。このとき、この断層画像処理プログラムは、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。断層画像処理装置50は、干渉信号取得手段51、信号補償手段52、断層情報取得手段53、断層画像生成手段54、画像出力手段55を有している。
干渉信号取得手段51は干渉信号検出手段40において検出された干渉信号ISを取得するものである。信号補償手段52は下記式(1)に示す補償テーブルRTを用いて干渉信号ISの振幅の補償と干渉信号の位相の補償とを同時に行い、補償後の干渉信号IS10を生成するものである。
Figure 2008256602
ここで、上記式(1)による干渉信号ISの振幅の補償(縦軸方向の補償)について説明する。光源ユニット10から射出される光Lは、全波長帯域Δλにおいて一様なスペクトル強度にはなっておらず、図3に示すように波長によってスペクトル強度の異なる形状を有している。したがって、干渉信号取得手段51において取得される干渉信号ISは図5(A)のような光Lのスペクトル成分と図5(B)のような反射光L3と参照光L2とが干渉したときの干渉成分とが重なり合い、図6のような状態で出力される。一方、測定対象Sの各深さ位置における断層情報r(z)を有しているのは干渉成分であるため、干渉信号ISから干渉成分を抽出することが必要となる。
具体的には、図7に示すように、サンプリング点{ck}={c1, …, ck-1, ck, ck+1, …, cn }における干渉強度{xk}={x1, …, xk-1, xk, xk+1, …, xn }を干渉信号ISとして出力されるものであって、サンプリング点c(干渉強度x)おける光Lのスペクトル強度をs(k=1〜n、サンプリング数)とする。なお、このスペクトル強度sは図5(A)に示すような光源ユニット310から射出される光Lのスペクトル形状を予め調べておく。このとき、各干渉強度xは、x=s×yで表すことができ、下記式(1−1)により干渉信号ISから干渉成分のみを抽出することができる。
=x/s ・・・(1-1)
次に、式(1)による干渉信号ISの位相の補償(横軸方向の補償)について説明する。干渉信号検出手段40は時間毎の干渉強度を干渉信号ISとして検出し、干渉信号取得手段51はこの干渉信号ISを取得する。なお、光源ユニット310から射出される光Lは、一定の周期Tで波長掃引するものであるため(図2参照)、結果として干渉信号ISは波長毎の干渉強度として出力される。一方、後段の断層情報取得手段53は、波数k(=2π/λ)について等間隔でサンプリングされている干渉強度を用いて周波数解析するものである。したがって、波長毎の干渉強度を示す干渉信号ISから波数毎の干渉強度を示す干渉信号ISに位相変換する必要がある。
さらに、測定対象Sにおける屈折率の波長依存性により位相がずれる場合がある。すなわち、光が物質中を通るとき、光の見かけの光路長は真空中を通る場合と比較してn(1≦n)倍となる。nは屈折率と呼ばれる。屈折率は物質によって異なり物質が同じであっても光の波数により異なる。そして、屈折率の波長依存性の影響を受けない干渉光L4は図8中の波線で示すようになるのに対し、吸収特性等の影響を受けた干渉光L4(干渉信号IS)は図8中の実線で示すように位相がずれた状態で出力されてしまう。この屈折率の波長依存性による位相のずれを補償する必要がある。
具体的には、図9のように、干渉信号ISはサンプリング点{ck}={c1, …, ck-1, ck, ck+1, …, cn }における干渉強度{xk}={x1, …, xk-1, xk, xk+1, …, xn }からなるものであるとする。なお、干渉信号ISは干渉信号検出手段40において一定のサンプリング周期で光電変換されサンプリングされたものであるため各サンプリング点{ck}は等間隔に配列されている。
ここで、補償後の干渉信号IS10が各サンプリング点{bk}={b1, …, bk-1, bk, bk+1, …, bn}、各サンプリング点bkの干渉強度{yk}={y1, …, yk-1, yk, yk+1, …, yn }であるとする。なお、図10のように、サンプリング点{bk}は波数k=2π/λにおいて等間隔となるように設定されているため、サンプリング点ckの干渉強度xkが等間隔に配列される空間においてはサンプリング点bkにおける干渉強度ykは等間隔に配列されない。また、サンプリング点bkはサンプリング点ck以上ck+1未満(ck ≦bk <ck+1)になるように設定されている。したがって、サンプリング点ck+1−ck=1としたとき、0≦tk<1(tk =bk−ck)となる。
サンプリング点ckの干渉強度xkからなる干渉信号ISからサンプリング点bkの干渉強度ykからなる補償後の干渉信号IS10を線形補間により求めると、下記式(1−2)のようになる。
yk=(1−tk)xk+tk xk+1 ・・・(1-2)
そして式(1-1)および式(1-2)から上記式(1)が導出される。
このように、振幅の補償を行う式(1−1)と位相の補償を行う式(1−2)とを組み合わせた式(1)で示される補償テーブルRTを用いて干渉信号の補正を行うことにより、光源ユニット310のスペクトル形状の補償、波長掃引特性の補償および分散・吸収特性の補償を同時に行うことができるため結果として効率的に断層画像Pの生成を行うことができる。
なお、式(1)および式(1−2)において位相補償は線形補間により行う場合について例示しているが、スプライン補間により行うようにしてもよい。たとえばC−スプライン補間を用いた場合、補償後の干渉強度ykは上記式(1−2)に代えて、
Figure 2008256602
となる。
そして、上記式(1−1)および式(1−3)から下記式(2)が導出される。
Figure 2008256602
この式(2)の補償テーブルRTであっても、上述のような干渉信号ISに対し振幅の補償と位相の補償とを同時に行うことができ、効率的な信号補償を行うことができる。
図4の断層情報取得手段53は、信号補償手段52において生成された干渉信号IS10を用いて、測定対象Sの各深さ位置における断層情報r(z)を取得するものである。ここで、断層情報取得手段53は、たとえばフーリエ変換処理、最大エントロピー法(MEM)、Yule−Walker法等の公知のスペクトル解析技術を用いて、深さ方向zの断層情報(反射率)を取得する。さらに、断層情報取得手段53は、干渉信号検出手段40において1ライン分の干渉信号ISが検出される度に、1ライン分の断層情報r(z)を取得していく。
断層画像生成手段54は、断層情報取得手段53により逐次取得された複数ライン分の断層情報から1枚の断層画像を生成するものである。具体的には、断層画像生成手段54は、図1の光源ユニット310における波長掃引1周期分の干渉信号ISから得られた断層情報r(z)を1ライン分の断層情報r(z)として記憶してゆく。さらに、光プローブ30により測定光L1が測定対象Sに対し走査されながら照射されたときに、断層画像生成手段54は逐次取得される複数の断層情報r(z)を記憶していく。その後、断層画像生成手段54は、記憶していたnライン分の断層情報r(z)を用いて断層画像Pを生成する。画像出力手段55は、断層画像生成手段54により生成された断層画像Pを図1の表示装置60に表示することになる。
図11は本発明の断層画像処理方法の好ましい実施の形態を示すフローチャートであり、図1から図11を参照して断層画像処理方法の一例について説明する。まず、干渉信号取得手段51において干渉信号ISが取得され(ステップST1)、信号補償手段52において式(1)に示す補償テーブルRTを用いて干渉信号ISにおける振幅方向の補償と位相方向の補償とが同時に行われる(ステップST2)。次に、断層情報取得手段53において、補償後の干渉信号IS10から断層情報r(z)が取得される(ステップST3)。そして、断層画像生成手段54により断層情報r(z)を用いて断層画像Pが生成され、断層画像Pが画像出力手段55により表示装置60に表示される(ステップST4)。
上記実施の形態によれば、上記式(1)もしくは(2)に示すような補償テーブルRTを用いて干渉信号ISの振幅の補償と位相の補償とを同時に行い、補償した干渉信号IS10から測定対象Sの断層情報r(z)を取得し、取得した断層情報r(z)を用いて断層画像Pを生成することにより、振幅の補償と位相の補償とを別々に行う場合に比べて効率的な断層画像処理を行うことができる。
本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。たとえば、位相の補償について、式(1)の線形補間を用いた場合、式(2)のスプライン補間を用いた場合について例示しているが、他の公知の手法により位相の補償を行うようにしてもよい。
また、上記式(1)、(2)において、振幅補償として光Lのスペクトル強度に対する補償を行う場合について例示しているが、測定対象Sの吸収特性に対する補償を行うようにしてもよい。すなわち、物質にはある波長の光を吸収してしまう特性があり、この光の吸収の仕方は入射する物質によって異なり、物質が同じであっても光の波数(波長)により異なる。よって物質に入射した測定光L1が物質との相互作用によって吸収されることにより反射光L3が減衰し、結果として干渉信号ISの振幅が見かけ上低下してしまう場合がある。一方、たとえば測定対象Sの成分の大部分は水であるというように、測定対象Sの詳細な断層構造(どの深さにどの物質が存在するか)はわからなくても測定対象S全体としての吸収特性は予め計測することができる。そこで、あらかじめ水等の測定対象S全体の吸収特性を計測し、測定対象Sの吸収特性に基づいて振幅の補償を行う。具体的には、式(1−1)において干渉強度xkに吸収係数gkを乗算するものであり(y=x・gk/s)、これに対応して式(1)、(2)においても干渉強度xkに吸収係数gkが乗算されることになる。
また、上記実施の形態において断層画像処理装置50をいわゆるSS−OCT計測に適用した場合について例示しているが、図12に示すようなSD−OCT計測を用いた光断層画像化システムについても同様に適用することができる。なお、図12においては、光源ユニット110は、広帯域な低コヒーレンス光を射出するものであり、干渉信号検出手段140において、干渉光L4がレンズ41介して回折格子素子42に入射され、回折格子素子42において各波長帯域毎に分光された後、レンズ43を介して複数の光検出素子(フォトダイオード等)が配列された光検出部44によって干渉信号ISとして検出されることになる。
図12のようなSD−OCT計測による光断層画像化システムであっても、上記SS−OCT計測の場合と同様、光断層画像化システム1に用いられる光ファイバ等の光学部品の波長依存特性や測定対象Sの波長分散特性等に起因するノイズ成分等が含まれている場合がある。さらに、SD−OCT計測特有の問題として、ディテクタアレイ等に構成された光検出部44によって干渉信号ISを観測する場合、各ディテクタの波長検出特性により光検出部44が観測する干渉光L4の所定の波長帯域が波長(周波数)について線形になっていない場合があり、この場合にも分解能の劣化が生じる。
このとき、上述した式(1)もしくは式(2)に示すような干渉信号ISに対する振幅の補償および位相の補償を同時に行うことにより、効率的に断層情報r(z)の取得および断層画像Pの生成を行うことができる。
本発明の補償テーブル生成装置が適用される光断層画像化システムの好ましい実施の形態を示す概略構成図 図1の光源ユニットから射出される光の波長が掃引される様子を示すグラフ 図1の光断層画像化システムに使用される光プローブの一例を示す模式図 本発明の断層画像処理装置の好ましい実施形態を示すブロック図 図4の干渉信号取得手段において取得される干渉信号の一例を示すグラフ 図4の干渉信号取得手段において取得される干渉信号の一例を示すグラフ 干渉信号の振幅を補償する様子を示す模式図 図4の干渉信号取得手段において取得される干渉信号の干渉信号の位相がずれた状態を示すグラフ 干渉信号の位相を補償する様子を示す模式図 補償前の干渉信号のサンプリング点と補償後の干渉信号のサンプリング点の位置ずれを示す模式図 本発明の断層画像処理方法の好ましい実施形態を示すフローチャート 本発明の断層画像処理装置が適用される光断層画像化システムの別の一例を示す模式図
符号の説明
1 光断層画像化システム
310 光源ユニット
30 光プローブ
40 干渉信号検出手段
50 断層画像処理装置
51 干渉信号取得手段
52 信号補償手段
53 断層情報取得手段
54 断層画像生成手段
55 画像出力手段
60 表示装置
IS 干渉信号
IS10 補償後の干渉信号
L 光
L1 測定光
L2 参照光
L3 反射光
L4 干渉光
P 断層画像
r(z) 断層情報
RT 補償テーブル
S 測定対象

Claims (8)

  1. 光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光が前記測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、検出した該干渉信号を用いて前記測定対象の断層情報を取得し断層画像を生成する断層画像処理方法において、
    前記干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを補償テーブルを用いて同時に行い、
    補償した前記干渉信号から前記測定対象の断層情報を取得し、
    取得した前記断層情報を用いて断層画像を生成する
    ことを特徴とする断層画像処理方法。
  2. 光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した前記測定光が前記測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、検出した前記干渉信号を用いて前記測定対象の断層情報を取得し断層画像を生成する断層画像処理装置において、
    前記干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを補償テーブルを用いて同時に行う信号補償手段と、
    該信号補償手段により補償された前記干渉信号から前記測定対象の断層情報を取得する断層情報取得手段と、
    該断層情報取得手段により取得された前記断層情報を用いて断層画像を生成する断層画像生成手段と
    を備えたことを特徴とする断層画像処理装置。
  3. 前記干渉信号が前記光のスペクトル強度成分と干渉成分とが重なり合った信号であり、前記信号補償手段が前記干渉信号から前記スペクトル強度成分を除去し前記干渉成分を抽出する前記振幅の補償を行うものであることを特徴とする請求項2記載の断層画像処理装置。
  4. 前記干渉信号が波長毎の干渉強度を示す信号からなり、前記信号補償手段が前記干渉信号を波数毎の干渉強度に変換する前記位相の補償を行うものであることを特徴とする請求項2または3記載の断層画像処理装置。
  5. 前記信号補償手段が前記測定対象の分散特性により生じる位相のずれを補償するものであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の断層画像処理装置。
  6. 前記補償テーブルが下記式(1)であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の断層画像処理装置。
    Figure 2008256602
  7. 前記補償テーブルが下記式(2)であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の断層画像処理装置。
    Figure 2008256602
  8. 光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した前記測定光が前記測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光とが合波したときの干渉光を干渉信号として検出したとき、
    コンピュータに、
    前記干渉信号の振幅の補償と位相の補償とを補償テーブルを用いて同時に行い、
    補償した前記干渉信号から前記測定対象の断層情報を取得し、
    取得した前記断層情報を用いて断層画像を生成する
    ことを実行させるための断層画像処理プログラム。
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