JP2008255883A - ロッカーアーム - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗や焼付きが生じにくく耐久性に優れたロッカーアームを提供する。
【解決手段】カム2の回転に対応して揺動運動するロッカーアーム1は、カム2に当接するローラ6と、複数の針状ころ8の転動を介してローラ6を回転自在に支持する支持軸5と、支持軸5が固定された揺動部材3と、を備えている。そして、針状ころ8の両端面と揺動部材3の支持壁部4の壁面4aとの接触を防ぐ鉄系材料製の保護部材9が、針状ころ8の両端面と支持壁部4の壁面4aとの間に備えられている。保護部材9の表面のうち針状ころ8の端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されている。
【選択図】図1

Description

本発明はロッカーアームに係り、特に、内燃機関の燃料噴射装置や給排気弁駆動装置等の被駆動部品に好適に使用されるロッカーアームに関する。
エンジン内部での摩擦低減を図り、燃料消費率を低減することを目的として、クランクシャフトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁の開閉運動に変換する部分に、往復揺動運動するロッカーアームを利用することが一般的に行われている。
このようなロッカーアームの構造としては、例えば特許文献1,2に開示のものがある。すなわち、エンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフトに固定したカムに対向して、このカムの動きを受けて揺動運動するロッカーアームが設けられている。このロッカーアームの端部には、一対の支持壁部が互いに間隔を開けて設けられており、この一対の支持壁部の間には鋼製の支持軸が掛け渡されている。この支持軸は、カムの外周面に当接するローラの貫通孔に挿通されており、支持軸の外周面とローラの貫通孔の内周面との間に転動自在に配された複数の針状ころを介してローラを回転自在に支持している。
エンジンの運転時には、針状ころの両端面と、この端面に対向する支持壁部の壁面とが接触するので、支持壁部の壁面が摩耗するおそれがある。そこで、特許文献1,2に開示のロッカーアームにおいては、支持壁部の壁面の摩耗を防ぐために、針状ころの両端面と、この端面に対向する支持壁部の壁面との間に、金属製の保護部材が配されている。
実公平4−44803号公報 実公平6−25606号公報
しかしながら、ローラ,支持軸,及び針状ころからなる軸受部分の取り付け精度や使用状態によっては、この軸受部分に軸方向の高荷重が負荷されるため、接触する針状ころの両端面と保護部材との間で摩耗や焼付きが生じるおそれがあった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、摩耗や焼付きが生じにくく耐久性に優れたロッカーアームを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1のロッカーアームは、カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、前記ローラの端面が前記揺動部材に接触することを防ぐ鉄系材料製の保護部材と、を備えるとともに、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2のロッカーアームは、カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、前記ローラの端面が前記揺動部材に接触することを防ぐ鉄系材料製の保護部材と、を備えるとともに、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
このような構成であれば、前記処理により形成された潤滑被膜によって金属間接触が抑制されるので、ローラの端面(端面とは軸方向端部の面である)と保護部材とが接触しても保護部材に摩耗や焼付きが生じにくい。また、潤滑被膜を形成する前記処理により軟質な残留オーステナイトが分解され硬質なマルテンサイトへ変化している(残留オーステナイト量が減少している)ため、保護部材の表面が靱性を損なうことなく強化されており、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、軸方向の高荷重が負荷される条件下で使用されても、ロッカーアームは耐久性に優れている。
潤滑被膜が被覆されている部分が面積率で75%未満であると、ロッカーアームの寿命が不十分となるおそれがある。一方、95%超過としても、それ以上の長寿命化は期待できないばかりか、潤滑被膜が脱落しやすくなる。潤滑被膜が脱落すると、異物となって音響不良及び振動を引き起こすおそれがある。
また、残留オーステナイト量の減少率が処理前の量の10%未満であると(すなわち、処理前の量の90%以上が残留オーステナイトとして残存していると)、保護部材の表面が十分に強化されないおそれがある。一方、70%超過であると(すなわち、残存している残留オーステナイトの量が処理前の量の30%未満であると)、保護部材の表面が脆くなり、かえって表面損傷が生じやすくなるおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項3のロッカーアームは、カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、を備えるとともに、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4のロッカーアームは、カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、を備えるとともに、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
ロッカーアームに保護部材を設けることができない場合には、揺動部材の表面に前記処理を施せばよい。前記処理により形成された潤滑被膜によって金属間接触が抑制されるので、ローラの端面と揺動部材とが接触しても揺動部材に摩耗や焼付きが生じにくい。また、潤滑被膜を形成する前記処理により軟質な残留オーステナイトが分解され硬質なマルテンサイトへ変化している(残留オーステナイト量が減少している)ため、揺動部材の表面が靱性を損なうことなく強化されており、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、軸方向の高荷重が負荷される条件下で使用されても、ロッカーアームは耐久性に優れている。
潤滑被膜が被覆されている部分が面積率で75%未満であると、ロッカーアームの寿命が不十分となるおそれがある。一方、95%超過としても、それ以上の長寿命化は期待できないばかりか、潤滑被膜が脱落しやすくなる。潤滑被膜が脱落すると、異物となって音響不良及び振動を引き起こすおそれがある。
また、残留オーステナイト量の減少率が処理前の量の10%未満であると(すなわち、処理前の量の90%以上が残留オーステナイトとして残存していると)、揺動部材の表面が十分に強化されないおそれがある。一方、70%超過であると(すなわち、残存している残留オーステナイトの量が処理前の量の30%未満であると)、揺動部材の表面が脆くなり、かえって表面損傷が生じやすくなるおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項5のロッカーアームは、請求項1又は請求項2に記載のロッカーアームにおいて、前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記保護部材は、前記ローラの端面及び前記転動体の端面の少なくとも一方が前記揺動部材に接触することを防いでいて、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項6のロッカーアームは、請求項1又は請求項2に記載のロッカーアームにおいて、前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記保護部材は、前記ローラの端面及び前記転動体の端面の少なくとも一方が前記揺動部材に接触することを防いでいて、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
ローラと支持軸との間に転動体が配されている場合には、転動体の端面(端面とは軸方向端部の面である)と保護部材とが接触するおそれがあるので、保護部材の表面のうちローラの端面又は転動体の端面と接触する面に前記処理を施すとよい。前記処理により形成された潤滑被膜によって金属間接触が抑制されるので、ローラの端面又は転動体の端面と保護部材とが接触しても保護部材に摩耗や焼付きが生じにくい。また、潤滑被膜を形成する前記処理により軟質な残留オーステナイトが分解され硬質なマルテンサイトへ変化している(残留オーステナイト量が減少している)ため、保護部材の表面が靱性を損なうことなく強化されており、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、軸方向の高荷重が負荷される条件下で使用されても、ロッカーアームは耐久性に優れている。なお、転動体の例としては、前記ローラとほぼ同様の形状の円筒状部材や複数のころ(針状ころ,円筒ころ等)があげられる。
さらに、本発明に係る請求項7のロッカーアームは、請求項1,2,5,6のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記潤滑被膜の厚さは0.1μm以上8μm以下であることを特徴とする。
このような構成であれば、ロッカーアームがより長寿命となる。潤滑被膜の厚さが0.1μm未満であると、潤滑性が不十分となるおそれがある。一方、潤滑被膜の厚さが8μm超過であると、潤滑被膜の強度が不十分となり脱落しやすくなる。潤滑被膜が脱落すると、異物となって音響不良及び振動を引き起こすおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項8のロッカーアームは、請求項1,2,5,6,7のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記保護部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分に、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成したことを特徴とする。
このような構成であれば、ディンプル内に固体潤滑剤が充填され、潤滑被膜が被覆された部分と潤滑被膜との密着性が向上するため、ディンプルがない場合と比較してロッカーアームがより長寿命となる。このような効果を十分に得るためには、ディンプルの深さを0.1μm以上とすることが好ましい。ただし、ディンプルの深さを5μm超過としても、それ以上の効果は期待できないので、ディンプルの深さは5μm以下とすることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項9のロッカーアームは、請求項1,2,5,6,7,8のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記保護部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分は、中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
このような構成であれば、長寿命であるとともに、ロッカーアームの音響特性が良好である。中心線平均粗さRaが0.5μm超過であると、潤滑条件が厳しくなり、表面起点型の剥離が発生する場合がある。なお、中心線平均粗さRaを上記のような値としても、潤滑被膜の形成能力が著しく低下することはない。
さらに、本発明に係る請求項10のロッカーアームは、請求項1,2,5,6,7,8,9のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記保護部材は、SUJ2製で浸炭窒化処理,ズブ焼入れ,若しくは高周波焼入れ処理が施されたもの、又は、SCM420若しくはSCr420製で浸炭窒化処理若しくは浸炭処理が施されたものであることを特徴とする。
このような熱処理が施された鉄系材料は、残留オーステナイト量が十分に確保されており、さらにその後に施される前記処理よって表面残留オーステナイトが分解され適量とされるので、靱性を損なうことなく強化されている。よって、ロッカーアームは耐久性に優れている。
さらに、本発明に係る請求項11のロッカーアームは、請求項1,2,5,6,7,8,9,10のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記保護部材の厚さが0.2mm以上0.7mm以下であることを特徴とする。
保護部材の厚さが0.2mm未満であると、製造管理が困難で高コストとなるという不都合が生じるおそれがある。一方、保護部材の厚さが0.7mm超過であると、保護部材を配するためのスペースが大となるという不都合が生じるおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項12のロッカーアームは、請求項3又は請求項4に記載のロッカーアームにおいて、前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項13のロッカーアームは、請求項3又は請求項4に記載のロッカーアームにおいて、前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする。
ローラと支持軸との間に転動体が配されている場合には、転動体の端面と揺動部材とが接触するおそれがあるので、揺動部材の表面のうちローラの端面又は転動体の端面と接触する面に前記処理を施すとよい。前記処理により形成された潤滑被膜によって金属間接触が抑制されるので、ローラの端面又は転動体の端面と揺動部材とが接触しても揺動部材に摩耗や焼付きが生じにくい。また、潤滑被膜を形成する前記処理により軟質な残留オーステナイトが分解され硬質なマルテンサイトへ変化している(残留オーステナイト量が減少している)ため、揺動部材の表面が靱性を損なうことなく強化されており、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、軸方向の高荷重が負荷される条件下で使用されても、ロッカーアームは耐久性に優れている。なお、転動体の例としては、前記ローラとほぼ同様の形状の円筒状部材や複数のころ(針状ころ,円筒ころ等)があげられる。
さらに、本発明に係る請求項14のロッカーアームは、請求項3,4,12,13のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記潤滑被膜の厚さは0.1μm以上8μm以下であることを特徴とする。
このような構成であれば、ロッカーアームがより長寿命となる。潤滑被膜の厚さが0.1μm未満であると、潤滑性が不十分となるおそれがある。一方、潤滑被膜の厚さが8μm超過であると、潤滑被膜の強度が不十分となり脱落しやすくなる。潤滑被膜が脱落すると、異物となって音響不良及び振動を引き起こすおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項15のロッカーアームは、請求項3,4,12,13,14のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記揺動部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分に、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成したことを特徴とする。
このような構成であれば、ディンプル内に固体潤滑剤が充填され、潤滑被膜が被覆された部分と潤滑被膜との密着性が向上するため、ディンプルがない場合と比較してロッカーアームがより長寿命となる。このような効果を十分に得るためには、ディンプルの深さを0.1μm以上とすることが好ましい。ただし、ディンプルの深さを5μm超過としても、それ以上の効果は期待できないので、ディンプルの深さは5μm以下とすることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項16のロッカーアームは、請求項3,4,12,13,14,15のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記揺動部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分は、中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
このような構成であれば、長寿命であるとともに、ロッカーアームの音響特性が良好である。中心線平均粗さRaが0.5μm超過であると、潤滑条件が厳しくなり、表面起点型の剥離が発生する場合がある。なお、中心線平均粗さRaを上記のような値としても、潤滑被膜の形成能力が著しく低下することはない。
さらに、本発明に係る請求項17のロッカーアームは、請求項3,4,12,13,14,15,16のいずれか一項に記載のロッカーアームにおいて、前記揺動部材は、SUJ2製で浸炭窒化処理,ズブ焼入れ,若しくは高周波焼入れ処理が施されたもの、又は、SCM420若しくはSCr420製で浸炭窒化処理若しくは浸炭処理が施されたものであることを特徴とする。
このような熱処理が施された鉄系材料は、残留オーステナイト量が十分に確保されており、さらにその後に施される前記処理よって表面残留オーステナイトが分解され適量とされるので、靱性を損なうことなく強化されている。よって、ロッカーアームは耐久性に優れている。
本発明のロッカーアームは、摩耗や焼付きが生じにくく耐久性に優れている。
本発明に係るロッカーアームの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、ロッカーアームを軸方向に沿う面で破断した場合の断面図である。なお、以降に示す各図においては、同一又は相当する部分には同一の符号を付してある。
図1のロッカーアーム1は、エンジン内部での摩擦低減を図り燃料消費率を低減することを目的として、クランクシャフトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁の開閉運動に変換する部分に利用されるものである。
エンジンのクランクシャフト(図示せず)と同期して回転するカムシャフト(図示せず)に固定されたカム2に対向して、このカム2の回転に対応して揺動運動するロッカーアーム1が配置されている。このロッカーアーム1は、カム2に当接するローラ6と、ローラ6を回転自在に支持する支持軸5と、支持軸5が固定された揺動部材3(ロッカーアーム1の本体をなす部材である)と、を備えている。揺動部材3の材質は特に限定されるものではないが、鋼等の鉄系材料や軽合金が好適である。
揺動部材3の端部には一対の支持壁部4,4が互いに間隔を開けて設けられており、この一対の支持壁部4,4の間には、鉄系材料製で中空又は中実の支持軸5が掛け渡されている。支持軸5の両端部には焼入れは施されておらず、支持軸5を支持壁部4,4に固定する際には、この非焼入れ部を支持壁部4,4に形成した通孔7,7に嵌入して加締め付ける。
この支持軸5は、ローラ6の中心部に設けられた貫通孔に挿通されており、支持軸5の外周面とローラ6の貫通孔の内周面との間に転動自在に配された複数の針状ころ8を介して、ローラ6を回転自在に支持している。
そして、軸方向の荷重が負荷されると、針状ころ8の両端面と支持壁部4の壁面4aとが接触して壁面4aに摩耗や焼付きが生じるおそれがあるので、該接触を防ぐ鉄系材料製の保護部材9,9が、針状ころ8の両端面と支持壁部4の壁面4aとの間に備えられている。この保護部材9は、円輪状のワッシャのような部材であり、その中心穴に支持軸5を挿通することにより、回転可能に取り付けられている。なお、この保護部材9の中心穴の内周面に、支持軸5との摺接部に潤滑油を導入するための切り欠きを設けてもよい。
円輪状の保護部材9の直径は、図1の例では、針状ころ8の端面と支持壁部4の壁面4aとの接触を防ぐことが可能な大きさであるが、図2のようにさらに大径として、針状ころ8の端面及びローラ6の端面の両方と支持壁部4の壁面4aとの接触を防ぐことが可能な大きさとしてもよい。さらに、図3のような略コ字状の保護部材9で、針状ころ8の端面及びローラ6の端面の両方と支持壁部4の壁面4aとの接触を防いでもよい。
図3の保護部材9は、中央部の両側から腕部が屈曲して延びて略コ字状をなしており、両腕部に設けられた貫通孔に支持軸5が挿通されることにより取り付けられている。そして、略コ字状の保護部材9の内側にローラ6及び針状ころ8を収容するように配して、針状ころ8の端面及びローラ6の端面の両方が支持壁部4の壁面4aに接触することを両腕部が防いでいる。
ローラ6,支持軸5,及び針状ころ8からなる軸受部分の取り付け精度や使用状態によっては、この軸受部分に軸方向の高荷重が負荷されるため、接触する針状ころ8(あるいはローラ6)の両端面と保護部材9との間で摩耗や焼付きが生じるおそれがある。そこで、保護部材9の表面のうちローラ6の端面又は針状ころ8の端面と接触する面には、以下のような処理が施されている。すなわち、面積率で75%以上(あるいは75%以上95%以下)の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理である。
このような処理により形成された潤滑被膜(図示せず)によって金属間接触が抑制されるので、ローラ6の端面や針状ころ8の端面と保護部材9とが接触しても保護部材9に摩耗や焼付きが生じにくい。また、潤滑被膜を形成する前記処理により軟質な残留オーステナイトが分解され硬質なマルテンサイトへ変化している(残留オーステナイト量が減少している)ため、保護部材9の表面が靱性を損なうことなく強化されており、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、軸方向の高荷重が負荷される条件下で使用されても、ロッカーアーム1は耐久性に優れている。
この潤滑被膜の厚さは、0.1μm以上8μm以下であることが好ましい。また、保護部材9の表面のうち少なくとも潤滑被膜が被覆された部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成することが好ましい。さらに、保護部材9の表面のうち少なくとも潤滑被膜が被覆された部分は、中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。さらに、保護部材9は、SUJ2製で浸炭窒化処理,ズブ焼入れ,若しくは高周波焼入れ処理が施されたもの、又は、SCM420若しくはSCr420製で浸炭窒化処理若しくは浸炭処理が施されたものであることが好ましい。あるいは、SK5製でズブ焼入れが施されたもの、又は、SCM415製で浸炭処理が施されたものでもよい。さらに、保護部材9の厚さは、0.2mm以上0.7mm以下であることが好ましい。
ここで、面積率で75%以上(あるいは75%以上95%以下)の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理について説明する。このような処理の例としては、固体潤滑剤のショットピーニング処理があげられる。
ショット材である固体潤滑剤には、JIS R6001に規定された平均粒径45μmの錫粉又は平均粒径3μmの二硫化モリブデン粉を用い、噴射圧力196〜882kPa、噴射時間10〜20minの条件で、ショット材を処理面に噴射した。なお、一度に処理する保護部材の量は1〜6kgとした。
潤滑被膜の面積率を測定する方法は、以下の通りである。電子線マイクロアナライザーにより、処理面を2000倍の倍率で30視野観察した。そして、一辺200μmの正方形部分を1000倍に拡大した場合に、ショット材(例えば錫)の特性X線強度が潤滑被膜を被覆する前の特性X線強度の10倍以上である領域に潤滑被膜が被覆されているとし、その結果を画像解析して潤滑被膜の面積率を導出し、その結果を平均した。
また、潤滑被膜の厚さを測定する方法は、以下の通りである。まず、潤滑被膜の保護を目的として、熱硬化性樹脂であるポリアミドイミドをピロリンドンに溶解した溶液を処理面に塗布し、175℃で2時間保持して硬化させた。次に、潤滑被膜を保護した保護部材を切断し、その切断片をエポキシ樹脂に埋め込んで、切断面をバフ研磨で鏡面仕上げし、さらに3%ピクラール溶液で5秒間腐食を行なった。そして、スパッタにより表面にナノオーダーのクロム層を被覆して通電性を持たせた後、電子顕微鏡で5000倍の倍率で30視野観察した。
電子顕微鏡観察では、固体潤滑剤の種類により2次電子線像と反射電子線像とを使い分け、膜厚を明瞭に確認することに努めた。すなわち、各視野について、横方向に被覆面が横断されるように観察し、そして縦方向に6分割を行い、この5点の平均値を求め、この平均値をその視野の潤滑被膜の厚さとした。そして、30視野の潤滑被膜の厚さの平均値を求めた。
なお、本実施形態においては固体潤滑剤として錫や二硫化モリブデンを用いたが、固体潤滑剤の種類は特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン,フッ素樹脂,ナイロン,ポリアセタール,ポリオレフィン,ポリエステル,ポリテトラフルオロエチレン,金属石鹸,二硫化モリブデン,二硫化タングステン,窒化ホウ素,黒鉛,フッ化カルシウム,フッ化バリウム,錫合金が使用可能である。ただし、不純物による潤滑被膜の潤滑性の低下や潤滑被膜の剥離を抑制するためには、高純度の固体潤滑剤を用いることが好ましいので、純度99%以上のものが好ましい。
また、潤滑被膜を被覆した後に微小硬度計を用いて表面硬さを測定したところ、潤滑被膜が被覆された処理面は、最表面から2〜15μmの深さ位置までの部分の硬さが勾配を有していた。そして、最も硬い部分の硬さは、固体潤滑剤のショットピーニング処理前の硬さに比べて5〜20%向上していた。
このような処理を行うと、表面に潤滑被膜が被覆されるとともに、ショットピーニング処理の加工エネルギーによって残留オーステナイトが分解されマルテンサイトに変化する。残留オーステナイト量の減少率は、以下のようにして測定することができる。まず、処理後の最表面の残留オーステナイト量を、X線分析装置を用いて測定した。なお、X線分析装置により測定すると、測定表面より約20μm深い位置に分布する残留オーステナイト量(体積%)が測定される。
次に、電解研磨により表面から10μmずつ研磨し、その都度出現する表面(研磨面)の残留オーステナイト量をX線分析装置を用いて測定することにより、10μm間隔の残留オーステナイト量のプロファイルを作成した。そして、このプロファイルを100μm深さまで作成し、該プロファイル中で残留オーステナイト量の最大値を処理前の初期残留オーステナイト量とした。
そして、処理後の残留オーステナイト量を前述の初期残留オーステナイト量で除することにより、処理後の残留オーステナイト量の割合(百分率)を算出し、算出された値を百から減じて導出される値が、処理により減少した残留オーステナイト量の割合(減少率)となる。
このような処理を施す前に、被処理面に深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成してもよい。ディンプルの形成方法は特に限定されるものではないが、例えばショットピーニング処理やバレル処理により行うことができる。なお、このディンプルを形成する処理によっても、前述と同様に残留オーステナイトを分解させることができる。
ショットピーニング処理は、具体的には、JIS R6001に規定された平均粒径45μmの鋼球,SiC,SiO2 ,Al2 3 ,ガラスビーズ等を用い、前述の固体潤滑剤のショットピーニング処理と同様の条件でショットピーニング処理するとよい。バレル処理は、種々のメディアや添加剤を配合したものを用いて処理面に大きな凹凸を形成する粗加工と、プラトー部の粗さを整える仕上げ加工とを行う。なお、処理面には、ショットピーニング処理とバレル処理との両方を施してもよい。
ディンプルの深さを測定する方法は、以下の通りである。三次元非接触表面形状計測機により、処理面を100倍の倍率で30視野観察し、得られた画像を断面プロファイルに変換した。そして、X方向及びY方向それぞれの5つの断面において、ディンプルの深さを測定し、その結果を平均した。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、転動体である針状ころ8の転動を介してローラ6が支持軸5に回転自在に支持されていたが、針状ころ8の代わりに、ローラ6とほぼ同様の形状で小径な円筒状部材を転動体として用いてもよい(いわゆるダブルローラタイプのロッカーアームである)。この場合は、保護部材9の表面のうちローラ6の端面又は前記円筒状部材の端面と接触する面に、前述の処理を施せばよい。
また、転動体を備えておらず、ローラ6が支持軸5に直接支持されている、いわゆるシングルローラタイプのロッカーアームでもよい。この場合は、保護部材9の表面のうちローラ6の端面と接触する面に、前述の処理を施せばよい。
さらに、本実施形態においては、ロッカーアーム1は保護部材9を備えていたが、ロッカーアーム1に保護部材9を設けることができない場合(図4を参照)には、揺動部材3の表面(支持壁部4の壁面4a)に前記処理を施せばよい。すなわち、揺動部材3の表面のうちローラ6の端面又は針状ころの端面8と接触する面に、面積率で75%以上(あるいは75%以上95%以下)の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理を施せばよい。
そうすれば、該処理により形成された潤滑被膜によって金属間接触が抑制されるので、ローラ6の端面や針状ころ8の端面と揺動部材3とが接触しても揺動部材3に摩耗や焼付きが生じにくい。また、潤滑被膜を形成する前記処理により軟質な残留オーステナイトが分解され硬質なマルテンサイトへ変化している(残留オーステナイト量が減少している)ため、揺動部材3の表面が靱性を損なうことなく強化されており、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、軸方向の高荷重が負荷される条件下で使用されても、ロッカーアーム1は耐久性に優れている。
揺動部材3の表面に前記処理を施す場合も、前述の保護部材9を備えている場合と同様に、潤滑被膜の厚さは0.1μm以上8μm以下であることが好ましい。また、揺動部材3の表面のうち少なくとも潤滑被膜が被覆された部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成することが好ましい。さらに、揺動部材3の表面のうち少なくとも潤滑被膜が被覆された部分は、中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。さらに、揺動部材3は、SUJ2製で浸炭窒化処理,ズブ焼入れ,若しくは高周波焼入れ処理が施されたもの、又は、SCM420若しくはSCr420製で浸炭窒化処理若しくは浸炭処理が施されたものであることが好ましい。さらに、図4の場合においても、ロッカーアームを前述のシングルローラタイプやダブルローラタイプとすることができる。
さらに、本実施形態においては、揺動部材3の端部に設けられた2つの支持壁部4,4の間に支持軸5が掛け渡されていたが、図5,6に示すように支持壁部4は1つでもよい。すなわち、揺動部材3の端部に1つの支持壁部4が設けられており、その支持壁部4に支持軸5の一端が固定されていてもよい。この場合には、支持軸5の他端には、ローラ6や針状ころ8が抜け落ちることを防ぐ抜け止め部材11を取り付ける必要がある(この抜け止め部材11は、図5のような筒状でもよいし、図6のような板状でもよい)。
なお、図5,6においては保護部材は備えていないが、保護部材を備えていても差し支えないことは勿論である。図5,6のように保護部材は備えていない場合は、抜け止め部材11の表面のうちローラ6の端面又は針状ころの端面8と接触する面に、前記処理を施すとよい。また、図5,6の場合においても、ロッカーアームを前述のシングルローラタイプやダブルローラタイプとすることができる。
本発明に係るロッカーアームの一実施形態を示す断面図である。 本発明に係るロッカーアームの変形例を示す断面図である。 本発明に係るロッカーアームの別の変形例を示す断面図である。 本発明に係るロッカーアームの別の変形例を示す断面図である。 本発明に係るロッカーアームの別の変形例を示す断面図である。 本発明に係るロッカーアームの別の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 ロッカーアーム
2 カム
3 揺動部材
4 支持壁部
4a 壁面
5 支持軸
6 ローラ
8 針状ころ
9 保護部材

Claims (17)

  1. カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、前記ローラの端面が前記揺動部材に接触することを防ぐ鉄系材料製の保護部材と、を備えるとともに、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とするロッカーアーム。
  2. カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、前記ローラの端面が前記揺動部材に接触することを防ぐ鉄系材料製の保護部材と、を備えるとともに、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とするロッカーアーム。
  3. カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、を備えるとともに、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とするロッカーアーム。
  4. カムの回転に対応して揺動運動するロッカーアームにおいて、前記カムに当接するローラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、前記支持軸が固定された揺動部材と、を備えるとともに、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とするロッカーアーム。
  5. 前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記保護部材は、前記ローラの端面及び前記転動体の端面の少なくとも一方が前記揺動部材に接触することを防いでいて、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロッカーアーム。
  6. 前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記保護部材は、前記ローラの端面及び前記転動体の端面の少なくとも一方が前記揺動部材に接触することを防いでいて、前記保護部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロッカーアーム。
  7. 前記潤滑被膜の厚さは0.1μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1,2,5,6のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  8. 前記保護部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分に、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成したことを特徴とする請求項1,2,5,6,7のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  9. 前記保護部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分は、中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1,2,5,6,7,8のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  10. 前記保護部材は、SUJ2製で浸炭窒化処理,ズブ焼入れ,若しくは高周波焼入れ処理が施されたもの、又は、SCM420若しくはSCr420製で浸炭窒化処理若しくは浸炭処理が施されたものであることを特徴とする請求項1,2,5,6,7,8,9のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  11. 前記保護部材の厚さが0.2mm以上0.7mm以下であることを特徴とする請求項1,2,5,6,7,8,9,10のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  12. 前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のロッカーアーム。
  13. 前記ローラと前記支持軸との間に転動体が配され、前記転動体の転動を介して前記ローラが前記支持軸に回転自在に支持されており、前記揺動部材の表面のうち前記ローラの端面又は前記転動体の端面と接触する面には、面積率で75%以上95%以下の部分に固体潤滑剤で構成された潤滑被膜を被覆し且つ前記表面の残留オーステナイト量を10%以上70%以下減少させる処理が施されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のロッカーアーム。
  14. 前記潤滑被膜の厚さは0.1μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項3,4,12,13のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  15. 前記揺動部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分に、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを形成したことを特徴とする請求項3,4,12,13,14のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  16. 前記揺動部材の表面のうち少なくとも前記潤滑被膜が被覆された部分は、中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項3,4,12,13,14,15のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
  17. 前記揺動部材は、SUJ2製で浸炭窒化処理,ズブ焼入れ,若しくは高周波焼入れ処理が施されたもの、又は、SCM420若しくはSCr420製で浸炭窒化処理若しくは浸炭処理が施されたものであることを特徴とする請求項3,4,12,13,14,15,16のいずれか一項に記載のロッカーアーム。
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